以下、図面を用いて実施形態を説明する。
図1は、施工管理システムの一実施形態を示す。図1に示した施工管理システムSYSは、コンピュータ装置100、データ記憶装置200および携帯通信端末機300を有する。コンピュータ装置100およびデータ記憶装置200は、有線または無線を介して、ネットワークNWに接続される。また、携帯通信端末機300は、通信事業者が提供する移動体の無線通信網を介して、ネットワークNWに接続される。なお、セキュリティを考慮した場合、データ記憶装置200は、ネットワークNWに直接接続されていなくてもよい。
ここで、図1に示したコンピュータ装置100は、事業者毎に配置されることが好ましい。また、図1に示したデータ記憶装置200は、コンピュータ装置100と独立に設置されるが、コンピュータ装置100に含まれてもよい。また、図1に示した携帯通信端末機300は、2以上の複数でもよく、各作業員に配布されることが好ましい。
コンピュータ装置100は、プロセッサ等の演算処理装置等の制御部130、およびハードディスク装置等の記憶部140を含む。コンピュータ装置100は、有線または無線を介して、入力装置110や出力装置120に接続される。入力装置110は、キーボード110aやマウス110b等が挙げられる。また、出力装置120は、LCD(liquid crystal display)等のディスプレイ120aやプリンタ120bが挙げられる。また、コンピュータ装置100は、API(Application Programming Interface)150を有している。API150は、例えばコンピュータ装置100、データ記憶装置200及び携帯通信端末機300の間でアプリケーションサービスである施工管理システムSYSを共有するためのインターフェースである。したがって、コンピュータ装置100が、コンピュータ装置100、データ記憶装置200および携帯通信端末機300を含む施工管理システムSYSを管理する。
制御部130は、記憶部140に記憶されるプログラムを実行することで、データ管理部160や更新部170の機能を有する。なお、これら機能は、API150に基づくものである。制御部130は、これら機能を実行することで、データ記憶装置200に対して、各現場に設置される部材の登録や変更等の設定を行い、設定した各部材の図面や機器表等のデータをデータ記憶装置200にアップロードする。
データ管理部160は、後述するデータ記憶装置200のデータベース230に記憶される機器データ230a、進捗データ230b及び管理データ230cと、後述するデータ記憶装置200のファイルサーバ240に記憶されるファイル群270との整合性を保つ処理(ファイル連携処理)を行う。具体的には、データ管理部160は、後述するデータ記憶装置200のデータベース230に記憶される管理データ230cを読み出し、機器データ230a、進捗データ230b、管理データ230c及びファイル群270のリビジョン管理を行う。したがって、リビジョン管理されたデータやファイルは、1つのまとまり(リレーション)として識別される。例えば、これらデータやファイルに変更があったときには、データ管理部160は、機器データ230a、進捗データ230bの他、ファイル群270に含まれる関連するデータを抽出し、出力装置の一例であるディスプレイ120aや、複数の携帯通信端末機300の表示部310の各々に表示する。これにより、関連するデータの更新漏れを防ぐことができ、施工品質や作業効率を高めることができる。
更新部170は、データ更新の際に、複数の携帯通信端末機300やコンピュータ装置100からの入力の排他制御を行う処理と、機器データ230a、進捗データ230b、管理データ230c及びファイル群270の1つのまとまりの単位でのリビジョンコードを渡す処理を行う。更新部170は、変更がなければその更新を受け付け、変更があればアラートを表示する。これにより、完了した作業に影響があるかを確認できるようになっている。
データ記憶装置200は、制御部210、記憶部220、データベース230、ファイルサーバ240を有する。データ記憶装置200は、1つのファイルサーバ240にて構成してもよいし、PaaS(Plattform as a Service)のストレージサービスにて構成してもよい。いずれの場合にも、データベース230に記憶されるデータ類と、ファイルサーバ240に記憶されるデータ類とは個別に管理される。なお、データ記憶装置200は、コンピュータ装置100から受信したデータを進捗データ230bとして格納するにあたり、データに含まれる日時を示す時間情報を参照し、データの時間情報に基づく順序で進捗データ230bを編集する編集機能を有する。
制御部210は、記憶部220に記憶される管理プログラム(図示省略)を実行することで、コンピュータ装置100により登録等の設定指示された機器のデータに基づいて、データベース230内に格納された機器データ230a、進捗データ230b及び管理データ230cを更新する。なお、管理プログラムは、本実施形態の施工管理システムSYSを構築するためのアプリケーションに付随したプログラムである。また、制御部210は、コンピュータ装置100から受信した、設定した部材の図面や機器表等のデータを、現場に応じてファイルサーバ240にファイル群270の一部として格納する。さらに、制御部210は、携帯通信端末機300から受信した、各部材の施工状況を示すデータに基づいて、データベース230に格納された進捗データ230bを更新する。
なお、コンピュータ装置100の制御部130が直接、データ記憶装置200のデータベース230やファイルサーバ240を制御してもよく、そのときはデータ記憶装置200に制御部210や記憶部220を設けなくてもよい。
図2に示すように、上述したファイル群270は、リビジョン番号毎に該当するリビジョン番号が付与された機器の図面ファイル、機器表ファイル、仕様書ファイルおよび画像ファイル等を含む。図面ファイルおよび機器表ファイルは、CADのソフトウェアで作成されたデータ、またはBIM(Building Information Modeling)のソフトウェアで作成されたBIM形式またはCSV(Comma Separated Value)形式等のデータをまとめたものである。仕様書ファイルは、各機器の仕様書を示すPDF(Portable Document Format)形式等のデータをまとめたものである。また、画像ファイルは、施工状況に応じて携帯通信端末機300により撮影された機器等の画像データをまとめたものである。
上述した図面ファイル、機器表ファイル、仕様書ファイルおよび画像ファイル等の各々は、機器番号と対応付けされる。これにより、コンピュータ装置100および携帯通信端末機300は、所望の機器の図面データや機器表データ等を、データ記憶装置200から取得できる。
これら図面ファイル(又は図面データ)、機器表ファイル(又は機器表データ)および仕様書ファイル(又は仕様書データ)等は、工事を受注した事業者のコンピュータ装置100だけでなく、機器等を設計や製造する事業者のコンピュータ装置100がアップロードしてもよい。これにより、データ記憶装置200は、新たな機器の登録や変更等に応じて、図面ファイル(又は図面データ)、機器表ファイル(又は機器表データ)および仕様書ファイル(又は仕様書データ)等を迅速に取得できる。
図1に戻って、データベース230は、機器等の部材を特定する情報が機器データ230aとして現場毎に格納する。また、データベース230は、各部材の施工状況を示す情報が進捗データ230bとして現場毎に格納する。
ファイルサーバ240は、機器表ファイル、仕様書ファイル、図面ファイル、画像ファイル等をまとめたファイルを現場毎にまとめたファイル群270として格納する。
携帯通信端末機300は、スマートフォンやタブレット型端末機等であり、表示部310、入力部320、通信部330、制御部340、記憶部350及びデータ記憶部360を有する。
表示部310は、液晶等のディスプレイであり、制御部340の制御指示に基づいて取得された部材情報や、データ記憶装置200から受信したデータ、および更新された各部材の施工状況等を表示する。また、表示部310は、入力部320を構成する撮像装置320aにより撮影された画像を表示する。
入力部320は、撮像装置320a、読取装置320bおよび入力装置320cを含む。撮像装置320aは、CCD(Charge Coupled Devices)またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子である。例えば、撮像装置320aは、作業員(ユーザ)による携帯通信端末機300の操作により、部材に付けられたQRコード(登録商標)などの2次元コードを撮像し、撮像した各種コードの画像データを制御部340に出力する。
また、撮像装置320aは、作業員による携帯通信端末機300の操作により、部材の施工状況を表す画像(施工中の部材を含む画像)を撮像し、撮像した画像に基づく画像データを携帯通信端末機300が有するメモリ等の記憶部(図示省略)に記憶する。
読取装置320bは、部材に付けられた通信タグとの間で無線通信(詳細には、通信タグからの電波を受信する)を行って、通信タグの情報を読み取る装置である。読取装置320bは、読み取った情報を制御部に出力する。なお、通信タグとしては、例えばRFID(radio Frequency identifier:登録商標)で使用されるRFタグが挙げられる。
入力装置320cは、例えば表示部310の前面に配置されるタッチパネルや、携帯通信端末機が有する操作ボタンなどが挙げられる。入力装置320cは、作業員による入力操作を受け付け、受け付けた指示を制御部340に出力する。
なお、上述した入力部320として撮像装置320aや読取装置320b等を有する携帯通信端末機300を例に挙げているが、撮像装置や読取装置は、携帯通信端末機300に設ける必要はなく、例えば撮像装置や読取装置は、携帯通信端末機と別体とし、Bluetooth(登録商標)などの無線通信を用いて、携帯通信端末機300とデータの送受信してもよい。
通信部330は、入力装置320cが受け付けた作業員の指示に基づいて、ネットワークNWおよび通信事業者の無線通信を介して、施工状況を示すデータを含む信号をデータ記憶装置200から受信する。一方、通信部330は、入力装置320cが受け付けた作業員の指示に基づいて、通信事業者の無線通信およびネットワークNWを介して、更新された各部材の施工状況や、撮影された画像等のデータを含む信号を、データ記憶装置200に送信する。通信部330は、送信部および受信部の一例である。
制御部340は、プロセッサ等であり、携帯通信端末機300の記憶部350に記憶されたプログラム(図示省略)を実行することで、携帯通信端末機300の各要素を制御する。例えば、制御部340は、作業員による入力装置320cの操作により入力された指示に応じて、データ記憶装置200から部材の施工状況等を示すデータを受信する。また、制御部340は、更新した部材の施工状況や、撮像装置320aにより撮影された画像等のデータをデータ記憶装置200に送信する。なお、記憶部350に記憶されるプログラムは、本実施形態の施工管理システムSYSを構築するためのアプリケーションに付随したプログラムである。該プログラムは、携帯通信端末機300の記憶部350に予め記憶してもよいし、コンピュータ装置100にネットワークNWを介して接続したことを受けて、コンピュータ装置100からダウンロードしてもよい。
また、制御部340は、プログラムを実行することにより、取得部340aおよび更新部340bとして動作する。取得部340aは、例えば、データ記憶装置200から受信した各部材の施工状況を示すデータを取得する。また、取得部340aは、作業員による入力装置320cの入力操作に基づき撮像装置320aを起動して、部材に付けられる1次元コードや2次元コードを撮像装置320aに撮影させる。取得部340aは、撮影された2次元コードの画像を撮像装置320aから取得し、取得した画像を解析することで部材の機器番号や設置される場所等の部材情報を取得する。なお、取得部340aは、撮像装置320aと協働して動作する。これにより、作業員は、機器等の部材に着けられた銘盤等に刻印された機器番号等を参照して入力することがないため、携帯通信端末機300は、作業員による入力間違いを回避でき、機器番号等の部材情報を正確に取得できる。
更新部340bは、取得部340aが取得した部材情報と、データ記憶装置200から受信したデータと、作業員による入力装置320cの入力操作とに応じて、データ記憶装置200から受信した各部材の施工状況を示すデータを更新する。
データ記憶部360は、データベース360a及びファイル格納領域360bを有し、非通信環状下でも機器データ230aや進捗データ230bを参照できる。なお、データ記憶部360は、全てのファイル群を記憶させておいてもよいし、使用するファイル群のみを記憶させておいてもよい。例えば、使用するファイル群のみを記憶させる場合には、作業員は、施工の前日などに施工現場や施工業務に必要なファイルを携帯通信端末機300にダウンロードしておけばよい。
上述した制御部340は、通信部330の動作に基づいて、ネットワークNWとの間における無線通信の通信状態を監視する機能を有する。すなわち、現場における通信状態は、作業員が作業する場所(例えば、地下等)に応じて、大きく変化する。制御部340は、例えば、通信部330が受信する無線通信の電波の受信強度を通信部330から取得し、取得した受信強度が所定値以下、すなわち通信状態が悪い場合、携帯通信端末機300とネットワークNWとの間の通信が確立していないと判定する。この場合、制御部340は、更新部340bに対して更新した進捗テーブルDT(図6参照)および機器の画像等のデータの送信を見合わせる。一方、制御部340は、受信強度が所定値より大きい、すなわち通信状態が良い場合、作業員に対して通信が確立していると判定する。この場合、制御部340は、作業員による入力部320が有する入力装置320cの入力操作に基づいて、更新した進捗テーブルDTおよび画像等のデータをデータ記憶装置200に送信する。
図3は、図1に示したコンピュータ装置100に接続されるディスプレイ120aに表示される設定画面の一例を示す。設定画面SDは、ユーザによる入力装置110の入力操作に応じて、ディスプレイ120aに表示される画面である。なお、この設定画面SDは、コンピュータ装置100の制御部130が記憶部140に記憶されるプログラムを実行することにより表示される。以下、空調設備の設置に関する設定画面SDを例に説明するが、建築物の施工等、他の施工時に関する設定画面であっても同様である。
設定画面SDは、一例として、項目「機器分類」、項目「機器番号」、項目「設置場所」、項目「発注」、項目「仕様チェック」、項目「納品」、項目「運搬」、項目「設置」、項目「送電」、項目「試験」および項目「確認」等の複数の項目と、各項目毎に割り当てられた格納領域とを含む。ここで、各項目毎の格納領域は、項目「機器分類」又は項目「機器番号」の数に合わせて設けられる。なお、図2に示した設定画面SDが有する項目は一例であり、項目の数および項目の内容は、現場に応じて適宜決定されることが好ましい。
項目「機器分類」の各格納領域には、空調設備等の機器の種類を示す情報が格納される。図3では、例えば、パッケージ化された機器を示す“PAC”が格納される。また、項目「機器番号」の各格納領域には、機器を識別する情報(例えば、“PAC-1-1”等)が格納される。また、項目「設置場所」の各格納領域は、“階数”と“エリア”との格納領域とを含み、機器毎に設置される場所を示す情報(例えば、“1階”および“事務室1”等)が格納される。
項目「発注」の各格納領域には、機器毎に発注されたことを示す印(例えば、“済”等)、発注された日付、および発注した担当者の名前(例えば、“Bさん”等)の情報が格納される。また、項目「仕様チェック」の各格納領域には、機器毎に発注前または納品後に仕様が確認されたことを示す印、確認された日付、および確認した担当者の名前の情報が格納される。また、項目「納品」の各格納領域には、機器毎に納品されたことを示す印、納品された日付、および納品を確認した担当者の名前の情報が格納される。また、項目「運搬」の各格納領域には、機器毎に設置される場所に運搬されたことを示す印、運搬された日付、および運搬した担当者の名前が格納される。
また、項目「設置」の各格納領域には、機器毎に設置されたことを示す印、設置された日付、および設置した担当者の名前の情報が格納される。また、項目「送電」の各格納領域には、機器毎に送電されたことを示す印、送電された日付、および送電した担当者の名前の情報が格納される。また、項目「試験」の各格納領域には、機器毎に試験されたことを示す印、試験された日付、および試験した担当者の名前の情報が格納される。また、項目「確認」の各格納領域には、機器毎に最終的な確認がされたことを示す印、確認された日付、および確認した担当者の名前の情報が格納される。
例えば、工事を受注した事業者と機器を製造する事業者等との間の打ち合わせに基づいて、現場で設置される機器の機器表、機番、仕様および設計図面等が決定される。工事を受注した事業者は、コンピュータ装置100を用いて決定した機器を登録する。例えば、コンピュータ装置100は、工事を受注した事業者の担当者による入力装置110の入力操作に応じて、決定した機器毎に設定画面SDの入力行を選択する。コンピュータ装置100は、担当者による入力装置110の入力操作に基づいて、選択した入力行の機器分類、機器番号および設置場所の格納領域のそれぞれに、機器の種類、機器を識別する情報、および設置される場所の階数とエリアとを入力し登録する。そして、コンピュータ装置100は、登録された機器のデータをデータ記憶装置200に送信し、登録の処理を終了する。
なお、図3に示した設定画面SDでは、コンピュータ装置100は、登録の処理の後に、別の担当者(すなわち“Bさん”)による入力装置110の入力操作に基づいて、機器番号“PAC-1-1”、“PAC-1-2”および“PAC-2-1”の発注の指示を受けたことを示す。すなわち、コンピュータ装置100は、設定画面SDにおいて、発注された機器番号“PAC-1-1”、“PAC-1-2”および“PAC-2-1”の発注の格納領域の各々に、発注されたことを示す“済”の印、発注された日付および発注した担当者の名前を格納する。そして、コンピュータ装置100は、発注された機器のデータをデータ記憶装置200に送信し、発注の処理を終了する。
図4(a)は、図1に示すデータ記憶装置200のデータベース230に記憶される機器データ230aの一例、図4(b)は、図1に示すデータ記憶装置200のデータベース230に記憶される進捗データ230bの一例を示したものである。
図4(a)に示した機器データ230aは、項目「ID(Identification)」、項目「Rev(Revision)」および項目「機器番号」等の複数の項目と、各項目毎に割り当てた格納領域とを有する。項目「ID」の格納領域には、データ記憶装置200が、例えば、コンピュータ装置100から受信した機器のデータに基づいて、登録された順序で機器に割り当てる識別番号(ID番号)を格納する。また、項目「Rev」の格納領域には、データ記憶装置200が、リビジョン管理のためのリビジョン番号を格納する。
例えばコンピュータ装置100にて新たに機器のデータを登録したときには、データ記憶装置200はコンピュータ装置100から受信した機器のデータに基づいて、項目「Rev」の格納領域に“1”を格納する。また、データ記憶装置200は、受信した機器のデータに含まれる機器番号を、項目「機器番号」の格納領域に格納する。
図4(a)においては、機器データ230aは、項目「ID」、項目「Rev」および項目「機器番号」のみを示しているが、実際には、これら項目の他に、属性情報などの項目を含む。なお、属性情報とは、機器の形式や名称、機種変更や追加などの情報である。
図4(b)に示すように、進捗データ230bは、ログデータであり、項目「連番」、項目「日時」、項目「機器ID」、項目「進捗」、項目「組織」および項目「担当」等の複数の項目と、各項目毎に割り当てた格納領域とを有する。項目「連番」の格納領域は、機器を登録したときに生成されるデータに対して、データの生成日時の早い順に付与される番号(例えば1,2,3,・・・)を格納する。なお、項目「連番」の格納領域に格納される番号は、データが生成された日時の遅い順に付与してもよい。
また、項目「日時」の格納領域は、機器が登録された日時や、該機器の施工状況(発注等)が更新された日時等を格納する。また、項目「機器ID」の格納領域は、登録された機器に対して割り当てた識別番号を格納する。なお、登録された機器が同一の機器となる場合、項目「機器ID」の各格納領域に格納される識別番号と、機器データ230aの項目「ID」の各格納領域に格納される識別番号とは同一である。
項目「進捗」の格納領域は、機器の施工状況を示す情報(例えば、“登録”、“発注”、“仕様チェック”、“納品”、“運搬”、“設置”、“送電”、“試験”および“確認”等)を格納する。また、項目「組織」の格納領域は、送信元のコンピュータ装置100または携帯通信端末機300が属する事業者を示す情報(例えば、“A会社”等)を格納する。また、項目「担当」の格納領域は、登録するデータをデータ記憶装置200に送信した担当者の名前(例えば、“Yさん”や“Bさん”等)を格納する。
次に、ファイル連携処理について説明する。ファイル連携処理は、設定した各部材の例えば機器表、仕様書、図面および画像などのデータをデータ記憶装置200に新規にアップロードする場合に実行される。
アップロードされるデータのうち、機器表、仕様書、図面のデータは、PDF形式のデータ(以下、PDFデータ)であり、画像データはJPEG形式のデータ(以下、JPEGデータ)である。PDFデータは、フォント埋め込み処理済みのPDFデータが好ましい。なお、フォント埋め込み処理済みのPDFデータでないPDFデータを用いる場合には、アップデートされるデータに対して光学的文字認識(OCR)処理を自動的に行い、フォント埋め込み処理済みのPDFデータに変換してもよい。
上述したデータのうち、機器表データや図面データが新たにアップロードされた場合、コンピュータ装置100の制御部130は、これらデータから文字情報を読み出し、ファイル名や機器番号が含まれているか否かを確認する。そして、読み出した文字情報にファイル名や機器番号が含まれている場合に、コンピュータ装置100の制御部130は、機器表データや図面データのデータ名、読み出されたファイル名や機器番号の他、これらデータが格納された格納場所(パス)とを管理データ230cに登録する。なお、格納場所(パス)の情報は、データをアップロードしたときに、データ記憶装置200からコンピュータ装置100に送信される。
また、仕様書データが新たにアップロードされた場合、コンピュータ装置100の制御部130は、これらデータから文字情報を読み出し、ファイル名や機器番号が含まれているか否かを確認する。そして、読み出した文字情報にファイル名や機器番号が含まれている場合には、コンピュータ装置100の制御部130は、仕様書データのデータ名、読み出されたファイル名や機器番号の他、仕様書データが格納された格納場所(パス)とを管理データ230cに登録する。
また、画像データが新たにアップロードされた場合、コンピュータ装置100の制御部130は、画像データに付帯されたメタデータを読み出し、メタデータ中に機器番号が含まれているか否かを確認する。そして、メタデータに機器番号が含まれている場合に、コンピュータ装置100の制御部130は、画像データのデータ名、読み出された機器番号の他、データの格納場所(パス)を管理データ230cに登録する。
図5(a)に示すように、例えば3種類の機器表データ(「機器表1.pdf」、「機器表2.pdf」、「機器表3.pdf」)をデータ記憶装置にアップデートするとき、コンピュータ装置100は、各機器表データから文字情報を読み出し、データ内容(機器番号やデータ名)を取得する。例えば、「機器表1.pdf」から得られる機器番号は、“PAC-1-1”、“PAC-1-2”、“PAC-1-3”、“PAC-1-4”、“PAC-1-5”である。また、「機器表2.pdf」から得られる機器番号は、“PAC-2-1”、“PAC-2-2”、“PAC-2-3”、“PAC-2-4”、“PAC-2-5”である。また、「機器表3.pdf」から得られる機器番号は、“PAC-3-1”、“PAC-3-2”、“PAC-3-3”、“PAC-3-4”、“PAC-3-5”である。
なお、図5(a)においては記載していないが、コンピュータ装置100は、これら機器表データのデータ名と、データ記憶装置200のファイルサーバ240の格納場所(パス)の情報を取得している。コンピュータ装置100のデータ管理部160は、これら情報を用いて、データ記憶装置200のデータベース230に記憶された管理データ230cを作成または更新する。
図5(b)は、機器表データに基づいて作成される管理データの一例を示す。以下、機器表データに基づいて作成した管理データについて説明するが、機器表データ、仕様書データ、図面データおよび画像データの各データ毎の管理データを作成してもよいし、機器表データ、仕様書データ、図面データおよび画像データを一括で管理できるように、1つの管理データを作成してもよい。
図5(b)に示すように、管理データ230cは、項目「データID」、項目「Rev(Revision)」、項目「パス」、項目「データ名」、項目「データ内容」と、各項目毎に割り当てた格納領域とを有する。項目「データID」の格納領域には、設定した各部材の図面や機器表等のデータをデータ記憶装置200にアップロードしたときに、ファイルサーバ240に生成されるファイル群270に対して割り当てた識別番号が格納される。また、項目「Rev」の格納領域は、リビジョン管理の為のリビジョン番号を格納する。項目「パス」の格納領域は、機器表データが記憶される場所を示すパス名を、項目「データ名」の格納領域は、機器表データのデータ名を格納する。さらに、項目「データ内容」の格納領域は、機器表データから読み出した文字情報に含まれるファイル名や機器番号を格納する。
上述した管理データ230cが作成されると、コンピュータ装置100のデータ管理部160は、作成された管理データ230cに基づいて機器データ230aや進捗データ230bを作成または更新する。図5(c)に示すように、例えば3個の機器表データ「機器表1.pdf」、「機器表2.pdf」及び「機器表3.pdf」を登録した時には、各データに含まれるデータ内容(詳細には機器番号)の各々に機器IDが割り振られる。この場合、機器番号「PAC-1-1」から「PAC-1-5」に対して、機器ID「1」から「5」が割り振られる。また、機器番号「PAC-2-1」から「PAC-2-5」に対して、機器ID「6」から「10」が割り振られる。さらに、機器番号「PAC-3-1」から「PAC-3-5」に対して、機器ID「11」から「15」が割り振られる。その結果、機器データ230a、進捗データ230b及び管理データ230cと、ファイル群270とが連携される(関連付けられる)。
上述したファイル連携処理は、設定した各部材の例えば機器表、仕様書、図面および画像(写真)などのデータをデータ記憶装置200に新規にアップロードする場合の他、機器表、仕様書、図面および画像などのうち、変更したデータをアップロードする場合にも実行される。
図6を用いて、変更した機器表データをアップロードする場合について説明する。この場合、コンピュータ装置100のデータ管理部160は、データ記憶装置200のデータベース230から管理データ230cを読み出し、アップロードする機器表データのデータ名が、管理データ上の機器表データのデータ名として存在しているか否かを確認する。例えばアップロードする機器表データのデータ名が管理データ上の機器表データのデータ名として存在している場合には、データ管理部160は、機器データ230a、進捗データ230bの他、ファイル群270に含まれる関連するデータを抽出し、対象となる機器表データの変更が必要であるか否かを示すアラート表示を、出力装置の一例であるディスプレイ120aに表示する。
例えば、入力装置110によって、対象となる機器表データの変更が必要であることを示す操作が行われた場合、コンピュータ装置100のデータ管理部160は、新規にデータをアップロードする場合と同様に、アップロードの対象となる機器表データから文字情報を読み出し、機器番号の情報を取得する(図6(a)参照)。図6(a)では、機器表データから読み出された機器番号の情報が、“PAC-1-1”、“PAC-1-2”、“PAC-1-3”、“PAC-1-4”、“PAC-1-5”である場合を示す。
コンピュータ装置100のデータ管理部160は、変更した機器表データに基づいて、データ記憶装置200のファイルサーバ240に記憶されるファイル群のうち、変更される前の機器表データと同一のリビジョン番号が割り当てられた仕様書、図面および画像データを複製し、これらデータと変更された後の機器表データ(再度登録された機器表データ)とに対してリビジョン番号「2」を割り当てた状態でデータ記憶装置200のファイルサーバ240に格納する。
そして、コンピュータ装置100のデータ管理部160は、読み出された機器番号の情報に対応するデータの格納場所を、データ記憶装置200から取得し、機器番号及び機器表データのデータ名と、アップロードした機器表データの格納場所(パス)と、新たに登録する。図6(b)においては、データIDが「6」となる列の情報が、変更した機器表データをアップロードしたときに管理データ230cに追加されている。この場合、コンピュータ装置100のデータ管理部160は、変更した機器表データに対するリビジョン番号として「2」を割り振る。
このとき、コンピュータ装置100のデータ管理部160は、管理データ230cの更新だけでなく、機器データ230aの更新を行う。つまり、コンピュータ装置100のデータ管理部160は、データ記憶装置200のデータベース230に記憶された機器データ230aを読み出し、更新された管理データ230cに基づいて、機器データ230aの更新を行う。図6(c)においては、機器IDが「16」から「20」となる列の情報が追加されている。図示は省略するが、同様にして、コンピュータ装置100のデータ管理部160は、データベース230の進捗データ230bの更新を行う。
したがって、機器データ230a、進捗データ230b及び管理データ230cと、ファイルサーバ240のファイル群とが、変更される前の機器表データと、変更された後の機器表データとの各々に対して連携されていることになる。したがって、変更された機器表データがアップロードされたときに、作業者が地下などの通信状態が悪い環境下で作業している場合、アップロードされることでリビジョン番号が「2」に変更されることになるが、作業者が有する携帯通信端末機300では、リビジョン番号「1」に連携されたデータを参照して作業を行うことができる。なお、変更された機器表データがアップロードされたときには、進捗データ230bを更新する際に、変更された機器表データがアップロードされたことを示す表示を携帯通信端末機300に表示させることも可能である。
さらに、ファイル連携処理は、機器データ230aを変更する場合にも実行される。図7(a)に示すように、機器ID「1」が割り当てられた機器の仕様が変更され、機器ID「6」が割り当てられた機器が追加された場合を示す。
この場合、コンピュータ装置100のデータ管理部160は、機器データ230aの変更に際して、進捗データ230b及び管理データ230c、ファイル群270に含まれる関連するデータを抽出する。そして、対象となる機器の変更が必要であるか否かを示すアラート表示や、新たに追加された機器のデータが無いことを示すアラート表示を、出力装置の一例であるディスプレイ120aに表示する。
コンピュータ装置100の入力装置において、上記アラート表示に対する入力を行った後、以下の処理を行う。まず、変更した機器表データを登録する処理を行う。図7(b)に示すように、機器表データは、機器ID「1」が割り当てられた機器の仕様が変更され、機器ID「6」が割り当てられた機器が追加されたものである。したがって、機器表データから、機器番号の情報として、“PAC-1-1’”、“PAC-1-2”、“PAC-1-3”、“PAC-1-4”、“PAC-1-5”、“PAC-1-6”が取得される。
コンピュータ装置100のデータ管理部160は、変更した機器表データに基づいて、データ記憶装置200のファイルサーバ240に記憶されるファイル群のうち、変更される前の機器表データと同一のリビジョン番号が割り当てられた仕様書、図面および画像データを複製し、これらデータと変更された後の機器表データ(再度登録された機器表データ)とに対してリビジョン番号「2」を割り当てた状態でデータ記憶装置200のファイルサーバ240に格納する。
そして、コンピュータ装置100のデータ管理部160は、読み出された機器番号の情報に対応するデータの格納場所を、データ記憶装置200から取得し、機器番号及び機器表データのデータ名と、アップロードした機器表データの格納場所(パス)と、新たに登録する。図7(c)においては、データIDが「6」となる列の情報が、変更した機器表データをアップロードしたときに管理データ230cに追加されている。この場合、コンピュータ装置100のデータ管理部160は、変更した機器表データに対するリビジョン番号として「2」を割り振る。
このとき、コンピュータ装置100のデータ管理部160は、管理データ230cの更新だけでなく、機器データ230aの更新を行う。つまり、コンピュータ装置100のデータ管理部160は、データ記憶装置200のデータベース230に記憶された機器データ230aを読み出し、更新された管理データ230cに基づいて、機器データ230aの更新を行う。図7(d)においては、機器IDが「16」から「21」となる列の情報が追加されている。図示は省略するが、同様にして、コンピュータ装置100のデータ管理部160は、データベース230の進捗データ230bの更新を行う。
したがって、進捗データ230b及び管理データ230cと、ファイルサーバ240のファイル群270とが、変更される前の機器データ230aと、変更された後の機器データ230aとの各々に対して連携されていることになる。この場合も、機器データ230aが変更されたときに、作業者が地下などの通信状態が悪い環境下で作業している場合、リビジョン番号が「2」に変更されることになるが、作業者が有する携帯通信端末機300では、リビジョン番号「1」に連携されたデータを参照して作業を行うことができる。なお、機器データ230aが変更されたときには、進捗データ230bを更新する際に、機器データ230aが変更されたことを示す表示を携帯通信端末機300に表示させることも可能である。
図5から図7においては、ファイルサーバ240に機器表データを追加、変更する場合のファイル連携処理を説明している。ファイル連携処理においては、機器表データを追加、変更する機器番号を追加、変更するだけでなく、機器データ230aに対してID番号、機器番号の削除などを行う場合が挙げられる。
図8(a)及び図8(b)に示すように、例えば入力装置110により機器ID「2」を削除する操作が行われた場合、該操作に基づく処理が行われる。例えば、機器ID「2」に対応する機器番号は、機器番号“PAC-1-2”から機器番号“PAC-1-3”に変更されている。また、機器データ230aでは、機器番号が変更されると、変更前の機器番号と変更後の機器番号とに同一の機器IDを付し、リビジョン番号のみが更新される。つまり、図8(b)に示すように、機器ID「2」の場合には、変更前の機器番号“PAC-1-2”に対してはリビジョン番号「1」、変更後の機器番号“PAC-1-3”に対してはリビジョン番号「2」が付されている。ここで、機器ID「2」を削除する操作が行われた場合、最新のリビジョン番号であるリビジョン番号「2」に対応する機器番号“PAC-1-3”に付された機器ID「2」が削除される(図8(b)3行目)。また、同時に、リビジョン番号「1」に対応する機器番号“PAC-1-2”に付された機器ID「2」も削除される(図8(b)2行目)。
その後、図8(c)に示すように、入力装置110により機器ID「5」として登録された機器番号“PAC-2-2”を機器番号“PAC-2-3”に変更する操作が行われると、例えば機器ID「5」に対する機器番号として“PAC-2-3”が追加され、最新のリビジョン番号である「4」が付される(図8(c)に示す機器データ230aの7行目)。このとき、新たに機器番号“PAC-2-2”を追加すると、機器番号“PAC-2-2”に対して、機器ID「6」が付され、また、リビジョン番号「4」が付される(図8(c)に示す機器データ230aの8行目)。
その後、図8(d)に示すように、入力装置110によって、機器番号“PAC-2-3”を削除する操作が行われると、機器番号“PAC-2-2”及び“PAC-2-3”に付された機器ID「5」が、機器データ230aから削除される(図8(d)に示す機器データ230aの6,7行目)。
このような処理を行った後の機器データ230aにおいては、機器ID「1」,機器ID「3」,機器ID「4」及び機器ID「6」のみが有効な機器IDとなる。しかしながら、機器データ230aにおいては、機器ID「2」及び機器ID「5」については、過去に機器番号を登録した後に機器ID又は機器番号を削除した機器IDであるか、機器番号が元々、登録されていない機器IDであるかは判別は可能であるが、見た目上の判別は難しい。したがって、本実施形態においては、上記判別を容易にするために、例えば削除フラグを用いる。なお、削除フラグは、入力装置110により機器ID又は機器番号を削除する操作が行われていない場合(例えば機器番号の追加、変更を行う場合)には「0」を付し、上記削除する操作が行われ他場合「1」を付す。
図9は、図8(a)から図8(d)に示す処理を行った後の機器データ230aの一例を示す。図9に示すように、機器ID「2」を削除する処理が行われた場合、機器ID「2」に対して、リビジョン番号「3」、削除フラグ「1」を機器データ230aに登録する(図9に示す機器データ230aの4行目)。また、機器番号“PAC-2-3”を削除する処理が行われた場合、機器ID「5」に対して、リビジョン番号「5」、削除フラグ「1」を機器データ230aに登録する(図9に示す機器データ230aの9行目)。
このように、削除フラグを機器データ230aに登録することで、過去に機器番号を登録した後に機器ID又は機器番号を削除した機器IDであるか、機器番号が元々、登録されていない機器IDであるかを容易に判別することが可能となる。なお、図9において、機器データに登録された機器IDに対するデータを全て取得する場合、機器ID「1」、機器ID「3」、機器ID「4」及び機器ID「6」に機器番号に連携されるデータを取得することが可能となる。ここで、機器ID又は機器番号を削除する場合、対応する機器ID及び最新のリビジョン番号に対応する機器番号に削除フラグ「1」が付されるが、このとき、機器番号に対応するファイルサーバ240のファイル群270は削除してもよいし、そのまま記憶させておいてもよい。
次に、施工管理システムSYSにおける設定処理について、図10に示すフローチャートに基づいて説明する。施工管理システムSYSにおける処理は、コンピュータ装置100の制御部130が記憶部140に記憶されたプログラムを実行することにより実現される。なお、図10に示した処理は、コンピュータ装置100に搭載されるハードウェアにより実現されてもよい。また、図10に示した処理は、機器の登録等の設定処理に限定されず、機器の変更等の設定処理に対しても適用できる。
ステップS101では、コンピュータ装置100は、担当者による入力装置110(例えばキーボード110aやマウス110b等)の操作に基づいて、新規現場の登録指示を受け付ける。コンピュータ装置100は、例えば、新規現場における設定画面SDをディスプレイ120aに表示する。そして、コンピュータ装置100は、ネットワークNWを介して、新規現場の登録指示を含む信号をデータ記憶装置200に送信する。データ記憶装置200は、受信した登録指示に基づいて、新規現場の機器データ230a、進捗データ230bをデータベース230に設定する。同時に、データ記憶装置200は、新規現場に基づくファイル群270をファイルサーバ240に設定する。
ステップS102では、コンピュータ装置100は、新規現場の設定画面SDを用いて、担当者による入力装置110の操作に応じて、新規現場に設置される機器を登録する。例えば、コンピュータ装置100は、担当者による入力装置110の入力操作により、登録する機器毎に設定画面SDの入力行を選択する。コンピュータ装置100は、担当者による入力装置110の入力操作に基づいて、選択した入力行の機器分類、機器番号および設置場所の格納領域のそれぞれに、機器の種類、機器の識別情報、および設置される場所の階数とエリアとを入力する。そして、コンピュータ装置100は、登録された機器のデータを含む信号を、データ記憶装置200に送信する。
そして、データ記憶装置200は、図4(a)に示すように、コンピュータ装置100から受信したデータに基づいて、機器データ230aのIDの格納領域に、登録された順序で各機器に割り当てた識別番号を、Revの格納領域にリビジョン管理のための番号“1”を、機器番号の格納領域に受信したデータに含まれる機器番号をそれぞれ格納する。また、データ記憶装置200は、図4(b)に示すように、コンピュータ装置100から受信したデータに含まれるデータが生成された日時に基づいて、進捗データ230bの連番の格納領域に機器が登録された順序で“1”からの番号を格納する。また、データ記憶装置200は、受信したデータに含まれるデータが生成された日時を、日時の格納領域に格納し、機器データ230aのIDの格納領域に基づいて、受信したデータに含まれる機器に対して割り当てた識別番号を、機器IDの格納領域に格納し、“登録”を進捗の格納領域に格納する。また、データ記憶装置200は、受信したデータに含まれる送信元のコンピュータ装置100が属する事業者として“A会社”を、組織の格納領域に格納し、受信したデータに含まれるデータを送信した担当者として“Yさん”を、担当の格納領域に格納する。
ステップS103では、コンピュータ装置100は、ステップS102で登録された機器の図面および仕様書等のデータをデータ記憶装置200にアップロードする。そして、データ記憶装置200は、アップロードされたデータをファイルサーバ240のファイル群270に格納する。
ステップS104では、コンピュータ装置100は、データ記憶装置200への接続を許可する担当者や作業員を設定する。
施工管理システムSYSは、設定処理を終了する。そして、施工管理システムSYSは、新規現場の登録、機器の変更や追加等の指示を受ける度に、ステップS101からステップS104の処理を実行する。
図11は、図1に示したデータ記憶装置200と携帯通信端末機300との間で送受信される進捗テーブルDTの一例を示す。進捗テーブルDTは、例えば、携帯通信端末機300がデータ記憶装置200に進捗データ230bの送信を要求することにより、データ記憶装置200が機器データ230aおよび進捗データ230bを連動させることで生成される。そして、データ記憶装置200は、生成した進捗テーブルDTを携帯通信端末機300に送信する。進捗テーブルDTは、第1データの一例である。
図11に示した進捗テーブルDTは、図4(b)に示した進捗データ230bと同様に、ログデータであり、連番、日時、Rev、機器番号、進捗、組織および担当の格納領域を有する。連番の格納領域には、図4(b)に示した進捗データ230bの連番の格納領域にされた番号が格納される。また、日時の格納領域には、進捗データ230bの日時の格納領域に格納された日時が格納される。また、Revの格納領域には、進捗データ230bの機器IDの格納領域に格納された識別番号に対応した機器データ230aにおけるリビジョン番号が格納される。また、機器番号の格納領域には、進捗データ230bの機器IDの格納領域に格納された識別番号に対応した機器データ230aにおける機器番号が格納される。また、進捗の格納領域には、進捗データ230bの進捗の格納領域に格納された施工状況が格納される。また、組織の格納領域には、進捗データ230bの組織の格納領域に格納された事業者が格納される。また、担当の格納領域には、進捗データ230bの担当の格納領域に格納された担当者の名前が格納される。
図12は、図11に示した進捗テーブルDTに基づく図1に示した携帯通信端末機300の表示部310が表示する表示画面370の一例を示す。図12(a)は、進捗テーブルDTに基づく表示部310の表示画面370を示す。図12(b)は、作業員による入力部320が有する入力装置320cの入力指示で選択された機器の詳細なデータを表示する表示部310の表示画面370を示す。
図12(a)に示すように、携帯通信端末機300は、“資機材”とする画面のタイトル371と、受信した進捗テーブルDTに基づいて機器毎の進捗状況を示すアイコン372、機器番号および設置場所の一覧とを表示部310の表示画面370に表示する。また、携帯通信端末機300の表示部310の表示画面370は、各機器の詳細情報を表示する表示画面に移行するアイコン373を、機器毎に表示する。なお、表示部310の表示画面370は、機器の一覧を一度に表示できない場合、作業員による入力部320が有する入力装置320cの入力操作により、表示画面370を上下にスクロールして、機器の一覧を表示することが好ましい。
また、携帯通信端末機300は、例えば、機器の詳細情報の表示から図12(a)に示した表示に戻るためのホーム釦BHMを、表示部310の表示画面370の下端領域に表示する。また、携帯通信端末機300は、1次元コード又は2次元コードの他、機器等を撮影するためのカメラ釦BCMと、進捗の更新を実行するための更新釦BUDと、いずれの現場のデータを表示させるかを設定する設定釦BSTとを、表示部310の表示画面370の下端領域に表示する。
図12(b)に示すように、携帯通信端末機300は、例えば、作業員による入力部320が有する入力装置320cの入力操作により、機器番号が“PAC-1-1”のアイコン373が選択された場合、“資機材詳細”とする画面のタイトル371と、機器番号“PAC-1-1”の詳細情報とを表示部310の表示画面370に表示する。表示部310の表示画面370が表示する詳細情報は、例えば、機器を製造した事業者におけるメーカー型番を示すMODEL“ABC20EF”、機器番号“PAC-1-1”、設置場所“1階事務室1”および進捗状況を示すSTATUS“発注済”である。そして、携帯通信端末機300は、作業員による入力部320が有する入力装置320cの入力操作によりホーム釦BHMが押された場合、図12(a)に示した表示画面370を表示部310に表示する。
図13から図16は、図1に示した携帯通信端末機300における施工管理の処理の一例を示す。図13から図16に示した処理は、携帯通信端末機300の制御部340が、作業員による入力部320が有する入力装置320cの入力操作に基づいて、記憶部350に記憶されたプログラムを実行することにより実現される。すなわち、図13から図16に示した処理は、施工管理方法の一実施形態である。なお、図13から図16に示した処理は、携帯通信端末機300に搭載されるハードウェアにより実現されてもよい。また、図13から図16に示した処理は、図10に示した処理により、現場の情報が既にデータ記憶装置200に設定されているものとする。
ステップS201では、制御部340は、データ記憶装置200にアクセスするためのログイン画面を表示部310に表示する。制御部340は、作業員による入力部320が有する入力装置320cの入力操作に基づいて、作業員のアカウントおよびパスワードを取得する。制御部340は、通信部330を介して、取得したアカウントおよびパスワードを含む信号を、コンピュータ装置100に送信する。取得したアカウントおよびパスワードを含む信号は、ネットワークNWを介してコンピュータ装置100に送信される。なお、ステップS201は、携帯通信端末機300において、施工管理に係るアプリケーションサービスを実行するために必要な処理である。コンピュータ装置100は、携帯通信端末機300から受信した信号を受け付けると、該信号に含まれるアカウントおよびパスワードを用いた認証処理を行う。認証処理を行って、受信したアカウントおよびパスワードを含む信号が予め登録されているアカウントおよびパスワードであれば、コンピュータ装置100は、データ記憶装置200と携帯通信端末機300との通信を確立する処理を実行する。コンピュータ装置100が有するAPI150により、データ記憶装置200と携帯通信端末機300との通信を確立する処理が終了すると、コンピュータ装置100は、データ記憶装置200と携帯通信端末機300との通信が確立されたことを示す信号を携帯通信端末機300に出力する。これにより、コンピュータ装置100とデータ記憶装置200との間でアプリケーションを構築することができる。
一方、上述した認証処理において、受信した信号に含まれるアカウントまたはパスワードのいずれか一方が、予め登録されているアカウントおよびパスワードに一致しないときには、コンピュータ装置100は、受信したアカウント又はパスワードが一致していないことを示す信号(言い換えれば、ログインできないことを示す信号)を、携帯通信端末機300に送信する。
ステップS202では、制御部340は、通信部330が受信する無線通信の電波の受信強度に基づいて、通信が確立しているか否かを判定する。受信強度が所定値より大きく通信が確立している場合、携帯通信端末機300の処理は、ステップS203に移る。一方、受信強度が所定値以下で通信が確立していない場合、携帯通信端末機300は、受信強度が所定値より大きく通信が確立するまで、ステップS202の判定処理を繰り返し実行する。
ステップS203では、制御部340は、作業員による入力部320が有する入力装置320cの入力操作に基づいて、図11に示した進捗テーブルDTをデータ記憶装置200から取得する。例えば、制御部340は、データ記憶装置200から最新の進捗テーブルDTを取得するか否かを示す画面を表示部310に表示する。制御部340は、作業員による入力部320が有する入力装置320cの入力操作に基づいて、取得する指示を受けた場合、進捗テーブルDTの取得要求を含む信号を、通信部330を介してデータ記憶装置200に送信する。そして、データ記憶装置200は、携帯通信端末機300から受信した取得要求の信号に基づいて、機器データ230aおよび進捗データ230bを連動させて、図11に示した進捗テーブルDTを生成する。データ記憶装置200は、生成した進捗テーブルDTを携帯通信端末機300に送信する。
ステップS204では、制御部340は、ステップS203で取得した進捗テーブルDTに基づいて、進捗テーブルDTに含まれる現場の一覧を表示部310に表示する。制御部340は、作業員による入力部320が有する入力装置320cの入力操作に基づいて、作業員が作業する現場を選択する。
ステップS205では、制御部340は、データ記憶装置200との間で通信が確立したか否かを判定する。制御部340は、通信部330が受信する無線通信の電波の受信強度に基づいて、通信が確立しているか否かを判定する。受信強度が所定値より大きく通信が確立している場合、携帯通信端末機300の処理は、ステップS206に移る。一方、受信強度が所定値以下で通信が確立していない場合、携帯通信端末機300は、受信強度が所定値より大きく通信が確立するまで、ステップS205の判定処理を繰り返し実行する。
ステップS206では、制御部340は、選択された現場に基づいた物件データをデータ記憶装置200から取得する。詳細には、制御部340は、選択された現場に基づいた物件データを取得要求する信号を、データ記憶装置200に送信する。データ記憶装置200の制御部210は、データベース230から選択された現場に紐付けされた機器データ230aを読み出すとともに、ファイルサーバ240に格納されたファイル群270から、選択された現場に紐付けされたファイルに含まれるデータを読み出す。制御部210は、読み出した機器データ230aや、選択された現場に紐付けされたファイルに含まれるデータを物件データとして携帯通信端末機300に送信する。
ステップS207では、制御部340は、ステップS204で選択された現場に設置される機器の一覧に関して、図12(a)に示した表示画面370を表示部310に表示する。
ステップS208では、制御部340は、作業員による入力部320が有する入力装置320cの入力操作により機器の詳細情報を表示するアイコン373のいずれかが選択され、選択された機器の詳細情報を表示する指示を受けたか否かを判定する。制御部340が詳細情報を表示する指示を受けたときには、携帯通信端末機300の処理は、ステップS224に移る。一方、制御部340が詳細情報を表示する指示を受けていないときには、携帯通信端末機300の処理は、ステップS209に移る。
ステップS209では、制御部340は、図12(a)に示した表示画面370において、作業員による入力部320が有する入力装置320cの入力操作により更新釦BUDが選択され、施工状況を更新する指示を受けたか否かを判定する。制御部340が更新の指示を受けたときには、携帯通信端末機300の処理は、ステップS210に移る。一方、制御部340が更新の指示を受けていないときには、携帯通信端末機300の処理は、ステップS207に戻る。
ステップS210では、制御部340は、作業員による入力部320が有する入力装置320cの入力操作により、連続読取モードを実行する指示を受けたか否かを判定する。ここで、連続読取モードとは、例えば業者から複数の機器が搬入された場合に、複数の機器をまとめて登録する場合に使用されるモードである。したがって、連続読取モードを実行した場合には、作業者は、携帯通信端末機300を用いて、複数の機器の各々に付けられた2次元コードを複数連続して、又は複数のIDタグの情報を連続して読み取る動作を行う。制御部340が連続更新モードを実行する指示を受けたときには、携帯通信端末機300の処理は、ステップS211に移る。一方、制御部340が連続読取モードを実行する指示を受けていないときには、携帯通信端末機300の処理は、ステップS229に移る。
ステップS211では、制御部340は、記憶部350に記憶されたプログラムを読み出して、連続読取モードに係る処理を実行する。制御部340は、例えば撮像装置320a、又は読取装置320bを駆動する。
ステップS212では、制御部340は、機器の情報を取得するため、撮像装置320a又は読取装置320bを起動する。そして、取得部340aは、例えば撮像装置320aを用いて作業員により撮影された機器の2次元コードの画像を取得し、取得した画像を解析することにより機器の機器番号や設置場所等の部材情報を取得する。一方、読取装置320bを起動したときには、機器に付けられた通信タグとの間で通信を行い、機器の情報を取得する。取得部340aは、取得した情報から機器の機器番号や設置場所等の部材情報を取得する。そして、制御部340は、図17(a)に示した画面のように、取得した機器の部材情報を表示部310に表示する。
図17(a)に示すように、表示部310は、“読み取り結果”とするタイトル371とともに、取得部340aが取得した機器の機器番号と設置場所との部材情報を表示する。また、表示部310は、作業員による入力部320が有する入力装置320cの入力操作に基づいて、取得部340aが部材情報を取得した機器に対する施工状況の更新を実行する更新釦374を表示する
ステップS213では、制御部340は、作業員による入力部320が有する入力装置320cの入力操作を受けて、表示部310に表示された機器の部材情報を、更新リストに追加する。なお、更新リストに追加する処理は、表示部310の表示画面に設けられた更新リストへの追加を示す釦(図示省略)を操作することで実行される。
ステップS214は、制御部340は、作業員による入力部320が有する入力装置320cの入力操作が、機器に付けられた2次元コードの撮影を終了する旨の操作であれば、携帯通信端末機300の処理は、ステップS215に移る。一方、機器に付けられた2次元コードの撮影を終了する旨の操作が行われていないときには、携帯通信端末機300の処理は、ステップS212に戻る。
ステップS215では、制御部340は、作業員による入力部320が有する入力装置320cの入力操作に基づき更新釦374が選択されることにより、図17(a)に示した画面から図17(b)に示した画面に表示部310の表示を切り替える。図17(b)に示した画面は、“進捗”のタイトル371と、“発注”、“仕様チェック”、“納品”、“運搬”、“設置”、“送電”、“試験”および“確認”の各々の進捗を示す項目と、更新釦374とを含む。そして、制御部340は、図17(b)に示した画面において、作業員による入力部320が有する入力装置320cの入力操作に基づいて進捗の項目を選択させ、選択された進捗の項目を示す印375(例えば、レ点等)を表示する。
ステップS216では、制御部340は、図12(a)に示した画面において、作業員による入力部320が有する入力装置320cの入力操作により更新釦BUDが選択され、施工状況を更新する指示を受けたか否かを判定する。制御部340が更新の指示を受けた場合、携帯通信端末機300の処理は、ステップS220に移る。一方、制御部340が更新の指示を受けていない場合、携帯通信端末機300の処理は、ステップS217に移る。
ステップS217では、制御部340は、作業員による入力部320が有する入力装置320cの入力操作が更新リストに追加した情報の更新予約の指示であれば、携帯通信端末機300の処理はステップS218に移る。一方、作業員による入力部320が有する入力装置320cの入力操作が更新リストに追加した情報の更新予約の指示でないときには、携帯通信端末機300の処理はステップS207に移る。
ステップS218では、制御部340は、作業員による入力部320が有する入力装置320cの入力操作に基づいて、更新リストに追加した情報の更新を行うための更新時刻を設定する。なお、更新時刻のデータは、記憶部350に記憶される。
ステップS219では、制御部340は、制御部340に内蔵された電子時計機能における時刻がステップS218において設定された更新時刻と一致するときには、携帯通信端末機300の処理は、ステップS220に進む。一方、制御部340に内蔵された電子時計機能における時刻がステップS218において設定された更新時刻と一致しないときには、携帯通信端末機300の処理は、ステップS219の処理が引き続き実行される。
ステップS220では、更新部340bは、図17(b)に示した画面において、作業員による入力部320が有する入力装置320cの入力操作により更新釦374が選択され、後述するステップS226で部材情報が取得された機器の施工状況を、ステップS215で選択された項目の進捗に更新する。
すなわち、更新部340bは、表示部310の表示を図17(c)に示した画面に切り替え、機器番号“PAC-1-1”のアイコン372を“発注”から“納品”に更新する。また、更新部340bは、図11に示した進捗テーブルDTの7行目に、更新した情報を追加する。
また、制御部340は、更新を実行した後、作業員に対して更新した機器の施工状況を示す画像を、撮像装置320aを用いて撮影させてもよい。制御部340は、例えば、作業員に対して更新した機器の施工状況を示す画像や、機器に接続された配線や配管等の周囲を示す状況の画像を撮影させる撮影指示のメッセージを表示部310に表示し、取得部340aは、撮像装置320aで撮影された画像を取得する。制御部340は、更新された進捗テーブルDTとともに撮影された画像を、データ記憶装置200に送信する。そして、データ記憶装置200は、受信した画像をファイル群270の画像ファイルに格納する。これにより、携帯通信端末機300は、機器の施工状況の更新される度に、作業員に対して更新された機器の画像を撮影させるメッセージを表示することで、施工状況毎の画像の取り忘れを防止することができる。また、データ記憶装置200が施工状況の更新毎に画像を取得することにより、施工管理システムSYSは、施工状況を示す書類の作成および整理を、従来と比べて容易に行うことができる。
なお、機器の施工状況を示す画像を撮影させるメッセージのデータは、機器の種類、設置場所および施工状況に応じて決定され、データ記憶装置200のファイル群270に予め格納されることが好ましい。そして、携帯通信端末機300は、ステップS203の処理で進捗テーブルDTとともに、メッセージのデータを取得することが好ましい。
図18は、図1に示した更新部340bにより更新された進捗テーブルDTの一例を示す。例えば、進捗テーブルDTの7行目には、連番の格納領域に“7”が格納され、日時の格納領域に更新した日時“2017/9/3 11:00”が格納され、Revの格納領域に“1”が格納される。また、機器番号の格納領域に“PAC-1-1”が格納され、進捗の格納領域に“納品”が格納され、組織の格納領域に更新した作業員が所属する事業者を示す“C会社”が格納され、担当の格納領域に更新した作業員の名前“Kさん”が格納される。更新部340bは、更新した進捗テーブルDTを、通信部330を介してデータ記憶装置200に送信する。更新した進捗テーブルDTは、第2データの一例である。
そして、データ記憶装置200は、携帯通信端末機300から更新された進捗テーブルDTを受信した場合、図4(b)に示した進捗データ230bを更新する。
図19は、図1に示したデータ記憶装置200が図18に示した進捗テーブルDTに基づいて更新した進捗データ230bの一例を示す。すなわち、進捗データ230bの7行目の連番の格納領域に“7”が格納され、日時の格納領域に“2017/9/3 11:00”が格納され、機器IDの格納領域に“1”が格納される。また、進捗データ230bの7行目の進捗の格納領域に“納品”が格納され、組織の格納領域に更新した作業員が所属する事業者を示す“C会社”が格納され、担当の格納領域に更新した作業員の名前“Kさん”が格納される。
なお、データ記憶装置200の進捗データ230bが更新されることにより、図1に示したコンピュータ装置100の出力装置120に表示される設定画面SDは、図20に示すように更新されることが好ましい。
図20は、更新された設定画面SDの一例を示す。図20に示した設定画面SDでは、機器番号“PAC-1-1”の納品の格納領域には、納品されたことを示す印“済”、納品された日付“2017/9/3”、および納品を確認した担当者の名前“Kさん”が格納される。
ステップS221では、制御部340は、データ記憶装置200との間で通信が確立したか否かを判定する。制御部340は、通信部330が受信する無線通信の電波の受信強度に基づいて、通信が確立しているか否かを判定する。受信強度が所定値より大きく通信が確立している場合、携帯通信端末機300の処理は、ステップS222に移る。一方、受信強度が所定値以下で通信が確立していない場合、携帯通信端末機300は、受信強度が所定値より大きく通信が確立するまで、ステップS221の判定処理を繰り返し実行する。
ステップS222では、更新部340bは、ステップS217で更新した進捗テーブルDTおよび撮影された画像等のデータを、通信部330を介してデータ記憶装置200に送信する。そして、データ記憶装置200は、携帯通信端末機300からの更新された進捗テーブルDTに基づいて、進捗データ230bを更新する。
ステップS223では、制御部340は、作業員による入力部320が有する入力装置320cの入力操作に基づいて、施工管理の処理を終了する指示を受けたか否かを判定する。施工管理の処理を終了する指示を受けていない場合、携帯通信端末機300の処理は、ステップS207に移る。一方、施工管理の処理を終了する指示を受けた場合、携帯通信端末機300は、処理を終了する。そして、携帯通信端末機300は、作業員による入力部320が有する入力装置320cの入力操作に基づいて、プログラムが実行される度に、図13から図16に示す処理を実行する。
なお、図13から図16に示した処理では、携帯通信端末機300は、ステップS203の処理において、進捗テーブルDTをデータ記憶装置200から取得したが、ステップS219の処理において、更新した進捗テーブルDTをデータ記憶装置200に送信した後、最新の進捗テーブルDTをデータ記憶装置200から取得してもよい。
また、図13から図16に示した処理の間に、進捗データ230bがコンピュータ装置100による機器の変更や追加登録等により更新された場合、データ記憶装置200は、進捗データ230bが更新されたことを示す情報を通知してもよく、携帯通信端末機300は、受けた通知を表示部310にポップアップ表示等し、最新の進捗テーブルDTをデータ記憶装置200から取得してもよい。これにより、施工管理システムSYSは、コンピュータ装置100、データ記憶装置200および携帯通信端末機300の間で、迅速にデータを同期させることができる。
なお、本実施形態では、データベース360aのデータとファイル格納領域360bのファイルのリビジョン管理を行って1つのまとまり(リレーション)として識別していないが、リビジョン管理を行ってもよい。
上述したステップS208において、機器の詳細情報を表示する場合、携帯通信端末機300の処理は、ステップS224に移る。
ステップS224では、制御部340は、作業員による入力部320が有する入力装置320cの入力指示により、表示部310に表示された機器の一覧から、特定の機器が選択されたか否かを判定する。作業員による入力部320が有する入力装置320cの入力指示が表示部310に表示された機器の一覧から特定の機器が選択される指示の場合には、携帯通信端末機300の処理は、ステップS227に移る。一方、作業員による入力部320が有する入力装置320cの入力指示が表示部310に表示された機器の一覧から特定の機器が選択する旨の指示でないときには、携帯通信端末機300は、ステップS225に進む。
ステップS225では、制御部340は、2次元コード又は通信タグの読み取りを行うか否かを判定する。例えば、作業員による入力部320が有する入力装置320cの入力操作が、撮像装置320a又は読取装置320bを起動させる指示であれば、携帯通信端末機300の処理は、ステップS226に移る。一方、作業員による入力部320が有する入力装置320cの入力操作が、撮像装置320a又は読取装置320bを起動させる指示以外の指示であれば、携帯通信端末機300の処理はステップS207に戻る。
ステップS226では、制御部340は、機器の情報を取得するため、撮像装置320a又は読取装置320bを起動する。そして、取得部340aは、例えば撮像装置320aを用いて作業員により撮影された機器の2次元コードの画像を取得し、取得した画像を解析することにより機器の機器番号や設置場所等の部材情報を取得する。一方、読取装置320bを起動したときには、機器に付けられたIDタグとの間で通信を行い、機器のタグ情報を取得する。取得部340aは、取得したタグ情報から機器の機器番号や設置場所等の部材情報を取得する。この処理が行われた後、ステップS227に進む。
ステップS227では、取得部340aは、ステップS208で受けた指示と指示された機器の機器番号とを含む信号をデータ記憶装置200に送信する。そして、データ記憶装置200は、例えば、リビジョン番号で対象ファイル群270を指定し、携帯通信端末機300から受信した指示された機器の機器番号を検索キーとしてファイル群270を検索し、機器の詳細情報を読み出す。データ記憶装置200は、読み出した機器の詳細情報を含む信号を携帯通信端末機300に送信する。取得部340aは、指示された機器の詳細情報を取得し、制御部340は、取得した詳細情報を図12(b)に示した画面で表示部310に表示する。そして、制御部340は、作業員による入力部320が有する入力装置320cの入力操作によりホーム釦BHMが押された場合、表示部310の表示を図12(a)に示した画面に戻す。携帯通信端末機300の処理は、ステップS228に移る。
なお、例えば、作業員が地下等の通信状態が悪い環境で作業している間に、図21に示した機器データ230aのように機器の機器番号の変更がある場合、携帯通信端末機300は、変更が反映された進捗テーブルDTをデータ記憶装置200から取得できない。このような場合で、例えば、通信状態が一時的に良く、図11に示した進捗テーブルDTに基づき、ID“2”および機器番号“PAC-1-2”の機器の詳細情報を取得する指示をステップS208で受けた場合、携帯通信端末機300は、機器の詳細情報を取得する指示をリビジョン番号“1”でデータ記憶装置200に送信する。このため、携帯通信端末機300は、変更前のリビジョン番号“1”のファイル群270aに格納されたID“2”および機器番号“PAC-1-2”の機器の詳細情報を、データ記憶装置200から取得する。
すなわち、機器の機器番号の変更に伴いリビジョン番号を変更することで、携帯通信端末機300は、最新の進捗テーブルDTを取得できない場合でも所望の機器の詳細情報を取得できる。また、変更後のリビジョン番号に機器番号が同じ別の機器(例えば、リビジョン番号“2”、ID“4”および機器番号“PAC-1-2”の機器)が登録される場合でも、携帯通信端末機300は、所望の機器の詳細情報を取得できる。
ステップS228では、制御部340は、図12(a)に示した画面において、作業員による入力部320が有する入力装置320cの入力操作により更新釦BUDが選択され、施工状況を更新する指示を受けたか否かを判定する。制御部340が更新の指示を受けた場合、携帯通信端末機300の処理は、ステップS215に移る。一方、制御部340が更新の指示を受けていない場合、携帯通信端末機300の処理は、ステップS207に移る。
また、ステップS210において、連続読取モードが選択されない場合には、携帯通信端末機300の処理は、ステップS229に進む。
ステップS229では、制御部340は、記憶部350に記憶されたプログラムを読み出し、個別読取モードを実行する。個別読取モードは、上述した連続読取モードとは異なり、例えば進捗テーブルに対する施工状況などを更新する、或いは1つの機器を個別に登録する場合に使用されるモードである。
ステップS230は、制御部340は、表示部310に、機器一覧から選択するか否かを示す画面を表示する。その後、作業員による入力部320が有する入力装置320cの入力操作が、機器一覧から選択する指示であれば、携帯通信端末機300の処理は、ステップS231に進む。一方、作業員による入力部320が有する入力装置320cの入力操作が、機器一覧から選択しない指示であれば、携帯通信端末機300の処理は、ステップS232に進む
ステップS231では、制御部340は、機器一覧を表示部310に表示させる。その後、作業員による入力部320が有する入力装置320cの入力操作が行われると、制御部は、機器一覧から選択された機器を更新リストに追加する。
ステップS232では、制御部340は、読取モードを起動することで、撮像装置320a又は読取装置320bを作動させる。
ステップS233では、制御部340は、作業員による入力部320が有する入力装置320cの入力操作を受けて、制御部340は、機器の機器番号や設置場所等の部材情報を取得する。ステップS233の処理が行われると、制御部340は、ステップS215に戻る。
以上、図1から図21に示した実施形態では、携帯通信端末機300は、作業員による入力部320が有する入力装置320cの入力操作に応じて、データ記憶装置200から進捗テーブルDTを取得する。携帯通信端末機300は、機器に付けられた2次元コードを撮像装置320aで撮影する、または機器に付けられたIDタグの情報を読取装置320bにより読み取る等により、機器の機器番号および設置場所等の情報を取得し、取得した機器の情報に基づいて進捗テーブルDTを更新する。携帯通信端末機300は、更新した機器の施工状況を示す画像とともに、更新した進捗テーブルDTをデータ記憶装置200に送信する。これにより、施工管理システムSYSは、大量の紙資料を持ち歩くことなく、携帯通信端末機300における簡単な操作で機器に施工状況の更新および画像の取得等を正確かつ短時間に行うことができ、施工記録を省力化および効率化を図ることができる。また、施工管理システムSYSは、各機器の施工状況等の情報が担当者および作業員間で共有されることから、担当者および作業員間における確認等の作業を効率化でき、作業にかかる労力を低減できる。
上述した施工管理システムSYSにおいては、携帯通信端末機300とデータ記憶装置200との間におけるデータの送受信の他に、コンピュータ装置100とデータ記憶装置200との間におけるデータの送受信が行われ、機器データ230a、進捗データ230bの他、ファイル群270を構成する各種データを更新することが可能である。
なお、データ記憶装置200は、コンピュータ装置100から機器の変更や追加登録等を示すデータを受信した時点で、リビジョンの更新処理を実行するが、データ記憶装置200の担当者が、受信した機器の変更や追加登録等のデータを確認した後に、リビジョンの更新処理を実行してもよい。あるいは、データ記憶装置200は、予め設定された所定の時間(例えば、“深夜0時”等)に、リビジョンの更新処理を実行してもよい。これらの場合、データ記憶装置200は、機器データ230a、進捗データ230bおよびファイル群270と異なる記憶装置(図示省略)の格納領域に、更新処理が実行されるまでの間、受信した機器の変更や追加登録等のデータを保持することが好ましい。
図21は、コンピュータ装置100において、図10に示した処理を行うことで更新される機器データ230aの一例を示す。図21に示した機器データ230aでは、コンピュータ装置100が図8に示した処理を実行することを受けて、データ記憶装置200は、機器データ230aを更新する。例えば、図4(a)に示した機器データ230aに対して、図21に示した機器データ230aでは、網掛けで示した3つの行が追加される。すなわち、機器データ230aの3行目(網掛けの1番目の行)は、IDの格納領域に“2”が格納された機器の機器番号が、“PAC-1-2”から“PAC-1-3”に変更され、リビジョン番号が、“1”から“2”に変更されたことを示す。5行目(網掛けの2番目の行)は、IDの格納領域に“4”、Revの格納領域に“2”および機器番号の格納領域に“PAC-1-2”がそれぞれ格納された機器が、新たに追加登録されたことを示す。6行目(網掛けの3番目の行)は、IDの格納領域に“5”、Revの格納領域に“2”および機器番号の格納領域に“PAC-2-2”がそれぞれ格納された機器が、新たに追加登録されたことを示す。
なお、2行目と5行目との機器番号の格納領域には、同じ機器番号が格納されている。しかしながら、2行目のIDの格納領域が“2”の機器は、3行目において機器番号が変更されている。このため、施工管理システムSYSは、1行目から順番に機器データ230aを読み込むことにより、IDの格納領域“2”の機器の機器番号を“PAC-1-3”と認識し、IDの格納領域“4”の機器の機器番号を“PAC-1-2”と認識する。
図22は、図21に示した機器データ230aにおける機器の追加により更新された進捗データ230bおよびファイル群270の一例を示す。図22(a)は、更新された進捗データ230bを示す。図22(b)は、ファイル群270として、リビジョン番号毎に割り当てられたファイル(270a,270b)を有する。なお、ファイル群270は、N個のリビジョン番号が割り当てられた場合、N個のファイルから構成される。
例えば、図22に示すように、コンピュータ装置100を用いて、機器データ230aを更新した場合、データ記憶装置200は、進捗データ230bを読み出して、更新された機器データ230aに合わせて、進捗データ230bを更新する。
図22(a)に示すように、進捗データ230bの7行目および8行目には、図21に示した機器データ230aにおいてID“4”および“5”が割り当てられた機器に対応した内容が格納される。
さらに、機器データ230aの更新に合わせて、コンピュータ装置100において、図面データ、機器表データ、仕様書データ、画像データなどをアップロードすると、これらデータは、コンピュータ装置100からデータ記憶装置200に送信される。データ記憶装置200は、コンピュータ装置100から送信されたデータを1つのファイルとしてまとめた上で、まとめたファイルに、対応するリビジョン番号(例えばリビジョン2)を割り当てる。そして、データ記憶装置200は、リビジョンを割り当てたファイル(例えば符号270b)をファイル群270として、ファイルサーバ240に格納する。
例えば、コンピュータ装置100においてデータの更新が行われた後で、携帯通信端末機300において、機器の詳細情報を表示する場合を考慮する。例えば、図18に示すように、携帯通信端末機300において更新した進捗テーブルDTでは、各機器に割り当てられるリビジョン番号は“1”である。したがって、携帯通信端末機300からデータ記憶装置200に機器の詳細情報に係るデータを要求した場合には、データ記憶装置200は、機器データのうち、リビジョン番号が“1”となる機器データに対応するデータや、ファイル群に含まれるファイルを読み出す。そして、データ記憶装置200は、読み出したデータを携帯通信端末機300に送信する。したがって、携帯通信端末機300においては、リビジョン番号が“1”となる機器の一覧が表示され、また、リビジョン番号が“1”となる機器の詳細情報が表示される。したがって、携帯通信端末機300においては、携帯通信端末機が有する進捗データに基づいたデータを表示することが可能となる。
また、上述した施工管理システムSYSにおいては、携帯通信端末機300が、通信が確立されない使用環境下にある場合には、以下のような状況が発生する。例えば、図22(a)に示した進捗データ230bにおいて、“4”および“5”のIDの機器が登録された日時は、図18に示した進捗テーブルDTにおいて、携帯通信端末機300の作業員により機器番号“PAC-1-1”(IDは“1”)の施工状況が更新された日時より後である。換言すれば、進捗データ230bの7行目には、携帯通信端末機300により更新されたID“1”(機器番号“PAC-1-1”)の機器のデータが、ID“4”および“5”の機器のデータより先に格納されなければならない。しかしながら、作業員が地下等の通信状態が悪い現場で作業している場合、携帯通信端末機300は、ネットワークNWを介してデータ記憶装置200に、図18に示した進捗テーブルDTを送信することができない(例えば、図13から図16におけるステップS221において、通信が確立できない場合など)。この場合、図22(a)に示した進捗データ230bのような状況が起こる。
上記状況の発生を防止するために、本発明の施工管理システムSYSにおいては、以下の処理が実施される。例えば携帯通信端末機300から進捗データ230bが送信されると、データ記憶装置200は、データベース230に記憶される進捗データ230bを読み出して、携帯通信端末機300から送信された進捗データ230bを、データベース230に記憶された進捗データ230bに反映させる。このとき、例えばコンピュータ装置100からも進捗データ230bが送信されている場合には、コンピュータ装置100からの進捗データも、データベース230に記憶された進捗データ230bに反映されている。コンピュータ装置100及び携帯通信端末機300から送信された進捗データ230bを反映した後、データ記憶装置200は、反映した進捗データ230bの各項目のうち、日時が時系列となるようにソートする。データ記憶装置200は、ソートした進捗データを更新済みの進捗データとしてデータベース230に格納する。なお、携帯通信端末機300及びコンピュータ装置100からの要求を受けたときに、データ記憶装置200は、更新済みの進捗データ230bと機器データ230aとを用いて、新たな進捗テーブルDTを生成し、携帯通信端末機300及びコンピュータ装置100へと送信する。
図24は、携帯通信端末機300及びコンピュータ装置100によって更新された進捗データを反映した進捗テーブルDTの一例を示す。図24に示した進捗テーブルDTは、図21に示した機器データ230aと図23に示した進捗データ230bとに基づいて生成されている。したがって、進捗テーブルDTでは、Revおよび機器番号の格納領域に格納されるリビジョン番号および機器番号が各々更新されている。したがって、この進捗テーブルDTが携帯通信端末機300に送信されることにより、施工管理システムSYSにおけるコンピュータ装置100、データ記憶装置200および携帯通信端末機300の間で、迅速にデータを同期させることができる。そして、携帯通信端末機300は、機器番号の変更等を意識することなく、施工管理の処理を実行できる。
以上の詳細な説明により、実施形態の特徴点および利点は明らかになるであろう。これは、特許請求の範囲がその精神および権利範囲を逸脱しない範囲で前述のような実施形態の特徴点および利点にまで及ぶことを意図するものである。また、当該技術分野において通常の知識を有する者であれば、あらゆる改良および変更に容易に想到できるはずである。したがって、発明性を有する実施形態の範囲を前述したものに限定する意図はなく、実施形態に開示された範囲に含まれる適当な改良物および均等物に拠ることも可能である。