JP2012242464A - 光学レンズシート用エネルギー線硬化型樹脂組成物及びその硬化物 - Google Patents

光学レンズシート用エネルギー線硬化型樹脂組成物及びその硬化物 Download PDF

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Abstract

【課題】離型性、型再現性、基板フィルムとの密着性に優れ、耐久性の高い基材上に成型する光学レンズに適した樹脂組成物を提供する。
【解決手段】下記一般式(1)で表されるポリエチレンオキサイド変性ビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレート(A)
Figure 2012242464

(式中、R、Rはそれぞれ独立に水素原子またはメチル基、m及びnは、それぞれ独立して5〜10の正数を表す)を30〜70質量部、フェニルエーテル構造を有するモノ(メタ)アクリレート(B)を3〜50質量部、3個以上の(メタ)アクリロイル基を有し、且つカプロラクトンまたはエチレンオキサイドにて変性された多官能(メタ)アクリレート(C)を3〜20質量部、テトラメチレングリコール構造を有するウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(D)を3〜20質量部、及び光重合開始剤(E)を1〜10質量部、それぞれ含有する基材上に成型するエネルギー線硬化型樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

紫外線硬化型樹脂組成物は、液晶表示装置のバックライトに使用されるプリズムレンズシートや、プロジェクションテレビ等に使用されるフレネルレンズ、レンチキュラーレンズ等の基材上に成型される光学レンズシート、透過型スクリーンなどに用いられている。
これら光学レンズシートは、近年のコストダウンの要求の高まりから光学シートの枚数が減少傾向にあり、従来、直接接触することがなかった他の光学シートと接触した場合の耐久性(耐擦傷性、耐スクラッチ性などと称される)を高い水準で要望されている。
樹脂層そのものに耐久性をもたせたものとして、特許文献1では、アクリル当量の小さい材料を使用することにより耐久性を発現しているが、アクリル当量の小さい材料を含有する樹脂組成物はカール性が強い傾向にあり、光学シートとして好ましくない。また、アクリル当量が小さい材料で耐久性の発現を試みると、硬化膜は硬く脆いものとなり、特に、有機または無機フィラーを含有した光学シートと接触することで容易にキズが付いてしまうという問題があった。
特許文献2では、繰り返し数の合計が0〜8のエチレンオキサイド変性されたジ(メタ)アクリレート、2個の芳香族環及び1個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物、1個の芳香族環及び1個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物、及び3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物、任意成分として前記以外のエチレン性不飽和基含有化合物という特定の樹脂の組み合わせにより光学レンズ用樹脂として有用であるという提案がされている。繰り返し数の合計が0〜8のエチレンオキサイド変性されたジ(メタ)アクリレートは耐擦傷性(耐スクラッチ性)が悪く、耐擦傷性(耐スクラッチ性)が要求される場合使用に適さない。アルキレンオキサイド変性が短いと硬くはなるものの、同時に脆くなってしまうためである。また、特許文献2の実施例ではスルフィド骨格のジアクリレートのみが使用されているが、一般的に硫黄原子を含有する樹脂を使用すると屈折率が上昇する傾向にあるものの、臭気が強くなること、また、耐光性が顕著に悪くなることが知られている。そのため、近年の光学レンズシート用樹脂組成物では使用上問題がある。
以上のように、一般的に光学レンズシートに求められる特性である高い光線透過率、金型離型性、基材密着性、並びに高耐久性を兼ね備えた樹脂組成物は得られていなかった。
特開2010−126670公報 特許第4457960号公報
本発明の目的は、レンチキュラーレンズ、プリズムレンズ、マイクロレンズ等の基材上に成型する光学レンズシートに適した樹脂組成物や、光線透過率、金型離型性に優れ、耐久性(耐擦傷性、耐スクラッチ性)の高い硬化物を提供するものである。
本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意研究の結果、特定の組成を有する紫外線硬化性樹脂組成物及びその硬化物が前記課題を解決することを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は
(1)下記一般式(1)で表されるポリエチレンオキサイド変性ビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレート(A)
Figure 2012242464
(式中、R、Rはそれぞれ独立に水素原子またはメチル基、m及びnは繰り返し数であって、それぞれ独立して5〜10の正数を表す)を30〜70質量部、フェニルエーテル構造を有するモノ(メタ)アクリレート(B)を3〜50質量部、3個以上の(メタ)アクリロイル基を有し、且つカプロラクトンまたはエチレンオキサイドにて変性された多官能(メタ)アクリレート(C)を3〜20質量部、テトラメチレングリコール構造を有するウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(D)を3〜20質量部、及び光重合開始剤(E)を1〜10質量部をそれぞれ含有する基材上に成型する光学レンズシート用エネルギー線硬化型樹脂組成物。
(2)フェニルエーテル構造を有する(メタ)アクリレート(B)がフェノキシエチルアクリレート、フェノキシポリエトキシアクリレート、o−フェニルフェノール(メタ)アクリレート、o−フェニルフェノールモノエトキシ(メタ)アクリレート、o−フェニルフェノールポリエトキシ(メタ)アクリレート、p−フェニルフェノール(メタ)アクリレート、p−フェニルフェノールモノエトキシ(メタ)アクリレート、p−フェニルフェノールポリエトキシ(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる1以上であることを特徴とする(1)に記載のエネルギー線硬化型樹脂組成物。
(3)テトラメチレングリコール構造を有するウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(D)が分子量500〜1000のジオール化合物とポリイソシアネート化合物と水酸基含有(メタ)アクリレートとを反応させて得られるウレタンアクリレートオリゴマーである(1)に記載のエネルギー線硬化型樹脂組成物。
(4)ポリイソシアネート化合物が環構造を有する(1)乃至(3)に記載のエネルギー線硬化型樹脂組成物。
(5)E型粘度計で測定した25℃での粘度が2000mPa・s以下である(1)乃至(4)のいずれか一項に記載のエネルギー線硬化型樹脂組成物。
(6)(5)に記載の硬化物を有する光学レンズシート。
本発明の樹脂組成物は、安定性が良く、金型からの離型性、型再現性、基材フィルムとの密着性が良い。また、耐久性(耐擦傷性、耐スクラッチ性)に優れている。そのため特にレンチキュラーレンズ、プリズムレンズ、マイクロレンズ等の基材上に成型する光学レンズシートに適している。
本発明において用いられる繰り返し数の合計(前記一般式(1)においてm+n)が10〜20であるポリエチレンオキサイド変性ビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレート(A)は硬化物の耐擦傷性(耐スクラッチ性)を向上させる働きがある。繰り返し数の合計が10〜20以外では、硬いものの、脆い硬化物となってしまう。具体例としては、エトキシ10モル変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エトキシ18モル変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エトキシ20モル変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート等を挙げることができ、これらは市販品として容易に入手可能である。具体的には第一工業製薬(株)製ニューフロンティアBPE−10(一般式(1)においてR=H、R=H、m=5、n=5)、第一工業製薬(株)製ニューフロンティアBPEM−10(R=CH、R=CH、m=5、n=5)、第一工業製薬(株)製ニューフロンティアBPE−20(一般式(1)においてR=H、R=H、m=10、n=20)、日立化成工業(株)製ファンクリルFA−321A(R=H、R=H、m=5、n=5)、日立化成工業(株)製ファンクリルFA−3218A(R=H、R=H、m=9、n=9)、日立化成工業(株)製ファンクリルFA−321M(R=CH、R=CH、m=5、n=5)、日立化成工業(株)製ファンクリルFA−3218M(R=CH、R=CH、m=9、n=9)、新中村化学工業(株)NKエステルA−BPE−10(R=H、R=H、m=5、n=5)、新中村化学工業(株)NKエステルA−BPE−20(一般式(1)においてR=H、R=H、m=10、n=20)、新中村化学工業(株)NKエステルBPE−500(R=CH、R=CH、m=5、n=5)、新中村化学工業(株)NKエステルBPE−900(R=CH、R=CH、m=8、n=9)、日油(株)ブレンマーPDBE−450(R=CH、R=CH、m=5、n=5)、サートマー製SR602(R=H、R=H、m=5、n=5)、サートマー製SR480(R=CH、R=CH、m=5、n=5)、MIWON製MIRAMER M2100(R=H、R=H、m=5、n=5)等が挙げられる。
本発明の樹脂組成物に使用するフェニルエーテル構造を有する(メタ)アクリレート(B)としては、以下のものを挙げることができる。
p−クミルフェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、エトキシ変性トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、プロポキシ変性トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、フェノキシヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレン(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエトキシ(メタ)アクリレート、ノニルフェノール(メタ)アクリレート、エトキシ変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、ポリエトキシ変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、o−フェニルフェノール(メタ)アクリレート、o−フェニルフェノールモノエトキシ(メタ)アクリレート、o−フェニルフェノールポリエトキシ(メタ)アクリレート、p−フェニルフェノール(メタ)アクリレート、p−フェニルフェノールモノエトキシ(メタ)アクリレート、p−フェニルフェノールポリエトキシ(メタ)アクリレート、o−フェニルフェノールエポシキ(メタ)アクリレート、p−フェニルフェノールエポキシ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。特にフェノキシエチル(メタ)アクリレート、o−フェニルフェノールモノエトキシ(メタ)アクリレート、o−フェニルフェノールポリエトキシ(メタ)アクリレートが好ましい。これらフェニルエーテル構造を有する(メタ)アクリレートは、単独で用いてもよいし、複数種を混合して使用することができる。
3個以上の(メタ)アクリロイル基を有し、且つカプロラクトンまたはエチレンオキサイドにて変性された多官能(メタ)アクリレート(C)は硬化物の耐擦傷性(耐スクラッチ性)を向上させる働きがある。カプロラクトンまたはエチレンオキサイドにて変性されていないものを使用した場合、硬化物が硬いものの、脆くなってしまう。3個以上の(メタ)アクリロイル基を有し、且つカプロラクトンまたはエチレンオキサイドにて変性された多官能(メタ)アクリレート(C)の具体例としては、ポリエトキシ変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリエトキシ変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ポリエトキシ変性グリセロールトリ(メタ)アクリレート、ポリエトキシ変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ポリエトキシ変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ポリカプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリカプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ポリエトキシ変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ポリカプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ポリエトキシ変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ポリカプロラクトン変性トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ポリエトキシ変性トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート等が挙げることができる。特に、ポリエトキシ変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリカプロラクトン変性トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ポリカプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ポリカプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが好ましい。
本発明の樹脂組成物に含有されるテトラメチレングリコール構造を有するウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(D)も硬化物の耐擦傷性(耐スクラッチ性)を向上させる働きがある。具体例としては、例えば、ジオール化合物と有機ポリイソシアネートを反応させ、次いで水酸基含有(メタ)アクリレートを付加した反応物等が挙げられる。
本発明において使用することのできるジオール化合物としては、例えば、ポリテトラメチレングリコール、3−メチルテトラメチレングリコール等を挙げることができる。それぞれ任意の分子量のジオール化合物を市販品として容易に入手できるが、本発明では特に、分子量500〜1000のポリテトラメチレンジオール化合物が好ましい。
本発明において使用することのできる有機ポリイソシアネートとしては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の鎖状飽和炭化水素イソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、水添キシレンジイソシアネート、水添トルエンジイソシアネート等の環状飽和炭化水素イソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアネート、6−イソプロピル−1,3−フェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート等を挙げることができ、環状飽和炭化水素イソシアネートが好ましく、中でもトリレンジイソシアネートもしくはイソホロンジイソシアネートが好ましい。
本発明において使用することのできる水酸基含有(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのε−カプロラクトン付加物、2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート等を挙げることができ、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートが好ましい。
本発明に使用するテトラメチレングリコール構造を有するウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(D)は、前記ジオール化合物と有機ポリイソシアネートと水酸基含有(メタ)アクリレートを用いて常法で合成することにより得ることができる。即ち、例えば、ジオール化合物と有機ポリイソシアネートとを付加することにより反応物(I)を得て、次いで反応物(I)に水酸基含有(メタ)アクリレートを付加することによりウレタン(メタ)アクリレートが得られる。
反応物(I)の合成に際しては、前記ジオールの水酸基1当量に対して、有機ポリイソシアネートのイソシアネート基1.1〜2.0当量を通常反応させ、1.3〜2.0当量を反応させることが好ましい。反応温度は、通常60〜100℃である。イソシアネート基が反応前の5.0重量%以下となったときを反応終点とする。
なお反応に際しては粘度を下げるために、反応に関与しない化合物を希釈剤として添加することも出来る。具体的には、水酸基を持たない構造の(メタ)アクリレートを希釈剤として用いることができる。
反応物(I)と水酸基含有(メタ)アクリレートの反応においては、反応物(I)のイソシアネート基1当量あたり、通常、水酸基含有(メタ)アクリレートの水酸基0.95〜1.1当量を反応させる。反応温度は、通常60〜100℃である。イソシアネート基が反応前の0.1重量%以下となったときを反応終点とする。なお、これら反応を促進するために、例えば、トリエチルアミン、ベンジルメチルアミン等の第3級アミン類、ジブチルスズジラウリレート、ジオクチルスズジラウリレート等のジラウリレート化合物を触媒として用いられる場合があるが、本発明では、近年の環境への配慮の高まり、法規制の厳格化により、スズ含有の触媒は使用しない。また、反応中の重合を防止するために、例えば、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、p−メトキシフェノール、p−ベンゾキノン等の重合禁止剤を用いることができる。重合禁止剤の添加量は反応混合物全体に対して通常0.001〜5重量%であり、0.01〜1重量%であることが好ましい。なお、本発明の樹脂組成物においては、テトラメチレングリコール構造を有するウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(D)は単独で用いても良いし、複数種を混合して用いても良い。
本発明の樹脂組成物に含有される光重合開始剤(E)としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン類;アセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−フェニルプロパン−1−オン、ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノプロパン−1−オン、オリゴ[2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノン]等のアセトフェノン類;2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、2−クロロアントラキノン、2−アミルアントラキノン等のアントラキノン類;2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン等のチオキサントン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類;ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、4,4’−ビスメチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、ジフェニル−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フォスフィンオキシド等のホスフィンオキサイド類等を挙げることができる。好ましくは、アセトフェノン類であり、さらに好ましくは2−ヒドロキシ−2−メチル−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトンを挙げることができる。なお、本発明の樹脂組成物においては、光重合開始剤(E)は単独で用いてもよいし、複数種を混合して用いてもよい。
また本発明の樹脂組成物には、得られる本発明の樹脂組成物の粘度、屈折率、密着性などを考慮して、成分(A)、成分(B)、成分(C)、成分(D)以外の(メタ)アクリレートを単独あるいは二種類以上を混合して使用してもよい。該(メタ)アクリレートとしては、単官能(メタ)アクリレート、2官能(メタ)アクリレート、分子内に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等を使用することができる。
単官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニロキシエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の脂環式(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、エトキシ変性クレゾール(メタ)アクリート、プロポキシ変性クレゾール(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールベンゾエート(メタ)アクリレート、モルホリン(メタ)アクリレート等の芳香環を有する(メタ)アクリレート、カプロラクトン(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等の複素環を有する(メタ)アクリレート、イミド環構造を有するイミド(メタ)アクリレート、ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコール(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート等のアルキル基を有する(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルカルビトール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート等の多価アルコールの(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
2官能(メタ)アクリレートとしては、ヒドロピバルアルデヒド変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、エトキシ変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロポキシ変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エトキシ変性ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、プロポキシ変性ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、エトキシ変性ビスフェノールSジ(メタ)アクリレート、プロポキシ変性ビスフェノールSジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAポリエトキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAポリプロポキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFポリエトキシジ(メタ)アクリレート、ヘキサヒドロフタル酸ジ(メタ)アクリレート等の芳香環を有する(メタ)アクリレート、ジアクリル化イソシアヌレート等のイソシアネートのアクリル化物、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート等の直鎖メチレン構造を有する(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノール(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジアクリレート等の脂環式(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレンジ(メタ)アクリレート等の多価アルコールのジ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
分子内に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレートとしては、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート等のイソシアヌレート環を有する多官能(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等の多価アルコールの多官能(メタ)アクリレートを挙げることができる。
ポリエステル(メタ)アクリレートとしては、ジオール化合物と二塩基酸又はその無水物との反応物であるポリエステルジオールと、(メタ)アクリル酸の反応物等が挙げられる。
エポキシ(メタ)アクリレートとしては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物の末端グリシジルエーテル、フルオレンエポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂類と(メタ)アクリル酸との反応物等を挙げることができる。
本発明の樹脂組成物の各成分の使用割合は、所望の屈折率やガラス転移温度(Tg)や粘度や密着性等を考慮して決められるが、成分(A)+成分(B)+成分(C)+成分(D)を100質量部とした場合に、成分(A)の含有量は30〜70質量部であり、好ましくは40〜65質量部である。成分(B)の含有量は3〜50質量部であり、好ましくは10〜45質量部である。成分(C)の含有量は3〜20質量部であり、好ましくは5〜15質量部である。成分(D)の含有量は3〜20質量部であり、好ましくは5〜15質量部である。成分(E)は成分(A)+成分(B)+成分(C)+成分(D)の総量100質量部に対して、1〜10質量部であり、好ましくは3〜7質量部である。
本発明の樹脂組成物には、前記成分以外に取り扱い時の利便性等を改善するために、離型剤、消泡剤、レベリング剤、光安定剤、酸化防止剤、重合禁止剤、帯電防止剤等を状況に応じて併用して含有することができる。更に、必要に応じて、アクリルポリマー、ポリエステルエラストマー、ウレタンポリマー及びニトリルゴム等のポリマー類も添加することができる。溶剤を加えることもできるが、溶剤を添加しないものが好ましい。
本発明の樹脂組成物は、各成分を常法に従い混合溶解することにより調製することができる。例えば、撹拌装置、温度計のついた丸底フラスコに各成分を仕込み、40〜80℃にて0.5〜6時間撹拌することにより得ることができる。
本発明の樹脂組成物の粘度は、基材上に成型する光学レンズを製造する際の形状の転写性や加工性の作業性に適した粘度として、E型粘度計(TV−200:東機産業社製)を用いて測定した粘度が25℃で2000mPa・s以下である組成物が好ましい。
本発明の樹脂組成物はエネルギー線によって容易に硬化させることができる。ここでエネルギー線の具体例としては、紫外線、可視光線、赤外線、X線、ガンマー線、レーザー光線等の電磁波、アルファー線、ベータ線、電子線等の粒子線等が挙げられる。本発明においては、これらのうち、紫外線、レーザー光線、可視光線、または電子線が好ましい。
常法に従い、本発明の樹脂組成物に前記エネルギー線を照射することにより、本発明の硬化物を得ることができる。本発明の樹脂組成物の屈折率は通常1.51〜1.59であり、好ましくは1.53〜1.57である。屈折率はアッベ屈折率計(型番:DR−M2、(株)アタゴ製)等で測定することができる。
本発明の基材上に成型する光学レンズは、例えば、レンチキュラーレンズ、プリズムレンズ等の形状を有するスタンパー上に塗布して該樹脂組成物の層を設け、その層の上に透明基材であるバックシート(例えば、ポリメタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、又はこれらポリマーのブレンド品等からなるフィルム)または易接着処理等の処理が為されたガラス基板を接着させ、次いで該透明基材側から高圧水銀灯等によりエネルギー線を照射して該樹脂組成物を硬化させた後、該スタンパーから硬化物を剥離して得ることができる。
本発明の光学レンズシートには、どのような製造法で作られるものも含まれるが、例えば、レンチキュラーレンズ、プリズムレンズ等の形状を有するスタンパー上に塗布して該樹脂組成物の層を設け、その層の上に透明基材であるバックシート(例えば、ポリメタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、又はこれらポリマーのブレンド品等からなるフィルム)または易接着処理等の処理が為されたガラス基板を接着させ、次いで該透明基材側から高圧水銀灯等によりエネルギー線を照射して該樹脂組成物を硬化させた後、該スタンパーから硬化物を剥離して得ることができる。
次に、実施例により本発明を更に詳細に説明する。本発明は以下の実施例によって何ら限定されるものではない。なお、数値の単位「部」は質量部を示す。
以下の実施例に示すような組成にて本発明の紫外線硬化型樹脂組成物及び硬化物を得た。又、樹脂組成物及び硬化膜についての評価方法及び評価基準は以下の通り行った。
(1)粘度:E型粘度計(TV−200:東機産業(株)製)を用い、25℃にて測定した。
(2)屈折率(25℃):硬化した紫外線硬化性樹脂層の屈折率(25℃)をアッベ屈折率計(DR−M2:(株)アタゴ製)で測定した。
(2)離型性:硬化した樹脂を金型より離型させるときの難易度を表す。
○・・・・金型からの離型が良好である
△・・・・離型がやや困難あるいは離型時に剥離音がある
×・・・・離型が困難あるいは型残りがある
(3)型再現性:基材上に紫外線硬化型樹脂層を塗布・成型し、高圧水銀灯(80W/cm、オゾンレス)で1000mJ/cm2の照射を行い硬化させた。硬化した紫外線硬化型樹脂層の表面形状と金型の表面形状を観察した。
○・・・・再現性良好である
×・・・・再現性が不良である
(4)密着性:型再現性評価で用いたサンプルにて、JIS K5600−5−6に準じて密着性評価を行った。
評価結果は0〜2を○とし、3〜5を×とした。
(6)耐擦傷性:PET基材上に金型を使いプリズム形状を附形し試験片を作製。試験片上に拡散シートのマット面を合わせ、さらにその上に100gの分銅を載せ、プリズムパターンと垂直方向に拡散シートを引っ張った際に発生する擦り傷を観察した。拡散シートには市販品(Haze値50%)を使用した。
○・・・・傷無し〜僅かに傷有り
×・・・・傷有り
実施例1
成分(A)としてニューフロンティアBPE−10(第一工業製薬(株)製:ビスフェノールAポリエトキシジアクリレート(一般式(1)においてR=H、R=H、m=5、n=5))を40部、成分(B)としてニューフロンティアPHE(第一工業製薬(株)製:フェノキシエチルアクリレート)を5部、同じく成分(B)としてKAYARAD OPP−1.5(日本化薬(株)製:o−フェニルフェノールポリエトキシアクリレート)を40部、成分(C)としてKAYARAD THE−330(日本化薬(株)製:トリメチロールプロパンポリエトキシトリアクリレート)を10部、成分(D)としてKAYARAD UX−0937(日本化薬(株)製:ポリエーテルウレタンアクリレートオリゴマー)を5部、成分(E)としてIrgacure 184(BASFジャパン(株)製:1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン)を5部、60℃に加温、混合し、本発明の樹脂組成物を得た。この樹脂組成物に高圧水銀ランプで1000mJ/cmの照射量の紫外線を照射して硬化膜を得て屈折率を測定した。
また、この樹脂組成物をプリズムレンズ金型の上に膜厚が約50μmになるように塗布し、その上に基材として易接着PETフィルム(東洋紡コスモシャインA4300、100μm厚)を接着させ、更にその上から高圧水銀ランプで1000mJ/cmの照射量の紫外線を照射させ、硬化させた後剥離して、本発明のプリズムレンズシートを得た。
評価結果
粘度:300mPa・s、屈折率:1.557、離型性:○、型再現性:○、密着性:○、耐擦傷性:○
実施例2
成分(A)としてニューフロンティアBPE−10を60部、成分(B)としてニューフロンティアPHE−2(第一工業製薬(株)製:フェノキシジエトキシアクリレート)を10部、成分(C)としてKAYARAD DPCA−60(日本化薬(株)製:ジペンタエリスリトールポリカプロラクトンヘキサアクリレート)を15部、成分(D)としてKAYARAD UX−0937を15部、成分(E)としてDarocur 1173(BASFジャパン(株)製:2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン)を5部、60℃に加温、混合し、本発明の樹脂組成物を得た。また、実施例1と同様にして得た樹脂層の屈折率を測定した。
得られた樹脂組成物を用いて実施例1と同様にして本発明のプリズムレンズシートを得た。
評価結果
粘度:800mPa・s、屈折率:1.531、離型性:○、型再現性:○、密着性:○、耐擦傷性:○
実施例3
成分(A)としてニューフロンティアBPE−20(第一工業製薬(株)製:ビスフェノールAポリエトキシジアクリレート(一般式(1)においてR1=H、R2=H、m=10、n=10))を30部、成分(B)としてニューフロンティアPHEを10部、同じく成分(B)としてKAYARAD OPP−1(日本化薬(株)製:o−フェニルフェノールモノエトキシアクリレート)を30部、成分(C)としてKAYARAD DPCA−120(日本化薬(株)製:ジペンタエリスリトールポリカプロラクトンヘキサアクリレート)を10部、成分(D)としてKAYARAD UX−0937を20部、成分(E)としてIrgacure 184を5部、60℃に加温、混合し、本発明の樹脂組成物を得た。また、実施例1と同様にして得た樹脂層の屈折率を測定した。
得られた樹脂組成物を用いて実施例1と同様にして本発明のプリズムレンズシートを得た。
評価結果
粘度:850mPa・s、屈折率:1.548、離型性:○、型再現性:○、密着性:○、耐擦傷性:○
実施例4
成分(A)としてニューフロンティアBPE−10を30部、成分(B)としてニューフロンティアPHEを5部、同じく成分(B)としてKAYARAD OPP−1.5を45部、成分(C)としてSR−9035(サートマー製:トリメチロールプロパンポリエトキシトリアクリレート)を5部、成分(D)としてKAYARAD UX−0937を15部、成分(E)としてDarocur 1173を5部、60℃に加温、混合し、本発明の樹脂組成物を得た。この樹脂組成物の粘度(25℃)は500mPa・sであった。また、実施例1と同様にして得た樹脂層の屈折率を測定した。
得られた樹脂組成物を用いて実施例1と同様にして本発明のプリズムレンズシートを得た。
評価結果
粘度:500mPa・s、屈折率:1.560、離型性:○、型再現性:○、密着性:○、耐擦傷性:○
比較例1
特許文献1(特開2010−126670号公報)の実施例3に従い、該文献製造例3の化合物(ビスフェノールAジグリシジルエーテルのアクリル酸4モル付加物)を合成し、製造例3の化合物を90部、KAYARAD DPHA(日本化薬(株)製、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)を10部、Irgacure 184(BASFジャパン(株)製:1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン)2部を60℃に加温、混合し、比較用の樹脂組成物を得た。この樹脂組成物の粘度(50℃)は9400mPa・sであった。また、実施例1と同様にして得た樹脂層の屈折率を測定した。
得られた樹脂組成物を用いて実施例1と同様にして本発明のプリズムレンズシートを得た。この比較例は粘度が非常に高いため加工性が悪く、離型性にも劣るため連続成型加工には不適である。
評価結果
粘度:9400mPa・s、屈折率:1.550、離型性:×、型再現性:○、密着性:○、耐擦傷性:×
比較例2
特許文献2(特許第4457960号)の実施例1に従い、合成例1のウレタンアクリレートを合成し、合成例1の化合物を22.5部、ビス(4−アクリロイルオキシエトキシフェニル)スルフィドを20部、o−フェニルフェニルアクリレートを25部、ベンジルメタクリレートを10部、テトラヒドロフルフリルアクリレートを17.5部、トリメチロールプロパントリアクリレートを5部、Irgacure 184を5部、60℃に加温、混合し、比較用の樹脂組成物を得た。また、実施例1と同様にして得た樹脂層の屈折率を測定した。
得られた樹脂組成物を用いて実施例1と同様にして本発明のプリズムレンズシートを得た。
粘度:70mPa・s、屈折率:1.560、離型性:○、型再現性:○、密着性:○、耐擦傷性:×
比較例3
成分(A)としてニューフロンティアBPE−4(第一工業製薬(株)製:ビスフェノールAポリエトキシジアクリレート(一般式(1)においてR=H、R=H、m=2、n=2))を40部、成分(B)としてニューフロンティアPHEを5部、同じく成分(B)としてKAYARAD OPP−1.5を40部、成分(C)としてKAYARAD THE−330を10部、成分(D)としてKAYARAD UX−0937を5部、成分(E)としてIrgacure 184を5部、60℃に加温、混合し、本発明の樹脂組成物を得た。また、実施例1と同様にして得た樹脂層の屈折率を測定した。
得られた樹脂組成物を用いて実施例1と同様にして本発明のプリズムレンズシートを得た。
評価結果
粘度:300mPa・s、屈折率:1.566、離型性:○、型再現性:○、密着性:○、耐擦傷性:×
比較例4
成分(A)としてファンクリルFA−328(日立化成工業(株)製:ビスフェノールAポリエトキシジアクリレート(一般式(1)においてR=H、R=H、m=4、n=4))を30部、成分(B)としてニューフロンティアPHEを5部、同じく成分(B)としてKAYARAD OPP−1.5を40部、成分(C)としてKAYARAD THE−330を20部、成分(D)としてKAYARAD UX−0937を5部、成分(E)としてIrgacure 184を5部、60℃に加温、混合し、本発明の樹脂組成物を得た。また、実施例1と同様にして得た樹脂層の屈折率を測定した。
得られた樹脂組成物を用いて実施例1と同様にして本発明のプリズムレンズシートを得た。
評価結果
粘度:200mPa・s、屈折率:1.555、離型性:○、型再現性:○、密着性:○、耐擦傷性:×
比較例5
成分(A)としてニューフロンティアBPE−10を60部、成分(B)としてニューフロンティアPHE−2(第一工業製薬(株)製:フェノキシジエトキシアクリレート)を5部、成分(C)としてKAYARAD PET−30(日本化薬(株)製:ペンタエリスリトールトリアクリレート)を20部、成分(D)としてKAYARAD UX−0937を15部、成分(E)としてDarocur 1173を5部、60℃に加温、混合し、本発明の樹脂組成物を得た。また、実施例1と同様にして得た樹脂層の屈折率を測定した。
得られた樹脂組成物を用いて実施例1と同様にして本発明のプリズムレンズシートを得た。
評価結果
粘度:900mPa・s、屈折率:1.535、離型性:○、型再現性:○、密着性:○、耐擦傷性:×
比較例6
成分(A)としてニューフロンティアBPE−10を60部、成分(B)としてニューフロンティアPHE−2(第一工業製薬(株)製:フェノキシジエトキシアクリレート)を10部、成分(C)としてKAYARAD DPHA(日本化薬(株)製:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)を15部、成分(D)としてKAYARAD UX−0937を15部、成分(E)としてDarocur 1173を5部、60℃に加温、混合し、本発明の樹脂組成物を得た。また、実施例1と同様にして得た樹脂層の屈折率を測定した。
得られた樹脂組成物を用いて実施例1と同様にして本発明のプリズムレンズシートを得た。
評価結果
粘度:900mPa・s、屈折率:1.539、離型性:○、型再現性:○、密着性:○、耐擦傷性:×
実施例1〜4及び比較例1〜6の評価結果から明らかなように、特定の組成を有する本発明の樹脂組成物は離型性、型再現性、基板フィルムとの密着性が良好であり、耐久性(耐擦傷性、耐スクラッチ性)に優れる。そのため例えばレンチキュラーレンズ、プリズムレンズ、マイクロレンズ等の基材上に成型する光学レンズシートに適しており、他の光学シートとの接触によって発生する形状の欠点を抑制することができる。
本発明の紫外線硬化性樹脂組成物及びその硬化物は、主に、レンチキュラーレンズ、プリズムレンズ、マイクロレンズ等の基材上に成型される光学レンズシートに特に適するものである。

Claims (6)

  1. 下記一般式(1)で表されるポリエチレンオキサイド変性ビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレート(A)
    Figure 2012242464
    (式中、R、Rはそれぞれ独立に水素原子またはメチル基、m及びnは、それぞれ独立して5〜10の正数を表す)を30〜70質量部、フェニルエーテル構造を有するモノ(メタ)アクリレート(B)を3〜50質量部、3個以上の(メタ)アクリロイル基を有し、且つカプロラクトンまたはエチレンオキサイドにて変性された多官能(メタ)アクリレート(C)を3〜20質量部、テトラメチレングリコール構造を有するウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(D)を3〜20質量部、及び光重合開始剤(E)を1〜10質量部、それぞれ含有する基材上に成型する光学レンズシート用エネルギー線硬化型樹脂組成物。
  2. フェニルエーテル構造を有する(メタ)アクリレート(B)がフェノキシエチルアクリレート、フェノキシポリエトキシアクリレート、o−フェニルフェノール(メタ)アクリレート、o−フェニルフェノールモノエトキシ(メタ)アクリレート、o−フェニルフェノールポリエトキシ(メタ)アクリレート、p−フェニルフェノール(メタ)アクリレート、p−フェニルフェノールモノエトキシ(メタ)アクリレート、p−フェニルフェノールポリエトキシ(メタ)アクリレートからなる群から選択される1種以上である請求項1に記載のエネルギー線硬化型樹脂組成物。
  3. テトラメチレングリコール構造を有するウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(D)が分子量500〜1000のジオール化合物とポリイソシアネート化合物と水酸基含有(メタ)アクリレートとを反応させて得られるウレタンアクリレートオリゴマーである請求項1に記載のエネルギー線硬化型樹脂組成物。
  4. ポリイソシアネート化合物が環構造を有する請求項1乃至請求項3に記載のエネルギー線硬化型樹脂組成物。
  5. E型粘度計で測定した25℃での粘度が2000mPa・s以下である請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のエネルギー線硬化型樹脂組成物。
  6. 請求項5に記載の硬化物を有する光学レンズシート。
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