JP7342592B2 - モータ制御装置、モータ制御方法および電動パワーステアリング装置 - Google Patents

モータ制御装置、モータ制御方法および電動パワーステアリング装置 Download PDF

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Description

本発明は、モータ制御装置、モータ制御方法および電動パワーステアリング装置に関する。
従来、モータの駆動制御のための制御手法として、ベクトル制御と呼ばれる制御手法が広く用いられている。この制御手法は、ロータの主磁束方向をd軸(direct)、それに対して電気的に直角な方向をq軸(quadrature)としてdq座標を考え、3相の電流および電圧をdq座標に変換し、dq座標上のベクトルとして制御を行う手法である。このdqベクトル制御を用いると、同一の電流振幅に対してトルクが最大となるような最大トルク制御を行うことが、3相での制御に比べて容易に行えるものの、最大トルク制御を実現するためのd軸電流の演算式は複雑である。
そこで、最大トルク制御を簡単に実現するために、例えば特許文献1に記載の技術がある。この技術は、dq座標系とは異なる回転座標系(dmqm座標系)と、dq座標系とは異なる制御座標系(γδ座標系)との位相差である軸誤差を、モータの出力トルク及びトルク指令値間のトルク誤差が低減するように、弱め磁束用の電流に応じて制御する技術である。この特許文献1には、dm軸電流idm=0であるとき、最大トルク制御が実現される点が開示されている。
特開2012-130183号公報
上記特許文献1に記載の技術では、制御用のパラメータとして、永久磁石の電機子鎖交磁束、d軸インダクタンス、およびq軸インダクタンスを用いているが、これらが磁気飽和により変動することを考慮していない。そのため、適切に最大トルク制御を実現することができないおそれがある。
そこで、本発明は、永久磁石同期モータの駆動制御に際し、容易かつ適切に最大トルク制御を実現することができるモータ制御装置、モータ制御方法および電動パワーステアリング装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一つの態様のモータ制御装置は、永久磁石同期モータを駆動制御するモータ制御装置であって、前記永久磁石同期モータのdq軸電流と、磁気飽和により変動し得るパラメータとに基づいて、回転座標系であるdq座標系と最大トルク制御座標系であるft座標系との偏角を算出する偏角算出部と、前記永久磁石同期モータのトルク指令値に基づいて、前記ft座標系におけるt軸電流指令値を生成するt軸電流指令生成部と、前記ft座標系におけるf軸電流指令値を零として生成するf軸電流指令生成部と、前記偏角算出部により算出された偏角と、前記t軸電流指令生成部により生成されたt軸電流指令値と、前記f軸電流指令生成部により生成されたf軸電流指令値と、に基づいて、回転座標変換によりdq軸電流指令値を生成するdq軸電流指令生成部と、を備える。
このように、最大トルク制御座標系であるft座標系を利用し、f軸成分の電流が0となるよう制御するので、容易に最大トルク制御を実現することができる。また、dq座標系とft座標系との偏角の算出に際し、磁気飽和によるパラメータ変動を考慮するので、適切に最大トルク制御を実現することができる。
また、上記のモータ制御装置において、前記パラメータは、永久磁石鎖交磁束、d軸インダクタンスおよびq軸インダクタンスであってもよい。この場合、磁気飽和によるモータパラメータの変動を考慮したうえで、適切に最大トルク制御を実現することができる。
さらに、上記のモータ制御装置において、前記偏角算出部は、前記d軸インダクタンスと前記q軸インダクタンスとの差をdq軸電流に対して一定とし、前記永久磁石鎖交磁束をq軸電流の2次関数として、前記偏角を算出してもよい。
このように、磁気飽和によるd軸q軸それぞれのインダクタンスの変動は概ね似た挙動を示すと仮定し、dq軸インダクタンス差をdq軸電流に対して一定としてもよい。この場合、簡易な演算で偏角を算出することができる。また、永久磁石鎖交磁束をq軸電流の2次関数とすることで、永久磁石鎖交磁束の変動を適切に考慮することができ、精度良く偏角を算出することができる。
また、上記のモータ制御装置において、前記偏角算出部は、前記d軸インダクタンスと前記q軸インダクタンスとの差をdq軸電流に対して一定とし、前記永久磁石鎖交磁束をq軸電流の1次関数として、前記偏角を算出してもよい。
このように、磁気飽和によるd軸q軸それぞれのインダクタンスの変動は概ね似た挙動を示すと仮定し、dq軸インダクタンス差をdq軸電流に対して一定としてもよい。この場合、簡易な演算で偏角を算出することができる。また、永久磁石鎖交磁束をq軸電流の1次関数とすることで、より簡易な演算で偏角を算出することができる。
さらにまた、上記のモータ制御装置において、前記偏角算出部は、前記永久磁石同期モータのトルク式から導出される、d軸電流をq軸電流で微分した式に従って、π/2から前記偏角を減算した角度を算出し、当該角度から前記偏角を算出してもよい。
この場合、簡易な演算で偏角を算出することができる。例えば、磁気飽和により変動し得るパラメータとして永久磁石鎖交磁束を考慮した場合、当該永久磁石鎖交磁束をq軸電流の2次関数として考えた場合であっても、d軸電流をq軸電流で微分した式は簡易な式となる。したがって、容易かつ適切に偏角を算出することができる。
また、上記のモータ制御装置において、前記偏角算出部は、前記永久磁石同期モータのトルク式から導出される、q軸電流をd軸電流で微分した式に従って、前記偏角を算出してもよい。
この場合、偏角をダイレクトに算出することができる。また、磁気飽和により変動し得るパラメータとして永久磁石鎖交磁束を考慮した場合、当該永久磁石鎖交磁束をq軸電流の1次関数として考えた場合には、q軸電流をd軸電流で微分した式は比較的簡易な式とすることができる。したがって、容易かつ適切に偏角を算出することができる。
さらに、上記のモータ制御装置は、前記永久磁石同期モータのトルクリップルを推定するトルクリップル推定部と、前記トルクリップル推定部により推定されたトルクリップルに基づいて、前記トルク指令値を補正するトルク指令補正部をさらに備え、前記t軸電流指令生成部は、前記トルク指令補正部により補正されたトルク指令値に基づいて、前記t軸電流指令値を生成してもよい。
この場合、トルクリップルを適切に抑制することができる。また、トルクリップル推定値をそのまま補正値として用いてトルク指令値に重畳することができるので、容易にトルクリップルを抑制することができる。
また、本発明の一つの態様のモータ制御方法は、永久磁石同期モータを駆動制御するモータ制御方法であって、前記永久磁石同期モータのdq軸電流と、磁気飽和により変動し得るパラメータとに基づいて、回転座標系であるdq座標系と最大トルク制御座標系であるft座標系との偏角を算出するステップと、前記永久磁石同期モータのトルク指令値に基づいて、前記ft座標系におけるt軸電流指令値を生成するステップと、前記ft座標系におけるf軸電流指令値を零として生成するステップと、前記偏角と、前記t軸電流指令値と、前記f軸電流指令値と、に基づいて、回転座標変換によりdq軸電流指令値を生成するステップと、を含む。
このように、最大トルク制御座標系であるft座標系を利用し、f軸成分の電流が0となるよう制御するので、容易に最大トルク制御を実現することができる。また、dq座標系とft座標系との偏角の算出に際し、磁気飽和によるパラメータ変動を考慮するので、適切な最大トルク制御を実現することができる。
さらに、本発明の一つの態様の電動パワーステアリング装置は、上記のいずれかのモータ制御装置を備える。
これにより、操舵補助制御(操舵アシスト)を行うための車載の永久磁石同期モータの最大トルク制御を容易かつ適切に実現することができる。したがって、高効率化が実現された電動パワーステアリング装置とすることができる。
本発明の一つの態様によれば、永久磁石同期モータの駆動制御に際し、容易かつ適切に最大トルク制御を実現することができる。
図1は、モータシステムの構成図である。 図2は、モータ制御装置の機能ブロック図である。 図3は、電流指令生成部の詳細を示す機能ブロック図である。 図4は、偏角δの算出方法を説明する図である。 図5は、最大トルク制御の説明図である。 図6は、第二の実施形態における指令生成部のブロック図である。 図7は、第二の実施形態における電流指令生成部の機能ブロック図である。 図8は、電動パワーステアリング装置を搭載した車両の図である。 図9は、電動パワーステアリング装置の模式図である。
以下、図面を用いて本発明の実施の形態について説明する。
なお、本発明の範囲は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。
(第一の実施形態)
図1は、本実施形態におけるモータシステム300の構成図である。
モータシステム300は、モータ310と、モータ制御装置320と、インバータ330と、を備える。モータ制御装置320は、指令生成部321と、電流制御器322と、を備え、インバータ330を介してモータ310を駆動制御する。
ここで、モータ310は、永久磁石同期モータである。例えば、モータ310は、表面磁石型のSPMSM(Surface Permanent Magnet Synchronous Motor)や、埋め込み磁石型のIPMSM(Interior Permanent Magnet Synchronous Motor)、クローポール型モータなど種々の永久磁石同期モータとすることができる。
指令生成部321は、モータ310のトルク指令値τ*から電流指令値i*を生成する。
電流制御器322は、電流指令値i*に基づいて、モータ電流をフィードバック制御して電圧指令値v*を出力する。
インバータ330は、電圧指令値v*に基づいて生成されたPWM信号をもとに当該インバータ330を構成するスイッチング素子をオン/オフし、モータ310に電圧vを供給する。これにより、モータ310にトルクτが発生する。
以下、モータ制御装置320の機能について、具体的に説明する。
図2は、モータ制御装置320の機能ブロック図である。
この図2に示すように、モータ制御装置320は、角度検出部301と、角速度演算部302と、3相/2相変換部303と、電流指令生成部304と、電流制御部305と、2相/3相変換部306と、を備える。
角度検出部301は、角度センサ310aにより検出されたモータ角度(機械角)θMをモータ角度(電気角)θEに変換する。
角速度演算部302は、角度検出部301から出力されたモータ角度θEを微分してモータ角速度ωを演算する。
3相/2相変換部303は、3相モータ電流iu、ivおよびiwを3相/2相変換してdq軸電流id、iqを出力する。
電流指令生成部304は、トルク指令値τ*、モータ角度θE、モータ加速度ωおよびdq軸電流id、iqを入力し、図1の電流指令値i*として、dq軸電流指令値id*、iq*を生成する。ここで、電流指令生成部304は、最大トルク制御を実現するdq軸電流指令値id*、iq*を生成する。
本実施形態では、最大トルク制御として、最大トルク/電流(MTPA:Maximum Torque Per Ampere)制御を対象とする。電流指令生成部304は、トルク指令τ*からdq軸電流指令値id*、iq*を生成する際に、最大トルク制御座標系であるft座標系を利用し、f軸電流を0に制御することで最大トルク制御を実現する。電流指令生成部304の具体的な機能構成については後述する。
電流制御部305は、dq軸電流指令値id*、iq*とdq軸電流id、iqとの電流偏差をそれぞれ算出する。そして、電流制御部305は、算出した電流偏差に対してそれぞれ比例積分制御を行って、図1の電圧指令値v*として、dq軸電圧指令値vd、vqを算出する。このように、電流制御部305は、dq軸電流指令値id*、iq*に基づいて、ベクトル制御を行う。
2相/3相変換部306は、2相の電圧指令値vd、vqを、3相の電圧指令値vu、vvおよびvwに変換する。この電圧指令値vu、vvおよびvwに基づいてモータ310に駆動電力が供給される。
図3は、図2に示す電流指令生成部304の具体的構成を示す機能ブロック図である。
この図3に示すように、電流指令生成部304は、偏角算出部304aと、t軸電流指令生成部304bと、f軸電流指令生成部304cと、dq軸電流指令生成部304dと、を備える。
偏角算出部304aは、検出されたモータ310のdq軸電流id、iqと、磁気飽和により変動し得るパラメータと、に基づいて、図4に示す回転座標系(dq座標系)に対する最大トルク制御座標系(ft座標系)の偏角δを算出する。偏角算出部304aにおける偏角δの算出方法については後述する。
t軸電流指令生成部304bは、トルク指令値τ*を最大トルク制御座標系のt軸上の電流に変換し、これをt軸電流指令値it*として出力する。例えば、t軸電流指令生成部304bは、トルクとt軸電流との変換テーブルを用いて、トルク指令値τ*からt軸電流指令値it*を生成することができる。上記変換テーブルは、実測や解析により予め作成し、メモリ等に記憶しておくものとする。
なお、トルク指令値τ*からt軸電流指令値it*を生成する手法は、上記の変換テーブルを用いる手法に限定されない。例えば、トルク指令値τ*からt軸電流指令値it*を導出する関数等を用いてt軸電流指令値it*を生成してもよい。
f軸電流指令生成部304cは、f軸電流指令値if*=0を出力する。
dq軸電流指令生成部304dは、ft電流指令値it*、if*と偏角δとに基づいて、ft軸からdq軸への座標変換(回転座標変換)を行い、dq軸電流指令値id*、iq*を生成する。このようにして得られたdq軸電流指令値id*、iq*が、最大トルク制御を実現する電流指令値となる。
以上のように、本実施形態におけるモータ制御方法は、永久磁石同期モータのdq軸電流と、磁気飽和により変動し得るパラメータとに基づいて、回転座標系であるdq座標系と最大トルク制御座標系であるft座標系との偏角を算出するステップと、永久磁石同期モータのトルク指令値に基づいて、ft座標系におけるt軸電流指令値を生成するステップと、ft座標系におけるf軸電流指令値を零として生成するステップと、上記の偏角、t軸電流指令値およびf軸電流指令値に基づいて、回転座標変換によりdq軸電流指令値を生成するステップと、を含む。
以下、偏角算出部304aにおける偏角δの算出方法について具体的に説明する。
本実施形態では、偏角算出部304aは、上述したように、dq軸電流id、iqと磁気飽和により変動し得るパラメータとに基づいて、最大トルク制御座標系の偏角δを算出する。ここで、磁気飽和により変動し得るパラメータは、永久磁石鎖交磁束Ψa、d軸インダクタンスLdおよびq軸インダクタンスLqである。これらパラメータについて、以下ように仮定する。
仮定1:dq軸インダクタンス差Lq-Ldは、dq軸電流に対して一定である。
仮定2:永久磁石鎖交磁束Ψaは、q軸電流iqの2次関数として近似することができる。
Ψa=aΨiq2+bΨiq+cΨ (iq>0) ………(1)
本実施形態では、磁気飽和によるパラメータ変動を考慮するに際し、dq軸インダクタンスの比である突極比が比較的小さく、また、磁気飽和によりd軸インダクタンスおよびq軸インダクタンスは同様に変動すると仮定し、上記の仮定1のように、dq軸インダクタンス差Lq-Ldがdq軸電流に対して一定であると仮定する。
同期モータのトルクTは、以下のトルク式で表すことができる。
T=P{Ψa+(Ld-Lq)id}iq
=P{aΨiq2+bΨiq+cΨ+(Ld-Lq)id}iq ………(2)
ここで、Pは極対数、Ψaは永久磁石鎖交磁束(永久磁石からモータのコイルに鎖交している磁束)、Ldはd軸インダクタンス、Lqはq軸インダクタンス、idはd軸電流、iqはq軸電流である。
上記のトルク式において、トルク一定と仮定し(定トルク曲線上で考え)、上記(2)式をd軸電流idについて解くと、下記(3)式が得られる。
Figure 0007342592000001
上記(3)式により表されるd軸電流idを、q軸電流iqで微分すると、下記(4)式が得られる。
Figure 0007342592000002
そして、上記(4)式のトルクTに、上記(2)式で表されるトルク式を代入すると、下記(5)式が得られる。
Figure 0007342592000003
上記(5)式で表されるdid/diqは、dq軸電流id、iqによって決まる値であり、図4に示す定トルク曲線A上の点Bにおける定トルク曲線Aの接線Cのq軸から見た傾きである。この接線Cは、f軸方向の直線であるため、f軸のq軸からの角度δ’は、did/diqの逆正接をとった値(tan-1(did/diq))となる。
したがって、π/2から角度δ’減算することで、ft軸のdq軸からの偏角δを算出することができる。
Figure 0007342592000004
このように、偏角算出部304aは、上記(2)式により表されるモータ310のトルク式から導出される、d軸電流idをq軸電流iqで微分した上記(5)式を用いて、π/2から偏角δを減算した角度δ’を算出する。そして、偏角算出部304aは、上記(6)式に示すように、算出した角度δ’をπ/2から減算することで偏角δを算出する。
この上記(6)式により算出された偏角δを用い、偏角δによる回転座標変換を行うことで、dq座標から最大トルク制御座標(ft座標)へ、またはその逆への変換が可能となる。
ただし、上記の偏角δの導出式は、q軸電流iqが正の領域にある場合に限って成立する式である。そこで、q軸電流iqが0である場合や負の領域にある場合にまで拡張するために、以下のように偏角δの導出式を書き換える。
(1)q軸電流iq=0による除算を回避するために、上記(5)式の分母部分のq軸電流iqをiq+εに置き換える。ここで、εは、十分小さな正の数(例えば、1×10-6)である。
(2)q軸電流iqが負の領域でも、磁気飽和についてはq軸電流の大きさのみを参照するため、q軸電流iqの絶対値をとり、偏角δの符号をq軸電流iqの符号と同じとする。つまり、上記(6)式を次式のように書き換える。
Figure 0007342592000005
ここで、abs( )は、括弧内の値の絶対値をとる関数、sgn( )は、括弧内の値の符号に応じて-1、0、1のいずれかの値を返す関数である。
以上により、最大トルク制御座標系を実数全体のq軸電流iqに対して利用可能となる。ただし、実用上は、システム最大電流の制限がある。
以上説明したように、本実施形態におけるモータ制御装置320は、最大トルク制御座標系(ft座標系)を利用し、f軸電流を0に制御することで、モータ310の最大トルク制御を容易に実現することができる。この最大トルク制御時における動作点は、図5に示すように、定トルク曲線Aと定電流円Dとが接する点Eとなる。なお、図5において、定電流円Dは、原点を中心に描いた円であり、動作点Eは、定トルク曲線Aに対して原点からの距離が最短となる点である。
また、モータ制御装置320は、最大トルク制御座標系を利用する際、モータパラメータとして永久磁石鎖交磁束Ψaとdq軸インダクタンスLd、Lqとを用いるが、これらのパラメータが磁気飽和により変動すること考慮して、最大トルク制御座標系の偏角δを算出する。したがって、磁気飽和を考慮した適切な最大トルク制御を実現することができる。
具体的には、モータ制御装置320は、dq軸インダクタンス差Lq-Ldがdq軸電流に対して一定であり、永久磁石鎖交磁束Ψaがq軸電流iqの2次関数として近似できるとして、偏角δを算出する。
一般に、磁気飽和によりd軸インダクタンスLdはdq軸電流に対してあまり変動せず、q軸インダクタンスLqは飽和により減少するとされている。しかし、一般的なモータは、dq軸インダクタンスが数十mH~数百mHと高インダクタンスであり、dq軸インダクタンスの比である突極比(=Lq/Ld)も2より大きいリラクタンストルクを積極的に利用するモータであることが多い。さらに、磁気飽和によるq軸インダクタンス変動が数十mHと大きく、それに比べてd軸インダクタンス変動が10分の1以下であるため無視されている。
これに対して、例えば電動パワーステアリング装置を対象としたモータとして、dq軸インダクタンスが100μH~700μH程度と小さく、突極比も大きくて1.2程度であり、マグネットトルクを主体とするモータがある。このようなモータでは、磁気飽和によるd軸q軸それぞれのインダクタンス変動は10~20μH程度と小さく、またそれらの変動は概ね似た挙動を示す。このため上述したように、磁気飽和によるパラメータ変動として、dq軸インダクタンス差Lq-Ldがdq軸電流に対して一定であるとすることができる。これにより、偏角δの算出に際し、複雑な計算を簡易化できる。
また、モータ制御装置320は、d軸電流idをq軸電流iqで微分した上記(5)式を用いて角度δ’を算出し、上記(6)式に示すように、算出した角度δ’をπ/2から減算することで偏角δを算出する。つまり、本実施形態では、図4に示す接線C(f軸方向の直線)のq軸から見た傾きdid/diqを算出し、この傾きdid/diqに基づいて偏角δを算出する。したがって、簡易な演算で偏角を算出することができる。
図4に示す接線C(f軸方向の直線)のd軸から見た傾きdiq/didを直接計算しようとした場合、上記(2)式により表されるモータ310のトルク式をq軸電流iqについて解く必要がある。このとき、永久磁石鎖交磁束Ψaをq軸電流iqの2次関数として考えた場合、3次方程式を解く必要があり、演算が複雑となる。
これに対して、本実施形態では、永久磁石鎖交磁束Ψaをq軸電流iqの2次関数として考えた場合であっても、簡易な演算により精度良く偏角を算出することができる。
さらに、モータ制御装置320は、上述したように、最大トルク制御座標系を利用し、f軸電流を0に制御することで最大トルクでの駆動を実現する。そのため、このときのt軸電流とモータ出力トルクが一対一に対応する。したがって、トルク指令値τ*からt軸電流指令値it*へ変換し、変換したt軸電流指令値it*と、0に設定されたf軸電流指令値if*とに基づいて、偏角δを用いた回転座標変換を行うことで、容易に最大トルク制御を実現できるdq軸電流指令値id*、iq*を生成することができる。
このように、本実施形態におけるモータ制御装置320は、永久磁石同期モータの駆動制御に際し、磁気飽和によるパラメータ変動を考慮したうえで、容易かつ適切に最大トルク制御を実現することができる。
(第二の実施形態)
次に、本発明における第二の実施形態について説明する。
上述した第一の実施形態では、永久磁石鎖交磁束Ψaをq軸電流iqの2次関数として近似する場合について説明した。本実施形態では、永久磁石鎖交磁束Ψaをq軸電流iqの1次関数として近似する場合について説明する。
本実施形態におけるモータ制御装置の構成は、図1~図3に示す第一の実施形態のモータ制御装置320と同様である。ただし、図3の偏角算出部304aにおける偏角δの算出方法が第一の実施形態とは異なる。
偏角算出部304aでは、上述した第一の実施形態における仮定2を、次のように変更する。
仮定2’:永久磁石鎖交磁束Ψaは、q軸電流iqの1次関数として近似することができる。
Ψa=bΨiq+cΨ (iq>0) ………(8)
そして、偏角算出部304aは、上述した第一の実施形態においてaΨ=0と置いた場合と同様の手法により、偏角δを算出する。
これにより、本実施形態においても、上述した第一の実施形態と同様に、最大トルク制御座標系(ft座標系)を利用して、モータ310の最大トルク制御を容易に実現することができる。また、最大トルク制御座標系の偏角δの算出に際し、磁気飽和によるパラメータ変動を考慮するので、適切な最大トルク制御を実現することができる。とりわけ、本実施形態では、上記パラメータである永久磁石鎖交磁束Ψaをq軸電流iqの1次関数として近似するので、より簡易な導出式を用いて偏角δを算出することができる。
(第三の実施形態)
次に、本発明における第三の実施形態について説明する。
上述した第一の実施形態および第二の実施形態では、d軸電流idをq軸電流iqで微分したdid/diqを算出することでf軸のq軸からの角度δ’を算出し、角度δ’から偏角δを算出する場合について説明した。本実施形態では、q軸電流iqをd軸電流idで微分したdiq/didを算出することで、直接、偏角δを算出する場合について説明する。
本実施形態におけるモータ制御装置の構成は、図1~図3に示す第一の実施形態のモータ制御装置320と同様である。ただし、図3の偏角算出部304aにおける偏角δの算出方法が第一の実施形態とは異なる。
偏角算出部304aでは、上述した第二の実施形態と同じ仮定の下、最大トルク制御座標系の偏角δを算出する。
仮定1:dq軸インダクタンス差Lq-Ldは、dq軸電流に対して一定である。
仮定2’:永久磁石鎖交磁束Ψaは、q軸電流iqの1次関数として近似することができる。
Ψa=bΨiq+cΨ (iq>0) ………(9)
この場合、トルク式は次式で表すことができる。
T=P{Ψa+(Ld-Lq)id}iq
=P{bΨiq+cΨ+(Ld-Lq)id}iq
Ψiq2+{cΨ+(Ld-Lq)id}iq-T/P=0 ………(10)
上記のトルク式において、トルク一定と仮定し(定トルク曲線上で考え)、上記(10)式をq軸電流iqについて解くと、下記(11)式が得られる。
Figure 0007342592000006
q軸電流iqが0のとき、モータ出力トルクも0となるので、q軸電流iqの式は次式となる。
Figure 0007342592000007
上記(12)式により表されるq軸電流iqを、d軸電流idで微分すると、下記(13)式が得られる。
Figure 0007342592000008
そして、上記(13)式のトルクTに、上記(10)式で表されるトルク式を代入すると、下記(14)式が得られる。
Figure 0007342592000009
上記(14)式で表されるdiq/didは、図4に示す定トルク曲線A上の点Bにおける定トルク曲線Aの接線C(f軸方向の直線)のd軸から見た傾きである。そのため、did/diqの逆正接をとることで、ft軸のdq軸からの偏角δを算出することができる。
Figure 0007342592000010
このように、偏角算出部304aは、上記(2)式により表されるモータ310のトルク式から導出される、q軸電流iqをd軸電流idで微分した上記(14)式を用いて、上記(15)式に示すように偏角δを算出する。
この上記(15)式により算出された偏角δを用い、偏角δによる回転座標変換を行うことで、dq座標から最大トルク制御座標(ft座標)へ、またはその逆への変換が可能となる。
これにより、本実施形態においても、上述した第一の実施形態および第二の実施形態と同様に、最大トルク制御座標系(ft座標系)を利用して、モータ310の最大トルク制御を容易に実現することができる。また、最大トルク制御座標系の偏角δの算出に際し、磁気飽和によるパラメータ変動を考慮するので、適切な最大トルク制御を実現することができる。
また、本実施形態では、トルク式から導出されるdid/diqの式を用いて偏角δをダイレクトに算出することができる。このとき、上記パラメータである永久磁石鎖交磁束Ψaをq軸電流iqの1次関数として近似することで、比較的簡易な導出式を用いて偏角δを算出することができる。
(第四の実施形態)
次に、図6に基づいて、本発明における第三の実施形態について説明する。
この第四の実施形態は、上述した第一から第三の実施形態において、モータ駆動時に発生するトルクリップルを抑制するようにしたものである。
本実施形態におけるモータ制御装置の構成は、図1および図2に示すモータ制御装置320と同様である。ただし、図1の指令生成部321および図2の電流指令生成部304の構成が、上述した各実施形態とは異なる。
図6は、本実施形態における図1の指令生成部321の構成を示すブロック図である。
この図6に示すように、指令生成部321は、トルクリップル推定器321aと、減算器321bと、指令値変換器321cと、を備える。
トルクリップル推定器321aは、例えば、モータ角速度ωおよびモータ電流iを入力としてトルクリップル推定値τrを推定する。なお、トルクリップル推定器321aの構成は、上記に限定されるものではなく、何らかの手法によりトルクリップルが推定可能であればよい。
減算器321bは、与えられたトルク指令値τ*からトルクリップル推定値τrを減算し、補正後のトルク指令値τ*’を出力する。このように、本実施形態では、トルクリップル推定値τrを、トルク指令値τ*を補正するためのトルクリップル補正値として用いる。
指令値変換器321cは、補正後のトルク指令値τ*’を電流指令値i*に変換して出力する。
なお、図6において、トルクリップル推定器321aがトルクリップル推定部に対応し、減算器321bがトルク指令補正部に対応している。
図7は、本実施形態における図2の電流指令生成部304の具体的構成を示す機能ブロック図である。この図7において、図3と同様の構成を有する部分には図3と同一符号を付し、以下、構成が異なる部分を中心に説明する。
トルク指令補正部304dは、トルク指令値τ*をトルクリップル補正値τrによって補正し、補正後のトルク指令値τ*’をt軸電流指令生成部304bに出力する。ここで、トルクリップル補正値τrは、上述した図6のトルクリップル推定器321aにより推定されたトルクリップル推定値である。
t軸電流指令生成部304bは、トルクリップル補正値τrによって補正されたトルク指令値τ*’に基づいて、t軸電流指令値it*を生成する。t軸電流指令値it*の生成方法は、上述した各実施形態におけるトルク指令値τ*からt軸電流指令値it*の生成方法と同様である。
このように、トルクリップル補正値(トルクリップル推定値)τrにより補正された補正後のトルク指令値τ*’に基づいてモータ310が駆動される。その結果、モータ310の駆動時に生じるトルクリップルを適切に抑制することができる。また、トルクリップルが抑制されることで、トルクリップルに起因する騒音を低減することができる。したがって、モータシステム300の静粛性を向上させることができる。
以上のように、本実施形態におけるモータ制御装置320は、上述した各実施形態と同様に、最大トルク制御座標系(ft座標系)を利用して、モータ310の最大トルク制御を容易に実現することができる。最大トルク制御座標系を用い、f軸電流を0に制御することで最大トルク制御を実現するので、このときのt軸電流とモータ出力トルクとが一対一に対応する。
したがって、トルク指令値τ*へトルクリップル補正値τrを重畳して当該トルク指令値τ*を補正することで、トルクリップル分の補正が反映されたt軸電流指令値it*を生成することができ、トルクリップルを適切に抑制することができる。また、トルクリップルを低減するためのトルクリップル補正値τrに、何らかの手法により得られたトルクリップル推定値をそのまま使用することができるので、容易にトルクリップルを抑制することができる。
(応用例)
上述した各実施形態におけるモータシステム300は、例えば図8に示すように、車両1に搭載された電動パワーステアリング装置10に適用することができる。
図9は、電動パワーステアリング装置10の模式図である。
この図9に示すように、電動パワーステアリング装置10はコラムタイプEPS(電動パワーステアリング装置)であり、運転者から与えられる力が伝達する順に、ステアリングホイール11、ステアリングシャフト12、操舵補助機構13、ユニバーサルジョイント14a、インターミディエイトシャフト15、ユニバーサルジョイント14b、ピニオンシャフト16、ステアリングギヤ17、タイロッド18a、18b、ハブユニット19a、19b、および転舵輪20L、20Rを備える。
ステアリングシャフト12は、入力軸12aと、出力軸12bと、を備える。入力軸12aの一方の端部はステアリングホイール11に連結され、入力軸12aの他方の端部は、トルクセンサ31を介して出力軸12bの一方の端部に連結される。出力軸12bの他方の端部はユニバーサルジョイント14aに連結される。これら入力軸12aおよび出力軸12b間には、図示しないトーションバーが介装されている。
運転者から作用される操舵力は、ステアリングホイール11から入力軸12aと出力軸12bとを有するステアリングシャフト12に伝達される。そして、出力軸12bに伝達された操舵力は、ユニバーサルジョイント14aを介してインターミディエイトシャフト15に伝達され、さらに、ユニバーサルジョイント14bを介してピニオンシャフト16に伝達される。このピニオンシャフト16に伝達された操舵力は、ステアリングギヤ17を介してタイロッド18a、18bにそれぞれ伝達され、ハブユニット19a、19bを介して転舵輪20L、20Rを転舵させる。
ここで、ステアリングギヤ17は、ピニオンシャフト16に連結されたピニオン17aと、このピニオン17aに噛合するラック17bと、を備え、ピニオン17aに伝達された回転運動をラック17bによって直進運動に変換している。
操舵補助機構13は、ステアリングシャフト12の出力軸12bに連結され、操舵補助力を出力軸12bに伝達する。この操舵補助機構13は、出力軸12bに連結された減速ギヤ21と、この減速ギヤ21に連結されて操舵系に対して補助操舵力を発生する電動モータ22と、を備える。
ここで、電動モータ22は、例えば3相ブラシレスモータとすることができる。また、減速ギヤ21は、例えばウォームギヤとすることができる。この場合、電動モータ22で生じたトルクは、減速ギヤ21の内部のウォームを介してウォームホイールに伝達され、ウォームホイールを回転させる。これにより、減速ギヤ21は、電動モータ22で生じたトルクを増加させ、出力軸12bに補助操舵トルクを与える。
トルクセンサ31は、ステアリングホイール11に付与されて入力軸12aに伝達された操舵トルクを検出するためのもので、図示しないトーションバーで連結された入力軸12aと出力軸12bとの相対的な変位(回転変位)を、コイル対のインピーダンスの変化に対応させて検出する。このトルクセンサ31から出力されるトルク検出値は、コントロールユニット(ECU)30に入力される。
ECU30は、車載電源であるバッテリ38から電源供給されることによって作動する。バッテリ38の負極は接地され、その正極は、エンジン始動を行うイグニッションスイッチ39を介してECU30に接続されるとともに、イグニッションスイッチ39を介さずに直接、ECU30に接続されている。
ECU30は、所定のプログラムを実行することで上述したモータ制御装置320の機能を実現するCPUを具備する。
ECU30は、トルクセンサ31により検出されたトルク検出値の他に、車速センサ32により検出された車速検出値を取得する。そして、ECU30は、これらに応じた操舵補助力を操舵系に付与する操舵補助制御(操舵アシスト)を行う。具体的には、ECU30は、トルク検出値と車速検出値とに基づいて操舵補助指令値(操舵補助トルク指令値)を算出する。そして、ECU30は、算出した操舵補助トルク指令値に基づいて、電動モータ22に供給する駆動電流を制御する。
ここで、ECU30は、上記の操舵補助トルク指令値を図2のトルク指令値τ*とし、上記の電動モータ22を図2のモータ310として、図2に示すモータ制御装置320と同様の機能を実現することができる。
したがって、操舵補助制御(操舵アシスト)を行うための車載の永久磁石同期モータの最大トルク制御を容易かつ適切に実現することができる。したがって、高効率化が実現された電動パワーステアリング装置とすることができる。
また、上述した第三の実施形態のように、図2の電流指令生成部304が図7に示す構成を有する場合には、電動モータ22の駆動時におけるトルクリップルを適切に抑制することができる。
図9に示すようなコラムタイプEPSの場合、電動モータ22が運転者(ステアリングホイール11)に近いため、電動モータ22の振動が機械要素を通じて運転者に伝わりやすい。また、電動モータ22の振動が原因で騒音が発生し、これが車室内に伝わり、搭乗者へ不快感を与えてしまう。上記のように電動モータ22のトルクリップルを適切に抑制することができれば、トルクリップルに起因する騒音を低減することができ、車室内の静粛性を向上させることができる。
(変形例)
上記各実施形態においては、モータシステム300の適用例として、電動パワーステアリング装置10を示したが、上記に限定されるものではない。モータシステム300は、例えば、ブレーキペダル操作を電気信号に変換し、アクチュエータを介して摩擦ブレーキを差動させる電動ブレーキ(ブレーキ・バイ・ワイヤ)や、ステアリング操作を電気信号に変換し、アクチュエータを介して車輪を転舵するステア・バイ・ワイヤなどにも適用可能である。なお、制御対象のモータは、上述したような車載のモータに限定されるものではない。
なお、本発明は、上述した実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワークまたは記憶媒体を介して、システムまたは装置に供給し、そのシステムまたは装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読み出し実行することによっても実現可能である。この場合、記録媒体から読み出されたプログラム自体が実施形態の機能を実現することになる。また、当該プログラムを記録した記録媒体は本発明を構成することができる。
また、コンピュータが読み出したプログラムを実行することにより、実施形態の機能が実現されるだけでなく、プログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているオペレーティングシステム(OS)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって上記した実施形態の機能が実現されてもよい。
10…電動パワーステアリング装置、300…モータシステム、304…電流指令生成部、304a…偏角算出部、304b…t軸電流指令生成部、304c…f軸電流指令生成部、304d…dq軸電流指令生成部、304e…トルク指令補正部、320…モータ制御装置

Claims (8)

  1. 永久磁石同期モータを駆動制御するモータ制御装置であって、
    前記永久磁石同期モータのdq軸電流と、磁気飽和により変動し得るパラメータとに基づいて、回転座標系であるdq座標系と最大トルク制御座標系であるft座標系との偏角を算出する偏角算出部と、
    前記永久磁石同期モータのトルク指令値に基づいて、前記ft座標系におけるt軸電流指令値を生成するt軸電流指令生成部と、
    前記ft座標系におけるf軸電流指令値を零として生成するf軸電流指令生成部と、
    前記偏角算出部により算出された偏角と、前記t軸電流指令生成部により生成されたt軸電流指令値と、前記f軸電流指令生成部により生成されたf軸電流指令値と、に基づいて、回転座標変換によりdq軸電流指令値を生成するdq軸電流指令生成部と、を備え
    前記パラメータは、永久磁石鎖交磁束、d軸インダクタンスおよびq軸インダクタンスであり、
    前記偏角算出部は、
    前記d軸インダクタンスと前記q軸インダクタンスとの差をdq軸電流に対して一定とし、前記永久磁石鎖交磁束をq軸電流の2次関数として、前記偏角を算出することを特徴とするモータ制御装置。
  2. 永久磁石同期モータを駆動制御するモータ制御装置であって、
    前記永久磁石同期モータのdq軸電流と、磁気飽和により変動し得るパラメータとに基づいて、回転座標系であるdq座標系と最大トルク制御座標系であるft座標系との偏角を算出する偏角算出部と、
    前記永久磁石同期モータのトルク指令値に基づいて、前記ft座標系におけるt軸電流指令値を生成するt軸電流指令生成部と、
    前記ft座標系におけるf軸電流指令値を零として生成するf軸電流指令生成部と、
    前記偏角算出部により算出された偏角と、前記t軸電流指令生成部により生成されたt軸電流指令値と、前記f軸電流指令生成部により生成されたf軸電流指令値と、に基づいて、回転座標変換によりdq軸電流指令値を生成するdq軸電流指令生成部と、を備え、
    前記パラメータは、永久磁石鎖交磁束、d軸インダクタンスおよびq軸インダクタンスであり、
    前記偏角算出部は、
    前記d軸インダクタンスと前記q軸インダクタンスとの差をdq軸電流に対して一定とし、前記永久磁石鎖交磁束をq軸電流の1次関数として、前記偏角を算出することを特徴とするータ制御装置。
  3. 前記偏角算出部は、
    前記永久磁石同期モータのトルク式から導出される、d軸電流をq軸電流で微分した式に従って、π/2から前記偏角を減算した角度を算出し、当該角度から前記偏角を算出することを特徴とする請求項1または2に記載のモータ制御装置。
  4. 前記偏角算出部は、
    前記永久磁石同期モータのトルク式から導出される、q軸電流をd軸電流で微分した式に従って、前記偏角を算出することを特徴とする請求項1または2に記載のモータ制御装置。
  5. 前記永久磁石同期モータのトルクリップルを推定するトルクリップル推定部と、
    前記トルクリップル推定部により推定されたトルクリップルに基づいて、前記トルク指令値を補正するトルク指令補正部をさらに備え、
    前記t軸電流指令生成部は、
    前記トルク指令補正部により補正されたトルク指令値に基づいて、前記t軸電流指令値を生成することを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載のモータ制御装置。
  6. 永久磁石同期モータを駆動制御するモータ制御方法であって、
    前記永久磁石同期モータのdq軸電流と、磁気飽和により変動し得るパラメータとに基づいて、回転座標系であるdq座標系と最大トルク制御座標系であるft座標系との偏角を算出するステップと、
    前記永久磁石同期モータのトルク指令値に基づいて、前記ft座標系におけるt軸電流指令値を生成するステップと、
    前記ft座標系におけるf軸電流指令値を零として生成するステップと、
    前記偏角と、前記t軸電流指令値と、前記f軸電流指令値と、に基づいて、回転座標変換によりdq軸電流指令値を生成するステップと、を含み、
    前記パラメータは、永久磁石鎖交磁束、d軸インダクタンスおよびq軸インダクタンスであり、
    前記偏角を算出するステップは、
    前記d軸インダクタンスと前記q軸インダクタンスとの差をdq軸電流に対して一定とし、前記永久磁石鎖交磁束をq軸電流の2次関数として、前記偏角を算出することを特徴とするモータ制御方法。
  7. 請求項1からのいずれか1項に記載のモータ制御装置を備えることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  8. コンピュータを、請求項1からのいずれか1項に記載のモータ制御装置の各部として機能させるためのプログラム。
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