JP2020074694A - 血液試料からの目的細胞濃縮方法 - Google Patents

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【課題】 血液試料中に多量に含まれる夾雑細胞を選択的に除去することで、前記試料中に含まれる目的細胞を高倍率に濃縮する方法を提供すること。【解決手段】 (1)血液試料に溶血剤を添加し、当該試料中に含まれる赤血球を溶血させる工程と、(2)(1)の工程後の溶液を遠心分離し、得られた上清を除去する工程と、(3)(2)の工程で得た細胞を含む溶液に(i)置換溶液、および(ii)血液試料中に含まれる夾雑細胞と結合可能な担体を添加する工程と、(4)夾雑細胞と結合した前記担体を除去する工程と、を含む、血液試料中に含まれる目的細胞を濃縮する方法であって、前記(3)の置換溶液が塩化ナトリウムを含む緩衝液であり、血液試料中に含まれる目的細胞の回収率が50%以上であり、かつ血液試料中に含まれる目的細胞の回収率[%]を同試料中に含まれる夾雑細胞の残存率[%]で除して得られる濃縮倍率が8倍以上である、前記方法により、前記課題を解決する。【選択図】 なし

Description

本発明は、血液試料中に含まれる目的細胞を濃縮する方法に関する。特に本発明は、血液試料中に多量に含まれる夾雑細胞を選択的に除去することで、当該試料中に微量しか含まれない目的細胞を高効率に濃縮する方法に関する。
近年、血液などの体液や、臓器などの組織を溶液に懸濁もしくは分散して得られる組織標本試料や、細胞培養液などから細胞を選択的に分離回収し、当該分離回収した細胞を基礎研究や臨床診断、治療へ応用する研究が進められている。例えば、がん患者より採取した血液から腫瘍細胞(Circulating Tumor Cell、以下CTC)を採取し、当該細胞について形態学的分析、組織型分析や遺伝子分析を行ない、これら分析により得られた知見に基づき治療方針を判断する研究が進められている。
しかしながら、がん患者より得られる血液試料中に含まれるCTC数は、赤血球や白血球などの血球細胞と比較して非常に少なく、前記血球細胞を除去する前処理が必須である。また血液試料中に含まれるCTC数は非常に少ないことから、CTCを高感度で検出するには、前記前処理によるCTCの取りこぼしを極力少なくする必要がある。
CTC検出を目的とした血液試料の前処理方法として、特許文献1では、CTC表面に発現が見られる上皮系マーカーに対して免疫磁気的に細胞を濃縮する方法が開示されている。しかしながら、CTCの中には前記上皮系マーカーを発現していないものもあり、当該CTCはこの方法では回収できずに取りこぼすおそれがあることが課題であった。特許文献1に開示の方法の他にも、血球細胞との大きさの違い(血球細胞より大きい)に基づくフィルターによる濾過や、血球細胞との比重の違い(血球細胞より比重が小さい)に基づく比重差分離による濃縮が知られているが、CTCの中には血球細胞と同等以下の径や血球細胞と同等以上の比重を有したものもあるため、それらのCTCは前処理により取りこぼすおそれがあった。
前処理によるCTCの取りこぼしを極力抑えた、CTCの検出方法として、特許文献2では、溶血剤を用いて血液試料中に含まれる赤血球を溶血し除去した後、残りのすべての細胞を解析してCTCを検出する方法が開示されている。しかしながら、前記溶血処理後の溶液には白血球などの夾雑細胞が大量に含まれており、検出時間が膨大に掛かる課題があった。また偽陽性が発生するおそれもあった。
血液試料中に含まれるCTC以外の夾雑細胞を除去する方法として、非特許文献1では溶血剤により血液試料中に含まれる赤血球を破砕(溶血)した後、夾雑細胞である白血球に特異的に結合可能な抗体である抗CD45抗体を修飾した磁性粒子を用いて白血球を除去する方法が開示されている。非特許文献1に開示の方法は、CTCをほとんど取りこぼすことなく白血球を除去できるが、その除去率は約80%(すなわち約20%は残存)であり、濃縮倍率(血液試料中に含まれる目的細胞(CTC)の回収率[%]÷血液試料中に含まれる夾雑細胞(白血球)の回収率[%])を計算すると5倍程度に留まっていた。
特表2008−533487号公報 特表2013−508729号公報
Kallergi,Galatea et al.,Cellular Physiology and Biochemistry,40,411−419(2016)
血液試料中に微量に含まれる目的細胞を高効率に検出するには、目的細胞を従来技術よりも高倍率に濃縮する前処理が必要である。そこで本発明の課題は、血液試料中に多量に含まれる夾雑細胞を選択的に除去することで、前記試料中に含まれる目的細胞を高倍率に濃縮する方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、本発明に到達した。
すなわち本発明の第一の態様は、
(1)血液試料に溶血剤を添加し、当該試料中に含まれる赤血球を溶血させる工程と、
(2)(1)の工程後の溶液を遠心分離し、得られた上清を除去する工程と、
(3)(2)の工程で得た細胞を含む溶液に(i)置換溶液、および(ii)血液試料中に含まれる夾雑細胞と結合可能な担体を添加する工程と、
(4)夾雑細胞と結合した前記担体を除去する工程と、
を含む、血液試料中に含まれる目的細胞を濃縮する方法であって、
前記(3)の置換溶液が塩化ナトリウムを含む緩衝液であり、血液試料中に含まれる目的細胞の回収率が50%以上であり、かつ血液試料中に含まれる目的細胞の回収率[%]を同試料中に含まれる夾雑細胞の残存率[%]で除して得られる濃縮倍率が8倍以上である、前記方法。
また本発明の第二の態様は、(2)に記載の上清の除去工程が、得られた上清のうち55%以上99%以下の量を除去する工程である、前記第一の態様に記載の方法である。
また本発明の第三の態様は、夾雑細胞が白血球であり、夾雑細胞と結合可能な担体が白血球表面抗原に対する抗体を結合した担体である、前記第一または第二の態様に記載の方法である。
また本発明の第四の態様は、白血球表面抗原に対する抗体が抗CD45抗体および抗CD15抗体を少なくとも含む、前記第一から第三の態様のいずれかに記載の方法である。
また本発明の第五の態様は、担体が磁性粒子である、前記第一から第四の態様のいずれかに記載の方法である。
さらに本発明の第六の態様は、以下の(I)から(III)に示す工程を含む、血液試料中に含まれる目的細胞の検出方法である。
(I)血液試料に保存剤を添加して保存処理する工程、
(II)前記第一から第五の態様のいずれかに記載の方法で、(I)の工程後の試料から目的細胞を濃縮する工程、
(III)(II)の工程後の試料から目的細胞を検出する工程
また本発明の第七の態様は、前記第六の態様に記載の方法で目的細胞を検出後、前記目的細胞および/または夾雑細胞を採取する、血液試料中に含まれる細胞の採取方法である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明における血液試料は、後述する目的細胞ならびに赤血球や白血球などの血液成分を少なくとも含む試料であればよく、具体的には、血液(全血)、希釈血液、血清、血漿、髄液、臍帯血、成分採血液などの試料や、尿、唾液、精液、糞便、痰、羊水、腹水などの血液由来成分を含み得る試料や、肝臓、肺、脾臓、腎臓、皮膚、腫瘍、リンパ節などの組織の一片を懸濁させた組織懸濁液や、前述した試料または組織懸濁液より分離して得られる、試料または組織由来の細胞を含む画分、などがあげられる。このうち試料または組織由来の細胞を含む画分の一例として、試料や組織懸濁液を密度勾配形成用媒体の上に重層後、密度勾配遠心することで得られる画分があげられる。
本発明の方法で濃縮する目的細胞は、前述した血液試料中に含まれる細胞であれば特に限定はないが、本発明の本質を考慮すると、血液試料中に含まれる夾雑細胞数に対して極めて少ない数しか前記試料中に存在しない細胞を目的細胞とすると好ましい。前記好ましい態様の一例として、血液試料中に含まれる夾雑細胞数に対して10%以下、3%以下、1%以下、0.3%以下、または0.1%以下の数、前記試料中に存在する細胞があげられる。夾雑細胞が好中球、好酸球、好塩基球、単球、リンパ球などの白血球である場合における、目的細胞の一例として、血液循環腫瘍細胞(CTC)などの腫瘍細胞、循環血液内皮細胞(CEC)、循環血管内皮細胞(CEP)、循環胎児細胞(CFC)、各種幹細胞、B細胞があげられる。また目的細胞が特定の特徴を有した白血球であり、夾雑細胞が前記特徴を有さない白血球であってもよい。
本発明の方法で用いる溶血剤は、赤血球の破砕(溶血)を可能とする物質を少なくとも含んでいればよく、一例として、赤血球への取り込み能が高いアンモニウム化合物や、細胞膜を溶解可能な界面活性剤、生理的浸透圧よりも低張な溶液があげられる。特に赤血球以外の細胞への損傷が少なく選択的に赤血球を破砕可能なアンモニウム化合物を用いた溶血が好ましい。溶血剤に含ませるアンモニウム化合物の一例として塩化アンモニウムがあげられる。
本発明の方法は、血液試料に溶血剤を添加し当該試料中に含まれる赤血球を溶血させる工程、前記溶血工程後の溶液を遠心分離し得られた上清を除去する工程、置換溶液および血液試料中に含まれる夾雑細胞と結合可能な担体を添加する工程、および夾雑細胞と結合した前記担体を除去する工程により、血液試料中に含まれる目的細胞を回収率50%以上かつ濃縮倍率8倍以上で濃縮する方法である。なお本明細書において濃縮倍率とは、血液試料中に含まれる目的細胞の回収率[%]を同試料中に含まれる夾雑細胞の残存率[%]で除して得られる値である。目的細胞の回収率は高ければ好ましい。具体的には、60%以上が好ましく、80%以上がより好ましく、85%以上がさらに好ましく、90%以上がさらにより好ましく、最も好ましくは92%以上である。また濃縮倍率に影響する夾雑細胞の残存率は低いほど好ましく、12%以下が好ましく、10%以下がより好ましく、8%以下がさらに好ましく、5%以下がさらにより好ましい。
本発明の方法の好ましい態様では、前記溶血剤の添加により赤血球を溶血させた後の溶液を遠心分離して得られる上清のうち、55%以上99%以下の量を除去する。溶血剤を含む上清の持ち込み量をゼロまたはほぼゼロにする(すなわち99%超の上清を除去する)と、前記溶血剤による、夾雑細胞と結合可能な担体(後述)と前記夾雑細胞との結合阻害が低減し、前記夾雑細胞の除去を効率的に行なえる一方、前記遠心分離により得られた目的細胞を含むペレットの近傍にある上清も除去するため、当該目的細胞が同時に除去されるおそれがある。また上清一部除去、置換溶液添加、遠心分離、上清一部除去の操作を複数回行ない、上清の持ち込み量をゼロまたはほぼゼロにする方法を採用しても、当該複数回の操作により目的細胞が除去されるおそれがある。本発明の方法の好ましい態様では、赤血球を溶血させた後の溶液を遠心分離して得られる上清の除去を、当該上清の持ち込みによる夾雑細胞と結合可能な担体(後述)と前記夾雑細胞との結合阻害がほぼ生じず、かつ血液試料中に含まれる目的細胞が除去されるおそれがないまたはほぼない量を除去する。前記溶血剤の添加により赤血球を溶血させた後の溶液を遠心分離して得られる上清のうち、液面上部から60%以上98%以下の量を除去するとさらに好ましく、65%以上97%以下の量を除去するとさらにより好ましい。また、前記赤血球溶血後の溶液の遠心分離条件として、目的細胞が遠心により損傷を受けることのない遠心強度以下にすることが好ましく、溶血剤に目的細胞が浸っている時間を短時間にすることで目的細胞の損傷を抑制できる点から遠心強度は高く、遠心時間は短い方が好ましい。遠心強度としては200×g以上2000×g以下が好ましく、500×g以上1000×g以下がさらに好ましい。遠心時間としては1分以上30分以下が好ましく、3分以上10分以下がさらに好ましい。
本発明の方法では、前述した上清の除去後、置換溶液および血液試料中に含まれる夾雑細胞と結合可能な担体を添加し、夾雑細胞を前記担体と結合させることで除去し、血液試料中に含まれる目的細胞を濃縮する。本発明の方法で用いる置換溶液を、生理的浸透圧および/または生理的pHに調整された緩衝液にすると、細胞への損傷が少なくなる点で好ましい。なお前記置換溶液の比重は、目的細胞の比重より置換溶液の比重が高いと目的細胞の回収が困難となるため、目的細胞の比重より低い比重としたほうがよい。
本発明の方法で用いる置換溶液は、塩化ナトリウムを少なくとも含む緩衝液である。塩化ナトリウムを含んだ緩衝液で置換することで、夾雑細胞と当該細胞と結合可能な担体との結合効率(すなわち前記担体による夾雑細胞の除去効率)が向上する。塩化ナトリウムの濃度は0.01%(w/v)以上が好ましく、0.01%(w/v)以上2.0%(w/v)以下がより好ましく、0.1%(w/v)以上1.0%(w/v)以下が特により好ましい。置換溶液の好ましい態様の一例としてPBS(リン酸緩衝生理食塩水、塩化ナトリウム濃度:0.8%(w/v))があげられる。
本発明の方法で用いる置換溶液に、親水性高分子を結合したタンパク質をさらに含ませると、血液試料中に含まれる目的細胞を効率的に回収できる点で好ましい。親水性高分子は電荷を持たない親水性高分子であればよく、一例としてポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリ(ヒドロキシアルキル)メタクリレート、ポリアクリルアミド、ホスホリルコリン基を側鎖に有するポリマー、多糖類、ポリペプチドがあげられる。タンパク質は水溶性を有していればよく、一例として血清由来タンパク質や血漿由来タンパク質などの血液由来タンパク質やカゼインなどの乳由来タンパク質があげられ、さらに具体的な例として当業者が通常用いる血清由来タンパク質である、ウシ血清アルブミン(BSA)があげられる。親水性高分子を結合したタンパク質は、前述した親水性高分子とタンパク質とが一定の割合で結合したタンパク質であり、例えば、タンパク質と結合可能な官能基(例えば、N−ヒドロキシスクシンイミド基)を付与した親水性高分子とタンパク質とを一定のモル比で反応させることで得られる。なお親水性高分子とタンパク質との反応比は、タンパク質に対し親水性高分子を0.01以上のモル比で反応させればよく、0.5以上のモル比で反応させればより好ましく、2以上のモル比で反応させると最も好ましい。一例として、血液由来タンパク質または乳タンパク質に対し親水性高分子を2以上のモル比で反応させると、血液由来タンパク質に対しては親水性高分子が実測モル比1以上で結合し、乳由来タンパク質に対しては親水性高分子が実測モル比0.2以上で結合する(特開2016−106622号公報参照)。
本発明の方法で用いる夾雑細胞と結合可能な担体は、夾雑細胞が特異的に有するタンパク質、脂質、糖質、核酸などと特異的に結合可能な物質を結合した担体である。前記物質の一例として、夾雑細胞が特異的に有するタンパク質に対する抗体や、夾雑細胞が特異的に有する糖鎖と特異的に結合可能なレクチンや、夾雑細胞が特異的に有するタンパク質や核酸と結合可能なアプタマーがあげられる。中でも、夾雑細胞が特異的に有するタンパク質に対する抗体を前記物質として用いると好ましい。前記物質と担体との修飾方法に特に限定はなく、共有結合、静電相互作用、疎水性相互作用、配位結合などがあげられる。
夾雑細胞が白血球である場合、夾雑細胞が特異的に有するタンパク質の例として、白血球表面抗原である、CD45、CD2、CD3、CD4、CD5、CD8、CD10、CD11b、CD14、CD15、CD16、CD19、CD20、CD24、CD25、CD27、CD29、CD33、CD36、CD38、CD41、CD45、CD45RA、CD45RO、CD56、CD66b、CD66e、CD69およびCD124があげられ、これら表面抗原に対する抗体を結合した担体を夾雑細胞と結合可能な担体として用いると好ましい。さらに、前記表面抗体を複数種類組み合わせると、担体に対する夾雑細胞(白血球)の結合率が向上し、当該担体を除去することによる、目的細胞(CTCなど)の夾雑細胞(白血球)に対する濃縮倍率が向上するため好ましい。複数種類組み合わせる態様の好ましい一例として、
多くの白血球の表面に存在する抗原であるCD45に対する抗体(抗CD45抗体)と、CD15に対する抗体(抗CD15)との組み合わせや、
抗CD45抗体と、抗CD15抗体と、CD50に対する抗体(抗CD50抗体)との組み合わせ、があげられる。
なお組み合わせる方法として、複数種類の表面抗体を同一の担体に結合することで組み合わせてもよいし、表面抗体を結合した抗体を複数種類用意しそれらを混合することで組み合わせてもよい。
夾雑細胞と結合可能な物質を結合させる担体は、親水性または疎水性の水不溶性物質からなる担体が好ましい。具体的にはアガロース系、デキストラン系、キトサン系、セルロース系等の多糖類、ポリアクリルアミド系、ポリビニルアルコール系、ポリビニルピロリドン系、ポリアクリロニトリル系、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、ポリスチレン系、アクリル酸エステル系、メタクリル酸エステル系、ポリエチレン系、ポリプロピレン系、ポリ4−フッ化エチレン系、エチレン−酢酸ビニル共重合体系、ポリアミド系、ポリカーボネート系、ポリフッ化ビニリデン系、ポリビニルホルマール系、ポリアリレート系、ポリエーテルスルホン系等の有機合成高分子、ガラス系、チタン系、活性炭系、アルミナ、シリカ、ヒドロキシアパタイト等の各種セラミックス系、酸化鉄、金等の金属系の無機物など、本技術分野で通常用いられる公知の担体であれば、特別の限定なく使用可能である。前記担体の形態も特に限定はなく、粒子状、繊維状、中空糸上、膜状、平板状等、公知の形状の担体が利用できるが、中でも取扱いが簡便な点、目的細胞に物理的な損傷を与えにくい点、担体の損傷が生じにくい点、均一な担体の粒子を得やすい点などから、粒子状のものが好ましく、特に球形(真球のみならずほぼ球状を含む)の担体が好ましい。
本発明の方法では、前述した担体と夾雑細胞とを結合させた後、前記担体を除去することで、夾雑細胞が担体とともに除去され、夾雑細胞に対する目的細胞の純度(濃縮倍率)が向上する。担体を除去するには、担体と目的細胞との物理学的または化学的性質の差に基づき行なえばよい。一例として、比重差、沈降速度差、粒子径差、誘電率差に基づく除去があげられる。なお担体を磁性粒子とすると、外部磁場の印加により、夾雑細胞を結合した担体と目的細胞とを、簡便、短時間かつ高精度に分離できるため、本発明の方法における担体除去方法として好ましい方法といえる。
本発明の方法では、血液試料として、保存剤を添加して保存処理した血液試料を用いてもよい。臨床現場では血液試料の採取から本発明の方法による目的細胞の濃縮を実施するまでに長い時間を要することがある。その場合、溶液中に含まれる細胞が劣化し、当該細胞の形状崩壊ならびにそれに伴う当該細胞内の核酸およびタンパク質の放出が生じるおそれがある。そのような現象が生じると、血液試料中に含まれる目的細胞の検出率や採取率の低下や、採取した目的細胞中に含まれる核酸やタンパク質の解析能力の低下につながるおそれがある。そこで目的細胞を安定化させるための保存剤を、目的細胞を含む血液試料に含ませることで、当該目的細胞由来の核酸やタンパク質が不溶化および/または不活性化し、当該目的細胞が安定化するため、目的細胞の劣化を長時間抑制することができる。
前述した目的で血液試料に添加する保存剤としては、アルデヒド類、酸類、脱水剤・有機溶媒類、金属塩類といった、当業者が細胞固定化剤として通常用いる物質の中から適宜選択すればよいが、中でも、タンパク質の高次構造を変化させたり、ポリペプチド鎖を保持することによってさらなる変性を防いだり、タンパク質構造を安定化するとともに、細胞原形質をゲル化させて酵素活性を抑えることで、細胞を安定化させる効果を持つアルデヒド類を用いると好ましい。さらにアルデヒド類の中でも、細胞の形体を保持させることが可能なホルムアルデヒドドナー化合物を用いると良い。ホルムアルデヒドドナー化合物は、それ自体は直接細胞に作用しないが、加水分解を受けることでホルムアルデヒドを放出し、細胞を安定化させることが可能な化合物のことをいう。ホルムアルデヒドドナー化合物の具体例として、イミダゾリジニル尿素、ベンジルヘミホルマール(フェニルメトキシメタノール)、5−ブロモ−5−ニトロ−1,3−ジオキサン、ブロノポール(2−ブロモ−2−ニトロプロペイン−1,3−ジオール)、ジアゾリジニル尿素、DMDMヒダントイン(1,3−ジメチロール−5,5−ジメチルヒダントイン)、メセナミン(ヘキサメチレンテトラミン)、クオタニウム−15(メセナミン 3−クロロアリロクロリド)、ヒドロキシメチルグリシンナトリウム、アミンやアミドのメチロール、ヒドロキシメチル誘導体、メチロール、メテンアミン、パラホルムアルデヒドがあげられる。中でもイミダゾリジニル尿素は、ホルムアルデヒドを緩慢に放出できる点で最も好ましい保存剤の一つといえる。
血液試料に添加する保存剤の量は、当該保存剤が有する、血液試料中に含まれる目的細胞の固定化強度や固定化速度を考慮して適宜決定すればよい。例えば、保存剤としてホルムアルデヒドドナー化合物であるイミダゾリジニル尿素を用いる場合は、保存剤添加後の血液試料の終濃度として0.01%(w/v)から10%(w/v)の間であればよく、0.25%(w/v)から4%(w/v)の間とすると好ましく、0.3%(w/v)から1.5%(w/v)の間とするとさらに好ましく、0.5%(w/v)から1%(w/v)の間とするとさらにより好ましい。
血液試料を保存処理する際、保存剤に加え抗血小板剤をさらに添加してもよい。抗血小板剤は血小板の凝集を抑制する物質のことをいい、血小板ADP受容体を遮断し、血小板セロトニン2受容体を遮断し、血小板シクロオキシゲナーゼを阻害し、または血小板GPIIb/IIIa受容体を遮断することにより、血小板機能に直接の影響を与えて、血小板の凝集を阻害する物質が挙げられる。血小板ADP受容体を遮断し、血小板セロトニン2受容体を遮断し、血小板シクロオキシゲナーゼを阻害する阻害剤は、主に血小板膜表面の受容体を阻害、または受容体からのシグナル経路の阻害剤として働き、血小板凝集に関わる血小板GPIIb/IIIa受容体の発現に寄与している血小板内のカルシウムイオン濃度の上昇を抑制するために適用される。一方、血小板GPIIb/IIIa受容体に対する阻害剤は、von Willebrand因子や、フィブリノーゲンなどを介した、血小板間の血小板膜表面に発現した血小板GPIIb/IIIa受容体同士の結合による凝集を抑制する働きを有する。中でも、様々な経路で血小板内のカルシウム濃度が上昇することから、血小板凝集に直接作用する血小板GPIIb/IIIa受容体に対する阻害剤を抗血小板剤として用いるとよい。血小板GPIIb/IIIa受容体に対する阻害剤の一例として、チロフィバン(tirofiban)、アブシキシマブ(abciximab)、エプチフィバチド(eptifibatide)があげられる。これらは、1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。抗血小板剤として、血小板GPIIb/IIIa阻害剤であるチロフィバンを用いる場合は、保存剤添加後の血液試料の終濃度として2.4μg/mL以上となるよう添加すればよく、終濃度として24μg/mL以上となるよう添加するとより好ましい。
血液試料を保存処理する際、保存剤に加え抗凝固剤をさらに添加してもよい。抗凝固剤の一例として、血液凝固の要因となるカルシウムイオンを配位することで前記血液凝固を抑制するキレート剤や、血液凝固の要因となるトロンビン活性を抑制する抗トロンビン剤があげられる。中でもキレート剤が好ましく、その具体例として、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)、DTPA(ジエチレントリアミン五酢酸)、DCTA(1,2−ジアミノシクロヘキサン四酢酸)、EGTA(エチレングリコールビス−2−アミノエチルエーテル四酢酸)、クエン酸、シュウ酸、フッ化ナトリウム、ACD(Acid Citrate Dextrose Solution)があげられる。これらは、1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
血液試料を保存処理する際、保存剤に加えポリエチレングリコールをさらに添加してもよい。ポリエチレングリコールの添加量は、保存剤添加後の血液試料の終濃度として0.01%(w/v)から10%(w/v)の間であってよく、0.02%(w/v)から4%(w/v)の間とすると好ましく、0.05%(w/v)から1.5%(w/v)の間とするとさらに好ましく、0.1%(w/v)から1%(w/v)の間とするとさらにより好ましい。またポリエチレングリコールの分子量としては、平均分子量として600以上であればよく、1000から100万の間とすると好ましく、1000から10万の間とするとさらに好ましい。
本発明の方法により目的細胞を濃縮した試料から、スライドに塗布したり、顕微鏡や光学検出器などで観察したり、フローサイトメトリーを用いたりすることで当該目的細胞を検出できる。なお顕微鏡や光学検出器などで観察して目的細胞を検出する場合、前記細胞を含む懸濁液を、前記細胞を保持可能な保持部を有した細胞保持手段に導入し、前記保持部に前記細胞を保持した後、顕微鏡や光学検出器などで観察するとよい。保持部の例として、前記細胞を収納可能な孔や、前記細胞を固定可能な材料(例えば、ポリ−L−リジン)で覆われた面があげられる。なお保持部の大きさを前記細胞を一つだけ保持可能な大きさとすると、特定細胞の採取および解析(形態学的分析、組織型分析、遺伝子分析など)が容易に行なえる点で好ましい。また細胞を保持部に保持させる際、誘電泳動力を用いると、保持部に細胞を効率的に保持できる点で好ましい。誘電泳動力を用いる場合、具体的には、交流電圧を印加することで誘電泳動を発生させ、保持部内へ細胞を導入すればよい。印加する交流電圧は、保持部内の細胞の充放電が周期的に繰り返される波形を有した交流電圧であると好ましく、周波数を100kHzから3MHzの間とし、電界強度を1×10から5×10V/mの間とすると特に好ましい(WO2011/149032号および特開2012−013549号公報参照)。
以下、本発明の方法を利用した、血液試料中に含まれる目的細胞の検出および採取方法の一例として、血液試料中に含まれる腫瘍細胞(CTC)を検出および採取する方法を用いて詳細に説明するが、本発明は本説明の内容に限定されるものではない。
(1)がんの疑いのある患者から血液試料を採取する。なお血液試料を採取する際、クエン酸やエチレンジアミン四酢酸(EDTA)などのキレート剤に代表される抗凝固剤を添加すると好ましい。
(2)(1)で採取した血液試料(または希釈した血液試料)に、CTCを安定化させるための保存剤であるホルムアルデヒドドナー化合物、抗血小板剤、ポリエチレングリコールを添加する。なお、(1)で抗凝固剤を添加せずに血液試料を採取した場合は抗凝固剤も添加する。前記添加の際、前記保存剤を構成する全ての物質を一度に添加してもよく、各成分を含む溶液をそれぞれ添加してもよい。さらに(1)で抗凝固剤が添加される状態で血液試料を採取し、本工程でホルムアルデヒドドナー化合物および抗血小板剤を含む溶液を血液試料に添加する場合、血液試料中に含まれる抗凝固剤の濃度を維持するために、本工程で抗凝固剤を追加してもよい。血液試料への保存剤の添加量は、血液試料1mLあたり0.01mLから10mLの間であればよく、0.04mLから2mLの間であればより好ましい。保存剤であるホルムアルデヒドドナー化合物、抗血小板剤および抗凝固剤を添加した血液試料は、室温で少なくとも5日間は安定に保存が可能である。
(3)保存剤を添加した血液試料(保存処理した血液試料)に含まれる赤血球を、塩化アンモニウムを用いて破砕する(溶血させる)。塩化アンモニウムによる赤血球の破砕(溶血)は、赤血球と他の細胞とのイオン取り込み能の違いを利用した破砕(溶血)方法であり、他の細胞への損傷を抑えながら赤血球を破砕できるため、好ましい赤血球破砕方法である。
(4)赤血球破砕(溶血)処理後、遠心分離することで血液試料中に含まれるCTCをペレット状にした後、溶血剤(塩化アンモニウム)を含む上清を除去する。その際、得られた上清のうち55%以上99%以下の量を除去する。なお60%以上98%以下の量の上清を除去すると好ましく、65%以上97%以下の量の上清を除去するとより好ましい。
(5)塩化ナトリウムを少なくとも含む置換溶液を添加し、CTCを含むペレットを懸濁させる。塩化ナトリウムを少なくとも含む置換溶液としては、生理食塩水やPBS(リン酸緩衝生理食塩水)が例示できるが、生理的pHの維持が容易なPBSを用いるとよい。なお前記置換溶液に、親水性高分子を結合したタンパク質(例えば、ポリエチレングリコールを結合したBSA)を含ませると、CTCの回収効率が向上するため好ましい。親水性高分子を結合したタンパク質の濃度は、懸濁液における当該タンパク質の終濃度として、0.01%(w/v)から25%(w/v)の間であればよく、0.02%(w/v)から5%(w/v)の間であれば好ましく、0.05%(w/v)から2%(w/v)の間であればより好ましい。また前記タンパク質を置換溶液に添加することで、細胞に対する白血球と結合可能な結合部位を修飾した担体との非特異吸着を抑制することも可能となる。
(6)(5)で調製したCTCを含む懸濁液を再度遠心分離し、CTCを含むペレットを回収する。本操作は懸濁液内の細胞の懸濁濃度を向上させ、夾雑細胞である白血球と、白血球と結合可能な担体との反応性を高めることを目的に行なう操作である。
(7)夾雑細胞と結合可能な担体として、抗CD45抗体を結合した磁性粒子を添加する。磁性粒子との反応時間や反応温度は、使用した抗体の特性に応じて適時変更すればよい。
(8)前記磁性粒子と白血球とを結合させた後、添加した前記磁性粒子を磁石を用いて取り除き、上清を回収する。なお上清は、適時好ましい溶液に置換してもよい。例えば、回収した細胞を誘電泳動を用いて細胞を操作する場合、マンニトールなど糖を含む溶液を用いて置換するとよい。
(9)(8)で得られたCTCを含む細胞懸濁液を、前記細胞を保持可能な保持部を有した細胞保持装置(例えば、図1および2に示す装置)に導入し、前記保持部に前記細胞を保持した後、顕微鏡や光学検出器などで観察することで血液試料中に含まれるCTCを検出する。CTCの検出は、例えば、明視野像によるCTCと夾雑細胞(例えば、白血球などの血液成分)との大きさや形状の違いに基づき検出してもよく、サイトケラチンやEpCAM(Epithelial Cell Adhesion Molecule)などCTCで発現するタンパク質に対する標識抗体および/または夾雑細胞で発現するタンパク質(夾雑細胞が白血球の場合はCD45など)に対する標識抗体で細胞を染色し当該染色結果に基づき検出してもよい。
(9)(8)で検出したCTCを採取手段で採取する。採取手段の一例として、ノズルによる吸引吐出により採取する手段があげられ、具体例として特開2016−142616号に開示の装置があげられる。
本発明は、血液試料に溶血剤を添加し当該試料中に含まれる赤血球を溶血させる工程と、前記溶血工程後の溶液を遠心分離し得られた上清を除去する工程と、塩化ナトリウムを少なくとも含む置換溶液および血液試料中に含まれる夾雑細胞と結合可能な担体を添加する工程と、夾雑細胞と結合した前記担体を除去する工程とを含む、血液試料中に含まれる目的細胞を濃縮する方法によって、血液試料中に含まれる目的細胞の回収率が50%以上であり、かつ血液試料中に含まれる目的細胞の回収率[%]を同試料中に含まれる夾雑細胞の残存率[%]で除して得られる濃縮倍率が8倍以上であることを特徴としている。
本発明により、血液試料中に含まれる目的細胞数が夾雑細胞数に対して非常に少ない場合であっても、血液試料中に含まれる夾雑細胞を選択的に除去し、目的細胞を濃縮できる。したがって血液試料中に含まれる目的細胞を検出する際に、検出対象となる細胞の総数を減らすことができ、検出時間の短縮にも繋がる。また本発明の方法は、目的細胞以外の夾雑細胞数を減らせるため、夾雑細胞を目的細胞として誤検出する頻度を大幅に減らせる。
一例として、本発明を血液中に含まれる腫瘍細胞(CTC)の検出に適用する場合、本発明の方法により高効率にCTCを濃縮できるため、血液試料の採取量を少なくすることができ、患者への負担が低減できる。また、がんの診断をCTCの存在により行なう場合、CTCの有無の判断結果に対する信頼性が向上するため、精度高くがんを診断することができる。
本発明の検出方法で利用可能な、細胞保持装置の一例を示す図である。 図1に示す装置の正面図である。
以下、実施例および比較例を用いて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら例に限定されるものではない。
参考例1
(1)一方の末端がメトキシ基であり、もう一方の末端がN−ヒドロオキシスクシンイミドエステル基である、分子量5000のポリエチレングリコール(mPEG−NHS)と、ウシ血清アルブミン(BSA)(300mg、0.3mmol)とを、炭酸水素ナトリウム緩衝液(0.1M、15mL)に溶解させ、当該溶液を25℃近傍で3時間撹拌することでポリエチレングリコールを結合したBSA(PEG−BSA)を調製した。なお調製する際、mPEG−NHSとBSAとのモル比(mPEG−NHS/BSA)を2となるようにした。調製後、分画分子量10000の透析膜を用いて、純水への溶液置換を3日間行なった。
(2)インフォームドコンセントを得た健常人から血液をEDTA−2K採血管(VP−DK050K、テルモ社製)に採血した。
(3)血液3mLに、0.9%(w/v)塩化アンモニウムと0.1%(w/v)炭酸水素カリウムとを含む溶血液で45mLまでメスアップ後、5分間放置して溶血し、900×gで5分間、25℃で遠心分離した。当該操作により赤血球が破壊される。
(4)遠心後の上清を44mL除去した後、血球細胞のペレットを再懸濁することで得られた細胞懸濁液を溶血剤血球懸濁液とした。
(5)(3)の遠心後の上清を43mL除去した後、血球細胞のペレットを含む残液2mLの細胞懸濁液に対して、(1)に記載の方法で調製したPEG−BSA(BSAとして0.1%(w/v))および2%BSAを含むPBS(リン酸緩衝生理食塩水)で40mLまでメスアップした。前記PBSを置換溶液とする。
(6)前記懸濁液を600×gで5分間、25℃で遠心分離後、上清を38mL除去し、再度置換溶液で40mLまでメスアップし、前記懸濁液を600×gで5分間、25℃で遠心分離した。遠心後の上清を39mL除去した後、血球細胞のペレットを再懸濁することで得られた細胞懸濁液を置換溶液血球懸濁液とした。
(7)溶血剤血球懸濁液と置換溶液血球懸濁液とを以下の任意の割合で混合し、200μLの血球懸濁液を得た。
(a)溶血剤血球懸濁液:置換溶液血球懸濁液=0:1(溶血剤残存率0.3%)
(b)溶血剤血球懸濁液:置換溶液血球懸濁液=1:9(溶血剤残存率10%)
(c)溶血剤血球懸濁液:置換溶液血球懸濁液=1:2(溶血剤残存率33%)
(d)溶血剤血球懸濁液:置換溶液血球懸濁液=1:1(溶血剤残存率50%)
(e)溶血剤血球懸濁液:置換溶液血球懸濁液=1:0(溶血剤残存率100%)
(8)抗CD45抗体修飾磁性粒子懸濁液(Dynabeads CD45、Thermo Fisher Science社製)20μLと抗CD15抗体修飾磁性粒子懸濁液(Dynabeads CD15、Thermo Fisher Science社製)20μLとを混合した液から、磁石を用いて液を除去し磁性粒子を濃縮後、前記溶血剤と前記置換溶液とを以下の任意の割合で混合した溶液100μLに懸濁した。
(a)溶血剤:置換溶液=0:1(溶血剤残存率0.3%)
(b)溶血剤:置換溶液=1:9(溶血剤残存率10%)
(c)溶血剤:置換溶液=1:2(溶血剤残存率33%)
(d)溶血剤:置換溶液=1:1(溶血剤残存率50%)
(e)溶血剤:置換溶液=1:0(溶血剤残存率100%)
(9)(7)および(8)で得られた溶液を、それぞれ同一の溶血剤残存率の値を持つ溶液同士を混合した後、室温で5分間回転撹拌し、磁石を用いて磁性粒子に結合した白血球を除去した。
(10)(9)で白血球を除去した血球懸濁液に含まれる残存の白血球数を計測し、(7)で調整した血球懸濁液に含まれる計測した白血球数で除することで、白血球残存率を算出した。
白血球残存率の結果を表1に示す。磁性粒子を反応させる溶液において、比較例1の溶血剤残存率が高い場合(溶血剤残存率100%:白血球残存率33.3%、溶血剤残存率50%:白血球残存率17.3%)と比較して、実施例1における当該残存率が低い場合(溶血剤残存率33%:白血球残存率9.3%、溶血剤残存率10%:白血球残存率3.5%、溶血剤残存率0.3%:白血球残存率1.9%)では白血球残存率が低下することがわかる。白血球残存率が低いということは、白血球と磁性粒子との反応性が高いことを意味しており、溶血剤により白血球と磁性粒子に結合している抗体との反応性が低下、もしくは置換溶液に含まれる塩化ナトリウムの濃度に依存して前記抗体との反応性が向上したと考えられる。
実施例1
(1)イミダゾリジニル尿素(保存剤)2.3g、分子量6000のポリエチレングリコール(PEG)2.3g、チロフィバン(抗血小板剤)1.2mgおよびエチレンジアミン四酢酸(EDTA)(抗凝固剤)30mgを、溶液として30mLになるよう、超純水で溶解した。
(2)ヒト肺がん細胞(PC9細胞)を、5%CO環境下、10%FBS(ウシ胎児血清)を含むRPMI−1640培地を用いて37℃で24から96時間培養後、0.25%トリプシン/1mM EDTAを用いて培地から細胞を剥離し、蛍光染色色素であるCFSE(5− or 6−(N−Succinimidyloxycarbonyl)fluorescein 3’,6’−diacetate、同仁化学研究所社製)およびPKH67(Sigma社製)で標識した。蛍光標識されたPC9細胞を目的とするがん細胞とした。
(3)インフォームドコンセントを得た健常人からEDTA−2K採血管(VP−DK050K、テルモ社製)に3mL採血後、(1)で調製した溶液0.45mLおよび(2)で蛍光標識したPC9細胞約100個を添加し、希釈血液試料を調製した。
(4)希釈血液試料を25℃で10分間放置後、0.9%(w/v)塩化アンモニウムと0.1%(w/v)炭酸水素カリウムとを含む溶血液で45mLまでメスアップし、5分間放置することで溶血させた。
(5)溶血後の溶液を900×gで5分間、25℃で遠心分離し、遠心後の上清を下記に示す量除去した。
(a)除去量15mL(残液量30mL)
(b)除去量30mL(残液量15mL)
(c)除去量35mL(残液量10mL)
(d)除去量40mL(残液量5mL)
(e)除去量44mL(残液量1mL)
(f)除去量44.9mL(残液量0.1mL)
(6)上清残液でペレットを懸濁後、前記(a)以外の条件では、ポリエチレングリコールを結合したウシ血清アルブミン(PEG−BSA)(ウシ血清アルブミン(BSA)として0.1%(w/v))および2%(w/v)BSAを含むPBS(リン酸緩衝生理食塩水)で30mLまでメスアップした。なお前記PEG−BSAは、一方の末端がメトキシ基であり、もう一方の末端がN−ヒドロオキシスクシンイミドエステル基である、分子量5000のポリエチレングリコール(mPEG−NHS)と、BSA(300mg、0.3mmol)とを、mPEG−NHSとBSAとのモル比が2となるよう、炭酸水素ナトリウム緩衝液(0.1M、15mL)に溶解させ、当該溶液を25℃近傍で3時間撹拌し、分画分子量10000の透析膜を用いて、純水への溶液置換を3日間行ない、調製した。また各条件における、本操作後の上清の残存率を下記に示す。
(a)上清残存率100%(上清除去率0%)
(b)上清残存率50%(上清除去率50%)
(c)上清残存率33.3%(上清除去率66.7%)
(d)上清残存率16.7%(上清除去率83.3%)
(e)上清残存率3.3%(上清除去率96.7%)
(f)上清残存率0.3%(上清除去率99.7%)
(7)懸濁液を600×gで5分間、25℃で遠心分離後、残液量1.5mLとなるよう上清を除去した。
(8)上清残液でペレットを懸濁後、あらかじめPBSに置換した抗CD45抗体修飾磁性粒子懸濁液(Dynabeads CD45、Thermo Fisher Science社製)100μLを添加し、室温で5分間回転撹拌後、磁石を用いて当該磁性粒子に結合した白血球を除去した。
(9)白血球を除去した血球懸濁液に含まれる、がん細胞数および白血球数を計測した。計測したがん細胞数を(3)で添加したがん細胞数で除することでがん細胞回収率[%]を算出し、計測した白血球数を(3)で採取した血液中に含まれる白血球数で除することで白血球残存率[%]を算出した。さらに、がん細胞回収率[%]を白血球残存率[%]で除することで白血球に対するがん細胞の濃縮倍率を算出した。
結果を表2に示す。上清除去率が多いほど白血球の残存率は低下した。具体的には上清除去率が50%を超える(例えば、前記(c)から(f)の条件)と、白血球の残存率は10%以下になった。一方、がん細胞回収率は上清除去率にかかわらず90%以上を維持していた。このことから、前記(c)から(f)の条件では、前記(9)で算出した濃縮倍率が8倍以上となり、血液試料中に含まれるがん細胞を高倍率に濃縮できることがわかる。なお上清残存率が極端に低い条件(例えば、前記(f)の条件)では、濃縮倍率は向上したものの、細胞ペレット近傍に存在するがん細胞が吸引されたことで、がん細胞の回収率が若干低下したことから、上清除去率は55%以上99%以下(例えば、前記(c)から(e)の条件)が好ましいといえる。
実施例2
(1)実施例1(5)における上清残液量を10mL(すなわち上清除去率66.7%)とし、実施例1(8)で添加する磁性粒子懸濁液として下記(a)または(b)に示す方法で得られた懸濁液を用いた他は、実施例1(3)から(8)に記載と同様な方法で白血球を除去した。
(a)抗CD45抗体修飾磁性粒子懸濁液(Dynabeads CD45、Thermo Fisher Science社製)100μLと抗CD15抗体修飾磁性粒子懸濁液(Dynabeads CD15、Thermo Fisher Science社製)100μLとを混合した液から磁石を用いて上清を除去し磁性粒子を濃縮後、2%(w/v)BSAを含むPBS100μLに懸濁し得られた液
(b)抗CD50抗体溶液(マウス抗体、BioLegend社製)16μLと抗マウス抗体修飾磁性粒子懸濁液(Dynabeads M−450 Goat anti−mouse IgG、Thermo Fisher Science社製)100μLとを混合することで作製した抗CD50抗体修飾磁性粒子懸濁液ならびに前記(a)で用いた抗CD45抗体修飾磁性粒子懸濁液100μLおよび抗CD15抗体修飾磁性粒子懸濁液100μLとを混合した液から磁石を用いて上清を除去し磁性粒子を濃縮後、2%(w/v)BSAを含むPBS100μLに懸濁し得られた液
(2)(1)で白血球を除去したがん細胞を含む懸濁液を、実施例1(6)に記載の方法で調製したPEG−BSA(BSAとして0.1%(w/v))および280mMキシリトールを含む溶液30mLで再懸濁した。
(3)再懸濁液を600×gで5分間、25℃で遠心分離後、上清を除去し、再度、血球細胞を含むペレットを、PEG−BSA(BSAとして0.1%(w/v))および300mMスクロースを含む溶液30mLで再懸濁した。当該操作は、血小板を含む血液成分を除去し、血球細胞を濃縮するための操作である。
(4)再懸濁液を600×gで5分間、25℃で遠心分離後、上清を除去した血球細胞を含む懸濁液を図1および2に示す細胞保持装置100に導入し、信号発生器50から電極基板31・32に交流電圧(1MHz、20Vp−p)を3分間印加することで前記装置が有する保持部60に細胞を保持させた。本実施例で用いた細胞保持装置100は、直径30μmの貫通孔12aを複数有した絶縁体12と直径30μmの貫通孔11aを複数有した遮光性のクロム膜(遮光部材11)と電極基板31とを上から絶縁体12−遮光部材11−電極基板31の順に密着して設け、さらに絶縁体12の上面に試料の導入口21、排出口22および貫通部23を有する厚さ1mmのスペーサー20を、スペーサー20の上面に電極基板32を、それぞれ密着して設けてなる装置である。なお貫通孔11a/12aおよび電極基板31により、直径30μm、深さ30μmからなる細胞70を保持可能な保持部60が形成されている。
(5)保持部60に保持されたがん細胞数および白血球数を計測し、実施例1(9)に記載と同様な方法で、がん細胞回収率、白血球除去率、および白血球に対するがん細胞の濃縮倍率を算出した。
結果を表3に示す。白血球と結合可能な担体として、抗CD45抗体を結合した磁性粒子に加え抗CD15抗体を結合した磁性粒子も用いることで白血球残存率は低下した(抗CD45抗体を結合した磁性粒子のみ:8.1%、抗CD45抗体を結合した磁性粒子+抗CD15抗体を結合した磁性粒子:7.6%)。さらに抗CD50抗体を結合した磁性粒子も用いると白血球残存率はさらに低下し(3.2%)、濃縮倍率は大幅に向上した(27.8倍)。この結果から、白血球と結合可能な担体として、抗CD45抗体を結合した担体に加え抗CD15抗体を結合した担体を用いると高効率に白血球を除去できる点で好ましく、抗CD50抗体を結合した担体も用いるとさらに好ましいことがわかる。
実施例3
(1)実施例1(5)における上清残液量を5mL(すなわち上清除去率83.3%)とし、実施例1(6)における置換溶液をPEG−BSA(BSAとして0.1%(w/v))およびPBSを含む溶液を用いた他は、実施例1(3)から(8)に記載と同様な方法で白血球を除去した。
(2)(1)で白血球を除去したがん細胞を含む懸濁液を用いて、実施例2(2)から(5)に記載と同様な方法でがん細胞回収率、白血球除去率、および白血球に対するがん細胞の濃縮倍率を算出した。
比較例1
置換溶液として、PEG−BSA(BSAとして0.1%(w/v))および280mMキシリトールを含む溶液を用いた他は、実施例5と同様な方法でがん細胞回収率、白血球除去率、および白血球に対するがん細胞の濃縮倍率を算出した。
実施例3および比較例1の結果をまとめて表4に示す。置換溶液として塩化ナトリウムを含む溶液(BSA溶液)を用いることで、塩化ナトリウムを含まない溶液(キシリトール溶液)を用いた場合(比較例1、がん細胞回収率:36.4%、白血球残存率:35.3%、濃縮倍率:1.0倍)と比較して、白血球残存率は低下(4.5%)し、がん細胞回収率(92.3%)および濃縮倍率(20.5倍)は向上した(実施例3)。このことから、夾雑細胞と当該細胞と結合可能な担体とを結合させる際、塩化ナトリウムの存在は夾雑細胞と前記担体との結合の選択性に大きく寄与していることがわかる。
100:細胞保持装置
11:遮光部材
12:絶縁体
11a・12a:貫通孔
20:スペーサー
21:導入口
22:排出口
23:貫通部
31・32:電極基板
40:導線
50:信号発生器
60:保持部
70:細胞

Claims (7)

  1. (1)血液試料に溶血剤を添加し、当該試料中に含まれる赤血球を溶血させる工程と、
    (2)(1)の工程後の溶液を遠心分離し、得られた上清を除去する工程と、
    (3)(2)の工程で得た細胞を含む溶液に(i)置換溶液、および(ii)血液試料中に含まれる夾雑細胞と結合可能な担体を添加する工程と、
    (4)夾雑細胞と結合した前記担体を除去する工程と、
    を含む、血液試料中に含まれる目的細胞を濃縮する方法であって、
    前記(3)の置換溶液が塩化ナトリウムを含む緩衝液であり、血液試料中に含まれる目的細胞の回収率が50%以上であり、かつ血液試料中に含まれる目的細胞の回収率[%]を同試料中に含まれる夾雑細胞の残存率[%]で除して得られる濃縮倍率が8倍以上である、前記方法。
  2. (2)に記載の上清の除去工程が、得られた上清のうち55%以上99%以下の量を除去する工程である、請求項1に記載の方法。
  3. 夾雑細胞が白血球であり、夾雑細胞と結合可能な担体が白血球表面抗原に対する抗体を結合した担体である、請求項1または2に記載の方法。
  4. 白血球表面抗原に対する抗体が抗CD45抗体および抗CD15抗体を少なくとも含む、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
  5. 担体が磁性粒子である、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
  6. 以下の(I)から(III)に示す工程を含む、血液試料中に含まれる目的細胞の検出方法。
    (I)血液試料に保存剤を添加して保存処理する工程、
    (II)請求項1から5のいずれかに記載の方法で、(I)の工程後の試料から目的細胞を濃縮する工程、
    (III)(II)の工程後の試料から目的細胞を検出する工程
  7. 請求項6に記載の方法で目的細胞を検出後、前記目的細胞および/または夾雑細胞を採取する、血液試料中に含まれる細胞の採取方法。
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