JP2020074694A - 血液試料からの目的細胞濃縮方法 - Google Patents
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Description
(1)血液試料に溶血剤を添加し、当該試料中に含まれる赤血球を溶血させる工程と、
(2)(1)の工程後の溶液を遠心分離し、得られた上清を除去する工程と、
(3)(2)の工程で得た細胞を含む溶液に(i)置換溶液、および(ii)血液試料中に含まれる夾雑細胞と結合可能な担体を添加する工程と、
(4)夾雑細胞と結合した前記担体を除去する工程と、
を含む、血液試料中に含まれる目的細胞を濃縮する方法であって、
前記(3)の置換溶液が塩化ナトリウムを含む緩衝液であり、血液試料中に含まれる目的細胞の回収率が50%以上であり、かつ血液試料中に含まれる目的細胞の回収率[%]を同試料中に含まれる夾雑細胞の残存率[%]で除して得られる濃縮倍率が8倍以上である、前記方法。
(I)血液試料に保存剤を添加して保存処理する工程、
(II)前記第一から第五の態様のいずれかに記載の方法で、(I)の工程後の試料から目的細胞を濃縮する工程、
(III)(II)の工程後の試料から目的細胞を検出する工程
また本発明の第七の態様は、前記第六の態様に記載の方法で目的細胞を検出後、前記目的細胞および/または夾雑細胞を採取する、血液試料中に含まれる細胞の採取方法である。
多くの白血球の表面に存在する抗原であるCD45に対する抗体(抗CD45抗体)と、CD15に対する抗体(抗CD15)との組み合わせや、
抗CD45抗体と、抗CD15抗体と、CD50に対する抗体(抗CD50抗体)との組み合わせ、があげられる。
なお組み合わせる方法として、複数種類の表面抗体を同一の担体に結合することで組み合わせてもよいし、表面抗体を結合した抗体を複数種類用意しそれらを混合することで組み合わせてもよい。
(1)一方の末端がメトキシ基であり、もう一方の末端がN−ヒドロオキシスクシンイミドエステル基である、分子量5000のポリエチレングリコール(mPEG−NHS)と、ウシ血清アルブミン(BSA)(300mg、0.3mmol)とを、炭酸水素ナトリウム緩衝液(0.1M、15mL)に溶解させ、当該溶液を25℃近傍で3時間撹拌することでポリエチレングリコールを結合したBSA(PEG−BSA)を調製した。なお調製する際、mPEG−NHSとBSAとのモル比(mPEG−NHS/BSA)を2となるようにした。調製後、分画分子量10000の透析膜を用いて、純水への溶液置換を3日間行なった。
(a)溶血剤血球懸濁液:置換溶液血球懸濁液=0:1(溶血剤残存率0.3%)
(b)溶血剤血球懸濁液:置換溶液血球懸濁液=1:9(溶血剤残存率10%)
(c)溶血剤血球懸濁液:置換溶液血球懸濁液=1:2(溶血剤残存率33%)
(d)溶血剤血球懸濁液:置換溶液血球懸濁液=1:1(溶血剤残存率50%)
(e)溶血剤血球懸濁液:置換溶液血球懸濁液=1:0(溶血剤残存率100%)
(8)抗CD45抗体修飾磁性粒子懸濁液(Dynabeads CD45、Thermo Fisher Science社製)20μLと抗CD15抗体修飾磁性粒子懸濁液(Dynabeads CD15、Thermo Fisher Science社製)20μLとを混合した液から、磁石を用いて液を除去し磁性粒子を濃縮後、前記溶血剤と前記置換溶液とを以下の任意の割合で混合した溶液100μLに懸濁した。
(a)溶血剤:置換溶液=0:1(溶血剤残存率0.3%)
(b)溶血剤:置換溶液=1:9(溶血剤残存率10%)
(c)溶血剤:置換溶液=1:2(溶血剤残存率33%)
(d)溶血剤:置換溶液=1:1(溶血剤残存率50%)
(e)溶血剤:置換溶液=1:0(溶血剤残存率100%)
(9)(7)および(8)で得られた溶液を、それぞれ同一の溶血剤残存率の値を持つ溶液同士を混合した後、室温で5分間回転撹拌し、磁石を用いて磁性粒子に結合した白血球を除去した。
(1)イミダゾリジニル尿素(保存剤)2.3g、分子量6000のポリエチレングリコール(PEG)2.3g、チロフィバン(抗血小板剤)1.2mgおよびエチレンジアミン四酢酸(EDTA)(抗凝固剤)30mgを、溶液として30mLになるよう、超純水で溶解した。
(a)除去量15mL(残液量30mL)
(b)除去量30mL(残液量15mL)
(c)除去量35mL(残液量10mL)
(d)除去量40mL(残液量5mL)
(e)除去量44mL(残液量1mL)
(f)除去量44.9mL(残液量0.1mL)
(6)上清残液でペレットを懸濁後、前記(a)以外の条件では、ポリエチレングリコールを結合したウシ血清アルブミン(PEG−BSA)(ウシ血清アルブミン(BSA)として0.1%(w/v))および2%(w/v)BSAを含むPBS(リン酸緩衝生理食塩水)で30mLまでメスアップした。なお前記PEG−BSAは、一方の末端がメトキシ基であり、もう一方の末端がN−ヒドロオキシスクシンイミドエステル基である、分子量5000のポリエチレングリコール(mPEG−NHS)と、BSA(300mg、0.3mmol)とを、mPEG−NHSとBSAとのモル比が2となるよう、炭酸水素ナトリウム緩衝液(0.1M、15mL)に溶解させ、当該溶液を25℃近傍で3時間撹拌し、分画分子量10000の透析膜を用いて、純水への溶液置換を3日間行ない、調製した。また各条件における、本操作後の上清の残存率を下記に示す。
(a)上清残存率100%(上清除去率0%)
(b)上清残存率50%(上清除去率50%)
(c)上清残存率33.3%(上清除去率66.7%)
(d)上清残存率16.7%(上清除去率83.3%)
(e)上清残存率3.3%(上清除去率96.7%)
(f)上清残存率0.3%(上清除去率99.7%)
(7)懸濁液を600×gで5分間、25℃で遠心分離後、残液量1.5mLとなるよう上清を除去した。
(1)実施例1(5)における上清残液量を10mL(すなわち上清除去率66.7%)とし、実施例1(8)で添加する磁性粒子懸濁液として下記(a)または(b)に示す方法で得られた懸濁液を用いた他は、実施例1(3)から(8)に記載と同様な方法で白血球を除去した。
(a)抗CD45抗体修飾磁性粒子懸濁液(Dynabeads CD45、Thermo Fisher Science社製)100μLと抗CD15抗体修飾磁性粒子懸濁液(Dynabeads CD15、Thermo Fisher Science社製)100μLとを混合した液から磁石を用いて上清を除去し磁性粒子を濃縮後、2%(w/v)BSAを含むPBS100μLに懸濁し得られた液
(b)抗CD50抗体溶液(マウス抗体、BioLegend社製)16μLと抗マウス抗体修飾磁性粒子懸濁液(Dynabeads M−450 Goat anti−mouse IgG、Thermo Fisher Science社製)100μLとを混合することで作製した抗CD50抗体修飾磁性粒子懸濁液ならびに前記(a)で用いた抗CD45抗体修飾磁性粒子懸濁液100μLおよび抗CD15抗体修飾磁性粒子懸濁液100μLとを混合した液から磁石を用いて上清を除去し磁性粒子を濃縮後、2%(w/v)BSAを含むPBS100μLに懸濁し得られた液
(2)(1)で白血球を除去したがん細胞を含む懸濁液を、実施例1(6)に記載の方法で調製したPEG−BSA(BSAとして0.1%(w/v))および280mMキシリトールを含む溶液30mLで再懸濁した。
(1)実施例1(5)における上清残液量を5mL(すなわち上清除去率83.3%)とし、実施例1(6)における置換溶液をPEG−BSA(BSAとして0.1%(w/v))およびPBSを含む溶液を用いた他は、実施例1(3)から(8)に記載と同様な方法で白血球を除去した。
置換溶液として、PEG−BSA(BSAとして0.1%(w/v))および280mMキシリトールを含む溶液を用いた他は、実施例5と同様な方法でがん細胞回収率、白血球除去率、および白血球に対するがん細胞の濃縮倍率を算出した。
11:遮光部材
12:絶縁体
11a・12a:貫通孔
20:スペーサー
21:導入口
22:排出口
23:貫通部
31・32:電極基板
40:導線
50:信号発生器
60:保持部
70:細胞
Claims (7)
- (1)血液試料に溶血剤を添加し、当該試料中に含まれる赤血球を溶血させる工程と、
(2)(1)の工程後の溶液を遠心分離し、得られた上清を除去する工程と、
(3)(2)の工程で得た細胞を含む溶液に(i)置換溶液、および(ii)血液試料中に含まれる夾雑細胞と結合可能な担体を添加する工程と、
(4)夾雑細胞と結合した前記担体を除去する工程と、
を含む、血液試料中に含まれる目的細胞を濃縮する方法であって、
前記(3)の置換溶液が塩化ナトリウムを含む緩衝液であり、血液試料中に含まれる目的細胞の回収率が50%以上であり、かつ血液試料中に含まれる目的細胞の回収率[%]を同試料中に含まれる夾雑細胞の残存率[%]で除して得られる濃縮倍率が8倍以上である、前記方法。 - (2)に記載の上清の除去工程が、得られた上清のうち55%以上99%以下の量を除去する工程である、請求項1に記載の方法。
- 夾雑細胞が白血球であり、夾雑細胞と結合可能な担体が白血球表面抗原に対する抗体を結合した担体である、請求項1または2に記載の方法。
- 白血球表面抗原に対する抗体が抗CD45抗体および抗CD15抗体を少なくとも含む、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
- 担体が磁性粒子である、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
- 以下の(I)から(III)に示す工程を含む、血液試料中に含まれる目的細胞の検出方法。
(I)血液試料に保存剤を添加して保存処理する工程、
(II)請求項1から5のいずれかに記載の方法で、(I)の工程後の試料から目的細胞を濃縮する工程、
(III)(II)の工程後の試料から目的細胞を検出する工程 - 請求項6に記載の方法で目的細胞を検出後、前記目的細胞および/または夾雑細胞を採取する、血液試料中に含まれる細胞の採取方法。
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JP2018208642A JP2020074694A (ja) | 2018-11-06 | 2018-11-06 | 血液試料からの目的細胞濃縮方法 |
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Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000508171A (ja) * | 1996-04-05 | 2000-07-04 | ザ・ジョンズ・ホプキンス・ユニバーシティ・スクール・オブ・メディシン | 希少細胞の富化方法 |
JP2017055759A (ja) * | 2015-09-18 | 2017-03-23 | 東ソー株式会社 | 比重分離を利用した細胞の分離回収方法 |
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Patent Citations (2)
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JP2017055759A (ja) * | 2015-09-18 | 2017-03-23 | 東ソー株式会社 | 比重分離を利用した細胞の分離回収方法 |
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Title |
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GALATEA KALLERGI ET AL., CELLULAR PHYSIOLOGY AND BIOCHEMISTRY, vol. 40, JPN6022030810, 2016, pages 411 - 419, ISSN: 0004839395 * |
LIYING YANG ET AL., BIOTECHNOLOGY AND BIOENGINEERING, vol. 102, no. 2, JPN6022030809, 1 February 2009 (2009-02-01), pages 521 - 534, ISSN: 0004839394 * |
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