JP7334015B2 - 乾燥野菜を含むブレッダーミックス - Google Patents
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Description
揚げ物は時間とともに、衣のサクサクとした食感がなくなり、歯切れが悪くなる傾向があり、これを電子レンジ等で再加熱した場合でも食感の劣化が生じる傾向がある。
ブレッダーミックスを使用して、食感の改善や経時的な食感劣化を防ぐ方法として、例えば、常圧下で品温70~130℃の範囲で5~60分間湿熱処理したもち米粉を含有することを特徴とするフライ食品用ブレッダーミックスが知られている(例えば特許文献1参照)。
従って、本発明は、水分値15質量%以下となるようにフリーズドライした目開き6mmの篩を抜け目開き200μmの篩上に残る大きさの、ジャガイモ、にんじん、ごぼう、玉ねぎからなる群から選択される1種又は2種以上である野菜をブレッダーミックス中1質量部以上50質量部以下含むブレッダーミックスである。
また、野菜が乾燥前に茹で処理してあることを特徴とする前記ブレッダーミックスである。
本発明で使用できる野菜は、水分値15質量%以下となるように乾燥することが出来れば特に限定はないが、例えば、ジャガイモ、にんじん、ごぼう、玉ねぎ等を挙げることができる。
これらの野菜は、乾燥後の大きさが、目開き6mmの篩を抜け200μm上に残る大きさである。
この大きさであれば、形状には特に限定はなく、例えば、形状として短冊状、粒状、棒状等を挙げることが出来る。
乾燥後の大きさは、乾燥前の野菜の大きさを適宜調整することで調整できるので、乾燥後の篩分けによるロスを減らすために乾燥前に大きさを適宜調整しておくことが好ましい。
フリーズドライの場合は、乾燥前と後で大きさが、あまり変化しないので調整しやすい。
食感の面で、フリーズドライによる乾燥が好ましい。
茹で処理は、90~100℃で5~10分間程度行う。
[実施例1~8、比較例1~3]
ジャガイモを水洗いして汚れを落とした後、皮を剥いて、3mm×3mm×10mmの棒状にカットした後、90℃で5分間茹で、真空乾燥機(共和真空技術株式会社製RLEIII-103)を使用してフリーズドライし水分値5質量%の乾燥ジャガイモを得た。
これを目開き6mmの篩で篩い、篩を抜けた乾燥ジャガイモを目開き200μmの篩でふるって乾燥ジャガイモの大きさを調整した。
これを表1に示す割合で配合し、よく混ぜてブレッダーミックスを得た。
鶏もも肉30gにバッター(薄力小麦粉50質量部、コーンフラワー20質量部、小麦澱粉23質量部、塩5質量部、グルタミン酸ナトリウム2質量部、加水率170%)を 20質量%練り込み 、前記ブレッダーミックスを付着し、170℃のサラダ油で5分間油揚して鶏のから揚げを得た。
フライ後、放冷して、評価を行った(フライ直後の食感として評価)。
さらに、25℃で3時間放置し評価を行った(3時間後の食感として評価)。
また、25℃で3時間放置し500Wの電子レンジで1分間、加熱し評価を行った(レンジアップの食感として評価)。
評価は、以下の評価基準で10名のパネラーにより乾燥野菜を含まないフライ直後の食感をコントロール(3点)として行った。
・食感
5点・・・歯切れが良くサクサクしていて、良い
4点・・・やや歯切れが良くサクサクして、やや良い
3点・・・普通
2点・・・やや歯切れが悪く、噛み切りにくく、やや悪い
1点・・・歯切れが悪く、噛み切りにくく、悪い
・外観
○・・・全体的にブレッダーの付着性が均一でムラがなく良い
△・・・一部ブレッダーの付着性にムラがあるものの許容できる範囲
×・・・ブレッダーの付着性にムラがあり外観が悪く許容範囲外
得られた評価結果を表2に示す。
以下の表中、小麦粉組成物は、小麦粉50質量%、コーンスターチ50質量%を混合したものである。
配合量が1質量%未満では十分な食感改良効果が得られなかった。
配合量が10質量%以上の場合は、優れた食感となったが、その一方で、配合量が30質量%以上になると外観が劣るようになり60質量%では、許容範囲外となり不適となった。
よって、ブレッダーミックス中乾燥ジャガイモの配合割合は、ブレッダーミックス中1質量部以上50質量部以下が適当であった。
[実施例9~16、比較例4~6]
試験例1において、表3に示すとおり乾燥野菜をジャガイモからにんじんに変更した以外は、試験例1と同様にして評価を行った。
得られた評価結果を表4に示す。
[実施例17~24、比較例7~9]
試験例1において、乾燥野菜を表5に示すとおりジャガイモからごぼうに変更した以外は、試験例1と同様にして評価を行った。
得られた評価結果を表6に示す。
[実施例25~32、比較例10~12]
試験例1において、乾燥野菜を表7に示すとおりジャガイモから玉ねぎに変更した以外は、試験例1と同様にして評価を行った。
得られた評価結果を表8に示す。
[実施例33~35、比較例13]
試験例1において、フリーズドライによる乾燥時間を調整し乾燥ジャガイモの水分値を表9に示すとおり変更した以外は、試験例1と同様にして評価を行った。
得られた評価結果を表9に示す。
[実施例36~38、比較例14]
試験例2において、フリーズドライによる乾燥時間を調整し乾燥にんじんの水分値を表10に示すとおり変更した以外は、試験例2と同様にして評価を行った。
得られた評価結果を表10に示す。
[実施例39~41、比較例15]
試験例3において、フリーズドライによる乾燥時間を調整し乾燥ごぼうの水分値を表11に示すとおり変更した以外は、試験例3と同様にして評価を行った。
得られた評価結果を表11に示す。
[実施例42~44、比較例16]
試験例4において、フリーズドライによる乾燥時間を調整し乾燥玉ねぎの水分値を表12に示すとおり変更した以外は、試験例4と同様にして評価を行った。
得られた評価結果を表12に示す。
[実施例45]
試験例1の実施例5において、フリーズドライする前にジャガイモを90℃で5分間茹でる工程を削除した以外は、試験例1と同様にして評価を行った。
[実施例46]
試験例2の実施例13において、フリーズドライする前に、にんじんを90℃で5分間茹でる工程を削除した以外は、試験例2と同様にして評価を行った。
[実施例47]
試験例3の実施例21において、フリーズドライする前に、ごぼうを90℃で5分間茹でる工程を削除した以外は、試験例3と同様にして評価を行った。
[実施例48]
試験例4の実施例29において、フリーズドライする前に、玉ねぎを90℃で5分間茹でる工程を削除した以外は、試験例4と同様にして評価を行った。
得られた評価結果を表13に示す。
[参考例49]
試験例1の実施例5において、乾燥方法を熱風乾燥に変更した以外は試験例1と同様にして評価を行った。
[比較例17]
試験例1の実施例5において、ジャガイモを生のまま乾燥せず使用した以外は試験例1と同様にして評価を行った。
[参考例50]
試験例2の実施例13において、乾燥方法を熱風乾燥に変更した以外は、試験例2と同様にして評価を行った。
[比較例18]
試験例2の実施例13において、にんじんを生のまま乾燥せず使用した以外は試験例2と同様にして評価を行った。
[参考例51]
試験例3の実施例21において、乾燥方法を熱風乾燥に変更した以外は、試験例3と同様にして評価を行った。
[比較例19]
試験例3の実施例21において、ごぼうを生のまま乾燥せず使用した以外は試験例3と同様にして評価を行った。
[参考例52]
試験例4の実施例29において、乾燥方法を熱風乾燥に変更した以外は、試験例4と同様にして評価を行った。
[比較例20]
試験例4の実施例29において、玉ねぎを生のまま乾燥せず使用した以外は試験例4と同様にして評価を行った。
得られた評価結果を表14に示す。
特に、フリーズドライによる乾燥方法が優れていた。
[比較例21]
試験例1の実施例5において、茹でる前のジャガイモを10×10×15mmにカットし、篩方法を、目開き6mmの篩で篩うことで乾燥ジャガイモの大きさを目開き6mmの篩を抜けない大きさに変更した以外は試験例1と同様にして評価を行った。
[比較例22]
試験例1の実施例5において、茹でる前のジャガイモを3×3×10mmにカットし、乾燥後すり鉢で粉砕し、篩方法を、目開き200μmの篩で篩うことで乾燥ジャガイモの大きさを目開き200μmの篩を抜ける大きさに変更した以外は試験例1と同様にして評価を行った。
[比較例23]
試験例10の実施例49において、茹でる前のジャガイモを15×15×20mmにカットし、篩方法を、目開き6mmの篩で篩うことで乾燥ジャガイモの大きさを目開き6mmを抜けない大きさに変更した以外は試験例10と同様にして評価を行った。
[比較例24]
試験例10の実施例49において、茹でる前のジャガイモを4.5×4.5×15mmにカットし、乾燥後すり鉢で粉砕し、篩方法を、目開き200μmの篩で篩うことで乾燥ジャガイモの大きさを篩の目開き200μmを抜ける大きさに変更した以外は試験例10と同様にして評価を行った。
[比較例25]
試験例2の実施例13において、茹でる前のにんじんを10×10×15mmにカットし、篩方法を、目開き6mmの篩で篩うことで乾燥にんじんの大きさを篩の目開き6mmを抜けない大きさに変更した以外は試験例2と同様にして評価を行った。
[比較例26]
試験例2の実施例13おいて、茹でる前のにんじんを3×3×10mmにカットし、乾燥後すり鉢で粉砕し、篩方法を、目開き200μmの篩で篩うことで乾燥にんじんの大きさを篩の目開き200μmを抜ける大きさに変更した以外は試験例2と同様にして評価を行った。
[比較例27]
試験例10の実施例50において、茹でる前のにんじんを15×15×20mmにカットし、篩方法を、目開き6mmの篩で篩うことで乾燥にんじんの大きさを篩の目開き6mmを抜けない大きさに変更した以外は試験例10と同様にして評価を行った。
[比較例28]
試験例10の実施例50において、茹でる前のにんじんを4.5×4.5×15mmにカットし、乾燥後すり鉢で粉砕し、篩方法を、目開き200μmの篩で篩うことで乾燥にんじんの大きさを篩の目開き200μmを抜ける大きさに変更した以外は試験例10と同様にして評価を行った。
[比較例29]
試験例3の実施例21において、茹でる前のごぼうを10×10×15mmにカットすることで乾燥ごぼうの大きさを篩の目開き6mmを抜けない大きさに変更した以外は試験例3と同様にして評価を行った。
[比較例30]
試験例3の実施例21において、茹でる前のごぼうを3×3×10mmにカットし、乾燥後すり鉢で粉砕し、篩方法を、目開き200μmの篩で篩うことで乾燥ごぼうの大きさを篩の目開き200μmを抜ける大きさに変更した以外は試験例3と同様にして評価を行った。
[比較例31]
試験例10の実施例51において、茹でる前のごぼうを15×15×20mmにカットし、篩方法を、目開き6mmの篩で篩うことで乾燥ごぼうの大きさを篩の目開き6mmを抜けない大きさに変更した以外は試験例10と同様にして評価を行った。
[比較例32]
試験例10の実施例51において、茹でる前のごぼうを4.5×4.5×15mmにカットし、乾燥後すり鉢で粉砕し、篩方法を、目開き200μmの篩で篩うことで乾燥ごぼうの大きさを篩の目開き200μmを抜ける大きさに変更した以外は試験例10と同様にして評価を行った。
[比較例33]
試験例4の実施例29において、茹でる前の玉ねぎを10×10×15mmにカットし、篩方法を、目開き6mmの篩で篩うことで乾燥玉ねぎの大きさを篩の目開き6mmを抜けない大きさに変更した以外は試験例4と同様にして評価を行った。
[比較例34]
試験例4の実施例29において、茹でる前の玉ねぎを3×3×10mmにカットし、乾燥後すり鉢で粉砕し、篩方法を、目開き200μmの篩で篩うことで乾燥玉ねぎの大きさを篩の目開き200μmを抜ける大きさに変更した以外は試験例4と同様にして評価を行った。
[比較例35]
試験例10の実施例52において、茹でる前の玉ねぎを15×15×20mmにカット、篩方法を、目開き6mmの篩で篩うことで乾燥玉ねぎの大きさを篩の目開き6mmを抜けない大きさに変更した以外は試験例10と同様にして評価を行った。
[比較例36]
試験例10の実施例52において、茹でる前の玉ねぎを4.5×4.5×15mmにカットし、乾燥後すり鉢で粉砕し、篩方法を、目開き200μmの篩で篩うことで乾燥玉ねぎの大きさを篩の目開き200μmを抜ける大きさに変更した以外は試験例10と同様にして評価を行った。
得られた評価結果を表15、表16に示す。
Claims (2)
- 水分値15質量%以下となるようにフリーズドライした目開き6mmの篩を抜け目開き200μmの篩上に残る大きさの、ジャガイモ、にんじん、ごぼう、玉ねぎからなる群から選択される1種又は2種以上である野菜をブレッダーミックス中1質量部以上50質量部以下含むブレッダーミックス。
- 野菜が乾燥前に茹で処理してあることを特徴とする請求項1に記載のブレッダーミックス。
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