JP6422084B2 - 地下空間構築方法 - Google Patents
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Description
このような地下空間の構築は、新築時には、比較的簡単に行うことができるが、既存の建物に対して、地下空間を形成することは、容易ではなかった。
そこで、既存の建物の下に地下空間を構築する地下空間構築方法が開発され、公知となっている。(特許文献1)(特許文献2)
さらに、特許文献2においては、既存建物を支持する杭を既存の建物の外周に打ち込むために、既存建物の下に設ける地下空間の大きさによっては、杭を利用して壁面を構築することができず、壁面用の杭をあらためて打ち込む必要があった。
また、既存の建物の下方に地下空間を形成したのちに、地下空間の上面に確実に既存の建物を支持しなくてはならないが、構築した地下空間の上面に既存の建物を支持するための埋め戻し等について考慮されている工法はなかった。
本願の請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、さらに、前記縦穴の壁面にコンクリートを打設する工程は、コンクリート打設のための型枠を既存建物の既存基礎及び/又は縦穴の壁面と型枠との間に突っ張り棒を配置して反力を取ることで組み立てることを特徴とする。
本願の請求項3に係る発明は、請求項1または2に係る発明において、さらに、前記横穴内に杭を打ち込み既存建物を支持する工程は、前記横穴の所定位置に複数本の杭を打ち込む工程と、打ち込んだ複数の前記杭間に梁を配置する工程と、前記梁の上面に束を配置する工程と、を備え、前記複数本の杭の上面、及び、前記束の上面により既存建物の既存基礎を支持することを特徴とする。
本願の請求項4に係る発明は、請求項1ないし3の何れかに係る発明において、さらに、前記横穴の壁面及び床面にコンクリートを打設する工程は、前記横穴の内周にコンクリートブロックを配置する工程を含むことを特徴とする。
本願の請求項5に係る発明は、請求項1ないし4の何れかに係る発明において、さらに、前記支持した既存建物の下を埋め戻す工程は、既存建物の下面に保持部材を配置する工程と、前記保持部材の上面にスラブコンクリートを打設する工程と、打設した前記スラブコンクリートと前記既存建物の下面との間に流動化処理土を充填する工程とを備えることを特徴とする。
本願の請求項6に係る発明は、請求項5に係る発明において、さらに、前記既存建物の下面に保持部材を配置する工程は、前記梁の上面に所定数のデッキプレートを配置する工程を備え、前記デッキプレートは、打設するスラブコンクリートの打設高さを有するオーバーフロー管を複数本を備える ことを特徴とする。
本願の請求項7に係る発明は、請求項6に係る発明において、さらに、前記デッキプレートは、充填する流動化処理土を充填する高さを有するオーバーフロー管を複数本を備えることを特徴とする。
本願の請求項2に係る発明によれば、コンクリート打設のための枠を支持するためにセパレータを使用する必要がないので、防水性に優れた地下空間を構築することができる。
本願の請求項3に係る発明によれば、既存建物を支持する杭は横穴内で必要な箇所に打設することができ、また、既存の建物の既存基礎を広く支持することができるので、地下空間の壁面を形成するための既存建物を支持する杭を地下空間の壁面を構築するための杭と兼用させることができ、また、既存建物を確実に支持することができる。
本願の請求項4に係る発明によれば、地下空間の壁面を地下の土面と空気層を介して配置することができるので、地下空間のコンクリート壁を断熱することができ、結露の発生を抑制することができる。
本願の請求項5に係る発明によれば、既存建物の下面と地下空間の上面との狭い空間を確実に埋め戻すことができる。
本願の請求項6に係る発明によれば、既存建物の下面と地下空間の上面との狭い空間を安全に埋め戻す際に、スラブコンクリートの打設完了を簡単に判断することができる。
本願の請求項7に係る発明によれば、既存建物の下面と地下空間の上面との狭い空間を安全に埋め戻す際に、流動化処理土の打設完了を簡単に判断することができる。
本発明に係る地下空間構築方法の一つの実施形態として、既存建物の下部にドライエリアを有する地下室を構築する地下室の構築方法を、図面を用いて詳細に説明する。
本実施形態の地下室の構築方法は、既存建物に隣接する領域に縦穴を掘削する工程と、掘削された縦穴から既存建物の下部に向かって横穴を掘削する工程と、横穴内に杭を打ち込み既存建物を支持する工程と、縦穴の壁面にコンクリートを打設する工程と、横穴の壁面及び床面にコンクリートを打設する工程と、支持した既存建物の下を埋め戻す工程と、を備えている。
なお、上記工程は、必ずしも記載した工程の順番で行うものではなく、コンクリートの養生等を考慮して適宜行うことができ、二つ以上の工程を並行して行うこともできる。
−ドライエリア山留及び逆杭打ち用H形鋼材杭打ち−
本実施形態の地下室の構築方法においては、既存建物1が立設する土地aの既存建物1に隣接する庭や駐車場等の領域b(図1(b))に、のちにドライエリア2を構築するための縦穴を掘削する(図1(a))。
縦穴を掘削するに先立って、前記領域bを囲むように適宜本数のH形鋼材杭41,42を打ち込む。本実施形態の地下室の構築方法においては、前記領域bの既存建物1に対向する辺に3本のH形鋼材杭41,41,41が打ち込まれていると共に、両側面にそれぞれ1本ずつのH形鋼材杭42,42が打ち込まれている。
ここで打ち込まれるH形鋼材杭41,42は、後述する壁面コンクリートの逆打ち用の杭となるものであり、打ち込まれるH形鋼材杭41,42は、既存建物1に対向する辺に対してウエブが平行となる向きに打ち込まれている。図1において、cは、のちに地下室となる領域を示す。
H形鋼材杭41,42が打ち込まれると、次に、図2(a),(b)に示すように、打ち込まれた複数のH形鋼材杭41,42の地上に突出する杭頭を、つなぎ鉄骨5により連結する。
各H形鋼材杭41,42の頭部を連結することで、複数のH形鋼材杭41,42を一体化して、縦穴の掘削時にH形鋼材杭41,42が縦穴内に倒れてくることを防止する。
つなぎ鉄骨5による連結は、例えば予めH形鋼をU字状に連結したものを打ち込まれている複数のH形鋼材杭41,42の頭部に対して溶接等の手段により接続してもよいが、前記領域bの既存建物1に対向する辺の3本のH形鋼材杭41,41,41に連結したつなぎ鉄骨に対して、後から両側のH形鋼材杭42,42に連結したつなぎ鉄骨を溶接して連結することでU字状のつなぎ鉄骨5とすることもできる。
前記領域b、すなわちつなぎ鉄骨5により一体化された複数のH形鋼材杭41,42の内側部分を含む複数のH形鋼材杭41,42の周辺領域d(図3(b))について、例えばユンボ等の掘削機械によって初期掘削を行う。初期掘削を行う深さD1は地盤の状況に応じて決定されるが、通常、グランドレベルから深さ1000〜1500mm程度まで縦穴21が形成される(図3(a))。
そして、図4(a),(b)に示すように、複数のH形鋼材杭41,42の外周には、例えばキーストンプレート等の矢板6,6が配置されて、掘削壁面から土砂が縦穴21内に崩れて侵入することを防止するとともに、矢板6,6の内側には、地下水が構築する地下空間に侵入することを防止する遮水シート(図示はない。)が貼り付けられる。
−横穴の掘削−
掘削された縦穴21の外周に矢板が配置され、土砂の崩れを防止した後、図5(a),(b)に示すように、縦穴21の一側面から既存建物1の下方に向かって、手堀り掘削等により横穴22を所定距離掘削する。そして、横穴22の高さ寸法より短い鋼管等からなる鋼管杭部材71を既存建物1の既存基礎11の下方位置にあわせて横穴22の底22aに配置する。図5(b)に示す実施形態では、鋼管杭部材71は、縦穴21からみて両側部に配置されている。
−既存基礎の下方位置での鋼管杭の打込み−
図6(a),(b)に示すように、横穴22の底22aに配置された鋼管杭部材71の上面と既存建物1の基礎の間に油圧式ジャッキ75を配置して鋼管杭部材71を横穴22の底22aに打ち込む。鋼管杭部材71の打設は、既存建物1の荷重を反力として行うことができるので、大型の杭打ち機等を用いることなく、油圧式ジャッキ等の比較的小型の機械により行うことができる。
油圧式のジャッキ75によって一本目の鋼管杭部材71が打ち込まれると、その上方に次の鋼管杭部材71を鞘管72等によって接続して鋼管杭7を形成し、再び鋼管杭7の上面と既存建物1の基礎の間に油圧式ジャッキ75を配置してさらに鋼管杭7を打ち込む。
なお、鋼管杭部材71の接続は溶接等の手段によって行うこともできる。
鋼管杭7の打設作業は、鋼管杭7が基礎地盤に到達するまで新たな鋼管杭部材71を接続することで繰り返される。
そして、油圧式ジャッキ75によって鋼管杭7を打ち込んだときに、鋼管杭7からの反力によって既存建物1が浮き上がることが確認されると、鋼管杭7の下端が比較的堅い基礎地盤に到達したと判断して、鋼管杭7の打設作業を完了する。
鋼管杭7の打設作業が完了した後に、図7(a)に示すように、打ち込んだ鋼管杭7の上部に油圧式ジャッキ75に代えて治具8を配置して、鋼管杭7の上面によって既存建物1の支持を行う。鋼管杭7の上部に配置される治具8は、図7(b)に示すように、鋼板81aの上面に複数の筒部81b,81bが固定された下部材81と、鋼板82aの下面に前記複数の筒部81b,81bに挿入可能なネジ棒82b,82bを備える上部材82とからなり、ネジ棒82b,82bにナット82c,82cを装着した状態でネジ棒82b,82bのナット82c,82cよりも下方部位を筒部81b,81bに挿入し、ナット82c,82cの位置を調節することにより、下部材81に対して上部材82が上下位置調節可能に支持されるように構成されている。
以上の手堀り掘削による横穴22の掘削、鋼管杭7の打設及び既存建物1の鋼管杭7による支持の作業は、横穴22が既存建物1の下面に形成する地下室に相当する広さに達するまで繰り返され、図8(a),(b)に示すように、横穴22内で基礎地盤に打ち込んだ複数の鋼管杭7,7・・及び治具8,8,・・によって、既存建物1の既存基礎11が支持される。
−ドライエリアの一次掘削−
横穴22内に打設した複数の鋼管杭7,7・・によって既存建物1の既存基礎11を支持した後に、縦穴21の掘削をグランドレベルの1800mm程度の深さD2に達するまで続けてドライエリア2の一次掘削を行う(図9(a))。なお、ドライエリア2の一次掘削は、横穴22の掘削及び既存建物1の鋼管杭7による支持の作業と並行して行うこともできる。
一次掘削後は、ドライエリア2の初期掘削工程と同様に、複数のH形鋼材杭41,42の外周に、例えばキーストンプレート等の矢板6,6が配置されて、掘削壁面から土砂が崩れて侵入することを防止するとともに(図9(b))、矢板6の内側には、地下水が地下空間に侵入することを防止する遮水シート(図示しない。)が貼り付けられる。
本実施形態においては、ドライエリア2の掘削を複数の掘削工程に分割しており、分割した掘削工程毎の高さが比較的低いので、大量の土砂が崩れ落ちる危険性は少なく、比較的の簡単な土留め手段により縦穴21内に土砂が崩れ落ちてくることを防止できる。
ドライエリア2における一次掘削(グランドレベル1800mm程度までの掘削)が完了したら、ドライエリア2の上方部位(一次掘削エリア)の壁面コンクリートの打設を行う。
本実施形態の地下室の構築方法において、ドライエリア2の構築は、複数の縦穴21の掘削工程により段階的に行い土砂の崩落を防止しながら行っていくが、さらに、各掘削工程毎で壁面コンクリートの打設を行う(逆打ち)ことにより、安全なドライエリア2の構築を行うことができる。
壁面コンクリートの打設に際して、図10(a)に示すように、ドライエリア2を囲むように打ち込まれた複数の逆打ち用H形鋼材杭41,42の内周側に鉄筋91を溶接し、該鉄筋91にキーストンプレート等の矢板6の内側に配置された壁配筋92を結束する。なお、逆打ち用H形鋼材杭41,42の内周側に溶接される鉄筋91の長さは200〜300mm程度が好ましい。
本実施形態の地下室の構築方法においては、ドライエリア2の構築を逆打ち工法により段階的に行うことで、一段の掘削工程の型枠95の配置高さを比較的低くおさえることができ、打設するコンクリートの反力を既存の基礎11と型枠95との間の突っ張り棒96や縦穴21の壁面21aと型枠95と間の突っ張り棒96など、比較的小規模な突っ張り棒で受けることができ、セパレータを用いることなく型枠95を組み立てることができる。
本実施形態の地下室の構築方法においては、型枠95の組み立てにセパレータを用いていないので、セパレータと打設されるコンクリートとの隙間から地下水が浸入するがなく、防水性を向上することができる。
−鋼管杭に対する鉄骨梁の取付、及び鉄骨梁による既存建物の支持−
ドライエリア2の上方部位へのコンクリートの打設が完了して、壁面コンクリートの養生を行っている期間に、ドライエリア2から見て(図9(b)、矢印E)横穴22の両側に打ち込まれた対向する鋼管杭7,7の上方部位間に溶接等により鉄骨梁78を取り付けて、鉄骨梁78によって既存建物1の中間部分を支持する。具体的には、取り付けた鉄骨梁78の上面と既存建物1の既存基礎11下面との間に、例えばH形鋼からなる束88を配置することで、既存建物1の中央位置を鉄骨梁78により支持することができる(図11)。
また、鋼管杭7への鉄骨梁78の固定や束88の配置等は、壁面コンクリートの養生を行っている期間に行うことができるので、工期の短縮を図ることが出来る。
−ドライエリアの二次掘削−
ドライエリア2の上方部位にコンクリート壁25を形成したら、続けてドライエリア2の下方部位の縦穴21の掘削(二次掘削)を行う(図12(a))。本実施形態の地下室の構築方法においては、二次掘削によりグランドレベル3500mm程度の深さD3まで掘削を行う。
ドライエリア2の下方部位の縦穴21の二次掘削が完了したら、一次掘削と同様に、複数のH形鋼材杭41,42の外周の壁面には、例えばキーストンプレート等の矢板6,6が配置されて、掘削壁面から土砂が崩れて侵入を防とともに、矢板6の内側には、地下水が地下空間に侵入することを防止する遮水シート(図示はない。)が貼り付けられる(図12(b))。
ドライエリア2の下方部位の縦穴21においても、ドライエリア2の上方部位の壁面コンクリートの打設工程と同様に、図10(b)に示すように、ドライエリア2を囲むように打ち込まれた複数の逆打ち用H形鋼材杭41,42の内周側に鉄筋91を溶接し、該鉄筋91にキーストンプレート等の矢板6の内側に配置された壁配筋92を結束する。
そして、H形鋼材杭41,42に溶接された鉄筋91に結束された壁配筋92の内側に型枠95を組み立てる。ドライエリア2の下方部位の縦穴21における型枠95の組み立ては、縦穴21の壁面21aと型枠95との間に突っ張り棒96を配置することにより行うことができる。
そして、ドライエリア2の上方部位と同様に、既存建物に隣接する領域に縦穴の壁面コンクリートが打設される。
ドライエリア2の壁面コンクリートの打設が完了し、コンクリート壁25を形成したら、図13(a)に示すように、既存建物1の下方の地下空間の横穴22の掘削を行う。横穴22の掘削は、ドライエリア2を形成した縦穴21から手堀り等によって行う。
−地下室の耐圧盤の形成−
横穴22の掘削が完了したら、横穴22の壁面の鋼管杭7,7の外周に矢板6を配置して土留めを行った後に、床面に遮水シートを敷き込み、地下室の床を形成する耐圧盤用の配筋を行う。配筋は、ドライエリア2及び地下室の床面の両領域に亘って行い、床面コンクリートを打設して耐圧盤26を形成する(図13(b))。
耐圧盤26を形成した後に、地下室の壁面にコンクリートを打設して、コンクリート壁27を形成する。図14(a)に示すように、横穴22の外周に配置された矢板6,6・・は、鋼管杭7,7の側面に溶接等により固定されたブラケット7b、7bに固定されており、矢板6,6・・の内周にブロックを配置し、さらにブロック61,61・・の内周には、防水ゴム等の遮水シート62が配置される。
遮水シート62の内周は、壁配筋92がなされたのち、壁配筋92の内側に型枠95が組み立てられる。型枠95の組み立ては、耐圧盤26に設けた固定用のブラケット等を用いることにより、セパレータを用いずに行うことができる。矢板6と組み立てた型枠95との間にコンクリートを打設したのち養生して、地下室(横穴22)のコンクリート壁27を形成する(図14(b))。
このように、矢板6,6・・と遮水シート62との間にブロック61,61が配置されることにより、地下と地下室内との間に断熱性に優れた空気層を形成することができ、コンクリート壁27を地下と断熱することができ、コンクリート壁27に結露が生じることを防止して、カビ等の発生を防ぐことができる。
なお、ブロックを使用するコンクリート壁の形成は、ドライエリアのコンクリート壁の形成にも採用することができる。
−スラブコンクリート打設−
地下室(横穴22)の耐圧盤26及びコンクリート壁27を形成したら、図15(a)(b)に示すように、鋼管杭7,7に固定した鉄骨梁78の上面にデッキプレート(保持部材)3,3・・を配置して、デッキプレート3,3・・の上面と既存建物1の下面との間にスラブ配筋97を行う。鉄骨梁78の上面に配置されたデッキプレート3,3・・には、図16(a)(b)に示すように、ドライエリア2からみて奥と中程と手前の3カ所に予め高さの異なる2種類のオーバーフロー管が取り付けられている。具体的には、奥から手前にかけて後述するスラブコンクリート打設用のコンクリートオーバーフロー管31a,31b,31cが取り付けられ、同様に奥から手前にかけて後述する流動化処理土打設用の処理土オーバーフロー管32a,32b,32cが取り付けられている。
コンクリートの打設だけでは、デッキプレート(保持部材)3の上面と既存基礎11との間の空間を十分に埋めて既存基礎11の全面を支持することはできない。
そこで、本実施形態の地下室の構築方法においては、スラブコンクリート28と既存基礎11との間を流動化処理土により充満させることで、硬化した流動化処理土により既存基礎11を支持して、既存基礎11の下面全体を支持できるようにしている。
流動化処理土の充填は、スラブコンクリート28の打設と同様に長さの異なる複数本の処理土搬送管を配管することにより行うことができる。
詳細な充填方法については、スラブコンクリートの打設と同様であるので、ここではその説明を省略する。
流動化処理土29の充填が完了したら、所定期間養生して流動化処理土29から水分を抜き、既存建物1と地下空間の上方部分との空間の埋め戻し作業を完了する(図19)。
また、縦穴21の掘削を段階的に行って、壁面コンクリートの打設を逆打ち工法により行うことで、ドライエリア2を安全に構築することができ、既存建物の下に安全に地下空間を形成することができる。
また、地下と地下空間の壁面との間にブロック配置しているので、地下空間のコンクリート壁の外周に空気層を形成することができ、コンクリート壁を地下から断熱して、結露を抑制することができる。
なお、本発明を構成する各工程の順番は、コンクリートの養生等の都合により適宜変更することができ、二つ以上の工程を並行して行うこともできる。
また、各工程に用いられる掘削方法やコンクリート打設方法等の各施工技術は、本実施形態の地下室の構築方法に開示された施工技術に限るものではなく、他の周知の施工技術を採用することができる。
11 :既存基礎
2 :ドライエリア
21 :縦穴
21a :壁面
22 :横穴
22a :底
25 :コンクリート壁
26 :耐圧盤
27 :コンクリート壁
28 :スラブコンクリート
29 :流動化処理土
3 :デッキプレート
5 :つなぎ鉄骨
6 :矢板
7 :鋼管杭
8 :治具
Claims (7)
- 地盤上に立設された既存建物の下部に空間を形成する構築方法であって、
前記既存建物に隣接する領域に縦穴を構築する工程と、
構築された前記縦穴から前記既存建物の下部に向かって横穴を構築する工程と、
前記横穴内に杭を打ち込み既存建物を支持する工程と、
前記縦穴の壁面にコンクリートを打設する工程と、
前記横穴の壁面及び床面にコンクリートを打設する工程と、
支持した前記既存建物の下を埋め戻す工程と、を備え、
前記縦穴の壁面にコンクリートを打設する工程は、コンクリートの逆打ちにより施工する
ことを特徴とする地下空間構築方法。 - 前記縦穴の壁面にコンクリートを打設する工程は、コンクリート打設のための型枠を既存建物の既存基礎及び/又は縦穴の壁面と型枠との間に突っ張り棒を配置して反力を取ることで組み立てる
ことを特徴とする請求項1に記載の地下空間構築方法。 - 前記横穴内に杭を打ち込み既存建物を支持する工程は、前記横穴の所定位置に複数本の杭を打ち込む工程と、打ち込んだ複数の前記杭間に梁を配置する工程と、前記梁の上面に束を配置する工程と、を備え、
前記複数本の杭の上面、及び、前記束の上面により既存建物の既存基礎を支持する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の地下空間構築方法。 - 前記横穴の壁面及び床面にコンクリートを打設する工程は、前記横穴の内周にコンクリートブロックを配置する工程を含む
ことを特徴とする請求項1ないし3の何れかに記載の地下空間構築方法。 - 前記支持した既存建物の下を埋め戻す工程は、既存建物の下面に保持部材を配置する工程と、前記保持部材の上面にスラブコンクリートを打設する工程と、打設した前記スラブコンクリートと前記既存建物の下面との間に流動化処理土を充填する工程とを備える
ことを特徴とする請求項1ないし4の何れかに記載の地下空間構築方法。 - 前記既存建物の下面に保持部材を配置する工程は、前記梁の上面に所定数のデッキプレートを配置する工程を備え、前記デッキプレートは、打設するスラブコンクリートの打設高さを有するオーバーフロー管を複数本を備える
ことを特徴とする請求項5に記載の地下空間構築方法。 - 前記デッキプレートは、充填する流動化処理土を充填する高さを有するオーバーフロー管を複数本を備える
ことを特徴とする請求項6に記載の地下空間構築方法。
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