JP7363345B2 - ゴルフクラブ用グリップおよびゴルフクラブ - Google Patents
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Description
(E/E*2)×103≧-0.520E+5.82
E/E*2≧2.39×10-3
E≧2.35
〔E:損失弾性率(kgf/cm2)〕
〔E*:複素弾性率(kgf/cm2)〕
前記ゴルフクラブ用グリップは、その最表層の少なくとも一部が、前記第1ゴム組成物から形成されていればよい。ここで、最表層とは、グリップの最も外側の層であり、グリップ使用時に使用者が触れる部分である。前記ゴルフクラブ用グリップは、グリップ使用時に使用者が触れる部分の少なくとも一部が前記第1ゴム組成物から形成されていることが好ましい。前記ゴルフクラブ用グリップは、最表層における前記第1ゴム組成物から形成されている部分の面積率が、50面積%以上が好ましく、より好ましくは70面積%以上、さらに好ましくは90面積%以上である。また、前記ゴルフクラブ用グリップは、最表層の全ての部分が前記第1ゴム組成物から形成されていることも好ましい。なお、後述するようにゴルフクラブ用グリップが円筒部を有する場合、この円筒部の最表層全体が、前記第1ゴム組成物から形成されていることが好ましい。
前記第1ゴム組成物は、(A)基材ゴムと(B)粘着付与剤とを含有する。
前記第1ゴム組成物中の(A)基材ゴムの含有率は、50質量%以上が好ましく、より好ましくは55質量%以上、さらに好ましくは60質量%以上である。前記(A)基材ゴムとしては、天然ゴム(NR)、エチレン-プロピレン-ジエンゴム(EPDM)、ブチルゴム(IIR)、アクリロニトリル-ブタジエンゴム(NBR)、水素添加アクリロニトリル-ブタジエンゴム(HNBR)、カルボキシ変性アクリロニトリル-ブタジエンゴム(XNBR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、ポリウレタンゴム(PU)、イソプレンゴム(IR)、クロロプレンゴム(CR)、エチレン-プロピレンゴム(EPM)などが挙げられる。これらの基材ゴムは、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記(B)粘着付与剤は、軟化点が5℃~120℃である。前記(B)粘着付与剤の軟化点が120℃以下であれば、ゴム組成物を混練り中、および、加硫中に、(A)粘着付与剤が(A)基材ゴム中に分散し、均一な組成が得られる。また、前記(B)粘着付与剤の軟化点が5℃以上であれば、(B)粘着付与剤のブリード、ブルームが抑制される。
前記第1ゴム組成物は、(A)基材ゴム、(B)粘着付与剤に加えて、架橋剤を含有する。前記架橋剤としては、硫黄系架橋剤、有機過酸化物を使用できる。前記硫黄系架橋剤としては単体硫黄、硫黄ドナー型化合物が挙げられる。前記単体硫黄としては、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド状硫黄、不溶性硫黄が挙げられる。前記硫黄ドナー型化合物としては、4,4’-ジチオビスモルホリンなどが挙げられる。前記有機過酸化物としては、ジクミルパーオキサイド、α,α’-ビス(t-ブチルパーオキシ-m-ジイソプロピル)ベンゼン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)3,3,5-トリメチルシクロヘキサンなどが挙げられる。前記架橋剤は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。前記架橋剤としては、硫黄系架橋剤が好ましく、単体硫黄がより好ましい。前記架橋剤の使用量は、(A)基材ゴム100質量部に対して、0.2質量部以上が好ましく、より好ましくは0.4質量部以上、さらに好ましくは0.6質量部以上であり、4.0質量部以下が好ましく、より好ましくは3.5質量部以下、さらに好ましくは3.0質量部以下である。
前記加硫促進剤としては、テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、テトラベンジルチウラムジスルフィド(TBzTD)、テトラメチルチウラムモノスルフィド(TMTM)、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド、テトラキス(2-エチルヘキシル)チウラムジスルフィドなどのチウラム系;ジフェニルグアニジン(DPG)などのグアニジン系;ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛(ZnPDC)、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛などのジチオカルバミン酸塩系;トリメチルチオ尿素、N,N'-ジエチルチオ尿素などのチオウレア系;メルカプトベンゾチアゾール(MBT)、ベンゾチアゾールジスルフィドなどのチアゾール系;N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)、N-t-ブチル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(BBS)などのスルフェンアミド系;などが挙げられる。これらの加硫促進剤は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。前記加硫促進剤の合計使用量は、(A)基材ゴム100質量部に対して、0.4質量部以上が好ましく、より好ましくは0.8質量部以上、さらに好ましくは1.2質量部以上であり、8.0質量部以下が好ましく、より好ましくは7.0質量部以下、さらに好ましくは6.0質量部以下である。
前記加硫活性剤としては、金属酸化物、金属過酸化物、脂肪酸などが挙げられる。前記金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化鉛などが挙げられる。前記金属過酸化物としては、過酸化亜鉛、過酸化クロム、過酸化マグネシウム、過酸化カルシウムなどが挙げられる。前記脂肪酸としては、ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸などが挙げられる。これらの加硫活性剤は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。前記加硫活性剤の合計使用量は、(A)基材ゴム100質量部に対して、0.5質量部以上が好ましく、より好ましくは0.6質量部以上、さらに好ましくは0.7質量部以上であり、10.0質量部以下が好ましく、より好ましくは9.5質量部以下、さらに好ましくは9.0質量部以下である。
前記ゴルフクラブ用グリップは、前記第1ゴム組成物から形成された部分以外の他の部分の材質は特に限定されない。前記他の部分を形成する第2組成物としては、第2ゴム組成物、樹脂組成物が挙げられる。
前記ゴルフクラブ用グリップの形状は特に限定されないが、円筒部を有するものが好ましい。円筒部を有することで、この円筒部にシャフト等を挿嵌できる。また、前記円筒部は、単層構造でもよいし、多層構造でもよい。単層構造の場合は、円筒部全体が前記第1ゴム組成物から形成される。多層構造の場合、最表層の少なくとも一部あるいは全部が前記第1ゴム組成物から形成される。
本発明には、前記ゴルフクラブ用グリップを用いたゴルフクラブも含まれる。前記ゴルフクラブは、シャフトと、前記シャフトの一端に取り付けられたヘッドと、前記シャフトの他端に取り付けられたグリップとを備え、前記グリップが前記ゴルフクラブ用グリップである。前記シャフトは、ステンレス鋼製や炭素繊維強化樹脂製が使用できる。前記ヘッドとしては、ウッド型、ユーティリティ型、アイアン型が挙げられる。前記ヘッドを構成する材料は、特に限定されるものではなく、例えばチタン、チタン合金、炭素繊維強化プラスチック、ステンレス鋼、マルエージング鋼、軟鉄などが挙げられる。
(1)材料硬度(ショアA硬度)
ゴム組成物を用いて、160℃で8~20分間プレスして、厚み2mmのシートを作製した。なお、ゴム組成物がマイクロバルーンを含有する場合は、グリップを形成した際と同様の発泡倍率となるようにマイクロバルーンを膨張させてシートを作製した。このシートを、23℃で2週間保存し、測定基板などの影響が出ないように、3枚重ねた状態で、自動硬度計(H.バーレイス社製、デジテストII)を用いて硬度を測定した。検出器は、「Shore A」を用いた。
tanδ、E*は、動的粘弾性測定装置(ユービーエム社製、Rheogel-E4000)を用いて測定した。試験試料は、外層用ゴム組成物を用いて、160℃でプレスしてゴム板を作製し、このゴム板を所定サイズに打ち抜くことにより作製した。測定条件は、温度範囲;-100℃~100℃、昇温速度;3℃/min、測定間隔;3℃、周波数;10Hz、治具;引張り、試料形状;幅4mm、厚さ1mm、長さ40mmとした。動的粘弾性測定により得られた粘弾性スペクトルからtanδ、E*を求めた。
摩擦係数は、静・動摩擦測定機(トリニティーラボ社製、TL201Ts)を用いて測定した。具体的には、ゴルフクラブ用グリップから、1cm角のゴム片を切り出し、これを試験片(質量1.6g)とした。試験片を測定子として装置の測定ユニットに固定し、移動テーブルに床材を固定し、床材に対する試験片の動摩擦を測定した。試験は、移動距離1cm、移動速度1mm/秒、荷重25gとし、床材として人工皮革(クラレ社製、クラリーノ(登録商標))を用いた。動摩擦係数は、ずれ運動を開始した位置から1cmまでの平均値を求めた。測定は、グリップのバット端付近、チップ端付近、および、軸方向中央部から切り出した試験片について行い、これらの測定値を平均した。なお、摩擦係数は、グリップNo.14の摩擦係数を100として、指数化した値で示した。
表1~3に示す配合で各原料を混練し、外層用ゴム組成物および内層用ゴム組成物を調製した。なお、外層用ゴム組成物は、全ての原料をバンバリーミキサーで混練した。内層用ゴム組成物は、マイクロバルーン以外の原料をバンバリーミキサーで混練し、その後、ロールを用いてマイクロバルーンを配合した。内層用ゴム組成物のバンバリーミキサーの混練時の材料温度およびロールによりマイクロバルーンを配合する際の材料温度は、マイクロバルーンの膨張開始温度未満とした。
NR(天然ゴム):TSR20
EPDM(エチレン-プロピレン-ジエンゴム):住友化学社製、エスプレン(登録商標)505A
IIR:JSR社製、JSR BUTYL065
ハリタックSE10:ハリマ化成社製、水素添加ロジンエステル(軟化点78℃~87℃、酸価2mgKOH/g~10mgKOH/g)
Sylvatac RE5S:KRATON社製、ロジンエステル(軟化点25℃以下、酸価16mgKOH/g)
Levapren(登録商標)500:ARLANXEO社製、エチレン-酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含有率50質量%、軟化点100℃超、120℃以下)
DIABLACK(登録商標)N220:三菱化学社製、カーボンブラック
ウルトラジルVN3 GR:エボニック社製、造粒シリカ
硫黄:鶴見化学工業社製、5%油入微粉硫黄(200メッシュ)
ノクセラーNS:大内新興化学工業社製、N-t-ブチル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド
ノクセラーCZ:大内新興化学工業社製、N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド
ソクシノールD:住友化学社製、1,3-ジフェニルグアニジン
酸化亜鉛:PT.INDO LYSAGHT社製、ホワイトシール
ノクラックNS-6:大内新興化学工業社製、2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)
PW380:出光興産社製、ダイアナプロセスオイルPW380
サントガードPVI:三新化学工業社製、N-シクロヘキシルチオフタルイミド
安息香酸:Aldrich社製
マイクロバルーン:Akzo Nobel社製、「エクスパンセル(登録商標)909-80DU」(熱可塑性樹脂の殻に低沸点炭化水素が内包された樹脂カプセル、体積平均粒子径18μm~24μm、膨張開始温度120℃~130℃)
Claims (6)
- 最表層の少なくとも一部が、(A)基材ゴムと(B)軟化点が5℃~120℃である粘着付与剤とを含有するゴム組成物から形成されており、
前記ゴム組成物から形成された部分の損失正接(tanδ)(30℃、10Hz)と複素弾性率(E*)(30℃、10Hz)(MPa)とが、0.070≦tanδ/(E*)0.2≦0.098の関係を満足することを特徴とするゴルフクラブ用グリップ。 - 前記ゴム組成物の損失正接(tanδ)が、0.086~0.14である請求項1に記載のゴルフクラブ用グリップ。
- 前記ゴム組成物の複素弾性率(E*)が、2.0MPa~10MPaである請求項1または2に記載のゴルフクラブ用グリップ。
- 前記(A)基材ゴムが、天然ゴム、イソプレンゴム、エチレン・プロピレン・ジエンゴム、および、ブチルゴムよりなる群から選択される少なくとも1種を含有する請求項1~3のいずれか一項に記載のゴルフクラブ用グリップ。
- 前記(B)軟化点が5℃~120℃である粘着付与剤が、ロジンエステル、水素添加ロジンエステル、不均化ロジンエステル、エチレン-酢酸ビニル共重合体、フェノール樹脂、テルペン樹脂およびキシレン樹脂よりなる群から選択される少なくとも1種を含有する請求項1~4のいずれか一項に記載のゴルフクラブ用グリップ。
- シャフトと、前記シャフトの一端に取り付けられたヘッドと、前記シャフトの他端に取り付けられたグリップとを備え、
前記グリップが、請求項1~5のいずれか1項に記載のゴルフクラブ用グリップであることを特徴とするゴルフクラブ。
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