JP7334468B2 - 血液試料保存剤 - Google Patents
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Description
[1]
目的細胞、抗血小板剤及び抗凝固剤を含む、血液試料の作製方法。
[2]
ホルムアルデヒドドナー化合物をさらに含む、[1]に記載の方法。
[3]
抗血小板剤と抗凝固剤とを血液試料に添加した後、低温において保存する工程を含む、[1]または[2]に記載の方法。
[4]
親水性高分子化合物を血液試料に添加する工程をさらに含む、[1]~[3]のいずれかに記載の方法。
[5]
水溶性ビタミンE類似物質を血液試料に添加する工程をさらに含む、[1]~[4]のいずれかに記載の方法。
[6]
抗凝固剤がキレート剤である、[1]~[5]のいずれかに記載の方法。
[7]
抗血小板剤が血小板GPIIb/IIIa受容体に対する阻害剤である、[1]~[6]のいずれかに記載の方法。
[8]
ホルムアルデヒドドナー化合物が、イミダゾリジニル尿素、ベンジルヘミホルマール(フェニルメトキシメタノール)、5-ブロモ-5-ニトロ-1,3-ジオキサン、ブロノポール(2-ブロモ-2-ニトロプロペイン-1,3-ジオール)、ジアゾリジニル尿素、DMDMヒダントイン(1,3-ジメチロール-5,5-ジメチルヒダントイン)、メセナミン(ヘキサメチレンテトラミン)、クオタニウム-15(メセナミン 3-クロロアリロクロリド)、ヒドロキシメチルグリシンナトリウム、アミンやアミドのメチロール、ヒドロキシメチル誘導体、メチロール、及びメテンアミンの中から選ばれる一以上の化合物である、[1]~[7]のいずれかに記載の方法。
[9]
親水性高分子化合物がポリエチレングリコールである、[1]~[8]のいずれかに記載の方法。
[10]
低温が、0℃以上25℃未満である、[3]に記載の方法。
[11]
以下の(1)~(3)に示す工程を含む、血液試料中に含まれる目的細胞の検出方法。
(1)[1]~[10]のいずれかに記載の方法で血液試料を作製する工程、
(2)得られた血液試料中に含まれる赤血球を破砕または除去する工程、
(3)(2)の工程を行なった後の血液試料から目的細胞を検出する工程
[12]
[11]に記載の方法で目的細胞を検出した後、当該検出した細胞を採取する、血液試料中に含まれる目的細胞の採取方法。
[13]
目的細胞、抗血小板剤、および抗凝固剤を含む、血液試料。
[14]
ホルムアルデヒドドナー化合物をさらに含む、請求項13に記載の血液試料。
[15]
抗血小板剤、抗凝固剤を含む、低温保存用の血液試料保存剤。
[16]
ホルムアルデヒドドナー化合物をさらに含む、[15]に記載の血液試料保存剤。
(1)一方の末端がメトキシ基であり、もう一方の末端がN-ヒドロオキシスクシンイミドエステル基である、分子量5000のポリエチレングリコール(mPEG-NHS)と、ウシ血清アルブミン(BSA)(300mg、0.3mmol)とを、炭酸水素ナトリウム緩衝液(0.1M、15mL)に溶解させ、当該溶液を25℃近傍で3時間撹拌することでポリエチレングリコールを結合したBSA(PEG-BSA)を調製した。なお調製する際、mPEG-NHSとBSAとのモル比(mPEG-NHS/BSA)を2となるようにした。調製後、分画分子量10000の透析膜を用いて、純水への溶液置換を3日間行なった。
(1)インフォームドコンセントを得た健常人から血液をEDTA-2K採血管(VP-DK050K、テルモ社製)に5mL採血後、前記採血管に実施例1(3)で蛍光標識したPC9細胞約100個を添加し、得られた溶液を希釈血液試料とした。
(1)インフォームドコンセントを得た健常人から血液をEDTA-2K採血管(VP-DK050K、テルモ社製)に5mL採血後、前記採血管に実施例1(2)で調製した溶液0.75mL、および実施例1(3)で蛍光標識したPC9細胞約100個を添加し、得られた溶液を希釈血液試料とした。
(1)インフォームドコンセントを得た健常人から血液をEDTA-2K採血管(VP-DK050K、テルモ社製)に4mL採血後、前記採血管に実施例1(2)で調製した溶液0.6mL、実施例1(3)で蛍光標識したPC9細胞約100個、および0.5mg/mLチロフィバン水溶液192μLを添加し、得られた溶液を希釈血液試料とした。
インフォームドコンセントを得た健常人から血液をEDTA-2K採血管(VP-DK050K、テルモ社製)に4mL採血後、前記採血管に実施例1(2)で調製した溶液0.6mL、実施例1(3)で蛍光標識したPC9細胞約100個、0.5mg/mLチロフィバン水溶液192μL、および3.6mg/mLヘパリンPBS溶液74μLを添加し、得られた溶液を希釈血液試料とした他は、実施例2と同様な方法で、PC9細胞の分離回収および回収率の算出を行なった。
インフォームドコンセントを得た健常人から血液をEDTA-2K採血管(VP-DK050K、テルモ社製)に10mL採血後、前記採血管に実施例1(2)で調製した溶液1.5mL、および実施例1(3)で蛍光標識したPC9細胞約100個を添加し、得られた溶液を希釈血液試料とした他は、実施例2と同様な方法で、PC9細胞の分離回収および回収率の算出を行なった。
(1)イミダゾリジニル尿素2.3g、分子量6000のPEG2.3g、EDTA30mg、および以下の(a)から(e)に示すいずれかの重量のチロフィバンを、溶液として30mLになるよう、超純水で溶解した。
(a)9.6mg
(b)4.8mg
(c)2.4mg
(d)0.12mg
(e)0.048mg
(2)インフォームドコンセントを得た健常人から血液をEDTA-2K採血管(VP-DK050K、テルモ社製)に5mL採血後、前記採血管に(1)で調製した(a)から(e)いずれかの溶液0.75mL、実施例1(3)で蛍光標識したPC9細胞約100個を添加し、得られた溶液を希釈血液試料とした。
比較例4
実施例4(1)においてチロフィバンを添加しなかった他は、実施例4と同様な方法で、PC9細胞の分離回収および回収率の算出を行なった。
(1)イミダゾリジニル尿素2.3g、分子量2000のPEG0.23g、EDTA30mg、および以下の(a)から(c)に示すいずれかの抗血小板剤を、溶液として30mLになるよう、PBSで溶解した。
(a)チロフィバン9.6mg
(b)エプチフィバチド4mg
(c)エプチフィバチド0.4mg
(2)インフォームドコンセントを得た健常人から血液をEDTA-2K採血管(VP-DK050K、テルモ社製)に5mL採血後、前記採血管に(1)で調製した(a)から(c)いずれかの溶液0.75mL、実施例1(3)で蛍光標識したPC9細胞約100個を添加し、得られた溶液を希釈血液試料とした。
比較例5
実施例5(1)において抗血小板剤を添加しなかった他は、実施例5と同様な方法で、PC9細胞の分離回収および回収率の算出を行なった。
(1)イミダゾリジニル尿素2.3g、分子量6000のPEG0.23g、EDTA30mg、チロフィバン9.6mg、および以下の(a)から(c)に示すいずれかの量のホルマリンを、溶液として30mLになるよう、超純水で溶解した。
(a)56μl
(b)5.6μl
(c)未添加
(2)インフォームドコンセントを得た健常人から血液をEDTA-2K採血管(VP-DK050K、テルモ社製)に5mL採血後、前記採血管に(1)で調製した(a)から(c)いずれかの溶液0.75mL、実施例1(3)で蛍光標識したPC9細胞約100個を添加し、得られた溶液を希釈血液試料とした。
(1)イミダゾリジニル尿素2.3g、EDTA30mg、チロフィバン9.6mg、および以下の(a)から(f)に示すいずれかの量の分子量6000のPEGを、溶液として30mLになるよう、超純水で溶解した。
(a)2.3g
(b)1.15g
(c)0.575g
(d)0.23g
(e)0.023g
(f)未添加
(2)インフォームドコンセントを得た健常人から血液をEDTA-2K採血管(VP-DK050K、テルモ社製)に5mL採血後、前記採血管に(1)で調製した(a)から(f)いずれかの溶液0.75mL、実施例1(3)で蛍光標識したPC9細胞約100個を添加し、得られた溶液を希釈血液試料とした。
(1)イミダゾリジニル尿素2.3g、EDTA30mg、チロフィバン9.6mg、および分子量6000のPEG2.3gを、溶液として30mLになるよう、超純水で溶解した。
(1)イミダゾリジニル尿素2.3g、EDTA30mg、チロフィバン9.6mg、および分子量6000のPEG0.23gを、溶液として30mLになるよう、超純水で溶解した。
(1)イミダゾリジニル尿素2.3g、EDTA30mg、チロフィバン9.6mg、および以下の(a)から(d)に示すいずれかの分子量のPEG0.23gを、溶液として30mLになるよう、超純水で溶解した。
(a)分子量2000
(b)分子量4000
(c)分子量6000
(d)分子量20000
(2)インフォームドコンセントを得た健常人から血液をEDTA-2K採血管(VP-DK050K、テルモ社製)に5mL採血後、前記採血管に(1)で調製した(a)から(d)いずれかの溶液0.75mL、実施例1(3)で蛍光標識したPC9細胞約100個を添加し、得られた溶液を希釈血液試料とした。
(1)EDTA30mg、チロフィバン9.6mg、分子量2000のPEG0.23g、および以下の(a)から(c)に示すいずれかの量のイミダゾリジニル尿素を、溶液として30mLになるよう、超純水で溶解した。
(a)1.15g
(b)2.3g
(c)4.6g
(2)インフォームドコンセントを得た健常人から血液をEDTA-2K採血管(VP-DK050K、テルモ社製)に5mL採血後、前記採血管に(1)で調製した(a)から(c)いずれかの溶液0.75mL、実施例1(3)で蛍光標識したPC9細胞約100個を添加し、得られた溶液を希釈血液試料とした。
(1)イミダゾリジニル尿素2.3g、EDTA30mg、チロフィバン9.6mg、および分子量2000のPEG0.23gを、溶液として30mLになるよう、以下の(a)から(d)に示すいずれかの溶媒で溶解した。
(a)超純水
(b)PBS
(c)0.9%塩化ナトリウム(NaCl)を溶解させたPBS
(d)1.8%NaClを溶解させたPBS
(2)インフォームドコンセントを得た健常人から血液をEDTA-2K採血管(VP-DK050K、テルモ社製)に5mL採血後、前記採血管に(1)で調製した(a)から(d)いずれかの溶液0.75mL、実施例1(3)で蛍光標識したPC9細胞約100個を添加し、得られた溶液を希釈血液試料とした。
(1)EDTA30mg、チロフィバン9.6mg、および分子量2000のPEG0.23gを、溶液として30mLになるよう、PBSで溶解した。
比較例6
実施例13(1)においてチロフィバンを添加しなかった他は、実施例13と同様な方法で、PC9細胞の分離回収および回収率の算出を行なった。
(1)イミダゾリジニル尿素2.3g、EDTA30mg、チロフィバン9.6mgもしくは未添加、および分子量2000のPEG0.23gを、溶液として30mLになるよう、PBSで溶解した。
(2)インフォームドコンセントを得た健常人から血液をEDTA-2K採血管(VP-DK050K、テルモ社製)に5mL採血後、PBS5mLで希釈した前記血液を300×gで10分間、25℃で遠心分離した。上清である血漿1mLをエッペンチューブに回収し、前記エッペンチューブに(1)で調製した溶液0.15mLを添加し、得られた溶液を希釈血液試料とした。
(3)希釈血液試料を4℃で2日間放置後、ゲル状物質の形成有無を観察した。
(1)イミダゾリジニル尿素2.3g、EDTA30mg、チロフィバン9.6mg、および分子量2000のPEG0.23gを、溶液として30mLになるよう、PBSで溶解した。
(a)(1)で調製した溶液0.75mL
(b)(1)で調製した溶液0.75mLおよびトロロックス0.575mgをDMSO11.5μLで溶解した溶液の混合溶液
(3)希釈血液試料を4℃で2日間放置後、実施例1(6)から(11)と同様な方法で、懸濁液に含まれる細胞を保持部60に保持させた
(4)保持部60に保持されたPC9細胞数および白血球を計測し、計数したPC9細胞数を(2)で添加したPC9細胞数で除することで回収率を算出し、また計数した白血球数を(2)の血液に含まれる白血球数で除することで白血球残存率を算出した。
(1)イミダゾリジニル尿素2.3g、EDTA30mg、チロフィバン9.6mg、および分子量2000のPEG0.23gを、溶液として30mLになるよう、超純水で溶解した。
(a)(1)で調製した溶液0.75mL
(b)(1)で調製した溶液0.75mLおよびDMSO11.5μLの混合溶液
(c)(1)で調製した溶液0.75mLおよびDMSO46μLの混合溶液
(3)希釈血液試料を4℃で2日間放置後、実施例1(6)から(12)と同様な方法で、PC9細胞の分離回収および回収率の算出を行なった。
(1)イミダゾリジニル尿素2.3g、EDTA30mg、チロフィバン9.6mg、および分子量2000のPEG0.23gを、溶液として30mLになるよう、超純水で溶解した。
(a)(1)で調製した溶液0.75mLおよびトロロックス0.144mgをDMSO11.5μLで溶解した溶液の混合溶液
(b)(1)で調製した溶液0.75mLおよびトロロックス0.575mgをDMSO11.5μLで溶解した溶液の混合溶液
(c)(1)で調製した溶液0.75mLおよびトロロックス1.15mgをDMSO11.5μLで溶解した溶液の混合溶液
(3)希釈血液試料を4℃で2日間放置後、実施例1(6)から(12)と同様な方法で、PC9細胞の分離回収および回収率の算出を行なった。
(1)イミダゾリジニル尿素2.3g、EDTA30mg、チロフィバン9.6mg、および分子量2000のPEG0.23gを、溶液として30mLになるよう、超純水で溶解した。
(1)イミダゾリジニル尿素2.3g、EDTA30mg、チロフィバン9.6mg、および分子量2000のPEG0.23gを、溶液として30mLになるよう、PBSで溶解した。
(a)(1)で調製した溶液0.75mL(血液保存剤)
(b)(1)で調製した溶液0.75mLおよびトロロックス0.575mgをDMSO11.5μLで溶解した溶液を混合後10分以内の溶液
(c)(1)で調製した溶液0.75mLおよびトロロックス0.575mgをDMSO11.5μLで溶解した溶液を混合後4週間の溶液
(3)希釈血液試料を4℃で2日間放置後、実施例1(6)から(11)と同様な方法で、懸濁液に含まれる細胞を保持部60に保持させた
(4)保持部60に保持されたPC9細胞数および白血球を計測し、計数したPC9細胞数を(2)で添加したPC9細胞数で除することで回収率を算出し、また計数した白血球数を(2)の血液に含まれる白血球数で除することで白血球残存率を算出した。
(1)ヒト肺がん細胞(PC9細胞)を、5%CO2環境下、10%FBS(ウシ胎児血清)を含むRPMI-1640培地を用いて37℃で24から96時間培養後、0.25%トリプシン/1mM EDTAを用いて培地から細胞を剥離した。剥離したPC9細胞を目的とする細胞とした。
(5)実施例1(11)の条件で交流電圧を印加しながら、0.01(w/v)%のポリ-L-リジンを含む300mMマンニトール水溶液を導入し、3分間静置後、前記交流電圧の印加を停止し、前記水溶液を吸引除去した。
(6)50%(v/v)エタノールと1%(w/v)ホルムアルデヒドを含む水溶液(以下、「細胞膜透過試薬」と称する)を導入し、10分間静置することで、細胞膜を透過させ、保持部にCTCを含めた細胞を標本化した。
(7)細胞膜透過試薬を吸引除去し、PBSを導入することで、残留した細胞膜透過試薬を洗浄した。
(8)細胞膜内外のタンパク質と特異的に結合可能な蛍光標識抗体と、細胞核を標識する蛍光試薬(DAPI:4’,6-diamidino-2-phenylindole)を含む水溶液(以下、標識試薬)を導入し、30分間静置した。なお、前記標識された抗体として、白血球表面に発現しているCD45に対する抗体と、PC9細胞の細胞質内で発現しているサイトケラチン(CK)に対する抗体を用いている。
(9)標識試薬を吸引除去し、PBSを導入することで、残留した標識試薬を除去した。
(10)(9)で標識したPC9細胞を含む細胞保持手段を蛍光顕微鏡のステージ上に載置した後、複数の保持孔に捕捉した全ての細胞を観察するために保持部全体の撮像を行った。これにはコンピューター制御式電動ステージ、CMOSカメラ(ORCA-Flash4.0;浜松ホトニクス社製)を装備した蛍光顕微鏡(IX83;オリンパス社製)を用いた。画像取得及び解析ソフトウェアにはLabVIEW(National Instruments社製)を用いた。
(11)(10)で撮像した細胞の中から、細胞核を有していることを示すDAPIで染色されており(DAPI陽性)、白血球で発現しているCD45に対する抗体では染色されず(CD45陰性)、CKに対する抗体で染色されている(CK陽性)細胞を、目的とする細胞(PC9細胞)として検出した。
PC9細胞の検出率は87.9%となり、抗体による標識を行わなかった実施例18(b)のPC9細胞の回収率90.3%と比較しても、変化は見られなかった。この結果は、7日間保存してもPC9細胞で発現している抗原が安定に保持・保存されていることを示し、抗体等による標識を行う場合でも精度よく目的とする細胞を標識できることがわかる。
実施例20
(1)イミダゾリジニル尿素2.3g、EDTA30mg、チロフィバン9.6mg、および分子量2000のPEG0.23gを、溶液として30mLになるよう、PBSで溶解した。
(1)実施例19(3)においてPC9細胞を添加せず、実施例19(4)の保存条件を氷冷(0℃)、4、15、20、25、37℃でそれぞれ2日間放置した他は、実施例19(2)から(10)と同様な方法で標識した細胞を撮像した。
(1)イミダゾリジニル尿素2.3g、EDTA30mg、チロフィバン19.2mg、および分子量2000のPEG0.23gを、溶液として30mLになるよう、PBSで溶解した。
実施例23
(1)イミダゾリジニル尿素2.3g、EDTA30mg、チロフィバン19.2mg、および以下の(a)から(c)に示すいずれかの分子量のPEG0.23gもしくは(d)エチレングリコール0.23gを、溶液として30mLになるよう、PBSで溶解した。
(a)分子量1540
(b)分子量600
(c)分子量200
(2)インフォームドコンセントを得た健常人から血液をEDTA-2K採血管(VP-DK050K、テルモ社製)に5mL採血後、前記採血管に(1)で調製した(a)から(d)いずれかの溶液0.75mLおよびトロロックス0.575mgをDMSO11.5μLで溶解した溶液の混合溶液と、実施例1(3)で蛍光標識したPC9細胞約100個とを添加し、得られた溶液を希釈血液試料とした。
(1)イミダゾリジニル尿素2.3g、EDTA30mg、チロフィバン19.2mg、分子量2000のPEG0.23g、および以下のRGD配列を含むペプチド13.3mgを、溶液として30mLになるよう、PBSで溶解した。
(a)GRGDNP配列のペプチド
(b)環状RGD配列のペプチドであるCilengitide
(c)未添加
(2)インフォームドコンセントを得た健常人から血液をEDTA-2K採血管(VP-DK050K、テルモ社製)に5mL採血後、前記採血管に(1)で調製した溶液0.75mLおよびトロロックス0.575mgをDMSO11.5μLで溶解した溶液の混合溶液を添加し、得られた溶液を希釈血液試料とした。
11:遮光部材
12:絶縁体
11a・12a:貫通孔
20:スペーサー
21:導入口
22:排出口
23:貫通部
31・32:電極基板
40:導線
50:信号発生器
60:保持部
70:細胞
Claims (9)
- 抗血小板剤と抗凝固剤とホルムアルデヒドドナー化合物とを血液試料に添加した後、0℃以上25℃未満において保存する工程を含む、血液試料の作製方法。
- 親水性高分子化合物を血液試料に添加する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
- 水溶性ビタミンE類似物質を血液試料に添加する工程をさらに含む、請求項1~2のいずれかに記載の方法。
- 抗凝固剤がキレート剤である、請求項1~3のいずれかに記載の方法。
- 抗血小板剤が血小板GPIIb/IIIa受容体に対する阻害剤である、請求項1~4のいずれかに記載の方法。
- ホルムアルデヒドドナー化合物が、イミダゾリジニル尿素、ベンジルヘミホルマール(フェニルメトキシメタノール)、5-ブロモ-5-ニトロ-1,3-ジオキサン、ブロノポール(2-ブロモ-2-ニトロプロペイン-1,3-ジオール)、ジアゾリジニル尿素、DMDMヒダントイン(1,3-ジメチロール-5,5-ジメチルヒダントイン)、メセナミン(ヘキサメチレンテトラミン)、クオタニウム-15(メセナミン 3-クロロアリロクロリド)、ヒドロキシメチルグリシンナトリウム、アミンやアミドのメチロール、ヒドロキシメチル誘導体、メチロール、及びメテンアミンの中から選ばれる一以上の化合物である、請求項1~5のいずれかに記載の方法。
- 親水性高分子化合物がポリエチレングリコールである、請求項1~6のいずれかに記載の方法。
- 以下の(1)~(3)に示す工程を含む、血液試料中に含まれる目的細胞の検出方法。
(1)請求項1~7のいずれかに記載の方法で血液試料を作製する工程、
(2)得られた血液試料中に含まれる赤血球を破砕または除去する工程、
(3)(2)の工程を行なった後の血液試料から目的細胞を検出する工程 - 請求項8に記載の方法で目的細胞を検出した後、当該検出した細胞を採取する、血液試料中に含まれる目的細胞の採取方法。
Applications Claiming Priority (2)
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