JP6666150B2 - 建具 - Google Patents
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Description
本発明によれば、障子の上框の少なくとも一部が水平方向において上枠に重なるように配置し、上枠の見付け面を大きくして障子の上框の屋内側からの見えを小さくした場合でも、障子を屋内側から外そうとすると障子の上框に対向する上枠の垂下片部に取り付けた逃げ部材はその先端部が下方に向けて屋内側に後退して上枠から離間するように形成されたため、金属下枠の垂下片部の先端を逃げ部材で囲っていても障子の回動軌跡に逃げ部材が干渉しない。そのため、障子の内外しをスムーズに行うことができる。
しかも、屋内側から見て障子の上框が少なくとも一部上枠に重なっていて上枠の見付け面を大きくし障子の上框の屋内側からの見えを小さくしたので、断熱性が高く意匠性と採光性が良好である。
障子を持ち上げた際に、逃げ部材の屋内側に後退する部分に対向する上框の部分にテーパ部および凹部を形成したため、樹脂部材との干渉を一層防いで取り外しが行える。しかも、上框の変位する部分を軟質の樹脂部材で形成すれば、接触しても上框と上枠の損傷を一層防止できる。
本発明の第一実施形態による引き違い窓1を図1から図6に基づいて説明する。
図1及び図2に示す実施形態による引き違い窓1は、上枠2と下枠3と左右の縦枠4とで四角形枠状に形成された枠体5内に内障子7と外障子8が見込み方向に納められている。内障子7と外障子8はそれぞれ上框10と下框11と左右の縦框12、13とで四角形枠状に形成され、その内部に例えばペアガラス等の複層ガラス9が納められている。
そして、屋外側垂下片部15bと中間レール部15cとの間に外障子8が走行可能に保持されている。中間レール部15cと屋内側垂下片部15dとの間にも内障子7が走行可能に保持されている。
また、外障子8と内障子7は、複層ガラス9の四辺の框部が上框10、下框11、左右の縦框12,13で構成されている。複層ガラス9はグレージングチャンネルを介して金属上框10a、金属下框11a、左右の金属縦框12a、13aにそれぞれ設けたガラス受け部34で四辺の側縁部を支持されている。これら金属框の屋内側を樹脂上框10b、樹脂下框11b、左右の樹脂縦框12b、13bでそれぞれ覆っている。
なお、金属上枠15、金属下枠19、左右の金属縦枠25、金属上框10a、金属下框11a、左右の金属縦框12a、13aは例えばアルミ合金製である。
なお、気密材としてアルミ合金等の金属に代えてゴム等の弾性部材を用いてもよい。屋内側垂下片部15dの屋内側の面a1には係合受け部37が形成されている。
更に、上部樹脂アングル16は、段付き部16aの近傍先端側には基部が屋内側垂下片部15dに当接すると共に先端側が屋内側に屈曲して係合受け部37に係合可能な係止片38を有する。上部樹脂アングル16は、本体部16bから上方に延びていて先端側で屈曲または湾曲して屋内側垂下片部15dに当接する当接片39を形成している。
また、段付き部16aには屋外側即ち内障子7の上框10に向かって延びる軟質樹脂からなるヒレ部40が連結または一体形成されている。ヒレ部40の軟質樹脂は他の樹脂よりも軟質で弾性変形可能に形成されており、内障子7の上框10に当接している。内障子7を走行させるとヒレ部40が当接した状態で変位し、気密状態を維持する。
なお、ヒレ部40は他の樹脂と同様に比較的硬質の樹脂で形成してもよく、この場合には内障子7の上框10と非接触で近接することが気密を保持するために好ましい。
また、金属上框10aに屋内側で連結された樹脂上框10bは、ヒレ部40が当接する部分が例えば平面状をなす屋内側鉛直部10baを形成している。更に、その下方部分は屋内側に向かって拡幅するように傾斜するテーパ部10bbを形成し、更にその下方側には先端に突起部を有する凹部10bcを形成している。
なお、樹脂上框10bは内障子7を枠体5から屋内側に外す際に上枠2に当接して損傷しないように軟質樹脂で形成してもよい。
そして、樹脂上框10bは凹部10bcから垂直面またはわずかに傾斜して降下する面と複層ガラス9側に傾斜する逆テーパ面10bdとを有している。これによって凹部10bcをあふれ出た結露水は樹脂上框10bに沿って流れて逆テーパ面10bdから複層ガラス9上に流れ落ちるため、室内に落下しない。
また、中間レール部15cの屋内側に連結した中間樹脂枠17は、上述した屋内側垂下片部15dに取り付けた上部樹脂アングル16と同様な構成を有している。即ち、中間レール部15cの屋内側に連結した中間樹脂枠17も先端片17aが中間レール部15cの下端部に当接することで屋内側と先端を囲っている。
また、外障子8の金属上框10aに取り付けた樹脂上框10bにおいて、内障子7に設けた樹脂上框10bと同様に、ヒレ部40Aが当接する屋内側鉛直部10ba、テーパ部10bb、凹部10bc、凹部10bcから垂直またはわずかに傾斜して降下する面と逆テーパ面10bdとを有している。
なお、上部樹脂アングル16を屋内側垂下片部15dに係止させ、中間樹脂枠17を中間レール部15cに係止させることで、熱によって上部樹脂アングル16や中間樹脂枠17が伸縮することを抑制できる。
下部樹脂アングル24は上述した上部樹脂アングル16と略同一の構成を有している。内障子7の金属下框11aは屋内側端部で樹脂下框11bとの係合部の更に下側に延びていて略L字状に屈曲している。金属下枠19の屋内側端部に設けた屋内側壁面19aは上下方向に延びており、上端部で金属下枠19と水平方向に重なっていて、その屋外側に受け部19bが形成されている。屋内側壁面19aの屋内側には係合受け部19cが形成されている。受け部19bに嵌合するアルミ合金製またはゴム製等の弾性部材からなるシール部材44が金属下枠19に当接して、冷気の屋内側への通気を阻止する気密材を構成する。
下部樹脂アングル24には、ヒレ部46の近傍で間隙内の下方に向けて係合受け部19cに係合可能な係止片48が形成され、更にその額縁22側には間隙内の下方に延びていて先端側で屈曲または湾曲して金属下枠19の屋内側壁面19aに向けて延びる当接片49を形成している。
そのため、下部樹脂アングル24は固定ボルトと係止片48によって額縁22と金属下枠19の係合受け部19cに係止されている。係止片48は屋内側壁面19aの屋内側に設けられているため、固定ボルトを外して下部樹脂アングル24のヒレ部46側の先端を引き上げると、当接片49が弾性変形することで係止片48が係合受け部19cから外れて取り外すことができる。そのため、下部樹脂アングル24も着脱交換可能である。
まず本第一実施形態による引き違い窓1の断熱性能と防露性能について説明する。図1及び図2に示す引き違い窓1は例えば中層階や高層階等のビルディングに設置されているものとする。引き違い窓1の外障子8と内障子7の閉鎖状態において、内障子7側では、低温の外気が、上枠2の中間レール部15c及び中間樹脂枠17と内障子7の上框10との間の空間を流れて屋内側垂下片部15d側に流れる。そして、屋内側垂下片部15dに設けたシール部材36が内障子7の金属上框10aに当接することで気密シールできる。この気密ラインによって外気がシール部材36を超えて屋内側に流れることを阻止する。
また、屋内側垂下片部15dと内障子7の上框10との間に流入する冷気の一部が屋内側垂下片部15dを冷却して下方に向けて冷気の低温を伝達する。この場合でも、上部樹脂アングル16の先端には断熱層42が形成されているために、上部樹脂アングル16を通して低温の伝達や屋内側への冷気の流入が阻止され、或いは低減できる。
しかし、一部の冷気は内側樹脂枠18を乗り越えて屋内側垂下片部15dに接触することで、屋内側垂下片部15dの内外の面a1,a2に結露が生じることがある。この場合でも、屋内側垂下片部15dは上部樹脂アングル16の当接片39で覆われており、屋内側に露出しないので屋内の人が結露を目視できない。
更に凹部10bcを結露水が溢れたとしても、この結露水は落下することなく、樹脂上框10bの垂直面またはわずかに傾斜して降下する面から逆テーパ面10bdを経由して複層ガラス9の表面に流れ落ちる。そのため、結露水の一部が内障子7の屋内側で樹脂上框10bから複層ガラス9を通って下方に流れたとしても目立たない。
また、金属上枠15の屋外側垂下片部15bと外障子8の上框10との間に低温の外気が進入した場合でも、内障子7の場合と同様に断熱できる。
図1に示す状態から内障子7を上枠2方向に持ち上げると、内障子7の樹脂上框10bのテーパ部10bbが上部樹脂アングル16の断熱層42の軟質樹脂製のヒレ部40近傍に移動する。この状態で図4に示すように、内障子7の下框11が下枠3の内側レール21と屋内側壁面19aより高い位置に至るので、内障子7を上框10を中心に上側に回動させる。
このとき、図4及び図5において、上框10における樹脂上框10bのテーパ部10bbがヒレ部40に当接するが、ヒレ部40は軟質樹脂であるためテーパ部10bbに押されて弾性変形して逃げる。また、上部樹脂アングル16は上框10側の先端片16cと段付き部16aは階段状に上框10から離間する形状であるため、回動する内障子7の樹脂上框10bが接触することを防止できる。そして、下框11が下部樹脂アングル24の屋内側に回動した内障子7を斜め方向に傾斜した状態で下方に引くことで取り外すことができる。
或いは、この場合でも内障子7は内外しにしてもよい。
しかも、内障子7の内外しに際し、上枠2に取り付けた上部樹脂アングル16の先端部は階段状に形成され且つヒレ部40と共に断面コの字状の断熱層42を形成しているが、内障子7を上枠2内に持ち上げて屋内側に回動することでヒレ部40を弾性変形させて上部樹脂アングル16と干渉することなくスムーズに取り外すことができる。また、内障子7を持ち上げた状態で上部樹脂アングル16の階段状部分に対向する位置に樹脂上框10bのテーパ部10bbを形成したため、内障子7は一層スムーズに内外しの回転を行うことができる。
また、外障子8の内外しや外外しに際しても、中間樹脂枠17の先端部が先端片17aとテーパ部17bとでテーパ状に形成され且つヒレ部40Aと共に断面略コの字状の断熱層42Aを形成していても、外障子8を上枠2内に持ち上げて屋内側や屋外側に回動することで中間樹脂枠17と干渉することなくスムーズに内外外しを行える。しかも、内障子7や外障子8を持ち上げた際に、ヒレ部40,40Aは緩衝材となり損傷を防止できる。
本第二実施形態による引き違い窓1Aでは、第一実施形態による引き違い窓1と概略同一の構成を備えている。相違点として、上部樹脂アングル16の先端部は略階段状に形成されているが、ヒレ部40を設けてない。また、中間樹脂枠17の先端部は略テーパ状に形成されているが、ヒレ部40Aは設けていない。
本実施形態では断熱層42、42Aにヒレ部40,40Aを設けない点で断熱性の点で第一実施形態より劣るが、内障子7や外障子8の内外しや外外し等を上部樹脂アングル16や中間樹脂枠17と干渉することなく行える。
また、上部樹脂アングル16の先端部の略階段状の構成は一段に限らず複数段の階段状でもよい。中間樹脂枠17の先端部についても同様の構成を採用できる。
また、断熱層42,42Aにおける軟質樹脂のヒレ部40、40Aは樹脂片部を形成する。
また、上部樹脂アングル16や中間樹脂枠17は樹脂部材に限定されることなく金属部材でもよく、その場合、例えば屋内側垂下片部15dや中間レール部15cと一体形成してもよい。これらの樹脂部材や金属部材は逃げ部材を構成する。
しかも、内外しのために内障子7を上枠2の方向に持ち上げた際に、上枠2の逃げ部材の屋内側に後退する部分に対向する上框10の部分をテーパ部10bbに限定することなく階段形状や凹曲面等でもよく、上枠2の逃げ部材に対して下方に向けて逃げるよう変位させて形成してもよい。
また、上述した各実施形態では気密材を形成するシール部材36、36Aを屋内側垂下片部15dや中間レール部15cの受け部35に設けて内外障子7,8の上框10に当接させるようにしたが、これとは逆に上框10にシール部材36、36Aを取り付けて屋内側垂下片部15dや中間レール部15cに当接させてシールするようにしてもよい。
なお、本発明において、上部樹脂アングル16と中間樹脂枠17は樹脂部材を構成する。また、本発明は引き違い窓1に限定されることなく、片引き障子等の各種の複合建具や金属製や樹脂製等の建具に適用できる。
2 上枠
7 内障子
8 外障子
10 上框
11 下框
10a 金属上框
10b 樹脂上框
15 金属上枠
15b 屋外側垂下片部
15c 中間レール部
15d 屋内側垂下片部
16 上部樹脂アングル
16a 段付き部
16c、17a 先端片
17 中間樹脂枠
17b テーパ部
36,36A、44,44A シール部材
40,40A ヒレ部
42、42A 断熱層
Claims (2)
- 枠体内に障子を納めていて、前記障子の上框の少なくとも一部が上枠に重なるように配置した建具であって、
前記上枠の金属上枠の屋内側に形成した垂下片部と、
前記垂下片部の下端部から下方に向けて屋内側に後退するように形成された逃げ部材とを備え、
前記逃げ部材は、前記垂下片部の下端部を囲う先端片に略対向する位置に軟質樹脂の樹脂片部を設け、該樹脂片部を上框の方向に突出させていることを特徴とする建具。 - 前記障子を前記上枠の方向に持ち上げた際に、前記逃げ部材の屋内側に後退する部分に対向する前記上框の部分を前記逃げ部材に対して逃げるようにテーパ部および凹部を形成した請求項1に記載された建具。
Priority Applications (1)
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JP2016001162A JP6666150B2 (ja) | 2016-01-06 | 2016-01-06 | 建具 |
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- 2016-01-06 JP JP2016001162A patent/JP6666150B2/ja active Active
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