JP7004127B1 - 脳波検出用電極 - Google Patents

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Abstract

脳波測定装置(1)は、人間の頭部の形状に追随して装着されるゴム状の弾性体のバンド部材(10)と、バンド部材(10)の一面(ここではバンド内面(12)に形成された突起形成面(13))に、バンド部材(10)と一体に設けられた複数の弾性体の突起部(60)と、バンド部材(10)に取り付けられバンド部材(10)の頭部(99)への追従を支援する装着支援部(30)とを有し、突起部(60)の少なくとも先端部が、導電部材からなる電極部を構成している。

Description

本発明は、脳波検出用電極に関する。
これまで脳波検出用電極において様々な開発がなされてきた。この種の技術として、例えば、特許文献1に記載の技術が知られている。特許文献1に開示の脳波検出用電極は、導電性の複数の櫛歯を並べた櫛歯列を有し、被験者の頭髪の間に分け入って頭皮に到達するようになっている。
特開2018-175287号公報
しかしながら、頭の形状によっては、脳波検出用電極を装着できないという課題があった。また、装着できる場合でも、電極部分に圧力が集中し、人によっては不快感を持つ場合もあった。特に、頭の形状によっては一部の電極部分に圧力が過度に集中し、非常に不快感を持つ人もいた。特許文献1に開示の技術では、それらの対策がなされておらず新たな技術が求められていた。
本発明はこのような状況に鑑みなされたものであって、装着する人の頭の形状によらず装着可能な脳波検出用電極を提供することを目的とする。
本発明によれば、
人間の頭部の形状に追随して装着されるゴム状の弾性体のバンド部材と、
前記バンド部材の一面に、前記バンド部材と一体に設けられた、複数の弾性体の突起部と、
前記バンド部材に取り付けられ、前記バンド部材の前記頭部への追従を支援する装着支援部と、
を有し、
前記突起部の少なくとも先端部が、導電部材からなる電極を構成しており、
前記装着支援部は、前記バンド部材の端部近傍領域において、前記バンド部材を前記頭部に押し当てるように作用する圧力付加機構を有する、
脳波検出用電極を提供できる。
本発明によれば、装着する人の頭の形状によらず装着可能な脳波検出用電極を提供することができる。
実施形態に係る、頭部に装着した状態の脳波測定装置を示す斜視図である。 実施形態に係る、脳波測定装置の斜視図である。 実施形態に係る、脳波測定装置の側面図である。 実施形態に係る、脳波測定装置の平面図である。 実施形態に係る、脳波測定装置の底面図である。 実施形態に係る、図4の領域A1の拡大図である。 実施形態に係る、図5の領域A2の拡大図である。 実施形態に係る、バンド部材の長手方向中央付近の突起部を拡大して示した図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
本実施の形態では図示するように前後左右上下の方向を規定して説明する。しかし、これは構成要素の相対関係を簡単に説明するために便宜的に規定するものである。従って、本発明を実施する製品の製造時や使用時の方向を限定するものではない。
尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。また、図は概略図であり、実際の寸法比率とは一致していない。
<脳波測定装置1の概略構造>
図1は人の頭部99に装着された脳波測定装置1(脳波測定用電極)を示す斜視図である。図2は、頭部から取り外した状態の脳波測定装置1を示す斜視図である。図3は、脳波測定装置1の側面図、図4は平面図(上面図)、図5は底面図(下から見た図)である。図6は図4の領域A1を拡大した図である。図7は図5の領域A2を拡大した図である。
図1に示すように、脳波測定装置1は、人の頭部99に装着され、脳波を生体からの電位変動として検出し、検出した脳波を所定の表示装置に出力する。表示装置は、脳波測定装置1が検出した脳波を取得して、モニタ表示したり、データ保存したり、周知の脳波解析処理(測定処理)を行う。表示装置が、スマートデバイス(スマートホン、タブレット端末)及びそれらで機能する所定のアプリケーションにより構成されてもよい。この場合、脳波測定装置1は、例えば検出した脳波を無線で送信する通信機能を有する。
<脳波測定装置1の概略構成>
脳波測定装置1は、脳波電極が設けられたバンド状のバンド部材10と、バンド部材10を頭部99に適切に位置に追従させて装着させる装着支援部30とを備える。
バンド部材10には複数の突起部60が設けられている。それぞれの突起部60の少なくとも先端部が、導電部材からなる電極部62を構成している(図8参照)。なお、電極部62については、図1~図7では図示を省略し、図8にのみ図示している。
バンド部材10は、人間の頭部99の形状に追随して装着されるゴム状の弾性体からなる。バンド部材10は、一方の面、ここではバンド内面12に複数の弾性体の突起部60と、を有する。より具体的には、バンド内面12には、一段高くなった突起形成面13が設けられている。この突起形成面13に複数の突起部60が設けられている。
装着支援部30は、バンド部材10に取り付けられ、バンド部材10が頭部99の形状に追従して適切は位置に配置されるように支援する。詳細は後述するが、装着支援部30は、脳波測定装置1全体を頭部99に装着させる装着機能と、バンド部材10の突起部60、より具体的には電極部62が頭部99に適当な圧で接触させる押圧機能とを有する。
以下、バンド部材10と装着支援部30の具体的な構成について詳述する。
<バンド部材10の形状>
脳波測定装置1のバンド部材10は、上面視で帯状の矩形形状であって、所定厚さtを有する。バンド部材10の厚さtは、例えば、0.1mm~30mmである。矩形形状の長手方向の長さは、例えば20cm~65cmである。矩形形状の短手方向の長さは、例えば0.5cm~5cmである。
なお、バンド部材10の形状は、帯状の矩形形状に限る趣旨ではない。例えば、矩形形状の代わりに長細い楕円形状であってよい。また、バンド部材10の厚さtが一定に限る趣旨ではなく、一部の厚さが薄くなったり厚くなったりしてもよい。いずれにせよ、バンド部材10は、脳波測定装置1が頭部99に装着された際に、その頭部99の形状に追従する。
バンド部材10は、バンド外面11にバンド長調整部20を有する。バンド長調整部20は、バンド部材10の短手方向中央に、長手方向の一端から他端にわたって形成された所定深さの溝部21を有する。所定深さは、例えば、バンド部材10の厚さtの1/2である。
溝部21の一方の側面にはレールギア22が設けられている。レールギア22には、後述する装着支援部30のバンド長調整部40のピニオン41が螺合する。
<装着支援部30の構成>
装着支援部30は、フレーム31と、バンド長調整部40と、押圧調整部50とを有する。
フレーム31は、長尺のプレートを頭部99の形状、より具体的には後頭部の形状に沿うように略半円状に湾曲して設けられている。フレーム31は、例えばポリアミド樹脂のような硬質部材で形成されているが、これら材料に限る趣旨では無く、脳波検出に影響を及ぼさず、また装着性や作業性に適した材料であればよい。
フレーム31の両端部近傍それぞれには、バンド部材10が頭部99へ追従する状態を調整する調整機構を有する。調整機構として、端部側の押圧調整部50と、押圧調整部50よりバンド中心側ずれた位置のバンド長調整部40とが設けられている。
<押圧調整部50>
押圧調整部50は、バンド部材10を頭部99に押しつける際に作用する押圧力を調整する押圧力調整機構と押圧方向調整機構とを有する。
具体的には、押圧調整部50は、フレーム31の両先端近傍35に設けられている。具体的には、押圧調整部50は、ボルト状のネジ部51と、ネジ部51の先端部分に回動自在に設けられた当接部52とを有する。ネジ部51は、フレーム31の先端近傍35に設けられたネジ穴36にフレーム31の外側から内側に螺挿されている。
当接部52は、小片の板状体であって、脳波測定装置1が頭部99に装着される際に、頭部99のこめかみ付近に当接する。当接部52は、頭部99と当接する面、すなわちネジ部51と反対側の面に、クッション材が設けられてもよい。なお、当接部52とネジ部51の接続部分にボールジョイントの構造を適用して、当接部52の向きを変更可能としてもよい。
ネジ穴36に螺挿されているネジ部51を回転させることで、フレーム31が当接部52を基準として上下する。すなわち、ネジ部51を回転させることで、フレーム31の先端が開いたり閉じたりする方向に動く。これによって、バンド部材10を頭部99に押しつける強さを調整することができる。
<バンド長調整部40>
バンド長調整部40は、ネジ部の先端が小径の円形歯車のピニオン41となっている。ピニオン41は、フレーム31の外側からネジ穴34に螺挿されて、バンド部材10に設けられた溝部21のレールギア22と噛み合う。このピニオン41とレールギア22とで、いわゆるラック・アンド・ピニオン歯車機構を構成する。
バンド部材10の両端近傍に設けられたバンド長調整部40操作することで、換言すると、ピニオン41を回転させることで、レールギア22が設けられているバンド部材10が相対移動する。すなわち、バンド長調整部20、40は、二つのピニオン41間のバンド部材10の長さを調整するバンド部材長調整機構として機能する。
このような構成によって、バンド部材10の突起部60が頭部99に当接する際に、バンド部材10が撓んで当接状態が緩くなってしまったり、逆に、当接状態が強くなってしまうことを回避できる。言い換えると、バンド部材10の頭部99への最適な追従状態を実現でき、その結果、最適な脳波検出が可能となる。
なお、バンド部材10が頭部99へ追従する状態を調整する調整機構として、上記のバンド部材10の固定長を調整する機構の他に、例えばバンド部材を複数箇所で押し当てる機構(例えば、複数箇所でバンド部材10にネジを設けてバンド部材10を押しつける構成)が用いられてもよい。バンド部材長調整機構としては、ラック・アンド・ピニオン機構の他に、結束バンド(リピートタイ)、バックル、スライド機構、クリップ、伸縮機構等を適用することができる。
<突起部60の配置>
図8(a)は図5の領域B1を拡大した図であって長手方向中央の所定幅に含まれる8つの突起部60を示す。図8(b)は図8(a)のB1-B1断面図を示す。
突起部60は、バンド部材10の一面に、バンド部材10と一体に複数設けられる。例えば図8(a)に示すように、複数の突起部60は、上面視で所定の列幅P2でバンド部材10の長手方向に2列に、かつ各列において所定ピッチP1で並んで設けられる。
突起部60(すなわち電極部62)のピッチP1は、例えば、1mm~20mmである。ピッチP1は、脳波の検知に必要とされる電極部62の数及び頭部99へのバンド部材10の追従性の観点から定まる。また、ピッチP1は、一定でなく変化してもよい。例えば、長手方向中央を中心として左右それぞれの端部に向かうにしたがってピッチP1を狭くしたり広くしたり、または、特定の位置のピッチP1を他の位置のピッチP1より狭くしたり逆に広くしてもよい。
<突起部60の形状>
突起部60はそれぞれ三角錐を呈しており、バンド部材10の一面(ここではバンド内面12に設けられた突起形成面13)から突出するようにバンド部材10と一体に形成されている。
突起部60の高さh1は、例えば、0.5mm~20mmであり、好ましくは3mm~15mmであり、より好ましく4mm~10mmである。
突起部60が呈する三角錐の具体的な形状として、例えば、三角錐の底面(すなわち、突起形成面13との境界部分)の形状が頂点を鋭角とする二等辺三角形であって、向きが揃っている。ここでは、バンド部材10の長手方向中央を中心として、二等辺三角形の頂点が長手方向端部側を向いている。すなわち、図示で右側の領域では右側を向いており、図示で左側の領域では左側を向いている。
さらに、突起部60は、三角錐の頂点と底面の二等辺三角形の頂点とを結ぶ辺が、バンド部材10の長手方向と同じになっている。三角錐の頂点(すなわち突起部60の先端)は、図示の例では、上面視で、バンド部材10の長手方向中央側に所定角度倒れている。なお、本実施形態において、「突起部60の向き」とは、上記「二等辺三角形の頂点が向いている方向」を意味する。
このように、突起部60が呈する三角錐の頂点が長手方向中央側に倒れていることで、脳波測定装置1を頭部99に取り付けるときに、被験者に不快感(痛み等)等を与えること無く、また、頭髪からの抵抗が少なくスムーズに脳波測定装置1と取り付けることができる。
<電極部62の形状および材料>
図8に示すように、突起部60の少なくとも先端部には導電部材からなる電極部62が、突起部60の表面を覆うように設けられている。ここでは、突起部60の三角錐の頂点から所定高さh2の範囲の表面に電極部62が設けられている。電極部62が形成される所定高さh2は、突起部60の高さh1にもよるが、例えば、1mm~10mmである。
電極部62の導電部材は、例えば、良導性金属を含むペーストである。良導性金属は、銅、銀、金、ニッケル、錫、鉛、亜鉛、ビスマス、アンチモン、或いはこれらの合金からなる群から選択される一種以上を含む。特に、入手性や導電性の観点から、銀や塩化銀、銅が好適である。
良導性金属を含むペーストで電極部62を形成する場合は、ゴム状の弾性体でできた突起部60の頂部を、良導性金属を含むペースト状の導電性溶液にディップ(浸漬塗布)する。これにより、突起部60の先端部の表面に電極部62が形成される。
なお、導電性フィラーおよび溶剤を含む導電性溶液を、突起部60の先端部分に塗布することにより、導電性樹脂層としての電極部62を形成してもよい。このとき、溶剤を突起部60と同じ系統の材質(シリコーンゴム)とすることで、電極部62(導電性樹脂層)の密着性を高められる。
突起部60の内部には、電極部62に接続する導電性の信号線63が設けられている。信号線63の材料や太さ、配置位置については特に限定せず、接続される表示装置等で適切に脳波の測定が可能であればよい。電極部62が突起部60の先端部の表面に設けられる場合、例えば、図8(b)に示すように、突起部60の頂部部分の電極部62内面(すなわち突起部60と接する側の面)に信号線63が接続される。
本実施形態の脳波測定装置1に好適な信号線63の具体的態様について以下に説明する。
信号線63は、突起部60の先端を覆う電極部62と電気的に接続するとともに、先端からバンド部材10に向かって突起部60の内部に配置される。
信号線63は、公知のものを使用することができるが、例えば、導電繊維で構成されうる。導電繊維としては、金属繊維、金属被覆繊維、炭素繊維、導電性ポリマー繊維、導電性ポリマー被覆繊維、および導電ペースト被覆繊維からなる群から選択される一種以上を用いることができる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記金属繊維、金属被覆繊維、の金属材料は、導電性を有するものであれば限定されないが、銅、銀、金、ニッケル、錫、鉛、亜鉛、ビスマス、アンチモン、ステンレス、アルミニウム、銀/塩化銀およびこれらの合金等が挙げられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、導通性の観点から、銀を用いることができる。また、金属材料は、クロム等の環境に負荷を与える金属を含まないことが好ましい。
上記金属被覆繊維、導電性ポリマー被覆繊維、導電ペースト被覆繊維の繊維材料は、特に限定されないが、合成繊維、半合成繊維、天然繊維のいずれでもよい。これらの中でも、ポリエステル、ナイロン、ポリウレタン、絹および綿等を用いることが好ましい。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記炭素繊維は、例えば、PAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維等が挙げられる。
上記導電性ポリマー繊維および導電性ポリマー被覆繊維の導電性ポリマー材料は、例えば、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリフェニレンビニレン、ポリナフタレン、及びこれらの誘導体等の導電性高分子およびバインダ樹脂の混合物、あるいは、PEDOT-PSS((3,4-エチレンジオキシチオフェン)-ポリ(スチレンスルホン酸))等の導電性高分子の水溶液が用いられる。
上記導電ペースト被覆繊維の導電ペーストに含まれる樹脂材料は特に限定されないが伸縮性を有することが好ましく、例えばシリコーンゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴム、ニトリルゴム、アクリルゴム、スチレンゴム、クロロプレンゴム、およびエチレンプロピレンゴムからなる群から選択される一種以上を含むことができる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記導電ペースト被覆繊維の導電ペーストに含まれる導電性フィラーは特に限定されないが、公知の導電材料を用いてもよいが、金属粒子、金属繊維、金属被覆繊維、カーボンブラック、アセチレンブラック、グラファイト、炭素繊維、カーボンナノチューブ、導電性ポリマー、導電性ポリマー被覆繊維および金属ナノワイヤーからなる群から選択される一種以上を含むことができる。
上記導電性フィラーを構成する金属は、特に限定はされないが、例えば、銅、銀、金、ニッケル、錫、鉛、亜鉛、ビスマス、アンチモン、銀/塩化銀、或いはこれらの合金のうち少なくとも一種類、あるいは、これらのうちの二種以上を含むことができる。この中でも、導電性の高さや入手容易性の高さから、銀または銅が好ましい。
信号線63が、線状の導電繊維を複数本撚り合わせた撚糸で構成されてもよい。これにより、変形時における信号線63の断線を抑制できる。
本明細書において、導電繊維における被覆とは、単に繊維材料の外表面を覆うことのみならず、単繊維を撚り合わせた撚糸などの場合は、その撚糸の中の繊維間隙に金属、導電性ポリマー、または導電ペーストが含浸し、撚糸を構成する単繊維を1本毎に被覆するものを含む。
信号線63の引張破断伸度は、例えば、1%以上~50%以下、好ましくは1.5%以上~45%である。このような数値範囲内とすることで、変形時の破断を抑制しつつも、突起部60の過度な変形を抑制できる。
信号線63は、突起部60の内部を導通する態様であれば各種の配置構造を採用し得る。
例えば、信号線63の先端は、突起部60の先端あるいは先端部の傾斜面に対して、突出した構造、略同一面上となる構造、埋没した構造のいずれでもよい。電極部62との接続安定性の観点から、突出した構造を用いてもよい。信号線63の先端の突出部分は、一部または全体が電極部62で覆われている。
信号線63の先端の突出構造は、折り返し無し、折り返し有り、突起部60の先端部の表面に巻き付ける構造が採用し得る。また、信号線63は、突起部60の先端(頂点)から延びる垂線と一致せず、垂線に対して傾斜してもよい。
また、図8(b)の断面図に示すように、信号線63が電極部62の下側(バンド部材10側)の端部に接続され、突起部60の斜面(表面)に沿って延び、所定の位置から突起部60の内部へ引き込まれる形態であってよい。
なお、信号線63において、電極部62と接続される側の端部と反対側の端部は、それぞれが個別にバンド部材10の外部に引き出されてもよい。また、複数の信号線63について、バンド部材10のバンド外面11や端部近傍等に設けられたコネクタ等にバンド部材10内部から接続され取りまとめられてもよい。
<バンド部材10及び突起部60の材料>
バンド部材10及び突起部60は、ゴム状の弾性体であり、より具体的にはゴムや熱可塑性エラストマー(単に「エラストマー(TPE)」ともいう)である。ゴムとしては、例えばシリコーンゴムがある。熱可塑性エラストマーとして、例えば、スチレン系TPE(TPS)、オレフィン系TPE(TPO)、塩化ビニル系TPE(TPVC)、ウレタン系TPE(TPU)、エステル系TPE(TPEE)、アミド系TPE(TPAE)などがある。
脳波測定装置1のバンド部材10及び突起部60がシリコーンゴムである場合、37℃、JIS K 6253(1997)に準拠して測定される、バンド部材10の表面(バンド内面11aやバンド外面11b)におけるタイプAデュロメータ硬さをゴム硬度Aとしたとき、ゴム硬度Aが、例えば、15以上55以下である。
ここで、上記シリコーンゴム系硬化性組成物について説明する。
上記シリコーンゴムは、シリコーンゴム系硬化性組成物の硬化物で構成することができる。シリコーンゴム系硬化性樹脂組成物の硬化工程は、例えば、100~250℃で1~30分間加熱(1次硬化)した後、100~200℃で1~4時間ポストベーク(2次硬化)することによって行われる。
絶縁性シリコーンゴムは、導電性フィラーを含まないシリコーンゴムであり、導電性シリコーンゴムは導電性フィラーを含むシリコーンゴムである。
本実施形態に係るシリコーンゴム系硬化性組成物は、ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)を含むことができる。ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)は、本実施形態のシリコーンゴム系硬化性組成物の主成分となる重合物である。
絶縁性シリコーンゴム系硬化性組成物および導電性シリコーンゴム系硬化性組成物は、同種のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサンを含んでもよい。同種のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサンとは、少なくとも官能基が同じビニル基を含み、直鎖状を有していればよく、分子中のビニル基量や分子量分布、あるいはその添加量が異なっていてもよい。
なお、絶縁性シリコーンゴム系硬化性組成物および導電性シリコーンゴム系硬化性組成物は、互いに異なるビニル基含有オルガノポリシロキサンをさらに含んでもよい。
上記ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)は、直鎖構造を有するビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)を含むことができる。
上記ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)は、直鎖構造を有し、かつ、ビニル基を含有しており、かかるビニル基が硬化時の架橋点となる。
ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)のビニル基の含有量は、特に限定されないが、例えば、分子内に2個以上のビニル基を有し、かつ15モル%以下であるのが好ましく、0.01~12モル%であるのがより好ましい。これにより、ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)中におけるビニル基の量が最適化され、後述する各成分とのネットワークの形成を確実に行うことができる。本実施形態において、「~」は、その両端の数値を含むことを意味する。
なお、本明細書中において、ビニル基含有量とは、ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)を構成する全ユニットを100モル%としたときのビニル基含有シロキサンユニットのモル%である。ただし、ビニル基含有シロキサンユニット1つに対して、ビニル基1つであると考える。
また、ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)の重合度は、特に限定されないが、例えば、好ましくは1000~10000程度、より好ましくは2000~5000程度の範囲内である。なお、重合度は、例えばクロロホルムを展開溶媒としたGPC(ゲル透過クロマトグラフィー)におけるポリスチレン換算の数平均重合度(又は数平均分子量)等として求めることができる。
さらに、ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)の比重は、特に限定されないが、0.9~1.1程度の範囲であるのが好ましい。
ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)として、上記のような範囲内の重合度および比重を有するものを用いることにより、得られるシリコーンゴムの耐熱性、難燃性、化学的安定性等の向上を図ることができる。
ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)としては、特に、下記式(1)で表される構造を有するものであるが好ましい。
Figure 0007004127000001
式(1)中、Rは炭素数1~10の置換または非置換のアルキル基、アルケニル基、アリール基、またはこれらを組み合わせた炭化水素基である。炭素数1~10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられ、中でも、メチル基が好ましい。炭素数1~10のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基等が挙げられ、中でも、ビニル基が好ましい。炭素数1~10のアリール基としては、例えば、フェニル基等が挙げられる。
また、Rは炭素数1~10の置換または非置換のアルキル基、アルケニル基、アリール基、またはこれらを組み合わせた炭化水素基である。炭素数1~10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられ、中でも、メチル基が好ましい。炭素数1~10のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基が挙げられる。炭素数1~10のアリール基としては、例えば、フェニル基が挙げられる。
また、Rは炭素数1~8の置換または非置換のアルキル基、アリール基、またはこれらを組み合わせた炭化水素基である。炭素数1~8のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられ、中でも、メチル基が好ましい。炭素数1~8のアリール基としては、例えば、フェニル基が挙げられる。
さらに、式(1)中のRおよびRの置換基としては、例えば、メチル基、ビニル基等が挙げられ、Rの置換基としては、例えば、メチル基等が挙げられる。
なお、式(1)中、複数のRは互いに独立したものであり、互いに異なっていてもよいし、同じであってもよい。さらに、R、およびRについても同様である。
さらに、m、nは、式(1)で表されるビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)を構成する繰り返し単位の数であり、mは0~2000の整数、nは1000~10000の整数である。mは、好ましくは0~1000であり、nは、好ましくは2000~5000である。
また、式(1)で表されるビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)の具体的構造としては、例えば下記式(1-1)で表されるものが挙げられる。
Figure 0007004127000002
式(1-1)中、RおよびRは、それぞれ独立して、メチル基またはビニル基であり、少なくとも一方がビニル基である。
さらに、ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)としては、ビニル基含有量が分子内に2個以上のビニル基を有し、かつ0.4モル%以下である第1のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1-1)と、ビニル基含有量が0.5~15モル%である第2のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1-2)とを含有するものであるのが好ましい。シリコーンゴムの原料である生ゴムとして、一般的なビニル基含有量を有する第1のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1-1)と、ビニル基含有量が高い第2のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1-2)とを組み合わせることで、ビニル基を偏在化させることができ、シリコーンゴムの架橋ネットワーク中に、より効果的に架橋密度の疎密を形成することができる。その結果、より効果的にシリコーンゴムの引裂強度を高めることができる。
具体的には、ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)として、例えば、上記式(1-1)において、Rがビニル基である単位および/またはRがビニル基である単位を、分子内に2個以上有し、かつ0.4モル%以下を含む第1のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1-1)と、Rがビニル基である単位および/またはRがビニル基である単位を、0.5~15モル%含む第2のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1-2)とを用いるのが好ましい。
また、第1のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1-1)は、ビニル基含有量が0.01~0.2モル%であるのが好ましい。また、第2のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1-2)は、ビニル基含有量が、0.8~12モル%であるのが好ましい。
さらに、第1のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1-1)と第2のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1-2)とを組み合わせて配合する場合、(A1-1)と(A1-2)の比率は特に限定されないが、例えば、重量比で(A1-1):(A1-2)が50:50~95:5であるのが好ましく、80:20~90:10であるのがより好ましい。
なお、第1および第2のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1-1)および(A1-2)は、それぞれ1種のみを用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)は、分岐構造を有するビニル基含有分岐状オルガノポリシロキサン(A2)を含んでもよい。
<<オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)>>
本実施形態のシリコーンゴム系硬化性組成物は、架橋剤を含んでもよい。架橋剤は、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)を含むことができる。
オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)は、直鎖構造を有する直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)と分岐構造を有する分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)とに分類され、これらのうちのいずれか一方または双方を含むことができる。
絶縁性シリコーンゴム系硬化性組成物および導電性シリコーンゴム系硬化性組成物は、同種の架橋剤を含んでもよい。同種の架橋剤とは、少なくとも直鎖構造や分岐構造などの共通の構造を有していればよく、分子中の分子量分布や異なる官能基が含まれていてもよく、その添加量が異なっていてもよい。
なお、絶縁性シリコーンゴム系硬化性組成物および導電性シリコーンゴム系硬化性組成物は、互いに異なる架橋剤をさらに含んでもよい。
直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)は、直鎖構造を有し、かつ、Siに水素が直接結合した構造(≡Si-H)を有し、ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)のビニル基の他、シリコーンゴム系硬化性組成物に配合される成分が有するビニル基とヒドロシリル化反応し、これらの成分を架橋する重合体である。
直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)の分子量は特に限定されないが、例えば、重量平均分子量が20000以下であるのが好ましく、1000以上、10000以下であることがより好ましい。
なお、直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)の重量平均分子量は、例えばクロロホルムを展開溶媒としたGPC(ゲル透過クロマトグラフィー)におけるポリスチレン換算により測定することができる。
また、直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)は、通常、ビニル基を有しないものであるのが好ましい。これにより、直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)の分子内において架橋反応が進行するのを的確に防止することができる。
以上のような直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)としては、例えば、下記式(2)で表される構造を有するものが好ましく用いられる。
Figure 0007004127000003
式(2)中、Rは炭素数1~10の置換または非置換のアルキル基、アルケニル基、アリール基、これらを組み合わせた炭化水素基、またはヒドリド基である。炭素数1~10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられ、中でも、メチル基が好ましい。炭素数1~10のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基等が挙げられる。炭素数1~10のアリール基としては、例えば、フェニル基が挙げられる。
また、Rは炭素数1~10の置換または非置換のアルキル基、アルケニル基、アリール基、これらを組み合わせた炭化水素基、またはヒドリド基である。炭素数1~10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基が挙げられ、中でも、メチル基が好ましい。炭素数1~10のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基等が挙げられる。炭素数1~10のアリール基としては、例えば、フェニル基が挙げられる。
なお、式(2)中、複数のRは互いに独立したものであり、互いに異なっていてもよいし、同じであってもよい。Rについても同様である。ただし、複数のRおよびRのうち、少なくとも2つ以上がヒドリド基である。
また、Rは炭素数1~8の置換または非置換のアルキル基、アリール基、またはこれらを組み合わせた炭化水素基である。炭素数1~8のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられ、中でも、メチル基が好ましい。炭素数1~8のアリール基としては、例えば、フェニル基が挙げられる。複数のRは互いに独立したものであり、互いに異なっていてもよいし、同じであってもよい。
なお、式(2)中のR,R,Rの置換基としては、例えば、メチル基、ビニル基等が挙げられ、分子内の架橋反応を防止する観点から、メチル基が好ましい。
さらに、m、nは、式(2)で表される直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)を構成する繰り返し単位の数であり、mは2~150整数、nは2~150の整数である。好ましくは、mは2~100の整数、nは2~100の整数である。
なお、直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)は、分岐構造を有するため、架橋密度が高い領域を形成し、シリコーンゴムの系中の架橋密度の疎密構造形成に大きく寄与する成分である。また、上記直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)同様、Siに水素が直接結合した構造(≡Si-H)を有し、ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)のビニル基の他、シリコーンゴム系硬化性組成物に配合される成分のビニル基とヒドロシリル化反応し、これら成分を架橋する重合体である。
また、分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)の比重は、0.9~0.95の範囲である。
さらに、分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)は、通常、ビニル基を有しないものであるのが好ましい。これにより、分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)の分子内において架橋反応が進行するのを的確に防止することができる。
また、分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)としては、下記平均組成式(c)で示されるものが好ましい。
平均組成式(c)
(H(R3-aSiO1/2(SiO4/2
(式(c)において、Rは一価の有機基、aは1~3の範囲の整数、mはH(R3-aSiO1/2単位の数、nはSiO4/2単位の数である)
式(c)において、Rは一価の有機基であり、好ましくは、炭素数1~10の置換または非置換のアルキル基、アリール基、またはこれらを組み合わせた炭化水素基である。炭素数1~10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられ、中でも、メチル基が好ましい。炭素数1~10のアリール基としては、例えば、フェニル基が挙げられる。
式(c)において、aは、ヒドリド基(Siに直接結合する水素原子)の数であり、1~3の範囲の整数、好ましくは1である。
また、式(c)において、mはH(R3-aSiO1/2単位の数、nはSiO4/2単位の数である。
分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)は分岐状構造を有する。直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)と分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)は、その構造が直鎖状か分岐状かという点で異なり、Siの数を1とした時のSiに結合するアルキル基Rの数(R/Si)が、直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)では1.8~2.1、分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)では0.8~1.7の範囲となる。
なお、分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)は、分岐構造を有しているため、例えば、窒素雰囲気下、1000℃まで昇温速度10℃/分で加熱した際の残渣量が5%以上となる。これに対して、直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)は、直鎖状であるため、上記条件で加熱した後の残渣量はほぼゼロとなる。
また、分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)の具体例としては、下記式(3)で表される構造を有するものが挙げられる。
Figure 0007004127000004
式(3)中、Rは炭素数1~8の置換または非置換のアルキル基、アリール基、またはこれらを組み合わせた炭化水素基、もしくは水素原子である。炭素数1~8のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられ、中でも、メチル基が好ましい。炭素数1~8のアリール基としては、例えば、フェニル基が挙げられる。Rの置換基としては、例えば、メチル基等が挙げられる。
なお、式(3)中、複数のRは互いに独立したものであり、互いに異なっていてもよいし、同じであってもよい。
また、式(3)中、「-O-Si≡」は、Siが三次元に広がる分岐構造を有することを表している。
なお、分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)と分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)において、Siに直接結合する水素原子(ヒドリド基)の量は、それぞれ、特に限定されない。ただし、シリコーンゴム系硬化性組成物において、ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)中のビニル基1モルに対し、直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)と分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)の合計のヒドリド基量が、0.5~5モルとなる量が好ましく、1~3.5モルとなる量がより好ましい。これにより、直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)および分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)と、ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)との間で、架橋ネットワークを確実に形成させることができる。
<<シリカ粒子(C)>>
本実施形態に係るシリコーンゴム系硬化性組成物は、非導電性フィラーを含む。非導電性フィラーは、必要に応じ、シリカ粒子(C)を含んでもよい。これにより、エラストマーの硬さや機械的強度の向上を図ることができる。
絶縁性シリコーンゴム系硬化性組成物および導電性シリコーンゴム系硬化性組成物は、同種の非導電性フィラーを含んでもよい。同種の非導電性フィラーとは、少なくとも共通の構成材料を有していればよく、粒子径、比表面積、表面処理剤、又はその添加量が異なっていてもよい。
なお、絶縁性シリコーンゴム系硬化性組成物および導電性シリコーンゴム系硬化性組成物は、互いに異なるシランカップリング剤をさらに含んでもよい。
シリカ粒子(C)としては、特に限定されないが、例えば、ヒュームドシリカ、焼成シリカ、沈降シリカ等が用いられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
シリカ粒子(C)は、例えば、BET法による比表面積が例えば50~400m/gであるのが好ましく、100~400m/gであるのがより好ましい。また、シリカ粒子(C)の平均一次粒径は、例えば1~100nmであるのが好ましく、5~20nm程度であるのがより好ましい。
シリカ粒子(C)として、かかる比表面積および平均粒径の範囲内であるものを用いることにより、形成されるシリコーンゴムの硬さや機械的強度の向上、特に引張強度の向上をさせることができる。
<<シランカップリング剤(D)>>
本実施形態のシリコーンゴム系硬化性組成物は、シランカップリング剤(D)を含むことができる。
シランカップリング剤(D)は、加水分解性基を有することができる。加水分解基が水により加水分解されて水酸基になり、この水酸基がシリカ粒子(C)表面の水酸基と脱水縮合反応することで、シリカ粒子(C)の表面改質を行うことができる。
絶縁性シリコーンゴム系硬化性組成物および導電性シリコーンゴム系硬化性組成物は、同種のシランカップリング剤を含んでもよい。同種のシランカップリング剤とは、少なくとも共通の官能基を有していればよく、分子中の他の官能基や添加量が異なっていてもよい。
なお、絶縁性シリコーンゴム系硬化性組成物および導電性シリコーンゴム系硬化性組成物は、互いに異なるシランカップリング剤をさらに含んでもよい。
また、このシランカップリング剤(D)は、疎水性基を有するシランカップリング剤を含むことができる。これにより、シリカ粒子(C)の表面にこの疎水性基が付与されるため、シリコーンゴム系硬化性組成物中ひいてはシリコーンゴム中において、シリカ粒子(C)の凝集力が低下(シラノール基による水素結合による凝集が少なくなる)し、その結果、シリコーンゴム系硬化性組成物中のシリカ粒子(C)の分散性が向上すると推測される。これにより、シリカ粒子(C)とゴムマトリックスとの界面が増加し、シリカ粒子(C)の補強効果が増大する。さらに、ゴムのマトリックス変形の際、マトリックス内でのシリカ粒子(C)の滑り性が向上すると推測される。そして、シリカ粒子(C)の分散性の向上及び滑り性の向上によって、シリカ粒子(C)によるシリコーンゴムの機械的強度(例えば、引張強度や引裂強度など)が向上する。
さらに、シランカップリング剤(D)は、ビニル基を有するシランカップリング剤を含むことができる。これにより、シリカ粒子(C)の表面にビニル基が導入される。そのため、シリコーンゴム系硬化性組成物の硬化の際、すなわち、ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)が有するビニル基と、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)が有するヒドリド基とがヒドロシリル化反応して、これらによるネットワーク(架橋構造)が形成される際に、シリカ粒子(C)が有するビニル基も、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)が有するヒドリド基とのヒドロシリル化反応に関与するため、ネットワーク中にシリカ粒子(C)も取り込まれるようになる。これにより、形成されるシリコーンゴムの低硬度化および高モジュラス化を図ることができる。
シランカップリング剤(D)としては、疎水性基を有するシランカップリング剤およびビニル基を有するシランカップリング剤を併用することができる。
シランカップリング剤(D)としては、例えば、下記式(4)で表わされるものが挙げられる。
-Si-(X)4-n・・・(4)
上記式(4)中、nは1~3の整数を表わす。Yは、疎水性基、親水性基またはビニル基を有するもののうちのいずれかの官能基を表わし、nが1の時は疎水性基であり、nが2または3の時はその少なくとも1つが疎水性基である。Xは、加水分解性基を表わす。
疎水性基は、炭素数1~6のアルキル基、アリール基、またはこれらを組み合わせた炭化水素基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、フェニル基等が挙げられ、中でも、特に、メチル基が好ましい。
また、親水性基は、例えば、水酸基、スルホン酸基、カルボキシル基またはカルボニル基等が挙げられ、中でも、特に、水酸基が好ましい。なお、親水性基は、官能基として含まれていてもよいが、シランカップリング剤(D)に疎水性を付与するという観点からは含まれていないのが好ましい。
さらに、加水分解性基は、メトキシ基、エトキシ基のようなアルコキシ基、クロロ基またはシラザン基等が挙げられ、中でも、シリカ粒子(C)との反応性が高いことから、シラザン基が好ましい。なお、加水分解性基としてシラザン基を有するものは、その構造上の特性から、上記式(4)中の(Y-Si-)の構造を2つ有するものとなる。
上記式(4)で表されるシランカップリング剤(D)の具体例は、次の通りである。
上記官能基として疎水性基を有するものとして、例えば、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、n-プロピルトリメトキシシラン、n-プロピルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシランのようなアルコキシシラン;メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、フェニルトリクロロシランのようなクロロシラン;ヘキサメチルジシラザンが挙げられる。この中でも、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルクロロシラン、トリメチルメトキシシラン、及びトリメチルエトキシシランからなる群から選択される一種以上を含むトリメチルシリル基を有するシランカップリング剤が好ましい。
上記官能基としてビニル基を有するものとして、例えば、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシランのようなアルコキシシラン;ビニルトリクロロシラン、ビニルメチルジクロロシランのようなクロロシラン;ジビニルテトラメチルジシラザンが挙げられる。この中でも、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、ジビニルテトラメチルジシラザン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、及びビニルメチルジメトキシシランからなる群から選択される一種以上を含むビニル基含有オルガノシリル基を有するシランカップリング剤が好ましい。
またシランカップリング剤(D)がトリメチルシリル基を有するシランカップリング剤およびビニル基含有オルガノシリル基を有するシランカップリング剤の2種を含む場合、疎水性基を有するものとしてはヘキサメチルジシラザン、ビニル基を有するものとしてはジビニルテトラメチルジシラザンを含むことが好ましい。
トリメチルシリル基を有するシランカップリング剤(D1)およびビニル基含有オルガノシリル基を有するシランカップリング剤(D2)を併用する場合、(D1)と(D2)の比率は、特に限定されないが、例えば、重量比で(D1):(D2)が、1:0.001~1:0.35、好ましくは1:0.01~1:0.20、より好ましくは1:0.03~1:0.15である。このような数値範囲とすることにより、所望のシリコーンゴムの物性を得ることができる。具体的には、ゴム中におけるシリカの分散性およびゴムの架橋性のバランスを図ることができる。
本実施形態において、シランカップリング剤(D)の含有量の下限値は、ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)の合計量100重量部に対して、1質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることがより好ましく、5質量%以上であることがさらに好ましい。また、シランカップリング剤(D)の含有量上限値は、ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)の合計量100重量部に対して、100質量%以下であることが好ましく、80質量%以下であることがより好ましく、40質量%以下であることがさらに好ましい。
シランカップリング剤(D)の含有量を上記下限値以上とすることにより、エラストマーを含む柱状部と導電性樹脂層との密着性を高めることができる。また、シリコーンゴムの機械的強度の向上に資することができる。また、シランカップリング剤(D)の含有量を上記上限値以下とすることにより、シリコーンゴムが適度な機械特性を持つことができる。
<<白金または白金化合物(E)>>
本実施形態に係るシリコーンゴム系硬化性組成物は、触媒を含んでもよい。触媒は、白金または白金化合物(E)を含むことができる。白金または白金化合物(E)は、硬化の際の触媒として作用する触媒成分である。白金または白金化合物(E)の添加量は触媒量である。
絶縁性シリコーンゴム系硬化性組成物および導電性シリコーンゴム系硬化性組成物は、同種の触媒を含んでもよい。同種の触媒とは、少なくとも共通の構成材料を有していればよく、触媒中に異なる組成が含まれていてもよく、その添加量が異なっていてもよい。
なお、絶縁性シリコーンゴム系硬化性組成物および導電性シリコーンゴム系硬化性組成物は、互いに異なる触媒をさらに含んでもよい。
白金または白金化合物(E)としては、公知のものを使用することができ、例えば、白金黒、白金をシリカやカーボンブラック等に担持させたもの、塩化白金酸または塩化白金酸のアルコール溶液、塩化白金酸とオレフィンの錯塩、塩化白金酸とビニルシロキサンとの錯塩等が挙げられる。
なお、白金または白金化合物(E)は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態において、シリコーンゴム系硬化性組成物中における白金または白金化合物(E)の含有量は、触媒量を意味し、適宜設定することができるが、具体的にはビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)、シリカ粒子(C)、シランカップリング剤(D)の合計量100重量部に対して、白金族金属が重量単位で0.01~1000ppmとなる量であり、好ましくは、0.1~500ppmとなる量である。
白金または白金化合物(E)の含有量を上記下限値以上とすることにより、シリコーンゴム系硬化性組成物が適切な速度で硬化することが可能となる。また、白金または白金化合物(E)の含有量を上記上限値以下とすることにより、製造コストの削減に資することができる。
<<水(F)>>
また、本実施形態に係るシリコーンゴム系硬化性組成物には、上記成分(A)~(E)以外に、水(F)が含まれていてもよい。
水(F)は、シリコーンゴム系硬化性組成物に含まれる各成分を分散させる分散媒として機能するとともに、シリカ粒子(C)とシランカップリング剤(D)との反応に寄与する成分である。そのため、シリコーンゴム中において、シリカ粒子(C)とシランカップリング剤(D)とを、より確実に互いに連結したものとすることができ、全体として均一な特性を発揮することができる。
(その他の成分)
さらに、本実施形態のシリコーンゴム系硬化性組成物は、上記(A)~(F)成分以外に、他の成分をさらに含むことができる。この他の成分としては、例えば、珪藻土、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化バリウム、酸化マグネシウム、酸化セリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、ガラスウール、マイカ等のシリカ粒子(C)以外の無機充填材、反応阻害剤、分散剤、顔料、染料、帯電防止剤、酸化防止剤、難燃剤、熱伝導性向上剤等の添加剤が挙げられる。
本実施形態に係る導電性溶液(導電性シリコーンゴム組成物)は、導電性フィラーを含まない上記シリコーンゴム系硬化性組成物に加えて、上記導電性フィラーおよび溶剤を含むものである。
上記溶剤としては、公知の各種溶剤を用いることができるが、例えば、高沸点溶剤を含むことができる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記溶剤の一例としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、オクタン、デカン、ドデカン、テトラデカンなどの脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン、トリフルオロメチルベンゼン、ベンゾトリフルオリドなどの芳香族炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、シクロペンチルエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、1,4-ジオキサン、1,3-ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル類;ジクロロメタン、クロロホルム、1,1-ジクロロエタン、1,2-ジクロロエタン、1,1,1-トリクロロエタン、1,1,2-トリクロロエタンなどのハロアルカン類;N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミドなどのカルボン酸アミド類;ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキシド類などを例示することができる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記導電性溶液は、溶液中の固形分量などを調整することで、スプレー塗布やディップ塗布等の各種の塗布方法に適切な粘度を備えることができる。
また、上記導電性溶液が上記導電性フィラーおよび上記シリカ粒子(C)を含む場合、電極部62が含むシリカ粒子(C)の含有量の下限値は、シリカ粒子(C)および導電性フィラーの合計量100質量%に対して、例えば、1質量%以上であり、好ましくは3質量%以上であり、より好ましくは5質量%以上とすることができる。これにより、電極部62の機械的強度を向上させることができる。一方で、上記電極部62が含むシリカ粒子(C)の含有量の上限値は、シリカ粒子(C)および導電性フィラーの合計量100質量%に対して、例えば、20質量%以下であり、好ましくは15質量%以下であり、より好ましくは10質量%以下である。これにより、電極部62における導電性と機械的強度や柔軟性とのバランスを図ることができる。
導電性溶液を必要に応じて加熱乾燥することで、導電性シリコーンゴムが得られる。
導電性シリコーンゴムは、シリコーンオイルを含まない構成であってもよい。これにより、電極部62の表面にシリコーンオイルがブリードアウトすることで導通性が低下することを抑制できる。
これにより、頭部99への良好な追従性と所望の強度の両立を実現できる。また、脳波測定装置1を装着した際の突起部60による不快感の発生を回避できる。その結果、安定した脳波検出が可能となる。なお、脳波測定装置1を装着する被験者の特性に応じて、例えば「大人」であるか「子供」であるか、頭皮が敏感であるかないか、頭髪が硬いか柔らかいか等に応じて、ゴム硬度Aが選択されてもよい。
バンド部材10をシリコーンゴムで成形する際に、シリコーンゴム系硬化性組成物等の硬化性エラストマー組成物を金型成形することで、バンド部材10と複数の突起部60とをシームレスで結合した成形体が得られる。これにより、柔軟性(すなわち頭部99に追従可能な可撓性)と強度に優れて、頭部99に良好に追従する脳波測定装置1を実現できる。なお、シリコーンゴム系硬化性組成物中に含まれる各成分の種類や配合量、シリコーンゴム系硬化性組成物の調製方法等を適切に選択することにより、ゴム硬度Aすなわち柔軟性を制御できる。
<脳波測定装置1の製造方法>
本実施形態の脳波測定装置1の製造方法の一例は次の工程を含むことができる。
まず、金型を用いて、上記シリコーンゴム系硬化性組成物を加熱加圧成形し、バンド部材10および突起部60からなる成形体を得る。続いて、得られた成形体の各柱状部の内部に、縫い針を用いて、信号線63を通した。その後得られた成形体の突起部60の先端部分の表面(所定高さh2)に、ペースト状の導電性溶液をディップ塗布し、加熱乾燥後、ポストキュアを行う。これにより、突起部60の表面に電極部62を形成できる。
以上により、電極部62を有するバンド部材10を製造することができる。
つづいて、バンド部材10の両端に装着支援部30を取り付ける。
具体的には、湾曲しているフレーム31の内側空間に、バンド外面11が曲面外側になるようにバンド部材10を湾曲させて配置し、両端のバンド長調整部40をそれぞれバンド部材10のそれぞれ両端部分でバンド長調整部20に取り付ける。このとき、ピニオン41の先端部分がレールギア22に噛み合う。これによって、脳波測定装置1を製造することができる。
<実施形態の特長及び効果>
実施形態の特徴および効果をまとめると次の通りである。
(1)本実施形態の脳波測定装置1は、
人間の頭部99の形状に追随して装着されるゴム状の弾性体のバンド部材10と、
バンド部材10の一面(ここではバンド内面12に形成された突起形成面13)に、バンド部材10と一体に設けられた、複数の弾性体の突起部60と、
バンド部材10に取り付けられ、バンド部材10の頭部99への追従を支援する装着支援部30と、を有し、
突起部60の少なくとも先端部が、導電部材からなる電極部62を構成している。
装着支援部30は、上述の構成(フレーム31、バンド長調整部40、押圧調整部50等を備える構成)の他に、例えば、バンド部材10の長手方向の端部を紐等で頭部99(より具体的には顎や耳等)に掛ける構成であってもよい。
バンド部材10がゴム状の弾性体であることから、人の頭部99の形状に追従する。その結果、人の頭部99の形状によらず、脳波測定装置1の装着が可能となる。また、バンド部材10の両端部の位置が、装着支援部30によって頭部99から離れないように設定される。すなわち、バンド部材10の両端部の位置が、頭部99の形状や頭髪の状態によらず固定でき、頭部99等から浮き上がってしまって検出精度が低下することがない。また、複数の突起部60のバンド部材10の全体に配置することで、装着時の圧力を分散させることができる。さらに、装着した際に、頭部99の形状に追従する柔軟性を有することから、特定の突起部60(電極部62)に圧力が集中することがなく、人に不快を感じさせることを回避できる。換言すると、不快に感じることで測定結果に影響を及ぼすことを回避できる。また、バンド部材10が弾性体であり可撓性を有するため、突起部60の電極部62が、頭部99に適切な向きで、かつ適切な圧力で当接する。この観点でも、脳波検出を安定化できる。
(2)装着支援部30は、バンド部材10の端部近傍領域において、バンド部材10を頭部99に押し当てるように作用する圧力付加機構(押圧調整部50)を有する。
装着支援部30が、バンド部材10を頭部99側に押し当てるように作用する圧力付加機構を有することで、バンド部材10全体(すなわち突起部60全体)が頭部99に良好に押し当てられ、より安定した脳波検出が実現できる。
(3)装着支援部30は、頭部99に沿うように湾曲したフレーム31と、
フレーム31の先端部分に設けられ、バンド部材10と固定される固定部(バンド長調整部20、40)を有する。
フレーム31が頭部99の後頭部に沿うように湾曲して、その両端部分でバンド部材10に固定されることで、脳波測定装置1を安定して装着でき、また、バンド部材10における脳波検出を邪魔することがない。
(4)固定部は、バンド部材10の頭部99へ追従する状態を調整する調整機構(すなわちバンド長調整部20、40)を有する。
追従状態を調整する機構として、例えば(a)バンド長調整部20、40のようにバンド部材10の固定長を調整する機構、(b)バンド部材10を複数箇所で頭部99に押し当てる機構がある。
(5)調整機構は、フレーム31に固定されている部分のバンド部材10の長さを調整するバンド部材長調整機構(バンド長調整部20、40)を有する。
バンド部材長調整機構(バンド長調整部20、40)として、(a)レールギア/円筒ギアの組み合わせ、(b)結束バンド(リピートタイプ)、バックル、スライド機構、クリップ、伸縮機構などがある。
(6)バンド部材長調整機構20、40は、バンド部材10に設けられたレールギア22(ラック)と、フレーム31に回動自在に設けられたピニオン41(円筒ギア)とを有する。突起部60の頭部99の押圧状態に影響を与えずに細かの調整が可能な機構として、実施形態で示したレールギア22とピニオン41の組み合わせが好適である。
(7)装着支援部30は、頭部99へ押圧する押圧調整部50(押圧部)を有する。
例えば、頭部99(より具体的には、こめかみ近傍)に固定する機構を有する。
(8)押圧調整部50(押圧部)は、頭部99への押圧力を調整する押圧力調整機構(ネジ部51、当接部52)を有する。
(9)押圧調整部50は、頭部99への押圧方向を調整する押圧方向調整機構を有する。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。例えば、突起部60の形状として、三角錐を例示したが、円錐や四角錐などの他の錐体や、錐体の頂部を取り除いた截頭錐体であってもよい。
また、突起部60において、三角錐(錐体)の頂点が、バンド部材10の長手方向中央側に倒れた形状であったが、倒れず直立した形状でもよいし、倒れる方向がバンド部材10の長手方向中央側であってもよい。また、突起部60の向きが長手方向端部を向いていたが、短手方向に向いてもよいし、斜め向きに配置されてもよい。
また、突起部60の配置は、バンド部材10の長手方向に2列として例示したが、1列であってもよいし、3列以上でもよい。また、複数列で配置する場合に、バンド部材10の長手方向の配置を、列ごとにずらしてもよい。また、十字状に配置した突起部60の組を所定間隔で配置するように構成してもよい。
この出願は、2020年9月25日に出願された日本出願特願2020-161176号を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
以下、参考形態の例を付記する。
[1]
人間の頭部の形状に追随して装着されるゴム状の弾性体のバンド部材と、
前記バンド部材の一面に、前記バンド部材と一体に設けられた、複数の弾性体の突起部と、
前記バンド部材に取り付けられ、前記バンド部材の前記頭部への追従を支援する装着支援部と、
を有し、
前記突起部の少なくとも先端部が、導電部材からなる電極を構成している、
脳波検出用電極。
[2]
前記装着支援部は、前記バンド部材の端部近傍領域において、前記バンド部材を前記頭部に押し当てるように作用する圧力付加機構を有する、[1]に記載の脳波検出用電極。
[3]
前記圧力付加機構は、前記頭部に沿うように湾曲したフレームと、
前記フレームの先端部分に設けられ、前記バンド部材と固定される固定部を有する、[2]に記載の脳波検出用電極。
[4]
前記固定部は、前記バンド部材の前記頭部へ追従する状態を調整する調整機構を有する、[3]に記載の脳波検出用電極。
[5]
前記調整機構は、前記フレームに固定されている部分の前記バンド部材の長さを調整するバンド部材長調整機構を有する、[4]に記載の脳波検出用電極。
[6]
前記バンド部材長調整機構は、前記バンド部材に設けられたレールギアと、前記フレームに回動自在に設けられた円筒ギアとを有する、[5]に記載の脳波検出用電極。
[7]
前記装着支援部は、頭部へ押圧する押圧部を有する、[1]から[6]までのいずれかに記載の脳波検出用電極。
[8]
前記押圧部は、頭部への押圧力を調整する押圧力調整機構を有する、[7]に記載の脳波検出用電極。
[9]
前記押圧部は、頭部への押圧方向を調整する押圧方向調整機構を有する、[8]に記載の脳波検出用電極。
1 脳波測定装置
10 バンド外面
12 バンド内面
13 突起形成面
14 信号線
20、40 バンド長調整部
21 溝部
22 レールギア
30 装着支援部
31 フレーム
32 フレーム外面
33 フレーム内面
34、36 ネジ穴
41 ピニオン
50 押圧調整部
51 ネジ部
52 当接部
60 突起部
62 電極部
63 信号線
99 頭部

Claims (8)

  1. 人間の頭部の形状に追随して装着されるゴム状の弾性体のバンド部材と、
    前記バンド部材の一面に、前記バンド部材と一体に設けられた、複数の弾性体の突起部と、
    前記バンド部材に取り付けられ、前記バンド部材の前記頭部への追従を支援する装着支援部と、
    を有し、
    前記突起部の少なくとも先端部が、導電部材からなる電極を構成しており、
    前記装着支援部は、前記バンド部材の端部近傍領域において、前記バンド部材を前記頭部に押し当てるように作用する圧力付加機構を有する、
    脳波検出用電極。
  2. 前記圧力付加機構は、前記頭部に沿うように湾曲したフレームと、
    前記フレームの先端部分に設けられ、前記バンド部材と固定される固定部を有する、請求項に記載の脳波検出用電極。
  3. 前記固定部は、前記バンド部材の前記頭部へ追従する状態を調整する調整機構を有する、請求項に記載の脳波検出用電極。
  4. 前記調整機構は、前記フレームに固定されている部分の前記バンド部材の長さを調整するバンド部材長調整機構を有する、請求項に記載の脳波検出用電極。
  5. 前記バンド部材長調整機構は、前記バンド部材に設けられたレールギアと、前記フレームに回動自在に設けられた円筒ギアとを有する、請求項に記載の脳波検出用電極。
  6. 前記装着支援部は、頭部へ押圧する押圧部を有する、請求項1からまでのいずれか1項に記載の脳波検出用電極。
  7. 前記押圧部は、頭部への押圧力を調整する押圧力調整機構を有する、請求項に記載の脳波検出用電極。
  8. 前記押圧部は、頭部への押圧方向を調整する押圧方向調整機構を有する、請求項に記載の脳波検出用電極。
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