JP7135623B2 - 鋼矢板及び地中壁の構築方法 - Google Patents

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地中壁の構築に用いる鋼矢板及び鋼矢板を用いた地中壁の構築方法に関する。
従来より、地中に止水壁等の地中壁を構築する方法として、地中に打設した鋼矢板を引き抜きながら、鋼矢板の引抜き跡に形成される空隙に充填材を充填し、地中壁を構築する方法が知られている。
例えば、特許文献1では、鋼矢板と、鋼矢板の先端部に設置された先端補強部とを備えた止水壁造成用の打設鋼矢板を用いて、地中に止水材よりなる止水壁を造成している。また、止水壁の厚さは、鋼矢板の先端部に設置した先端補強部に所定量の厚みを持たせることにより確保している。
特開2014-118765号公報
一般に、鋼矢板を地中に打設もしくは引き抜く手段として、杭圧入機を採用する場合が多い。杭圧入機には、開閉自在な開口を備えたチャック機構が設けられており、鋼矢板を先端部からチャック機構の開口に挿入し、鋼矢板が貫通した状態の開口を閉じることで、鋼矢板はチャック機構に把持される。
しかし、チャック機構の開口は、市場で取引されている鋼矢板を挿入可能の程度の開口幅に規定されていることから、特許文献1のような、先端補強部を設置した鋼矢板をチャック機構の開口に挿入しようとすると、先端補強部の板厚によっては挿入できない。
このような場合には、先端補強部を設置する前の鋼矢板を杭圧入機のチャック機構に把持させた後、チャック機構を貫通した状態の鋼矢板の先端部に先端補強部をボルト接合等により設置する作業を行ったうえで、地中に貫入する。また、鋼矢板を地中から撤去する際には、杭圧入機を用いて地中から所定高さまで引き抜いた後、チャック機構の開口から鋼矢板を抜き取る前に、先端補強部を鋼矢板から取り外す作業を行う。
上記の付け外し作業は、鋼矢板の打設及び撤去するたびに実施しなければならず、構築しようとする止水壁が広範囲にわたる場合には、用いる鋼矢板の数量も増加することから、多大な作業手間となっていた。
本発明は、かかる課題に鑑みなされたものであって、その主な目的は、簡略な構成で作業効率よく所望の壁厚を有する地中壁を構築することの可能な鋼矢板、及び鋼矢板を用いた地中壁の構築方法を提供することである。
かかる目的を達成するため本発明の鋼矢板は、杭圧入機に備えたチャック機構のチャック開口を貫通した状態で、前記チャック機構に把持される鋼矢板であって、矢板本体の先端部近傍における板面に、軸線方向からみた見掛け厚さを調整する調整板が設置され、該調整板が、背側に設置される背側調整板及び腹側に設置される腹側調整板よりなり、前記背側調整板と前記腹側調整板の高さ方向の配置間隔が、前記チャック開口を構成する部位の高さ方向の寸法より大きく設定され、前記背側調整板と前記矢板本体の板厚の合計値、および前記腹側調整板と前記矢板本体の板厚を合計値がともに、前記チャック開口の開口幅より小さく設定されることを特徴とする。
上記の鋼矢板によれば、調整板を構成する背側調整板と腹側調整板の高さ方向の配置間隔が、チャック開口の高さより大きく設定されることから、鋼矢板を先端部からチャック開口に挿入した後、調整板が設置されている高さ範囲では、板厚方向腹側もしくは背側に水平移動させつつ吊り降ろすことで、鋼矢板をチャック開口に貫通させることができる。これにより、鋼矢板の軸線方向からみた見掛け厚さをチャック開口の開口幅より大きく調整した場合にも、調整部材の付け外し作業を行うことなく、鋼矢板を杭圧入機のチャック機構に把持させて地中に打設することができ、鋼矢板の打設及び引抜きに係る作業を効率よく実施することが可能となる、
本発明の鋼矢板は、前記背側調整板と前記腹側調整板のいずれか一方に、充填材を供給するための高さ方向に延在する配管を前記板面に設置可能な幅の欠損部が形成されることを特徴とする。
上記の鋼矢板によれば、背側調整板と前記腹側調整板のいずれか一方に欠損部を設けることから、この欠損部に配管を配置することにより、調整板を設置した鋼矢板に配管を設置しても、チャック開口に、鋼矢板を貫通させることが可能となる。
本発明の地中壁の構築方法は、本発明の鋼矢板を前記杭圧入機の前記チャック開口に貫通させた後、前記チャック機構で前記鋼矢板を把持させて地中に打設する工程を繰り返し、地中に複数の前記鋼矢板よりなる矢板壁を構築した後、該鋼矢板を地中から引抜くとともに前記充填材を充填し、前記鋼矢板の引抜き跡に地中壁を構築する、地中壁の構築方法において、前記鋼矢板を下降させつつ先端部から前記チャック開口に挿入し、前記調整板が設置されている高さ範囲では、前記鋼矢板を板厚方向に水平移動させつつ下降させ、該鋼矢板を前記チャック開口に貫通させることを特徴とする。
上記の地中壁の構築方法によれば、鋼矢板の見掛け厚さが、構築しようとする地中壁の壁厚に見合う厚さとなるよう、調整板を用いて調整する簡略な構成で、所望の壁厚を有する地中壁を杭圧入機を用いて構築することができ、地中壁の構築に係る作業効率を大幅に向上することが可能となる。
本発明によれば、背側調整板と腹側調整板よりなる調整板を、鋼矢板の板面の背側及び腹側に高さ方向に間隔を設けて設置するのみの簡略な構成で、かつ作業効率よく所望の壁厚を有する地中壁を構築することが可能となる。
本実施の形態における杭圧入機に備えられたチャック機構の概略を示す図である。 本実施の形態における鋼矢板を示す図である 本実施の形態における鋼矢板を軸線方向からみた見掛け厚さを示す図である。 本実施の形態における構築しようとする地中壁の平面図である。 本実施の形態におけるチャック機構のチャック開口に鋼矢板を貫通させる方法を示す図である。 本実施の形態における鋼矢板を板面直交方向に移動させた様子を示す図である。 本実施の形態における鋼矢板の他の実施の形態(その1)を示す図である。 本実施の形態における鋼矢板の他の実施の形態(その2)を示す図である。
本発明は、鋼矢板に軸線方向の見掛け厚さを調整する調整板を設け、鋼矢板の見掛け厚さを構築しようとする地中壁の壁厚に見合う厚さに調整することで、所望の壁厚を有する地中壁を構築するものであり、以下に図1~図8を参照しつつ詳細を説明する。
鋼矢板1は、図1で示すような、杭圧入機20に備えたチャック機構21に把持された状態で地中に打設され、また地中から引き抜かれるものであり、チャック機構21は、開閉自在なチャック開口211を有している。チャック開口211は、市場で取引されている矢板を貫通可能な開口幅Tmを有し、開いた状態のチャック開口211に鋼矢板1を下降させつつ先端部から挿入して貫通させたのち、鋼矢板1の所定の高さ位置でチャック開口211を閉じることにより、鋼矢板1はチャック機構21に把持される。
このチャック機構21に把持される鋼矢板1は、図2で示すように、U型鋼矢板よりなる矢板本体2と、矢板本体2の先端部近傍における板面に設置される調整板3とを備え、調整板3は、背側調整板4と腹側調整板5を有する。
本実施の形態では、矢板本体2としてU型鋼矢板を事例に挙げていることから、杭圧入機20のチャック機構21において、開閉するチャック開口211とは、鋼矢板1のウェブが貫通する部分であり、この部分の幅を開口幅Tmとしている。
背側調整板4は、例えば鋼板よりなり、矢板本体2のウェブに設置されるウェブ用調整板41と、フランジに設置される一対のフランジ用調整板42より構成され、矢板本体2の継手部を除く背側の幅方向全長を覆うように設置されている。
腹側調整板5は、背側調整板4と同様の鋼板よりなり、矢板本体2のウェブに設置されるウェブ用調整板51と、フランジに設置される一対のフランジ用調整板52より構成され、矢板本体2の継手部を除く腹側の幅方向全長を覆うように設置されている。
また、腹側調整板5のウェブ用調整板51には、欠損部6が設けられている。欠損部6は、充填管Pを矢板本体2の板面に直接設置できる程度の幅を有するよう形成され、欠損部6によりウェブ用調整板51は、矢板本体2の軸線方向に2等分された状態となっている。これにより、鋼矢板1は、矢板本体2の腹側に、地中に充填材の供給するための充填管Pを備えた構成とすることができる。
なお、背側調整板4および腹側調整板5はともに、矢板本体2の板面に対して溶接により固定されているが、その固定方法はいずれでもよく、例えばボルトにより固定する構成としてもよい。
上述する構成の調整板3は、背側調整板4と腹側調整板5を矢板本体2に対して高さ方向に間隔L1を設けて配置されている。両者の間隔L1は、図5で示すように、少なくとも杭圧入機20に備えるチャック機構21のチャック開口211の高さL2より大きく設定されている。このため、鋼矢板1の側面視では、背側調整板4と腹側調整板5が高さ方向に間隔L1を有している。
しかし、図3で示すように鋼矢板1を軸線方向から見ると、背側調整板4と腹側調整板5が矢板本体2を挟んで平行に配置された状態となり、その見掛け厚さt1は、矢板本体2、背側調整板4、腹側調整板5の板厚t2、t4、t5の合計値となる。そして、鋼矢板1を地中に建て込んだのちに引き抜いた際、背側調整板4と腹側調整板5が地山に当接することにより引抜き跡に形成される空隙の大きさも、鋼矢板1の見掛け厚さt1と等しくなる
したがって、鋼矢板1の引抜き跡に、図4の平面図で示すような壁厚Tの地中壁Wを構築したい場合、見掛け厚さt1が壁厚Tと等しくなるように、背側調整板4と腹側調整板5の板厚t4、t5を調整すればよい。
このように、鋼矢板1に、矢板本体2を軸線方向から見た際の見掛け厚さt1を調整する調整板3を備えることにより、矢板本体2として、市場で取引されている一般的な板厚t2を有する矢板を用いた場合にも、所望の壁厚Tを有する地中壁Wを構築することが可能となる。
また、調整板3を背側調整板4と腹側調整板5とにより構成し、それぞれ矢板本体2の背側及び腹側に、高さ方向にチャック開口211の高さL2より大きい間隔L1を設けて配置することにより、杭圧入機20にて効率よく構築したい壁厚Tを有する地中壁Wを構築することが可能となる。
以下に、鋼矢板1を利用した地中壁Wの構築方法を説明する。なお、杭圧入機20を用いて鋼矢板1を地中に打設する場合、矢板本体2と背側調整板4の板厚t2、t4の合計値、および矢板本体2と腹側調整板5の板厚t2、t5を合計値の両者を、杭圧入機20に備えたチャック開口211の開口幅Tmより小さく設定しておく。
まず、鋼矢板1の打設位置に杭圧入機20を据え付けた後、杭圧入機20のチャック開口211に鋼矢板1を挿入し、チャック機構21で鋼矢板1を把持させる。
チャック開口211に鋼矢板1を挿入する際には、図5(a)で示すように、チャック開口211の上方から鋼矢板1を吊材(図示せず)にて吊り降ろしつつ先端部から挿入し、調整板3が設置されている高さ範囲では、鋼矢板1を板厚方向腹側もしくは背側に水平移動させつつ下降させ、鋼矢板1をチャック開口211に貫通させる。
具体的には、鋼矢板1の腹側調整板5が設置されている高さ範囲をチャック開口211に挿入する際、図5(b)および図6(a)で示すように、鋼矢板1の背側をチャック開口211の内周壁に寄せて、腹側に腹側調整板5を通過させるための空間を確保しつつ、鋼矢板1を下降させる。
図5(c)で示すように、腹側調整板5が設置されている高さ範囲を通過し終えた後、背側調整板4が設置されている高さ範囲をチャック開口211に挿入する際、図5(d)および図6(b)で示すように、鋼矢板1の腹側をチャック開口211の内周壁に寄せて、背側に背側調整板4を通過させるための空間を確保しつつ、鋼矢板1を下降させる。
このように、鋼矢板1の調整板3が設置されている高さ範囲において背側調整板4と腹側調整板5とを、チャック開口211の高さL2より大きい間隔L1を設けて配置しているため、チャック開口211を腹側調整板5が貫通した後、背側調整板4を貫通させる際に、鋼矢板1を板厚方向に適宜水平移動させることができ、見掛け厚さt1がチャック開口211の開口幅Tmより大きい鋼矢板1を、容易に貫通させることが可能となる。
また、腹側調整板5の欠損部6に充填管Pを配置していることから、鋼矢板1における充填管Pを設置した位置の厚さは、腹側調整板5により嵩増しされることがないため、鋼矢板1に充填管Pをあらかじめ設置している場合にも、チャック開口211を貫通させることが可能となる。
このような作業により、鋼矢板1を所定高さまで貫通させた後、チャック開口211を閉じて鋼矢板1を把持させ、地中に所定の深度まで打設する。この工程を繰り返し、地中に複数の鋼矢板よりなる矢板壁を構築する。
この後、鋼矢板1を引き抜きつつ、鋼矢板1を地中から引抜く際に形成される引抜き跡に充填材を充填し、図3で示すような所望の壁厚Tを有する地中壁Wを構築する。なお、鋼矢板1を撤去する際も、杭圧入機20を用いて鋼矢板1を地中から引き抜いた後、鋼矢板1を吊材(図示せず)にて吊時しながらチャック開口211を開放し、上記の手順にしたがって、調整板3が設置されている高さ範囲では、鋼矢板1を板厚方向腹側もしくは背側に水平移動させつつ上昇させ、鋼矢板1をチャック機構21から撤去すればよい。
これにより、例えば構築しようとする地中壁Wが、地中に透水係数1×10-9m/s以下の充填材を用いた50mm以上の壁厚を有する遮水壁であっても、上記の手順により効率よく施工することが可能となる。
なお、本実施の形態では、背側調整板4をウェブ用調整板41と一対のフランジ用調整板42とにより構成したが、矢板本体2にU型鋼矢板を採用する場合には、例えば、図7(a)(b)で示すように、背側調整板4をウェブ用調整板41のみで構成してもよい。
つまり、前述したように、U型鋼矢板を把持するチャック機構21において開閉するチャック開口211とは、図1で示すように、鋼矢板1のウェブが貫通する部分であり、この幅が開口幅Tmである。したがって、鋼矢板1を軸線方向から見たときの見掛け厚さを調整する際、調整板3を背側調整板4と腹側調整板5とに分けて、これらを高さ方向に位置をずらして配置する必要が生じるのは、鋼矢板1のウェブ部のみとなる。
よって、図7(a)(b)で示すように、背側調整板4をウェブ用調整板41のみとする一方で、腹側調整板5をウェブ用調整板51と一対のフランジ用調整板52とによりなる構成とする。そして、腹側調整板5の一対のフランジ用調整板52各々を、ウェブ用調整板51の部材厚t5と背側調整板4のウェブ用調整板41の部材厚t4を足し合わせた部材厚とすれば、所望の部材厚を有する地中壁Wを構築することが可能となる。
本発明の鋼矢板1及び地中壁の構築方法は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、本実施の形態では、腹側調整板5を矢板本体2の先端部より上方に設置し、鋼矢板1の先端部に地中への打設を容易にする貫入部7を設けたが、貫入部7を設けることなく腹側調整板5を矢板本体2の先端部に設置してもよい。また、本実施の形態では、背側調整板4を腹側調整板5より上方に配置したが、腹側調整板5を上方側に配置してもよい。
さらに、本実施の形態では、腹側調整板5に欠損部6を設けて充填管Pを設置したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、背側調整板4に欠損部6を設けて、矢板本体2の背側に充填材Pを設置する構成としてもよい。
また、矢板本体2と背側調整板4の板厚t2、t4の合計値、および矢板本体2と腹側調整板5の板厚t2、t5の合計値の両者が、チャック開口211の開口幅Tmより小さく設定されていれば、背側調整板4の板厚t4と腹側調整板5の板厚t4は、同じ厚さに設定してもよいし、異なる厚さとしてもよい。
加えて、本実施の形態では、鋼矢板1の矢板本体2にU型鋼矢板を採用したが、必ずしもこれに限定するものではなく、例えば、図8(a)で示すように、ハット型鋼矢板を採用してもよい。この場合には、背側調整板4および腹側調整板5を、アーム部を含んで矢板本体2の継手部を除く腹側および背側の幅方向全長を覆うように設置する。
また、背側調整板4および腹側調整板5はそれぞれ、例えば、図8(b)で示すように、1枚の帯状鋼板を折り曲げ加工し、矢板本体2の継手部を除く背側及び腹側の幅方向全長を覆うように製作してもよい。
なお、ハット型鋼矢板を把持するチャック機構(図示せず)は、U型鋼矢板を把持するチャック機構21とは異なり、ハット型鋼矢板のアーム部を把持する。したがって、ハット型鋼矢板を把持するチャック機構において開閉するチャック開口とは、図8(a)で示すように、矢板本体2のアーム部が貫通する部分であり、この部分の幅が開口幅Tmとなる。
つまり、矢板本体2にハット型鋼矢板を採用する場合、鋼矢板1を軸線方向から見たときの見掛け厚さを調整するべく、調整板3を背側調整板4と腹側調整板5とに分けて、これらを高さ方向に位置をずらして配置する必要が生じるのは、アーム部である。よって、背側調整板4は、背側の幅方向全長とせず、アーム部のみとしてもよい。この場合には、腹側調整板5をアーム部を含んで矢板本体2の継手部を除く腹側の幅方向全長としたうえで、ウェブ部及びフランジ部の部材厚を、背側調整板4と腹側調整板5の部材厚を足し合わせたものとすればよい。
1 鋼矢板
2 矢板本体
3 調整板
4 背側調整板
41 ウェブ用調整板
42 フランジ用調整板
5 腹側調整板
51 ウェブ用調整板
52 フランジ用調整板
6 欠損部
7 貫入部
F 継手
P 充填管
W 地中壁

Claims (3)

  1. 杭圧入機に備えたチャック機構のチャック開口を貫通した状態で、前記チャック機構に把持される鋼矢板であって、
    矢板本体の先端部近傍における板面に、軸線方向からみた見掛け厚さを調整する調整板が設置され、
    該調整板が、背側に設置される背側調整板及び腹側に設置される腹側調整板よりなり、
    前記背側調整板と前記腹側調整板の高さ方向の配置間隔が、前記チャック開口を構成する部位の高さ方向の寸法より大きく設定され、
    前記背側調整板と前記矢板本体の板厚の合計値、および前記腹側調整板と前記矢板本体の板厚を合計値がともに、前記チャック開口の開口幅より小さく設定されることを特徴とする鋼矢板。
  2. 請求項1に記載の鋼矢板において、
    前記背側調整板と前記腹側調整板のいずれか一方に、充填材を供給するための高さ方向に延在する配管を前記板面に設置可能な幅の欠損部が形成されることを特徴とする鋼矢板。
  3. 請求項1または2に記載の鋼矢板を前記杭圧入機の前記チャック開口に貫通させた後、前記チャック機構で前記鋼矢板を把持させて地中に打設する工程を繰り返し、地中に複数の前記鋼矢板よりなる矢板壁を構築した後、
    該鋼矢板を地中から引抜くとともに前記充填材を充填し、前記鋼矢板の引抜き跡に地中壁を構築する、地中壁の構築方法において、
    前記鋼矢板を下降させつつ先端部から前記チャック開口に挿入し、前記調整板が設置されている高さ範囲では、前記鋼矢板を板厚方向に水平移動させつつ下降させ、該鋼矢板を前記チャック開口に貫通させることを特徴とする地中壁の構築方法。
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