JP7349881B2 - 複合窓枠および/または複合框 - Google Patents

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Description

本発明は、方形状に枠組みされた窓枠内に金属框および樹脂框でガラスを固定した複合窓枠および/または複合框に関する。
近年、窓枠の断熱性を維持しながらも冬季の結露を防止できるように建物の窓開口部に装着される窓枠として、金属枠とその金属枠の室内側に装着される樹脂枠とを組み合わせた複合窓枠の採用が増加している(例えば、特許文献1参照。)。このような複合窓枠では、障子の框も同様な理由で金属框および樹脂框で構成してガラスを固定している。
特開平11-107631号公報
ところで、このような金属枠や金属框等の金属部材と樹脂枠や樹脂框等の樹脂部材とからなる複合窓枠および/または複合框では、金属部材に樹脂枠をビス等の固定具で固定すると共に、意匠性を良くするため樹脂枠や樹脂框等の樹脂部材の表側に樹脂製の固定具カバーを嵌合して固定具の頭部を覆い、固定具の頭部が外部から見えないようにしている。
一般に樹脂は金属よりも熱膨張性係数が4~5倍と大きいが、金属枠や金属框等の金属部材にビス等の固定具で固定された樹脂枠や樹脂框等の樹脂部材は温度変化による収縮や伸長が制限されている。一方、樹脂製の固定具カバーは樹脂部材に嵌合して取付けられているため、温度変化による収縮や伸長が、金属部材や金属部材に固定された樹脂部材よりも大きくなる。
そのため、冬季には樹脂製の固定具カバーは金属部材やその金属部材に固定した樹脂部材よりも大きく収縮し、特に、縦枠や縦框を構成する金属部材に樹脂部材を固定する固定具の頭部を隠す固定具カバーの場合、その固定具カバー上端部と上枠や上框との間の隙間が目線に近い位置にあって目立つため、意匠性が劣るという問題があった。また、夏季には樹脂製の固定具カバーは金属部材やその金属部材に固定した樹脂部材よりも大きく伸長し、その長手方向端部が上枠や上框等と干渉して伸びを吸収できず、固定具カバーの嵌合が外れる虞もあった。
そこで、本発明はこのような問題点を解決するためなされたもので、樹脂製の固定具カバーが温度変化によって収縮し、固定具カバー上端部と上枠や上框との間の隙間が大きくなった場合でも、その隙間が外部から見えないようにし、意匠性を向上させると共に、固定具カバーが温度変化によって伸長しても、嵌合が外れることのない複合窓枠および/または複合框を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明に係る複合窓枠および/または複合框は、方形状に枠組みされた金属部材と、その金属部材の室内側に装着される樹脂部材とを備えた複合窓枠および/または複合框において、前記樹脂部材は、前記金属部材に設けられた被固定部に固定具によって固定される樹脂部材本体部と、前記樹脂部材本体部に係合され、前記樹脂部材本体部から露出する前記固定具を隠す樹脂製の固定具カバーと、縦方向に延びる前記固定具カバー上端部と上下方向に所定長だけ重なって当該縦方向に延びる前記固定具カバー上端部を隠すカバー上端部隠し部材とを有し、前記樹脂部材本体部の長手方向端部と、その端部に対向する縦方向に延びる金属部材の上部および/または下部との間には、前記樹脂部材本体部の長手方向端部を塞ぐ樹脂製の端部ふさぎ部材が設けられていることを特徴とする。
本発明に係る実施形態の複合窓枠および/または複合框では、樹脂部材は、金属部材に設けられた被固定部に固定具によって固定される樹脂部材本体部と、樹脂部材本体部に係合され、当該樹脂部材本体部から露出する固定具を隠す樹脂製の固定具カバーとを備え、固定具カバー上端部と上下方向に所定長だけ重なって固定具カバー上端部を隠すカバー上端部隠し部材が設けられている。
そのため、例えば冬季において縦方向に延びる樹脂製の固定具カバーが温度変化により金属部材や金属部材に固定具で固定された樹脂部材よりも大きく収縮し、固定具カバー上端部と上枠や上框との間の隙間が大きくなった場合でも、カバー上端部隠し部材が固定具カバー上端部と上下方向に所定長だけ重なることによって固定具カバー上端部を隠すので、その隙間が外部から見えなくなり、意匠性を向上させることができる。また、夏季において樹脂製の固定具カバーが金属部材やその金属部材に固定した樹脂部材よりも大きく伸長した場合でも、その長手方向端部が上枠や上框等に干渉せず、固定具カバーの嵌合が外れることを防止できる。
本発明に係る複合窓枠および/または複合框の実施形態として複合框を採用した縦すべり出し窓全体の縦断面図である。 実施形態の複合框におけるビスカバー上端部隠し部材の取付け状態を示す上框近傍の要部拡大縦断面図である。 実施形態の複合框におけるビスカバー上端部隠し部材の取付け状態を示す縦框近傍の要部拡大横断面図である。 (a),(b)は、それぞれ、実施形態の複合框を構成するビスカバー上端部隠し部材の平面図、正面図である。 (a),(b)は、それぞれ、実施形態の複合框を構成するビスカバー上端部隠し部材の右側面図、ビスカバー上端部隠し部材を縦框用樹脂製額縁に装着した際のビスカバー上端部等との関係を示す要部縦断面図である。 (a)~(c)は、それぞれ、実施形態の複合框を構成する端部ふさぎ部材の正面図、平面図、左側面図である。 実施形態の複合框を構成する端部ふさぎ部材の装着状態を示す複合窓枠を含めた縦断面図である。 実施形態の複合框を構成する端部ふさぎ部材の装着状態を示す要部(下框と縦框の接合部)拡大正面図である。 実施形態の複合框を構成する端部ふさぎ部材の装着状態を示す複合窓枠を含めた要部(縦框用樹脂製額縁等を省略した下框と縦框の接合部)拡大横断面図である。
以下、本発明に係る実施形態の複合窓枠および/または複合框を、縦すべり出し窓の障子を一例として図面を参照して説明する。尚、以下に説明する実施の形態はあくまで本発明の一例であり、本発明が下記に説明する実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で適宜変更可能である。
<縦すべり出し窓および複合窓枠1の概要>
図1は本発明に係る実施形態の障子の框構造を採用した縦すべり出し窓における縦断面図である。
縦すべり出し窓は、図1に示すように複合窓枠1を構成する上枠1aと下枠1bと、障子2を構成する上框2aと下框2bとの間にそれぞれ設けた上下1対のステー(図示せず。)により、障子2を室外側(屋外側)にすべり出して開閉させる周知のもので、複合窓枠1は、図1や図8等に示すように建物の窓開口部に装着される方形状に枠組みされた金属製上枠1a1、金属製下枠1b1および左右両側の金属縦枠1c1の金属枠1a1~1c1と、その金属枠1a1~1c1の室内側に取付けられる樹脂製上枠1a2、樹脂製下枠1b2および左右両側の樹脂縦枠1c2の樹脂枠1a2~1c2とを備えた上枠1a、下枠1bおよび左右両側の縦枠1cから構成されている。尚、金属枠1a1~1c1はアルミ等の押し出し型材から成形され、また樹脂枠1a2~1c2は塩化ビニルやアクリル樹脂等から押し出し成形される。
<障子2の框構造>
実施形態1の障子2は、図1に示すように、上枠1a、下枠1bおよび左右両側の縦枠1cから構成された複合窓枠1の開口部においてすべり出して開閉するもので、上框2aと、下框2bと、左右の縦框2cとによって複層ガラス等を支持するように構成されている。尚、実施形態1の障子2の框構造の特徴は、複層ガラスとは関係がないため、複層ガラスは図示を省略する。
(上框2a)
上框2aは、図1や図2等に示すようにアルミ等から成形された本発明の金属部材としての金属製上框2a1および被固定部としての上框用金属製額縁2a2と、塩化ビニルやアクリル樹脂等から成形された本発明の樹脂部材を構成する樹脂部材本体部としての上框用樹脂製額縁2a3、固定具カバーとしての上框用ビスカバー2a4等を備えて構成されている。
金属製上框2a1は、図2に示すように、室外側端部において立設する室外側立設部2a11と、室外側端部において垂れ下がり複層ガラス(図示せず。)上端部を室外側から押えるガラス上端部押え部2a12と、中空の第1ホロー部2a13および第2ホロー部2a14を有していると共に、第1ホロー部2a13と第2ホロー部2a14との間に上框用金属製額縁2a2の後述する嵌合部2a22が嵌合する嵌合溝部2a15と、上框用樹脂製額縁2a3の後述する係合部2a34が嵌合する係合爪部2a16とを備えている。
上框用金属製額縁2a2は、図2に示すように、上框用樹脂製額縁2a3が固定具であるビス4により固定された後、金属製上框2a1に嵌合して複層ガラス(図示せず。)上端部を室内側から押える部材で、ビス4が螺合するビス孔が見付け方向に所定間隔で複数設けられたビス孔設置片2a21と、上框用金属製額縁2a2の金属製上框2a1の嵌合溝部2a15に嵌合する嵌合部2a22等が設けられている。
上框用樹脂製額縁2a3は、塩化ビニルやアクリル樹脂等の合成樹脂を押し出し成形した形材を切断して構成し、図2に示すようにビス4によって上框用金属製額縁2a2に固定された後に金属製上框2a1に取付けられる部材で、ビス4が通るビス孔が上框用金属製額縁2a2のビス孔設置片2a21と同一間隔で設けられたビス孔設置面2a31と、金属製上框2a1の下面に先端部が当接する中間面2a32と、室内へ露出する室内側露出面2a33と、室内側露出面2a33の垂直面の上端部から金属製上框2a1に向かって傾斜し、金属製上框2a1の係合爪部2a16に係合する係合部2a34と、ビス孔設置面2a31先端から下方へ延び上框用ビスカバー2a4の第1係合部2a41に係合するカバー用第1被係合部2a35と、中間面2a32下端に設けられ上框用ビスカバー2a4の第2係合部2a42が係合するカバー用第2被係合部2a36と、室内側露出面2a33下端に設けられ上框用ビスカバー2a4の第3係合部2a43が係合するカバー用第3被係合部2a37と、ビス孔設置面2a31と連続してカバー用第2被係合部2a36から室内側露出面2a33まで延びる中継面2a38等を有する。
上框用ビスカバー2a4は、上框用金属製額縁2a2と上框用樹脂製額縁2a3とを固定するビス4の頭部を隠すように上框用樹脂製額縁2a3下部に取付けられるもので、上面側(裏面側)には上框用樹脂製額縁2a3のカバー用第1被係合部2a35、カバー用第2被係合部2a36およびカバー用第3被係合部2a37それぞれに係合する第1係合部2a41、第2係合部2a42および第3係合部2a43が本体部2a44からそれぞれ設けられている。また、上框用ビスカバー2a4の長手方向(図1において奥行方向、図3において左右方向)端部2a45は、図5(b)に示すように後述する縦框用ビスカバー2c4の本体部2c44の上方(後述するカバー上端部隠し部材3の中継部3bの上方)迄となっている。よって、上框用ビスカバー2a4の長手方向端部2a45は外部から見えないように構成されている。尚、下框用ビスカバー2b4の長手方向端部2b45も、図8に示すように外部から見えないように構成されている。
(下框2b)
下框2bも、図1に示すようにアルミ等から成形された本発明の金属部材としての金属製下框2b1および被固定部としての下框用金属製額縁2b2と、塩化ビニルやアクリル樹脂等から成形された本発明の樹脂部材を構成する樹脂部材本体部としての下框用樹脂製額縁2b3、固定具カバーとしての下框用ビスカバー2b4等を備えて構成されている。
そして、下框2bを構成する金属製下框2b1、下框用金属製額縁2b2、下框用樹脂製額縁2b3および下框用ビスカバー2b4は、それぞれ、図1から明らかなように上框2aを構成する金属製上框2a1、上框用金属製額縁2a2、上框用樹脂製額縁2a3および上框用ビスカバー2a4をほぼ上下反転させた形状に形成され、上下反転された状態(カバー上端部隠し部材3を除く)で組み付けられる。
(縦框2c)
縦框2cは、図3に示すようにアルミ等から成形された金属部材である金属製縦框2c1および被固定部としての縦框用金属製額縁2c2と、本発明の樹脂部材を構成する樹脂部材本体部としての縦框用樹脂製額縁2c3、固定具カバーとしての縦框用ビスカバー2c4および後述するカバー上端部隠し部材3等を備えて構成されている。尚、本明細書では、内観右側の縦框2cを例に説明するが、内観左側の縦框は、縦框2cを左右反転させた形状に形成され、左右反転された状態で組み付けられる。
金属製縦框2c1は、図3に示すように、室外側端部において外側に向かって突出する室外側突出部2c11と、室外側端部において内側に向かって突出し複層ガラス(図示せず。)の横端部を室外側から押えるガラス横端部押え部2c12と、中空の第1ホロー部2c13および第2ホロー部2c14を有していると共に、第1ホロー部2c13と第2ホロー部2c14との間に縦框用金属製額縁2c2の後述する嵌合部2c22が嵌合する嵌合溝部2c15と、縦框用樹脂製額縁2c3の後述する係合部2c34が嵌合する係合爪部2c16とを備えている。
縦框用金属製額縁2c2は、図3に示すように、縦框用樹脂製額縁2c3が固定具であるビス4により固定された後、金属製縦框2c1に嵌合して縦框2cを構成するもので、ビス4が螺合するビス孔が所定間隔で複数設けられたビス孔設置片2c21と、縦框用金属製額縁2c2の金属製縦框2c1の嵌合溝部2c15に嵌合する嵌合部2c22が設けられている。
縦框用樹脂製額縁2c3は、上框用樹脂製額縁2a3および下框用樹脂製額縁2b3と同様に塩化ビニルやアクリル樹脂等の合成樹脂を押し出し成形し、図3に示すようにビス4によって縦框用金属製額縁2c2が連結された後に金属製縦框2c1に取付けられる部材で、複数のビス孔が所定間隔で設けられたビス孔設置面2c31と、金属製縦框2c1の見込み面に先端部が当接する中間面2c32と、室内へ露出する室内側露出面2c33と、室内側露出面2c33の水平面の右端部から金属製縦框2c1に向かって傾斜し、金属製縦框2c1の係合爪部2c16に係合する係合部2c34と、ビス孔設置面2c31室外側先端から左方へ延び縦框用ビスカバー2c4の第1係合部2c41が係合するカバー用第1被係合部2c35と、中間面2c32左端に設けられ縦框用ビスカバー2c4の第2係合部2c42が係合するカバー用第2被係合部2c36と、室内側露出面2c33左端に設けられ縦框用ビスカバー2c4の第3係合部2c43が係合するカバー用第3被係合部2c37等を有する。
また、縦框用樹脂製額縁2c3では、上端部にカバー上端部隠し部材3が装着されるため、カバー用第2被係合部2c36とカバー用第3被係合部2c37との間でビス孔設置面2c31と連続し室内側露出面2c33まで延びる中継面2c38の上部に、カバー上端部隠し部材3の後述する2つの嵌合部3a1が挿入して嵌合する嵌合孔2c38aが2箇所設けられている。
縦框用ビスカバー2c4は、縦框用金属製額縁2c2に縦框用樹脂製額縁2c3を固定するビス4の頭部を隠すように縦框用樹脂製額縁2c3の内側、すなわち図3上、左側に取付けられるもので、縦框2c側には縦框用樹脂製額縁2c3のカバー用第1被係合部2c35、カバー用第2被係合部2c36およびカバー用第3被係合部2c37それぞれに係合する第1係合部2c41、第2係合部2c42および第3係合部2c43が本体部2c44からそれぞれ設けられており、縦框用ビスカバー2c4の長手方向(図1において上下方向、図3において奥行方向)端部2c45である上端部は温度変化によって伸縮した場合でも、後述する図5(b)等に示すようにカバー上端部隠し部材3によって隠されるように構成されている。尚、もう一方の縦框用ビスカバー2c4の長手方向端部2c45である下端部は、図8に示すように下框用ビスカバー2b4の上面に載置されている。
(カバー上端部隠し部材3)
カバー上端部隠し部材3は、樹脂によって図4(a),(b)および図5(a)に示すような形状に成形されており、上下方向に延び図3および図5(b)に示すように縦框用樹脂製額縁2c3の中継面2c38に固定される隠し部材固定部3aと、隠し部材固定部3a上端部から水平方向に延びて縦框用ビスカバー2c4上端部の上方を覆う中継部3bと、中継部3b先端から隠し部材固定部3aに対向するように垂れ下がるカバー上端部隠し部3c等から構成されており、隠し部材固定部3aには上下方向に間隔を空けて縦框用樹脂製額縁2c3の中継面2c38の2箇所の嵌合孔2c38aにそれぞれ嵌合する嵌合部3a1が2つ設けられている。
カバー上端部隠し部3cの図4(a),(b)における左右両側には、それぞれ、隠し部材固定部3aの方へ向かって突出する端部突出部3c1が設けられており、縦框用ビスカバー2c4上端部と重なって隠しつつも図3に示すように接触面積が少なくなるよう室外側の端部突出部3c1先端のみが縦框用ビスカバー2c4上端部と接触するように構成されている。
また、端部隠し部3cは、カバー上端部隠し部材3が縦框用樹脂製額縁2c3の上端部に取付けられた場合、図5(b)に示すように縦框用ビスカバー2c4上端部と上下方向に所定長Lだけ重なるように形成されている。
所定長Lは、樹脂製の縦框用ビスカバー2c4は温度変化により金属製縦框2c1や、金属製の縦框用金属製額縁2c2にビス4で固定され熱収縮や熱伸びを制限された縦框用樹脂製額縁2c3よりも大きく伸縮するため、例えば冬季において縦框用ビスカバー2c4が金属製縦框2c1や縦框用樹脂製額縁2c3よりも収縮して縦框用ビスカバー2c4上端部と上框用ビスカバー2a4との間の隙間が大きくなった場合でも、縦框用ビスカバー2c4上端部がカバー上端部隠し部3c下端部に重なって隠れ、収縮した縦框用ビスカバー2c4上端部が外部から見えないように縦框用ビスカバー2c4の収縮長さを考慮して決定する。
尚、図5(b)に示す状態は、夏季および冬季以外の状態を示しており、夏季になると縦框用ビスカバー2c4は、金属製縦框2c1や金属製の縦框用金属製額縁2c2にビス4で固定された縦框用樹脂製額縁2c3よりも伸長して縦框用ビスカバー2c4上端部がカバー上端部隠し部材3の中継部3b下面に近付くため、縦框用ビスカバー2c4上端部が中継部3b下面に干渉しない長さの所定隙間Sを確保している。
(端部ふさぎ部材5)
端部ふさぎ部材5は、図6(a)~(c)に示すような形状に構成された部材で、図7~図9に示すように縦框2cの金属製縦框2c1の上部および下部それぞれにビス6で固定されて、上框用樹脂製額縁2a3の長手方向端部2a39である両端部と下框用樹脂製額縁2b3の長手方向端部2b39である両端部をそれぞれ塞ぐように構成されている。
つまり、端部ふさぎ部材5は、樹脂によって図6(a)~(c)に示すような形状に形成されており、上框用樹脂製額縁2a3または下框用樹脂製額縁2b3の長手方向の両端部に当接ないしは近接して当該端部を塞ぐ端部ふさぎ面5aと、ビス6の軸部が挿入されるビス軸通し部5bと、ビス6の頭部が嵌る凹部5cと、上框用樹脂製額縁2a3および下框用樹脂製額縁2b3の長手方向の両端部で上框用樹脂製額縁2a3および下框用樹脂製額縁2b3の室内側面と同じ断面形状で室内側露出面2a33,2b33に連続する框室内側面覆い面5dと、横方向に延びる金属部材である金属製上框2a1または金属製下框2b1の係合爪部2a16,2b16(図1、図2参照。)が嵌合する横方向係合爪嵌合部5eと、縦方向に延びる金属部材である金属製縦框2c1の係合爪部2c16(図3参照。)が嵌合する縦方向係合爪嵌合部5fと、縦框用樹脂製額縁2c3の長手方向端部2c39に対向する縦部材対向面5g等を備えている。
このように構成された端部ふさぎ部材5を上框用樹脂製額縁2a3および下框用樹脂製額縁2b3の長手方向の両端部を塞ぐためには、図8や図9に示すように、上框用樹脂製額縁2a3および下框用樹脂製額縁2b3の長手方向の両端部に対向する金属製縦框2c1の上部および下部にビス6で固定した後、縦框2cに上框2aおよび下框2bを組み付けると、図7の縦断面図に示すように上框用樹脂製額縁2a3および下框用樹脂製額縁2b3の長手方向の両端部が金属製縦框2c1の上部および下部に固定された端部ふさぎ部材5で塞がれる。また、図7や図8に示すように、縦框用樹脂製額縁2c3は、上下の端部ふさぎ材5の縦部材対向面5g同士の間に納められている。そのため、樹脂製縦枠1c2に設けられた気密材1c21が当接する室内側露出面2c33は障子上下端部まで延びていないが、端部ふさぎ部材5の框室内側面覆い面5dが障子上下端部まで連続して延びており、框室内側面覆い面5dに気密材1c21が当接して、上下枠の気密材1a21,1b21と連続している。
<実施形態の障子2の框構造の主な効果>
以上説明したように、本発明に係る複合窓枠および/または複合框の実施形態である複合框を採用した障子2では、縦框2cはアルミ等から成形された金属部材である金属製縦框2c1および縦框用金属製額縁2c2と、樹脂部材である縦框用樹脂製額縁2c3および縦框用ビスカバー2c4等を備えており、縦框用樹脂製額縁2c3はビス4によって縦框用金属製額縁2c2に固定され、縦框用金属製額縁2c2と共に金属製縦框2c1に取付けられる一方、縦框用ビスカバー2c4がそのビス4を隠すように縦框用樹脂製額縁2c3に取付けられ、縦框用樹脂製額縁2c3には、さらに、縦框用ビスカバー2c4上端部と上下方向に所定長Lだけ重なって縦框用ビスカバー2c4上端部を隠すカバー上端部隠し部材3を設けている。
そのため、樹脂製の縦框用ビスカバー2c4は、温度変化により金属製縦框2c1および縦框用金属製額縁2c2にビス4で固定された縦框用樹脂製額縁2c3よりも大きく収縮や伸長し、例えば冬季において縦框用ビスカバー2c4が金属製縦框2c1や縦框用樹脂製額縁2c3よりも収縮して縦框用ビスカバー2c4上端部と上框用ビスカバー2a4との間の隙間が大きくなった場合でも、縦框用ビスカバー2c4上端部と所定長Lだけ重なるカバー上端部隠し部材3によって縦框用ビスカバー2c4上端部を隠すので、その隙間が外部から見えなくなり、意匠性を向上させることができる。さらに、縦框用ビスカバー2c4上端部がカバー上端部隠し部材3の中継部3b下面に干渉しない所定隙間Sを確保しているので、例えば夏季の縦框用ビスカバー2c4の熱による伸長にも対応している。
また、本発明に係る実施形態の複合框を採用した障子2では、縦框2cの金属製縦框2c1の上部および下部それぞれに上框用樹脂製額縁2a3および下框用樹脂製額縁2b3の長手方向の両端部をそれぞれ塞ぐ端部ふさぎ部材5を設けている。
そのため、上框用樹脂製額縁2a3および下框用樹脂製額縁2b3の長手方向の両端部は、金属製縦框2c1の側面に直接当たらず、外気によって金属製縦框2c1が冷やされても、上框用樹脂製額縁2a3および下框用樹脂製額縁2b3に金属製縦框2c1の冷気が伝わることを防止でき、障子2の断熱性を向上させることができる。
また、端部ふさぎ部材5には、上框用樹脂製額縁2a3または下框用樹脂製額縁2b3の長手方向の両端部で上框用樹脂製額縁2a3または下框用樹脂製額縁2b3の室内側面である室内側露出面2a33,2b33と同じ断面形状で室内側露出面2a33,2b33に連続すると共に、縦框用樹脂製額縁2c3の室内側露出面2c33を障子の上下端部まで連続する框室内側面覆い面5dを有するため、樹脂製縦枠1c2に設けられた気密材1c21が框室内側面覆い面5dに当接して、上下枠の気密材1a21,1b21と連続することにより気密性能および断熱性能を向上させることができる。
尚、上記実施形態では、縦方向に延びる樹脂部材本体部である縦框用樹脂製額縁2c3に縦框用ビスカバー2c4上端部を隠すカバー上端部隠し部材3を設けて説明したが、本発明では、これに限らず、上框2aにおいて上框用金属製額縁2a2と上框用樹脂製額縁2a3とを固定するビス4の頭部を隠す上框用ビスカバー2a4の下面(底面)側に縦框用ビスカバー2c4上端部を隠すカバー上端部隠し部材3を設けても勿論良い。
また、上記実施形態では、金属部材としての金属製上框2a1、金属製下框2b1および金属製縦框2c1と、被固定部として金属部材に嵌合する上框用金属製額縁2a2、下框用金属製額縁2bおよび縦框用金属製額縁2c2とを別部材で構成して説明したが、本発明ではこれに限定されず、被固定部は金属製額縁でなくても良く、金属製上框2a1、金属製下框2b1および金属製縦框2c1に固定具によって固定した被固定部としても良く、各金属製框部材の2a1~2c1の一部を被固定部としても勿論良い。
また、上記実施形態では、本発明に係る複合窓枠および/または複合框の一例として、複合框を採用した障子2を一例に説明したが、本発明ではこれに限らず、複合窓枠1側に本発明に係る複合窓枠を採用しても勿論良い。
また、実施形態の説明では、本発明に係る障子2および複合窓枠1を建物の窓開口部に装着される縦すべり出し窓に採用して説明したが、本発明ではこれに限らず、横すべり出し窓や縦軸回転窓、横軸回転窓、外倒し窓等の他の開き窓や、引き違い窓、はめ殺し窓等の他の複合窓枠、さらには室内建具の複合窓枠にも採用することができる。
1 複合窓枠
1a 上枠
1a1 金属製上枠(金属部材)
1a2 樹脂製上枠(樹脂部材)
1a21 気密材
1b 下枠
1b1 金属製下枠(金属部材)
1b2 樹脂製下枠(樹脂部材)
1b21 気密材
1c 縦枠
1c1 金属製縦枠(金属部材)
1c2 樹脂製縦枠(樹脂部材)
1c21 気密材
2 障子
2a 上框
2a1 金属製上框(金属部材)
2a11 室外側立設部
2a12 ガラス上端部押え部
2a13 第1ホロー部
2a14 第2ホロー部
2a15 嵌合溝部
2a16 係合爪部
2a2 上框用金属製額縁(被固定部)
2a21 ビス孔設置片
2a22 嵌合部
2a3 上框用樹脂製額縁(樹脂部材本体部
2a31 ビス孔設置面
2a32 中間面
2a33 室内側露出面
2a34 係合部
2a35 カバー用第1被係合部
2a36 カバー用第2被係合部
2a37 カバー用第3被係合部
2a38 中継面
2a39 長手方向端部
2a4 上框用ビスカバー(固定具カバー)
2a41 第1係合部
2a42 第2係合部
2a43 第3係合部
2a44 本体部
2a45 長手方向端部
2b 下框
2b1 金属製下框(金属部材)
2b2 下框用金属製額縁(被固定部)
2b3 下框用樹脂製額縁(樹脂部材本体部)
2b39 長手方向端部
2b4 下框用ビスカバー(固定具カバー)
2b45 長手方向端部
2c 縦框
2c1 金属製縦框(金属部材)
2c11 室外側突出部
2c12 ガラス横端部押え部
2c13 第1ホロー部
2c14 第2ホロー部
2c15 嵌合溝部
2c16 係合爪部
2c2 縦框用金属製額縁(被固定部)
2c21 ビス孔設置片
2c22 嵌合部
2c3 縦框用樹脂製額縁(樹脂部材本体部)
2c31 ビス孔設置面
2c32 中間面
2c33 室内側露出面
2c34 係合部
2c35 カバー用第1被係合部
2c36 カバー用第2被係合部
2c37 カバー用第3被係合部
2c38 中継面
2c38a 嵌合孔
2c39 長手方向端部
2c4 縦框用ビスカバー(固定具カバー)
2c41 第1係合部
2c42 第2係合部
2c43 第3係合部
2c44 本体部
2c45 長手方向端部
3 カバー上端部隠し部材
3a 隠し部材固定部
3b 中継部
3c カバー上端部隠し部
3c1 端部突出部
4 ビス(固定具)
5 端部ふさぎ部材
5a 端部ふさぎ面
5b ビス軸通し部
5c 凹部
5d 框室内側面覆い面
5e 横方向係合爪嵌合部
5f 縦方向係合爪嵌合部
5g 縦部材対向面
6 ビス

Claims (1)

  1. 方形状に枠組みされた金属部材と、その金属部材の室内側に装着される樹脂部材とを備えた複合窓枠および/または複合框において、
    前記樹脂部材は、
    前記金属部材に設けられた被固定部に固定具によって固定される樹脂部材本体部と、
    前記樹脂部材本体部に係合され、前記樹脂部材本体部から露出する前記固定具を隠す樹脂製の固定具カバーと、
    縦方向に延びる前記固定具カバー上端部と上下方向に所定長だけ重なって当該縦方向に延びる前記固定具カバー上端部を隠すカバー上端部隠し部材とを有し、
    前記樹脂部材本体部の長手方向端部と、その端部に対向する縦方向に延びる金属部材の上部および/または下部との間には、前記樹脂部材本体部の長手方向端部を塞ぐ樹脂製の端部ふさぎ部材が設けられていることを特徴とする複合窓枠および/または複合框。
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