JP2016089455A - アリーナ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】フィールド部12と、フィールド部12を囲む客席部14と、を備えたアリーナ10において、アリーナ10は、フィールド部12の床版16を地盤表面18から浮かせた状態で支持する支持杭20と、上端部がフィールド部12の床版16と隙間をあけて設けられ、支持杭20を、隙間をあけて囲む筒材22と、を有している。
【選択図】図1
Description
大人数加振によって発生した振動を、構造物の外部へ拡散しないよう低減させる技術には、例えば特許文献1がある。
これにより、フィールド部で発生した振動は、支持杭を通じて支持層へ伝播され、地盤を経由してアリーナの外部へ伝達される振動を抑制することができる。また、フィールド以外で発生した大音響は客席部で遮断され、外部へ伝わりにくい。
また、座屈が抑制されるので、座屈防止手段がない場合よりも、支持杭の径を小径にすることができる。
図1、図2(A)〜(C)を用いて、第1実施形態に係るアリーナ10について説明する。ここに、図1はアリーナ10の鉛直断面図であり、図2(A)〜(C)は、3種類の二重管杭21S、21M、21Lの断面図である。
フィールド部12の床版16の下には、複数の二重管杭21が設けられている。二重管杭21は、床版16を支持する支持杭20と、支持杭20を囲む外鋼管(筒材)22で構成されている。
一方、支持杭20が横荷重を受けて支持杭20が横へ移動したとき、支持杭20は外鋼管22の内周面と当接する。これにより、支持杭20のそれ以上の変形が抑制される。
なお、床版16とアリーナ10の客席部14の床版28も、縁切り部68で縁が切られているのが望ましい。これにより、フィールド部12の床版16で発生した振動の外部への伝播を、より抑制することができる。
支持杭24は、鉄筋コンクリート製とされ、下端部が床版28の直下にある支持層62に根入れされ、上端部で客席部14の床版28を含む客席部14と屋根架構部11を支持している。客席部14の床版28は、支持杭24で地盤表面18から高さH1だけ浮かせた状態で支持されている。高さH1は、客席部14の床版28が振動しても、地盤表面18と接触しない高さとされている。
一方、支持杭24が横荷重を受けたとき、支持杭24が横へ移動し、支持杭24が外鋼管26の内周面と当接する。これにより、支持杭24のそれ以上の変形が抑制される。
ここに、支持杭20、24は、いずれも場所打ち杭でも良いし、既成杭でも良い。また、フィールド部12の床版16は、床版28を含む客席部14と屋根架構部11よりも、重量が小さいので、フィールド部12の床版16を支持する支持杭20は、床版28を含む客席部14と屋根架構部11を支持する支持杭24よりも小径とされている。
一般的に、二重管杭21の外鋼管22は、表層地盤64へ埋め込まれた長さが長い程、支持杭20と地盤(表層地盤64、中間地層63)との接触が抑制されるため、外鋼管22による振動低減効果が大きいことが知られている。しかし、振動低減効果は、アリーナ10から離れる程小さくなる。このため、最適長さは、経済性を加味し、アリーナ10の構造や周辺建物との配置関係・距離、並びに表層地盤64を構成する地質との関係等から決定されるのが望ましい。
二重管杭21Sは、外鋼管22Sで縁切りさせる地盤深さが浅くて良いので、外鋼管22Sの長さL1は、例えば、地盤表面18から表層地盤64の途中までの長さとすればよい。外鋼管22Sが短くできるので、経済的な負担が小さい。
二重管杭21Mは、外鋼管22Mで縁切りさせる地盤深さがある程度必要なので、外鋼管22Mの長さL2は、例えば、地盤表面18から表層地盤64の下端部まで達する長さとする必要がある。外鋼管22Mを長くした分、振動低減効果を期待できる。
二重管杭21Lは、外鋼管22Lで縁切りさせる地盤深さが十分必要なので、外鋼管22Lの長さL3は、例えば、地盤表面18から砂礫層60に達する長さとされている。外鋼管22Lを十分に長くした分、大きな振動低減効果を期待できる。
また、外鋼管22により、支持杭20との間に隙間d1が設けられ、外鋼管26により、支持杭24との間に隙間d2が設けられている。これにより、床版28を含む客席部14で発生する振動、及び客席部14の床版16で発生する振動の表層地盤64への拡散を、二重管杭21、25で低減させることができる。
図3を用いて、第2実施形態に係る二重管杭38について説明する。
二重管杭38は、フィールド部12の床版16を支持する支持杭20が節杭32とされている点において、第1実施形態で説明した二重管杭21と相違する。相違点を中心に説明する。
ここに、図3(A)は本発明の第2実施形態に係る二重管杭38の構成を示す鉛直断面図であり、(B)は(A)の部分拡大図である。
一方、節杭32が横荷重を受けたとき、節杭32が横へ移動し、節部36が外鋼管34の内周面と当接する。これにより、節杭32のそれ以上の変形が抑制される。
他は、第1実施形態と同じ構成であり説明は省略する。
図4(A)、(B)、図5(A)〜(C)を用いて、第3実施形態に係る二重管杭48について説明する。
二重管杭48は、フィールド部12の床版16の下に埋め込まれた外鋼管44の内周面44Nに、横リブ(座屈止め)46を設けた点において、第1実施形態に係る二重管杭21と相違する。相違点を中心に説明する。
ここに、図4(A)は二重管杭48の水平断面図、(B)は鉛直部分断面図、図5(A)〜(C)はいずれも二重管杭48の構築方法を説明するための鉛直断面図である。
横リブ46の外周縁は外鋼管44の内周面44Nに固定され、内周縁は支持杭42の外周面42Gと所定の隙間d4をあけて対向されている。横リブ46は、水平方向に4枚配置され、隣接する横リブ46の間には所定の距離S1が設けられている。なお、横リブ46の枚数や隣との距離S1は、単なる目安であり任意に設定できる。
また、横リブ46は、深さ方向には、予め定めた距離H3を設けて、離散的に取付けられている。
一方、支持杭42が横荷重を受けたとき、支持杭42が横へ移動し、横リブ46が支持杭42と当接する。これにより、支持杭42のそれ以上の変形が抑制される。
先ず、図5(A)に示すように、地盤(表層地盤64、中間地層63、砂礫層60、及び支持層62)を掘削し、掘削穴66を設ける。掘削穴66は、外鋼管44の径で地盤表面18から、砂礫層60に達する深さまで掘削すると共に、更に、支持杭42の径で、砂礫層60から支持層62に達する深さまで掘削する。
外周壁鋼管72は、砂礫層60に達する深さまで挿入し、鉄筋70は、支持層62に達する深さまで配筋する。なお、外周壁鋼管72は、コンクリート打設時の型枠としての機能を発揮させるものであり、コンクリート打設時の圧力に耐える強度があれば良く、薄肉鋼管が採用される。
また、支持杭42は、現場打ちコンクリート杭の場合について説明した。しかしこれに限定されることはなく、既成杭を使用してもよい。
他は、第1実施形態と同じ構成であり説明は省略する。
図6(A)、(B)、図7(A)〜(D)、図8(A)、(B)を用いて、第4実施形態に係る二重管杭58について説明する。
図6(A)、(B)に示すように、二重管杭58は、外鋼管54に、縦リブ(座屈止め)56を複数設けた点において、第3実施形態に係る二重管杭48と相違する。相違点を中心に説明する。
一方、支持杭52が横荷重を受けたとき、支持杭52が横へ移動し、縦リブ56が支持杭52と当接する。これにより、支持杭52のそれ以上の変形が抑制される。
先ず、第3実施形態で説明したように、二重管杭58の構築位置の地盤(表層地盤64、中間地層63、砂礫層60、及び支持層62)を、所定の径で、先端が支持層62に達する深さまで掘削し、掘削穴66を設ける。
型枠材74は、発泡スチロールで中空円筒体に形成された後、中心線に沿った方向に複数のパーツに分割された構成である(図8(A)参照)。分割された各型枠材74は、縦リブ56の収納部を備え、縦リブ56の先端を厚さT1(厚さT1=隙間d1)で覆う板厚T2に形成されている。型枠材74は、隙間なく外鋼管54の内周面に貼り付けされている。型枠材74の貼り付け後は、外周壁が外鋼管54に内接し、内周壁が円柱状の空洞部となる中空円筒体となる。また、縦リブ56は、型枠材74の内部の収納部に収められる。
続いて、型枠材74で形成された空洞部へ、コンクリートが打設され、支持杭52が作製される。
他は、第1実施形態と同じ構成であり説明は省略する。
12 フィールド部
14 客席部
16 床版
18 地盤表面
20、24、32、42、52 支持杭
20G、24G、32G、42G、52G 支持杭の外周面
22、26、34、44、54 外鋼管(筒材)
22N、26N、34N、44N、54N 外鋼管(筒材)の内周面
36 突出し部(座屈防止手段)
46 横リブ(座屈防止手段)
56 縦リブ(座屈防止手段)
Claims (3)
- フィールド部と、前記フィールド部を囲む客席部と、を備えたアリーナにおいて、
前記フィールド部の床版を地盤表面から浮かせた状態で支持する支持杭と、
上端部が前記フィールド部の床版と隙間をあけて設けられ、前記支持杭を、隙間をあけて囲む筒材と、
を有するアリーナ。 - 前記筒材の内周面又は前記支持杭の外周面には、前記支持杭の座屈を防止する座屈防止手段が設けられている請求項1に記載のアリーナ。
- 前記支持杭は、場所打ち杭又は既成杭であり、
前記座屈防止手段は、前記筒材の内周面に、深さ方向に離散的に設けられたリブである請求項2に記載のアリーナ。
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