JP7378287B2 - レンズ駆動装置及びカメラモジュール - Google Patents

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Description

本開示は、カメラ付き携帯機器等に搭載されるレンズ駆動装置、及び、レンズ駆動装置を含むカメラモジュールに関する。
従来、手振れ補正のためにレンズの光軸と交差する方向に移動できるように支持された可動ユニットと、オートフォーカスのために可動ユニットに対してレンズの光軸に平行な方向(以下、「光軸方向」とする。)に移動できるように支持されたレンズホルダと、を含むレンズ駆動装置が知られている(特許文献1参照。)。
このレンズ駆動装置では、可動ユニットの上面に取り付けられた平坦な板ばねにより、レンズホルダと、レンズホルダを取り囲むように配置される可動ユニットとが連結されている。また、その板ばねの外側部分に上端が固定されたサスペンションワイヤにより、可動ユニットと基台とが連結されている。サスペンションワイヤの下端は、基台に埋め込まれた金属ベースに固定されている。
特開2017-67909号公報
しかしながら、このレンズ駆動装置では、板ばねの外側部分に固定されるサスペンションワイヤの上端の高さ(基台からの高さ)と、板ばねの内側部分に固定されるレンズホルダの上端の高さ(基台からの高さ)とが同じになってしまう。なお、サスペンションワイヤの有効長は、サスペンションワイヤの上端の高さによって決まり、光軸方向に上下に移動可能なレンズホルダの中立位置は、レンズホルダの上端の高さによって決まる。
そのため、例えば、レンズホルダの中立位置の高さの変更は、サスペンションワイヤの有効長の変更を不可避的にもたらす。したがって、この構成は、サスペンションワイヤと可動ユニットとレンズホルダとの連結に関する構造の設計自由度を過度に制限してしまうおそれがある。
そこで、サスペンションワイヤと可動ユニット(可動支持部材)とレンズホルダ(レンズ保持部材)との連結に関する構造の設計自由度を高めることが望ましい。
本発明の実施形態に係るレンズ駆動装置は、固定側部材と、レンズ体を保持可能なレンズ保持部材と、前記レンズ保持部材の外側に配置される可動支持部材と、前記レンズ保持部材と前記可動支持部材とを繋ぐように設けられ前記レンズ保持部材を光軸方向に移動可能に支持する上側板ばね及び下側板ばねと、前記光軸方向に延在して前記可動支持部材を前記光軸方向と交差する方向に移動可能に支持する4本のサスペンションワイヤと、前記レンズ保持部材を前記光軸方向へ移動させる第1駆動機構と、前記可動支持部材を前記光軸方向と交差する方向へ移動させる第2駆動機構と、ワイヤ固定用板ばねと、を有するレンズ駆動装置において、前記固定側部材は、前記サスペンションワイヤの下端部が支持されるワイヤ支持部材を有し、前記ワイヤ固定用板ばねは、前記可動支持部材に固定される第1部分と、前記サスペンションワイヤの上端部が固定される第2部分とを有し、前記上側板ばねは、前記サスペンションワイヤに固定されておらず、前記レンズ保持部材に固定される内側部分と、前記可動支持部材に固定される外側部分と、前記内側部分と前記外側部分との間に設けられた弾性腕部とを有し、前記ワイヤ固定用板ばねの前記第1部分と、前記上側板ばねの前記外側部分とが、前記光軸方向における位置が異なるように、それぞれ前記可動支持部材に固定されており、前記ワイヤ固定用板ばねの前記第1部分が、前記上側板ばねの前記外側部分よりも前記ワイヤ支持部材から離れた位置である前記光軸方向における高い位置で前記可動支持部材に固定されている。
上述のレンズ駆動装置の構成は、サスペンションワイヤと可動支持部材とレンズ保持部材との連結に関する構造の設計自由度を高めることができる。
レンズ駆動装置の斜視図である。 レンズ駆動装置の分解斜視図である。 下側部材の分解斜視図である。 可動側部材の分解斜視図である。 固定側部材の分解斜視図である。 可動コイル、ワイヤ固定用板ばね、上側板ばね、コイル基板、及びベース部材の斜視図である。 端子部材の斜視図及び上面図である。 可動側部材の構成要素の上面図である。 ワイヤ固定用板ばね及び上側板ばねの構成例を示す図である。 磁石保持部材におけるガイド部の斜視図である。 ワイヤ固定用板ばね及び上側板ばねの別の構成例を示す図である。 可動側部材の分解斜視図である。 可動側部材の構成要素の上面図である。 ワイヤ固定用板ばね及び上側板ばねの更に別の構成例を示す図である。 レンズ保持部材及び磁石保持部材の断面図である。
以下、本発明の実施形態に係るレンズ駆動装置101について図面を参照して説明する。図1は、レンズ駆動装置101の斜視図である。図2は、レンズ駆動装置101の分解斜視図であり、ケース4が下側部材LBから分離された状態を示す。図3は、下側部材LBの分解斜視図であり、可動側部材MBが固定側部材RGから分離された状態を示す。図4は、可動側部材MBの分解斜視図である。図5は、固定側部材RGの分解斜視図である。図6は、可動コイル3、ワイヤ固定用板ばね11、上側板ばね16、コイル基板17、及びベース部材18の斜視図であり、それらの電気的接続関係を示している。
レンズ駆動装置101は、図1及び図2に示すように、固定側部材RGの一部であるケース4と、下側部材LBと、を含む。
ケース4は、下側部材LBを覆うカバー部材である。本実施形態では、ケース4は、オーステナイト系ステンレス鋼等の非磁性金属で形成された板材に抜き加工及び絞り加工等を施して作製されている。非磁性金属で形成されているため、ケース4は、電磁力を利用する駆動機構に磁気的な悪影響を及ぼすことはない。
ケース4は、図2に示すように、収納部4sを定める箱状の外形を有する。そして、ケース4は、矩形筒状の外壁部4Aと、外壁部4Aの上端(Z1側の端)と連続するように設けられた矩形環状且つ平板状の上面部4Bと、を有する。上面部4Bの中央には、開口が形成されている。外壁部4Aは、第1側板部4A1~第4側板部4A4を含む。第1側板部4A1と第3側板部4A3とは互いに対向し、第2側板部4A2と第4側板部4A4とは互いに対向している。また、第2側板部4A2及び第4側板部4A4は、第1側板部4A1及び第3側板部4A3に対して垂直に延びる。すなわち、第1側板部4A1及び第3側板部4A3は、第2側板部4A2及び第4側板部4A4に対して垂直に延びる。また、ケース4は、図1に示すように、接着剤によってベース部材18に接合されてベース部材18と共に筐体を構成する。
下側部材LBは、図3に示すように、可動側部材MBと、固定側部材RGの一部であるワイヤ8、コイル基板17、及びベース部材18と、を含む。
可動側部材MBは、図4に示すように、レンズ体(図示せず。)を保持可能なレンズ保持部材2と、レンズ体に関する光軸JDに沿ってレンズ保持部材2を移動させる第1駆動機構としての軸方向駆動機構MKと、レンズ保持部材2を光軸JDに沿って移動可能に支持する板ばね6と、レンズ保持部材2を支持する板ばね6が固定される可動支持部材としての磁石保持部材MHと、ワイヤ固定用板ばね11と、を含む。レンズ体は、例えば、少なくとも1枚のレンズを備えた筒状のレンズバレルであり、その中心軸線が光軸JDに沿うように構成されている。
軸方向駆動機構MKは、図4に示すように、レンズ保持部材2に取り付けられる可動コイル3と、可動コイル3と対向するように離間して配置される磁石5と、を含む。軸方向駆動機構MKは、可動コイル3に流れる電流と磁石5が発生する磁界とで駆動力(推力)を発生させ、レンズ保持部材2を光軸JDに沿って上下に移動させることができる。本実施形態では、可動コイル3は、巻線タイプのコイルであり、レンズ保持部材2の周囲に環状に巻かれて形成されるコイル本体部としての巻回部13を含む。図4は、明瞭化のため、巻回部13に関しては、絶縁材料で表面を被覆された導電性の線材の詳細な巻回状態の図示を省略している。巻回部13を図示する他の図においても同様である。
磁石5は、第1磁石5A~第4磁石5Dを含む。本実施形態では、第1磁石5A~第4磁石5Dのそれぞれは、2極に着磁された直方体形状の永久磁石であり、内側(光軸JDに対向する側)がS極に着磁され、外側がN極に着磁されている。図4は、N極に着磁された部分を斜線パターンで示している。第1磁石5A~第4磁石5Dのそれぞれは、可動コイル3と対向するように可動コイル3から離間して配置されている。
磁石保持部材MHは、磁石5を保持できるように構成されている。本実施形態では、磁石保持部材MHは、液晶ポリマー(LCP)等の合成樹脂を射出成形することで形成されている。図4に示すように、磁石保持部材MHは、上面視で矩形環状の枠体であり、枠体を構成する4辺のそれぞれの内側に第1磁石5A~第4磁石5Dが配置されている。具体的には、第1磁石5A~第4磁石5Dは何れも、磁石保持部材MHに接着剤で固定されている。
板ばね6は、磁石保持部材MHに対してレンズ保持部材2を光軸JDに平行な方向に移動可能に支持するように構成されている。本実施形態では、板ばね6は、例えば、銅合金、チタン銅系合金(チタン銅)、又は銅ニッケル合金(ニッケルすず銅)等を主な材料とした金属板から作製されている。板ばね6の板厚は、例えば、20~70μmである。そして、板ばね6は、図4に示すように、磁石保持部材MHのZ1側の第1端面ES1に配置される上側板ばね16と、磁石保持部材MHのZ2側の端面に配置される下側板ばね26とを含む。上側板ばね16は、互いに分離された第1上側板ばね16A及び第2上側板ばね16Bを含む。
上側板ばね16は、図4に示すように、レンズ保持部材2に固定される可動側支持部(第1固定部)としての内側部分16iと、磁石保持部材MHに固定される固定側支持部(第2固定部)としての外側部分16eと、内側部分16iと外側部分16eとの間に位置する弾性腕部16gと、を含む。図4は、第1上側板ばね16Aにおける内側部分16iA、外側部分16eA、及び2つの弾性腕部16gAと、第2上側板ばね16Bにおける内側部分16iB、外側部分16eB、及び2つの弾性腕部16gBと、を示している。
ワイヤ固定用板ばね11は、ワイヤ8と磁石保持部材MHとを繋ぐように設けられる板ばねであり、磁石保持部材MHのZ1側の第2端面ES2に配置されている。第2端面ES2は、光軸方向において第1端面ES1とは異なる位置(高さ)にある端面である。本実施形態では、第2端面ES2は、図4に示すように、第1端面ES1よりも上側(Z1側)に位置している。但し、第2端面ES2は、第1端面ES1よりも下側(Z2側)に位置していてもよい。
ワイヤ固定用板ばね11は、図6に示すように、磁石保持部材MHに固定される第1部分としての内側部分11iと、ワイヤ8に固定される第2部分(ワイヤ固定部分)としての外側部分11eと、内側部分11iと外側部分11eとの間に位置する弾性腕部11gと、を含む。具体的には、ワイヤ固定用板ばね11は、互いに分離された第1ワイヤ固定用板ばね11A及び第2ワイヤ固定用板ばね11Bを含む。そして、第1ワイヤ固定用板ばね11Aは、図6に示すように、1つの内側部分11iAと、2つの外側部分11eAと、4つの弾性腕部11gAと、を含む。同様に、第2ワイヤ固定用板ばね11Bは、1つの内側部分11iBと、2つの外側部分11eBと、4つの弾性腕部11gBと、を含む。
ワイヤ固定用板ばね11の外側部分11eには、図6に示すように、ワイヤ8の上端部が挿通され且つ固定される貫通孔11xが形成されている。具体的には、第1ワイヤ固定用板ばね11Aにおける2つの外側部分11eAのうちの一方には、第1ワイヤ8Aの上端部が挿通され且つ固定される貫通孔11xA1が形成され、2つの外側部分11eAのうちの他方には、第2ワイヤ8Bの上端部が挿通され且つ固定される貫通孔11xA2が形成されている。同様に、第2ワイヤ固定用板ばね11Bにおける2つの外側部分11eBのうちの一方には、第3ワイヤ8Cの上端部が挿通され且つ固定される貫通孔11xB1が形成され、2つの外側部分11eBのうちの他方には、第4ワイヤ8Dの上端部が挿通され且つ固定される貫通孔11xB2が形成されている。本実施形態では、ワイヤ8の上端部とワイヤ固定用板ばね11の外側部分11eとは半田で接合されている。
上側板ばね16がレンズ駆動装置101に組み込まれた際には、内側部分16iは、レンズ保持部材2の上側台座部12d(図4参照。)に載置される。そして、内側部分16iは、レンズ保持部材2の上面(Z1側の面)に固定される。内側部分16iの固定は、上側台座部12dにおける被写体側(Z1側)の端面から上方(Z1方向)に突出した丸形凸状の4つの突起部12tに熱かしめ又は冷間かしめを施すことによって実現される。外側部分16eは、磁石保持部材MHの上面(Z1側の面)に固定される。外側部分16eの固定は、磁石保持部材MHに塗布された接着剤によって実現される。
図4に示すように、第1ワイヤ固定用板ばね11A及び第2ワイヤ固定用板ばね11Bは、同じ形状を有し、且つ、光軸JDに関して2回回転対称となるように配置されている。同様に、第1上側板ばね16A及び第2上側板ばね16Bは、同じ形状を有し、且つ、光軸JDに関して2回回転対称となるように配置されている。そのため、この構成は、レンズ駆動装置101の部品点数を減らすことができる。また、上側板ばね16は、レンズ保持部材2をバランス良く空中で支持できる。また、ワイヤ固定用板ばね11は、4本のワイヤ8(第1ワイヤ8A~第4ワイヤ8D)によって支持される可動側部材MBの重量バランスに悪影響を及ぼすことはない。
下側板ばね26は、図4に示すように、内側形状が略円形状となるように構成されている。そして、下側板ばね26は、レンズ保持部材2に接着剤で固定される可動側支持部としての内側部分26iと、磁石保持部材MHに固定される固定側支持部としての外側部分26eと、内側部分26iと外側部分26eとの間に位置する4つの弾性腕部26gとを含む。外側部分26eの固定は、磁石保持部材MHの下側(Z2側)の端面に設けられた4つの突起部MHt(図4では4つの突起部MHtのうちの1つが見えている。)に熱かしめ又は冷間かしめを施すことによって実現される。
ワイヤ8は、固定側部材RGに対して、光軸JDに非平行な方向に、可動側部材MBを移動可能に支持するように構成されている。本実施形態では、ワイヤ8は、例えば銅合金等の導電性を有し且つ弾性に優れた金属材料で形成されたサスペンションワイヤであり、第1ワイヤ8A~第4ワイヤ8Dを含む。ワイヤ8は、固定側部材RGとしてのベース部材18に対して、光軸JDに垂直な方向に磁石保持部材MHを移動可能に支持する。第1ワイヤ8A~第4ワイヤ8Dのそれぞれは、図3に示すように、下端部(Z2側の端部)が半田又は導電性接着剤等でベース部材18に固定され、且つ、上端部(Z1側の端部)が半田又は導電性接着剤等でワイヤ固定用板ばね11の外側部分11eに固定される。
導電性接着剤は、例えば、合成樹脂中に銀粒子等の導電性フィラーが分散された接着剤である。導電性接着剤は、熱硬化型であってもよく、紫外線硬化型であってもよく、湿気硬化型であってもよい。
ベース部材18は、第1ワイヤ8A~第4ワイヤ8Dのそれぞれの下端部を支持するワイヤ支持部材である。
この構成により、可動側部材MBは、第1ワイヤ8A~第4ワイヤ8Dによって、光軸JDに垂直な方向であるX軸方向とY軸方向のそれぞれに移動可能に支持されている。
コイル基板17は、多層基板であり、第2駆動機構としての径方向駆動機構RKを構成する固定コイル9を含む。本実施形態では、固定コイル9は、フィルムタイプのコイルであり、図3に示すように、第1固定コイル9A~第4固定コイル9Dを含む。固定コイル9は、巻線タイプであってもよく、積層タイプであってもよい。
径方向駆動機構RKは、光軸JDに垂直なX軸方向に沿って磁石保持部材MHを移動させる第1径方向駆動機構、及び、光軸JD及びX軸のそれぞれに垂直なY軸方向に沿って磁石保持部材MHを移動させる第2径方向駆動機構を含む。
第1径方向駆動機構は、コイル基板17に設けられた第1固定コイル9A及び第3固定コイル9Cと、Z軸方向において第1固定コイル9Aと対向するように離間して配置される第1磁石5Aと、Z軸方向において第3固定コイル9Cと対向するように離間して配置される第3磁石5Cと、を含む。
第2径方向駆動機構は、コイル基板17に設けられた第2固定コイル9B及び第4固定コイル9Dと、Z軸方向において第2固定コイル9Bと対向するように離間して配置される第2磁石5Bと、Z軸方向において第4固定コイル9Dと対向するように離間して配置される第4磁石5Dと、を含む。
略直方体形状を有するレンズ駆動装置101は、例えば、撮像素子(図示せず。)を実装したメイン基板(図示せず。)の上に取り付けられる。カメラモジュールは、例えば、メイン基板と、レンズ駆動装置101と、レンズ保持部材2に装着されたレンズ体と、レンズ体に対向するようにメイン基板に実装された撮像素子とで構成される。可動コイル3は、図6に示すように、上側板ばね16、ワイヤ固定用板ばね11、ワイヤ8、ベース部材18、及びメイン基板を介して電流供給源としての制御装置(制御回路)に接続される。固定コイル9は、コイル基板17、ベース部材18、及びメイン基板を介して電流供給源としての制御装置に接続される。そのため、上側板ばね16、ワイヤ固定用板ばね11、及びワイヤ8は、導電性材料で形成されている。可動コイル3に電流が流れると、軸方向駆動機構MKは、光軸JDに平行な方向に沿った電磁力を発生させる。同様に、固定コイル9に電流が流れると、径方向駆動機構RKは、光軸JDに垂直な方向に沿った電磁力を発生させる。
レンズ駆動装置101は、軸方向駆動機構MKによる光軸JDに平行な方向に沿った電磁力を利用し、撮像素子のZ1側(被写体側)において、光軸JDに平行な方向に沿ってレンズ保持部材2を移動させることでレンズ調整機能の1つである自動焦点調整機能を実現する。具体的には、レンズ駆動装置101は、撮像素子から離れる方向にレンズ保持部材2を移動させてマクロ撮影を可能にし、撮像素子に近づく方向にレンズ保持部材2を移動させて無限遠撮影を可能にしている。
レンズ駆動装置101は、径方向駆動機構RKによる光軸JDに垂直な方向に沿った電磁力を利用し、撮像素子のZ1側(被写体側)において、光軸JDに垂直な方向に沿ってレンズ保持部材2を移動させることでレンズ調整機能の別の1つであるシフト機能(手振れ補正機能)を実現する。
次に、レンズ保持部材2の詳細について説明する。レンズ保持部材2は、液晶ポリマー(LCP)等の合成樹脂を射出成形することで形成されている。具体的には、レンズ保持部材2は、図4に示すように、光軸JDに沿って延びるように形成された筒状部12と、筒状部12の外周面から径方向外側に突出するフランジ部(鍔状部)52とを含む。本実施形態では、筒状部12の内周面には接着剤でレンズ体が固定される。そのため、筒状部12の内周面には、ねじ溝が形成されていない。但し、筒状部12の内周面には、レンズ体が螺着されるように、ねじ溝が設けられていてもよい。また、筒状部12には、被写体側の端面に上側台座部12dが設けられ、且つ、撮像素子側の端面に下側台座部12bが設けられている。上側台座部12dには、上側板ばね16の内側部分16iが載置される。具体的には、上側台座部12dのX1側の部分及びY2側の部分には第1上側板ばね16Aの内側部分16iAが載置され且つ固定され、上側台座部12dのX2側の部分及びY1側の部分には第2上側板ばね16Bの内側部分16iBが載置され且つ固定される。下側台座部12bには、下側板ばね26の内側部分26iが載置される。本実施形態では、下側板ばね26の内側部分26iは、接着剤で下側台座部12bに固定される。また、筒状部12の外周面には可動コイル3を支持するコイル支持部12jが設けられている。
レンズ保持部材2は、図4に示すように、被写体側(Z1側)の端面から上方(Z1方向)に突出した角形凸状の突出部72を更に含む。突出部72は、第1突出部72A~第4突出部72Dを含む。
突出部72は、レンズ保持部材2の上方への過度の移動を制限するため、レンズ保持部材2が所定距離だけ上方に移動したときにケース4の上面部4Bの裏面(Z2側の面)と接触するように構成されている。すなわち、突出部72は、メカニカルストッパとして機能する。
4つの突出部72のうちの2つは、可動コイル3を構成する線材33の両端が巻き付けられて保持されるように構成されている。本実施形態では、第1突出部72Aには、線材33の巻き始め側の端部33Aが巻き付けられ、第2突出部72Bには、線材33の巻き終わり側の端部33Bが巻き付けられる。
第1突出部72Aに巻き付けられた巻き始め側の端部33Aは、図6に示すように、半田又は導電性接着剤等によって、第2上側板ばね16Bの内側部分16iBに形成された接続板部16hBに通電可能に接続される。また、第2突出部72Bに巻き付けられた巻き終わり側の端部33Bは、図6に示すように、半田又は導電性接着剤等によって、第1上側板ばね16Aの内側部分16iAに形成された接続板部16hAに通電可能に接続される。
図3に示すように、レンズ保持部材2と磁石保持部材MHとが板ばね6で接続された状態では、板ばね6は、磁石保持部材MHに対してレンズ保持部材2が光軸JDに沿って移動可能となるように、レンズ保持部材2を空中で支持している。
上側板ばね16は、可動コイル3に電流を供給できるようにするための給電部材としても機能する。具体的には、図6に示すように、第1上側板ばね16Aの内側部分16iAにおける接続板部16hAは、半田を介して線材33の巻き終わり側の端部33Bに通電可能に接続されている。また、第1上側板ばね16Aの外側部分16eAにおける下側接合部16sAは、導電性接着剤を介して、第1ワイヤ固定用板ばね11Aの内側部分11iAにおける上側接合部11sAに通電可能に接続されている。そして、第1ワイヤ固定用板ばね11Aは、第1ワイヤ8A及び第2ワイヤ8Bとベース部材18とを介して電流供給源に通電可能に接続されている。同様に、第2上側板ばね16Bの内側部分16iBにおける接続板部16hBは、半田を介して線材33の巻き始め側の端部33Aに通電可能に接続されている。また、第2上側板ばね16Bの外側部分16eBにおける下側接合部16sBは、導電性接着剤を介して、第2ワイヤ固定用板ばね11Bの内側部分11iBにおける上側接合部11sBに通電可能に接続されている。そして、第2ワイヤ固定用板ばね11Bは、第3ワイヤ8C及び第4ワイヤ8Dとベース部材18とを介して電流供給源に通電可能に接続されている。なお、下側板ばね26は、電流が流れないため、非導電性材料で形成されていてもよい。また、線材33と接続板部16hとは導電性接着剤で接合されてもよく、上側接合部11sと下側接合部16sとは半田で接合されてもよい。
ベース部材18は、液晶ポリマー等の合成樹脂を用いた射出成形によって形成される。本実施形態では、ベース部材18は、図5に示すように、上面視で矩形状の輪郭を有し、中央に開口18kを有する。ベース部材18の被写体側の面(Z1側の面)である上面には、接着剤によりコイル基板17が固定される。本実施形態では、ベース部材18の上面には、センサ10を収容する凹部19が形成されている。センサ10は、第1センサ10A及び第2センサ10Bを含み、凹部19は、第1凹部19A及び第2凹部19Bを含む。センサ10は、コイル基板17の下側(Z2側)に取り付けられた状態で凹部19内に収容される。具体的には、第1センサ10Aは第1凹部19A内に収容され、第2センサ10Bは第2凹部19B内に収容される。
センサ10は、可動側部材MBの位置を検出するように構成されている。本実施形態では、センサ10は、巨大磁気抵抗効果(Giant Magneto Resistive effect: GMR)素子で構成され、センサ10が受ける磁石5からの磁界の大きさの変化に応じて変化する抵抗値を測定し、磁石5を含む可動側部材MBの位置を検出するように構成されている。但し、センサ10は、半導体磁気抵抗(Semiconductor Magneto Resistive: SMR)素子、異方性磁気抵抗(Anisotropic Magneto Resistive: AMR)素子、又はトンネル磁気抵抗(Tunnel Magneto Resistive: TMR)素子等の他の磁気抵抗素子を利用して可動側部材MBの位置を検出するように構成されていてもよく、ホール素子を利用して可動側部材MBの位置を検出するように構成されていてもよい。
コイル基板17は、図5に示すように、ベース部材18に取り付けられる多層基板であり、固定コイル9及びセンサ10のそれぞれと外部との通電を可能にしている。具体的には、コイル基板17には、固定コイル9以外にも、センサ10を実装するための半田ランド及び配線パターン等(以下、「配線パターン等」とする。)の不図示の構成が含まれている。
ベース部材18には、図7に示すような、銅、鉄、又はそれらを主成分とする合金等の材料を含む金属板から形成された端子部材7がインサート成形によって埋め込まれている。図7(A)は、ベース部材18に埋め込まれている端子部材7の斜視図であり、図7(B)は、端子部材7の上面図である。本実施形態では、端子部材7は、ベース部材18の側面(Y1側又はY2側の面)に露出する第1端子T1~第15端子T15と、ベース部材18の上面(Z1側の面)に露出する第1導電部P1~第16導電部P16と、ベース部材18の側面(Y1側の面)に露出する第17導電部P17と、を提供するように構成されている。
第1端子T1は、第1導電部P1に接続されている。第1導電部P1は、導電部P1A及び導電部P1Bを含む。導電部P1Aには、第1ワイヤ8Aの下端部が半田によって固定され、導電部P1Bには、第2ワイヤ8Bの下端部が半田によって固定される。
第2端子T2は、第2導電部P2に接続されている。第2導電部P2は、配線パターン等を介して第1固定コイル9Aの一端に接続されている。
第3端子T3は、第3導電部P3に接続されている。第3導電部P3は、配線パターン等を介して第2固定コイル9Bの一端に接続されている。
第4端子T4は、第4導電部P4に接続されている。第4導電部P4は、配線パターン等を介して第2センサ10Bにおける4つの端子のうちの第1端子に接続されている。
第5端子T5は、第5導電部P5に接続されている。第5導電部P5は、配線パターン等を介して第2センサ10Bにおける4つの端子のうちの第2端子に接続されている。
第6端子T6は、第6導電部P6に接続されている。第6導電部P6は、配線パターン等を介して第2センサ10Bにおける4つの端子のうちの第3端子に接続されている。
第7端子T7は、第7導電部P7に接続されている。第7導電部P7は、配線パターン等を介して第2センサ10Bにおける4つの端子のうちの第4端子に接続されている。
第8端子T8は、第8導電部P8に接続されている。第8導電部P8は、導電部P8C及び導電部P8Dを含む。導電部P8Cには、第3ワイヤ8Cの下端部が半田によって固定され、導電部P8Dには、第4ワイヤ8Dの下端部が半田によって固定される。
第9端子T9は、第9導電部P9に接続されている。第9導電部P9は、配線パターン等を介して第1センサ10Aにおける4つの端子のうちの第1端子に接続されている。
第10端子T10は、第10導電部P10に接続されている。第10導電部P10は、配線パターン等を介して第1センサ10Aにおける4つの端子のうちの第2端子に接続されている。
第11端子T11は、第11導電部P11に接続されている。第11導電部P11は、配線パターン等を介して第1センサ10Aにおける4つの端子のうちの第3端子に接続されている。
第12端子T12は、第12導電部P12に接続されている。第12導電部P12は、配線パターン等を介して第1センサ10Aにおける4つの端子のうちの第4端子に接続されている。
第13端子T13は、第13導電部P13に接続されている。第13導電部P13は、配線パターン等を介して第4固定コイル9Dの一端に接続されている。
第14端子T14は、第14導電部P14に接続されている。第14導電部P14は、配線パターン等を介して第3固定コイル9Cの一端に接続されている。
第15導電部P15は、第1固定コイル9Aと第3固定コイル9Cとを直列接続するための導電部であり、導電部P15A及び導電部P15Cを含む。導電部P15Aには、配線パターン等を介して第1固定コイル9Aの他端が接続され、導電部P15Cには、配線パターン等を介して第3固定コイル9Cの他端が接続される。
第16導電部P16は、第2固定コイル9Bと第4固定コイル9Dとを直列接続するための導電部であり、導電部P16B及び導電部P16Dを含む。導電部P16Bには、配線パターン等を介して第2固定コイル9Bの他端が接続され、導電部P16Dには、配線パターン等を介して第4固定コイル9Dの他端が接続される。
第15端子T15は、第17導電部P17に接続されている。第17導電部P17は、ケース4を接地させるための導電部であり、導電性接着剤によって、ケース4の外壁部4Aのうちの第4側板部4A4に接続される。
上述の構成により、軸方向駆動機構MKに関する電流は、例えば、図6及び図7に示すように、端子部材7の第1端子T1から、第1ワイヤ8A(第2ワイヤ8B)、第1ワイヤ固定用板ばね11Aの外側部分11eA、弾性腕部11gA、内側部分11iA、上側接合部11sA、第1上側板ばね16Aの下側接合部16sA、外側部分16eA、弾性腕部16gA、内側部分16iA、接続板部16hA、可動コイル3の巻き終わり側の端部33B、巻回部13、巻き始め側の端部33A、第2上側板ばね16Bの接続板部16hB、内側部分16iB、弾性腕部16gB、外側部分16eB、下側接合部16sB、第2ワイヤ固定用板ばね11Bの上側接合部11sB、内側部分11iB、弾性腕部11gB、外側部分11eB、及び、第3ワイヤ8C(第4ワイヤ8D)を経て、端子部材7の第8端子T8に流れ、或いはその逆方向に流れる。
第1径方向駆動機構に関する電流は、例えば、端子部材7の第2端子T2から、第2導電部P2、第1固定コイル9A、第15導電部P15(導電部P15A及び導電部P15C)、第3固定コイル9C、及び第14導電部P14を経て、第14端子T14に流れ、或いはその逆方向に流れる。また、第2径方向駆動機構に関する電流は、例えば、端子部材7の第3端子T3から、第3導電部P3、第2固定コイル9B、第16導電部P16(導電部P16B及び導電部P16D)、第4固定コイル9D、及び第13導電部P13を経て、第13端子T13に流れ、或いはその逆方向に流れる。なお、導電部と固定コイルとの間は、コイル基板17に形成されている不図示の半田ランド及び配線パターン等によって接続される。
次に、図8及び図9を参照し、ワイヤ固定用板ばね11と上側板ばね16との関係について説明する。図8(A)~図8(E)は、可動側部材MBの構成要素の上面図である。図9(A)は、ワイヤ固定用板ばね11及び上側板ばね16の上面図である。図9(B)は、レンズ保持部材2、ワイヤ固定用板ばね11、及び上側板ばね16の断面図である。具体的には、図9(B)は、図8(D)に示す一点鎖線L1を含むXY平面に垂直な仮想平面における断面を示している。
レンズ保持部材2は、図8(A)に示すように、可動コイル3が巻き付けられた状態で、磁石保持部材MHの内側に、磁石保持部材MHと接触しないように配置される。図8(A)は、明瞭化のためにドットパターンが付された状態で、レンズ保持部材2及び磁石保持部材MHを示している。
上側板ばね16は、図8(B)に示すように、レンズ保持部材2及び磁石保持部材MHのそれぞれの上面に配置される。図8(B)は、明瞭化のためにドットパターンが付された状態で、上側板ばね16を示している。具体的には、図8(A)及び図8(B)に示すように、上側板ばね16の内側部分16iは、レンズ保持部材2の上側台座部12dに載置され、上側板ばね16の外側部分16eは、磁石保持部材MHの第1端面ES1に載置される。
上側板ばね16を構成している第1上側板ばね16A及び第2上側板ばね16Bは、典型的には、図9(A)における一点鎖線で表される枠体FR1で連結された状態でレンズ保持部材2及び磁石保持部材MHに組み付けられる。
上側台座部12dから上方に突出する4つの突起部12tは、図8(B)に示すように、内側部分16iに形成された貫通孔H1(図9(A)参照。)に挿通され、且つ、かしめられる。その結果、上側板ばね16の内側部分16iは、レンズ保持部材2に固定される。そして、上側板ばね16の接続板部16hと突出部72に巻き付けられた線材33とは、図8(C)に示すように、半田SDによって接合される。図8(C)は、明瞭化のためにドットパターンが付された状態で、半田SDを示している。
第1端面ES1から上方に突出する4つの突起部20tは、図8(B)に示すように、外側部分16eに形成された貫通孔H2(図9(A)参照。)に挿通される。そして、貫通孔H2に挿通された突起部20tの先端部には、図8(C)に示すように、接着剤GL1が塗布される。図8(C)は、明瞭化のためにドットパターンが付された状態で、接着剤GL1を示している。その結果、上側板ばね16の外側部分16eは、磁石保持部材MHに固定される。
ワイヤ固定用板ばね11は、図8(D)に示すように、磁石保持部材MHの上面に配置される。図8(D)は、明瞭化のためにドットパターンが付された状態で、ワイヤ固定用板ばね11を示している。具体的には、図8(A)及び図8(D)に示すように、ワイヤ固定用板ばね11の内側部分11iは、磁石保持部材MHの第2端面ES2に載置される。
ワイヤ固定用板ばね11を構成している第1ワイヤ固定用板ばね11A及び第2ワイヤ固定用板ばね11Bは、典型的には、図9(A)における二点鎖線で表される枠体FR2で連結された状態で磁石保持部材MHに組み付けられる。
第2端面ES2から上方に突出する8つの突起部21tは、図8(D)に示すように、内側部分11iに形成された貫通孔H3(図9(A)参照。)に挿通される。そして、貫通孔H3に挿通された突起部21tの先端部には、図8(E)に示すように、接着剤GL2が塗布される。図8(E)は、明瞭化のためにドットパターンが付された状態で、接着剤GL2を示している。その結果、ワイヤ固定用板ばね11の内側部分11iは、磁石保持部材MHに固定される。
このようにして、上側板ばね16は、レンズ保持部材2及び磁石保持部材MHのそれぞれに固定され、ワイヤ固定用板ばね11は、磁石保持部材MHに固定される。具体的には、上側板ばね16とワイヤ固定用板ばね11とは、光軸方向において互いに離間した状態で上下に重なる部分を有するように固定される。図9(A)は、上側板ばね16の外側部分16eの一部とワイヤ固定用板ばね11の内側部分11iの一部とが、光軸方向において互いに離間した状態で上下に重なっていることを示している。具体的には、図9(A)における破線は、光軸方向において、ワイヤ固定用板ばね11の内側部分11iの下方に位置する、上側板ばね16の外側部分16eの一部を表している。
また、上側板ばね16とワイヤ固定用板ばね11とは、望ましくは、光軸方向における内側部分11iと外側部分16eとの間の距離(段差)がそれぞれの板厚よりも大きくなるように構成される。図9(B)は、内側部分11iと外側部分16eとの間の距離HTが、ワイヤ固定用板ばね11の板厚よりも大きく、且つ、上側板ばね16の板厚よりも大きいことを示している。
ワイヤ固定用板ばね11と上側板ばね16とは、望ましくは、同じ材料で形成され、且つ、ワイヤ固定用板ばね11の板厚と上側板ばね16の板厚とが同じになるように形成される。すなわち、ワイヤ固定用板ばね11と上側板ばね16とは、望ましくは、同じ1枚の金属板から形成される。
上側板ばね16の外側部分16eには、図8(B)に示すように、下側接合部16sが形成されている。ワイヤ固定用板ばね11の内側部分11iには、図8(D)に示すように、上側接合部11sが形成されている。本実施形態では、上側接合部11s及び下側接合部16sのそれぞれは、ほぼ同じ形状を有する。
上側接合部11s及び下側接合部16sは、互いに接合されるように構成されている。本実施形態では、上側接合部11s及び下側接合部16sのそれぞれは、外方に突出する2つの凸部に挟まれた1つの凹部を有するように構成されている。そして、各凹部は、磁石保持部材MHに形成されたガイド部22gとかみ合うように構成されている。
ガイド部22gは、図8(D)に示す破線で囲まれた範囲R1の拡大図である図10(A)に示すように、磁石保持部材MHの第1端面ES1からZ1方向に延びるように形成されている。図10(A)は、明瞭化のためにドットパターンが付された状態で、第1ワイヤ固定用板ばね11Aの内側部分11iAと、第1上側板ばね16Aの外側部分16eAと、を示している。本実施形態では、ガイド部22gは、内側部分11iよりも高い位置まで延びるように形成されている。
そして、ガイド部22gの先端部には、図8(E)に示すように、導電性接着剤CA1が塗布される。その結果、ワイヤ固定用板ばね11の内側部分11iは、磁石保持部材MHに固定され、且つ、上側板ばね16の外側部分16eに通電可能に接続される。
具体的には、導電性接着剤CA1は、図8(E)に示す破線で囲まれた範囲R2の拡大図である図10(B)に示すように、ガイド部22gに誘導され、下側接合部16sの下面及び上面、並びに、上側接合部11sの下面及び上面のそれぞれに付着するように拡がる。図10(B)は、明瞭化のためにドットパターンが付された状態で、第1ワイヤ固定用板ばね11Aの内側部分11iAと、第1上側板ばね16Aの外側部分16eAと、を示している。
このように、ワイヤ固定用板ばね11の内側部分11i、及び、上側板ばね16の外側部分16eは、磁石保持部材MHに固定された状態で、導電性接着剤CA1によって互いに通電可能に接続されている。
但し、内側部分11iと外側部分16eとは、導電性の線材等、導電性接着剤CA1以外の手段によって互いに通電可能となるように接続されていてもよい。
次に、図11を参照し、ワイヤ固定用板ばね11及び上側板ばね16の別の構成例について説明する。図11(A)は、ワイヤ固定用板ばね11及び上側板ばね16の上面図である。図11(B)は、ワイヤ固定用板ばね11及び上側板ばね16の斜視図である。図11(C)は、図11(B)に示す破線で囲まれた範囲R3の拡大図である。
図11(A)~図11(C)に示すワイヤ固定用板ばね11及び上側板ばね16は、一体的に形成されている点で、図9(A)に示すワイヤ固定用板ばね11及び上側板ばね16と異なり、その他の点で共通している。図9(A)に示すワイヤ固定用板ばね11及び上側板ばね16は、別々の部材として形成され且つ導電性接着剤CA1で接合されている。
具体的には、図11に示すワイヤ固定用板ばね11と上側板ばね16とは、同じ1つの金属板から一体的に形成され、連結部CNを介して互いに連結されている。図11の例では、連結部CNは、金属板を折り曲げて形成された部分である。
より具体的には、第1ワイヤ固定用板ばね11Aの内側部分11iAは、第1連結部CNAによって、第1上側板ばね16Aの外側部分16eAに連結され、第2ワイヤ固定用板ばね11Bの内側部分11iBは、第2連結部CNBによって、第2上側板ばね16Bの外側部分16eBに連結されている。
この構成により、図11に示すワイヤ固定用板ばね11及び上側板ばね16の組み合わせは、図9に示す、導電性接着剤CA1で接合されたワイヤ固定用板ばね11及び上側板ばね16の組み合わせと同様に機能し、同様の作用効果を実現できる。
次に、図12及び図13を参照し、可動側部材MBの別の構成例である可動側部材MB1について説明する。図12は、可動側部材MB1の分解斜視図であり、図4に対応している。図13は、可動側部材MB1の構成要素の上面図であり、図8に対応している。
可動側部材MB1は、主に、可動支持部材としてのスペーサ部材SPを含む点、及び、光軸方向におけるレンズ保持部材2の移動量がレンズ保持部材2と磁石保持部材MHとの接触によって制限される点で可動側部材MBと異なるが、その他の点で可動側部材MBと共通している。そのため、共通部分の説明を省略し、相違部分を詳説する。なお、可動側部材MBでは、光軸方向におけるレンズ保持部材2の移動量は、レンズ保持部材2とケース4又はコイル基板17との接触によって制限されている。
スペーサ部材SPは、図12に示すように、ワイヤ固定用板ばね11と上側板ばね16との間に配置されるように構成されている。光軸方向において、ワイヤ固定用板ばね11と上側板ばね16とが、互いに離間して配置されるようにするためである。
レンズ保持部材2は、図13(A)及び図13(B)に示すように、可動コイル3が巻き付けられた状態で、磁石保持部材MHの内側に、磁石保持部材MHと接触可能なように配置される。図13(B)は、明瞭化のためにドットパターンが付された状態で、レンズ保持部材2を示している。
具体的には、磁石保持部材MHは、4つの隅部のそれぞれにおいて、内方及び上方に開く凹部23d(図15(A)も参照。)を有し、レンズ保持部材2は、4つの角部のそれぞれから外方に突出する4つの突出部2pを有する。磁石保持部材MHにおける4つの凹部23dは、板ばね6によってレンズ保持部材2が空中で支持された状態では、レンズ保持部材2における4つの突出部2pと非接触で対向するように構成されている。
上側板ばね16は、図13(C)に示すように、レンズ保持部材2及び磁石保持部材MHのそれぞれの上面に配置される。図13(C)は、明瞭化のためにドットパターンが付された状態で、上側板ばね16を示している。具体的には、図13(B)及び図13(C)に示すように、上側板ばね16の内側部分16iは、レンズ保持部材2の上側台座部12dに載置され、上側板ばね16の外側部分16eは、磁石保持部材MHの端面ES3に載置される。
上側台座部12dから上方に突出する4つの突起部12tは、図13(C)に示すように、内側部分16iに形成された貫通孔H1(図14参照。)に挿通され、且つ、かしめられる。その結果、上側板ばね16の内側部分16iは、レンズ保持部材2に固定される。そして、上側板ばね16の接続板部16hと突出部72に巻き付けられた線材33とは、図13(D)に示すように、半田SDによって接合される。図13(D)は、明瞭化のためにドットパターンが付された状態で、半田SDを示している。
端面ES3から上方に突出する8つの突起部25tは、図13(C)に示すように、外側部分16eに形成された貫通孔H2(図14参照。)に挿通される。
スペーサ部材SPは、図13(D)に示すように、スペーサ部材SPと磁石保持部材MHとの間に上側板ばね16の外側部分16eを挟んだ状態で、磁石保持部材MHの上面に配置される。図13(D)は、明瞭化のためにドットパターンが付された状態で、スペーサ部材SPを示している。
端面ES3から上方に突出する8つの突起部25tは、図13(D)に示すように、スペーサ部材SPに形成された貫通孔H4(図12参照。)に挿通される。
ワイヤ固定用板ばね11は、図13(E)に示すように、スペーサ部材SPの上面に配置される。図13(E)は、明瞭化のためにドットパターンが付された状態で、ワイヤ固定用板ばね11を示している。具体的には、図13(D)及び図13(E)に示すように、ワイヤ固定用板ばね11の内側部分11iは、スペーサ部材SPの端面ES4に載置される。
磁石保持部材MHの端面ES3から上方に突出する8つの突起部25tは、図13(E)に示すように、内側部分11iに形成された貫通孔H3(図14参照。)から露出する。ワイヤ固定用板ばね11及び上側板ばね16は、上面視で、貫通孔H2と貫通孔H3とが同じ位置となるように配置される。そして、貫通孔H3から露出する突起部25tの先端部には、図13(F)に示すように、接着剤GL3が塗布される。図13(F)は、明瞭化のためにドットパターンが付された状態で、接着剤GL3を示している。その結果、上側板ばね16の外側部分16e、スペーサ部材SP、及びワイヤ固定用板ばね11の内側部分11iは、一体的に磁石保持部材MHに固定される。なお、ワイヤ固定用板ばね11の内側部分11iは、スペーサ部材SPの上面から上方へ突出する突出部SPtによって位置決めされた状態でスペーサ部材SPに固定されている。
このようにして、上側板ばね16は、レンズ保持部材2及び磁石保持部材MHのそれぞれに固定され、ワイヤ固定用板ばね11は、スペーサ部材SPを介して、磁石保持部材MHに固定される。具体的には、上側板ばね16とワイヤ固定用板ばね11とは、光軸方向において互いに離間した状態で上下に重なる部分を有するように固定される。図14は、上側板ばね16の外側部分16eの一部とワイヤ固定用板ばね11の内側部分11iの一部とが、光軸方向において互いに離間した状態で上下に重なっていることを示している。具体的には、図14における破線は、光軸方向において、ワイヤ固定用板ばね11の内側部分11iの下方に位置する、上側板ばね16の外側部分16eの一部を表している。
また、上側板ばね16とワイヤ固定用板ばね11とは、望ましくは、光軸方向における内側部分11iと外側部分16eとの間の距離(段差)がそれぞれの板厚よりも大きくなるように構成される。
図15は、可動側部材MB1の断面図を示す。具体的には、図15(A)は、図13(F)に示す一点鎖線L2を含む、XY平面に垂直な仮想平面における断面を示し、図15(B)は、図13(F)に示す一点鎖線L3を含む、XY平面に垂直な仮想平面における断面を示す。
図15(A)及び図15(B)は、内側部分11iと外側部分16eとの間の距離HTが、ワイヤ固定用板ばね11の板厚よりも大きく、且つ、上側板ばね16の板厚よりも大きいことを示している。
ワイヤ固定用板ばね11と上側板ばね16とは、望ましくは、同じ材料で形成され、且つ、ワイヤ固定用板ばね11の板厚と上側板ばね16の板厚とが同じになるように形成される。すなわち、ワイヤ固定用板ばね11と上側板ばね16とは、望ましくは、同じ1枚の金属板から形成される。
スペーサ部材SPには、図13(D)に示すように、貫通孔H5が形成されている。そして、ワイヤ固定用板ばね11の内側部分11iには、図13(E)に示すように、貫通孔H6が形成されている。スペーサ部材SP及びワイヤ固定用板ばね11は、上面視で、貫通孔H5と貫通孔H6とが同じ位置となるように配置される。そして、貫通孔H5及び貫通孔H6には、図13(F)に示すように、導電性接着剤CA2が塗布される。図13(F)は、明瞭化のためにドットパターンが付された状態で、導電性接着剤CA2を示している。その結果、ワイヤ固定用板ばね11の内側部分11iと上側板ばね16の外側部分16eとは、通電可能に接続される。
具体的には、導電性接着剤CA2は、図15(A)及び図15(B)に示すように、ワイヤ固定用板ばね11の内側部分11iの上面及び下面、スペーサ部材SPの貫通孔H5の内周面、並びに、上側板ばね16の外側部分16eの上面のそれぞれに付着するように拡がる。
このように、ワイヤ固定用板ばね11の内側部分11i、及び、上側板ばね16の外側部分16eは、接着剤GL3によってスペーサ部材SP及び磁石保持部材MHに固定された状態で、導電性接着剤CA2によって互いに通電可能に接続されている。
但し、内側部分11iと外側部分16eとは、導電性の線材等、導電性接着剤CA2以外の手段によって互いに通電可能となるように接続されていてもよい。また、接着剤GL3は、導電性接着剤であってもよい。この場合、導電性接着剤CA2は省略されてもよい。
レンズ保持部材2の突出部2pと磁石保持部材MHの凹部23dとは、光軸方向におけるレンズ保持部材2の過度の移動を制限するように構成されている。すなわち、レンズ保持部材2の突出部2pと磁石保持部材MHの凹部23dとはメカニカルストッパとして機能するように構成されている。
具体的には、レンズ保持部材2における突出部2pは、図15(A)及び図15(B)に示すように、上方に突出する接触部2cを有する。そして、接触部2cは、レンズ保持部材2が所定距離だけ上方に移動したときに、上側板ばね16の外側部分16eの下面USFに接触するように構成されている。
また、磁石保持部材MHの凹部23dは、図15(A)及び図15(B)に示すように、上方に突出する接触部24cを有する。そして、接触部24cは、レンズ保持部材2が所定距離だけ下方に移動したときに、突出部2pの下面LSFに接触するように構成されている。
上述のように、レンズ駆動装置101は、固定側部材RGとしてのベース部材18と、レンズ体を保持可能なレンズ保持部材2と、レンズ保持部材2の外側に配置される可動支持部材としての磁石保持部材MHと、レンズ保持部材2と磁石保持部材MHとを繋ぐように設けられレンズ保持部材2を光軸方向に移動可能に支持する上側板ばね16及び下側板ばね26と、光軸方向に延在して磁石保持部材MHを光軸方向と交差する方向に移動可能に支持するとともに、下端部がワイヤ支持部材としてのベース部材18に固定されたサスペンションワイヤとしてのワイヤ8と、レンズ保持部材2を光軸方向へ移動させる第1駆動機構としての軸方向駆動機構MKと、磁石保持部材MHを光軸方向と交差する方向へ移動させる第2駆動機構としての径方向駆動機構RKと、ワイヤ固定用板ばね11と、を有する。
ワイヤ固定用板ばね11は、磁石保持部材MHに固定される第1部分としての内側部分11iと、ワイヤ8の上端部が固定される第2部分としての外側部分11eと、を有する。上側板ばね16は、レンズ保持部材2に固定される内側部分16iと、磁石保持部材MHに固定される外側部分16eと、内側部分16iと外側部分16eとの間に設けられた弾性腕部16gと、を有する。そして、ワイヤ固定用板ばね11の内側部分11iと、上側板ばね16の外側部分16eとは、光軸方向における位置である高さが異なるように、それぞれ磁石保持部材MHに固定されている。
この構成は、例えば、ワイヤ8と磁石保持部材MHとレンズ保持部材2との連結に関する構造の設計自由度を高めることができる。具体的には、この構成は、例えば、光軸方向におけるレンズ保持部材2の移動量とワイヤ8の有効長とを個別に設定できるようにする。
すなわち、この構成は、ワイヤ固定用板ばね11と上側板ばね16とを二段構成とすることにより、ワイヤ8とワイヤ固定用板ばね11との間の接続部分の高さ、及び、レンズ保持部材2と上側板ばね16との間の接続部分の高さを別々に設定できる。そのため、レンズ駆動装置101の設計者は、ワイヤ8の長さと、光軸方向におけるレンズ保持部材2の移動量とを別々に調整できるようになる。また、設計者は、ワイヤ固定用板ばね11と上側板ばね16とが上下で重なるような立体配置も採用でき、レイアウトの幅を広げることができる。
その結果、設計者は、光軸方向におけるレンズ保持部材2の移動量を変更しようとして、上側板ばね16と磁石保持部材MHとの間の接続部分の高さを低くすると、ワイヤ8の有効長が短くなってしまう(ワイヤ8の十分な撓み量を確保できなくなってしまう)といったトレードオフの関係を解消できる。
上述の実施形態は、一段目の高い位置にあるワイヤ固定用板ばね11をワイヤ8に接続させ、二段目の低い位置にある上側板ばね16をレンズ保持部材2に接続させる基本レイアウトを採用している。そのため、設計者は、例えば、ワイヤ固定用板ばね11の設置面である第2端面ES2(図8(A)参照。)の高さを調整することで、レンズ保持部材2の移動量を変えることなくワイヤ8の長さを変えることができる。また、設計者は、例えば、上側板ばね16の設置面である第1端面ES1(図8(A)参照。)の高さを調整することで、ワイヤ8の長さを変えることなくレンズ保持部材2の移動量を変えることができる。
ワイヤ固定用板ばね11の内側部分11iは、望ましくは、上側板ばね16の外側部分16eよりも、固定側部材RGの一部を構成するワイヤ支持部材としてのベース部材18から離れた位置である光軸方向における高い位置で磁石保持部材MHに固定される。この構成は、例えば、光軸方向におけるレンズ保持部材2の移動がケース4等の固定側部材RGによって制限される場合において、光軸方向におけるレンズ保持部材2の移動量を大きくできるとともに、ワイヤ8の有効長を長くできる。
上側板ばね16とワイヤ固定用板ばね11とは、望ましくは、互いに離間した状態で光軸方向において上下に重なる部分を有するように構成されている。この構成は、レンズ駆動装置101の筐体内における上側板ばね16及びワイヤ固定用板ばね11のレイアウトの自由度を高めることができる。また、この構成は、例えば、図9(A)に示すような枠体FR1等で連結された状態で上側板ばね16がレンズ保持部材2及び磁石保持部材MHのそれぞれに固定されるのを可能にし、且つ、図9(A)に示すような枠体FR2等で連結された状態でワイヤ固定用板ばね11が磁石保持部材MHに固定されるのを可能にする。そのため、この構成は、ワイヤ固定用板ばね11及び上側板ばね16の取り扱いを容易にできる。
光軸方向における、ワイヤ固定用板ばね11の内側部分11iと上側板ばね16の外側部分16eとの高低差(段差)は、望ましくは、ワイヤ固定用板ばね11の板厚及び上側板ばね16の板厚の何れよりも大きくなるように構成されている。この構成は、ワイヤ固定用板ばね11と上側板ばね16との干渉を抑制或いは防止できる。
ワイヤ固定用板ばね11と上側板ばね16とは、望ましくは、同じ材料で形成されている。そして、ワイヤ固定用板ばね11の板厚は、望ましくは、上側板ばね16の板厚と同じになるように構成されている。すなわち、ワイヤ固定用板ばね11及び上側板ばね16は、望ましくは、同じ1つの材料(金属板)から一体的に形成されている。この構成は、ワイヤ固定用板ばね11及び上側板ばね16の製造コストを低減させることができる。
ワイヤ固定用板ばね11は、望ましくは、ワイヤ固定用板ばね11の内側部分11iと外側部分11eとの間に弾性変形可能な腕部である弾性腕部11gを有するように構成されている。この構成は、落下等の衝撃によるワイヤ8の破断を抑制できる。
軸方向駆動機構MKは、典型的には、レンズ保持部材2に保持された可動コイル3と、可動コイル3に対向するように磁石保持部材MHに保持された磁石5とを有する。上側板ばね16は、典型的には、可動コイル3の一端部である巻き終わり側の端部33Bに導通する第1上側板ばね16Aと、可動コイル3の他端部である巻き始め側の端部33Aに導通する第2上側板ばね16Bとを有する。ワイヤ固定用板ばね11は、典型的には、第1サスペンションワイヤとしての第1ワイヤ8A及び第2ワイヤ8Bに導通する第1ワイヤ固定用板ばね11Aと、第2サスペンションワイヤとしての第3ワイヤ8C及び第4ワイヤ8Dに導通する第2ワイヤ固定用板ばね11Bとを有する。そして、レンズ駆動装置101では、典型的には、第1上側板ばね16Aと第1ワイヤ固定用板ばね11Aとが導通接続されているとともに、第2上側板ばね16Bと第2ワイヤ固定用板ばね11Bとが導通接続されている。この構成は、ワイヤ固定用板ばね11と上側板ばね16とを、可動コイル3に電流を流すための電路として使用できるようにする。
可動支持部材は、図12~図15に示すように、磁石5を保持する磁石保持部材MHと、光軸方向において磁石保持部材MHに重ねられるスペーサ部材SPとを有していてもよい。この構成では、望ましくは、上側板ばね16の外側部分16eは、磁石保持部材MHの上面とスペーサ部材SPの下面との間に配置され、ワイヤ固定用板ばね11の内側部分11iは、スペーサ部材SPの上面に固定されている。この構成は、ワイヤ固定用板ばね11及び上側板ばね16をスペーサ部材SP及び磁石保持部材MHに固定するための接着剤GL3を塗布するための領域を容易に確保できるようにする。そのため、この構成は、ワイヤ固定用板ばね11及び上側板ばね16とスペーサ部材SP及び磁石保持部材MHとの間の接着強度を高めることができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について詳説した。しかしながら、本発明は、上述した実施形態に制限されることはない。上述した実施形態は、本発明の範囲を逸脱することなしに、種々の変形及び置換等が適用され得る。また、上述の実施形態を参照して説明された特徴のそれぞれは、技術的に矛盾しない限り、適宜に組み合わされてもよい。
例えば、上述のレンズ駆動装置101では、ワイヤ8の下端部は、ベース部材18に埋設された端子部材7に固定されている。しかしながら、ワイヤ8の下端部は、合成樹脂で形成されたベース部材18に固定され、ベース部材18に形成された導電パターンに通電可能に接続されていてもよい。或いは、ワイヤ8の下端部は、ベース部材18に積層されたフレキシブルプリント基板又はコイル基板等のワイヤ支持部材(固定側部材)に固定されていてもよい。
2・・・レンズ保持部材 2c・・・接触部 2p・・・突出部 3・・・可動コイル 4・・・ケース 4A・・・外壁部 4A1・・・第1側板部 4A2・・・第2側板部 4A3・・・第3側板部 4A4・・・第4側板部 4B・・・上面部 4s・・・収納部 5・・・磁石 5A・・・第1磁石 5B・・・第2磁石 5C・・・第3磁石 5D・・・第4磁石 6・・・板ばね 7・・・端子部材 8・・・ワイヤ 8A・・・第1ワイヤ 8B・・・第2ワイヤ 8C・・・第3ワイヤ 8D・・・第4ワイヤ 9・・・固定コイル 9A・・・第1固定コイル 9B・・・第2固定コイル 9C・・・第3固定コイル 9D・・・第4固定コイル 10・・・センサ 10A・・・第1センサ 10B・・・第2センサ 11・・・ワイヤ固定用板ばね 11e・・・外側部分 11g・・・弾性腕部 11i・・・内側部分 11s・・・上側接合部 11x・・・貫通孔 12・・・筒状部 12b・・・下側台座部 12d・・・上側台座部 12j・・・コイル支持部 12t・・・突起部 13・・・巻回部 16・・上側板ばね 16e・・・外側部分 16g・・・弾性腕部 16h・・・接続板部 16i・・・内側部分 16s・・・下側接合部 17・・・コイル基板 18・・・ベース部材 18k・・・開口 20t・・・突起部 21t・・・突起部 22g・・・ガイド部 23d・・・凹部 24c・・・接触部 25t・・・突起部 26・・・下側板ばね 26e・・・外側部分 26g・・・弾性腕部 26i・・・内側部分 33・・・線材 33A・・・巻き始め側の端部 33B・・・巻き終わり側の端部 52・・・フランジ部 72・・・突出部 101・・・レンズ駆動装置 CA1、CA2・・・導電性接着剤 CN・・・連結部 GL1~GL3・・・接着剤 H1~H6・・・貫通孔 JD・・・光軸 LB・・・下側部材 MB、MB1・・・可動側部材 MH・・・磁石保持部材 MK・・・軸方向駆動機構 RG・・・固定側部材 RK・・・径方向駆動機構 SD・・・半田 SP・・・スペーサ部材 SPt・・・突出部

Claims (9)

  1. 固定側部材と、
    レンズ体を保持可能なレンズ保持部材と、
    前記レンズ保持部材の外側に配置される可動支持部材と、
    前記レンズ保持部材と前記可動支持部材とを繋ぐように設けられ前記レンズ保持部材を光軸方向に移動可能に支持する上側板ばね及び下側板ばねと、
    前記光軸方向に延在して前記可動支持部材を前記光軸方向と交差する方向に移動可能に支持する4本のサスペンションワイヤと、
    前記レンズ保持部材を前記光軸方向へ移動させる第1駆動機構と、
    前記可動支持部材を前記光軸方向と交差する方向へ移動させる第2駆動機構と、
    ワイヤ固定用板ばねと、を有するレンズ駆動装置において、
    前記固定側部材は、前記サスペンションワイヤの下端部が支持されるワイヤ支持部材を有し、
    前記ワイヤ固定用板ばねは、前記可動支持部材に固定される第1部分と、前記サスペンションワイヤの上端部が固定される第2部分とを有し、
    前記上側板ばねは、前記サスペンションワイヤに固定されておらず、前記レンズ保持部材に固定される内側部分と、前記可動支持部材に固定される外側部分と、前記内側部分と前記外側部分との間に設けられた弾性腕部とを有し、
    前記ワイヤ固定用板ばねの前記第1部分と、前記上側板ばねの前記外側部分とが、前記光軸方向における位置が異なるように、それぞれ前記可動支持部材に固定されており、
    前記ワイヤ固定用板ばねの前記第1部分が、前記上側板ばねの前記外側部分よりも前記ワイヤ支持部材から離れた位置である前記光軸方向における高い位置で前記可動支持部材に固定されていることを特徴とするレンズ駆動装置。
  2. 前記上側板ばねと前記ワイヤ固定用板ばねとは、互いに離間した状態で前記光軸方向における上下に重なる部分を有する、
    請求項1に記載のレンズ駆動装置。
  3. 前記ワイヤ固定用板ばねの前記第1部分と前記上側板ばねの前記外側部分との高低差が、前記ワイヤ固定用板ばねの板厚及び前記上側板ばねの板厚よりも大きい、
    請求項1又は2に記載のレンズ駆動装置。
  4. 前記ワイヤ固定用板ばね及び前記上側板ばねは同じ材料で形成され、
    前記ワイヤ固定用板ばねの板厚は、前記上側板ばねの板厚と同じである、
    請求項に記載のレンズ駆動装置。
  5. 前記ワイヤ固定用板ばねの前記第1部分と前記第2部分との間に、弾性変形可能な腕部を有する、
    請求項1乃至の何れかに記載のレンズ駆動装置。
  6. 前記第1駆動機構は、前記レンズ保持部材に保持されたコイルと、前記コイルに対向するように前記可動支持部材に保持された磁石とを有し、
    前記上側板ばねは、前記コイルの一端部に導通する第1上側板ばねと前記コイルの他端部に導通する第2上側板ばねとを有し、
    前記ワイヤ固定用板ばねは、第1サスペンションワイヤに導通する第1ワイヤ固定用板ばねと第2サスペンションワイヤに導通する第2ワイヤ固定用板ばねとを有し、
    前記第1上側板ばねと前記第1ワイヤ固定用板ばねとが導通接続されているとともに、前記第2上側板ばねと前記第2ワイヤ固定用板ばねとが導通接続されている、
    請求項1乃至の何れかに記載のレンズ駆動装置。
  7. 固定側部材と、
    レンズ体を保持可能なレンズ保持部材と、
    前記レンズ保持部材の外側に配置される可動支持部材と、
    前記レンズ保持部材と前記可動支持部材とを繋ぐように設けられ前記レンズ保持部材を光軸方向に移動可能に支持する上側板ばね及び下側板ばねと、
    前記光軸方向に延在して前記可動支持部材を前記光軸方向と交差する方向に移動可能に支持するサスペンションワイヤと、
    前記レンズ保持部材を前記光軸方向へ移動させる第1駆動機構と、
    前記可動支持部材を前記光軸方向と交差する方向へ移動させる第2駆動機構と、
    ワイヤ固定用板ばねと、を有するレンズ駆動装置において、
    前記固定側部材は、前記サスペンションワイヤの下端部が支持されるワイヤ支持部材を有し、
    前記ワイヤ固定用板ばねは、前記可動支持部材に固定される第1部分と、前記サスペンションワイヤの上端部が固定される第2部分とを有し、
    前記上側板ばねは、前記レンズ保持部材に固定される内側部分と、前記可動支持部材に固定される外側部分と、前記内側部分と前記外側部分との間に設けられた弾性腕部とを有し、
    前記ワイヤ固定用板ばねの前記第1部分と、前記上側板ばねの前記外側部分とが、前記光軸方向における位置が異なるように、それぞれ前記可動支持部材に固定されており、
    前記第1駆動機構は、前記レンズ保持部材に保持されたコイルと、前記コイルに対向するように前記可動支持部材に保持された磁石とを有し、
    前記可動支持部材は、前記磁石を保持する磁石保持部材と、前記光軸方向において前記磁石保持部材に重ねられるスペーサ部材とを有し、
    前記上側板ばねの前記外側部分が前記磁石保持部材と前記スペーサ部材の下面との間に配置され、前記ワイヤ固定用板ばねの前記第1部分が前記スペーサ部材の上面に固定されている、
    ことを特徴とするレンズ駆動装置。
  8. 固定側部材と、
    レンズ体を保持可能なレンズ保持部材と、
    前記レンズ保持部材の外側に配置される可動支持部材と、
    前記レンズ保持部材と前記可動支持部材とを繋ぐように設けられ前記レンズ保持部材を光軸方向に移動可能に支持する上側板ばね及び下側板ばねと、
    前記光軸方向に延在して前記可動支持部材を前記光軸方向と交差する方向に移動可能に支持するサスペンションワイヤと、
    前記レンズ保持部材を前記光軸方向へ移動させる第1駆動機構と、
    前記可動支持部材を前記光軸方向と交差する方向へ移動させる第2駆動機構と、
    ワイヤ固定用板ばねと、を有するレンズ駆動装置において、
    前記固定側部材は、前記サスペンションワイヤの下端部が支持されるワイヤ支持部材を有し、
    前記ワイヤ固定用板ばねは、前記可動支持部材に固定される第1部分と、前記サスペンションワイヤの上端部が固定される第2部分とを有し、
    前記上側板ばねは、前記レンズ保持部材に固定される内側部分と、前記可動支持部材に固定される外側部分と、前記内側部分と前記外側部分との間に設けられた弾性腕部とを有し、
    前記ワイヤ固定用板ばねの前記第1部分と、前記上側板ばねの前記外側部分とが、前記光軸方向における位置が異なるように、それぞれ前記可動支持部材に固定されており、
    前記ワイヤ固定用板ばねと前記上側板ばねとは一体的に形成されている、
    ことを特徴とするレンズ駆動装置。
  9. 請求項1乃至の何れかに記載のレンズ駆動装置と、
    前記レンズ体と、
    前記レンズ体に対向する撮像素子と、を有する、
    カメラモジュール。
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