I.液晶組成物
本発明の液晶組成物は、一般式(H)で表される光安定化剤を1種類以上と、一般式(II)で表される液晶化合物を1種類以上と、を含む。
本発明における一般式(H)で表される光安定化剤は、重合性基及び環状のアセタール骨格を有することを特徴とする。ここで、本明細書においては、光安定化剤のうち、重合性基を有する光安定化剤を「重合性光安定化剤」と称し、重合性基を有さない光安定化剤を「非重合性光安定化剤」と称して区別するものとする。また、光安定化剤のうち、分子構造内にアセタール骨格を有する光安定化剤を「アセタール系光安定化剤」と称し、アセタール骨格を有さない光安定化剤を「非アセタール系光安定化剤」と称して区別するものとする。すなわち、本発明における一般式(H)で表される光安定化剤は、重合性基及びアセタール骨格の両方を有することから、「重合性アセタール系光安定化剤」と称することができる。
なお、一般式(H)で表される光安定化剤を含め、重合性光安定化剤は後述する重合性化合物には含まれないものとする。
液晶組成物は、液晶表示素子の製造過程や使用環境において、光等の外的刺激を受けると、劣化してVHRが低下することが知られている。特に、PSA(polymer sustained alignment)技術に代表される高分子安定化技術を用いて液晶表示素子を製造する場合、液晶組成物は上記工程において強度の高い紫外線の照射を受けることになり劣化しやすく、その結果VHRが低下しやすいという問題がある。このような問題は、PSA技術を用いた液晶表示素子に限らず起こりうる問題である。
ここで、液晶組成物の光劣化を抑制する効果を高めるために、公知の添加剤を大量に導入することも考えられる。しかし、該添加剤の添加量が多すぎると、液晶パネル内で添加剤が析出することにより表示品位が低下したり、添加剤自体がVHRの低下の原因となるといった問題がある。
これに対し、本発明の液晶組成物によれば、紫外線や熱等の外的刺激を受けた液晶化合物が分解することにより不純物が多く発生しても、一般式(H)で表される光安定化剤が該不純物をトラップし、該不純物の発生によるVHRの低下を抑制することができる。ここで、一般式(H)で表される光安定化剤は、ヒンダードアミン構造を有することで不純物のトラップ機能が高いことに加え、アセタール骨格を有するため溶解性が高く液晶化合物との相溶性に優れる。このため、一般式(H)で表される光安定化剤は、少ない含有量で従来の非アセタール系光安定化剤と同等の効果を発揮することができ、また、液晶組成物から析出しにくいことから、従来の光安定化剤よりも多くの量を添加することが可能となり、より多くの不純物をトラップして高VHRを達成することができる。
また、本発明の液晶組成物によれば、一般式(H)で表される光安定化剤を含有することで、光安定化剤の存在に起因したVHRの低下を抑制することができる。詳述すれば、従来液晶組成物に汎用されるヒンダードアミン系光安定化剤は、重合機能(すなわち重合性基)を有していないが、このような非重合性光安定化剤は、液晶層の不純物をトラップすることで信頼性の改善に効果がある一方で、極性が大きいため該化合物自体がイオン伝導原となってVHRを低下させてしまう。一方、上記一般式(H)で表される光安定化剤は、重合部(重合性基)と極性部とを有しているので、紫外線照射により一般式(H)で表される光安定化剤が重合体(ポリマー)を形成し、UV処理後に本ポリマを基板界面に固着させる事が出来る。これにより、パネル駆動時でも、一般式(H)で表される光安定化剤のポリマが基板に固定された状態で、ポリマ表面の極性部で不純物をトラップする事が出来るようになる。これにより、一般式(H)で表される光安定化剤自体がイオン伝導原にならずにVHRの向上が可能となる。
上記の効果は、重合性化合物を含む場合において顕著に発揮することができる。高分子安定化技術を用いて液晶表示素子を製造する場合、重合性化合物を含む液晶組成物に紫外線を照射して重合性化合物を重合させ。素子の基板界面に重合性化合物の重合体からなる高分子層を形成する工程を含む。本発明の液晶組成物が重合性化合物を含む場合、上記工程において一般式(H)で表される光安定化剤の重合性基が重合性化合物の一部と反応し、その結果、一般式(H)で表される光安定化剤が、重合性化合物の重合により形成される高分子層に取り込まれると推量される。このように高分子層に取り込まれた一般式(H)で表される光安定化剤は、不純物をトラップする機能を残しつつ、高分子層に固定されることでイオン伝導原として働かなくなるため、非重合性光安定化剤を用いた場合と比較してVHRの低下をより効果的に抑制することができると推量される。
本明細書において、一般式(H)で表される光安定化剤のことを、一般式(H)で表される化合物、若しくは化合物(H)と称する場合がある。また、一般式(II)で表される液晶化合物のことを、単に一般式(II)で表される化合物、若しくは化合物(II)と称する場合がある。
以下、本発明の液晶組成物に含まれる化合物について、それぞれ説明する。
(1)一般式(H)で表される光安定化剤
本発明の液晶組成物は、一般式(H)で表される光安定化剤を1種類以上含む。
(上記一般式(H)中、Ra0は水素原子、水酸基、炭素数1~12のアルキル基、又は炭素数3~12のアルケニル基を表し、
Ra1,Ra2,Ra3及びRa4はそれぞれ独立して炭素数1~6のアルキル基を表し、あるいはRa1とRa2,及び/又はRa3とRa4は一緒になって環構造を形成していてもよく、
Ra5及びRa6はそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1~6のアルキル基を表し、
Ra0、Ra1,Ra2,Ra3,Ra4,Ra5及びRa6がそれぞれ複数存在する場合、各々は同一であっても異なっていてもよく、
nは0又は1を表し、
tは1から4を表し、
Uは環構造を形成する2×t価の有機基を表し、
且つ上記Uは基中に1個以上の重合性基PHを有する。)
一般式(H)中、Ra0は、外的刺激に対する劣化防止能を高めるには、水素原子又は水酸基であることが好ましく、水素原子であることが特に好ましい。また、Ra0は、液晶化合物との相溶性を高めるためには、炭素原子数1~12のアルキル基又は炭素原子数3~12のアルケニル基であることが好ましい。
一般式(H)中、Ra1、Ra2、Ra3及びRa4はそれぞれ独立して炭素原子数1~4のアルキル基であることが好ましく、メチル基であることが特に好ましい。また、製造時に混入する極性不純物の除去を容易にするためには、Ra1とRa2及び/又はRa3とRa4は一緒になって環構造を形成することが好ましい。
一般式(H)中、Ra5及びRa6はそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1~4のアルキル基であることが好ましく、製造の容易さから水素原子であることが特に好ましい。
一般式(H)中、nは1であることが好ましい。
一般式(H)中、tは液晶組成物の保存安定性を高めるためには、1又は2を表すことが好ましく、1であることが特に好ましい。また、tは、外的刺激に対する劣化防止能を高めるためには、3又は4を表すことが好ましい。単位重量あたりのヒンダードアミン構造の数が多くなり、外的刺激に対する劣化防止能を高めることができるからである。
一般式(H)中、Uは、2つの酸素原子と結合して環構造を形成する2×t価の有機基を表し、且つ基中に1個以上の重合性基PHを有する。重合性基の数は、多い方が高反応性や高VHRを達成できるため好ましいが、多すぎると溶解性が低下して析出しやすくなる。一方、重合性基の数が少ないと反応性が悪くVHR向上の効果が得られにくい。よって、反応性、VHR及び溶解性の両立には、一般式(H)中のPHの数は、1個、2個、3個、又は4個が好ましく、1個、2個又は3個が好ましく、1個又は2個が好ましい。
重合性基PHは、スペーサー基(以下、SpHと表す場合がある。)を介して結合されていることが好ましい。すなわち、一般式(H)中、上記Uは基中に1個以上の-SpH-PHを有することが好ましい。
一般式(H)中、PHは、式(P-1)から式(P-17)で表される群より選ばれる基であることが好ましい。一般式(H)中に複数のPHが存在する場合は、1つ以上のPHは、それぞれ独立して式(P-1)から式(P-17)で表される群より選ばれる基であることが好ましい。
(式中、黒点は結合手を表す。)
中でもPHは、式(P-1)、式(P-2)、式(P-5)、式(P-6)、式(P-8)、式(P-12)、式(P-14)及び式(P-17)で表される群より選ばれる基であることが好ましく、式(P-1)、式(P-2)、式(P-8)、式(P-12)及び式(P-14)で表される群より選ばれる基であることがさらに好ましく、式(P-1)又は式(P-2)で表される基であることがより好ましい。
また、一般式(H)中、スペーサー基を表すSpHは、単結合、若しくは炭素原子数1から12の直鎖又は分岐のアルキレン基を表し、該アルキレン基中の1個の-CH2-又は隣接していない2個以上の-CH2-は、-O-、-COO-、-OCO-、-CH=CH-又は-C≡C-により置き換えられていてもよい。中でもSpHは、単結合又は炭素原子数1から12の直鎖のアルキレン基(基中の1個又は隣接しない2個以上の-CH2-が-O-、-COO-又は-OCO-で置換されてもよい。)を表すことが好ましく、単結合又は炭素原子数1から6の直鎖のアルキレン基(基中の1個又は隣接しない2個以上の-CH2-が-O-、-COO-又は-OCO-で置換されてもよい。)を表すことが好ましく、単結合又は炭素原子数1から4の直鎖のアルキレン基(基中の1個又は隣接しない2個以上の-CH2-が-O-、-COO-又は-OCO-で置換されてもよい。)を表すことが好ましく、単結合であることが特に好ましい。
一般式(H)中、Uは2×t価の有機基であれば特に限定されないが、一般式(H)中の上記tが1を表す場合、Uは一般式(U-1)で表される構造であることが好ましい。
(一般式(U-1)中、破線は一般式(H)中の酸素原子への結合をそれぞれ表し、
Ra7及びRa8はそれぞれ独立して水素原子又は1価の有機基を表し、あるいはRa7及びRa8は一緒になって環構造を形成していてもよく、
mは0又は1を表し、
少なくともRa8は1個以上の-SpH-PHを有する。)
一般式(H)中のUが上記一般式(U-1)で表される構造を有することで、液晶組成物の保存安定性を高めることができる。
Ra7は、水素原子、炭素原子数1から12のアルキル基又は-SpH-PHを表すことが好ましい。アルキル基又はSpH中に存在する1個の-CH2-又は隣接していない2個以上の-CH2-は、-O-、-COO-、-OCO-、-CH=CH-又は-C≡C-により置き換えられていてもよい。中でもRa7は、水素原子、炭素原子数1から8のアルキル基(該アルキル基中に存在する1個の-CH2-又は隣接していない2個以上の-CH2-は、-O-、-COO-、-OCO-、-CH=CH-又は-C≡C-により置き換えられていてもよい。)又は-SpH-PHを表すことが好ましく、水素原子又は炭素数1から4のアルキル基を表すことが好ましい。
mは1を表すことが特に好ましい。一般式(H)で表される光安定化剤が、一般的な液晶化合物と同様の直線状の構造をとりやすくなるため、結果として液晶化合物への相溶性が高まることができるからである。
Ra8は、1個以上の-SpH-PHを有する構造であれば特に限定されないが、液晶組成物との相溶性を高める観点から、一般式(r-1)で表される構造であることが好ましい。
(一般式(r)中、Spa1は、単結合、-O-、-CH2O-、-OCH2-、-CF2O-、-OCF2-、-CH=CH-、-CF=CF-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOO-、-OOCO-、-OCH2CH2O-、-COOC2H4-、-OCOC2H4-、-C2H4OCO-、-CH=CH-COO-、-CH=CH-OCO-、-COO-CH=CH-、-OCO-CH=CH-、-CH=C(CH3)COO-、-OCOC(CH3)=CH-、-CH2-CH(CH3)COO-、-OCOCH(CH3)―CH2-、又は炭素原子数1~10の直鎖又は分岐のアルキレン基を表し、該アルキレン基中の1個又は隣接しない2個以上の-CH2-は-O-、-COO-又は-OCO-で置換されてもよく、
Spa2は、単結合、-O-、-CO-、-CH=CH-、-CF=CF-、-C≡C-、-COO-、-OCO-、-OCOO-、-OOCO-、-CF2O-、-OCF2-、-CH=CHCOO-、-OCOCH=CH-、-CH=C(CH3)COO-、-OCOC(CH3)=CH-、-CH2-CH(CH3)COO-、-OCOCH(CH3)―CH2-、-OCH2CH2O-、又は炭素原子数1~10の直鎖又は分岐のアルキレン基を表し、該アルキレン基中の1個又は隣接しない2個以上の-CH2-は-O-、-COO-又は-OCO-で置換されてもよく、
Aa1及びAa2はそれぞれ独立して2価の芳香族基、2価の環脂肪族基、2価の複素環式化合物基、2価の縮合環、及び2価の縮合多環からなる群より選ばれる基を表し、これらの基の環構造中の1個以上の水素原子がLi1で置換されてもよく、
Li1はハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、-SpH-PH、1価の有機基Ki1、炭素原子数1~30の直鎖又は分岐のアルキル基又は炭素原子数1~30の直鎖又は分岐のハロゲン化アルキル基を表し、該アルキル基又はハロゲン化アルキル基中の-CH2-は-CH=CH-、-C≡C-、-O-、-NH-、-COO-、-OCO-又は-OCOO-で置換されてもよいが-O-は連続にはならず、
前記1価の有機基Ki1は、下記一般式(K1):
(式中、Rk0からRk6及びnkは、それぞれ上記一般式(H)中のRa0からRa6及びnの定義と同じであり、Rk7及びmkは、それぞれ上記一般式(U-1)中のRa7及びmの定義と同じである。*は結合手を表す。)で表される基を表し、
Ra9は水素原子、-SpH-PH、炭素原子数1~30の直鎖又は分岐のアルキル基又は炭素原子数1~30の直鎖又は分岐のハロゲン化アルキル基を表し、該アルキル基又はハロゲン化アルキル基中の1個の-CH2-又は隣接していない2個以上の-CH2-は-CH=CH-、-C≡C-、-O-、-S-、-NH-、-CO-、-COO-、-OCO-又は-OCOO-で置換されてもよいが-О-は連続にはならなく、
p及びqはそれぞれ0、1,2又は3の整数を表し、
pが2又は3を表す場合、複数の上記Spa1は同一であってもよく異なってもよく、また、複数の上記Aa1は同一であってもよく異なってもよく、
qが2又は3を表す場合、複数の上記Spa2は同一であってもよく異なってもよく、また、複数の上記Aa2は同一であってもよく異なってもよく
PHは重合性基を表し、SpHはスペーサー基を表す。
ただし一般式(r)中には、1個以上の-SpH-PHを有する。式中の*は結合手を表す。)
Spa1は単結合、-CH2O-、-OCH2-、-CF2O-、-OCF2-、-CH=CH-、-CF=CF-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOO-、-OOCO-、-OCH2CH2O-、-COOC2H4-、-OCOC2H4-、-C2H4OCO-、-CH=CH-COO-、-CH=CH-OCO-、-COO-CH=CH-、-OCO-CH=CH-、-CH=C(CH3)COO-、-OCOC(CH3)=CH-、-CH2-CH(CH3)COO-、又は-OCOCH(CH3)―CH2-を表すことが好ましい。より好ましくは、Spa1は単結合、-OCH2-、-CH2O-、-COO-、-C2H4-、-CF2O-又は-OCF2-である。Spa1が単結合、-OCH2-、-CH2O-、-COO-、-C2H4-、-CF2O-又は-OCF2-である場合、一般式(H)で表される光安定化剤は、液晶化合物との相溶性がより向上し、低温保存においても析出しにくくなる。
Spa2は、単結合又は炭素原子数1から10の直鎖のアルキレン基を表すことが好ましく、単結合又は炭素原子数1から8の直鎖のアルキレン基であることがより好ましく、単結合又は炭素原子数1から6の直鎖のアルキレン基を表すことがより好ましく、単結合であることが特に好ましい。該直鎖のアルキレン基は、基中に存在する1個の-CH2-又は隣接していない2個以上の-CH2-が、-O-、-COO-、-OCO-、-CH=CH-又は-C≡C-により置き換えられていてもよい。
Aa1及びAa2は、それぞれ独立して2価の芳香族基、2価の環脂肪族基、2価の複素環式化合物基、2価の縮合環、及び2価の縮合多環からなる群より選ばれる基を表す。中でも液晶組成物の保存安定性を高めることができることから、Aa1及びAa2は、それぞれ独立して
(a) 1,4-シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個の-CH2-又は隣接していない2個以上の-CH2-は-O-に置き換えられてもよい。)
(b) 1,4-フェニレン基(この基中に存在する1個の-CH=又は隣接していない2個以上の-CH=は-N=に置き換えられてもよい。)及び
(c) ナフタレン-2,6-ジイル基、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基又はデカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基(ナフタレン-2,6-ジイル基又は1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基中に存在する1個の-CH=又は隣接していない2個以上の-CH=は-N=に置き換えられても良い。)
からなる群より選ばれる基であることが好ましい。
Aa1及びAa2が表す基は、環構造中の1個以上の水素原子がLi1で置換されていてもよい。すなわち、上記の基(a)、基(b)及び基(c)はLi1で置換されても良い。中でも液晶組成物に対する溶解性を高めることができることから、Li1は炭素原子数1~6の直鎖又は分岐のアルキル基、炭素原子数1~6の直鎖又は分岐のハロゲン化アルキル基、炭素原子数1~6の直鎖又は分岐のアルコキシ基、炭素原子数1~6の直鎖又は分岐のハロゲン化アルコキシ基、フッ素原子、シアノ基又は-SpH-PHを表すことが好ましく、フッ素原子、-SpH-PH、炭素原子数1~4の直鎖アルキル基を表すことがより好ましい。
Aa1及びAa2が複数存在する場合、複数のAa1及びAa2はすべて芳香環を有する基であることが好ましい。紫外線に対する反応性に優れるという効果があるからである。
Ra9は、水素原子、炭素原子数1から6の直鎖のアルキル基、炭素原子数1から6の直鎖のアルコキシ基、炭素原子数2から6の直鎖のアルケニル基又は-SpH-PH(該SpH基中の1個の-CH2-又は隣接していない2個以上の-CH2-は-O-又は-CH=CH-に置換されていてもよい)を表すことが好ましく、-SpH-PH(SpH基中の1個の-CH2-又は隣接していない2個以上の-CH2-は-O-又は-CH=CH-に置換されていてもよい。)を表すことがより好ましい。
一般式(r)中、p及びq0を表す場合、Ra9は-SpH-PHを表す。このときSpHは炭素原子数1から12の直鎖又は分岐のアルキレン基を表すことが好ましく、該アルキレン基中の1個の-CH2-又は隣接していない2個以上の-CH2-は、-O-、-COO-、-OCO-、-CH=CH-又は-C≡C-により置き換えられていてもよい。中でも上記の場合、Ra9中のSpHは炭素原子数1から6の直鎖のアルキレン基又は炭素原子数1から6の直鎖のオキシアルキレン基であることが好ましい。
また、一般式(r)中、p及びqの少なくとも一方が1、2又は3の整数を表し、1つ又は複数のAa1及びAa2の少なくとも1つが、環構造中の1個以上の水素原子が-SpH-PHに置換されている場合、Ra9は-SpH-PHを表してもよく、水素原子、炭素原子数1から6の直鎖のアルキル基、炭素原子数1から6の直鎖のアルコキシ基、又は炭素原子数2から6の直鎖のアルケニル基を表してもよい。
一般式(r)で表される構造は、中でも下記一般式(r-1)又は(r-2)で表される構造が好ましい。
(式中、SpH及びPHはそれぞれ先述した定義と同じである。式中の*は結合手を表す。)
(式中、Spa1、Spa2、Aa1、Aa2、Ra9及びqは、それぞれ一般式(r)中のSpa1、Spa2、Aa1、Aa2、Ra9及びqと同じ定義を表す。
L1及びL2はそれぞれ独立して一般式(r)中のLと同じ定義を表す。環Aa1及び環Aa2におけるL1及びL2の位置はそれぞれ任意である。
nr1及びnr2はそれぞれ独立して0、1、2又は3を表す。
qが2又は3を表し、Spa2及びAa2がそれぞれ複数有する場合は、複数のSpa2及び複数のAa2はそれぞれ同一であってもよく異なってもよい。
L1及びL2がそれぞれ複数有する場合は、複数のL1及び複数のL2はそれぞれ同一であってもよく異なってもよい。
ただし一般式(r-2)中に1個以上の-SpH-PHを有する。式中の*は結合手を表す。)
一般式(r-2)において、Ra9及びAa1が有する1つの置換基L1の少なくとも一方が-SpH-PHを表すことが好ましい。また、qが1、2又は3を表す場合、Ra9、Aa1が有する1つの置換基L1及びAa2の有する1つの置換基L2の少なくともいずれかがSpH-PHを表すことが好ましい。
一般式(H)中のtが2を表す場合、Uは一般式(U-2)で表される構造であることが好ましい。一般式(H)で表される光安定化剤の、外的刺激に対する劣化防止能を高めることができる。
(式中、破線は各々酸素原子への結合を表し、lc及びocはそれぞれ独立して一般式(U-1)中のmと同じ定義を表し、
Rc1及びRc2はそれぞれ独立して一般式(U-1)中のRa7と同じ定義を表し、
Vは2価の有機基を表す。
ただし一般式(U-2)中に1個以上の-SpH-PHを有する。)
Rc1及びRc2は、水素原子、炭素原子数1から12のアルキル基又は-SpH-PHを表すことが好ましい。該アルキル基又はSpH中に存在する1個の-CH2-又は隣接していない2個以上の-CH2-は、-O-、-COO-、-OCO-、-CH=CH-又は-C≡C-により置換されていてもよい。
中でも、Rc1及びRc2は、それぞれ独立して水素原子、炭素原子数1から8のアルキル基又は-SpH-PHを表すことが好ましく、水素原子、炭素原子数1から5のアルキル基又は-SpH-PHを表すことが好ましく、水素原子、炭素原子数1から3のアルキル基又は-SpH-PHを表すことが好ましく、水素原子、メチル基、エチル基又は-SpH-PHを表すことが好ましい。
一般式(U-2)は、一般式(U-2-i)で表される構造であることが好ましい。
(式中、破線は各々酸素原子への結合を表し、Rc1、Rc2、lc及びocはそれぞれ一般式(U-2)中のRc1、Rc2、lc及びocと同じ定義を表し、
Spacは単結合又は炭素原子数1から12のアルキレン基を表し、該アルキレン基中に存在する1個の-CH2-又は隣接していない2個以上の-CH2-は-O-、-COO-、-OCO-、-CH=CH-又は-C≡C-により置き換えられていてもよく、該アルキレン基中の1個以上の水素原子は-SpH-PHに置換されていてもよい。
ただし一般式(U-2-i)中に1個以上の-SpH-PHを有する。)
また、一般式(U-2)は、一般式(U-2-ii)で表される構造であることが好ましい。
(式中、破線は各々酸素原子への結合を表し、Rc1、Rc2、lc及びocはそれぞれ一般式(U-2)中のRc1、Rc2、lc及びocと同じ定義を表し、
Spac1及びSpac3は、それぞれ一般式(r)におけるSpa1と同じ定義を表し、
Spac2、Aac1及びAac2は、それぞれ一般式(r)におけるSpa2、Aa1及びAac1と同じ定義を表し、複数のSpac2及び複数のAac2はそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、
peは1又は2を表す。
ただし一般式(U-2-ii)中に1個以上の-SpH-PHを有する。)
一般式(H)中のtが3又は4を表す場合、Uは、一般式(U-3)で表される構造であることが好ましい。一般式(H)で表される光安定化剤の光劣化防止能を高めることができるからである。
(式中、破線は酸素原子への結合を表し、
lfは一般式(U-1)中のmと同じ定義を表し、
Rf7は一般式(U-1)中のRa7と同じ定義を表し、
Spaf1及びSpaf2は、それぞれ一般式(r)中のSpa2と同じ定義を表し、
Aaf1は一般式(r)中のAa1と同じ定義を表し
pfは0、1又は2を表し、
tfは3又は4を表し、
Vfは3価又は4価の基を表すが、Vfの価数はtfが表す数と同じ数であり、
Spaf1、Spaf2及びAaf1が複数存在する場合、複数のSpaf1、複数のSpaf2及び複数のAaf1はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
ただし一般式(U-3)中に1個以上の-SpH-PHを有し、PHは重合性基を表する。)
lfは1を表すことが特に好ましい。
Rf7は、水素原子、炭素原子数1から12のアルキル基又は-SpH-PHを表すことが好ましい。該アルキル基又はSpH中に存在する1個の-CH2-又は隣接していない2個以上の-CH2-は、-O-、-COO-、-OCO-、-CH=CH-又は-C≡C-により置換されていてもよい。中でも、Rf7は、水素原子、炭素原子数1~8のアルキル基又は-SpH-PHを表すことが好ましく、水素原子、炭素原子数1~5のアルキル基又は-SpH-PHを表すことが好ましく、水素原子、炭素原子数1~3のアルキル基又は-SpH-PHを表すことが好ましく、水素原子、メチル基、エチル基又は-SpH-PHを表すことがより好ましい。
一般式(U-3)中のtfが3を表す場合、すなわち、Vfの価数が3の場合、Vfは炭素原子数1から15の炭化水素基を表すことが好ましく、当該炭化水素基中の炭素原子中に存在する1個又は隣接していない2個以上の-CH2-はそれぞれ独立して-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-CO-S-、-S-CO-、-O-CO-O-、-CO-NH-、-NH-CO-、-CH=CH-COO-、-CH=CH-OCO-、-COO-CH=CH-、-OCO-CH=CH-、-CH=CH-、-CF=CF-、-OCF2-、-CF2O-、又は-C≡C-で置換されてもよい。また、当該炭化水素基中に存在する1個以上の水素原子が-SpH-PHに置換されていてもよい。
Vfは、式(V3-1)から式(V3-12)で表される基から選択される基であることがより好ましい。
(式中の、Rv31及びRv32は、水素原子、水酸基、炭素原子数1~10のアルキル基又は-SpH-PHを表し、該アルキル基又はSpH中に存在する1個又は2個以上の-CH2-はそれぞれ独立して-O-、-S-、-CH=CH-、-C≡C-、-CO-O-、-O-CO-に置換されてもよい。また、環状構造中の水素原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、ペンタフルオロスルフラニル基、ニトロ基、シアノ基、イソシアノ基、アミノ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、トリメチルシリル基、ジメチルシリル基、チオイソシアノ基、炭素原子数1から12のアルキル基又は-SpH-PHで置換されていてもよく、該アルキル基中に存在する1個又は隣接していない2個以上の-CH2-はそれぞれ独立して-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-CO-S-、-S-CO-、-O-CO-O-、-CO-NH-、-NH-CO-、-CH=CH-COO-、-CH=CH-OCO-、-COO-CH=CH-、-OCO-CH=CH-、-CH=CH-、-CF=CF-、-OCF2-、-CF2O-、又は-C≡C-で置換されてもよい。式中の黒点は結合手を表す。)
式(V3-1)及び式(V3-2)中、RV31及びRV32は、それぞれ独立して水素原子、水酸基、炭素原子数1~8のアルキル基又は-SpH-PHを表すことが好ましく、また、直鎖であることが好ましい。
また、式(V3-4)から式(V3-12)で表される基は、それぞれ独立して無置換であるか、基中の水素原子がシアノ基、フッ素原子、塩素原子、メチル基、メトキシ基又は-SpH-PHで置換されていることが好ましい。
原料の入手容易さ及び製造の容易さの観点から、Vfは、式(V3-1)、式(V3-2)、及び無置換の式(V3-3)から(V3-12)で表される基からなる群から選ばれる基を表すことが特に好ましい。
一般式(U-3)中のtfが4を表す場合、すなわち、Vfの価数が4の場合、Vfは炭素原子数1から15の炭化水素基を表すことが好ましく、当該炭化水素基中の炭素原子中に存在する1個又は隣接していない2個以上の-CH2-はそれぞれ独立して-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-CO-S-、-S-CO-、-O-CO-O-、-CO-NH-、-NH-CO-、-CH=CH-COO-、-CH=CH-OCO-、-COO-CH=CH-、-OCO-CH=CH-、-CH=CH-、-CF=CF-、-OCF2-、-CF2O-、又は-C≡C-で置換されてもよい。また、当該炭化水素基中に存在する1個以上の水素原子が-SpH-PHに置換されていてもよい。
Vfは、式(V4-1)から式(V4-21)で表される基から選択される基であることがより好ましい。
(式(V4-1)から式(V4-21)において、環状構造中の水素原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、ペンタフルオロスルフラニル基、ニトロ基、シアノ基、イソシアノ基、アミノ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、トリメチルシリル基、ジメチルシリル基、チオイソシアノ基、炭素原子数1から12のアルキル基、又は-SpH-PHで置換されていてもよく、該アルキル基又はSpH中に存在する1個又は隣接していない2個以上の-CH2-はそれぞれ独立して-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-CO-S-、-S-CO-、-O-CO-O-、-CO-NH-、-NH-CO-、-CH=CH-COO-、-CH=CH-OCO-、-COO-CH=CH-、-OCO-CH=CH-、-CH=CH-、-CF=CF-、-OCF2-、-CF2O-、又は-C≡C-で置換されてもよい。式中の黒点は結合手を表す。)
式(V4-3)から式(V4-21)で表される基は、それぞれ独立して無置換であるか、式中の水素原子がシアノ基、フッ素原子、塩素原子、メチル基、メトキシ基又は-SpH-PHで置換されていることが好ましい。
原料の入手容易さ及び製造の容易さの観点から、Vfは式(V4-1)、式(V4-2)、及び無置換の式(V4-3)から式(V4-21)から選ばれる基を表すことが特に好ましい。
一般式(H)で表される光安定化剤の好ましい態様としては、例えば一般式(H-I)表される化合物が挙げられる。
(一般式(H-I)中、Ra0は、一般式(H)におけるRa0と同じ定義を表し、
Ra7、Ra9及びmは、それぞれ一般式(U-1)におけるRa7、Ra9及びmと同じ定義を表し、
Aa1、Aa2、Spa1、Spa2、p及びqは、それぞれ一般式(r)におけるAa1、Aa2、Spa1、Spa2、p及びqと同じ定義を表す。
ただし一般式(H-I)中に1個以上の-SpH-PHを有する。)
一般式(H)で表される光安定化剤の別の好ましい態様として、一般式(H-II)で表される化合物が挙げられる。
(一般式(H-II)中、Ra01及びRa02はそれぞれ一般式(H)におけるRa0と同じ定義を表し、
Rc1、Rc2、lc、及びocは、それぞれ一般式(U-2)中のRc1、Rc2、lc、及びocと同じ定義を表し、
Spac1及びSpac3は、それぞれ一般式(r)におけるSpa1と同じ定義を表し、
Spac2、Aac1及びAac2は、それぞれ一般式(r)におけるSpa2、Aa1及びAac1と同じ定義を表し、複数のSpac2及び複数のAac2はそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、
peは1又は2を表す。
ただし一般式(H-II)中に1個以上の-SpH-PHを有する。)
一般式(H)で表される光安定化剤として、具体的には、以下の一般式(H-1)から一般式(H-27)で表される化合物が挙げられるが、これに限定されない。
(上記一般式(H-1)から(H-27)中、Ra0は、一般式(H)におけるRa0と同じ定義を表し、
Ra7、Ra9及びmは、それぞれ一般式(U-1)におけるRa7、Ra9及びmと同じ定義を表し、
Aa1は一般式(r)におけるAa1と同じ定義を表し、
Aa21及びAa22はそれぞれ独立して一般式(r)におけるAa2と同じ定義を表し、
L1及びL2はそれぞれ一般式(r)におけるL1及びL2と同じ定義を表し、Aa1におけるL1の位置並びにAa21及びAa22におけるL2の位置はそれぞれ任意であり、
nr11は一般式(r-2)におけるnr1と同じ定義を表し、
nr21及びnr22はそれぞれ一般式(r-2)におけるnr2と同じ定義を表す。ただし式中に1個以上の-SpH-PHを有し、SpH及びPHは、それぞれ一般式(H)におけるSpH及びPHと同じ定義を表す。)
一般式(H)で表される光安定化剤の更なる具体的態様として、下記式(H-I-1)から式(H-I-38)および式(H-II-1)から式(H-II-2)で表される化合物が例示されるが、これらに限定されるものではない。
一般式(H)で表される光安定化剤の総量は、VHR向上の観点から、本発明の液晶組成物の総量に対して、0.01質量%から5質量%の範囲内であることが好ましく、0.01質量%から0.5質量%の範囲内であることが好ましく、0.01質量%から0.3質量%の範囲内であることが好ましく、0.02質量%から0.3質量%の範囲内であることが更に好ましく、0.05質量%から0.25質量%の範囲内であることが特に好ましい。
液晶組成物からの析出を十分に抑制できるという観点から、一般式(H)で表される光安定化剤の総量は、本発明の液晶組成物の総量に対して、0.005質量%から1質量%の範囲内が好ましく0.005質量%から0.5質量%の範囲内であることがより好ましく、0.005質量%から0.1質量%の範囲内がさらに好ましい。
VHR及び溶解性の両立には、一般式(H)で表される光安定化剤の総量は、本発明の液晶組成物の総量に対して、0.01質量%から1質量%の範囲内であることが好ましく、0.025質量%から0.5質量%の範囲であることが好ましく、0.03質量%から0.3質量%であることが更に好ましく、0.05質量%から0.1質量%の範囲内であることが特に好ましい。
(2)一般式(II)で表される化合物
本発明の液晶組成物は、一般式(II)で表される化合物を1種又は2種以上含有することが好ましい。
(一般式(II)中、RII1は炭素原子数1~10のアルキル基を表し、該アルキル基中の1個又は非隣接の2個以上の-CH2-はそれぞれ独立して-CH=CH-、-C≡C-、-O-、-CO-、-COO-又は-OCO-によって置換されていてもよく、
AII1及びAII2はそれぞれ独立して
(a) 1,4-シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個の-CH2-又は隣接していない2個以上の-CH2-は-O-に置き換えられてもよい。)、
(b) 1,4-フェニレン基(この基中に存在する1個の-CH=又は隣接していない2個以上の-CH=は-N=に置き換えられてもよい。)及び
(c) ナフタレン-2,6-ジイル基、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基又はデカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基(ナフタレン-2,6-ジイル基又は1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基中に存在する1個の-CH=又は隣接していない2個以上の-CH=は-N=に置き換えられてもよい。)
からなる群より選ばれる基を表し、上記の基(a)、基(b)及び基(c)はそれぞれ独立してシアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていてもよく、
ZII1は単結合、-CH2CH2-、-(CH2)4-、-OCH2-、-CH2O-、-COO-、-OCO-、-OCF2-、-CF2O-、-CH=N-N=CH-、-CH=CH-、-CF=CF-又は-C≡C-を表し、
YII1は水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基又は炭素原子数1~10のアルキル基を表し、該アルキル基中の1個又は非隣接の2個以上の-CH2-はそれぞれ独立して-CH=CH-、-C≡C-、-O-、-CO-、-COO-又は-OCO-によって置換されていてもよく、また、該アルキル基中の1個又は2個以上の水素原子はフッ素原子で置換されていてもよく、
mII1は1、2、3又は4を表すが、mII1が2、3又は4を表す場合、複数のAII1及び複数のZII1はそれぞれ同一であっても異なっていても良い。)
本発明の液晶組成物は、上記一般式(II)で表される化合物を1種又は2種以上組み合わせることで、誘電率異方性の大きさを調整することができる。本発明の液晶組成物は、誘電率異方性(Δε)が負でありその絶対値(|Δε|)が2以上の負の液晶組成物であってもよく、誘電率異方性(Δε)が正であり、その絶対値(|Δε|)が1.5以上である正の液晶組成物であってもよい。具体的な誘電率異方性の値については、後述する。
ここで、本発明の液晶組成物は、上記一般式(II)中、少なくとも1つのZII1が-CH2O-を表す化合物を1種または2種以上含むことが好ましい。すなわち、本発明の液晶組成物は、一般式(II)中、mII1が1の場合は、ZII1が-CH2O-を表し、mII1が2、3又は4の場合は、複数のZII1のうち少なくとも1つが-CH2O-を表す化合物を含むことが好ましい。中でもZII1が-CH2O-を表す場合、-CH2O-の酸素原子と結合する環(AII1又はAII2)が有する1個又は2個以上の水素原子がフッ素原子に置換されていることが好ましく、特に、-CH2O-の酸素原子と結合する環が有する1個又は2個以上の水素原子がフッ素原子に置換され、且つ同じ環が有する少なくとも1個の水素原子がアルコキシ基に置換されていることがより好ましい。隣接する2つの環構造が-CH2O-で表される連結基を介して連結した構造を有する液晶化合物を含む場合であっても、上記一般式(H)で表される光安定化剤と併用することで、該液晶化合物の劣化を抑制することができ、液晶化合物の組み合わせによる液晶組成物の物性向上を図ることができる。
一般式(II)中、少なくとも1つのZII1が-CH2O-を表す化合物の総含有量は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して10質量%以上、20質量%以上、30質量%以上であり、また好ましくは70質量%以下、50質量%以下、40質量%以下である。一般式(II)中、少なくとも1つのZII1が-CH2O-を表す化合物の総含有量は、具体的には本発明における液晶組成物の総量に対して10質量%~70質量%の範囲内であり、20質量%~50質量%の範囲内であり、30質量%~40質量%の範囲内である。
一般式(II)で表される化合物は、誘電率異方性に応じて、誘電率異方性(Δε)が負の液晶化合物であってもよく(第一態様)、誘電率異方性(Δε)が正の液晶化合物であってもよく(第一態様)、誘電率異方性(Δε)が0付近のノンポーラ液晶化合物であってもよい(第三態様)。なお、一般式(II)で表される化合物の誘電率異方性は、25℃における値とする。以下、一般式(II)で表される化合物について態様ごとに説明する。
[1]一般式(II)で表される化合物の第一態様
一般式(II)で表される化合物の第一態様(以下、第一態様の化合物とする場合がある。)は、誘電率異方性(Δε)が負の液晶化合物である。第一態様の化合物は、Δεの符号が負で、その絶対値が2より大きいことが好ましく、上記絶対値が3より大きいことがより好ましい。
このような第一態様の化合物としては、下記一般式(N-1)から一般式(N-3)で表される化合物群から選ばれる化合物を挙げることができる。
(式中、RN11、RN12、RN21、RN22、RN31及びRN32はそれぞれ独立して炭素原子数1~8のアルキル基を表し、該アルキル基中の1個又は非隣接の2個以上の-CH2-はそれぞれ独立して-CH=CH-、-C≡C-、-O-、-CO-、-COO-又は-OCO-によって置換されていてもよく、
AN11、AN12、AN21、AN22、AN31及びAN32はそれぞれ独立して
(a) 1,4-シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個の-CH2-又は隣接していない2個以上の-CH2-は-O-に置き換えられてもよい。)
(b) 1,4-フェニレン基(この基中に存在する1個の-CH=又は隣接していない2個以上の-CH=は-N=に置き換えられてもよい。)及び
(c) ナフタレン-2,6-ジイル基、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基又はデカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基(ナフタレン-2,6-ジイル基又は1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基中に存在する1個の-CH=又は隣接していない2個以上の-CH=は-N=に置き換えられても良い。)
からなる群より選ばれる基を表し、上記の基(a)、基(b)及び基(c)はそれぞれ独立してシアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていても良く、
ZN11、ZN12、ZN21、ZN22、ZN31及びZN32はそれぞれ独立して単結合、-CH2CH2-、-(CH2)4-、-OCH2-、-CH2O-、-COO-、-OCO-、-OCF2-、-CF2O-、-CH=N-N=CH-、-CH=CH-、-CF=CF-又は-C≡C-を表し、
XN21は水素原子又はフッ素原子を表し、
TN31は-CH2-又は酸素原子を表し、
nN11、nN12、nN21、nN22、nN31及びnN32はそれぞれ独立して0~3の整数を表すが、nN11+nN12、nN21+nN22及びnN31+nN32はそれぞれ独立して1、2又は3であり、
AN11からAN32、ZN11からZN32が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていても良い。ただし、一般式(N-2)及び一般式(N-3)において一般式(N-1)で表される化合物は除き、また、一般式(N-3)において一般式(N-2)で表される化合物は除く。)
本発明の液晶組成物が、25℃における誘電率異方性(Δε)が負の値を有する場合、本発明の液晶組成物は、一般式(N-1)、(N-2)及び(N-3)で表される化合物群から選択される化合物を1種類又は2種類以上含有することが好ましい。
一般式(N-1)、(N-2)及び(N-3)中、RN11、RN12、RN21、RN22、RN31及びRN32はそれぞれ独立して、炭素原子数1~8のアルキル基、炭素原子数1~8のアルコキシ基、炭素原子数2~8のアルケニル基又は炭素原子数2~8のアルケニルオキシ基が好ましく、炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数1~5のアルコキシ基、炭素原子数2~5のアルケニル基又は炭素原子数2~5のアルケニルオキシ基が好ましく、炭素原子数1~5のアルキル基又は炭素原子数2~5のアルケニル基が更に好ましく、炭素原子数2~5のアルキル基又は炭素原子数2~3のアルケニル基が更に好ましく、炭素原子数3のアルケニル基(プロペニル基)が特に好ましい。
また、RN11、RN12、RN21、RN22、RN31及びRN32がそれぞれ結合する環構造がフェニル基(芳香族)である場合には、RN11、RN12、RN21、RN22、RN31及びRN32はそれぞれ独立して直鎖状の炭素原子数1~5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1~4のアルコキシ基及び炭素原子数4~5のアルケニル基が好ましい。一方、RN11、RN12、RN21、RN22、RN31及びRN32がそれぞれ結合する環構造がシクロヘキサン、ピラン及びジオキサンなどの飽和した環構造の場合には、N11、RN12、RN21、RN22、RN31及びRN32はそれぞれ独立して直鎖状の炭素原子数1~5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1~4のアルコキシ基及び直鎖状の炭素原子数2~5のアルケニル基が好ましい。
ネマチック相を安定化させるためには、RN11、RN12、RN21、RN22、RN31及びRN32は、それぞれ独立して炭素原子及び酸素原子の合計が5以下であることが好ましく、また直鎖状であることが好ましい。
アルケニル基としては、式(R1)から式(R5)のいずれかで表される基から選ばれることが好ましい。式(R1)から式(R5)中の黒点は、アルケニル基が結合している環構造中の炭素原子を表す。
Δnを大きくすることが求められる場合には、AN11、AN12、AN21、AN22、AN31及びAN32は、それぞれ独立して芳香族であることが好ましい。一方、応答速度を改善するためには、AN11、AN12、AN21、AN22、AN31及びAN32は、それぞれ独立して脂肪族であることが好ましく、トランス-1,4-シクロへキシレン基、1,4-フェニレン基、2-フルオロ-1,4-フェニレン基、3-フルオロ-1,4-フェニレン基、3,5-ジフルオロ-1,4-フェニレン基、2,3-ジフルオロ-1,4-フェニレン基、1,4-シクロヘキセニレン基、1,4-ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、ピペリジン-1,4-ジイル基、ナフタレン-2,6-ジイル基、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基又は1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基を表すことが好ましい。
中でもAN11、AN12、AN21、AN22、AN31及びAN32はそれぞれ独立して、下記の構造のいずれかを表すことが好ましい。
さらにAN11、AN12、AN21、AN22、AN31及びAN32はそれぞれ独立して、トランス-1,4-シクロへキシレン基又は1,4-フェニレン基を表すことが好ましい。
ZN11、ZN12、ZN21、ZN22、ZN31及びZN32はそれぞれ独立して-CH2O-、-CF2O-、-CH2CH2-、-CF2CF2-又は単結合を表すことが好ましく、-CH2O-、-CH2CH2-又は単結合が更に好ましく、-CH2O-又は単結合が特に好ましい。
XN21はフッ素原子が好ましい。
TN31は酸素原子が好ましい。
nN11+nN12、nN21+nN22及びnN31+nN32は1又は2が好ましく、nN11が1でありnN12が0である組み合わせ、nN11が2でありnN12が0である組み合わせ、nN11が1でありnN12が1である組み合わせ、nN11が2でありnN12が1である組み合わせ、nN21が1でありnN22が0である組み合わせ、nN21が2でありnN22が0である組み合わせ、nN31が1でありnN32が0である組み合わせ、nN31が2でありnN32が0である組み合わせ、が好ましい。
本発明の液晶組成物は、一般式(N-1)中のZN11およびZN12の少なくとも1つが-CH2O-を表す化合物、一般式(N-2)中のZN21およびZN22の少なくとも1つが-CH2O-を表す化合物、並びに一般式(N-3)中のZN31およびZN32の少なくとも1つが-CH2O-を表す化合物からなる群から選択される化合物を1種又は2種以上含有することが好ましい。これらの化合物は、その分子構造内において-CH2O-で表される連結基を有しており、上述した-CH2O-で表される連結基を有する化合物と一般式(H)で表される光安定化剤との併用による効果を奏することができるからである。
式(N-1)で表される化合物の含有量の下限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して0質量%であり、1質量%であり、10質量%であり、20質量%であり、30質量%であり、40質量%であり、50質量%であり、55質量%であり、60質量%であり、65質量%であり、70質量%であり、75質量%であり、80質量%である。式(N-1)で表される化合物の含有量の上限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して95質量%であり、85質量%であり、75質量%であり、65質量%であり、55質量%であり、45質量%であり、35質量%であり、25質量%であり、20質量%である。
式(N-2)で表される化合物の含有量の上限値および下限値、ならびに式(N-3)で表される化合物の含有量の上限値および下限値の好ましい値は、それぞれ式(N-1)で表される化合物の含有量の上限値および下限値の好ましい値と同様とすることができる。
本発明の液晶組成物の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値が低く上限値が低いことが好ましい。さらに、本発明の液晶組成物のTniを高く保ち、温度安定性の良い組成物が必要な場合は上記の下限値が低く上限値が低いことが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高く上限値が高いことが好ましい。
本発明の液晶組成物は、中でも一般式(N-1)で表される化合物を1種又は2種以上含むことが好ましい。一般式(N-1)で表される化合物として、下記の一般式(N-1a)から(N-1g)で表される化合物群を挙げることができる。中で-CH2O-で表される連結基を有することから、一般式(N-1d)又は(N-1f)で表される化合物を1種又は2種以上含むことが好ましく、一般式(N-1d)で表される化合物を1種又は2種以上含むことがより好ましい。
(式中、RN11及びRN12は一般式(N-1)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表し、nNa11は0又は1を表し、nNb11は1又は2を表し、nNc11は0又は1を表し、nNd11は1又は2を表し、nNe11は1又は2を表し、nNf12は1又は2を表し、nNg11は1又は2を表し、ANe11はトランス-1,4-シクロへキシレン基又は1,4-フェニレン基を表し、ANg11はトランス-1,4-シクロへキシレン基、1,4-シクロヘキセニレン基又は1,4-フェニレン基を表すが少なくとも1つは1,4-シクロヘキセニレン基を表し、ZNe11は単結合又はエチレンを表すが分子内に存在する少なくとも1つはエチレンを表し、分子内に複数存在するANe11、ZNe11、及び/又はANg11は同一であっても異なっていても良い。)
より具体的には、一般式(N-1)で表される化合物は一般式(N-1-1)から(N-1-21)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
一般式(N-1-1)で表される化合物は下記の化合物である。
(式中、RN111及びRN112はそれぞれ独立して、一般式(N-1)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。)
RN111は炭素原子数1~5のアルキル基又は炭素原子数2~5のアルケニル基が好ましく、プロピル基、ペンチル基又はビニル基が好ましい。RN112は炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数4~5のアルケニル基又は炭素原子数1~4のアルコキシ基が好ましく、エトキシ基又はブトキシ基が好ましい。
一般式(N-1-1)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を高めに設定すると効果が高く、TNIを重視する場合は含有量を低めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
式(N-1-1)で表される化合物の含有量の下限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して5質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、17質量%であり、20質量%であり、23質量%であり、25質量%であり、27質量%であり、30質量%であり、33質量%であり、35質量%である。また、上記含有量の上限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して50質量%であり、40質量%であり、38質量%であり、35質量%であり、33質量%であり、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、7質量%であり、6質量%であり、5質量%であり、3質量%である。
一般式(N-1-1)で表される化合物は、式(N-1-1.1)から式(N-1-1.23)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(N-1-1.1)~(N-1-1.4)で表される化合物であることが好ましく、式(N-1-1.1)及び式(N-1-1.3)で表される化合物が好ましい。
式(N-1-1.1)から(N-1-1.22)で表される化合物は単独で使用することも、組み合わせて使用することも可能である。式(N-1-1.1)から(N-1-1.22)で表される化合物の含有量の下限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して5質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、17質量%であり、20質量%であり、23質量%であり、25質量%であり、27質量%であり、30質量%であり、33質量%であり、35質量%である。また、上記含有量の上限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して50質量%であり、40質量%であり、38質量%であり、35質量%であり、33質量%であり、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、7質量%であり、6質量%であり、5質量%であり、3質量%である。
一般式(N-1-2)で表される化合物は下記の化合物である。
(式中、RN121及びRN122はそれぞれ独立して、一般式(N-1)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。)
RN121は炭素原子数1~5のアルキル基又は炭素原子数2~5のアルケニル基が好ましく、エチル基、プロピル基、ブチル基又はペンチル基が好ましい。RN122は炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数4~5のアルケニル基又は炭素原子数1~4のアルコキシ基が好ましく、メチル基、プロピル基、メトキシ基、エトキシ基又はプロポキシ基が好ましい。
一般式(N-1-2)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を低めに設定すると効果が高く、TNIを重視する場合は含有量を高めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
式(N-1-2)で表される化合物の含有量の下限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して5質量%であり、7質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、17質量%であり、20質量%であり、23質量%であり、25質量%であり、27質量%であり、30質量%であり、33質量%であり、35質量%であり、37質量%であり、40質量%であり、42質量%である。また、上記含有量の上限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して50質量%であり、48質量%であり、45質量%であり、43質量%であり、40質量%であり、38質量%であり、35質量%であり、33質量%であり、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、7質量%であり、6質量%であり、5質量%である。
一般式(N-1-2)で表される化合物は、式(N-1-2.1)から式(N-1-2.22)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(N-1-2.3)から式(N-1-2.7)、式(N-1-2.10)、式(N-1-2.11)、式(N-1-2.13)及び式(N-1-2.20)で表される化合物であることが好ましく、Δεの改良を重視する場合には式(N-1-2.3)から式(N-1-2.7)で表される化合物が好ましく、TNIの改良を重視する場合には式(N-1-2.10)、式(N-1-2.11)及び式(N-1-2.13)で表される化合物であることが好ましく、応答速度の改良を重視する場合には式(N-1-2.20)で表される化合物であることが好ましい。
式(N-1-2.1)から式(N-1-2.22)で表される化合物は単独で使用することも、組み合わせて使用することも可能である。これら化合物の含有量の下限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して5質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、17質量%であり、20質量%であり、23質量%であり、25質量%であり、27質量%であり、30質量%であり、33質量%であり、35質量%である。上記含有量の上限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して50質量%であり、40質量%であり、38質量%であり、35質量%であり、33質量%であり、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、7質量%であり、6質量%であり、5質量%であり、3質量%である。
一般式(N-1-3)で表される化合物は下記の化合物である。
(式中、RN131及びRN132はそれぞれ独立して、一般式(N-1)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。)
RN131は炭素原子数1~5のアルキル基又は炭素原子数2~5のアルケニル基が好ましく、エチル基、プロピル基又はブチル基が好ましい。RN132は炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数3~5のアルケニル基又は炭素原子数1~4のアルコキシ基が好ましく、1-プロペニル基、エトキシ基、プロポキシ基又はブトキシ基が好ましい。
一般式(N-1-3)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を高めに設定すると効果が高く、TNIを重視する場合は含有量を高めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
一般式(N-1-3)で表される化合物の含有量の下限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して5質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、17質量%であり、20質量%である。また、上記含有量の上限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して35質量%であり、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%である。
一般式(N-1-3)で表される化合物は、式(N-1-3.1)から式(N-1-3.21)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(N-1-3.1)~(N-1-3.7)及び式(N-1-3.21)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(N-1-3.1)、式(N-1-3.2)、式(N-1-3.3)、式(N-1-3.4)及び式(N-1-3.6)で表される化合物群から選ばれる化合物が好ましい。
式(N-1-3.1)から式(N-1-3.4)、式(N-1-3.6)及び式(N-1-3.21)で表される化合物は単独で使用することも、組み合わせて使用することも可能であるが、式(N-1-3.1)及び式(N-1-3.2)の組み合わせ、式(N-1-3.3)、式(N-1-3.4)及び式(N-1-3.6)から選ばれる2種又は3種の組み合わせが好ましい。これら化合物の含有量の下限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して5質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、17質量%であり、20質量%である。また、上記含有量の上限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して35質量%であり、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%である。
一般式(N-1-4)で表される化合物は下記の化合物である。
(式中、RN141及びRN142はそれぞれ独立して、一般式(N-1)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。)
RN141及びRN142はそれぞれ独立して、炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数4~5のアルケニル基又は炭素原子数1~4のアルコキシ基が好ましく、メチル基、プロピル基、エトキシ基又はブトキシ基が好ましい。
一般式(N-1-4)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を高めに設定すると効果が高く、TNIを重視する場合は含有量を低めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
一般式(N-1-4)で表される化合物の含有量の下限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して3質量%であり、5質量%であり、7質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、17質量%であり、20質量%である。上記含有量の上限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して35質量%であり、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、11質量%であり、10質量%であり、8質量%である。
一般式(N-1-4)で表される化合物は、式(N-1-4.1)から式(N-1-4.14)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(N-1-4.1)~(N-1-4.4)で表される化合物であることが好ましく、式(N-1-4.1)、式(N-1-4.2)及び式(N-1-4.4)で表される化合物が好ましい。
式(N-1-4.1)~(N-1-4.14)で表される化合物は単独で使用することも、組み合わせて使用することも可能である。これら化合物の含有量の下限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して3質量%であり、5質量%であり、7質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、17質量%であり、20質量%である。上記含有量の上限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して35質量%であり、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、11質量%であり、10質量%であり、8質量%である。
一般式(N-1-5)で表される化合物は下記の化合物である。
(式中、RN151及びRN152はそれぞれ独立して、一般式(N-1)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。)
RN151及びRN152はそれぞれ独立して、炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数4~5のアルケニル基又は炭素原子数1~4のアルコキシ基が好ましくエチル基、プロピル基又はブチル基が好ましい。
一般式(N-1-5)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を低めに設定すると効果が高く、TNIを重視する場合は含有量を高めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
一般式(N-1-5)で表される化合物の含有量の下限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、17質量%であり、20質量%である。上記含有量の上限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して35質量%であり、33質量%であり、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%である。
一般式(N-1-5)で表される化合物は、式(N-1-5.1)から式(N-1-5.6)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(N-1-5.1)、式(N-1-5.2)及び式(N-1-5.4)で表される化合物が好ましい。
式(N-1-5.1)、式(N-1-5.2)及び式(N-1-5.4)で表される化合物は単独で使用することも、組み合わせて使用することも可能である。これら化合物の含有量の下限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、17質量%であり、20質量%である。上記含有量の上限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して35質量%であり、33質量%であり、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%である。
一般式(N-1-10)で表される化合物は下記の化合物である。
(式中、RN1101及びRN1102はそれぞれ独立して、一般式(N-1)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。)
RN1101は炭素原子数1~5のアルキル基又は炭素原子数2~5のアルケニル基が好ましく、エチル基、プロピル基、ブチル基、ビニル基又は1-プロペニル基が好ましい。
RN1102は炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数4~5のアルケニル基又は炭素原子数1~4のアルコキシ基が好ましく、中でも炭素原子数1~4のアルコキシ基が好ましい。RN1102がアルコキシ基を表す場合、一般式(N-1-10)中の2,3-ジフルオロ-1,4-フェニレン基はそれぞれ連結基(-CH2O-)の酸素原子とRN1102が表すアルコキシ基の酸素原子と結合する構造を取る。このような構造を有する化合物は負の誘電率異方性(Δε)を示し、且つ誘電率異方性の絶対値が大きい値を示すことができる。このため、特に誘電率異方性が負の液晶組成物は、上記化合物を含むことでΔεを高めることができる。本発明においては、上記構造を有する化合物と上記一般式(H)で表される光安定化剤とを併用することで、上記構造を有する化合物の光劣化が抑制され、上記化合物により発揮される誘電率異方性により、高いΔεを示す液晶組成物を調製することができる。RN1102は、炭素原子数1~4のアルコキシ基の中でも、エトキシ基、プロポキシ基又はブトキシ基がより好ましい。
一般式(N-1-10)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を高めに設定すると効果が高く、TNIを重視する場合は含有量を低めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
一般式(N-1-10)で表される化合物の含有量の下限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して5質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、17質量%であり、20質量%である。上記含有量の上限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して35質量%であり、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%である。
一般式(N-1-10)で表される化合物は、式(N-1-10.1)から式(N-1-10.14)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(N-1-10.1)~(N-1-10.5)で表される化合物であることが好ましく、式(N-1-10.1)及び式(N-1-10.2)で表される化合物が好ましい。
式(N-1-10.1)及び式(N-1-10.2)で表される化合物は単独で使用することも、組み合わせて使用することも可能である。これらの化合物の含有量の下限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して5質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、17質量%であり、20質量%である。上記含有量の上限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して35質量%であり、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%である。
一般式(N-1-11)で表される化合物は下記の化合物である。
(式中、RN1111及びRN1112はそれぞれ独立して、一般式(N-1)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。)
RN1111は炭素原子数1~5のアルキル基又は炭素原子数2~5のアルケニル基が好ましく、エチル基、プロピル基、ブチル基、ビニル基又は1-プロペニル基が好ましい。
RN1112は炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数4~5のアルケニル基又は炭素原子数1~4のアルコキシ基が好ましく、中でも炭素原子数1~4のアルコキシ基が好ましい。その理由については、上記一般式(N-1-10)中のRN1102がアルコキシ基を表すことが好ましい理由と同様である。RN1112は、炭素原子数1~4のアルコキシ基の中でも、エトキシ基、プロポキシ基又はブトキシ基がより好ましい。
一般式(N-1-11)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を低めに設定すると効果が高く、TNIを重視する場合は含有量を高めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
一般式(N-1-11)で表される化合物の含有量の下限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して5質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、17質量%であり、20質量%である。上記含有量の上限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して35質量%であり、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%である。
一般式(N-1-11)で表される化合物は、式(N-1-11.1)から式(N-1-11.14)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(N-1-11.1)~(N-1-11.14)で表される化合物であることが好ましく、式(N-1-11.2及び式(N-1-11.4)で表される化合物が好ましい。
式(N-1-11.2)及び式(N-1-11.4)で表される化合物は単独で使用することも、組み合わせて使用することも可能である。これら化合物の含有量の下限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して5質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、17質量%であり、20質量%である。上記含有量の上限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して35質量%であり、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%である。
一般式(N-1-12)で表される化合物は下記の化合物である。
(式中、RN1121及びRN1122はそれぞれ独立して、一般式(N-1)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。)
RN1121は炭素原子数1~5のアルキル基又は炭素原子数2~5のアルケニル基が好ましく、エチル基、プロピル基又はブチル基が好ましい。RN1122は炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数4~5のアルケニル基又は炭素原子数1~4のアルコキシ基が好ましく、エトキシ基、プロポキシ基又はブトキシ基が好ましい。
一般式(N-1-12)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を高めに設定すると効果が高く、TNIを重視する場合は含有量を低めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
一般式(N-1-12)で表される化合物の含有量の下限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して5質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、17質量%であり、20質量%である。上記含有量の上限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して35質量%であり、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%である。
一般式(N-1-13)で表される化合物は下記の化合物である。
(式中、RN1131及びRN1132はそれぞれ独立して、一般式(N-1)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。)
RN1131は炭素原子数1~5のアルキル基又は炭素原子数2~5のアルケニル基が好ましく、エチル基、プロピル基又はブチル基が好ましい。RN1132は炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数4~5のアルケニル基又は炭素原子数1~4のアルコキシ基が好ましく、エトキシ基、プロポキシ基又はブトキシ基が好ましい。
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を高めに設定すると効果が高く、TNIを重視する場合は含有量を高めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
一般式(N-1-13)で表される化合物の含有量の下限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して5質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、17質量%であり、20質量%である。上記含有量の上限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して35質量%であり、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%である。
一般式(N-1-14)で表される化合物は下記の化合物である。
(式中、RN1141及びRN1142はそれぞれ独立して、一般式(N-1)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。)
RN1141は炭素原子数1~5のアルキル基又は炭素原子数2~5のアルケニル基が好ましく、エチル基、プロピル基又はブチル基が好ましい。RN1142は炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数4~5のアルケニル基又は炭素原子数1~4のアルコキシ基が好ましく、エトキシ基、プロポキシ基又はブトキシ基が好ましい。
一般式(N-1-14)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を高めに設定すると効果が高く、TNIを重視する場合は含有量を低めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
一般式(N-1-14)で表される化合物の含有量の下限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して5質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、17質量%であり、20質量%である。上記含有量の上限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して35質量%であり、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%である。
一般式(N-1-15)で表される化合物は下記の化合物である。
(式中、RN1151及びRN1152はそれぞれ独立して、一般式(N-1)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。)
RN1151は炭素原子数1~5のアルキル基又は炭素原子数2~5のアルケニル基が好ましく、エチル基、プロピル基又はブチル基が好ましい。RN1152は炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数4~5のアルケニル基又は炭素原子数1~4のアルコキシ基が好ましく、エトキシ基、プロポキシ基又はブトキシ基が好ましい。
一般式(N-1-15)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を高めに設定すると効果が高く、TNIを重視する場合は含有量を高めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
式(N-1-15)で表される化合物の含有量の下限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して5質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、17質量%であり、20質量%である。上記含有量の上限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して35質量%であり、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%である。
一般式(N-1-16)で表される化合物は下記の化合物である。
(式中、RN1161及びRN1162はそれぞれ独立して、一般式(N-1)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。)
RN1161は炭素原子数1~5のアルキル基又は炭素原子数2~5のアルケニル基が好ましく、エチル基、プロピル基又はブチル基が好ましい。RN1162は炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数4~5のアルケニル基又は炭素原子数1~4のアルコキシ基が好ましく、エトキシ基、プロポキシ基又はブトキシ基が好ましい。
一般式(N-1-16)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を高めに設定すると効果が高く、TNIを重視する場合は含有量を高めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
式(N-1-16)で表される化合物の含有量の下限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して5質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、17質量%であり、20質量%である。上記含有量の上限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して35質量%であり、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%である。
一般式(N-1-17)で表される化合物は下記の化合物である。
(式中、RN1171及びRN1172はそれぞれ独立して、一般式(N-1)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。)
RN1171は炭素原子数1~5のアルキル基又は炭素原子数2~5のアルケニル基が好ましく、エチル基、プロピル基又はブチル基が好ましい。RN1172は炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数4~5のアルケニル基又は炭素原子数1~4のアルコキシ基が好ましく、エトキシ基、プロポキシ基又はブトキシ基が好ましい。
一般式(N-1-17)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を高めに設定すると効果が高く、TNIを重視する場合は含有量を高めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
式(N-1-17)で表される化合物の含有量の下限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して5質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、17質量%であり、20質量%である。上記含有量の下限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して35質量%であり、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%である。
一般式(N-1-18)で表される化合物は下記の化合物である。
(式中、RN1181及びRN1182はそれぞれ独立して、一般式(N-1)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。)
RN1181は炭素原子数1~5のアルキル基又は炭素原子数2~5のアルケニル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基が好ましい。RN1182は炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数4~5のアルケニル基又は炭素原子数1~4のアルコキシ基が好ましく、エトキシ基、プロポキシ基又はブトキシ基が好ましい。
一般式(N-1-18)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を高めに設定すると効果が高く、TNIを重視する場合は含有量を高めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
式(N-1-18)で表される化合物の含有量の下限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して5質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、17質量%であり、20質量%である。上記含有量の上限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して35質量%であり、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%である。
一般式(N-1-18)で表される化合物は、式(N-1-18.1)から式(N-1-18.5)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(N-1-18.1)~(N-1-18.3)で表される化合物であることが好ましく、式(N-1-18.2)及び式(N-1-18.3)で表される化合物が好ましい。
一般式(N-1-20)で表される化合物は下記の化合物である。
(式中、RN1201及びRN1202はそれぞれ独立して、一般式(N-1)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。)
RN1201及びRN1202はそれぞれ独立して、炭素原子数1~5のアルキル基又は炭素原子数2~5のアルケニル基が好ましく、エチル基、プロピル基又はブチル基が好ましい。
一般式(N-1-20)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を高めに設定すると効果が高く、TNIを重視する場合は含有量を高めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
式(N-1-20)で表される化合物の含有量の下限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して5質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、17質量%であり、20質量%である。上記含有量の上限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して35質量%であり、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%である。
一般式(N-1-21)で表される化合物は下記の化合物である。
(式中、RN1211及びRN1212はそれぞれ独立して、一般式(N-1)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。)
RN1211及びRN1212はそれぞれ独立して、炭素原子数1~5のアルキル基又は炭素原子数2~5のアルケニル基が好ましく、エチル基、プロピル基又はブチル基が好ましい。
一般式(N-1-21)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を高めに設定すると効果が高く、TNIを重視する場合は含有量を高めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
式(N-1-21)で表される化合物の含有量の下限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して5質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、17質量%であり、20質量%である。上記含有量の上限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して35質量%であり、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%である。
一般式(N-1-22)で表される化合物は下記の化合物である。
(式中、RN1221及びRN1222はそれぞれ独立して、一般式(N-1)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。)
RN1221及びRN1222はそれぞれ独立して、炭素原子数1~5のアルキル基又は炭素原子数2~5のアルケニル基が好ましく、エチル基、プロピル基又はブチル基が好ましい。
一般式(N-1-22)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を高めに設定すると効果が高く、TNIを重視する場合は含有量を高めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
式(N-1-21)で表される化合物の含有量の下限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して1質量%であり、5質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、17質量%であり20質量%である。上記含有量の上限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して35質量%であり、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、5質量%である。
一般式(N-1-22)で表される化合物は、式(N-1-22.1)から式(N-1-22.12)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(N-1-22.1)~(N-1-22.5)で表される化合物であることが好ましく、式(N-1-22.1)~(N-1-22.4)で表される化合物が好ましい。
[2]一般式(II)で表される化合物の第二態様
一般式(II)で表される化合物の第二態様(以下、第二態様の化合物とする場合がある。)は、誘電率異方性(Δε)が正の液晶化合物である。第二態様の化合物は、Δεが2より大きいことが好ましい。
このような第二態様の化合物としては、下記の一般式(M)及び一般式(K)で表される化合物群から選択される化合物を挙げることができる。
(式中、RM1及びRK1は、それぞれ独立して炭素原子数1~8のアルキル基を表し、該アルキル基中の1個又は非隣接の2個以上の-CH2-はそれぞれ独立して-CH=CH-、-C≡C-、-O-、-CO-、-COO-又は-OCO-によって置換されていてもよく、
nM1及びnK1は、それぞれ独立して0、1、2、3又は4を表し、
AM1及びAM2並びにAK1及びAK2はそれぞれ独立して、
(a) 1,4-シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個の-CH2-又は隣接していない2個以上の-CH2-は-O-又は-S-に置き換えられてもよい。)及び
(b) 1,4-フェニレン基(この基中に存在する1個の-CH=又は隣接していない2個以上の-CH=は-N=に置き換えられてもよい。)
からなる群より選ばれる基を表し、上記の基(a)及び基(b)上の水素原子はそれぞれ独立してシアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていても良く、
ZM1及びZM2並びにZK1及びZK2はそれぞれ独立して単結合、-CH2CH2-、-(CH2)4-、-OCH2-、-CH2O-、-OCF2-、-CF2O-、-COO-、-OCO-又は-C≡C-を表し、
一般式(M)においてnM1が2、3又は4であってAM2およびZM1がそれぞれ複数存在する場合は、複数のAM2およびZM1はそれぞれ同一であっても異なっていても良く、
一般式(K)においてnK1が2、3又は4であってAK2およびZK1がそれぞれ複数存在する場合は、複数のAK2およびZK1はそれぞれ同一であっても異なっていても良く、
XM1及びXM3並びにXK1及びXK3は、それぞれ独立して水素原子、塩素原子又はフッ素原子を表し、
XM2及びXK2は、それぞれ独立して水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、トリフルオロメチル基、フルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基又は2,2,2-トリフルオロエチル基を表す。)
本発明の液晶組成物が、25℃における誘電率異方性(Δε)が正の値を有する場合、本発明の液晶組成物は、一般式(M)及び一般式(K)で表される化合物群から選択される化合物を1種又は2種以上含有することが好ましい。
本発明の液晶組成物は、一般式(M)中のZM1及びZM2の少なくとも1つが-CH2O-を表す化合物、並びに一般式(K)中のZK1及びZK2少なくとも1つが-CH2O-を表す化合物からなる群から選択される化合物を1種又は2種以上含有することが好ましい。これらの化合物は、その分子構造内において、-CH2O-で表される連結基を有しており、上述した-CH2O-で表される連結基を有する化合物と一般式(H)で表される光安定化剤との併用による効果を奏することができるからである。
本発明の液晶組成物において、一般式(M)および一般式(K)で表される化合物群から選択される化合物の総含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性などの求められる性能に応じて適宜調整することができる。
一般式(M)および一般式(K)で表される化合物群から選択される化合物の総含有量の下限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して1質量%であり、10質量%であり、20質量%であり、30質量%であり、40質量%であり、50質量%であり、55質量%であり、60質量%であり、65質量%であり、70質量%であり、75質量%であり、80質量%であり、一方、上記総含有量の上限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して95質量%であり、85質量%であり、75質量%であり、65質量%であり、55質量%であり、45質量%であり、35質量%であり、25質量%である。
本発明の液晶組成物の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は、一般式(M)および一般式(K)で表される化合物群から選択される化合物の総含有量は、下限値を低めにして上限値を低めにすることが好ましい。本発明の液晶組成物のTniを高く保ち、温度安定性の良い組成物が必要な場合、一般式(M)および一般式(K)で表される化合物群から選択される化合物の総含有量は、下限値を低めにして上限値を低めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、一般式(M)および一般式(K)で表される化合物群から選択される化合物の総含有量は、下限値を高めにして上限値を高めにすることが好ましい。
以下、一般式(M)及び一般式(K)で表される化合物について、それぞれ説明する。
<一般式(M)で表される化合物>
一般式(M)中、RM1は、炭素原子数1~8のアルキル基、炭素原子数1~8のアルコキシ基、炭素原子数2~8のアルケニル基又は炭素原子数2~8のアルケニルオキシ基が好ましく、炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数1~5のアルコキシ基、炭素原子数2~5のアルケニル基又は炭素原子数2~5のアルケニルオキシ基が好ましく、炭素原子数1~5のアルキル基又は炭素原子数2~5のアルケニル基が更に好ましく、炭素原子数2~5のアルキル基又は炭素原子数2~3のアルケニル基が更に好ましく、炭素原子数3のアルケニル基(プロペニル基)が特に好ましい。
また、RM1は、信頼性を重視する場合にはアルキル基であることが好ましく、粘性の低下を重視する場合にはアルケニル基であることが好ましい。
また、RM1が結合するAM1の環構造がフェニル基(芳香族)である場合には、RM1は直鎖状の炭素原子数1~5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1~4のアルコキシ基及び炭素原子数4~5のアルケニル基が好ましい。一方、RM1が結合するAM1の環構造がシクロヘキサン、ピラン及びジオキサンなどの飽和した環構造の場合には、RM1は直鎖状の炭素原子数1~5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1~4のアルコキシ基及び直鎖状の炭素原子数2~5のアルケニル基が好ましい。
RM1は、ネマチック相を安定化させるためには、炭素原子及び酸素原子の合計が5以下であることが好ましく、直鎖状であることが好ましい。
アルケニル基は、上記「[1]一般式(II)で表される化合物の第一態様」の項で説明した式(R1)から式(R5)のいずれかで表される基から選択されることが好ましい。
Δnを大きくすることが求められる場合には、AM1及びAM2はそれぞれ独立して芳香族であることが好ましい。また、応答速度を改善するためには、AM1及びAM2はそれぞれ独立して脂肪族であることが好ましく、トランス-1,4-シクロへキシレン基、1,4-フェニレン基、2-フルオロ-1,4-フェニレン基、3-フルオロ-1,4-フェニレン基、3,5-ジフルオロ-1,4-フェニレン基、2,3-ジフルオロ-1,4-フェニレン基、1,4-シクロヘキセニレン基、1,4-ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、ピペリジン-1,4-ジイル基、ナフタレン-2,6-ジイル基、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基又は1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基を表すことが好ましい。
中でもAM1及びAM2は、それぞれ独立して下記の構造のいずれかを表すことがより好ましい。
さらにAM1及びAM2は、それぞれ独立して下記の構造のいずれかを表すことが好ましい。
ZM1及びZM2はそれぞれ独立して-CH2O-、-CF2O-、-CH2CH2-、-CF2CF2-又は単結合を表すことが好ましく、-CF2O-、-CH2CH2-又は単結合が更に好ましく、-CF2O-又は単結合が特に好ましい。
nM1は、0、1、2又は3を表すことが好ましく、0、1又は2を表すことが好ましい。Δεの改善に重点を置く場合には、nM1は、0又は1を表すことが好ましく、Tniを重視する場合には、nM1は、1又は2を表すことが好ましい。
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの所望の性能に応じて組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類である。またさらに、本発明の別の実施形態では4種類であり、5種類であり、6種類であり、7種類以上である。
本発明の液晶組成物において、一般式(M)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性などの求められる性能に応じて適宜調整する必要がある。
一般式(M)で表される化合物の含有量の下限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して0質量%であり、1質量%であり、10質量%であり、20質量%であり、30質量%であり、40質量%であり、50質量%であり、55質量%であり、60質量%であり、65質量%であり、70質量%であり、75質量%であり、80質量%である。一般式(M)で表される化合物の含有量の上限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して95質量%であり、85質量%であり、75質量%であり、65質量%であり、55質量%であり、45質量%であり、35質量%であり、25質量%である。
本発明の液晶組成物の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は、一般式(M)で表される化合物の含有量は、下限値を低めにし、上限値を低めにすることが好ましい。本発明の液晶組成物のTniを高く保ち、温度安定性の良い組成物が必要な場合は、一般式(M)で表される化合物の含有量は、下限値を低めにし、上限値を低めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、一般式(M)で表される化合物の含有量は、下限値を高めにし、上限値を高めにすることが好ましい。
一般式(M)で表される液晶化合物は、下記一般式(M-1)及び一般式(M-2)で表される化合物群から選択されることが好ましい。
(式中、R31は炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数2~5のアルケニル基又は炭素原子数1~4のアルコキシ基を表し、
X31及びX32はそれぞれ独立して水素原子又はフッ素原子を表し、
Y31はフッ素原子又はOCF3を表し、
M31からM33はそれぞれ独立して、トランス-1,4-シクロへキシレン基又は1,4-フェニレン基を表し、該トランス-1,4-シクロへキシレン基中の1つ又は2つの-CH2-は酸素原子が直接隣接しないように、-O-で置換されていてもよく、該フェニレン基中の1つ又は2つの水素原子はフッ素原子で置換されていてもよく、
n31及びn32はそれぞれ独立して0、1又は2を表し、
n31+n32は、1、2又は3を表す。)
中でも本発明の液晶組成物は、一般式(M-2)で表される化合物を1種類以上含むことが好ましい。一般式(M-2)で表される化合物は、その分子構造内において、-CH2O-で表される連結基を介して隣接する2つの環構造が連結された構造を有しており、上述した-CH2O-で表される連結基を有する化合物と一般式(H)で表される光安定化剤との併用による効果を奏することができるからである。
一般式(M-1)で表される液晶化合物は、具体的には下記一般式(M-1-a)から一般式(M-1-f)で表される化合物が好ましい。
(式中、R31、X31、X32及びY31は、それぞれ一般式(M)中のR31、X31、X32及びY31と同じ意味を表し、X34からX39はそれぞれ独立して水素原子又はフッ素原子を表す。)
一般式(M-2)で表される液晶化合物は、具体的には下記一般式(M-2-a)から一般式(M-2-n)で表される化合物が好ましい。
(式中、R31、X31、X32及びY31は、それぞれ一般式(M)中のR31、X31、X32及びY31と同じ意味を表し、X34からX39はそれぞれ独立して水素原子又はフッ素原子を表す。)
また、一般式(M)で表される液晶化合物は、具体的には下記一般式(M-3)から一般式(M-26)で表される化合物が好ましい。
(式中、R31、X31、X32及びY31は、それぞれ一般式(M)中のR31、X31、X32及びY31と同じ意味を表し、X34からX39はそれぞれ独立して水素原子又はフッ素原子を表す。)
<2>一般式(K)で表される化合物
一般式(K)中、RK1は、炭素原子数1~8のアルキル基、炭素原子数1~8のアルコキシ基、炭素原子数2~8のアルケニル基又は炭素原子数2~8のアルケニルオキシ基が好ましく、炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数1~5のアルコキシ基、炭素原子数2~5のアルケニル基又は炭素原子数2~5のアルケニルオキシ基が好ましく、炭素原子数1~5のアルキル基又は炭素原子数2~5のアルケニル基が更に好ましく、炭素原子数2~5のアルキル基又は炭素原子数2~3のアルケニル基が更に好ましく、炭素原子数3のアルケニル基(プロペニル基)が特に好ましい。
RK1は、信頼性を重視する場合にはアルキル基であることが好ましく、粘性の低下を重視する場合にはアルケニル基であることが好ましい。
RK1が結合するAK1の環構造がフェニル基(芳香族)である場合には、RK1は直鎖状の炭素原子数1~5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1~4のアルコキシ基及び炭素原子数4~5のアルケニル基が好ましい。一方、RK1が結合するAK1の環構造がシクロヘキサン、ピラン及びジオキサンなどの飽和した環構造の場合には、RK1は直鎖状の炭素原子数1~5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1~4のアルコキシ基及び直鎖状の炭素原子数2~5のアルケニル基が好ましい。
ネマチック相を安定化させるためには、RK1は炭素原子及び酸素原子の合計が5以下であることが好ましく、このときRK1は直鎖状であることが好ましい。
RK1がアルケニル基を表す場合、上記アルケニル基は、上記「[1]一般式(II)で表される化合物の第一態様」の項で説明した式(R1)から式(R5)のいずれかで表される基から選択されることが好ましい。
Δnを大きくすることが求められる場合には、AK1及びAK2はそれぞれ独立して芳香族であることが好ましい。また、応答速度を改善するためには、AK1及びAK2はそれぞれ独立して脂肪族であることが好ましく、トランス-1,4-シクロへキシレン基、1,4-フェニレン基、2-フルオロ-1,4-フェニレン基、3-フルオロ-1,4-フェニレン基、3,5-ジフルオロ-1,4-フェニレン基、2,3-ジフルオロ-1,4-フェニレン基、1,4-シクロヘキセニレン基、1,4-ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、ピペリジン-1,4-ジイル基、ナフタレン-2,6-ジイル基、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基又は1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基を表すことが好ましい。
中でもAK1及びAK2は、それぞれ独立して下記の構造のいずれかを表すことが好ましい。
さらにAK1及びAK2は、それぞれ独立して下記の構造のいずれかを表すことが好ましい。
ZK1及びZK2はそれぞれ独立して-CH2O-、-CF2O-、-CH2CH2-、-CF2CF2-又は単結合を表すことが好ましく、-CF2O-、-CH2CH2-又は単結合が更に好ましく、-CF2O-又は単結合が特に好ましい。
nK1は、0、1、2又は3を表すことが好ましく、0、1又は2を表すことが好ましい。Δεの改善に重点を置く場合には、nK1は0又は1を表すことが好ましく、Tniを重視する場合には、nK1は1又は2を表すことが好ましい。
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの所望の性能に応じて組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類であり、6種類であり、7種類以上である。
本発明の液晶組成物において、一般式(K)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性などの求められる性能に応じて適宜調整する必要がある。
一般式(K)で表される化合物の含有量の下限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して1質量%であり、10質量%であり、20質量%であり、30質量%であり、40質量%であり、50質量%であり、55質量%であり、60質量%であり、65質量%であり、70質量%であり、75質量%であり、80質量%である。一般式(K)で表される化合物の含有量の上限値は、本発明の液晶組成物の総量に対して好ましく95質量%であり、85質量%であり、75質量%であり、65質量%であり、55質量%であり、45質量%であり、35質量%であり、25質量%である。
本発明の液晶組成物の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は一般式(K)で表される化合物の含有量は、下限値を低めにし、上限値を低めにすることが好ましい。本発明の液晶組成物のTniを高く保ち、温度安定性の良い組成物が必要な場合は、一般式(K)で表される化合物の含有量は、下限値を低めにし、上限値を低めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、一般式(K)で表される化合物の含有量は、下限値を高めにし、上限値を高めにすることが好ましい。
一般式(K)で表される液晶化合物は、下記一般式(K-1)及び一般式(K-2)で表される化合物群から選択されることが好ましい。
(式中、R41は炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数2~5のアルケニル基又は炭素原子数1~4のアルコキシ基を表し、
X41及びX42はそれぞれ独立して水素原子又はフッ素原子を表し、
Y41はフッ素原子又はOCF3を表し、
M41からM43はそれぞれ独立して、トランス-1,4-シクロへキシレン基又は1,4-フェニレン基を表し、該トランス-1,4-シクロへキシレン基中の1つ又は2つの-CH2-は酸素原子が直接隣接しないように、-O-で置換されていてもよく、該フェニレン基中の1つ又は2つの水素原子はフッ素原子で置換されていてもよく、
n41及びn42はそれぞれ独立して0、1又は2を表し、n41+n42は、1、2又は3を表す。)
中でも本発明の液晶組成物は、一般式(K-2)で表される化合物を1種類以上含むことが好ましい。一般式(K-2)で表される化合物は、その分子構造内において、-CH2O-で表される連結基を介して隣接する2つの環構造が連結された構造を有しており、上述した-CH2O-で表される連結基を有する化合物と一般式(H)で表される光安定化剤との併用による効果を奏することができるからである。
一般式(K-1)で表される液晶化合物は、具体的には下記一般式(K-1-a)から一般式(K-1-d)で表される化合物が好ましい。
(式中、R41、X41、X42及びY41は一般式(K)中のR41、X41、X42及びY41と同じ意味を表し、X44~X49はそれぞれ独立して水素原子又はフッ素原子を表す。)
一般式(K-2)で表される液晶化合物は、具体的には下記一般式(K-2-a)から一般式(K-2-g)で表される化合物が好ましい。
(式中、R41、X41、X42及びY41は一般式(K)中のR41、X41、X42及びY41と同じ意味を表し、X44~X49はそれぞれ独立して水素原子又はフッ素原子を表す。)
また、一般式(K)で表される液晶化合物は、具体的には下記一般式(K-3)から一般式(K-5)であることが好ましい。
(式中、R41、X41、X42及びY41は一般式(K)中のR41、X41、X42及びY41と同じ意味を表し、X44~X49はそれぞれ独立して水素原子又はフッ素原子を表す。)
[3]一般式(II)で表される化合物の第三態様
一般式(II)で表される化合物の第三態様(以下、第三態様の化合物とする。)は、誘電率異方性が0程度である化合物、いわゆる非極性液晶化合物である。第三態様の化合物は、25℃における誘電率異方性(Δε)の値が-2以上2以下であることが好ましい。
第三態様の化合物は、下記一般式(L)で表される化合物とすることができる。すなわち本発明の液晶組成物は、一般式(L)で表される化合物を1種類又は2種類以上含有することが好ましい。
(式中、RL1及びRL2はそれぞれ独立して炭素原子数1~8のアルキル基を表し、該アルキル基中の1個又は非隣接の2個以上の-CH2-はそれぞれ独立して-CH=CH-、-C≡C-、-O-、-CO-、-COO-又は-OCO-によって置換されていてもよく、
nL1は0、1、2又は3を表し、
AL1、AL2及びAL3はそれぞれ独立して
(a) 1,4-シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個の-CH2-又は隣接していない2個以上の-CH2-は-O-に置き換えられてもよい。)及び
(b) 1,4-フェニレン基(この基中に存在する1個の-CH=又は隣接していない2個以上の-CH=は-N=に置き換えられてもよい。)
(c) ナフタレン-2,6-ジイル基、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基又はデカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基(ナフタレン-2,6-ジイル基又は1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基中に存在する1個の-CH=又は隣接していない2個以上の-CH=は-N=に置き換えられても良い。)
からなる群より選ばれる基を表し、上記の基(a)、基(b)及び基(c)はそれぞれ独立してシアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていても良く、
ZL1及びZL2はそれぞれ独立して単結合、-CH2CH2-、-(CH2)4-、-OCH2-、-CH2O-、-COO-、-OCO-、-OCF2-、-CF2O-、-CH=N-N=CH-、-CH=CH-、-CF=CF-又は-C≡C-を表し、
nL1が2又は3であってAL2が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていても良く、nL1が2又は3であってZL3が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていても良い。
ただし一般式(M)および(K)で表される化合物、並びに一般式(N-1)、(N-2)及び(N-3)で表される化合物を除く。)
一般式(L)で表される化合物は、誘電的にほぼ中性の化合物(25℃におけるΔεの値が-2以上2以下)に該当する。このため、一般式(L)で表される化合物は、分子内に有するハロゲン等の極性基の個数が2個以下であることが好ましく、1個以下であることが好ましく、ハロゲン等の極性基を有さないことが好ましい。
一般式(L)で表される化合物は、単独で用いてもよいが、組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの所望の性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類であり、6種類であり、7種類であり、8種類であり、9種類であり、10種類以上である。
一般式(L)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性などの求められる性能に応じて適宜調整する必要がある。一般式(L)で表される化合物の含有量の下限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して1質量%であり、10質量%であり、20質量%であり、30質量%であり、40質量%であり、50質量%であり、55質量%であり、60質量%であり、65質量%であり、70質量%であり、75質量%であり、80質量%である。一般式(L)で表される化合物の含有量の上限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して95質量%であり、85質量%であり、75質量%であり、65質量%であり、55質量%であり、45質量%であり、35質量%であり、25質量%である。
本発明の液晶組成物の粘度を低く保ち、応答速度が速い液晶組成物が必要な場合は、一般式(L)で表される化合物の含有量は、下限値が高く上限値が高いことが好ましい。また、本発明の液晶組成物のTniを高く保ち、温度安定性の良い液晶組成物が必要な場合は、一般式(L)で表される化合物の含有量は、下限値が高く上限値が高いことが好ましい。駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、一般式(L)で表される化合物の含有量は、下限値が低く上限値が低いことが好ましい。
RL1及びRL2は、信頼性を重視する場合には、ともにアルキル基であることが好ましく、化合物の揮発性を低減させることを重視する場合にはアルコキシ基であることが好ましく、粘性の低下を重視する場合には少なくとも一方はアルケニル基であることが好ましい。
RL1及びRL2は、それらが結合するAL1及びAL3の環構造がフェニル基(芳香族)である場合には、それぞれ独立して直鎖状の炭素原子数1~5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1~4のアルコキシ基又は炭素原子数4~5のアルケニル基が好ましい。また、RL1及びRL2は、それらが結合するAL1及びAL3の環構造がシクロヘキサン、ピラン及びジオキサンなどの飽和した環構造の場合には、それぞれ独立して直鎖状の炭素原子数1~5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1~4のアルコキシ基又は直鎖状の炭素原子数2~5のアルケニル基が好ましい。また、ネマチック相を安定化させるためには、RL1及びRL2は、それぞれ独立して、炭素原子及び酸素原子の合計が5以下であることが好ましく、このとき直鎖状であることが好ましい。
アルケニル基は、上記「[1]一般式(II)で表される化合物の第一態様」の項で説明した式(R1)から式(R5)のいずれかで表される基から選択されることが好ましい。
nL1は、応答速度を重視する場合には0が好ましく、ネマチック相の上限温度を改善するためには2又は3が好ましく、これらのバランスをとるためには1が好ましい。また、液晶組成物として求められる特性を満たすためには、nL1が異なる値の一般式(L)で表される化合物を組み合わせることが好ましい。
AL1、AL2及びAL3は、Δnを大きくすることが求められる場合には芳香族であることが好ましく、応答速度を改善するためには脂肪族であることが好ましく、それぞれ独立してトランス-1,4-シクロへキシレン基、1,4-フェニレン基、2-フルオロ-1,4-フェニレン基、3-フルオロ-1,4-フェニレン基、3,5-ジフルオロ-1,4-フェニレン基、1,4-シクロヘキセニレン基、1,4-ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、ピペリジン-1,4-ジイル基、ナフタレン-2,6-ジイル基、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基又は1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基を表すことが好ましい。
中でもAL1、AL2及びAL3は、それぞれ独立して下記の構造を表すことがより好ましく、トランス-1,4-シクロへキシレン基又は1,4-フェニレン基を表すことがより好ましい。
ZL1及びZL2は応答速度を重視する場合には単結合であることが好ましい。
一般式(L)で表される化合物は、分子内に存在するハロゲン原子が0、1、2又は3個であることが好ましく、0又は1個であることが好ましく、他の液晶分子との相溶性を重視する場合には1個が好ましい。
本発明の液晶組成物は、一般式(L)で表される化合物として、一般式(L-1A)で表される化合物を1種または2種以上含むことが好ましい。
(上記一般式(L-1A)中、Ri1A及びRi2Aはそれぞれ独立して、炭素原子数1~8のアルキル基を表し、該アルキル基中の1個又は非隣接の2個以上の-CH2-はそれぞれ独立して-CH=CH-、-C≡C-、-O-、-CO-、-COO-又は-OCO-によって置換されていてもよいが、Ri1A及びRi2Aの少なくとも一方は、該アルキル基中の1個又は非隣接の2個以上の-CH2-がそれぞれ独立して-CH=CH-に置換されている。)
一般式(L-1A)で表される化合物は、Ri1A及びRi2Aの少なくとも一方が、アルキル基中の1個又は非隣接の2個以上の-CH2-がそれぞれ独立して-CH=CH-に置換されている基を表す。すなわち、一般式(L-1A)で表される化合物は、Ri1A及びRi2Aの少なくとも一方が、炭素原子数2~8アルケニル基を表す。
一般式(L-1A)で表される化合物は、アルケニル基を有することから液晶組成物の粘度および応答時間を低下することができるが、一方で信頼性および安定性を低下してしまうことが知られている。特にアルケニル基を有する化合物は、UV照射を受けると劣化して不純物を発生しやすく、該不純物によりVHRの低下を引き起こすことが知られている。これに対し、本発明の液晶組成物は、一般式(H)で表される光安定化剤を含むことから、一般式(L-1A)で表される化合物の光劣化により生じた不純物が、一般式(H)で表される光安定化剤により捕集されるため、信頼性および安定性の低下を抑制することができ、また、一般式(L-1A)の含有量を増やして粘度や応答速度をより下げることができる。これにより、本発明の液晶組成物は、高Δεおよび低粘度を示し、高速応答性および高安定性を達成することが可能となる。
中でもRi1A及びRi2Aの少なくとも一方は、上述した式(R1)から式(R5)のいずれかで表されることが好ましい。また、Ri1A及びRi2Aは、一方のみがアルケニル基であってもよく、Ri1A及びRi2Aの両方がアルケニル基であってもよい。Ri1A及びRi2Aが共にアルケニル基である場合、Ri1A及びRi2Aは同一であってもよく異なってもよい。
Ri1A及びRi2Aの少なくとも一方は、中でも炭素原子数が2~5のアルケニル基を表すことが好ましい。
本発明の液晶組成物は、一般式(L-1A)で表される化合物を少なくとも1種類含むことが好ましい。2種類以上を組み合わせて含んでいてもよい。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
一般式(L-1A)で表される化合物の含有量の下限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して1質量%であり、2質量%であり、3質量%であり、5質量%であり、7質量%であり、10質量%であり、15質量%であり、20質量%であり、25質量%であり、30質量%であり、35質量%であり、40質量%であり、45質量%であり、50質量%であり、55質量%である。上記含有量の上限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して70質量%であり、65質量%であり、60質量%であり、55質量%であり、50質量%であり、45質量%であり、40質量%であり、35質量%であり、30質量%であり、25質量%である。
一般式(L-1A)で表される化合物は一般式(L-1A-1)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
(式中RL12Aは一般式(L-1A)における意味と同じ意味を表す。)
一般式(L-1A-1)で表される化合物は、式(L-1A-1.1)から式(L-1A-1.3)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(L-1A-1.2)又は式(L-1A-1.3)で表される化合物であることが好ましく、特に、式(L-1A-1.3)で表される化合物であることが好ましい。
式(L-1A-1)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、本発明の液晶組成物の総量に対して1質量%であり、2質量%であり、3質量%であり、5質量%であり、7質量%であり、10質量%である。好ましい含有量の上限値は、本発明の液晶組成物の総量に対して20質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、7質量%であり、6質量%であり、5質量%であり、3質量%である。中でも式(L-1A-3)で表される化合物が、上記下限値および上記上限値の範囲内で含有されることが好ましい。
一般式(L-1A)で表される化合物は一般式(L-1A-2)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
(式中RL12Aは一般式(L-1A)における意味と同じ意味を表す。)
式(L-1A-2)で表される化合物の含有量の下限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して1質量%であり、5質量%であり、10質量%であり、15質量%であり、17質量%であり、20質量%であり、23質量%であり、25質量%であり、27質量%であり、30質量%であり、35質量%である。上記含有量の上限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して60質量%であり、55質量%であり、50質量%であり、45質量%であり、42質量%であり、40質量%であり、38質量%であり、35質量%であり、33質量%であり、30質量%である。
一般式(L-1A-2)で表される化合物は、式(L-1A-2.1)から式(L-1A-2.4)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(L-1A-2.2)から式(L-1A-2.4)で表される化合物であることが好ましい。特に、式(L-1A-2.2)で表される化合物は本発明の液晶組成物の応答速度を特に改善するため好ましい。また、応答速度よりも高いTniを求めるときは、式(L-1A-2.3)又は式(L-1A-2.4)で表される化合物を用いることが好ましい。式(L-1A-2.3)及び式(L-1A-2.4)で表される化合物の含有量は、低温での溶解度を良くするために30質量%以上にすることは好ましくない。
本発明の液晶組成物が式(L-1A-2.2)で表される化合物を含む場合、式(L-1A-2.2)で表される化合物の含有量の下限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して10質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%であり、23質量%であり、25質量%であり、27質量%であり、30質量%であり、33質量%であり、35質量%であり、38質量%であり、40質量%である。上記含有量の上限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して60質量%であり、55質量%であり、50質量%であり、45質量%であり、43質量%であり、40質量%であり、38質量%であり、35質量%であり、32質量%であり、30質量%であり、27質量%であり、25質量%であり、22質量%である。
本発明の液晶組成物は、式(L-1A-1.3)で表される化合物及び式(L-1A-2.2)で表される化合物を同時に含むことが好ましい。式(L-1A-1.3)で表される化合物及び式(L-1A-2.2)で表される化合物の含有量の下限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して10質量%であり、15質量%であり、20質量%であり、25質量%であり、27質量%であり、30質量%であり、35質量%であり、40質量%である。上記含有量の上限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して60質量%であり、55質量%であり、50質量%であり、45質量%であり、43質量%であり、40質量%であり、38質量%であり、35質量%であり、32質量%であり、30質量%であり、27質量%であり、25質量%であり、22質量%である。
一般式(L-1A)で表される化合物は一般式(L-1A-4)及び(L-1A-5)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
(式中RL12Aは一般式(L-1A)における意味と同じ意味を表す。)
一般式(L-1A-4)及び(L-1A-5)中、RL12Aは炭素原子数1~8のアルキル基、炭素原子数1~8のアルコキシ基又は炭素原子数2~8のアルケニル基が好ましく、直鎖状の炭素原子数1~5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1~4のアルコキシ基及び直鎖状の炭素原子数2~5のアルケニル基が好ましい。
式(L-1A-4)で表される化合物の含有量の下限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して1質量%であり、5質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、17質量%であり、20質量%である。上記含有量の上限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、17質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%である。
式(L-1A-5)で表される化合物の含有量の下限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して1質量%であり、5質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、17質量%であり、20質量%である。上記含有量の上限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、17質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%である。
一般式(L-1A-4)及び(L-1A-5)で表される化合物は、式(L-1A-4.1)から式(L-1A-5.3)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(L-1A-4.2)又は式(L-1A-5.2)で表される化合物であることが好ましい。
本発明の液晶組成物が式(L-1A-4.2)で表される化合物を含む場合、式(L-1A-4.2)で表される化合物の含有量の下限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して1質量%であり、2質量%であり、3質量%であり、5質量%であり、7質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。上記含有量の上限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して20質量%であり、17質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、7質量%であり、6質量%である。
一般式(L-1A)で表される化合物は一般式(L-1A-6)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
(式中RL17及びRL18はそれぞれ独立してメチル基又は水素原子を表す。)
式(L-1A-6)で表される化合物の含有量の下限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して1質量%であり、5質量%であり、10質量%であり、15質量%であり、17質量%であり、20質量%であり、23質量%であり、25質量%であり、27質量%であり、30質量%であり、35質量%である。上記含有量の上限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して60質量%であり、55質量%であり、50質量%であり、45質量%であり、42質量%であり、40質量%であり、38質量%であり、35質量%であり、33質量%であり、30質量%である。
一般式(L-1A-6)で表される化合物は、式(L-1A-6.1)から式(L-1A-6.3)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
また、本発明の液晶組成物は、一般式(L)で表される化合物として、上述した一般式(L-1A)で表される化合物に加えて、一般式(L-1B)および一般式(L-2)から(L-7)で表される化合物群から選ばれる化合物を1種または2種以上含むことが好ましい。
一般式(L-1B)で表される化合物は下記の化合物である。
(式中、RL11B及びRL12Bはそれぞれ独立して、炭素原子数1~8のアルキル基を表し、該アルキル基中の1個又は非隣接の2個以上の-CH2-はそれぞれ独立して-C≡C-、-O-、-CO-、-COO-又は-OCO-によって置換されていてもよい。)
一般式(L-1B)で表される化合物は、RL11B及びRL12Bの一方または両方がアルケニル基を表さない点で、一般式(L-1A)で表される化合物と区別される。
RL11B及びRL12Bは、直鎖状の炭素原子数1~5のアルキル基又は直鎖状の炭素原子数1~4のアルコキシ基が好ましい。
本発明の液晶組成物は、一般式(L-1B)で表される化合物を1種類含んでいてもよく、2種類以上を組み合わせて含んでいてもよい。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
式(L-1B)で表される化合物の含有量の下限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して1質量%であり、5質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、17質量%であり、20質量%であり、23質量%であり、25質量%であり、30質量%である。上記含有量の上限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して60質量%であり、55質量%であり、50質量%であり、45質量%であり、40質量%であり、37質量%であり、35質量%であり、33質量%であり、30質量%であり、27質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、17質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%である。
一般式(L-1B)で表される化合物は、式(L-1B-1)から式(L-1B-13)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(L-1B-1)、式(L-1B-3)及び式(L-1B-4)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。特に、式(L-1B-1)で表される化合物は、本発明の液晶組成物の応答速度を特に改善するため好ましい。また、応答速度よりも高いTniを求めるときは、式(L-1B-3)、式(L-B-4)、式(L-B-11)及び式(L-1B-12)で表される化合物群から選ばれる化合物を用いることが好ましい。式(L-1B-3)、式(L-1B-4)、式(L-1B-11)及び式(L-1B-13)で表される化合物の合計の含有量は、低温での溶解度を良くするために20質量%以上にすることは好ましくない。
本発明の液晶組成物が式(L-1B-1)で表される化合物を含む場合、式(L-1B-1)で表される化合物の含有量の下限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して1質量%であり、2質量%であり、3質量%であり、5質量%であり、7質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。上記含有量の上限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して20質量%であり、17質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、7質量%であり、6質量%である。
本発明の液晶組成物は、式(L-1A-1.3)、式(L-1A-2.2)、式(L-1B-1)、式(L-1B-3)、式(L-1B-4)、式(L-1B-11)及び式(L-1B-12)で表される化合物群から選ばれる2種以上の化合物を組み合わせて含むことが好ましい。また、本発明の液晶組成物は、式(L-1A-1.3)、式(L-1A-2.2)、式(L-1B-1)、式(L-1B-3)、式(L-B-4)及び式(L-1A-4.2)で表される化合物から選ばれる2種以上の化合物を組み合わせて含むことが好ましい。これら化合物の合計の含有量の下限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して1質量%であり、2質量%であり、3質量%であり、5質量%であり、7質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%であり、23質量%であり、25質量%であり、27質量%であり、30質量%であり、33質量%であり、35質量%である。また、上記含有量の上限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して80質量%であり、70質量%であり、60質量%であり、50質量%であり、45質量%であり、40質量%であり、37質量%であり、35質量%であり、33質量%であり、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%である。
液晶組成物の信頼性を重視する場合には、式(L-1B-1)、式(L-1B-3)及び式(L-1B-4)で表される化合物から選ばれる2種以上の化合物を組み合わせることが好ましい。また、液晶組成物の応答速度を重視する場合には、式(L-1A-1.3)、式(L-1A-2.2)で表される化合物から選ばれる2種以上の化合物を組み合わせることが好ましい。
本発明の液晶組成物は、一般式(L-1A)で表される化合物を1種類以上と、一般式(L-1B)で表される化合物を1種類以上と、を含むことが好ましい。一般式(L-1A)で表される化合物および一般式(L-1B)で表される化合物の総量の下限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して、1質量%であり、2質量%であり、3質量%であり、5質量%であり、7質量%であり、10質量%であり、15質量%であり、20質量%であり、25質量%であり、30質量%であり、35質量%であり、40質量%であり、45質量%であり、50質量%であり、55質量%である。上記含有量の上限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して、95質量%であり、90質量%であり、85質量%であり、80質量%であり、75質量%であり、70質量%であり、65質量%であり、60質量%であり、55質量%であり、50質量%であり、45質量%であり、40質量%であり、35質量%であり、30質量%であり、25質量%である。
本発明の液晶組成物の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は、一般式(L-1A)で表される化合物および一般式(L-1B)で表される化合物の総量の下限値が高く上限値が高いことが好ましい。本発明の液晶組成物のTniを高く保ち、温度安定性の良い組成物が必要な場合は、一般式(L-1A)で表される化合物および一般式(L-1B)で表される化合物の総量の下限値が中庸で上限値が中庸であることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、一般式(L-1A)で表される化合物および一般式(L-1B)で表される化合物の総量の下限値が低く上限値が低いことが好ましい。
一般式(L-2)で表される化合物は下記の化合物である。
(式中、RL21及びRL22はそれぞれ独立して、一般式(L)におけるRL1及びRL2と同じ意味を表す。)
RL21は炭素原子数1~5のアルキル基又は炭素原子数2~5のアルケニル基が好ましい。また、RL22は炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数4~5のアルケニル基又は炭素原子数1~4のアルコキシ基が好ましく、アルケニル基の不飽和結合とベンゼンは直接結合していないことが好ましい。
一般式(L-2)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
低温での溶解性を重視する場合は含有量を高めに設定すると効果が高く、反対に、応答速度を重視する場合は含有量を低めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
式(L-2)で表される化合物の含有量の下限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して1質量%であり、2質量%であり、3質量%であり、5質量%であり、7質量%であり、10質量%である。上記含有量の上限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して20質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、7質量%であり、6質量%であり、5質量%であり、3質量%である。
一般式(L-2)で表される化合物は、式(L-2.1)から式(L-2.6)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(L-2.1)、式(L-2.3)、式(L-2.4)及び式(L-2.6)で表される化合物であることが好ましい。
一般式(L-3)で表される化合物は下記の化合物である。
(式中、RL31及びRL32はそれぞれ独立して、一般式(L)におけるRL1及びRL2と同じ意味を表す。)
RL31及びRL32はそれぞれ独立して炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数4~5のアルケニル基又は炭素原子数1~4のアルコキシ基が好ましい。また、アルケニル基の不飽和結合とベンゼンは直接結合していないことが好ましい。
一般式(L-3)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
式(L-3)で表される化合物の含有量の下限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して1質量%であり、2質量%であり、3質量%であり、5質量%であり、7質量%であり、10質量%である。上記含有量の上限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して20質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、7質量%であり、6質量%であり、5質量%であり、3質量%である。
高い複屈折率を得る場合は含有量を高めに設定すると効果が高く、反対に、高いTniを重視する場合は含有量を低めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
一般式(L-3)で表される化合物は、式(L-3.1)から式(L-3.7)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(L-3.2)から式(L-3.5)で表される化合物であることが好ましい。
一般式(L-4)で表される化合物は下記の化合物である。
(式中、RL41及びRL42はそれぞれ独立して、一般式(L)におけるRL1及びRL2と同じ意味を表す。)
RL41は炭素原子数1~5のアルキル基又は炭素原子数2~5のアルケニル基が好ましく、RL42は炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数4~5のアルケニル基又は炭素原子数1~4のアルコキシ基が好ましい。アルケニル基の不飽和結合とベンゼンは直接結合していないことが好ましい。
一般式(L-4)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
本発明の液晶組成物において、一般式(L-4)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性などの求められる性能に応じて適宜調整する必要がある。
式(L-4)で表される化合物の含有量の下限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して1質量%であり、2質量%であり、3質量%であり、5質量%であり、7質量%であり、10質量%であり、14質量%であり、16質量%であり、20質量%であり、23質量%であり、26質量%であり、30質量%であり、35質量%であり、40質量%である。上記含有量の上限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して50質量%であり、40質量%であり、35質量%であり、30質量%であり、20質量%であり、15質量%であり、10質量%であり、5質量%である。
一般式(L-4)で表される化合物は、例えば式(L-4.1)から式(L-4.3)で表される化合物であることが好ましい。
低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて、式(L-4.1)で表される化合物を含有していてもよく、式(L-4.2)で表される化合物を含有していてもよく、式(L-4.1)で表される化合物と式(L-4.2)で表される化合物との両方を含有していてもよく、式(L-4.1)から式(L-4.3)で表される化合物を全て含んでいてもよい。式(L-4.1)又は式(L-4.2)で表される化合物の含有量の下限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して3質量%であり、5質量%であり、7質量%であり、9質量%であり、11質量%であり、12質量%であり、13質量%であり、18質量%であり、21質量%であり、好ましい上限値は、45であり、40質量%であり、35質量%であり、30質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%である。
式(L-4.1)で表される化合物と式(L-4.2)で表される化合物との両方を含有する場合、両化合物の総含有量の下限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して15質量%であり、19質量%であり、24質量%であり、30質量%であり、上記総含有量の上限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して45であり、40質量%であり、35質量%であり、30質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%である。
一般式(L-4)で表される化合物は、例えば式(L-4.4)から式(L-4.6)で表される化合物であることが好ましく、式(L-4.4)で表される化合物であることが好ましい。
低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて、式(L-4.4)で表される化合物を含有していても、式(L-4.5)で表される化合物を含有していても、式(L-4.4)で表される化合物と式(L-4.5)で表される化合物との両方を含有していても良い。
式(L-4.4)又は式(L-4.5)で表される化合物の含有量の下限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して3質量%であり、5質量%であり、7質量%であり、9質量%であり、11質量%であり、12質量%であり、13質量%であり、18質量%であり、21質量%である。上記含有量の上限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して45質量%であり、40質量%であり、35質量%であり、30質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%である。
式(L-4.4)で表される化合物と式(L-4.5)で表される化合物との両方を含有する場合は、両化合物の総含有量の下限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して15質量%であり、19質量%であり、24質量%であり、30質量%であり、好ましい上記総含有量の上限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して45質量%であり、40質量%であり、35質量%であり、30質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%である。
一般式(L-4)で表される化合物は、式(L-4.7)から式(L-4.10)で表される化合物であることが好ましく、特に、式(L-4.9)で表される化合物が好ましい。
一般式(L-5)で表される化合物は下記の化合物である。
(式中、RL51及びRL52はそれぞれ独立して、一般式(L)におけるRL1及びRL2と同じ意味を表す。)
RL51は炭素原子数1~5のアルキル基又は炭素原子数2~5のアルケニル基が好ましく、RL52は炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数4~5のアルケニル基又は炭素原子数1~4のアルコキシ基が好ましい。アルケニル基の不飽和結合とベンゼンは直接結合していないことが好ましい。
一般式(L-5)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
本発明の液晶組成物において、一般式(L-5)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性などの求められる性能に応じて適宜調整する必要がある。
式(L-5)で表される化合物の含有量の下限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して1質量%であり、2質量%であり、3質量%であり、5質量%であり、7質量%であり、10質量%であり、14質量%であり、16質量%であり、20質量%であり、23質量%であり、26質量%であり、30質量%であり、35質量%であり、40質量%である。上記含有量の上限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して50質量%であり、40質量%であり、35質量%であり、30質量%であり、20質量%であり、15質量%であり、10質量%であり、5質量%である
一般式(L-5)で表される化合物は、式(L-5.1)又は式(L-5.2)で表される化合物であることが好ましく、特に、式(L-5.1)で表される化合物であることが好ましい。
式(L-5.1)又は式(L-5.2)で表される化合物の含有量の下限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して1質量%であり、2質量%であり、3質量%であり、5質量%であり、7質量%である。上記含有量の上限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して20質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、9質量%である。
一般式(L-5)で表される化合物は、式(L-5.3)又は式(L-5.4)で表される化合物であることが好ましい。
式(L-5.3)又は式(L-5.4)で表される化合物の含有量の下限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して1質量%であり、2質量%であり、3質量%であり、5質量%であり、7質量%である。上記含有量の上限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して20質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、9質量%である。
一般式(L-5)で表される化合物は、式(L-5.5)から式(L-5.7)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、特に式(L-5.7)で表される化合物であることが好ましい。
これらの化合物の含有量の下限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して1質量%であり、2質量%であり、3質量%であり、5質量%であり、7質量%である。上記含有量の上限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して20質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、9質量%である。
一般式(L-6)で表される化合物は下記の化合物である。
(式中、RL61及びRL62はそれぞれ独立して、一般式(L)におけるRL1及びRL2と同じ意味を表し、XL61及びXL62はそれぞれ独立して水素原子又はフッ素原子を表す。ただし一般式(N-1)で表される化合物は除く。)
RL61及びRL62はそれぞれ独立して炭素原子数1~5のアルキル基又は炭素原子数2~5のアルケニル基が好ましい。アルケニル基の不飽和結合とベンゼンは直接結合していないことが好ましい。
XL61及びXL62は、一方がフッ素原子であり、他方が水素原子であることが好ましい。
一般式(L-6)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
式(L-6)で表される化合物の含有量の下限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して1質量%であり、2質量%であり、3質量%であり、5質量%であり、7質量%であり、10質量%であり、14質量%であり、16質量%であり、20質量%であり、23質量%であり、26質量%であり、30質量%であり、35質量%であり、40質量%である。上記含有量の上限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して50質量%であり、40質量%であり、35質量%であり、30質量%であり、20質量%であり、15質量%であり、10質量%であり、5質量%である。Δnを大きくすることに重点を置く場合には含有量を多くした方が好ましく、低温での析出に重点を置いた場合には含有量は少ない方が好ましい。
一般式(L-6)で表される化合物は、式(L-6.1)から式(L-6.9)で表される化合物であることが好ましい。
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、これらの化合物の中から1種~3種類含有することが好ましく、1種~4種類含有することがさらに好ましい。また、選ぶ化合物の分子量分布が広いことも溶解性に有効であるため、例えば、式(L-6.1)又は(L-6.2)で表される化合物から1種類、式(L-6.4)又は(L-6.5)で表される化合物から1種類、式(L-6.6)又は式(L-6.7)で表される化合物から1種類、式(L-6.8)又は(L-6.9)で表される化合物から1種類の化合物を選び、これらを適宜組み合わせることが好ましい。その中でも、式(L-6.1)、式(L-6.3)式(L-6.4)、式(L-6.6)及び式(L-6.9)で表される化合物を含むことが好ましい。
一般式(L-6)で表される化合物は、例えば式(L-6.10)から式(L-6.17)で表される化合物であることが好ましく、その中でも、式(L-6.11)で表される化合物であることが好ましい。
これら化合物の含有量の下限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して1質量%であり、2質量%であり、3質量%であり、5質量%であり、7質量%である。これら化合物の含有量の上限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して20質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、9質量%である。
一般式(L-7)で表される化合物は下記の化合物である。
(式中、RL71及びRL72はそれぞれ独立して一般式(L)におけるRL1及びRL2と同じ意味を表し、AL71及びAL72はそれぞれ独立して一般式(L)におけるAL2及びAL3と同じ意味を表すが、AL71及びAL72上の水素原子はそれぞれ独立してフッ素原子によって置換されていてもよく、ZL71は一般式(L)におけるZL2と同じ意味を表し、XL71及びXL72はそれぞれ独立してフッ素原子又は水素原子を表す。ただし一般式(N-1)から(N-3)で表される化合物は除く。)
式中、RL71及びRL72はそれぞれ独立して炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数2~5のアルケニル基又は炭素原子数1~4のアルコキシ基が好ましい。アルケニル基の不飽和結合とベンゼンは直接結合していないことが好ましい。
AL71及びAL72は、それぞれ独立して1,4-シクロヘキシレン基又は1,4-フェニレン基が好ましく、AL71及びAL72上の水素原子はそれぞれ独立してフッ素原子によって置換されていてもよく、
ZL71は単結合又はCOO-が好ましく、単結合が好ましい。
XL71及びXL72は共に水素原子が好ましい。
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて組み合わせる。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類である。
本発明の液晶組成物において、一般式(L-7)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性などの求められる性能に応じて適宜調整する必要がある。
式(L-7)で表される化合物の含有量の下限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して1質量%であり、2質量%であり、3質量%であり、5質量%であり、7質量%であり、10質量%であり、14質量%であり、16質量%であり、20質量%である。上記化合物の含有量の上限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して30質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、10質量%であり、5質量%である。
本発明の液晶組成物が高いTniの実施形態が望まれる場合は式(L-7)で表される化合物の含有量を多めにすることが好ましく、低粘度の実施形態が望まれる場合は含有量を少なめにすることが好ましい。
一般式(L-7)で表される化合物は、式(L-7.1)から式(L-7.4)で表される化合物であることが好ましく、式(L-7.2)で表される化合物であることが好ましい。
一般式(L-7)で表される化合物は、式(L-7.11)から式(L-7.13)で表される化合物であることが好ましく、式(L-7.11)で表される化合物であることが好ましい。
一般式(L-7)で表される化合物は、式(L-7.21)から式(L-7.23)で表される化合物である。式(L-7.21)で表される化合物であることが好ましい。
一般式(L-7)で表される化合物は、式(L-7.31)から式(L-7.34)で表される化合物であることが好ましく、式(L-7.31)又は/及び式(L-7.32)で表される化合物であることが好ましい。
一般式(L-7)で表される化合物は、式(L-7.41)から式(L-7.44)で表される化合物であることが好ましく、式(L-7.41)又は/及び式(L-7.42)で表される化合物であることが好ましい。
一般式(L-7)で表される化合物は、式(L-7.51)から式(L-7.53)で表される化合物であることが好ましい。
[4]その他
本発明の液晶組成物において、一般式(II)で表される化合物の総含有量は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して80質量%以上であり、85質量%以上であり、88質量%以上であり、90質量%以上であり、92質量%以上であり、93質量%以上であり、94質量%以上であり、95質量%以上であり、96質量%であり、97質量%であり、98質量%以上であり、99質量%以上である。また、上記総含有量は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して99.99質量%未満であり、99.95質量以下%であり、99.5質量%以下であり、99.0質量%以下であり、98質量%以下であり、95質量%以下である。
本発明の液晶組成物が25℃における誘電率異方性(Δε)が正の値を有する場合、一般式(M)及び一般式(K)で表される化合物群から選択される化合物および一般式(L)で表される化合物の総含有量が、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して80質量%以上であり、85質量%以上であり、88質量%以上であり、90質量%以上であり、92質量%以上であり、93質量%以上であり、94質量%以上であり、95質量%以上であり、96質量%以上であり、97質量%以上であり、98質量%以上であり、99質量%以上である。また、上記総含有量は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して99.99質量%未満であり、99.95質量以下%であり、99.5質量%以下であり、99.0質量%以下であり、98質量%以下であり、95質量%以下である。
本発明の液晶組成物が25℃における誘電率異方性(Δε)が負の値を有する場合、一般式(N-1)から(N-3)で表される化合物群から選択される化合物および一般式(L)で表される化合物の総含有量が、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して80質量%以上であり、85質量%以上であり、88質量%以上であり、90質量%以上であり、92質量%以上であり、93質量%以上であり、94質量%以上であり、95質量%以上であり、96質量%以上であり、97質量%以上であり、98質量%以上であり、99質量%以上である。である。また、上記総含有量は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して99.99質量%未満であり、99.95質量以下%であり、99.5質量%以下であり、99.0質量%以下であり、98質量%以下であり、95質量%以下である。
(3)他の添加剤
本発明の液晶組成物は、他の添加剤として、酸化防止剤及び紫外線吸収剤の少なくとも一方の化合物を1種又は2種以上含むことが好ましい。本発明の液晶組成物は、一般式(H)で表される光安定化剤に加え、酸化防止剤及び紫外線吸収剤の少なくとも一方の化合物を併用することで、一般式(H)で表される光安定化剤により奏される効果と、酸化防止剤や紫外線吸収剤により奏される効果との相乗により液晶組成物の信頼性を高めることが可能となるからである。
本発明の液晶組成物は、酸化防止剤を1種類以上含むことが好ましい。一般式(H)で表される光安定化剤に加えて酸化防止剤を併用することで、発生した不純物を無害化することができる。酸化防止剤としては、液晶組成物に用いられる公知の酸化防止剤が挙げられるが、中でもヒンダードフェノール系酸化防止剤が好ましい。ヒンダードフェノール系酸化防止剤は、ヒンダードフェノール骨格を有する酸化防止剤であり、水酸基が立体的にかさ高いアルキル基に隣接した構造を有するため、失活しにくく、上述した酸化防止剤の機能を十分に発揮することが可能となるからである。
本発明の液晶組成物が酸化防止剤を含む場合、該酸化防止剤の総含有量は、本発明の液晶組成物の総量に対して0.0001質量%以上が好ましく、0.005質量%以上が好ましく、0.01質量%以上が好ましく、一方、上記総含有量は、0.1質量%以下が好ましく、0.05質量%以下が好ましく、0.03質量%以下が好ましい。酸化防止剤の含有量が上記の範囲よりも多すぎると、本発明の液晶組成物を用いた液晶表示素子において、酸化防止剤の析出により液晶パネルの画質が低減してしまう場合があり、少なすぎると液晶組成物の信頼性を十分に改善させることができない場合がある。
本発明の液晶組成物は、紫外線吸収剤を1種類以上含むことが好ましい。一般式(H)で表される光安定化剤に加えて紫外線吸収剤を併用することで、液晶組成物が受ける紫外線の量を減らして、液晶組成物の光劣化を抑制することができる。紫外線吸収剤としては、ヒドロキシベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、サリシレート系紫外線吸収剤等が挙げられる。中でも、本発明の液晶組成物は、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤を1種類以上含むことが好ましい。ベンゾフェノン系紫外線吸収剤は分子内の不対電子数がほかの系統の紫外線吸収剤と比較して少ないため、純度の維持が容易であり、信頼性の改善が容易だからである。ベンゾフェノン系紫外線吸収剤として具体的には[2-ヒドロキシ-4-(オクチルオキシ)フェニル](フェニル)メタノン(製品名:アデカスタブ1413 ADEKA社製)が挙げられる。また、信頼性の低下を抑える観点から、酸素以外のヘテロ原子を含む紫外線吸収剤は含まないことが好ましい。
本発明の液晶組成物が紫外線吸収剤を含む場合、該紫外線吸収剤の総含有量は、本発明の液晶組成物の総量に対し0.0001質量%以上が好ましく、0.001質量%以上が好ましく、0.01質量%以上が好ましく、一方、上記総含有量は、0.1質量%以下が好ましく、0.05質量%以下が好ましく、0.02質量%以下が好ましい。紫外線吸収剤の含有量が上記の範囲よりも多すぎると、本発明の液晶組成物を用いた液晶表示素子において紫外線吸収剤の析出による液晶パネルの表示不良が生じやすくなる場合があり、少なすぎると液晶分子の受ける紫外線量を低減できず、液晶分子の劣化により信頼性を確保できない場合がある。
本発明の液晶組成物は、酸化防止剤を1種又は2種以上含んでいてもよく、紫外線吸収剤を1種又は2種以上含んでいてもよく、酸化防止剤を1種又は2種以上と紫外線吸収剤を1種又は2種以上とを含んでいてもよい。
また、本発明の液晶組成物が重合性化合物を含む場合は、本発明の液晶組成物は、他の添加剤として重合性開始剤を1種又は2種以上含むことが好ましい。一般式(H)で表される光安定化剤に加えて重合開始剤を併用することで、本発明の液晶組成物を用いた液晶表示素子の製造において、重合性化合物の重合を促進させて強固な高分子層(重合性化合物の重合体で形成された層)を液晶層と基材との界面に形成できるため、液晶セルの絶縁性が増強されてVHRの改善ができるからである。
重合性開始剤は、液晶組成物に用いられる公知の重合性開始剤から選択することができ、例えばベンゾインエーテル系重合性開始剤、ベンゾフェノン系重合性開始剤、アセトフェノン系重合性開始剤、ベンジルケタール系重合性開始剤、アシルフォスフィンオキサイド系重合性開始剤等が挙げられる。中でもベンジルケタール系重合開始剤が好ましい。ベンジルケタール系重合開始剤は光反応効率が高く、ち密な高分子層を形成できるからである。ベンジルケタール系重合開始剤として具体的には、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン(製品名:イルガキュア651)が挙げられる。
本発明の液晶組成物が重合開始剤を含有する場合、該重合開始剤の総含有量は、本発明の液晶組成物の総量に対して0.0001質量%以上が好ましく、0.001質量%以上が好ましい。また、上記総含有量は、0.005質量%以下、0.002質量%以下が好ましい。重合開始剤の含有量が上記の範囲よりも多すぎると、重合開始剤に含まれる不純物の影響でVHRが低下する場合があり、少なすぎると重合性化合物の重合が効率化せず、液晶セルの絶縁性が改善されずにVHRが改善しない場合がある。
本発明の液晶組成物が酸化防止剤、紫外線吸収剤及び重合開始剤からなる群から選択される化合物を1種または2種以上含有する場合、酸化防止剤、紫外線吸収剤及び重合開始剤からなる群から選択される化合物の総量は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して0.0001質量%以上、0.0005質量%以上、0.005質量%以上、0.01質量%以上であり、また、0.2質量%以下、0.1質量%以下、0.05質量%以下である。
(4)重合性化合物
本発明の液晶組成物は、1分子中に1つ以上の重合性基を有する重合性化合物を1種類以上含有してもよい。中でも本発明の液晶組成物がPSAモード、PSVAモード、PS-IPSモード又はPS-FSSモード用液晶表示素子の製造に用いられる場合、本発明の液晶組成物は重合性化合物を1種または2種以上含むことが好ましい。重合性化合物は、活性エネルギー線の照射により重合可能な化合物であり、液晶分子のプレチルト角を好適に形成できるからである。
重合性化合物は、液晶組成物に用いられる公知の重合性化合物であってよいが、中でも下記一般式(P)で表される化合物が好ましい。
(上記一般式(P)中、Rp1は、水素原子、フッ素原子、シアノ基、炭素原子数1~15のアルキル基又は-Spp2-Pp2を表し、該アルキル基中の1個又は非隣接の2個以上の-CH2-はそれぞれ独立して-CH=CH-、-C≡C-、-O-、-CO-、-COO-又は-OCO-によって置換されていてもよく、該アルキル基中の1個又は2個以上の水素原子はそれぞれ独立して、シアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていても良く、
Pp1及びPp2はそれぞれ独立して、一般式(Pp1-1)から式(Pp1-9)
(式中、Rp11及びRp12はそれぞれ独立して、水素原子、炭素原子数1~5のアルキル基又は炭素原子数1~5のハロゲン化アルキル基を表し、Wp11は単結合、-O-、-COO-又はメチレン基を表し、tp11は、0、1又は2を表すが、分子内にRp11、Rp12、Wp11及び/又はtp11が複数存在する場合、それらは同一であっても異なっていても良い。)
のいずれかを表し、
Spp1及びSpp2はそれぞれ独立して、単結合又はスペーサー基を表し、
Zp1及びZp2はそれぞれ独立して、単結合、-O-、-S-、-CH2-、-OCH2-、-CH2O-、-CO-、-C2H4-、-COO-、-OCO-、-OCOOCH2-、-CH2OCOO-、-OCH2CH2O-、-CO-NRZP1-、-NRZP1-CO-、-SCH2-、-CH2S-、-CH=CRZP1-COO-、-CH=CRZP1-OCO-、-COO-CRZP1=CH-、-OCO-CRZP1=CH-、-COO-CRZP1=CH-COO-、-COO-CRZP1=CH-OCO-、-OCO-CRZP1=CH-COO-、-OCO-CRZP1=CH-OCO-、-(CH2)z-COO-、-(CH2)2-OCO-、-OCO-(CH2)2-、-(C=O)-O-(CH2)2-、-CH=CH-、-CF=CF-、-CF=CH-、-CH=CF-、-CF2-、-CF2O-、-OCF2-、-CF2CH2-、-CH2CF2-、-CF2CF2-又は-C≡C-(式中、RZP1はそれぞれ独立して水素原子又は炭素原子数1~4のアルキル基を表すが、分子内にRZP1が複数存在する場合、それらは同一であっても異なっていても良い。)
を表し、
Ap1、Ap2及びAp3はそれぞれ独立して、
(ap) 1,4-シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個の-CH2-又は隣接していない2個以上の-CH2-は-O-に置き換えられてもよい。)
(bp) 1,4-フェニレン基(この基中に存在する1個の-CH=又は隣接していない2個以上の-CH=は-N=に置き換えられてもよい。)及び
(cp) ナフタレン-2,6-ジイル基、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、フェナントレン-2,7-ジイル基又はアントラセン-2,6-ジイル基(これら基中に存在する1個の-CH=又は隣接していない2個以上の-CH=は-N=に置き換えられても良く、この基中に存在する水素原子は、ハロゲン原子、炭素原子数1~8のアルキル基又は炭素原子数1~8のアルケニル基で置換されていてもよい。)
からなる群より選ばれる基を表し、上記の基(ap)、基(bp)及び基(cp)中に存在する1個又は2個以上の水素原子はそれぞれ独立して、ハロゲン原子、シアノ基、炭素原子数1~8のアルキル基又は-Spp2-Pp2で置換されていても良く、該アルキル基中の1個又は非隣接の2個以上の-CH2-はそれぞれ独立して-CH=CH-、-C≡C-、-O-、-CO-、-COO-又は-OCO-によって置換されていてもよく、
mp1は、0、1、2又は3を表し、分子内にZp1、Ap2、Spp2及び/又はPp2が複数存在する場合、それらは同一であっても異なっていても良いが、Ap3は、mp1が0で、Ap1がフェナントレン-2,7-ジイル基又はアントラセン-2,6-ジイル基である場合には単結合を表す。)
ただし、一般式(I)で表される化合物を除く。)
本発明の液晶組成物は、一般式(P)で表される重合性化合物を1種又は2種以上含有することが好ましい。
一般式(P)中、Rp1は-Spp2-Pp2であることが好ましい。
一般式(P)中、Pp1及びPp2はそれぞれ独立して式(Pp1-1)から式(Pp1-3)のいずれかであることが好ましく、(Pp1-1)であることが好ましい。
一般式(P)中、Rp11及びRp12はそれぞれ独立して、水素原子又はメチル基であることが好ましい。
一般式(P)中、tp11は、0又は1が好ましい。
一般式(P)中、Wp11は、単結合、メチレン基又はエチレン基が好ましい。
一般式(P)中、mp1は0、1又は2であることが好ましく、0又は1が好ましい。
一般式(P)中、Zp1及びZp2はそれぞれ独立して、単結合、-OCH2-、-CH2O-、-CO-、-C2H4-、-COO-、-OCO-、-COOC2H4-、-OCOC2H4-、-C2H4OCO-、-C2H4COO-、-CH=CH-、-CF2-、-CF2O-、-(CH2)2-COO-、-(CH2)2-OCO-、-OCO-(CH2)2-、-CH=CH-COO-、-COO-CH=CH-、-OCOCH=CH-、-COO-(CH2)2-、-OCF2-又は-C≡C-が好ましく、単結合、-OCH2-、-CH2O-、-C2H4-、-COO-、-OCO-、-COOC2H4-、-OCOC2H4-、-C2H4OCO-、-C2H4COO-、-CH=CH-、-(CH2)2-COO-、-(CH2)2-OCO-、-OCO-(CH2)2-、-CH=CH-COO-、-COO-CH=CH-、-OCOCH=CH-、-COO-(CH2)2-又は-C≡C-が好ましく、分子内に存在する1つのみが-OCH2-、-CH2O-、-C2H4-、-COO-、-OCO-、-COOC2H4-、-OCOC2H4-、-C2H4OCO-、-C2H4COO-、-CH=CH-、-(CH2)2-COO-、-(CH2)2-OCO-、-OCO-(CH2)2-、-CH=CH-COO-、-COO-CH=CH-、-OCOCH=CH-、-COO-(CH2)2-又は-C≡C-であり、他がすべて単結合であることが好ましく、分子内に存在する1つのみが、-OCH2-、-CH2O-、-C2H4-、-COO-又は-OCO-であり、他がすべて単結合であることが好ましく、すべてが単結合であることが好ましい。
また、分子内に存在するZp1及びZp2の1つのみが、-CH=CH-COO-、-COO-CH=CH-、-(CH2)2-COO-、-(CH2)2-OCO-、-O-CO-(CH2)2-、-COO-(CH2)2-からなる群から選択される連結基であり、他は単結合であることが好ましい。
一般式(P)中、Spp1及びSpp2はそれぞれ独立して、単結合又はスペーサー基を表すが、スペーサー基は、炭素原子数1~30のアルキレン基が好ましく、該アルキレン基中の-CH2-は酸素原子同士が直接連結しない限りにおいて-O-、-CO-、-COO-、-OCO-、-CH=CH-又は-C≡C-で置換されていてもよく、該アルキレン基中の水素原子はハロゲン原子で置換されていても良いが、直鎖の炭素原子数1~10のアルキレン基又は単結合が好ましい。
一般式(P)中、Ap1、Ap2及びAp3はそれぞれ独立して、1,4-フェニレン基又は1,4-シクロヘキシレン基が好ましく、1,4-フェニレン基が好ましい。1,4-フェニレン基は液晶化合物との相溶性を改善するために、1個のフッ素原子、1個のメチル基又は1個のメトキシ基で置換されていることが好ましい。
一般式(P)で表される化合物の総含有量の下限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して0.01質量%であり、0.03質量%であり、0.05質量%であり、0.08質量%であり、0.1質量%であり、0.15質量%であり、0.2質量%であり、0.25質量%であり、0.3質量%である。また、一般式(P)で表される化合物の総含有量の上限値は、好ましくは本発明の液晶組成物の総量に対して10質量%であり、8質量%であり、5質量%であり、3質量%であり、1.5質量%であり、1.2質量%であり、1質量%であり、0.8質量%であり、0.5質量%である。
一般式(P)で表される化合物の総含有量の好ましい範囲は、上記上限値および下限値を組み合わせて設定することができる。中でも上記総含有量は、本発明の液晶組成物の総量に対して0.05~10質量%であることが好ましく、0.1~8質量%であることがより好ましく、0.1~5質量%であることがさらに好ましく、0.1~3質量%であることがさらに好ましく、0.2~2質量%であることがさらに好ましく、0.2~1.3質量%であることがさらに好ましく、0.2~1質量%であることが特に好ましく、0.2~0.56質量%であることが最も好ましい。
一般式(P)で表される化合物の含有量が少ないと、重合性化合物による効果が現れにくく、液晶組成物の配向規制力が弱い又は経時的に弱くなってしまうなどの問題が発生する。一方、一般式(P)で表される化合物の含有量が多すぎると、硬化後に残存する未反応の重合性化合物の量が多くなる、硬化に時間がかかる、液晶の信頼性が低下する等の問題が生じる。
一般式(P)で表される化合物の例として、下記一般式(P-1-1)から一般式(P-1-46)で表される化合物が挙げられる。
(式中、Pp11、Pp12、Spp11及びSpp12は、一般式(P)におけるPp1、Pp2、Spp1及びSpp2と同じ意味を表す。)
一般式(P)で表される化合物の好ましい例として、下記一般式(P-2-1)から一般式(P-2-14)で表される化合物が挙げられる。
(式中、Pp21、Pp22、Spp21及びSpp22は、一般式(P)におけるPp1、Pp2、Spp1及びSpp2と同じ意味を表す。)
一般式(P)で表される化合物の好ましい例として、下記一般式(P-3-1)から一般式(P-3-15)で表される化合物が挙げられる。
(式中、Pp31、Pp32、Spp31及びSpp32は、一般式(P)におけるPp1、Pp2、Spp1及びSpp2と同じ意味を表す。)
一般式(P)で表される化合物の好ましい例として、下記一般式(P-4-1)から一般式(P-4-21)で表される化合物が挙げられる。
(式中、Pp41、Pp42、Spp41及びSpp42は、一般式(P)におけるPp1、Pp2、Spp1及びSpp2と同じ意味を表す。)
(5)その他の化合物
本発明の液晶組成物は、通常のネマチック液晶、スメクチック液晶、コレステリック液晶、赤外線吸収剤等を含有しても良い。
本発明の液晶組成物は、自発配向性化合物を含んでいてもよく、含まなくてもよい。自発配向性化合物とは、配向膜が無くても液晶分子の垂直配向を可能とする化合物であり、例えば下記式(Q)で表される。
(式(Q)中、MESはそれぞれ互いに直接または間接的に連結されている1つ以上の環と、MESに直接又はスペーサーを介して連結されている任意成分としての1つ以上の重合性基と、を含むメソゲン基であり、
R2は少なくとも1つのOHまたは第1級または第2級アミン官能基を好ましく含む極性アンカー基である。)
(6)その他
本発明の液晶組成物は、分子内に過酸(-CO-OO-)構造等の酸素原子同士が結合した構造を持つ化合物を含有しないことが好ましい。
液晶組成物の信頼性及び長期安定性を重視する場合、カルボニル基を有する化合物の含有量は、液晶組成物の総量に対して、5質量%以下であることが好ましく、3質量%以下であることがより好ましく、1質量%以下であることが更に好ましく、実質的に含有しないことが最も好ましい。
UV照射による液晶組成物の安定性を重視する場合、塩素原子が置換している化合物の含有量は、本発明の液晶組成物の総量に対して、15質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることが好ましく、8質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましく、3質量%以下であることが好ましく、実質的に含有しないことが更に好ましい。
本発明の液晶組成物は、分子内の環構造がすべて6員環である化合物の含有量が多いことが好ましい。分子内の環構造がすべて6員環である化合物の含有量は、本発明の液晶組成物の総量に対して80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、95質量%以上であることが更に好ましく、実質的に分子内の環構造がすべて6員環である化合物のみで本発明の液晶組成物を構成することが最も好ましい。
液晶組成物の酸化による劣化を抑えるためには、本発明の液晶組成物は、環構造としてシクロヘキセニレン基を有する化合物の含有量が少ないことが好ましい。クロヘキセニレン基を有する化合物の含有量は、本発明の液晶組成物の総量に対して、10質量%以下であることが好ましく、8質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましく、3質量%以下であることが好ましく、実質的に含有しないことが更に好ましい。
粘度の改善及びTniの改善を重視する場合には、本発明の液晶組成物は、水素原子がハロゲンに置換されていてもよい2-メチルベンゼン-1,4-ジイル基を分子内に持つ化合物の含有量が少ないことが好ましい。2-メチルベンゼン-1,4-ジイル基を分子内に持つ化合物の含有量は、本発明の液晶組成物の総量に対して、10質量%以下であることが好ましく、8質量%以下であることが好ましく、5質量%以であることがより好ましく、3質量%以下であることが好ましく、実質的に含有しないことが更に好ましい。
なお本明細書において実質的に含有しないとは、意図せずに含有する物(不可避的不純物)を除いて含有しないという意味である。
本発明の液晶組成物が正の誘電率異方性(Δε)を有する場合、本発明の液晶組成物の25℃における誘電率異方性(Δε)が1.5から20.0の範囲内であることが好ましく、1.5から18.0の範囲内がより好ましく、1.5から15.0の範囲内がより好ましく、1.5から11の範囲内がさらに好ましく、1.5から8の範囲内が特に好ましい。
また、本発明の液晶組成物が負の誘電率異方性(Δε)を有する場合、本発明の液晶組成物の25℃における誘電率異方性(Δε)が-2以下であることが好ましく、詳しくは-2.0から-8.0の範囲内であることが好ましく、-2.0から-6.0の範囲内が好ましく、-2.0から-5.0の範囲内がより好ましく、-2.5から-4.0の範囲内が特に好ましい。
本発明の液晶組成物は、25℃における屈折率異方性(Δn)が0.08から0.14の範囲内であることが好ましく、0.09から0.13の範囲内がより好ましく、0.09から0.12の範囲内が特に好ましい。更に詳述すると、薄いセルギャップに対応する場合は0.10から0.13の範囲内であることが好ましく、厚いセルギャップに対応する場合は0.08から0.10の範囲内であることが好ましい。
本発明の液晶組成物は、25℃における粘度(η)が10から50mPa・sであるが、10から40mPa・sであることがより好ましく、10から35mPa・sであることが特に好ましい。
本発明の液晶組成物は、25℃における回転粘性(γ1)が40から130mPa・sの範囲内であることが好ましく、50から110mPa・sの範囲内であることがより好ましく、60から100mPa・sの範囲内であることが特に好ましい。
本発明の液晶組成物は、ネマチック相-等方性液体相転移温度(Tni)が60℃から120℃の範囲内であることが好ましく、70℃から100℃の範囲内がより好ましく、70℃から85℃の範囲内が特に好ましい。
本発明の液晶組成物は、液晶表示素子用途に用いることができ、中でもアクティブマトリックス駆動用液晶表示素子用として好適に用いることができ、PSA型、PSVA型、VA型、IPS型、FFS型、TN型またはECB型の液晶表示素子用として好適に用いることができる。また本発明の液晶組成物は、対向する一対の配向膜の間に液晶層が挟持される液晶表示素子用として好適に用いることができ、中でも本発明の液晶組成物が重合性化合物を含む場合は、PSAモード、PSVAモード、PS-IPSモード又はPS-FSSモード用に好適に用いることができる。さらに本発明の重合性液晶組成物が自発配向性化合物を含む場合は、配向膜を備えない液晶表示素子用に用いることもできる。
II.液晶表示素子
本発明の液晶表示素子は、上述した「I.液晶組成物」の項で説明した液晶組成物を用いた液晶表示素子である。本発明の液晶表示素子は、上述した液晶組成物を用いることにより、表示不良がないか又は抑制され、優れた表示品位を有することができる。
本発明の液晶表示素子は、アクティブマトリックス駆動用液晶表示素子であってよい。また、本発明の液晶表示素子は、PSA型、PSVA型、VA型、IPS型、FFS型、TN型またはECB型の液晶表示素子であってよく、好ましくはPSA型またはPSVA型の液晶表示素子である。
図1は、本発明の液晶表示素子の一例を示す模式図である。なお、本発明の液晶表示素子の構造はこの例に限定されるものではない。また、図1では、説明のために便宜上、各構成要素を離間させて示している。図1に示す液晶表示素子1は、対向して配置された第一基板2及び第二基板3と、第一基板2と第二基板3との間に設けられた液晶層4とを備えている。
図1で例示するように、第一基板2には、液晶層4側の面に画素電極層5が形成されている。第二基板3には、液晶層4側に共通電極層6が形成されている。第一基板2及び第二基板3は、一対の偏光板7,8により挟持されていてもよい。第二基板3の液晶層4側には、カラーフィルタ9が更に設けられていてもよい。
液晶層4は、上記「I.液晶組成物」の項で説明した液晶組成物を含む。重合性化合物を含む液晶組成物を用いて製造された液晶表示素子の場合、製造過程において紫外線照射により生じた上記重合性化合物の重合物が、液晶層4中の第一基板2および第二基板側に偏在していると考えられる。すなわち、上記の場合は、液晶層4と第一基板2および第二基板との界面には、重合性化合物の重合物による高分子層が形成されているものと考えられる。
図示しないが、本発明の液晶表示素子は、通常、対向する第一基板及び第二基板と、上記第一基板および上記第二基板の間に設けられ、上記液晶組成物を含む液晶層とを備え、上記第一基板の上記液晶層側の面に第一配向膜を有し、上記第二基板の上記液晶層側の面に第二配向膜を有する。すなわち、本発明の液晶表示素子は、第一偏光板と、第一基板と、第一配向膜と、画素電極層と、液晶層と、共通電極層と、カラーフィルタと、第二配向膜と、第二基板と、第二偏光板と、がこの順に積層された構成とすることができる。配向膜はポリイミド配向膜等の液晶表示素子に汎用されるものを用いることができる。
また。本発明の液晶表示素子は、第一基板および第二基板の一方または両方に配向膜が設けられていなくてもよい。この場合、本発明の液晶表示素子は、自発配向性化合物を含む液晶組成物を用いて製造され、液晶層の界面に自発配向性化合物の重合物による自発配向性化合物層が形成されることで、配向膜が無くても液晶化合物の配向が可能となる。
本発明の液晶表示素子の製造方法は、上述した「I.液晶組成物」の項で説明した液晶組成物を用いる方法であれば特に限定されず、公知の液晶表示素子の製造方法を適用することができる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、実施例に基づき本発明を更に具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
実施例および比較例における化合物の記載については、以下の略号を用いる。
(側鎖)
-n -CnH2n+1 炭素数nの直鎖状のアルキル基
n- CnH2n+1- 炭素数nの直鎖状のアルキル基
-On -OCnH2n+1 炭素数nの直鎖状のアルコキシ基
nO- CnH2n+1O- 炭素数nの直鎖状のアルコキシ基
-V -CH=CH2
V- CH2=CH-
-V1 -CH=CH-CH3
1V- CH3-CH=CH-
-2V -CH2-CH2-CH=CH2
V2- CH2=CH-CH2-CH2-
-2V1 -CH2-CH2-CH=CH-CH3
1V2- CH3-CH=CH-CH2-CH2-
OCF3 -O-CF3
-F -F フッ素原子
F- -F フッ素原子
(連結基)
-CFFO- -CF2-O-
-OCFF- -O-CF2-
-1O- -CH2-O-
-O1- -O-CH2-
-COO- -COO-
-OCO- -OCO-
<一般式(H)で表される光安定化剤>
一般式(H)で表される光安定化剤(重合性アセタール系光安定化剤)として、以下の化合物を用いた。
<紫外線吸収剤>
紫外線吸収剤として、以下の化合物を用いた。
<酸化防止剤>
酸化防止剤として、以下の化合物を用いた。
<一般式(H)で表される光安定化剤以外の光安定化剤>
一般式(H)で表される光安定化剤以外の光安定化剤として、以下の化合物(総じて式(R)化合物と称する。)を用いた。式(R-1)および式(R-2)で表される化合物は、それぞれ重合性基およびアセタール骨格を有さない非重合性非アセタール系光安定化剤である。また、式(R-3)で表される化合物は、重合性基を有するがアセタール骨格を有さない重合性非アセタール系光安定化剤である。
<重合性化合物>
重合性化合物として、以下の化合物を用いた。
実施例および比較例で用いた液晶組成例を、測定した特性は以下の通りである。
Tni :ネマチック相-等方性液体相転移温度(℃)
Δn :25℃における屈折率異方性
Δε :25℃における誘電率異方性
γ1 :25℃における回転粘性(mPa・s)
[電圧保持率]
実施例および比較例で得た液晶セルに対し、蛍光ランプを用いて313nmの強度が0.3mWとなるように90分紫外線(UV)を照射した後、1V、0.6Hz、60℃の条件で電圧保持率(VHR)を測定した。
[溶解性(低温保存性)]
実施例および比較例で得た液晶組成物を、-35℃の冷凍庫内において1000時間保管した。保管後の液晶組成物中に析出が発生するか確認した。
〇:-35℃で析出なし
△:-35℃で僅かに析出あり
×:-35℃で析出あり
-:評価対象外
(母体組成物LC-A~LC-Dの調製)
母体組成物LC-AからLC-Dを調製し、その物性値を測定した。各母体組成物の構成化合物およびその配合量(質量%)と、各母体組成物の物性値を表1に示す。
(実施例1)
母体組成物LC-Aを99.65質量%、式(H-1)化合物を0.05質量%、及び式(M-1)化合物0.3質量%を配合して液晶組成物LC-1を100質量%調製した。液晶組成物LC-1は、誘電率異方性(Δε)が負の液晶組成物であり、Tni、Δn、Δε及びγ1の値は、母体組成物LC-Aの値と同等であった。次に、透明電極上に垂直配向膜(JALS2096)を具備したギャップ3.5umのセルに液晶組成物LC-1を真空注入したのち、注入口に封止材(3026B)を塗布した後、380nmの紫外線を10秒間照射して封止して液晶セルを得た。
(実施例2~11)
実施例1と同様に、表2に示す配合で液晶組成物LC-2からLC-11をそれぞれ調製した。なお、表2においてカッコ内の数値は該化合物の配合量(質量%)を表し、後続の表3以降においても同様とする。液晶組成物LC-2からLC-11は、それぞれ誘電率異方性(Δε)が負の液晶組成物であり、液晶組成物LC-2からLC-11のTni、Δn、Δε及びγ1の値は、それぞれ母体組成物LC-Aの値と同等であった。次に、液晶組成物LC-2からLC-11をそれぞれ用いて、実施例1と同様の方法により液晶セルを作製した。
実施例1~11で得た液晶組成物の溶解性及び各液晶セルのVHRを表2に示す。
(比較例1~5)
表3に示す配合で液晶組成物LC-20からLC-24をそれぞれ調製した。液晶組成物LC-20からLCから24は、それぞれ誘電率異方性(Δε)が負の液晶組成物であった。次に、液晶組成物LC-20からLCから24をそれぞれ用いて実施例1と同様の方法により液晶セルを作製した。
比較例1~5で得た液晶組成物の溶解性及び各液晶セルのVHRを表3に示す。
表2および表3の結果から、実施例1の液晶セル、ならびに比較例1~3の液晶セルは、比較例4~5の液晶セルと比較して、高いVHRを示した。実施例1の液晶セルならびに比較例1~3の液晶セルは、光安定化剤を含有する液晶組成物を用いたのに対し、比較例4~5の駅セルは光安定化剤を含まない液晶組成物を用いている点で相違する。上記の結果から光安定化剤を含むことで、光安定化剤を含まない場合と比較して、液晶組成物の劣化が抑制されVHRが高くなることが示された。
また、実施例1および比較例3の液晶セルは、比較例1~2の液晶セルと比較して高いVHRを示した。実施例1および比較例3の液晶セルは、重合性基を有する重合性光安定化剤を含む液晶組成物を用いたのに対し、比較例1~2の液晶セルは、重合性基を有さない非重合性光安定化剤を含む液晶組成物を用いている点で相違する。上記の結果から、光安定化剤が重合性基を有することで、重合性基を有さない場合と比較して液晶組成物の劣化がさらに抑制されVHRがさらに高くなることが示された。
さらに、実施例1の液晶セルは、比較例3の液晶セルと比較して、より高いVHRを示した。実施例1の液晶セルは、重合性基およびアセタール骨格を有する重合性光安定化剤を含む液晶組成物を用いたのに対し、比較例3の液晶セルは、重合性基を有するが、アセタール骨格を有さない重合性光安定化剤を含む液晶組成物を用いている点で相違する。上記の結果から、アセタール骨格および重合性基を有する光安定化剤(すなわち式(H)で表される化合物)を用いることで、非アセタール骨格の重合性光安定化剤を用いる場合よりも、液晶化合物の劣化を抑制してVHRがより高くなることが示された。
実施例6~11の液晶セルと比較例1~6の液晶セルとの比較から、式(H-1)化合物に代えて式(H-1)から(H-7)化合物を含む液晶組成物を用いる場合であっても、実施例1と同様の効果を発揮することが示された。
実施例4~5から、上述した式(H)で表される化合物を含むことによる効果は、重合性化合物の種類等によらず発揮されることが示された。
(実施例12~14、比較例6~8)
表4に示す配合で液晶組成物LC-12からLC-14、およびLC-25からLC-27をそれぞれ調製した。液晶組成物LC-12からLC-14、およびLC-25からLC-27は、それぞれ誘電率異方性(Δε)が負の液晶組成物であり、液晶組成物LC-12及びLC-25のTni、Δn、Δε及びγ1の値は、それぞれ母体組成物LC-Bの値と同じであり、液晶組成物LC-13及びLC-26のTni、Δn、Δε及びγ1の値は、それぞれ母体組成物LC-Cの値と同等であり、液晶組成物LC-14及びLC-27のTni、Δn、Δε及びγ1の値は、それぞれ母体組成物LC-Dの値と同等であった。次に液晶組成物LC-12からLC-14、およびLC-25からLC-27をそれぞれ用いて、実施例1と同様の方法により液晶セルを作製した。
実施例12~14および比較例6~8で得た液晶組成物の溶解性及び各液晶セルのVHRを表4に示す。
表4の結果より、母体組成物が異なる場合であっても、式(H-1)化合物を含む液晶組成物を用いた液晶セルは、重合性基およびアセタール骨格を有さない式(R-1)化合物を含む液晶組成物を用いた液晶セルと比較して高いVHRを示した。
(実施例15~19)
表5に示す配合で液晶組成物LC-15からLC-19をそれぞれ調製した。液晶組成物LC-15からLC-19は、それぞれ誘電率異方性(Δε)が負の液晶組成物であり、液晶組成物LC-15からLC-19のTni、Δn、Δε及びγ1の値は、それぞれ母体組成物LC-Aの値と同等であった。次に液晶組成物LC-15からLC-19をそれぞれ用いて、実施例1と同様の方法により液晶セルを作製した。
実施例15~19で得た液晶組成物の溶解性及び各液晶セルのVHRを表5に示す。
表5より、式(H)化合物と、上記式(H)化合物以外の光安定化剤や、酸化防止剤や紫外線吸収剤とを併用した液晶組成物を用いた液晶セルも同様に高いVHRを示しており、他の添加剤を添加することによるVHRの低下が抑制されることが示唆された。
また、表2から表5に示すように、実施例1から実施例19の液晶組成物は、比較例1から8の液晶組成物と比較して、溶解性が良好であった。この結果から、本発明の液晶組成物は、溶解性が良好であり、高いVHRの達成に加え式(H)化合物の析出を十分に抑制でき、保存安定性に優れることが示された。中でも式(H)化合物の配合量を液晶組成物100質量%に対して0.1質量%以下とすることで、溶解性(保存安定性)がさらに優れることが示唆された。実施例14の液晶組成物は、式(H)化合物を2種含むところ、式(H)化合物を1種のみ含む実施例1と比較して、式(H)化合物の総含有量が増加したにも関わらず、溶解性が実施例1と同じく良好であった。
なお、実施例1~19および比較例1~8の液晶組成物において、重合性化合物を含まない場合であっても、式(H)化合物以外の光安定化剤を含む液晶組成物と比較して式(H)化合物を含む液晶組成物は、UV照射後のVHRの向上が確認された。また、実施例1~19で得られた液晶組成物を用いた液晶表示素子は、表示不良がなく、十分に高速応答であることが確認された。
(母体組成物LC-Eの調製)
母体組成物Eを調製し、その物性値を測定した。母体組成物Eの構成化合物およびその配合量(質量%)と物性値を表6に示す。
(実施例20および比較例9)
表7に示す配合で液晶組成物LC-28およびLC-29を調製した。液晶組成物LC-28およびLC-29は、それぞれ誘電率異方性(Δε)が正の液晶組成物であり、液晶組成物LC-28及びLC-29のTni、Δn、Δε及びγ1の値は、それぞれ母体組成物LC-Eの値と同じであった。次に液晶組成物LC-28およびKC-29をそれぞれ用いて、実施例1と同様の方法により液晶セルを作製した。実施例20および比較例9で得た各液晶セルのVHRおよび溶解性を表7に示す。
表7に示すように、実施例20の液晶セルは、比較例9の液晶セルと比較して、より高いVHRを示した。上記の結果から、液晶組成物のΔεが正か負かによらず、アセタール骨格および重合性基を有する光安定化剤(すなわち式(H)で表される化合物)を含む液晶組成物は、従来の光安定化剤を含む液晶組成物よりも液晶化合物の劣化を抑制してVHRが高くなり、また、溶解性及び保存安定性が優れることが示された。また、実施例20で得られた液晶組成物を用いた液晶表示素子は、表示不良がなく、十分に高速応答を達成可能であることが確認された。