JP2011015528A - 送電線保護用電流差動継電装置 - Google Patents

送電線保護用電流差動継電装置 Download PDF

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俊之 梶原
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Abstract

【課題】系統条件に依らず、且つ保護性能を損なわない分岐負荷の励磁突入電流対策を行うことができる送電線保護用電流差動継電装置を提供する。
【解決手段】自端電流を計測する自端電流計測部200aと、計測した自端電流を対向端継電装置に送信する自端電流送信部200bと、対向端電流を受信する対向端電流受信部200cを設けると共に、差電流生成部201によって、自端電流と対向端電流の差を求めるように構成する。励磁突入電流判定要素20として含有率算出部202と判定部203を設け、この含有率算出部202において、差電流に含まれる基本波成分及び第2高調波成分を抽出し、基本波成分に対する第2高調波成分の含有率を算出する。また、判定部203において、前記含有率が所定の値より大きいか否かを判定し、その判定結果に基づいて、出力阻止部204によって出力阻止信号をセットし、電流差動継電器要素の出力阻止を行う。
【選択図】図2

Description

本発明は、電力系統の送電線保護に用いられる送電線保護用電流差動継電装置に関するものである。
まず、本発明の適用対象について図11を用いて説明する。8、9は継電装置設置端子、10、11は保護区間内にある需要家、配変などの分岐負荷変電所であって、端子10、11には継電装置が設置されていないものとする。このように多端子送電系統のうち分岐負荷が繋がる端子に保護装置が設置されないケースは、システムの経済性などの事情により特に低位系でよく見られる。
端子10、11にはそれぞれ受電用変圧器12、13がある。端子8、9には送電線の電流を測定するための計器用変流器14a、14bが、また系統の電圧を測定するための計器用変圧器15a、15bがそれぞれに設置されている。端子8に設置された継電装置16aには、前記計器用変流器14a、計器用変圧器15aから電圧・電流が供給され、端子9に設置された継電装置16bには、前記計器用変流器14b、計器用変圧器15bから電圧・電流が供給され、それぞれの継電装置16a、16bにて内部事故と判定した場合には、それぞれの遮断器17a、17bに遮断指令を出力する。17c、17dはそれぞれ端子10、11の遮断器である。
なお、図11は一例を示すものであり、端子数、端子10、11に設置される変圧器台数などについては本質的な差異はない。また、継電装置16a、16bは、互いに伝送系を介して相手端の電流情報等を知ることができるものである。
また、図12は継電装置16a、16bの主な構成要素と保護シーケンスの概要を示したものである。すなわち、主検出継電器要素18は電流差動方式(比率差動方式とも云う)とし、故障検出継電器要素19が付加される場合には、前記主検出継電器要素18とは原理が異なる方式として、両要素18、19の出力の論理積にて遮断指令が出力されるのが一般的である。
また、図11に示したように、継電装置を設置しない端子が存在する系統では、継電装置の動作域を決める最小動作感度の整定について、次の点を考慮する必要がある。
(a)区間内事故の最小事故電流で動作する整定とする。
(b)常時、端子10、11から流出する電流(端子10、11の潮流和)で動作しない整定とする。
(c)端子10、11の変圧器2次側事故で動作しない整定とする。
(d)端子10、11の変圧器で生じる励磁突入電流で動作しない整定とする。
最小動作感度が上記(a)〜(d)を満たして決められればよいが、満たさない場合には事故検出感度を低下させるか、分岐負荷対策を行う必要がある。また、上記(d)に関して、一般に変圧器の励磁突入電流は変圧器容量の10倍近くもの波高値が発生し、さらに複数台の変圧器で一斉に発生することを考慮すると、これら励磁突入電流を内部事故電流と誤認識することを避けるためには、保護継電装置の感度を相当低下させる必要がある。
従って、分岐負荷対策の従来技術としては、系統電圧の大きさによって事故検出感度を変化させる電圧抑制付き電流差動継電方式(分岐負荷容量が小さい場合に効果的)や、電源端の遮断器投入検出時には、一定時間、事故検出感度を低下させる感度切換方式(特許文献1参照)などが考えられている。
特開平5−252645号公報
電気協同研究 第50巻 第1号 第二世代ディジタルリレー 平成6年4月
上述したように、分岐負荷投入時に励磁突入電流が発生した場合に、電流差動要素の出力を阻止するための従来技術には、適用のための系統条件に制約があったり、一定時間、保護性能の低下を招くといった問題点があった。
本発明は、上述したような従来技術の問題点を解消するために提案されたものであって、その目的は、系統条件に依らず、且つ保護性能を損なわない分岐負荷の励磁突入電流対策を行うことができる送電線保護用電流差動継電装置を提供することにある。
本発明の概要は、継電装置設置端子に新たに設ける機能構成であり、設置された継電装置が保護責務を持つ内部事故が発生した場合の内部事故電流と、分岐負荷変圧器に流れる励磁突入電流との基本波に対する第2高調波の含有率の違いから、内部事故電流か励磁突入電流かを判断するものである。
一般に、励磁突入電流には高調波成分、特に第2高調波成分が多く含まれていることが知られている。このことに着目し、継電装置にて観測する各端子の電流から基本波および第2高調波成分を抽出して含有率を算出し、この算出された含有率がある範囲にあれば励磁突入電流と判断するものである。
すなわち、本発明は、電流情報を取得できない分岐負荷を有する送電線の自端と各対向端の電流情報から算出される差電流が所定の動作条件を満たすときに動作する電流差動継電器要素を備えた送電線保護用電流差動継電装置において、分岐負荷変圧器に励磁突入電流が発生したか否かを判定する励磁突入電流判定要素を備え、この励磁突入電流判定要素による判定結果に基づいて、論理積にて前記電流差動継電器要素の出力を阻止するように構成されていることを特徴とするものである。
また、本発明は、前記励磁突入電流判定要素として、前記差電流に含まれる基本波成分と第2高調波成分を抽出し、前記基本波成分に対する前記第2高調波成分の含有率を算出する算出手段と、前記含有率が所定の範囲であれば分岐負荷変圧器の励磁突入電流であると判定する判定手段とを備え、この判定手段によって励磁突入電流であると判定された場合には、前記電流差動継電器要素の出力を阻止する出力阻止手段を備えたことを特徴とするものである。
上記のような構成を有する本発明によれば、一定時間ごとに取得した自端電流及び対向端電流に基づいて「励磁突入電流」であるか否かを判定することができるので、分岐負荷変圧器に励磁突入電流が流れる間だけ、電流差動継電器要素の出力を阻止することが可能となるため、保護性能の低下を防ぐことができる。
以上のような本発明によれば、系統条件に依らず、且つ保護性能を損なわない分岐負荷の励磁突入電流対策を行うことができる送電線保護用電流差動継電装置を提供することができる。
本発明に係る送電線保護用電流差動継電装置の電流差動継電器要素の出力を阻止する保護シーケンスを示す図である。 本発明に係る送電線保護用電流差動継電装置の実施例1の構成を示すブロック図である。 実施例1における処理の流れを示すフローチャートである。 本発明に係る送電線保護用電流差動継電装置の実施例2の構成を示すブロック図である。 実施例2における処理の流れを示すフローチャートである。 本発明に係る送電線保護用電流差動継電装置の実施例3の構成を示すブロック図である。 本発明に係る送電線保護用電流差動継電装置の実施例4の構成を示すブロック図である。 本発明に係る送電線保護用電流差動継電装置の実施例5の構成を示すブロック図である。 本発明に係る送電線保護用電流差動継電装置の実施例6の構成を示すブロック図である。 本発明に係る送電線保護用電流差動継電装置の実施例7の構成を示すブロック図であり、(A)は3相のうちいずれかで励磁突入電流と判定された場合に、判定された相の電流差動継電器要素のみを出力阻止するように構成したもの、(B)は3相のうちいずれかで励磁突入電流と判定された場合でも、3相すべての電流差動継電器要素を出力阻止するように構成したものである。 分岐負荷端子を有する電力系統図である。 従来の送電線保護装置の保護シーケンスを示す図である。
以下、本発明に係る送電線保護用電流差動継電装置(以下、継電装置という)の実施例について、図面を参照して説明する。なお、図11及び図12に示した従来型と同一の部材には同一の符号を付して、説明は省略する。
(1−1)実施例1の構成
本発明に係る継電装置においては、図1に示すように、主検出継電器要素18は電流差動方式とされ、さらに励磁突入電流判定要素20が付加されている。なお、以下の説明においては、前記主検出継電器要素を電流差動継電器要素ともいう。そして、前記励磁突入電流判定要素20による判定結果に基づいて、論理積にて前記電流差動継電器要素18の出力を阻止するように構成されている。なお、このシーケンスについては、以下に述べる全ての実施例において共通である。
次に、図2を用いて実施例1の構成について説明する。すなわち、本実施例の継電装置16a、16bにおいては、自端電流を計測する自端電流計測部200aと、計測した自端電流を対向端継電装置に送信する自端電流送信部200bと、対向端電流を受信する対向端電流受信部200cが設けられ、これらにより自端電流及び対向端電流を収集することができるように構成されている。また、差電流生成部201によって、前記自端電流と対向端電流の差を求めるように構成されている。
なお、前記自端電流計測部200a、自端電流送信部200b、対向端電流受信部200c及び差電流生成部201は、前記電流差動継電器要素18にも必要な構成部材であり、励磁突入電流判定要素20のために個別に設ける必要はない。
また、本実施例においては、前記励磁突入電流判定要素20として、含有率算出部202と判定部203が設けられている。この含有率算出部202において、前記差電流生成部201によって求められた差電流Idに含まれる基本波成分Id(1f)及び第2高調波成分Id(2f)が抽出され、基本波成分に対する第2高調波成分の含有率R2fが算出される。また、判定部203において、前記含有率R2fが所定の値Kより大きいか否かが判定され、その判定結果に基づいて、出力阻止部204によって出力阻止信号がセットされ、前記電流差動継電器要素18の出力阻止を行うように構成されている。
(1−2)実施例1の作用
図3は、本実施例の継電装置16a、16bにおける励磁突入電流判定要素20による判定動作の概略を示すフローチャートである。まず、変流器14a、14bで計測された電流値を取得する(S11)と共に、対向端継電装置と計測電流を送受信することにより対向端電流値を取得し(S12)、得られた自端及び対向端の電流計測値に基づいて差電流Idを生成する(S13)。次に、S14において、生成された差電流Idに含まれる基本波成分Id(1f)及び第2高調波成分Id(2f)を算出し、基本波成分に対する第2高調波成分の含有率R2fを求め(S15)、得られた含有率に基づいて、この含有率R2fが所定のしきい値Kより大きいか否かを判定する(S16)。
すなわち、基本波成分Id(1f)に対する第2高調波成分Id(2f)が所定のしきい値Kより大きければ「励磁突入電流」であると判定し、励磁突入電流判定要素20の出力を「1」とし、自端阻止信号を“ON”とする(S17)。一方、基本波に対する第2高調波成分が所定のしきい値Kより小さい場合には、励磁突入電流判定要素20の出力を「0」とし、自端阻止信号を“OFF”とする(S18)。なお、上記S11〜S18の処理は、一定時間ごとに実施されるように構成されている。
(1−3)実施例1の効果
以上のような本実施例によれば、一定時間ごとに取得した自端電流及び対向端電流に基づいて「励磁突入電流」であるか否かを判定することができるので、分岐負荷変圧器に励磁突入電流が流れる間だけ、電流差動継電器要素18の出力を阻止することが可能となるため、保護性能の低下を防ぐことができる。
(2−1)実施例2の構成
本実施例は上記実施例1の変形例であって、図4に示すように、実施例1との違いは、差電流生成部201で生成された差電流を一定時間後の演算のために保存する差電流保存部201aと、差電流データベース(DB)201bと、一定時間前の差電流を取り出す保存差電流取出し部201cが追加されると共に、一定時間前の差電流と現在の差電流との差から差電流変化分を生成する差電流変化分生成部205が追加されたことである。ここで、「一定時間」とは、例えば基本周波数の1サイクル分などである。その他の構成は上記実施例1と同様であるので、説明は省略する。
(2−2)実施例2の作用・効果
図5は、本実施形態の継電装置16a、16bにおける励磁突入電流判定要素20による判定動作の概略を示すフローチャートである。すなわち、図5に示すように、差電流を生成するまでの処理(S11〜S13)は実施例1と同じであるが、本実施例においては、生成された差電流が差電流DB201bに保存される(S131)。
次に、S132において、差電流DB201bから取り出された一定時間前の差電流と現在の差電流との差を取ることで差電流変化分ΔIdが生成される(S133)。続いて、S14において、生成された差電流変化分に含まれる基本波成分ΔId(1f)及び第2高調波成分ΔId(2f)が算出され、基本波成分に対する第2高調波成分の含有率R2fが求められる(S15)。S16以下は実施例1と同じである。以上のような本実施例でも、実施例1と同一の効果を得ることができる。
(3−1)実施例3の構成
本実施例は上記実施例1の変形例であって、実施例1と同様に自端電流および対向端電流から励磁突入電流の有無を判定するものであり、図6に示すように、実施例1との違いは、差電流生成部201が不要となり、励磁突入電流判定要素20に、計測した自端電流を取得する自端電流取得部206と、受信した対向端電流を取得する対向端電流取得部207が設けられ、自端含有率算出部202aと対向端含有率算出部202bとがそれぞれ別個に設けられていることである。
(3−2)実施例3の作用・効果
本実施例においても実施例1と同様に自端電流および対向端電流を取得し、取得した自端電流を演算用電流として生成し、基本波成分および第2高調波成分を算出し、自端含有率を求める。同様に対向端電流から対向端含有率を求める。なお、自端含有率、対向端含有率のいずれも実施例1と同様の処理にて実現可能である。
続いて、自端含有率および対向端含有率のそれぞれについて所定の値より大きいか否かを判定し、自端含有率あるいは対向端含有率の少なくともいずれかで所定の値より大きい場合には「励磁突入電流」であると判定し、励磁突入電流判定要素20の出力を「1」とし、自端阻止信号を“ON”とする。一方、自端含有率あるいは対向端含有率の両方が所定の値より小さい場合には、励磁突入電流判定要素20の出力を「0」とし、自端阻止信号を“OFF”とする。以上のような本実施例でも、実施例1と同一の効果を得ることが可能である。
(4−1)実施例4の構成
本実施例は上記実施例2及び実施例3の変形例であって、自端電流の一定時間中の変化分および対向端電流の一定時間中の変化分から励磁突入電流判定を行うものである。
すなわち、本実施例においては、図7に示すように、実施例3と同様に、計測した自端電流を取得する自端電流取得部206と、受信した対向端電流を取得する対向端電流取得部207が設けられている。また、自端電流保存部206aと、自端電流データベース(DB)206bと、一定時間前の自端電流を取り出す保存自端電流取出し部206cが設けられると共に、対向端電流保存部207aと、対向端電流データベース(DB)207bと、一定時間前の対向端電流を取り出す保存対向端電流取出し部207cが設けられている。
また、一定時間前の自端電流と現在の自端電流との差から自端電流変化分を生成する自端電流変化分生成部208と、一定時間前の対向端電流と現在の対向端電流との差から対向端電流変化分を生成する対向端電流変化分生成部209とが設けられ、さらに、自端含有率算出部202aと対向端含有率算出部202bとがそれぞれ別個に設けられている。ここで、「一定時間」とは、例えば基本周波数の1サイクル分などである。
(4−2)実施例4の作用・効果
本実施例においては、上記実施例2と同様に、自端電流変化分と対向端電流変化分とから自端含有率と対向端含有率を求める。判定部203において、この自端含有率および対向端含有率のそれぞれについて所定の値より大きいか否かを判定し、自端含有率あるいは対向端含有率の少なくともいずれかで所定の値より大きい場合には「励磁突入電流」であると判定し、励磁突入電流判定要素20の出力を「1」とし、自端阻止信号を“ON”とする。一方、自端含有率あるいは対向端含有率の両方が所定の値より小さい場合には、励磁突入電流判定要素20の出力を「0」とし、自端阻止信号を“OFF”とする。以上のような本実施例でも、実施例1と同一の効果を得ることが可能である。
(5−1)実施例5の構成
本実施例における保護継電装置16a、16bの具体的構成例を図8に示す。本実施例は、自端計測電流のみで励磁突入電流であるか否かの判定演算を行うため、励磁突入電流判定要素20には対向端計測電流を必要としない。ただし、自端で励磁突入電流であると判定した場合に、対向端に対して出力阻止信号を送出する対向端出力阻止送信部210が設けられると共に、対向端の保護装置から対向端出力阻止信号を受信する対向端出力阻止受信部211が設けられている。
なお、上記実施例4の変形例として、自端電流の一定時間中の変化分から励磁突入電流の有無を判定することも可能であるが、実施例3で示した自端電流変化分生成部に関わる部分と同様のため説明を省略する。
(5−2)実施例5の作用・効果
基本的な処理は実施例3と同様であるが、対向端電流による含有率判定は行わない。なお、自端電流に励磁突入電流が含まれていると判定すれば、自端継電装置の電流差動継電器要素18の出力を阻止すると共に、対向端継電装置へも電流差動継電器要素の阻止信号を送信する。また、励磁突入電流でないと判定されても対向端から自端に対して出力阻止信号が送信された場合には、自端電流差動継電器要素18の出力を阻止する。以上のような本実施例によれば、自端の計測電流のみで実施例1と同等の効果を得ることが可能である。
(6−1)実施例6の構成
本実施例における保護継電装置16a、16bの具体的構成例を図9に示す。本実施例では、自端計測電流から自端含有率を算出することは実施例5と同様である。ただし、得られた自端含有率を対向端に送信する自端含有率送信部212と、対向端からの対向端含有率受信部213が必要となる。
(6−2)実施例6の作用・効果
基本的な処理は実施例3と同様であるが、対向端含有率は対向端の保護装置から受信し、受信した値を用いて判定処理を行う。以上のような本実施例によれば、自端の計測電流のみで実施例1と同等の効果を得ることが可能である。
(7−1)実施例7の構成
図10は、上記実施例1〜実施例6を適用した場合の保護シーケンスを示したものであり、上記各実施例に示した分岐負荷対策が実装されていれば、特別なハードを追加せずに実現可能である。
(7−2)実施例7の作用・効果
すなわち、図10(A)に示したように、3相のうちいずれかで励磁突入電流と判定された場合、判定された相に関する電流差動継電器要素18のみを出力阻止するように構成しても良い。すなわち、含有率が所定の値以上にならなかった相については電流差動継電器要素18の出力阻止は実施されない。
一方、出力阻止を確実に行うための方式として、図10(B)に示したように、3相のうちいずれかで励磁突入電流と判定された場合、すべての相に関する電流差動継電器要素18を出力阻止するように構成しても良い。すなわち、含有率が所定の値以上にならなかった相についても電流差動継電器要素18の出力阻止が実施される。以上のように本実施例によれば、分岐負荷投入時の励磁突入電流によって動作することのない保護継電装置を得ることができる。
8、9…継電器設置端子
10、11…継電器非設置端子(分岐負荷端子)
12、13…受電用変圧器
14a、14b…計器用変流器
15a、15b…計器用変圧器
16a、16b…送電線保護装置
17a、17b、17c、17d…遮断器
18…電流差動継電器要素(主検出継電器要素)
20…励磁突入電流判定要素
200a…自端電流計測部
200b…自端電流送信部
200c…対向端電流受信部
201…差電流生成部
201a…差電流保存部
201b…差電流データベース
201c…保存差電流取出し部
202…含有率算出部
202a…自端含有率算出部
202b…対向端含有率算出部
203…判定部
204…出力阻止部
205…差電流変化分生成部
206…自端電流取得部
206a…自端電流保存部
206b…自端電流データベース
206c…保存自端電流取出し部
207…対向端電流取得部
207a…対向端電流保存部
207b…対向端電流データベース
207c…保存対向端電流取出し部
208…自端電流変化分生成部
209…対向端電流変化分生成部

Claims (10)

  1. 電流情報を取得できない分岐負荷を有する送電線の自端と各対向端の電流情報から算出される差電流が所定の動作条件を満たすときに動作する電流差動継電器要素を備えた送電線保護用電流差動継電装置において、
    分岐負荷変圧器に励磁突入電流が発生したか否かを判定する励磁突入電流判定要素を備え、
    この励磁突入電流判定要素による判定結果に基づいて、論理積にて前記電流差動継電器要素の出力を阻止するように構成されていることを特徴とする送電線保護用電流差動継電装置。
  2. 前記励磁突入電流判定要素が、前記差電流に含まれる基本波成分と第2高調波成分を抽出し、前記基本波成分に対する前記第2高調波成分の含有率を算出する算出手段と、前記含有率が所定の範囲であれば分岐負荷変圧器の励磁突入電流であると判定する判定手段とを備え、
    前記判定手段によって励磁突入電流であると判定された場合には、前記電流差動継電器要素の出力を阻止する出力阻止手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の送電線保護用電流差動継電装置。
  3. 前記励磁突入電流判定要素が、一定時間前の差電流と現在の差電流との差から差電流変化分を生成する差電流変化分生成部と、前記差電流変化分に含まれる基本波成分と第2高調波成分を抽出し、前記基本波成分に対する前記第2高調波成分の含有率を算出する算出手段と、前記含有率が所定の範囲であれば分岐負荷変圧器の励磁突入電流であると判定する判定手段とを備え、
    前記判定手段によって励磁突入電流であると判定された場合には、前記電流差動継電器要素の出力を阻止する出力阻止手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の送電線保護用電流差動継電装置。
  4. 前記励磁突入電流判定要素が、自端電流に含まれる基本波成分と第2高調波成分を抽出して自端含有率を算出する自端算出手段と、対向端電流に含まれる基本波成分と第2高調波成分を抽出して対向端含有率を算出する対向端算出手段と、前記自端含有率と前記対向端含有率の少なくともいずれかが所定の範囲であれば分岐負荷変圧器の励磁突入電流であると判定する判定手段とを備え、
    前記判定手段によって励磁突入電流であると判定された場合には、前記電流差動継電器要素の出力を阻止する出力阻止手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の送電線保護用電流差動継電装置。
  5. 前記自端算出手段は、前記自端電流の一定時間中の変化分として得られる自端電流変化分に含まれる基本波成分と第2高調波成分を抽出して自端含有率を算出し、
    前記対向端算出手段は、前記対向端電流の一定時間中の変化分として得られる対向端電流変化分に含まれる基本波成分と第2高調波成分を抽出して対向端含有率を算出するように構成されていることを特徴とする請求項4に記載の送電線保護用電流差動継電装置。
  6. 前記励磁突入電流判定要素が、自端電流に含まれる基本波成分と第2高調波成分を抽出して自端含有率を算出する自端算出手段と、前記自端含有率が所定の範囲であれば分岐負荷変圧器の励磁突入電流であると判定する判定手段とを備えると共に、
    励磁突入電流であると判定した場合に、対向端の保護装置に対して電流差動継電器要素の出力阻止信号を送出する送信部と、対向端の保護装置から電流差動継電器要素の出力阻止信号を受信する受信部とを備え、
    前記判定手段によって励磁突入電流であると判定された場合、又は、対向端の保護装置から電流差動継電器要素の出力阻止信号を受信した場合には、前記電流差動継電器要素の出力を阻止する出力阻止手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の送電線保護用電流差動継電装置。
  7. 前記自端算出手段は、前記自端電流の一定時間中の変化分として得られる自端電流変化分に含まれる基本波成分と第2高調波成分を抽出して自端含有率を算出するように構成されていることを特徴とする請求項6に記載の送電線保護用電流差動継電装置。
  8. 前記励磁突入電流判定要素が、自端電流に含まれる基本波成分と第2高調波成分を抽出して自端含有率を算出する自端算出手段と、算出した前記自端含有率を対向端の保護装置に対して送信する送信部と、対向端含有率を受信する受信部とを備えると共に、
    前記自端含有率と受信した前記対向端含有率の少なくともいずれかが所定の範囲であれば分岐負荷変圧器の励磁突入電流であると判定する判定手段とを備え、
    前記判定手段によって励磁突入電流であると判定された場合には、前記電流差動継電器要素の出力を阻止する出力阻止手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の送電線保護用電流差動継電装置。
  9. 前記判定手段において3相電流のいずれかにて励磁突入電流であると判定した場合に、励磁突入電流であると判定された相についてのみ、電流差動継電器要素の出力を阻止するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の送電線保護用電流差動継電装置。
  10. 前記判定手段において3相電流のいずれかにて励磁突入電流であると判定した場合に、3相とも前記電流差動継電器要素の出力を阻止するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の送電線保護用電流差動継電装置。
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