JP2017523432A - 全血サンプルの安定化 - Google Patents
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Abstract
Description
本願は、2014年8月15日に出願された米国仮特許出願番号第62/037,632号および2014年8月7日に出願された第62/034,481号の利益を主張する。前記のものの全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
本発明は、米国国立衛生研究所によって拠出された助成金第EB002503号および同EB012493号のもと、政府の助成を受けて行われた。政府は、本発明において特定の権利を有する。
精製された血液成分のために設計される保存溶液における進展にもかかわらず、全血の保存における進歩は、比較的制限されており、血液沈殿の基本的な問題に対処する試みはなされてこなかった。本明細書において示されるように、血液沈殿および関連する細胞分解は、物理的安定化によって最小化され得る。
ρpは、球の密度であり、ρfは、流体の密度であり、μは、流体の粘度であり、gは、重力であり、Rは、球の半径である]を示す。したがって、沈殿速度は、密度の差(球と流体間)および半径の二乗に比例し、流体粘度に反比例する。この方程式は、赤血球凝集(Rの増大)が赤血球沈殿速度(ESR)を増大する理由を説明する。
RBC凝集の阻害は、処理および細胞保存の両方の点で血液サンプルにいくつかの利益を付与する。第1に、最重要に、血液沈殿が、ほとんど完全に防がれ、これは、連続混合の必要性を排除し、したがって、血液の反復される連続サンプリングを必要とする貯蔵および輸送ならびに実験室アッセイを促進し得る。さらに、このアプローチは、低せん断粘度を低下させることによって血液のレオロジー特性を改善する(図2A)。全血では、RBC凝集物を最初に分散させ、特徴的なせん断流動化(shear-thinning)挙動を引き起こすにはさらなるストレスが必要である(20、27)。F70の添加によって、低せん断範囲で血液サンプルがより容易に流れることが可能となり(図2A)、これは、特に、微小流体適用において関連する。実際、臨床設定において血液灌流を改善するために小ポリマーが利用されてきた(28、29)。
第2の方法では、任意選択で、カスパーゼ阻害剤を含む最適化された保存料製剤が開発された。この製剤は、臨床サンプルに、また周囲(例えば、20〜25℃)温度で維持されるべきすべてのサンプルに特に適している。
第3の方法では、サンプルに血小板凝集抑制剤を添加し、その後、サンプルを冷却し、低温、例えば、2〜25℃で維持する。血小板凝集抑制剤は、血小板を、それだけには限らないが、抗体ベースの細胞濃縮および微小流体血液細胞選別を含めた単離技術を干渉する活性化および凝集から防ぐ。シクロオキシゲナーゼ阻害剤(例えば、アセチルサリチル酸およびトリフルサル(Disgren));アデノシン二リン酸(ADP)受容体阻害剤(例えば、クロピドグレル(Plavix)、プラスグレル(Effient)、チカグレロル(Brilinta)またはチクロピジン(Ticlid));ホスホジエステラーゼ阻害剤(例えば、シロスタゾール(Pletal));プロテアーゼ活性化受容体−1(PAR−1)アンタゴニスト(例えば、ボラパクサール(Zontivity));糖タンパク質IIB/IIIA阻害剤(例えば、アブシキマブ(ReoPro)、エプチフィバチド(Integrilin)、ロキシフィバン(roxifiban)、オルボフィバン(orbofiban)またはチロフィバン(Aggrastat));アデノシン再取り込み阻害剤(例えば、ジピリダモール(Persantine));トロンボキサン阻害剤(例えば、トロンボキサンシンターゼ阻害剤またはテルトロバン(Terutroban)などのトロンボキサン受容体アンタゴニスト);またはP−セレクチン媒介性細胞間接着の阻害剤(例えば、KF38789(3−[7−(2,4−ジメトキシフェニル)−2,3,6,7−テトラヒドロ−1,4−チアゼピン−5−イル]−4−ヒドロキシ−6−メチル−2H−ピラン−2−オン))を含めた、いくつかの血小板凝集抑制剤は、当技術分野で公知である。好ましい実施形態では、血小板凝集抑制剤は、糖タンパク質IIB/IIIA阻害剤、例えば、チロフィバン、ロキシフィバン(roxifiban)、オルボフィバン(orbofiban)、エプチフィバチドまたはアブシキマブである。いくつかの実施形態では、0.01〜100μg/ml、例えば、0.01〜1μg/ml、例えば、0.01〜0.5μg/mLの範囲の投与量を得るために、血小板凝集抑制剤の十分な量がサンプルに添加される。
実施例
全血サンプルの保存を改善する試みにおいて、本発明者らは、この流体組織の貯蔵における基本的であるが、見落とされた態様、すなわち、血液沈殿に対処した。血液沈殿は、機械的ストレスを誘導するだけでなく、血液細胞を圧縮し、活性化された、分解性白血球によって引き起こされる付随的損傷を加速する。本発明者らは、ポリマーフィコール70kDaは、主に、赤血球凝集を抑制することによって、72時間にわたって血液サンプルを安定化し、血液沈殿を防ぐことを見出した。このアプローチは、赤血球溶解および免疫磁気精製を含めた一般的な白血球濃縮技術と適合した。棘状赤血球形成および白血球生存力およびアポトーシスを含めた尺度において沈殿した血液を比較した場合に、物理的安定化は、細胞の優れた保存と関連していた。注目すべきことに、好中球の完全性は保存され、好中球エラスターゼ−好中球細胞外トラップのマーカーの放出が大幅に低減した。この研究は、血液沈殿は、生体材料を使用して防がれ得、さまざまな診断技術において意味を有することを最初に示した。
以下の材料および方法を実施例1において使用した。
血液サンプルおよびフィコールの添加
血液サンプルは、健常なボランティアから入手するか、またはResearch Blood Components(Brighton、MA)から購入した。すべての血液サンプルは、クエン酸デキストロース−A(ACD−A)チューブ(BD Vacutainer;8.5mL)中に入れ、4時間以内に使用した。
赤血球沈殿速度(ESR)アッセイは、標準化されたWestergren方法(Dispette 2;Fisherbrand)の寸法に一致するピペットを使用して、1.3mLの全血またはフィコール血液を用いて実施した。ESRをミリリットルで、24、48および72時間に記録した。
スチール二重壁同心円筒構造を有するTA Instruments Discovery HR−3血流計を使用して、クエット流動測定を実施した。各実験に8.5mLのサンプルを使用した。10年あたり5点で、0.1/s〜1000/sの範囲のせん断速度でデータ点を獲得した。
棘状赤血球の数え上げのために、サンプルを穏やかに混合し、その後、液滴(約10μL)をガラススライドに移し、スメアを引き、EVOS FL Cell Imaging System(Life Technologies)を使用して、位相差顕微鏡を使用して40×で撮像した。サンプルあたり約100個の無作為のRBCをカウントし、棘状赤血球をその明確な棘形成によって同定した。
赤血球溶解を、赤血球溶解溶液(Miltenyi Biotec)を使用して実施した。溶解後、細胞を300×gで遠心沈殿させ、10mL RoboSepバッファー(Miltenyi Biotec)で洗浄し、再度遠心沈殿させた、600μLのRoboSepバッファーに再懸濁し、Beckman Z2コールターカウンターを使用してカウントした。好中球濃縮を、EasySepヒト好中球濃縮キット(Stemcell Technologies)を、製造業者のプロトコールに従って使用して実施した。手短には、枯渇抗体カクテルを、濃縮された白血球(RBC溶解によって得られた)と混合し、続いて、磁性粒子とともにインキュベートした。次いで、標識不含好中球が別のコニカルチューブ中に流れるので、EasySep磁石を使用して不要な細胞を固定化した。濃縮された好中球を再度遠心沈殿させ、1mLの、0.3%BSAおよび10mM HEPESを含有するRPMI培地に再懸濁し、カウントし、イメージングフローサイトメトリーについて染色した。
イメージングフローサイトメトリーを、40×対物レンズ、6つのイメージングチャネルならびに405nm、488nmおよび642レーザーを備えたImageStreamX Mark IIイメージングフローサイトメーター(Amnis Corporation)を使用して実施した。細胞生存力およびCD45発現の解析のために、RBC溶解後、濃縮された白血球をHEPES緩衝生理食塩水中、0.1%BSAに再懸濁し、適用可能な場合には、以下の抗体および染色剤を用いて染色した:DRAQ5(1μM;Cell Signaling Technologies)、Sytox Blue(1μM;Life Technologies)、CellEventカスパーゼ−3/7緑色検出試薬(0.75μM;Life Technologies)、FITCコンジュゲートCD45抗体(1:500;クローン5B1;Miltenyi Biotec)、PEコンジュゲートCD66b抗体(1:125;クローンG10F5;Stemcell Technologies)およびPE−Cy7コンジュゲートCD16抗体(1:200または1:333;クローン3G8;BD Biosciences)。単細胞を核マーカーDRAQ5を使用してゲート開閉した。好中球をCD66bおよびCD16の二重陽性によって同定した。濃縮後、好中球活性化の解析のために、DRAQ5(1μM;Cell Signaling Technologies)、VioBlueコンジュゲートCD45抗体(1:100;クローン5B1;Miltenyi Biotec)、Alexa Fluor 488コンジュゲートCD11b抗体(1:500;クローンICRF44;Stemcell Technologies)、PEコンジュゲートCD66b抗体(1:125;クローンG10F5;Stemcell Technologies)およびPE−Cy7コンジュゲートCD16抗体(1:333;クローン3G8;BD Biosciences)を用いて細胞を染色した。
ポリ−L−リシンコーティングされたガラススライド上の血液スメアを、100%メタノールで固定化し、風乾し、4%パラホルムアルデヒドを用いて固定化し、室温で4時間ブロッキングし、透過処理した(2%ヤギ血清+0.1%Triton X−100)。次いで、スライドを、0.3%ウシ血清アルブミン中で抗好中球エラスターゼウサギpAb(25μg/mL;Calbiochem)および抗H2A−H2B−DNAマウスmAb(クローン PL2−6;1μg/mL)とともに4℃で終夜インキュベートした。次いで、スライドを、Alexa Fluor 488コンジュゲートヤギ抗ウサギIgGおよびAlexa Fluor 555コンジュゲートヤギ抗マウスIgG(両方とも1:500;Life Technologies)とともに室温で45分間インキュベートし、PBSですすぎ、DAPI(Vector Laboratories)を含むVECTASHIELD封入剤を使用してマウントした。Nikon Eclipse 90i顕微鏡でNikon S Plan Fluor ELWD 60x/0.70対物レンズを使用してQImaging Retiga 2000Rカメラを用いて画像を獲得した。
血液サンプルを穏やかに混合し、血漿中へのNET内容物の放出のために37℃に4時間加温し、PBSを用いて25%の最終血液容量画分に希釈し、その後、2000×gで5分間遠心分離した。次いで、上清を注意深く、新しい遠心分離管に移し、さらなる処理のために−80℃で貯蔵した。好中球エラスターゼのレベルを、好中球エラスターゼ活性アッセイキット(Cayman Chemical Company)を、製造業者のプロトコールに従って使用し、SpectraMax M5分光計(Molecular Devices)を使用して定量した。NETosisの陽性対照として、新鮮全血に酢酸ミリスチン酸ホルボール(100nM)を添加し、その後、インキュベートした。
数値データが、平均±標準偏差として報告されている。ペアワイズ比較は、マン・ホイットニーの検定を使用した。本発明者らは、密度の比較のために、1元配置分散分析法を使用し、直線傾向についてのポストテストを続けた。本発明者らは、WBおよびF70条件を経時的に比較するために、2元配置分散分析法と、それに続いて、ペアワイズ比較のためのボンフェローニポストテストを使用した。すべての統計分析をPrism 5(GraphPad)を用いて実施した。
本発明者らは、Westergren方法において使用された標準化されたピペットを用いてESRを定量化した(図1A)。フィコールの非存在下では、全血は迅速に沈殿し、24時間で62.6±26.5mmに達し、さらに、48および72時間で、それぞれ、78.9±20.0および84.9±15.6mmに達した(図1B)。フィコール70kDa(F70)を血液中に導入するために、本発明者らは、F70の濃縮された保存溶液(RPMI培地に溶解した)を血液サンプルに1:3の比で混合し、その結果、最終の示されたF70濃度(w/v)が得られた。5%、10%および15%F70の添加は、すべての測定された時点でESRを大幅に低減した(図1B;24、48および72時間のWBと比較してp<0.0001)。印象的に、10%および15%F70は、72時間にわたって沈殿をほぼ完全に防いだ(ESRは、それぞれ7.3±3.1mmおよび4±1.6mmであった;図1B)。本発明者らは、安定化効果は、添加された培地ではなく、F70によるものであったことを確認するために、全血を、RPMIを用いて同一比で希釈することによってESRが変化しないことを見出した(0%F70、図1B;すべての時点でWBと比較してp>0.05)。
本発明者らは、全血サンプルの物理的安定化が、赤血球の保存を改善するか否かを調べるために処理した。RBC老化の特有の特徴は、両凹円板形態の喪失および棘状赤血球と呼ばれる棘形成の出現を特徴とする(図3A)。本発明者らは、沈殿した全血またはフィコール安定化された血液における貯蔵の結果としての棘状赤血球のパーセンテージを定量化した(図3B)。全血における棘状赤血球レベルは、0時間での6.6±11.6%から、それぞれ、24、48および72時間での52.2±25.4%、63.2±25.9%および78.8±21.1%へ増大した。5%、10%または15%F70の添加は、貯蔵後の棘状赤血球レベルを有意に低減した(図3B;それぞれ、24、48および72時間でのWBに対して5%F70についてp<0.05、<0.01、<0.001;それぞれ、24、48および72時間でのWBに対して10%または15%F70について、p<0.001)。RPMIのみの添加(0%F70)は、予測されたように棘状赤血球形成に対して全く効果がなかった(すべての時点でp>0.05)。
血液細胞が関与する多数のアッセイは、所望の集団を高純度で単離する濃縮ステップを必要とする。本発明者らは、F70安定化された血液が、白血球濃縮のための一般的な技術と適合するか否かを調べた。本発明者らは、F70が、RBCの通例の低張溶解に影響を及ぼさず、全血サンプルと同等の白血球収率をもたらすことを見出した(WBの46.7±1.8%対10%F70の43.9±1.9%、各n=3、p=0.2)。フローサイトメトリー解析は、白血球マーカー、CD45の発現に関して変更がないことを示し(相対蛍光、WBの54±13×103対10%F70の56±21×103、各n=6、p=1.0)、一般的な表面抗原ベースの濃縮技術との適合性を示唆した。本発明者らは、全血と同等の、好中球濃縮のための免疫磁気ネガティブ選択アッセイおよび得られた収率(WBの30.7%±8.2%対10%F70の29.2%±10.5%、各n=4、p=0.89)ならびに純度(WBの99.0%±1.0%対10%F70の99.0%±0.8%、各n=4、p=1.0)をさらに試験した。重要なことに、フィコールを用いる処理は、好中球を活性化しなかった(CD11b相対蛍光、WBの123±36×103対10%F70の123±15×103、各n=4、p=0.89)。
物理的安定化が白血球保存を改善したか否かを試験するために、本発明者らは、Wright−Giemsa染色された血液スメアで白血球の形態を観察し、フローサイトメトリーを使用して細胞生存力をアッセイした。好中球およびそのそれぞれの多葉性核形態は、全血において72時間の貯蔵後に崩壊の明確な兆候を示した。比較において、好中球形態は、フィコール安定化された血液においてより良好に保存された(図4A)。細胞死と関連する事象を研究するために、本発明者らは、膜が損なわれた(Sytox Blue)ならびにアポトーシス(カスパーゼ−3/7活性について陽性)細胞を同定する染色剤を使用するイメージングフローサイトメトリーを実施した。全血において72時間貯蔵した後、白血球の28.2%±10.2%が、Sytoxについて陽性に染まり(図4B)、32.5%±13.1%がカスパーゼ活性について陽性であった(図4C)。対照的に、10%F70を用いて安定化された血液中の白血球は、最小限にしか損傷を受けなかった(12.1%±3.5%膜損傷;WBと比較してp=0.0009;図4B)およびかなり少ないアポトーシスであった(13.2%±3.3%カスパーゼ陽性;WBと比較してp=0.0286;図4C)。これらの保存の恩恵は、脆弱好中球で特に明らかであった。全血では、好中球の41.8%±15.9%が膜が損傷しており(図4B)、48.3%±19.9%がカスパーゼ陽性であった(図4C);これらの値を、フィコール安定化された血液における、それぞれ、13.4%±4.5%(p<0.0001;図4B)および15.6%±4.5%(p=0.0286;図4C)と比較した。Sytox陽性細胞の93%超がまた、カスパーゼ活性について陽性に染まり、細胞の大部分がアポトーシスによって死滅したことを示唆する。
CPDおよびAS−1などの現在の赤血球保存料は、血液収集の24時間以内の白血球除去と、それに続く、4℃での赤血球の貯蔵を必要とする。さらに、本発明者らの知る限り、これらの溶液は、より迅速に分解する傾向がある(転移性乳癌患者サンプルを用いる本発明者らの実験に基づいて)患者サンプルに対して検証されていない。現在市販されている全血保存料(CellSaveなど)は、固定液を利用して、細胞膜およびタンパク質を安定化する。固定は、細胞死をもたらし、RNA抽出を複雑にする。したがって、本実施例は、全血患者サンプルにおいて生存可能な赤血球を安定化するための、全血において生存可能な白血球を保存するための保存料の開発を説明する。両方法を、サンプル輸送を容易にするために、周囲条件下でサンプルを安定化するように最適化した。
以下の材料および方法を、実施例2において使用した。
周囲条件下で健常ドナー全血において赤血球を保存するための製剤の開発。健常ドナー全血由来の赤血球を安定化するために、CS−オリジナル**(元のカクテル溶液)と呼ばれる最初の製剤を開発した(表1)。CSは、水中で調製し、ACD抗凝固剤チューブ中に回収された血液に、17:3の血液:保存料の比で添加した。表1に記載された濃度は、血液中の保存料成分の最終濃度であった。保存料の添加後、血液ガス(5%O2、5%CO2)を用いてサンプルにガスを供給し、密閉する。次いで、サンプルを、21°Cで所望の時間量(24〜96時間)の間貯蔵した。貯蔵期間後、血液にアデノシンの20mM溶液を、最終濃度が2mMであるように添加する。次いで、血液を37℃で4時間インキュベートし、赤血球の形状の再生を促進するように間欠的に混合した。次いで、棘状赤血球の数を定量化するために、サンプルを光学的に調べた(非定型または損傷を受けた赤血球)。
末梢健常ドナー血液を、ACD抗凝固剤チューブ中に集めた。血液を2つの1mLアリコートにわけ、0時間および72時間での白血球を調べた。72時間サンプルに、15mLのファルコンチューブに血液を添加し、5%O2/5%CO2/90%N2を用いて脱気し、続いて、周囲条件下、暗所キャビネット中の気密性容器中で貯蔵した。残りの1mLのサンプルを、フローサイトメトリーを使用して処理して、側方散乱対CD45強度を確立した。この試験は、種々の白血球集団(好中球、リンパ球など)を識別するために、フローサイトメトリーにおいて頻繁に使用される。
健常ドナー全血中の赤血球を安定化するように設計されたCS−オリジナル製剤は、迅速に分解する、転移性乳癌患者サンプルに対して試験した場合には、効果的ではなかった。したがって、CS製剤の最適化を導くように改変タグチ表(上記の表1)を構築した。今日までに最も有望な製剤は、タグチ表からの条件18であった。
全血を集め、周囲条件下で最大72時間貯蔵して、バイオマーカー発現に対する貯蔵の効果を調べた。図7は、CS−オリジナル中、周囲条件下で貯蔵された白血球が、新鮮に調べられた白血球と比較して、CD45発現の大幅な低減を起こすことを示す。
図8中のデータは、Q−VD−OPhは、周囲条件下で貯蔵された好中球の生存力およびCD45バイオマーカー発現を保存可能であったことを実証するが、これらの細胞が依然として機能的であるか否かは示さなかった。これらの条件下で貯蔵された好中球が、依然としてfMLP勾配に向かって遊走可能であるか否かを調べるために、本発明者らは、この目的のためにこれまでに開発された微小流体デバイスを利用した。手短には、fMLP、好中球化学誘引物質は、2つの外側チャンバーに添加される。外側チャンバーは、一連のチャンネルによって内側チャンバーに接続され、勾配を作製する。次いで、内側チャンバーが、好中球で満たされた。新鮮に単離された好中球を直ちに評価して、0時間遊走反応を確立し、次いで、比較のために72および96時間の周囲貯蔵後に保存された好中球を調べた。図9Aは、Q−VD−OPh処理されたサンプルの遊走反応は、新鮮に単離された好中球のものと同等であったが、対照は、機能の大幅な低減を示したことを示す。図9Bはまた、好中球が、勾配に向かって遊走する速度が、新鮮な好中球と同一であることを実証する。このデータは、Q−VD−OPhが好中球機能を保存することを示す。
実施例は、全血の安定化のための新規戦略の開発を説明する。これらの方法は、例えば、CTC−iChipとして知られる微小流体デバイスを使用して、循環腫瘍細胞(CTC)の単離に使用することが意図されるサンプルにおいて使用され得る。患者サンプルの解析の成功は、現在、ex vivoでの患者血液の急速な変質の結果として、新鮮に集められた血液を必要とする。結果として、全血の安定化は、患者サンプルが、効果的なCTC単離に対応している集中された施設への輸送の間、保存されることを可能にするであろう。
実施例3では、以下の材料および方法を使用した。
サンプル収集
全血を、Massachusetts General Hospital内で健常な対象から集めるか、またはResearch Blood Components(Brighton、MA)から購入した。対象は、血小板機能を達成すると知られているもの(例えば、静脈切開術に先立つ48時間内の非ステロイド性抗炎症薬またはアスピリン)を含めた薬物療法を受けていなかった。対象は、集中的な運動を控えるよう頼まれ(静脈切開術に先立つ少なくとも4時間)、非喫煙者であった。血小板凝集測定のための血液収集は、もっぱら19〜21ゲージのニードルを使用したが、すべての血液を、19〜23ゲージニードルを使用してクエン酸デキストロース−A(ACD−A)チューブ(BD Vacutainer;8.5mL)中に入れた。すべての血液は、収集の3〜4時間内に使用された。検体は、血小板凝集測定のためには揺り動かさずに室温で(20〜25℃)で維持したが、すべてのその他の検体は、揺り動かされた。
使用される血小板凝集抑制剤として、チロフィバン(Sigma)、エプチフィバチド(Tocris)、クロピドグレル(Sigma)、KF38789(Tocris)が挙げられる。血小板凝集抑制剤(例えば、チロフィバン、エプチフィバチドなど)を用いる処理に関わるすべての実験条件において、これらの化合物を血液サンプルに添加し、穏やかに揺り動かすことによって10分間混合し、その後、サンプルをその他のアッセイまたは貯蔵のために処理した。EDTAの添加は、特に断りのない限り、アッセイの15分前に起こった(すなわち、サンプル貯蔵の間は、EDTAは存在しなかった)。
末梢血スメアを、標準手順に従って楔技術を使用して手作業で調製した。血液をピペットでスライド上にとり(約6μl)、第2のスライドを使用して(30〜45°の角度で)均一にスメアを引き、風乾した。血液スメアを、メタノール(100%)を用いて固定化し、Giemsa−Wright染色剤(Sigma)を用いて30秒間染色し、蒸留水に迅速に移し、その後、風乾した。スライドをPermountを用いてマウントし、その後、Nikon Eclipse 90i顕微鏡、Nikon 100× Apo VC 100x/1.40オイル対物レンズおよびNikon DS−Ri1カラーカメラ(12ビット;1280×1024解像度)を使用して撮像した。サンプルあたり約100個の無作為なRBCをカウントし、棘状赤血球(明らかな棘のような突出物に基づいて)または健常なRBCのいずれかとして分類した。
血小板活性化および細胞生存力を、40×対物レンズおよび405、488、642nmレーザーを備えたImage Stream Mark IIイメージングフローサイトメーター(Amnis Corporation)を使用して調べた。血小板活性化パネルについては、1μlの全血を、PBSおよび以下のような蛍光標識された抗体と組み合わせた;Pacific BlueコンジュゲートCD41(1:150;クローンHIP8;BioLegend)、FITCコンジュゲートPAC−1(1:10;クローンPAC−1(RUO (GMP));BD Pharmingen)、PEコンジュゲートCD62P(1:100;クローンAK−4;BD Pharmingen)、APCコンジュゲートCD63(1:10;クローンH5C6;Biolegend)、PE/Cy7コンジュゲートCD45(1:100;クローンHI30;Abcam)。白血球生存力パネルについては、6μlの全血を、194μlのRPMI(Hepesを含有する)および以下のような蛍光標識された抗体/生存力染色剤と組み合わせた;カルセインブルーAM(10μM;Life Technologies)、CellEvent(商標)カスパーゼ−3/7緑色(5μM;Life Technologies)、PEコンジュゲートCD66b(1:125、クローンg10f5、Stemcell Technologies)、PE−cf594コンジュゲートCD45(1:400、クローンHI30、BD Pharmingen)。全血中の稀な細胞の生存力の検出のために、アンドロゲン感受性前立腺腺癌細胞(LNCaP)またはYuら(2014)2に記載されるような乳癌患者に由来する株を、全血中に300,000個細胞/mLで添加した。イメージングフローサイトメトリーのための稀な細胞の処理は、以下を除いて、白血球生存力について上記で記載されたものと同一手順をたどった;PEコンジュゲートEpCAM(1:250、クローンVU1D9、Cell Signaling Technology)。WBC活性化パネルについては、6μlの全血を、194μlのHepesおよび以下のような蛍光標識された抗体と組み合わせた;Pacific BlueコンジュゲートCD41(1:100;クローンHIP8;BioLegend)、Alexa Fluor 488コンジュゲートCD11b(1:500;クローンICFR44;Stemcell Technology)、PEコンジュゲートCD11a(1:20;クローン38;Abd Serotec)、PE−cf594コンジュゲートCD45(1:800;クローンHI30、BD Pharmingen)、DRAQ5(1:1000;Life Technologies)。
凍結乾燥したコラーゲン(可溶性仔ウシ皮膚)、トロンビンおよびリストセチンは、Chrono−Log Corporation(Havertown、PA)から入手し、滅菌蒸留水を使用して復元した。凝集実験は、2チャンネルChrono−Log 700 Series Whole Blood/Optical Lumi−Aggregometerで電気インピーダンスを使用して全血で実施し、AGGRO/LINK8ソフトウェアを使用して解析した。全血を37℃で5分間インキュベートし、1200rpmの撹拌子速度でアゴニストを添加した後、各サンプルを10分間流した。コラーゲン、リストセチンおよびトロンビンのアゴニスト濃度は、それぞれ、2μg/mL、1mg/mL、1ユニット/mLとした。集めたデータは、最大凝集(%)、凝集曲線の傾斜、6分での曲線下面積ならびにアゴニストの添加と凝集の開始の間の経過時間(誘導期)を含んでいた。
血小板凝集抑制剤を用いる血液サンプルの処理および貯蔵条件。
培養された腫瘍細胞株(VCaP、LNCaPまたは乳癌患者に由来するCTC株)を、血液1ミリリットルあたり2000〜3000個細胞で健常ドナー血液サンプル中に添加した。その後、血液サンプルを適当な容量にわけ、血小板凝集抑制剤チロフィバン(0.5または1μg/mL)またはエプチフィバチド(20μg/mL)を用いて処理し、その後、それらを直ちに貯蔵するか、微小流体処理に進めた。サンプルを室温または4℃下で貯蔵し、光から保護し、揺り動かさなかった。血小板凝集抑制剤カクテルは、微小流体処理の15分前に血液サンプルに添加されたEDTA(2〜5mM)を含んでいた。実験条件あたり、5〜6mLの血液サンプルを処理した。
添加された腫瘍細胞の単離は、先に公開されたCTC−iChip(Ozkumur et al. 2013. Sci. Transl. Med. 5(179):179ra471; Karabacak et al. 2014. Nat. Protoc. 9(3):694-710)を使用し、スループットおよび純度をさらに増強するわずかな改変を用いて実施した。手短には、添加された全血を、ビオチン化CD45、CD66bおよびCD16抗体とともにインキュベートし、続いて、ストレプトアビジンが結合しているDynabeads(Invitrogen)を添加し、その後、CTC−iChipにおける処理のために加圧シリンジ中に入れた。iChipでは、血液は、大きな凝集物を除去する濾過アレイをまず通過し、次いで、大きさに基づいて血漿、血小板および赤血球を除去する水力学的選別段階に到達する。次いで、濃縮された有核細胞を単一ラインに整列させ、その結果、ダイナビーズによって標的とされる白血球が、磁気泳動法によって効率的に枯渇された。最後に、濃縮された腫瘍細胞は、残存する血小板および赤血球を除去する第2の水力学的選別アレイを経た。次いで、残りの高度に濃縮された腫瘍細胞を、生成物出口において、1%Pluronicを含有するPBSバッファー中に集めた。添加された細胞および白血球の持ち込みを、公開されたプロトコールに従って計数した(Karabacak et al. 2014. Nat. Protoc. 9(3):694-710)。
ルシフェラーゼで標識された乳房CTC株を、細胞成長の定量化のために使用した(Yu et al. 2014. Science. 345(6193):216-20)。3000CTC/血液1mLで血液サンプルに添加し、6mLの血液をiChipによって処理した。次いで、濃縮されたCTC生成物を遠心沈殿させ、2mLのCTC培養培地(Yuら2014年)に再懸濁し、低接着24ウェルプレート中で、ウェルあたり500μLで培養した(合計4ウェル)。アッセイ当日、ウェルから得た400μLの細胞および生存可能な細胞の数を、Bright−Gloルシフェラーゼアッセイ系(Promega)を製造業者のプロトコールに従って使用して決定した。SpectraMax M5 Microplate Reader(Molecular Devices)を使用して発光シグナルを測定した。陽性対照として、同一CTC株から得た細胞を、直接培養し、同一方法を用い、血液における任意の添加処理またはiChip選別を行わずにアッセイした。これらの細胞を、500μLの培地中4500個細胞に調整し、同一プレートで培養した。
標準プロトコールを使用するRBCの選択的溶解後に、WBCから全RNAを抽出した。手短には、1容量の血液を、5容量のELバッファー(QIAGEN)と組み合わせ、氷上で15分間インキュベートし、ボルテックス処理し、遠心分離し(400×g、10分、4℃)、上清を除去した。WBCを250μlのPBS(1mLの出発血液あたり)に再懸濁し、750μlのTRIzol(登録商標)LS試薬と組み合わせた。室温で5分間インキュベートした後、200μlのクロロホルムを添加し、室温で間欠的にインキュベートしながら激しくボルテックス処理した。サンプルを、12,000×gで15分間(4℃)遠心分離し、水性層を除去し、その後、100%イソプロパノールを用いて沈殿させた。最後に、サンプルを12,000×gで10分間(4℃)遠心分離し、ペレットを75%エタノールを用いて洗浄し、風乾し、TEバッファーに再懸濁した。分光光度計で260nmでの吸光度を読み取り、RNA純度の指標として260/280nmでの吸光度の比(A260/280比=1.8〜2)を使用することによって、RNA濃度を決定した。RNA品質およびRIN値を、BioanalyzerおよびRNA Picoキット(Agilent Technologies)を標準プロトコールのように使用して決定した。
低温貯蔵と血小板活性化の間の関係を理解するために、血小板を種々の温度で試験した。これらの実験をまた、全血成分が最大限保存されつつ血小板活性化が最小化され得る、貯蔵のための最良の温度を同定するために実施した。
上記で同定された表面マーカー、CD62/p−セレクチンおよびGPIIa/IIIaが、CTC−iChipのマイクロチャネルを塞ぐ血小板凝集において重要な役割を果たすと仮定した。CD62/p−セレクチンは、脱顆粒−周囲の血小板の動員および活性化につながるプロセスと関連しており、阻害は、近くの血小板へのシグナル伝達を妨げ、シグナル増幅を最小化するであろうと示唆する。さらに、活性化されたGPIIb/IIIaおよびCD62/p−セレクチンは、血小板−血小板、血小板−白血球および血小板−CTC相互作用を媒介し、微小流体デバイス自体と相互作用し、不適切な細胞選別、閉塞および流動速度をもたらす。結果として、本発明者らは、チロフィバン(Sigma)、エプチフィバチド(Tocris)、クロピドグレル(Sigma)、KF38789(Tocris)を含めたさまざまな血小板凝集抑制剤を試験した。
本発明者らは、最適化された血小板凝集抑制剤カクテル(0.1〜0.5μg/mLおよび2〜5mMのEDTAを含有する)の、全血の72時間の低温または室温貯蔵後の活性化マーカーの発現および血小板の機能に対する効果を測定した。データは図12A〜Iに提示されている。PAC−1発現(GPIIa/IIIaの活性形態)は、低温貯蔵された血液において増強され、これは、本発明者らの血小板凝集抑制剤カクテルを用いて元に戻すことができた(12A、12C)。CD62P発現は、貯蔵の間に増強されたが、血小板凝集抑制剤カクテルは、細胞表面発現を元に戻さなかった(12B、12C)。CD62P細胞表面発現は元に戻らなかったが、血小板凝集抑制剤カクテルは、血小板−白血球相互作用を、特に、顆粒球集団について完全に元に戻すことができ、血小板凝集抑制剤カクテルは、血小板凝集/機能を完全に阻害した(12D〜I)。
血液収集の数時間以内に、血液中で、棘状赤血球として知られる、球形の棘形成した赤血球が観察される。棘状赤血球は、ex vivo血液サンプルにおいてよく観察され、細胞ストレスの指標である。棘状赤血球は、効率的な迅速な選別を可能にするための細胞の特定の大きさ、形状および可動性に依存する微小流体適用の主要な障害となる。赤血球が、血液容量の99%を構成するので、これらの構造的変化は、これらの球形棘状赤血球は、水力学的細胞選別プラットホームにおける有核細胞のように偏っているので、CTC単離における微小流体プロセスを大きく干渉する。
血小板活性化に対する低温貯蔵の効果を考えると、本発明者らは、また、WBCの活性化に対する低温貯蔵の効果を測定した。データは、WBC活性化は、室温貯蔵と比較して低温貯蔵では低下することを示した。さらに、血小板凝集抑制剤カクテル(チロフィバンおよびEDTA)の添加は、WBCを活性化しなかった。これらの傾向は、健常ドナーおよび癌患者の両方において観察された。図14を参照のこと。
本発明者らは、イメージングフローサイトメトリーを使用し、生存(カルセインブルー)および死滅(カスパーゼ3/7)染色剤を使用して、低温対室温貯蔵されたWBCの生存力を測定した。図15に提示される結果は、低温で貯蔵されたWBCの生存力は、室温貯蔵された血液よりも良好であることを示した。血小板凝集抑制剤カクテルの添加は、WBC生存力に対して全く効果がなかった。
低温でWBC生存力が増強されるが(実施例3.6、図15)、本発明者らはまた、貯蔵された血液のRNA完全性を測定した。RNAは、最も感受性の高い生体材料の1種であるので、本発明者らは、これを保存の頑強なマーカーと見た。結果は、48時間貯蔵でのRNA完全性は、室温および低温貯蔵された血液についてと同様であること、72時間貯蔵後には、低温貯蔵されたRNAは無傷のままであるが、室温貯蔵された血液は激しく分解されたことを示した。
本発明者らは、イメージングフローサイトメトリーを使用し、生存(カルセインブルー)および死滅(カスパーゼ3/7)染色剤を使用して、低温対室温貯蔵した稀な癌細胞の生存力を測定した。データは、低温で貯蔵した稀な細胞の生存力は、室温貯蔵された血液よりも良好である可能性があることを示した(図16を参照のこと)。血小板凝集抑制剤カクテルの添加は、稀な細胞の生存力に対して全く効果がない。これらの傾向は、健常ドナーおよび癌患者において観察された。
血小板凝集抑制剤は、新鮮血液および低体温温度4℃下で3日間貯蔵した血液両方のCTC−iChip処理を可能にした。本明細書において、使用した血小板凝集抑制剤(PI)は、0.5μg/mLのチロフィバンまたは1μg/mLのチロフィバン+エプチフィバチド20μg/mLのいずれかであった。EDTA(2〜5mM)を、iChip処理の15分前に血液サンプルに添加した。結果は以下を示した:
細胞成長を、Bright−Gloルシフェラーゼアッセイ系を使用して発光量によって定量化した。発光シグナルを、iChip処理の直後に培養が開始された0日目のシグナルに対して正規化した。任意のiChip処理を伴わない陽性対照を含めた。
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本発明を、その詳細な説明とともに記載してきたが、前記の記載は、例示するものであって、添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の範囲を制限するものではないということは理解されなければならない。その他の態様、利点および改変は、以下の特許請求の範囲内にある。
Claims (18)
- 全血のサンプルを安定化する方法であって、
対象から全血のサンプルを得るステップ、および前記サンプルにフィコール70を導入して、前記サンプルにおいて2〜20%(w/v)フィコール70を生ずるステップを含む方法。 - 全血のサンプルを安定化する方法であって、
対象から全血のサンプルを得るステップ、ならびに前記サンプルにカスパーゼ阻害剤および任意選択で、保存料製剤を導入するステップを含む方法。 - 全血のサンプルを安定化する方法であって、
対象から全血のサンプルを得るステップ、および前記サンプルに保存料製剤を導入するステップを含み、前記保存料製剤は、48mMのHEPES、0.44mMのアデニン、6.75mMのマンニトール、0.77mMのN−アセチル−L−システインおよび8.5mMのNaClを含む、方法。 - 全血のサンプルを安定化する方法であって、
対象から全血のサンプルを得るステップ、および前記サンプルに血小板凝集抑制剤(PI)を導入するステップを含む方法。 - 全血のサンプルを安定化する方法であって、
対象から全血のサンプルを得るステップ、ならびに前記サンプルに、
前記サンプルにおいて2〜20%(w/v)フィコール70を生ずるためのフィコール70、
カスパーゼ阻害剤、
48mMのHEPES、0.44mMのアデニン、6.75mMのマンニトール、0.77mMのN−アセチル−L−システインおよび8.5mMのNaClを含む保存料製剤、および/または
血小板凝集抑制剤(PI)
のうちの1種または複数を導入するステップを含む方法。 - フィコール70が、前記サンプルにおいて少なくとも10%フィコール70を生ずるために添加される、請求項1または5に記載の方法。
- 前記カスパーゼ阻害剤が、Q−VD−OPh((3S)−5−(2,6−ジフルオロフェノキシ)−3−[[(2S)−3−メチル−2−(キノリン−2−カルボニルアミノ)ブタノイル]アミノ]−4−オキソペンタン酸)、Z−VAD−FMK(メチル(3S)−5−フルオロ−3−[[(2S)−2−[[(2S)−3−メチル−2−(フェニルメトキシカルボニルアミノ)ブタノイル]アミノ]プロパノイル]アミノ]−4−オキソペンタノエート)、Q−VD(OMe)−OPh((S)−メチル5−(2,6−ジフルオロフェノキシ)−3−((S)−3−メチル−2−(キノリン−2−カルボキサミド)ブタンアミド)−4−オキソペンタノエート)、またはBoc−D−fmk(メチル5−フルオロ−3−[(2−メチルプロパン−2−イル)オキシカルボニルアミノ]−4−オキソペンタノエート)である、請求項2または5に記載の方法。
- 前記サンプルに、2〜10μM、例えば、約5μMの最終濃度を達成するように十分なカスパーゼ阻害剤が添加される、請求項2または5に記載の方法。
- 前記保存料製剤が、24〜48mMのHEPES、0.11〜0.44mMのアデニン、2.25〜6.75mMのマンニトール、0.39〜1.54mMのN−アセチル−L−システイン、0〜13.5mMのデキストロースおよび0〜17mMのNalを含む、請求項2または5に記載の方法。
- 前記保存料製剤が、48mMのHEPES、0.44mMのアデニン、6.75mMのマンニトール、0.77mMのN−アセチル−L−システインおよび8.5mMのNaClを含む、請求項2、5または9に記載の方法。
- 前記血液が、20〜25℃で貯蔵のために安定化される、請求項3から8に記載の方法。
- 前記血液が、72〜96時間貯蔵される、請求項1から11に記載の方法。
- 前記PIが、チカグレロル、シロスタゾール、プラスグレル、ジピリダモール、プラスグレル、チロフィバン、エプチフィバチド、クロピドグレルまたはKF38789である、請求項4または5に記載の方法。
- 前記PIが、0.01〜100μg/mL、例えば、0.01〜1μg/ml、例えば、0.01〜0.5μg/mLの最終濃度を達成するように前記サンプルに添加される、請求項4、5または13に記載の方法。
- 前記血液が、2〜25℃で貯蔵のために安定化される、請求項4、5、13または14に記載の方法。
- 前記血液が、4℃で貯蔵のために安定化される、請求項15に記載の方法。
- 前記サンプルを4℃で維持するステップを含む、請求項4、5または13から16に記載の方法。
- 前記サンプルが、2〜25℃で少なくとも24、36、48、72または96時間維持または貯蔵される、請求項4、5または13〜16に記載の方法。
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