JP5204692B2 - プレボーリングh形鋼杭 - Google Patents

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Description

この発明は、プレボーリングH形鋼杭、特に、支持力を上昇させることができるプレボーリングH形鋼杭に関するものである。
仮設杭の一つとしてプレボーリングH形鋼杭が広く構築されている。このプレボーリングH形鋼杭の構築方法の概略を、図面を参照しながら説明する。
図7は、プレボーリングH形鋼杭の構築方法を示す図であり、(a)は、掘削状態を示す図、(b)は、掘削が完了した状態を示す図、(c)は、セメントミルクを注入する状態を示す図、(d)は、セメントミルクの注入が完了した状態を示す図、(e)は、H鋼を挿入する状態を示す図、(f)は、施工が完了した状態を示す図である。
プレボーリングH形鋼杭を構築するには、先ず、図7(a)に示すように、オーガー11によって地盤を支持層まで掘削する。この掘削は、掘削液(図示せず)を掘削孔12内に注入しながら行う。掘削孔12の径は、後述するH形鋼の外径より若干大きくする。次いで、同図(b)に示すように、掘削が完了したら、同図(c)に示すように、オーガー11を掘削孔12から引き上げる。これと同時にオーガー11の先端からセメントミルク13を掘削孔12内に注入する。なお、セメントミルク以外にモルタルを注入しても良い。次いで、同図(d)に示すように、セメントミルク13の注入が完了したら、同図(e)に示すように、セメントミルク13が注入された掘削孔12内にH形鋼14を挿入する。そして、セメントミルク13を硬化させれば、同図(f)に示すように、H形鋼14の周囲を硬化したセメントミルク15で固めたプレボーリングH形鋼杭の構築が完了する。
上述したプレボーリングH形鋼杭によれば、騒音や振動の発生が少なく、しかも、安価に仮設杭を構築することができる。
プレボーリングH形鋼杭の支持力は、H形鋼14とその周囲の硬化したセメントミルク15との摩擦抵抗の大きさに依存する。
しかしながら、従来のプレボーリングH形鋼杭は、単に、H形鋼14の周囲を硬化したセメントミルク15で固めたものなので、H形鋼14と硬化したセメントミルク15との摩擦抵抗は小さく、大きな支持力は期待できないといった問題があった。
従って、この発明の目的は、大きな支持力を得ることができるプレボーリングH形鋼杭を提供することにある。
この発明は、下記を特徴とするものである。
請求項1に記載の発明は、H形鋼の周囲をセメントミルクまたはモルタルで固めたものからなるプレボーリングH形鋼杭において、前記H形鋼に、前記セメントミルクまたは前記モルタルとの摩擦抵抗を上昇させる摩擦抵抗上昇手段を設け、前記摩擦抵抗上昇手段は、前記H形鋼のウェブに、前記ウェブの長手方向に沿って間隔をあけて形成した開口と、前記開口に、前記開口を貫通して固定した、前記開口より小径の鉄筋とからなり、前記開口は、前記セメントミルクまたは前記モルタルが入り込むことが可能な大きさを有することに特徴を有するものである。
請求項2に記載の発明は、H形鋼の周囲をセメントミルクまたはモルタルで固めたものからなるプレボーリングH形鋼杭において、前記H形鋼に、前記セメントミルクまたは前記モルタルとの摩擦抵抗を上昇させる摩擦抵抗上昇手段を設け、前記摩擦抵抗上昇手段は、前記H形鋼の、対向するフランジの端面間に亘り、かつ、前記H形鋼の長手方向に沿って連続して固定した、開口が形成された鋼板からなり、前記開口は、前記セメントミルクまたは前記モルタルが入り込むことが可能な大きさを有することに特徴を有するものである。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記開口に鉄筋が固定されていることに特徴を有するものである。
この発明によれば、プレボーリングH形鋼杭において、H形鋼に摩擦抵抗上昇手段を設けることによって、H形鋼とセメントミルクまたはモルタルとの摩擦抵抗を大幅に上昇させることができるといった効果がもたらされる。
参考例としてのプレボーリングH形鋼杭を示す部分斜視図である。 図2は、この発明のプレボーリングH形鋼杭を示す図であり、(a)は、部分斜視図、(b)は、(a)のA−A線断面図である。 参考例としてのプレボーリングH形鋼杭を示す部分斜視図である。 この発明のさらに別のプレボーリングH形鋼杭を示す部分斜視図である。 参考例としてのプレボーリングH形鋼杭を示す図であり、(a)は、部分斜視図、(b)は、(a)のA−A線断面図である。 別の参考例としてのプレボーリングH形鋼杭を示す図であり、(a)は、正面図、(b)は、部分斜視図である。 プレボーリングH形鋼杭の構築方法を示す図であり、(a)は、掘削状態を示す図、(b)は、掘削が完了した状態を示す図、(c)は、セメントミルクを注入する状態を示す図、(d)は、セメントミルクの注入が完了した状態を示す図、(e)は、H鋼を挿入する状態を示す図、(f)は、施工が完了した状態を示す図である。
この発明のプレボーリングH形鋼杭の構築方法の一実施態様を、図面を参照しながら説明する。
図1は、参考例としてのプレボーリングH形鋼杭を示す部分斜視図である。
図1に示すように、参考例としてのプレボーリングH形鋼杭は、H形鋼1の周囲をセメントミルクまたはモルタル(図示せず)で固めたものからなるプレボーリングH形鋼杭において、H形鋼1のウェブに、摩擦抵抗上昇手段としての開口1Aを間隔をあけて複数個、形成したものである。開口1Aは、この例では円形であるが円形に限定されない。H形鋼1のウェブに開口1Aを形成することによって、セメントミルクまたはモルタルが開口1A内に入り込む結果、H形鋼1とセメントミルクまたはモルタルとの摩擦抵抗を大幅に上昇させることができる。
図2は、この発明のプレボーリングH形鋼杭を示す図であり、(a)は、部分斜視図、(b)は、(a)のA−A線断面図である。
図2(a)、(b)に示す、この発明のプレボーリングH形鋼杭の摩擦抵抗上昇手段は、図1に示すH形鋼1の開口1Aに鉄筋2を溶接したものであり、開口1Aに鉄筋2を溶接することによって、さらに摩擦抵抗を上昇させることができる。
図3に示す、参考例としてのプレボーリングH形鋼杭の摩擦抵抗上昇手段は、H形鋼1のフランジ間にH形鋼1の長手方向に沿って間隔をあけて鋼板3を溶接したものであり、鋼板3間の開口にセメントミルクまたはモルタルが入り込む結果、さらに摩擦抵抗を上昇させることができる。
図4に示す、この発明のさらに別のプレボーリングH形鋼杭の摩擦抵抗上昇手段は、H形鋼1のフランジ間を、間隔をあけて開口4Aが形成された鋼板4により塞いだものであり、開口4Aにコンクリートが入り込む結果、さらに摩擦抵抗を上昇させることができる。この場合、図示しないが開口4Aに図2に示す摩擦抵抗上昇手段におけると同様に、鉄筋を溶接しても良い。
図5(a)、(b)に示す、参考例としてのプレボーリングH形鋼杭の摩擦抵抗上昇手段は、H形鋼1の底部に間隔をあけて固定した鋼板5からなるものであり、鋼板5が抵抗板となって、さらに摩擦抵抗を上昇させることができる。
図6(a)、(b)に示す、別の参考例としてのプレボーリングH形鋼杭の摩擦抵抗上昇手段は、H形鋼1のフランジ面に、H形鋼1の長手方向に沿って溶接により固定した鉄筋6からなるものであり、鉄筋6が抵抗となって、さらに摩擦抵抗を上昇させることができる。
なお、上述の摩擦抵抗上昇手段を互いに組み合わせても良い。
以上のように、この発明によれば、H形鋼の周囲をセメントミルクまたはモルタルで固めたものからなるプレボーリングH形鋼杭において、H形鋼に、セメントミルクまたはモルタルとの摩擦抵抗を上昇させる摩擦抵抗上昇手段を設けることによって、プレボーリングH形鋼杭を仮設杭として地盤に構築したときに大きな支持力を得ることができる。
1:H形鋼
1A:開口
2:鉄筋
3:鋼板
4:鋼板
4A:開口
5:鋼板
6:鉄筋
11:オーガー
12:掘削機
13:セメントミルク
14:H形鋼
15:セメントミルクまたはモルタル

Claims (3)

  1. H形鋼の周囲をセメントミルクまたはモルタルで固めたものからなるプレボーリングH形鋼杭において、
    前記H形鋼に、前記セメントミルクまたは前記モルタルとの摩擦抵抗を上昇させる摩擦抵抗上昇手段を設け、前記摩擦抵抗上昇手段は、前記H形鋼のウェブに、前記ウェブの長手方向に沿って間隔をあけて形成した開口と、前記開口に、前記開口を貫通して固定した、前記開口より小径の鉄筋とからなり、前記開口は、前記セメントミルクまたは前記モルタルが入り込むことが可能な大きさを有することを特徴とするプレボーリングH形鋼杭。
  2. H形鋼の周囲をセメントミルクまたはモルタルで固めたものからなるプレボーリングH形鋼杭において、
    前記H形鋼に、前記セメントミルクまたは前記モルタルとの摩擦抵抗を上昇させる摩擦抵抗上昇手段を設け、前記摩擦抵抗上昇手段は、前記H形鋼の、対向するフランジの端面間に亘り、かつ、前記H形鋼の長手方向に沿って連続して固定した、開口が形成された鋼板からなり、前記開口は、前記セメントミルクまたは前記モルタルが入り込むことが可能な大きさを有することを特徴とするプレボーリングH形鋼杭。
  3. 前記開口に鉄筋が固定されていることを特徴とする、請求項2に記載のプレボーリングH形鋼杭。
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