JP7355033B2 - ウレタン(メタ)アクリレート樹脂、硬化性樹脂組成物、及び硬化物 - Google Patents

ウレタン(メタ)アクリレート樹脂、硬化性樹脂組成物、及び硬化物 Download PDF

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Description

本発明は、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂、硬化性樹脂組成物、及び硬化物に関する。
近年、各種基材表面の擦傷防止や汚染防止のための保護コーティング材、各種基材の接着剤、シーリング材、フィルム型液晶素子、タッチパネル、およびプラスチック光学部品等の反射防止膜の用途において、硬度、柔軟性、耐擦傷性、耐摩耗性、低カール性、高屈折率、密着性および透明性に優れた硬化膜を形成し得る硬化性樹脂組成物が要求されている。これらの要求性能の中でも、近年、特に密着性と柔軟性、および硬度の両立が求められている。このような要求を満たすために、種々の組成物が提案されているが、硬化膜が高硬度であるとともに、密着性及び柔軟性にも優れているという特性を備えた硬化性樹脂組成物はまだ得られていないのが現状である。
例えば特許文献1には、1分子中に1個の水酸基を有する(メタ)アクリレート、芳香族ジイソシアネート及び任意成分としてジオール化合物との反応物であって分子中にビスフェノールメタン構造を有するウレタン(メタ)アクリレート、希釈剤及び光重合開始剤としてのメチルベンゾイルホルメートを含有することを特徴とする光学材料用樹脂組成物が提案されている。
特許文献2には、ポリカーボネート基材に対する接着性に優れた活性エネルギー線硬化型樹脂組成物として、特定のウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーを含有してなる活性エネルギー線硬化型樹脂組成物が提案されている。
特許文献3には、硬度や擦傷性に優れると共にカールやクラックの発生も少ない硬化皮膜、及びそれを与えるウレタン(メタ)アクリレート化合物が提案されている。
特許文献4には、ウレタン(メタ)アクリレート系組成物を含有してなる活性エネルギー線硬化性樹脂組成物及びコーティング剤に関し、硬化塗膜を形成した際に、硬化収縮が小さくカールがしにくく、更に屈曲性にも優れた塗膜を形成することができる活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が提案されている。
特開平10-324726号公報 特開2006-45361号公報 国際公開第2010/146801号 特開2017-203068号公報
上述のように、種々のウレタン(メタ)アクリレート樹脂組成物が提案されているが、硬度、耐溶剤性、密着性、低カール性、柔軟性の全てに優れる硬化膜を与える硬化性樹脂組成物は得られていないのが現状である。
特許文献1では速硬化性、メタクリル樹脂への密着性を主たる目的としているが、柔軟性や低カール性などの性能には言及されていない。
特許文献2はポリカーボネート板への接着性に優れるものの、他の樹脂基板への接着性や硬度、耐溶剤性、低カール性、柔軟性などの性能には言及されていない。
特許文献3、4は硬度について優れているが、柔軟性、低カール性の改良を目的としているが、柔軟性、低カール性についてはまだ改善の余地がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、硬度、耐溶剤性、柔軟性、低カール性に加え、密着性にも優れる硬化膜を与えることができるウレタン(メタ)アクリレート樹脂、並びに当該樹脂を含む硬化性樹脂組成物及び当該樹脂組成物の硬化物を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂をポリオール類により変性したポリオール類変性芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂と、芳香族基含有ジイソシアネートと、水酸基含有アクリレートとを反応させて得られる、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂が、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)
芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂をポリオール類により変性したポリオール類変性芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂と、芳香族基含有ジイソシアネートと、水酸基含有(メタ)アクリレート化合物とを反応させて得られる、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂。
(2)
重量平均分子量(Mw)が500~100,000である、(1)に記載のウレタン(メタ)アクリレート樹脂。
(3)
前記ポリオール類変性芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂の重量平均分子量が300~5,000である、(1)又は(2)に記載のウレタン(メタ)アクリレート樹脂。
(4)
前記ポリオール類変性芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂の水酸基価が100~400mgKOH/gである、(1)~(3)のいずれか一つに記載のウレタン(メタ)アクリレート樹脂。
(5)
前記ポリオール類変性芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂の水酸基と、前記芳香族基含有ジイソシアネートのイソシアネート基とのモル比(OH/NCO)が0.50~0.95であり、前記ポリオール類変性芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂の水酸基と前記水酸基含有(メタ)アクリレート化合物の水酸基との合計水酸基と、前記芳香族基含有ジイソシアネートのイソシアネート基とのモル比(OHT/NCO)が1.0~1.2となる比率で反応させて得られる、(1)~(4)のいずれか一つに記載のウレタン(メタ)アクリレート樹脂。
(6)
前記ポリオール類変性芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂が、エチレングリコール変性キシレンホルムアルデヒド樹脂を含有する、(1)~(5)のいずれか一つに記載のウレタン(メタ)アクリレート樹脂。
(7)
前記芳香族基含有ジイソシアネートが、ジフェニルメタンジイソシアネート及びトリレンジイソシアネートからなる群から選ばれる少なくとも1種の芳香族ジイソシアネートである、(1)~(6)のいずれか一つに記載のウレタン(メタ)アクリレート樹脂。
(8)
(1)~(7)のいずれか一つに記載のウレタン(メタ)アクリレート樹脂を含む、硬化性樹脂組成物。
(9)
(8)に記載の硬化性樹脂組成物を硬化して得られる硬化物。
本発明によれば、硬度、耐溶剤性、柔軟性、低カール性を兼ね備え、さらに密着性にも優れる硬化膜を与えることができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について詳細に説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜に変形して実施できる。本明細書において、「XX~YY」の記載は、「XX以上YY以下」を意味する。
本明細書における「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」及び「メタクリレート」の両方を意味する。他の類似用語(「(メタ)アクリル酸」、「(メタ)アクリロイル基」等)についても同様である。
[ウレタン(メタ)アクリレート樹脂]
本実施形態のウレタン(メタ)アクリレート樹脂は、ポリオール類変性芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂と、芳香族基含有ジイソシアネートと、水酸基含有(メタ)アクリレート化合物とを反応させて得られる。
本実施形態のウレタン(メタ)アクリレート樹脂は(メタ)アクリロイル基を含むため、UV等の照射又は加熱により容易に硬化させることができる。得られた硬化物は高い硬度及び高い耐溶剤性を有するとともに、密着性及び柔軟性にもさらに優れる。これは、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂の固有の特性である優れた密着性及び柔軟性に起因しているものと考えられる。
本実施形態のウレタン(メタ)アクリレート樹脂は、分析による特定が困難である構造を有するポリオール類変性芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂を原料として得られるため、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂もまた、その構造を分析して特定することが困難である。
本実施形態のウレタン(メタ)アクリレート樹脂の重量平均分子量(Mw)は、密着性向上の観点から、ポリスチレン換算で、好ましくは500~100,000であり、より好ましくは500~70,000であり、更に好ましくは700~50,000である。重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により測定することができる。
本実施形態のウレタン(メタ)アクリレート樹脂は、上記した通り、ポリオール類変性芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂と、芳香族基含有ジイソシアネートと、水酸基含有(メタ)アクリレート化合物とを反応させて得られ、具体的には、上記ポリオール類変性芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂の水酸基と、上記芳香族基含有ジイソシアネートのイソシアネート基とのモル比(OH/NCO)が0.50~0.95であり、上記ポリオール類変性芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂の水酸基と上記水酸基含有(メタ)アクリレート化合物の水酸基との合計水酸基と、上記芳香族基含有ジイソシアネートのイソシアネート基とのモル比(OHT/NCO)が1.0~1.2となる比率で反応させて得られるものが好ましい。
ポリオール類変性芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂の水素基と、芳香族基含有ジイソシアネートのイソシアネート基と、水酸基含有(メタ)アクリレートの水酸基との各モル比が上記範囲にあることで、密着性及び柔軟性に優れると共に、高い硬度及び高い耐溶剤性を有するウレタン(メタ)アクリレート樹脂を得ることができる。
上記ポリオール類変性芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂の水酸基と、芳香族基含有ジイソシアネートのイソシアネート基とのモル比(OH/NCO)が、0.50~0.90であることがより好ましく、0.50~0.80であることがさらに好ましい。
上記ポリオール類変性芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂の水酸基と上記水酸基含有(メタ)アクリレート化合物の水酸基との合計水酸基(OHT)と、上記芳香族基含有ジイソシアネートのイソシアネート基とのモル比(OHT/NCO)が1.0~1.1であることがより好ましく、1.0~1.05であることがさらに好ましい。
本実施形態のウレタン(メタ)アクリレート樹脂の水酸基価は、UV硬化性の観点から、好ましくは40mgKOH/g以下であり、より好ましくは20mgKOH/g以下である。下限は特に限定されないが、例えば5mgKOH/g以上である。水酸基価は、無水酢酸-ピリジン法(JIS K 1557-1:2007)に準拠した方法により測定できる。
本実施形態におけるウレタン(メタ)アクリレートは、ポリオール類変性芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂中に含まれる水酸基(アルコール性水酸基)を十分にウレタン化することが可能である。したがって、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂の水酸基価を低く抑えることが可能となる。
[ポリオール類変性芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂]
本実施形態において、ポリオール類変性芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂とは、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂をポリオール類により変性したものをいう。
(芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂)
上記芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂は、芳香族炭化水素とホルムアルデヒドとを反応させることにより得られる。芳香族炭化水素としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、デシルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン、ビフェニル、メチルビフェニル、ナフタレン、メチルナフタレン、ジメチルナフタレン、エチルナフタレン、アントラセン、メチルアントラセン、ジメチルアントラセン、エチルアントラセン、及びビナフチルからなる群より選ばれる少なくとも1種が挙げられる。より粘接着性に優れる観点から、キシレン、トルエン、及びメシチレンからなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、キシレンであることがより好ましい。本実施形態の芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂は、上記と同様の観点から、キシレンとホルムアルデヒドとを反応させることにより得られるキシレンホルムアルデヒド樹脂、トルエンとホルムアルデヒドとを反応させることにより得られるトルエンホルムアルデヒド樹脂、及びメシチレンとホルムアルデヒドとを反応させることにより得られるメシチレンホルムアルデヒド樹脂から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましく、キシレンホルムアルデヒド樹脂を含むことがより好ましい。
芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂は、市販品を用いてもよく、公知の方法により調製してもよい。市販品としては、例えば、フドー株式会社製の「ニカノールLL」が挙げられる。公知の方法としては、例えば、特公昭37-5747号公報などに記載された方法により、芳香族炭化水素及びホルムアルデヒドを、触媒の存在下で縮合反応させる方法が挙げられる。
(ポリオール類)
ポリオール類としては、脂肪族ポリオールが好ましい。脂肪族ポリオールとしては、特に限定されないが、トリメチロールプロパン、ネオペンチルグリコール、エステルグリコール、スピログリコール、ペンタエリスリトール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、2,5-ヘキサンジオール、1,2-ヘキサンジオール、トリメチロールエタン、1,2-オクタンジオール、1,10-デカンジオール、3-ヘキシン-2,5-ジオール、2,5-ジメチル-3-ヘキシン-2,5-ジオール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール、ポリエチレングリコール、及びポリオキシプロピレングリコール等を挙げることができる。これらの中でも、トリメチロールプロパン及びエチレングリコールがより好ましい。これらのポリオール類は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ポリオール類変性芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂は、柔軟性の観点から、ポリオール類変性キシレンホルムアルデヒド樹脂、ポリオール類変性トルエンホルムアルデヒド樹脂、及びポリオール類変性メシチレンホルムアルデヒド樹脂から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましく、ポリオール類変性キシレンホルムアルデヒド樹脂を含むことがより好ましい。中でも、エチレングリコール変性キシレンホルムアルデヒド樹脂を含むことが好ましい。
本実施形態のポリオール類変性芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂は、市販品を用いてもよく、公知の方法により調製してもよい。市販品としては、例えば、フドー株式会社製の「K-100」、「K-140」、「K-100E」及び「K-140E」が挙げられる。公知の方法としては、例えば、特開平04-224815号公報に記載のように、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂及びポリオール類を酸性触媒下で縮合反応させることにより製造することができる。
[ポリオール類変性芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂の物性]
ポリオール類変性芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂の水酸基価(OH価)は、100~400mgKOH/gであることが好ましく、130~300mgKOH/gであることがより好ましく、140~190mgKOH/gであることがさらに好ましい。水酸基価が上記範囲となることにより、得られるウレタン(メタ)アクリレートとしての特性(硬度、耐溶剤性等)、及びポリオール類変性芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂の特性(密着性、柔軟性等)をバランスよく確保することができる。水酸基価は、無水酢酸-ピリジン法(JIS K 1557-1:2007)に準拠した方法により測定できる。
本実施形態のポリオール類変性芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂のGPCにおける重量平均分子量は、ポリスチレン換算で、300~5,000であることが好ましく、400~1,000であることがより好ましく、500~800であることがさらに好ましく、550~700であることがよりさらに好ましい。重量平均分子量が上記範囲にあることにより、硬度、耐溶剤性、柔軟性等に優れ、かつ密着性にも優れる硬化膜を与えるウレタン(メタ)アクリレート樹脂を得ることができる。
[芳香族基含有ジイソシアネート]
本実施形態における芳香族基含有ジイソシアネートとは、分子中に存在する2つのイソシアネート基と芳香環とを有するイソシアネート化合物を指し、該要件を満たす限り特に限定されない。具体的な芳香族基含有ジイソシアネートとしては、2,4-トルイレンジイソシアネート、2,6-トルイレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフテンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、ジフェニルメチルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、ジベンジルジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート及びキシレンジイソシアネート等からなる群から選択される少なくとも1種を挙げることができる。
中でも、芳香族基含有ジイソシアネートとして、ジフェニルメタンジイソシアネート及びトリレンジイソシアネートからなる群から選択される少なくとも1種の芳香族ジイソシアネートを用いることがより好ましい。「芳香族ジイソシアネート」とは、分子中に存在する2つのイソシアネート基が芳香環に直結しているイソシアネート化合物のことを指す。
[水酸基含有(メタ)アクリレート化合物]
本実施形態における水酸基含有(メタ)アクリレート化合物は、少なくとも1分子中に水酸基及び(メタ)アクリロイル基を有する化合物であれば、特に限定されない。具体的な水酸基含有(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、5-ヒドロキシシクロオクチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート;N-メチロール(メタ)アクリルアミド等のヒドロキシ基含有(メタ)アクリルアミド;ビニルアルコール、ビニルフェノール、ビスフェノールAのジグリシジルエステルに(メタ)アクリル酸を反応させて得られる反応物等を挙げることができる。これらの中でも、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートが好ましく、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートがより好ましい。
[ウレタン(メタ)アクリレート樹脂の製造方法]
本実施形態におけるウレタン(メタ)アクリレート樹脂は、上記したポリオール類変性芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂と、芳香族基含有ジイソシアネート化合物と、水酸基含有(メタ)アクリレートを有機溶媒に投入し、反応させることにより製造できる。
また、上記したポリオール類変性芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂と、芳香族基含有ジイソシアネート化合物とを反応させて得られる末端イソシアネートウレタンプレポリマーに、水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させて得ることもできる。
上記反応はいずれも水酸基とイソシアネート基との反応であり、イソシアネート基に不活性な、すなわち、炭化水素系またはエステル系の有機溶媒存在下、ジブチルスズジラウレートやジブチルスズジエチルヘキソエートのような一般的なウレタン化触媒を用いて、通常10~100℃、好ましくは、30~90℃の温度範囲で、1~20時間程度継続して行うことができる。
上述した通り、上記ポリオール類変性芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂の水酸基と、上記芳香族基含有ジイソシアネートのイソシアネート基とのモル比(OH/NCO)が0.50~0.95であり、上記ポリオール類変性芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂の水酸基と上記水酸基含有(メタ)アクリレート化合物の水酸基との合計水酸基と、上記芳香族基含有ジイソシアネートのイソシアネート基とのモル比(OHT/NCO)が1.0~1.2となるように反応させることにより、密着性及び柔軟性に優れると共に、高い硬度及び高い耐溶剤性を有するウレタン(メタ)アクリレート樹脂を製造することができるため好ましい。より好ましいモル比は上述した通りである。
ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズジラウレート、ビスマストリス2-エチルヘキサノエート、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート等の公知のウレタン化触媒を用いることができる。該ウレタン化触媒は、反応に供される原料の合計質量基準で、通常50~1,000質量ppm、好ましくは50~500質量ppmの量で用いることができる。但し、得られるウレタン(メタ)アクリレートの性質を良好に保つためには、ウレタン化触媒の使用量は少ないほど好ましい。
(メタ)アクリレートが存在する反応においては、(メタ)アクリロイル基の重合を防止するという目的で空気または酸素の存在下で行うのが好ましい。ハイドロキノンやハイドロキノンモノメチルエーテル、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール(BHT)のような一般的に用いられている重合禁止剤を添加して反応を行ってもよい。
[ウレタン(メタ)アクリレート樹脂を含む硬化性樹脂組成物]
本実施形態の硬化性樹脂組成物は、上記ウレタン(メタ)アクリレート樹脂を含む。
当該硬化性樹脂組成物には、本実施形態の特性が損なわれない範囲において、上記ウレタン(メタ)アクリレート樹脂以外の(メタ)アクリレート樹脂、エポキシ樹脂、シアン酸エステル化合物、フェノール樹脂、オキセタン樹脂、ベンゾオキサジン化合物などの樹脂、オリゴマー、エラストマー類などの種々の高分子化合物、エチレン性不飽和基を有する化合物などの重合性官能基を有するモノマー、マレイミド化合物、充填材、難燃剤、シランカップリング剤、湿潤分散剤、光重合開始剤、光硬化開始剤、熱硬化促進剤、各種添加剤などを含むことができる。本実施形態の硬化性樹脂組成物に含まれる成分は、一般に使用されているものであれば、特に限定されるものではない。
各種添加剤としては、紫外線吸収剤、酸化防止剤、蛍光増白剤、光増感剤、染料、顔料、増粘剤、滑剤、消泡剤、レベリング剤、表面調整剤、光沢剤、重合禁止剤などが挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレート樹脂以外の上記成分は、1種を単独で、又は2種以上を適宜混合して使用することも可能である。各成分の配合量も、用途に応じて、種々調製できる。
本実施形態の硬化性樹脂組成物中、本実施形態の特性を得るため、上記ウレタン(メタ)アクリレート樹脂が40質量%以上であることが好ましい。硬化性樹脂組成物中のウレタン(メタ)アクリレート樹脂はより好ましくは60質量%以上であり、さらに好ましくは70質量%以上である。
本実施形態の硬化性樹脂組成物の製造方法は特に限定されない。例えば、上述した各成分を順次溶剤に配合し、十分に撹拌する方法が挙げられる。
硬化樹脂組成物の製造時には、必要に応じて各成分を均一に溶解又は分散させるための公知の処理(撹拌、混合、混練処理など)を行うことができる。撹拌、混合、混練処理は、例えば、超音波ホモジナイザーなどの分散を目的とした撹拌装置、三本ロール、ボールミル、ビーズミル、サンドミルなどの混合を目的とした装置、又は公転若しくは自転型の混合装置などの公知の装置を用いて適宜行うことができる。
本実施形態の組成物の調製時においては、必要に応じて有機溶剤を使用することができる。有機溶剤の種類は、組成物中の樹脂を溶解可能なものであれば、特に限定されない。
有機溶剤としては、特に限定されないが、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルセルソルブなどのケトン類;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;ジメチルホルムアミドなどのアミド類;プロピレングリコールモノメチルエーテル及びそのアセテートが挙げられる。これら有機溶剤は、1種を単独で、又は2種以上を適宜混合して使用することが可能である。
[硬化物]
本実施形態の硬化物は、上記硬化樹脂組成物を硬化して得られる。種々の公知の方法により硬化物を得ることができる。硬化方法としては、たとえば、UVやEUVなどによる照射や加熱などが挙げられ、これらを併用することも可能である。
本実施形態のウレタン(メタ)アクリレート樹脂は、高い反応性を有するため、UVやEUVなどで瞬時に硬化する生産性の高いプロセスに好適である。また、高い反応性を有するため、高品質の硬化物を安定して供給できる。本実施形態のウレタン(メタ)アクリレート樹脂及び硬化物は、保護コーティング材、各種基材の接着剤、シーリング材、フィルム型液晶素子、タッチパネル、およびプラスチック光学部品等の反射防止膜等に好適に用いることができる。
紫外線を照射させる場合は必要に応じてその照射量を調整することができ、例えば0.05J/cm2~10J/cm2程度の照射量で照射を行うことができる。
加熱の条件は、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂や、該樹脂を含む組成物中の各成分や、該樹脂及び各成分の含有量などに応じて適宜選択すればよいが、好ましくは150℃~220℃で20分間~180分間の範囲、より好ましくは160℃~200℃で30分間~150分間の範囲で選択される。
[用途]
本実施形態のウレタン(メタ)アクリレート樹脂、硬化性樹脂組成物及び硬化物は、種々の用途に使用できる。
例えば、粘・接着剤、タッチパネルなどの家電用途、各種レンズ材料、歯科材料などの光学材料及び医療材料用途、塗料、コーティング剤、プライマーなどの自動車・建築材料用途、靴、鞄、ランドセルなどの人工皮革及び合成皮革用途、重合原料、成形材料、ガス分離膜、燃料電池用膜、光導波路、ホログラムなどが挙げられる。
特に、自動車用、モバイル端末・弱電製品用、光ディスク用、光ファイバー用、化粧品容器用、建材用・床用の自己修復性塗料・コーティング用各種UV硬化型塗料・コーティング材;UV硬化型インクジェットインキ、ナノインプリント用UV硬化型樹脂、3Dプリンタ用UV硬化型樹脂、感光性導電ペーストなどのUVインキ、UV硬化型接着剤、タッチパネル用OCA、タッチパネル用OCR、有機EL用シール材などのUV接着剤;シーリング材;バッファーコート膜用材料;レンズ(ピックアップレンズ、マイクロレンズ、眼鏡レンズ);偏光膜(液晶ディスプレイ用など);反射防止フィルム(表示デバイス用反射防止フィルムなど);タッチパネル用フィルム;フレキシブル基板用フィルム;PDP(プラズマディスプレイ)、LCD(液晶ディスプレイ)、VFD(真空蛍光ディスプレイ)、SED(表面伝導型電子放出素子ディスプレイ)、FED(電界放出ディスプレイ)、NED(ナノ・エミッシブ・ディスプレイ)、ブラウン管、電子ペーパーなどのディスプレイ(特に薄型ディスプレイ)用フィルム(フィルタ、保護フィルム、反射防止膜など)の光学材料に好適に利用できる。
以下、実施例及び比較例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されない。
本実施例及び比較例で採用した評価方法は以下の通りである。
(1)重量平均分子量(Mw)
GPC分析により、ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)を求めた。分析に用いた装置及び分析条件は下記の通りである。
装置:Shоdex GPC-101型(昭和電工株式会社製製品)
カラム:Shоdex LF-804×3(昭和電工株式会社製製品)
溶離液:テトラヒドロフラン
流速:1.0mL/min.
カラム温度:40℃
検出器:RI(示差屈折検出器)
(2)水酸基価(OH価,mgKOH/g)
無水酢酸-ピリジン法(JIS K 1557-1:2007)に準じて測定した。
(3)ラビング試験
得られた硬化塗膜について、アセトンを含浸させた綿棒でコート層を擦った。表面が未溶解であった場合は○、溶解した場合は×と評価した。
(4)鉛筆硬度
得られた硬化塗膜について、JIS K 5600-5-4:1999に準じて測定した。
(5)柔軟性
得られた硬化塗膜について、JIS K 5600-5-1:1999に準拠して、下記基準に基づいて評価した。
○:直径2mmの芯棒で硬化膜に割れや剥がれがない。
×:直径2mmの芯棒で硬化膜に割れや剥がれが生じる。
(6)カール性(四隅の跳ね上がり高さ)
易接着PETフィルム(東洋紡株式会社製、コスモシャインA4100)に塗工し、硬化させた塗膜を10cm×10cmとなるように切り出し、四角の跳ね上がり高さの平均値(mm)をカール値として測定した。評価基準を以下に示す。
○:四角の跳ね上がり高さの平均値が5mm未満であった。
×:四角の跳ね上がり高さの平均値が5mm以上であった。
(7)密着性
得られた硬化塗膜について、JIS K 5600-5-6:1999に準じ、1mm間隔の100個のマス目状の切り込みを入れ、密着性の評価を行った。評価基準を以下に示す。
○:100個のマス目中、剥離しなかったマス目の数が90以上であった。
×:100個のマス目中、剥離しなかったマス目の数が90未満であった。
<実施例1>
2Lの三口フラスコにトルエン240質量部、ジフェニルメタンジイソシアネート205質量部、K-140E(フドー株式会社製、エチレングリコール変性キシレン樹脂、水酸基価:177mgKOH/g、重量平均分子量:580)260質量部、2-ヒドロキシエチルアクリレート95質量部、ジブチルスズジラウリエート0.2質量部、2,6-tert-ブチル-4-メチルフェノール(BHT)0.4質量部を仕込み、均一に混合した(エチレングリコール変性キシレン樹脂の水酸基と、ジフェニルメタンジイソシアネートのイソシアネート基とのモル比(OH/NCO)は0.50,合計水酸基(エチレングリコール変性キシレン樹脂+2-ヒドロキシエチルアクリレート)と、ジフェニルメタンジイソシアネートのイソシアネート基とのモル比(OHT/NCO)は1.0)。均一に混合した後、70℃まで昇温し、溶液を70℃に制御しながら15時間攪拌して反応を終結させ、目的とするウレタン(メタ)アクリレート樹脂溶液A(重量平均分子量:3517)を得た。得られたウレタン(メタ)アクリレート樹脂溶液A中の樹脂濃度は70質量%であった。
<実施例2>
ジフェニルメタンジイソシアネートに代えてトリレンジイソシアネートを161質量部用い、K-140E(フドー株式会社製、エチレングリコール変性キシレン樹脂、水酸基価:177mgKOH/g、重量平均分子量:580)を292質量部、2-ヒドロキシエチルアクリレートを107質量部用いたこと以外は、実施例1と同様にしてウレタン(メタ)アクリレート樹脂溶液B(重量平均分子量:2038)を得た(エチレングリコール変性キシレン樹脂の水酸基と、トリレンジイソシアネートのイソシアネート基とのモル比(OH/NCO)は0.50,合計水酸基(エチレングリコール変性キシレン樹脂+2-ヒドロキシエチルアクリレート)と、トリレンジイソシアネートのイソシアネート基とのモル比(OHT/NCO)は1.0)。得られたウレタン(メタ)アクリレート樹脂溶液B中の樹脂濃度は70質量%であった。
<実施例3>
ジフェニルメタンジイソシアネートに代えてメタキシリレンジイソシアネートを170質量部用い、K-140E(フドー株式会社製、エチレングリコール変性キシレン樹脂、水酸基価:177mgKOH/g、重量平均分子量:580)を286質量部、2-ヒドロキシエチルアクリレートを105質量部用いたこと以外は、実施例1と同様にしてウレタン(メタ)アクリレート樹脂溶液C(重量平均分子量:2727)を得た(エチレングリコール変性キシレン樹脂の水酸基と、メタキシリレンジイソシアネートのイソシアネート基とのモル比(OH/NCO)は0.50,合計水酸基(エチレングリコール変性キシレン樹脂+2-ヒドロキシエチルアクリレート)と、メタキシリレンジイソシアネートのイソシアネート基とのモル比(OHT/NCO)は1.0)。得られたウレタン(メタ)アクリレート樹脂溶液C中の樹脂濃度は70質量%であった。
<比較例1>
ジフェニルメタンジイソシアネートに代えてジシクロヘキシルメタン 4,4’-ジイソシアネートを211質量部用い、K-140E(フドー株式会社製、エチレングリコール変性キシレン樹脂、水酸基価:177mgKOH/g、重量平均分子量:580)を255質量部、2-ヒドロキシエチルアクリレートを94質量部用いたこと以外は、実施例1と同様にしてウレタン(メタ)アクリレート樹脂溶液D(重量平均分子量:3621)を得た。得られたウレタン(メタ)アクリレート樹脂溶液D中の樹脂濃度は70%であった。
<比較例2>
ジフェニルメタンジイソシアネートに代えてヘキサメチレンジイソシアネートを157質量部用い、K-140E(フドー株式会社製、エチレングリコール変性キシレン樹脂、水酸基価:177mgKOH/g、重量平均分子量:580)を295質量部、2-ヒドロキシエチルアクリレートを108質量部用いたこと以外は、実施例1と同様にしてウレタン(メタ)アクリレート樹脂溶液E(重量平均分子量:3039)を得た。得られたウレタン(メタ)アクリレート樹脂溶液E中の樹脂濃度は70%であった。
<比較例3>
ジフェニルメタンジイソシアネートに代えて1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンを170質量部用い、K-140E(フドー株式会社製、エチレングリコール変性キシレン樹脂、水酸基価:177mgKOH/g、重量平均分子量:580)を286質量部、2-ヒドロキシエチルアクリレートを105質量部用いたこと以外は、実施例1と同様にしてウレタン(メタ)アクリレート樹脂溶液F(重量平均分子量:2803)を得た。得られたウレタン(メタ)アクリレート樹脂溶液F中の樹脂濃度は70%であった。
<実施例4~6及び比較例4~6>
実施例1~3及び比較例1~3で得られたウレタン(メタ)アクリレート樹脂溶液A~Fそれぞれと、光重合開始剤(BASF製、イルガキュア(登録商標)184)とを混合し、硬化性樹脂組成物を得た。
続いて、この硬化性樹脂組成物を各種基材上にバーコーターを用いて塗布し、100℃で2min.乾燥させた後、紫外線照射装置(高圧水銀ランプ、アイグラフィックス株式会社製、ECS-1511U)を用いて、500mJ/cm2となるようにUV照射を行い、硬化塗膜を得た。得られた硬化塗膜について上記の各評価試験を実施した。結果を表1に示す。
用いた基材は、以下の通りである。
・PET(東洋紡株式会社製「A4100」、厚さ:100μm)
・鋼板(株式会社パルテック製「PB-N144」、厚さ:200μm)
・ポリカーボネート板(汎用品、厚さ:2mm)
・アクリル板(汎用品、厚さ:2mm)
・ABS(アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合樹脂)板(汎用品、厚さ:2mm)
Figure 0007355033000001
実施例4~6と比較して、比較例4~6ではプラスチック基板への密着性が低下した。これは、比較例4~6で使用したウレタン(メタ)アクリレート樹脂が、ジイソシアネート部分に芳香環を有していないことに起因するものと推測されるが、本発明はこの推測により何ら限定されない。

Claims (8)

  1. 芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂をポリオール類により変性したポリオール類変性芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂と、芳香族基含有ジイソシアネートと、水酸基含有(メタ)アクリレート化合物とを反応させて得られる、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂であり、
    前記ポリオール類変性芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂の水酸基と、前記芳香族基含有ジイソシアネートのイソシアネート基とのモル比(OH/NCO)が0.50~0.95であり、前記ポリオール類変性芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂の水酸基と前記水酸基含有(メタ)アクリレート化合物の水酸基との合計水酸基と、前記芳香族基含有ジイソシアネートのイソシアネート基とのモル比(OH T /NCO)が1.0~1.2となる比率で反応させて得られる、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂
  2. 重量平均分子量(Mw)が500~100,000である、請求項1に記載のウレタン(メタ)アクリレート樹脂。
  3. 前記ポリオール類変性芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂の重量平均分子量が300~5,000である、請求項1又は2に記載のウレタン(メタ)アクリレート樹脂。
  4. 前記ポリオール類変性芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂の水酸基価が100~400mgKOH/gである、請求項1~3のいずれか一項に記載のウレタン(メタ)アクリレート樹脂。
  5. 前記ポリオール類変性芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂が、エチレングリコール変性キシレンホルムアルデヒド樹脂を含有する、請求項1~のいずれか一項に記載のウレタン(メタ)アクリレート樹脂。
  6. 前記芳香族基含有ジイソシアネートが、ジフェニルメタンジイソシアネート及びトリレンジイソシアネートからなる群から選ばれる少なくとも1種の芳香族ジイソシアネートである、請求項1~のいずれか一項に記載のウレタン(メタ)アクリレート樹脂。
  7. 請求項1~のいずれか一項に記載のウレタン(メタ)アクリレート樹脂を含む、硬化性樹脂組成物。
  8. 請求項に記載の硬化性樹脂組成物を硬化して得られる硬化物。
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