JP5902952B2 - 連続地中壁の構築方法および連続地中壁用芯部材 - Google Patents

連続地中壁の構築方法および連続地中壁用芯部材 Download PDF

Info

Publication number
JP5902952B2
JP5902952B2 JP2012019460A JP2012019460A JP5902952B2 JP 5902952 B2 JP5902952 B2 JP 5902952B2 JP 2012019460 A JP2012019460 A JP 2012019460A JP 2012019460 A JP2012019460 A JP 2012019460A JP 5902952 B2 JP5902952 B2 JP 5902952B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
spacer
core member
underground wall
excavation
core material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2012019460A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013155589A (ja
Inventor
剛 大野
剛 大野
大脇 英司
英司 大脇
藤原 靖
靖 藤原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taisei Corp
Original Assignee
Taisei Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Taisei Corp filed Critical Taisei Corp
Priority to JP2012019460A priority Critical patent/JP5902952B2/ja
Publication of JP2013155589A publication Critical patent/JP2013155589A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5902952B2 publication Critical patent/JP5902952B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Bulkheads Adapted To Foundation Construction (AREA)

Description

本発明は、連続地中壁の構築方法および連続地中壁用芯部材に関する。
ソイルセメント柱列山留工法において連続地中壁を構築するに際しては、まず、連続して掘孔されソイルセメントが注入された掘削孔内に、H型鋼からなる芯材を挿入して地中壁を形成し、その後、地中壁の内側地盤を掘削して、芯材のフランジ面よりも掘削部側のソイルセメントを除去している。このとき、ソイルセメントは、芯材のフランジ面に固着しているので、はつり作業に多くの手間と時間を要する問題があった。
そこで、芯材のフランジ面に予め剥離剤を塗布しておき、ソイルセメントを芯材から剥離しやすくすることによって、はつり作業を容易に行えるようにした剥離方法が開発されていた(特許文献1参照)。
特開2009−286814号公報
特許文献1の発明によれば、はつり作業を容易に行えるようになるが、依然として多くの廃棄物が発生してしまうので、廃棄物の処理に多くの手間と時間と費用を要する問題があった。さらに、ソイルセメントははつり時に掘削土に混入してしまうので、仕分け分別作業を行わなければならなかった。
そこで本発明は、除去しなければならないソイルセメントの量を低減できる連続地中壁の構築方法を提供することを課題とし、さらには、連続地中壁の構築方法に用いる連続地中壁用芯部材を提供することも課題とする。
前記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、芯材と、その表面に取り付けられるスペーサとからなる芯部材を用意する準備工程と、ソイルセメントが注入された掘削孔内に、前記芯材の表面に前記スペーサが面接触した状態で且つ前記スペーサが掘削地盤側となるように前記芯部材を設けて地中壁を形成する地中壁形成工程と、前記地中壁の内側地盤を掘削する掘削工程と、前記掘削工程で露出した前記スペーサを、前記芯材から取り外すスペーサ除去工程と、を備えており、前記スペーサは、前記表面との接合面を構成する平板と、前記掘削孔の内周壁に沿って形成された外周面を構成する曲板とを備え、前記平板の両端部は前記表面より外側に突出しており、前記地中壁形成工程では、前記平板の両端部が前記ソイルセメントの型枠の役目を果たすことを特徴とする連続地中壁の構築方法である。
このような方法によれば、スペーサが配置された空間のソイルセメントを押し退けることができる。また、スペーサが掘削地盤側になるように芯部材を配置することで、掘削後に芯材からスペーサを取り外すことができる。これによって、掘削部側から除去しなければならないソイルセメントの量を低減できるので、はつり作業や廃棄物の処理の手間と時間と費用を削減することができる。
請求項2に係る発明は、前記スペーサは中空に形成されており、前記地中壁形成工程は、前記芯部材は前記スペーサに液体を充填した状態で行い、前記スペーサ除去工程では、前記液体を前記スペーサから抜いた後に、前記スペーサを取り外すことを特徴とする。このような方法によれば、ソイルセメントが注入された掘削孔内にスペーサを挿入する際に、スペーサに作用する浮力を液体の重量で相殺して低減できるので、挿入作業を行い易くなる。また、スペーサを除去する際には液体を抜くことでスペーサを軽量化できるので除去作業が行い易い。なお、液体として水を用いれば、スペーサから抜いた後に液体を現場にて処理することができる。
請求項3に係る発明は、前記準備工程では、前記スペーサの外周側からU字ボルトの軸部を挿入してその先端を前記芯材に固定することで、前記スペーサを前記U字ボルトの連結部で前記芯材側に引き付けており、前記スペーサ除去工程では、前記軸部から前記連結部を切断した後、前記軸部から前記スペーサを引き抜いて前記芯材から取り外し、その後前記フランジ部の表面から突出している前記軸部を切断することを特徴とする。
請求項に係る発明は、芯材と、その表面に面接触して着脱可能に取り付けられたスペーサと、を備えており、前記芯材の表面には、係止部を備えたガイドレールが前記芯材の長手方向に沿って設けられ、前記スペーサの前記芯材に対向する接合面には、前記ガイドレールが挿入されるガイド溝が形成されていることを特徴とする連続地中壁用芯部材である。
このような構成によれば、掘削孔内で、スペーサが配置された空間のソイルセメントを押し退けることができる。また、スペーサが掘削地盤側になるように芯部材を配置すると、掘削後に芯材からスペーサを容易に取り外すことができるとともに、掘削部側から除去しなければならないソイルセメントの量を低減できるので、はつり作業や廃棄物の処理の手間と時間と費用を削減することができる。さらに、スペーサをガイドレールに沿って移動させて、ガイドレールをガイド溝に挿通させるだけで、スペーサを芯材に容易に装着できる。また、掘削孔に芯材を挿入した後に、スペーサを掘削孔に挿入して、ガイドレールに装着できるので、芯材の吊込み時に重量が偏るのを抑制でき、芯材の挿入作業が容易になる。
請求項に係る発明は、前記スペーサが、前記スペーサが挿入される掘削孔の内周壁に対向する外周面が前記内周壁の表面に沿って形成されていることを特徴とする。
このような構成によれば、スペーサの外周面が、掘削孔の内周壁に沿うことで押し退けるソイルセメントの量を多くできる。
請求項6に係る発明は、前記スペーサが、中空に形成されており、内部に液体が充填されていることを特徴とする。
このような構成によれば、スペーサを掘削孔内に挿入する際には、液体の重量でスペーサに作用する浮力を相殺して低減できるので、挿入作業を行い易くなる。また、スペーサを除去する際には、液体を抜くことでスペーサを軽量化できるので除去作業が行い易い。
本発明によれば、地中壁の内側地盤を掘削した後に地中壁の内側を平坦にする際に除去しなければならないソイルセメントの量を低減できる。
本発明の第一実施形態に係る連続地中壁用芯部材を示した斜視図である。 本発明の第一実施形態に係る連続地中壁用芯部材を示した図であって、(a)は上面図、(b)は、正面図、(c)は横断面図、(d)は縦断面図である。 本発明の第一実施形態に係る連続地中壁の構築方法を説明するための斜視図である。 (a)乃至(d)は、スペーサを取り外す手順を説明するための断面図である。 連続地中壁の内側を平坦にした状態を示した斜視図である。 本発明の第二実施形態に係る芯部材を示した分解斜視図である。 本発明の第二実施形態に係る連続地中壁の構築方法を説明するための斜視図である。 スペーサを取り外す手順を説明するための斜視図である。
[第一実施形態]
本発明の実施形態を、添付した図面を参照しつつ詳細に説明する。まず、本発明の第一実施形態に係る連続地中壁用芯部材(以下、単に「芯部材」という)の構成を説明する。図3に示すように、連続地中壁1用の芯部材2は、ソイルセメント柱列山留工法において連続して掘孔された掘削孔3内に設けられるものである。隣り合う掘削孔3,3…は、一部が互いに重なり合って連続して配置されている。掘削孔3には、ソイルセメント4が注入、充填されている。芯部材2は、全ての掘削孔3にそれぞれ設けられている。
図1および図2に示すように、芯部材2は、芯材20とスペーサ30とを備えてなる。芯材20は、H形鋼にて構成されている。芯材20は、一方のフランジ21の表面が掘削地盤5(図3参照)側に向くように挿入されている。フランジ21には、貫通孔22が形成されている。貫通孔22には、スペーサ30を固定するためのU字ボルト50の軸部51が挿通される。貫通孔22は、U字ボルト50が設けられる高さごとに左右一対ずつ形成されている。
スペーサ30は、掘削孔3内のソイルセメント4を押し退けるための部材である。スペーサ30は、芯材20に着脱可能に取り付けられており、芯材20とともに掘削孔3内に挿入される。スペーサ30は、芯材20の長手方向に沿って複数に分割されている。スペーサ30は、現場での取扱い性を考慮して、例えば1500mm程度の高さに形成されている。なお、スペーサ30の高さは、単数で、または複数積み上げたときに掘削地盤5の掘削深さと同等になるように設定してもよい。
スペーサ30は、芯材20のフランジ21の表面に面接触した状態で取り付けられている。スペーサ30において、芯材20に対向する接合面31は平面状に形成され、掘削孔3の内周壁3aに対向する外周面32が内周壁3aの表面に沿って形成されている。外周面32は、断面円弧状を呈し、掘削孔3の内径と同等の半径を備えており、内周壁3aに接触するように構成されている。接合面31は、芯材20のフランジ21の表面に面接触している。
スペーサ30は、中空に形成されており、接合面31を構成する平板33と、外周面32を構成する曲板34と、天板35と、底板36とで、外殻が形成されている。平板33、曲板34、天板35および底板36は、鉄板にて構成されている。なお、外殻は、必要な強度を有していれば、鉄板に限定されるものではなく、他の金属板や樹脂性の板材で構成してもよい。曲板34は、水平断面が円弧状に形成されており、その両端部に平板33の両端部が接合されている。底板36は、平板33と曲板34の下端に水密状態で接合されており、平板33と曲板34とで形成される筒体の下端の開口部を封止している。天板35は、平板33と曲板34の上端に水密状態で接合されており、前記筒体の上端の開口部を封止している。スペーサ30内には、液体(本実施形態では水)が充填されている。なお、充填されるのは水に限定されるものではなく、適度な重量を有し、外部に排出可能な液体であればよい。曲板34には、注入孔と水抜き孔(ともに図示せず)が形成されている。注入孔は曲板34の上端部に形成され、水抜き孔は曲板34の下端部に形成されている。注入孔と水抜き孔には栓部材(図示せず)が開栓可能に設けられている。なお、スペーサは中空に限定されるものではなく、中実の鋼材や木材等で構成してもよい。この場合、加工が容易になる。
スペーサ30は、芯材20に対して着脱可能に固定されている。具体的には、スペーサ30は、外周面32側からU字ボルト50の軸部51を挿入してその先端部52を芯材20に螺着することで、芯材20に固定されている。図4の(a)に示すように、スペーサ30には、ボルト貫通孔37が、外周面32と接合面31を貫通するように形成されている。ボルト貫通孔37は、パイプ材38を曲板34と平板33の間に架け渡して設けることで構成されている。パイプ材38は、長手方向一端部の外周が曲板34に形成された孔に水密状態で全周溶接されており、他端部の外周が平板33に形成された孔に水密状態で全周溶接されている。ボルト貫通孔37は、U字ボルト50が設けられる高さごとに左右一対ずつ形成されている(一対のボルト貫通孔37,37は、芯材20のフランジ21に形成された貫通孔22に相当する位置に形成されている)。
U字ボルト50は、スペーサ30の上端部および下端部にそれぞれ二つずつ設けられている。図2および図4に示すように、U字ボルト50は、連結部53で連結された一対の軸部51を備えている。軸部51,51は、ボルト貫通孔37,37および貫通孔22,22に挿通される。軸部51の先端部52には、雄ネジが形成されている。先端部52は、フランジ21の裏面(ウェブ24側の面)から突出している。突出した先端部52にはナット55,55が螺合されている。ナット55を締め付けることで、U字ボルト50の連結部53がスペーサ30を外周面32側から引き付けることとなり、スペーサ30が芯材20に固定される。なお、スペーサ30を固定するのはU字ボルト50に限定されるものではなく、例えば、通常のI型のボルトを外周面32側から挿入して、ボルト頭部の座面で外周面32を係止するようにしてもよいし、スペーサ30と芯材20とを一体的に巻き付けるバンドを用いて固定してもよい。
図1および図2の(a)、(b)に示すように、複数のスペーサ30のうち、最上部に位置するスペーサ30の上端部には、芯材20のフランジ21に係止される係止部材39が設けられている。係止部材39は、L字状の棒状材にて形成されている。係止部材39の一端部は、スペーサ30の天板35の表面に溶接固定されている。係止部材39の他端部は、接合面31と隙間をあけて下方に延在しており、フランジ23の裏面に当接している。係止部材39は、芯材20のウェブ24の両側にそれぞれ設けられている。
次に、図3乃至図5を参照しながら、前記構成の芯部材2を用いて連続地中壁1を構築する方法を説明する。図3では、掘削孔3が右上側から左下側に向かうに連れて工程が進行するように図示している。本実施形態に係る連続地中壁1の構築方法は、準備工程と、地中壁形成工程と、掘削工程と、スペーサ除去工程と、を備えている。
(準備工程)
準備工程は、芯材20と、その表面に取り付けられるスペーサ30とからなる芯部材2を用意する工程である。本実施形態では、図4の(a)に示すように、まず、芯材20にスペーサ30を固定して芯部材2を準備する。施工現場あるいは工場において、芯材20を寝かせて、スペーサ30を固定する。芯材20は、フランジ21の表面が上向きになるように設置して、フランジ21上にスペーサ30を載置する。そして、U字ボルト50の軸部51をスペーサ30の外周面32側から挿入して、その先端部52をフランジ21の裏面側に突出させる。その後、先端部52にナット55を螺合させて締め付ける。これによって、U字ボルト50の軸部51がフランジ21側に引き寄せられ、連結部53がスペーサ30を芯材20側に引き付けることになるので、スペーサ30が芯材20に固定される。その後、スペーサ30の注入孔から内部に水を注入して充填する。
(地中壁形成工程)
地中壁形成工程は、ソイルセメント4が注入された掘削孔3内に、芯材20の表面にスペーサ30が面接触した状態で且つスペーサ30が掘削地盤5側となるように芯部材20を設けて地中壁を形成する工程である。具体的には、図3に示すように、多軸オーガー6にて、複数の掘削孔3を形成する。掘削孔3内には、掘孔しながらソイルセメント4を注入して攪拌する。その後、芯部材2をクレーン(図示せず)で吊り上げる。このとき、芯材20の片面にスペーサ30が固定されているので、通常の吊り上げ方では、芯部材2が傾斜してしまう。そこで、支点を偏心させたり、二点以上で支持したり、挿入ガイドを芯部材2に設けたりするなど、芯部材2が垂直になるようにする。そして、スペーサ30が掘削地盤5側に対向するようにして、芯部材2を順次、掘削孔3内に挿入する。挿入後、または挿入中に、芯部材2を掘削地盤5側に寄せて、スペーサ30の外周面32を掘削孔3の内周壁3aに当接させる。芯部材2が所望の高さまで挿入されたなら、芯材20を挟持するなどして、芯部材2を固定する。このとき、掘削孔3内では、スペーサ30が挿入された空間でソイルセメント4が押し退けられる。その後、一定の養生期間を経てソイルセメント4を固める。
(掘削工程)
掘削孔3内のソイルセメント4が固まって所望の強度が発生したならば、地中壁の内側地盤である掘削地盤5を掘削して、スペーサ30を露出させる。
(スペーサ除去工程)
その後、スペーサ30を芯材20から取り外す。スペーサ30を取り外すに際しては、まず、スペーサ30の内部から水を排出する。水の排出は、外周面32の下端部に位置する水抜き孔の栓部材を開くことで行う。栓部材を開くと、水が掘削地盤5側に流れ出る。水の排出が完了したなら、図4の(b)に示すように、スペーサ30の外周面32から露出しているU字ボルト50の連結部53を切断する。その後、図4の(c)に示すように、軸部51を残しつつスペーサ30を引き抜いて、芯材20から取り外す。最後に、図4の(d)に示すように、芯材20のフランジ21の表面から突出している軸部51を切断して、フランジ21の表面を平坦に研磨する。
以上のように、スペーサ30を除去することで、フランジ21の表面とその両側のソイルセメント4の端面4aが露出する。ソイルセメント4の端面4aは、スペーサ30の平板33が型枠の役目を果たしていたので、スペーサ30を除去すると、フランジ21の表面と面一で平坦な面となる。その後、フランジ21の表面に腹起し(図示せず)などを溶接にて接合する。なお、芯材20が傾斜して、隣り合う芯材20,20のフランジ21,21の表面同士が平坦にならない場合があるが、この場合は、フランジ21の表面に腹起しを載せるブラケットを取り付けて、腹起しの前後の位置を調整することで、腹起しの接合部分を直線状にすることができる。
以上のような連続地中壁1の構築方法によれば、芯材20に着脱可能なスペーサ30を設けることで、スペーサ30が配置された空間のソイルセメント4を押し退けることができる。そして、スペーサ30が掘削地盤5側になるように芯部材2を配置することで、掘削後に芯材20からスペーサ30を取り外すことができる。これによって、芯材20のフランジ21の表面よりも掘削地盤5側で、除去しなければならないソイルセメント4の量を低減できる。特に本実施形態では、スペーサ30の外周面32が、掘削孔3の内周壁3aに接しているので、フランジ21の表面よりも掘削地盤5側のソイルセメント4は殆んど押し退けられている。したがって、はつり作業や廃棄物の処理の手間と時間と費用を大幅に削減することができる。
また、スペーサ30の接合面31が平面状に形成されて、芯材20のフランジ21の表面と面接触しているので、芯材20とスペーサ30との間にソイルセメント4が入り込まない。したがって、スペーサ30の取外しを容易に行えるとともに、スペーサ30を取り外した後のフランジ21の表面にソイルセメント4が付着しておらず、平坦度を確保することができる。
一方、スペーサ30が中空に形成されており、内部に水を充填した状態で掘削孔3内に挿入するので、ソイルセメント4によってスペーサ30に作用する浮力を水の重量で相殺して低減できる。また、スペーサ30の外周壁32が掘削孔20の内周壁3aに接触するので、芯部材2が掘削孔3内で傾くのを抑制できる。したがって、挿入作業を行い易くなる。
また、スペーサ除去工程では、スペーサ30内の水を抜いた後に、スペーサ30を取り外すので、スペーサ30は、除去する際には軽量化されており、除去作業が行い易い。さらに、排出されるのは水なので、掘削地盤5内に流しても問題はない。
なお、本実施形態では、まず、準備工程において地上でスペーサ30を芯材20に固定してから、吊り上げて掘削孔3に挿入するようにしているが、このような手順に限定しなくてもよい。芯材20のみを吊り上げて、掘削孔3に挿入しながら、スペーサ30を固定するようにしてもよい。この場合、芯材20を、吊った状態で、掘削孔3上で仮固定して、スペーサ30を固定する。一つのスペーサ30の固定が完了したら、スペーサ30の長さ分降下して、スペーサ30を掘削孔3内に挿入させて、再度仮固定する。そして、次のスペーサ30を固定する。この作業を繰り返すことで、芯部材2の形成と挿入が行われる。このような手順によると、最初に吊り上げるのは芯材20のみなので、芯材20は、傾斜し難く掘削孔3への挿入作業を行い易い。この場合、スペーサ30を芯材20に固定した後に水を注入するのがよい。このようにすれば、スペーサ30が軽い状態で芯材20への固定作業を行えるので、作業性が向上する。
[第二実施形態]
本発明の第二実施形態に係る連続地中壁の芯部材の構成を説明する。第二実施形態に係る連続地中壁の芯部材2’は、芯材20’とスペーサ30’の固定構造が第一実施形態の芯部材と異なる。
図6に示すように、第二実施形態に係る芯部材2’は、芯材20’のフランジ21の表面に、係止部25を備えたガイドレール26が芯材20’の長手方向に沿って設けられている。一方、スペーサ30’の前記接合面31には、ガイドレール26が挿入されるガイド溝40が形成されている。ガイドレール26は、先端部分が幅方向に広がる断面T字状を呈しており、先端で広がった平板部分が係止部25を構成している。ガイド溝40は、ガイドレール26が挿入可能な断面を有している。ガイド溝40は、スペーサ30’の長手方向全長に渡って形成されて、上下に同断面で開口されている。スペーサ30’を上方から降下させることで、ガイド溝40にガイドレール26を挿通させるようになっている。なお、ガイドレール26は、断面T字状に限定されるものではなく、例えば、断面I字状や断面H字状など他の形状であってもよい。断面I字状または断面H字状にすれば、芯材20’のフランジ21にボルト固定することが可能となり、接合が容易になる。
次に、図7および図8を参照しながら、前記構成の芯部材2’を用いて連続地中壁1を構築する方法を説明する。図7では、掘削孔3が右上側から左下側に向かうに連れて工程が進行するように図示している。
(準備工程)
本実施形態における準備工程は、芯材20’と、その表面に取り付けられるスペーサ30’とからなる芯部材2’を形成して用意する工程であって、スペーサ30’を芯材20’に固定する作業は、地中壁形成工程において行われる。
(地中壁形成工程)
図7に示すように、多軸オーガー6にて、掘削孔3を連続して掘孔する。掘削孔3内には、掘孔しながらソイルセメント4を注入して攪拌する。その後、ガイドレール26が取り付けられた芯材20’をクレーン(図示せず)で吊り上げる。芯材20’を、立てた状態で掘削孔3上で仮固定して、スペーサ30’を固定する。スペーサ30’は、芯材20’の上端部から、ガイドレール26に沿わして降下させ、ガイドレール26がガイド溝40に挿入されるようにする。一つのスペーサ30’の固定が完了したら、スペーサ30’の長さ分挿入して、再度仮固定する。そして、次の一つのスペーサ30’を固定する。この作業を繰り返すことで、芯部材2’の形成と掘削孔3への挿入が行われる。このような手順によると、最初に吊り上げるのは比較的軽量なガイドレール26が取り付けられた芯材20’のみなので、芯材20’は、傾斜し難く掘削孔3への挿入作業を行い易い。この場合、芯材20’への固定後に、スペーサ30’内に水を注入するようにすれば、スペーサ30’の取付時には、軽量であるので、作業性が向上する。このとき、掘削孔3内では、スペーサ30’が挿入された空間でソイルセメント4が押し退けられる。その後、一定の養生期間を経てソイルセメント4を固める。
(掘削工程)
掘削孔3内のソイルセメント4が固まって所望の強度が発生したならば、地中壁の内側地盤である掘削地盤5を掘削して、スペーサ30’を露出させる。
(スペーサ除去工程)
その後、スペーサ30’を芯材20から取り外す。スペーサ30を取り外すに際しては、まず、スペーサ30’の内部から水を排出する。掘削地盤5側に流れ出る。水の排出が完了したなら、図8に示すように、スペーサ30’を上方へと引き上げる。スペーサ30’を芯材20の上端よりも上方に引き上げると、ガイド溝40が、ガイドレール26から開放される。その後、フランジ21の表面からガイドレール26を切断して切り離す。以上のように、スペーサ30’とガイドレール26を除去することで、フランジ21の表面とその両側のソイルセメント4の端面4aが露出する。ソイルセメント4の端面4aは、スペーサ30’の平板(接合面31を構成する板材)が型枠の役目を果たしていたので、スペーサ30’を除去すると、フランジ21の表面と面一で平坦な面となる。その後、フランジ21の表面に腹起し(図示せず)などを溶接にて接合する。なお、ガイドレール26を切り離さずに、腹起しを固定するための部材として利用してもよい。
以上のような連続地中壁1の構築方法によれば、第一実施形態と同様に芯材20’のフランジ21よりも掘削地盤5側で、除去しなければならないソイルセメント4の量を低減できるという作用効果を得られるとともに、スペーサ30’は、引き上げるだけで、芯材20’から取り外すことができるので、その除去作業が容易になる。
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更が可能である。例えば、前記実施形態では、スペーサ30の外周面32を掘削孔3の内径と同等の曲率半径に形成して、芯材20のフランジ21と、内周壁3aとの間の全体にスペーサ30を設けるようにしたが、外周面32を内周壁3aの内径よりも小さい曲率半径で形成して、内周壁3aとの間に隙間をあけるようにしてもよい。この場合でもスペーサ30でソイルセメント4を押し退けることができるので、ソイルセメント4の削減効果は達成できる。また、掘削孔3の内径が小さい場合でも利用できるので、スペーサ30の汎用性が高くなる。また、外周面の形状は円弧状に限定されるものではなく、矩形状や多角形状など他の形状であってもよい。
1 連続地中壁
2 芯部材
2’ 芯部材
3 掘削孔
3a 内周壁
4 ソイルセメント
5 掘削地盤
20 芯材
20’ 芯材
21 フランジ表面
25 係止部
26 ガイドレール
30 スペーサ
30’ スペーサ
31 接合面
32 外周面
39 係止部材
40 ガイド溝
50 U字ボルト
51 軸部
52 先端部

Claims (6)

  1. 芯材と、その表面に取り付けられるスペーサとからなる芯部材を用意する準備工程と、
    ソイルセメントが注入された掘削孔内に、前記芯材の表面に前記スペーサが面接触した状態で且つ前記スペーサが掘削地盤側となるように前記芯部材を設けて地中壁を形成する地中壁形成工程と、
    前記地中壁の内側地盤を掘削する掘削工程と、
    前記掘削工程で露出した前記スペーサを、前記芯材から取り外すスペーサ除去工程と、を備えており、
    前記スペーサは、前記表面との接合面を構成する平板と、前記掘削孔の内周壁に沿って形成された外周面を構成する曲板とを備え、前記平板の両端部は前記表面より外側に突出しており、
    前記地中壁形成工程では、前記平板の両端部が前記ソイルセメントの型枠の役目を果たす
    ことを特徴とする連続地中壁の構築方法。
  2. 前記スペーサは中空に形成されており、
    前記地中壁形成工程は、前記芯部材は前記スペーサに液体を充填した状態で行い、
    前記スペーサ除去工程では、前記液体を前記スペーサから抜いた後に、前記スペーサを取り外す
    ことを特徴とする請求項1に記載の連続地中壁の構築方法。
  3. 前記準備工程では、前記スペーサの外周側からU字ボルトの軸部を挿入してその先端を前記芯材に固定することで、前記スペーサを前記U字ボルトの連結部で前記芯材側に引き付けており、
    前記スペーサ除去工程では、前記軸部から前記連結部を切断した後、前記軸部から前記スペーサを引き抜いて前記芯材から取り外し、その後前記フランジ部の表面から突出している前記軸部を切断する
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の連続地中壁の構築方法。
  4. 芯材と、その表面に面接触して着脱可能に取り付けられたスペーサと、を備えており、
    前記芯材の表面には、係止部を備えたガイドレールが前記芯材の長手方向に沿って設けられ、
    前記スペーサの前記芯材に対向する接合面には、前記ガイドレールが挿入されるガイド溝が形成されている
    ことを特徴とする連続地中壁用芯部材。
  5. 前記スペーサは、前記スペーサが挿入される掘削孔の内周壁に対向する外周面が前記内周壁の表面に沿って形成されている
    ことを特徴とする請求項4に記載の連続地中壁用芯部材。
  6. 前記スペーサは、中空に形成されており、内部に液体が充填されている
    ことを特徴とする請求項4または請求項5に記載の連続地中壁用芯部材。
JP2012019460A 2012-02-01 2012-02-01 連続地中壁の構築方法および連続地中壁用芯部材 Expired - Fee Related JP5902952B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012019460A JP5902952B2 (ja) 2012-02-01 2012-02-01 連続地中壁の構築方法および連続地中壁用芯部材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012019460A JP5902952B2 (ja) 2012-02-01 2012-02-01 連続地中壁の構築方法および連続地中壁用芯部材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013155589A JP2013155589A (ja) 2013-08-15
JP5902952B2 true JP5902952B2 (ja) 2016-04-13

Family

ID=49051057

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012019460A Expired - Fee Related JP5902952B2 (ja) 2012-02-01 2012-02-01 連続地中壁の構築方法および連続地中壁用芯部材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5902952B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7470031B2 (ja) 2020-12-18 2024-04-17 積水化学工業株式会社 地中連続壁及びその構築方法

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS602452B2 (ja) * 1979-03-02 1985-01-22 大成建設株式会社 連続地中壁構築用基準杭
JPS6065826A (ja) * 1983-09-22 1985-04-15 Asuku Kenkyusho:Kk 山留壁用の鋼材及び山留壁の構築方法
JPH05287745A (ja) * 1992-04-13 1993-11-02 Fujita Corp 柱列工法における腹起こしの取り付け方法
JPH0791826B2 (ja) * 1992-08-27 1995-10-09 戸田建設株式会社 ソイル杭柱列山留め壁の構築方法と特殊h型鋼
JP3767368B2 (ja) * 2000-11-02 2006-04-19 株式会社大林組 通水性地中連続壁およびその構築方法
JP2002180456A (ja) * 2000-12-11 2002-06-26 Kubota Corp 建設排泥土の処理方法
JP2002212945A (ja) * 2001-01-17 2002-07-31 Nippon Steel Corp 山留め壁芯材用h形鋼及びこれを用いた地下構造物の構築工法
JP2003184075A (ja) * 2001-12-18 2003-07-03 Tokyu Constr Co Ltd ソイルセメント柱列山留め壁およびその構築方法
JP2009286814A (ja) * 2008-05-27 2009-12-10 Takenaka Komuten Co Ltd ソイルセメント柱列山留壁における山留芯材の付着ソイル剥離剤及び付着ソイル剥離方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013155589A (ja) 2013-08-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN111719565A (zh) 一种深基坑围护结构及其建造方法
JP2010222944A (ja) 地中連続壁用壁部材及び地中連続壁構築方法並びに地中連続壁
KR20090114863A (ko) 병렬 연결형 추진 강관 및 그를 이용한 지중 구조체의시공방법
JP2015055106A (ja) 地下構造、及び地下躯体を有する建造物の建替え方法
JP2010248780A (ja) 水底地盤打込み部材を用いた水域構造物
JP5902952B2 (ja) 連続地中壁の構築方法および連続地中壁用芯部材
KR101266112B1 (ko) 절삭견인방법을 이용한 비개착식 횡단구조물 시공방법
KR101266113B1 (ko) 압입체의 이음부 시공방법
JP4440497B2 (ja) 地中連続壁の構築方法及び地下構造物の構築方法
JP6452299B2 (ja) 仮締切兼用鋼管矢板基礎の施工方法
CN214784092U (zh) 一种基坑减压井封闭结构
JP5769608B2 (ja) 鋼板セル・アークの設置工法および鋼板セルの接続部構造
JP2015055105A (ja) 地下構造、及び地下躯体を有する建造物の建替え方法
KR101219451B1 (ko) 콘크리트구조물 및 그 시공방법, 이를 이용한 건축물의 흙막이벽체 겸용 지중구조벽의 시공방법
JP2021001497A (ja) 杭支持構造物及びその構築方法
JP2007309014A (ja) 杭芯材施工方法
US20120117907A1 (en) Apparatus and Method for Casting Concrete Wall Elements
CN220080031U (zh) 一种环框梁兼做围檩的结构构件
CN215053048U (zh) 一种桩墙组合装配式深基坑支护结构
KR20150031089A (ko) 수중 설치 구조물 보강용 구조체 및 보강 방법
CN218027652U (zh) 一种可以适应各种安装环境的秤台安装锚孔预埋结构
KR20200005841A (ko) 탑다운 공법을 이용한 빗물저류조 시공 방법
KR102110080B1 (ko) 엄지말뚝 및 기초말뚝 일체형 h형 강재벽체 및 이를 이용한 개착식 지하구조물 시공방법
TW200930863A (en) Construction method for T-shaped interface connecting case of diaphragm wall and buttress wall or cross wall
JP6217102B2 (ja) 場所打ちコンクリート杭の頭部と基礎との接合構造及び方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20141111

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150724

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150804

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150930

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160301

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160311

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5902952

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees