JP7374757B2 - 防振構造 - Google Patents

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本発明は、防振構造に関する。
大規模なコンサートホールやダンススタジオなどでは、多人数客のジャンプなどによる振動(たてのり振動)が生じると、その振動が地盤を介して周辺の建物に伝播することがあるため、周囲に伝播する振動を低減させる対策が必要となる。例えば、特許文献1に開示された防振構造では、軟弱地盤の上に構築された構造物と、構造物の内部に設けられて振動発生源となる床版とを縁を切った状態に設け、床版を軟弱地盤から浮かせ、軟弱地盤の下側の支持地盤に杭で支持している。この防振構造では、構造物と床版とは地盤の支持層が異なり、床版を支持する杭と軟弱地盤との間で振動が伝達しないように振動遮断手段が設けられている。
特許第4128582号公報
しかしながら、特許文献1に開示された防振構造では、構造物と床版とを縁を切った状態とするため、構造物と床版との接続部分の構造が複雑となり、施工も煩雑となる。
そこで、本発明は、周囲に伝播する振動を低減させることができて、簡便な構造で容易に施工することができる防振構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る防振構造は、地盤面から下側に続く上側地盤の下方に下側地盤がある地盤に埋設され、前記下側地盤に支持されて前記地盤の上方へ延びる複数の杭体と、前記地盤の上方に間隔をあけて配置され、前記複数の杭体それぞれに支持された基礎部と、前記杭体と前記上側地盤との摩擦を低減させる摩擦低減材と、を有し、前記摩擦低減材は、前記複数の杭体のうちの少なくとも一部の杭体の周囲に設置されていることを特徴とする。
本発明では、杭体に支持された基礎部が地盤の上方に間隔をあけて配置されているとともに、杭体と上側地盤との間に摩擦低減材が設けられていることにより、基礎部に生じた振動が杭体を介して上側地盤に伝達することを抑制でき、上側地盤を介して構造物の周囲に伝播する振動を低減させることができる。
杭体を介して伝達される基礎部の振動は、下側地盤よりも上側地盤の方へ伝達しやすい。本発明では、杭体と上側地盤との間に摩擦低減材が設けられていることにより上側地盤を介して構造物の周囲に伝播する振動を効率的に低減させることができる。
摩擦低減材は、複数の杭体のうちの少なくとも一部の杭体に設けられている。このため、基礎部における少なくとも所定値以上の振動が想定される領域の直下の杭体に対して摩擦低減材を設けることにより、基礎部に生じた振動が杭体を介して上側地盤に伝達することを抑制できる。このため、すべての杭体に対して摩擦低減材を設ける場合と比べて、容易に施工することができる。
基礎部における所定値以上の振動が想定される領域と、その他の領域とを一体に構築することができるため、基礎部における所定値以上の振動が想定される領域と、その他の領域とを縁を切った状態に設ける場合と比べて、簡便な構造となり容易に施工することができる。
また、本発明に係る防振構造では、前記基礎部は、所定値以上の振動が生じると想定される振動部と、前記振動部と隣接する隣接部と、を有し、前記振動部と前記隣接部とは一体に設けられ、前記摩擦低減材は、前記複数の杭体のうちの前記振動部の直下の杭体に設けられていてもよい。
このような構成とすることにより、基礎部の振動部に生じた振動が杭体を介して上側地盤に伝達することを抑制できる。基礎部の振動部の直下の杭体に対して上側地盤との間に摩擦低減材を設ければよいため、すべての杭体に対して摩擦低減材を設ける場合と比べて、容易に施工することができる。
また、本発明に係る防振構造では、前記基礎部は、所定値以上の振動が生じると想定される振動部と、前記振動部と隣接する隣接部と、を有し、前記振動部と前記隣接部とは一体に設けられ、前記摩擦低減材は、前記複数の杭体のうちの前記振動部の直下の杭体に設けられた第1摩擦低減材と、前記複数の杭体のうちの前記隣接部の直下の杭体に設けられた第2摩擦低減材と、を有し、前記第1摩擦低減材は、前記第2摩擦低減材よりも前記杭体と前記上側地盤との摩擦低減量が大きくてもよい。
このような構成とすることにより、基礎部の振動部に生じた振動が杭体を介して上側地盤に伝達することを確実に抑制できる。振動部の直下の杭体に対して設ける第1摩擦低減材と、隣接部の直下の杭体に対して設ける第2摩擦低減材とを、異なる種類としたり、量を変えたりすることができる。このため、すべての杭体に対して同じように摩擦低減材を設ける場合と比べて、過剰に摩擦低減材を設けることがなく、容易に施工することができるとともに、コスト削減を図ることができる。
本発明によれば、周囲に伝播する振動を低減させることができて、簡便な構造で容易に施工することができる。
本発明の第1実施形態による防振構造の構造物の一例を示す鉛直断面図で、図2のA-A線断面に対応する鉛直断面図である。 本発明の第1実施形態による防振構造の構造物の一例を示す平面図である。 図1のB部分の拡大図である。 図1のB部分の他の形態の拡大図である。 本発明の第2実施形態による防振構造の構造物の一例を示す鉛直断面図である。 防振構造の数値解析を行う際の基礎部床版と振動評価する各ポイント(位置)の平面位置関係を示す図である。 数値解析による各ポイントにおける鉛直方向の振動レベルを示す表である。 数値解析による各ポイントにおけるX方向およびY方向の振動レベルを示す表である。 数値解析による各ポイントにおけるX方向およびY方向の最大加速度を示す表である。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態による防振構造について、図1-図4に基づいて説明する。
図1に示す第1実施形態による防振構造1は、構造物2に生じた振動が周辺の建物への伝播することを抑制するための構造である。本実施形態では、構造物2は、競技やコンサートなどが行われるスタジアムなどの施設で、多人数客のジャンプなどによる振動(たてのり振動)が生じることを想定している。図2に示すように、本実施形態による構造物2は、1階部分23の平面視における中央部分21にアリーナおよびスタンドが設けられ、中央部分21の周囲の部分22(アリーナおよびスタンドの周囲の部分)にロッカー室や選手の控室が設けられている。
図1に示すように、構造物2が構築される地盤3は、地盤面33から下側に続く上側地盤32の下方に下側地盤31が存在している。本実施形態では、下側地盤31が高い剛性を有する支持地盤で、上側地盤32が比較的剛性の低い軟弱地盤となっている。
構造物2は、地盤3に埋設された杭体4と、杭体4に支持された基礎部5と、基礎部5の上に構築された基礎部上躯体6と、杭体4と上側地盤32との摩擦を低減させる摩擦低減材7と、を有している。以下の防振構造1の説明では、互いに直交する2つの水平方向の一方をX方向とし、他方をY方向とする。
杭体4は、下側地盤31に支持された鋼管杭やコンクリート杭などで、下端部41が下側地盤31に達し、上端部42が地盤面33(上側地盤32の上面)よりも上方に突出している。杭体4は、X方向およびY方向に間隔をあけて複数配列されている。本実施形態では、杭体4は、コンクリート杭で、円柱状に形成されている。
図3に示すように、基礎部5は、基礎本体51と、基礎本体51の上に設けられた床部52と、を有している。
基礎本体51は、杭体4の上端部42と接合されている。本実施形態では、1つの杭体4の上端部42に1つの基礎本体51が接合されている。本実施形態では、基礎本体51は、角柱状に形成されて、杭体4と上下方向に同軸に配置されている。
基礎本体51は、底面51aが地盤面33よりも上に位置し、地盤面33との間に隙間53(間隔)をあけた状態で杭体4の上端部42と接合されている。基礎本体51は、上側地盤32と接触しておらず、杭体4を介して下側地盤31に支持されている。
本実施形態の基礎本体51は、RC造である。基礎本体51は、下部側がプレキャストコンクリート部材511で、上部側が現場打コンクリート512となるハーフプレキャスト構造である。なお、図4に示すように、基礎本体51は、鋼板513の上に設置された鋼管514の内部にコンクリート515が充填された構造であってもよい。基礎本体51は、図示しないが全体がプレキャストコンクリートで構築されたフルプレキャストコンクリートであってもよいし、全体が現場打コンクリートで構築されてもよい。
基礎部5と杭体4とは、基礎部5の底面51aと杭体4の上端面とが接合されていてもよいし、基礎部5が杭体4の上端部分と接合されていてもよい。
図3および図4に示すように、床部52は、基礎本体51の上に設けられた鉄骨梁54と、鉄骨梁54の上に設けられたRC床55と、を有している。
鉄骨梁54は、複数設けられている。本実施形態では、X方向に延びる鉄骨梁54と、Y方向に延びる鉄骨梁54とが床部52の全体にわたって枠体を形成するように接合されている。鉄骨梁54は、基礎本体51に架設されたり、隣り合う鉄骨梁54に架設されたりしている。鉄骨梁54の上端面には、上方に突出するようにスタッド56が設けられている。
RC床55は、床部52の全体にわたって設けられている。本実施形態では、RC床55にフラットデッキが設けられている。RC床55は、鉄骨梁54と接合されている。RC床55には、鉄骨梁54の上端面に設けられたスタッド56が埋設されている。スタッド56は、鉄骨梁54とRC床55との間でせん断力を伝達可能に構成されている。
床部52は、複数の基礎本体51それぞれと接合されている。本実施形態では、基礎本体51と床部52とはアンカーボルト57で接合されている。複数の基礎本体51と床部52とは一体化されている。
床部52は、鉄骨梁54を有することにより、剛性を高めることができ、RC床55を有することにより、重量が大きくなり振動が生じにくい構造となる。
基礎部上躯体6は、床部52の上に構築された柱61、梁(不図示)、壁(不図示)、屋根(不図示)などで、床部52および複数の基礎本体51と一体化されている。本実施形態では、鉄骨梁54に柱61が接合され、鉄骨梁54と柱61との接合部に鉄骨ブレース62が接合されている。
図1に示すように、本実施形態では、構造物2が設けられる領域の地盤面33が、その周囲の地盤面33よりも低くなっていて、周囲の地盤面33と床部52の上面とが略同じ高さとなるように設計されている。
摩擦低減材7は、杭体4と上側地盤32との間に設けられている。摩擦低減材7は、例えば、杭体4における上側地盤32に埋設されている部分の周囲に塗布されたアスファルトで、杭体4と上側地盤32との摩擦を低減させるように構成されている。本実施形態では、摩擦低減材7は、杭体4における上側地盤32に埋設されている部分の上部側のみに設けられ、下部側には設けられていない。
なお、摩擦低減材7は、杭体4における上側地盤32に埋設されている部分全体に設けられていてもよいし、杭体4における上側地盤32に埋設されている部分の所定の高さ範囲に設けられていてもよい。例えば、杭体4における上側地盤32に埋設されている部分の高さ方向の中間部や、杭体4における上側地盤32に埋設されている部分の複数の高さ範囲に設けられていてもよい。
杭体4は、摩擦低減材7が設けられることにより、上側地盤32との振動の伝達が抑制される。摩擦低減材7は、杭体4と下側地盤31との間に設けられていない。このため、杭体4は、下側地盤31に支持され、下側地盤31との間では振動が伝達される。
本実施形態では、摩擦低減材7は、複数の杭体4のうちの一部の杭体4に対して設けられている。
上述しているように、本実施形態による構造物2は、1階部分23の平面視における中央部分21にアリーナおよびスタンドが設けられ、中央部分21の周囲の部分22にロッカー室や選手の控室が設けられている。構造物2において競技やコンサートなどが行われると、床部52(基礎部5)におけるアリーナおよびスタンドが設けられている部分(中央部分21)は、その周囲の部分22よりもタテノリ振動などの所定値以上の振動が多く生じると想定される。床部52における1階部分23のアリーナおよびスタンドが設けられている中央部分を振動部58とし、振動部58の周囲の部分を隣接部59とする。振動部58と隣接部59とは隣接し、一体に設けられている。
本実施形態による構造物2では、複数の杭体4のうちの床部52の振動部58の下側に位置する基礎本体51を支持する杭体43に対して摩擦低減材7を設け、床部52の隣接部59の下側に位置する基礎本体51を支持する杭体44に対しては摩擦低減材7を設けていない。
次に、上記の第1実施形態による防振構造1の作用・効果について説明する。
上記の第1実施形態による防振構造1では、杭体4に支持された基礎部5が地盤3の上方に隙間53をあけて配置されているとともに、杭体4と上側地盤32との間に摩擦低減材7が設けられている。これにより、基礎部5に生じた振動が杭体4を介して上側地盤32に伝達することを抑制でき、上側地盤32を介して構造物2の周囲に伝播する振動を低減させることができる。
杭体4を介して伝達される基礎部5の振動は、下側地盤31よりも上側地盤32の方へ伝達しやすい。本実施形態では、杭体4と上側地盤32との間に摩擦低減材7が設けられていることにより上側地盤32を介して構造物2の周囲に伝播する振動を効率的に低減させることができる。本実施形態では、上側地盤32が軟弱地盤であるため、軟弱地盤を介して構造物2の周囲に伝播する振動を低減させることができる。
第1実施形態による防振構造1では、摩擦低減材7は、複数の杭体4のうちの振動部58の直下の杭体43と上側地盤32との間に設けられている。
このような構成とすることにより、振動部58に生じた振動が杭体43を介して上側地盤32に伝達することを抑制できる。振動部58の直下の杭体43に対して摩擦低減材7を設ければよいため、すべての杭体4に対して摩擦低減材7を設ける場合と比べて、容易に施工することができるとともに、コスト削減を図ることができる。
振動部58と隣接部59とは、一体に設けられていることにより、振動部58と隣接部59とを縁を切った状態に設ける場合と比べて、簡便な構造となり容易に施工することができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について、添付図面に基づいて説明するが、上述の第1実施形態と同一又は同様な部材、部分には同一の符号を用いて説明を省略し、実施形態と異なる構成について説明する。
図5に示すように、第2実施形態による防振構造1Bでは、複数の杭体4のうちの床部52の振動部58の下側に位置する杭体43に対しては、上側地盤32に埋設されている部分全体に摩擦低減材7B(第1摩擦低減材71とする)を設けている。床部52の隣接部59の下側に位置する杭体44に対しては、上側地盤32に埋設されている部分の上部側のみに摩擦低減材7B(第2摩擦低減材72とする)を設けている。
第1摩擦低減材71は、第2摩擦低減材72より上下方向に長い範囲に設けられている。これにより、振動部58の下側に位置する杭体43と上側地盤32との摩擦低減量の方が隣接部59の下側に位置する杭体44と上側地盤32との摩擦低減量よりもが大きくなる。
なお、第1摩擦低減材71が第2摩擦低減材72よりも広い範囲に設けられていれば、第1摩擦低減材71は、振動部58の下側に位置する杭体43における上側地盤32に埋設されている部分全体に設けられていなくてもよく、上部側のみに設けられていてもよい。
上記の第2実施形態による防振構造1では、第1実施形態と同様の効果を奏するとともに、基礎部5(床部52)の振動部58に生じた振動が杭体43を介して上側地盤32に伝達することを確実に抑制できる。振動部58の直下の杭体43に対して設ける第1摩擦低減材71と、隣接部59の直下の杭体44に対して設ける第2摩擦低減材72とを、異なる種類としたり、量を変えたりすることができる。このため、すべての杭体4に対して同じように摩擦低減材7Bを設ける場合と比べて、過剰に摩擦低減材7Bを設けることがなく、容易に施工することができるとともに、コスト削減を図ることができる。
次に、本実施形態による防振構造の数値解析について説明する。
数値解析では、基礎部が地盤の上方に隙間をあけて設けられるとともに摩擦低減材が設けられた構造物(Case1)と、基礎部が地盤と接触して設けられるとともに摩擦低減材が設けられていない構造物(Case2)とを比較している。
Case1およびCase2いずれの構造物も、下側地盤に支持された杭体と、杭体に支持された基礎部と、を有している。Case1では、すべての杭体に対して、上側地盤との間に摩擦低減材が設けられている。
図6に示す、構造物と構造物の周辺の「あ」から「お」、「き」から「し」のポイントにおいて構造物に振動が生じた際に伝播する振動を算出した。
ポイントの「あ」は、構造物の中央部、「い」、「き」は構造物の内部、「う」、「け」は構造物の外周部、「え」、「お」、「け」から「し」は、構造物の周辺に位置している。本解析は、構造物の中央部から200m離れたポイントの「し」における振動を低減させ、振動レベルを60dB以下とすることを目的としている。
構造物に生じるタテノリ振動などの振動の周波数は、2-3Hzが想定されるため、2Hzの振動が生じた場合、2.5Hzの振動が生じた場合、3Hzの振動が生じた場合それぞれの鉛直方向の振動レベル(dB)を解析した。その結果を図7に示す。
図7に示すように、いずれの周波数の振動の場合においても、各ポイントにおけるCase1の鉛直方向の振動レベルが、Case2の鉛直方向の振動レベル以下となることがわかる。構造物に3Hzの振動が生じた際のポイント「し」におけるCase1の鉛直方向の振動レベルは60dBで、Case0の鉛直方向の振動レベルは67dBである。6dBの差は、略2倍の加速度である。以上より、Case1では、構造物の中央部から200m離れたポイントの「し」における振動を低減できることがわかる。
図8には、2Hzの振動が生じた場合、3Hzの振動が生じた場合それぞれのX方向およびY方向の振動レベル(dB)を示す。図9には、2Hzの振動が生じた場合、3Hzの振動が生じた場合それぞれのX方向およびY方向の最大加速度(cm/s)を示す。
図8および図9に示すように、いずれの周波数の振動の場合においても、各ポイントにおけるCase1のX方向およびY方向の振動レベル、X方向およびY方向の最大加速度が、Case2のX方向およびY方向の振動レベル、X方向およびY方向の最大加速度以下となることがわかる。
以上、本発明による防振構造1の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記の実施形態では、下側地盤31が高い剛性を有する支持地盤で、上側地盤32が比較的剛性の低い軟弱地盤となっているが、下側地盤31および上側地盤32は、支持地盤および軟弱地盤でなくてもよく、上側地盤32よりも下側地盤31の剛性が高くなくてもよい。
上記の実施形態では、構造物2は、競技やコンサートなどが行われるスタジアムやアリーナなどの施設であるが、このような施設以外であってもよい。
上記の実施形態では、基礎部5の基礎本体51は、複数設けられ、それぞれ杭体4の上端部42と接合されているが、1つの基礎本体51が複数の杭体4の上端部42それぞれと接合されていてもよい。
上記の実施形態では、床部52は、基礎本体51の上に設けられた鉄骨梁54と、鉄骨梁54の上に設けられたRC床55とを有しているが、基礎本体51の上にRC床55が設けられた構造としてもよいし、基礎本体51と一体に構築されていてもよい。
上記の実施形態では、摩擦低減材7は、杭体4の周囲に塗布されたアスファルトであるが、上側地盤32に杭体4を囲繞するように鋼管を設け、鋼管と杭体4とは相対移動可能とし、鋼管と杭体4との間で摩擦が生じないようにして杭体4と上側地盤32との摩擦を低減させるようにしてもよい。
上記の第2実施形態では、振動部58の下方に位置する杭体43に設ける第1摩擦低減材71と、隣接部59の下方に位置する杭体44に設ける第2摩擦低減材72とは、杭体4に対して設ける量を変えることで、杭体4と上側地盤32との摩擦低減量を変えている。これに対し、異なる種類の摩擦低減材7を設けることで、杭体4と上側地盤32との摩擦低減量を変えるようにしてもよい。
上記の第1実施形態では、振動部58の下方に位置する杭体43に摩擦低減材7を設け、隣接部59の下方に位置する杭体44には摩擦低減材7を設けておらず、第2実施形態では、振動部58の下方に位置する杭体43に設ける第1摩擦低減材71と、隣接部59の下方に位置する杭体44に設ける第2摩擦低減材72とは摩擦低減量を変えている。これに対し、摩擦低減材7を設ける杭体4や、摩擦低減量を大きく設定する杭体4や摩擦低減量を小さく設定する杭体4は、上記実施形態の振動部58および隣接部59のどちらの直下に設けられているか以外の判断によって適宜設定されてよい。
摩擦低減材7が設けられない杭体4と、摩擦低減材7が設けられ摩擦低減量を大きく設定する杭体4と、摩擦低減材7が設けられ摩擦低減量を小さく設定する杭体4と、が混在して設けられていてもよい。
1,1B 防振構造
2 構造物
3 地盤
4,43,44 杭体
5 基礎部
7,7B 摩擦低減材
31 下側地盤
32 上側地盤
53 隙間(間隔)
58 振動部
59 隣接部
71 第1摩擦低減材
72 第2摩擦低減材

Claims (4)

  1. 地盤面から下側に続く上側地盤の下方に下側地盤がある地盤に埋設され、前記下側地盤に支持されて前記地盤の上方へ延びる複数の杭体と、
    前記地盤の上方に間隔をあけて配置され、前記複数の杭体それぞれに支持された基礎部と、
    前記杭体と前記上側地盤との摩擦を低減させる摩擦低減材と、を有し、
    前記摩擦低減材は、前記複数の杭体のうちの少なくとも一部の杭体の周囲に設置されていることを特徴とする防振構造。
  2. 前記基礎部は、
    所定値以上の振動が生じると想定される振動部と、
    前記振動部と隣接する隣接部と、を有し、
    前記振動部と前記隣接部とは一体に設けられ、
    前記摩擦低減材は、前記複数の杭体のうちの前記振動部の直下の杭体に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の防振構造。
  3. 前記基礎部は、
    所定値以上の振動が生じると想定される振動部と、
    前記振動部と隣接する隣接部と、を有し、
    前記振動部と前記隣接部とは一体に設けられ、
    前記摩擦低減材は、前記複数の杭体のうちの前記振動部の直下の杭体に設けられた第1摩擦低減材と、
    前記複数の杭体のうちの前記隣接部の直下の杭体に設けられた第2摩擦低減材と、を有し、
    前記第1摩擦低減材は、前記第2摩擦低減材よりも前記杭体と前記上側地盤との摩擦低減量が大きいことを特徴とする請求項1に記載の防振構造。
  4. 前記摩擦低減材は、前記杭体の周囲に塗布されたアスファルトである請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の防振構造。
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