JP2021084948A - 重合性液晶組成物およびそれを用いた液晶表示素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】Δεが大きく、熱や光に対して安定であり、高い電圧保持率を長期間にわたって維持することが可能な重合性液晶組成物を提供すること、ならびに該重合性液晶組成物を用いた表示品位に優れた液晶表示素子を提供する。【解決手段】1分子中に1つ以上の重合性基を有する重合性化合物を1種類以上と、式(H)で表される重合性光安定化剤を1種類以上と、液晶化合物を1種類以上と、を含む、誘電率異方性が負の重合性液晶組成物、及びそれを用いた液晶表示素子。(Tは2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル基等;AH1及びAH2は夫々独立して2価の芳香族基等;ZH1及びZH2は夫々独立して−O−、−S−等;PH1はH又は重合性基;SpH1はスペーサー基又は単結合;mH1は0〜4の整数)【選択図】なし

Description

本発明は、電気光学的液晶表示材料として有用な重合性液晶組成物およびそれを用いた液晶表示素子に関する。
液晶表示素子は、時計、電卓をはじめとして、各種測定機器、自動車用パネル、ワードプロセッサー、電子手帳、プリンター、コンピューター、テレビ、時計、広告表示板等に用いられるようになっている。液晶表示方式としては、その代表的なものにTN(twisted nematic)型、STN(super twisted nematic)型、TFT(薄膜トランジスタ:thin film transistor)を用いた垂直配向を特徴としたVA(vertucally aligned)型や水平配向を特徴としたIPS(in-plane switching)型/FFS(fringe field switching)型等がある。
これらの表示方式において、IPS型、ECB型(Electrically Controlled Birefringence)、VA型、あるいはCSH(color super homeotropic)型等は、誘電率異方性(Δε)が負の値を示す液晶材料を用いるという特徴を有する。これら全ての駆動方式において低電圧駆動、高速応答、広い動作温度範囲が求められている。すなわち、Δεの絶対値が大きく、粘度(η)が小さく、高いネマチック相−等方性液体相転移温度(Tni)が要求されている。また、屈折率異方性(Δn)とセルギャップ(d)との積であるΔn×dの設定から、液晶組成物のΔnをセルギャップに合わせて適当な範囲に調節する必要がある。加えて液晶表示素子をテレビ等へ応用する場合においては高速応答性が重視されるため、γ1の小さい液晶組成物が要求される。個々の表示素子にとってΔεやΔn等を最適な値とするために、液晶組成物は数種類から数十種類の化合物から構成されていることが一般的である。
中でも液晶テレビ用途等の高速応答が要求される液晶組成物においては、Δn及びTniを低下させることなく、ηを十分に小さく、γ1を十分に小さく、弾性定数(K33)を大きくすることに加え、低電圧駆動のために大きなΔεが求められている。また、液晶組成物は、信頼性確保のために高い電圧保持率(VHR)を示すことが要求される。液晶表示素子は、焼き付きや表示ムラ等の表示不良がない又は抑制され、表示品位が優れることが求められており、このような表示不良を抑えるためには、電圧保持率(VHR)が高いことが必須であると一般的に考えられていることからである。
さらに、液晶組成物は、水分、空気、熱、光などの外的刺激に対して安定であることが求められる。外的刺激に対する安定性が損なわれると、液晶表示素子に焼き付きや表示ムラ等の表示不良が発生しやすくなる。特にPSA(polymer sustained alignment)技術に代表される高分子安定化技術を用いて液晶表示素子を製造する場合、パネル形成時の紫外線(UV)照射により液晶組成物が劣化しやすいため、液晶組成物やそれを構成する化合物は、外的刺激に対する安定性が強く要求される。
液晶組成物やそれを構成する化合物の外的刺激に対する安定性を得るために、例えば、光安定化剤等の添加剤を添加することが知られている(特許文献1及び特許文献2)。
国際公開第2014/208320号公報 国際公開第2018/123184号公報
Δεの大きな液晶組成物を得るために、液晶性化合物として2位および3位にフッ素置換された1,4−フェニレン基がメトキシ連結基を介して他の環と連結した構造を有する誘電率異方性Δεが負の液晶化合物(以下、特定化合物とする場合がある。)を含むことが有用である。しかし、例えば重合性化合物を重合させる際の紫外線(UV)照射や長時間の熱を受けて上記特定化合物が劣化してしまうと、重合性液晶組成物のΔε及びVHRが低下してしまう。そのため、上記特定化合物を含む重合性液晶組成物は、より高い耐候性を有することが求められる。また、公知のヒンダードアミン系光安定化剤(HALS)は、VHRの低下の要因となる不純物を捕集する機能を有するが、HALSを添加してもなおVHRの低下を十分に抑制できないという課題がある。
本発明が解決しようとする課題は、Δεが大きく、熱や光に対して安定であり、高い電圧保持率を長期間にわたって維持することが可能な重合性液晶組成物を提供すること、ならびに該重合性液晶組成物を用いた表示品位に優れた液晶表示素子を提供することにある。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、重合性化合物を含有する重合性液晶組成物において、光安定化剤として重合性機能を有するヒンダードアミン化合物と、特定液晶化合物と、を併用することにより、高Δεの達成と、外的刺激に対する安定性および高VHRの長期維持等の高信頼性とを両立させうることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、1分子中に1つ以上の重合性基を有する重合性化合物を1種類以上と、一般式(H):
Figure 2021084948
(一般式(H)中、Tは、下記式(1):
Figure 2021084948
(式(1)中、Ra、Rb、RcおよびRdはそれぞれ独立して水素原子又は炭素原子数1〜10の直鎖状または分岐状のアルキル基を表し、RaとRb及び/又はRcとRdは互いに結合して環を形成してもよく、
Rgは、水素原子、水酸基、−O・、又は炭素原子数1〜12のアルキル基を表し、該アルキル基中に存在する1個又は隣接していない2個以上の−CH−は、それぞれ独立して−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−CO−S−、−S−CO−、−O−CO−O−、−CO−NH−、−NH−CO−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−CH=CH−、−C≡C−、−Si(CH−、トランス1,4−シクロヘキシレン基、1,4−フェニレン基又はナフタレン−2,6−ジイル基に置換されてもよく、Rg中の1個又は2個以上の水素原子はそれぞれ独立してハロゲン原子又はシアノ基で置換されていてもよく、
T1及びnT2はそれぞれ独立して0、1、2又は3を表すが、nT1+nT2は1、2、3又は4を表し、
黒点は結合手を表す。)
で表される基であり、
H1及びAH2はそれぞれ独立して、2価の芳香族基、2価の環脂肪族基、2価の複素環式化合物基、2価の縮合環、及び2価の縮合多環を表し、これらの環構造中の1つ以上の水素原子は基LH1又はRH1−(AH3−ZH3 H2−で置換されていてもよく、AH1及びAH2の一方は単結合を表してもよく、
H3は、2価の芳香族基、2価の環脂肪族基、2価の複素環式化合物基、2価の縮合環、及び2価の縮合多環を表し、これらの環構造中の1つ以上の水素原子は基LH1で置換されていてもよく、
H1、ZH2およびZH3は、それぞれ独立して−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−、−OCH−、−CHO−、−SCH−、−CHS−、−CFO−、−OCF−、−CFS−、−SCF−、−(CH−、−CFCH−、−CHCF−−(CF−、−CH=CH−、−CF=CF−、−CH=CF−、−CF=CH−、−C≡C−、−CH=CH−CO−O−、−O−CO−CH=CH−、−CH−CH−CO−O−、−O−CO−CH−CH−、−CRH2H3−又は単結合を表し、該基中の一つ以上の水素原子は基LH1又はRH1−(AH3−ZH3 H2−で置換されていてもよく、
H1はPH2−SpH2−、基T、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、又は炭素原子数1〜25の直鎖状又は分岐状は環状のアルキル基を表し、該アルキル基は、1個以上の隣接していない−CH−が、酸素原子及び/又は硫黄原子が互いに直接連結しないようにして、−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−で置き換えられていてもよく、また該アルキル基は、1つ以上の水素原子がフッ素原子、塩素原子又はPH2−SpH2−で置換されていてもよく、
H1およびPH2は、それぞれ独立して、水素原子又は重合性基を表し、
SpH1およびSpH2は、それぞれ独立してスペーサー基又は単結合を表し、
H1は、PH2−SpH2−、水素原子、フッ素原子、塩素原子、又は炭素原子数1〜25の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基を表し、該アルキル基は、1個以上の隣接していない−CH−が、酸素原子及び/又は硫黄原子が互いに直接連結しないようにして、−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−で置き換えられていてもよく、また、該アルキル基は、1個以上の水素原子が、それぞれフッ素原子、塩素原子又はPH2−SpH2−で置換されていてもよく、
H2およびRH3は、それぞれ独立して水素原子または炭素原子数1〜12アルキレン基を表し、
H1は、0、1、2、3又は4を表し、
H2は、0、1、2、3又は4を表し、
nは1、2、3、又は4を表し、
H2、SpH2、LH1、AH1、AH2、AH3、ZH2、ZH3、RH1およびTが複数存在する場合は、各々の符号は同一であってもよく異なってもよく、
ただし、一般式(H)は、分子中に1個以上の重合性基を有する。)
で表される光安定化剤を1種類以上と、一般式(II):
Figure 2021084948
(式中、RII1及びRII2は、それぞれ独立して炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、該アルキル基中の1個又は隣接していない2個以上の−CH−は、それぞれ独立して、−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−によって置換されていてもよく、
II1、AII2及びAII3は、それぞれ独立して、
(a) 1,4−シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−は−O−に置換されてもよい。)、
(b) 1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置換されてもよい。)、
(c) ナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又はデカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基(ナフタレン−2,6−ジイル基又は1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置換されてもよい。)、
及び
(d) 1,4−シクロヘキセニレン基
からなる群より選ばれる基を表し、前記の基(a)、基(b)、基(c)及び基(d)は、それぞれ独立して、シアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていてもよく、
II1及びZII2は、それぞれ独立して、単結合、−CHCH−、−(CH−、−OCH−、−CHO−、−COO−、−OCO−、−OCF−、−CFO−、−CH=N−N=CH−、−CH=CH−、−CF=CF−又は−C≡C−を表し、
II1及びnII2はそれぞれ独立して0〜2の整数を表すが、nII1+nII2は0、1又は2であり、
II1及びAII2がそれぞれ複数存在する場合は、それぞれは互いに同一であっても異なっていてもよく、
II1及びZII2がそれぞれ複数存在する場合は、それぞれは互いに同一であっても異なっていてもよい。)
で表される液晶化合物を1種類以上と、を含む、誘電率異方性が負の重合性液晶組成物を提供する。
また、本発明は、1分子中に1つ以上の重合性基を有する重合性化合物を1種類以上と、一般式(H)で表される光安定化剤を1種類以上と、一般式(II)で表される液晶化合物を1種類以上と、を含む、誘電率異方性が負の重合性液晶組成物を用いた液晶表示素子を提供する。
本発明の重合性液晶組成物は、Δεが大きく、且つ熱や光等の外的刺激に対して安定であり、特にUV照射工程を伴う高分子安定化工程を経たり、過酷な保管条件に置かれても、高い電圧保持率を長期間にわたって維持できる。また、本発明の液晶表示素子は、上述した重合性液晶組成物を用いることにより、表示不良がないか又は抑制され、優れた表示品位を有することができる。
本発明の液晶表示素子の一例を示す模式図である。
I.重合性液晶組成物
本発明の重合性液晶組成物は、1分子中に1つ以上の重合性基を有する重合性化合物を1種類以上と、一般式(H)で表される光安定化剤を1種類以上と、一般式(II)で表される液晶化合物を1種類以上と、を含み、誘電率異方性が負である。
本発明の重合液晶組成物によれば、上記一般式(II)で表される液晶化合物により高いΔεを達成することができ、また、一般式(H)で表される光安定化剤により、外的刺激を受けた一般式(II)で表される化合物及び他の化合物から発生した不純物をトラップすることで、該不純物の発生によるVHRの低下を抑制することができる。
さらに、本発明の重合性液晶組成物は、重合性化合物と一般式(H)で表される光安定化剤とを含有することで、光安定化剤の存在に起因したVHRの低下を抑制することができる。詳述すれば、従来液晶組成物に汎用されるヒンダードアミン系光安定化剤は、重合機能(すなわち重合性基)を有していないが、このような非重合性光安定化剤は、液晶層の不純物をトラップすることで信頼性の改善に効果がある一方で、極性が大きいため該化合物自体がイオン伝導原となってVHRを低下させてしまう。一方、一般式(H)で表される光安定化剤は、分子構造内に少なくとも1つの重合性基を有しており、重合性液晶組成物に紫外線を照射して重合性化合物を重合させる際に、一般式(H)で表される光安定化剤の重合性基と重合性化合物の一部とが反応する。その結果、一般式(H)で表される光安定化剤が、重合性化合物の重合により形成される重合層に取り込まれると推量される。重合層に取り込まれた一般式(H)で表される光安定化剤は、不純物をトラップする機能を残しつつ、イオン伝導原として働かなくなるため、非重合性光安定化剤を用いた場合と比較してVHRの低下をより効果的に抑制することができる。これにより、本発明の重合性液晶組成物は、高Δεと高VHRとの両立を達成することができる。
本発明の重合性液晶組成物は、負の誘電率異方性(Δε)を示し、その絶対値|Δε|が2以上である。本発明の重合性液晶組成物は、20℃における誘電率異方性(Δε)が−2以下であることが好ましく、−2.0から−8.0の範囲内が好ましく、−2.0から−5.0の範囲内がより好ましく、−2.5から−5.0の範囲内が特に好ましい。
本明細書中において、一般式(H)で表される光安定化剤のことを、一般式(H)で表される化合物、若しくは化合物(H)と称する場合がある。また、一般式(II)で表される液晶化合物のことを、単に一般式(II)で表される化合物、若しくは化合物(II)と称する場合がある。
一般式(H)で表される光安定化剤は、その分子構造内において重合性基を有するが、後述する重合性化合物には含まれないものとする。また、光安定化剤のうち、一般式(H)で表される光安定化剤を「重合性光安定化剤」と称し、重合性基を有さない光安定化剤を「非重合性光安定化剤」と称して区別されるものとする。
本明細書中において、重合性液晶組成物から重合性化合物を除いたものを液晶組成物と称する。すなわち、本発明の重合性液晶組成物は、換言すれば、一般式(H)で表される光安定化剤を1種類以上と、一般式(II)で表される液晶化合物を1種類以上と、を含む液晶組成物、および1分子中に1つ以上の重合性基を有する重合性化合物を1種類以上含むものである。
また、液晶組成物から一般式(H)で表される光安定化剤およびその他の添加剤を除いたものを母体組成と称する場合がある。
(1)液晶組成物
本発明における液晶組成物は負の誘電率異方性を示すことが好ましい。本発明における液晶組成物の誘電率異方性の値の好ましい範囲は、上述した本発明の重合性液晶組成物の誘電率異方性の範囲と同様とすることができる。
以下、本発明における液晶組成物の構成成分について説明する。
(一般式(H)で表される光安定化剤)
本発明における液晶組成物は、一般式(H)で表される光安定化剤を1種類以上含む。
Figure 2021084948
一般式(H)中、Tは、下記式(1)で表される基である。すなわち、Tはヒンダードアミン骨格を表す。
Figure 2021084948
上記式(1)中、Ra、Rb、RcおよびRdはそれぞれ独立して水素原子又は炭素原子数1〜10の直鎖状または分岐状のアルキル基を表し、RaとRb及び/又はRcとRdは互いに結合して環を形成してもよい。
中でもRa、Rb、RcおよびRdは、それぞれ独立して炭素原子数1〜6の直鎖状又は分岐状のアルキル基であることが好ましく、炭素原子数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキル基であることがより好ましい。具体的にはRa、Rb、RcおよびRdは、それぞれ独立してメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、及びt−ブチル基からなる群から選択される基であることが好ましい。安定性の観点からは、Ra、Rb、RcおよびRdは、それぞれ独立して分岐状アルキル基が好ましく、s−ブチル基又はt−ブチル基が好ましい。また、原料の入手の容易さ及び化合物の安定性の観点からは、Ra、Rb、RcおよびRdは、それぞれ独立してメチル基であることが特に好ましい。製造時に混入する極性不純物の除去を容易にするためには、RaとRb、及び/又はRcとRdは、互いに結合して環構造を形成してもよい。
上記式(1)中、Rgは、水素原子、水酸基、−O・、又は炭素原子数1〜12のアルキル基を表し、該アルキル基中に存在する1個又は隣接していない2個以上の−CH−は、それぞれ独立して−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−CO−S−、−S−CO−、−O−CO−O−、−CO−NH−、−NH−CO−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−CH=CH−、−C≡C−、−Si(CH−、トランス1,4−シクロヘキシレン基、1,4−フェニレン基又はナフタレン−2,6−ジイル基に置換されてもよく、Rg中の1個又は2個以上の水素原子はそれぞれ独立してハロゲン原子又はシアノ基で置換されていてもよい。
中でもRgは、水素原子、水酸基、炭素原子数1〜12のアルキル基、炭素原子数3〜12のアルケニル基又はベンジル基を表すことが好ましい。光劣化防止能を高める観点から、Rgは水素原子又は水酸基を表すことが好ましく、水素原子を表すことが特に好ましい。また、液晶化合物や重合性化合物との相溶性を高める観点から、Rgは炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数3〜6のアルケニル基を表すことが好ましい。アルキル基及びアルケニル基は直鎖状であってもよく分岐状であってもよいが、直鎖状であることが好ましい。
上記式(1)中、nT1及びnT2はそれぞれ独立して0、1、2又は3を表すが、nT1+nT2は1、2、3又は4を表す。中でもnT1及びnT2はそれぞれ独立して1又は2を表すことが好ましい。また、nT1+nT2は1または2であることが好ましく、2であることが特に好ましい。
上記式(1)中、黒点は結合手を表す。
一般式(1)中、Tが複数存在する場合は、複数のTは同一であってもよく異なってもよい。
一般式(H)中、PH1は、水素原子又は重合性基を表す。重合性基は、以下の式(P−1)から式(P−17)のいずれかで表されることが好ましい。
Figure 2021084948
中でもPH1は、水素原子若しくは式(P−1)、式(P−2)、式(P−5)、式(P−6)、式(P−8)、式(P−12)、式(P−14)又は式(P−17)で表される基であることが好ましく、水素原子若しくは式(P−1)、式(P−2)、式(P−8)、式(P−12)又は式(P−14)で表される基であることがさらに好ましく、水素原子若しくは式(P−1)又は式(P−2)で表される基であることがより好ましい。
また、一般式(H)は、分子中に1個以上の重合性基を有することから、mH1が0であり且つZH1が単結合である場合は、PH1は重合性基を表す。また、mH1が1、2、3又は4であり且つAH1、AH2、ZH1およびZH2のいずれも重合性基を有さない場合は、PH1は重合性基を表す。
一般式(H)中、SpH1は、スペーサー基又は単結合を表す。スペーサー基は、直鎖状又は分岐状の炭素原子数1から12のアルキレン基を表し、該アルキレン基中の1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−は、−O−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−又は−C≡C−により置き換えられていてもよい。中でもSpH1は、単結合又は炭素原子数1から12の直鎖状のアルキレン基(基中の1個又は隣接しない2個以上の−CH−が−O−、−COO−又は−OCO−で置換されてもよい。)を表すことが好ましく、単結合又は炭素原子数1から6の直鎖状のアルキレン基(基中の1個又は隣接しない2個以上の−CH−が−O−、−COO−又は−OCO−で置換されてもよい。)を表すことが好ましく、単結合又は炭素原子数2から4の直鎖状のアルキレン基(基中の1個又は隣接しない2個以上の−CH−が−O−、−COO−又は−OCO−で置換されてもよい。)を表すことが好ましく、単結合であることが特に好ましい。
一般式(H)中、AH1及びAH2はそれぞれ独立して、2価の芳香族基、2価の環脂肪族基、2価の複素環式化合物基、2価の縮合環、及び2価の縮合多環を表し、これらの環構造中の1つ以上の水素原子は基LH1又はRH1−(AH3−ZH3 H2−で置換されていてもよく、AH1及びAH2の一方は単結合を表してもよい。なお、基LH1およびRH1−(AH3−ZH3 H2−については後述する。
中でも、AH1及びAH2は、それぞれ独立して2価の6員環芳香族基又は2価の6員環脂肪族基(該基中の1つ以上水素原子は、基LH1又はRH1−(AH3−ZH3 H2−で置換されていてもよい)を表すことが好ましい。また、AH1及びAH2のうちAH1が単結合であることが好ましい。具体的には、AH1及びAH2はそれぞれ独立して、
(a) 1,4−シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−は−O−に置換されてもよい。)、
(b) 1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置換されてもよい。)、
(c) ナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又はデカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基(ナフタレン−2,6−ジイル基又は1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置換されてもよい。)、
及び
(d) 1,4−シクロヘキセニレン基
からなる群より選ばれる基(前記の基(a)、基(b)、基(c)及び基(d)は、それぞれ独立して、基LH1又はRH1−(AH3−ZH3 H2−で置換されていてもよい)を表すか、又はAH1が単結合を表すことが好ましい。中でも、AH1及びAH2はそれぞれ独立して、1,4−シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−は−O−に置換されてもよい。)若しくは基LH1又はRH1−(AH3−ZH3 H2−により置換されていても良い1,4−フェニレン基を表すか、又はAH1が単結合を表すことがより好ましい。
H1およびAH2がそれぞれ複数存在する場合は、各AH1および各AH2はそれぞれ同一であってもよく異なってもよい。
一般式(H)中、ZH1およびZH2は、それぞれ独立して−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−、−OCH−、−CHO−、−SCH−、−CHS−、−CFO−、−OCF−、−CFS−、−SCF−、−(CH−、−CFCH−、−CHCF−−(CF−、−CH=CH−、−CF=CF−、−CH=CF−、−CF=CH−、−C≡C−、−CH=CH−CO−O−、−O−CO−CH=CH−、−CH−CH−CO−O−、−O−CO−CH−CH−、−CRH2H3−又は単結合を表し、該基中の一つ以上の水素原子は基LH1又はRH1−(AH3−ZH3 H2−で置換されていてもよい。
H1およびZH2中、RH2およびRH3は、それぞれ独立して水素原子または炭素原子数1〜12アルキレン基を表す。
また、ZH1およびZH2中、nは1、2、3、又は4を表す。
中でも、ZH1は、−COO−、−OCO−又は単結合を表すことが好ましく、単結合を表すことがより好ましい。また、ZH2は、−COO−、−OCO−又は単結合を表すことが好ましい。ZH2が複数存在する場合は、複数のZH2は同一であってもよく異なってもよい。
一般式(H)中、LH1はPH2−SpH2−、基T、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、又は炭素原子数1〜25の直鎖状又は分岐状は環状のアルキル基を表し、該アルキル基は、1個以上の隣接していない−CH−が、酸素原子及び/又は硫黄原子が互いに直接連結しないようにして、−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−で置き換えられていてもよく、また該アルキル基は、1つ以上の水素原子がフッ素原子、塩素原子又はPH2−SpH2−で置換されていてもよい。基Tは上述した一般式(1)で表す基である。
中でもLH1は、PH2−SpH2−、基T、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、炭素原子数1〜25の直鎖状又は分岐状のアルキル基、アルコキシ基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、又はアルコキシカルボニルオキシ基を表すことが好ましく、該基中の1つ以上の水素原子がフッ素原子または塩素原子で置換されていてもよい。LH1が複数存在する場合は、複数のLH1は同一であってもよく異なってもよい。
一般式(H)中、PH2は、水素原子又は重合性基を表す。PH2が表す重合性基は、上述したPH1が表す重合性基と同様に、式(P−1)から式(P−17)のいずれかで表されることが好ましく、中でも水素原子若しくは式(P−1)、式(P−2)、式(P−5)、式(P−6)、式(P−8)、式(P−12)、式(P−14)又は式(P−17)で表される基であることが好ましく、水素原子若しくは式(P−1)、式(P−2)、式(P−8)、式(P−12)又は式(P−14)で表される基であることがさらに好ましく、水素原子若しくは式(P−1)又は式(P−2)で表される基であることがより好ましい。PH2が複数存在する場合は、複数のPH2は同一であってもよく異なってもよい。
一般式(H)中、SpH2は、スペーサー基又は単結合を表す。スペーサー基は、直鎖状又は分岐状の炭素原子数1から12のアルキレン基を表し、該アルキレン基中の1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−は、−O−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−又は−C≡C−により置き換えられていてもよい。中でもSpH2は、単結合又は基中の1個又は隣接しない2個以上の−CH−が−O−、−COO−又は−OCO−で置換されてもよい炭素原子数1から12の直鎖状のアルキレン基を表すことが好ましく、単結合又は基中の1個又は隣接しない2個以上の−CH−が−O−、−COO−又は−OCO−で置換されてもよい炭素原子数1〜6の直鎖状のアルキレン基を表すことが好ましく、基中の1個又は隣接しない2個以上の−CH−が−O−、−COO−又は−OCO−で置換されてもよい炭素原子数2〜4の直鎖状のアルキレン基を表すことが好ましい。SpH2が複数存在する場合は、複数のSpH2は同一であってもよく異なってもよい。
一般式(H)中、RH1は、PH2−SpH2−、水素原子、フッ素原子、塩素原子、又は炭素原子数1〜25の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基を表す。該アルキル基は、1個以上の隣接していない−CH−が、酸素原子及び/又は硫黄原子が互いに直接連結しないようにして、−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−で置き換えられていてもよい。また、該アルキル基は、1個以上の水素原子が、それぞれフッ素原子、塩素原子又はPH2−SpH2−で置換されていてもよい。RH1が複数存在する場合は、複数のRH1は同一であってもよく異なってもよい。
一般式(H)中、AH3は、2価の芳香族基、2価の環脂肪族基、2価の複素環式化合物基、2価の縮合環、及び2価の縮合多環を表し、これらの環構造中の1つ以上の水素原子は基LH1で置換されていてもよい。
中でも、AH3は、2価の6員環芳香族基又は2価の6員環脂肪族基(該基中の1つ以上水素原子は、基LH1で置換されていてもよい)を表すことが好ましい。具体的には、AH3は、
(a) 1,4−シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−は−O−に置換されてもよい。)、
(b) 1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置換されてもよい。)、
(c) ナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又はデカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基(ナフタレン−2,6−ジイル基又は1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置換されてもよい。)、
及び
(d) 1,4−シクロヘキセニレン基
からなる群より選ばれる基(前記の基(a)、基(b)、基(c)及び基(d)は、それぞれ独立して、基LH1で置換されていてもよい。)を表すことが好ましい。より好ましくは、AH3は、1,4−シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−は−O−に置換されてもよい。)若しくは基LH1で置換されていても良い1,4−フェニレン基を表す。
H3複数存在する場合は、複数のAH3は同一であってもよく異なってもよい。
一般式(H)中、ZH3は、−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−、−OCH−、−CHO−、−SCH−、−CHS−、−CFO−、−OCF−、−CFS−、−SCF−、−(CH−、−CFCH−、−CHCF−−(CF−、−CH=CH−、−CF=CF−、−CH=CF−、−CF=CH−、−C≡C−、−CH=CH−CO−O−、−O−CO−CH=CH−、−CH−CH−CO−O−、−O−CO−CH−CH−、−CRH2H3−又は単結合を表す。RH2およびRH3ならびにnは、ZH1およびZH2におけるRH2およびRH3ならびにnと同じ定義である。
H3複数存在する場合は、複数のZH3は同一であってもよく異なってもよい。
一般式(H)中、mH1は、0、1、2、3又は4を表す。中でもmH1は、0、1、2又は3を表すことが好ましく、0、1又は2がさらに好ましく、安定性の観点から0又は1がより好ましく、0が特に好ましい。
H1が0であるとき、ZH1およびSpH1が共に単結合であり、PH1が重合性基を表すことが好ましい。一般式(H)で表される化合物は、式中のT、すなわちヒンダードアミン骨格に直接重合性基が結合した構造を有することで、単位質量中のヒンダードアミン骨格量を増やすことが可能となるため、少ない添加量でも効果的に信頼性を改善できるからである。
またmH2は、0、1、2、3又は4を表す。中でもmH2は、0、1、2又は3を表すことが好ましく、0、1又は2を表すことがさらに好ましく、安定性の観点から0又は1を表すことがより好ましく、0であることが特に好ましい。
一般式(H)は、分子中に1個以上の重合性基を有する。重合性基の数は1個でもよく、2個でもよく、3個以上でもよい。また、重合性基の数は、多くてもよいが、3個以下が好ましく、2個以下がより好ましい。重合性基の数が多すぎると、一般式(H)で表される化合物の分子量が増加して、相対的にヒンダードアミン骨格量が減少して、信頼性の改善効果が得られにくくなる。
また、mH1が1以上であり且つPH1が水素原子を表す場合、AH1、AH2、ZH1およびZH2のうち少なくとも一つが、PH2−SpH2−(ただしPH2は重合性基である)を含む置換基を有することが好ましい。中でも、AH1およびAH2の少なくとも一方がPH2−SpH2−(ただしPH2は重合性基である)を含む置換基を有することが好ましい。一方、mH1が0の場合は、PH1が重合性基を表すことが好ましい。
一般式(H)で表される光安定化剤として、下記一般式(H−1)で表される化合物が好ましい。
Figure 2021084948
(一般式(H−1)中、Ra、Rb、Rc、RdおよびRgは、それぞれ一般式(H)におけるRa、Rb、Rc、RdおよびRgの定義と同じであり、PH1、SpH1、AH2、ZH2、およびmH1は、それぞれ一般式(H)におけるPH1、SpH1、AH2、ZH2、およびmH1の定義と同じである。)
一般式(H−1)において、mH1が0のときは、PH1は重合性基を表す。中でもPH1は上述の式(P−1)から式(P−17)のいずれかで表されることが好ましく、式(P−1)又は式(P−2)で表されることがより好ましい
本発明の重合性液晶組成物は、一般式(H)で表される光安定化剤を1種以上含むが、一般式(H)で表される光安定化剤と併せて他の公知の光安定化剤を1種以上、更に含有していてもよい。公知の光安定化剤としては、例えば重合性基を有さない公知の光安定化剤(非重合性安定化剤)が挙げられる。
一般式(H)で表される化合物の総含有量の好ましい下限値は、本発明における液晶組成物の総量に対して0.001質量%、0.005質量%、0.01質量%、0.05質量%である。また、一般式(H)で表される化合物の総含有量の好ましい上限値は、本発明における液晶組成物の総量に対して0.2質量%、0.15質量%、0.1質量%である。一般式(H)で表される化合物の含有量を上記の範囲内で設定することで、光安定化剤としての機能を十分に発揮しつつ、VHRの低下も抑制することができる。
一般式(H)で表される化合物の総含有量として具体的には、本発明における液晶組成物の総量に対して0.001質量%〜0.2質量%の範囲内であることが好ましく、0.005質量%〜0.15質量%の範囲内がより好ましく、0.01質量%〜0.1質量%の範囲内がさらに好ましい。
(一般式(II)で表される液晶化合物)
本発明の重合性液晶組成物は、液晶化合物として、分子構造内において2つの環が−COO−で表される連結基により連結された連結部を有する液晶化合物を1種類以上含む。具体的には、本発明の液晶重合性化合物は、一般式(II)で表される液晶化合物を1種類以上含む。
Figure 2021084948
(式中、RII1及びRII2は、それぞれ独立して炭素原子数1〜8のアルキル基を表
し、該アルキル基中の1個又は隣接していない2個以上の−CH−は、それぞれ独立して、−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−によって置換されていてもよく、
II1、AII2及びAII3は、それぞれ独立して、
(a) 1,4−シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−は−O−に置換されてもよい。)、
(b) 1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置換されてもよい。)、
(c) ナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又はデカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基(ナフタレン−2,6−ジイル基又は1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置換されてもよい。)、
及び
(d) 1,4−シクロヘキセニレン基
からなる群より選ばれる基を表し、前記の基(a)、基(b)、基(c)及び基(d)は、それぞれ独立して、シアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていてもよく、
II1及びZII2は、それぞれ独立して、単結合、−CHCH−、−(CH−、−OCH−、−CHO−、−COO−、−OCO−、−OCF−、−CFO−、−CH=N−N=CH−、−CH=CH−、−CF=CF−又は−C≡C−を表し、
II1及びnII2はそれぞれ独立して0〜2の整数を表すが、nII1+nII2は0、1又は2であり、
II1及びAII2がそれぞれ複数存在する場合は、それぞれは互いに同一であっても異なっていてもよく、
II1及びZII2がそれぞれ複数存在する場合は、それぞれは互いに同一であっても異なっていてもよい。)
本発明の重合性液晶組成物は、一般式(II)で表される化合物、換言すれば、2位および3位の水素原子がフッ素原子に置換された1,4−フェニレン基に−CHO−連結基が結合した構造を有する化合物を必須成分とすることにより、高Δεを示すことができる。また、本発明の重合性液晶組成物は、該化合物を含むことで優れた低温保存安定性を示すことができ、該重合性液晶組成物を用いて得られる液晶表示素子は、低電圧駆動、速い応答速度及び高いVHRを示すことができる。
一般式(II)で表される化合物は、Δεが負でその絶対値が3よりも大きな化合物であることが好ましい。
一般式(II)中、RII1及びRII2は、それぞれ独立して炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数2〜8のアルケニル基又は炭素原子数1〜8のアルコキシ基を表すが好ましく、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表すが好ましい。中でも少なくともRII2が炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表すことが好ましく、エトキシ基、プロポキシ基又はブトキシ基を表すことがより好ましい。
一般式(II)中、nII1は0又は1を表すことが好ましい。一方nII2は0を表すことが好ましい。
一般式(II)で表される液晶化合物は、下記一般式(II−1)および(II−2)で表される化合物群から選択される化合物が好ましく、中でも一般式(II−1)で表される化合物が好ましい。
Figure 2021084948
(式中、RII11及びRII12は、それぞれ独立して一般式(II)におけるRII1と同じ意味を表し、RII21及びRII22は、それぞれ独立して一般式(II)におけるRII2と同じ意味を表し、nII11は0又は1を表し、nII12は0又は1を表し、nII22は1又は2を表す。AII11、AII12及びAII22がそれぞれ複数存在する場合は、それぞれは互いに同一であっても異なっていてもよい。)
一般式(II−1)で表される化合物は、下記一般式(II−1−1)から下記一般式(II−1−5)で表される化合物群から選択されることが好ましい。
Figure 2021084948
(式中、RII11及びRII21はそれぞれ独立して、それぞれ独立して一般式(II)におけるRII1及びRII2と同じ意味を表す。)
II11及びRII21は、それぞれ独立して炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましい。中でもRII11及びRII21のうち少なくともRII21が炭素原子数1〜4のアルコキシ基であることが好ましく、RII21が炭素原子数1〜4のアルコキシ基であることがさらに好ましく、エトキシ基、プロポキシ基又はブトキシ基であることがより好ましい。RII21がアルコキシ基の場合、一般式(II−1)で表される化合物は、2位および3位にフッ素置換された1,4−フェニレン基が連結基である−CHO−の酸素原子とRII21のアルコキシ基の酸素原子とが直接結合した構造を有するため、より高Δεを示すことができる。その一方で、上記構造は、電子雲の広がりが大きくなり(共役系が伸びて)吸収波長が長波長にシフトする結果、紫外線の吸収効率が上がることで光エネルギーを受けやすくなり、不純物の発生によりVHRが低下する場合がある。これに対し、本発明によれば、上述した一般式(H)で表される重合性光安定化剤と併用することで、上記構造を有する一般式(II−1)で表される化合物によるΔεの向上を達成しつつ光劣化を抑制して高VHRを達成することができる。
また、RII11は炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、エチル基、プロピル基又はブチル基が好ましい。
一般式(II−1)で表される化合物は、中でも一般式(II−1−1)および一般式(II−1−2)で表される化合物群から選択される化合物であることが好ましい。
一般式(II−1−1)及び一般式(II−1−2)で表される化合物は、それぞれ単独で使用することもでき、それぞれ2種類以上を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
一般式(II−1−1)及び一般式(II−1−2)で表される化合物のそれぞれの含有量は、Δεの改善を重視する場合には高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は高めに設定すると効果が高く、TNIを重視する場合は高めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、一般式(II−1−1)から一般式(II−1−5)で表される化合物のそれぞれの含有量の範囲は、中間に設定することが好ましい。
一般式(II−1−1)で表される化合物の含有量の下限値は、好ましくは本発明における液晶組成物の総量に対して1%であり、2%であり、5%であり、10%であり、13%であり、15%であり、17%であり、20%である。上記化合物の含有量の上限値は、好ましくは本発明における液晶組成物の総量に対して35%であり、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%である。
一般式(II−1−2)で表される化合物の含有量の下限値は、好ましくは本発明における液晶組成物5%であり、10%であり、13%であり、15%であり、17%であり、20%であり、25%であり、30%である。上記化合物の含有量の上限値は、好ましくは本発明における液晶組成物の総量に対して、50%であり、45%であり、40%であり、35%であり、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%である。
一般式(II−1−1)で表される化合物は、式(II−1−1.1)から式(II−1−1.14)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(II−1−1.1)〜(II−1−1.5)で表される化合物であることが好ましく、式(II−1−1.1)及び式(II−1−1.2)で表される化合物が好ましい。
Figure 2021084948
一般式(II−1−1.1)及び式(II−1−1.2)で表される化合物は、単独で使用することも、組み合わせて使用することも可能であるが、本発明の組成物の総量に対しての単独又はこれら化合物の好ましい含有量の下限値は2%であり、5%であり、10%であり、13%であり、15%であり、17%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、本発明の組成物の総量に対して、35%であり、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%である。
また、一般式(II−1−2)で表される化合物は、式(II−1−2.1)から式(II−1−2.14)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(II−1−2.1)〜(NII−1−2.14)で表される化合物であることが好ましく、式(II−1−2.2)及び式(II−1−2.4)で表される化合物が好ましい。
Figure 2021084948
一般式(II−1−2.2)及び一般式(II−1−2.4)で表される化合物は単独で使用することも、組み合わせて使用することも可能であるが、本発明における液晶組成物の総量に対しての単独又はこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、5質量%以上であり、10質量%以上であり、13質量%以上であり、15質量%以上であり、17質量%以上であり、20質量%以上である。好ましい含有量の上限値は、本発明における液晶組成物の総量に対して、35質量%以下であり、30質量%以下であり、28質量%以下であり、25質量%以下であり、23質量%以下であり、20質量%以下であり、18質量%以下であり、15質量%以下であり、13質量%以下である。
一般式(II−2)で表される化合物として、より具体的には、下記一般式(II−2−1)および一般式(II−2−2)で表される化合物群から選択される化合物が挙げられる。
Figure 2021084948
(式中、RII12及びRII22はそれぞれ独立して、一般式(II)におけるRII1及びRII2と同じ意味を表す。)
II12及びRII22はそれぞれ独立して、炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、エチル基、プロピル基又はブチル基が好ましい。
一般式(II−2−1)および一般式(II−2−2)で表される化合物は、それぞれ単独で使用することもできるが、それぞれ2種類以上組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
一般式(II−2−1)および一般式(II−2−2)で表される化合物のそれぞれの含有量は、Δεの改善を重視する場合には高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は高めに設定すると効果が高く、TNIを重視する場合は含有量を高めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、一般式(II−2−1)および一般式(II−2−2)で表される化合物のそれぞれ含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
式(II−2−1)で表される化合物の含有量の下限値は、好ましくは本発明における液晶組成物の総量に対して5質量%以上であり、10質量%以上であり、13質量%以上であり、15質量%以上であり、17質量%以上であり、20質量%以上である。上記化合物の含有量の上限値は、好ましくは本発明における液晶組成物の総量に対して35質量%以下であり、30質量%以下であり、28質量%以下であり、25質量%以下であり、23質量%以下であり、20質量%以下であり、18質量%以下であり、15質量%以下であり、13質量%以下である。
式(II−2−2)で表される化合物の含有量の下限値は、好ましくは本発明における液晶組成物の総量に対して5質量%以上であり、10質量%以上であり、13質量%以上であり、15質量%以上であり、17質量%以上であり、20質量%以上である。上記化合物の含有量の上限値は、好ましくは本発明における液晶組成物の総量に対して35質量%以下であり、30質量%以下であり、28質量%以下であり、25質量%以下であり、23質量%以下であり、20質量%以下であり、18質量%以下であり、15質量%以下であり、13質量%以下である。
一般式(II)で表される化合物の総含有量は、本発明における液晶組成物の総量に対して、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、さらに好ましくは30質量%以上である。また、一般式(II)で表される化合物の総含有量は、本発明における液晶組成物の総量に対して、好ましくは70質量%以下、より好ましくは50質量%以下、さらに好ましくは40質量%以下である。上記総含有量の好ましい範囲は、これらの上限値および下限値から適宜設定することができる。
一般式(II)で表される化合物の含有量として具体的には、本発明における液晶組成物の総量に対して10質量%〜70質量%の範囲内であり、好ましくは20質量%〜50質量%の範囲内であり、より好ましくは30質量%〜40質量%の範囲内である。
(他の液晶化合物)
本発明の重合性液晶組成物は、液晶化合物として一般式(N−1)、(N−2)及び(N−3)で表される化合物群から選ばれる化合物(ただし上記一般式(II)で表される化合物は除く。)を1種類以上、更に含有してもよい。
Figure 2021084948
(上記一般式(N−1)、(N−2)及び(N−3)中、RN11、RN12、RN21、RN22、RN31及びRN32は、それぞれ独立して炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、該アルキル基中の1個又は隣接していない2個以上の−CH−は、それぞれ独立して、−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−によって置換されていてもよく、AN11、AN12、AN21、AN22、AN31及びAN32は、それぞれ独立して、
(a) 1,4−シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−は−O−に置換されてもよい。)、
(b) 1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置換されてもよい。)、
(c) ナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又はデカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基(ナフタレン−2,6−ジイル基又は1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置換されてもよい。)、
及び
(d) 1,4−シクロヘキセニレン基
からなる群より選ばれる基を表し、前記の基(a)、基(b)、基(c)及び基(d)は、それぞれ独立して、シアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていてもよく、
N11、ZN12、ZN21、ZN22、ZN31及びZN32は、それぞれ独立して、単結合、−CHCH−、−(CH−、−OCH−、−CHO−、−COO−、−OCO−、−OCF−、−CFO−、−CH=N−N=CH−、−CH=CH−、−CF=CF−又は−C≡C−を表し、
N21は、水素原子又はフッ素原子を表し、
N31は、−CH−又は酸素原子を表し、
N11、nN12、nN21、nN22、nN31及びnN32は、それぞれ独立して0〜3の整数を表すが、nN11+nN12、nN21+nN22及びnN31+nN32は、それぞれ独立して1、2又は3であり、
N11〜AN32、ZN11〜ZN32がそれぞれ複数存在する場合は、それぞれは互いに同一であっても異なっていてもよい。ただし、一般式(II)で表される化合物は除く。)
一般式(N−1)、(N−2)及び(N−3)のいずれかで表される化合物は、Δεが負でその絶対値が3よりも大きな化合物であることが好ましい。
一般式(N−1)、(N−2)及び(N−3)中、RN11、RN12、RN21、RN22、RN31及びRN32はそれぞれ独立して、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数2〜8のアルケニル基又は炭素原子数2〜8のアルケニルオキシ基が好ましく、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数2〜5のアルケニルオキシ基が好ましく、炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が更に好ましく、炭素原子数2〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜3のアルケニル基が更に好ましく、炭素原子数3のアルケニル基(プロペニル基)が特に好ましい。
また、それが結合する環構造がフェニル基(芳香族)である場合には、直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1〜4のアルコキシ基及び炭素原子数4〜5のアルケニル基が好ましく、それが結合する環構造がシクロヘキサン、ピラン及びジオキサンなどの飽和した環構造の場合には、直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1〜4のアルコキシ基及び直鎖状の炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましい。ネマチック相を安定化させるためには炭素原子及び存在する場合酸素原子の合計が5以下であることが好ましく、直鎖状であることが好ましい。
アルケニル基としては、式(R1)から式(R5)のいずれかで表される基から選ばれることが好ましい(各式中の黒点は結合手を表す。)。
Figure 2021084948
N11、AN12、AN21、AN22、AN31及びAN32はそれぞれ独立してΔnを大きくすることが求められる場合には芳香族であることが好ましく、応答速度を改善するためには脂肪族であることが好ましく、トランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−フェニレン基、2−フルオロ−1,4−フェニレン基、3−フルオロ−1,4−フェニレン基、3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン基、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキセニレン基、1,4−ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、ピペリジン−1,4−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又は1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基を表すことが好ましく、下記の構造:
Figure 2021084948
を表すことがより好ましく、トランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−シクロヘキセニレン基又は1,4−フェニレン基を表すことがより好ましい。
N11、ZN12、ZN21、ZN22、ZN31及びZN32はそれぞれ独立して−CHO−、−CFO−、−CHCH−、−CFCF−又は単結合を表すことが好ましく、−CHO−、−CHCH−又は単結合が更に好ましく、−CHO−又は単結合が特に好ましい。
N21はフッ素原子が好ましい。
N31は酸素原子が好ましい。
N11+nN12、nN21+nN22及びnN31+nN32は1又は2が好ましく、nN11が1でありnN12が0である組み合わせ、nN11が2でありnN12が0である組み合わせ、nN11が1でありnN12が1である組み合わせ、nN11が2でありnN12が1である組み合わせ、nN21が1でありnN22が0である組み合わせ、nN21が2でありnN22が0である組み合わせ、nN31が1でありnN32が0である組み合わせ、nN31が2でありnN32が0である組み合わせ、が好ましい。
式(N−1)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、本発明における液晶組成物の総量に対して1質量%以上であり、10質量%以上であり、20質量%以上であり、30質量%以上であり、40質量%以上であり、50質量%以上であり、55質量%以上であり、60質量%以上であり、65質量%以上であり、70質量%以上であり、75質量%以上であり、80質量%以上である。好ましい含有量の上限値は、95質量%以下であり、85質量%以下であり、75質量%以下であり、65質量%以下であり、55質量%以下であり、45質量%以下であり、35質量%以下であり、25質量%以下であり、20質量%以下である。
式(N−2)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、本発明における液晶組成物の総量に対して1質量%以上であり、10質量%以上であり、20質量%以上であり、30質量%以上であり、40質量%以上であり、50質量%以上であり、55質量%以上であり、60質量%以上であり、65質量%以上であり、70質量%以上であり、75質量%以上であり、80質量%以上である。好ましい含有量の上限値は、95質量%以下であり、85質量%以下であり、75質量%以下であり、65質量%以下であり、55質量%以下であり、45質量%以下であり、35質量%以下であり、25質量%以下であり、20質量%以下である。
式(N−3)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、本発明における液晶組成物の総量に対して1質量%以上であり、10質量%以上であり、20質量%以上であり、30質量%以上であり、40質量%以上であり、50質量%以上であり、55質量%以上であり、60質量%以上であり、65質量%以上であり、70質量%以上であり、75質量%以上であり、80質量%以上である。好ましい含有量の上限値は、95質量%以下であり、85質量%以下であり、75質量%以下であり、65質量%以下であり、55質量%以下であり、45質量%以下であり、35質量%以下であり、25質量%以下であり、20質量%以下である。
本発明における液晶組成物の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値が低く上限値が低いことが好ましい。さらに、本発明における液晶組成物のTniを高く保ち、温度安定性の良い組成物が必要な場合は上記の下限値が低く上限値が低いことが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高く上限値が高いことが好ましい。
一般式(N−1)で表される化合物として、下記の一般式(N−1a)から(N−1g)で表される化合物群を挙げることができる。
Figure 2021084948
(式中、RN11及びRN12は一般式(N−1)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表し、nNa11は0又は1を表し、nNb11は1又は2を表し、nNc11は0又は1を表し、nNe11は1又は2を表し、nNg11は1又は2を表し、ANe11はトランス−1,4−シクロへキシレン基又は1,4−フェニレン基を表し、ANg11はトランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−シクロヘキセニレン基又は1,4−フェニレン基を表すが少なくとも1つは1,4−シクロヘキセニレン基を表し、ZNe11は単結合又はエチレンを表すが分子内に存在する少なくとも1つはエチレンを表し、分子内に複数存在するANe11、ZNe11、及び/又はANg11は同一であっても異なっていても良い。)
より具体的には、一般式(N−1)で表される化合物は一般式(N−1−1)から(N−1−21)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
一般式(N−1−1)で表される化合物は下記の化合物である。
Figure 2021084948
(式中、RN111及びRN112はそれぞれ独立して、一般式(N−1)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。)
N111は炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、プロピル基、ペンチル基又はビニル基が好ましい。RN112は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましく、エトキシ基又はブトキシ基が好ましい。
一般式(N−1−1)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を多めに設定すると効果が高く、TNIを重視する場合は含有量を少なめに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
式(N−1−1)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、本発明における液晶組成物の総量に対して5質量%以上であり、10質量%以上であり、13質量%以上であり、15質量%以上であり、17質量%以上であり、20質量%以上であり、23質量%以上であり、25質量%以上であり、27質量%以上であり、30質量%以上であり、33質量%以上であり、35質量%以上である。好ましい含有量の上限値は、本発明における液晶組成物の総量に対して50質量%以下であり、40質量%以下であり、38質量%以下であり、35質量%以下であり、33質量%以下であり、30質量%以下であり、28質量%以下であり、25質量%以下であり、23質量%以下であり、20質量%以下であり、18質量%以下であり、15質量%以下であり、13質量%以下であり、10質量%以下であり、8質量%以下であり、7質量%以下であり、6質量%以下であり、5質量%以下であり、3質量%以下である。
一般式(N−1−1)で表される化合物は、式(N−1−1.1)から式(N−1−1.25)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(N−1−1.1)から(N−1−1.4)で表される化合物であることが好ましく、式(N−1−1.1)及び式(N−1−1.3)で表される化合物が好ましい。
Figure 2021084948
式(N−1−1.1)から(N−1−1.25)で表される化合物は単独で使用することも、組み合わせて使用することも可能であるが、単独又はこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、本発明における液晶組成物の総量に対して5質量%以上であり、10質量%以上であり、13質量%以上であり、15質量%以上であり、17質量%以上であり、20質量%以上であり、23質量%以上であり、25質量%以上であり、27質量%以上であり、30質量%以上であり、33質量%以上であり、35質量%以上である。好ましい含有量の上限値は、本発明における液晶組成物の総量に対して50質量%以下であり、40質量%以下であり、38質量%以下であり、35質量%以下であり、33質量%以下であり、30質量%以下であり、28質量%以下であり、25質量%以下であり、23質量%以下であり、20質量%以下であり、18質量%以下であり、15質量%以下であり、13質量%以下であり、10質量%以下であり、8質量%以下であり、7質量%以下であり、6質量%以下であり、5質量%以下であり、3質量%以下である。
一般式(N−1−2)で表される化合物は下記の化合物である。
Figure 2021084948
(式中、RN121及びRN122はそれぞれ独立して、一般式(N−1)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。)
N121は炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、エチル基、プロピル基、ブチル基又はペンチル基が好ましい。RN122は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましく、メチル基、プロピル基、メトキシ基、エトキシ基又はプロポキシ基が好ましい。
一般式(N−1−2)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を少なめに設定すると効果が高く、TNIを重視する場合は含有量を多めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
式(N−1−2)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、本発明における液晶組成物の総量に対して5質量%以上であり、7質量%以上であり、10質量%以上であり、13質量%以上であり、15質量%以上であり、17質量%以上であり、20質量%以上であり、23質量%以上であり、25質量%以上であり、27質量%以上であり、30質量%以上であり、33質量%以上であり、35質量%以上であり、37質量%以上であり、40質量%以上であり、42質量%以上である。好ましい含有量の上限値は、本発明における液晶組成物の総量に対して50質量%以下であり、48質量%以下であり、45質量%以下であり、43質量%以下であり、40質量%以下であり、38質量%以下であり、35質量%以下であり、33質量%以下であり、30質量%以下であり、28質量%以下であり、25質量%以下であり、23質量%以下であり、20質量%以下であり、18質量%以下であり、15質量%以下であり、13質量%以下であり、10質量%以下であり、8質量%以下であり、7質量%以下であり、6質量%以下であり、5質量%以下である。
一般式(N−1−2)で表される化合物は、式(N−1−2.1)から式(N−1−2.25)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(N−1−2.3)から式(N−1−2.7)、式(N−1−2.10)、式(N−1−2.11)、式(N−1−2.13)及び式(N−1−2.20)で表される化合物であることが好ましく、Δεの改良を重視する場合には式(N−1−2.3)から式(N−1−2.7)で表される化合物が好ましく、TNIの改良を重視する場合には式(N−1−2.10)、式(N−1−2.11)及び式(N−1−2.13)で表される化合物であることが好ましく、応答速度の改良を重視する場合には式(N−1−2.20)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2021084948
式(N−1−2.1)から式(N−1−2.25)で表される化合物は単独で使用することも、組み合わせて使用することも可能であるが、単独又はこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、本発明における液晶組成物の総量に対して5質量%以上であり、10質量%以上であり、13質量%以上であり、15質量%以上であり、17質量%以上であり、20質量%以上であり、23質量%以上であり、25質量%以上であり、27質量%以上であり、30質量%以上であり、33質量%以上であり、35質量%以上である。好ましい含有量の上限値は、本発明における液晶組成物の総量に対して50質量%以下であり、40質量%以下であり、38質量%以下であり、35質量%以下であり、33質量%以下であり、30質量%以下であり、28質量%以下であり、25質量%以下であり、23質量%以下であり、20質量%以下であり、18質量%以下であり、15質量%以下であり、13質量%以下であり、10質量%以下であり、8質量%以下であり、7質量%以下であり、6質量%以下であり、5質量%以下であり、3質量%以下である。
一般式(N−1−3)で表される化合物は下記の化合物である。
Figure 2021084948
(式中、RN131及びRN132はそれぞれ独立して、一般式(N−1)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。)
N131は炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、エチル基、プロピル基又はブチル基が好ましい。RN132は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数3〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましく、1−プロペニル基、エトキシ基、プロポキシ基又はブトキシ基が好ましい。
一般式(N−1−3)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を多めに設定すると効果が高く、TNIを重視する場合は含有量をおおめに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
式(N−1−3)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、本発明における液晶組成物の総量に対して5質量%以上であり、10質量%以上であり、13質量%以上であり、15質量%以上であり、17質量%以上であり、20質量%以上である。好ましい含有量の上限値は、本発明における液晶組成物の総量に対して35質量%以下であり、30質量%以下であり、28質量%以下であり、25質量%以下であり、23質量%以下であり、20質量%以下であり、18質量%以下であり、15質量%以下であり、13質量%以下である。
一般式(N−1−3)で表される化合物は、式(N−1−3.1)から式(N−1−3.21)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(N−1−3.1)から(N−1−3.7)及び式(N−1−3.21)で表される化合物であることが好ましく、式(N−1−3.1)、式(N−1−3.2)、式(N−1−3.3)、式(N−1−3.4)及び式(N−1−3.6)で表される化合物が好ましい。
Figure 2021084948
式(N−1−3.1)から式(N−1−3.4)、式(N−1−3.6)及び式(N−1−3.21)で表される化合物は単独で使用することも、組み合わせて使用することも可能であるが、式(N−1−3.1)及び式(N−1−3.2)の組み合わせ、式(N−1−3.3)、式(N−1−3.4)及び式(N−1−3.6)から選ばれる2種類又は3種類の組み合わせが好ましい。単独又はこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、本発明における液晶組成物の総量に対して5質量%以上であり、10質量%以上であり、13質量%以上であり、15質量%以上であり、17質量%以上であり、20質量%以上である。好ましい含有量の上限値は、本発明における液晶組成物の総量に対して35質量%以下であり、30質量%以下であり、28質量%以下であり、25質量%以下であり、23質量%以下であり、20質量%以下であり、18質量%以下であり、15質量%以下であり、13質量%以下である。
一般式(N−1−4)で表される化合物は下記の化合物である。
Figure 2021084948
(式中、RN141及びRN142はそれぞれ独立して、一般式(N−1)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。)
N141及びRN142はそれぞれ独立して、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましく、メチル基、プロピル基、エトキシ基又はブトキシ基が好ましい。
一般式(N−1−4)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を多めに設定すると効果が高く、TNIを重視する場合は含有量を少なめに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
式(N−1−4)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、本発明における液晶組成物の総量に対して3質量%以上であり、5質量%以上であり、7質量%以上であり、10質量%以上であり、13質量%以上であり、15質量%以上であり、17質量%以上であり、20質量%以上である。好ましい含有量の上限値は、本発明における液晶組成物の総量に対して35質量%以下であり、30質量%以下であり、28質量%以下であり、25質量%以下であり、23質量%以下であり、20質量%以下であり、18質量%以下であり、15質量%以下であり、13質量%以下であり、11質量%以下であり、10質量%以下であり、8質量%以下である。
一般式(N−1−4)で表される化合物は、式(N−1−4.1)から式(N−1−4.14)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(N−1−4.1)から(N−1−4.4)で表される化合物であることが好ましく、式(N−1−4.1)、式(N−1−4.2)及び式(N−1−4.4)で表される化合物が好ましい。
Figure 2021084948
式(N−1−4.1)から(N−1−4.14)で表される化合物は単独で使用することも、組み合わせて使用することも可能であるが、単独又はこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、本発明における液晶組成物の総量に対して3質量%以上であり、5質量%以上であり、7質量%以上であり、10質量%以上であり、13質量%以上であり、15質量%以上であり、17質量%以上であり、20質量%以上である。好ましい含有量の上限値は、本発明における液晶組成物の総量に対して35質量%以下であり、30質量%以下であり、28質量%以下であり、25質量%以下であり、23質量%以下であり、20質量%以下であり、18質量%以下であり、15質量%以下であり、13質量%以下であり、11質量%以下であり、10質量%以下であり、8質量%以下である。
一般式(N−1−5)で表される化合物は下記の化合物である。
Figure 2021084948
(式中、RN151及びRN152はそれぞれ独立して、一般式(N−1)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。)
N151及びRN152はそれぞれ独立して、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましくエチル基、プロピル基又はブチル基が好ましい。
一般式(N−1−5)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を少なめに設定すると効果が高く、TNIを重視する場合は含有量を多めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
式(N−1−5)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、本発明における液晶組成物の総量に対して5質量%以上であり、8質量%以上であり、10質量%以上であり、13質量%以上であり、15質量%以上であり、17質量%以上であり、20質量%以上である。好ましい含有量の上限値は、本発明における液晶組成物の総量に対して35質量%以下であり、33質量%以下であり、30質量%以下であり、28質量%以下であり、25質量%以下であり、23質量%以下であり、20質量%以下であり、18質量%以下であり、15質量%以下であり、13質量%以下である。
一般式(N−1−5)で表される化合物は、式(N−1−5.1)から式(N−1−5.6)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(N−1−5.1)、式(N−1−5.2)及び式(N−1−5.4)で表される化合物が好ましい。
Figure 2021084948
式(N−1−5.1)、式(N−1−5.2)及び式(N−1−5.4)で表される化合物は単独で使用することも、組み合わせて使用することも可能であるが、単独又はこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、本発明における液晶組成物の総量に対して5質量%以上であり、8質量%以上であり、10質量%以上であり、13質量%以上であり、15質量%以上であり、17質量%以上であり、20質量%以上である。好ましい含有量の上限値は、本発明における液晶組成物の総量に対して35質量%以下であり、33質量%以下であり、30質量%以下であり、28質量%以下であり、25質量%以下であり、23質量%以下であり、20質量%以下であり、18質量%以下であり、15質量%以下であり、13質量%以下である。
一般式(N−1−12)で表される化合物は下記の化合物である。
Figure 2021084948
(式中、RN1121及びRN1122はそれぞれ独立して、一般式(N−1)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。)
N1121は炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、エチル基、プロピル基又はブチル基が好ましい。RN1122は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましく、エトキシ基、プロポキシ基又はブトキシ基が好ましい。
一般式(N−1−12)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を多めに設定すると効果が高く、TNIを重視する場合は含有量をおおめに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
式(N−1−12)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、本発明における液晶組成物の総量に対して5質量%以上であり、10質量%以上であり、13質量%以上であり、15質量%以上であり、17質量%以上であり、20質量%以上である。好ましい含有量の上限値は、本発明における液晶組成物の総量に対して35質量%以下であり、30質量%以下であり、28質量%以下であり、25質量%以下であり、23質量%以下であり、20質量%以下であり、18質量%以下であり、15質量%以下であり、13質量%以下である。
一般式(N−1−13)で表される化合物は下記の化合物である。
Figure 2021084948
(式中、RN1131及びRN1132はそれぞれ独立して、一般式(N−1)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。)
N1131は炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、エチル基、プロピル基又はブチル基が好ましい。RN1132は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましく、エトキシ基、プロポキシ基又はブトキシ基が好ましい。
一般式(N−1−13)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を多めに設定すると効果が高く、TNIを重視する場合は含有量をおおめに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
式(N−1−13)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、本発明における液晶組成物の総量に対して5質量%以上であり、10質量%以上であり、13質量%以上であり、15質量%以上であり、17質量%以上であり、20質量%以上である。好ましい含有量の上限値は、本発明における液晶組成物の総量に対して、35質量%以下であり、30質量%以下であり、28質量%以下であり、25質量%以下であり、23質量%以下であり、20質量%以下であり、18質量%以下であり、15質量%以下であり、13質量%以下である。
一般式(N−1−14)で表される化合物は下記の化合物である。
Figure 2021084948
(式中、RN1141及びRN1142はそれぞれ独立して、一般式(N−1)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。)
N1141は炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、エチル基、プロピル基又はブチル基が好ましい。RN1142は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましく、エトキシ基、プロポキシ基又はブトキシ基が好ましい。
一般式(N−1−14)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本実施形態の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を多めに設定すると効果が高く、TNIを重視する場合は含有量をおおめに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
式(N−1−14)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、本発明における液晶組成物の総量に対して5質量%以上であり、10質量%以上であり、13質量%以上であり、15質量%以上であり、17質量%以上であり、20質量%以上である。好ましい含有量の上限値は、本発明における液晶組成物の総量に対して、35質量%以下であり、30質量%以下であり、28質量%以下であり、25質量%以下であり、23質量%以下であり、20質量%以下であり、18質量%以下であり、15質量%以下であり、13質量%以下である。
一般式(N−1−15)で表される化合物は下記の化合物である。
Figure 2021084948
(式中、RN1151及びRN1152はそれぞれ独立して、一般式(N−1)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。)
N1151は炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、エチル基、プロピル基又はブチル基が好ましい。RN1152は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましく、エトキシ基、プロポキシ基又はブトキシ基が好ましい。
一般式(N−1−15)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を多めに設定すると効果が高く、TNIを重視する場合は含有量をおおめに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
式(N−1−15)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、本発明における液晶組成物の総量に対して5質量%以上であり、10質量%以上であり、13質量%以上であり、15質量%以上であり、17質量%以上であり、20質量%以上である。好ましい含有量の上限値は、本発明における液晶組成物の総量に対して35質量%以下であり、30質量%以下であり、28質量%以下であり、25質量%以下であり、23質量%以下であり、20質量%以下であり、18質量%以下であり、15質量%以下であり、13質量%以下である。
一般式(N−1−16)で表される化合物は下記の化合物である。
Figure 2021084948
(式中、RN1161及びRN1162はそれぞれ独立して、一般式(N)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。)
N1161は炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、エチル基、プロピル基又はブチル基が好ましい。RN1162は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましく、エトキシ基、プロポキシ基又はブトキシ基が好ましい。
一般式(N−1−16)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を多めに設定すると効果が高く、TNIを重視する場合は含有量をおおめに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
式(N−1−16)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、本発明における液晶組成物の総量に対して5質量%以上であり、10質量%以上であり、13質量%以上であり、15質量%以上であり、17質量%以上であり、20質量%以上である。好ましい含有量の上限値は、本発明における液晶組成物の総量に対して35質量%以下であり、30質量%以下であり、28質量%以下であり、25質量%以下であり、23質量%以下であり、20質量%以下であり、18質量%以下であり、15質量%以下であり、13質量%以下である。
一般式(N−1−17)で表される化合物は下記の化合物である。
Figure 2021084948
(式中、RN1171及びRN1172はそれぞれ独立して、一般式(N−1)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。)
N1171は炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、エチル基、プロピル基又はブチル基が好ましい。RN1172は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましく、エトキシ基、プロポキシ基又はブトキシ基が好ましい。
一般式(N−1−17)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を多めに設定すると効果が高く、TNIを重視する場合は含有量をおおめに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
式(N−1−17)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、本発明における液晶組成物の総量に対して5質量%以上であり、10質量%以上であり、13質量%以上であり、15質量%以上であり、17質量%以上であり、20質量%以上である。好ましい含有量の上限値は、本発明における液晶組成物の総量に対して35質量%以下であり、30質量%以下であり、28質量%以下であり、25質量%以下であり、23質量%以下であり、20質量%以下であり、18質量%以下であり、15質量%以下であり、13質量%以下である。
一般式(N−1−18)で表される化合物は下記の化合物である。
Figure 2021084948
(式中、RN1181及びRN1182はそれぞれ独立して、一般式(N−1)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。)
N1181は炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基が好ましい。RN1182は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましく、エトキシ基、プロポキシ基又はブトキシ基が好ましい。
一般式(N−1−18)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を多めに設定すると効果が高く、TNIを重視する場合は含有量をおおめに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
式(N−1−18)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、本発明における液晶組成物の総量に対して5質量%以上であり、10質量%以上であり、13質量%以上であり、15質量%以上であり、17質量%以上であり、20質量%以上である。好ましい含有量の上限値は、本発明における液晶組成物の総量に対して35質量%以下であり、30質量%以下であり、28質量%以下であり、25質量%以下であり、23質量%以下であり、20質量%以下であり、18質量%以下であり、15質量%以下であり、13質量%以下である。
さらに、一般式(N−1−18)で表される化合物は、式(N−1−18.1)から式(N−1−18.5)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(N−1−18.1)から(N−1−11.3)で表される化合物であることが好ましく、式(N−1−18.2及び式(N−1−18.3)で表される化合物が好ましい。
Figure 2021084948
一般式(N−1−22)で表される化合物は下記の化合物である。
Figure 2021084948
(式中、RN1221及びRN1222はそれぞれ独立して、一般式(N−1)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。)
N1221及びRN1222はそれぞれ独立して、炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、エチル基、プロピル基又はブチル基が好ましい。
一般式(N−1−22)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を多めに設定すると効果が高く、TNIを重視する場合は含有量をおおめに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
式(N−1−22)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、本発明における液晶組成物の総量に対して1質量%以上であり、5質量%以上であり、10質量%以上であり、13質量%以上であり、15質量%以上であり、17質量%以上であり20質量%以上である。好ましい含有量の上限値は、本発明における液晶組成物の総量に対して35質量%以下であり、30質量%以下であり、28質量%以下であり、25質量%以下であり、23質量%以下であり、20質量%以下であり、18質量%以下であり、15質量%以下であり、13質量%以下であり、10質量%以下であり、5質量%以下である。
さらに、一般式(N−1−22)で表される化合物は、式(N−1−22.1)から式(N−1−22.12)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(N−1−22.1)から(N−1−22.5)で表される化合物であることが好ましく、式(N−1−22.1)から(N−1−22.4)で表される化合物が好ましい。
Figure 2021084948
一般式(N−3)で表される化合物は、一般式(N−3−1)から(N−3−3)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、中でも一般式(N−3−1)及び(N−3−2)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、一般式(N−3−2)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2021084948
(式中、RN31及びRN32はそれぞれ独立して、一般式(N−3)におけるRN31及びRN32と同じ意味を表す。)
一般式(N−3−2)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を多めに設定すると効果が高く、TNIを重視する場合は含有量を少なめに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
式(N−3−2)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、本発明における液晶組成物の総量に対して3質量%以上であり、5質量%以上であり、10質量%以上であり、13質量%以上であり、15質量%以上であり、17質量%以上であり、20質量%以上であり、23質量%以上であり、25質量%以上であり、27質量%以上であり、30質量%以上であり、33質量%以上であり、35質量%以上である。好ましい含有量の上限値は、本発明における液晶組成物の総量に対して50質量%以下であり、40質量%以下であり、38質量%以下であり、35質量%以下であり、33質量%以下であり、30質量%以下であり、28質量%以下であり、25質量%以下であり、23質量%以下であり、20質量%以下であり、18質量%以下であり、15質量%以下であり、13質量%以下であり、10質量%以下であり、8質量%以下であり、7質量%以下であり、6質量%以下であり、5質量%以下である。
一般式(N−3−2)で表される化合物は、式(N−3−2.1)から式(N−3−2.3)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
Figure 2021084948
本発明の重合性液晶組成物は、一般式(L)で表される化合物を1種類以上含有することが好ましい。
Figure 2021084948
(式中、
L1及びRL2はそれぞれ独立して炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、該アルキル基中の1個又は非隣接の2個以上の−CH−はそれぞれ独立して−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−によって置換されていてもよく、
L1は0、1、2又は3を表し、
L1、AL2及びAL3はそれぞれ独立して
(a) 1,4−シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−は−O−に置き換えられてもよい。)及び
(b) 1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置き換えられてもよい。)
(c) ナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又はデカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基(ナフタレン−2,6−ジイル基又は1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置き換えられても良い。)
からなる群より選ばれる基を表し、上記の基(a)、基(b)及び基(c)はそれぞれ独立してシアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていても良く、
L1及びZL2はそれぞれ独立して単結合、−CHCH−、−(CH−、−OCH−、−CHO−、−COO−、−OCO−、−OCF−、−CFO−、−CH=N−N=CH−、−CH=CH−、−CF=CF−又は−C≡C−を表し、
L1が2又は3であってAL2が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていても良く、nL1が2又は3であってZL3が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていても良い。
ただし一般式(II)並びに一般式(N−1)、(N−2)及び(N−3)で表される化合物を除く。)
一般式(L)で表される化合物は誘電的にほぼ中性の化合物(Δεの値が−2〜2)に該当する。このため、分子内に有する、ハロゲン等の極性基の個数を2個以下とした方が好ましく、1個以下とした方が好ましく、ハロゲン等の極性基を有さない方が好ましい。
一般式(L)で表される化合物は単独で用いてもよいが、組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの所望の性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類である。あるいは本発明の別の実施形態では2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類であり、6種類であり、7種類であり、8種類であり、9種類であり、10種類以上である。
一般式(L)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性などの求められる性能に応じて適宜調整する必要がある。式(L)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、本発明における液晶組成物の総量に対して1質量%であり、10質量%であり、20質量%であり、30質量%であり、40質量%であり、50質量%であり、55質量%であり、60質量%であり、65質量%であり、70質量%であり、75質量%であり、80質量%である。式(L)で表される化合物の好ましい含有量の上限値は、95質量%であり、85質量%であり、75質量%であり、65質量%であり、55質量%であり、45質量%であり、35質量%であり、25質量%である。
本発明における液晶組成物の粘度を低く保ち、応答速度が速い液晶組成物が必要な場合は、一般式(L)で表される化合物の含有量の下限値が高く上限値が高いことが好ましい。また、本発明における液晶組成物のTniを高く保ち、温度安定性の良い液晶組成物が必要な場合は、一般式(L)で表される化合物の含有量の下限値が高く上限値が高いことが好ましい。駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、一般式(L)で表される化合物の含有量の下限値を低く上限値が低いことが好ましい。
L1及びRL2は、信頼性を重視する場合には、ともにアルキル基であることが好ましく、化合物の揮発性を低減させることを重視する場合にはアルコキシ基であることが好ましく、粘性の低下を重視する場合には少なくとも一方はアルケニル基であることが好ましい。
L1及びRL2は、それが結合する環構造がフェニル基(芳香族)である場合には、直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1〜4のアルコキシ基及び炭素原子数4〜5のアルケニル基が好ましく、それが結合する環構造がシクロヘキサン、ピラン及びジオキサンなどの飽和した環構造の場合には、直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1〜4のアルコキシ基及び直鎖状の炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましい。ネマチック相を安定化させるためには炭素原子及び存在する場合酸素原子の合計が5以下であることが好ましく、直鎖状であることが好ましい。
アルケニル基としては、式(R1)から式(R5)のいずれかで表される基から選ばれることが好ましい。(各式中の黒点は環構造中の炭素原子を表す。)
Figure 2021084948
L1は応答速度を重視する場合には0が好ましく、ネマチック相の上限温度を改善するためには2又は3が好ましく、これらのバランスをとるためには1が好ましい。また、液晶組成物として求められる特性を満たすためには異なる値の化合物を組み合わせることが好ましい。
L1、AL2及びAL3はΔnを大きくすることが求められる場合には芳香族であることが好ましく、応答速度を改善するためには脂肪族であることが好ましく、それぞれ独立してトランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−フェニレン基、2−フルオロ−1,4−フェニレン基、3−フルオロ−1,4−フェニレン基、3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキセニレン基、1,4−ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、ピペリジン−1,4−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又は1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基を表すことが好ましく、下記の構造を表すことがより好ましく、トランス−1,4−シクロへキシレン基又は1,4−フェニレン基を表すことがより好ましい。
Figure 2021084948
L1及びZL2は応答速度を重視する場合には単結合であることが好ましい。
一般式(L)で表される化合物は、分子内に存在するハロゲン原子が0、1、2又は3個であることが好ましく、0又は1個であることが好ましく、他の液晶分子との相溶性を重視する場合には1個が好ましい。
本発明の重合性液晶組成物は、中でも下記一般式(L−1A)で表される化合物を1種類以上含むことが好ましい。
Figure 2021084948
(前記一般式(L−1A)中、Ri1A及びRi2Aはそれぞれ独立して、炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、該アルキル基中の1個又は非隣接の2個以上の−CH−はそれぞれ独立して−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−によって置換されていてもよいが、Ri1A及びRi2Aの少なくとも一方は、該アルキル基中の1個又は非隣接の2個以上の−CH−がそれぞれ独立して−CH=CH−に置換されている。)
一般式(L−1A)で表される化合物は、Ri1A及びRi2Aの少なくとも一方が、アルキル基中の1個又は非隣接の2個以上の−CH−がそれぞれ独立して−CH=CH−に置換されている基を表す。すなわち、一般式(L−1A)で表される化合物は、Ri1A及びRi2Aの少なくとも一方が、炭素原子数2〜8アルケニル基を表す。
一般式(L−1A)で表される化合物は、アルケニル基を有することから液晶組成物の粘度を低下することができ、又、高速応答が実現可能となるため応答時間を短縮することができるが、一方で外的刺激により劣化しやすく、信頼性および安定性が低下しやすい。これに対し、本発明の重合性液晶組成物は、一般式(II)で表される重合性光安定化剤を含むことから、一般式(L−1A)で表される化合物の光劣化により生じた不純物が重合性光安定化剤により捕集されるため、信頼性および安定性の低下を抑制することができ、また、一般式(L−1A)の含有量を増やして粘度や応答速度をより下げることができる。これにより、本発明の重合性液晶組成物は、高Δεおよび低粘度を示し、高速応答性および高安定性を達成することが可能となる。
中でもRi1A及びRi2Aの少なくとも一方は、上述した式(R1)から式(R5)のいずれかで表されることが好ましい。また、Ri1A及びRi2Aは、一方のみがアルケニル基であってもよく、Ri1A及びRi2Aの両方がアルケニル基であってもよい。Ri1A及びRi2Aが共にアルケニル基である場合、Ri1A及びRi2Aは同一であってもよく異なってもよい。
i1A及びRi2Aの少なくとも一方は、中でも炭素原子数が2〜5のアルケニル基を表すことが好ましい。
本発明の重合性液晶組成物は、一般式(L−1A)で表される化合物を少なくとも1種類含んでいればよく、2種類以上を組み合わせて含んでいてもよい。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
一般式(L−1A)で表される化合物の総量の好ましい下限値は、本発明における液晶組成物の総量に対して、1質量%であり、2質量%であり、3質量%であり、5質量%であり、7質量%であり、10質量%であり、15質量%であり、20質量%であり、25質量%であり、30質量%であり、35質量%であり、40質量%であり、45質量%であり、50質量%であり、55質量%である。上記総量の好ましい上限値は、本発明における液晶組成物の総量に対して70質量%であり、65質量%であり、60質量%であり、55質量%であり、50質量%であり、45質量%であり、40質量%であり、35質量%であり、30質量%であり、25質量%である。
一般式(L−1A)で表される化合物は一般式(L−1A−1)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
Figure 2021084948
(式中RL12Aは一般式(L−1A)における意味と同じ意味を表す。)
一般式(L−1A−1)で表される化合物は、式(L−1A−1.1)から式(L−1A−1.3)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(L−1A−1.2)又は式(L−1A−1.3)で表される化合物であることが好ましく、特に、式(L−1A−1.3)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2021084948
式(L−1A−1)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、本発明における液晶組成物の総量に対して1質量%であり、2質量%であり、3質量%であり、5質量%であり、7質量%であり、10質量%である。好ましい含有量の上限値は、本発明における液晶組成物の総量に対して20質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、7質量%であり、6質量%であり、5質量%であり、3質量%である。中でも式(L−1A−3)で表される化合物が、上記下限値および上記上限値の範囲内で含有されることが好ましい。
一般式(L−1A)で表される化合物は一般式(L−1A−2)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
Figure 2021084948
(式中RL12Aは一般式(L−1A)における意味と同じ意味を表す。)
式(L−1A−2)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、本発明における液晶組成物の総量に対して1質量%であり、5質量%であり、10質量%であり、15質量%であり、17質量%であり、20質量%であり、23質量%であり、25質量%であり、27質量%であり、30質量%であり、35質量%である。好ましい含有量の上限値は、本発明における液晶組成物の総量に対して60質量%であり、55質量%であり、50質量%であり、45質量%であり、42質量%であり、40質量%であり、38質量%であり、35質量%であり、33質量%であり、30質量%である。
一般式(L−1A−2)で表される化合物は、式(L−1A−2.1)から式(L−1A−2.4)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(L−1A−2.2)から式(L−1A−2.4)で表される化合物であることが好ましい。特に、式(L−1A−2.2)で表される化合物は本発明における液晶組成物の応答速度を特に改善するため好ましい。また、応答速度よりも高いTniを求めるときは、式(L−1A−2.3)又は式(L−1A−2.4)で表される化合物を用いることが好ましい。式(L−1A−2.3)及び式(L−1A−2.4)で表される化合物の含有量は、低温での溶解度を良くするために30質量%以上にすることは好ましくない。
Figure 2021084948
本発明の重合性液晶組成物が式(L−1A−2.2)で表される化合物を含む場合、式(L−1A−2.2)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、本発明における液晶組成物の総量に対して10質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%であり、23質量%であり、25質量%であり、27質量%であり、30質量%であり、33質量%であり、35質量%であり、38質量%であり、40質量%である。好ましい含有量の上限値は、本発明における液晶組成物の総量に対して60質量%であり、55質量%であり、50質量%であり、45質量%であり、43質量%であり、40質量%であり、38質量%であり、35質量%であり、32質量%であり、30質量%であり、27質量%であり、25質量%であり、22質量%である。
本発明の重合性液晶組成物は、式(L−1A−1.3)で表される化合物及び式(L−1A−2.2)で表される化合物を同時に含むことが好ましい。式(L−1A−1.3)で表される化合物及び式(L−1A−2.2)で表される化合物の合計の好ましい含有量の下限値は、本発明における液晶組成物の総量に対して10質量%であり、15質量%であり、20質量%であり、25質量%であり、27質量%であり、30質量%であり、35質量%であり、40質量%である。好ましい含有量の上限値は、本発明における液晶組成物の総量に対して60質量%であり、55質量%であり、50質量%であり、45質量%であり、43質量%であり、40質量%であり、38質量%であり、35質量%であり、32質量%であり、30質量%であり、27質量%であり、25質量%であり、22質量%である。
一般式(L−1A)で表される化合物は一般式(L−1A−4)及び(L−1A−5)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
Figure 2021084948
(式中RL12Aは一般式(L−1A)における意味と同じ意味を表す。)
一般式(L−1A−4)及び(L−1A−5)中、RL12Aは炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基又は炭素原子数2〜8のアルケニル基が好ましく、直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1〜4のアルコキシ基及び直鎖状の炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましい。
式(L−1A−4)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、本発明における液晶組成物の総量に対して1質量%であり、5質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、17質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、本発明における液晶組成物の総量に対して25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、17質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%である。
式(L−1A−5)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、本発明における液晶組成物の総量に対して1質量%であり、5質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、17質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、本発明における液晶組成物の総量に対して25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、17質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%である。
一般式(L−1A−4)及び(L−1A−5)で表される化合物は、式(L−1A−4.1)から式(L−1A−5.3)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(L−1A−4.2)又は式(L−1A−5.2)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2021084948
本発明の重合性液晶組成物が式(L−1A−4.2)で表される化合物を含む場合、式(L−1A−4.2)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、本発明における液晶組成物の総量に対しての1質量%であり、2質量%であり、3質量%であり、5質量%であり、7質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、本発明における液晶組成物の総量に対して20質量%であり、17質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、7質量%であり、6質量%である。
一般式(L−1A)で表される化合物は一般式(L−1A−6)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
Figure 2021084948
(式中RL17及びRL18はそれぞれ独立してメチル基又は水素原子を表す。)
式(L−1A−6)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、本発明における液晶組成物の総量に対して1質量%であり、5質量%であり、10質量%であり、15質量%であり、17質量%であり、20質量%であり、23質量%であり、25質量%であり、27質量%であり、30質量%であり、35質量%である。好ましい含有量の上限値は、本発明における液晶組成物の総量に対して60質量%であり、55質量%であり、50質量%であり、45質量%であり、42質量%であり、40質量%であり、38質量%であり、35質量%であり、33質量%であり、30質量%である。
一般式(L−1A−6)で表される化合物は、式(L−1A−6.1)から式(L−1A−6.3)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
Figure 2021084948
また、本発明の重合性液晶組成物は、一般式(L)で表される化合物として、上述した一般域(L−1A)で表される化合物に加えて、一般式(L−1B)および一般式(L−2)から(L−7)で表される化合物群から選ばれる化合物を1種または2種以上含むことが好ましい。
一般式(L−1B)で表される化合物は下記の化合物である。
Figure 2021084948
(式中、RL11B及びRL12Bはそれぞれ独立して、炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、該アルキル基中の1個又は非隣接の2個以上の−CH−はそれぞれ独立して−C≡C−、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−によって置換されていてもよい。)
一般式(L−1B)で表される化合物は、RL11B及びRL12Bの一方または両方がアルケニル基を表さない点で、一般式(L−1A)で表される化合物と区別される。
L11B及びRL12Bは、直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基又は直鎖状の炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましい。
本発明の重合性液晶組成物は、一般式(L−1B)で表される化合物を1種類含んでいてもよく、2種類以上を組み合わせて含んでいてもよい。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
式(L−1B)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、本発明における液晶組成物の総量に対して1質量%であり、5質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、17質量%であり、20質量%であり、23質量%であり、25質量%であり、30質量%である。好ましい含有量の上限値は、本発明における液晶組成物の総量に対して60質量%であり、55質量%であり、50質量%であり、45質量%であり、40質量%であり、37質量%であり、35質量%であり、33質量%であり、30質量%であり、27質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、17質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%である。
一般式(L−1B)で表される化合物は、式(L−1B−1)から式(L−1B−13)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(L−1B−1)、式(L−1B−3)及び式(L−1B−4)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。特に、式(L−1B−1)で表される化合物は、本発明における液晶組成物の応答速度を特に改善するため好ましい。また、応答速度よりも高いTniを求めるときは、式(L−1B−3)、式(L−B−4)、式(L−B−11)及び式(L−1B−12)で表される化合物群から選ばれる化合物を用いることが好ましい。式(L−1B−3)、式(L−1B−4)、式(L−1B−11)及び式(L−1B−13)で表される化合物の合計の含有量は、低温での溶解度を良くするために20質量%以上にすることは好ましくない。
Figure 2021084948
本発明における液晶組成物が式(L−1B−1)で表される化合物を含む場合、式(L−1B−1)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、本発明における液晶組成物の総量に対して1質量%であり、2質量%であり、3質量%であり、5質量%であり、7質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、本発明における液晶組成物の総量に対して20質量%であり、17質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、7質量%であり、6質量%である。
本発明の重合性液晶組成物は、式(L−1A−1.3)、式(L−1A−2.2)、式(L−1B−1)、式(L−1B−3)、式(L−1B−4)、式(L−1B−11)及び式(L−1B−12)で表される化合物群から選ばれる2種以上の化合物を組み合わせて含むことが好ましい。また、本発明の重合性液晶組成物は、式(L−1A−1.3)、式(L−1A−2.2)、式(L−1B−1)、式(L−1B−3)、式(L−B−4)及び式(L−1A−4.2)で表される化合物から選ばれる2種以上の化合物を組み合わせて含むことが好ましい。これら化合物の合計の含有量の好ましい下限値は、本発明における液晶組成物の総量に対して1質量%であり、2質量%であり、3質量%であり、5質量%であり、7質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%であり、23質量%であり、25質量%であり、27質量%であり、30質量%であり、33質量%であり、35質量%である。また、上記含有量の好ましい上限値は、本発明における液晶組成物の総量に対して80質量%であり、70質量%であり、60質量%であり、50質量%であり、45質量%であり、40質量%であり、37質量%であり、35質量%であり、33質量%であり、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%である。
液晶組成物の信頼性を重視する場合には、式(L−1B−1)、式(L−1B−3)及び式(L−1B−4)で表される化合物から選ばれる2種以上の化合物を組み合わせることが好ましい。また、液晶組成物の応答速度を重視する場合には、式(L−1A−1.3)、式(L−1A−2.2)で表される化合物から選ばれる2種以上の化合物を組み合わせることが好ましい。
本発明の重合性液晶組成物は、一般式(L−1A)で表される化合物を1種類以上と、一般式(L−1B)で表される化合物を1種類以上と、を含むことが好ましい。一般式(L−1A)で表される化合物および一般式(L−1B)で表される化合物の総量の好ましい下限値は、本発明における液晶組成物の総量に対して、1質量%であり、2質量%であり、3質量%であり、5質量%であり、7質量%であり、10質量%であり、15質量%であり、20質量%であり、25質量%であり、30質量%であり、35質量%であり、40質量%であり、45質量%であり、50質量%であり、55質量%である。含有量の好ましい上限値は、本発明における液晶組成物の総量に対して、95質量%であり、90質量%であり、85質量%であり、80質量%であり、75質量%であり、70質量%であり、65質量%であり、60質量%であり、55質量%であり、50質量%であり、45質量%であり、40質量%であり、35質量%であり、30質量%であり、25質量%である。
本発明における液晶組成物の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は、一般式(L−1A)で表される化合物および一般式(L−1B)で表される化合物の総量の下限値が高く上限値が高いことが好ましい。本発明における液晶組成物のTniを高く保ち、温度安定性の良い組成物が必要な場合は、一般式(L−1A)で表される化合物および一般式(L−1B)で表される化合物の総量の下限値が中庸で上限値が中庸であることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、一般式(L−1A)で表される化合物および一般式(L−1B)で表される化合物の総量の下限値が低く上限値が低いことが好ましい。
一般式(L−2)で表される化合物は下記の化合物である。
Figure 2021084948
(式中、RL21及びRL22はそれぞれ独立して、一般式(L)におけるRL1及びRL2と同じ意味を表す。)
L21は炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましい。また、RL22は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましく、アルケニル基の不飽和結合とベンゼンは直接結合していないことが好ましい。
一般式(L−2)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
低温での溶解性を重視する場合は含有量を高めに設定すると効果が高く、反対に、応答速度を重視する場合は含有量を低めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
本発明における液晶組成物の総量に対しての式(L−2)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、3質量%であり、5質量%であり、7質量%であり、10質量%である。好ましい含有量の上限値は、本発明における液晶組成物の総量に対して、20質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、7質量%であり、6質量%であり、5質量%であり、3質量%である。
一般式(L−2)で表される化合物は、式(L−2.1)から式(L−2.6)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(L−2.1)、式(L−2.3)、式(L−2.4)及び式(L−2.6)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2021084948
一般式(L−3)で表される化合物は下記の化合物である。
Figure 2021084948
(式中、RL31及びRL32はそれぞれ独立して、一般式(L)におけるRL1及びRL2と同じ意味を表す。)
L31及びRL32はそれぞれ独立して炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましい。また、アルケニル基の不飽和結合とベンゼンは直接結合していないことが好ましい。
一般式(L−3)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
本発明における液晶組成物の総量に対しての式(L−3)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、3質量%であり、5質量%であり、7質量%であり、10質量%である。好ましい含有量の上限値は、本発明における液晶組成物の総量に対して、20質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、7質量%であり、6質量%であり、5質量%であり、3質量%である。
高い複屈折率を得る場合は含有量を高めに設定すると効果が高く、反対に、高いTniを重視する場合は含有量を低めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
一般式(L−3)で表される化合物は、式(L−3.1)から式(L−3.7)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(L−3.2)から式(L−3.5)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2021084948
一般式(L−4)で表される化合物は下記の化合物である。
Figure 2021084948
(式中、RL41及びRL42はそれぞれ独立して、一般式(L)におけるRL1及びRL2と同じ意味を表す。)
L41は炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、RL42は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましい。アルケニル基の不飽和結合とベンゼンは直接結合していないことが好ましい。
一般式(L−4)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
本発明における液晶組成物において、一般式(L−4)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性などの求められる性能に応じて適宜調整する必要がある。
本発明における液晶組成物の総量に対しての式(L−4)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、3質量%であり、5質量%であり、7質量%であり、10質量%であり、14質量%であり、16質量%であり、20質量%であり、23質量%であり、26質量%であり、30質量%であり、35質量%であり、40質量%である。本発明における液晶組成物の総量に対しての式(L−4)で表される化合物の好ましい含有量の上限値は、50質量%であり、40質量%であり、35質量%であり、30質量%であり、20質量%であり、15質量%であり、10質量%であり、5質量%である。
一般式(L−4)で表される化合物は、例えば式(L−4.1)から式(L−4.3)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2021084948
低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて、式(L−4.1)で表される化合物を含有していても、式(L−4.2)で表される化合物を含有していても、式(L−4.1)で表される化合物と式(L−4.2)で表される化合物との両方を含有していても良いし、式(L−4.1)から式(L−4.3)で表される化合物を全て含んでいても良い。本発明における液晶組成物の総量に対しての式(L−4.1)又は式(L−4.2)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、3質量%であり、5質量%であり、7質量%であり、9質量%であり、11質量%であり、12質量%であり、13質量%であり、18質量%であり、21質量%であり、好ましい上限値は、45であり、40質量%であり、35質量%であり、30質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%である。
式(L−4.1)で表される化合物と式(L−4.2)で表される化合物との両方を含有する場合は、本発明における液晶組成物の総量に対しての両化合物の好ましい含有量の下限値は、15質量%であり、19質量%であり、24質量%であり、30質量%であり、好ましい上限値は、45であり、40質量%であり、35質量%であり、30質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%である。
一般式(L−4)で表される化合物は、例えば式(L−4.4)から式(L−4.6)で表される化合物であることが好ましく、式(L−4.4)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2021084948
低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて、式(L−4.4)で表される化合物を含有していても、式(L−4.5)で表される化合物を含有していても、式(L−4.4)で表される化合物と式(L−4.5)で表される化合物との両方を含有していても良い。
本発明における液晶組成物の総量に対しての式(L−4.4)又は式(L−4.5)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、3質量%であり、5質量%であり、7質量%であり、9質量%であり、11質量%であり、12質量%であり、13質量%であり、18質量%であり、21質量%である。好ましい上限値は、45であり、40質量%であり、35質量%であり、30質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%である。
式(L−4.4)で表される化合物と式(L−4.5)で表される化合物との両方を含有する場合は、本発明における液晶組成物の総量に対しての両化合物の好ましい含有量の下限値は、15質量%であり、19質量%であり、24質量%であり、30質量%であり、好ましい上限値は、45であり、40質量%であり、35質量%であり、30質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%である。
一般式(L−4)で表される化合物は、式(L−4.7)から式(L−4.10)で表される化合物であることが好ましく、特に、式(L−4.9)で表される化合物が好ましい。
Figure 2021084948
一般式(L−5)で表される化合物は下記の化合物である。
Figure 2021084948
(式中、RL51及びRL52はそれぞれ独立して、一般式(L)におけるRL1及びRL2と同じ意味を表す。)
L51は炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、RL52は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましい。アルケニル基の不飽和結合とベンゼンは直接結合していないことが好ましい。
一般式(L−5)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
本発明における液晶組成物において、一般式(L−5)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性などの求められる性能に応じて適宜調整する必要がある。
本発明における液晶組成物の総量に対しての式(L−5)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、3質量%であり、5質量%であり、7質量%であり、10質量%であり、14質量%であり、16質量%であり、20質量%であり、23質量%であり、26質量%であり、30質量%であり、35質量%であり、40質量%である。本発明における液晶組成物の総量に対しての式(L−5)で表される化合物の好ましい含有量の上限値は、50質量%であり、40質量%であり、35質量%であり、30質量%であり、20質量%であり、15質量%であり、10質量%であり、5質量%である
一般式(L−5)で表される化合物は、式(L−5.1)又は式(L−5.2)で表される化合物であることが好ましく、特に、式(L−5.1)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2021084948
本発明における液晶組成物の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、3質量%であり、5質量%であり、7質量%である。これら化合物の好ましい含有量の上限値は、20質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、9質量%である。
一般式(L−5)で表される化合物は、式(L−5.3)又は式(L−5.4)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2021084948
本発明における液晶組成物の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、3質量%であり、5質量%であり、7質量%である。これら化合物の好ましい含有量の上限値は、20質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、9質量%である。
一般式(L−5)で表される化合物は、式(L−5.5)から式(L−5.7)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、特に式(L−5.7)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2021084948
本発明における液晶組成物の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、3質量%であり、5質量%であり、7質量%である。これら化合物の好ましい含有量の上限値は、20質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、9質量%である。
一般式(L−6)で表される化合物は下記の化合物である。
Figure 2021084948
(式中、RL61及びRL62はそれぞれ独立して、一般式(L)におけるRL1及びRL2と同じ意味を表し、XL61及びXL62はそれぞれ独立して水素原子又はフッ素原子を表す。ただし一般式(N−1)で表される化合物は除く。)
L61及びRL62はそれぞれ独立して炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましい。アルケニル基の不飽和結合とベンゼンは直接結合していないことが好ましい。
L61及びXL62は、一方がフッ素原子であり、他方が水素原子であることが好ましい。
一般式(L−6)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
本発明における液晶組成物の総量に対しての式(L−6)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、3質量%であり、5質量%であり、7質量%であり、10質量%であり、14質量%であり、16質量%であり、20質量%であり、23質量%であり、26質量%であり、30質量%であり、35質量%であり、40質量%である。本発明における液晶組成物の総量に対しての式(L−6)で表される化合物の好ましい含有量の上限値は、50質量%であり、40質量%であり、35質量%であり、30質量%であり、20質量%であり、15質量%であり、10質量%であり、5質量%である。Δnを大きくすることに重点を置く場合には含有量を多くした方が好ましく、低温での析出に重点を置いた場合には含有量は少ない方が好ましい。
一般式(L−6)で表される化合物は、式(L−6.1)から式(L−6.9)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2021084948
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、これらの化合物の中から1種〜3種類含有することが好ましく、1種〜4種類含有することがさらに好ましい。また、選ぶ化合物の分子量分布が広いことも溶解性に有効であるため、例えば、式(L−6.1)又は(L−6.2)で表される化合物から1種類、式(L−6.4)又は(L−6.5)で表される化合物から1種類、式(L−6.6)又は式(L−6.7)で表される化合物から1種類、式(L−6.8)又は(L−6.9)で表される化合物から1種類の化合物を選び、これらを適宜組み合わせることが好ましい。その中でも、式(L−6.1)、式(L−6.3)式(L−6.4)、式(L−6.6)及び式(L−6.9)で表される化合物を含むことが好ましい。
一般式(L−6)で表される化合物は、例えば式(L−6.10)から式(L−6.17)で表される化合物であることが好ましく、その中でも、式(L−6.11)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2021084948
本発明における液晶組成物の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、3質量%であり、5質量%であり、7質量%である。これら化合物の好ましい含有量の上限値は、20質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、9質量%である。
一般式(L−7)で表される化合物は下記の化合物である。
Figure 2021084948
(式中、RL71及びRL72はそれぞれ独立して一般式(L)におけるRL1及びRL2と同じ意味を表し、AL71及びAL72はそれぞれ独立して一般式(L)におけるAL2及びAL3と同じ意味を表すが、AL71及びAL72上の水素原子はそれぞれ独立してフッ素原子によって置換されていてもよく、ZL71は一般式(L)におけるZL2と同じ意味を表し、XL71及びXL72はそれぞれ独立してフッ素原子又は水素原子を表す。ただし一般式(II)で表される化合物ならびに一般式(N−1)から(N−3)で表される化合物は除く。)
式中、RL71及びRL72はそれぞれ独立して炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましい。アルケニル基の不飽和結合とベンゼンは直接結合していないことが好ましい。
L71及びAL72は、それぞれ独立して1,4-シクロヘキシレン基又は1,4-フェニレン基が好ましく、AL71及びAL72上の水素原子はそれぞれ独立してフッ素原子によって置換されていてもよく、
L71は単結合又はCOO−が好ましく、単結合が好ましい。
L71及びXL72は共に水素原子が好ましい。
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて組み合わせる。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類である。
本発明における液晶組成物において、一般式(L−7)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性などの求められる性能に応じて適宜調整する必要がある。
本発明における液晶組成物の総量に対しての式(L−7)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、3質量%であり、5質量%であり、7質量%であり、10質量%であり、14質量%であり、16質量%であり、20質量%である。本発明における液晶組成物の総量に対しての式(L−7)で表される化合物の好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、10質量%であり、5質量%である。
本発明における液晶組成物が高いTniの実施形態が望まれる場合は式(L−7)で表される化合物の含有量を多めにすることが好ましく、低粘度の実施形態が望まれる場合は含有量を少なめにすることが好ましい。
一般式(L−7)で表される化合物は、式(L−7.1)から式(L−7.4)で表される化合物であることが好ましく、式(L−7.2)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2021084948
一般式(L−7)で表される化合物は、式(L−7.11)から式(L−7.13)で表される化合物であることが好ましく、式(L−7.11)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2021084948
一般式(L−7)で表される化合物は、式(L−7.21)から式(L−7.23)で表される化合物である。式(L−7.21)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2021084948
一般式(L−7)で表される化合物は、式(L−7.31)から式(L−7.34)で表される化合物であることが好ましく、式(L−7.31)又は/及び式(L−7.32)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2021084948
一般式(L−7)で表される化合物は、式(L−7.41)から式(L−7.44)で表される化合物であることが好ましく、式(L−7.41)又は/及び式(L−7.42)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2021084948
一般式(L−7)で表される化合物は、式(L−7.51)から式(L−7.53)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2021084948
本発明における液晶組成物は、一般式(H)で表される光安定化剤、一般式(II)で表される液晶化合物、一般式(N−1)から(N−3)で表される化合物群から選択される化合物、および一般式(L)で表される化合物の総含有量の好ましい下限値が、本発明における液晶組成物の総量に対して80質量%であり、85質量%であり、88質量%であり、90質量%であり、92質量%であり、93質量%であり、94質量%であり、95質量%であり、96質量%であり、97質量%であり、98質量%であり、99質量%であり、100質量%である。また、上記総含有量の好ましい上限値は、本発明における液晶組成物の総量に対して100質量%であり、99質量%であり、98質量%であり、95質量%である。
また、本発明における液晶組成物は、一般式(II−1)で表される化合物群から選択される化合物および一般式(L−1A)で表される化合物の総含有量の好ましい下限値が、本発明における液晶組成物の総量に対して1質量%であり、5質量%であり、10質量%であり、15質量%であり、20質量%であり、25質量%であり、30質量%であり、35質量%であり、40質量%である。また、上記総含有量の好ましい上限値は、本発明における液晶組成物の総量に対して80質量%であり、75質量%であり、70質量%であり、65質量%であり、60質量%であり、55質量%であり、50質量%であり、45質量%であり、40質量%であり、45質量%であり、30質量%である。
(他の添加剤)
本発明の重合性液晶組成物は、酸化防止剤、紫外線吸収剤及び重合開始剤からなる群から選択される1種類以上の化合物を含むことが好ましい。なお、酸化防止剤、紫外線吸収剤及び重合開始剤からなる群から選択される化合物のことを「他の添加剤」と称する。本発明の重合性液晶組成物は、一般式(H)で表される光安定化剤に加え、酸化防止剤、紫外線吸収剤及び重合開始剤からなる群から選択される1種類以上の化合物を併用することで、一般式(H)で表される光安定化剤により奏される効果と、後述する他の添加剤のそれぞれにより奏される効果との相乗により液晶組成物の信頼性を高めることが可能となるからである。
本発明の重合性液晶組成物は、酸化防止剤を1種類以上含むことが好ましい。一般式(H)で表される光安定化剤に加えて酸化防止剤を併用することで、発生した不純物を無害化することができる。酸化防止剤としては、液晶組成物に用いられる公知の酸化防止剤が挙げられるが、中でもヒンダードフェノール系酸化防止剤が好ましい。ヒンダードフェノール系酸化防止剤は、水酸基が立体的に嵩高いアルキル基に隣接しているため、失活しにくく、酸化防止剤の機能を十分に発揮することが可能となるからである。ヒンダードフェノール系酸化防止剤は、ヒンダードフェノール骨格を有する酸化防止剤である。
酸化防止剤の含有量は、本発明における液晶組成物の総量に対し、好ましくは0.0001質量%以上、0.005質量%以上、0.01質量%以上であり、また、上記含有量は好ましくは0.1質量%以下、0.05質量%以下、0.03質量%以下である。酸化防止剤の含有量が上記の範囲よりも多すぎると酸化防止剤の析出によりパネルの画質が低減してしまう場合があり、少なすぎると十分な液晶組成物の信頼性を改善させることができない場合がある。
本発明の重合性液晶組成物は、紫外線吸収剤を1種類以上含むことが好ましい。一般式(H)で表される光安定化剤に加えて紫外線吸収剤を併用することで、液晶組成物が受ける紫外線の量を減らして、液晶組成物の光劣化を抑制することができる。紫外線吸収剤としては、ヒドロキシベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、サリシレート系紫外線吸収剤等が挙げられる。中でも、信頼性の低下を抑える観点から、本発明の重合性液晶組成物は、酸素以外のヘテロ原子を含まない紫外線吸収剤を1種類以上含むことが好ましく、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤を1種類以上含むことがより好ましい。ベンゾフェノン系紫外線吸収剤は分子内の不対電子数がほかの系統の紫外線吸収剤と比較して少ないため、純度の維持が容易であり、信頼性の改善が容易だからである。ベンゾフェノン系紫外線吸収剤として具体的には[2−ヒドロキシ−4−(オクチルオキシ)フェニル](フェニル)メタノン(製品名:アデカスタブ1413 ADEKA社製)が挙げられる。
紫外線吸収剤の含有量は、本発明における液晶組成物の総量に対し0.0001質量%以上、0.001質量%以上、0.01質量%以上が好ましく、また、0.1質量%以下、0.05質量%以下、0.02質量%以下が好ましい。紫外線吸収剤の含有量が多すぎると、液晶パネル内で析出して液晶パネルの表示不良の原因となる場合があり、一方で少なすぎると、液晶分子が曝露する紫外線量を十分に低減できずに、信頼性を確保できない場合がある。
本発明の重合性液晶組成物は、重合性開始剤を1種類以上含むことが好ましい。一般式(H)で表される光安定化剤に加えて重合開始剤を併用することで、重合性化合物の重合反応を促進させて、重合性化合物の重合物による強固な高分子層を液晶と基板の界面に形成できるため、液晶セルの絶縁性が増強されてVHRの改善ができる。
重合性開始剤は、液晶組成物に用いられる公知の重合性開始剤から選択することができ、例えばベンゾインエーテル系重合性開始剤、ベンゾフェノン系重合性開始剤、アセトフェノン系重合性開始剤、ベンジルケタール系重合性開始剤、アシルフォスフィンオキサイド系重合性開始剤等が挙げられる。中でもベンジルケタール系重合開始剤が好ましい。ベンジルケタール系重合開始剤は光反応効率が高く、ち密な高分子層を形成できるからである。ベンジルケタール系重合開始剤として具体的には、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(製品名:イルガキュア651)が挙げられる。
重合開始剤の含有量は、本発明における液晶組成物の総量に対し0.0001質量%以上、0.001質量%以上が好ましく、また、0.005質量%以下、0.002質量%以下が好ましい。重合開始剤の含有量が上記の範囲よりも多すぎると、重合開始剤に含まれる不純物の影響でVHRが低下する場合があり、少なすぎると重合が効率化せずに液晶セルの絶縁性が改善されずにVHRが改善しない場合がある。
酸化防止剤、紫外線吸収剤及び重合開始剤からなる群から選択される化合物の総量は、本発明における液晶組成物の総量に対し、0.0001質量%以上、0.0005質量%以上、0.001質量%以上、0.005質量%以上、0.01質量%以上であることが好ましく、又、0.2質量%以下、0.15質量%以下、0.1質量%以下、0.05質量%以下であることが好ましい。
一般式(H)で表される化合物、ならびに紫外線吸収剤、酸化防止剤及び重合開始剤からなる群から選択される1種類以上の化合物の総量は、本発明における液晶組成物の総量に対して0.0011質量%以上、0.001質量%以上、0.005質量%以上、0.01質量%以上、0.05質量%以上が好ましく、又、0.2質量%以下、0.15質量%以下、0.1質量%以下、0.05質量%以下が好ましい。
一般式(H)で表される化合物、ならびに紫外線吸収剤、酸化防止剤及び重合開始剤からなる群から選択される1種類以上の化合物の総量の好ましい範囲は、上述の上限値及び下限値を組み合わせて適宜設定することができるが、中でも好ましくは、本発明における液晶組成物の総量に対して0.005質量%〜0.2質量%の範囲内、0.01質量%〜0.2質量%の範囲内、0.01質量%〜0.05質量%の範囲内である。一般式(H)で表される化合物および他の添加剤の総量を上記の範囲とすることで信頼性の改善に十分な添加剤を液晶組成物に導入できるとともに、過剰に添加剤を組成物に導入した際に発生する析出を抑制し、表示品位を維持できるという効果がある。
(その他)
本発明における液晶組成物は、分子内に過酸(−CO−OO−)構造等の酸素原子同士が結合した構造を持つ化合物を含有しないことが好ましい。
液晶組成物の信頼性及び長期安定性を重視する場合、カルボニル基を有する化合物の含有量を液晶組成物の総量に対して、5質量%以下とすることが好ましく、3質量%以下とすることがより好ましく、1質量%以下とすることが更に好ましく、実質的に含有しないことが最も好ましい。
UV照射による安定性を重視する場合、塩素原子が置換している化合物の含有量を、本発明における液晶組成物の総量に対して、15質量%以下とすることが好ましく、10質量%以下とすることが好ましく、8質量%以下とすることが好ましく、5質量%以下とすることがより好ましく、3質量%以下とすることが好ましく、実質的に含有しないことが更に好ましい。
分子内の環構造がすべて6員環である化合物の含有量を多くすることが好ましく、分子内の環構造がすべて6員環である化合物の含有量を、本発明における液晶組成物の総量に対して、80質量%以上とすることが好ましく、90質量%以上とすることがより好ましく、95質量%以上とすることが更に好ましく、実質的に分子内の環構造がすべて6員環である化合物のみで本発明における液晶組成物を構成することが最も好ましい。
液晶組成物の酸化による劣化を抑えるためには、環構造としてシクロヘキセニレン基を有する化合物の含有量を少なくすることが好ましく、シクロヘキセニレン基を有する化合物の含有量を本発明における液晶組成物の総量に対して、10質量%以下とすることが好ましく、8質量%以下とすることが好ましく、5質量%以下とすることがより好ましく、3質量%以下とすることが好ましく、実質的に含有しないことが更に好ましい。
粘度の改善及びTniの改善を重視する場合には、水素原子がハロゲンに置換されていてもよい2−メチルベンゼン−1,4−ジイル基を分子内に持つ化合物の含有量を少なくすることが好ましく、2−メチルベンゼン−1,4−ジイル基を分子内に持つ化合物の含有量を本発明における液晶組成物の総量に対して、10質量%以下とすることが好ましく、8質量%以下とすることが好ましく、5質量%以下とすることがより好ましく、3質量%以下とすることが好ましく、実質的に含有しないことが更に好ましい。
本明細書において実質的に含有しないとは、意図せずに含有する物(不可避的不純物)を除いて含有しないという意味である。
本発明における液晶組成物は、20℃における屈折率異方性(Δn)が0.08から0.14の範囲内であることが好ましく、0.09から0.13の範囲内がより好ましく、0.09から0.12の範囲内が特に好ましい。更に詳述すると、薄いセルギャップに対応する場合は0.10から0.13の範囲内であることが好ましく、厚いセルギャップに対応する場合は0.08から0.10の範囲内であることが好ましい。
本発明における液晶組成物は、20℃における粘度(η)が10から50mPa・sであるが、10から40mPa・sであることがより好ましく、10から35mPa・sであることが特に好ましい。
本発明における液晶組成物は、20℃における回転粘性(γ)が60から130mPa・sの範囲内であることが好ましく、60から110mPa・sの範囲内であることがより好ましく、60から100mPa・sの範囲内であることが特に好ましい。
本発明における液晶組成物は、ネマチック相−等方性液体相転移温度(Tni)が60℃から120℃の範囲内であることが好ましく、70℃から100℃の範囲内がより好ましく、70℃から85℃の範囲内が特に好ましい。
(重合性化合物)
本発明の重合性液晶組成物は、1分子中に1つ以上の重合性基を有する重合性化合物を1種類以上含有する。重合性化合物は、活性エネルギー線の照射により重合可能な化合物であり、液晶分子のプレチルト角を好適に形成できる。
重合性化合物は、液晶組成物に用いられる公知の重合性化合物であってよいが、中でも下記一般式(P)で表される化合物が好ましい。
Figure 2021084948
(上記一般式(P)中、Rp1は、水素原子、フッ素原子、シアノ基、炭素原子数1〜15のアルキル基又は−Spp2−Pp2を表し、該アルキル基中の1個又は非隣接の2個以上の−CH−はそれぞれ独立して−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−によって置換されていてもよく、該アルキル基中の1個又は2個以上の水素原子はそれぞれ独立して、シアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていても良く、
p1及びPp2はそれぞれ独立して、一般式(Pp1−1)から式(Pp1−9)
Figure 2021084948
(式中、Rp11及びRp12はそれぞれ独立して、水素原子、炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数1〜5のハロゲン化アルキル基を表し、Wp11は単結合、−O−、−COO−又はメチレン基を表し、tp11は、0、1又は2を表すが、分子内にRp11、Rp12、Wp11及び/又はtp11が複数存在する場合、それらは同一であっても異なっていても良い。)
のいずれかを表し、
Spp1及びSpp2はそれぞれ独立して、単結合又はスペーサー基を表し、
p1及びZp2はそれぞれ独立して、単結合、−O−、−S−、−CH−、−OCH−、−CHO−、−CO−、−C−、−COO−、−OCO−、−OCOOCH−、−CHOCOO−、−OCHCHO−、−CO−NRZP1−、−NRZP1−CO−、−SCH−、−CHS−、−CH=CRZP1−COO−、−CH=CRZP1−OCO−、−COO−CRZP1=CH−、−OCO−CRZP1=CH−、−COO−CRZP1=CH−COO−、−COO−CRZP1=CH−OCO−、−OCO−CRZP1=CH−COO−、−OCO−CRZP1=CH−OCO−、−(CH−COO−、−(CH−OCO−、−OCO−(CH−、−(C=O)−O−(CH−、−CH=CH−、−CF=CF−、−CF=CH−、−CH=CF−、−CF−、−CFO−、−OCF−、−CFCH−、−CHCF−、−CFCF−又は−C≡C−(式中、RZP1はそれぞれ独立して水素原子又は炭素原子数1〜4のアルキル基を表すが、分子内にRZP1が複数存在する場合、それらは同一であっても異なっていても良い。)
を表し、
p1、Ap2及びAp3はそれぞれ独立して、
(a) 1,4−シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−は−O−に置き換えられてもよい。)
(b) 1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置き換えられてもよい。)及び
(c) ナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、フェナントレン−2,7−ジイル基又はアントラセン−2,6−ジイル基(これら基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置き換えられても良く、この基中に存在する水素原子は、ハロゲン原子、炭素原子数1〜8のアルキル基又は炭素原子数1〜8のアルケニル基で置換されていてもよい。)
からなる群より選ばれる基を表し、上記の基(a)、基(b)及び基(c)中に存在する1個又は2個以上の水素原子はそれぞれ独立して、ハロゲン原子、シアノ基、炭素原子数1〜8のアルキル基又は−Spp2−Pp2で置換されていても良く、該アルキル基中の1個又は非隣接の2個以上の−CH−はそれぞれ独立して−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−によって置換されていてもよく、
p1は、0、1、2又は3を表し、分子内にZp1、Ap2、Spp2及び/又はPp2が複数存在する場合、それらは同一であっても異なっていても良いが、Ap3は、mp1が0で、Ap1がフェナントレン−2,7−ジイル基又はアントラセン−2,6−ジイル基である場合には単結合を表す。)
ただし、一般式(H)で表される化合物を除く。)
本発明の重合性液晶組成物は、一般式(P)で表される重合性化合物を1種又は2種以上含有することが好ましい。
一般式(P)中、Rp1は−Spp2−Pp2であることが好ましい。
一般式(P)中、Pp1及びPp2はそれぞれ独立して式(Pp1−1)から式(Pp1−3)のいずれかであることが好ましく、(Pp1−1)であることが好ましい。
一般式(P)中、Rp11及びRp12はそれぞれ独立して、水素原子又はメチル基であることが好ましい。
一般式(P)中、tp11は、0又は1が好ましい。
一般式(P)中、Wp11は、単結合、メチレン基又はエチレン基が好ましい。
一般式(P)中、mp1は0、1又は2であることが好ましく、0又は1が好ましい。
一般式(P)中、Zp1及びZp2はそれぞれ独立して、単結合、−OCH−、−CHO−、−CO−、−C−、−COO−、−OCO−、−COOC−、−OCOC−、−COCO−、−CCOO−、−CH=CH−、−CF−、−CFO−、−(CH−COO−、−(CH−OCO−、−OCO−(CH−、−CH=CH−COO−、−COO−CH=CH−、−OCOCH=CH−、−COO−(CH−、−OCF−又は−C≡C−が好ましく、単結合、−OCH−、−CHO−、−C−、−COO−、−OCO−、−COOC−、−OCOC−、−COCO−、−CCOO−、−CH=CH−、−(CH−COO−、−(CH−OCO−、−OCO−(CH−、−CH=CH−COO−、−COO−CH=CH−、−OCOCH=CH−、−COO−(CH−又は−C≡C−が好ましく、分子内に存在する1つのみが−OCH−、−CHO−、−C−、−COO−、−OCO−、−COOC−、−OCOC−、−COCO−、−CCOO−、−CH=CH−、−(CH−COO−、−(CH−OCO−、−OCO−(CH−、−CH=CH−COO−、−COO−CH=CH−、−OCOCH=CH−、−COO−(CH−又は−C≡C−であり、他がすべて単結合であることが好ましく、分子内に存在する1つのみが、−OCH−、−CHO−、−C−、−COO−又は−OCO−であり、他がすべて単結合であることが好ましく、すべてが単結合であることが好ましい。
また、分子内に存在するZp1及びZp2の1つのみが、−CH=CH−COO−、−COO−CH=CH−、−(CH−COO−、−(CH−OCO−、−O−CO−(CH−、−COO−(CH−からなる群から選択される連結基であり、他は単結合であることが好ましい。
一般式(P)中、Spp1及びSpp2はそれぞれ独立して、単結合又はスペーサー基を表すが、スペーサー基は、炭素原子数1〜30のアルキレン基が好ましく、該アルキレン基中の−CH−は酸素原子同士が直接連結しない限りにおいて−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−又は−C≡C−で置換されていてもよく、該アルキレン基中の水素原子はハロゲン原子で置換されていても良いが、直鎖の炭素原子数1〜10のアルキレン基又は単結合が好ましい。
一般式(P)中、Ap1、Ap2及びAp3はそれぞれ独立して、1,4−フェニレン基又は1,4−シクロヘキシレン基が好ましく、1,4−フェニレン基が好ましい。1,4−フェニレン基は液晶化合物との相溶性を改善するために、1個のフッ素原子、1個のメチル基又は1個のメトキシ基で置換されていることが好ましい。
一般式(P)で表される化合物の含有量は、本発明の重合性液晶組成物の全量に対して、0.05〜10質量%であることが好ましく、0.1〜8質量%であることがより好ましく、0.1〜5質量%であることがさらに好ましく、0.1〜3質量%であることがさらに好ましく、0.2〜2質量%であることがさらに好ましく、0.2〜1.3質量%であることがさらに好ましく、0.2〜1質量%であることが特に好ましく、0.2〜0.56質量%であることが最も好ましい。
また、一般式(P)で表される化合物の総含有量の好ましい下限値は、本発明の重合性液晶組成物の全量に対して、0.01質量%であり、0.03質量%であり、0.05質量%であり、0.08質量%であり、0.1質量%であり、0.15質量%であり、0.2質量%であり、0.25質量%であり、0.3質量%である。また、一般式(P)で表される化合物の総含有量の好ましい上限値は、本発明の重合性液晶組成物の全量に対して、10質量%であり、8質量%であり、5質量%であり、3質量%であり、1.5質量%であり、1.2質量%であり、1質量%であり、0.8質量%であり、0.5質量%である。
一般式(P)で表される化合物の含有量が少ないと、重合性化合物による効果が現れにくく、液晶組成物の配向規制力が弱い又は経時的に弱くなってしまうなどの問題が発生する。一方、一般式(P)で表される化合物の含有量が多すぎると、硬化後に残存する未反応の重合性化合物の量が多くなる、硬化に時間がかかる、液晶の信頼性が低下する等の問題が生じる。
一般式(P)で表される化合物の例として、下記式(P−1−1)〜式(P−1−46)で表される重合性化合物が挙げられる。
Figure 2021084948
Figure 2021084948
Figure 2021084948
Figure 2021084948
Figure 2021084948
(式中、Pp11、Pp12、Spp11及びSpp12は、一般式(P)におけるPp1、Pp2、Spp1及びSpp2と同じ意味を表す。)
一般式(P)で表される化合物の好ましい例として、下記式(P−2−1)〜式(P−2−14)で表される重合性化合物が挙げられる。
Figure 2021084948
Figure 2021084948
(式中、Pp21、Pp22、Spp21及びSpp22は、一般式(P)におけるPp1、Pp2、Spp1及びSpp2と同じ意味を表す。)
一般式(P)で表される化合物の好ましい例として、下記式(P−3−1)〜式(P−3−15)で表される重合性化合物が挙げられる。
Figure 2021084948
Figure 2021084948
(式中、Pp31、Pp32、Spp31及びSpp32は、一般式(P)におけるPp1、Pp2、Spp1及びSpp2と同じ意味を表す。)
一般式(P)で表される化合物の好ましい例として、下記式(P−4−1)〜式(P−4−21)で表される重合性化合物が挙げられる。
Figure 2021084948
Figure 2021084948
Figure 2021084948
Figure 2021084948
(式中、Pp41、Pp42、Spp41及びSpp42は、一般式(P)におけるPp1、Pp2、Spp1及びSpp2と同じ意味を表す。)
(その他)
本発明の重合性液晶組成物は、上述した化合物の他に、通常のネマチック液晶、スメクチック液晶、コレステリック液晶、赤外線吸収剤等を含有しても良い。また、本発明の重合性液晶組成物は、自発配向性化合物を含んでいてもよく、含まなくてもよい。自発配向性化合物とは、配向膜が無くても液晶分子の垂直配向を可能とする化合物であり、例えば下記式(Q)で表される。
Figure 2021084948
(式(Q)中、MESはそれぞれ互いに直接または間接的に連結されている1つ以上の環と、MESに直接又はスペーサーを介して連結されている任意成分としての1つ以上の重合性基と、を含むメソゲン基であり、
は少なくとも1つの―OHまたは第1級または第2級アミン官能基を好ましく含む極性アンカー基である。)
本発明の重合性液晶組成物は、負の誘電率異方性(Δε)を有し、その絶対値が2より大きいことが好ましい。本発明の重合性液晶組成物の誘電率異方性の好ましい範囲は、上述した本発明における液晶組成物の誘電率異方性の範囲と同様とすることができる。また、本発明の重合性液晶組成物の屈折率異方性(Δn)、粘度(η)、回転粘性(γ)、及びネマチック相−等方性液体相転移温度(Tni)の好ましい範囲についても、それぞれ上述した本発明における液晶組成物の屈折率異方性(Δn)、粘度(η)、回転粘性(γ)、及びネマチック相−等方性液体相転移温度(Tni)の範囲と同様とすることができる。
本発明の重合性液晶組成物は、液晶表示素子用途に用いることができ、中でもアクティブマトリックス駆動用液晶表示素子用として好適に用いることができる。また本発明の本発明の重合性液晶組成物は、PSA型、PSVA型、VA型、IPS型、FFS型又はECB型の液晶表示素子用として好適に用いることができる。さらに本発明の重合性液晶組成物は、液晶層を介して対向する一対の配向膜を備える液晶表示素子用として好適に用いることができる。本発明の重合性液晶組成物が自発配向性化合物を含む場合は、配向膜を備えない液晶表示素子用に用いることもできる。
II.液晶表示素子
本発明の液晶表示素子は、上述した「I.重合性液晶組成物」の項で説明した重合性液晶組成物を用いた素子である。本発明の液晶表示素子は、上述した重合性液相組成物を用いることにより、高いVHRを示し、表示不良がないか又は抑制され、優れた表示品位を有することができる。
本発明の液晶表示素子は、アクティブマトリックス駆動用液晶表示素子であることが好ましい。また、本発明の液晶表示素子は、PSA型、PSVA型、VA型、IPS型、FFS型又はECB型の液晶表示素子であってよく、好ましくはPSA型またはPSVA型の液晶表示素子である。
図1は、本発明の液晶表示素子の一例を示す模式図である。なお、本発明の液晶表示素子の構造はこの例に限定されるものではない。また、図1では、説明のために便宜上、各構成要素を離間させて示している。図1に示す液晶表示素子1は、対向するように配置された第一基板2及び第二基板3と、第一基板2と第二基板3との間に設けられた液晶層4とを備えている。液晶層4は、上記「I.重合性液晶組成物」の項で説明した液晶組成物及び重合性化合物の重合物を含む。図示しないが、重合性化合物の重合物は、液晶層4中の基板2、3側に偏在している。すなわち、液晶層の界面には重合性化合物の重合物による層が形成されているものと考えられる。
また、図1で例示するように、第一基板2には、液晶層4側の面に画素電極層5が形成されている。第二基板3には、液晶層4側に共通電極層6が形成されている。第一基板2及び第二基板3は、一対の偏光板7,8により挟持されていてもよい。第二基板3の液晶層4側には、カラーフィルタ9が更に設けられていてもよい。
さらに、図示しないが、本発明の液晶表示素子においては、第一基板及び第二基板の液晶層側に、それぞれポリイミド配向膜等の配向膜が設けられており、液晶層を介して一対の配向膜が対向する。
すなわち、本発明の液晶表示素子は、1つの態様として、第一偏光板と、第一基板と、第一配向膜と、画素電極層と、液晶組成物および重合性化合物の重合体を含む液晶層と、共通電極層と、カラーフィルタと、第二配向膜と、第二基板と、第二偏光板と、がこの順に積層された構成とすることができる。また本発明の液晶表示素子は、換言すれば、液晶層を介して対向する一対の配向膜を有し、上記液晶層が、上記「I.重合性液晶組成物」の項で説明した重合性液晶組成物における重合性化合物の重合物と、一般式(H)で表される光安定化剤および一般式(II)で表される液晶化合物を少なくとも含む液晶組成物と、を含む構成を有する。
本発明の液晶表示素子の製造は、公知の方法を用いて行うことができる。例えば本発明の液晶表示素子の製造は真空注入法又は滴下注入(ODF:One Drop Fill)法を用いて上述の重合性液晶組成物を2つの基板間に注入し、電圧を印加し液晶分子を配向させた状態で紫外線や電子線等の活性エネルギー線を照射して重合性化合物を重合させて液晶分子の配向を固定することにより行うことができる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、実施例に基づき本発明を更に具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
実施例において化合物の記載について以下の略号を用いる。
(側鎖)
−n −C2n+1 炭素数nの直鎖状のアルキル基
n− C2n+1− 炭素数nの直鎖状のアルキル基
−On −OC2n+1 炭素数nの直鎖状のアルコキシ基
nO− C2n+1O− 炭素数nの直鎖状のアルコキシ基
−V −CH=CH
V− CH=CH−
−V1 −CH=CH−CH
1V− CH−CH=CH−
−2V −CH−CH−CH=CH
V2− CH=CH−CH−CH
−2V1 −CH−CH−CH=CH−CH
1V2− CH−CH=CH−CH−CH
(連結基)
−CFFO− −CF−O−
−OCFF− −O−CF
−1O− −CH−O−
−O1− −O−CH
−COO− −COO−
−OCO− −OCO−
(環構造)
Figure 2021084948
<式(H)化合物(光安定化剤)>
一般式(H)で表される光安定化剤(重合性光安定化剤)として、以下の化合物を用いた。
Figure 2021084948
<紫外線吸収剤>
紫外線吸収剤として、以下の化合物を用いた。
Figure 2021084948
Figure 2021084948
<酸化防止剤>
酸化防止剤として、以下の化合物を用いた。
Figure 2021084948
<重合開始剤>
重合開始剤として、以下の化合物を用いた。
Figure 2021084948
<非重合性光安定化剤>
非重合性光安定化剤として、以下の化合物を用いた。
Figure 2021084948
<重合性化合物>
重合性化合物として、以下の化合物を用いた。
Figure 2021084948
実施例および比較例で用いた液晶組成例を、測定した特性は以下の通りである。
ni :ネマチック相−等方性液体相転移温度(℃)
Δn :25℃における屈折率異方性
Δε :25℃における誘電率異方性
γ :25℃における回転粘性(mPa・s)
実施例および比較例で得た液晶セルの電圧保持率(VHR)の評価方法は以下の通りである。
VHR(A):得られた液晶セルに蛍光ランプを用いて313nmの強度が0.3mWとなるように90分紫外線照射後のVHR。VHRの測定条件は、1V、0.6Hz、60℃とした。
VHR(B):得られた液晶セルに蛍光ランプを用いて313nmの強度が0.3mWとなるように90分紫外線照射後、60℃の暗室において240時間精置した後のVHR。VHRの測定条件はVHR(A)と同様とした。
ΔVHR:高温条件でのセル保管によるVHRの低下値[VHR(A)−VHR(B)]
(母体組成物の調製)
以下の母体組成物LC−A〜LC−Cを調製し、その物性値を測定した。各母体組成物の構成とその物性値の結果を表1〜表3に示す。
Figure 2021084948
Figure 2021084948
Figure 2021084948
(実施例1)
母体組成物LC−Aを100質量部に対して、重合性光安定化剤として式(H−1)化合物を0.05質量部添加し、さらに、重合性化合物として式(M−1)化合物を0.3質量部添加して、重合性液晶組成物LC−1を調製した(表4参照)。重合性液晶組成物LC−1のTni、Δn、Δε及びγは、母体組成物LC−Aと同じであった。次に、透明電極上に垂直配向膜(JALS2096)を具備したギャップ3.5umのセルに重合性液晶組成物LC−1を真空注入したのち、注入口に接着剤(3026B)を塗布した後、380nmの紫外線を10秒間照射して封止して液晶セルを得た。得られた液晶セルのVHR(1)は84%、VHR(B)は76%、ΔVHRは7%だった(表5参照)。
(実施例2〜6)
母体組成物LC−Aを100質量部に対して、表4に示す配合で各化合物をそれぞれ添加して、重合性液晶組成物LC−2〜LC−12を調製した。なお、表4においてカッコ内の数値は該化合物の配合量(質量部)を表す。重合性液晶組成物LC−2〜LC〜12のそれぞれのTni、Δn、Δε及びγは、母体組成物LC−Aと同じであった。
以下の表6および表8においても同様とする。次に、重合性液晶組成物LC−2〜LC−12をそれぞれ用いて、実施例1と同様の方法により液晶セルを作製し、各液晶セルVHR(A)、VHR(B)、ΔVHRを測定した。結果を表5に示す。
(比較例1〜6)
母体組成物LC−Aを100質量部に対して表4に示す配合で各化合物を添加して重合性液晶組成物LC−7〜LC−12をそれぞれ調製した。重合性液晶組成物LC−7〜LC−12のそれぞれのTni、Δn、Δε及びγは、母体組成物LC−Aと同じであった。次に、重合性液晶組成物LC−7〜LC−12をそれぞれ用いて実施例1と同様の方法により液晶セルを作製し、各液晶セルVHR(A)、VHR(B)、ΔVHRを測定した。結果を表5に示す。
Figure 2021084948
Figure 2021084948
実施例1と比較例1との対比から、一般式(II)で表される化合物を含む母体組成物に式(H)化合物を添加することで、VHR(1)およびVHR(2)の値が高くなり、またΔVHRの値が小さくなることが示された。また、実施例1と比較例2〜3との対比から、式(H)で表される重合性光安定化剤を含む重合性液晶組成物を用いた液晶セルは、非重合性光安定化剤を含む重合性液晶組成物を用いた液晶セルよりも高いVHR(1)およびVHR(2)を示し、また、ΔVHRの値が小さくなることが示された。特に実施例1と比較例2との対比から、添加量が同じであれば重合性光安定化剤を用いた方が、高VHR及び高温保持によるVHR低下抑制に寄与することが示された。さらに実施例1と比較例4〜6との比較から、一般式(II)で表される化合物を含む重合性液晶組成物に対して、紫外線吸収剤や酸化防止剤、重合開始剤等の他の添加物を添加した重合性液晶組成物と比較して、一般式(H)で表される化合物を添加した重合性液晶組成物の方が、VHR(1)およびVHR(2)の値が高くなり、またΔVHRの値が小さくなることが示された。
(実施例7〜21)
母体組成物LC−Aを100質量部に対して、表6に示す配合で各化合物をそれぞれ添加して、重合性液晶組成物LC−13〜LC−27を調製した。重合性液晶組成物LC−13〜LC−27のそれぞれのTni、Δn、Δε及びγは、母体組成物LC−Aと同じであった。次に、重合性液晶組成物LC−13〜LC−27をそれぞれ用い、実施例1と同様の方法により液晶セルを作製した。各液晶セルVHR(A)、VHR(B)、ΔVHRを測定した。結果を表7に示す。
Figure 2021084948
Figure 2021084948
実施例7〜21は、比較例4〜6と比較して、VHR(A)、VHR(B)、ΔVHRが改善されることが示された。つまり、一般式(II)で表される化合物を含む重合性液晶組成物に一般式(H)で表される化合物と他の添加剤とを併用して添加した実施例7〜21は、他の添加物を単独で添加した比較例4〜6と比較して、VHR(1)、VHR(2)及びΔVHRの改善効果がより高いことが示された。これらの結果は、上記一般式(H)で表される化合物による作用機能に加えて、紫外線吸収剤により紫外線照射で発生する液晶組成物の分解を抑制する機能、酸化防止剤により高温保管下において紫外線照射で生じた液晶組成物の分解物の補修する機能、および重合開始剤により液晶セルの絶縁性を改善する機能により、相互補完的にVHRが改善されたと推量される。
(実施例22〜29)
母体組成物LC−BまたはLC−Cを100質量部に対して、表8に示す配合で各化合物をそれぞれ添加して、重合性液晶組成物LC−28〜LC−35を調製した。重合性液晶組成物LC−28〜LC−31のそれぞれのTni、Δn、Δε及びγは、母体組成物LC−Bと同じであった。また、重合性液晶組成物LC−32〜LC−35のそれぞれのTni、Δn、Δε及びγは、母体組成物LC−Cと同じであった。次に、重合性液晶組成物LC−28〜LC−35をそれぞれ用い、実施例1と同様の方法により液晶セルを作製した。各液晶セルVHR(A)、VHR(B)、ΔVHRを測定した。結果を表9に示す。
Figure 2021084948
Figure 2021084948
実施例22〜29の結果から、一般式(II)で表される化合物を含む重合性液晶組成物の組成を変えても、一般式(H)で表される化合物を添加することにより信頼性改善効果が得られることが確認された。また、重合性液晶組成物の組成を変えても、一般式(H)で表される化合物に加え、紫外線吸収剤、酸化防止剤、重合開始剤を併用した際の相補的な信頼性改善効果があることが示された。
以上より、一般式(H)で表される光安定化剤は、非重合性光安定化剤や他の添加剤よりも、一般式(II)で表される化合物を含む重合性液晶組成物の劣化抑制効果が高いこと確認された。また、本発明の重合性液晶組成物は、一般式(H)で表される光安定化剤、一般式(II)で表される化合物及び重合性化合物を少なくとも含むことで、Δε及び信頼性が高く、外部刺激に対する安定性が高いことが示された。さらに実施例1〜29で得られた重合性液晶組成物を用いた液晶表示素子は、表示不良がなく、テレビ用途としては十分な応答速度を示した。
1 … 液晶表示素子、 2 … 第一基板、 3 … 第二基板、 4 … 液晶層4、 5 … 画素電極層、 6 … 共通電極層 、 7、8 … 偏光板、 9 … カラーフィルタ

Claims (11)

  1. 1分子中に1つ以上の重合性基を有する重合性化合物を1種類以上と、
    一般式(H):
    Figure 2021084948
    (一般式(H)中、Tは、下記式(1):
    Figure 2021084948
    (式(1)中、Ra、Rb、RcおよびRdはそれぞれ独立して水素原子又は炭素原子数1〜10の直鎖状または分岐状のアルキル基を表し、RaとRb及び/又はRcとRdは互いに結合して環を形成してもよく、
    Rgは、水素原子、水酸基、−O・、又は炭素原子数1〜12のアルキル基を表し、該アルキル基中に存在する1個又は隣接していない2個以上の−CH−は、それぞれ独立して−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−CO−S−、−S−CO−、−O−CO−O−、−CO−NH−、−NH−CO−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−CH=CH−、−C≡C−、−Si(CH−、トランス1,4−シクロヘキシレン基、1,4−フェニレン基又はナフタレン−2,6−ジイル基に置換されてもよく、Rg中の1個又は2個以上の水素原子はそれぞれ独立してハロゲン原子又はシアノ基で置換されていてもよく、
    T1及びnT2はそれぞれ独立して0、1、2又は3を表すが、nT1+nT2は1、2、3又は4を表し、
    黒点は結合手を表す。)
    で表される基であり、
    H1及びAH2はそれぞれ独立して、2価の芳香族基、2価の環脂肪族基、2価の複素環式化合物基、2価の縮合環、及び2価の縮合多環を表し、これらの環構造中の1つ以上の水素原子は基LH1又はRH1−(AH3−ZH3 H2−で置換されていてもよく、AH1及びAH2の一方は単結合を表してもよく、
    H3は、2価の芳香族基、2価の環脂肪族基、2価の複素環式化合物基、2価の縮合環、及び2価の縮合多環を表し、これらの環構造中の1つ以上の水素原子は基LH1で置換されていてもよく、
    H1、ZH2およびZH3は、それぞれ独立して−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−、−OCH−、−CHO−、−SCH−、−CHS−、−CFO−、−OCF−、−CFS−、−SCF−、−(CH−、−CFCH−、−CHCF−−(CF−、−CH=CH−、−CF=CF−、−CH=CF−、−CF=CH−、−C≡C−、−CH=CH−CO−O−、−O−CO−CH=CH−、−CH−CH−CO−O−、−O−CO−CH−CH−、−CRH2H3−又は単結合を表し、該基中の一つ以上の水素原子は基LH1又はRH1−(AH3−ZH3 H2−で置換されていてもよく、
    H1はPH2−SpH2−、基T、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、又は炭素原子数1〜25の直鎖状又は分岐状は環状のアルキル基を表し、該アルキル基は、1個以上の隣接していない−CH−が、酸素原子及び/又は硫黄原子が互いに直接連結しないようにして、−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−で置き換えられていてもよく、また該アルキル基は、1つ以上の水素原子がフッ素原子、塩素原子又はPH2−SpH2−で置換されていてもよく、
    H1およびPH2は、それぞれ独立して、水素原子又は重合性基を表し、
    SpH1およびSpH2は、それぞれ独立してスペーサー基又は単結合を表し、
    H1は、PH2−SpH2−、水素原子、フッ素原子、塩素原子、又は炭素原子数1〜25の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基を表し、該アルキル基は、1個以上の隣接していない−CH−が、酸素原子及び/又は硫黄原子が互いに直接連結しないようにして、−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−で置き換えられていてもよく、また、該アルキル基は、1個以上の水素原子が、それぞれフッ素原子、塩素原子又はPH2−SpH2−で置換されていてもよく、
    H2およびRH3は、それぞれ独立して水素原子または炭素原子数1〜12アルキレン基を表し、
    H1は、0、1、2、3又は4を表し、
    H2は、0、1、2、3又は4を表し、
    nは1、2、3、又は4を表し、
    H2、SpH2、LH1、AH1、AH2、AH3、ZH2、ZH3、RH1およびTが複数存在する場合は、各々の符号は同一であってもよく異なってもよく、
    ただし、一般式(H)は、分子中に1個以上の重合性基を有する。)
    で表される光安定化剤を1種類以上と、
    一般式(II):
    Figure 2021084948
    (式中、RII1及びRII2は、それぞれ独立して炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、該アルキル基中の1個又は隣接していない2個以上の−CH−は、それぞれ独立して、−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−によって置換されていてもよく、
    II1、AII2及びAII3は、それぞれ独立して、
    (a) 1,4−シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−は−O−に置換されてもよい。)、
    (b) 1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置換されてもよい。)、
    (c) ナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又はデカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基(ナフタレン−2,6−ジイル基又は1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置換されてもよい。)、
    及び
    (d) 1,4−シクロヘキセニレン基
    からなる群より選ばれる基を表し、前記の基(a)、基(b)、基(c)及び基(d)は、それぞれ独立して、シアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていてもよく、
    II1及びZII2は、それぞれ独立して、単結合、−CHCH−、−(CH−、−OCH−、−CHO−、−COO−、−OCO−、−OCF−、−CFO−、−CH=N−N=CH−、−CH=CH−、−CF=CF−又は−C≡C−を表し、
    II1及びnII2はそれぞれ独立して0〜2の整数を表すが、nII1+nII2は0、1又は2であり、
    II1及びAII2がそれぞれ複数存在する場合は、それぞれは互いに同一であっても異なっていてもよく、
    II1及びZII2がそれぞれ複数存在する場合は、それぞれは互いに同一であっても異なっていてもよい。)
    で表される液晶化合物を1種類以上と、
    を含む、誘電率異方性が負の重合性液晶組成物。
  2. さらに下記一般式(L−1A):
    Figure 2021084948
    (前記一般式(L−1A)中、Ri1A及びRi2Aはそれぞれ独立して、炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、該アルキル基中の1個又は非隣接の2個以上の−CH−はそれぞれ独立して−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−によって置換されていてもよいが、Ri1A及びRi2Aの少なくとも一方は、該アルキル基中の1個又は非隣接の2個以上の−CH−がそれぞれ独立して−CH=CH−に置換されている。)
    で表される化合物を1種類以上含む、請求項1に記載の重合性液晶組成物。
  3. 前記重合性化合物として、下記一般式(P)で示される化合物を1種類以上含む、請求項1又は請求項2に記載の液晶組成物。
    Figure 2021084948
    (上記一般式(P)中、Rp1は、水素原子、フッ素原子、シアノ基、炭素原子数1〜15のアルキル基又は−Spp2−Pp2を表し、該アルキル基中の1個又は非隣接の2個以上の−CH−はそれぞれ独立して−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−によって置換されていてもよく、該アルキル基中の1個又は2個以上の水素原子はそれぞれ独立して、シアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていても良く、
    p1及びPp2はそれぞれ独立して、一般式(Pp1−1)から式(Pp1−9)
    Figure 2021084948
    (式中、Rp11及びRp12はそれぞれ独立して、水素原子、炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数1〜5のハロゲン化アルキル基を表し、Wp11は単結合、−O−、−COO−又はメチレン基を表し、tp11は、0、1又は2を表すが、分子内にRp11、Rp12、Wp11及び/又はtp11が複数存在する場合、それらは同一であっても異なっていても良い。)
    のいずれかを表し、
    Spp1及びSpp2はそれぞれ独立して、単結合又はスペーサー基を表し、
    p1及びZp2はそれぞれ独立して、単結合、−O−、−S−、−CH−、−OCH−、−CHO−、−CO−、−C−、−COO−、−OCO−、−OCOOCH−、−CHOCOO−、−OCHCHO−、−CO−NRZP1−、−NRZP1−CO−、−SCH−、−CHS−、−CH=CRZP1−COO−、−CH=CRZP1−OCO−、−COO−CRZP1=CH−、−OCO−CRZP1=CH−、−COO−CRZP1=CH−COO−、−COO−CRZP1=CH−OCO−、−OCO−CRZP1=CH−COO−、−OCO−CRZP1=CH−OCO−、−(CH−COO−、−(CH−OCO−、−OCO−(CH−、−(C=O)−O−(CH−、−CH=CH−、−CF=CF−、−CF=CH−、−CH=CF−、−CF−、−CFO−、−OCF−、−CFCH−、−CHCF−、−CFCF−又は−C≡C−(式中、RZP1はそれぞれ独立して水素原子又は炭素原子数1〜4のアルキル基を表すが、分子内にRZP1が複数存在する場合、それらは同一であっても異なっていても良い。)
    を表し、
    p1、Ap2及びAp3はそれぞれ独立して、
    (a) 1,4−シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−は−O−に置き換えられてもよい。)
    (b) 1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置き換えられてもよい。)及び
    (c) ナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、フェナントレン−2,7−ジイル基又はアントラセン−2,6−ジイル基(これら基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置き換えられても良く、この基中に存在する水素原子は、ハロゲン原子、炭素原子数1〜8のアルキル基又は炭素原子数1〜8のアルケニル基で置換されていてもよい。)
    からなる群より選ばれる基を表し、上記の基(a)、基(b)及び基(c)中に存在する1個又は2個以上の水素原子はそれぞれ独立して、ハロゲン原子、シアノ基、炭素原子数1〜8のアルキル基又は−Spp2−Pp2で置換されていても良く、該アルキル基中の1個又は非隣接の2個以上の−CH−はそれぞれ独立して−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−によって置換されていてもよく、
    p1は、0、1、2又は3を表し、分子内にZp1、Ap2、Spp2及び/又はPp2が複数存在する場合、それらは同一であっても異なっていても良いが、Ap3は、mp1が0で、Ap1がフェナントレン−2,7−ジイル基又はアントラセン−2,6−ジイル基である場合には単結合を表す。)
    ただし、一般式(H)で表される化合物を除く。)
  4. 酸化防止剤、紫外線吸収剤及び重合開始剤からなる群から選択される1種類以上の化合物を含む、請求項1から3のいずれか1項に記載の重合性液晶組成物。
  5. ヒンダードフェノール系酸化防止剤を1種類以上含むことを特徴とする、請求項4に記載の重合性液晶組成物。
  6. ベンゾフェノン系紫外線吸収剤及びベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤のうち少なくとも一方を1種類以上含むことを特徴とする、請求項4又は請求項5に記載の液晶組成物。
  7. ベンジルケタール系重合開始剤を1種類以上含むことを特徴とする、請求項4から6のいずれか1項に記載の重合性液晶組成物。
  8. 前記一般式(H)で表される化合物、ならびに前記紫外線吸収剤、酸化防止剤及び重合開始剤からなる群から選択される1種類以上の化合物の総量が0.005質量%〜0.2質量%の範囲内である、請求項4から7のいずれか1項に記載の重合性液晶組成物。
  9. 液晶層を介して対向する一対の配向膜を備える液晶表示素子の製造に用いられる、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の重合性液晶組成物。
  10. 請求項1から9のいずれか1項に記載の重合性液晶組成物を用いた液晶表示素子。
  11. 液晶層を介して対向する一対の配向膜を有し、
    前記液晶層が、請求項1から9のいずれか1項に記載の重合性液晶組成物における前記重合性化合物の重合物と、前記一般式(H)で表される光安定化剤および前記一般式(II)で表される液晶化合物を少なくとも含む液晶組成物と、を含む液晶表示素子。
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