以下、本発明の実施形態に係るレンズ駆動装置101について図面を参照して説明する。図1は、レンズ駆動装置101の斜視図である。具体的には、図1(A)は、レンズ駆動装置101の上方斜視図であり、図1(B)は、レンズ駆動装置101の下方斜視図である。
レンズ駆動装置101は、図1及び図2に示すように、固定側部材RGの一部であるカバー部材4を含む。カバー部材4は、上側カバー部材4U及び下側カバー部材4Lを含む。なお、図1では、明瞭化のため、下側カバー部材4Lにドットパターンが付されている。
カバー部材4は、各部材を覆う筐体HSとして機能するように構成されている。本実施形態では、カバー部材4は、鉄等の軟磁性体材料で形成された板材に抜き加工及び絞り加工等を施して作製され、ヨークとしての機能を果たす。但し、カバー部材4は、オーステナイト系ステンレス鋼等の非磁性金属で形成された板材に抜き加工及び絞り加工等を施して作製されていてもよい。カバー部材4は、図1に示すように、収納部4sを定める箱状の外形を有する。
上側カバー部材4Uは、矩形筒状の第1外周壁部4Aと、第1外周壁部4Aの上端(Z1側の端)と連続するように設けられた矩形環状且つ平板状の天板部4Bと、を有する。天板部4Bの中央には、略円形の開口4kが形成されている。第1外周壁部4Aは、第1側板部4A1~第4側板部4A4を含む。第1側板部4A1と第3側板部4A3とは互いに対向し、第2側板部4A2と第4側板部4A4とは互いに対向している。そして、第1側板部4A1及び第3側板部4A3は、第2側板部4A2及び第4側板部4A4に対して垂直に延びている。なお、天板部4Bは、平板状に限定されず、凹部或いは凸部を有していてもよい。
同様に、下側カバー部材4Lは、矩形筒状の第2外周壁部4Cと、第2外周壁部4Cの下端(Z2側の端)と連続するように設けられた矩形環状且つ平板状の底板部4Dと、を有する。底板部4Dの中央には、円形の開口4mが形成されている。第2外周壁部4Cは、第1側板部4C1~第4側板部4C4を含む。第1側板部4C1と第3側板部4C3とは互いに対向し、第2側板部4C2と第4側板部4C4とは互いに対向している。そして、第1側板部4C1及び第3側板部4C3は、第2側板部4C2及び第4側板部4C4に対して垂直に延びている。なお、図1に示す第2外周壁部4Cでは、第1側板部4C1~第4側板部4C4は、連続するように構成されているが、例えば、第2外周壁部4Cの四つの角部のそれぞれにスリットが設けられて連続しないように構成されていてもよい。
上側カバー部材4Uは、図1に示すように、接着剤によって下側カバー部材4Lに接合されている。
次に、図2~図5を参照し、筐体HSとしてのカバー部材4内に収容される各部材について説明する。図2は、レンズ駆動装置101の分解斜視図である。図3(A)は、下側カバー部材4Lが取り外された状態のレンズ駆動装置101の上方斜視図であり、図3(B)は、下側カバー部材4Lが取り外された状態のレンズ駆動装置101の正面図である。図4(A)は、下側カバー部材4Lが取り外された状態のレンズ駆動装置101の上面図であり、図4(B)は、下側カバー部材4Lが取り外された状態のレンズ駆動装置101の底面図である。図5(A)は、スペーサ1及びカバー部材4が取り外された状態のレンズ駆動装置101の上方斜視図であり、図3(A)に対応する。図5(B)は、スペーサ1及びカバー部材4が取り外された状態のレンズ駆動装置101の正面図であり、図3(B)に対応する。なお、図5では、明瞭化のため、コイル3にドットパターンが付されている。
なお、X1は、三次元直交座標系を構成するX軸の一方向を表し、X2は、X軸の他方向を表す。また、Y1は、三次元直交座標系を構成するY軸の一方向を表し、Y2は、Y軸の他方向を表す。同様に、Z1は、三次元直交座標系を構成するZ軸の一方向を表し、Z2は、Z軸の他方向を表す。本実施形態では、光軸JDはZ軸に平行に延びる。そして、レンズ駆動装置101のY1側は、レンズ駆動装置101の後側(背面側)に相当し、レンズ駆動装置101のY2側は、レンズ駆動装置101の前側(正面側)に相当する。また、レンズ駆動装置101のX1側は、レンズ駆動装置101の右側に相当し、レンズ駆動装置101のX2側は、レンズ駆動装置101の左側に相当する。他の図においても同様である。
レンズ駆動装置101は、図2に示すように、レンズ体(図示せず。)を保持可能なレンズ保持部材2と、レンズ保持部材2を光軸方向に沿って移動させることができる駆動機構MKと、レンズ保持部材2を光軸方向に移動可能に支持する板ばね6と、板ばね6が固定される固定側部材RGと、外部との電気的な接続をもたらす金属部材7とを含む。レンズ体は、例えば、少なくとも1枚のレンズを備えた筒状のレンズバレルである。光軸方向は、レンズ体に関する光軸JDの方向、及び、光軸JDに平行な方向を含む。
駆動機構MKは、図2に示すように、八角環状に巻かれたコイル3と、矩形筒状の第1外周壁部4Aを備える外側ケースを兼ねたカバー部材4と、磁石5とを含む。磁石5は、コイル3の二辺と対向して配置された第1磁石5A及び第2磁石5Bを含む。
固定側部材RGは、スペーサ1と、カバー部材4と、金属部材7が埋め込まれたベース部材18とを含む。
板ばね6は、レンズ保持部材2とカバー部材4(厳密にはスペーサ1)との間に配置される上側板ばね16と、レンズ保持部材2とベース部材18との間に配置される下側板ばね26とを含む。下側板ばね26は、第1下側板ばね26A及び第2下側板ばね26Bを含む。
レンズ駆動装置101は、図1に示すように略直方体形状の外形を有し、撮像素子(図示せず。)を実装した外部基板(図示せず。)の上に取り付けられる。外部基板と、レンズ駆動装置101と、レンズ保持部材2に装着されたレンズ体と、レンズ体に対向するように外部基板に実装された撮像素子とはカメラモジュールを構成する。コイル3は、下側板ばね26、金属部材7、及び外部基板を介して電源に接続される。コイル3に電流が流れると、駆動機構MKは、光軸方向に沿った電磁力を発生させる。
レンズ駆動装置101は、この電磁力を利用し、撮像素子のZ1側(被写体側)で、光軸方向に沿ってレンズ保持部材2を移動させることで自動焦点調節機能を実現する。具体的には、レンズ駆動装置101は、撮像素子から離れる方向にレンズ保持部材2を移動させてマクロ撮影を可能にし、撮像素子に近づく方向にレンズ保持部材2を移動させて無限遠撮影を可能にしている。
次に、レンズ保持部材2及び駆動機構MKについて説明する。図6(A)は、レンズ保持部材2の上方斜視図であり、図6(B)は、図6(A)のレンズ保持部材2にコイル3が巻かれた状態を示すレンズ保持部材2の上方斜視図である。図7(A)は、レンズ保持部材2の下方斜視図であり、図7(B)は、図7(A)のレンズ保持部材2にコイル3が巻かれた状態を示すレンズ保持部材2の下方斜視図である。図8(A)は、レンズ保持部材2の上面図であり、図8(B)は、図8(A)のレンズ保持部材2にコイル3が巻かれた状態を示すレンズ保持部材2の上面図である。図9(A)は、X1側から見たレンズ保持部材2の右側面図であり、図9(B)は、図9(A)に示すレンズ保持部材2にコイル3が巻かれた状態を示すレンズ保持部材2の右側面図である。図9(C)は、X2側から見たレンズ保持部材2の左側面図であり、図9(D)は、図9(C)に示すレンズ保持部材2にコイル3が巻かれた状態を示すレンズ保持部材2の左側面図である。図10(A)は、図7(B)に示す範囲R1内の部分の拡大図であり、図10(B)は、図7(B)に示す範囲R2内の部分をX2側から見たときの拡大図である。図11(A)は、下側カバー部材4L、金属部材7、及びベース部材18が取り外された状態のレンズ駆動装置101の底面図であり、図11(B)は、更に第1下側板ばね26A、第2下側板ばね26B、及びレンズ保持部材2が取り外された状態のレンズ駆動装置101の底面図である。なお、図6~図11では、明瞭化のため、コイル3にドットパターンが付されている。
本実施形態では、レンズ保持部材2は、液晶ポリマー(LCP)等の合成樹脂を射出成形することで作製されている。具体的には、レンズ保持部材2は、図6(A)に示すように、光軸方向に沿って延びるように形成された筒状部12と、光軸方向における撮像素子側(Z2側)に形成されたフランジ部(鍔状部)52とを含む。本実施形態では、筒状部12は、上側の約半分が略円筒状に形成されている。
筒状部12には、レンズ体が螺着されるように、内周面にねじ溝が形成されている。また、筒状部12には、被写体側の端面に、窪み12dhを有した台座部12dが4箇所に設けられている。そして、台座部12dには、図5(A)に示すように、上側板ばね16の内側部分16iが載置される。
筒状部12の外周面には、図6(A)に示すように、コイル3を内側から支持する外壁部としてのコイル支持部12jが設けられている。本実施形態では、コイル支持部12jは、上面視で八角環状のコイル3を支持できるよう、上面視で八角形状の外形を有する。コイル支持部12jの被写体側には、光軸方向においてフランジ部52と対向するように径方向外側に突出した庇部12hが4箇所に形成されている。そして、図6(B)に示すように、コイル3は、コイル支持部12jに支持され且つ光軸方向において庇部12hとフランジ部52との間に挟まれるようにしてレンズ保持部材2の外周面に八角環状に装着されている。
フランジ部52は、筒状部12の撮像素子側(Z2側)の端部から径方向外側に突出している。フランジ部52の被写体側にはコイル3が配置されている。フランジ部52には、図7(B)に示すように、光軸JDを挟んで切欠部52kが二つ形成されている。そして、切欠部52kにはコイル3を構成する導電性の線材の一部である延在部33が通されている。具体的には、切欠部52kの一方にはコイル3の巻き終わり側の線材の一部である延在部33Aが通され、切欠部52kの他方にはコイル3の巻き始め側の線材の一部である延在部33Bが通されている。切欠部52kを形成するフランジ部52の縁部は、丸くなる(角張らない)ように構成されている。縁部と接するコイル3を構成する線材の断線を防止するためである。
フランジ部52は、図7(A)に示すように、撮像素子側(Z2側)の面から下方(Z2方向)に突出する丸形凸状の四つの突設部2tと、同じく下方(Z2方向)に突出する角形凸状の二つの突出部72と、を含む。
突出部72は、図7(B)に示すように、コイル3(巻回部13)の巻き終わり側に対応する突出部72Aと、コイル3の巻き始め側に対応する突出部72Bとを含む。すなわち、コイル3を構成する線材の両端は、二つの突出部72に巻き付けられて保持される。
突設部2tは、図7(A)及び図11(A)に示すように、第1下側板ばね26Aに形成された二つの貫通孔26r(図12(B)参照。)に対応する二つの突設部2tと、第2下側板ばね26Bに形成された二つの貫通孔26r(図12(B)参照。)に対応する二つの突設部2tとを含む。そして、突設部2tには、第1下側板ばね26A及び第2下側板ばね26Bのそれぞれの第1支持部(可動側支持部)としての内側部分26iが装着され且つ固定される。第1下側板ばね26A及び第2下側板ばね26Bのそれぞれの内側部分26iの固定は、内側部分26iに形成された貫通孔26rに挿通された突設部2tを熱かしめすることによって実現される。図7(A)及び図7(B)では、突設部2tは、熱かしめされた後の先端が変形した状態で図示されている。突設部2tを図示する他の図においても同様である。
次に、レンズ駆動装置101の駆動機構MKについて説明する。駆動機構MKは、図11(B)に示すように、コイル3、カバー部材4、及び磁石5を含む。磁石5は、カバー部材4の四つの側面のうちの二つと対向するように配置された第1磁石5A及び第2磁石5Bを含む。そして、駆動機構MKは、コイル3に流れる電流と磁石5が発生する磁界とで駆動力(推力)を発生させ、レンズ保持部材2を光軸方向に沿って上下に移動させる。
コイル3は、図7(B)に示すように、レンズ保持部材2の外周に導電性(金属製)の線材(導線)を巻回することによって形成されている。具体的には、コイル3は、八角環状に巻かれて形成されたコイル本体部としての巻回部13と、巻回部13から延びて突出部72に巻き付けられる延在部33とを含む。図7(B)は、明瞭化のため、巻回部13に関しては、絶縁部材で表面を被覆された導電性の線材の詳細な巻回状態の図示を省略している。すなわち、巻回部13は、簡略化されて図示されている。巻回部13を図示する他の図においても同様である。
延在部33は、コイル3の巻き終わり側で巻回部13の外周側に位置する巻回部13の端部(巻き終わり部分)に繋がっている延在部33Aと、コイル3の巻き始め側で巻回部13の内周側に位置する巻回部13の端部(巻き始め部分)に繋がっている延在部33Bとを含む。
具体的には、延在部33Bは、図10(B)に示すように、突出部72Bに巻き付けられる巻き付け部33mと、レンズ保持部材2の底面(Z2側の面)と対向して延びる対向部33cと、切欠部52kに挿通されてフランジ部52の撮像素子側(Z2側)から被写体側(Z1側)に延びる挿通部33kとを含む。
本実施形態では、延在部33Bは、コイル3を構成する線材がレンズ保持部材2のコイル支持部12j(図6(A)参照。)に巻き付けられる前に、レンズ保持部材2の突出部72Bに巻き付けられる。図10(B)に示す例では、コイル3を構成する線材の一部が突出部72Bに3ターン巻き付けられている。これにより、巻き付け部33mが突出部72Bに形成され、延在部33Bの一部が突出部72Bに保持される。但し、延在部33Bは、コイル3を構成する線材がレンズ保持部材2のコイル支持部12jに巻き付けられた後で、突出部72Bに巻き付けられてもよい。
典型的には、延在部33Bの一部が突出部72Bに巻き付けられた後で、コイル3を構成する線材の残りの部分は、レンズ保持部材2のコイル支持部12jに巻き付けられる。その際には、図10(B)に示すように、巻き付け部33mから延びる延在部33Bの一部は、フランジ部52の下側から切欠部52kを通ってフランジ部52の上側に延びる。このとき、レンズ保持部材2の底面と対向する部分が延在部33Bの対向部33cを構成し、切欠部52kを通る部分が延在部33Bの挿通部33kを構成する。
レンズ保持部材2のコイル支持部12jに巻き付けられたコイル3の巻回部13は、図6(B)に示すように、レンズ保持部材2の周囲を囲む位置に配置されている。また、巻回部13は、コイル支持部12jにより内側から支持された状態で、庇部12hとフランジ部52とに挟まれるようにして、フランジ部52の被写体側に固定されている。また、巻回部13の内周面がコイル支持部12jにより等方的にバランス良く支持されるため、巻回部13は、コイル3の中心軸とレンズ保持部材2の中心軸とが一致した状態で、レンズ保持部材2に保持される。したがって、レンズ保持部材2に保持されたレンズ体の光軸JDは、レンズ保持部材2及びコイル3のそれぞれの中心軸と容易に一致するように構成されている。
レンズ保持部材2の外周への線材の巻き付けが終了すると、巻回部13の巻き終わり側の端部に繋がる延在部33Aは、図10(A)に示すように、フランジ部52の被写体側から切欠部52kを介してフランジ部52の撮像素子側に引き出される。具体的には、挿通部33kが切欠部52kを通過し、対向部33cがレンズ保持部材2の底面と対向して延び、巻き付け部33mがレンズ保持部材2の突出部72Aに巻き付けられる。図10(A)に示す例では、延在部33Aは、突出部72Aに3ターン巻き付けられている。
次に、駆動機構MKを構成するカバー部材4について説明する。本実施形態では、カバー部材4は、鉄等の軟磁性体材料で形成された板材に抜き加工及び絞り加工等を施して作製され、ヨークとしての機能を果たす。具体的には、カバー部材4は、図1に示すように、上側カバー部材4U及び下側カバー部材4Lで構成され、収納部4sを定める箱状の外形を有する。そして、上述のように、上側カバー部材4Uは、矩形筒状の第1外周壁部4Aと、第1外周壁部4Aの上端(Z1側の端)と連続するように設けられた平板状且つ矩形環状の天板部4Bとを有する。また、下側カバー部材4Lは、矩形筒状の第2外周壁部4Cと、第2外周壁部4Cの下端(Z2側の端)と連続するように設けられた平板状且つ矩形環状の底板部4Dとを有する。このように構成されたカバー部材4は、図11(B)に示すように、コイル3及び磁石5を収納部4s内に収容する。そして、上側カバー部材4Uは、図3に示すように、ベース部材18に結合される。
次に、駆動機構MKを構成する磁石5について説明する。磁石5は、図2に示すように略直方体形状を有する。そして、磁石5は、図11(B)に示すように、コイル3の外側に位置するとともに、上側カバー部材4Uを構成する矩形筒状の第1外周壁部4Aの四つの側面(側板部)のうちの互いに対向する二つに沿うように配置されている。具体的には、図11(A)及び図11(B)に示すように、第1磁石5Aは、突出部72Aと対向する第2側板部4A2に沿うように配置され、第2磁石5Bは、突出部72Bと対向する第4側板部4A4に沿うように配置されている。そして、第1磁石5A及び第2磁石5Bのそれぞれは、接着剤によって上側カバー部材4Uに固定され、例えば、内側(光軸JDに近い側)がN極、外側がS極となるように配置されている。但し、第1磁石5A及び第2磁石5Bのそれぞれは、内側がS極、外側がN極となるように配置されていてもよい。
次に、図12~図14を参照し、板ばね6及び固定側部材RGについて説明する。図12は、板ばね6の構成例を示す図である。具体的には、図12(A)は、上側板ばね16の上面図であり、図12(B)は、下側板ばね26の底面図である。図13は、第2下側板ばね26Bとコイル3との接続構造の一例を説明する図である。具体的には、図13(A)は、図11(A)に示す範囲R3の拡大図であり、図13(B)は、図11(A)に示す範囲R3内の部分をX2側から見たときの第2下側板ばね26B、コイル3、及びレンズ保持部材2の拡大図である。なお、図13(A)及び図13(B)では、説明を分かり易くするため、接合材としての導電性接着剤CAがクロスパターンで示されている。また、図13(A)及び図13(B)では、明瞭化のため、レンズ保持部材2に粗いドットパターンが付され、コイル3に細かいドットパターンが付されている。図14は、固定側部材RGとしてのベース部材18の構成例を示す図である。具体的には、図14(A)は、ベース部材18に埋設される金属部材7が取り除かれた状態にあるベース部材18の上方斜視図であり、図14(B)は、金属部材7の上方斜視図であり、図14(C)は、金属部材7を含むベース部材18の上方斜視図であり、図14(D)は、第1下側板ばね26A及び第2下側板ばね26Bが取り付けられた状態にあるベース部材18の上方斜視図である。なお、図14(C)では、明瞭化のため、金属部材7にドットパターンが付されている。また、図14(D)では、明瞭化のため、下側板ばね26にドットパターンが付されている。
板ばね6は、銅合金を主な材料とした金属板から作製されている。板ばね6は、図2に示すように、レンズ保持部材2とカバー部材4(厳密にはスペーサ1)との間に配置される上側板ばね16と、レンズ保持部材2とベース部材18との間に配置される下側板ばね26とを含む。レンズ保持部材2と板ばね6(上側板ばね16、第1下側板ばね26A、及び第2下側板ばね26B)とが組み合わされた状態で、板ばね6は、レンズ保持部材2が光軸方向(Z軸方向)へ移動可能となるように、レンズ保持部材2を支持している。下側板ばね26は、コイル3に電流を供給するための給電部材としても機能する。そのため、第1下側板ばね26Aはコイル3の一端に電気的且つ機械的に接続され、第2下側板ばね26Bはコイル3の他端に電気的且つ機械的に接続されている。上側板ばね16とカバー部材4との間にはスペーサ1が配置されている。スペーサ1は、レンズ保持部材2がZ1方向に移動したときにレンズ保持部材2とカバー部材4とが衝突するのを防止できるように配置されている。すなわち、スペーサ1は、レンズ保持部材2とカバー部材4の天板部4Bとの間に空間を形成できるように配置されている。但し、別の構造等によってレンズ保持部材2とカバー部材4の天板部4Bとの間に空間を形成できるのであれば、スペーサ1は省略されてもよい。
上側板ばね16は、図12(A)に示すように、略矩形環状の外形を有する。そして、上側板ばね16は、可動側部材(レンズ保持部材2)に固定される第1支持部(可動側支持部)としての内側部分16iと、固定側部材RGに固定される第2支持部(固定側支持部)としての二つの外側部分16eと、内側部分16iと二つの外側部分16eとの間に位置する四つの弾性腕部16gとを含む。具体的には、二つの外側部分16eのそれぞれは、二つの角部分16bと、それら二つの角部分16bを繋ぐ桟部16rとを有している。桟部16rは、スペーサ1と磁石5とで挟持されて接着剤で固定される。そして、スペーサ1、カバー部材4、及び磁石5は、固定側部材RGとして機能する。
上側板ばね16がレンズ駆動装置101に組み込まれた際には、図5(A)に示すように、内側部分16iは、レンズ保持部材2の台座部12d(図6(A)参照。)に載置される。そして、内側部分16iは、台座部12dに形成された窪み12dhに塗布された接着剤AD(図5(A)参照。)により、レンズ保持部材2に固定される。外側部分16eは、図5(B)に示すように、磁石5の上面(Z1側の面)に接し、スペーサ1(図5(B)では図示せず。)と磁石5との間に挟持され且つ固定される。そして、スペーサ1と磁石5との間に挟持され且つ固定された外側部分16eは、固定側部材RGとして機能する。
上側板ばね16は、図12(A)に示すように、光軸JDに関して2回回転対称となるように形成されている。そして、上側板ばね16は、内側部分16iでレンズ保持部材2に固定され、外側部分16eでスペーサ1を介してカバー部材4に固定されている。そのため、上側板ばね16は、レンズ保持部材2をバランス良く支持できる。
第1下側板ばね26A及び第2下側板ばね26Bは、図12(B)に示すように、それぞれの内側形状が略半円形状となるように構成されている。そして、第1下側板ばね26A及び第2下側板ばね26Bのそれぞれは、可動側部材(レンズ保持部材2)に固定される第1支持部(可動側支持部)としての内側部分26iと、固定側部材RG(ベース部材18)に固定される第2支持部(固定側支持部)としての外側部分26eと、内側部分26iと外側部分26eとの間に位置する二つの弾性腕部26gとを含む。
第1下側板ばね26A及び第2下側板ばね26Bのそれぞれの内側部分26iは、図12(B)に示すように、レンズ保持部材2の突設部2tに接合される二つの内側接合部分26cと、二つの内側接合部分26cの間を繋ぐ連結部26pと、コイル3の延在部33と対向する接続板部26hとを含む。
第1下側板ばね26A及び第2下側板ばね26Bがレンズ駆動装置101に組み込まれた際には、図7(A)に示すレンズ保持部材2の四つの突設部2tのそれぞれは、図12(B)に示す第1下側板ばね26A及び第2下側板ばね26Bのそれぞれの内側接合部分26cに設けられた円形の貫通孔26rに挿通される。そして、内側接合部分26cは、例えば、突設部2tに熱かしめ又は冷間かしめが施されることにより、図11(A)に示すように、レンズ保持部材2に固定される。これにより、第1下側板ばね26A及び第2下側板ばね26Bのそれぞれの内側部分26iは、レンズ保持部材2に位置決めされ且つ固定される。
第1下側板ばね26Aの外側部分26eは、図12(B)に示すように、ベース部材18に接合される外側接合部分26dを含む。第1下側板ばね26Aの外側接合部分26dに設けられた貫通孔26sは、ベース部材18の上面に設けられた突設部18t(図14(A)参照。)を受け入れる。そして、突設部18tは、熱かしめ又は冷間かしめが施されて外側接合部分26dに固定される。これにより、第1下側板ばね26Aの外側部分26eは、図14(D)に示すように、ベース部材18に位置決めされ且つ固定される。第2下側板ばね26Bについても同様である。
このように、第1下側板ばね26Aは、二つの内側接合部分26cを介してレンズ保持部材2に接続され、二つの外側接合部分26dを介してベース部材18に接続されている。第2下側板ばね26Bについても同様である。この構成により、第1下側板ばね26A及び第2下側板ばね26Bは、レンズ保持部材2を光軸方向へ移動可能な状態でバランス良く支持できる。
次に、図13を参照し、第2下側板ばね26Bとコイル3との接続構造の一例について説明する。なお、第2下側板ばね26Bに関する説明は、第1下側板ばね26Aにも同様に適用される。
第2下側板ばね26Bの内側部分26iの接続板部26hは、図13(A)及び図13(B)に示すように、レンズ駆動装置101が組み立てられた際に、レンズ保持部材2の突堤部82(図10(B)参照。)と対向するように構成されている。すなわち、接続板部26hの被写体側(Z1側)の面は、図13(A)に示すように、突堤部82で囲まれた凹状の収容部82sと対向する。そして、コイル3の延在部33Bの対向部33cは、図13(A)に示すように、第2下側板ばね26Bの内側部分26i(接続板部26h)の被写体側の面とレンズ保持部材2の撮像素子側(Z2側)の面との間を通って延びる。なお、突堤部82は、レンズ保持部材2の底面に形成された段差部によって構成されている。そして、レンズ保持部材2の撮像素子側(Z2側)の面は、収容部82sの底面を構成している。
収容部82sは、コイル3の延在部33Bと第2下側板ばね26Bとを接続する導電性接着剤CAを収容できるように構成されている。本実施形態では、突堤部82が突出部72Bと隣り合う位置に形成されているので、突出部72Bの側壁は、突堤部82の一部として好適に利用されている。したがって、突出部72Bと隣り合う位置に収容部82sが設けられている。
第2下側板ばね26Bがレンズ保持部材2に組み付けられた際には、図13(B)に示すように、突出部72Bは、その先端(Z2側の端)が第2下側板ばね26Bの内側部分26iの撮像素子側(Z2側)に位置するように、内側部分26iよりも下方(Z2方向)に突出している。また、巻き付け部33mの一部も内側部分26iの撮像素子側(Z2側)に位置するように突出部72Bに巻き付けられている。
第2下側板ばね26Bとコイル3の延在部33Bは、合成樹脂中に銀粒子等の導電性フィラーが分散された導電性接着剤CAで電気的且つ物理的に接続されている。具体的には、第2下側板ばね26Bをレンズ保持部材2に組み込む前に、レンズ保持部材2の突堤部82で囲まれた収容部82sに導電性接着剤CAが塗布され、その後、第2下側板ばね26Bがレンズ保持部材2に装着される。そして、レンズ保持部材2の突設部2tが熱かしめされ、且つ、導電性接着剤CAが熱硬化される。導電性接着剤CAの収容部82sへの塗布から導電性接着剤CAの熱硬化までは、典型的には、突出部72Bが鉛直上方に突出するようにレンズ保持部材2が逆さまに配置された状態で行われる。そのため、導電性接着剤CAは、流動性を有する場合であっても、所望の位置(収容部82s内の位置)に適切に保持され得る。そして、対向部33cの一部は、収容部82s内に配置されているため、導電性接着剤CA内に埋設される。なお、導電性接着剤CAは、熱硬化型に限らず、紫外線硬化型又は湿気硬化型のものであってもよい。
次に固定側部材RGについて説明する。固定側部材RGは、上側板ばね16を固定するスペーサ1、カバー部材4、及び磁石5と、第1下側板ばね26A及び第2下側板ばね26Bのそれぞれを固定するベース部材18とを含む。
ベース部材18は、液晶ポリマー等の合成樹脂を用いた射出成形によって作製される。本実施形態では、ベース部材18は、図14(A)に示すように、矩形板状の外形を有する部材であり、中央に円形の開口18kが形成されている。また、ベース部材18の被写体側(Z1側)の面(上面)には、上方に向かって突出する丸形凸状の六つの突設部18tが設けられている。突設部18tは、第1下側板ばね26A及び第2下側板ばね26Bのそれぞれにおける外側接合部分26dに設けられた貫通孔26s(図12(B)参照。)に挿通される。この際、突設部18tは熱かしめが施されて外側接合部分26dに固定される。図14では、突設部18tは、熱かしめされた後の先端が変形した状態で図示されている。突設部18tを図示する他の図においても同様である。なお、突設部18tは冷間かしめが施されて外側接合部分26dに固定されてもよい。
ベース部材18には、図14(B)に示すような、銅若しくは鉄又はそれらを主成分とする合金等の材料を含む金属板から形成された金属部材7がインサート成形されて埋め込まれている。金属部材7は、第1金属部材7A~第4金属部材7Dを含む。第1金属部材7A~第4金属部材7Dのそれぞれは、図14(C)に示すように、一部がベース部材18の上面(Z1側の面)に露出している。そして、互いに電気的に絶縁されている第1金属部材7A及び第2金属部材7Bのそれぞれは、ベース部材18の正面側(Y2側)の端部から下方(Z2方向)に延びる端子部7AT及び端子部7BTを介し、撮像素子を実装した外部基板(図示せず。)に電気的且つ機械的に接続される。また、第1金属部材7Aは、図14(C)及び図14(D)に示すように、露出部7APにおいて、半田等の接合材により或いは溶接により、第1下側板ばね26Aに電気的且つ機械的に接続され、第2金属部材7Bは、露出部7BPにおいて、半田等の接合材により或いは溶接により、第2下側板ばね26Bに電気的且つ機械的に接続されている。更に、第1下側板ばね26Aはコイル3の一端に電気的且つ機械的に接続され、第2下側板ばね26Bはコイル3の他端に電気的且つ機械的に接続されている。そのため、コイル3は、第1金属部材7A及び第2金属部材7Bと第1下側板ばね26A及び第2下側板ばね26Bとを介して電流の供給を受けることができる。
第3金属部材7Cは二つの接続部7CPを含み、第4金属部材7Dは二つの接続部7DPを含む。第3金属部材7Cは、図14(C)に示すように、上側カバー部材4Uの四隅の下端部のうちの二つに対応するように二つの接続部7CPをベース部材18の上面に露出させている。同様に、第4金属部材7Dは、図14(C)に示すように、上側カバー部材4Uの四隅の下端部のうちの残りの二つに対応するように二つの接続部7DPをベース部材18の上面に露出させている。
そして、上側カバー部材4Uの第1外周壁部4Aの下端部に近いところにある内面は、図3(A)に示すように、ベース部材18の外周側面に組み合わされ且つ位置決めされる。その後、ベース部材18は、接続部7CP及び接続部7DPのそれぞれと上側カバー部材4Uの四隅の下端部とが溶接されて上側カバー部材4Uに固定される。この状態において、上側カバー部材4Uとベース部材18とは少なくとも部分的には接着剤で固定されていてもよい。その結果、第3金属部材7C、第4金属部材7D、及び上側カバー部材4Uは、電気的に一体化され、第4金属部材7Dの端子部7DTを介して接地される。
次に、図15及び図16を参照し、レンズ駆動装置101における接地用端子(第4金属部材7Dの端子部7DT)の詳細について説明する。図15は、レンズ駆動装置101の下方斜視図である。具体的には、図15(A)は、レンズ駆動装置101の全体の下方斜視図である。図15(A)は、明瞭化のため、下側カバー部材4Lの図示を省略している。図15(B)は、図15(A)に示す破線で囲まれた範囲R4の拡大図である。図16は、レンズ駆動装置101の底部の拡大図である。具体的には、図16(A)は、レンズ駆動装置101の拡大底面図である。図16(A)は、明瞭化のため、下側カバー部材4Lの図示を省略している。図16(B)は、図16(A)に示す一点鎖線L1を含むXZ平面におけるレンズ駆動装置101の底部の断面図である。図16(B)は、明瞭化のため、カバー部材4、金属部材7、及びベース部材18以外の部材の図示を省略している。また、図15及び図16では、明瞭化のため、金属部材7に細かいドットパターンが付されている。
接地用端子としての端子部7DTは、図14(B)に示すように、第4金属部材7Dの一部を構成している。
第4金属部材7Dは、図15(B)及び図16(B)に示すように、上側カバー部材4Uの第1外周壁部4Aを構成する第2側板部4A2の下端部4AEの近傍に位置してベース部材18から露出する露出部7DXを備えている。露出部7DXは、図16(B)に示すように、光軸方向(Z軸方向)において、下側カバー部材4Lの底板部4Dの上面(Z1側の面)と対向している。
そして、露出部7DXと上側カバー部材4U(第2側板部4A2)と下側カバー部材4L(第2側板部4C2及び底板部4D)とは、導電性接着剤EAによって接続されている。図16(A)及び図16(B)では、導電性接着剤EAは、粗いドットパターンで表されている。
ベース部材18は、図15(B)に示すように、下側(Z2側)と右側(X1側)とを開放した凹状の収容部SPを形成するように構成されている。図15(B)は、収容部SPを破線で囲まれた領域で表している。なお、Z2側は、下側カバー部材4Lの底板部4D側を意味する。また、X1側は、下側カバー部材4Lの第2外周壁部4C側(第2側板部4C2側)を意味する。図15(B)に示す例では、収容部SPは、導電性接着剤EAを受け入れるための空間として利用される。露出部7DXは、収容部SPの天井面(Z1側の仮想面)を定めるように配置されている。収容部SPの天井面は、光軸方向において底板部4Dの上面(Z1側の面)と対向する面である。導電性接着剤EAは、図16(A)及び図16(B)に示すように、収容部SP内に塗布され、下側カバー部材4Lの底板部4Dと第2外周壁部4C(第2側板部4C2)とに付着するとともに、下側カバー部材4Lの底板部4D及び第2外周壁部4C(第2側板部4C2)によって覆われる。但し、導電性接着剤EAは、その全部が下側カバー部材4Lによって覆われる必要は無く、一部が露出していてもよい。
露出部7DXは、図15(B)及び図16(B)に示すように、上面(Z1側の面)と下面(Z2側の面)とが露出するように外方である右方(X1方向)へ延びる延在部7DEを有する。本実施形態では、延在部7DEは、図16(B)に示すように、ベース部材18のX1側の側壁よりもX1側に突出するように構成されている。
上側カバー部材4Uは、図15(B)に示すように、延在部7DEに隣り合う接続片PCを有する。接続片PCは、第1外周壁部4A(第2側板部4A2)の下端部4AEから下方(Z2方向)に延びるように形成されている。本実施形態では、接続片PCは、図15(B)及び図16(B)に示すように、延在部7DEの上面(Z1側の面)よりも上側(Z1側)にある第1外周壁部4Aの下端部4AEから、延在部7DEの下面(Z2側の面)を含む露出部7DXの表面よりも下方(Z2方向)に延びるように構成されている。
収容部SP内に塗布された導電性接着剤EAは、図16(A)及び図16(B)に示すように、延在部7DEと接続片PCとに付着する。本実施形態では、導電性接着剤EAは、延在部7DEを包み込むように、延在部7DEの上面(Z1側の面)、下面(Z2側の面)、前面(Y2側の面)、後面(Y1側の面)、及び右面(X1側の面)に付着している。また、導電性接着剤EAは、少なくとも部分的に接続片PCを包み込むように、接続片PCの下面(Z2側の面)、前面(Y2側の面)、左面(X2側の面)、及び右面(X1側の面)に付着している。
更に、導電性接着剤EAは、延在部7DEの上側(Z1側)において、ベース部材18の右側面(X1側の面)に付着し、且つ、図16(B)に示す破線で囲まれた範囲R5において、第2側板部4A2の内側(X2側)の面に付着する。すなわち、導電性接着剤EAは、第2側板部4A2とベース部材18との間に形成された隙間に入り込んで固まる。
また、導電性接着剤EAは、図16(B)に示す破線で囲まれた範囲R6において、第2側板部4A2の外側(X1側)の面に付着し、且つ、第2側板部4C2の内側(X2側)の面に付着する。すなわち、導電性接着剤EAは、第1外周壁部4A(第2側板部4A2)と第2外周壁部4C(第2側板部4C2)との間に形成された隙間に入り込んで固まる。
このように、導電性接着剤EAは、延在部7DEから第1外周壁部4Aと第2外周壁部4Cとの間の空間(破線で囲まれた範囲R6で表される空間)まで連続している。すなわち、導電性接着剤EAは、一つの塊となった状態で、延在部7DE、第1外周壁部4A、及び第2外周壁部4Cに付着している。
上述のような構成により、接地用端子(第4金属部材7Dの端子部7DT)と第1外周壁部4A(第2側板部4A2)と第2外周壁部4C(第2側板部4C2)とは、導電性接着剤EAを介して電気的に接続される。また、接地用端子(端子部7DT)を含む第4金属部材7Dと第1外周壁部4A(第2側板部4A2)と第2外周壁部4C(第2側板部4C2)とベース部材18とは、導電性接着剤EAを介して機械的に接合される。
また、上側カバー部材4Uの第1外周壁部4Aは、図16(B)に示すように、光軸に垂直な方向(X軸方向及びY軸方向)において、下側カバー部材4Lの第2外周壁部4Cと部分的に重なるように構成されている。すなわち、第1外周壁部4Aの下端部4AEの端面は、第2外周壁部4Cの上端部4CEの端面よりも下側(Z2側)に位置するように構成されている。
この構成では、上側カバー部材4Uの下端部4AEが下側カバー部材4Lによって覆われるため、筐体HS(カバー部材4)の内部の空間が外部の空間から電磁的に隔離される。その結果、レンズ保持部材2の下方に配置される撮像素子は、ノイズの影響を受けにくくなる。
次に、図17及び図18を参照し、レンズ駆動装置101の別の実施形態であるレンズ駆動装置101Aについて説明する。図17は、レンズ駆動装置101Aの斜視図である。具体的には、図17(A)は、レンズ駆動装置101Aの上方斜視図であり、図17(B)は、レンズ駆動装置101Aの下方斜視図である。なお、図17では、明瞭化のため、下側カバー部材4Lにドットパターンが付されている。図18は、図17(B)に示す破線で囲まれた範囲R7の拡大図である。具体的には、図18(A)は、レンズ駆動装置101Aの拡大底面図である。図18(B)は、レンズ駆動装置101Aの底部の拡大斜視図である。図18(C)は、下側カバー部材4Lが取り外された状態にあるレンズ駆動装置101Aの底部の拡大斜視図であり、図18(B)に対応している。なお、図18では、明瞭化のため、ベース部材18に粗いドットパターンが付され、金属部材7に細かいドットパターンが付されている。
レンズ駆動装置101Aは、下側カバー部材4Lの底板部4Dの一部を折り曲げた折り曲げ片FDによって接地用端子が形成されている点で、レンズ駆動装置101と異なる。なお、レンズ駆動装置101では、金属部材7(第4金属部材7D)の一部によって接地用端子(端子部7DT)が形成されている。但し、レンズ駆動装置101Aは、接地用端子に関する構成以外については、基本的に、レンズ駆動装置101と同じである。そのため、以下では、共通部分の説明が省略され、相違部分が詳説される。
図17及び図18に示す例では、接地用端子としての折り曲げ片FDは、第2外周壁部4Cよりも内側(光軸JDに近い側)に配置されている。具体的には、折り曲げ片FDは、図18(A)に示すように、Y軸方向における折り曲げ片FDと第2外周壁部4C(第1側板部4C1)の外面(Y2側の面)との間の距離X1が、金属部材7(第1金属部材7A)の一部である端子部7AT等の他の端子と第2外周壁部4C(第1側板部4C1)の外面との間の距離X2と同じになるように構成されている。但し、距離X1は、距離X2と異なっていてもよい。すなわち、距離X1は、距離X2より小さくてもよく、距離X2より大きくてもよい。
第1外周壁部4A(第2側板部4A2)の下端部4AEと下側カバー部材4L(第2側板部4C2)とは、図16(B)に示すレンズ駆動装置101の場合と同様に、導電性接着剤EAによって接続されている。そして、導電性接着剤EAの下側(Z2側)は、下側カバー部材4Lの底板部4Dによって覆われ、導電性接着剤EAの右側(X1側)は、下側カバー部材4Lの第2側板部4C2によって覆われている。但し、導電性接着剤EAは、下側カバー部材4Lによって完全に覆われる必要は無く、一部が露出していてもよい。
ベース部材18は、図18(C)に示すように、下側カバー部材4Lの底板部4D側(Z2側)と第2外周壁部4C側(X1側)とを開放した凹状の収容部SPを形成するように構成されている。そして、導電性接着剤EAは、図16(B)に示すレンズ駆動装置101の場合と同様に、収容部SPに塗布される。
収容部SP内に塗布された導電性接着剤EAは、図16(B)に示すレンズ駆動装置101の場合と同様に、上側カバー部材4Uと下側カバー部材4Lとに付着する。本実施形態では、導電性接着剤EAは、ベース部材18の側面(X1側の面)に付着し、且つ、第2側板部4A2の内側(X2側)の面に付着する。すなわち、導電性接着剤EAは、第2側板部4A2とベース部材18との間に形成された隙間に入り込んで固まる。
また、導電性接着剤EAは、第2側板部4A2の外側(X1側)の面に付着し、且つ、第2側板部4C2の内側(X2側)の面に付着する。すなわち、導電性接着剤EAは、第1外周壁部4A(第2側板部4A2)と第2外周壁部4C(第2側板部4C2)との間に形成された隙間に入り込んで固まる。
上述のような構成により、接地用端子(折り曲げ片FD)を含む下側カバー部材4Lと第1外周壁部4A(第2側板部4A2)を含む上側カバー部材4Uとは、導電性接着剤EAを介して電気的に接続される。また、接地用端子(折り曲げ片FD)を含む下側カバー部材4Lと第1外周壁部4A(第2側板部4A2)を含む上側カバー部材4Uとベース部材18とは、導電性接着剤EAを介して機械的に接合される。
また、図17及び図18に示す例では、接地用端子(折り曲げ片FD)を含む下側カバー部材4Lは、金属部材7に電気的に接続されているが、金属部材7とカバー部材4とは電気的に接続されていなくてもよい。
次に、図19及び図20を参照し、レンズ駆動装置101の更に別の実施形態であるレンズ駆動装置101Bについて説明する。図19は、レンズ駆動装置101Bの斜視図である。具体的には、図19(A)は、レンズ駆動装置101Bの上方斜視図であり、図19(B)は、レンズ駆動装置101Bの下方斜視図である。図20は、レンズ駆動装置101Bの底部の拡大図である。具体的には、図20(A1)は、レンズ駆動装置101Bを右斜め下から見たときのレンズ駆動装置101Bの底部の拡大斜視図であり、図19(B)に示す破線で囲まれた範囲R8の拡大図に相当する。図20(B1)は、レンズ駆動装置101Bを別の方向から見たときのレンズ駆動装置101Bの底部の拡大斜視図である。図20(A2)は、下側カバー部材4Lが取り外された状態にあるレンズ駆動装置101Bの底部の拡大斜視図であり、図20(A1)に対応している。図20(B2)は、下側カバー部材4Lが取り外された状態にあるレンズ駆動装置101Bの底部の拡大斜視図であり、図20(B1)に対応している。なお、図19及び図20では、明瞭化のため、下側カバー部材4Lに細かいドットパターンが付されている。また、図20では、明瞭化のため、ベース部材18に粗いドットパターンが付されている。
レンズ駆動装置101Bは、図20(B2)に示すように、上側カバー部材4Uの第1外周壁部4Aの下端部4AEに形成された突出片PDによって接地用端子が形成されている点で、レンズ駆動装置101と異なる。なお、レンズ駆動装置101では、金属部材7(第4金属部材7D)の一部によって接地用端子(端子部7DT)が形成されている。但し、レンズ駆動装置101Bは、接地用端子に関する構成以外については、基本的に、レンズ駆動装置101と同じである。そのため、以下では、共通部分の説明が省略され、相違部分が詳説される。
図19及び図20に示す例では、接地用端子としての突出片PDは、第1金属部材7Aの端子部7ATよりも、第1側板部4C1の中央部分に近い位置に配置されている。そして、突出片PDは、第1金属部材7Aの一部である端子部7AT等の他の端子と同じ突出量となるように形成されている。
具体的には、突出片PDは、第2外周壁部4C(第1側板部4C1)の外面(Y1側の面)よりも内側(光軸JDに近い位置)に配置されている。そして、突出片PDは、図20(B1)に示すように、下側カバー部材4Lの底板部4Dの縁に形成された貫通部4DHを通って底板部4Dよりも下方(Z2方向)に突出するように構成されている。
レンズ駆動装置101Bにおいても、第4金属部材7Dは、図20(A2)及び図20(B2)に示すように、上側カバー部材4Uの第1外周壁部4Aを構成する第2側板部4A2の下端部4AEの近傍に位置してベース部材18から露出する露出部7DXを備えている。露出部7DXは、図16(B)に示すレンズ駆動装置101の場合と同様に、下側カバー部材4Lの底板部4Dの上面(Z1側の面)と対向している。そして、露出部7DXと上側カバー部材4Uと下側カバー部材4Lとは、導電性接着剤EAによって接続されている。
また、ベース部材18は、図20(A2)に示すように、下側(Z2側)と右側(X1側)とを開放した凹状の収容部SPを形成するように構成されている。そして、収容部SPは、導電性接着剤EAを受け入れるための空間として利用される。導電性接着剤EAは、図16(B)に示すレンズ駆動装置101の場合と同様に、収容部SP内に塗布され、下側カバー部材4Lの底板部4Dと第2外周壁部4C(第2側板部4C2)とに付着するとともに、下側カバー部材4Lの底板部4D及び第2外周壁部4C(第2側板部4C2)によって覆われる。但し、導電性接着剤EAは、その全部が下側カバー部材4Lによって覆われる必要は無く、一部が露出していてもよい。
収容部SP内に塗布された導電性接着剤EAは、図16(B)に示すレンズ駆動装置101の場合と同様に、延在部7DEと接続片PCとに付着する。この例では、導電性接着剤EAは、延在部7DEを包み込むように、延在部7DEの上面(Z1側の面)、下面(Z2側の面)、前面(Y2側の面)、後面(Y1側の面)、及び右面(X1側の面)に付着している。また、導電性接着剤EAは、少なくとも部分的に接続片PCを包み込むように、接続片PCの下面(Z2側の面)、前面(Y2側の面)、左面(X2側の面)、及び右面(X1側の面)に付着している。
上述のような構成により、接地用端子としての突出片PDに繋がる第1外周壁部4A(第2側板部4A2)と第2外周壁部4C(第2側板部4C2)と金属部材7(第4金属部材7D)とは、導電性接着剤EAを介して電気的に接続される。具体的には、下側カバー部材4Lにおける、突出片PDが配置される部分とは別の部分において、第1外周壁部4Aと底板部4Dとベース部材18に埋設された金属部材7(第4金属部材7D)とは、導電性接着剤EAによって電気的に接続されている。また、第1外周壁部4A(第2側板部4A2)と第2外周壁部4C(第2側板部4C2)と金属部材7(第4金属部材7D)とベース部材18とは、導電性接着剤EAを介して機械的に接合されている。
上述のように、レンズ駆動装置101(レンズ駆動装置101A及びレンズ駆動装置101Bを含む。)は、筐体HSとしてのカバー部材4を含む固定側部材RGと、カバー部材4内に配置されるとともにレンズ体を保持可能なレンズ保持部材2と、レンズ保持部材2を固定側部材RGに対して移動させる駆動機構MKと、を備えている。固定側部材RGは、第1外周壁部4A及び天板部4Bを有する金属製の第1カバー部材(上側カバー部材4U)と、レンズ保持部材2を挟んで上側カバー部材4Uの天板部4Bと対向するベース部材18と、ベース部材18及び第1外周壁部4Aの下端部4AEと対向する底板部4Dと第1外周壁部4Aの外側に配置される第2外周壁部4Cとを有する金属製の第2カバー部材(下側カバー部材4L)と、を備えている。そして、上側カバー部材4Uと下側カバー部材4Lとは電気的に接続されており、上側カバー部材4Uに導通する接地用端子は、第2外周壁部4Cよりも内側の位置から、底板部4Dよりも下方(Z2方向)に突出している。接地用端子は、例えば、図15(B)に示す第4金属部材7Dの端子部7DT、図17(B)に示す下側カバー部材4Lの底板部4Dの一部を折り曲げた折り曲げ片FD、又は、図19(B)に示す上側カバー部材4Uの下端部4AEに形成された突出片PDである。接地用端子は、例えば、コイル3を流れる電流を制御するドライバIC(制御回路)等、筐体HS内に収容される電子機器の接地のために利用されてもよい。
接地用端子としての端子部7DT、折り曲げ片FD、及び突出片PDは何れも、下側カバー部材4Lの第2外周壁部4Cよりも内側(光軸JDに近い側)に配置されている。そのため、レンズ駆動装置101では、接地用端子が内側に折り曲げられる必要がない。
この構成は、レンズ駆動装置101の更なる小型化を実現できる。例えば、この構成は、接地用端子を外部基板に接続するための導電性接着剤又は半田等の接合材がレンズ駆動装置101の外側にはみ出してしまうのを抑制或いは防止できる。その結果、この構成は、レンズ駆動装置101が搭載される外部基板の大型化を抑制できる。外部基板は、接合材のはみ出しを考慮して大きめに形成される必要がないためである。
ベース部材18は、例えば図14に示すように、金属部材7を埋設した合成樹脂材によって形成されていてもよい。この場合、金属部材7には、図14(B)に示すように、接地用端子(第4金属部材7Dの端子部7DT)が設けられていてもよい。すなわち、接地用端子は、第2カバー部材(下側カバー部材4L)に設けられている必要はない。
この構成は、第2カバー部材(下側カバー部材4L)の材料及び厚さと、ベース部材18に埋設される金属部材7の材料及び厚さ、すなわち、接地用端子(第4金属部材7Dの端子部7DT)の材料及び厚さとが個別に設定されるのを可能にし、レンズ駆動装置101の設計自由度を高めることができる。
金属部材7(第4金属部材7D)は、例えば図15(B)に示すように、第1カバー部材(上側カバー部材4U)の第1外周壁部4Aの下端部4AEの近傍に位置してベース部材18から露出する露出部7DXを備えていてもよい。この場合、露出部7DXは、接地用端子(端子部7DT)に繋がるように構成されている。そして、露出部7DXは、図16(B)に示すように、光軸方向において第2カバー部材(下側カバー部材4L)の底板部4Dと対向しており、露出部7DXと第1カバー部材(上側カバー部材4U)と第2カバー部材(下側カバー部材4L)とは、粗いドットパターンで表される導電性接着剤EAによって接続されている。
この構成は、3つの部材(金属部材7(露出部7DX)、第1カバー部材(上側カバー部材4U)、及び第2カバー部材(下側カバー部材4L))が同時に電気的且つ機械的に接続されるのを可能にし、レンズ駆動装置101の生産性を向上させることができる。
ベース部材18は、例えば図15(B)及び図16(B)に示すように、第2カバー部材(下側カバー部材4L)の底板部4D側(Z2側)と第2外周壁部4C側(X1側)とを開放した凹状の収容部SPを形成するように構成されていてもよい。図15(B)及び図16(B)に示す例では、収容部SPは、導電性接着剤EAを受け入れるための空間として利用される。この場合、露出部7DXは、収容部SPの天井面(Z1側の仮想面)を定めるように配置されている。天井面は、光軸方向(Z軸方向)において底板部4Dの上面(Z1側の面)と対向する面である。粗いドットパターンで表される導電性接着剤EAは、図16(A)及び図16(B)に示すように、収容部SP内に設けられ、第2カバー部材(下側カバー部材4L)の底板部4Dと第2外周壁部4Cとに付着しているとともに、第2カバー部材(下側カバー部材4L)の底板部4D及び第2外周壁部4Cによって覆われている。
この構成は、導電性接着剤EAによる接着の強度を高めることができる。また、この構成は、導電性接着剤EAを第2カバー部材(下側カバー部材4L)で保護することができる。なお、導電性接着剤EAは、第2カバー部材によって完全に覆われている必要はなく、一部が露出するように第2カバー部材によって部分的に覆われていてもよい。
露出部7DXは、例えば図15(B)に示すように、上面(Z1側の面)と下面(Z2側の面)とが露出するように外方(X1方向)へ延びる延在部7DEを有していてもよい。この場合、第1カバー部材(上側カバー部材4U)は、延在部7DEに隣り合う接続片PCを有していてもよい。そして、導電性接着剤EAは、例えば図16(A)及び図16(B)に示すように、延在部7DEと接続片PCとに付着していてもよい。
また、導電性接着剤EAは、例えば図16(B)に示すように、延在部7DEから第1外周壁部4Aと第2外周壁部4Cとの間の空間(破線で囲まれた範囲R6で表される空間)まで連続していてもよい。すなわち、導電性接着剤EAは、一つの塊となった状態で、延在部7DE、第1外周壁部4A、及び第2外周壁部4Cに付着していてもよい。
この構成は、第1カバー部材(上側カバー部材4U)と金属部材7(第4金属部材7D)との間の電気的な接続の信頼性を向上させることができる。また、この構成は、第1カバー部材(上側カバー部材4U)と金属部材7(第4金属部材7D)との間の機械的な接続の信頼性を向上させることができる。
接地用端子は、例えば図17(B)に示すように、第2カバー部材(下側カバー部材4L)の底板部4Dを折り曲げた折り曲げ片FDによって形成されていてもよい。
この構成は、ベース部材18に金属部材7を埋設する場合においても、金属部材7と接地用端子(折り曲げ片FD)との接続が考慮される必要がないため、金属部材7のレイアウトの自由度を高めることができる。なお、図17及び図18に示す例では、金属部材7は、カバー部材4に電気的に接続されているが、カバー部材4に電気的に接続されていなくてもよい。
接地用端子が折り曲げ片FDによって形成される場合であっても、第1カバー部材(上側カバー部材4U)の第1外周壁部4Aの下端部4AEと第2カバー部材(下側カバー部材4L)とは、例えば図16(B)に示すように、導電性接着剤EAによって接続されていてもよい。この場合も、導電性接着剤EAの少なくとも一部は、第2カバー部材(下側カバー部材4L)によって覆われていてもよい。導電性接着剤EAを第2カバー部材(下側カバー部材4L)で保護できるようにするためである。
ベース部材18は、例えば図18(C)に示すように、第2カバー部材(下側カバー部材4L)の底板部4D側(Z2側)と第2外周壁部4C側(X1側)とを開放した凹状の収容部SPを形成するように構成されていてもよい。そして、導電性接着剤EAは、収容部SPに設けられていてもよい。
この構成は、導電性接着剤EAによるベース部材18と第2カバー部材(下側カバー部材4L)との接続の信頼性を向上させることができる。
第1カバー部材(上側カバー部材4U)の第1外周壁部4Aの下端部4AEには、例えば図20(B1)及び図20(B2)に示すように、第2カバー部材(下側カバー部材4L)の底板部4Dに形成された貫通部4DHを通って底板部4Dよりも下方(Z2方向)に突出する突出片PDが設けられていてもよい。この場合、突出片PDは、接地用端子を構成していてもよい。
ベース部材18は、例えば図20(A2)に示すように、第2カバー部材(下側カバー部材4L)の底板部4D側(Z2側)と第2外周壁部4C側(X1側)とを開放した凹状の収容部SPを形成するように構成されていてもよい。そして、収容部SPには、ベース部材18に埋設された金属部材7(第4金属部材7D)の一部が露出部7DXとして露出していてもよい。また、収容部SPには、導電性接着剤EAが設けられていてもよい。
この場合、導電性接着剤EAは、第1カバー部材(上側カバー部材4U)の第1外周壁部4Aと、第2カバー部材(下側カバー部材4L)の底板部4D及び第2外周壁部4Cと、金属部材7(第4金属部材7D)とに付着するとともに、第2カバー部材(下側カバー部材4L)の底板部4D及び第2外周壁部4Cによって少なくとも一部が覆われていてもよい。なお、接地用端子である突出片PDは、例えば、コイル3を流れる電流を制御するドライバIC等、筐体HS内に収容される電子部品の接地のために利用されてもよい。
この構成は、3つの部材(上側カバー部材4U、下側カバー部材4L、及び金属部材7)が同時に電気的且つ機械的に接続されるのを可能にし、レンズ駆動装置101の生産性を向上させることができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について詳説した。しかしながら、本発明は、上述した実施形態に制限されることはない。上述した実施形態は、本発明の範囲を逸脱することなしに、種々の変形又は置換等が適用され得る。また、上述の実施形態を参照して説明された特徴のそれぞれは、技術的に矛盾しない限り、適宜に組み合わされてもよい。
例えば、自動焦点調節機能を実現する上記実施形態では、第1下側板ばね26Aと延在部33Aとが電気的且つ機械的に接続され、且つ、第2下側板ばね26Bと延在部33Bとが電気的且つ機械的に接続される構成としたが、本発明は、この構成に限定されない。本発明は、例えば、手振れ補正機能付きのレンズ駆動装置においては、上側板ばね16が二つに分割され、その一方が延在部33Aに電気的且つ機械的に接続され、且つ、他方が延在部33Bに電気的且つ機械的に接続される構成を含んでいてもよい。この構成では、上側板ばね16は、支持部材としての磁石ホルダとレンズ保持部材2とを繋ぐように配置され、且つ、レンズ保持部材2を光軸方向へ移動可能に支持するように構成される。この場合、上側板ばね16は、レンズ保持部材2に固定される第1支持部としての内側部分16iと、磁石ホルダに固定される第2支持部としての外側部分16eと、内側部分16iと外側部分16eとの間に位置する弾性腕部16gとを含む。磁石ホルダは、レンズ保持部材2に保持されたコイル3に対向する磁石5を保持する部材であり、典型的には、サスペンションワイヤを介してベース部材18に接続され、サスペンションワイヤにより、光軸方向に垂直な方向に移動可能に支持されている。具体的には、磁石ホルダは、磁石5と、磁石5に対向するようにベース部材18上に設置された、コイル3とは別のコイルとによって構成される駆動機構によって光軸方向に垂直な方向に移動できるように構成されている。この構成では、レンズ保持部材2の上端部側(Z1側)に切欠部を有するフランジ部が設けられていてもよい。また、突出部72は、上側板ばね16が配置される側であるレンズ保持部材2の光軸方向における一端部である上端部から上方に突出するように設けられる。なお、磁石ホルダは、光軸方向に移動するレンズ保持部材に対して、光軸方向には移動しない固定側部材として機能する。
また、上述の実施形態では、コイル3は、レンズ保持部材2の外周面側に八角環状に巻かれている。しかしながら、本発明はこの構成に限定されない。コイル3は、レンズ保持部材2の側面に保持される長円形又は小判形(オーバル形)のコイル本体部、すなわち、中心軸が光軸方向に垂直となるように配置されたコイル本体部を有するコイルであってもよい。具体的には、コイル3は、上面視で略矩形状の外形を有するコイル支持部12jを備えたレンズ保持部材2の四つの側面のそれぞれに保持される四つのオーバル形のコイル本体部を有するコイルであってもよく、レンズ保持部材2の四つの側面のうちの対向する二つのそれぞれに保持される二つのオーバル形のコイル本体部を有するコイルであってもよい。この場合、第1磁石5Aは、二つの二極磁石の組み合わせであってもよく、一つの四極磁石であってもよい。第2磁石5Bについても同様である。
また、磁石5は、レンズ保持部材2の四つの辺部のうちの二つと対向するように配置されているが、四つの辺部のそれぞれと対向するように配置されていてもよく、四つの角壁部のそれぞれと対向するように配置されていてもよい。
また、上述の実施形態では、駆動機構MKは、レンズ保持部材2に設けられたコイル3と、コイル3に対向するように配置された磁石5とを利用するように構成されているが、圧電方式等の他の駆動方式が利用されてもよい。圧電方式が採用される場合、カバー部材4は、磁性金属で形成されていてもよい。