JP7359060B2 - 補強構造 - Google Patents
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Description
よって、カートンを補強するうえで改善の余地がある。
本実施形態の補強構造は、衛生用紙を内部空間に収容するカートンを補強する構造である。カートンに収容される衛生用紙の具体例としては、ティシュペーパをはじめ,キッチンペーパ,ペーパウェスなどが挙げられる。
本実施形態では、衛生用紙としてティシュペーパを例に挙げ、ティシュペーパが収容されたカートン(いわゆる「箱ティシュ」)の補強構造を例説する。
水平方向を前後方向(図中には前方を「F」で示すとともに後方を「B」で示す)および左右方向(図中には左方を「L」で示すとともに右方を「R」で示す)に細別して説明する。左右方向については、前方から後方へ向いた状態を基準に左右を定める。また、鉛直方向のうち重力の作用方向を下方(図中には「D」で示す)とし、下方の反対方向を上方(図中には「U」で示す)とする。さらに、カートンの内部空間に向かう側を内側とし、内側の反対側を外側とする。
下記の一実施形態では、カートンの補強構造に関する構成を項目[1]で述べる。
この項目[1]では、補強構造が設けられる対象(前提構成)のカートンを小項目[1-1]で説明し、このカートンに設けられた補強構造を小項目[1-2]で説明する。そして、項目[1]の構成による作用および効果を項目[2]で述べる。
[1-1.カートン]
図4(A)に示すように、補強構造が設けられる対象のカートン1には、内部空間2にティシュペーパ3が収容されている。
内部空間2には、ティシュペーパ3の積み重ねられた束が収容される。この束は、いわゆるポップアップ方式で取り出されるように折り重ねられ、ティシュペーパ3が取り出されるにつれて上下方向(積み重ねられた方向)の寸法が減少する。
これらの壁部1U,1B,1X,1Yは、配置箇所および延在方向によって下記の四つに大別される。
・底壁部1B:カートン1の下方で前後方向かつ左右方向に延在する壁部(穴壁部)
・側壁部1X:カートン1の左右で上下方向かつ前後方向に延在する一対の壁部
・端壁部1Y:カートン1の前後で上下方向かつ左右方向に延在する一対の壁部
ここで例示するカートン1では、天壁部1Uおよび底壁部1Bが側壁部1Xや端壁部1Yよりも大きな領域に延在している。このように壁部1U,1B,1X,1Yのうちで最大の延在面積を有する天壁部1Uおよび底壁部1Bどうしの間には、側壁部1X(立壁部1S)および端壁部1Y(立壁部1S)が設けられている。
この端壁部1Yには外フラップ部FUおよび内フラップ部FDが設けられ、内フラップ部FDの外側に外フラップ部FUが配置されている。
内フラップ部FDは、側壁部1Xの前後方向の各端部から延在する一対のフラップで構成される。内フラップ部FDが内側に折り倒され、外フラップ部FUが内フラップ部FDを覆うように折り倒されることにより、端壁部1Yが形成される。
この取除口11には、天壁部1Uの内側に、取除口11を覆うようにプラスチック製のフィルム12が貼付されている。フィルム12には、前後方向に沿ってスリットが形成されており、スリットを介してティシュペーパ3を取り出せるようになっている。
上記のようにカートン1を形成する壁部1U,1B,1X,1Yどうしが接する部位には、端辺Eが設けられている。
カートン1の上方において、側壁部1Xおよび端壁部1Yに対する天壁部1Uの境界には以下に列挙する四つの端辺Eが形成されている。
・右上辺ERU(第二端辺):天壁部1Uにおいて右方で前後に延在する端辺E
・後上辺EBU(第三端辺):天壁部1Uにおいて後方で左右に延在する端辺E
・左上辺ELU(第四端辺):天壁部1Uにおいて左方で前後に延在する端辺E
前上辺EFU,右上辺ERU,後上辺EBU,左上辺ELUは、この順番で隣り合って矩形の輪郭をなしている。これらの前上辺EFU,右上辺ERU,後上辺EBU,左上辺ELUによって、天壁部1Uが囲繞されている。
・前下辺EFD(第一端辺):底壁部1Bにおいて前方で左右に延在する端辺E
・右下辺ERD(第二端辺):底壁部1Bにおいて右方で前後に延在する端辺E
・後下辺EBD(第三端辺):底壁部1Bにおいて後方で左右に延在する端辺E
・左下辺ELD(第四端辺):底壁部1Bにおいて左方で前後に延在する端辺E
上記のように端辺Eが設けられたカートン1には、つぎに説明する補強構造が設けられている。
補強構造は、取除口11の開放された天壁部1Uおよびフラップ口14の開放された底壁部1Bを補強するための構造である。
このように使用時のカートン1を補強する構造には、補強対象の壁部1U,1Bにおいて開放される開口予定部10,13とは異なる箇所に補強用のリブをなすリブ部4が設けられている。
以下、リブ部4について、天壁部1Uに設けられた構成を主に説明する。
図1に示すように、天壁部1Uには、以下に示す四本のリブ部41~44が直線状に設けられている。
・右前リブ部41(第一リブ部):天壁部1Uにおいて右前方のリブ部4
・左後リブ部42(第二リブ部):天壁部1Uにおいて左後方のリブ部4
・左前リブ部43(第三リブ部):天壁部1Uにおいて左前方のリブ部4
・右後リブ部44(第四リブ部):天壁部1Uにおいて右後方のリブ部4
まず、四本のリブ部41~44について、共通する構成を説明する。
リブ部41~44は、天壁部1Uの端辺EFU,ERU,EBU,ELUが延在する方向とは異なる方向に延在する。言い換えると、リブ部4は、前後方向および左右方向の双方に対して交差する方向に延在して設けられている。
なお、リブ部41~44は、天壁部1Uの上面視(平面視)で交差しない配置に設けられている。
つぎに、リブ部41~44のそれぞれについての構成を説明する。
第一リブ対51の右前リブ部41は、一端4aが前上辺EFUの中間部に接続されるとともに、他端4bが右上辺ERUの中間部よりも前上辺EFU側に接続されている。第一リブ対51の左後リブ部42は、一端4aが後上辺EBUの中間部に接続されるとともに、他端4bが左上辺ELUの中間部よりも後上辺EBU側に接続されている。
右前リブ部41は、前上辺EFUの中点と右上辺ERUの中点よりも前上辺EFU側に位置する点とを結んだ罫線と言える。左後リブ部42は、後上辺EBUの中点と左上辺ELUの中点よりも後上辺EBU側に位置する点とを結んだ罫線と言える。
左前リブ部43は、前上辺EFUの中点と左上辺ELUの中点よりも前上辺EFU側に位置する点とを結んだ罫線と言える。右後リブ部44は、後上辺EBUの中点と右上辺ERUの中点よりも後上辺EBU側に位置する点とを結んだ罫線と言える。
さらに、右前リブ部41の一端4aと左前リブ部43の一端4aとが前上辺EFUの中間領域(ここでは中点)で接続され、上面視の右前リブ部41および左前リブ部43は後方に開放側を向けた「く」の字形をなす。
同様に、左後リブ部42の一端4aと右後リブ部44の一端4aとが後上辺EBUの中間領域(ここでは中点)で接続され、上面視の左後リブ部42および右後リブ部44が前方に開放側を向けた「く」の字形をなす。
右前リブ部41および右後リブ部44は、第一中間領域61を介して連接され、左後リブ部42および左前リブ部43は、第二中間領域62を介して連接されている。
図2に示すように、底壁部1Bにも天壁部1Uと同様に、四本のリブ部41~44が設けられている。
・右前リブ部41(第一リブ部):底壁部1Bにおいて右前方のリブ部4
・左後リブ部42(第二リブ部):底壁部1Bにおいて左後方のリブ部4
・左前リブ部43(第三リブ部):底壁部1Bにおいて左前方のリブ部4
・右後リブ部44(第四リブ部):底壁部1Bにおいて右後方のリブ部4
これらのリブ部41~44は、底開口予定部13を挟んだ両側に配置される点を除いて、天壁部1Uのリブ部4と同様である。
本実施形態の補強構造は、上述のような構成を備えるため、下記のような作用および効果を得ることができる。
カートン1の補強構造によれば、天壁部1Uおよび底壁部1Bを変形させる荷重がリブ部41~44を通じて一端4aおよび他端4bから端辺Eへ効率よく伝達される。このようにして壁部1U,1Bに印加された荷重がリブ部41~44の延在方向に分散されることで、端辺Eだけでは抑えきれない方向に壁部1U,1Bが変形するのを抑えることができ、カートン1の破損を防止することもできる。
よって、カートン1の剛性が確保され、カートン1を補強することができる。
なお、リブ部41~44は、天壁部1U,底壁部1Bの一部が窪んだ溝状の押罫であることから、端辺Eの押罫と同時にリブ部41~44を形成することができ、製造コストの上昇を抑制できる。
さらに、取除口11,フラップ口14が開放されると天壁部1U,底壁部1Bの強度は大きく低下する。これに対し、取除口11,フラップ口14の周辺にリブ部41~44が配置されるため、天壁部1U,底壁部1Bの強度低下を抑えることができる。
底壁部1Bについて言えば、フラップ口14の周辺にリブ部41~44が配置されることで、底壁部1Bの強度低下を抑えることができる。この点からも、カートン1を補強することができる。
上述の実施形態はあくまでも例示に過ぎず、この実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、必要に応じて取捨選択することができ、適宜組み合わせることもできる。
また、リブ部の両端が端辺に接続された形態に限定されず、図3(B)に示すように、一端4a″または他端4b″のみが端辺Eに接続された形態を採用してもよい。このようにリブ部4″が片持ち梁のように補強構造として機能する場合にも、カートン1を補強することができる。
たとえば、リブ部40の一端40aおよび他端40bが端辺Eに対して接続されておらず、一端40aが少なくとも端辺Eの近傍に設けられていてもよい。換言すれば、リブ部40の一端40aと端辺Eとの間に天壁部1Uや底壁部1Bの一部をなす非接続領域Rが設けられていてもよい。
上記のようにリブ部40の一端40aが端辺Eからやや離間して端辺E付近に配置されていた場合であっても、壁部1U,1Bに印加された荷重を端辺Eへ伝達することができ、カートン1を補強することができる。
そのほか、壁部の延在面積は、カートンの形状に応じて種々のサイズに設計することができる。また、外フラップ部の一部には、カートンを解体するための破断線が設けられてもよい。
なお、上述のカートンは、取除口が上方に配置された配向に限定されず、任意の配向であってもよい。具体例を挙げれば、下記の表1に示すように、上述の実施形態に記された方向を配向1~5の方向に読み替えてもよい。
1U 天壁部(穴壁部)
1B 底壁部(穴壁部)
1X 側壁部(立壁部1S)
1Y 端壁部(立壁部1S)
10 天開口予定部(開口予定部)
11 取除口(開口)
12 フィルム
13 底開口予定部(開口予定部)
14 フラップ口(開口)
15 罫線
16 破断線
2 内部空間
3 ティシュペーパ(衛生用紙)
4,4′,4″,40 リブ部
4a,4a″,40a 一端
4b,4b″,40b 他端
41 右前リブ部(第一リブ部)
42 左後リブ部(第二リブ部)
43 左前リブ部(第三リブ部)
44 右後リブ部(第四リブ部)
5 リブ対
51 第一リブ対(リブ対5)
52 第二リブ対(リブ対5)
61 第一中間領域
62 第二中間領域
E 端辺
EFU 前上辺(第一端辺)
ERU 右上辺(第二端辺)
EBU 後上辺(第三端辺)
ELU 左上辺(第四端辺)
EFD 前下辺(第一端辺)
ERD 右下辺(第二端辺)
EBD 後下辺(第三端辺)
ELD 左下辺(第四端辺)
FU 外フラップ部
FD 内フラップ部
R 非接続領域
Claims (9)
- 平面状をなす複数の壁部で囲繞された内部空間に衛生用紙を収容するカートンの補強構造であって、
前記衛生用紙の使用時に前記内部空間を外部と連通させる開口として開放される部位であり、前記複数の壁部のうち少なくとも一つである穴壁部に設けられた開口予定部と、
前記穴壁部において前記開口予定部とは異なる箇所で前記穴壁部の端辺が延在する方向とは異なる方向に延在し、前記異なる方向の両端のうち一端が少なくとも前記端辺の近傍まで形成され、前記穴壁部を補強するリブ部と、を備え、
前記リブ部は、前記一端が前記端辺に接続された
ことを特徴とする補強構造。 - 前記リブ部は、前記両端のうち他端が前記端辺に接続された
ことを特徴とする請求項1に記載の補強構造。 - 前記リブ部は、前記穴壁部の平面視において前記開口予定部を挟んだ両側に一対が配置されたリブ対を有する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の補強構造。 - 前記端辺が第一端辺,第二端辺,第三端辺,第四端辺の順に隣り合う矩形状の前記穴壁部を備えた前記カートンの補強構造であって、
前記リブ対は、
前記第一端辺の中間部に接続されるとともに前記第二端辺の中間部よりも前記第一端辺側に接続された第一リブ部と、前記第三端辺の中間部に接続されるとともに前記第四端辺の中間部よりも前記第三端辺側に接続された第二リブ部とからなる第一リブ対と、
前記第一端辺の中間部に接続されるとともに前記第四端辺の中間部よりも前記第一端辺側に接続された第三リブ部と、前記第三端辺の中間部に接続されるとともに前記第二端辺の中間部よりも前記第三端辺側に接続された第四リブ部とからなる第二リブ対と、を有する
ことを特徴とする請求項2を引用する請求項3に記載の補強構造。 - 前記リブ部は、前記穴壁部の平面視において交差しない配置に設けられた
ことを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載の補強構造。 - 前記リブ部は、前記穴壁部の一部が窪んだ溝状の押罫である
ことを特徴とする請求項1~5の何れか1項に記載の補強構造。 - 前記開口予定部の前記開口には、前記衛生用紙の使用時に前記穴壁部の一部が取り除かれる取除口として開放される部位が含まれる
ことを特徴とする請求項1~6の何れか1項に記載の補強構造。 - 前記開口予定部の前記開口には、前記穴壁部においてフラップ状の部位が折り立てられることで形成されるフラップ口として開放される部位が含まれる
ことを特徴とする請求項1~7の何れか1項に記載の補強構造。 - 前記リブ部は、前記壁部のうち延在面積が最も大きい前記穴壁部に設けられた
ことを特徴とする請求項1~8の何れか1項に記載の補強構造。
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