JP2021001497A - 杭支持構造物及びその構築方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】工場でプレキャスト部材を製作することができ、施工現場において効率よく構築することができる杭支持構造物及びその構築方法の提供。【解決手段】杭支持構造物1は、型枠兼用梁受け部材8に杭柱状体4の頭部と嵌合する筒状部12と、筒状部12の外周に支持された梁受け部13を有し、場所打ちコンクリート部10が既製梁部材9と型枠兼用梁受け部材8とに囲まれたコンクリート打設空間19から杭状体9の頭部に亘って打設されている。【選択図】図2

Description

プレキャストコンクリート部材を用いたドルフィンや桟橋等の杭支持構造物及びその構築方法に関する。
ドルフィンや桟橋等の杭支持構造物は、水底地盤に打設された複数の鋼管杭と、鋼管杭に支持されたコンクリート製の上部工とを備えている。
従来、コンクリート製の上部工は、各鋼管杭を打設した後、隣接する鋼管杭間に鉄骨の設置や鉄筋の配置等を行うとともに、鋼管杭に支持させた支保工を利用して鋼管杭間に型枠を形成し、コンクリートを場所打ちすることによって上部工を形成するとともにそれと鋼管杭の杭頭部とを接合していた。
しかしながら、このような工法では、上部工を場所打ちコンクリートで形成するため、各作業を行うための作業足場や支保工の設置、鉄筋・鉄骨の配置、型枠の組立・解体、コンクリートの打設・養生等の全ての作業を水上で行わなければならず、海象・気象条件等の影響が大きいとともに、工期が長期化するという問題があった。
そこで、このような問題を鑑み、従来では、梁を構成する1又は複数のプレキャストコンクリート造のプレキャスト部材を予め陸上の工場又は製作ヤードで製造し、それを施工現場に搬送し、鋼管杭の頭部に当該プレキャスト部材を支持させ、その状態で杭頭部とプレキャスト部材との間にコンクリート等の充填材を打設することにより杭頭部にプレキャスト部材を接合させるようにした工法が用いられている(例えば、特許文献1を参照)。
この種の工法においては、例えば、プレキャスト部材に杭頭部が挿入される杭挿入部と、杭挿入部内に配置された鞘管と、杭挿入部内を横切るH鋼等からなる支承部材を設けておき、支承部材を鋼管杭の杭頭部に支持させることでプレキャスト部材を鋼管杭に仮支持させ、その状態で杭挿入部と鋼管杭との間にグラウトを充填することによってプレキャスト部材が杭頭部に接合されるようにしたものが知られている。
また、上部工を複数のプレキャスト部材で構成する場合には、各プレキャスト部材をそれぞれ杭に接合させるとともに、各プレキャスト部材間に型枠を設置し、場所打ちコンクリートによって各プレキャスト部材間を連結するようになっている。
特開2000−248526号公報
しかしながら、上述の如き従来の技術では、上部工を支える杭の数が多い場合、上部工を構成するプレキャスト部材が大型化し、運搬が困難なためにプレキャスト部材を工場で製作することが困難になる。
よって、大型化したプレキャスト部材を製作するためには、施工現場の近隣に製作ヤードを設ける必要があり、高額な設備投資を強いられ、経済的な課題を有している。
また、複数の杭に一体のプレキャスト部材を支持させる場合には、複数の杭の杭頭部をプレキャスト部材に設けられた杭挿入部にまとめて挿入する必要があるため、杭の打設において高い精度が要求され、その分、杭打設時の作業効率が低下するおそれがあった。
一方、上部工を複数のプレキャスト部材によって構成する場合には、各プレキャスト部材間を連結するためにプレキャスト部材間に型枠を設置する必要があり、型枠を設置する作業等に手間をとられることからさらなる作業の効率化が求められている。
そこで、本発明は、このような従来の問題に鑑み、工場でプレキャスト部材を製作することができ、施工現場においてプレキャスト部材を用いて桟橋等を効率よく構築することができる杭支持構造物及びその構築方法の提供を目的としてなされたものである。
上述の如き従来の問題を解決するための請求項1に記載の発明の特徴は、筒状の杭柱状体に上部工が支持されている杭支持構造物において、前記杭柱状体に支持された型枠兼用梁受け部材と、該型枠兼用梁受け部材間に架設される既製梁部材と、前記杭柱状体と前記既製梁部材とを接合する場所打ちコンクリート部とを備え、前記型枠兼用梁受け部材は、前記杭柱状体の頭部と嵌合する筒状部と、該筒状部の外周に支持された梁受け部とを備え、前記梁受け部は、前記既製梁部材の一端が載置される底板部と、該底板部の両側に立ち上がった側板部を備え、前記場所打ちコンクリート部は、前記既製梁部材と前記型枠兼用梁受け部材とに囲まれたコンクリート打設空間から前記杭状体の頭部に亘って打設されていることにある。
請求項2に記載の発明の特徴は、請求項1の構成に加え、前記筒状部より内側に張り出した鉄筋支持体と、該鉄筋支持体を貫通する補強鉄筋とを備え、該補強鉄筋が前記杭柱状体と前記コンクリート打設空間とに跨って配置されていることにある。
請求項3に記載の発明の特徴は、請求項2の構成に加え、前記補強鉄筋は、外周面にネジ部を備え、前記鉄筋支持体にナットで定着されていることにある。
請求項4に記載の発明の特徴は、請求項2又は3の構成に加え、前記型枠兼用梁受け部材は、前記鉄筋支持体を介して前記杭柱状体の上端面に支持されていることにある。
請求項5に記載の発明の特徴は、請求項1〜3の何れか一の構成に加え、前記杭柱状体の外周に突設された刃受け部を有する支持部材を備え、前記刃受け部上に前記筒状部が支持されることにある。
請求項6に記載の発明の特徴は、請求項5の構成に加え、前記支持部材は、前記刃受け部の周縁より立ち上がった周壁部を備え、前記筒状体が前記杭柱状体の外周面と前記周壁部との間に挿入されていることにある。
請求項7に記載の発明の特徴は、請求項1〜6の何れか一の構成に加え、前記筒状部と前記杭柱状体との間に前記杭柱状体の上端部から充填材が充填されていることにある。
請求項8に記載の発明の特徴は、請求項7の構成に加え、前記充填材は、前記場所打ちコンクリート部を構成するコンクリートであることにある。
請求項9記載の発明の特徴は、筒状の杭柱状体に上部工が支持されている杭支持構造物の構築方法において、前記杭柱状体の頭部と嵌合する筒状部と、該筒状部の外周に支持された梁受け部とを備えている型枠兼用梁受け部材を使用し、前記梁受け部には、前記上部工を構成する既製梁部材の一端が載置される底板部と、該底板部の両側に立ち上がった側板部とを備え、前記筒状部を前記杭柱状体の頭部に嵌合させて前記型枠兼用梁受け部材を前記杭柱状体に支持させた後、前記梁受け部に前記既製梁部材の一端を支持させ、しかる後、前記型枠兼用梁受け部材を型枠として、前記既製梁部材と前記型枠兼用梁受け部材とに囲まれたコンクリート打設空間から前記杭柱状体の頭部に亘ってコンクリートを打設し、前記杭柱状体と前記既製梁部材とを接合することにある。
請求項10に記載の発明の特徴は、請求項9の構成に加え、前記筒状部より内側に張り出した鉄筋支持体を備え、前記型枠兼用梁受け部材を前記杭柱状体に支持させた後、該鉄筋支持体に補強鉄筋を貫通させた状態で定着し、該補強鉄筋を前記杭柱状体と前記コンクリート打設空間とに跨って配置することにある。
請求項11に記載の発明の特徴は、請求項9又は10の構成に加え、前記筒状部と前記杭柱状体との間隙に前記杭柱状体の上縁側から充填材を充填することにある。
請求項12に記載の発明の特徴は、請求項11の構成に加え、前記既製梁部材、前記側板部及び前記筒状部に囲まれたコンクリート打設空間から前記杭柱状体の頭部に亘ってコンクリートを打設するとともに記筒状部と前記杭柱状体との間に前記充填材としてコンクリートを充填することにある。
請求項13に記載の発明の特徴は、請求項10〜12の何れか一の構成に加え、前記既製梁部材間に梁主筋を配置した後、前記補強鉄筋を前記鉄筋支持体に貫通させることにある。
本発明に係る杭支持構造物は、請求項1に記載の構成を具備することによって、型枠兼用梁受け部材がプレキャストコンクリート梁材を支持するとともに、型枠を兼用することによって、従来の型枠設置作業を省略することができ、従来の工法に比べて施工工程を短縮するとともに、効率よく杭支持構造物を構築することができる。また、この杭支持構造物は、杭柱状体に接合された型枠兼用梁受け部材間に既製梁部材を架設する構造であるため、杭柱状体間の距離のズレを既製梁部材の架設位置で調整することができる。さらに、この杭支持構造物は、既製梁部材を型枠兼用梁受け部材及び場所打ちコンクリート部を介して杭柱状体に接合させる構造であって、杭柱状体との接合に必要な複雑な構成が不要であるので、既製梁部材の形状を単純化することができ、既製梁部材の作成コストを低減することができる。
また、本発明において、請求項2に記載の構成を具備することによって、杭柱状体と梁部とに跨る補強鉄筋を効率よく配置することができ、曲げモーメントに対抗する構造とすることができる。
さらに、本発明において、請求項3に記載の構成を具備することによって、補強鉄筋の設置において溶接レスを実現することができる。
さらにまた、本発明において、請求項4に記載の構成を具備することによって、部品点数を少なくできる。
また、本発明において、請求項5に記載の構成を具備することによって、型枠兼用梁受け部材を安定して杭柱状体に支持させることができ、刃受け部が筒状部の下面を塞ぎ底型枠としても機能する。
さらにまた、本発明において、請求項6に記載の構成を具備することによって、筒状体と杭柱状体との間より漏れ出した充填材が外部に漏れだすことを防止することができる。
また、本発明において、請求項7に記載の構成を具備することによって、杭柱状体と筒状部との間に杭柱状体の上端部から充填材を充填でき、作業が容易であるとともに杭柱状体に型枠兼用梁受け部材を強固に取り付けることができる。
さらに、本発明において、請求項8に記載の構成を具備することによって、コンクリートの打設作業を一連の作業によって行うことができる。
本発明に係る杭支持構造物の構築方法は、請求項9に記載の構成を具備することによって、従来の型枠設置作業等を省略することができ、従来の工法に比べて施工工程を短縮することができ、効率よく杭支持構造物を構築することができる。また、この杭支持構造物は、杭柱状体に接合された型枠兼用梁受け部材間に既製梁部材を架設する構造であるため、杭柱状体間の距離のズレを既製梁部材の架設位置で調整することができる。
また、本発明において、請求項10に記載の構成を具備することによって、補強鉄筋を効率よく設置することができる。
また、本発明において、請求項11に記載の構成を具備することによって、杭柱状体と筒状部との間に上方から充填材を充填でき、作業が容易であるとともに杭柱状体に型枠兼用梁受け部材を強固に取り付けることができる。
さらに、本発明において、請求項12に記載の構成を具備することによって、充填材の充填作業をコンクリート打設作業と一連の作業によって行うことができる。
さらに、本発明において、請求項13に記載の構成を具備することによって、梁主筋と補強鉄筋との干渉を回避することができる。
本発明に係る杭支持構造物の一例を示す正面図である。 (a)は図1中の杭頭接合部の状態を示す平面図、(b)は同縦断面図である。 (a)は図1中の型枠兼用梁部材を示す平面図、(b)は同縦断面図である。 本発明に係る杭支持構造物の構築方法の手順を説明する図であって、杭柱状体の打設した状態を示す斜視図である。 (a)は図4中の杭柱状体の頭部を示す平面図、(b)は同縦断面図である。 同上の型枠兼用梁受け部材を設置した状態を示す斜視図である。 (a)は図6中の杭柱状体の頭部に設置された型枠兼用梁受け部材の状態を示す平面図、(b)は同縦断面図である。 同上の既製梁部材を設置した状態を示す斜視図である。 (a)は図8中の杭柱状体の頭部に設置された型枠兼用梁受け部材の状態を示す平面図、(b)は同縦断面図である。 (a)は図8中の杭柱状体の頭部に設置された型枠兼用梁受け部材の状態を示す平面図、(b)は同縦断面図である。 同上のコンクリート打設空間内にコンクリートを打設した状態を示す斜視図である。 本発明に係る杭支持構造物の他の一例を示す図であって、杭頭接合部の状態を示す縦断面図である。 (a)同上の杭柱状体の状態を示す平面図、(b)は同縦断面図である。
次に、本発明に係る杭支持構造物の実施態様を図1〜図3に示した実施例に基づいて説明する。尚、図中符号1は桟橋等の杭支持構造物、符号2は水底地盤、符号3は水面である。
杭支持構造物1は、図1に示すように、水底地盤2に打設された複数の鋼管杭等の杭柱状体4,4…と、杭柱状体4,4…に支持された鉄筋コンクリート造の梁部5とを備え、梁部5上に床版部6が形成され、梁部5と床版部6とで桟橋の上部工7を成している。
また、この杭支持構造物1は、図2に示すように、各杭柱状体4,4…の頭部に接合された型枠兼用梁受け部材8,8…と、隣り合う型枠兼用梁受け部材8,8間に架け渡されるプレキャストコンクリート製の既製梁部材9,9…と、杭柱状体4と既製梁部材9とを接合する場所打ちコンクリート部10とを備え、型枠兼用梁受け部材8,8…及び場所打ちコンクリート部10を介して各既製梁部材9,9…が連結されることによって格子状の梁部5が形成されている。
杭柱状体4は、鋼管杭やPHC杭等(本実施例では鋼管杭)であって、縦向きの中空筒状に形成され、各杭柱状体4,4…の頭部に型枠兼用梁受け部材8が接合される。
また、この杭柱状体4には、上端より所定の深さにコンクリート打設用の底型枠11が備えられている。
型枠兼用梁受け部材8は、図2及び図3に示すように、鋼材によって一体に形成され、杭柱状体4の頭部と嵌合する筒状部12と、筒状部12の外周に支持された一又は複数の梁受け部13,13…とを備えている。
筒状部12は、杭柱状体4の外径よりも大きく形成され、その上縁部より上向きに突出した支持部に一端が支持され、筒状部12より内側に張り出した複数の鉄筋支持体15,15…を備え、各鉄筋支持体15,15…が筒状部12周方向に間隔をおいて放射状に配置されている。
また、筒状部12は、その下面開口部と杭柱状体4,4…との間の隙間をゴム材等からなる封止部材16によって封止されている。
各鉄筋支持体15,15…は、筒状部12が杭柱状体4と嵌合した際に、杭柱状体4の内径より所定の長さだけ内側(中心側)に突出する長さに形成され、型枠兼用梁受け部材8が鉄筋支持体15,15…を介して杭柱状体4の上端面に支持されるようになっている。
また、各鉄筋支持体15,15…は、筒状部12が杭柱状体4と嵌合した際に、筒状部12の上縁部より上向きに突出した支持部に一端が支持されたことによって、杭柱状体4の上端が梁受け部13の下端より上側に位置するようになっている。
尚、本実施例では、複数の板状の鉄筋支持体15,15…を放射状に配置した例について説明したが、型枠兼用梁受け部材8を杭柱状体4の上端面に支持させることができ、補強鉄筋18を保持できるとともに杭柱状体4の上端部から充填材を注入できるように配置可能な形状のものであればよく、例えば、扇形状、その他の形状であってもよい。
また、各鉄筋支持体15,15…には、先端部に棒状の補強鉄筋18が上下に向けて貫通する補強鉄筋貫通孔17を備え、棒状の補強鉄筋18が鉄筋支持体15,15…を貫通し、杭柱状体4,4…とコンクリート打設空間19とに跨った配置に支持されている。
各補強鉄筋18は、外周面に雄ネジ部を備え、鉄筋支持体15,15…を貫通した補強鉄筋18の雄ネジ部に鉄筋支持体15,15…の上側でナット20を締め付けることによって、溶接を用いずに鉄筋支持体15に定着されている。
梁受け部13,13…は、筒状部12の上縁部に支持され、各梁受け部13,13間が周壁板21によって塞がれている。
そして、型枠兼用梁受け部材8の筒状部12が杭柱状体4の頭部に嵌め込まれるとともに、隣り合う型枠兼用梁受け部材8,8間に既製梁部材9が架設されることによって、既製梁部材9と型枠兼用梁受け部材8によって囲まれ、杭柱状体4内及び筒状部12と連通したコンクリート打設空間19が形成されるようになっている。
各梁受け部13,13…は、筒状部12の上縁に支持された平板状の底板部22と、底板部22の側縁に立ち上がった一対の側板部23,23とを備え、底板部22の下面が筒状部12の外周面に固定された支持体24によって支持されている。
既製梁部材9,9…は、予め工場等で製作され、鉄筋コンクリート造の直方体状に形成され、端部がそれぞれ隣り合う型枠兼用梁受け部材8,8の梁受け部13に嵌め込まれ、両型枠兼用梁受け部材8,8間に架け渡されている。
各既製梁部材9,9…には、所定の配置に梁主筋25,25が埋設され、梁主筋25,25の端部が既製梁部材9の端部より突出し、型枠兼用梁受け部材8内に配置されるようになっている。
この梁主筋25,25は、型枠兼用梁受け部材8内に配置された端部が機械継手等によって中継鉄筋26と連結され、各既製梁部材9,9…の梁主筋25,25が中継鉄筋26を介して連結されている。
場所打ちコンクリート部10は、高流動コンクリート等によって構成され、杭柱状体4の上方より高流動コンクリート等を打設することによって、コンクリート打設空間19、即ち、筒状部12と杭柱状体4との間の間隙、杭柱状体4内部及び型枠兼用梁受け部材8内に充填されている。
また、場所打ちコンクリート部10内には、鉄筋支持体15,15…に固定された補強鉄筋18及び中継鉄筋26を介して連結された既製梁部材9の梁主筋25,25端部が埋設され、杭柱状体4、型枠兼用梁受け部材8及び既製梁部材9が場所打ちコンクリート部10を介して剛的に接合されている。
次に、このように構成された杭支持構造物の構築方法について図4〜図11を基に説明する。
事前準備として、それぞれ工場又は製作ヤードにおいて型枠兼用梁受け部材8,8…及び既製梁部材9,9…を予め製作しておく。
施工現場においては、先ず、図4に示すように、所定の位置に杭柱状体4,4…を打設し、杭柱状体4,4…の下端部を水底地盤2に埋設するとともに、上端側を水面より突出した状態とする。
そして、各杭柱状体4,4…の打設が完了したら、図5に示すように、各杭柱状体4,4…の上端より所定の深さに底型枠11を設置する。
次に、型枠兼用梁受け部材8,8…をクレーン等で吊り上げ、各梁受け部13,13…の方向を調整しつつ、各杭柱状体4,4…の頭部に上方から下降させ、図6に示すように、筒状部12を杭柱状体4の頭部に嵌合させるとともに、鉄筋支持体15,15…を杭柱状体4の上端面に支持させ、型枠兼用梁受け部材8を杭柱状体4に仮支持させる。
そして、型枠兼用梁受け部材8の杭柱状体4への仮支持が完了したら、杭柱状体4と筒状部12下端開口との間を封止部材16によって封鎖する。
次に、図7に示すように、杭柱状体4と筒状部12との間の間隙に高流動コンクリート又はグラウト等の充填材27を充填し、杭柱状体4に型枠兼用梁受け部材8を固定する。尚、この作業は、場所打ちコンクリート部10を形成する際のコンクリート打設と同時に行ってもよい。
次に、既製梁部材9,9…をクレーン等によって吊り上げ、隣り合う各杭柱状体4,4…に接合された型枠兼用梁受け部材8,8間の上方に移動させ、図8に示すように、その位置で下降させて既製梁部材9の両端部をそれぞれ隣り合う型枠兼用梁受け部材8の梁受け部13,13に支持させ、各杭柱状体4,4…に接合された型枠兼用梁受け部材8,8間に既製梁部材9,9…を架設する。
そして、既製梁部材9,9…と梁受け部13,13…との隙間を必要に応じてグラウト等で埋め、コンクリート打設空間19を形成する。
また、図9に示すように、既製梁部材9,9…の端部より突出した梁主筋25,25の端部を機械継手等によって中継鉄筋26と連結し、各既製梁部材9,9…の梁主筋25,25を中継鉄筋26によって連結する。尚、図9(a)においては、便宜上、梁主筋25及び中継鉄筋26の図示を省略する。
次に、図10に示すように、各鉄筋支持体15,15…の補強鉄筋貫通孔17に補強鉄筋18を貫通させ、鉄筋支持体15,15…の上面側よりナット20を締め込み、補強鉄筋18を杭柱状体4内部とコンクリート打設空間19内に跨る配置に固定する。尚、図10(a)においては、便宜上、梁主筋25及び中継鉄筋26の図示を省略する。
そして、図2、図11に示すように、型枠兼用梁受け部材8の上方からコンクリート打設空間19内に高流動コンクリート等のコンクリートを打設し、杭柱状体4,4…内及び型枠兼用梁受け部材8,8…内に高流動コンクリート等のコンクリートを充填する。
そして、打設した高流動コンクリート等のコンクリートを養生・固化させることによって杭柱状体4,4…、型枠兼用梁受け部材8及び既製梁部材9,9…が場所打ちコンクリート部10を介して接合され、梁部5が形成される。また、鉄筋支持体15が筒状部12の上縁部より上向きに突出した支持部に一端が支持されたことによって、杭柱状体4の上端部は、所定の深さだけ梁部5に食い込んだ状態で一体化されている。
そして、プレキャストコンクリート床版又は場所打ちコンクリートによって床版部6を形成し、杭支持構造物1が構築される。
このように構成された杭支持構造物1は、型枠兼用梁受け部材8,8…がプレキャストコンクリート梁材9を支持するとともに、型枠を兼用することによって、従来の型枠設置作業を省略することができ、従来の工法に比べて施工工程を短縮することができ、効率よく杭支持構造物を構築することができる。
また、この杭支持構造物1は、杭柱状体4,4…に接合された型枠兼用梁受け部材8,8間に既製梁部材9を架設する構造であるため、杭柱状体4,4…間の距離のズレを既製梁部材9の架設位置で調整することができる。
さらに、この杭支持構造物1は、既製梁部材9,9…を型枠兼用梁受け部材8及び場所打ちコンクリート部10を介して杭柱状体4に接合させる構造であって、既製梁部材9と杭柱状体4との接合に必要な複雑な構成が不要であるので、既製梁部材9,9…の形状を単純化することができ、既製梁部材9の作成コストを低減することができる。
また、この杭支持構造物1は、筒状部12より内側に張り出した鉄筋支持体15,15…と、鉄筋支持体15,15…を貫通する補強鉄筋18とを備えることによって、効率よく補強鉄筋18を設置することができ、曲げモーメントに対抗する構造とすることができる。
さらに、補強鉄筋18の外周面にネジ部を備え、鉄筋支持体15,15…にナット20,20で定着されるようにすることによって、溶接レスを実現することができる。
さらにまた、型枠兼用梁受け部材8,8…が鉄筋支持体15,15…を介して杭柱状体4,4…の上端面に支持されるようにすることで、部品点数を少なくできる。
尚、上述の実施例では、型枠兼用梁受け部材8が鉄筋支持体15を介して杭柱状体4に支持される場合について説明したが、図12、図13に示すように、杭柱状体4の外周に突設された刃受け部30を有する支持部材31を備え、刃受け部30上に筒状部12が支持されるようにしたものであってもよい。尚、上述の実施例と同様の構成には同一符号を付して説明を省略する。
支持部材31は、鋼材によって形成され、杭柱状体4の外周面に固定された円環状の刃受け部30と、刃受け部30の周縁より立ち上がった周壁部32とを備え、杭柱状体4と周壁部32とが二重管構造を成している。
そして、型枠兼用梁受け部材8を設置する際には、筒状部12が杭柱状体4の外周面と周壁部32との間に挿入され、筒状部12の下端が刃受け部30に支持され、型枠兼用梁受け部材8が杭柱状体4に支持されるようになっている。
よって、この実施例では、鉄筋支持体15に負荷がかからず、型枠兼用梁受け部材8を安定して杭柱状体4に支持させることができるとともに、筒状部12の下端を刃受け部30で閉鎖することができる。
また、杭柱状体4の打設終了時の杭頭位置の高さ方向のずれを刃受け部30の設置位置を調整することで型枠兼用梁受け部材8を適正な位置に設置することが出来る。
また、支持部材31に周壁部32を設けたことによって、杭柱状体4と筒状部12との間隙に充填材27を充填する際、筒状部12の下端部より漏れ出た充填材27が周壁部32内に充填されるので、外部への漏れ出しを防止することができる。
尚、図12に示す実施例では、鉄筋支持体15,15…を設けずともよく、補強鉄筋18の設置を自由に行うことができる。
また、上述の実施例では、コンクリート製の既製梁部材を例に説明したが、既製梁部材は、鋼製等であってもよい。
1 杭支持構造物
2 水底地盤
3 水面
4 杭柱状体
5 梁部
6 床版部
7 上部工
8 型枠兼用梁受け部材
9 既製梁部材
10 場所打ちコンクリート部
11 底型枠
12 筒状部
13 梁受け部
15 鉄筋支持体
16 封止部材
17 補強鉄筋貫通孔
18 補強鉄筋
19 コンクリート打設空間
20 ナット
21 周壁板
22 底板部
23 側板部
24 支持体
25 梁主筋
26 中継鉄筋
27 充填材
30 刃受け部
31 支持部材
32 周壁部

Claims (13)

  1. 筒状の杭柱状体に上部工が支持されている杭支持構造物において、
    前記杭柱状体に支持された型枠兼用梁受け部材と、該型枠兼用梁受け部材間に架設される既製梁部材と、前記杭柱状体と前記既製梁部材とを接合する場所打ちコンクリート部とを備え、
    前記型枠兼用梁受け部材は、前記杭柱状体の頭部と嵌合する筒状部と、該筒状部の外周に支持された梁受け部とを備え、
    前記梁受け部は、前記既製梁部材の一端が載置される底板部と、該底板部の両側に立ち上がった側板部を備え、
    前記場所打ちコンクリート部は、前記既製梁部材と前記型枠兼用梁受け部材とに囲まれたコンクリート打設空間から前記杭状体の頭部に亘って打設されていることを特徴とする杭支持構造物。
  2. 前記筒状部より内側に張り出した鉄筋支持体と、該鉄筋支持体を貫通する補強鉄筋とを備え、該補強鉄筋が前記杭柱状体と前記コンクリート打設空間とに跨って配置されている請求項1に記載の杭支持構造物。
  3. 前記補強鉄筋は、外周面にネジ部を備え、前記鉄筋支持体にナットで定着されている請求項2に記載の杭支持構造物。
  4. 前記型枠兼用梁受け部材は、前記鉄筋支持体を介して前記杭柱状体の上端面に支持されている請求項2又は3に記載の杭支持構造物。
  5. 前記杭柱状体の外周に突設された刃受け部を有する支持部材を備え、前記刃受け部上に前記筒状部が支持される請求項1〜3の何れか一に記載の杭支持構造物。
  6. 前記支持部材は、前記刃受け部の周縁より立ち上がった周壁部を備え、前記筒状体が前記杭柱状体の外周面と前記周壁部との間に挿入されている請求項5に記載の杭支持構造物。
  7. 前記筒状部と前記杭柱状体との間に充填材が前記杭柱状体の上端部から充填されている請求項1〜6に記載の杭支持構造物。
  8. 前記充填材は、前記場所打ちコンクリート部を構成するコンクリートである請求項7に記載の杭支持構造物。
  9. 筒状の杭柱状体に上部工が支持されている杭支持構造物の構築方法において、
    前記杭柱状体の頭部と嵌合する筒状部と、該筒状部の外周に支持された梁受け部とを備えている型枠兼用梁受け部材を使用し、前記梁受け部には、前記上部工を構成する既製梁部材の一端が載置される底板部と、該底板部の両側に立ち上がった側板部とを備え、
    前記筒状部を前記杭柱状体の頭部に嵌合させて前記型枠兼用梁受け部材を前記杭柱状体に支持させた後、前記梁受け部に前記既製梁部材の一端を支持させ、しかる後、前記型枠兼用梁受け部材を型枠として、前記既製梁部材と前記型枠兼用梁受け部材とに囲まれたコンクリート打設空間から前記杭柱状体の頭部に亘ってコンクリートを打設し、前記杭柱状体と前記既製梁部材とを接合することを特徴とする杭支持構造物の構築方法。
  10. 前記筒状部より内側に張り出した鉄筋支持体を備え、前記型枠兼用梁受け部材を前記杭柱状体に支持させた後、該鉄筋支持体に補強鉄筋を貫通させた状態で定着し、該補強鉄筋を前記杭柱状体と前記コンクリート打設空間とに跨って配置する請求項9に記載の杭支持構造物の構築方法。
  11. 前記筒状部と前記杭柱状体との間隙に前記杭柱状体の上縁側から充填材を充填する請求項9又は10に記載の杭支持構造物の構築方法。
  12. 前記既製梁部材、前記側板部及び前記筒状部に囲まれたコンクリート打設空間から前記杭柱状体の頭部に亘ってコンクリートを打設するとともに記筒状部と前記杭柱状体との間に前記充填材としてコンクリートを充填する請求項11に記載の杭支持構造物の構築方法。
  13. 前記既製梁部材間に梁主筋を配置した後、前記補強鉄筋を前記鉄筋支持体に貫通させる請求項10〜12の何れか一に記載の杭支持構造物の構築方法。
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