以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、同一要素には同一符号を用い、重複する説明は省略する。
第1の実施形態
(薄膜インダクタの構造)
まず、主に図1~図9を参照して本発明の第1の実施の形態に係る薄膜インダクタ100の構造について説明する。
ここで、図1は、本発明の第1の実施の形態に係る薄膜インダクタ100の全体を示す斜視図、図2は薄膜インダクタ100の背面図、図3は薄膜インダクタ100の平面図である。図4は薄膜インダクタ100に含まれるコイル部品10の斜視図、図5はコイルパターン21,22の要部を示す斜視図、図6は図3の6-6線断面図である。図7は薄膜インダクタ100の正面図、図8は薄膜インダクタ100の左側面図、図9はコイル部品10の正面図である。なお、図示の都合上、図2、3、6では、コイル部品10が実線で示されている。
薄膜インダクタ100は、絶縁ブロック1と、電極パッド2,3とを有している。薄膜インダクタ100は、例えば、高周波対応のインダクタとして用いられる(薄膜インダクタ100が他の用途で用いられてもよい)。
絶縁ブロック1は、概ね直方体状に形成されている部材であり、後述するコイルブロック11を外側から包囲している。絶縁ブロック1の対向している一対の側面(後述するパッド側面1b、1c)に、電極パッド2,3が形成されている。電極パッド2,3が絶縁ブロック1の外側に露出し、それぞれパッド側面1b、1cよりも外側に張り出している。また、図3に示すように、電極パッド2,3がそれぞれパッド側面1b、1cの内側でコイルブロック11に接続されている。
絶縁ブロック1は、載置面1aと、対向するパッド側面1b、1cと、載置面1dと、絶縁側面1eと、絶縁側面1fとを有している。載置面1a、パッド側面1b、1c、載置面1d、絶縁側面1eおよび絶縁側面1fはいずれも矩形状に形成されている。載置面1a、絶縁側面1eのそれぞれにおいて、後述する絶縁部70がほぼ全面に露出している。パッド側面1b、1cには、それぞれ電極パッド2,3が形成されていて、電極パッド2,3以外の一部分(絶縁側面1e側の一部分)に絶縁部70が露出している。また、絶縁側面1fには、後述する無機絶縁膜6(ほかの絶縁層と共通する絶縁材料が用いられてもよい)が形成されている。載置面1dには、後述する側面フィルム4f、5fが形成されている。
絶縁ブロック1は、コイルブロック11と絶縁部70とを有している。絶縁ブロック1のコイルブロック11以外の部分が絶縁部70に相当している。絶縁部70は、後述するコイル部品10が一連の螺旋状コイルとして機能するように形成されている。すなわち、絶縁部70がコイル部品10の各部分(後述するコイルパターン21~26、電極パネル12,13)の間に配置され、その絶縁部70によって、コイル部品10の各部分が絶縁されている。
絶縁部70は、図1、図3、図10に示すように、2つの絶縁層71,72が交互に重なった構造を有している。本実施の形態では、それぞれ3つの絶縁層71,72が交互に重なっている。絶縁層71,72は、例えば磁性を有する樹脂等の絶縁部材(例えば、エポキシ樹脂またはフィラー入りのエポキシ樹脂)からなり、それぞれの透磁率が相違している。絶縁部70には2種類の絶縁部材が用いられている。また、磁性を有しない樹脂等の絶縁部材(例えば、シリカ入りのエポキシ樹脂またはポリイミドなどの非磁性材料)が用いられることもできる。
(電極パッド)
電極パッド2,3は、コイルブロック11の後述する積重方向D11に沿った両側に配置されている。コイルブロック11の積重方向D11に沿った一方の側(パッド側面1b側)に電極パッド2が配置され、他方の側(パッド側面1c側)に電極パッド3が配置されている。
電極パッド2,3は、絶縁ブロック1の側面高(パッド側面1b、1cの積重方向D11に沿った方向の高さ)に応じたパッド高H2と、パッド幅W2とを有する矩形板状の部材である。電極パッド2,3の矩形状の外側表面がパッド面2s、3sであり、パッド面2s、3sがそれぞれ絶縁ブロック1のパッド側面1b、1cに沿って形成されている。
パッド面2s、3sは、パッド側面1b、1cよりも外側に張り出している。また、パッド面2s、3sのそれぞれに、溝状のパッド凹部2a,2b,2c,2dと、パッド凹部3a,3b,3c,3dとが形成されている。パッド凹部2a~2dと、パッド凹部3a~3dとは、コイルブロック11の後述するコイルパターン21~26が重なっている方向(後述する積重方向D11)に沿って形成されている。
パッド凹部2a~2dと、パッド凹部3a~3dは、パッド高H2に応じた長さ(本実施の形態では、パッド高H2に等しい長さ)を有している。また、パッド凹部2a~2dと、パッド凹部3a~3dは、長さ方向に沿った両端部が開放された開放構造を有している。
さらに、パッド凹部2a~2dと、パッド凹部3a~3dは、いずれもが傾斜底部を有している。図12は、薄膜インダクタ100の電極パッド2の要部を示す平面図である。パッド凹部2aに関しては、図12に示すように、絶縁側面1e側の奥行、絶縁側面1f側の奥行がそれぞれe1,e2であり、奥行e1よりも奥行e2が大きい。それゆえ、底部2abは傾斜している傾斜底部である。底部2abは、絶縁側面1e側の端部から絶縁側面1f側の端部に近づくにしたがい絶縁ブロック1に近づくように傾斜している。
パッド凹部2aは、傾斜底部2abを有しており、その他のパッド凹部2b~2d、パッド凹部3a~3dも、パッド凹部2aと同様、傾斜底部を有している。
そして、電極パッド2,3は、図2に示すように、それぞれコイルブロック11の後述するスタートパターン21、エンドパターン26に接続されている。電極パッド2が本発明の実施の形態にかかるスタートパッドに相当し、電極パッド3が本実施の形態にかかるエンドパッドに相当している。
電極パッド2,3は、それぞれ後述する電極パネル12、13と、パッドフィルム4,5とを有している。電極パネル12、13がそれぞれパネル面12s,13sを有し、パッドフィルム4,5がそれぞれのパネル面12s,13sを被覆している。
図4に示すように、パネル面12s,13sに、それぞれ溝状のパネル凹部12a,12b,12c,12d、パネル凹部13a,13b,13c,13dが形成されている。パネル凹部12a~12dと、パネル凹部13a~13dとがパッド凹部2a~2dと、パッド凹部3a~3dと同様に傾斜底部を有している。パネル凹部12a~12dと、パネル凹部13a~13dでは、それぞれの絶縁側面1e側の奥行よりも絶縁側面1f側の奥行が大きい。
そのパネル面12s,13sに、パッドフィルム4,5が形成されている。そのため、図12に示すように、パッドフィルム4,5の一部がパネル凹部12a~12d、パネル凹部13a~13dに入り込んでいる(図12では、パネル面12sと、パッドフィルム4が示されている)。それによって、フィルム凹部4a,4b,4c,4dと、フィルム凹部5a,5b,5c,5dとが形成されている。フィルム凹部4a~4dと、フィルム凹部5a~5dは、それぞれパネル凹部12a~12d、パネル凹部13a~13dに応じた溝状の凹部である。フィルム凹部4a~4dと、フィルム凹部5a~5dは、それぞれ前述したパッド凹部2a~2d、パッド凹部3a~3dに相当している。
パッドフィルム4,5は、良好な導電性とはんだ接続性とを備えた金(Au)、Ni等の金属からなる薄膜である。パッドフィルム4,5は、それぞれパネル面12s,13sだけでなく、絶縁ブロック1の絶縁側面1fにも形成されている。図3にも示すように、パッドフィルム4,5は、それぞれ絶縁側面1fのパッド側面1b、1c側部分に形成されている。パッドフィルム4,5の絶縁側面1fに形成されている部分は、それぞれ側面フィルム4f、5fに相当している。また、絶縁側面1fのパッド側面1b、1cから離れた中央部分に、SiO2等からなる無機絶縁膜6が形成されている。
(コイル部品)
薄膜インダクタ100には、コイル部品10が用いられている。ここで、コイル部品10とは、薄膜インダクタ100に用いられている螺旋状コイルを備えた部品であって、図4に示すように、コイルブロック11と、電極パネル12,13と、パネルコネクタ14,パネルコネクタ17とを有している。
コイル部品10は、銅(Cu)等の良好な導電性を備えた金属を用いて形成されている。図3に示すように、コイル部品10のうちの絶縁ブロック1によって包囲されている部分が概ねコイルブロック11と、パネルコネクタ14,パネルコネクタ17である。電極パネル12,13の一部が絶縁ブロック1の外側に配置されている。絶縁ブロック1の内側にも、電極パネル12,13の一部が配置されている。なお、図4では、図示の都合上、絶縁ブロック1が省略されている。
コイルブロック11は、6つのコイルパターン21~26を有している。コイルブロック11では、コイルパターン21からコイルパターン26まで各コイルパターンが、積重方向D11に沿って順に重なっている。コイルパターン21、コイルパターン22,コイルパターン23,コイルパターン24,コイルパターン25,コイルパターン26が順に重なっている方向(コイルパターン21からコイルパターン26に向かう方向)が積重方向D11に相当する。コイルパターン21からコイルパターン22,コイルパターン23,コイルパターン24,コイルパターン25,コイルパターン26までが順に接続されている。6ターン構造(絶縁部70の周囲に6回周回する構造)の一連の螺旋状コイルがコイルパターン21からコイルパターン26までによって形成されている。
そして、図5に示すように、電流がRで示される方向に沿ってコイルブロック11を流れたときに右ねじが進む方向(右ねじ方向RD)が積重方向D11に相当している。
コイルブロック11において、6つのコイルパターン21~26のうち、コイルパターン21がスタートパターンであり、コイルパターン26がエンドパターンである。スタートパターンとは、螺旋状コイルのスタート部分(本実施の形態では、始端部ともいう)に割り当てられるコイルパターンである。エンドパターンとは、螺旋状コイルのエンド部分(本実施の形態では、終端部ともいう)に割り当てられるコイルパターンである。そして、電極パネル12がパネルコネクタ14を介してコイルパターン21に接続され、電極パネル13がパネルコネクタ17を介してコイルパターン26に接続されている(図4、6参照)。なお、コイルパターンは、螺旋状コイルのうちの概ね一巻きに相当する部分である。
図7に示すように、コイル部品10では、6つのコイルパターン21~26のすべてが絶縁側面1fに配置されている。コイルパターン21~26の後述する第1の棒状部21A~26A、第2の棒状部21B~26Bが絶縁側面1fに配置されている。パネルコネクタ14、パネルコネクタ17も、絶縁側面1fに配置されている。
また、コイルパターン(スタートパターン)21だけが載置面1aに配置され、コイルパターン(エンドパターン)26だけが載置面1dに配置されている。スタートパターン、エンドパターンのいずれか一方だけが載置面1a、1dに配置されている。
そして、コイル部品10では、薄膜インダクタ100がプリント配線基板(例えば、後述するプリント配線基板91)に実装されているときは、図4に示すように、6つのコイルパターン21~26すべてのコイル面CSが載置面1a、1dに沿って配置される。コイル面CSとは、各コイルパターン21~26によって張られる平面であって、図4のハッチングが示されている部分に相当している。
コイルパターン21は、図5に示すように、第1の棒状部21Aと、第2の棒状部21Bと、棒状接続部21Dと、パターンコネクタ21Eとを有している。コイルパターン21は、第1の棒状部21A、棒状接続部21D、第2の棒状部21Bおよびパターンコネクタ21Eが一つにつながった概ね矩形環状に形成されている。また、コイルパターン21の第1の棒状部21Aがパネルコネクタ14を介してスタートパネル(電極パネル)12に接続されている。
第1の棒状部21Aは、スタートパネル(電極パネル)12に沿った真っすぐな棒状に形成されている。第2の棒状部21Bは、エンドパネル(電極パネル)13に沿った真っすぐな棒状に形成されている。棒状接続部21Dは、第1の棒状部21Aと、第2の棒状部21Bとを接続する真っすぐな棒状に形成されている。パターンコネクタ21Eは、コイルパターン21からその後続のコイルパターン22までの間の部分であって、リターン部21Eaと、シフト部21Ebとを有し、その境界部分が屈曲している。リターン部21Eaは、第2の棒状部21Bから第1の棒状部21Aに向かう棒状部分であり、シフト部21Ebは、リターン部21Eaから積重方向D11(右ねじ方向RD)に沿ってコイルパターン22に向かい、コイルパターン22に接続される部分である。
また、図11に示すように、第1の棒状部21Aと、第2の棒状部21Bの側面に、それぞれコイル凹部21a,21b,21c,21dと、コイル凹部21e,21f,21g,21hが形成されている。コイル凹部21a~21dと、コイル凹部21e~21hとは、パネル凹部12a~12dと、パネル凹部13a~13dと同様の溝状に形成されている。すなわち、図11に示すように、コイル凹部21aは、絶縁側面1e側の溝端面a1と、絶縁側面1f側の溝端面a2と、傾斜底部a3とを有し、溝端面a1の奥行d1よりも、溝端面a2の奥行d2の方が大きい(d1<d2)。傾斜底部a3は、溝端面a1側の端部から溝端面a2の端部に向かって傾斜している。コイル凹部21a~21dと、コイル凹部21e~21hとは、それぞれパネル凹部12a~12dと、パネル凹部13a~13dと同様に傾斜底部を有している。
コイルパターン22~25も、コイルパターン21と同様に、それぞれ、第1の棒状部22A~25A、第2の棒状部22B~25B、棒状接続部22D~25Dおよびパターンコネクタ22E~25Eとを有している。コイルパターン22~25も、コイルパターン21と同様の概ね矩形環状に形成されている。
コイルパターン26は、第1の棒状部26Aと、第2の棒状部26Bおよび棒状接続部26Dを有する概ね矩形環状に形成されている。また、図6、図9に示すように、コイルパターン26の第2の棒状部26Bがパネルコネクタ17を介してエンドパネル(電極パネル)13に接続されている。
電極パネル12、13は、矩形板状の部材であって、それぞれ矩形状のパネル面12s,13sを有している。パネル面12s,13sには、前述したとおり、溝状のパネル凹部12a~12d、パネル凹部13a~13dが形成されている。
そして、電極パネル(スタートパネル)12、電極パネル(エンドパネル)13が、コイルパターン21~26からなる一連の螺旋状コイルの両端部にそれぞれ接続されて、コイル部品10が構成されている。
そのため、コイル部品10において、電流Iがスタートパネル12から流れると、図5に矢印で示したように、電流Iがパネルコネクタ14を介してコイルパターン21に流れ込む。その後、電流Iがコイルパターン21の第1の棒状部21A、棒状接続部21D、第2の棒状部21Bを通ってパターンコネクタ21Eに達し、そのシフト部21Ebからコイルパターン22に流れ込む。その後、電流Iが各コイルパターン22~26までを順次流れる。その後、電流Iがパネルコネクタ17を介してエンドパネル13に到達する。
一方、以上の薄膜インダクタ100がプリント配線基板91上に実装されるときは、図13に示すように、載置面1aまたは載置面1dがプリント配線基板91上に載置される。載置面1aまたは載置面1dは、実装時にプリント配線基板91に接するため、薄膜インダクタ100では、載置面1aまたは載置面1dが実装面となっている。図13は、プリント配線基板91に実装されている薄膜インダクタ100を示す正面図である。図13では、載置面1dが実装面となっている。そして、電極パッド2,3と、プリント配線基板91上の図示しない電極パッドとが、はんだ92、93によって接続される。パッド凹部2a~2dと、パッド凹部3a~3dが電極パッド2,3に形成されている。そのため、溶融状態のはんだ92、93が図14に示すように、パッド凹部2a~2d、パッド凹部3a~3dの中に流れ込み、その後、はんだ92、93が固化することによって、薄膜インダクタ100がプリント配線基板91上に実装される(図14では、パッド凹部2aが示され、他のパッド凹部は省略されている)。
(薄膜インダクタの製造方法)
続いて、以上の構成を有する薄膜インダクタ100の製造方法について、図20~図44を参照して説明する。ここで、図20は、薄膜インダクタ100の製造に用いられるインダクタパネル150を示す斜視図、図21~図39は、薄膜インダクタ100の製造工程を示す図20の21-21線断面図である。図40は、コネクタ層形成工程が実行されたときの隣接するインダクタ領域151を示す平面図、図41はパターンコネクタ層が形成されたときの隣接するインダクタ領域151を示す平面図である。図42はインダクタ部品99を示す斜視図、図43はインダクタ部品99に含まれるコイル部品10Tを示す斜視図である。また、図44(a)はパッド導体層164が形成された状態、(b)はパッド導体層164,169が積層された状態の要部を示す図21に対応した断面図である。
薄膜インダクタ100が製造されるときは、まず、インダクタ部品99がインダクタ部品製造工程によって製造される。その後、横転工程が実行されることによって、そのインダクタ部品99が横転すると、薄膜インダクタ100が製造される。
インダクタ部品99は、図42に示すように、絶縁ブロック1Tと、電極パッド2T,3Tとを有している。絶縁ブロック1Tは、絶縁ブロック1と比較して、コイルブロック11Tを有している点と、絶縁部70の向き(絶縁層71,72の積層方向)が相違している点で相違しているが、そのほかは一致している。
コイルブロック11Tは、図43に示すように、コイルブロック11と比較して、コイルパターン21~26が配列方向D110に沿って並べられている点で相違している。
インダクタ部品99では、コイルパターン21~26が実装面に配置され、しかもコイルパターン21~26がその実装面から起立するように、コイルブロック11Tが形成されている。電極パネル12T,13Tがそのコイルブロック11Tに接続されてコイル部品10Tが形成されている。電極パネル12T,13Tは、配列方向D110に沿って溝状の凹部が形成されている。電極パッド2T,3Tにも、配列方向D110に沿って溝状の凹部が形成されている。
そして、インダクタ部品製造工程では、まず、図20に示すようなインダクタパネル150を用いて、まず、薄膜形成プロセスを駆使してインダクタ部品99が製造される。インダクタパネル150は、フェライト、ガラスなどからなる板材である。インダクタパネル150は、薄膜インダクタ100が製造されるときのベース基板である。
図20に示すように、そのインダクタパネル150の表面150aに、矩形状のインダクタ領域151が複数形成されている。インダクタ領域151は、そのそれぞれにおいて、薄膜インダクタ100が製造される部分であり、直線状のスクライブライン149に沿って、複数設けられている。図20の21-21線で切断した断面が図21~図39に示されている。
続いて、インダクタ部品製造工程の各工程が、図21~図39に示すようにして実行される。この場合、まず、図21に示すように、インダクタパネル150の表面150aに、剥離層152aが、チタン(Ti)や銅(Cu)などを用いてスパッタリングによって形成される。続いて、表面150aに対する酸化処理が行われて、SiO2等からなる無機絶縁膜152bが剥離層152a上に形成される。この場合、無機絶縁膜152bには、段差部6xが形成される。前述した無機絶縁膜6が、後にその段差部6xによって形成される。
続いて、コネクタ層形成工程と、コネクタ絶縁層形成工程とが順に実行される。その後、第1の導体層形成工程、第1の層間絶縁層形成工程、第2の導体層形成工程、第2の層間絶縁層形成工程のように、第1、第2、第3、第4の導体層形成工程と、第1、第2、第3、第4の層間絶縁層形成工程とが順に実行される。
そして、コネクタ層形成工程では、第1のコネクタ層153および第2のコネクタ層156が無機絶縁膜152b上に形成される。第1のコネクタ層153および第2のコネクタ層156は、銅などを用いためっき処理によって形成される。
ここで、図40には、コネクタ層形成工程が実行されたときの隣接するインダクタ領域151を示す平面図が示されている。各インダクタ領域151には、第1のコネクタ層153と、第2のコネクタ層156とが形成されている。
第1のコネクタ層153には、スタートパターン21と、エンドパターン26とがそれぞれ電極パネル12、電極パネル13に接続されるための部分(パネルコネクタ14,17に相当する部分)と、電極パネル12,13の一部と、コイルパターン21の一部(第1の棒状部21Aに相当する部分)と、コイルパターン26の一部(第2の棒状部26Bに相当する部分)とが含まれている。また、第1のコネクタ層153には、延設エリア153fも含まれている。導体層が第1、第2、第3、第4の導体層形成工程において延設エリア153fに形成されることによって、側面パッド(図示せず)が形成される。その側面パッドの表面に側面フィルム4f、5fが形成される。
第2のコネクタ層156には、前述した各コイルパターン21~25と、それぞれの後続のコイルパターン22~26とを接続する部分、すなわち、パターンコネクタ21E~25Eに相当する部分と、コイルパターン21~26の第1の棒状部22A~26A、第2の棒状部21B~25Bに相当する部分とが含まれている。
続いて、コネクタ絶縁層形成工程が実行される。このコネクタ絶縁層形成工程では、図22に示すように、絶縁層71の形成に用いられる樹脂性の絶縁部材が塗布され、その後、露光、現像等が行われてコネクタ絶縁層155が形成される。この場合、コネクタ絶縁層155は、次のパッドエリア153aと、パターンエリア153b、156aと、延設エリア153fとが露出し、それ以外の部分が絶縁されるように形成される。コネクタ絶縁層形成工程では、絶縁部70を構成している2種類の絶縁部材のうちの一方の絶縁部材(第1の絶縁部材)が用いられる。
図40に示すように、パッドエリア153a、パターンエリア153bは、それぞれ第1のコネクタ層153の一部である。パターンエリア156aは、第2のコネクタ層156の一部である。パッドエリア153aは電極パッド2,3の形成に用いられる部分、パターンエリア153b、156aはコイルパターン21~26の形成に用いられる部分である。
続いて、第1の導体層形成工程が実行される。第1の導体層形成工程では、図23に示すように、第1、第2のパターン導体層157,158がパターンエリア153b、156aに形成され、パッド導体層159,160がパッドエリア153aに形成される。第1、第2のパターン導体層157,158は、コイルパターン21~26の配列方向と交差する方向に離れて配置される。コイルパターン21~26(第1の棒状部21A~26Aと、第2の棒状部21B~26B)が第1、第2のパターン導体層157,158(および後に積層されるパターン導体層)によって形成される。また、電極パッド12,13がパッド導体層159,160(および後に積層されるパッド導体層)によって形成される。
次に、第1の層間絶縁層形成工程が実行される。この第1の層間絶縁層形成工程では、図24に示すように、絶縁層72の形成に用いられる樹脂製の絶縁部材が塗布され、その後、露光、現像等が行われて層間絶縁層161が形成される。この場合、層間絶縁層161は、次の開口部を備えるように形成される。この場合の開口部は、形成済みの第1、第2のパターン導体層157,158と、パッド導体層159,160の表面の一部がパターンエリア153b、156aと、パッドエリア153aに露出するように形成される。この層間絶縁層形成工程では、絶縁部70を構成している2種類の絶縁部材のうちの他方の絶縁部材(第2の絶縁部材)が用いられる。
続いて、第2の導体層形成工程が実行される。第2の導体層形成工程では、図25に示すように、第1、第2のパターン導体層162,163がパターンエリア153b、156aに形成され、パッド導体層164,165がパッドエリア153aに形成される。第1、第2のパターン導体層162,163は、コイルパターン21~26の配列方向と交差する方向に離れて配置されている。第1、第2のパターン導体層162,163は、それぞれ第1、第2のパターン導体層157,158に積層される。パッド導体層164,165は、それぞれパッド導体層159,160に積層される。
次に、第2の層間絶縁層形成工程が実行される。この第2の層間絶縁層形成工程では、図26に示すように、絶縁層71の形成に用いられる樹脂性の絶縁部材が塗布され、露光、現像等が行われて層間絶縁層166が形成される。この場合、層間絶縁層166は、層間絶縁層161と同様の開口部を備えるように形成される。この場合の開口部は、形成済みの第1、第2のパターン導体層162,163と、パッド導体層164,165の表面の一部がパターンエリア153b、156aと、パッドエリア153aに露出するように形成される。この第2の層間絶縁層形成工程では、2種類の絶縁部材のうちの第1の絶縁部材が用いられる。
その後、第3の導体層形成工程が実行される。第3の導体層形成工程では、図27に示すように、第1、第2のパターン導体層167,168がパターンエリア153b、156aに形成され、パッド導体層169,170がパッドエリア153aに形成される。第1、第2のパターン導体層167,168は、コイルパターン21~26の配列方向と交差する方向に離れて配置されている。第1、第2のパターン導体層167,168は、それぞれ第1、第2のパターン導体層162,163に積層される。パッド導体層169,170は、それぞれパッド導体層164,165に積層される。
ところで、第2の導体層形成工程が実行されたときは、図44(a)に示すように、パッド導体層164が形成されている。その後、第2の層間絶縁層形成工程が実行されることによって、前述の層間絶縁層166が形成される。その後、第3の導体層形成工程が実行されている。すなわち、本発明の実施形態では、層間絶縁層形成工程(第2の層間絶縁層形成工程)が実行された後に再び導体層形成工程(第3の導体層形成工程)が実行されており、それによって、図44(b)に示すように、パッド導体層169がパッド導体層164に積層されている。
この場合、図44(b)に示すように、パッド導体層164、169の厚さがそれぞれh1、h2であるとする(h1=h2でもよい)と、積層されているパッド導体層の厚さはh3(h1、h2の高さの和)になる。
仮に、第2の導体層形成工程において、形成されるめっき膜の厚さがh3に設定されると、第2の導体層形成工程が実行されたときに、厚さがh3のパッド導体層164が形成される。そのため、その後の層間絶縁層形成工程と、導体層形成工程とが不要になる。
しかし、この場合、厚さがh3のパッド導体層164は、側面が溝状の凹部の無い平坦な形状で形成される。
絶縁膜に穴部が形成されるときは、図44(a)に示した穴部166aのように、底部の大きさが入り口よりも小さい穴部が形成される。この点に着目し、本実施の形態では、導体層形成工程、層間絶縁層形成工程、導体層形成工程が順に実行され、各導体層形成工程で形成されるめっき膜の厚さが適正な大きさに調整されている。このようにすることによって、図44(b)に示すように、層間絶縁層を介して積層されているパッド導体層164、169が形成される。このパッド導体層164、169の境界部分には溝状の凹部(12b)が形成される。
そして、第3の層間絶縁層形成工程が実行される。この第3の絶縁層形成工程では、図28に示すように、絶縁層72の形成に用いられる樹脂性の絶縁部材が塗布され、露光、現像等が行われて層間絶縁層171が形成される。この場合、層間絶縁層171は、層間絶縁層161と同様の開口部を備えるように形成される。この場合の開口部は、形成済みの第1、第2のパターン導体層167,168と、パッド導体層169,170の表面の一部がパターンエリア153b、156aと、パッドエリア153aに露出するように形成される。この第3の層間絶縁層形成工程では、2種類の絶縁部材のうちの第2の絶縁部材が用いられる。
さらに続いて、第4の導体層形成工程が実行される。第4の導体層形成工程では、図29に示すように、第1、第2のパターン導体層172,173がパターンエリア153b、156aに形成され、パッド導体層174,175がパッドエリア153aに形成される。第1、第2のパターン導体層172,173は、コイルパターン21~26の配列方向と交差する方向に離れて配置されている。第1、第2のパターン導体層172,173は、第1、第2のパターン導体層167,168に積層される。パッド導体層174,175は、パッド導体層169,170に積層される。
その後、第4の層間絶縁層形成工程が実行される。この第4の層間絶縁層形成工程では、図30に示すように、絶縁層71の形成に用いられる樹脂性の絶縁部材が塗布され、露光、現像等が行われて層間絶縁層176が形成される。この場合、層間絶縁層176は、層間絶縁層161と同様の開口部を備えるように形成される。この場合の開口部は、形成済みの第1、第2のパターン導体層172,173の表面の一部がパターンエリア153b、156aに露出するように形成される。この第4の層間絶縁層形成工程では、2種類の絶縁部材のうちの第1の絶縁部材が用いられる。
次に、パターンコネクタ層形成工程が実行される。パターンコネクタ層形成工程では、図31に示すように、パターンコネクタ層177が形成される。パターンコネクタ層177は、第1、第2のパターン導体層172,173を接続する導体層であり、めっきによって形成される。パターンコネクタ層177が形成され、それによって、第1、第2のパターン導体層172,173が接続される。すると、矩形環状のコイルパターン21~26が形成される。図41には、パターンコネクタ層177が形成されたときの隣接するインダクタ領域151を示す平面図が示されている。
その後、表層絶縁層形成工程が実行される。この表層絶縁層形成工程では、図32に示すように、絶縁層72の形成に用いられる樹脂性の絶縁部材が塗布され、露光、現像等が行われて表層絶縁層180が形成される。この場合、表層絶縁層180は、パターンコネクタ層177の表面を覆うように形成される。
続いて、メタル層形成工程が実行される。メタル層形成工程では、図33に示すように、表層絶縁層180の表面にメタル層181が形成される。メタル層181は、例えば、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)などが用いられて蒸着、スパッタリングなどによって形成される。
その後、メタルパターン形成工程が実行される。メタルパターン形成工程では、図34に示すように、メタル層181の不要な部分がリフトオフ等の実行により除去されて、メタルパターン181Aが形成される。
メタルパターン181Aは、各インダクタ領域151を個別に覆うように形成される。また、各メタルパターン181Aは、各インダクタ領域151において、パッド導体層174,175の外側側面から内側の領域を覆い、パッド導体層174,175の外側側面よりも外側の領域(インダクタ領域151の境界部分が含まれる)が露出するように形成される。
次に、絶縁層除去工程が実行される。絶縁層除去工程では、図35に示すように、各メタルパターン181Aがマスクに用いられて、反応性イオンエッチング(Reactive Ion Etching; RIE)、O2アッシングなどにより、表層絶縁層180、層間絶縁層176、171、166、161およびコネクタ絶縁層155が除去される。絶縁層除去工程は、積層されているパッド導体層159,164、169、174の表面、パッド導体層160、165、170、175の表面が露出するように実行される。
こうして、電極パッド2(電極パネル12)が、パッド導体層159,164、169、174によって形成される。また、電極パッド3(電極パネル13)が、パッド導体層160、165、170、175によって形成される。
さらに続いて、図36に示すように、インダクタパネル150が剥離層152aとともに剥離される。その後、インダクタパネル150が剥離された側の表面が研磨されて、無機絶縁膜152bの不要な部分が除去される。すると、図37に示すように、無機絶縁膜6が、残された無機絶縁膜152bによって形成される。
次に、図38に示すように、メタルパターン181Aが除去される。その後、電極パッド形成工程が実行される。この工程では、金(Au)、Ni等を用いためっき処理が行われて、図39に示すように、パッドフィルム4がパッド導体層159,164、169、174(すなわち、電極パネル12)の表面に形成される。また、パッドフィルム5がパッド導体層160、165、170、175(すなわち、電極パネル13)の表面に形成される。こうして、電極パッド2,3が形成される。その後、インダクタ領域151が個別化される。個別化されたインダクタ領域151からインダクタ部品99が形成される。
続いて、横転工程が実行される。この横転工程が実行されると、インダクタ部品99が横転される。この場合、スタートパターン21またはエンドパターン26が配置される絶縁ブロック1Tの側面が、プリント配線基板91に接する実装面となるように、インダクタ部品99が横転される。図42に示すインダクタ部品99が横転方向Tに向かって横転されると、前述した載置面1dがプリント配線基板91に接する実装面になって薄膜インダクタ100が製造される。
(薄膜インダクタの作用効果)
以上のように、本実施の形態に係る薄膜インダクタ100は、絶縁ブロック1と、電極パッド2,3とを有し、電極パッド2,3のパッド面2s、パッド面3sに、それぞれ溝状のパッド凹部2a~2dと、パッド凹部3a~3dとが形成されている。薄膜インダクタ100では、パッド凹部2a~2dと、パッド凹部3a~3dとがそれぞれ電極パッド2,3に形成されていることによって、パッド凹部が形成されていない平坦な場合に比べて、パッド面2s、パッド面3sの表面積が拡大されている。すると、パッド面2s、パッド面3sと、はんだ92,93とが接触する部分の大きさが、パッド凹部が形成されていない平坦な場合よりも拡大される。
一般に、はんだと、そのはんだが接触する母材との間に合金層が形成されることによって、はんだ接合部が形成されるから、パッド面2s、3sと、はんだ92,93との接触部分の拡大によって、合金層の大きさが大きくなる。そのため、薄膜インダクタ100では、はんだ接合部の接合強度が高められる。よって、薄膜インダクタ100では、電極パッド2,3の大きさが拡大されることなく、はんだ接合部の接合強度が高められている。
また、パッド凹部2a~2dと、パッド凹部3a~3dとが、パッド高H2に応じた長さを有するから、はんだ接合部の接合強度が電極パッド2,3の高さ方向全体にわたって高められている。
そのうえ、パッド凹部2a~2dと、パッド凹部3a~3dとが、溝状に形成されているから、溶融状態のはんだ92,93がパッド凹部2a~2d、パッド凹部3a~3dの中に確実に入り込む。したがって、薄膜インダクタ100では、はんだ接合部の接合強度が確実に高められている。
一方、はんだ接合が行われたときに、パッド凹部2a~2dとパッド凹部3a~3dの内側に、はんだのない部分(ボイド)が発生するおそれがある。しかし、薄膜インダクタ100では、パッド凹部2a~2d、パッド凹部3a~3dがパッド高H2と同じ長さを有し、その両端部が開放されている。そのため、十分な量のはんだが塗布されれば、パッド凹部2a~2dとパッド凹部3a~3dの両端の開放部分からはんだが外に流れ出し得るから、これによってボイドの発生が確実に防止される。
さらに、パッド凹部2a~2dも、パッド凹部3a~3dも傾斜底部を有する。したがって、パッド凹部2a~2dも、パッド凹部3a~3dも、絶縁側面1f側の奥行が絶縁側面1e側の奥行よりも大きい。絶縁側面1f側の奥行が拡大されていることで、はんだ92,93とパッド凹部2a~2d、パッド凹部3a~3dとの接触面積も拡大される。したがって、はんだ接合部の接合強度がより確実に高められる。
一方、溶融状態のはんだ92,93が凝固するときに収縮し、はんだ92,93の体積が小さくなる。そのため、図14に示すように、はんだ92,93が凝固したあと、はんだ92,93のパッド凹部2a~2d、パッド凹部3a~3dに入り込んだ部分(入込部92A、はんだ93は図14に図示せず)からパッド凹部2a~2d、パッド凹部3a~3dに対して、絶縁側面1fに向かう圧力が作用する。すると、図15(a)、(b)に示すように、パッド面2s、3sに向かう圧力p1とともに、絶縁側面1fに向かう横向き圧力p2が発生する。パッド凹部2a~2d、パッド凹部3a~3dでは、絶縁側面1f側の奥行が天表面側1a側の奥行よりも拡大されているため、横向き圧力p2は、傾斜底部を有していない場合の横向き圧力p3に比べて拡大される。したがって、その結果、薄膜インダクタ100のはんだ92,93によるはんだ接合部の接合強度がよりいっそう高められる。
そして、電極パッド2,3が絶縁ブロック1よりも外側に張り出しているから、その張り出した部分によって、電極パッド2,3と、はんだとの接触部分が拡大される。したがって、はんだ接合部の接合強度がよりいっそう高められる。
また、薄膜インダクタ100は、絶縁部70を有し、その絶縁部70が透磁率の異なる2つの絶縁層71,72が重なった構造を有している。これにより、絶縁部70の形状が安定する。しかも、絶縁部70は、絶縁層71と、絶縁層72とが交互に重なった6層構造を有しているので、絶縁部70の形状がよりいっそう安定する。
電極パッド2,3のパッド面2s、3sに、はんだ接続性の良好な金属からなるパッドフィルム4,5が形成されているから、合金層が、はんだ92,93と電極パッド2,3との接合部分に確実に形成される。そのため、薄膜インダクタ100のはんだ接合部の接合強度がよりいっそう高められる。
しかも、パッドフィルム4,5が載置面1dにも側面フィルム4f,5fとして形成されている。そのため、薄膜インダクタ100が実装されるときに側面フィルム4f,5fにはんだ接合部が形成され得るので、はんだ接合部の接合強度がよりいっそう高められる。
そして、前述した薄膜インダクタ100の製造方法では、コネクタ層形成工程と4回の導体層形成工程とが実行されている。そのことによって、4つの第1のパターン導体層157、162、167、172が積層され、同じく4つの第2のパターン導体層158、163、168、173が積層されている。こうして得られる積層構造のパターン導体層によって、コイルパターン21~26の第1の棒状部21A~26A、第2の棒状部21B~26Bが形成されている。導体層形成工程の実行回数が変更されると、積層される導体層の個数が変わるので、第1の棒状部21A~26Aと、第2の棒状部21B~26Bの高さが変更される。
このように、導体層形成工程の実行回数が変更されて、第1の棒状部21A~26Aと、第2の棒状部21B~26Bの高さが変更されてもよい。
また、コネクタ層形成工程と4回の導体層形成工程の各工程で、コイルパターン21~26すべてが部分的に形成されている。そのため、ターン数が異なる(例えば8ターン)コイルブロックが製造されるときでも、薄膜インダクタ100が、上記同様、コネクタ層形成工程と4回の導体層形成工程の各工程によって製造されることができる。別の導体層形成工程が追加される必要がない。そのため、薄膜インダクタ100の製造方法は、ターン数の異なったコイルブロックの製造に容易に対応できるので、汎用性が高い。
これに対し、1つのコイルパターンが各工程によって形成される製造方法の場合は、ターン数に応じた回数の導体層形成工程が実行される必要がある。例えば、ターン数が6の場合は導体層形成工程が6回実行されるが、ターン数が8の場合は導体層形成工程が8回実行される。
(変形例1)
図16は、変形例1にかかる薄膜インダクタ105を示す図6に対応した断面図である。薄膜インダクタ105は、薄膜インダクタ100と比較して、コイルパターン26を有する点では一致しているが、コイルパターン21~25の代わりにコイルパターン41~45を有する点で相違している。
各コイルパターン41~45は、薄膜インダクタ100のコイルパターン21~25と比較して、パターンコネクタ41E~45Eを有する点で相違している。パターンコネクタ21Eは、中間に屈曲部分がある。これに対し、パターンコネクタ41Eは、中間に屈曲部分がなく、第2の棒状部21Bから第1の棒状部22Aまでを屈曲のない斜め方向(載置面1aとのなす角が一定)に接続している。パターンコネクタ42E~45Eも、パターンコネクタ41Eと同様に形成されている。薄膜インダクタ105は、その他薄膜インダクタ100と共通する構成を有しているから、薄膜インダクタ100と同様の作用効果を奏する。また、薄膜インダクタ105では、パターンコネクタ41E~45Eの中間部分に屈曲部分がないため、電流がコイルパターン41~46をスムーズに流れる。
(変形例2)
図17は、変形例2にかかる薄膜インダクタ107を示す図6に対応した断面図である。薄膜インダクタ107は、薄膜インダクタ100と比較して、コイルパターン26を有する点では一致しているが、コイルパターン21~25の代わりにコイルパターン51~55を有する点で相違している。
各コイルパターン51~55は、薄膜インダクタ100のコイルパターン21~25と比較して、パターンコネクタ51E~55Eを有する点で相違している。パターンコネクタ51Eは、パターンコネクタ21Eと同様、屈曲部分が中間にあるが、その屈曲部分から第1の棒状部22Aまでが屈曲のない斜め方向(載置面1aとのなす角が一定)に接続されている。パターンコネクタ52E~55Eも、パターンコネクタ51Eと同様に形成されている。薄膜インダクタ107は、その他薄膜インダクタ100と共通する構成を有しているから、薄膜インダクタ100と同様の作用効果を奏する。また、薄膜インダクタ107は、パターンコネクタ51E~55Eの屈曲部分が1か所なので(パターンコネクタ21E~25Eは、屈曲部分が2か所)、電流がコイルパターン51~56をスムーズに流れる。
(変形例3)
図18は、変形例3にかかる薄膜インダクタ110を示す図3に対応した平面図である。薄膜インダクタ110は、薄膜インダクタ100と比較して、電極パッド2を有する点では一致しているが、電極パッド3の代わりに電極パッド36を有する点で相違している。電極パッド36は、電極パッド3と比較して、電極パネル33とパッドフィルム35とを有する点で相違している。電極パネル33は、電極パネル13と比較して、絶縁側面1fからの幅と、溝状の凹部の本数とが相違している。電極パッド36にも、そのパネル面に溝状の凹部が形成されている。そのため、薄膜インダクタ110も、薄膜インダクタ100と同様に、電極の大きさが拡大されることなく、はんだ接合部の接合強度を高めることができる。
(変形例4)
図19は、変形例4にかかる薄膜インダクタ120を示す図3に対応した面図である。薄膜インダクタ120は、薄膜インダクタ110と比較して、電極パッド36を有する点では一致しているが、電極パッド2の代わりに電極パッド65を有する点で相違している。電極パッド65は、電極パッド2と比較して、電極パネル62とパッドフィルム64を有する点で相違している。電極パネル62は、電極パネル12と比較して、絶縁側面1fからの幅と、溝状の凹部の本数とが相違している。電極パッド62にも、そのパネル面に溝状の凹部が形成されている。そのため、薄膜インダクタ120も、薄膜インダクタ100と同様に、電極の大きさが拡大されることなくはんだ接合部の接合強度を高めることができる。
第2の実施形態
(薄膜インダクタの構造)
まず、図45~図46を参照して本発明の実施の形態に係る薄膜インダクタ300の構造について説明する。薄膜インダクタ300は、薄膜インダクタ100と比較して、コイル部品10の代わりにコイル部品210を有する点で相違している。
コイル部品210は、コイル部品10と比較して、コイルブロック11の代わりにコイルブロック211を有する点で相違している。コイルブロック211は、コイルブロック11と比較して、コイルパターン21~26の代わりにコイルパターン221~226を有する点で相違している。コイルパターン221~226はコイルパターン21~26と比較して、第1の棒状部21A~26Aの代わりに第1の棒状部221A~226Aを有する点と、第2の棒状部21B~26Bの代わりに第2の棒状部221B~226Bを有する点で相違している。
第1の棒状部221A~226Aは、第1の棒状部21A~26Aと比較して、シフト部221G、222G~226G(シフト部223G~226Gは図示を省略)を有する点で相違している。また、第2の棒状部221B~226Bは、第2の棒状部21B~26Bと比較して、シフト部221H、222H~226H(シフト部223H~226Hは図示を省略)を有する点で相違している。
シフト部221G~226Gは、それぞれ第1の棒状部221A~226Aの長さ方向中間部分に形成されている。シフト部221G~226Gは、第1の棒状部221A~226Aに沿った棒状部方向(電極パッド2に沿ったパッド方向)から内側方向(絶縁ブロック1の中央に向かう方向)に逸れた位置に形成されている。第1の棒状部221A~226Aは、シフト部221G~226Gが中間部分に形成されていることによって、長さ方向中間部分で内側方向に屈曲している。
シフト部221H~226Hは、それぞれ第2の棒状部221B~226Bの長さ方向中間部分に形成されている。シフト部221H~226Hは第2の棒状部221B~226Bに沿った棒状部方向(電極パッド3に沿ったパッド方向)から内側方向に逸れた位置に形成されている。第2の棒状部221B~226Bは、シフト部221H~226Hが中間部分に形成されていることによって、長さ方向中間部分で内側方向に屈曲している。
薄膜インダクタ300は、コイルブロック211を有している。そのコイルブロック211は、コイルパターン221~226を有し、各コイルパターン221~226が、シフト部221G~226G、シフト部221H~226Hを有している。後に詳述するが、薄膜インダクタ300が製造されるときは、2回目の導体層形成工程において、第1、第2のパターン導体層が形成される位置が内側(絶縁部70の中央に向かう方向)に変更されている。
第1の実施形態に係る薄膜インダクタ100が製造されるときは、導体層形成工程が4回実行されている。それによって、第1、第2のパターン導体層が4回形成されているが、第1、第2のパターン導体層が形成される位置に変更がなかった。そのため、第1、第2のパターン導体層が交差方向に沿って真っすぐな棒状に形成されていた。
これに対し、薄膜インダクタ300の場合は、第1、第2のパターン導体層が形成される位置が変更されて、一部の第1、第2のパターン導体層が内側方向に屈曲している。これによって、薄膜インダクタ300では、全体のまとまりが良好になり、形状の安定化につながる。
(薄膜インダクタ300の製造方法)
次に、図47~図51を参照して本発明の第2の実施の形態に係る薄膜インダクタ300の製造方法について説明する。薄膜インダクタ300の製造方法は、本発明の第1の実施の形態に係る薄膜インダクタ100の製造方法と比較して、導体層形成工程の一部が相違している。
薄膜インダクタ300の製造方法では、図47に示すように、第1、第2のパターン導体層167,168が形成される代わりに、第1、第2のパターン導体層267,268が形成される。第1、第2のパターン導体層267,268は、パターンエリア153b、156aから内側にシフトした位置に形成される。第1、第2のパターン導体層267,268は、第1、第2のパターン導体層167,168とは配置間隔が異なっており、本発明の第2の実施の形態に係る第3、第4のパターン導体層に相当する。
次に、図48に示すように、層間絶縁層形成工程が実行される。この層間絶縁層形成工程では、図48に示すように、薄膜インダクタ100の場合と同様に、絶縁層72の形成に用いられる樹脂性の絶縁部材が塗布され、露光、現像等が行われて層間絶縁層171が形成される。この場合、層間絶縁層171は、次のような開口部を備えるように形成される。この場合の開口部は、第1、第2のパターン導体層267,268の表面の一部がパターンエリア153b、156aからそれぞれ内側にシフトした位置で露出するように形成される。
その後、導体層形成工程が実行される。導体層形成工程では、図49に示すように、第1、第2のパターン導体層172,173がパターンエリア153b、156aに形成され、パッド導体層174,175がパッドエリア153aに形成される。この場合、第1、第2のパターン導体層172,173が第1、第2のパターン導体層267,268に部分的に重なるように形成される。
次に、再び層間絶縁層形成工程が実行される。この層間絶縁層形成工程では、図50に示すように、絶縁層71の形成に用いられる樹脂性の絶縁部材が塗布され、露光、現像等が行われて層間絶縁層176が形成される。この場合、層間絶縁層176は、層間絶縁層161と同様の開口部を備えるように形成される。この場合の開口部は、形成済みの第1、第2のパターン導体層172,173の表面の一部がパターンエリア153b、156aに露出するように形成される。この層間絶縁層形成工程では、2種類の絶縁部材のうちの第1の絶縁部材が用いられる。
次に、パターンコネクタ層形成工程が実行される。パターンコネクタ層形成工程では、図51に示すように、パターンコネクタ層177が形成される。パターンコネクタ層177は、第1、第2のパターン導体層172,173を接続する導体層であり、めっきによって形成される。パターンコネクタ層177が形成され、それによって、第1、第2のパターン導体層172,173が接続される。すると、矩形環状のコイルパターン221~226が形成される。その後、薄膜インダクタ100の製造方法と同様の工程が実行されることによって、薄膜インダクタ300が製造される。
第3の実施形態
続いて、図52~図57を参照して本発明の第3の実施の形態に係る薄膜インダクタ400の構造について説明する。図52は薄膜インダクタ400の全体を示す斜視図、図53は薄膜インダクタ400の全体を示す平面図、図54は薄膜インダクタ400の全体を示す正面図である。図55は図53の55-55線断面図である。図56はコイル部品410の左側面図、図57は薄膜インダクタ400の製造に用いられるインダクタ部品399の分解斜視図である。なお、図示の都合上、図54では、コイル部品410が実線で示されている。
薄膜インダクタ400は、絶縁ブロック401と、電極パッド402,403とを有している。絶縁ブロック401は、絶縁ブロック1と同様の直方体状に形成されている部材であり、後述するコイルブロック411を外側から包囲している。
電極パッド402は、パッド部402A,402Bを有している。電極パッド403は、パッド部403A,403Bを有している。パッド部402A、403Aが絶縁ブロック401の対向している一対の側面(対向側面401b、401c)に配置されている。パッド部402B、403Bが実装底面401d(薄膜インダクタ400がプリント配線基板91上に実装されるときにプリント配線基板91に接する表面)に配置されている。電極パッド402,403がそれぞれ実装底面401dの内側でコイルブロック411に接続されている。
電極パッド402,403は、それぞれパッド面402s、403sを有している。パッド面402s、403sは、絶縁ブロック401の対向側面401b、401cと、実装底面401dとに沿って形成されている。また、溝状のパッド凹部402a,402bと、パッド凹部403a,403bとが、それぞれパッド面402s、403sに形成されている。パッド凹部402a,402bと、パッド凹部403a,403bとは、配列交差方向D411に沿って形成されている。配列交差方向D411は、後述するコイルパターン421~423が並べられている方向(配列方向D400)と直交状に交差する方向である。
絶縁ブロック401は、コイルブロック411と絶縁部70とを有している。絶縁ブロック401のコイルブロック411以外の部分が絶縁部70に相当している。絶縁部70がコイル部品410の各部分(後述するコイルパターン421~423、電極パネル412,413)の間に配置され、その絶縁部70によって、コイル部品410の各部分が絶縁されている。第3の実施の形態に係る絶縁部70では、2つの絶縁層71,72が交互に並べられている。
そして、電極パッド403,402は、図54、図55に示すように、それぞれコイルブロック411の後述するスタートパターン421、エンドパターン423に接続されている。電極パッド403が第3の実施の形態にかかるスタートパッドに相当し、電極パッド402が第3の実施の形態にかかるエンドパッドに相当している。電極パッド402,403は、それぞれ後述する電極パネル412、413と、パッドフィルム4,5と同様の図示しないパッドフィルムとを有している。電極パネル412、413がそれぞれ矩形状のパネル面412s、413sを有し、パッドフィルムがそれぞれのパネル面412s、413sを被覆している。
薄膜インダクタ400には、コイル部品410が用いられている。ここで、コイル部品410とは、薄膜インダクタ400に用いられている螺旋状コイルを備えた部品であって、コイルブロック411と、電極パネル412,413と、パネルコネクタ414,417とを有している。
コイル部品410は、銅(Cu)等の良好な導電性を備えた金属を用いて形成されている。図54に示すように、コイル部品410のうちの絶縁ブロック401によって包囲されている部分が概ねコイルブロック411と、パネルコネクタ414,パネルコネクタ417である。電極パネル412,413の一部が絶縁ブロック401の外側に配置されている。絶縁ブロック401の内側にも、電極パネル412,413の一部が配置されている。
コイルブロック411は、3つのコイルパターン421~423を有している。コイルブロック411では、コイルパターン421からコイルパターン423までが配列方向D400に沿って順に並べられている。3ターン構造(絶縁部70の周囲に3回周回する構造)の一連の螺旋状コイルがコイルパターン421からコイルパターン423までによって形成されている。
コイルブロック411において、3つのコイルパターン421~423のうち、コイルパターン421がスタートパターンであり、コイルパターン423がエンドパターンである。そして、電極パネル413がパネルコネクタ414を介してコイルパターン421に接続され、電極パネル412がパネルコネクタ417を介してコイルパターン423に接続されている。
また、コイル部品410では、3つのコイルパターン421~423のすべてが実装底面401dに配置されている。
そして、図57には、インダクタ部品399の分解斜視図が示されている。インダクタ部品399は、薄膜インダクタ400の製造に用いられる。インダクタ部品399は、薄膜インダクタ400と比較して、3つのコイルパターン421~423の配置(配置パターンともいう)が相違している。しかしながら、インダクタ部品399と、薄膜インダクタ400とは、配置パターン以外の点では一致している。
インダクタ部品399は、以下の3つのコイルパターン421~423が積重方向D399に沿って積重されている構造を有している。そのインダクタ部品399が図57に示す方向TXに横転されることによって、薄膜インダクタ400が製造されている。なお、図57では、図示の都合上、絶縁部70が複数のパネル状部材に分解されて示されているが、各部材が一体となって絶縁部70が構成されている。
インダクタ部品399(薄膜インダクタ400も同様)において、コイルパターン421は、概ね楕円形状に形成されているターン部421Aと、パターンコネクタ421Dとを有している。パネルコネクタ414がターン部421Aの一端部に接続され、パターンコネクタ421Dがターン部421Aの他端部に接続されている。概ねL字状の延設部413Aがパネルコネクタ414に接続されている。また、概ねL字状の延設部412Aがターン部421Aの近くに配置されている。延設部413A、後述する延設部413B、延設部413Eが一体となって電極パネル413を構成している。また、延設部412A、後述する延設部412B、延設部412Eが一体となって電極パネル412を構成している。なお、図57では、図示の都合上、電極パネル412,413が複数の延設部に分解されて示されているが、積重方向D399に重なった延設部が一体となって電極パネル412,413が構成されている。
コイルパターン422は、概ね楕円形状に形成されているターン部422Aと、パターンコネクタ422D、422Gとを有している。パターンコネクタ422Dがターン部422Aの一端部に接続され、パターンコネクタ422Gがターン部422Aの他端部に接続されている。概ねL字状の延設部413Bが積重方向D399に沿った延設部413Aの下側に配置され、概ねL字状の延設部412Bが積重方向D399に沿った延設部412Aの下側に配置されている。
コイルパターン423は、概ね楕円形状に形成されているターン部423Aと、パターンコネクタ423Dとを有している。パターンコネクタ423Dがターン部423Aの一端部に接続され、パネルコネクタ417がターン部423Aの他端部に接続されている。概ねL字状の延設部412Eがパネルコネクタ417に接続されている。また、概ねL字状の延設部413Eが積重方向D399に沿った延設部413Bの下側に配置されている。
そして、以上のコイルパターン421,422,423において、パターンコネクタ421Dが絶縁部70のスルーホール70gを介してパターンコネクタ422Dに接続され、パターンコネクタ422Gが絶縁部70のスルーホール70hを介してパターンコネクタ423Dに接続されている。
そのため、コイル部品410において、電流が電極パネル413から流れると、電流がパネルコネクタ414を通ってコイルパターン421のターン部421Aを流れ、その後、電流がパターンコネクタ421D、422Dを経由して、コイルパターン422のターン部422Aを流れる。さらに、その後、電流がパターンコネクタ422G、423Dを経由してコイルパターン423のターン部423Aを流れる。さらに、その後、電流がパネルコネクタ417を通って電極パネル412に到達する。
薄膜インダクタ400は、前述した薄膜インダクタ100,300と異なり、各コイルパターン421,422,423が個別に形成されることによって製造される。図57において、絶縁部70として、平板状に記載されている絶縁層が4回形成されるが、各コイルパターン421,422,423とそれぞれの延設部とが、各絶縁層が形成される間で個別に形成されることによって、インダクタ部品399が製造される。そのインダクタ部品399が図57に示す方向TXに横転されることによって、薄膜インダクタ400が製造される。
薄膜インダクタ400では、電極パッド402,403にも、そのパッド面402s、403sに溝状のパッド凹部402a,402b、403a,403bが形成されている。そのため、薄膜インダクタ400も、薄膜インダクタ100と同様に、電極の大きさが拡大されることなく、はんだ接合部の接合強度を高めることができる。
上記実施の形態では、2つの絶縁層71,72が交互に重なった構造を有する絶縁部70が示されている。このほか、絶縁部70として、同じ材料を用いた絶縁層が重なった絶縁層とすることができる。
以上の説明は、本発明の実施の形態についての説明であって、この発明の装置及び方法を限定するものではなく、様々な変形例を容易に実施することができる。又、各実施形態における構成要素、機能、特徴あるいは方法ステップを適宜組み合わせて構成される装置又は方法も本発明に含まれるものである。