JP2016089455A - アリーナ - Google Patents

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Abstract

【課題】フィールド部の床版を客席部が囲むアリーナで発生する振動を低減させる。
【解決手段】フィールド部12と、フィールド部12を囲む客席部14と、を備えたアリーナ10において、アリーナ10は、フィールド部12の床版16を地盤表面18から浮かせた状態で支持する支持杭20と、上端部がフィールド部12の床版16と隙間をあけて設けられ、支持杭20を、隙間をあけて囲む筒材22と、を有している。
【選択図】図1

Description

本発明は、アリーナに関する。
コンサートホール等において、音楽に合わせて大人数の観客が床版を飛び跳ねると、観客が飛び跳ねることにより発生する大人数加振によって、床版の振動が地盤へ伝達される。地盤性状によっては、地盤へ伝達された振動が、コンサートホール等の構造物の外部へ拡散して周辺の建物を振動させるという問題がある。
大人数加振によって発生した振動を、構造物の外部へ拡散しないよう低減させる技術には、例えば特許文献1がある。
特許文献1は、振動発生源となる床版を、構造物及び下方の地盤と縁切し、支持地盤まで到達する杭で支持させている。更に、杭は、筒材で囲まれており、杭から周囲地盤へ伝播する振動が遮断されている。これにより、大人数加振等によって床版が振動発生源となったとしても、床版から、周囲の地盤へ拡散する振動を低減させることができる。
特開2007−107208号公報
しかし、特許文献1の技術は、振動発生源となる床版を囲む客席部を有さない場合の技術である。
本発明は、上記事実に鑑み、フィールド部の床版を客席部が囲むアリーナで発生する振動を低減させることを目的とする。
請求項1に記載の発明に係るアリーナは、フィールド部と、前記フィールド部を囲む客席部と、を備えたアリーナにおいて、前記フィールド部の床版を地盤表面から浮かせた状態で支持する支持杭と、上端部が前記フィールド部の床版と隙間をあけて設けられ、前記支持杭を、隙間をあけて囲む筒材と、を有することを特徴としている。
請求項1に記載の発明によれば、支持杭によりフィールド部の床版が地盤表面から浮かせた状態で支持されている。また、筒材により、フィールド部の床版を支持する支持杭と地盤との間に隙間が設けられている。
これにより、フィールド部で発生した振動は、支持杭を通じて支持層へ伝播され、地盤を経由してアリーナの外部へ伝達される振動を抑制することができる。また、フィールド以外で発生した大音響は客席部で遮断され、外部へ伝わりにくい。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のアリーナにおいて、前記筒材の内周面又は前記支持杭の外周面には、前記支持杭の座屈を防止する座屈防止手段が設けられていることを特徴としている。
請求項2に記載の発明によれば、座屈防止手段により支持杭の座屈が抑制される。これにより、支持杭を長くしても、鉛直荷重に対して座屈による耐力低減を考慮することなく支持杭の径を決定することができる。
また、座屈が抑制されるので、座屈防止手段がない場合よりも、支持杭の径を小径にすることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のアリーナにおいて、前記支持杭は、場所打ち杭又は既成杭であり、前記座屈防止手段は、前記筒材の内周面に、深さ方向に離散的に設けられたリブであることを特徴としている。
請求項3に記載の発明によれば、筒材の内周面に設けられたリブにより支持杭の座屈が抑制されるので、支持杭側にはリブを必要としない。このとき、リブは、深さ方向に離散的に設けられているので、効果的に筒材と支持杭との隙間を確保できる。また、支持杭として、場所打ち杭又は既成杭のいずれも使用することができる。
本発明は、上記構成としてあるので、フィールド部の床版を客席部が囲むアリーナで発生する振動を低減させることができる。
本発明の第1実施形態に係るアリーナの基本構成を示す鉛直断面図である。 (A)〜(C)はいずれも本発明の第1実施形態に係るアリーナのフィールド部の床版の下に設けられた二重管杭の構成を示す鉛直断面図である。 (A)は本発明の第2実施形態に係るアリーナのフィールド部の床版の下に設けられた二重管杭の構成を示す鉛直断面図であり、(B)はその部分拡大図である。 (A)は本発明の第3実施形態に係るアリーナのフィールド部の床版の下に設けられた二重管杭の構成を示す平面図であり、(B)はその鉛直部分断面図である。 (A)〜(C)はいずれも本発明の第3実施形態に係る二重管杭の構築方法を説明するための鉛直断面図である。 (A)は本発明の第4実施形態に係るアリーナのフィールド部の床版の下に設けられた二重管杭の構成を示す水平断面図であり、(B)はその鉛直部分断面図である。 (A)〜(C)はいずれも、本発明の第4実施形態に係る二重管杭の構築方法を説明するための水平断面図である。 (A)は本発明の第4実施形態に係る二重管杭の支持杭用型枠を示す斜視図であり、(B)はその鉛直断面を示す斜視図である。
(第1実施形態)
図1、図2(A)〜(C)を用いて、第1実施形態に係るアリーナ10について説明する。ここに、図1はアリーナ10の鉛直断面図であり、図2(A)〜(C)は、3種類の二重管杭21S、21M、21Lの断面図である。
図1に示すように、アリーナ10は、フィールド部12と、フィールド部12を囲む客席部14とを備えている。アリーナ10のフィールド部12には、スポーツ競技等が行われる平板状の床版16が横方向に設けられている。
フィールド部12の床版16の下には、複数の二重管杭21が設けられている。二重管杭21は、床版16を支持する支持杭20と、支持杭20を囲む外鋼管(筒材)22で構成されている。
支持杭20は、鉄筋コンクリート製とされ、下端部を床版16の直下の支持層62に根入れさせ、上端部で床版16を支持している。地盤表面18と床版16の間には、高さ方向に距離H1が設けられ、支持杭20は、床版16を浮かせた状態で支持している。距離H1は、床版16が上下方向へ振動しても、床版16が地盤表面に接触しない高さとされている。
支持杭20の周囲には、外鋼管22が埋め込まれている。外鋼管22は中空鋼管で形成され、支持杭20の周囲を、隙間d1をあけて取り囲んでいる。外鋼管22は、上端部が地盤表面18と同じ高さに位置し、下端部は、床版16の直下の砂礫層60まで達している。なお、本実施形態では、地盤の地層は便宜上、上から表層地盤64、一般的な中間地層63、砂礫層60、支持層62の順に積層されている構成とした。
支持杭20の外周面20Gと、外鋼管22の内周面20Nとの隙間d1は、支持杭20の振動時の振幅より大きい寸法とされており、支持杭20の振動は外鋼管22には伝達されない。これにより、表層地盤64への振動の伝達が抑制される。
一方、支持杭20が横荷重を受けて支持杭20が横へ移動したとき、支持杭20は外鋼管22の内周面と当接する。これにより、支持杭20のそれ以上の変形が抑制される。
本構成とすることにより、フィールド部12の床版16で発生した振動は、支持杭20を通じて支持層へ伝播される。即ち、床版16と表層地盤64が縁を切られ、支持杭20と地盤(表層地盤64、中間地層63)も縁が切られているので、床版16で発生した振動が表層地盤64を振動させて、アリーナ10の外部へ伝達されるのを抑制することができる。
また、フィールド部12以外で発生した大音響は、客席部14で遮断され、外部へ伝わりにくくなる。
なお、床版16とアリーナ10の客席部14の床版28も、縁切り部68で縁が切られているのが望ましい。これにより、フィールド部12の床版16で発生した振動の外部への伝播を、より抑制することができる。
アリーナ10のフィールド部12を囲む客席部14の床版28の下には、二重管杭25が設けられている。二重管杭25は、支持杭24と外鋼管26で構成されている。
支持杭24は、鉄筋コンクリート製とされ、下端部が床版28の直下にある支持層62に根入れされ、上端部で客席部14の床版28を含む客席部14と屋根架構部11を支持している。客席部14の床版28は、支持杭24で地盤表面18から高さH1だけ浮かせた状態で支持されている。高さH1は、客席部14の床版28が振動しても、地盤表面18と接触しない高さとされている。
外鋼管26は、支持杭24の周囲を囲み、支持杭24と隙間d2をあけて埋め込まれている。外鋼管26は、上端部が地盤表面18と同じ高さに位置し、下端部が表層地盤64の下方にある砂礫層60に達している。
支持杭24の外周面24Gと、外鋼管26の内周面26Nとの隙間d2は、支持杭24の振動時の振幅より大きい寸法とされており、支持杭24の振動は外鋼管26には伝達されない。これにより、表層地盤64への振動の伝達が抑制される。
一方、支持杭24が横荷重を受けたとき、支持杭24が横へ移動し、支持杭24が外鋼管26の内周面と当接する。これにより、支持杭24のそれ以上の変形が抑制される。
本構成とすることにより、支持杭24と地盤(表層地盤64、中間地層63)との接触が防止され、支持杭24の振動が地盤に伝達されるのが抑制されきる。
ここに、支持杭20、24は、いずれも場所打ち杭でも良いし、既成杭でも良い。また、フィールド部12の床版16は、床版28を含む客席部14と屋根架構部11よりも、重量が小さいので、フィールド部12の床版16を支持する支持杭20は、床版28を含む客席部14と屋根架構部11を支持する支持杭24よりも小径とされている。
ここで、二重管杭21の基本構成について説明する。
一般的に、二重管杭21の外鋼管22は、表層地盤64へ埋め込まれた長さが長い程、支持杭20と地盤(表層地盤64、中間地層63)との接触が抑制されるため、外鋼管22による振動低減効果が大きいことが知られている。しかし、振動低減効果は、アリーナ10から離れる程小さくなる。このため、最適長さは、経済性を加味し、アリーナ10の構造や周辺建物との配置関係・距離、並びに表層地盤64を構成する地質との関係等から決定されるのが望ましい。
外鋼管の長さが異なる3種類の二重管杭21S、21M、21Lを用いて、具体的に説明する。二重管杭25も同じであり説明は省略する。
図2(A)には、アリーナ10の構造や表層地盤64の構造等から、大きな振動低減効果を必要としない条件における二重管杭21Sの構成を示す。
二重管杭21Sは、外鋼管22Sで縁切りさせる地盤深さが浅くて良いので、外鋼管22Sの長さL1は、例えば、地盤表面18から表層地盤64の途中までの長さとすればよい。外鋼管22Sが短くできるので、経済的な負担が小さい。
図2(B)には、アリーナ10の構造や表層地盤64の構造等から、ある程度大きな振動低減効果を必要とする条件における二重管杭21Mの構成を示す。
二重管杭21Mは、外鋼管22Mで縁切りさせる地盤深さがある程度必要なので、外鋼管22Mの長さL2は、例えば、地盤表面18から表層地盤64の下端部まで達する長さとする必要がある。外鋼管22Mを長くした分、振動低減効果を期待できる。
図2(C)には、アリーナ10の構造や表層地盤64の構造等から、大きな振動低減効果を要求される条件における二重管杭21Lの構成を示す。
二重管杭21Lは、外鋼管22Lで縁切りさせる地盤深さが十分必要なので、外鋼管22Lの長さL3は、例えば、地盤表面18から砂礫層60に達する長さとされている。外鋼管22Lを十分に長くした分、大きな振動低減効果を期待できる。
以上説明したように、本構成によれば、支持杭20により、フィールド部12の床版16が地盤表面18から浮かせた状態で支持され、支持杭24により、客席部14の床版28が地盤表面18から距離H1で浮かせた状態で支持される。
また、外鋼管22により、支持杭20との間に隙間d1が設けられ、外鋼管26により、支持杭24との間に隙間d2が設けられている。これにより、床版28を含む客席部14で発生する振動、及び客席部14の床版16で発生する振動の表層地盤64への拡散を、二重管杭21、25で低減させることができる。
なお、本実施形態では、フィールド部12の床版16の下に二重管杭21を設け、客席部14の床版28の下に二重管杭25を設ける構成について記載した。しかし、これに限定されることはなく、アリーナ10の構造や表層地盤64の構造等から、例えば、客席部14の床版28は単なる支持杭としてもよい。
(第2実施形態)
図3を用いて、第2実施形態に係る二重管杭38について説明する。
二重管杭38は、フィールド部12の床版16を支持する支持杭20が節杭32とされている点において、第1実施形態で説明した二重管杭21と相違する。相違点を中心に説明する。
ここに、図3(A)は本発明の第2実施形態に係る二重管杭38の構成を示す鉛直断面図であり、(B)は(A)の部分拡大図である。
節杭32は、杭体部の外径寸法がD1とされ、杭体部の外周面32Gには、節部(突出し部)36が環状に突出されている。節部36は外形寸法がD2で形成され、所定の距離H2をあけて、深さ方向(長さ方向)に離散的に設けられている。ここに、離散的とは、複数の節部を、深さ方向へ互いに離れ離れに配置することをいう。
節部36の外周端と外鋼管34の内周面34Nとは、所定の隙間d3が設けられている。隙間d3は、節杭32の振動時の振幅より大きい寸法とされており、節杭32の振動は外鋼管34には伝達されない。これにより、地盤(表層地盤64、中間地層63)への振動の伝達が抑制される。
一方、節杭32が横荷重を受けたとき、節杭32が横へ移動し、節部36が外鋼管34の内周面と当接する。これにより、節杭32のそれ以上の変形が抑制される。
節杭32は、杭長が長い場合に特に効果を発揮する。即ち、節杭32が変形したとき節部36が外鋼管34の内周面と当接し、それ以上の変形が抑制される。これにより、節部36により座屈が抑制されるので、杭径を必要以上に大きくしなくても、座屈を防ぐことができる。
経済的な見地からは、節部36の数は、座屈強度の確保を前提に最小にするのが望ましく、節部36の間の距離H2を最大にするのが望ましい。また、必要に応じて、節部36と鋼管内面の間に摩擦低減剤(滑り剤)を塗布するのが望ましい。これにより、節杭32と外鋼管34の間で、上下振動が伝達されるのを抑制できる。
二重管杭38の構築方法は、例えば、工場内で、節杭32を鉄筋コンクリートで予め製作しておき、所定長さの節杭32を現場に搬送した後、現場に設けられた掘削穴66に、節杭32を外鋼管34に挿入しながら継ぎ足し、所定深さまで埋め込めばよい。
これにより、工場製作による高品質、現場での省力化等のメリットが生じる。また、二重管杭38とすることにより、上下振動の伝達が遮断される一方、地震時の水平力は、節部36で、外鋼管34を介して表層地盤64へ伝達される。
上述した二重管杭38を、第1実施形態で説明した二重管杭21に替えて用いることにより、アリーナ10のフィールド部12の杭長が長い場合であっても、節部36により座屈が抑制されるので、杭径を必要以上に大きくしなくても、座屈を防ぐことができる。
なお、本実施形態では、フィールド部12の床版16を支持する支持杭20を節杭32とした場合について説明した。しかし、これに限定されることはなく、床版28を含む客席部14と屋根架構部11を支持する支持杭24を節杭32としても良いし、両者を節杭32としても良い。
他は、第1実施形態と同じ構成であり説明は省略する。
(第3実施形態)
図4(A)、(B)、図5(A)〜(C)を用いて、第3実施形態に係る二重管杭48について説明する。
二重管杭48は、フィールド部12の床版16の下に埋め込まれた外鋼管44の内周面44Nに、横リブ(座屈止め)46を設けた点において、第1実施形態に係る二重管杭21と相違する。相違点を中心に説明する。
ここに、図4(A)は二重管杭48の水平断面図、(B)は鉛直部分断面図、図5(A)〜(C)はいずれも二重管杭48の構築方法を説明するための鉛直断面図である。
図4(A)、(B)に示すように、横リブ46は、外鋼管44の内周面44Nに沿って外周縁が切り取られ、支持杭42の外周面42Gに沿って内周縁が切り取られた、扇状の鋼板である。
横リブ46の外周縁は外鋼管44の内周面44Nに固定され、内周縁は支持杭42の外周面42Gと所定の隙間d4をあけて対向されている。横リブ46は、水平方向に4枚配置され、隣接する横リブ46の間には所定の距離S1が設けられている。なお、横リブ46の枚数や隣との距離S1は、単なる目安であり任意に設定できる。
また、横リブ46は、深さ方向には、予め定めた距離H3を設けて、離散的に取付けられている。
ここに、横リブ46と支持杭42との隙間d4は、支持杭42の振動時の振幅より大きい寸法とされており、支持杭42の振動は外鋼管44には伝達されない。これにより、支持杭42から表層地盤64への振動の伝達が抑制される。
一方、支持杭42が横荷重を受けたとき、支持杭42が横へ移動し、横リブ46が支持杭42と当接する。これにより、支持杭42のそれ以上の変形が抑制される。
また、支持杭42が鉛直荷重で変形したとき、横リブ46が支持杭42外周面と当接し、それ以上の変形が抑制される。これにより、横リブ46により座屈が抑制されるので、杭径を必要以上に大きくしなくても、座屈を防ぐことができる。
次に、図5(A)〜(C)を用いて、二重管杭48の構築方法を説明する。
先ず、図5(A)に示すように、地盤(表層地盤64、中間地層63、砂礫層60、及び支持層62)を掘削し、掘削穴66を設ける。掘削穴66は、外鋼管44の径で地盤表面18から、砂礫層60に達する深さまで掘削すると共に、更に、支持杭42の径で、砂礫層60から支持層62に達する深さまで掘削する。
次に、図5(B)に示すように、掘削穴66に、内周面に横リブ46が取り付けられた外鋼管44を、砂礫層60に達する深さまで埋め込む。次に、外鋼管44の内部に、外周壁鋼管72を挿入し、外周壁鋼管72の内部に支持杭42用の鉄筋70を配筋する。
外周壁鋼管72は、砂礫層60に達する深さまで挿入し、鉄筋70は、支持層62に達する深さまで配筋する。なお、外周壁鋼管72は、コンクリート打設時の型枠としての機能を発揮させるものであり、コンクリート打設時の圧力に耐える強度があれば良く、薄肉鋼管が採用される。
次に、図5(C)に示すように、外周壁鋼管72の内部にコンクリートを打設する。これにより、支持杭42が、横リブ46と所定の距離d4をあけて、外鋼管44の内部に、支持層62に達する深さで作製される。
上述した二重管杭48を、第1実施形態で説明した二重管杭21に替えて用いることができる。これにより、二重管杭48により支持杭42の座屈が抑制されるので、アリーナ10のフィールド部12の杭長が長い場合であっても、支持杭42の座屈を抑制することができる。
なお、本実施形態の二重管杭48は、フィールド部12の床版16の下のみでなく、床版28を含む客席部14の下に設けても良い。
また、支持杭42は、現場打ちコンクリート杭の場合について説明した。しかしこれに限定されることはなく、既成杭を使用してもよい。
他は、第1実施形態と同じ構成であり説明は省略する。
(第4実施形態)
図6(A)、(B)、図7(A)〜(D)、図8(A)、(B)を用いて、第4実施形態に係る二重管杭58について説明する。
図6(A)、(B)に示すように、二重管杭58は、外鋼管54に、縦リブ(座屈止め)56を複数設けた点において、第3実施形態に係る二重管杭48と相違する。相違点を中心に説明する。
縦リブ56は、深さ方向に所定の距離H4をあけて、外鋼管54の内周面54Nに、離散的に複数取り付けられている。縦リブ56は、正面視が台形状の鋼板であり、台形の底辺となる一方の端面が、外鋼管54の内周面54Nに取り付けられ、台形状の頂辺となる他方の端面が、支持杭52の外周面52Gと所定の隙間d5をあけて、対向配置されている。
ここに、支持杭52と縦リブ56との隙間d5は、支持杭52の振動時の振幅より大きい寸法とされており、支持杭52の振動は外鋼管54には伝達されない。これにより、外鋼管54から地盤(表層地盤64、中間地層63)への振動の伝達が抑制される。
一方、支持杭52が横荷重を受けたとき、支持杭52が横へ移動し、縦リブ56が支持杭52と当接する。これにより、支持杭52のそれ以上の変形が抑制される。
また、鉛直荷重を受けて支持杭52が変形したとき縦リブ56が支持杭52の外周面と当接し、それ以上の変形が抑制される。これにより、縦リブ56により、支持杭52の座屈が抑制されるので、杭長が長くても、支持杭52の座屈を防ぐことができる。
ここで、二重管杭58の構築方法を説明する。
先ず、第3実施形態で説明したように、二重管杭58の構築位置の地盤(表層地盤64、中間地層63、砂礫層60、及び支持層62)を、所定の径で、先端が支持層62に達する深さまで掘削し、掘削穴66を設ける。
次に、図7(A)に示すように、掘削穴66に、内周面に縦リブ56が設けられた外鋼管54を埋め込む。縦リブ56は、縦方向(外鋼管54の中心線方向)へ取付ける。
次に、図7(B)に示すように、発泡スチロール(発砲材)製の型枠材74を、外鋼管54の内周面に貼り付ける。
型枠材74は、発泡スチロールで中空円筒体に形成された後、中心線に沿った方向に複数のパーツに分割された構成である(図8(A)参照)。分割された各型枠材74は、縦リブ56の収納部を備え、縦リブ56の先端を厚さT1(厚さT1=隙間d1)で覆う板厚T2に形成されている。型枠材74は、隙間なく外鋼管54の内周面に貼り付けされている。型枠材74の貼り付け後は、外周壁が外鋼管54に内接し、内周壁が円柱状の空洞部となる中空円筒体となる。また、縦リブ56は、型枠材74の内部の収納部に収められる。
また、各型枠材74の内部には、電気ヒータ(面状ヒータ)76が埋め込まれている(図8(B)参照)。電気ヒータ76は、外鋼管54の近くの側壁、及び支持杭52と接することとなる、内周面の近くの側壁に埋め込まれている。これにより、支持杭52の構築後、電気ヒータ76に通電することで、型枠材74を溶解させ、体積を小さくして取り出すことができる。
次に、図7(C)に示すように、型枠材74の内部に、支持杭52用の鉄筋を組立て、掘削穴66の中へ挿入する。型枠材74は、コンクリート打設時の型枠の役目を果たす。
続いて、型枠材74で形成された空洞部へ、コンクリートが打設され、支持杭52が作製される。
次に、図7(D)に示すように、予め型枠材74に埋め込まれていた電熱線に通電し、型枠材74の表面を面状ヒータ76の熱で溶かす。その後、電気ヒータ76と型枠材74の未熔解部を掘削穴から取り出す。これにより、縦リブ56の内部に支持杭42が作製される。
なお、上述した二重管杭58を、第1実施形態で説明した二重管杭21に替えて用いることにより、アリーナ10のフィールド部12の杭長が長い場合であっても、縦リブ56により、支持杭52の座屈が抑制される。また、支持杭52の杭径を大きくしなくても、座屈を防ぐことができる。
他は、第1実施形態と同じ構成であり説明は省略する。
10 アリーナ
12 フィールド部
14 客席部
16 床版
18 地盤表面
20、24、32、42、52 支持杭
20G、24G、32G、42G、52G 支持杭の外周面
22、26、34、44、54 外鋼管(筒材)
22N、26N、34N、44N、54N 外鋼管(筒材)の内周面
36 突出し部(座屈防止手段)
46 横リブ(座屈防止手段)
56 縦リブ(座屈防止手段)

Claims (3)

  1. フィールド部と、前記フィールド部を囲む客席部と、を備えたアリーナにおいて、
    前記フィールド部の床版を地盤表面から浮かせた状態で支持する支持杭と、
    上端部が前記フィールド部の床版と隙間をあけて設けられ、前記支持杭を、隙間をあけて囲む筒材と、
    を有するアリーナ。
  2. 前記筒材の内周面又は前記支持杭の外周面には、前記支持杭の座屈を防止する座屈防止手段が設けられている請求項1に記載のアリーナ。
  3. 前記支持杭は、場所打ち杭又は既成杭であり、
    前記座屈防止手段は、前記筒材の内周面に、深さ方向に離散的に設けられたリブである請求項2に記載のアリーナ。
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