JP7375958B2 - 脳波検出用電極、脳波測定装置及び脳波測定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、脳波検出用電極、脳波測定装置及び脳波測定方法に関する。
これまで脳波検出用電極に関して様々な開発がなされてきた。この種の技術として、例えば、特許文献1~3に記載の技術が知られている。
特許文献1では、基底部と、前記基底部から突出して設けられた、ゴムからなる突出部と、前記突出部の先端に設けられ、前記脳波測定用電極の外部と電気的に接続され、前記脳波の測定時に頭皮に接触する、金属からなる接触部と、を備える脳波測定用電極(脳波検出用電極)が開示されている。
特許文献2では、被験者の身体に接触する電極部材と、前記電極部材を支持する導電性の支持部材とを有し、少なくとも前記電極部材は導電性ゴムからなり、前記導電性ゴムは、シリコーンゴムと銀粉とを含んでなり、前記支持部材から複数の前記電極部材がブラシ状に突出するように設けられ、脳波測定に用いられることを特徴とする生体電極が開示されている。
特許文献3では、弾性体からなる母材と、前記母材の表面に形成された構造体とを備える脳波測定用電極であって、前記母材は、頭皮に接触する接触面を有する突出部を備え、前記構造体は、複数のナノ炭素材料を含み、前記複数のナノ炭素材料が、互いに接続されたネットワーク構造を形成していると共に、前記母材の表面に固定されていることを特徴とする脳波測定用電極が開示されている。
特許第5842198号 国際公開第2021/029118号 国際公開第2016/136629号
脳波電極が、先端に電極部を設けた複数の突起部を有する構成である場合、全ての突起部の頂点(先端)が、頭皮の毛穴上に載ってしまうと、電極部が毛髪と接触し頭皮との接触面がなくなってしまい脳波を取得できない又は取得した脳波が安定しないといった課題があった。
特許文献1~3の技術では、上記課題を考慮しておらず、新たな技術が求められていた。
本発明はこのような状況に鑑みなされたものであって、先端に電極部を設けた複数の突起部を有する構成の脳波電極において、突起部先端のいずれかが毛穴上に載らないようにし頭皮と確実に接触できるようにする技術を提供することを目的とする。
本発明によれば、以下の発明が提供される。
[1]
被験者の頭皮に接触して脳波を検出する脳波検出用電極であって、
基部と、
前記基部から突出する複数の錐体形状の突起部と、
前記突起部に設けられた電極部と、
を有し、
前記複数の突起部において、最も隣接する突起部間の距離D1は、下記の式(1)を満たす脳波検出用電極。
D1<L(m+n1/2-d 又は D1>L(m+n1/2+d ・・・(1)
m,n:0以上の整数であって、かつm又はnのいずれかは1以上
L:被験者の頭皮の毛穴中心間距離
d:被験者の頭皮の毛穴径
[2]
前記複数の突起部は、それらの頂点が正方格子を構成するように配置されている、[1]に記載の脳波検出用電極。
[3]
前記複数の突起部は、それらの頂点が正三角格子を構成するように配置されている、[1]に記載の脳波検出用電極。
[4]
前記突起部は錐体である、[1]から[3]までのいずれか1に記載の脳波検出用電極。
[5]
前記突起部が呈する錐体は六角錐である、[4]に記載の脳波検出用電極。
[6]
隣接する前記突起部の底面の辺が接触して配置されている、[5]に記載の脳波検出用電極。
[7]
前記突起部が呈する錐体は円錐である、[6]に記載の脳波検出用電極。
[8]
前記最も隣接する突起部間の距離D1は、2mm以上10mm以下である、[1]から[7]までのいずれか1に記載の脳波検出用電極。
[9]
[1]から[8]までのいずれか1に記載の脳波検出用電極と、
被験者の頭部に装着されるとともに、前記脳波検出用電極を取り付けるフレームと、
を有する脳波測定装置。
[10]
[9]に記載の脳波測定装置を被験者の頭部に装着して脳波測定を行う脳波測定方法。
本発明によれば、先端に電極部を設けた複数の突起部を有する構成の脳波電極において、突起部先端のいずれかが毛穴上に載らないようにし頭皮と確実に接触できるようにする技術を提供することができる。
実施形態に係る、人の頭部に装着した状態の脳波測定装置を模式的に示す図である。 実施形態に係る、フレームの斜視図である。 実施形態に係る、脳波電極ユニットの正面図である。 実施形態に係る、脳波検出用電極の斜視図である。 実施形態に係る、脳波検出用電極の平面図である。 実施形態に係る、脳波検出用電極の断面図である。 実施形態に係る、脳波検出用電極の突起部の頂点と毛穴の配置との関係を説明する図である。 実施形態に係る、脳波検出用電極の突起部の頂点と毛穴の配置との関係を説明する図である。 実施形態に係る、頂点間距離を説明するグラフである。 実施形態に係る、突起部のバリエーションを示した平面図である。
<概要>
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
図1は人の頭部99に装着した状態の脳波測定装置1を模式的に示す図である。脳波測定装置1を被験者の頭部99に装着して脳波測定を行う脳波測定方法が実行される。脳波測定装置1は、頭部99に装着され、脳波を生体からの電位変動として検出し、検出した脳波を脳波表示装置(図示せず)に出力する。脳波表示装置は、脳波測定装置1が検出した脳波を取得して、モニタ表示したり、データ保存したり、周知の脳波解析処理を行う。
<脳波測定装置1の構造>
図1に示すように、脳波測定装置1は、複数の脳波電極ユニット10と、フレーム20と、を有する。本実施形態では、脳波電極ユニット10は、5ch分(5個)設けられている。
<フレーム20の構造>
図2にフレーム20の斜視図を示す。フレーム20は、例えばポリアミド樹脂のような硬質部材で帯状に、かつ人間の頭部99の形状に沿うように湾曲して形成されている。
フレーム20には、脳波電極ユニット10を取り付けるための開孔として電極ユニット取付部21が5カ所設けられている。電極ユニット取付部21の位置(すなわち脳波電極ユニット10の取付位置)は、国際10-20電極配置法におけるT3、C3、Cz、C4、T4の位置に対応する。
電極ユニット取付部21の内周面は螺刻されており、脳波電極ユニット10がその胴部11の螺刻部13(図3参照)により螺着する。脳波電極ユニット10をネジ込む量を調整することで、頭部99側への突き出し量を調整し、頭部99(頭皮)との接触量・接触圧をコントロールする。また、脳波電極ユニット10をネジ込む動作により、毛髪を掻き分ける。
<脳波電極ユニット10の構造>
図3に脳波電極ユニット10の正面図を示す。脳波電極ユニット10は、略円柱状の胴部11と、その一端側(図中下側)に設けられた脳波検出用電極50とを有する。
胴部11は、信号取出部12と、螺刻部13と、電極固定部14とを一体に有する。
螺刻部13は、円柱形状の側面に螺刻した形状である。螺刻部13の一端(図中上側)に信号取出部12が設けられている。信号取出部12には信号出力端子が設けられるとともに、脳波電極ユニット10をフレーム20に螺着する際に作業者によって必要に応じて所定の治具を用いて操作される。螺刻部13の他端(図中下側)には、円柱状の電極固定部14が設けられている。電極固定部14に脳波検出用電極50が取り付けられる。
<脳波検出用電極50の構造>
図4は脳波検出用電極50の斜視図である。図5は脳波検出用電極50の平面図である。図6は脳波検出用電極50の断面図であり、特に図5のX1-X1断面図を示す。
脳波検出用電極50は、基部51と、突起部60と、電極部80とを有する。基部51と突起部60は、ゴム状の弾性体によって一体に設けられている。弾性体の具体的な材料については後述する。なお、基部51と突起部60とは一体に設けられる構成に限らず、別体に設けたものを接着剤や嵌合構造により組み付けた構成でもよい。
基部51は、略円柱形状であって、一端が円形状の突起部形成面52、他端が円形状の取付面53となっている。取付面53が、胴部11の電極固定部14に接着剤等により取り付けられる。なお、取付面53と電極固定部14の固定構造として特に制限は無く、例えば凹凸形状による嵌合構造が用いられてもよい。
<突起部60>
突起部形成面52には、複数の突起部60が整列配置されて設けられている。ここでは、7つの正六角錐の突起部60が格子状に配置されている。具体的には、斜方格子状に設けられている。より具体的には、図5に示すように、中央の突起部60を囲むようにして、6つの突起部60が隣接する突起部60同士が隙間無く底辺を接するように、ハニカム状に配置されている。突起部60には、頂点61から所定高さの範囲に電極部80が設けられ頭部99(頭皮)と接触する。突起部60の形状は、三角錐、四角錐、五角錐、六角錐、七角錐、八角錐等の多角錐等の錐体であっても、円錐であってもよく、多角錐の場合は、八角錐以下が好ましく、四角錐または六角錐がより好ましい。
突起部60として円錐と角錐とを比較した場合、円錐に対して角錐では変形方向を制御しやすいという利点がある。
突起部60の形状としては四角錐と突起部60の突起幅と突起高さが同じ場合、突起部60の形状としては四角錐と六角錐を比較した場合、四角錐に比べて六角錘のほうが変形しにくい。よって、同一の強度を得るために必要な突起幅は六角錘のほうが小さくなり、円状である基部51の突起部形成面52に配置できる突起数を多くすることができる。
突起部60が四角錐の場合、複数の突起部60の配置設計が容易であり、また、頭部99に押しつけた際の変形状態を予測しやすく、安定した脳波測定ができる。なお、格子状配置として各種形状を採用でき、具体例については図10で後述する。
<突起部60(頂点61)間の距離>
図7~9を参照して突起部60の配置を、特に頂点61間の距離と毛穴9の関係に着目して説明する。図7および図8は脳波検出用電極の突起部60の頂点61と毛穴の配置との関係を説明する図である。図7では脳波検出用電極50の平面図(電極部80を省略している)に毛穴9を追加して示している。図8は、頂点61間の距離と、毛穴9の間隔、毛穴9の大きさとの関係を分かりやすく説明する図である。
図7に示すように、最も隣接する突起部60間(すなわち頂点61間)の距離D1は、下記の式(1)を満たす。
D1<L(m+n1/2-d 又はD1>L(m+n1/2+d ・・・(1)
m,n:0以上の整数であって、かつm又はnのいずれかは1以上
L:被験者の頭皮の毛穴中心間距離
d:被験者の頭皮の毛穴径
毛穴中心間距離Lは、例えば0.5mm以上1.5mm以下であり、好ましくは0.6mm以上1.4mm以下であり、より好ましくは0.7mm以上1.3mm以下とすることができる。一般的な傾向を考慮すると毛穴中心間距離Lは1.0mmとして計算してもよい。
毛穴径dは、例えば0.05mm以上0.15mm以下であり、好ましくは0.06mm以上0.14mm以下であり、より好ましくは0.07mm以上0.13mm以下とすることができる。一般的な傾向を考慮すると毛穴径dは0.1mmとして計算してもよい。
突起部60(すなわち頂点61)間の距離D1は、2mm以上10mm以下であり、好ましくは2.5mm以上7mm以下であり、より好ましくは3mm以上5mm以下である。距離D1をこのようは範囲とすることで、突起部60の密度を十分に大きくすることができるとともに、突起部60の大きさや強度を適切にすることができる。
図8を参照して、隣接する二つの突起部60の頂点61が毛穴9に載ってしまう場合と載らない場合について5つの配置例(配置(1)~(5))で説明する。ここで、ある毛穴9と、その毛穴9を基準として右方向m番目、上方向にn番目の毛穴9とに、それら近傍に突起部60の頂点61が接触する状況を想定する。
配置(1)では、図視で左側の頂点61は、左側の毛穴9の最右位置よりも右側に位置している。右側の頂点61は右側の毛穴9の最左位置よりも左側に位置している。このとき頂点61間の距離D1は、左側の毛穴9の最右位置と右側の毛穴9の最左位置との間の距離よりも短く、下記の式(1A)を満たす。
D1<L(m+n1/2-d・・・(1A)
頂点61間の距離D1が上記の式(1A)を満たす場合、一方の突起部60の頂点61が毛穴9のどの部分(図の毛穴9を示す円内)に載った場合であっても、他方の突起部60の頂点61は毛穴9に載ることはない。
配置(2)では、図視で左側の頂点61は、左側の毛穴9の最右位置に位置している。右側の頂点61は右側の毛穴9の最左位置に位置している。このとき頂点61間の距離D1は、左側の毛穴9の最右位置と右側の毛穴9の最左位置との間の距離と等しく、下記の式(1B)を満たす。
D1=L(m+n1/2-d・・・(1B)
頂点61間の距離D1が上記の式(1B)を満たす場合、ちょうど配置(2)の状態のときに、両方の突起部60の頂点61が毛穴9に載る。
配置(3)では、図視で左側の頂点61は、左側の毛穴9を示す円内に位置している。右側の頂点61は右側の毛穴9を示す円内に位置している。ここでは理解の容易の為に、それぞれの頂点61が毛穴9の中心9aに位置している状態を示している。
このとき頂点61間の距離D1は、毛穴9の中心9a間の距離と等しく、下記の式(1C)を満たす。
D1=L(m+n1/2・・・(1C)
配置(4)では、図視で左側の頂点61は、左側の毛穴9の最左位置に位置している。右側の頂点61は右側の毛穴9の最右位置に位置している。このとき頂点61間の距離D1は、左側の毛穴9の最左位置と右側の毛穴9の最右位置との間の距離と等しく、下記の式(1D)を満たす。
D1=L(m+n1/2+d・・・(1D)
頂点61間の距離D1が上記の式(1D)を満たす場合、ちょうど配置(4)の状態のときに、両方の突起部60の頂点61が毛穴9に載る。
配置(5)では、図視で左側の頂点61は、左側の毛穴9の最左位置よりも左側に位置している。右側の頂点61は右側の毛穴9の最右位置よりも右側に位置している。このとき頂点61間の距離D1は、左側の毛穴9の最左位置と右側の毛穴9の最右位置との間の距離よりも長く、下記の式(1E)を満たす。
D1>L(m+n1/2+d・・・(1E)
頂点61間の距離D1が上記の式(1E)を満たす場合、一方の突起部60の頂点61が毛穴9のどの部分(図の毛穴9を示す円内)に載った場合であっても、他方の突起部60の頂点61は毛穴9に載ることはない。
以上から、配置(2)~(4)の場合に、両方の頂点61が毛穴9に載る。すなわち、D1が頂点61間の距離D1下記式(2)を満たす場合に、両方の頂点61が毛穴9に載ることになる。
L(m+n1/2-d≦D1≦L(m+n1/2+d ・・・(2)
したがって、頂点61間の距離D1が上記式(2)を満たさないような条件であれば、すなわち上述の式(1)を満たす条件の場合に、隣接する二つの突起部60の頂点61のうちいずれかは、毛穴9に載ることを回避できる。
図9は上述の式(1)を満たす距離D1の範囲を示すグラフである。具体的には、毛穴中心間距離Lを1.0mm、毛穴径dを0.1mmとして、(m、n)の組を順次適用していった場合の距離D1の範囲を示している。ここでは、m、nとも10以下としている。
グラフでは、横軸が距離D1、縦軸が(m、n)のうちのnを示している。例えば、縦軸でn=1のときに、m=1、2、3、・・・10を適用していったときの、式(1)から得られる範囲を横線(太線)として示している。n=1~10の横線の全てについて、すなわち全ての(m、n)の組について、式(1)を満たす範囲が、グラフ中墨塗で示す領域である。言い換えると、墨塗の領域に対応する距離D1のときに、二つの突起部60の頂点61のうちいずれかは、毛穴9に載ることがない。
具体的には、以下の表1で示す範囲である。ただし、距離D1≦10mmとしている。
Figure 0007375958000001
図10を参照して、突起部60(頂点61)の形状および配置のバリエーションを説明する。図10(a)で示す脳波検出用電極50Aでは、突起部60は正四角錐の形状である。突起部形成面52上に縦横3×3に9つの突起部60を配置した構成となっている。すなわち、突起部60(頂点61)は正方格子状に配置されている。
図10(b)で示す脳波検出用電極50Bでは、突起部60は正四角錐の形状である。突起部形成面52上に7つの突起部60を斜方格子状に配置している。具体的には、1行目に2つ、2行目に3つ、3行目に2つの突起部60が上下左右対称の配置となるように、隣接する突起部60同士が隙間無く底辺を接するようにして配置されている。
図10(c)で示す脳波検出用電極50Cでは、突起部60は円錐の形状である。突起部形成面52上に縦横3×3に9つの突起部60を配置した構成となっている。すなわち、突起部60(頂点61)は正方格子状に配置されている。
図10(d)で示す脳波検出用電極50Dでは、突起部60は円錐の形状である。突起部形成面52上に、隣接する底辺同士が接するように7つの突起部60(頂点61)が正三角格子状に配置されている。
図10(e)で示す脳波検出用電極50Eでは、突起部60は正三角錐の形状である。突起部形成面52上に、隣接する底辺同士が重なるように13の突起部60が三角格子状に配置されている。突起部60の頂点61は正六角格子状に配置されている。
このようの突起部60の形状、配置は各種の形状を採用することができるが、規則的に配置された突起部60では、頂点61間の距離D1が上述した式(1)を満たすことで、全ての頂点61、すなわち全ての電極部80が確実に毛穴9に載ってしまうことを回避でき、安定した脳波測定を実現できる。
<信号線69の構造>
図6の脳波検出用電極50の断面形状に示すように、突起部60の内部には、電極部80に接続する導電性の信号線69が設けられている。信号線69は、突起部60の内部を導通する態様であれば各種の配置構造を採用し得る。例えば、信号線69の先端は、突起部60の先端あるいは先端部の傾斜面に対して、突出した構造、略同一面上となる構造、埋没した構造のいずれでもよい。電極部80との接続安定性の観点から、突出した構造を用いてもよい。信号線69の先端の突出部分は、一部または全体が電極部80で覆われている。
信号線69の先端の突出構造は、折り返し無し、折り返し有り、突起部60の先端部の表面に巻き付ける構造が採用し得る。また、信号線69は、突起部60の頂点61から延びる垂線と一致せず、垂線に対して傾斜してもよい。
<脳波検出用電極50(基部51、突起部60)の材料>
脳波検出用電極50(基部51、突起部60)の材料について説明する。脳波検出用電極50は、上述のようにゴム状の弾性体である。ゴム状の弾性体として、具体的にはゴムや熱可塑性エラストマー(単に「エラストマー(TPE)」ともいう)である。ゴムとしては、例えばシリコーンゴムがある。熱可塑性エラストマーとして、例えば、スチレン系TPE(TPS)、オレフィン系TPE(TPO)、塩化ビニル系TPE(TPVC)、ウレタン系TPE(TPU)、エステル系TPE(TPEE)、アミド系TPE(TPAE)などがある。
脳波検出用電極50がシリコーンゴムである場合、37℃、JIS K 6253(1997)に準拠して測定される、脳波検出用電極50の表面(突起部60や基部51)におけるタイプAデュロメータ硬さをゴム硬度Aとしたとき、ゴム硬度Aが、例えば、15以上55以下である。
ここで、上記シリコーンゴム系硬化性組成物について説明する。
上記シリコーンゴムは、シリコーンゴム系硬化性組成物の硬化物で構成することができる。シリコーンゴム系硬化性樹脂組成物の硬化工程は、例えば、100~250℃で1~30分間加熱(1次硬化)した後、100~200℃で1~4時間ポストベーク(2次硬化)することによって行われる。
絶縁性シリコーンゴムは、導電性フィラーを含まないシリコーンゴムであり、導電性シリコーンゴムは導電性フィラーを含むシリコーンゴムである。
本実施形態に係るシリコーンゴム系硬化性組成物は、ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)を含むことができる。ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)は、本実施形態のシリコーンゴム系硬化性組成物の主成分となる重合物である。
絶縁性シリコーンゴム系硬化性組成物および導電性シリコーンゴム系硬化性組成物は、同種のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサンを含んでもよい。同種のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサンとは、少なくとも官能基が同じビニル基を含み、直鎖状を有していればよく、分子中のビニル基量や分子量分布、あるいはその添加量が異なっていてもよい。
なお、絶縁性シリコーンゴム系硬化性組成物および導電性シリコーンゴム系硬化性組成物は、互いに異なるビニル基含有オルガノポリシロキサンをさらに含んでもよい。
上記ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)は、直鎖構造を有するビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)を含むことができる。
上記ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)は、直鎖構造を有し、かつ、ビニル基を含有しており、かかるビニル基が硬化時の架橋点となる。
ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)のビニル基の含有量は、特に限定されないが、例えば、分子内に2個以上のビニル基を有し、かつ15モル%以下であるのが好ましく、0.01~12モル%であるのがより好ましい。これにより、ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)中におけるビニル基の量が最適化され、後述する各成分とのネットワークの形成を確実に行うことができる。本実施形態において、「~」は、その両端の数値を含むことを意味する。
なお、本明細書中において、ビニル基含有量とは、ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)を構成する全ユニットを100モル%としたときのビニル基含有シロキサンユニットのモル%である。ただし、ビニル基含有シロキサンユニット1つに対して、ビニル基1つであると考える。
また、ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)の重合度は、特に限定されないが、例えば、好ましくは1000~10000程度、より好ましくは2000~5000程度の範囲内である。なお、重合度は、例えばクロロホルムを展開溶媒としたGPC(ゲル透過クロマトグラフィー)におけるポリスチレン換算の数平均重合度(又は数平均分子量)等として求めることができる。
さらに、ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)の比重は、特に限定されないが、0.9~1.1程度の範囲であるのが好ましい。
ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)として、上記のような範囲内の重合度および比重を有するものを用いることにより、得られるシリコーンゴムの耐熱性、難燃性、化学的安定性等の向上を図ることができる。
ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)としては、特に、下記式(1)で表される構造を有するものであるが好ましい。
Figure 0007375958000002
式(1)中、Rは炭素数1~10の置換または非置換のアルキル基、アルケニル基、アリール基、またはこれらを組み合わせた炭化水素基である。炭素数1~10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられ、中でも、メチル基が好ましい。炭素数1~10のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基等が挙げられ、中でも、ビニル基が好ましい。炭素数1~10のアリール基としては、例えば、フェニル基等が挙げられる。
また、Rは炭素数1~10の置換または非置換のアルキル基、アルケニル基、アリール基、またはこれらを組み合わせた炭化水素基である。炭素数1~10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられ、中でも、メチル基が好ましい。炭素数1~10のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基が挙げられる。炭素数1~10のアリール基としては、例えば、フェニル基が挙げられる。
また、Rは炭素数1~8の置換または非置換のアルキル基、アリール基、またはこれらを組み合わせた炭化水素基である。炭素数1~8のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられ、中でも、メチル基が好ましい。炭素数1~8のアリール基としては、例えば、フェニル基が挙げられる。
さらに、式(1)中のRおよびRの置換基としては、例えば、メチル基、ビニル基等が挙げられ、Rの置換基としては、例えば、メチル基等が挙げられる。
なお、式(1)中、複数のRは互いに独立したものであり、互いに異なっていてもよいし、同じであってもよい。さらに、R、およびRについても同様である。
さらに、m、nは、式(1)で表されるビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)を構成する繰り返し単位の数であり、mは0~2000の整数、nは1000~10000の整数である。mは、好ましくは0~1000であり、nは、好ましくは2000~5000である。
また、式(1)で表されるビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)の具体的構造としては、例えば下記式(1-1)で表されるものが挙げられる。
Figure 0007375958000003
式(1-1)中、RおよびRは、それぞれ独立して、メチル基またはビニル基であり、少なくとも一方がビニル基である。
さらに、ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)としては、ビニル基含有量が分子内に2個以上のビニル基を有し、かつ0.4モル%以下である第1のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1-1)と、ビニル基含有量が0.5~15モル%である第2のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1-2)とを含有するものであるのが好ましい。シリコーンゴムの原料である生ゴムとして、一般的なビニル基含有量を有する第1のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1-1)と、ビニル基含有量が高い第2のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1-2)とを組み合わせることで、ビニル基を偏在化させることができ、シリコーンゴムの架橋ネットワーク中に、より効果的に架橋密度の疎密を形成することができる。その結果、より効果的にシリコーンゴムの引裂強度を高めることができる。
具体的には、ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)として、例えば、上記式(1-1)において、Rがビニル基である単位および/またはRがビニル基である単位を、分子内に2個以上有し、かつ0.4モル%以下を含む第1のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1-1)と、Rがビニル基である単位および/またはRがビニル基である単位を、0.5~15モル%含む第2のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1-2)とを用いるのが好ましい。
また、第1のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1-1)は、ビニル基含有量が0.01~0.2モル%であるのが好ましい。また、第2のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1-2)は、ビニル基含有量が、0.8~12モル%であるのが好ましい。
さらに、第1のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1-1)と第2のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1-2)とを組み合わせて配合する場合、(A1-1)と(A1-2)の比率は特に限定されないが、例えば、重量比で(A1-1):(A1-2)が50:50~95:5であるのが好ましく、80:20~90:10であるのがより好ましい。
なお、第1および第2のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1-1)および(A1-2)は、それぞれ1種のみを用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)は、分岐構造を有するビニル基含有分岐状オルガノポリシロキサン(A2)を含んでもよい。
<<オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)>>
本実施形態のシリコーンゴム系硬化性組成物は、架橋剤を含んでもよい。架橋剤は、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)を含むことができる。
オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)は、直鎖構造を有する直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)と分岐構造を有する分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)とに分類され、これらのうちのいずれか一方または双方を含むことができる。
絶縁性シリコーンゴム系硬化性組成物および導電性シリコーンゴム系硬化性組成物は、同種の架橋剤を含んでもよい。同種の架橋剤とは、少なくとも直鎖構造や分岐構造などの共通の構造を有していればよく、分子中の分子量分布や異なる官能基が含まれていてもよく、その添加量が異なっていてもよい。
なお、絶縁性シリコーンゴム系硬化性組成物および導電性シリコーンゴム系硬化性組成物は、互いに異なる架橋剤をさらに含んでもよい。
直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)は、直鎖構造を有し、かつ、Siに水素が直接結合した構造(≡Si-H)を有し、ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)のビニル基の他、シリコーンゴム系硬化性組成物に配合される成分が有するビニル基とヒドロシリル化反応し、これらの成分を架橋する重合体である。
直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)の分子量は特に限定されないが、例えば、重量平均分子量が20000以下であるのが好ましく、1000以上、10000以下であることがより好ましい。
なお、直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)の重量平均分子量は、例えばクロロホルムを展開溶媒としたGPC(ゲル透過クロマトグラフィー)におけるポリスチレン換算により測定することができる。
また、直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)は、通常、ビニル基を有しないものであるのが好ましい。これにより、直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)の分子内において架橋反応が進行するのを的確に防止することができる。
以上のような直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)としては、例えば、下記式(2)で表される構造を有するものが好ましく用いられる。
Figure 0007375958000004
式(2)中、Rは炭素数1~10の置換または非置換のアルキル基、アルケニル基、アリール基、これらを組み合わせた炭化水素基、またはヒドリド基である。炭素数1~10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられ、中でも、メチル基が好ましい。炭素数1~10のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基等が挙げられる。炭素数1~10のアリール基としては、例えば、フェニル基が挙げられる。
また、Rは炭素数1~10の置換または非置換のアルキル基、アルケニル基、アリール基、これらを組み合わせた炭化水素基、またはヒドリド基である。炭素数1~10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基が挙げられ、中でも、メチル基が好ましい。炭素数1~10のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基等が挙げられる。炭素数1~10のアリール基としては、例えば、フェニル基が挙げられる。
なお、式(2)中、複数のRは互いに独立したものであり、互いに異なっていてもよいし、同じであってもよい。Rについても同様である。ただし、複数のRおよびRのうち、少なくとも2つ以上がヒドリド基である。
また、Rは炭素数1~8の置換または非置換のアルキル基、アリール基、またはこれらを組み合わせた炭化水素基である。炭素数1~8のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられ、中でも、メチル基が好ましい。炭素数1~8のアリール基としては、例えば、フェニル基が挙げられる。複数のRは互いに独立したものであり、互いに異なっていてもよいし、同じであってもよい。
なお、式(2)中のR,R,Rの置換基としては、例えば、メチル基、ビニル基等が挙げられ、分子内の架橋反応を防止する観点から、メチル基が好ましい。
さらに、m、nは、式(2)で表される直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)を構成する繰り返し単位の数であり、mは2~150整数、nは2~150の整数である。好ましくは、mは2~100の整数、nは2~100の整数である。
なお、直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)は、分岐構造を有するため、架橋密度が高い領域を形成し、シリコーンゴムの系中の架橋密度の疎密構造形成に大きく寄与する成分である。また、上記直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)同様、Siに水素が直接結合した構造(≡Si-H)を有し、ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)のビニル基の他、シリコーンゴム系硬化性組成物に配合される成分のビニル基とヒドロシリル化反応し、これら成分を架橋する重合体である。
また、分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)の比重は、0.9~0.95の範囲である。
さらに、分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)は、通常、ビニル基を有しないものであるのが好ましい。これにより、分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)の分子内において架橋反応が進行するのを的確に防止することができる。
また、分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)としては、下記平均組成式(c)で示されるものが好ましい。
平均組成式(c)
(H(R3-aSiO1/2(SiO4/2
(式(c)において、Rは一価の有機基、aは1~3の範囲の整数、mはH(R3-aSiO1/2単位の数、nはSiO4/2単位の数である)
式(c)において、Rは一価の有機基であり、好ましくは、炭素数1~10の置換または非置換のアルキル基、アリール基、またはこれらを組み合わせた炭化水素基である。炭素数1~10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられ、中でも、メチル基が好ましい。炭素数1~10のアリール基としては、例えば、フェニル基が挙げられる。
式(c)において、aは、ヒドリド基(Siに直接結合する水素原子)の数であり、1~3の範囲の整数、好ましくは1である。
また、式(c)において、mはH(R3-aSiO1/2単位の数、nはSiO4/2単位の数である。
分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)は分岐状構造を有する。直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)と分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)は、その構造が直鎖状か分岐状かという点で異なり、Siの数を1とした時のSiに結合するアルキル基Rの数(R/Si)が、直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)では1.8~2.1、分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)では0.8~1.7の範囲となる。
なお、分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)は、分岐構造を有しているため、例えば、窒素雰囲気下、1000℃まで昇温速度10℃/分で加熱した際の残渣量が5%以上となる。これに対して、直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)は、直鎖状であるため、上記条件で加熱した後の残渣量はほぼゼロとなる。
また、分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)の具体例としては、下記式(3)で表される構造を有するものが挙げられる。
Figure 0007375958000005
式(3)中、Rは炭素数1~8の置換または非置換のアルキル基、アリール基、またはこれらを組み合わせた炭化水素基、もしくは水素原子である。炭素数1~8のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられ、中でも、メチル基が好ましい。炭素数1~8のアリール基としては、例えば、フェニル基が挙げられる。Rの置換基としては、例えば、メチル基等が挙げられる。
なお、式(3)中、複数のRは互いに独立したものであり、互いに異なっていてもよいし、同じであってもよい。
また、式(3)中、「-O-Si≡」は、Siが三次元に広がる分岐構造を有することを表している。
なお、分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)と分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)において、Siに直接結合する水素原子(ヒドリド基)の量は、それぞれ、特に限定されない。ただし、シリコーンゴム系硬化性組成物において、ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)中のビニル基1モルに対し、直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)と分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)の合計のヒドリド基量が、0.5~5モルとなる量が好ましく、1~3.5モルとなる量がより好ましい。これにより、直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)および分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)と、ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)との間で、架橋ネットワークを確実に形成させることができる。
<<シリカ粒子(C)>>
本実施形態に係るシリコーンゴム系硬化性組成物は、非導電性フィラーを含む。非導電性フィラーは、必要に応じ、シリカ粒子(C)を含んでもよい。これにより、エラストマーの硬さや機械的強度の向上を図ることができる。
絶縁性シリコーンゴム系硬化性組成物および導電性シリコーンゴム系硬化性組成物は、同種の非導電性フィラーを含んでもよい。同種の非導電性フィラーとは、少なくとも共通の構成材料を有していればよく、粒子径、比表面積、表面処理剤、又はその添加量が異なっていてもよい。
なお、絶縁性シリコーンゴム系硬化性組成物および導電性シリコーンゴム系硬化性組成物は、互いに異なるシランカップリング剤をさらに含んでもよい。
シリカ粒子(C)としては、特に限定されないが、例えば、ヒュームドシリカ、焼成シリカ、沈降シリカ等が用いられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
シリカ粒子(C)は、例えば、BET法による比表面積が例えば50~400m/gであるのが好ましく、100~400m/gであるのがより好ましい。また、シリカ粒子(C)の平均一次粒径は、例えば1~100nmであるのが好ましく、5~20nm程度であるのがより好ましい。
シリカ粒子(C)として、かかる比表面積および平均粒径の範囲内であるものを用いることにより、形成されるシリコーンゴムの硬さや機械的強度の向上、特に引張強度の向上をさせることができる。
<<シランカップリング剤(D)>>
本実施形態のシリコーンゴム系硬化性組成物は、シランカップリング剤(D)を含むことができる。
シランカップリング剤(D)は、加水分解性基を有することができる。加水分解基が水により加水分解されて水酸基になり、この水酸基がシリカ粒子(C)表面の水酸基と脱水縮合反応することで、シリカ粒子(C)の表面改質を行うことができる。
絶縁性シリコーンゴム系硬化性組成物および導電性シリコーンゴム系硬化性組成物は、同種のシランカップリング剤を含んでもよい。同種のシランカップリング剤とは、少なくとも共通の官能基を有していればよく、分子中の他の官能基や添加量が異なっていてもよい。
なお、絶縁性シリコーンゴム系硬化性組成物および導電性シリコーンゴム系硬化性組成物は、互いに異なるシランカップリング剤をさらに含んでもよい。
また、このシランカップリング剤(D)は、疎水性基を有するシランカップリング剤を含むことができる。これにより、シリカ粒子(C)の表面にこの疎水性基が付与されるため、シリコーンゴム系硬化性組成物中ひいてはシリコーンゴム中において、シリカ粒子(C)の凝集力が低下(シラノール基による水素結合による凝集が少なくなる)し、その結果、シリコーンゴム系硬化性組成物中のシリカ粒子(C)の分散性が向上すると推測される。これにより、シリカ粒子(C)とゴムマトリックスとの界面が増加し、シリカ粒子(C)の補強効果が増大する。さらに、ゴムのマトリックス変形の際、マトリックス内でのシリカ粒子(C)の滑り性が向上すると推測される。そして、シリカ粒子(C)の分散性の向上及び滑り性の向上によって、シリカ粒子(C)によるシリコーンゴムの機械的強度(例えば、引張強度や引裂強度など)が向上する。
さらに、シランカップリング剤(D)は、ビニル基を有するシランカップリング剤を含むことができる。これにより、シリカ粒子(C)の表面にビニル基が導入される。そのため、シリコーンゴム系硬化性組成物の硬化の際、すなわち、ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)が有するビニル基と、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)が有するヒドリド基とがヒドロシリル化反応して、これらによるネットワーク(架橋構造)が形成される際に、シリカ粒子(C)が有するビニル基も、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)が有するヒドリド基とのヒドロシリル化反応に関与するため、ネットワーク中にシリカ粒子(C)も取り込まれるようになる。これにより、形成されるシリコーンゴムの低硬度化および高モジュラス化を図ることができる。
シランカップリング剤(D)としては、疎水性基を有するシランカップリング剤およびビニル基を有するシランカップリング剤を併用することができる。
シランカップリング剤(D)としては、例えば、下記式(4)で表されるものが挙げられる。
-Si-(X)4-n・・・(4)
上記式(4)中、nは1~3の整数を表す。Yは、疎水性基、親水性基またはビニル基を有するもののうちのいずれかの官能基を表し、nが1の時は疎水性基であり、nが2または3の時はその少なくとも1つが疎水性基である。Xは、加水分解性基を表す。
疎水性基は、炭素数1~6のアルキル基、アリール基、またはこれらを組み合わせた炭化水素基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、フェニル基等が挙げられ、中でも、特に、メチル基が好ましい。
また、親水性基は、例えば、水酸基、スルホン酸基、カルボキシル基またはカルボニル基等が挙げられ、中でも、特に、水酸基が好ましい。なお、親水性基は、官能基として含まれていてもよいが、シランカップリング剤(D)に疎水性を付与するという観点からは含まれていないのが好ましい。
さらに、加水分解性基は、メトキシ基、エトキシ基のようなアルコキシ基、クロロ基またはシラザン基等が挙げられ、中でも、シリカ粒子(C)との反応性が高いことから、シラザン基が好ましい。なお、加水分解性基としてシラザン基を有するものは、その構造上の特性から、上記式(4)中の(Y-Si-)の構造を2つ有するものとなる。
上記式(4)で表されるシランカップリング剤(D)の具体例は、次の通りである。
上記官能基として疎水性基を有するものとして、例えば、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、n-プロピルトリメトキシシラン、n-プロピルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシランのようなアルコキシシラン;メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、フェニルトリクロロシランのようなクロロシラン;ヘキサメチルジシラザンが挙げられる。この中でも、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルクロロシラン、トリメチルメトキシシラン、及びトリメチルエトキシシランからなる群から選択される一種以上を含むトリメチルシリル基を有するシランカップリング剤が好ましい。
上記官能基としてビニル基を有するものとして、例えば、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシランのようなアルコキシシラン;ビニルトリクロロシラン、ビニルメチルジクロロシランのようなクロロシラン;ジビニルテトラメチルジシラザンが挙げられる。この中でも、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、ジビニルテトラメチルジシラザン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、及びビニルメチルジメトキシシランからなる群から選択される一種以上を含むビニル基含有オルガノシリル基を有するシランカップリング剤が好ましい。
またシランカップリング剤(D)がトリメチルシリル基を有するシランカップリング剤およびビニル基含有オルガノシリル基を有するシランカップリング剤の2種を含む場合、疎水性基を有するものとしてはヘキサメチルジシラザン、ビニル基を有するものとしてはジビニルテトラメチルジシラザンを含むことが好ましい。
トリメチルシリル基を有するシランカップリング剤(D1)およびビニル基含有オルガノシリル基を有するシランカップリング剤(D2)を併用する場合、(D1)と(D2)の比率は、特に限定されないが、例えば、重量比で(D1):(D2)が、1:0.001~1:0.35、好ましくは1:0.01~1:0.20、より好ましくは1:0.03~1:0.15である。このような数値範囲とすることにより、所望のシリコーンゴムの物性を得ることができる。具体的には、ゴム中におけるシリカの分散性およびゴムの架橋性のバランスを図ることができる。
本実施形態において、シランカップリング剤(D)の含有量の下限値は、ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)の合計量100重量部に対して、1質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることがより好ましく、5質量%以上であることがさらに好ましい。また、シランカップリング剤(D)の含有量上限値は、ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)の合計量100重量部に対して、100質量%以下であることが好ましく、80質量%以下であることがより好ましく、40質量%以下であることがさらに好ましい。
シランカップリング剤(D)の含有量を上記下限値以上とすることにより、エラストマーを含む柱状部と導電性樹脂層との密着性を高めることができる。また、シリコーンゴムの機械的強度の向上に資することができる。また、シランカップリング剤(D)の含有量を上記上限値以下とすることにより、シリコーンゴムが適度な機械特性を持つことができる。
<<白金または白金化合物(E)>>
本実施形態に係るシリコーンゴム系硬化性組成物は、触媒を含んでもよい。触媒は、白金または白金化合物(E)を含むことができる。白金または白金化合物(E)は、硬化の際の触媒として作用する触媒成分である。白金または白金化合物(E)の添加量は触媒量である。
絶縁性シリコーンゴム系硬化性組成物および導電性シリコーンゴム系硬化性組成物は、同種の触媒を含んでもよい。同種の触媒とは、少なくとも共通の構成材料を有していればよく、触媒中に異なる組成が含まれていてもよく、その添加量が異なっていてもよい。
なお、絶縁性シリコーンゴム系硬化性組成物および導電性シリコーンゴム系硬化性組成物は、互いに異なる触媒をさらに含んでもよい。
白金または白金化合物(E)としては、公知のものを使用することができ、例えば、白金黒、白金をシリカやカーボンブラック等に担持させたもの、塩化白金酸または塩化白金酸のアルコール溶液、塩化白金酸とオレフィンの錯塩、塩化白金酸とビニルシロキサンとの錯塩等が挙げられる。
なお、白金または白金化合物(E)は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態において、シリコーンゴム系硬化性組成物中における白金または白金化合物(E)の含有量は、触媒量を意味し、適宜設定することができるが、具体的にはビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)、シリカ粒子(C)、シランカップリング剤(D)の合計量100重量部に対して、白金族金属が重量単位で0.01~1000ppmとなる量であり、好ましくは、0.1~500ppmとなる量である。
白金または白金化合物(E)の含有量を上記下限値以上とすることにより、シリコーンゴム系硬化性組成物が適切な速度で硬化することが可能となる。また、白金または白金化合物(E)の含有量を上記上限値以下とすることにより、製造コストの削減に資することができる。
<<水(F)>>
また、本実施形態に係るシリコーンゴム系硬化性組成物には、上記成分(A)~(E)以外に、水(F)が含まれていてもよい。
水(F)は、シリコーンゴム系硬化性組成物に含まれる各成分を分散させる分散媒として機能するとともに、シリカ粒子(C)とシランカップリング剤(D)との反応に寄与する成分である。そのため、シリコーンゴム中において、シリカ粒子(C)とシランカップリング剤(D)とを、より確実に互いに連結したものとすることができ、全体として均一な特性を発揮することができる。
(その他の成分)
さらに、本実施形態のシリコーンゴム系硬化性組成物は、上記(A)~(F)成分以外に、他の成分をさらに含むことができる。この他の成分としては、例えば、珪藻土、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化バリウム、酸化マグネシウム、酸化セリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、ガラスウール、マイカ等のシリカ粒子(C)以外の無機充填材、反応阻害剤、分散剤、顔料、染料、帯電防止剤、酸化防止剤、難燃剤、熱伝導性向上剤等の添加剤が挙げられる。
本実施形態に係る導電性溶液(導電性シリコーンゴム組成物)は、導電性フィラーを含まない上記シリコーンゴム系硬化性組成物に加えて、上記導電性フィラーおよび溶剤を含むものである。
上記溶剤としては、公知の各種溶剤を用いることができるが、例えば、高沸点溶剤を含むことができる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記溶剤の一例としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、オクタン、デカン、ドデカン、テトラデカンなどの脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン、トリフルオロメチルベンゼン、ベンゾトリフルオリドなどの芳香族炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、シクロペンチルエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、1,4-ジオキサン、1,3-ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル類;ジクロロメタン、クロロホルム、1,1-ジクロロエタン、1,2-ジクロロエタン、1,1,1-トリクロロエタン、1,1,2-トリクロロエタンなどのハロアルカン類;N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミドなどのカルボン酸アミド類;ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキシド類などを例示することができる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記導電性溶液は、溶液中の固形分量などを調整することで、スプレー塗布やディップ塗布等の各種の塗布方法に適切な粘度を備えることができる。
また、上記導電性溶液が上記導電性フィラーおよび上記シリカ粒子(C)を含む場合、電極部80が含むシリカ粒子(C)の含有量の下限値は、シリカ粒子(C)および導電性フィラーの合計量100質量%に対して、例えば、1質量%以上であり、好ましくは3質量%以上であり、より好ましくは5質量%以上とすることができる。これにより、電極13の機械的強度を向上させることができる。一方で、上記電極部80が含むシリカ粒子(C)の含有量の上限値は、シリカ粒子(C)および導電性フィラーの合計量100質量%に対して、例えば、20質量%以下であり、好ましくは15質量%以下であり、より好ましくは10質量%以下である。これにより、電極部80における導電性と機械的強度や柔軟性とのバランスを図ることができる。
導電性溶液を必要に応じて加熱乾燥することで、導電性シリコーンゴムが得られる。
導電性シリコーンゴムは、シリコーンオイルを含まない構成であってもよい。これにより、電極部80の表面にシリコーンオイルがブリードアウトすることで導通性が低下することを抑制できる。
<信号線69の材料>
信号線69は、公知のものを使用することができるが、例えば、導電繊維で構成され得る。導電繊維としては、金属繊維、金属被覆繊維、炭素繊維、導電性ポリマー繊維、導電性ポリマー被覆繊維、および導電ペースト被覆繊維からなる群から選択される一種以上を用いることができる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記金属繊維、金属被覆繊維、の金属材料は、導電性を有するものであれば限定されないが、銅、銀、金、ニッケル、錫、鉛、亜鉛、ビスマス、アンチモン、ステンレス、アルミニウム、銀/塩化銀およびこれらの合金等が挙げられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、導通性の観点から、銀を用いることができる。また、金属材料は、クロム等の環境に負荷を与える金属を含まないことが好ましい。
上記金属被覆繊維、導電性ポリマー被覆繊維、導電ペースト被覆繊維の繊維材料は、特に限定されないが、合成繊維、半合成繊維、天然繊維のいずれでもよい。これらの中でも、ポリエステル、ナイロン、ポリウレタン、絹および綿等を用いることが好ましい。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記炭素繊維は、例えば、PAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維等が挙げられる。
上記導電性ポリマー繊維および導電性ポリマー被覆繊維の導電性ポリマー材料は、例えば、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリフェニレンビニレン、ポリナフタレン、及びこれらの誘導体等の導電性高分子およびバインダ樹脂の混合物、あるいは、PEDOT-PSS((3,4-エチレンジオキシチオフェン)-ポリ(スチレンスルホン酸))等の導電性高分子の水溶液が用いられる。
上記導電ペースト被覆繊維の導電ペーストに含まれる樹脂材料は特に限定されないが伸縮性を有することが好ましく、例えばシリコーンゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴム、ニトリルゴム、アクリルゴム、スチレンゴム、クロロプレンゴム、およびエチレンプロピレンゴムからなる群から選択される一種以上を含むことができる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記導電ペースト被覆繊維の導電ペーストに含まれる導電性フィラーは特に限定されないが、公知の導電材料を用いてもよいが、金属粒子、金属繊維、金属被覆繊維、カーボンブラック、アセチレンブラック、グラファイト、炭素繊維、カーボンナノチューブ、導電性ポリマー、導電性ポリマー被覆繊維および金属ナノワイヤーからなる群から選択される一種以上を含むことができる。
上記導電性フィラーを構成する金属は、特に限定はされないが、例えば、銅、銀、金、ニッケル、錫、鉛、亜鉛、ビスマス、アンチモン、銀/塩化銀、或いはこれらの合金のうち少なくとも一種類、あるいは、これらのうちの二種以上を含むことができる。この中でも、導電性の高さや入手容易性の高さから、銀または銅が好ましい。
上記信号線69が、線状の導電繊維を複数本撚り合わせた撚糸で構成されてもよい。これにより、変形時における信号線69の断線を抑制できる。
本実施形態において、導電繊維における被覆とは、単に繊維材料の外表面を覆うことのみならず、単繊維を撚り合わせた撚糸などの場合は、その撚糸の中の繊維間隙に金属、導電性ポリマー、または導電ペーストが含浸し、撚糸を構成する単繊維を1本毎に被覆するものを含む。
信号線69の引張破断伸度は、例えば、1%以上~50%以下、好ましくは1.5%以上~45%である。このような数値範囲内とすることで、変形時の破断を抑制しつつも、突起部60の過度な変形を抑制できる。
<電極部80の材料>
電極部80の導電部材は、例えば、良導性金属を含むペーストである。良導性金属は、銅、銀、金、ニッケル、錫、鉛、亜鉛、ビスマス、アンチモン、或いはこれらの合金からなる群から選択される一種以上を含む。特に、入手性や導電性の観点から、銀や塩化銀、銅が好適である。
良導性金属を含むペーストで電極部80を形成する場合は、ゴム状の弾性体でできた突起部60の頂点61を、良導性金属を含むペースト状の導電性溶液にディップ(浸漬塗布)する。これにより、突起部60の表面に電極部80が形成される。
なお、導電性フィラーおよび溶剤を含む導電性溶液を、突起部60の表面に塗布することにより、導電性樹脂層としての電極部80を形成してもよい。このとき、溶剤を突起部60と同じ系統の材質(シリコーンゴム)とすることで、電極部80(導電性樹脂層)の密着性を高められる。
導電性溶液を必要に応じて加熱乾燥することで、導電性シリコーンゴムが得られる。
導電性シリコーンゴムは、シリコーンオイルを含まない構成であってもよい。これにより、電極部80の表面にシリコーンオイルがブリードアウトすることで導通性が低下することを抑制できる。
これにより、脳波測定装置1を頭部99へ装着する際の毛髪の掻き分け性能を向上させることができる。また、脳波測定装置1を装着した際の電極部80の接触面積の十分な確保が可能となる。
<脳波検出用電極50の製造方法>
本実施形態の脳波検出用電極50の製造方法の一例は次の工程を含むことができる。
まず、金型を用いて、上記シリコーンゴム系硬化性組成物を加熱加圧成形し、基部51および突起部60からなる成形体を得る。続いて、得られた成形体の各突起部60の内部に、縫い針を用いて、信号線69を通す。その後得られた成形体の突起部60(頂点61を含む所定範囲)に、ペースト状の導電性溶液をディップ塗布し、加熱乾燥後、ポストキュアを行う。これにより、突起部60の表面に電極部80を形成できる。
以上により、脳波検出用電極50を製造することができる。
なお、上記成形工程時において、信号線69を配置した成形空間内に、上記シリコーンゴム系硬化性組成物を導入し、加圧加熱成形するインサート成形を用いてもよい。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
この出願は、2021年9月24日に出願された日本出願特願2021-155434号を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
1 脳波測定装置
10 脳波電極ユニット
11 ボディ部
12 信号取出部
13 螺刻部
14 電極固定部
20 フレーム
21 電極ユニット取付部
50、50A~50E 脳波検出用電極
51 基部
52 突起部形成面
60 突起部
61 頂点
69 信号線
80 電極部

Claims (9)

  1. 被験者の頭皮に接触して脳波を検出する脳波検出用電極であって、
    基部と、
    前記基部から突出する複数の錐体形状の突起部と、
    前記突起部に設けられた電極部と、
    を有し、
    前記電極部は前記突起部が呈する錐体形状の先端を覆って形成されており、
    前記電極部が錐体の形状を呈する前記突起部の表面に形成されることにより、前記突起部に設けられた前記電極部が錐体の形状を呈しおり、
    前記複数の錐体形状の突起部において、最も隣接する突起部間の距離D1は、下記の式(1)を満たす脳波検出用電極。
    D1<L(m+n1/2-d 又は D1>L(m+n1/2+d ・・・(1)
    m,n:0以上の整数であって、かつm又はnのいずれかは1以上
    L:被験者の頭皮の毛穴中心間距離
    d:被験者の頭皮の毛穴径
  2. 前記複数の錐体形状の突起部は、それらの頂点が正方格子を構成するように配置されている、請求項1に記載の脳波検出用電極。
  3. 前記複数の錐体形状の突起部は、それらの頂点が正三角格子を構成するように配置されている、請求項1に記載の脳波検出用電極。
  4. 前記突起部が呈する錐体形状は四角錐である、請求項3に記載の脳波検出用電極。
  5. 隣接する前記突起部の底面の辺が接触して配置されている、請求項4に記載の脳波検出用電極。
  6. 前記突起部が呈する錐体形状は円錐である、請求項5に記載の脳波検出用電極。
  7. 前記最も隣接する突起部間の距離D1は、2mm以上10mm以下である、請求項1または2に記載の脳波検出用電極。
  8. 請求項1または2に記載の脳波検出用電極と、
    被験者の頭部に装着されるとともに、前記脳波検出用電極を取り付けるフレームと、
    を有する脳波測定装置。
  9. 請求項8に記載の脳波測定装置を被験者の頭部に装着して脳波測定を行う脳波測定方法。
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