JP7404998B2 - 脳波検出用電極及び脳波測定装置 - Google Patents

脳波検出用電極及び脳波測定装置 Download PDF

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Description

本発明は、脳波検出用電極および脳波測定装置に関する。
これまで脳波検出用電極に関して様々な開発がなされてきた。この種の技術として、例えば、特許文献1に記載の技術が知られている。特許文献1に開示の脳波検出用電極(脳波電極保持具)は、基底部と、前記基底部から突出して設けられた、ゴムからなる突出部と、前記突出部の先端に設けられ、前記脳波検出用電極の外部と電気的に接続され、前記脳波の測定時に頭皮に接触する、金属からなる接触部とを有する。
特許5842198号公報
一般に、脳波センサと頭皮との接触面積が大きいほど、接触抵抗が低下し、きれいな脳波取得性の向上が図られる。現状としては、頭皮と接触する際に、毛髪が邪魔になっており、毛髪の掻き分け性能の改善と頭皮との安定した接触が求められていた。特許文献1に開示の技術では、そのような要望に対して十分に応えることができず別の技術が必要とされていた。
本発明はこのような状況に鑑みなされたものであって、脳波測定において毛髪の掻き分け性能の改善と頭皮との安定した接触技術を実現した脳波検出用電極を提供することを目的とする。
本発明によれば、
基部と、
前記支持体から延出する複数の突起部と、
前記突起部に設けられた電極部と、
を有し
前記突起部は、先端部分に略平坦な接触面を有し、
前記接触面は、先端側に向けて線状に延びる凸部を有する、
脳波検出用電極が提供される。
また、本発明によれば、上述の脳波検出用電極を有する脳波測定装置が提供される。
本発明によれば、脳波測定において毛髪の掻き分け性能の改善と頭皮との安定した接触技術を実現した脳波検出用電極を提供することができる。
第1の実施形態に係る、頭部に装着した状態の脳波測定装置を模式的に示す図である。 第1の実施形態に係る、フレームの斜視図である。 第1の実施形態に係る、脳波電極ユニットの正面図である。 第1の実施形態に係る、脳波検出用電極の斜視図である。 第1の実施形態に係る、一つの突起部を切り取って示した図である。 第1の実施形態に係る、線状凸部を備える平坦部を軸線側から見た図である。 第1の実施形態に係る、線状凸部の有無により、頭皮への接触状態がどのようになるか比較をしたシミュレーション結果を示す図である。 第1の実施形態に係る、線状凸部の有無により、頭皮への接触状態がどのようになるか比較をしたシミュレーション結果を示す図である。 第2の実施形態に係る、一つの突起部を切り取って示した図である。 第3の実施形態に係る、一つの突起部を切り取って示した図である。 第4の実施形態に係る、一つの突起部を切り取って示した図である。 第5の実施形態に係る、一つの突起部を切り取って示した図である。 第6の実施形態に係る、一つの突起部を切り取って示した図である。
≪第1の実施形態≫
<概要>
図1は人の頭部99に装着した状態の脳波測定装置1を模式的に示す図である。
脳波測定装置1は、人の頭部99に装着され、脳波を生体からの電位変動として検出し、検出した脳波を脳波表示装置(図示せず)に出力する。脳波表示装置は、脳波測定装置1が検出した脳波を取得して、モニタ表示したり、データ保存したり、周知の脳波解析処理を行う。
<脳波測定装置1の構造>
図1に示すように、脳波測定装置1は、フレーム20と、フレーム20に取り付けられる複数の脳波電極ユニット10と、を有する。本実施形態では、脳波電極ユニット10は、5ch分(5個)設けられている。それぞれの脳波電極ユニット10には脳波検出用電極50が取り付けられている。
<フレーム20の構造>
図2にフレーム20の正面図を示す。フレーム20は、例えばポリアミド樹脂のような硬質部材で帯状に、かつ人間の頭部99の形状に沿うように湾曲して形成されている。
フレーム20には、脳波電極ユニット10を取り付けるための開口として電極ユニット取付部21が5カ所設けられている。電極ユニット取付部21の位置(すなわち脳波電極ユニット10の取付位置)は、例えば国際10-20電極配置法におけるT3、C3、Cz、C4、T4の位置に対応する。
電極ユニット取付部21の内周面は螺刻されており、脳波電極ユニット10がその胴部11の螺刻部13(図3参照)により螺着する。脳波電極ユニット10をネジ込む量を調整することで、フレーム20から頭部99方向への突き出し量を調整し、頭部99(頭皮)との接触量・接触圧をコントロールすることができる。また、ネジ込む動作により、毛髪を掻き分ける。
<脳波電極ユニット10の構造>
図3に脳波電極ユニット10の正面図を示す。脳波電極ユニット10は、略円柱状の胴部11と、その一端側(図中下側)に設けられた脳波検出用電極50とを有する。
胴部11は、信号取出部12と、螺刻部13と、電極固定部14とを一体に有する。
螺刻部13は、円柱形状の側面に螺刻した形状である。螺刻部13の一端(図中上側)に信号取出部12が設けられている。信号取出部12には信号出力端子が設けられる。また、信号取出部12は脳波電極ユニット10をフレーム20に螺着する際に作業者によって(必要に応じて所定の治具を用いて)操作される。螺刻部13の他端(図中下側)には、螺刻部13より小径の円柱状の電極固定部14が設けられている。電極固定部14に脳波検出用電極50が取り付けられる。
<脳波検出用電極50の構造>
図4は脳波検出用電極50の斜視図である。脳波検出用電極50は、基部51と、突起部60とを有する。基部51と突起部60とは、ゴム状の弾性体によって一体に設けられている。また、突起部60には、線状凸部70が一体に設けられている。突起部60や線状凸部70の形状・寸法・配置等は、毛髪の太さ(例えば平均的な日本人で0.05~0.10mmとされる。)応じて、所望の機能が実現できるように設定される。以下、具体的に説明する。
基部51は、略円柱形状であって、一端(図4では上側)が円形状の電極形成面52(突起形成面)、他端(図4では下側)が円形状の取付面53となっている。基部51の外径D10は、例えば5mm~30mmである。基部51の高さh10は、例えば1.0mm~20mmである。
取付面53が、胴部11の電極固定部14に接着剤等により取り付けられる。なお、取付面53と電極固定部14の固定構造として、凹凸形状による嵌合構造が用いられてもよい。
電極形成面52には、複数の突起部60が所定間隔で円環状に設けられている。ここでは、突起部60は、電極形成面52の円形状の周方向に30度間隔で12個設けられている。
<突起部60の構造>
図5は一つの突起部60を切り取って示した斜視図である。
突起部60は、円錐形状の先端側が平面(または平面に近い面)で斜めに切り取られた形状を呈している。斜めに切り取られて形成された面は電極部80が設けられ脳波計測のために頭皮に接触する平坦面61であって、楕円形状となっている。
本実施形態では、楕円の長軸が2.0~6.5mmの範囲となるのが好ましく、4.0mm~6.0mmの範囲となるのがより好ましい。また、楕円の短軸が0.8~4.0mmの範囲となるのが好ましく、1.0mm~3.0mmの範囲となるのがより好ましい。なお、突起部60が角錐の場合は、平坦面61は多角形の形状となる。
突起部60の円錐形状の底面62(すなわち電極形成面52との境界)の外径は、1.0~5.0mmとなるのが好ましく、2.0mm~4.0mmの範囲となるのがより好ましい。
突起部60の高さは、例えば6mmであり、2.0~10mmとなるのが好ましく、3.0mm~8.0mmの範囲となるのがより好ましい。
平坦面61は、上述の図4に示すように、電極形成面52の円形状の中心59を貫く軸線Z1の方向を向いている。すなわち、平坦面61(より具体的には楕円中心)から垂直に延びる垂線が上記円形状の軸線Z1に向かう。
図5及び図6を参照して、突起部60の平坦面61に形成される線状凸部70について説明する。ここで、図6に示すように、楕円形状を呈する平坦面61の先端側(上側)の端部を先端65、下側の端部を下端66として説明する。平坦面61の長軸の長さL1(先端65から下端66までの長さ)は、例えば、2~10mmである。
平坦面61には、図示のように、先端側に向けて線状(棒状)に延び凸部(以下、「線状凸部70」という)を有する。線状凸部70は、長軸に対して平行な2本の線状かつ凸状の形状を有し、平坦面61から延出して形成されている。すなわち、線状凸部70は、第1凸部70aと第2凸部70bとを有する。
第1凸部70aと第2凸部70bの凸形状は、幅方向の断面(長手方向に垂直な面で切り取った断面)は、例えば長方形であるが、その他に、正方形や台形であってもよい。また、第3の実施形態で後述するように、半円のように断面外周が曲線であってもよい。なお、断面矩形の角はテーパ又はラウンド状に面取りされてもよい。
第1凸部70aと第2凸部70bのそれぞれの高さ(平坦面61から凸形状先端までの垂直方向の距離)は、先端65側から下端66側まで同じであってもよいし、異なってもよい。一般に、突起部60が頭皮に押し当てられる場合、平坦面61は、先端65側から頭皮に接触し、撓みながら徐々に下端66側が接触する。したがって、円滑な接触及び撓みを実現する観点から、線状凸部70(第1凸部70a、第2凸部70b)は、先端65側に向けて漸次が低くなる傾斜部として形成されることが好ましい。なお、その場合、傾斜は途中(例えば先端65から1/2の地点)で一定になってもよい。いずれにせよ、頭皮に押しつけるときの接触状態が好適になるように設定される。
線状凸部70(第1凸部70a、第2凸部70b)の高さは、最も高い位置で、例えば0.05~0.5mmであり、好ましくは0.08~0.25mmであり、より好ましくは0.1~0.25mmである。
第1凸部70a及び第2凸部70bは、それぞれ平坦面61に垂直上方から見たときに長方形を呈しており、長手方向の長さL2は、例えば1~5mmであり、好ましくは1.5~4mmであり、より好ましくは2~3mmである。
短手方向の長さL3(幅)は、例えば0.1~1.5mmであり、好ましくは0.15~1.25mmであり、より好ましくは0.2~1mmである。
第1凸部70aと第2凸部70bとの間隔L4は、例えば0.3~3mmであり、好ましくは0.5~2.5mmであり、より好ましくは0.6~2mmである。
図7及び図8を参照して、線状凸部70の有無により、頭皮への接触状態がどのようになるか比較をしたシミュレーション結果を示す。ここでは、毛髪を想定した棒を挟むようにして平板に突起部60を押しつけたときの状態を示し、濃く示されている領域が接触状態が良好である旨を示している。
図7は、1本の毛髪を想定し直径0.08mmの円柱の棒を挟んだものであり、図7(a)が線状凸部70あり、図7(b)が線状凸部70無しである。図7(a)に示すように、線状凸部70(第1凸部70a、第2線状凸部70b)がある場合、1本程度の毛髪(棒)が平坦面61との間にあっても、第1凸部70aと第2凸部70bとの間に収容され、第1凸部70aと第2凸部70bでは、安定した接触状態が得られる。また、図7(b)に示すように、線状凸部70が無く、平坦面61が平坦である場合、棒から離れた平坦面61の周縁領域で十分な接触状態が得られる。しかしながら、棒の位置や向きによっては、良好な接触状態が得られる領域が異なってきて、脳波測定時のSNが安定せず、計測装置側の調整が必要になる場合もある。一方、線状凸部70を有する場合は、概ね線状凸部70において頭皮と接触することになり、安定した脳波測定が可能となる。
図8は複数本の毛髪を想定し直径0.32の円柱の棒を挟んだもので、図8(a)が線状凸部70あり、図8(b)が線状凸部70無しである。図8(a)に示すように、線状凸部70(第1凸部70a、第2線状凸部70b)がある場合、複数本の毛髪(棒)が平坦面61との間にあっても、第1凸部70aと第2凸部70bとの間に収容され、第1凸部70aと第2凸部70bでは、安定した接触状態が得られる。一方、図8(b)に示すように、線状凸部70が無く、平坦面61が平坦である場合、棒から離れた平坦面61の周縁領域で接触状態が得られるが、安定した脳波測定は困難な状態である。
<電極部80の構造>
線状凸部70(第1凸部70a、第2凸部70b)には全体に亘って電極部80が設けられ頭部99(頭皮)と接触する。線状凸部70の内部において、電極部80には接続する導電性の信号線が設けられる。信号線69の配索構造が煩雑になる場合には、平坦面61の全体又は線状凸部70(第1凸部70a、第2凸部70b)が形成される領域共通に電極部80を設けて、信号線を一本化してもよい。
また、電極部80が線状凸部70を含む突起部60全体(もしくは一部)に形成され、電極部80に接続する信号線が平坦面61、または突起部60側面に埋没する構成とされてもよい。
信号線は、突起部60や線状凸部70(第1凸部70a、第2凸部70b)の内部を導通する態様であれば各種の配置構造を採用し得る。例えば、信号線の先端は、線状凸部70の先端面や側面に対して、突出した構造、略同一面上となる構造、埋没した構造のいずれでもよい。電極部80との接続安定性の観点から、突出した構造を用いてもよい。信号線の先端の突出部分は、一部または全体が電極部80で覆われている。
信号線の先端の突出構造は、折り返し無し、折り返し有り、線状凸部70の先端部の表面に巻き付ける構造が採用し得る。
<脳波検出用電極50の材料>
脳波検出用電極50の材料について説明する。脳波検出用電極50は、上述のようにゴム状の弾性体である。ゴム状の弾性体として、具体的にはゴムや熱可塑性エラストマー(単に「エラストマー(TPE)」ともいう)である。ゴムとしては、例えばシリコーンゴムがある。熱可塑性エラストマーとして、例えば、スチレン系TPE(TPS)、オレフィン系TPE(TPO)、塩化ビニル系TPE(TPVC)、ウレタン系TPE(TPU)、エステル系TPE(TPEE)、アミド系TPE(TPAE)などがある。
脳波検出用電極50がシリコーンゴムである場合、37℃、JIS K 6253(1997)に準拠して測定される、脳波検出用電極50の表面(基部51や突起部60)におけるタイプAデュロメータ硬さをゴム硬度Aとしたとき、ゴム硬度Aが、例えば、15以上55以下である。
ここで、上記シリコーンゴム系硬化性組成物について説明する。
上記シリコーンゴムは、シリコーンゴム系硬化性組成物の硬化物で構成することができる。シリコーンゴム系硬化性樹脂組成物の硬化工程は、例えば、100~250℃で1~30分間加熱(1次硬化)した後、100~200℃で1~4時間ポストベーク(2次硬化)することによって行われる。
絶縁性シリコーンゴムは、導電性フィラーを含まないシリコーンゴムであり、導電性シリコーンゴムは導電性フィラーを含むシリコーンゴムである。
本実施形態に係るシリコーンゴム系硬化性組成物は、ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)を含むことができる。ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)は、本実施形態のシリコーンゴム系硬化性組成物の主成分となる重合物である。
絶縁性シリコーンゴム系硬化性組成物および導電性シリコーンゴム系硬化性組成物は、同種のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサンを含んでもよい。同種のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサンとは、少なくとも官能基が同じビニル基を含み、直鎖状を有していればよく、分子中のビニル基量や分子量分布、あるいはその添加量が異なっていてもよい。
なお、絶縁性シリコーンゴム系硬化性組成物および導電性シリコーンゴム系硬化性組成物は、互いに異なるビニル基含有オルガノポリシロキサンをさらに含んでもよい。
上記ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)は、直鎖構造を有するビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)を含むことができる。
上記ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)は、直鎖構造を有し、かつ、ビニル基を含有しており、かかるビニル基が硬化時の架橋点となる。
ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)のビニル基の含有量は、特に限定されないが、例えば、分子内に2個以上のビニル基を有し、かつ15モル%以下であるのが好ましく、0.01~12モル%であるのがより好ましい。これにより、ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)中におけるビニル基の量が最適化され、後述する各成分とのネットワークの形成を確実に行うことができる。本実施形態において、「~」は、その両端の数値を含むことを意味する。
なお、本明細書中において、ビニル基含有量とは、ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)を構成する全ユニットを100モル%としたときのビニル基含有シロキサンユニットのモル%である。ただし、ビニル基含有シロキサンユニット1つに対して、ビニル基1つであると考える。
また、ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)の重合度は、特に限定されないが、例えば、好ましくは1000~10000程度、より好ましくは2000~5000程度の範囲内である。なお、重合度は、例えばクロロホルムを展開溶媒としたGPC(ゲル透過クロマトグラフィー)におけるポリスチレン換算の数平均重合度(又は数平均分子量)等として求めることができる。
さらに、ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)の比重は、特に限定されないが、0.9~1.1程度の範囲であるのが好ましい。
ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)として、上記のような範囲内の重合度および比重を有するものを用いることにより、得られるシリコーンゴムの耐熱性、難燃性、化学的安定性等の向上を図ることができる。
ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)としては、特に、下記式(1)で表される構造を有するものであるが好ましい。
Figure 0007404998000001
式(1)中、Rは炭素数1~10の置換または非置換のアルキル基、アルケニル基、アリール基、またはこれらを組み合わせた炭化水素基である。炭素数1~10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられ、中でも、メチル基が好ましい。炭素数1~10のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基等が挙げられ、中でも、ビニル基が好ましい。炭素数1~10のアリール基としては、例えば、フェニル基等が挙げられる。
また、Rは炭素数1~10の置換または非置換のアルキル基、アルケニル基、アリール基、またはこれらを組み合わせた炭化水素基である。炭素数1~10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられ、中でも、メチル基が好ましい。炭素数1~10のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基が挙げられる。炭素数1~10のアリール基としては、例えば、フェニル基が挙げられる。
また、Rは炭素数1~8の置換または非置換のアルキル基、アリール基、またはこれらを組み合わせた炭化水素基である。炭素数1~8のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられ、中でも、メチル基が好ましい。炭素数1~8のアリール基としては、例えば、フェニル基が挙げられる。
さらに、式(1)中のRおよびRの置換基としては、例えば、メチル基、ビニル基等が挙げられ、Rの置換基としては、例えば、メチル基等が挙げられる。
なお、式(1)中、複数のRは互いに独立したものであり、互いに異なっていてもよいし、同じであってもよい。さらに、R、およびRについても同様である。
さらに、m、nは、式(1)で表されるビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)を構成する繰り返し単位の数であり、mは0~2000の整数、nは1000~10000の整数である。mは、好ましくは0~1000であり、nは、好ましくは2000~5000である。
また、式(1)で表されるビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)の具体的構造としては、例えば下記式(1-1)で表されるものが挙げられる。
Figure 0007404998000002
式(1-1)中、RおよびRは、それぞれ独立して、メチル基またはビニル基であり、少なくとも一方がビニル基である。
さらに、ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)としては、ビニル基含有量が分子内に2個以上のビニル基を有し、かつ0.4モル%以下である第1のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1-1)と、ビニル基含有量が0.5~15モル%である第2のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1-2)とを含有するものであるのが好ましい。シリコーンゴムの原料である生ゴムとして、一般的なビニル基含有量を有する第1のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1-1)と、ビニル基含有量が高い第2のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1-2)とを組み合わせることで、ビニル基を偏在化させることができ、シリコーンゴムの架橋ネットワーク中に、より効果的に架橋密度の疎密を形成することができる。その結果、より効果的にシリコーンゴムの引裂強度を高めることができる。
具体的には、ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)として、例えば、上記式(1-1)において、Rがビニル基である単位および/またはRがビニル基である単位を、分子内に2個以上有し、かつ0.4モル%以下を含む第1のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1-1)と、Rがビニル基である単位および/またはRがビニル基である単位を、0.5~15モル%含む第2のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1-2)とを用いるのが好ましい。
また、第1のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1-1)は、ビニル基含有量が0.01~0.2モル%であるのが好ましい。また、第2のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1-2)は、ビニル基含有量が、0.8~12モル%であるのが好ましい。
さらに、第1のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1-1)と第2のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1-2)とを組み合わせて配合する場合、(A1-1)と(A1-2)の比率は特に限定されないが、例えば、重量比で(A1-1):(A1-2)が50:50~95:5であるのが好ましく、80:20~90:10であるのがより好ましい。
なお、第1および第2のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1-1)および(A1-2)は、それぞれ1種のみを用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)は、分岐構造を有するビニル基含有分岐状オルガノポリシロキサン(A2)を含んでもよい。
<<オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)>>
本実施形態のシリコーンゴム系硬化性組成物は、架橋剤を含んでもよい。架橋剤は、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)を含むことができる。
オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)は、直鎖構造を有する直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)と分岐構造を有する分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)とに分類され、これらのうちのいずれか一方または双方を含むことができる。
絶縁性シリコーンゴム系硬化性組成物および導電性シリコーンゴム系硬化性組成物は、同種の架橋剤を含んでもよい。同種の架橋剤とは、少なくとも直鎖構造や分岐構造などの共通の構造を有していればよく、分子中の分子量分布や異なる官能基が含まれていてもよく、その添加量が異なっていてもよい。
なお、絶縁性シリコーンゴム系硬化性組成物および導電性シリコーンゴム系硬化性組成物は、互いに異なる架橋剤をさらに含んでもよい。
直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)は、直鎖構造を有し、かつ、Siに水素が直接結合した構造(≡Si-H)を有し、ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)のビニル基の他、シリコーンゴム系硬化性組成物に配合される成分が有するビニル基とヒドロシリル化反応し、これらの成分を架橋する重合体である。
直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)の分子量は特に限定されないが、例えば、重量平均分子量が20000以下であるのが好ましく、1000以上、10000以下であることがより好ましい。
なお、直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)の重量平均分子量は、例えばクロロホルムを展開溶媒としたGPC(ゲル透過クロマトグラフィー)におけるポリスチレン換算により測定することができる。
また、直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)は、通常、ビニル基を有しないものであるのが好ましい。これにより、直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)の分子内において架橋反応が進行するのを的確に防止することができる。
以上のような直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)としては、例えば、下記式(2)で表される構造を有するものが好ましく用いられる。
Figure 0007404998000003
式(2)中、Rは炭素数1~10の置換または非置換のアルキル基、アルケニル基、アリール基、これらを組み合わせた炭化水素基、またはヒドリド基である。炭素数1~10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられ、中でも、メチル基が好ましい。炭素数1~10のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基等が挙げられる。炭素数1~10のアリール基としては、例えば、フェニル基が挙げられる。
また、Rは炭素数1~10の置換または非置換のアルキル基、アルケニル基、アリール基、これらを組み合わせた炭化水素基、またはヒドリド基である。炭素数1~10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基が挙げられ、中でも、メチル基が好ましい。炭素数1~10のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基等が挙げられる。炭素数1~10のアリール基としては、例えば、フェニル基が挙げられる。
なお、式(2)中、複数のRは互いに独立したものであり、互いに異なっていてもよいし、同じであってもよい。Rについても同様である。ただし、複数のRおよびRのうち、少なくとも2つ以上がヒドリド基である。
また、Rは炭素数1~8の置換または非置換のアルキル基、アリール基、またはこれらを組み合わせた炭化水素基である。炭素数1~8のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられ、中でも、メチル基が好ましい。炭素数1~8のアリール基としては、例えば、フェニル基が挙げられる。複数のRは互いに独立したものであり、互いに異なっていてもよいし、同じであってもよい。
なお、式(2)中のR,R,Rの置換基としては、例えば、メチル基、ビニル基等が挙げられ、分子内の架橋反応を防止する観点から、メチル基が好ましい。
さらに、m、nは、式(2)で表される直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)を構成する繰り返し単位の数であり、mは2~150整数、nは2~150の整数である。好ましくは、mは2~100の整数、nは2~100の整数である。
なお、直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)は、分岐構造を有するため、架橋密度が高い領域を形成し、シリコーンゴムの系中の架橋密度の疎密構造形成に大きく寄与する成分である。また、上記直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)同様、Siに水素が直接結合した構造(≡Si-H)を有し、ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)のビニル基の他、シリコーンゴム系硬化性組成物に配合される成分のビニル基とヒドロシリル化反応し、これら成分を架橋する重合体である。
また、分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)の比重は、0.9~0.95の範囲である。
さらに、分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)は、通常、ビニル基を有しないものであるのが好ましい。これにより、分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)の分子内において架橋反応が進行するのを的確に防止することができる。
また、分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)としては、下記平均組成式(c)で示されるものが好ましい。
平均組成式(c)
(H(R3-aSiO1/2(SiO4/2
(式(c)において、Rは一価の有機基、aは1~3の範囲の整数、mはH(R3-aSiO1/2単位の数、nはSiO4/2単位の数である)
式(c)において、Rは一価の有機基であり、好ましくは、炭素数1~10の置換または非置換のアルキル基、アリール基、またはこれらを組み合わせた炭化水素基である。炭素数1~10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられ、中でも、メチル基が好ましい。炭素数1~10のアリール基としては、例えば、フェニル基が挙げられる。
式(c)において、aは、ヒドリド基(Siに直接結合する水素原子)の数であり、1~3の範囲の整数、好ましくは1である。
また、式(c)において、mはH(R3-aSiO1/2単位の数、nはSiO4/2単位の数である。
分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)は分岐状構造を有する。直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)と分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)は、その構造が直鎖状か分岐状かという点で異なり、Siの数を1とした時のSiに結合するアルキル基Rの数(R/Si)が、直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)では1.8~2.1、分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)では0.8~1.7の範囲となる。
なお、分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)は、分岐構造を有しているため、例えば、窒素雰囲気下、1000℃まで昇温速度10℃/分で加熱した際の残渣量が5%以上となる。これに対して、直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)は、直鎖状であるため、上記条件で加熱した後の残渣量はほぼゼロとなる。
また、分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)の具体例としては、下記式(3)で表される構造を有するものが挙げられる。
Figure 0007404998000004
式(3)中、Rは炭素数1~8の置換または非置換のアルキル基、アリール基、またはこれらを組み合わせた炭化水素基、もしくは水素原子である。炭素数1~8のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられ、中でも、メチル基が好ましい。炭素数1~8のアリール基としては、例えば、フェニル基が挙げられる。Rの置換基としては、例えば、メチル基等が挙げられる。
なお、式(3)中、複数のRは互いに独立したものであり、互いに異なっていてもよいし、同じであってもよい。
また、式(3)中、「-O-Si≡」は、Siが三次元に広がる分岐構造を有することを表している。
なお、分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)と分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)において、Siに直接結合する水素原子(ヒドリド基)の量は、それぞれ、特に限定されない。ただし、シリコーンゴム系硬化性組成物において、ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)中のビニル基1モルに対し、直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)と分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)の合計のヒドリド基量が、0.5~5モルとなる量が好ましく、1~3.5モルとなる量がより好ましい。これにより、直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)および分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)と、ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)との間で、架橋ネットワークを確実に形成させることができる。
<<シリカ粒子(C)>>
本実施形態に係るシリコーンゴム系硬化性組成物は、非導電性フィラーを含む。非導電性フィラーは、必要に応じ、シリカ粒子(C)を含んでもよい。これにより、エラストマーの硬さや機械的強度の向上を図ることができる。
絶縁性シリコーンゴム系硬化性組成物および導電性シリコーンゴム系硬化性組成物は、同種の非導電性フィラーを含んでもよい。同種の非導電性フィラーとは、少なくとも共通の構成材料を有していればよく、粒子径、比表面積、表面処理剤、又はその添加量が異なっていてもよい。
なお、絶縁性シリコーンゴム系硬化性組成物および導電性シリコーンゴム系硬化性組成物は、互いに異なるシランカップリング剤をさらに含んでもよい。
シリカ粒子(C)としては、特に限定されないが、例えば、ヒュームドシリカ、焼成シリカ、沈降シリカ等が用いられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
シリカ粒子(C)は、例えば、BET法による比表面積が例えば50~400m/gであるのが好ましく、100~400m/gであるのがより好ましい。また、シリカ粒子(C)の平均一次粒径は、例えば1~100nmであるのが好ましく、5~20nm程度であるのがより好ましい。
シリカ粒子(C)として、かかる比表面積および平均粒径の範囲内であるものを用いることにより、形成されるシリコーンゴムの硬さや機械的強度の向上、特に引張強度の向上をさせることができる。
<<シランカップリング剤(D)>>
本実施形態のシリコーンゴム系硬化性組成物は、シランカップリング剤(D)を含むことができる。
シランカップリング剤(D)は、加水分解性基を有することができる。加水分解基が水により加水分解されて水酸基になり、この水酸基がシリカ粒子(C)表面の水酸基と脱水縮合反応することで、シリカ粒子(C)の表面改質を行うことができる。
絶縁性シリコーンゴム系硬化性組成物および導電性シリコーンゴム系硬化性組成物は、同種のシランカップリング剤を含んでもよい。同種のシランカップリング剤とは、少なくとも共通の官能基を有していればよく、分子中の他の官能基や添加量が異なっていてもよい。
なお、絶縁性シリコーンゴム系硬化性組成物および導電性シリコーンゴム系硬化性組成物は、互いに異なるシランカップリング剤をさらに含んでもよい。
また、このシランカップリング剤(D)は、疎水性基を有するシランカップリング剤を含むことができる。これにより、シリカ粒子(C)の表面にこの疎水性基が付与されるため、シリコーンゴム系硬化性組成物中ひいてはシリコーンゴム中において、シリカ粒子(C)の凝集力が低下(シラノール基による水素結合による凝集が少なくなる)し、その結果、シリコーンゴム系硬化性組成物中のシリカ粒子(C)の分散性が向上すると推測される。これにより、シリカ粒子(C)とゴムマトリックスとの界面が増加し、シリカ粒子(C)の補強効果が増大する。さらに、ゴムのマトリックス変形の際、マトリックス内でのシリカ粒子(C)の滑り性が向上すると推測される。そして、シリカ粒子(C)の分散性の向上及び滑り性の向上によって、シリカ粒子(C)によるシリコーンゴムの機械的強度(例えば、引張強度や引裂強度など)が向上する。
さらに、シランカップリング剤(D)は、ビニル基を有するシランカップリング剤を含むことができる。これにより、シリカ粒子(C)の表面にビニル基が導入される。そのため、シリコーンゴム系硬化性組成物の硬化の際、すなわち、ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)が有するビニル基と、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)が有するヒドリド基とがヒドロシリル化反応して、これらによるネットワーク(架橋構造)が形成される際に、シリカ粒子(C)が有するビニル基も、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)が有するヒドリド基とのヒドロシリル化反応に関与するため、ネットワーク中にシリカ粒子(C)も取り込まれるようになる。これにより、形成されるシリコーンゴムの低硬度化および高モジュラス化を図ることができる。
シランカップリング剤(D)としては、疎水性基を有するシランカップリング剤およびビニル基を有するシランカップリング剤を併用することができる。
シランカップリング剤(D)としては、例えば、下記式(4)で表わされるものが挙げられる。
-Si-(X)4-n・・・(4)
上記式(4)中、nは1~3の整数を表わす。Yは、疎水性基、親水性基またはビニル基を有するもののうちのいずれかの官能基を表わし、nが1の時は疎水性基であり、nが2または3の時はその少なくとも1つが疎水性基である。Xは、加水分解性基を表わす。
疎水性基は、炭素数1~6のアルキル基、アリール基、またはこれらを組み合わせた炭化水素基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、フェニル基等が挙げられ、中でも、特に、メチル基が好ましい。
また、親水性基は、例えば、水酸基、スルホン酸基、カルボキシル基またはカルボニル基等が挙げられ、中でも、特に、水酸基が好ましい。なお、親水性基は、官能基として含まれていてもよいが、シランカップリング剤(D)に疎水性を付与するという観点からは含まれていないのが好ましい。
さらに、加水分解性基は、メトキシ基、エトキシ基のようなアルコキシ基、クロロ基またはシラザン基等が挙げられ、中でも、シリカ粒子(C)との反応性が高いことから、シラザン基が好ましい。なお、加水分解性基としてシラザン基を有するものは、その構造上の特性から、上記式(4)中の(Y-Si-)の構造を2つ有するものとなる。
上記式(4)で表されるシランカップリング剤(D)の具体例は、次の通りである。
上記官能基として疎水性基を有するものとして、例えば、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、n-プロピルトリメトキシシラン、n-プロピルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシランのようなアルコキシシラン;メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、フェニルトリクロロシランのようなクロロシラン;ヘキサメチルジシラザンが挙げられる。この中でも、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルクロロシラン、トリメチルメトキシシラン、及びトリメチルエトキシシランからなる群から選択される一種以上を含むトリメチルシリル基を有するシランカップリング剤が好ましい。
上記官能基としてビニル基を有するものとして、例えば、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシランのようなアルコキシシラン;ビニルトリクロロシラン、ビニルメチルジクロロシランのようなクロロシラン;ジビニルテトラメチルジシラザンが挙げられる。この中でも、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、ジビニルテトラメチルジシラザン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、及びビニルメチルジメトキシシランからなる群から選択される一種以上を含むビニル基含有オルガノシリル基を有するシランカップリング剤が好ましい。
またシランカップリング剤(D)がトリメチルシリル基を有するシランカップリング剤およびビニル基含有オルガノシリル基を有するシランカップリング剤の2種を含む場合、疎水性基を有するものとしてはヘキサメチルジシラザン、ビニル基を有するものとしてはジビニルテトラメチルジシラザンを含むことが好ましい。
トリメチルシリル基を有するシランカップリング剤(D1)およびビニル基含有オルガノシリル基を有するシランカップリング剤(D2)を併用する場合、(D1)と(D2)の比率は、特に限定されないが、例えば、重量比で(D1):(D2)が、1:0.001~1:0.35、好ましくは1:0.01~1:0.20、より好ましくは1:0.03~1:0.15である。このような数値範囲とすることにより、所望のシリコーンゴムの物性を得ることができる。具体的には、ゴム中におけるシリカの分散性およびゴムの架橋性のバランスを図ることができる。
本実施形態において、シランカップリング剤(D)の含有量の下限値は、ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)の合計量100重量部に対して、1質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることがより好ましく、5質量%以上であることがさらに好ましい。また、シランカップリング剤(D)の含有量上限値は、ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)の合計量100重量部に対して、100質量%以下であることが好ましく、80質量%以下であることがより好ましく、40質量%以下であることがさらに好ましい。
シランカップリング剤(D)の含有量を上記下限値以上とすることにより、エラストマーを含む柱状部と導電性樹脂層との密着性を高めることができる。また、シリコーンゴムの機械的強度の向上に資することができる。また、シランカップリング剤(D)の含有量を上記上限値以下とすることにより、シリコーンゴムが適度な機械特性を持つことができる。
<<白金または白金化合物(E)>>
本実施形態に係るシリコーンゴム系硬化性組成物は、触媒を含んでもよい。触媒は、白金または白金化合物(E)を含むことができる。白金または白金化合物(E)は、硬化の際の触媒として作用する触媒成分である。白金または白金化合物(E)の添加量は触媒量である。
絶縁性シリコーンゴム系硬化性組成物および導電性シリコーンゴム系硬化性組成物は、同種の触媒を含んでもよい。同種の触媒とは、少なくとも共通の構成材料を有していればよく、触媒中に異なる組成が含まれていてもよく、その添加量が異なっていてもよい。
なお、絶縁性シリコーンゴム系硬化性組成物および導電性シリコーンゴム系硬化性組成物は、互いに異なる触媒をさらに含んでもよい。
白金または白金化合物(E)としては、公知のものを使用することができ、例えば、白金黒、白金をシリカやカーボンブラック等に担持させたもの、塩化白金酸または塩化白金酸のアルコール溶液、塩化白金酸とオレフィンの錯塩、塩化白金酸とビニルシロキサンとの錯塩等が挙げられる。
なお、白金または白金化合物(E)は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態において、シリコーンゴム系硬化性組成物中における白金または白金化合物(E)の含有量は、触媒量を意味し、適宜設定することができるが、具体的にはビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)、シリカ粒子(C)、シランカップリング剤(D)の合計量100重量部に対して、白金族金属が重量単位で0.01~1000ppmとなる量であり、好ましくは、0.1~500ppmとなる量である。
白金または白金化合物(E)の含有量を上記下限値以上とすることにより、シリコーンゴム系硬化性組成物が適切な速度で硬化することが可能となる。また、白金または白金化合物(E)の含有量を上記上限値以下とすることにより、製造コストの削減に資することができる。
<<水(F)>>
また、本実施形態に係るシリコーンゴム系硬化性組成物には、上記成分(A)~(E)以外に、水(F)が含まれていてもよい。
水(F)は、シリコーンゴム系硬化性組成物に含まれる各成分を分散させる分散媒として機能するとともに、シリカ粒子(C)とシランカップリング剤(D)との反応に寄与する成分である。そのため、シリコーンゴム中において、シリカ粒子(C)とシランカップリング剤(D)とを、より確実に互いに連結したものとすることができ、全体として均一な特性を発揮することができる。
(その他の成分)
さらに、本実施形態のシリコーンゴム系硬化性組成物は、上記(A)~(F)成分以外に、他の成分をさらに含むことができる。この他の成分としては、例えば、珪藻土、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化バリウム、酸化マグネシウム、酸化セリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、ガラスウール、マイカ等のシリカ粒子(C)以外の無機充填材、反応阻害剤、分散剤、顔料、染料、帯電防止剤、酸化防止剤、難燃剤、熱伝導性向上剤等の添加剤が挙げられる。
本実施形態に係る導電性溶液(導電性シリコーンゴム組成物)は、導電性フィラーを含まない上記シリコーンゴム系硬化性組成物に加えて、上記導電性フィラーおよび溶剤を含むものである。
上記溶剤としては、公知の各種溶剤を用いることができるが、例えば、高沸点溶剤を含むことができる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記溶剤の一例としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、オクタン、デカン、ドデカン、テトラデカンなどの脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン、トリフルオロメチルベンゼン、ベンゾトリフルオリドなどの芳香族炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、シクロペンチルエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、1,4-ジオキサン、1,3-ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル類;ジクロロメタン、クロロホルム、1,1-ジクロロエタン、1,2-ジクロロエタン、1,1,1-トリクロロエタン、1,1,2-トリクロロエタンなどのハロアルカン類;N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミドなどのカルボン酸アミド類;ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキシド類などを例示することができる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記導電性溶液は、溶液中の固形分量などを調整することで、スプレー塗布やディップ塗布等の各種の塗布方法に適切な粘度を備えることができる。
また、上記導電性溶液が上記導電性フィラーおよび上記シリカ粒子(C)を含む場合、突起部60が含むシリカ粒子(C)の含有量の下限値は、シリカ粒子(C)および導電性フィラーの合計量100質量%に対して、例えば、1質量%以上であり、好ましくは3質量%以上であり、より好ましくは5質量%以上とすることができる。これにより、突起部60の機械的強度を向上させることができる。一方で、上記突起部60が含むシリカ粒子(C)の含有量の上限値は、シリカ粒子(C)および導電性フィラーの合計量100質量%に対して、例えば、20質量%以下であり、好ましくは15質量%以下であり、より好ましくは10質量%以下である。これにより、突起部60における導電性と機械的強度や柔軟性とのバランスを図ることができる。
導電性溶液を必要に応じて加熱乾燥することで、導電性シリコーンゴムが得られる。
導電性シリコーンゴムは、シリコーンオイルを含まない構成であってもよい。これにより、突起部60の表面にシリコーンオイルがブリードアウトすることで導通性が低下することを抑制できる。
<信号線の材料>
信号線は、公知のものを使用することができるが、例えば、導電繊維で構成され得る。導電繊維としては、金属繊維、金属被覆繊維、炭素繊維、導電性ポリマー繊維、導電性ポリマー被覆繊維、および導電ペースト被覆繊維からなる群から選択される一種以上を用いることができる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記金属繊維、金属被覆繊維、の金属材料は、導電性を有するものであれば限定されないが、銅、銀、金、ニッケル、錫、鉛、亜鉛、ビスマス、アンチモン、ステンレス、アルミニウム、銀/塩化銀およびこれらの合金等が挙げられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、導通性の観点から、銀を用いることができる。また、金属材料は、クロム等の環境に負荷を与える金属を含まないことが好ましい。
上記金属被覆繊維、導電性ポリマー被覆繊維、導電ペースト被覆繊維の繊維材料は、特に限定されないが、合成繊維、半合成繊維、天然繊維のいずれでもよい。これらの中でも、ポリエステル、ナイロン、ポリウレタン、絹および綿等を用いることが好ましい。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記炭素繊維は、例えば、PAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維等が挙げられる。
上記導電性ポリマー繊維および導電性ポリマー被覆繊維の導電性ポリマー材料は、例えば、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリフェニレンビニレン、ポリナフタレン、及びこれらの誘導体等の導電性高分子およびバインダ樹脂の混合物、あるいは、PEDOT-PSS((3,4-エチレンジオキシチオフェン)-ポリ(スチレンスルホン酸))等の導電性高分子の水溶液が用いられる。
上記導電ペースト被覆繊維の導電ペーストに含まれる樹脂材料は特に限定されないが伸縮性を有することが好ましく、例えばシリコーンゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴム、ニトリルゴム、アクリルゴム、スチレンゴム、クロロプレンゴム、およびエチレンプロピレンゴムからなる群から選択される一種以上を含むことができる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記導電ペースト被覆繊維の導電ペーストに含まれる導電性フィラーは特に限定されないが、公知の導電材料を用いてもよいが、金属粒子、金属繊維、金属被覆繊維、カーボンブラック、アセチレンブラック、グラファイト、炭素繊維、カーボンナノチューブ、導電性ポリマー、導電性ポリマー被覆繊維および金属ナノワイヤーからなる群から選択される一種以上を含むことができる。
上記導電性フィラーを構成する金属は、特に限定はされないが、例えば、銅、銀、金、ニッケル、錫、鉛、亜鉛、ビスマス、アンチモン、銀/塩化銀、或いはこれらの合金のうち少なくとも一種類、あるいは、これらのうちの二種以上を含むことができる。この中でも、導電性の高さや入手容易性の高さから、銀または銅が好ましい。
上記信号線が、線状の導電繊維を複数本撚り合わせた撚糸で構成されてもよい。これにより、変形時における信号線の断線を抑制できる。
本実施形態において、導電繊維における被覆とは、単に繊維材料の外表面を覆うことのみならず、単繊維を撚り合わせた撚糸などの場合は、その撚糸の中の繊維間隙に金属、導電性ポリマー、または導電ペーストが含浸し、撚糸を構成する単繊維を1本毎に被覆するものを含む。
信号線の引張破断伸度は、例えば、1%以上~50%以下、好ましくは1.5%以上~45%である。このような数値範囲内とすることで、変形時の破断を抑制しつつも、突起部60の過度な変形を抑制できる。
<電極部80の材料>
電極部80の導電部材は、例えば、良導性金属を含むペーストである。良導性金属は、銅、銀、金、ニッケル、錫、鉛、亜鉛、ビスマス、アンチモン、或いはこれらの合金からなる群から選択される一種以上を含む。特に、入手性や導電性の観点から、銀や塩化銀、銅が好適である。
良導性金属を含むペーストで電極部80を形成する場合は、ゴム状の弾性体でできた線状凸部70を、良導性金属を含むペースト状の導電性溶液にディップ(浸漬塗布)する。これにより、線状凸部70の表面に電極部80が形成される。
なお、導電性フィラーおよび溶剤を含む導電性溶液を、線状凸部70に塗布することにより、導電性樹脂層としての電極部80を形成してもよい。このとき、溶剤を線状凸部70と同じ系統の材質(シリコーンゴム)とすることで、電極部80(導電性樹脂層)の密着性を高められる。
導電性溶液を必要に応じて加熱乾燥することで、導電性シリコーンゴムが得られる。
導電性シリコーンゴムは、シリコーンオイルを含まない構成であってもよい。これにより、電極部80の表面にシリコーンオイルがブリードアウトすることで導通性が低下することを抑制できる。
これにより、脳波測定装置1を頭部99へ装着する際の毛髪の掻き分け性能を向上させることができる。また、脳波測定装置1を装着した際の電極部80の接触面積の十分な確保が可能となる。
<脳波検出用電極50の製造方法>
本実施形態の脳波検出用電極50の製造方法の一例は次の工程を含むことができる。
まず、金型を用いて、上記シリコーンゴム系硬化性組成物を加熱加圧成形し、基部51、突起部60及び線状凸部70からなる成形体を得る。続いて、得られた成形体の各突起部60の内部に、縫い針を用いて、信号線を通す。その後得られた成形体の突起部60の平坦面61(線状凸部70を含む)に、ペースト状の導電性溶液をディップ塗布し、加熱乾燥後、ポストキュアを行う。これにより、平坦面61(線状凸部70を含む)全体に亘って電極部80を形成できる。
以上により、脳波検出用電極50を製造することができる。
なお、上記成形工程時において、信号線を配置した成形空間内に、上記シリコーンゴム系硬化性組成物を導入し、加圧加熱成形するインサート成形を用いてもよい。
<脳波検出用電極50の特徴・機能>
本実施形態の脳波測定装置1の脳波電極ユニット10の特徴・機能について、特に脳波検出用電極50を頭部99に接触させたときの状態に着目して纏めて説明する。
(1)脳波検出用電極50は、
基部51(支持体)と、
基部51から延出する複数の突起部60と、
突起部60に設けられた電極部80と、
を有し、
突起部60は、先端部分に略平坦な接触面(すなわち平坦面61)を有し、
接触面(平坦面61)は、先端側に向けて線状に延びる凸部(すなわち線状凸部70)を有する。
突起部60に、線状凸部70のような凸構造を設けることで、電極部80と頭部99(頭皮)との間に毛髪が挟まることを抑制でき、脳波検出精度が向上する。より具体的には、突起部60が頭皮に押し当てられたときに、先端側に線状に延びる線状凸部70が毛髪を掻き分け、線状凸部70に形成されている電極部80と頭部99(頭皮)との間に毛髪が挟まることを抑制する。
(2)線状凸部70の断面(より具体的には幅方向の断面)は矩形である。
断面をこのような形状とすることで、一定の接触面積を確保でき、頭皮との接触が安定し、その結果、脳波測定の精度が向上する。
(3)線状凸部70は、先端65側の高さが漸次低くなる傾斜部を有する。すなわち、突起部60を頭皮に押し当て先端65側から徐々に撓む際に、円滑に撓むことができ、かつ線状凸部70の接触状態を安定させながら接触面積を増加させることができる。
(4)線状凸部70は、第1凸部70a及び第2凸部70bを有し、それらは互いに平行である。
このように第1凸部70a及び第2凸部70bが平行に設けられることで、その間に毛髪を収容でき、線状凸部70と頭皮との間に毛髪が介在してしまうことを防止できる。
(5)第1凸部70aと第2凸部70bは、突起部60の延出方向に対して対称(すなわち、放射中心59側から見て左右対称)である。
(6)線状凸部70(すなわち第1凸部70a及び第2凸部70b)は、電極部80を有する。
線状に形成された線状凸部70に電極部80が形成されているので、突起部60が頭皮に押し当てられた際に、線状凸部70が頭皮と安定して接触し、精度の良い脳波測定が可能になる。
(7)線状凸部70(すなわち第1凸部70a及び第2凸部70b)の高さは、0.05mm以上0.5mm以下である。
(8)線状凸部70の幅は、0.2mm以上1mm以下である。
このような幅にすることで、頭皮との接触が安定する。すなわち、安定した脳波測定ができる。
(9)線状凸部70の長さは、2.0mm以上3.5mm以下である。
このような長さとすることで、突起部60が押しつけられて撓む場合でも、十分な接触領域を確保できる。
以上が第1の実施形態の説明である。
≪その他の実施形態≫
以下、第2~第6の実施形態について、突起部に設けられる線状凸部に着目して説明する。
≪第2の実施形態≫
図9は、本実施形態の一つの突起部260を軸線側から見た図である。
平坦面261には線状凸部270として、左右対称に配置された第1凸部270aと第2凸部270bとが設けられている。第1の実施形態と異なる点は、第1凸部270aと第2凸部270bとが平行ではなく、先端265側ほど間隔が狭く、下端266側が広くなった、「ハ」字状になっている点にある。
本実施形態によると、第1の実施形態と同様の効果を奏する。
≪第3の実施形態≫
図10は、本実施形態の一つの突起部360を軸線側から見た図である。
平坦面361には線状凸部370として、左右対称に配置された第1凸部370aと第2凸部370bとが設けられている。第2の実施形態と異なり、第1凸部370aと第2凸部370bの間隔が、先端365側ほど広く、下端366側が狭くなった、「逆ハ」字状になっている。
本実施形態によると、第1及び第2の実施形態と同様の効果を奏する。
≪第4の実施形態≫
図11は、本実施形態の一つの突起部460を軸線側から見た図である。
平坦面461には線状凸部470として、左右対称かつ平行に配置された第1凸部470aと第2凸部470bとが設けられている。第1の実施形態と異なり、第1凸部470aと第2凸部470bが半円柱形状、すなわち幅方向の断面が矩形ではなく半円状(円弧形状)となっている。このような構成とすることで、線状凸部470(第1凸部470a、第2凸部470b)自体の長手方向に対して垂直方向(すなわち幅方向)への弾性変形を防ぐことができている。なお、線状凸部470の断面で先端側が円弧形状で、下側(平坦面61側)が直線なっているような形状も同様の効果を奏する。
≪第5の実施形態≫
図12は、本実施形態の一つの突起部560を軸線側から見た図である。
平坦面561には線状凸部570として、左右対称に配置された半円柱形状の第1凸部570aと第2凸部570bとが設けられている。第4の実施形態と異なる点は、第1凸部570aと第2凸部570bとが平行ではなく、第2の実施形態のように先端565側ほど間隔が狭く、下端566側が広くなった、「ハ」字状になっている点にある。
本実施形態によると、第4の実施形態と同様の効果を奏する。
≪第6の実施形態≫
図13は、本実施形態の一つの突起部660を軸線側から見た図である。
平坦面661には線状凸部670として、左右対称に配置された半円柱形状の第1凸部670aと第2凸部670bとが設けられている。第5の実施形態と異なり、第1凸部670aと第2凸部670bの間隔が、先端665側ほど広く、下端666側が狭くなった、「逆ハ」字状になっている。
本実施形態によると、第5及び第6の実施形態と同様の効果を奏する。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
1 脳波測定装置
10 脳波電極ユニット
11 ボディ部
12 信号取出部
13 螺刻部
14 電極固定部
20 フレーム
21 電極ユニット取付部
50 脳波検出用電極
51 基部
52 突起形成面
53 取付面
59 中心
60、260、360、460、560、660 突起部
61、261、361、461、561、661 平坦面
70、270、370、470、570、670 線状凸部
70a、270a、370a、470a、570a、670a 第1凸部
70b、270b、370b、470b、570b、670b 第2凸部
80 電極部

Claims (13)

  1. 基部と、
    前記基部から延出する複数の突起部と、
    前記突起部に設けられた電極部と、
    を有し、
    前記突起部は、先端部分に略平坦な接触面を有し、
    前記接触面は、先端側に向けて線状に延びる凸部を有する、
    脳波検出用電極。
  2. 前記凸部の断面は矩形である、請求項1に記載の脳波検出用電極。
  3. 前記凸部の断面は円弧形状を有する、請求項1に記載の脳波検出用電極。
  4. 前記凸部は、先端側の高さが漸次低くなる傾斜部を有する、請求項1から3までのいずれか1項に記載の脳波検出用電極。
  5. 前記凸部は、第1の凸部及び第2の凸部を有し、
    前記第1の凸部及び前記第2の凸部は、平行に配置されている、
    請求項1から4までのいずれか1項に記載の脳波検出用電極。
  6. 前記凸部は、第1の凸部及び第2の凸部を有し、
    前記第1の凸部及び前記第2の凸部は、先端側ほど間隔が狭くなっている、
    請求項1から4までのいずれか1項に記載の脳波検出用電極。
  7. 前記凸部は、第1の凸部及び第2の凸部を有し、
    前記第1の凸部及び前記第2の凸部は、先端側ほど間隔が広くなっている、
    請求項1から4までのいずれか1項に記載の脳波検出用電極。
  8. 前記凸部は、前記突起部の延出方向に対して対称に設けられている、請求項1から7までのいずれか1項に記載の脳波検出用電極。
  9. 前記凸部は、前記電極部を有する、
    請求項1から8までのいずれかに1項に記載の脳波検出用電極。
  10. 前記凸部の高さは、0.05mm以上0.5mm以下である
    請求項1から9までのいずれか1項に記載の脳波検出用電極。
  11. 前記凸部の幅は、0.2mm以上1mm以下である
    請求項1から10までのいずれか1項に記載の脳波検出用電極。
  12. 前記凸部の長さは、2.0mm以上3.5mm以下である、請求項1から11までのいずれか1項に記載の脳波検出用電極。
  13. 請求項1から12までのいずれか1項に記載の脳波検出用電極を備える脳波測定装置。
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