JP7356552B2 - 管構造 - Google Patents

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Description

本発明は、管構造に関し、特に同質曲管や直管等の管構造に関する。
例えば同質曲管や直管等の管体を土中に埋設する場合、土圧等の荷重に対する補強のために管体の外周にコンクリートを打設することで、管体をコンクリート体に埋設することが知られている(特許文献1等参照)。
特開2005-121062号公報
管体におけるコンクリート体に埋まっている部分とコンクリート体から突出された部分との境界部(つまりコンクリート体の端面付近)では、応力状態が急変し得る。例えば、管体に内圧が加わった場合、管体におけるコンクリート体に埋まっている部分は膨張が殆ど阻止される一方、コンクリート体から突出された部分では膨張が許容される。このため、管体におけるコンクリート体端面付近の部分は、応力集中によって損傷しやすい。
前記課題を解決するため、本発明に係る管構造は、
管体と、
端面が前記管体と交差するようにして前記管体の外周に被さるコンクリート体と、
前記端面付近における前記管体の周面に設けられ、管体に発生する応力を分散させる環状の応力分散材と、
を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、応力分散材による応力分散作用によって、コンクリート体の端面付近における管体の応力状態の急変を緩和できる。この結果、応力集中を抑制して、管体の損傷を防止することができる。
前記応力分散材が、前記管体の外周面に設けられていることが好ましい。
応力分散材を管体の内周面ではなく外周面に設けることよって、管体の内部空間の断面積が減るのを回避できる。
前記応力分散材が、前記管体に沿って前記端面から前記コンクリート体の外部へ張り出すとともに前記管体の変形を拘束する変形拘束材を含み、前記変形拘束材の変形拘束力が前記コンクリート体の変形拘束力よりも低いことが好ましい。
これによって、管体におけるコンクリート体が被さった部分は変形が抑制又は阻止される。管体における変形拘束材が設けられた部分は、前記コンクリート体が被さった部分よりも弱い力で変形を抑制される。管体における変形拘束材よりも外側の部分は変形が許容される。これによって、管体の応力状態の急変を確実に緩和でき、応力を確実に分散させることができる。
前記変形拘束材が、繊維強化プラスチックを含むことが好ましい。
これによって、管体に対する変形拘束力を確実に発現させることができる。
前記変形拘束材の厚みが、前記端面から遠ざかるにしたがって小さくなっていることが好ましい。
これによって、コンクリート体の端面から遠ざかるにしたがって変形拘束力を減少させることができ、応力状態の急変を確実に緩和することができる。
前記応力分散材が、前記管体に沿って前記端面から前記コンクリート体の奥側へ延び、前記管体の変形を許容する変形許容材を含んでいてもよい。
これによって、管体における変形許容材よりもコンクリート体の奥側の部分は、変形が抑制又は阻止される。管体における変形許容材が設けられた部分は、変形許容材の変形許容分だけ変形が許容される。管体におけるコンクリート体から突出された部分は変形が十分許容される。これによって、管体の応力状態の急変を確実に緩和でき、応力を確実に分散させることができる。
前記変形許容材が、弾性材を含むことが好ましい。
これによって、管体における変形許容材が設けられた部分は、変形許容材の弾性変形可能分だけ変形を許容されるようにできる。
前記変形許容材の厚みが、前記端面から前記コンクリート体の奥側へ向かって小さくなっていることが好ましい。
これによって、コンクリート体の奥側から端面に近づくにしたがって変形許容度を増大させることができ、応力状態の急変を確実に緩和することができる。
本発明に係る管構造は、同質曲管に好適である。すなわち、前記管構造が、前記管体と外面連結材を備えており、前記管体が、複数の単位管を含み、各単位管が自らの軸線に対して斜めをなす傾斜端面を有し、隣接する単位管の傾斜端面どうしが突き当てられ、前記外面連結材が、隣接する単位管の外周面どうし間に跨って、これら単位管どうしを連接していることが好ましい。
前記同質曲管からなる管構造において、前記コンクリート体内における前記端面の直近の外面連結材が、前記管体に沿って前記端面の外部へ延び出ることによって、前記変形拘束材を構成していることが好ましい。
これによって、同質曲管における外面連結材及び変形拘束材の施工を効率化できる。
なお、本発明に係る管構造は、前記同質曲管等の曲管構造に限られず、直管構造であってもよい。
本発明によれば、管体におけるコンクリート体の端面付近での応力状態の急変を緩和することができ、管体の損傷を防止できる。
図1は、本発明の第1実施形態に係る管構造の要部を、防護コンクリート(コンクリート体)を断面にして示す平面図である。 図2は、図1の円部IIの断面図である。 図3は、第1実施形態の変形態様を示し、図2相当の断面図である。 図4は、第1実施形態の他の変形態様を示し、図2相当の断面図である。 図5は、第1実施形態の他の変形態様を示し、図1相当の平面図である。 図6は、図5の円部VIの断面図である。 図7は、本発明の第2実施形態に係る管構造の要部を、コンクリート体を断面にして示す平面図である。 図8は、図7の円部VIIIの断面図である。 図9は、本発明の第3実施形態に係る管構造の要部を、コンクリート体を断面にして示す平面図である。 図10は、図9の円部Xの断面図である。 図11は、第3実施形態の変形態様を示し、図10相当の断面図である。 図12は、第3実施形態の他の変形態様を示し、図10相当の断面図である。 図13は、第3実施形態の他の変形態様を示し、図9相当の平面図である。 図14は、図13のXIV-XIV線に沿う断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面にしたがって説明する。
<第1実施形態>
図1及び図2は、本発明の第1実施形態を示したものである。図1に示すように、管構造1は、例えば下水道管や農業用水管等として提供される。管構造1は、同質曲管2と、防護コンクリート3(コンクリート体)を備えている。同質曲管2は、例えば原材管を斜めに切断して複数の単位管11を得、隣接する2つの単位管11のうち一方の単位管11を他方の単位管11に対して180°回転させたうえで、切断端面どうしを突き当てて連接したものである。これによって、同質曲管2の管軸が、所定角度(例えば90°)曲げられている。
詳しくは、同質曲管2は、曲管体10(管体)と、外面連結材20を有している。曲管体10は、複数の単位管11を含む。複数の単位管11が一列に連ねられている。各単位管11の少なくとも片側の端面11eは、当該単位管11の軸線に対して斜めになっている。隣接する単位管11の斜めをなす端面11eどうしが突き当てられて連接されている。
曲管体10の一端部(図1において上側の端部)は、外周が拡径されて受口2aとなっている。曲管体10の他端部(図1において右側の端部)は、挿口2bとなっている。受口2aと挿口2bとの間が曲がり部分2cとなっている。受口2aに他の管(図示省略)の挿口が挿し入れられる。挿口2bは、更に他の管(図示省略)の受口に挿し入れられる。
なお、曲管体10の受口2aは、外周が拡径されることなく薄肉化されることで挿口2bを受ける構造になっていてもよい。或いは、曲管体10の一端部に受口2aとなるカラーを設けて僅かに拡径させて挿口2bを受ける構造にしてもよい。
各単位管11ひいては曲管体10は、繊維強化プラスチック管(FRP管)や繊維強化プラスチック複合管(FRPM管)等の硬質樹脂管によって構成されている。FRP管やFRPM管は、フィラメントワインディング成形法によって作製されていてもよい。
曲管体10における隣接する単位管11どうしの間にそれぞれ外面連結材20が配置されている。外面連結材20は、繊維強化プラスチック(FRP)によって構成されている。詳しくは、図2に示すように、外面連結材20は、布状体21(強化繊維)と、充填樹脂22を含む。布状体21の材質としては、ガラス繊維のほか、炭素繊維、アラミド繊維等が挙げられる。布状体21は、ロービングクロス等の織布であってもよく、ガラスマット等の不織布(無方向の布状体)であってもよい。図2における布状体21は、作図の便宜上、模式的に図示されている。充填樹脂22が布状体21に含浸されている。充填樹脂22の成分としては、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂等が挙げられる。
図1に示すように、外面連結材20は、隣接する単位管11の外周面どうし間に跨るとともに、各単位管11の周方向に環状に巻かれている、充填樹脂22が、塗布時ないしは未硬化時の接着性によって曲管体10に接着されている。外面連結材20を介して、隣接する単位管11どうしが連結されている。同質曲管2の外周り部分2oにおいては、隣接する外面連結材20どうしが離間されている。同質曲管2の内周り部分2iにおいては、隣接する外面連結材20どうしが少し重なり、若しくは互いに連なっている。なお、内周り部分2iにおいても、隣接する外面連結材20どうしが離間されていてもよい。
同質曲管2の要求耐圧等に応じて、外面連結材20の厚み、ないしは布状体21の積層枚数が設定されている。同質曲管2の要求耐圧(内圧)は、例えば0.5MPa程度である。それ以上の耐圧性を要求される場合は、布状体21の積層枚数を増やすことで対応できる。
詳細な図示は省略するが、同質曲管2は、土中に配管されている。図1に示すように、曲がり部分2cの周辺には、土圧等の荷重に対する補強のために、防護コンクリート3が打設されている。これによって、防護コンクリート3が曲がり部分2cの外周に被さっている。言い換えると、曲がり部分2cが防護コンクリート3に埋設されている。受口2a及び挿口2bは、それぞれ防護コンクリート3から突出されている。防護コンクリート3の2つの端面3eが同質曲管2と交差している。防護コンクリート3は、鉄筋コンクリートであってもよく、鉄筋を含まないコンクリート体であってもよい。
図1に示すように、同質曲管2における端面3e付近の部分には、変形拘束材30(応力分散材)が設けられている。変形拘束材30は、繊維強化プラスチック(FRP)によって構成されている。詳しくは、図3(b)に示すように、変形拘束材30は、布状体31(強化繊維)と、充填樹脂32を含む。布状体31の材質としては、ガラス繊維のほか、炭素繊維、アラミド繊維等が挙げられる。布状体31は、ロービングクロス等の織布であってもよく、ガラスマット等の不織布(無方向の布状体)であってもよい。図2における布状体31は、作図の便宜上、模式的に図示されている。充填樹脂32が布状体31に含浸されている。充填樹脂32の成分としては、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂等が挙げられる。
図2に示すように、変形拘束材30は、曲管体10に沿って端面3eから張り出している。変形拘束材30は、曲管体10の外周面を囲むように環状になっている。変形拘束材30の充填樹脂32が、塗布時ないしは未硬化時の接着性によって曲管体10に接着されている。変形拘束材30の防護コンクリート3側(図2において左側)の部分は、防護コンクリート3内に少し入りこんでいる。変形拘束材30における防護コンクリート3から張り出した部分30eの幅W30eは、変形拘束材30における防護コンクリート3内に埋入された部分30dの幅W30dよりも十分に大きい(W30e>W30d)。例えば、張り出し部分30eの幅W30eは、W30e=数cm~数十cmであり、好ましくはW30e=5cm~30cm程度である。埋入部分30dの幅W30dは、W30d=数mm~数cmであり、好ましくはW30d=5mm程度である。
変形拘束材30は、直近の外面連結材20から離れている。特に同質曲管2の内周り部分2iにおいても、変形拘束材30が外面連結材20から離れている。なお、内周り部分2iにおいては、変形拘束材30と外面連結材20とが重なり、若しくは連なっていてもよい。
前記構成の管構造1において、同質曲管2には、例えば最大で0.5MPa程度の内水圧がかかる。或いは、それ以上の内水圧がかかることも想定される。このような高い内水圧に対し、曲がり部分2cは、防護コンクリート3によって拘束されているため、膨張変形が殆ど阻止される。一方、変形拘束材30よりも外側の受口2a及び挿口2bは、防護コンクリート3による拘束を受けず、後記変形拘束材30による拘束も受けないから、膨張変形が許容される。
曲管体10における変形拘束材30が設けられた部分は、変形拘束材30によって拘束され、膨張変形を抑制される。変形拘束材30による変形拘束力は、防護コンクリート3による変形拘束力よりも低い。これによって、端面3e付近における曲管体10の応力状態の急変を緩和して、応力を分散させることができる。埋入部分30dを設けて、変形拘束材30が防護コンクリート3の端面3eを跨ぐようにすることによって、曲管体10の端面3e上での応力状態の不連続性を確実に緩和できる。この結果、応力集中を抑制して、曲管体10の損傷を防止することができる。
更に、変形拘束材30によって、防護コンクリート3が不等沈下した場合に生じる剪断応力に対する耐力を増大できる。
変形拘束材30を曲管体10の内周面ではなく外周面に設けることによって、同質曲管2の管路断面積ひいてはコンダクタンスが損なわれるのを回避できる。
次に、本発明の他の実施形態を説明する。以下の実施形態において既述の形態と重複する構成に関しては図面に同一符号を付して説明を省略する。
図3は、第1実施形態の変形態様に係る。該変形態様における変形拘束材30は、埋入部分30dを有していない。変形拘束材30の全体が、防護コンクリート3の外部に配置されている。変形拘束材30における防護コンクリート3を向く端面が、端面3eに接している。
図4は、第1実施形態の他の変形態様に係る。該変形態様における変形拘束材30は、端面3eから遠ざかるにしたがって厚みが小さくなっている。これによって、端面3eから遠ざかるにしたがって変形拘束力を漸減させることができる。したがって、応力状態の不連続性を確実に緩和することができる。特に、変形拘束材30の先端部(端面3e側とは反対側の端部)における応力状態の急変を緩和することができる。
図5及び図6は、第1実施形態の他の変形態様に係る。該変形態様においては、防護コンクリート3内における端面3eの直近の外面連結材20Eが、変形拘束材30と連続している。詳しくは、外面連結材20Eは、端面3eの直近における単位管11どうしの連接部から端面3eまでの間の曲管体10の外周面の全域を覆い、更に、曲管体10に沿って端面3eの外部へ延び出ている。外面連結材20Eにおける端面3eから外部へ延び出た部分が、変形拘束材30(応力分散材)を構成している。したがって、変形拘束材30が、外面連結材20Eと一体化されている。
この変形態様によれば、外面連結材20Eを作製することによって、変形拘束材30をも同時に作製できる。これによって、外面連結材20E及び変形拘束材30の施工を効率化でき、ひいては同質曲管2の施工を効率化できる。
<第2実施形態>
図7及び図8は、本発明の第2実施形態を示したものである。図7に示すように、管構造1Bにおいては、管体10Sが直管にて構成されている。直管体10Sは、繊維強化プラスチック管(FRP管)や繊維強化プラスチック複合管(FRPM管)等の硬質樹脂管によって構成されている。FRP管やFRPM管は、フィラメントワインディング成形法によって作製されていてもよい。
直管体10Sが部分的にコンクリート体3Bに埋設されている。コンクリート体3Bは、鉄筋コンクリートにて構成されていてもよく、鉄筋を含まないコンクリートにて構成されていてもよい。直管体10Sは、コンクリート体3Bの端面3eから外部へ延び出ている。
図8に示すように、直管体10Sにおける端面3e付近の部分に繊維強化プラスチック(FRP)製の変形拘束材30が設けられている。第1実施形態(図2)と同様に、変形拘束材30は、コンクリート体3B内に少し入り込むとともに、直管体10Sに沿って端面3eから張り出している。変形拘束材30におけるコンクリート体3Bから張り出した部分30eの幅W30eは、変形拘束材30におけるコンクリート体3Bに埋入された部分30dの幅W30dよりも十分に大きい(W30e>W30d)。例えば、張り出し部分30eの幅W30eは、W30e=数cm~数十cmであり、好ましくはW30e=5cm~30cm程度である。埋入部分30dの幅W30dは、W30d=数mm~数cmであり、好ましくはW30d=5mm程度である。
第2実施形態によれば、直管体10Sに内水圧が作用した場合、コンクリート体3B内の直管体10Sは、コンクリート体3Bによって拘束されるため、膨張変形が殆ど阻止される。一方、コンクリート体3Bの外部における変形拘束材30よりも外側(図8において右側)の直管体10Sは、コンクリート体3Bによる拘束を受けず、後記変形拘束材30による拘束も受けないから、膨張変形が許容される。
直管体10Sにおける変形拘束材30が設けられた部分は、変形拘束材30によって拘束され、膨張変形を抑制される。変形拘束材30による変形拘束力は、コンクリート体3Bによる変形拘束力よりも低い。これによって、端面3e付近における直管体10Sの応力状態の急変を緩和して応力を分散させることができる。この結果、応力集中を抑制して、直管体10Sの損傷を防止することができる。
第2実施形態の変形態様として、変形拘束材30が、図3の変形態様と同様に、張り出し部分30eだけで構成されていてもよく、埋入部分30dが無くてもよい。変形拘束材30が、図4の変形態様と同様に、端面3eから遠ざかるにしたがって厚みが小さくなっていてもよい。
<第3実施形態>
図9及び図10は、本発明の第3実施形態を示したものである。図9に示すように、管構造1Cにおいては、直管体10Sにおける端面3e付近の部分に変形許容材40(応力分散材)が設けられている。変形許容材40は、弾性材によって構成されている。弾性体の材質としては、直管体10Sを構成するFRPよりも弾性率が低い(柔軟性に富んだ)ものであることが好ましく、例えば、ゴム(SBR、CR、EPDM等の合成ゴム、天然ゴム等)や、発泡性プラスチック等が挙げられる。
コンクリート体3Bと直管体10Sとの間に変形許容材40が介在されている。変形許容材40は、コンクリート体3B内における直管体10Sの外周を囲むように環状になっている。変形許容材40は、端面3eからコンクリート体3Bの奥側(図10において左側)へ延びている。変形許容材40におけるコンクリート体3Bの外側を向く端面と端面3eとが、面一になっている。直管体10Sの軸線に沿う、変形許容材40の幅W40は、W40=数cm~数十cmであり、好ましくはW40=5cm~15cm程度である。
第3実施形態によれば、直管体10Sに内水圧が作用した場合、コンクリート体3B内の変形許容材40よりも奥側(図10において左側)の直管体10Sは、コンクリート体3Bによって拘束されるため、膨張変形が殆ど阻止される。一方、コンクリート体3Bの外部の直管体10Sは、コンクリート体3Bによる拘束を受けないから、膨張変形が許容される。
コンクリート体3B内の直管体10Sにおける変形許容材40が設けられた部分は、変形許容材40が圧縮可能な分だけ、膨張変形が許容される。変形許容材40の圧縮による直管体10Sの膨張変形の許容度は、コンクリート体3Bの外部における膨張変形の許容度よりは小さい。これによって、端面3e付近における直管体10Sの応力状態の急変を緩和して応力を分散させることができる。この結果、応力集中を抑制して、直管体10Sの損傷を防止することができる。
図11は、第3実施形態の変形態様に係る。該変形態様においては、変形許容材40におけるコンクリート体3Bの外側を向く端部が、端面3eから少し突出されている。
図12は、第3実施形態の他の変形態様に係る。該変形態様においては、変形許容材40の厚みが、端面3eからコンクリート体3Bの奥側(図12において左側)へ向かうにしたがって小さくなっている。これによって、コンクリート体3Bの奥側から端面3eに近づくにしたがって膨張変形の許容度を漸増させることができる。したがって、応力状態の不連続性を確実に緩和することができる。特に、変形許容材40の奥側(図12において左側)の端部における応力状態の急変を緩和することができる。
図13及び図14は、第3実施形態の他の変形態様に係る。該変形態様においては、変形許容材40が、コンクリート体3B内の直管体10Sの全長にわたって設けられている。更に、変形許容材40の端部は、端面3eから少し突出されている。なお、変形許容材40の端部が端面3eと面一になっていてもよい。この変形態様においても、直管体10Sにおける応力状態の急変を緩和して応力を分散させることができる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の改変をなすことができる。
例えば、変形拘束材30等の応力分散材が、管体の内周面に設けられていてもよい。変形拘束材30の材質は、繊維強化プラスチックに限られず、変形許容材40と同様のゴム等であってもよい。
第1実施形態と第3実施形態を組み合わせてもよい。すなわち、第1実施形態(図1~図2)又はその変形態様(図3~図6)における同質曲管2の応力分散材として、変形拘束材30に代えて、第3実施形態(図9~図10)又はその変形態様(図11~図14)の変形許容材40を適用してもよい。
本発明は、例えば下水道管や農業用水管に適用できる。
1,1B,1C 管構造
2 同質曲管
2a 受口
2b 挿口
2c 曲がり部分
2i 内周り部分
2o 外周り部分
3 防護コンクリート(コンクリート体)
3B コンクリート体
3e 端面
10 曲管体(管体)
10S 直管体(管体)
10e 隙間
11 単位管
11e 傾斜端面
20 外面連結材
20E コンクリート体端面直近の外面連結材
21 布状体
22 充填樹脂
30 変形拘束材(応力分散材)
30e 張り出し部分
30d 埋入部分
31 布状体
32 充填樹脂
40 変形許容材(応力分散材)

Claims (2)

  1. 管体と、
    端面が前記管体と交差するようにして前記管体の外周に被さるコンクリート体と、
    前記端面付近における前記管体の周面に設けられ、管体に発生する応力を分散させる環状の応力分散材と、
    を備え、前記応力分散材が、前記管体に沿って前記端面から前記コンクリート体の外部へ張り出すとともに前記管体の変形を拘束する変形拘束材を含み、前記変形拘束材の変形拘束力が前記コンクリート体の変形拘束力よりも低く、
    前記変形拘束材の前記外部へ張り出す部分の厚みが、前記コンクリート体の前記端面から遠ざかるにしたがって小さくなっており、
    前記管体が、前記変形拘束材よりも外部へ突出された部分を有していることを特徴とする管構造。
  2. 管体と、
    端面が前記管体と交差するようにして前記管体の外周に被さるコンクリート体と、
    前記端面付近における前記管体の周面に設けられ、管体に発生する応力を分散させる環状の応力分散材と、
    を備え、前記応力分散材が、前記管体に沿って前記端面から前記コンクリート体の外部へ張り出すとともに前記管体の変形を拘束する変形拘束材を含み、前記変形拘束材の変形拘束力が前記コンクリート体の変形拘束力よりも低く、
    前記変形拘束材の前記外部へ張り出す部分の厚みが、前記端面から遠ざかるにしたがって小さくなっており、
    前記管体が、前記変形拘束材よりも外部へ突出された部分を有しており、
    前記変形拘束材の全体が、前記コンクリート体の外部に配置されることによって前記張り出す部分となっており、前記変形拘束材における前記張り出す側とは逆側の端面が、前記コンクリート体の前記端面と接していることを特徴とする管構造。
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