JP2022185374A - ゴルフクラブ用グリップおよびゴルフクラブ - Google Patents

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Abstract

【課題】外層の引張強度が高く、かつ、外層と内層との間にエア噛みの少ないゴルフクラブ用グリップを提供する。【解決手段】ゴルフクラブ用グリップは、円筒状の内層と、前記内層を被覆する円筒状の外層とからなる円筒部を有し、前記外層は、動的粘弾性装置を用いて、加振周波数10Hz、歪振幅0.05%、引張モードの測定条件で測定した、23℃における貯蔵弾性率(E’23)と60℃における貯蔵弾性率(E’60)の比(E’23/E’60)が、1.20~1.32であることを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、ゴルフクラブ用グリップに関する。
ゴルフクラブに装着されるグリップとして、ゴム製のグリップが多用されている。このようなゴム製グリップとしては、基材ゴムとしてアクリロニトリル-ブタジエン系ゴムを用いたゴルフクラブ用グリップであって、引張強度や耐摩耗性を改良したものも提案されている。このようなグリップが、例えば、特許文献1、特許文献2に記載されている。
特許第6041829号公報 特開2017-113388号公報
ゴルフグリップの外層(表層)に、引張強度に優れた材料を用いることが提案されている。しかしながら、引張強度に優れた材料をゴム組成物に配合すると、未架橋成形品のシュリンク率が高くなる傾向がみられた。そのため、未架橋ゴム組成物をシート状に形成すると表面が凸凹になりやすいという問題が生じた。そして、このような引張強度に優れた材料を配合したゴム組成物を用いてグリップの外層を作製すると、外層と内層とを張り合わせた際に、エア噛みを生じ、得られるグリップの成型不良や初期破壊が発生するという問題が発生した。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、外層の引張強度が高く、かつ、外層と内層との間にエア噛みの少ないゴルフクラブ用グリップを提供することを目的とする。
上記課題を解決することができた本発明のゴルフクラブ用グリップは、円筒状の内層と、前記内層を被覆する円筒状の外層とからなる円筒部を有し、前記外層は、動的粘弾性装置を用いて、加振周波数10Hz、歪振幅0.05%、引張モードの測定条件で測定した、23℃における貯蔵弾性率(E’23)と60℃における貯蔵弾性率(E’60)の比(E’23/E’60)が、1.20~1.32であることを特徴とする。前記比(E’23/E’60)が1.20~1.32であれば、未架橋成形品のシュリンク率を軽減することができる。そのため、外層と内層とを張り合わせる際に、エア噛みを抑制でき、得られるグリップの成型不良や初期破壊の発生が抑制できる。
本発明によれば、外層の引張強度が高く、かつ、外層と内層との間にエア噛みの少ないゴルフクラブ用グリップが得られる。
ゴルフクラブ用グリップの一例を示す斜視図である。 ゴルフクラブ用グリップの一例を示す断面模式図である。 ゴルフクラブの一例を示す斜視図である。
本発明のゴルフクラブ用グリップは、円筒状の内層と、前記内層を被覆する円筒状の外層とからなる円筒部を有する。そして、前記外層は、動的粘弾性装置を用いて、加振周波数10Hz、歪振幅0.05%、引張モードの測定条件で測定した、23℃における貯蔵弾性率(E’23)と60℃における貯蔵弾性率(E’60)の比(E’23/E’60)が、1.20~1.32であることを特徴とする。
前記貯蔵弾性率の測定温度である23℃は、成形品が保管される際の温度条件であり、60℃はゴム組成物をシート状に加工する際の温度条件である。よって、これらの23℃における貯蔵弾性率(E’23)と、60℃における貯蔵弾性率(E’60)との比(E’23/E’60)を1.20~1.32に制御することで、加工後のシュリンク率を軽減することができる。前記比(E’23/E’60)が1.20以上であれば、ゴム組成物の加工性が高くなって、加工時の残留応力を低減できるため、加工後の変形を低減できる。また、前記比(E’23/E’60)が1.32以下であれば、ゴム組成物の加工時の温度における貯蔵弾性率から室温における貯蔵弾性率への変化量が小いため、加工後の変形を低減できる。
前記ゴルフクラブ用グリップは、円筒状の内層と、前記内層を被覆する円筒状の外層とからなる円筒部を有する。前記円筒部は、1層の内層と1層の外層からなる2層構造でもよいし、2層の内層と1層の外層を有する3層構造であってもよい。
前記外層は、動的粘弾性装置を用いて、加振周波数10Hz、歪振幅0.05%、引張モードの測定条件で測定した、23℃における貯蔵弾性率(E’23)と60℃における貯蔵弾性率(E’60)の比(E’23/E’60)が、1.20以上、好ましくは1.23以上、より好ましくは1.25以上であり、1.32以下、好ましくは1.30以下、より好ましくは1.28以下である。前記比(E’23/E’60)が1.23以上であれば60℃においてゴムがより容易に変形し、残留応力を一層小さくでき、1.30以下であれば加工後に室温(23℃)に冷却された際の応力変化を一層抑えることができる。
前記外層は、動的粘弾性装置を用いて、加振周波数10Hz、歪振幅0.05%、引張モードの測定条件で測定した、23℃における貯蔵弾性率(E’23)が、2.0MPa以上が好ましく、より好ましくは2.5MPa以上、さらに好ましくは3.0MPa以上であり、4.2MPa以下が好ましく、より好ましくは3.7MPa以下、さらに好ましくは3.4MPa以下である。前記貯蔵弾性率(E’23)が2.0MPa以上であればゴム組成物の加工性がより向上し、4.2MPa以下であれば加工後の成型品において変形時に生じる応力がより小さくなる。
前記外層は、動的粘弾性装置を用いて、加振周波数10Hz、歪振幅0.05%、引張モードの測定条件で測定した、60℃における貯蔵弾性率(E’60)が、1.5MPa以上が好ましく、より好ましくは1.8MPa以上、さらに好ましくは2.0MPa以上であり、3.7MPa以下が好ましく、より好ましくは3.5MPa以下、さらに好ましくは3.2MPa以下である。前記貯蔵弾性率(E’60)が1.5MPa以上であればゴム組成物の加工性がより向上し、3.7MPa以下であれば加工後の成型品において変形時に生じる応力がより小さくなる。
前記外層は、動的粘弾性装置を用いて、加振周波数10Hz、歪振幅0.05%、引張モードの測定条件で測定した、60℃における損失正接(tanδ)が、0.138以上が好ましく、より好ましくは0.142以上、さらに好ましくは0.146以上である。前記損失正接(tanδ)が0.138以上であれば加工後の成型品において変形時に生じる応力がより小さくなる。
前記外層の切断時引張強さ(Tb)は、20MPa以上が好ましく、より好ましくは21MPa以上、さらに好ましくは22MPa以上であり、30MPa以下が好ましく、より好ましくは29MPa以下、さらに好ましくは28MPa以下である。前記切断時引張強さが20MPa以上であればグリップの耐摩耗性がより向上し、30MPa以下であればグリップのフィーリングがより良好となる。
前記外層は、全ての部分において比(E’23/E’60)が前記数値の範囲内であることが好ましいが、比(E’23/E’60)が前記範囲外である部分を有していてもよい。この場合、外層の面積100%中、比(E’23/E’60)が前記数値の範囲内である部分の面積率が50%以上であることが好ましく、より好ましくは70%以上、さらに好ましくは90%以上である。
前記外層の物性は、外層を構成するゴム組成物の原料や配合量を調整することで制御できる。前記外層を構成する外層用ゴム組成物としては、例えば、(A)基材ゴム、(B)熱可塑性樹脂、(C)架橋剤を含有するゴム組成物が挙げられる。
(A)基材ゴム
前記外層用ゴム組成物中の(A)基材ゴムの含有率は、50質量%以上が好ましく、より好ましくは55質量%以上、さらに好ましくは60質量%以上である。前記(A)基材ゴムとしては、天然ゴム(NR)、エチレン-プロピレン-ジエンゴム(EPDM)、ブチルゴム(IIR)、アクリロニトリル-ブタジエンゴム(NBR)、水素添加アクリロニトリル-ブタジエンゴム(HNBR)、カルボキシ変性アクリロニトリル-ブタジエンゴム(XNBR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、ポリウレタンゴム(PU)、イソプレンゴム(IR)、クロロプレンゴム(CR)、エチレン-プロピレンゴム(EPM)などが挙げられる。これらの基材ゴムは、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記(A)基材ゴムは、アクリロニトリル-ブタジエン系ゴムを含有することが好ましい。前記アクリロニトリル-ブタジエン系ゴムとしては、例えば、アクリロニトリル-ブタジエンゴム(NBR)、カルボキシ変性アクリロニトリル-ブタジエンゴム(XNBR)、水素添加アクリロニトリル-ブタジエンゴム(HNBR)、カルボキシ変性水素添加アクリロニトリル-ブタジエンゴム(HXNBR)よりなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。前記XNBRとは、カルボキシ基を有する単量体と、アクリロニトリルと、ブタジエンとの共重合体である。前記HNBRとは、アクリロニトリル-ブタジエンゴムの水素添加物である。前記HXNBRとは、カルボキシ基を有する単量体と、アクリロニトリルと、ブタジエンとの共重合体の水素添加物である。
前記(A)基材ゴム中のアクリロニトリル-ブタジエン系ゴムの含有率は、50質量%以上が好ましく、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上である。また、ゴム組成物が、(A)基材ゴムとしてアクリロニトリル-ブタジエン系ゴムのみを含有することも好ましい。
前記NBR、XNBR、HNBR、HXNBRにおいて、アクリロニトリル含有率は、15質量%以上が好ましく、より好ましくは18質量%以上、さらに好ましくは21質量%以上であり、50質量%以下が好ましく、より好ましくは45質量%以下、さらに好ましくは40質量%以下である。アクリロニトリル含有率が15質量%以上であれば耐摩耗性が良好となり、50質量%以下であれば寒冷地や冬場におけるグリップの触感が良好となる。
前記HNBR、HXNBRにおいて、二重結合含有量は、0.09mmol/g以上が好ましく、より好ましくは0.2mmol/g以上であり、2.5mmol/g以下が好ましく、より好ましくは2.0mmol/g以下、さらに好ましくは1.5mmol/g以下である。二重結合含有量が0.09mmol/g以上であれば成形時に加硫しやすくなりグリップの引張強度がより向上し、2.5mmol/g以下であればグリップの耐久性(耐候性)および引張強さがより良好となる。二重結合含有量は、共重合体中のブタジエン含有率や、共重合体への水素添加量により調整できる。
前記XNBR、HXNBRにおいて、カルボキシ基を有する単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸などが挙げられる。前記XNBR、HXNBRにおいて、カルボキシ基を含有する単量体の含有率は、1.0質量%以上が好ましく、より好ましくは2.0質量%以上、さらに好ましくは3.5質量%以上であり、30質量%以下が好ましく、より好ましくは25質量%以下、さらに好ましくは20質量%以下である。カルボキシ基を含有する単量体の含有率が1.0質量%以上であれば耐摩耗性がより良好となり、30質量%以下であれば寒冷地や冬場におけるグリップの触感が良好となる。
前記XNBR、HXNBRにおいて、カルボキシ基含有量は、1.0質量%以上が好ましく、より好ましくは2.0質量%以上、さらに好ましくは3.5質量%以上であり、30質量%以下が好ましく、より好ましくは25質量%以下、さらに好ましくは20質量%以下である。カルボキシ基含有量が1.0質量%以上であれば耐摩耗性がより良好となり、30質量%以下であれば寒冷地や冬場におけるグリップの触感が良好となる。
前記(A)基材ゴムは、XNBR、HNBRおよびHXNBRよりなる群から選択される少なくとも1種が好ましく、特にHXNBRが好ましい。つまり、外層が、カルボキシ変性アクリロニトリル-ブタジエンゴム(XNBR)、水素添加アクリロニトリル-ブタジエンゴム(HNBR)、カルボキシ変性水素添加アクリロニトリル-ブタジエンゴム(HXNBR)よりなる群から選択される少なくとも1種を含有することが好ましく、HXNBRを含有することがより好ましい。外層が基材ゴムとしてこれらのゴムを含有することで、グリップの耐摩耗性および耐候性が向上する。
前記HXNBRのムーニー粘度(ML1+4(100℃))は、60以上が好ましく、より好ましくは64以上、さらに好ましくは68以上であり、95以下が好ましく、より好ましくは90以下、さらに好ましくは85以下である。前記ムーニー粘度(ML1+4(100℃))が60以上であればグリップの耐摩耗性が向上し、95以下であればゴム組成物の加工性が良好となる。
(B)樹脂
前記(B)樹脂は、外層用ゴム組成物のムーニー粘度を低下させる成分である。前記(B)樹脂としては、ロジンエステル、エチレン-酢酸ビニル共重合体、クマロン樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
前記(B)樹脂の配合量は、(A)基材ゴム100質量部に対して、5質量部以上が好ましく、より好ましくは8質量部以上、さらに好ましくは12質量部以上であり、45質量部以下が好ましく、より好ましくは42質量部以下、さらに好ましくは40質量部以下である。(B)樹脂の配合量が、5質量部以上であればグリップのフィーリングがより良好となり、45質量部以下であればグリップの耐摩耗性がより向上する。
前記外層用ゴム組成物は、前記(B)樹脂として(B1)エチレン-酢酸ビニル共重合体および(B2)ロジンエステルを含有することが好ましい。これらの(B1)エチレン-酢酸ビニル共重合体および(B2)ロジンエステルを含有することで、これらが加工時に融解しゴム組成物が柔らかくなり、変形時の応力を小さくできる。
前記(B1)エチレン-酢酸ビニル共重合体の酢酸ビニル含有率は、10質量%以上が好ましく、より好ましくは12質量%以上、さらに好ましくは15質量%以上であり、80質量%以下が好ましく、より好ましくは75質量%以下、さらに好ましくは70質量%以下である。酢酸ビニル含有率が10質量%以上であればグリップのフィーリングがより良好となり、80質量%以下であればグリップの耐摩耗性がより向上する。
前記(B1)エチレン-酢酸ビニル共重合体のムーニー粘度(ML1+4(100℃))は、20以上が好ましく、より好ましくは23以上、さらに好ましくは25以上であり、50以下が好ましく、より好ましくは45以下、さらに好ましくは40以下である。前記ムーニー粘度(ML1+4(100℃))が20以上であればゴム組成物の加工性がより良好となり、50以下であればグリップのフィーリングが良好となる。
前記(B1)エチレン-酢酸ビニル共重合体の配合量は、(A)基材ゴム100質量部に対して、3質量部以上が好ましく、より好ましくは5質量部以上、さらに好ましくは8質量部以上であり、40質量部以下が好ましく、より好ましくは35質量部以下、さらに好ましくは30質量部以下である。(B1)エチレン-酢酸ビニル共重合体の配合量が、3質量部以上であればグリップのフィーリングがより良好となり、40質量部以下であればグリップの耐摩耗性がより向上する。
前記(B2)ロジンエステルとは、前記ロジンとアルコール類とを反応させて得られるエステル化合物である。ロジンとは、アビエチン酸、ネオアビエチン酸、パラストリン酸、ピマール酸、イソピマール酸、デヒドロアビエチン酸を含有する天然樹脂である。前記アルコール類としては、n-オクチルアルコール、2-エチルヘキシルアルコール、デシルアルコール、ラウリルアルコール、ステアリルアルコールなどの1価のアルコール;エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコールなどの2価のアルコール;グリセリン、トリメチロールプロパンなどの3価のアルコール;ペンタエリスリトール、ジグリセリンなどの4価のアルコール;ジペンタエリスリトール、ソルビトールなどの6価のアルコールが挙げられる。これらの中でも2価以上の多価アルコールが好ましく、グリセリンがより好ましい。
前記ロジンエステルには、水素添加ロジンエステル、不均化ロジンエステルが含まれる。前記水素添加ロジンエステルおよび不均化ロジンエステルは、いわゆる安定化ロジンエステルである。
前記水素添加ロジンエステルは、ロジエンエステルのロジンに由来する部分が水素添加されているエステル化合物である。水素添加ロジンエステルは、ロジンを水素添加した後、この水素添加ロジンとアルコール類とを反応させるか、あるいは、ロジンとアルコール類とを反応させた後、得られたロジンエステルを水素添加することで得られる。
前記不均化ロジンエステルは、ロジンエステルのロジンに由来する部分が不均化されているエステル化合物である。不均化ロジンエステルは、ロジンを不均化した後、この不均化ロジンとアルコール類とを反応させるか、あるいは、ロジンとアルコール類とを反応させた後、得られたロジンエステルを不均化することで得られる。
前記ロジンエステルの酸価は、2mgKOH/g以上が好ましく、より好ましくは4mgKOH/g以上、さらに好ましくは6mgKOH/g以上であり、200mgKOH/g以下が好ましく、より好ましくは180mgKOH/g以下、さらに好ましくは160mgKOH/g以下である。酸価が2mgKOH/g以上であればアクリロニトリル-ブタジエン系ゴムとの相溶性が良好となり、200mgKOH/g以下であればロジンエステルが有するカルボキシ基は、基材ゴムの加硫反応にほとんど影響しない。
前記(B2)ロジンエステルの配合量は、(A)基材ゴム100質量部に対して、2質量部以上が好ましく、より好ましくは5質量部以上、さらに好ましくは7質量部以上であり、15質量部以下が好ましく、より好ましくは12質量部以下、さらに好ましくは10質量部以下である。(B2)ロジンエステルの配合量が、2質量部以上であればゴム組成物がより柔らかくなり、15質量部以下であればゴム組成物の加工性がより良好となる。
前記外層用ゴム組成物が(B1)エチレン-酢酸ビニル共重合体および(B2)ロジンエステルを含有する場合、前記(B1)エチレン-酢酸ビニル共重合体および(B2)ロジンエステルとの質量比(B1/B2)は0.8以上が好ましく、より好ましくは1.0以上、さらに好ましくは1.2以上、特に好ましくは1.5以上であり、5.0以下が好ましく、より好ましくは4.8以下、さらに好ましくは4.5以下である。
前記外層用ゴム組成物が(B1)エチレン-酢酸ビニル共重合体および(B2)ロジンエステルを含有する場合、前記(B1)エチレン-酢酸ビニル共重合体および(B2)ロジンエステルの合計含有量(B1+B2)は5質量部以上が好ましく、より好ましくは8質量部以上、さらに好ましくは12質量部以上であり、45質量部以下が好ましく、より好ましくは42質量部以下、さらに好ましくは40質量部以下である。
前記クマロン樹脂は、単量体成分としてクマロン類を含有する樹脂である。前記クマロン樹脂としては、クマロン・インデン樹脂が好ましい。前記クマロン・インデン樹脂は、単量体成分としてクマロン類およびインデン類を含有し、全単量体成分中のクマロン類およびインデン類の合計含有率が50質量%以上の共重合体である。前記クマロン類としては、クマロン、メチルクマロンなどが挙げられる。全単量体成分中のクマロン類の含有率は1質量%~20質量%が好ましい。前記インデン類としては、インデン、メチルインデンなどが挙げられる。全単量体成分中のインデン類の含有率は40質量%~95質量%が好ましい。前記クマロン・インデン樹脂は、クマロン類、インデン類以外の他の単量体成分を含有してもよい。前記他の単量体成分としては、スチレン、ビニルトルエン、ジシクロペンタジエンなどが挙げられる。
前記フェノール樹脂としては、例えば、フェノール類とホルムアルデヒドの縮合物が挙げられる。フェノール類としては、フェノール、m-クレゾール等が挙げられる。また、前記フェノール樹脂には、フェノール類とホルムアルデヒドとをアルカリ触媒で付加反応させたレゾール;酸触媒で縮合反応させて得られるノボラック等が含まれる。さらに、前記フェノール樹脂には、ロジンにフェノール類を酸触媒で付加させ熱重合することにより得られるロジンフェノール樹脂等も含まれる。
(C)架橋剤
前記架橋剤としては、硫黄系架橋剤、有機過酸化物を使用できる。前記硫黄系架橋剤としては単体硫黄、硫黄ドナー型化合物が挙げられる。前記単体硫黄としては、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド状硫黄、不溶性硫黄が挙げられる。前記硫黄ドナー型化合物としては、4,4’-ジチオビスモルホリンなどが挙げられる。前記有機過酸化物としては、ジクミルパーオキサイド、α,α’-ビス(t-ブチルパーオキシ-m-ジイソプロピル)ベンゼン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)3,3,5-トリメチルシクロヘキサンなどが挙げられる。前記架橋剤は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。前記架橋剤としては、硫黄系架橋剤が好ましく、単体硫黄がより好ましい。
前記(C)架橋剤の使用量は、(A)基材ゴム100質量部に対して、0.2質量部以上が好ましく、より好ましくは0.4質量部以上、さらに好ましくは0.6質量部以上であり、4.0質量部以下が好ましく、より好ましくは3.5質量部以下、さらに好ましくは3.0質量部以下である。
前記外層用ゴム組成物は、さらに加硫促進剤、加硫活性剤を含有することが好ましい。
(加硫促進剤)
前記加硫促進剤としては、テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、テトラベンジルチウラムジスルフィド(TBzTD)、テトラメチルチウラムモノスルフィド(TMTM)、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド、テトラキス(2-エチルヘキシル)チウラムジスルフィドなどのチウラム系;ジフェニルグアニジン(DPG)などのグアニジン系;ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛(ZnPDC)、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛などのジチオカルバミン酸塩系;トリメチルチオ尿素、N,N'-ジエチルチオ尿素などのチオウレア系;メルカプトベンゾチアゾール(MBT)、ベンゾチアゾールジスルフィドなどのチアゾール系;N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)、N-t-ブチル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(BBS)などのスルフェンアミド系;などが挙げられる。これらの加硫促進剤は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記加硫促進剤の合計使用量は、(A)基材ゴム100質量部に対して、0.4質量部以上が好ましく、より好ましくは0.8質量部以上、さらに好ましくは1.2質量部以上であり、9.0質量部以下が好ましく、より好ましくは8.0質量部以下、さらに好ましくは7.0質量部以下である。
(加硫活性剤)
前記加硫活性剤としては、金属酸化物、金属過酸化物、脂肪酸などが挙げられる。前記金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化鉛などが挙げられる。前記金属過酸化物としては、過酸化亜鉛、過酸化クロム、過酸化マグネシウム、過酸化カルシウムなどが挙げられる。前記脂肪酸としては、ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸などが挙げられる。これらの加硫活性剤は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記加硫活性剤の合計使用量は、(A)基材ゴム100質量部に対して、0.5質量部以上が好ましく、より好ましくは0.6質量部以上、さらに好ましくは0.7質量部以上であり、10.0質量部以下が好ましく、より好ましくは9.5質量部以下、さらに好ましくは9.0質量部以下である。
前記外層用ゴム組成物は、さらに必要に応じて補強材、老化防止剤、軟化剤、スコーチ防止剤、着色剤などを配合してもよい。
前記補強材としては、カーボンブラック、シリカなどが挙げられる。前記補強材の使用量は、(A)基材ゴム100質量部に対して、2.0質量部以上が好ましく、より好ましくは3.0質量部以上、さらに好ましくは4.0質量部以上であり、50質量部以下が好ましく、より好ましくは45質量部以下、さらに好ましくは40質量部以下である。
前記老化防止剤としては、イミダゾール類、アミン類、フェノール類、チオウレア類などが挙げられる。前記イミダゾール類としては、ジブチルジチオカルバミン酸ニッケル(NDIBC)、2-メルカプトベンズイミダゾール、2-メルカプトベンズイミダゾールの亜鉛塩などが挙げられる。アミン類としては、フェニル-α-ナフチルアミンなどが挙げられる。フェノール類としては、2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)(MBMBP)、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノールなどが挙げられる。チオウレア類としては、トリブチルチオ尿素、1,3-ビス(ジメチルアミノプロピル)-2-チオ尿素などが挙げられる。これらの老化防止剤は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記老化防止剤の使用量は、(A)基材ゴム100質量部に対して、0.2質量部以上が好ましく、より好ましくは0.3質量部以上、さらに好ましくは0.4質量部以上であり、5.0質量部以下が好ましく、より好ましくは4.8質量部以下、さらに好ましくは4.6質量部以下である。
前記軟化剤としては、鉱物油、可塑剤が挙げられる。前記鉱物油としては、パラフィンオイル、ナフテンオイル、アロマチックオイルなどが挙げられる。前記可塑剤としては、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジオクチルセパケート、ジオクチルアジペートなどが挙げられる。
前記スコーチ防止剤としては、有機酸、ニトロソ化合物などが挙げられる。前記有機酸としては、無水フタル酸、無水ピロメリット酸、無水トリメリット酸、安息香酸、サリチル酸、リンゴ酸などが挙げられる。前記ニトロソ化合物としては、N-ニトロソ・ジフェニルアミン、N-(シクロヘキシルチオ)フタルイミド、スルホンアミド誘導体、ジフェニルウレア、ビス(トリデシル)ペンタエリスルトールジホスファイト、2-メルカプトベンズイミダゾールなどが挙げられる。
前記外層用ゴム組成物は、従来公知の方法で調製できる。例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、オープンロールなどの混練機を用いて、各原料を混練りすることで調製できる。なお、外層用ゴム組成物が後述するマイクロバルーンを含有する場合は、マイクロバルーン以外の成分を予め混練した後、この混練物とマイクロバルーンとを混練することが好ましい。前記混練物とマイクロバルーンとを混練する際の材料温度は、マイクロバルーンの膨張開始温度未満の温度に設定することが好ましい。
前記外層は、中実層でもよいし、多孔質層でもよい。前記外層を多孔質層とすれば、ゴルフクラブ用グリップを軽量化できる。多孔質層は、基材となるゴムに多数の細孔(空隙)が形成されている層である。多数の細孔が形成されていることにより、層の見掛け密度が小さくなり、軽量化を図ることができる。
多孔質層を作製する方法としては、バルーン発泡法、化学発泡法、超臨界二酸化炭素射出成型法、塩抽出法、溶剤除去法などが挙げられる。前記バルーン発泡法では、ゴム組成物にマイクロバルーンを含有させ、加熱によりマイクロバルーンを膨張させて、発泡させる。なお、ゴム組成物に膨張済みのマイクロバルーンを配合し、それを成形してもよい。前記化学発泡法では、ゴム組成物に発泡剤(アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、N,N-ジニトロソペンタメチレンテトラミン、p-トルエンスルホニルヒドラジン、p-オキシビス(ベンゼンスルホヒドラジド)など)や発泡助剤を含有させ、化学反応により気体(炭酸ガス、窒素ガスなど)を発生させて発泡させる。前記超臨界二酸化炭素射出成型では、高圧力下で超臨界状態にある二酸化炭素をゴム組成物に含侵させ、このゴム組成物を常圧下に射出し、二酸化炭素を気化させて発泡させる。前記塩抽出法では、ゴム組成物に易溶解性塩(ホウ酸、塩化カルシウムなど)を含有させ、成形後に塩を溶解抽出して細孔を形成する。前記溶剤除去法では、ゴム組成物に溶剤を含有させ、成形後に溶剤を除去し細孔を形成する。
前記外層を多孔質層とする場合、発泡剤を含有する外層用ゴム組成物から成形された発泡層が好ましい。特に、バルーン発泡法により作製された発泡層とすることが好ましい。すなわち、外層としては、マイクロバルーンを含有する外層用ゴム組成物から成形された発泡層が好ましい。マイクロバルーンを用いることで、外層の機械的強度を維持しつつ、軽量化を図ることができる。
前記マイクロバルーンとしては、有機マイクロバルーン、無機マイクロバルーンのいずれも使用できる。有機マイクロバルーンとしては、熱可塑性樹脂からなる中空粒子、熱可塑性樹脂の殻に低沸点炭化水素が内包された樹脂カプセルなどが挙げられる。前記樹脂カプセルの具体例としては、Akzo Nobel社製のエクスパンセル、松本油脂製薬社製のマツモトマイクロスフェアー(登録商標)などが挙げられる。無機マイクロバルーンとしては、中空ガラス粒子(シリカバルーン、アルミナバルーンなど)、中空セラミックス粒子などが挙げられる。
前記樹脂カプセル(膨張前)の体積平均粒子径は、5μm以上が好ましく、より好ましくは6μm以上、さらに好ましくは9μm以上であり、90μm以下が好ましく、より好ましくは70μm以下、さらに好ましくは60μm以下である。
バルーン発泡法により最表層を作製する場合、前記外層用ゴム組成物中のマイクロバルーンの含有量は、基材ゴム100質量部に対して、1.0質量部以上が好ましく、より好ましくは1.2質量部以上、さらに好ましくは1.5質量部以上であり、10質量部以下が好ましく、より好ましくは8質量部以下、さらに好ましくは6質量部以下である。前記マイクロバルーンの含有量が1.0質量部以上であれば多孔質層を形成する際の発泡がより均一となり、10質量部以下であれば多孔質層の軽量化と機械的強度を両立できる。
前記外層用ゴム組成物の材料硬度(ショアA硬度)は、25以上が好ましく、より好ましくは28以上、さらに好ましくは30以上であり、60以下が好ましく、より好ましくは55以下、さらに好ましくは50以下である。外層用ゴム組成物の材料硬度(ショアA硬度)が25以上であれば外層の機械的強度がより向上し、60以下であれば外層が硬くなりすぎず、掴んだ時のグリップ感がより良好となる。
前記外層用ゴム組成物のムーニー粘度(ML1+4(100℃))は、35以上が好ましく、より好ましくは37以上、さらに好ましくは39以上であり、55以下が好ましく、より好ましくは53以下、さらに好ましくは50以下である。前記ムーニー粘度(ML1+4(100℃))が35以上であればグリップの耐摩耗性がより向上し、55以下であればゴム組成物の加工性がより良好となる。
前記ゴルフクラブ用グリップは、前記外層以外の他の部分の材質は特に限定されない。前記内層を形成する材料としては、内層用ゴム組成物、樹脂組成物が挙げられる。
前記内層用ゴム組成物としては、基材ゴムと架橋剤とを含有することが好ましい。前記基材ゴムとしては、天然ゴム(NR)、エチレン-プロピレン-ジエンゴム(EPDM)、ブチルゴム(IIR)、アクリロニトリル-ブタジエンゴム(NBR)、水素添加アクリロニトリル-ブタジエンゴム(HNBR)、カルボキシ変性アクリロニトリル-ブタジエンゴム(XNBR)、カルボキシ変性水素添加アクリロニトリル-ブタジエンゴム(HXNBR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、ポリウレタンゴム(PU)、イソプレンゴム(IR)、クロロプレンゴム(CR)、エチレン-プロピレンゴム(EPM)などが挙げられる。これらの中でも、前記基材ゴムとしては、NR、EPDM、IIR、NBR、HNBR、XNBR、HXNBR、BR、SBR、PUが好ましい。
前記内層用のゴム組成物の架橋剤としては、前記外層用ゴム組成物に使用されるものと同じものが挙げられ、単体硫黄が好ましい。前記内層用2ゴム組成物は、さらに加硫促進剤、加硫活性剤を含有することが好ましい。これらの加硫促進剤、加硫活性剤としては前記外層用ゴム組成物に使用されるものと同じものが挙げられる。前記加硫促進剤としては、N-t-ブチル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、テトラベンジルチウラムジスルフィドが好ましい。前記加硫活性剤としては、酸化亜鉛、ステアリン酸が好ましい。
前記内層用ゴム組成物は、さらに必要に応じて補強材、老化防止剤、軟化剤、着色剤、スコーチ防止剤などを配合してもよい。これらの補強材、老化防止剤、着色剤としては前記外層用ゴム組成物に使用されるものと同じものが挙げられる。前記補強材としては、カーボンブラック、シリカが好ましい。前記老化防止剤としては、2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)が好ましい。
前記内層用ゴム組成物は、従来公知の方法で調製できる。例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、オープンロールなどの混練機を用いて、各原料を混練りすることで調製できる。混練りする際の温度(材料温度)は、70℃~160℃が好ましい。なお、内層用ゴム組成物がマイクロバルーンを含有する場合は、マイクロバルーンの膨張開始温度未満の温度で混練りすることが好ましい。
前記樹脂組成物は、基材樹脂を含有する。前記基材樹脂としては、ポリウレタン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂などが挙げられる。
前記内層を形成する材料としては、内層用ゴム組成物が好ましく、基材ゴムとして天然ゴム(NR)、エチレン-プロピレン-ジエンゴム(EPDM)、ブチルゴム(IIR)を含有することが好ましい。また、外層用ゴム組成物が(A)基材ゴムとしてアクリロニトリル-ブタジエン系ゴムを含有する場合、内層用2ゴム組成物も基材ゴムとしてアクリロニトリル-ブタジエン系ゴムを含有することも好ましい。内層用ゴム組成物がアクリロニトリル-ブタジエン系ゴムを含有することで、内層と外層用ゴム組成物から形成される外層との密着性が向上する。
前記内層は、中実でもよいし、多孔質でもよい。前記内層を多孔質とする場合、マイクロバルーンを含有する内層用ゴム組成物から形成された発泡構造が好ましい。マイクロバルーンを用いることで、形成された部分の機械的強度を維持しつつ、軽量化を図ることができる。マイクロバルーンとしては、前記外層用ゴム組成物に使用されるものが挙げられ、熱可塑性樹脂の殻に低沸点炭化水素が内包された樹脂カプセルが好ましい。
前記円筒部の厚さは、0.5mm以上が好ましく、より好ましくは1.0mm以上、さらに好ましくは1.5mm以上であり、17.0mm以下が好ましく、より好ましくは10.0mm以下、さらに好ましくは8.0mm以下である。前記円筒部の厚さは、軸方向に一定となるように形成してもよいし、先端部から後端部に向かって徐々に厚くなるように形成してもよい。
前記外層の厚さおよび内層の厚さは、均一としてもよいし、変化をつけてもよい。例えば、円筒状グリップの軸方向に、一方端から他方端に向かって徐々に厚くなるように形成してもよい。前記外層の厚さは、均一であることが好ましい。
前記円筒部の厚さが0.5mm~17.0mmの場合、前記外層の厚さは、0.5mm以上が好ましく、より好ましくは0.6mm以上、さらに好ましくは0.7mm以上であり、2.5mm以下が好ましく、より好ましくは2.3mm以下、さらに好ましくは2.1mm以下である。前記外層の厚さが0.5mm以上であれば外層素材による補強効果がより大きくなり、2.5mm以下であれば相対的に内層を厚くすることができ、グリップの軽量化の効果が大きくなる。
前記円筒部の厚さに対する外層の厚さの百分率((外層厚さ/円筒部厚さ)×100)は、0.5%以上が好ましく、より好ましくは1.0%以上、さらに好ましくは1.5%以上であり、99.0%以下が好ましく、より好ましくは98.0%以下、さらに好ましくは97.0%以下である。前記百分率が0.5%以上であれば外層素材による補強効果がより大きくなり、99.0%以下であれば相対的に内層を厚くすることができ、グリップの軽量化の効果が大きくなる。
前記内層用ゴム組成物の材料硬度(ショアA硬度)は、30以上が好ましく、より好ましくは35以上、さらに好ましくは40以上であり、60以下が好ましく、より好ましくは55以下、さらに好ましくは50以下である。内層用ゴム組成物の材料硬度(ショアA硬度)が30以上であれば内層が軟らかくなりすぎず、掴んだ時にしっかりと固定できる感触が得られ、60以下であれば内層が硬くなりすぎず、掴んだ時のグリップ感がより良好となる。
前記外層と内層の組合せとしては、中実外層と中実内層、中実外層と多孔質内層、多孔質外層と多孔質内層が挙げられる。これらの中でも、中実外層と多孔質内層、多孔質外層と多孔質内層の組合せが好ましい。内層を多孔質とすることによりグリップの軽量化を図ることができるが、内層の機械的強度が低下する。しかし、前記外層用ゴム組成物は機械的強度に優れるため、内層が多孔質であっても、グリップの機械的強度を維持できる。
前記内層は、多孔質層が好ましく、バルーン発泡法により作製された発泡層が好ましい。バルーン発泡法により内層を作製する場合、内層用組成物中のマイクロバルーンの含有量は、基材(基材ゴムまたは基材樹脂)100質量部に対して、5質量部以上が好ましく、より好ましくは8質量部以上、さらに好ましくは12質量部以上であり、20質量部以下が好ましく、より好ましくは18質量部以下、さらに好ましくは15質量部以下である。前記マイクロバルーンの含有量が5質量部以上であればグリップの軽量化の効果がより大きくなり、20質量部以下であれば内層の機械的強度の低下を抑制できる。
また、バルーン発泡法により作製される内層の発泡倍率は、1.2以上が好ましく、より好ましくは1.5以上、さらに好ましくは1.8以上であり、5.0以下が好ましく、より好ましくは4.5以下、さらに好ましくは4.0以下である。発泡倍率が1.2以上であればグリップの軽量化の効果が大きくなり、5.0以下であれば内層の機械的強度の低下を抑制できる。
ゴルフクラブ用グリップは、前記外層用ゴム組成物を、金型内で成形することで得られる。成型方法としては、プレス成形、射出成形が挙げられる。また、内層と外層とを有するゴルフクラブ用グリップは、例えば、前記外層用ゴム組成物から形成した未加硫のゴムシートと、前記内層用ゴム組成物から形成した未加硫のゴムシートとの積層物を、金型内でプレス成形することで得られる。プレス成形を採用する場合、金型温度は140℃~200℃が好ましく、成形時間は5分間~40分間が好ましく、成形圧力は0.1MPa~100MPaが好ましい。
ゴルフクラブ用グリップの形状としては、例えば、シャフトが挿嵌される円筒部と、前記円筒部の後端の開口を覆うように一体形成されたキャップ部とを有する形状が挙げられる。そして、前記円筒部は内層と外層との積層構造を有している。
前記円筒部の厚みは、軸方向に一定となるように形成してもよいし、先端部から後端部に向かって徐々に厚くなるように形成してもよい。また、円筒部の厚みは、径方向に一定となるように形成してもよいし、一部に凸条部分(いわゆるバックライン)を設けてもよい。また、円筒部の表面には溝を設けてもよい。溝により、ゴルファーの手とグリップとの間の水膜形成が抑制され、ウェット状態でのグリップ性能がより向上する。さらに、グリップの防滑性能および耐摩耗性の観点から、グリップ内に補強コードを配設してもよい。
前記ゴルフクラブグリップの質量は、16g以上が好ましく、より好ましくは18g以上、さらに好ましくは20g以上であり、35g以下が好ましく、より好ましくは32g以下、さらに好ましくは30g以下である。
[ゴルフクラブ]
本発明には、前記ゴルフクラブ用グリップを用いたゴルフクラブも含まれる。前記ゴルフクラブは、シャフトと、前記シャフトの一端に取り付けられたヘッドと、前記シャフトの他端に取り付けられたグリップとを備え、前記グリップが前記ゴルフクラブ用グリップである。前記シャフトは、ステンレス鋼製や炭素繊維強化樹脂製が使用できる。前記ヘッドとしては、ウッド型、ユーティリティ型、アイアン型が挙げられる。前記ヘッドを構成する材料は、特に限定されるものではなく、例えばチタン、チタン合金、炭素繊維強化プラスチック、ステンレス鋼、マルエージング鋼、軟鉄などが挙げられる。
以下、図面を参照して、ゴルフクラブ用グリップおよびゴルフクラブについて説明する。図1は、ゴルフクラブ用グリップの一例を示す斜視図である。グリップ1は、シャフトが挿嵌される円筒部2と、前記円筒部の後端の開口を覆うように一体形成されたキャップ部3とを有する。
図2は、ゴルフクラブ用グリップの一例を示す断面模式図である。前記円筒部2は、内層2aと外層2bから構成されている。そして、前記外層2bは先端部から後端部にわたり厚さが均一に形成されている。前記内層2aの厚みは、先端部から後端部に向かって徐々に厚くなるように形成されている。図2に示したグリップ1では、キャップ部3は外層2bと同様のゴム組成物から形成されている。
図3は、本発明のゴルフクラブの一例を示す斜視図である。ゴルフクラブ4は、シャフト5と、前記シャフト5の一端に取り付けられたヘッド6と、前記シャフト4の他端に取り付けられたグリップ1とを備えている。グリップ1の円筒部2にシャフト5の後端が嵌入されている。
以下、本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明は、下記実施例によって限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲の変更、実施の態様は、いずれも本発明の範囲内に含まれる。
[評価方法]
(1)アクリロニトリル含有率
アクリロニトリル含有率は、水素添加前のアクリロニトリル-ブタジエンゴムについて、ISO 24698-1(2008)により測定した。
(2)二重結合含有量(mmol/g)
二重結合含有量は、共重合体中のブタジエン含有率(質量%)と残存二重結合量(%)から算出した。前記残存二重結合量とは、水素添加前の共重合体中の二重結合と水素添加後の共重合体中の二重結合との質量比(水素添加後の二重結合量/水素添加前の二重結合量)であり、赤外分光法により測定できる。アクリロニトリル-ブタジエンゴムが、アクリロニトリル-ブタジエン2元共重合体の場合、共重合体中のブタジエン含有率は100からアクリロニトリル含有率(質量%)を減ずることで求められる。
二重結合量={ブタジエン含有率/54}×残存二重結合量×10
(3)カルボキシ基を含有する単量体の含有率
水素添加アクリロニトリル-ブタジエンゴムを1g量りとり、クロロホルム50mlに溶解させ、ここにチモールブルー指示薬を滴下した。この溶液を攪拌しながら、水酸化ナトリウムの0.05mol/Lメタノール溶液を滴下し、最初に変色するまでの滴下量(Vml)を記録した。ブランクとして水素添加アクリロニトリル-ブタジエンゴムを含有しないクロロホルム50mlについても、チモールブルーを指示薬として、水酸化ナトリウムの0.05mol/Lメタノール溶液を滴下し、最初に変色するまでの滴下量(Bml)を記録した。下記式により、カルボキシ基含有率を算出した。
カルボキシ基含有単量体含有率={0.05×(V-B)×PM}/(10×X)
(式中、V:試験溶液の水酸化ナトリウム溶液滴下量(ml)、B:ブランクの水酸化ナトリウム溶液滴下量(ml)、PM:カルボキシ基含有単量体の分子量、X:カルボキシ基含有単量体の価数)
(4)ムーニー粘度(ML1+4(100℃))
ゴム組成物のムーニー粘度は、JIS K6300-1(2013)に準拠して測定した。測定は、L形ロータを用いて行った。
(5)材料硬度(ショアA硬度)
ゴム組成物を用いて、160℃で8~20分間プレスして、厚み2mmのシートを作製した。なお、ゴム組成物がマイクロバルーンを含有する場合は、グリップを形成した際と同様の発泡倍率となるようにマイクロバルーンを膨張させてシートを作製した。このシートを、23℃で2週間保存し、測定基板などの影響が出ないように、3枚重ねた状態で、自動硬度計(H.バーレイス社製、デジテストII)を用いて硬度を測定した。検出器は、「Shore A」を用いた。
(6)切断時引張強さ(Tb)
切断時引張強さは、JIS K 6251(2017)に準拠して測定した。具体的には、ゴム組成物を用いて厚さ1mmのシートを作製し、これをダンベル形状(ダンベル状3号形)に打ち抜いて試験片を作製した。引張試験測定装置(島津製作所社製、オートグラフAGS-D)を用いて物性を測定した(測定温度23℃、引張速度500mm/分)。そして、試験片が切断したときに記録される引張力を試験片の試験前の断面積で除することで切断時引張強さを算出した。
(7)粘弾性特性
損失正接(tanδ)、貯蔵弾性率(E)は、動的粘弾性測定装置(ユービーエム社製、Rheogel-E4000)を用いて測定した。試験試料は、外層用ゴム組成物を用いて、160℃でプレスしてゴム板を作製し、このゴム板を所定サイズに打ち抜くことにより作製した。測定条件は、温度;-100℃~100℃、昇温速度;3℃/min、測定間隔;3℃、周波数;10Hz、歪振幅;0.05%、治具;引張り、試料形状;幅4mm、厚さ1mm、長さ40mmとした。動的粘弾性測定により得られた粘弾性スペクトルから23℃におけるE’、60℃におけるtanδおよびE’を求めた。
(8)シュリンク率
カレンダーロールを用いて、外層用ゴム組成物を厚さが0.80mmとなるようにシート出しした。このゴムシートについて、シート出し直後の厚み(D1)と、シート出しから1週間経過後の厚み(D2)を測定し、下記式によりシュリンク率を算出した。また、シート出しから1週間経過後のゴムシートの表面について目視観察を行い、目立った凹凸がない場合を「〇」、凹凸が生じているが内層との貼り合わせが可能な場合を「△」、凹凸が生じており内層との貼り合わせが困難な場合を「×」と評価した。
シュリンク率(%)={(D2-D1)/D1}×100
(9)グリップ外観評価
作製後のグリップの外観を目視にて観察し、下記の基準で評価した。
〇:金型から取り出した直後に、エア噛みによる外層の膨らみが存在しなかった。
△:金型から取り出した直後には外観に外層の膨らみが存在しているが、冷却後には外層の膨らみが確認できなくなった。
×:金型から取り出した直後および冷却後に、外観に外層の膨らみが存在した。
[グリップの作製]
表1、2に示す配合で各原料を混練し、外層用ゴム組成物および内層用ゴム組成物を調製した。なお、外層用ゴム組成物は、全ての原料をバンバリーミキサーで混練した。内層用ゴム組成物は、マイクロバルーン以外の原料をバンバリーミキサーで混練し、その後、ロールを用いてマイクロバルーンを配合した。内層用ゴム組成物のバンバリーミキサーの混練時の材料温度およびロールによりマイクロバルーンを配合する際の材料温度は、マイクロバルーンの膨張開始温度未満とした。
Figure 2022185374000001
Figure 2022185374000002
表1、2で用いた材料は下記のとおりである。
HXNBR:水素添加カルボキシ変性アクリロニトリル-ブタジエンゴム(ARANXEO社製、Therban XT VPKA 8889(残存二重結合量3.5%、アクリロニトリル含有率33.0質量%、二重結合含有量0.40mmol/g、カルボキシ基含有単量体含有率5.0質量%、ムーニー粘度(ML1+4(100℃))77))
HNBR:水素添加アクリロニトリル-ブタジエンゴム(ARANXEO社製、Therban 3446(残存二重結合量4.0%、アクリロニトリル含有率34.0質量%))
EVA:エチレン-酢酸ビニル共重合体(ARANXEO社製、Levapren500(酢酸ビニル含有率50質量%、ムーニー粘度(ML1+4(100℃))27)
sylvatac RE 5S:Arizona Chemical製、ロジンエステル
シースト(SEAST)(登録商標)3:東海カーボン社製、カーボンブラック
過酸化亜鉛:struktol社製、struktol ZP 1014(過酸化亜鉛含有量29質量%)
酸化亜鉛:PT.INDO LYSAGHT社製、ホワイトシール
硫黄:鶴見化学工業社製、5%油入微粉硫黄(200メッシュ)
サンセラー(登録商標)TBzTD:三新化学工業社製、テトラベンジルチウラムジスルフィド
ノクセラー(登録商標)TOT-N:大内新興化学工業社製、テトラキス(2-エチルヘキシル)チウラムジスルフィド
ノクセラーEUR:大内新興化学工業社製、N,N'-ジエチルチオ尿素
マイクロバルーン:Akzo Nobel社製、「エクスパンセル(登録商標)909-80DU」(熱可塑性樹脂の殻に低沸点炭化水素が内包された樹脂カプセル、体積平均粒子径18μm~24μm、膨張開始温度120℃~130℃)
前記外層用ゴム組成物を用いて、扇台形状の未加硫のゴムシートおよびキャップ部材を作製した。なお、外層用ゴムシートは一定の厚さとなるように成形した。前記内層用ゴム組成物を用いて、長方形状の未加硫のゴムシートを作製した。なお、内層用ゴムシートは、一方端から他方端に向かって徐々に厚くなるように形成した。マンドレルに内層用ゴムシートを巻き付け、この上に外層用ゴムシートを重ねて巻き付けた。これらのゴムシートを巻き付けたマンドレルおよびキャップ部材を、キャビティ面に溝パターンを備えた金型に投入した。そして、金型温度160℃、加熱時間15分間で熱処理を行い、ゴルフクラブ用グリップを得た。得られたゴルフクラブ用グリップの円筒部の厚さは、最薄部(ヘッド側端部)が1.5mm、最厚部(グリップエンド側端部)が6.7mmであった。また、得られたグリップの表面は、研磨紙(#80)でバフ研磨を行った。
Figure 2022185374000003
グリップNo.1~3は、外層の比(E’23/E’60)が1.20~1.32である。これらのグリップは、外層材料のシュリンク率が低く、作製されたグリップはエア噛みによる外層の膨らみが存在しなかった
1:グリップ、2:円筒部、2a:内層、2b:外層、3:キャップ部、4:ゴルフクラブ、5:シャフト、6:ヘッド

Claims (5)

  1. 円筒状の内層と、前記内層を被覆する円筒状の外層とからなる円筒部を有し、
    前記外層は、動的粘弾性装置を用いて、加振周波数10Hz、歪振幅0.05%、引張モードの測定条件で測定した、23℃における貯蔵弾性率(E’23)と60℃における貯蔵弾性率(E’60)の比(E’23/E’60)が、1.20~1.32であることを特徴とするゴルフクラブ用グリップ。
  2. 前記外層の切断時引張強さが、20MPa~30MPaである請求項1に記載のゴルフクラブ用グリップ。
  3. 前記外層を形成するゴム組成物は、ムーニー粘度(ML1+4(100℃))が35~55である請求項1または2に記載のゴルフクラブ用グリップ。
  4. 前記外層は、動的粘弾性装置を用いて、加振周波数10Hz、歪振幅0.05%、引張モードの測定条件で測定した、60℃における損失正接(tanδ)が0.138以上である請求項1~3のいずれか1項に記載のゴルフクラブ用グリップ。
  5. 前記外層が、カルボキシル変性アクリロニトリル-ブタジエンゴム、水素添加アクリロニトリル-ブタジエンゴム、および、カルボキシル変性水素添加アクリロニトリル-ブタジエンゴムよりなる群から選択される少なくとも1種を含有する請求項1~4のいずれか一項に記載のゴルフクラブ用グリップ。
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