JP5971107B2 - 止水壁造成用の打設鋼材及び当該打設鋼材を用いた止水壁造成方法 - Google Patents
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また、上述した特許文献2に記載の発明は、二重管構造の注入管を用いているため、粒径の大きい砂状材料を含むグラウト材料を用いることができない(粒径の大きい砂状材料を含むグラウト材料を用いた場合には目詰まりが生じる)。
具体的には、打設鋼材の一端部に形成された流出防止部により、前記注入した止水材が打設鋼材の一端側から流出することが防止される。また、打設鋼材の他端部側は、隣接して連結された打設鋼材の流出防止部が配置されるようになるため、注入した止水材が打設鋼材の他端側に隣接する打設鋼材側に流出することが防止される。また、打設鋼材の下端部の先端補強部を設けることにより、周辺地盤との接触面積を大きくすることができ、その結果、先端補強部の下端部より上方への止水材の流出が防止される。したがって、本発明によれば、止水材の注入管理を正確に行うことが出来るようになり、造成する止水壁の品質が確保される。
図1、2に示すように、本実施形態の打設鋼材1は、ハット型鋼矢板10と、ハット型鋼矢板10の幅方向の一端側(図1では図面に向かって左端部)にハット型鋼矢板10の厚み方向に突出し且つハット型鋼矢板10の長さ方向全長に亘って延設固定される板状の流出防止部11と、ハット型鋼矢板10の下端側においてハット型鋼矢板10の幅方向略全長に亘って前記厚み方向に突出し且つハット型鋼矢板10の断面形状に沿って屈曲して形成された先端補強部13と、ハット型鋼矢板10の長さ方向に延設固定された注入管(止水材注入管)12とを備えている。
次に、打設鋼材1c、1dを、打設鋼材1bと同様の手順で、地中3に打設する。これにより、複数枚(図中では4枚)の打設鋼材1a、1b、1c、1dが、横方向に連結された状態で地中3に打設され、図5(a)に示すように、地中3に配置される。そして、地中3に打設された打設鋼材1a、1b、1c、1dは、各々の先端補強部13の上方に空隙が形成されるようになる。
尚、以下では、説明の便宜上、打設鋼材1aを「1番目の打設鋼材1a」、打設鋼材1bを「2番目の打設鋼材1b」、打設鋼材1cを「3番目の打設鋼材1c」、打設鋼材1dを「4番目の打設鋼材1d」と呼ぶ。
そして、バイブロ工法により打設鋼材1aを徐々に引き抜きながら、打設鋼材1aを引き抜くことにより生じる空隙部Sに、止水材充填機50により注入管12を介して、止水材20を注入し充填していく(図3(c)参照)。
尚、注入する止水材20には、湿潤密度が大きく、固形分が多い、砂質材料を主体にしたグラウトを用いることが望ましく、本実施形態では、ベントナイトが含まれるグラウトが用いられる。これにより、止水材20が、充填後周辺地盤の土圧により厚さが薄くなったり地上部に逆流したりすることが防止される。また、注入される止水材20は、ベントナイトのチキソトロピーにより粘度が増し流動性が低下し固体状になる。
また、上述した実施形態において、ハット型以外の形状の鋼矢板を用いるようにしてもよい。
10・・・ハット型鋼矢板
10a・・・ウェブ部
10b・・・フランジ部
10c・・・アーム部
10d1、10d2・・・継手部10
11・・・流出防止部、
12・・・注入管
13・・・先端補強部
13a・・・上面部
13b・・・正面部
13c・・・底面部
13d・・・側面部
20・・・止水材
50・・・止水材充填機
Claims (6)
- 鋼矢板と、
前記鋼矢板の幅方向の一端側に該鋼矢板の厚み方向に突出し且つ該鋼矢板の長さ方向に延設固定される板状の流出防止部と、
前記鋼矢板の下端側において該鋼矢板の幅方向略全長に亘って前記厚み方向に突出して形成された先端補強部と、
前記鋼矢板の長さ方向に延設固定され、その下端側が前記先端補強部を貫通している止水材注入管とを備え、
前記先端補強部は、その一端部が前記流出防止部に当接すると共に、該流出防止部から該鋼矢板の他端側に形成された継手部まで該鋼矢板の断面形状に沿って屈曲して形成され、
前記流出防止部は、前記鋼矢板の上端から、少なくとも前記先端補強部の上端部まで、該鋼矢板の長さ方向に沿って延設固定されていることを特徴とする止水壁造成用の打設鋼材。 - 前記鋼矢板は、ハット型鋼矢板であることを特徴とする請求項1記載の止水壁造成用の打設鋼材。
- 前記先端補強部は、その下端部が前記鋼矢板の下端よりも上方に配置されていることを特徴とする請求項1又は2記載の止水壁造成用の打設鋼材。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の打設鋼材を用いた止水壁造成方法であって、
複数の前記打設鋼材を横方向に連結させて地中に打設する工程と、
前記地中に打設されている打設鋼材のうち一端部に配置された前記打設鋼材を引き抜きながら、前記注入管を介して止水材を注入し、前記打設鋼材を引き抜くことにより生じた空隙部に止水材を充填する工程とを有することを特徴とする止水壁造成方法。 - 前記打設鋼材は、前記先端補強部の下端部が、造成予定の止水壁の下端部に配置されるように打設されていることを特徴とする請求項4記載の止水壁造成方法。
- 前記止水材を充填する工程では、前記止水材の注入量と、前記打設鋼材を引き抜く際にできる前記空隙部の容積が同じになるように、前記打設鋼材の引き抜き速度と、前記止水材の注入量とが設定されていることを特徴とする請求項4又は5記載の止水壁造成方法。
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