JP5902952B2 - 連続地中壁の構築方法および連続地中壁用芯部材 - Google Patents
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Description
本発明の実施形態を、添付した図面を参照しつつ詳細に説明する。まず、本発明の第一実施形態に係る連続地中壁用芯部材(以下、単に「芯部材」という)の構成を説明する。図3に示すように、連続地中壁1用の芯部材2は、ソイルセメント柱列山留工法において連続して掘孔された掘削孔3内に設けられるものである。隣り合う掘削孔3,3…は、一部が互いに重なり合って連続して配置されている。掘削孔3には、ソイルセメント4が注入、充填されている。芯部材2は、全ての掘削孔3にそれぞれ設けられている。
準備工程は、芯材20と、その表面に取り付けられるスペーサ30とからなる芯部材2を用意する工程である。本実施形態では、図4の(a)に示すように、まず、芯材20にスペーサ30を固定して芯部材2を準備する。施工現場あるいは工場において、芯材20を寝かせて、スペーサ30を固定する。芯材20は、フランジ21の表面が上向きになるように設置して、フランジ21上にスペーサ30を載置する。そして、U字ボルト50の軸部51をスペーサ30の外周面32側から挿入して、その先端部52をフランジ21の裏面側に突出させる。その後、先端部52にナット55を螺合させて締め付ける。これによって、U字ボルト50の軸部51がフランジ21側に引き寄せられ、連結部53がスペーサ30を芯材20側に引き付けることになるので、スペーサ30が芯材20に固定される。その後、スペーサ30の注入孔から内部に水を注入して充填する。
地中壁形成工程は、ソイルセメント4が注入された掘削孔3内に、芯材20の表面にスペーサ30が面接触した状態で且つスペーサ30が掘削地盤5側となるように芯部材20を設けて地中壁を形成する工程である。具体的には、図3に示すように、多軸オーガー6にて、複数の掘削孔3を形成する。掘削孔3内には、掘孔しながらソイルセメント4を注入して攪拌する。その後、芯部材2をクレーン(図示せず)で吊り上げる。このとき、芯材20の片面にスペーサ30が固定されているので、通常の吊り上げ方では、芯部材2が傾斜してしまう。そこで、支点を偏心させたり、二点以上で支持したり、挿入ガイドを芯部材2に設けたりするなど、芯部材2が垂直になるようにする。そして、スペーサ30が掘削地盤5側に対向するようにして、芯部材2を順次、掘削孔3内に挿入する。挿入後、または挿入中に、芯部材2を掘削地盤5側に寄せて、スペーサ30の外周面32を掘削孔3の内周壁3aに当接させる。芯部材2が所望の高さまで挿入されたなら、芯材20を挟持するなどして、芯部材2を固定する。このとき、掘削孔3内では、スペーサ30が挿入された空間でソイルセメント4が押し退けられる。その後、一定の養生期間を経てソイルセメント4を固める。
掘削孔3内のソイルセメント4が固まって所望の強度が発生したならば、地中壁の内側地盤である掘削地盤5を掘削して、スペーサ30を露出させる。
その後、スペーサ30を芯材20から取り外す。スペーサ30を取り外すに際しては、まず、スペーサ30の内部から水を排出する。水の排出は、外周面32の下端部に位置する水抜き孔の栓部材を開くことで行う。栓部材を開くと、水が掘削地盤5側に流れ出る。水の排出が完了したなら、図4の(b)に示すように、スペーサ30の外周面32から露出しているU字ボルト50の連結部53を切断する。その後、図4の(c)に示すように、軸部51を残しつつスペーサ30を引き抜いて、芯材20から取り外す。最後に、図4の(d)に示すように、芯材20のフランジ21の表面から突出している軸部51を切断して、フランジ21の表面を平坦に研磨する。
本発明の第二実施形態に係る連続地中壁の芯部材の構成を説明する。第二実施形態に係る連続地中壁の芯部材2’は、芯材20’とスペーサ30’の固定構造が第一実施形態の芯部材と異なる。
本実施形態における準備工程は、芯材20’と、その表面に取り付けられるスペーサ30’とからなる芯部材2’を形成して用意する工程であって、スペーサ30’を芯材20’に固定する作業は、地中壁形成工程において行われる。
図7に示すように、多軸オーガー6にて、掘削孔3を連続して掘孔する。掘削孔3内には、掘孔しながらソイルセメント4を注入して攪拌する。その後、ガイドレール26が取り付けられた芯材20’をクレーン(図示せず)で吊り上げる。芯材20’を、立てた状態で掘削孔3上で仮固定して、スペーサ30’を固定する。スペーサ30’は、芯材20’の上端部から、ガイドレール26に沿わして降下させ、ガイドレール26がガイド溝40に挿入されるようにする。一つのスペーサ30’の固定が完了したら、スペーサ30’の長さ分挿入して、再度仮固定する。そして、次の一つのスペーサ30’を固定する。この作業を繰り返すことで、芯部材2’の形成と掘削孔3への挿入が行われる。このような手順によると、最初に吊り上げるのは比較的軽量なガイドレール26が取り付けられた芯材20’のみなので、芯材20’は、傾斜し難く掘削孔3への挿入作業を行い易い。この場合、芯材20’への固定後に、スペーサ30’内に水を注入するようにすれば、スペーサ30’の取付時には、軽量であるので、作業性が向上する。このとき、掘削孔3内では、スペーサ30’が挿入された空間でソイルセメント4が押し退けられる。その後、一定の養生期間を経てソイルセメント4を固める。
掘削孔3内のソイルセメント4が固まって所望の強度が発生したならば、地中壁の内側地盤である掘削地盤5を掘削して、スペーサ30’を露出させる。
その後、スペーサ30’を芯材20から取り外す。スペーサ30を取り外すに際しては、まず、スペーサ30’の内部から水を排出する。掘削地盤5側に流れ出る。水の排出が完了したなら、図8に示すように、スペーサ30’を上方へと引き上げる。スペーサ30’を芯材20の上端よりも上方に引き上げると、ガイド溝40が、ガイドレール26から開放される。その後、フランジ21の表面からガイドレール26を切断して切り離す。以上のように、スペーサ30’とガイドレール26を除去することで、フランジ21の表面とその両側のソイルセメント4の端面4aが露出する。ソイルセメント4の端面4aは、スペーサ30’の平板(接合面31を構成する板材)が型枠の役目を果たしていたので、スペーサ30’を除去すると、フランジ21の表面と面一で平坦な面となる。その後、フランジ21の表面に腹起し(図示せず)などを溶接にて接合する。なお、ガイドレール26を切り離さずに、腹起しを固定するための部材として利用してもよい。
2 芯部材
2’ 芯部材
3 掘削孔
3a 内周壁
4 ソイルセメント
5 掘削地盤
20 芯材
20’ 芯材
21 フランジ表面
25 係止部
26 ガイドレール
30 スペーサ
30’ スペーサ
31 接合面
32 外周面
39 係止部材
40 ガイド溝
50 U字ボルト
51 軸部
52 先端部
Claims (6)
- 芯材と、その表面に取り付けられるスペーサとからなる芯部材を用意する準備工程と、
ソイルセメントが注入された掘削孔内に、前記芯材の表面に前記スペーサが面接触した状態で且つ前記スペーサが掘削地盤側となるように前記芯部材を設けて地中壁を形成する地中壁形成工程と、
前記地中壁の内側地盤を掘削する掘削工程と、
前記掘削工程で露出した前記スペーサを、前記芯材から取り外すスペーサ除去工程と、を備えており、
前記スペーサは、前記表面との接合面を構成する平板と、前記掘削孔の内周壁に沿って形成された外周面を構成する曲板とを備え、前記平板の両端部は前記表面より外側に突出しており、
前記地中壁形成工程では、前記平板の両端部が前記ソイルセメントの型枠の役目を果たす
ことを特徴とする連続地中壁の構築方法。 - 前記スペーサは中空に形成されており、
前記地中壁形成工程は、前記芯部材は前記スペーサに液体を充填した状態で行い、
前記スペーサ除去工程では、前記液体を前記スペーサから抜いた後に、前記スペーサを取り外す
ことを特徴とする請求項1に記載の連続地中壁の構築方法。 - 前記準備工程では、前記スペーサの外周側からU字ボルトの軸部を挿入してその先端を前記芯材に固定することで、前記スペーサを前記U字ボルトの連結部で前記芯材側に引き付けており、
前記スペーサ除去工程では、前記軸部から前記連結部を切断した後、前記軸部から前記スペーサを引き抜いて前記芯材から取り外し、その後前記フランジ部の表面から突出している前記軸部を切断する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の連続地中壁の構築方法。 - 芯材と、その表面に面接触して着脱可能に取り付けられたスペーサと、を備えており、
前記芯材の表面には、係止部を備えたガイドレールが前記芯材の長手方向に沿って設けられ、
前記スペーサの前記芯材に対向する接合面には、前記ガイドレールが挿入されるガイド溝が形成されている
ことを特徴とする連続地中壁用芯部材。 - 前記スペーサは、前記スペーサが挿入される掘削孔の内周壁に対向する外周面が前記内周壁の表面に沿って形成されている
ことを特徴とする請求項4に記載の連続地中壁用芯部材。 - 前記スペーサは、中空に形成されており、内部に液体が充填されている
ことを特徴とする請求項4または請求項5に記載の連続地中壁用芯部材。
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