JP4110747B2 - 電力系統における高調波監視システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電力系統の送配電線に設置されたデータ収集装置により高調波を抽出し、その周波数、波形の検出や高調波発生源または吸収源であることの特定を容易にして電力系統全体の高調波発生状況を把握するために使用される高調波監視システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電力系統の送配電線に存在する高調波は、リアクトル付コンデンサやリアクトルの異常音・焼損、制御機器や保護リレーの誤動作・誤不動作などの障害原因となる。そのため、送配電線各端子に接続される需要家及び分散電源保有者に対し、「通産省高調波抑制対策ガイドライン」にて高調波の許容発生率が規定されている。
【0003】
現在の送配電線に接続されている各種機器のうち大容量のものは、殆どが「通産省高調波抑制対策ガイドライン」に遵守した高調波抑制手段もしくは高調波の流入を防ぐ防護手段を備えているので、これらの大容量機器が同時に多数故障したり不適切な運用が行われることによって系統に障害を与えるほどの大きな高調波が発生することは稀である。
このような大きな高調波が発生している場合の多くは、特定の1箇所または数カ所の端子における設備故障・設備不備・不適切な運用、もしくは一般家電製品等から発生する不特定多数高調波の集まりが主原因と考えられる(参考:電気共同研究 第54巻 第2号 2−1−4章 等)。
【0004】
高調波は、長時間発生するものと一過性のものとがあるが、いずれにおいても一度高調波障害が発生した場合には、迅速に高調波発生源を特定して対策をとる必要がある。しかし、その高調波が一過性であるとその発生源を特定できない場合がある。また、どのような形態すなわち周波数及び波形を有する高調波が発生したかが判明しないと、的確な対策をとれない恐れがある。
【0005】
従来の技術では、単一または複数台の高調波計測装置を高調波発生源または高調波吸収源と思われる送配電線の端子近傍に配置し、高調波発生時に電圧・電流波形を計測する方法が一般的であった。この場合、通常は各計測装置が同時サンプリングを行っていないため、計測高調波の周波数分布、大きさ、相別または電圧・電流の位相関係をもとに同時刻のデータを推定する方法が採られていた(参考:中部電力技術開発ニュース58号9〜10頁、同66号17〜18頁)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術における高調波監視手段では、系統に高調波が発生した時に発生源または吸収源と考えられる端子を人間が判断し、電圧または電流収集手段を端子近傍に個別に配置して次の高調波発生を待つことになる。この場合、一過性の高調波については測定不可能であり、また、電圧や電流収集手段が同時性を持ってデータを収集できないので、ある時刻における同時多地点の高調波の相互位相関係が不明である。同時多地点の高調波の位相関係を知ることは、特に高調波発生源や吸収源が高調波のレベルだけでは判定し得ない場合、たとえば発生源が系統に複数存在する場合などに有効である。
【0007】
従来の技術範疇では、系統の電圧基本波成分が送配電線上の全ての地点でほぼ同じ波形・位相であることを前提とし、電圧基本波成分を位相基準にして複数地点の高調波位相関係を比較する方法が考えられているが、負荷電流と送配電線線路インピーダンスとの積で決まる電圧降下の影響により、電圧基本波成分の位相は各地点で異なる。測定する高調波次数が高次であるほど、基準とする基本波成分の位相の違いが大きく影響する。
これは、主にリアクタンス成分を含む線路インピーダンス値が周波数により異なることに起因する電圧降下量の差異と、複数地点でのデータ収集時間ずれに起因する位相ずれ量が高調波次数に比例して大きくなることによる。
【0008】
そこで本発明は、電力系統における同時多地点の電圧・電流を収集して系統全体の高調波発生状態の把握を容易にし、また、一過性の高調波についても正確に測定すると共に、高調波発生源または吸収源である端子群の特定を容易にした高調波監視システムを提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明では、グローバルポジショニングシステム(GPS)等により取得した時刻情報を用いて送配電線における同時刻の電気量を収集可能としたデータ収集装置を使用する。
なお、この種のデータ収集装置は、例えば特開2000−341882号公報(特願平11−150840)に記載されており、送配電線から収集したアナログ電気量をディジタル値に変換するディジタル変換手段と、このディジタル変換手段の出力を用いて電気量を演算する手段と、この演算手段により演算された電気量を伝送する伝送手段とを備え、送配電線の任意の地点に設けられた鉄塔または電柱に設置可能となっている。また、上記データ収集装置は、GPSを用いた時計機能を備え、この時計機能により取得した時刻データを電気量に付加して伝送可能であり、収集電気量の集約先で各収集データの時刻差を補正すること等により、実質的に各収集装置における電気量の同時刻収集を可能にしている。
【0010】
本発明では、上述の如く送配電線における同時刻の電気量を収集可能としたデータ収集装置を送配電線の各端子近傍にそれぞれ配置し、これらのデータ収集装置による収集データを1箇所に集約して高調波解析を行うようにした。
【0011】
更に、収集電気量の保存動作及び集約装置への伝送動作を起動するトリガを工夫することで、高調波が発生していない期間における不要なデータ保存を防止する構成とする。すなわち、系統の電気量をデータ収集装置にて常時収集しつつ、フーリエ変換や高調波成分抽出フィルタにより抽出した電圧または電流の高調波成分のレベル計算や基本波成分に対する比率計算を常時実行する。そして、これらの演算結果が所定のしきい値を越えた場合に収集電気量の自動保存を実行し、予め指定された集約装置への伝送を実行する。
また、高調波の多寡に関わらず系統全体、送配電線全体の高調波状態を把握するために、高調波成分のレベルや基本波成分に対する比率がしきい値を越えたデータ収集装置が一つでも発生したら、これをトリガとして他のデータ収集装置が一斉に収集電気量を自動的に保存するようにした。
【0012】
さて、送配電線に発生する高調波、特に電流の高調波成分は、基本波と同様にキルヒホッフの第1法則に基づいて系統に流入する量と流出する量とが必ず等しくなる。更に、流入高調波と流出高調波とのベクトル位相関係は互いに逆位相になる。
厳密には、流入高調波の総和(=合成)ベクトルと流出高調波の総和ベクトルとが互いに逆位相になるのであって、系統における電源端及び負荷端の総和が3端子以上の場合、各端個々に着目すると各端に流入もしくは流出する高調波の個別のベクトル関係は必ずしも互いに同量かつ逆位相とは限らない。
【0013】
しかし、高調波の主要発生源と吸収源とが各々特定の一端子である場合、発生源端子と吸収源端子における高調波ベクトルの位相関係はほぼ互いに逆位相となる。また、多数端子につながる不特定多数の家電製品等からの高調波が特定端子の設備に障害を発生させた場合、障害を被った端子の高調波ベクトル位相と多数端子の高調波ベクトルの合成位相とが互いに逆位相となり、もし系統外部からの高調波流入がなければベクトルの大きさもほぼ等しくなる。
【0014】
本発明により同時多地点での電気量収集を行えば、系統各端子における高調波ベクトルを正確に知ることができる。
また、本発明により、各端子、特に障害が発生し、もしくは許容値を越える高調波が検出された端子における高調波ベクトルと、このベクトルに対し逆位相になる単独端子もしくはベクトル合成値が逆位相になる複数端子を判定することで、高調波の流入及び流出実態を明確に把握することができる。
【0015】
すなわち、請求項1記載の発明は、電力系統における送配電線の各端子近傍に設置されて所定のサンプリング周波数にて送配電線の電気量を収集すると共に、収集電気量から監視対象の高調波成分が抽出され、または、強制的な起動指令が発生した際に、グローバルポジショニングシステム等による時刻情報と共に計測値としての収集電気量を自動的に保存し、かつ、前記計測値及び時刻情報を外部へ伝送可能とした複数のデータ収集装置と、複数のデータ収集装置から伝送される計測値及び時刻情報を受信し、各データ収集装置により収集した各端子近傍における高調波成分のうち、大きさが最大の高調波成分に対して所定の位相範囲にあり、かつ、大きさが一定値以上であって最大の高調波成分に対する比率が一定値以上である高調波成分について端子及び次数をパラメータとして第1のグループに帰属させ、同様にして、前記最大の高調波成分とは逆位相である成分に対して所定の位相範囲にあり、かつ、大きさが一定値以上であって最大の高調波成分に対する比率が一定値以上である高調波成分について端子及び次数をパラメータとして第2のグループに帰属させ、これら第1のグループに属するすべての高調波成分の大きさの和と第2のグループに属するすべての高調波成分の大きさの和とがほぼ等しいときに、各グループに属する高調波成分を生じた端子が高調波発生源または高調波吸収源であると判定する、系統全体の高調波発生状態を解析する集約装置と、を備えたものである。
【0016】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の電力系統における高調波監視システムにおいて、前記データ収集装置はロジック判定部を備え、このロジック判定部は、収集電気量に含まれる監視対象の高調波成分のレベル判定、及び、同時刻に収集された高調波成分と基本波成分との比率判定のうち少なくとも一方を実行してその判定結果により保存動作及び伝送動作を起動する自動起動判定処理と、外部のデータ伝送装置から伝送された瞬時起動指令及び設定時刻に基づく起動指令に応じて保存動作及び伝送動作を起動する強制起動判定処理とを実行するものである。
【0017】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の電力系統における高調波監視システムにおいて、前記データ収集装置は、自己の自動起動判定が成立したときに他のデータ収集装置に対する起動時刻を出力するものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図に沿って本発明の実施形態を説明する。
始めに、図7は、従来技術としての送配電線における高調波測定システムの一例を示す構成図であり、中部電力技術開発ニュース第58号第9頁の第1図に記載されているものである。
【0020】
図7において、100は変電所、101は変電所子局、102は高圧側配電線、103は配電用変圧器、104,105は計器用変圧器(PT)、106は変流器(CT)、200は低圧側配電線、201は配電線200の任意区間に設置された電圧・電流センサとしての光センサ、202は配電線用子局、301は親局である。また、変電所100内のFxxは、xx番フィーダを意味する。
【0021】
図7のシステムでは、配電用変圧器103の高圧側、低圧側の電圧・電流、各フィーダの電流を測定して変電所用子局101に集約し、また、配電線200の電圧・電流を光センサ201により測定して配電線用子局202により収集すると共に、変電所用子局101及び配電線用子局202から親局301に測定データを伝送して親局301が集中的に高調波の監視(記録、解析、統計処理等)を行っている。更に、親局301は各子局101,202の動作を全体的に制御している。ここで、配電線200の電気量収集に当たり、光センサ201間での時刻同期は特に考慮されていない。
【0022】
各子局101,202は電圧・電流波形を常時監視し、例えば10分ごとの収集データから必要な波形データ(連続した8サイクル)を抽出して親局301へ送信し、親局301では、50次までの高調波の電圧・電流の測定、歪率や位相差の解析、高調波電力の流入・流出方向の判定、表示を行っている。
【0023】
次に、上記従来技術との比較において本発明の実施形態を説明する。
図1は、本実施形態の高調波監視システムの全体構成を示す図である。図1において、410,420は変電所であり、それぞれ送配電線441,442に接続されている。411,421は配電用変圧器、Fは各変電所410,420間の配電線(フィーダ)、430は鉄塔または電柱である。図1において、区間開閉器、遮断器等は便宜上、図示を省略してある。
【0024】
400は電圧・電流を収集するデータ収集装置であり、本実施形態では、配電線F上の端末近傍の位置に接続されている。ここで、端末とは、負荷、分散電源、変電所を含む概念である。なお、データ収集装置400の内部構成については後述する。
データ収集装置400は、図11に示した光センサ201のように配電線200の主な区間に配置しても良いが、図7のような配置形態とした場合には、例えば、ある区間に複数の端末(例えば負荷)があったときに最終的に区間内のどの端末が高調波発生源(吸収源を含む)であるかを判別できないおそれがあるので、図1のような配置形態をとることとした。
【0025】
なお、図1の破線で囲った領域の負荷または電源端Cのように、直近にデータ収集装置400が設置されていない場合には、最寄り(A及びB)のデータ収集装置400の電流計測値の差分を取る数値計算により、端Cの電流を計測する。また、端Cの電圧は、(A〜C間線路インピーダンス)×(Aにおける計測電流)または(A〜B間線路インピーダンス)×(Bにおける計測電流)の数値計算によって求められる。
【0026】
更に、図1において、500はGPS衛星であり、この衛星500からは高精度かつ汎用の時刻情報が各データ収集装置400に常時送られている。600は各データ収集装置400による収集データを受信して集約し、高調波解析や統計処理等を行うパソコン等の集約装置である。
各データ収集装置400は、上記時刻情報を利用して電気量の同時収集を可能にしている。ここでいう同時収集には、以下に述べる二つの態様がある。
【0027】
第1の方法は、各データ収集装置400が任意のタイミングで電気量を収集し、この収集データにGPS衛星500から取得した時刻情報を付加することで、集約装置600による高調波分析において、対象とする高調波の周波数と収集時刻差との積を補正位相量として補正することにより、各収集データを実質的に同時刻に収集されたものとして扱う方法である。
第2の方法は、各データ収集装置400における収集タイミングを、GPS衛星500から取得した時刻情報によって制御する方法である。この場合、各データ収集装置400における収集時刻は等しくなるので、集約装置600における位相補正は不要になる。
上記第1,第2の同時収集方法は、例えば特開2000−341882号公報に記載されている公知の技術である。
【0028】
次に、図2は上記データ収集装置400の一例を示す機能ブロック図である。
図2において、451は配電線Fの高電圧、大電流から後続の各ブロックを保護するための保護回路、452は電圧、電流のレベル等を変換する入力変換器、453,454は直流量等の不要な成分を除去するためのアナログフィルタ、455はアナログ信号をディジタル信号に変換してサンプリングするA/D変換部、456,457はフーリエ変換等を行って電圧、電流の所定次数の高調波成分を抽出するディジタルフィルタ、458は計測値(A/D変換部455の出力及びフィルタ456,457の出力)及び現在時刻を保存するメモリである。
上記A/D変換部455はサンプルホールド回路(図示せず)を含むものとし、そのサンプリング周波数は例えば監視対象の高調波周波数の2倍以上とする。
【0029】
ここで、アナログフィルタ453,454やディジタルフィルタ456,457により実現される高調波抽出フィルタの例として、下記の数式1,2がある。数式1は、基本波成分を完全に除去することを目的としたノッチ形フィルタの伝達関数例であり、数式2は、基本波以下の周波数成分を除去するハイパス形フィルタの伝達関数例である。データ収集装置400は、例えば数式1,2のフィルタをアナログフィルタ453,454またはディジタルフィルタ456,457の一部として搭載し、電気量に含まれる高調波成分を抽出する。
【0030】
【数1】
【0031】
【数2】
【0032】
図3は、数式1のノッチ形フィルタと、計測対象外の高次高調波及び直流成分の除去を目的としたバンドパス形フィルタとを組み合わせたフィルタの総合特性例を示している。
バンドパスフィルタの高次側減衰特性は、計測対象の高調波領域、例えば「通産省高調波抑制対策ガイドライン」で規定されている5次以上の奇数倍調波を通過させ、かつ、計測対象外の高次高調波及びA/D変換部455のサンプリング定理に基づく折り返し誤差を発生する周波数領域を減衰させる特性とする。
【0033】
図4は前記メモリ458としてリングバッファを用いた場合のデータ書込状態を概念的に示したものである。図示する書込方向に従い、A/D変換ごとの計測値(A/D変換部455の出力及びフィルタ456,457の出力)及びそのときの時刻がロジック判定部460からのラッチ指令によってメモリ458に保存される様子を示す。
【0034】
一方、図2における459は前記GPS衛星500からの時刻情報を受信するGPS受信機等の現在時刻取得手段であり、取得した現在時刻は前記メモリ458及びロジック判定部460に送られている。
ロジック判定部460は、メモリ458への計測値及び現在時刻を保存する処理と、これらを伝送部462に転送して集約装置600へ伝送する処理を起動するために、▲1▼高調波発生判定に基づく自動起動判定、▲2▼強制起動判定を実行する。
【0035】
ここで、▲1▼高調波発生判定に基づく自動起動判定とは、例えば数式3に示すように任意次数の高調波のレベルがしきい値(定数)を越えたことを判定するレベル判定と、数式4に示すように任意次数の高調波のレベルと同時刻の基本波のレベルとの比がしきい値(定数)を越えたことを判定する比率判定との何れか一方(論理和)または両方(論理積)を用いて、高調波の発生を検出し、メモリ458に計測値及び現在時刻を自動的に保存すると共にこれらのデータを伝送部462へ転送し、更に、データ伝送指令により伝送部462から集約装置600へデータを伝送させる動作である。
【0036】
【数3】
【0037】
【数4】
【0038】
また、▲2▼強制起動判定とは、設定時刻起動及び瞬時起動を含む判定処理である。
ここで、設定時刻起動とは、伝送部462からメモリ461に設定された起動時刻を設定時刻として、現在時刻取得手段459から入力された現在時刻が上記設定時刻に一致したときにメモリ458への保存、伝送部462への転送、集約装置600への伝送を起動するための判定処理をいう。瞬時起動とは、他のデータ収集装置から伝送部462を介して起動指令(瞬時起動指令)が送られてきた時に、上述の設定時刻起動と同様の動作を起動するための判定処理をいう。
【0039】
次に、図5はロジック判定部460における起動判定のフローチャートである。この図5におけるステップS4の処理により、系統内の複数のデータ収集装置は同時刻における電気量データを取得可能になる。
まず、現在時刻がメモリ461に保存された設定時刻になっているか否かを判断し(S1)、設定時刻以後であれば伝送部462に対しメモリ458内のデータ(計測値及び現在時刻)を集約装置600へ伝送するように伝送指令を発する(S2)。設定時刻前であれば、ステップS3へジャンプする。ステップS1,S2の処理は、前述の▲2▼強制起動判定における設定時刻起動の判定に相当する。ここで、集約装置600に伝送される計測値は、上記設定時刻前後のデータである。
【0040】
次いで、前述の▲1▼高調波発生判定に基づく自動起動判定条件が成立したかどうかを判断する(S3)。すなわち、数式3,4の判定を行う。
自動起動判定条件が成立した場合、つまり、高調波の発生を検出したときには、他のデータ収集装置に対する瞬時起動指令(図2における伝送部462に入力されている瞬時起動指令に相当)を送るために起動時刻情報を伝送部462を介して出力する(S4)。ここでいう起動時刻とはステップS3の自動起動判定条件の成立時刻である。
【0041】
自動起動判定条件が成立しない場合には、他のデータ収集装置からの瞬時起動指令を伝送部462を介して検出したか否かを判断する(S6)。瞬時起動指令が検出された場合にはステップS5にジャンプし、検出されない場合には処理を終了する。
上記ステップS6の処理は、前述の▲2▼強制起動判定における瞬時起動の判定に相当する。
その後、伝送部462に対しメモリ458内のデータ(計測値及び現在時刻)を集約装置600へ伝送するように伝送指令を発する(S5)。なお、集約装置600に伝送されるデータは、ステップS3の自動起動判定条件が成立しているときには上記条件成立時刻前後のデータである。
【0042】
上記のように、ステップS4において他のデータ収集装置に起動時刻を出力することで各データ収集装置が同じ起動時刻を持つことにより、各データ収集装置による電圧・電流の同時刻収集・保存並びに集約装置600への伝送を実現している。また、任意時刻に一過性的に発生した高調波に対しては、各データ収集装置がステップS3により高調波の発生を判定して自動起動することで、同時刻におけるデータ収集・保存、及び集約装置600への伝送を可能にした。
【0043】
なお、送配電線における基本波及び高調波の分布は線路上の各地点で一様でないため、ステップS3では高調波の発生を判定できず、当該ステップの自動起動を行えないデータ収集装置が発生する場合がある。そこで、ステップS4では、自動起動したデータ収集装置400が自動起動時の時刻情報を付加し、他のデータ収集装置に送信する。未起動のデータ収集装置は、伝送部462を経由して起動時刻情報を認識し、メモリ461に保存する。ロジック判定部460では、前記ステップS1,〜S2により自動起動した装置の起動時刻における収集データを集約装置600に出力する。
【0044】
ここで、各データ収集装置400は、集約装置600に伝送するデータ時間幅よりも長時間の収集データを、前述したリングバッファ構造のメモリ458に常時保存し、ラッチ指令が入力されるたびに更新する。
メモリ458におけるデータの記録時間幅は、自動起動したデータ収集装置400が自己のデータ保存・伝送動作を起動し、起動できなかった他のデータ収集装置に対して起動指令を出力するための所要時間以上に設定される。
【0045】
以上の構成により、送配電線上に発生した電圧・電流の高調波成分を同時刻かつ多地点において収集・保存し、このデータを集約装置600に送って系統全体の高調波の計測及び解析を可能にしている。
以下に、高調波解析の一例として、高調波発生源(流出源)または高調波吸収源(流入源)を特定する処理につき説明する。
【0046】
図6は高調波発生源または高調波吸収源を特定する(高調波発生源であること、または高調波吸収源であることを特定するのではなく、これらの何れかであることを特定する)処理を示すフローチャートであり、図1における集約装置600によって実行される。なお、図6のフローチャートでは、便宜的にデータ収集装置をMとして表記してある。
まず、送配電線上の全端子に設置されたデータ収集装置400からデータを収集して集約装置600に集約させる(S11,S12)。次に、計測可能範囲の高調波領域で、端子NO.及び高調波次数をパラメータとして、最大スカラ量の高調波を計測した端子Tm及び高調波次数Nを判定する(S13)。
この処理によって特定された端子が、仮の主要な高調波発生源もしくは吸収源の端子Tmとなり、このステップS13で着目した次数の高調波(この例では電流の高調波成分)のみが、以後の処理対象となる。
【0047】
次いで、数式5により、端子Tmにおける高調波とほぼ同位相、すなわち、∠INTm±θ1(θ1は設定値)の位相差であるN次高調波INxを計測した端子群ΣTxを判定する(S14)。言い換えれば、数式5を満たす端子を端子群(第1のグループ)ΣTxに帰属させる。
これらの端子が、系統全体から見て高調波発生源または高調波吸収源の何れかとなる。
【0048】
【数5】
【0049】
なお、三相の送配電線においては、高調波最大スカラ量を検出した相と同相の各端子データのみに着目する。対称座標法に基づく零相等の座標変換を行ったデータに対する高調波に着目する場合、全ての端子において同じ相、この例では零相成分のみに着目する。
また、数式5では、着目高調波レベル値|INx|が、設定値であるしきい値ε1を下回り、かつ、|INx|と端子Tmにおける高調波レベル値|INTm|との比率がη1(可変の設定値)を下回る端子については、データ収集装置の大きな計測誤差及び演算誤差が見込まれるので、端子群ΣTxから除外する。
【0050】
次に、数式6により、端子Tmとほぼ逆位相、正確には端子Tmにおける高調波を180度ベクトル回転したもの(∠INTm+180°)を基準として±θ2(θ2は設定値)の位相差であるN次高調波INxを計測した端子を検出し、これらの端子を端子群(第2のグループ)ΣTyに帰属させる(S15)。
【0051】
【数6】
【0052】
この数式6においても、数式5と同様に、着目高調波レベル値|INx|が、設定値であるしきい値ε2を下回り、かつ、|INx|と端子Tmにおける高調波レベル値|INTm|との比率がη2(可変の設定値)を下回る端子については、データ収集装置の大きな計測誤差及び演算誤差が見込まれるので、端子群ΣTyから除外する。
端子群ΣTyにおける高調波は、端子群ΣTxにおける高調波に対して逆位相であり、端子群ΣTxに属する複数の端子と端子群ΣTyに属する複数の端子とは、互いに高調波の発生源と吸収源という関係にある。
【0053】
以後のステップS16〜S20は、端子群ΣTxと端子群ΣTyとのグループ分けの妥当性を判定する処理である。
まず、妥当性の判定には数式7を用いる(S16)。数式7において、η3は設定値である。
【0054】
【数7】
【0055】
これは、端子群ΣTxの合成高調波ベクトルの大きさ|ΣINTx|と端子群ΣTyの合成高調波ベクトルの大きさ|ΣINTy|とがほぼ等しければ、高調波の発生と吸収がつり合うこととなり、キルヒホッフの第1法則に基づいて判定がほぼ妥当であると判断する考えをフローに実現したものである。
【0056】
|ΣINTx|と|ΣINTy|とがほぼ同量ではないと判定された場合、両者の大小関係を判断して(S17)、可変の設定値η1,η2を下限値になるまで小さくし(S18,S19,S21,S22)、ステップS14からの演算をやり直す。
設定値η1,η2を低下させることは、数式5または数式6に基づく端子群ΣTxまたはΣTyの構成端子数を増やすことであり、合成高調波ベクトルの大きさ|ΣINTx|,|ΣINTy|を大きくすることにより、ステップS16における数式7の成立を容易にする作用がある。
その反面、端子群ΣTxまたはΣTyの構成端子数が増えることによって高調波発生源または高調波吸収源の端子数が増えることになり、「高調波発生端子または吸収端子の特定」という見地からは好ましくない。
【0057】
ステップS19,S22の下限値判定に基づく複数回の設定値η1,η2の変更及びステップS14〜16の処理によっても数式7を満足する解が求められなかった場合、判定精度不良と判断して出力する(S20)。この場合、数式7の左辺が最小となる設定値η1,η2における端子群ΣTx,ΣTyのグループ分けを最善解として出力する(S21)。
【0058】
ステップS16において数式7が成立した場合、端子群ΣTx,ΣTyに属する端子番号の出力と共に、判定の確度を表す指標として数式7を満足する解であるか否かと、判定精度の指標値としてη1,η2の値を出力する(S22)。
これらのη1,η2の値が小さいほど端子群ΣTx,ΣTyの各グループに含まれる端子数が少ないことになり、高調波発生源または高調波吸収源である端子を明確に限定できたことになる。
判定精度の指標値としては、η1,η2の値の代わりに端子群ΣTx,ΣTyに属する端子数を用いても良い。
【0059】
なお、図6に示したフローチャートでは、端子群ΣTxに属する各端子が高調波発生源または高調波吸収源のどちらであるかについて判定することができない。これは、端子群ΣTyについても同様である。
従って、例えば端子群ΣTxが高調波発生源または高調波吸収源のどちらであるかを判定するには、端子群ΣTxに含まれる各端子の特性(電源であるか負荷であるか等)、計測時刻、障害を受けた端子を含むグループであるか否かの情報により、人間が経験的に判定することにする。
以上により、系統に発生した高調波の発生源または吸収源であることを端子群として特定する。
【0060】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、GPS等の時刻情報を用いて電気量を収集するデータ収集装置により電力系統における同時多地点の電圧・電流を収集し、それらの計測値を1箇所に集約することで系統全体の高調波発生状態を把握することができる。また、一過性の高調波が一部のデータ収集装置により検出された場合でも、他のデータ収集装置にトリガを送ることでほぼ同時かつ多地点での計測が可能になる。
更に、集約された各端子の高調波の大きさや位相に基づいて、高調波発生源または吸収源である端子群を容易に特定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の高調波監視システムの全体構成を示す図である。
【図2】本実施形態のデータ収集装置の一例を示す機能ブロック図である。
【図3】本実施形態における高調波成分抽出用のフィルタの総合的な特性図である。
【図4】本実施形態における計測データ保存用メモリの説明図である。
【図5】本実施形態におけるデータ収集装置内のロジック判定部における起動判定のフローチャートである。
【図6】本実施形態において高調波発生源または高調波吸収源を特定する処理を示すフローチャートである。
【図7】従来技術としての送配電線における高調波測定システムの一例を示す構成図である。
【符号の説明】
400 データ収集装置
410,420 変電所
411,421 配電用変圧器
430 鉄塔または電柱
441,442 送配電線
451 保護回路
452 入力変換器
453,454,456,457 フィルタ
458,461 メモリ
459 現在時刻取得手段
460 ロジック判定部
462 伝送部
500 GPS衛星
600 データ集約装置(パソコン)
F 配電線(フィーダ)
Claims (3)
- 電力系統における送配電線の各端子近傍に設置されて所定のサンプリング周波数にて送配電線の電気量を収集すると共に、収集電気量から監視対象の高調波成分が抽出され、または、強制的な起動指令が発生した際に、グローバルポジショニングシステム等による時刻情報と共に計測値としての収集電気量を自動的に保存し、かつ、前記計測値及び時刻情報を外部へ伝送可能とした複数のデータ収集装置と、
複数のデータ収集装置から伝送される計測値及び時刻情報を受信し、各データ収集装置により収集した各端子近傍における高調波成分のうち、大きさが最大の高調波成分に対して所定の位相範囲にあり、かつ、大きさが一定値以上であって最大の高調波成分に対する比率が一定値以上である高調波成分について端子及び次数をパラメータとして第1のグループに帰属させ、同様にして、前記最大の高調波成分とは逆位相である成分に対して所定の位相範囲にあり、かつ、大きさが一定値以上であって最大の高調波成分に対する比率が一定値以上である高調波成分について端子及び次数をパラメータとして第2のグループに帰属させ、これら第1のグループに属するすべての高調波成分の大きさの和と第2のグループに属するすべての高調波成分の大きさの和とがほぼ等しいときに、各グループに属する高調波成分を生じた端子が高調波発生源または高調波吸収源であると判定する、系統全体の高調波発生状態を解析する集約装置と、
を備えたことを特徴とする電力系統における高調波監視システム。 - 請求項1記載の電力系統における高調波監視システムにおいて、
前記データ収集装置はロジック判定部を備え、このロジック判定部は、
収集電気量に含まれる監視対象の高調波成分のレベル判定、及び、同時刻に収集された高調波成分と基本波成分との比率判定のうち少なくとも一方を実行してその判定結果により保存動作及び伝送動作を起動する自動起動判定処理と、外部のデータ伝送装置から伝送された瞬時起動指令及び設定時刻に基づく起動指令に応じて保存動作及び伝送動作を起動する強制起動判定処理とを実行することを特徴とする電力系統における高調波監視システム。 - 請求項2記載の電力系統における高調波監視システムにおいて、
前記データ収集装置は、自己の自動起動判定が成立したときに他のデータ収集装置に対する起動時刻を出力することを特徴とする電力系統における高調波監視システム。
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