以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、その説明を省略する。図1に示す基板検査システム1は、検査指示情報生成装置3と、基板検査装置2とを含んでいる。
図1に示す検査指示情報生成装置3は、検査指示情報生成部31と、記憶部32とを備えている。検査指示情報生成装置3は、例えばパーソナルコンピュータ等のコンピュータを用いて構成されており、所定の演算処理を実行するCPU(Central Processing Unit)、データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)及び/又はフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶装置、通信回路、及びこれらの周辺回路等を備えている。
そして、検査指示情報生成装置3は、例えば不揮発性の記憶装置に記憶された、本発明の一実施形態に係る検査指示情報生成プログラムを実行することによって、検査指示情報生成部31として機能する。記憶部32は、例えば上述の不揮発性の記憶装置を用いて構成されている。
記憶部32には、導電構造情報D1が記憶される。導電構造情報D1は、外部から例えば図略の通信回路を介して検査指示情報生成装置3へ送信されることによって、当該送信された導電構造情報D1を記憶部32に記憶してもよく、例えばUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の記憶媒体に記憶された導電構造情報D1を検査指示情報生成装置3が読み取ることによって、導電構造情報D1を記憶部32に記憶してもよく、種々の方法で導電構造情報D1を記憶部32に記憶させることができる。
導電構造情報D1は、後述する基板Bの、面状導体IP、導電部P、各配線層Lの配線W、及びビアVが、どのように導通接続されているかを示す情報である。導電構造情報D1としては、例えば基板の製造に用いられるいわゆるガーバーデータ、及び/又はネットリスト等を用いることができる。
検査指示情報生成部31は、導電構造情報D1に基づいて、基板検査装置2に対して検査のために電流を流すべき導電部Pの対を指示するための検査指示情報D2を生成する。検査指示情報生成部31は、例えば図略の通信回路を介して検査指示情報D2を基板検査装置2へ送信してもよい。あるいは検査指示情報生成部31は、検査指示情報D2を記憶媒体に書き込んでもよい。そして、ユーザがその記憶媒体から検査指示情報D2を基板検査装置2に読み込ませるようにしてもよい。検査指示情報生成部31の動作の詳細については後述する。
図1に示す基板検査装置2は、検査対象の被検査基板である基板Bを検査するための装置である。
基板Bは、例えば中間基板や多層基板であり、プリント配線基板、フィルムキャリア、フレキシブル基板、セラミック多層配線基板、半導体チップ及び半導体ウェハ等の半導体基板、半導体パッケージ用のパッケージ基板、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ用の電極板、及びこれらの基板を製造する過程の中間基板や、いわゆるキャリア基板であってもよい。図22に示す多層基板WB、及び図23に示す中間基板MBは、被検査基板である基板Bの一例に相当している。
図1に示す基板検査装置2は、筐体112を有している。筐体112の内部空間には、基板固定装置110と、測定部121と、測定部122と、移動機構125と、制御部20とが主に設けられている。基板固定装置110は、基板Bを所定の位置に固定するように構成されている。
測定部121は、基板固定装置110に固定された基板Bの上方に位置する。測定部122は、基板固定装置110に固定された基板Bの下方に位置する。測定部121,122は、基板Bに設けられた複数の導電部にプローブを接触させるための測定治具4U,4Lを備えている。
測定治具4U,4Lには、複数のプローブPrが取り付けられている。測定治具4U,4Lは、基板Bの表面に設けられた測定対象の導電部の配置と対応するように複数のプローブPrを配置、保持する。移動機構125は、制御部20からの制御信号に応じて測定部121,122を筐体112内で適宜移動させ、測定治具4U,4LのプローブPrを基板Bの各導電部に接触させる。
なお、基板検査装置2は、測定部121,122のうちいずれか一方のみを備えてもよく、基板Bは、片面のみに導電部が設けられていてもよい。また、基板検査装置2は、いずれか一方の測定部によって、被検査基板を表裏反転させてその両面の測定を行うようにしてもよい。
制御部20は、例えば、所定の演算処理を実行するCPU(Central Processing Unit)と、データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)と、所定の制御プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)等の不揮発性の記憶部22と、これらの周辺回路等とを備えて構成されている。そして、制御部20は、例えば記憶部22に記憶された制御プログラムを実行することにより、検査処理部21として機能する。
図2に示す測定部121は、スキャナ部13、複数の測定ブロック12、及び複数のプローブPrを備えている。なお、測定部122は、測定部121と同様に構成されているのでその説明を省略する。
測定ブロック12は、電源部CS,CMと、電圧検出部VMとを備えている。電源部CS,CMは、制御部20からの制御信号に応じた電流Iを出力する定電流回路である。電源部CSはスキャナ部13へ供給する方向に電流Iを流し、電源部CMはスキャナ部13から引き込む方向に電流Iを流す。電圧検出部VMは電圧を測定し、その電圧値を制御部20へ送信する電圧検出回路である。
スキャナ部13は、例えばトランジスタやリレースイッチ等のスイッチング素子を用いて構成された切り替え回路である。スキャナ部13は、基板Bに抵抗測定用の電流Iを供給するための電流端子+F,-Fと、電流Iによって基板Bの導電部間に生じた電圧を検出するための電圧検出端子+S,-Sとを、複数の測定ブロック12に対応して複数備えている。また、スキャナ部13には、複数のプローブPrが電気的に接続されている。スキャナ部13は、制御部20からの制御信号に応じて電流端子+F,-F及び電圧検出端子+S,-Sと、複数のプローブPrとの間の接続関係を切り替える。
電源部CSは、その出力端子の一端が回路グラウンドに接続され、他端が電流端子+Fに接続されている。電源部CMは、その出力端子の一端が回路グラウンドに接続され、他端が電流端子-Fに接続されている。電圧検出部VMは、その一端が電圧検出端子+Sに接続され、他端が電圧検出端子-Sに接続されている。
そして、スキャナ部13は、制御部20からの制御信号に応じて、電流端子+F,-F及び電圧検出端子+S,-Sを任意のプローブPrに導通接続可能にされている。これにより、スキャナ部13は、制御部20からの制御信号に応じて、プローブPrが接触している任意の導電部間に電流Iを流し、その導電部間に生じた電圧Vを電圧検出部VMによって測定させることが可能にされている。
測定ブロック12は、複数設けられているので、複数の導電部間に対して、並行して電流供給と電圧測定とを実行可能にされている。
なお、電源部CS,CMは、スキャナ部13を介して基板Bに電流Iを流すことができればよく、電源部CS,CMの一端が回路グラウンドに接続される例に限らない。例えば、電源部CSの一端と電源部CMの一端とが接続されて電流ループが形成される構成であってもよい。
これにより、制御部20は、スキャナ部13へ制御信号を出力することで、複数の電源部CS,CMにより電流Iを任意の複数対のプローブPr間に流させ、任意の複数対のプローブPr間の電圧を、複数の電圧検出部VMによって検出させることが可能にされている。
図3は、基板Bの導電構造情報D1を図示した説明図を兼ねている。導電構造情報D1は、必ずしも画像で表されたデータではないが、以下の説明では理解を容易にするために、導電構造情報D1で表される構造を図面で表して説明する。
図3に示す基板Bは、5枚の基板B1~B5が積層された多層基板である。基板Bの一方の表面が基板面F1、他方の表面が基板面F2とされている。基板B1,B2の境界が配線層L1、基板B2,B3の境界が配線層L2、基板B3,B4の境界が導体層Lc、基板B4,B5の境界が配線層L4とされている。
基板面F1には導電部P1~P7が設けられ、基板面F2には導電部P11~P17が設けられている。導電部P1~P7,P11~P17は、パッド、バンプ、配線、電極等の、プローブPrが当接される検査点となる。
導体層Lcには、面状又はメッシュ状に拡がる導体である面状導体IPが設けられている。配線層L1には配線W11,W12が設けられ、配線層L2には配線W21,W22が設けられ、配線層L4には配線W41,W42,W43と配線W44,W45とが設けられている。面状導体IPは、一枚のシート状、すなわち面状に拡がる形状であってもよく、規則的又は不規則なメッシュ状(網目状)に配線等の導体パターンが組み合わされて、同一層内に全体として面状に拡がるような形状を有する導体であってもよい。
なお、図3では、面状導体IPが基板Bの略全域に拡がっている例を示したが、面状導体IPは、必ずしも基板Bの略全域に拡がっている例に限られない。面状導体IPは、基板Bの一部の領域のみに設けられていてもよい。例えば、導体層Lcにおける基板Bの面状導体IPが設けられていない領域に、配線Wが設けられていてもよい。
図4に示す基板Bは、互いに電気的に分離された面状導体IPaと、面状導体IPdとを備えている。面状導体IPaは例えばアナロググラウンドとして用いられ、面状導体IPdは例えばデジタルグラウンドとして用いられる。図4に示すように、基板Bは、互いに絶縁された複数の面状導体IPを備えていてもよい。
配線W41,W42,W43は、配線層L4の配線W41、配線W42、及び配線W43が連なった一本の配線であるが、説明の便宜上、一本の配線W41,W42,W43の各部分を配線W41、配線W42、及び配線W43と称する。同様に、配線W44,W45は、配線W44と配線W45とが連なった一本の配線であり、配線W44及び配線W45は、それぞれ一本の配線W44,W45の一部分である。
また、基板Bには、基板B1を貫通するビアV11~V17が設けられ、基板B2を貫通するビアV21~V27が設けられ、基板B3を貫通するビアV31~V36が設けられ、基板B4を貫通するビアV41~V45が設けられ、基板B5を貫通するビアV51~V57が設けられている。
記憶部22に記憶された導電構造情報には、これら導電部P1~P7,P11~P17、配線W11,W12,W21,W22,W41~W45、ビアV11~V17,V21~V27,V31~V36,V41~V45,V51~V57、及び面状導体IPが、どのように導通接続されているかを示す情報、例えば図3に図示された接続関係を示す情報が含まれている。
以下、導電部P1~P7,P11~P17等の導電部を総称して導電部Pと称し、配線W11,W12,W21,W22,W41~W45等の配線を総称して配線Wと称し、ビアV11~V17,V21~V27,V31~V36,V41~V45,V51~V57等を総称してビアVと称し、配線層L1,L2,L4を総称して配線層Lと称する。
各導電部Pは、ビアVや配線Wを介して面状導体IPと導通接続されている。このように、各導電部Pが面状導体IPと導通接続される配線構造は、一般的に、回路グラウンドや電源パターンの接続用に用いられている。なお、基板Bは、回路グラウンドや電源パターンに接続されない配線やパッド等を含んでいてもむろんよい。
基板固定装置110に基板Bが取り付けられると、移動機構125によって、測定部121の各プローブPrが導電部P1~P7に当接され、測定部122の各プローブPrが導電部P11~P17に当接される。これにより、測定部121,122は、任意の一対の導電部P間に電流Iを流し、その一対の導電部P間の電圧を検出可能にされている。
測定部121,122は、いわゆる四端子抵抗測定法による抵抗測定のために、一つの導電部Pに、電流供給用のプローブPrと電圧測定用のプローブPrとを接触させてもよく、いわゆる二端子抵抗測定法による抵抗測定のために、一つの導電部Pに、電流供給と電圧測定とを兼ねた一つのプローブPrを接触させてもよい。
検査処理部21は、測定部121,122を制御して、後述するように選択された一対の導電部Pのうち、一方に電源部CS(図2参照)からの電流Iを供給させ、他方から電源部CM(図2参照)によって電流Iを引き抜かせることによって、導電部P間に電流Iを供給させ、その導電部P間の電圧を検出させ、その電流と電圧とに基づいて基板Bを検査する。検査処理部21は、例えば、その電流と電圧とに基づいて、四端子抵抗測定法又は二端子抵抗測定法による抵抗測定を行い、その抵抗値に基づき、基板Bの検査を行うことができる。
以下、検査処理部21が測定部121,122を制御することによって電流供給及び電圧検出を行わせることを、単に、検査処理部21が、電流を供給する、電圧を検出する、というように記載する。検査処理部21の動作の詳細については後述する。
次に、上述の検査指示情報生成装置3の動作について説明する。図3に示す基板Bに対応する検査指示情報を生成する場合を例に説明する。図5、図6は、図3に示す基板Bに対応する検査指示情報を生成する場合の検査指示情報生成方法の実行過程において変更された導電構造情報D1の一例を図示した説明図である。以下、図5~図14を参照しつつ、本発明の一実施形態に係る検査指示情報生成プログラムに基づいて検査指示情報生成方法を実行する検査指示情報生成装置3の動作を説明する。
なお、以下のフローチャートにおいて、同一の処理には同一のステップ番号を付してその説明を省略する。
まず、検査指示情報生成部31は、基板Bの各導電部Pをグループ化するにあたって、前処理として、導電構造情報D1によって示される接続構造を単純化する処理を行う。具体的には、検査指示情報生成部31は、複数の配線層Lの配線Wが並列に接続されている場合、当該並列接続された配線Wを、その各配線Wのうち最も基板面F1に近い配線Wに置き換えるように、導電構造情報D1を複製、変更し、導電構造情報D1´を生成する(ステップS1:(d)工程)。
具体的には、図3に示す基板Bでは、複数の配線層L1,L2の配線W11,W21が、ビアV21,V22によって並列接続されている。この場合、導電構造情報D1に対して、図5に示すように、二本の配線W11,W21を、配線W11,W21のうち、最も基板面F1に近い一本の配線W11に置き換え、導電構造情報D1´を生成する。このとき、ビアV22の一端がオープンになるので、データ上は、ビアV22が存在しない扱いとしてもよい。これにより、基板Bの配線構造が単純化されるので、以降の処理が容易になる。
次に、検査指示情報生成部31は、配線Wと面状導体IPとによって、ビアV又はビアVの列が並列接続されている場合、当該並列接続されたビアV又はビアVの列を、一つ又は一列のビアに置き換えるように、導電構造情報D1´を変更する(ステップS2:(e)工程)。
具体的には、図3に示す基板Bでは、ビアV24,V33が直列接続されて列をなし、ビアV25,V34が直列接続されて列をなしている。そして、配線W12と面状導体IPとによって、ビアV24,V33の列と、ビアV25,V34の列とが並列接続されている。また、配線W22と面状導体IPとによって、ビアV32とビアV33とが並列接続されている。
この場合、例えば図5に示すように、導電構造情報D1´に対して、ビアV24,V33の列と、ビアV25,V34の列とをいずれか一方の列、例えばビアV24,V33の列に置き換え、ビアV32とビアV33とを一つのビアV、例えばビアV32に置き換える。
また、配線W41,W42,W43の直列配線と面状導体IPとによって、ビアV41とビアV42とが並列接続されている。この場合、例えば図5に示すように、導電構造情報D1の上で、ビアV41,V42を一つのビアV、例えばビアV41に置き換える。また、配線W44,W45と面状導体IPとによって、ビアV43,V44,V45が並列接続されている。この場合、例えば図5に示すように、導電構造情報D1´に対して、ビアV43,V44,V45を一つのビアV、例えばビアV43に置き換える。これにより、基板Bの配線構造が単純化されるので、以降の処理が容易になる。
なお、検査指示情報生成部31は、必ずしもステップS1,S2を実行する必要はなく、図3に示す基板Bの実際の配線構造を表すデータ形式の導電構造情報D1を導電構造情報D1´として以後の処理を実行してもよい。
次に、検査指示情報生成部31は、導電構造情報D1´のデータ構造を、木構造に変換する(ステップS3:(m)工程)。木構造に変換された導電構造情報D1´を、導電構造情報D1´´と称する。図6に示すように、導電構造情報D1´´では、一つの配線Wが一つのノードNで表現され、面状導体IPは根ノードNRで表現され、ビアVは、導電部Pとノード間をつなぐ枝M、又はノード相互間をつなぐ枝Mとして表現される。
なお、検査指示情報生成部31は、必ずしもステップS3を実行する必要はなく、基板Bの配線構造を表すデータ形式の導電構造情報D1、導電構造情報D1´を用いて以後の処理を実行してもよい。以下の説明において、ノードNに対する処理は、そのノードNに対応する配線Wに対する処理と同等であり、根ノードNRに対する処理は、面状導体IPに対する処理と同等であり、枝Mに対する処理は、そのノードNに対応する配線Wに対する処理と同等である。
図6に示す木構造の導電構造情報D1´´の例では、ノードN11が配線W11(W21)に対応し、ノードN12が配線W12に対応し、ノードN21が配線W22に対応し、ノードN41が配線W41,W42,W43に対応し、ノードN42が配線W44,W45に対応している。また、枝M11がビアV11(V21)、枝M12がビアV12(V22)、枝M13がビアV14、枝M14がビアV15、枝M22がビアV24(V25)、枝Mr1がビアV21,V31、枝Mr2がビアV32(V33)、枝Mr3がビアV16,V26,V35、枝Mr4がビアV17,V27,V36、枝M41がビアV51、枝M42がビアV52、枝M43がビアV53、枝M44がビアV54、枝M45がビアV55、枝M46がビアV56、枝M47がビアV57、枝Mr5がビアV41(V42)、枝Mr6がビアV43(V44,V45)にそれぞれ対応している。
次に、検査指示情報生成部31は、基板面F1に最も近い配線層L1を第一選択層LL1、基板面F2に最も近い配線層L4を第二選択層LL2として選択する(ステップS4:(f)工程)。ステップS4~S27,S101~S501の処理が、検査指示情報生成処理の一例に相当している。
次に、検査指示情報生成部31は、第一工程を実行する(ステップS5)。図11を参照して、検査指示情報生成部31は、導電構造情報D1´´に基づいて、第一選択層LL1のノードN(配線W)を介して互いに導通する基板面F1の導電部P同士をグループ化する(ステップS101:(f)工程の(a)工程)。
ここでは第一選択層LL1は配線層L1であるから、図6に示す木構造の導電構造情報D1´´において、第一選択層LL1のノードN11を介して導通する導電部P1,P2がグループ化され、第一選択層LL1のノードN12を介して導通する導電部P4,P5がグループ化される。
次に、検査指示情報生成部31は、ステップS101でグループ化された各グループについて、当該各グループに含まれる導電部Pの中から二つの導電部を一対の第一選択導電部として選択し、第一選択層LL1と対応付けて検査指示情報D2に記録する(ステップS102:(f)工程の(b)工程)。第一選択導電部は、並行して検査可能な導電部(検査箇所)を示す情報である。
図6の例では、第一選択導電部として、配線層L1に対応する導電部P1,P2のグループから導電部P1,P2、導電部P4,P5のグループから導電部P4,P5が選択される。以下、導電部P1と導電部P2との対を、導電部対P1,P2のように表記する。
次に、検査指示情報生成部31は、ステップS101でグループ化された各グループの中に、第一選択導電部として選択されなかった導電部Pを有するグループがある場合、そのグループに対し、その第一選択導電部として選択されなかった導電部Pを含む二つの導電部Pを一対の第二選択導電部として選択し、第一選択層LL1と対応付けて検査指示情報D2に記録する(ステップS103:(f)工程の(b)工程)。第二選択導電部は、第一選択導電部と非並行に検査されるべき導電部(検査箇所)を示す情報である。
図6の例では、導電部P1,P2のグループ、及び導電部P4,P5のグループの中には、第一選択導電部として選択されなかった導電部Pを有するグループがないので、検査指示情報生成部31は、次のステップS104へ処理を移行する。
次に、検査指示情報生成部31は、導電構造情報D1´´に基づいて、第二選択層LL2のノードN(配線W)を介して互いに導通する基板面F2の導電部P同士をグループ化する(ステップS104:(f)工程の(a)工程)。
ここでは第二選択層LL2は配線層L4であるから、図6に示す木構造の導電構造情報D1´´において、第二選択層LL2のノードN41を介して導通する導電部P11,P12,P13,P14がグループ化され、第二選択層LL2のノードN42を介して導通する導電部P15,P16,P17がグループ化される。
次に、検査指示情報生成部31は、ステップS104でグループ化された各グループについて、当該各グループに含まれる導電部Pの中から二個の導電部を一対の第一選択導電部として選択し、第二選択層LL2と対応付けて検査指示情報D2に記録する(ステップS105:(f)工程の(b)工程)。
図6の例では、第一選択導電部として、導電部P11,P12,P13,P14のグループから任意の例えば導電部P11,P12、導電部P15,P16,P17のグループから任意の例えば導電部P15,P16が選択される。
次に、検査指示情報生成部31は、ステップS104でグループ化された各グループの中に、第一選択導電部として選択されなかった導電部Pを有するグループがある場合、そのグループに対し、その第一選択導電部として選択されなかった導電部Pを含む二つの導電部Pを一対の第二選択導電部として選択し、第二選択層LL2と対応付けて検査指示情報D2に記録し(ステップS106:(f)工程の(b)工程)、第一工程を終了してステップS7(図7)へ処理を移行する。
図6の例では、導電部P11,P12,P13,P14のグループ、及び導電部P15,P16,P17のグループには、第一選択導電部として選択されなかった導電部P13,P14、及び導電部P17がある。この場合、検査指示情報生成部31は、導電部対P13,P14、及び導電部対P16,P17を第二選択導電部として選択する。
図7に戻って、検査指示情報生成部31は、処理を制御するための制御フラグであるフラグFip1をチェックする(ステップS7)。
フラグFip1が1の場合(ステップS7でYES)、後述するステップS12で既にフラグFip1が1にされ、導体層Lcの基板面F1側、及び導体層Lcよりも基板面F1側の各配線層Lに対応する検査指示情報D2の生成が既に終了していることを意味する。そのため、検査指示情報生成部31は、ステップS11~S16を実行することなくステップS17(図9)へ移行する。
フラグFip1が1ではない場合(ステップS7でNO)、検査指示情報生成部31は、ステップS11(図8)へ移行し、第一選択層LL1の、基板面F1から遠ざかる側に導体層Lcが隣接しているか否かをチェックする(ステップS11)。
第一選択層LL1の、基板面F1から遠ざかる側に導体層Lcが隣接している場合(ステップS11でYES)、検査指示情報生成部31は、フラグFip1を1にして(ステップS12)、面状導体IPの基板面F1側に接続されたビアVの検査に用いる導電部Pを選択するべくステップS301(図12)へ処理を移行する。
一方、第一選択層LL1の、基板面F1から遠ざかる側に導体層Lcが隣接していない場合(ステップS11でNO)、検査指示情報生成部31は、第一選択層LL1の、基板面F1から遠ざかる側に隣接する配線層Lを新たな第一選択層LL1として選択する(ステップS13:(g)工程)。これにより、新たな第一選択層LL1を処理対象としてステップS14~S16が実行される。
例えば図6に示す例において、今、第一選択層LL1は配線層L1である。配線層L1の、基板面F1から遠ざかる側には導体層Lcは隣接しておらず(ステップS11でNO)、配線層L1の、基板面F1から遠ざかる側に隣接する配線層L2が新たな第一選択層LL1となる(ステップS13)。
次に、検査指示情報生成部31は、導電構造情報D1´´に基づいて、第一選択層LL1のノードNそれぞれに対応して、その一つのノードNの根ノードNRから遠ざかる側に接続された枝M(ビアV)一つに対して、そのノードNとは逆側で電気的に接続、すなわち導通する基板面F1の導電部Pを一つ選択する。検査指示情報生成部31は、対応するノードN毎に、選択された導電部Pをグループ化する(ステップS14:(g1)工程)。
図6に示す例では、第一選択層LL1である配線層L2には、ノードN21がある。ノードN21には、枝M21と枝M22とが接続されている。枝M21の、ノードN21とは逆側に直接又は間接に導通する基板面F1の導電部Pとして、導電部P3がある。従って、枝M21に対応する導電部P3が選択される。枝M22の、ノードN21とは逆側に直接又は間接に導通する基板面F1の導電部Pとして、導電部P4,P5がある。この導電部P4,P5の中から任意の一つ、例えば導電部P4が、枝M22に対応する導電部Pとして選択される。これにより、ノードN21に対応して導電部P3,P4がグループ化される。
次に、検査指示情報生成部31は、ステップS14でグループ化された各グループについて、当該各グループに含まれる導電部Pの中から任意の二つの導電部を一対の第一選択導電部として選択し、第一選択層LL1と対応付けて検査指示情報D2に記録する(ステップS15:(g2)工程の(b)工程)。
図6に示す例では、ステップS14でグループ化された導電部P3,P4の中から二つの導電部P3,P4が一対の第一選択導電部として選択される。
例えば図16に示す木構造の導電構造情報D1´´のように、ノードN11が根ノードNRと接続されずにノードN21と枝M23で接続されていた場合、ステップS14では、枝M23の、ノードN21とは逆側に直接又は間接に導通する基板面F1の導電部Pとして、導電部P1,P2がある。この導電部P1,P2の中から任意の一つ、例えば導電部P1が、枝M23に対応する導電部Pとして選択される。そうすると、上述の導電部P3,P4に導電部P1を加えた導電部P1,P3,P4が、ノードN21に対応してグループ化される。
さらに、ステップS15において、導電部P1,P3,P4の中から二つの導電部、例えば導電部P1,P3が、一対の第一選択導電部として選択されることになる。
次に、検査指示情報生成部31は、ステップS14でグループ化されたグループの中に、第一選択導電部として選択されなかった導電部Pを有するグループが有る場合、そのグループに対し、その第一選択導電部として選択されなかった導電部Pを含む二つの導電部Pを一対の第二選択導電部として選択し、第一選択層LL1と対応付けて検査指示情報D2に記録し(ステップS16:(g2)工程の(b)工程)、ステップS17(図9)へ移行する。
一方、検査指示情報生成部31は、ステップS14でグループ化されたグループの中に、第一選択導電部として選択されなかった導電部Pを有するグループが無い場合、そのままステップS17へ移行する。
次に、検査指示情報生成部31は、処理を制御するための制御フラグであるフラグFip2をチェックする(ステップS17)。
フラグFip2が1の場合(ステップS17でYES)、後述するステップS19で既にフラグFip2が1にされ、導体層Lcの基板面F2側、及び導体層Lcよりも基板面F2側の各配線層Lに対する検査指示情報D2の生成が既に終了していることを意味する。そのため、検査指示情報生成部31は、ステップS18~S24を実行することなくステップS26(図10)へ移行する。
フラグFip2が1ではない場合(ステップS17でNO)、検査指示情報生成部31は、ステップS18へ移行し、第二選択層LL2の、基板面F2から遠ざかる側に導体層Lcが隣接しているか否かをチェックする(ステップS18)。
第二選択層LL2の、基板面F2から遠ざかる側に導体層Lcが隣接している場合(ステップS18でYES)、検査指示情報生成部31は、フラグFip2を1にして(ステップS19)、面状導体IPの基板面F2側に接続されたビアVの検査に用いる導電部Pを選択するべくステップS401(図13)へ処理を移行する。
例えば図6に示す例において、今、第二選択層LL2が配線層L4であれば、配線層L4の、基板面F2から遠ざかる側には導体層Lcが隣接している(ステップS18でYES)から、フラグFip2が1にされ(ステップS19)、ステップS401(図13)へ移行する。
図13を参照して、ステップS401において、検査指示情報生成部31は、根ノードNR(面状導体IP)の基板面F2側に接続された枝M(ビアV)毎に、根ノードNRとは逆側に電気的に接続、すなわち導通する導電部Pを一つ選択することにより当該選択された導電部Pを根ノードNRの基板面F2側に対応する導電部としてグループ化する(ステップS401:(h)工程)。
図6に示す例では、根ノードNRの基板面F2側には、枝Mr5,Mr6が接続されている。枝Mr5に導通する導電部Pとしては、導電部P11,P12,P13,P14がある。枝Mr6に導通する導電部Pとしては、導電部P15,P16,P17がある。従って、ステップS401では、導電部P11,P12,P13,P14の中から任意の一つ、例えば導電部P11が選択され、導電部P15,P16,P17の中から任意の一つ、例えば導電部P15が選択される。これにより、導電部P11,P15がグループ化される。
次に、検査指示情報生成部31は、ステップS401でグループ化された導電部Pの中から二つの導電部Pを一対の第一選択導電部として選択し、根ノードNRの基板面F2側と対応付けて検査指示情報D2に記録する(ステップS402:(h)工程)。
ステップS402では、ステップS401でグループ化された導電部P11,P15の中から二つの導電部Pが、一対の第一選択導電部として選択される。この場合、ステップS401でグループ化された導電部Pは、導電部P11,P15の二つだけなので、この二つの導電部P11,P15が一対の第一選択導電部として選択される。
次に、検査指示情報生成部31は、ステップS401でグループ化されたグループの中に、第一選択導電部として選択されなかった導電部Pを有するグループが有る場合、そのグループに対し、その第一選択導電部として選択されなかった導電部Pを含む二つの導電部Pを一対の第二選択導電部として選択し、根ノードNRの基板面F2側と対応付けて検査指示情報D2に記録し(ステップS403)、処理をステップS26(図10)へ移行する。
今、ステップS401でグループ化されたグループの中に、第一選択導電部として選択されなかった導電部Pを有するグループは存在しないので、検査指示情報生成部31は、そのまま処理をステップS26(図10)へ移行する。
なお、ステップS402,S403を実行する代わりに、検査指示情報生成部31は、ステップS401で選択された全ての導電部Pを含むように複数対の導電部Pを選択し、複数対の第一選択導電部として根ノードNRの基板面F2側と対応付けて検査指示情報D2に記録してもよい。
この場合、後述する検査処理部21による検査にて、根ノードNRの基板面F2側と対応付けられた複数対の第一選択導電部には、並行して電流が供給されて、検査が行われることになる。複数対の導電部Pに並行して電流供給すると、電流経路の重複が生じる。しかしながら、根ノードNRすなわち面状導体IPは、電気抵抗が配線Wと比べて非常に小さいため、面状導体IPで電流経路の重複が生じた場合であっても電圧の測定結果に与える影響が小さい。
そこで、ステップS402,S403を実行する代わりに、ステップS401で選択された全ての導電部Pを含むように複数対の導電部Pを選択し、複数対の第一選択導電部として根ノードNRの基板面F2側と対応付けて検査指示情報D2に記録することによって、後述する検査処理部21による検査にて、複数対の第一選択導電部に並行して電流を供給させ、検査時間を短縮させることが可能である。
一方、第二選択層LL2の、基板面F2から遠ざかる側に導体層Lcが隣接していない場合(ステップS18でNO)、検査指示情報生成部31は、第二選択層LL2の、基板面F2から遠ざかる側に隣接する配線層Lを新たな第二選択層LL2として選択する(ステップS21:(g)工程)。これにより、新たな第二選択層LL2を処理対象としてステップS22~S24が実行される。
次に、検査指示情報生成部31は、導電構造情報D1´´に基づいて、第二選択層LL2のノードNそれぞれに対応して、その一つのノードNの根ノードNRから遠ざかる側に接続された枝M(ビアV)一つに対して、そのノードNとは逆側で電気的に接続、すなわち導通する基板面F2の導電部Pを一つ選択する。そして、検査指示情報生成部31は、対応するノードN毎に、選択された導電部Pをグループ化する(ステップS22:(g1)工程)。
次に、検査指示情報生成部31は、ステップS22でグループ化された各グループについて、当該各グループに含まれる導電部Pの中から任意の二つの導電部を一対の第一選択導電部として選択し、第二選択層LL2と対応付けて検査指示情報D2に記録する(ステップS23:(g2)工程の(b)工程)。
次に、検査指示情報生成部31は、ステップS22でグループ化されたグループの中に、第一選択導電部として選択されなかった導電部Pを有するグループが有る場合、そのグループに対し、その第一選択導電部として選択されなかった導電部Pを含む二つの導電部Pを一対の第二選択導電部として選択し、第二選択層LL2と対応付けて検査指示情報D2に記録し(ステップS24:(g2)工程の(b)工程)、ステップS26(図10)へ移行する。
一方、検査指示情報生成部31は、ステップS22でグループ化されたグループの中に、第一選択導電部として選択されなかった導電部Pを有するグループが無い場合、そのままステップS23からステップS26(図10)へ移行する。
図6に示す例では、今、すなわち配線層L2と面状導体IPの基板面F2側に対応する処理では、第一選択導電部として選択されなかった導電部Pを有するグループは存在しないので、検査指示情報生成部31は、検査指示情報D2の記録を行うことなく処理をステップS23からステップS26(図10)へ移行する。
次に、検査指示情報生成部31は、全ての配線層Lと面状導体IPの基板面F1,F2側に対応する検査指示情報D2を生成済か否かをチェックする(ステップS26)。
全ての配線層Lと面状導体IPの基板面F1,F2側に対応する検査指示情報D2を生成済の場合(ステップS26でYES)、ステップS27へ処理を移行する。一方、まだ対応する検査指示情報D2が生成されていない配線層L又は面状導体IPの基板面F1,F2側が残っている場合(ステップS26でNO)、ステップS11(図8)へ処理を移行する。
ステップS11において、検査指示情報生成部31は、第一選択層LL1の、基板面F1から遠ざかる側に導体層Lcが隣接しているか否かをチェックする(ステップS11)。図6に示す例では、今、第一選択層LL1は配線層L2である。配線層L2の、基板面F1から遠ざかる側には導体層Lcが隣接している(ステップS11でYES)ので、検査指示情報生成部31は、フラグFip1を1にして(ステップS12)、ステップS301(図12)へ処理を移行する。
ステップS301において、検査指示情報生成部31は、根ノードNR(面状導体IP)の基板面F1側に接続された枝M(ビアV)毎に、根ノードNRとは逆側に導通する導電部Pを一つ選択することにより当該選択された導電部Pを根ノードNRの基板面F1側に対応する導電部としてグループ化する(ステップS301:(h)工程)。
図6に示す例では、根ノードNRの基板面F1側には、枝Mr1,Mr2,Mr3,Mr4が接続されている。枝Mr1に導通する導電部Pとしては、導電部P1,P2がある。枝Mr2に導通する導電部Pとしては、導電部P3,P4,P5がある。枝Mr3に導通する導電部Pとしては、導電部P6がある。枝Mr4に導通する導電部Pとしては、導電部P7がある。
従って、ステップS301では、導電部P1,P2の中から任意の一つ、例えば導電部P1が選択され、導電部P3,P4,P5の中から任意の一つ、例えば導電部P3が選択され、さらに導電部P6,P7が選択される。これにより、導電部P1,P3,P6,P7がグループ化される。
次に、検査指示情報生成部31は、ステップS301でグループ化された導電部Pの中から任意の二つの導電部Pを一対の第一選択導電部として選択し、根ノードNRの基板面F1側と対応付けて検査指示情報D2に記録する(ステップS302:(h)工程)。
図6に示す例では、ステップS301でグループ化された導電部P1,P3,P6,P7の中から任意の二つの導電部P、例えば導電部P1,P3が、一対の第一選択導電部として選択される。
次に、検査指示情報生成部31は、ステップS301でグループ化されたグループの中に、第一選択導電部として選択されなかった導電部Pを有するグループが有る場合、そのグループに対し、その第一選択導電部として選択されなかった導電部Pを含む二つの導電部Pを一対の第二選択導電部として選択し、根ノードNRの基板面F1側と対応付けて検査指示情報D2に記録し(ステップS303)、処理をステップS17(図9)へ移行する。
ステップS302では、ステップS301でグループ化された導電部P1,P3,P6,P7の内、導電部P6,P7が第一選択導電部として選択されなかったので、検査指示情報生成部31は、第一選択導電部として選択されなかった導電部Pを有する導電部P1,P3,P6,P7のグループに対し、その第一選択導電部として選択されなかった導電部P6,P7を含む二つの導電部P、この場合、導電部P6,P7を一対の第二選択導電部として選択する(ステップS303)。
ステップS303では、例えばグループに含まれる導電部が導電部P1,P3,P6の三つであり、第一選択導電部として選択されなかったのは導電部P6一つだけだった場合、導電部P6と、導電部P1,P3のうちいずれか一つとが、一対の第二選択導電部として選択される。
なお、上述のステップS402,S403と同様、ステップS302,S303を実行する代わりに、検査指示情報生成部31は、ステップS301で選択された全ての導電部Pを含むように複数対の導電部Pを選択し、複数対の第一選択導電部として根ノードNRの基板面F1側と対応付けて検査指示情報D2に記録してもよい。例えば、検査指示情報生成部31は、ステップS301でグループ化された導電部P1,P3,P6,P7から、導電部P1,P3と、導電部P6,P7とをそれぞれ対にして、導電部P1,P3と、導電部P6,P7とを複数対の第一選択導電部として根ノードNRの基板面F1側と対応付けて検査指示情報D2に記録してもよい。
次に、ステップS17(図9)において、今、フラグFip2は1であるから、検査指示情報生成部31は、処理をステップS26(図10)へ移行する。
ステップS26では、全ての配線層Lと面状導体IPの基板面F1,F2側に対してステップS5~S403の処理が実行済であるから(ステップS26でYES)、さらに検査箇所の漏れを防止するべく第二工程が実行される(ステップS27)。
図14を参照して、検査指示情報生成部31は、ステップS1~S403において選択された第一及び第二選択導電部の対の、いずれにも挟まれない配線Wを探索する(ステップS501:(j)工程)。
図6に示す例では、ステップS1~S403において、第一選択導電部の対として、導電部対P1,P2、導電部対P1,P3、導電部対P3,P4、導電部対P4,P5、導電部対P11,P12、導電部対P11,P15、導電部対P15,P16が選択され、第二選択導電部の対として、導電部対P6,P7、導電部対P13,P14、導電部対P16,P17が選択されている。
そうすると、基板面F1側では、第一及び第二選択導電部として、導電部P1~P7が数珠つなぎに連続して選択されているので、第一及び第二選択導電部の対の、いずれにも挟まれない配線Wは存在しない。一方、基板面F2側では、導電部対P11,P12と導電部対P13,P14の間が不連続になっている。
図15は、第二工程を説明するための説明図である。図15は、図5の導電部P11~P14付近を部分的に拡大して示している。
図6、図15に示す例では、ステップS1~S403において、第一及び第二選択導電部の対として、導電部対P11,P12と導電部対P13,P14とが選択されているが、導電部対P12,P13は選択されていない。その結果、図15に示す配線W42は、第一及び第二選択導電部の対の、いずれにも挟まれていない。
次に、検査指示情報生成部31は、該当する配線Wの有無をチェックし(ステップS503)、該当する配線Wが有れば(ステップS503でYES)、ステップS504へ移行する。一方、該当する配線Wが無ければ(ステップS503でNO)、検査指示情報生成部31は処理を終了する。図6に示す例では配線W42が該当する。
ステップS504では、検査指示情報生成部31は、該当する配線Wの一端に対してその配線Wを介さず導通する導電部Pと、その配線Wの他端に対してその配線Wを介さず導通する導電部Pとを、第一選択導電部とは非並行に検査すべき一対の第三選択導電部として検査指示情報D2に記録する(ステップS504:(k)工程)。
図15に示す例では、例えば、該当する配線W42の一端T1に対して配線W42を介さず導通する導電部P12と、配線W42の他端T2に対して配線W42を介さず導通する導電部P13とを一対の第三選択導電部として選択する(ステップS504)。
次に、検査指示情報生成部31は、基板Bが、導体層Lcを複数備えるか否かをチェックし(ステップS505)、導体層Lcが複数有る場合(ステップS505でYES)、ステップS506へ移行する。一方、導体層Lcが複数無ければ(ステップS505でNO)、検査指示情報生成部31は処理を終了する。
ステップS506では、検査指示情報生成部31は、複数の導体層Lcの面状導体IP同士を接続するビアVの有無をチェックする(ステップS506)。そして、当該ビアVが有れば(ステップS506でYES)ステップS507へ移行する。一方、当該ビアVが無ければ(ステップS506でNO)、検査指示情報生成部31は処理を終了する。
図17に示す基板Bは、導体層Lcを二つ備え、二つの導体層Lcの面状導体IP同士を接続するビアVcが設けられている。ビアVcの導通を検査するためには、基板面F1の導電部Pと、基板面F2の導電部Pとの間に電流を流す必要がある。
そこで、ステップS507において、検査指示情報生成部31は、基板面F1の導電部Pのうち一つと、基板面F2の導電部Pのうち一つとを、第一選択導電部とは非並行に検査すべき一対の第四選択導電部として検査指示情報D2に記録し(ステップS507:(l)工程)、処理を終了する。
一対の第四選択導電部が検査指示情報D2に記録される結果、基板検査装置2は、検査指示情報D2に基づく検査によって、ビアVcを検査することが可能になる。
また、ステップS1~S507によって選択される第一、第二、第三、及び第四選択導電部のうち、基板面F1の導電部Pと、基板面F2の導電部Pとが、検査対象の一対の導電部Pとして選択されるのは、ビアVcを検査するための第四選択導電部のみであり、基板Bの両面から一対の導電部Pを選択することが必要最小限とされている。
基板Bの一対の導電部Pの間に電流を流してその電圧を測定することにより、検査を行う場合、検出電圧には、外来電磁界がノイズとして重畳される。基板Bの一方の面内では外来電磁界が略同じように印加されるため、基板Bの一方の面側で外来電磁界により誘起されるノイズ電圧は、略一定となる。そのため、基板Bの一方の面内の一対の導電部Pの間の電圧を測定する場合、その測定電圧に重畳されるノイズはコモンモードとなる結果、測定電圧に与えるノイズの影響が低減される。
一方、基板Bの両面間では、基板Bの表裏で印加される電磁界強度に差が生じ、基板Bの一方の面と他方の面とで外来電磁界により誘起されるノイズ電圧に差が生じる。そのため、基板Bの両面に跨がって一対の導電部Pの間の電圧を測定する場合、その測定電圧に重畳されるノイズはノーマルモードとなる結果、測定電圧にそのままノイズ電圧が重畳される。その結果、基板Bの一方の面内の一対の導電部Pの間の電圧を測定する場合よりも、基板Bの両面に跨がって一対の導電部Pの間の電圧を測定する方がノイズの影響が大きくなる。
ステップS1~S507によれば、基板Bの両面間に跨がる導電部PはビアVcを検査するために必要な最小限の第四選択導電部とされ、それ以外は基板Bの一方の面内の導電部Pが、第一、第二、及び第三選択導電部の対とされるので、検査指示情報D2に基づく検査を行った場合のノイズの影響が低減される。
また、基板Bの両面間でビアを検査する場合、基板Bにおける基板面F1の導電部Pに測定治具4UのプローブPrを接触させ、基板Bにおける基板面F2の導電部Pに測定治具4LのプローブPrを接触させる必要がある。このとき、測定治具4UのプローブPrと測定治具4LのプローブPrのいずれか一方が接触不良を生じた場合、いずれのプローブPrで接触不良が生じたのかを特定することができない。
そのため、両方のプローブPrを一旦基板Bから離間させ、再度両方のプローブPrを基板Bに接触させて、再検査を行う。このような再検査を、基板Bの両面に接触させる両方のプローブPrが、両方とも正常に導電部Pに接触するまで何度も繰り返す必要がある。このように導電部Pに対するプローブPrの離間、接触を繰り返すと、検査時間が延び、かつ導電部Pに傷が付きやすい。
ステップS1~S507によれば、基板Bの両面間に跨がる導電部Pの検査は最小限とされ、大部分は基板Bの片面に設けられた導電部P同士の検査となるので、接触不良による再検査を減少させ、導電部Pに傷が付くおそれを低減することが容易である。
以上、検査指示情報生成装置3は、ステップS1~S507の処理により、検査指示情報D2を生成することができる。また、ステップS1~S507によれば、対応する基板面毎に、検査指示情報D2に記録された順序が、基板検査装置2に対して検査を実行させるべき導電部対の順序に対応している。具体的には、基板面F1,F2に近い層に対応する方から順に、検査指示情報D2に記録されている。
検査指示情報生成部31によるステップS15,S16,S23,S24,S102,S103,S105,S106,S302,S303,S402,S403,S504,S507の処理により、検査対象となる各導電部対が、基板面、層、及び第一,第二,第三,第四選択導電部の種別と対応付けられて、図18に示す検査指示情報D2が生成されている。ここで、「層」は、配線層L及び導体層Lcの各層を意味している。
図18では、基板面F1に対して五つの導電部対が対応付けられており、上から下の順に、検査を実行すべき順序が示されている。同様に、基板面F2に対して六つの導電部対が対応付けられており、上から下の順に、検査を実行すべき順序が示されている。
このようにして得られた検査指示情報D2を、例えば図略の通信回路によって基板検査装置2に送信させたり、検査指示情報D2をUSBメモリ等の記憶媒体に記憶させ、この記憶媒体を基板検査装置2に読み込ませたりすることによって、記憶部22に記憶させることができる。
次に、上述の基板検査装置2の動作について説明する。以下、記憶部22に、図18に示す検査指示情報D2が記憶されている場合を例に、説明する。
図19を参照して、検査処理部21は、検査指示情報D2に基づき、基板面F1側の各層のうち、最も順序が先の層を、検査層LT1として選択する(ステップS51)。図18に示す例では、基板面F1に対応付けられた最も順序が先の層(一番上)の層は配線層L1であるから、配線層L1が検査層LT1とされる。
次に、検査処理部21は、検査指示情報D2に基づき、基板面F2側の各層のうち、最も順序が先の層を、検査層LT2として選択する(ステップS52)。図18に示す例では、基板面F2に対応付けられた最も順序が先の層(一番上)の層は配線層L4であるから、配線層L4が検査層LT2とされる。
次に、検査処理部21は、検査層LT1,LT2における第一選択導電部の導電部対に対して、対となる導電部間に、並行して測定用電流を流す第一電流供給処理を実行する(ステップS53:(c1)工程)。図18に示す例では、今、検査層LT1は配線層L1、検査層LT2は配線層L4であるから、検査処理部21は、配線層L1,L4の第一選択導電部である導電部対P1,P2、導電部対P4,P5、導電部対P11,P12、導電部対P15,P16に対して、並行して測定用電流を流す。
次に、検査処理部21は、検査層LT1,LT2における第一選択導電部の導電部対間の電圧を検出し、その電圧と測定用電流とに基づいて、当該導電部間における電流経路のビアVと配線Wとを検査する(ステップS54:(c1)工程)。
図18の例では、検査処理部21は、導電部対P1,P2、導電部対P4,P5、導電部対P11,P12、導電部対P15,P16の各対間にそれぞれ電流を流し、各対間の電圧を検出する。そして、検査処理部21は、例えばその各対間の電圧を、各対間に流れた電流で除算することによって各対間の抵抗値を算出する。検査処理部21は、算出された各抵抗値を、例えば予め記憶部22に記憶された基準値と比較し、各抵抗値が基準値以下であれば基板Bは良好と判定し、各抵抗値が基準値を超えていれば基板Bは不良と判定する。
ステップS54において、検査処理部21は、例えば図略の表示装置等の報知部に表示する等の方法により、その判定結果を、ユーザに報知する。なお、検査処理部21は、必ずしも判定結果をユーザに報知しなくてもよい。
ステップS54では、第一選択導電部として選択された、導電部対P1,P2、導電部対P4,P5、導電部対P11,P12、及び導電部対P15,P16の各対間の電流経路となる枝M11,M12,M13,M14,M41,M42,M45,M46に対応するビアV、及びノードN11,N12,N41,N42に対応する配線Wが検査される。
ステップS53では、第一選択導電部として選択された、導電部対P1,P2、導電部対P4,P5、導電部対P11,P12、及び導電部対P15,P16の各対間に、並行して電流を流し、各対間の電圧を測定することができるので、基板の検査時間を短縮することが容易となる。
また、もし仮に、同一のノードN(配線W)を介して導通する複数対の導電部対P間に並行して電流を流した場合、測定用電流が重複して流れる配線Wが生じるおそれがある。この場合、電流の重複により生じた電圧は、測定誤差となるため、検査精度が低下するおそれがある。
一方、検査指示情報D2では、層毎に、並行して測定用電流を流しても電流重複が生じないように、第一選択導電部の導電部対Pが選択されている。従って、ステップS51~54において、検査指示情報D2に基づいて測定用電流を並行して流す導電部対Pを決定することによって、検査精度が低下するおそれを低減しつつ、基板の検査時間を短縮することが可能とされている。
次に、検査処理部21は、ステップS54で基板Bが不良と判定された場合(ステップS55でYES)、それ以降の処理を実行することなく処理を終了する。一方、ステップS54で基板Bが不良と判定されなかった場合(ステップS55でNO)、検査処理部21は、ステップS61(図20)へ処理を移行する。
ステップS61において、検査処理部21は、検査層LT1,LT2における第二選択導電部の導電部対に対して、対となる導電部間に、第一電流供給処理とは非並行に測定用電流を流す第二電流供給処理を実行する(ステップS61:(c2)工程)。
次に、検査処理部21は、検査層LT1,LT2における第二選択導電部の導電部対間の電圧を検出し、その電圧と測定用電流とに基づいて、対となる第二選択導電部間の電流経路のビアVと配線Wとを検査する(ステップS62:(c2)工程)。検査処理部21は、ステップS54の場合と同様の方法により、検査、及びその判定結果の報知を行う。
ステップS61,S62における測定用電流の供給及び検査は、ステップS53とは非並行に、すなわちステップS53による測定用電流が流れていないタイミングで実行される。
ステップS61,S62において、第二選択導電部に対する検査を、第一選択導電部に対する検査と非並行に実行することによって、測定用電流の重複が防止される。検査層LT1における第二選択導電部の導電部対と、検査層LT2における第二選択導電部の導電部対とに対するステップS61,S62の処理は、並行して実行してもよい。
図18の例では、今、検査層LT1は配線層L1、検査層LT2は配線層L4であるから、検査層LT1(配線層L1)における第二選択導電部の導電部対は存在せず、従って検査層LT1(配線層L1)における第二選択導電部の導電部対に対する第二電流供給処理は実行されない。検査処理部21は、配線層L1,L4の第二選択導電部である導電部対P13,P14と、導電部対P16,P17に対して、ステップS61,S62を、ステップS53,S54とは非並行に実行する。
次に、検査処理部21は、ステップS62の検査で基板Bが不良と判定された場合(ステップS63でYES)、それ以降の処理を実行することなく処理を終了する。一方、ステップS62の検査で基板Bが不良と判定されなかった場合(ステップS63でNO)、検査処理部21は、ステップS64へ処理を移行する。
ステップS64において、検査処理部21は、検査層LT1,LT2の両方が導体層Lcである場合、及び一方が導体層Lcで他方が無しの場合のいずれかに該当するか否かをチェックする(ステップS64)。検査層LT1,LT2の両方が導体層Lcである場合、及び一方が導体層Lcで他方が無しの場合のいずれにも該当しない場合(ステップS64でNO)、検査処理部21はステップS65へ移行し、検査層LT1,LT2の両方が導体層Lcである場合、又は一方が導体層Lc且つ他方が後述の検査層無しの場合のいずれかに該当する場合(ステップS64でYES)、検査処理部21はステップS71(図21)へ移行する。今、検査層LT1,LT2はいずれも導体層Lcではないから(ステップS64でNO)ステップS65へ移行する。
ステップS65において、検査処理部21は、検査層LT1が導体層Lcでなければ、検査指示情報D2に基づき、基板面F1側の各層のうち、次の順序の層を検査層LT1とする(ステップS65)。検査処理部21は、現在の検査層LT1が導体層Lcの場合、新たな検査層LT1を無しとする。次に、検査処理部21は、検査層LT2が導体層Lcでなければ、検査指示情報D2に基づき、基板面F2側の各層のうち、次の順序の層を検査層LT2とし(ステップS66)、ステップS53(図19)へ移行する。検査処理部21は、現在の検査層LT2が導体層Lcの場合、新たな検査層LT2を無しとする。
今、検査層LT1は配線層L1、検査層LT2は配線層L4であるから、検査処理部21は、新たな検査層LT1を配線層L2とし、新たな検査層LT2を導体層LcとしてステップS53(図19)へ移行する。
ステップS53において、検査処理部21は、配線層L2の第一選択導電部である導電部対P3,P4と、基板面F2における導体層Lcの第一選択導電部である導電部対P11,P15とに対して並行して測定用電流を流し、導電部対P3,P4間の電圧と導電部対P11,P15間の電圧とを検出し、その電圧と測定用電流とに基づいて、当該導電部間における電流経路のビアVと配線Wとを検査する(ステップS53,S54:(c1)工程)。
以下、検査処理部21は、ステップS55でNOであれば、ステップS61へ移行する。図18に示す検査指示情報D2によれば、配線層L2及び基板面F2の導体層Lcに対応する第二選択導電部は存在しないから、ステップS61~S63は実行されることなくステップS64へ移行する。
ステップS64において、検査層LT1,LT2の両方が導体層Lcである場合、及び一方が導体層Lcで他方が検査層無しの場合のいずれにも該当しないからステップS65へ移行し、検査処理部21は、検査指示情報D2における基板面F1側の配線層L2の次の順序の層である導体層Lcを検査層LT1とする(ステップS65)。ステップS66では、検査層LT2が導体層Lcのため、検査処理部21は、新たな検査層LT2を無しとして再びステップS53へ移行する。
ステップS53において、検査処理部21は、基板面F1側の導体層Lcの第一選択導電部である導電部対P1,P3に対して測定用電流を流し、導電部対P1,P3間の電圧を検出し、その電圧と測定用電流とに基づいて、当該導電部間における電流経路のビアVと配線Wとを検査する(ステップS53,S54:(c1)工程)。
以下、検査処理部21は、ステップS55でNOであれば、ステップS61へ移行する。図18に示す検査指示情報D2によれば、基板面F1側の導体層Lcの第二選択導電部は導電部対P6,P7である。従って、検査処理部21は、導電部対P6,P7に対してステップS61,62を実行する。
以下、検査処理部21は、ステップS63でNOであれば、ステップS64へ移行する。今、検査層LT1は上述するステップS65で導体層Lcとされ、検査層LT2は上述するステップS66で無しとされている(ステップS64でYES)から、ステップS71(図21)へ移行する。
ステップS71において、検査処理部21は、第三選択導電部の導電部対に対して、対となる導電部間に、測定用電流を流す第三電流供給処理を、第一、第二電流供給処理とは非並行に実行する(ステップS71)。
次に、検査処理部21は、第三選択導電部の導電部対間の電圧を検出し、その電圧と測定用電流とに基づいて、当該導電部間における電流経路のビアVと配線Wとを検査する(ステップS72)。検査処理部21は、ステップS54の場合と同様の方法により、検査、及びその判定結果の報知を行う。
図18の例では、基板面F1に対応する第三選択導電部は存在せず、基板面F2に対応する第三選択導電部は導電部対P12,P13である。従って、検査処理部21は、導電部対P12,P13の導電部間に、測定用電流を流す第三電流供給処理を、第一、第二電流供給処理とは非並行に実行し(ステップS71)、導電部対P12,P13の導電部間の電圧を検出し、その電圧と測定用電流とに基づいて、当該導電部間における電流経路のビアVと配線Wとを検査する(ステップS72)。
図18の例では、図15に示す導電部対P12,P13間の電流経路の配線W42が検査される。これにより、配線Wの検査漏れが生じるおそれを低減し、基板Bの検査精度を向上することができる。
次に、検査処理部21は、第四選択導電部の導電部対に対して、対となる導電部間に、測定用電流を流す第四電流供給処理を、第一~第三電流供給処理とは非並行に実行する(ステップS73)。
次に、検査処理部21は、第四選択導電部の導電部対間の電圧を検出し、その電圧と測定用電流とに基づいて、当該導電部間における電流経路のビアVと配線Wとを検査し(ステップS74)、処理を終了する。検査処理部21は、ステップS54の場合と同様の方法により、検査、及びその判定結果の報知を行う。
図18の例では、第四選択導電部は存在しないので、検査処理部21は、ステップS73,S74を実行することなく処理を終了する。
ステップS73,S74によれば、例えば図17に示すような、導体層Lcを二つ備え、二つの導体層Lcの面状導体IP同士を接続するビアVcが設けられた基板Bの、ビアVcを検査することができる。
また、検査指示情報D2は、検査指示情報生成装置3によって、基板面毎に、基板面F1,F2に近い層に対応する方から順に、順序づけされている。その結果、基板検査装置2は、ステップS51,S52,S65,S66によって検査順序を定めることによって、配線層Lを、基板面F1,F2に近い方から順に、順次検査対象とすることができる。
一般的に、基板Bは、基板面F1,F2に近いほど、配線層Lに設けられた配線Wの数が多い傾向がある。配線層Lに設けられた配線Wの数が多いほど、一つの層に対応する第一選択導電部の導電部対の数が増加する。第一選択導電部の導電部対の数が多いほど、ステップS53で並行して検査可能な導電部対の数が増加する。
従って、配線層Lを、基板面F1,F2に近い方から順に、検査対象とすることによって、検査の早い時期における並行検査数を増加させることができる。検査の初期における並行検査数を増加させることができれば、基板Bの不良を検査の早い時期に検出することができる。従って、ステップS55,S63のように、不良が検出されたときに検査を終了するようにした場合には、配線層Lを、基板面F1,F2に近い方から順に、検査対象とすることによって、不良を検出するまでの時間を短縮し、検査時間を短縮できる可能性を高めることができる。
なお、検査指示情報生成装置3と基板検査装置2とが、別個の装置として構成される例を示したが、検査指示情報生成装置3と基板検査装置2とは、単一の装置として構成されていてもよい。例えば、基板検査装置2が検査指示情報生成部31と記憶部32とを備えることによって、基板検査装置2が検査指示情報生成装置を兼ねる構成であってもよい。この場合、検査指示情報生成装置を兼ねる1台の基板検査装置によって、基板検査システムが構成される。
また、検査指示情報生成装置3及び検査指示情報生成方法は、必ずしも図7~図14に記載の全てのフローを実行する必要はなく、検査処理部21は、必ずしも図19~図21に記載の全てのフローを実行する必要はない。
検査指示情報生成装置3及び検査指示情報生成方法は、例えばステップS101,S102のみを実行した場合であっても、基板面F1と隣接する配線層L1の配線W、及び基板面F1と隣接する配線層L1と導電部Pとを接続するビアVの検査時間を容易に短縮することが可能な検査指示情報D2を生成することができる。この場合、検査処理部21は、ステップS53,S54を実行すればよい。
また、導体層Lcの両面に、配線層Lと導電部Pとが設けられている例を示したが、配線層Lと導電部Pとは、導体層Lcの片面のみに設けられていてもよい。例えば、基板Bは、基板B4,B5を備えていなくてもよい。この場合、第二選択層LL2に係る処理は実行不要であり、例えばステップS18~S24,S104~S106、S401~S403、S52、S66等は実行不要である。
また、検査処理部21は、ステップS55,S63,を実行せず、検査途中で不良が検出された場合であっても、検査を継続する構成としてもよい。また、検査指示情報生成装置3及び検査指示情報生成方法は、必ずしもステップS4,S13,S21によって、基板面F1,F2に近い層に対応する方から順に、導電部対を検査指示情報D2に記録させる例に限らない。検査指示情報生成装置3及び検査指示情報生成方法は、任意の順番で導電部対を検査指示情報D2に記録させてもよい。
すなわち、本発明の一例に係る検査指示情報生成装置は、面状又はメッシュ状に拡がる導電性の面状導体が設けられた層である導体層と、複数の導電部が設けられた基板面と、前記導体層と前記基板面との間に積層された層である配線層と、前記配線層の配線と前記複数の導電部とを接続するビアと、前記配線層の配線と前記導体層の面状導体とを接続するビアとを備える基板における前記面状導体、前記導電部、前記配線、及び前記ビアが、どのように導通接続されているかを示す導電構造情報を記憶する記憶部と、前記配線層の配線を介して互いに導通する前記導電部同士のグループが複数ある場合に、前記導電構造情報に基づいて、当該各グループから前記導電部を第一選択導電部として一対ずつ選択し、当該選択された複数対の第一選択導電部を示す情報を、検査指示情報として記録する検査指示情報生成処理を実行する検査指示情報生成部とを備える。
また、本発明の一例に係る検査指示情報生成方法は、面状又はメッシュ状に拡がる導電性の面状導体が設けられた層である導体層と、複数の導電部が設けられた基板面と、前記導体層と前記基板面との間に積層された層である配線層と、前記配線層の配線と前記複数の導電部とを接続するビアと、前記配線層の配線と前記導体層の面状導体とを接続するビアとを備える基板における前記面状導体、前記導電部、前記配線、及び前記ビアが、どのように導通接続されているかを示す導電構造情報に基づいて、前記配線層の配線を介して互いに導通する前記導電部同士のグループが複数ある場合に、前記当該各グループから前記導電部を第一選択導電部として一対ずつ選択し、当該選択された複数対の第一選択導電部を示す情報を、検査指示情報として生成する検査指示情報生成処理を実行する検査指示情報生成工程を含む。
また、本発明の一例に係る検査指示情報生成プログラムは、面状又はメッシュ状に拡がる導電性の面状導体が設けられた層である導体層と、複数の導電部が設けられた基板面と、前記導体層と前記基板面との間に積層された層である配線層と、前記配線層の配線と前記複数の導電部とを接続するビアと、前記配線層の配線と前記導体層の面状導体とを接続するビアとを備える基板における前記面状導体、前記導電部、前記配線、及び前記ビアが、どのように導通接続されているかを示す導電構造情報に基づいて、前記配線層の配線を介して互いに導通する前記導電部同士のグループが複数ある場合に、前記当該各グループから前記導電部を第一選択導電部として一対ずつ選択し、当該選択された複数対の第一選択導電部を示す情報を検査指示情報として生成する検査指示情報生成処理を、コンピュータに実行させる。
配線層の配線を介して互いに導通する導電部同士のグループが複数ある場合、あるグループの導電部間に電流を流したとしても、他のグループにその電流が流れることはない。そこでこれらの構成によれば、配線層の配線を介して互いに導通する導電部同士のグループが複数ある場合に、検査指示情報生成処理によって、導電構造情報に基づいて、当該各グループから導電部が第一選択導電部として一対ずつ選択され、当該選択された複数対の第一選択導電部を示す情報が、検査指示情報として記録される。そうすると、一つのグループから一対の第一選択導電部が選択されるから、複数対の第一選択導電部は、それぞれ別のグループに属する。そうすると、検査指示情報によって示される複数対の第一選択導電部に対しては、並行して電流を流しても、電流の重複が生じない。従って、このようにして得られた検査指示情報に基づく複数対の第一選択導電部を検査箇所とすることによって、複数箇所の検査を並行して実施可能になる結果、基板の検査時間を短縮することが容易となる。
また、前記検査指示情報生成処理は、(a)前記導電構造情報に基づいて、前記配線層の配線を介して互いに導通する前記導電部同士をグループ化する工程と、(b)前記グループ化された複数のグループについて、当該各グループに含まれる導電部の中から二つの導電部を前記一対の第一選択導電部として選択し、当該選択された複数対の第一選択導電部を、並行して検査可能な検査箇所として前記検査指示情報に記録する工程とを含むことが好ましい。
この構成によれば、(a)で、配線層の配線を介して互いに導通する導電部同士、すなわちもし複数の導電部対に電流を流したら相互に電流経路の重複が生じる可能性のある導電部同士がグループ化される。また、グループ化された複数のグループについて、すなわち、もしもグループ内の導電部対間で電流を流したとしても、他のグループの電流経路との重複が生じない関係にある複数のグループを対象に、(b)で、当該各グループに含まれる導電部の中から二つの導電部が一対の第一選択導電部として選択され、当該選択された複数対の第一選択導電部が、並行して検査可能な検査箇所として検査指示情報に記録される。そうすると、一つのグループから一対の第一選択導電部が選択されるから、複数対の第一選択導電部は、それぞれ別のグループに属する。従って、検査指示情報によって示される複数対の第一選択導電部に対しては、並行して電流を流しても、電流の重複が生じない。従って、このようにして得られた検査指示情報に基づく複数対の第一選択導電部を検査箇所とすることによって、複数箇所の検査を並行して実施可能になる結果、基板の検査時間を短縮することが容易となる。
また、前記(b)工程は、さらに、前記第一選択導電部として選択されなかった導電部を有するグループがある場合、そのグループに対し、その第一選択導電部として選択されなかった導電部を含む二つの導電部を、前記複数対の第一選択導電部とは非並行に検査すべき一対の第二選択導電部として前記検査指示情報に記録することが好ましい。
この構成によれば、第一選択導電部として選択されなかった導電部が、検査箇所から漏れるおそれを低減できる。
また、前記基板は、前記配線層を複数層備え、前記複数の配線層間を接続する複数のビアをさらに備え、前記検査指示情報生成部は、(d)複数の前記配線層の配線が並列に接続されている場合、前記(a)工程より前に、当該並列接続された複数の配線を、その各配線のうち最も前記基板面に近い一つの配線に置き換えるように、前記導電構造情報を変更する工程をさらに実行し、前記(d)工程で変更された導電構造情報に基づいて前記検査指示情報生成処理を実行することが好ましい。
この構成によれば、導電構造情報が単純化されるので、単純化された導電構造情報に基づき検査指示情報生成処理が実行される。その結果、検査指示情報生成処理の実行が容易となる。
また、前記検査指示情報生成部は、(e)前記配線と前記面状導体とによって、前記ビア又はビアの列が並列接続されている場合、前記(a)工程より前に、当該並列接続されたビア又はビアの列を、一つ又は一列のビアに置き換えるように、前記(d)工程で変更された導電構造情報を変更する工程をさらに実行し、前記(e)工程で変更された導電構造情報に基づいて前記検査指示情報生成処理を実行することが好ましい。
この構成によれば、導電構造情報が単純化されるので、単純化された導電構造情報に基づき検査指示情報生成処理が実行される。その結果、検査指示情報生成処理の実行が容易となる。
また、前記基板は、前記配線層を複数層備え、前記複数の配線層間を接続する複数のビアをさらに備え、前記検査指示情報生成部は、(f)前記複数の配線層のうち、最も前記基板面に近い配線層を処理対象として前記(a)及び(b)工程を実行し、(g)前記最も前記基板面に近い配線層を除く他の配線層に対して、当該他の配線層それぞれを処理対象として、(g1)前記処理対象となる前記配線層の配線毎に、その一つの配線に対応して、その一つの配線の前記導体層から遠ざかる側に接続されたビア一つに対して、その一つのビアのその配線とは逆側で電気的に接続された前記導電部を一つ選択することにより、対応する前記配線毎に、前記選択された導電部をグループ化し、(g2)前記(g1)工程においてグループ化されたグループに対して、前記(b)工程を実行し、前記(b)工程は、前記処理対象の配線層と対応付けて前記各対の第一選択導電部を前記検査指示情報に記録することが好ましい。
この構成によれば、複数の配線層と、複数の配線層間を接続する複数のビアとを備えた基板を検査するための検査箇所となる導電部対を、検査指示情報に記録することが可能となる。
また、前記(b)工程は、前記(f)及び(g)工程において、前記基板面に近い配線層を処理対象として選択されたものから順に、前記複数対の第一選択導電部を前記配線層毎に順序付けて前記検査指示情報に記録することが好ましい。
一般的に、基板は、基板面に近いほど、配線層に設けられた配線の数が多い傾向がある。配線層に設けられた配線の数が多いほど、処理対象の配線層に対する第一選択導電部の対の数、すなわち検査の際に並行して測定用電流を流すことができる導電部の対が増加する。従って、基板面に近い配線層を処理対象として選択されたものから順に、複数対の第一選択導電部を配線層毎に順序付けて検査指示情報に記録すると、検査の際に、この検査指示情報によって順序付けされた順に検査対象の配線層を選択し、その配線層に対応する第一選択導電部対に測定用電流を流して検査することができる。このように検査をおこなうと、検査の早い時期における並行検査数を増加させることができる。検査の初期における並行検査数を増加させることができれば、基板の不良を検査の早い時期に検出することができる。
また、(h)前記面状導体の一方の側に接続されたビア毎に、前記面状導体とは逆側で電気的に接続された前記導電部を一つ選択することにより当該選択された導電部を前記面状導体の一方の側に対応する導電部としてグループ化し、当該グループ化された導電部の中から二つの導電部を一対の第一選択導電部として選択し、当該選択された一対の第一選択導電部を前記検査指示情報に記録することが好ましい。
この構成によれば、面状導体に接続されたビアを検査することができる。
また、前記検査指示情報生成処理は、(j)前記第一選択導電部の対に挟まれず、かつ前記第二選択導電部の対に挟まれない前記配線を探索する工程と、(k)前記探索された配線の一端に対してその配線を介さず導通する導電部と、その配線の他端に対してその配線を介さず導通する導電部とを、前記複数対の第一選択導電部とは非並行に検査すべき一対の第三選択導電部として前記検査指示情報に記録する工程とをさらに含むことが好ましい。
この構成によれば、検査対象箇所の検査指示情報への記録漏れが生じるおそれを低減することができる。
また、前記基板面及び前記配線層は、前記導体層の両側にそれぞれ設けられ、前記検査指示情報生成部は、前記検査指示情報生成処理を、前記導体層の両側に対して実行することが好ましい。
この構成によれば、導体層の両側に、それぞれ基板面と配線層とが設けられた基板に対応する検査指示情報を生成することが可能となる。
また、前記基板は、複数の前記導体層と、前記複数の導体層の前記面状導体同士を接続するビアとを備え、前記検査指示情報生成処理は、(l)前記両側の基板面における一方の基板面の導電部のうち一つと、他方の基板面の導電部のうち一つとを、前記複数対の第一選択導電部とは非並行に検査すべき一対の第四選択導電部として前記検査指示情報に記録する工程をさらに含むことが好ましい。
この構成によれば、複数の導体層と、複数の導体層の面状導体同士を接続するビアとを備えた基板に対しても、その面状導体同士を接続するビアを検査するための一対の第四選択導電部を検査指示情報に記録することができる。
また、前記検査指示情報生成部は、(m)前記ビアをノード、前記配線を枝、前記面状導体を根ノードに対応させることによって、前記導電構造情報を木構造のデータ構造に変換する工程をさらに実行し、前記(m)工程で木構造に変換された導電構造情報に基づいて前記検査指示情報生成処理を実行することが好ましい。
この構成によれば、導電構造情報が単純化されるので、単純化された導電構造情報に基づいて検査指示情報生成処理が実行される。その結果、検査指示情報生成処理の実行が容易となる。
また、本発明の一例に係る基板検査システムは、上述の検査指示情報生成装置と、前記検査指示情報に基づいて前記基板を検査する検査処理部とを含み、前記検査処理部は、(c1)前記検査指示情報によって示される複数対の第一選択導電部に対して、対となる第一選択導電部間に電流を流す第一電流供給処理を並行して実行し、その対となる第一選択導電部間の電圧を検出し、その電流と電圧とに基づいて、前記各対の第一選択導電部間の電流経路のビアと配線とを検査する工程を実行する。
この構成によれば、検査指示情報に基づく複数対の第一選択導電部に対して、第一電流供給処理を並行して実行することによって、測定電流の重複を避けつつ、複数箇所の検査を並行して実施可能になる結果、基板の検査時間を短縮することが容易となる。
また、本発明の一例に係る基板検査システムは、上述の検査指示情報生成装置と、前記検査指示情報に基づいて前記基板を検査する検査処理部とを含み、前記検査処理部は、(c1)前記検査指示情報によって示される複数対の第一選択導電部に対して、対となる第一選択導電部間に電流を流す第一電流供給処理を並行して実行し、その対となる第一選択導電部間の電圧を検出し、その電流と電圧とに基づいて、前記各対の第一選択導電部間の電流経路のビアと配線とを検査する工程と、(c2)前記検査指示情報によって示される対となる第二選択導電部間に、前記第一電流供給処理とは非並行に電流を流す第二電流供給処理を実行し、その対となる第二選択導電部間の電圧を検出し、その電流と電圧とに基づいて、前記対となる第二選択導電部間の電流経路のビアと配線とを検査する工程とを実行する。
この構成によれば、第一選択導電部として選択されなかった導電部とつながる電流経路上のビア又は配線の検査を行うことができる。
また、本発明の一例に係る基板検査システムは、上述の検査指示情報生成装置と、前記検査指示情報に基づいて前記基板を検査する検査処理部とを含み、前記検査処理部は、前記検査指示情報によって示される順序に従い前記配線層毎に、(c1)前記検査指示情報によって示される複数対の第一選択導電部に対して、対となる第一選択導電部間に電流を流す第一電流供給処理を並行して実行し、その対となる第一選択導電部間の電圧を検出し、その電流と電圧とに基づいて、前記各対の第一選択導電部間の電流経路のビアと配線とを検査する工程を実行し、前記(c1)工程の検査の結果が不良であった場合、前記順序が次以降の配線層に対する前記(c1)工程を実行しない。
この構成によれば、基板面に近い方から順に、配線層を処理対象として検査することによって、基板の不良を検査の早い時期に検出することができる。そして、検査の結果が不良であった場合には、順序が次以降の配線層に対する検査は実行しない。その結果、不良が速やかに検出され、かつ不良が検出された時点で検査が終了するので、検査時間を短縮することが容易である。
また、本発明の一例に係る基板検査システムは、上述の検査指示情報生成装置と、前記検査指示情報に基づいて前記基板を検査する検査処理部とを含み、前記検査処理部は、(c1)前記検査指示情報によって示される複数対の第一選択導電部に対して、対となる第一選択導電部間に電流を流す第一電流供給処理を並行して実行し、その対となる第一選択導電部間の電圧を検出し、その電流と電圧とに基づいて、前記各対の第一選択導電部間の電流経路のビアと配線とを検査する工程を実行し、前記(c1)工程において、前記検査指示情報によって前記導体層の一方の側に対応付けられた前記複数対の第一選択導電部に対する前記第一電流供給処理と、前記導体層の他方の側に対応付けられた前記複数対の第一選択導電部に対する前記第一電流供給処理とを並行して実行する。
この構成によれば、導体層の両側に、それぞれ基板面と配線層とが設けられた基板を検査する場合、導体層の一方の側に対する検査と他方の側に対する検査とを並行して実行することができるので、検査時間を短縮することが容易である。
すなわち、このような構成の検査指示情報生成装置、検査指示情報生成方法、及び検査指示情報生成プログラムは、基板の検査時間を短縮することが容易な検査箇所を示す検査指示情報を生成することができる。また、このような構成の基板検査システムは、基板の検査時間を短縮することが容易である。
この出願は、2018年9月14日に出願された日本国特許出願特願2018-172302を基礎とするものであり、その内容は、本願に含まれるものである。なお、発明を実施するための形態の項においてなされた具体的な実施態様又は実施例は、あくまでも、本発明の技術内容を明らかにするものであって、本発明は、そのような具体例にのみ限定して狭義に解釈されるべきものではない。