JP7331316B2 - タイヤ - Google Patents

タイヤ Download PDF

Info

Publication number
JP7331316B2
JP7331316B2 JP2018177200A JP2018177200A JP7331316B2 JP 7331316 B2 JP7331316 B2 JP 7331316B2 JP 2018177200 A JP2018177200 A JP 2018177200A JP 2018177200 A JP2018177200 A JP 2018177200A JP 7331316 B2 JP7331316 B2 JP 7331316B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tire
resin
adhesive layer
bead
metal member
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018177200A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020045064A (ja
Inventor
壮一 京
啓之 筆本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bridgestone Corp filed Critical Bridgestone Corp
Priority to JP2018177200A priority Critical patent/JP7331316B2/ja
Publication of JP2020045064A publication Critical patent/JP2020045064A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7331316B2 publication Critical patent/JP7331316B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • DTEXTILES; PAPER
    • D07ROPES; CABLES OTHER THAN ELECTRIC
    • D07BROPES OR CABLES IN GENERAL
    • D07B1/00Constructional features of ropes or cables
    • D07B1/06Ropes or cables built-up from metal wires, e.g. of section wires around a hemp core
    • D07B1/0606Reinforcing cords for rubber or plastic articles
    • D07B1/0666Reinforcing cords for rubber or plastic articles the wires being characterised by an anti-corrosive or adhesion promoting coating
    • DTEXTILES; PAPER
    • D07ROPES; CABLES OTHER THAN ELECTRIC
    • D07BROPES OR CABLES IN GENERAL
    • D07B2201/00Ropes or cables
    • D07B2201/20Rope or cable components
    • D07B2201/2001Wires or filaments
    • D07B2201/201Wires or filaments characterised by a coating
    • D07B2201/2011Wires or filaments characterised by a coating comprising metals
    • DTEXTILES; PAPER
    • D07ROPES; CABLES OTHER THAN ELECTRIC
    • D07BROPES OR CABLES IN GENERAL
    • D07B2201/00Ropes or cables
    • D07B2201/20Rope or cable components
    • D07B2201/2001Wires or filaments
    • D07B2201/201Wires or filaments characterised by a coating
    • D07B2201/2012Wires or filaments characterised by a coating comprising polymers
    • DTEXTILES; PAPER
    • D07ROPES; CABLES OTHER THAN ELECTRIC
    • D07BROPES OR CABLES IN GENERAL
    • D07B2201/00Ropes or cables
    • D07B2201/20Rope or cable components
    • D07B2201/2001Wires or filaments
    • D07B2201/201Wires or filaments characterised by a coating
    • D07B2201/2013Wires or filaments characterised by a coating comprising multiple layers
    • DTEXTILES; PAPER
    • D07ROPES; CABLES OTHER THAN ELECTRIC
    • D07BROPES OR CABLES IN GENERAL
    • D07B2205/00Rope or cable materials
    • D07B2205/30Inorganic materials
    • D07B2205/3021Metals
    • D07B2205/3085Alloys, i.e. non ferrous
    • D07B2205/3089Brass, i.e. copper (Cu) and zinc (Zn) alloys
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/80Technologies aiming to reduce greenhouse gasses emissions common to all road transportation technologies
    • Y02T10/86Optimisation of rolling resistance, e.g. weight reduction 

Landscapes

  • Ropes Or Cables (AREA)
  • Tires In General (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Description

本発明は、タイヤ用樹脂金属複合部材及びタイヤに関する。
従来から、タイヤの耐久性(耐応力、耐内圧及び剛性)を高める試みのひとつとして、タイヤ本体に、金属部材である補強コードを螺旋状に巻回した補強ベルト部材を設けることが行なわれている。
また、通常、タイヤにはリムへの固定の役割を担うビードが設けられており、ビードワイヤーとして金属製のワイヤーが用いられている。
なお、こうした補強コードやビードワイヤー等の金属部材を樹脂材料で被覆することにより、タイヤに設けられる金属部材とタイヤ骨格体又はカーカスとの接着耐久性を向上させる方法が提案されている。
例えば、少なくとも熱可塑性樹脂材料で形成され且つ環状のタイヤ骨格体を有するタイヤであって、前記タイヤ骨格体の外周部に周方向に巻回されて補強コード層を形成する補強コード部材を有し、前記熱可塑性樹脂材料が少なくともポリエステル系熱可塑性エラストマーを含むタイヤが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、1つ以上の補強用スレッド;前記スレッド又は各スレッドを個別的に、又はいくつかのスレッドを集団的に被覆する、ガラス転移温度がプラスである少なくとも1つの熱可塑性ポリマー、ポリ(p-フェニレンエーテル)及びガラス転移温度がマイナスである官能基化不飽和熱可塑性スチレン(TPS)エラストマーを含み、前記TPSエラストマーがエポキシド基、カルボキシル基及び酸無水物基又はエステル基より選ばれた官能基を持っている熱可塑性ポリマー組成物の層を含む複合補強材が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2012-046025号公報 国際公開第2012/104281号
上記のように、補強コードやビードワイヤー等の金属部材を樹脂材料で被覆することで、タイヤ骨格体又はカーカスとの接着性を向上させる技術が知られているが、タイヤの耐久性向上の観点からは、さらなる接着耐久性の向上が求められている。
本発明は、上記事情に鑑み、タイヤに設けられる金属部材を含む部材であって、接着層の金属部材に対する接着性に優れたタイヤ用樹脂金属複合部材を提供することを課題とする。
前記課題を解決するための具体的手段には、下記の態様が含まれる。
[1] 金属部材と、
前記金属部材の上に直に接するよう設けられた接着層と、
前記接着層の上に設けられた被覆樹脂層と、を有し、
前記金属部材における、前記接着層が設けられる面が粗化表面であるタイヤ用樹脂金属複合部材。
[2] 前記粗化表面が、亜鉛めっき、銅めっき及び亜鉛-銅めっきからなる群より選択される少なくとも1種のめっきで被覆される、前記[1]に記載のタイヤ用樹脂金属複合部材。
[3] 前記粗化表面は、化学エッチング処理表面、レーザー処理表面又はサンドブラスト処理表面である、前記[1]又は[2]に記載のタイヤ用樹脂金属複合部材。
[4] 前記金属部材は、単線又は撚線である、前記[1]~[3]のいずれか1項に記載のタイヤ用樹脂金属複合部材。
[5] 前記接着層は、ポリエステル系熱可塑性樹脂、オレフィン系熱可塑性樹脂、ポリアミド系熱可塑性樹脂、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、及びポリアミド系熱可塑性エラストマーからなる群より選択される少なくとも1種を含有する、前記[1]~[4]のいずれか1項に記載のタイヤ用樹脂金属複合部材。
[6] 環状のタイヤ骨格体又はカーカスと、
前記[1]~[5]のいずれか1項に記載のタイヤ用樹脂金属複合部材と、を有するタイヤ。
[7] 前記タイヤ用樹脂金属複合部材が、前記タイヤ骨格体又は前記カーカスの外周部に周方向に巻回される補強ベルト部材を構成する前記[6]に記載のタイヤ。
[8] 前記タイヤ用樹脂金属複合部材が、ビード部材を構成する前記[6]に記載のタイヤ。
本発明によれば、タイヤに設けられる金属部材を含む部材であって、接着層の金属部材に対する接着性に優れたタイヤ用樹脂金属複合部材が提供される。
本実施形態に係るタイヤにおけるビード部の一例を示す、ビードワイヤーの長さ方向に対する垂直切断面の模式図である。 本実施形態に係るタイヤにおけるビード部の他の一例を示す、ビードワイヤーの長さ方向に対する垂直切断面の模式図である。 本実施形態に係るタイヤをタイヤ幅方向に沿って切断した切断面の片側を示すタイヤ半断面図である。 本実施形に係る別の態様のタイヤのタイヤ骨格体のクラウン部に補強コード部材が埋設された状態を示すタイヤ回転軸に沿った断面図である。
以下に、本開示の実施形態について説明する。これらの説明及び実施例は実施形態を例示するものであり、実施形態の範囲を制限するものではない。
本開示中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示において「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
本開示において、「主成分」とは、特に断りがない限り、混合物中における質量基準の含有量が最も多い成分を意味する。
本開示において各成分は該当する物質を複数種含んでいてもよい。本開示において組成物中の各成分の量について言及する場合、組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計量を意味する。
本開示において「樹脂」とは、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、及び熱硬化性樹脂を含む概念であり、加硫ゴムは含まない。また、以下の樹脂の説明において「同種」とは、エステル系同士、スチレン系同士等、樹脂の主鎖を構成する骨格と共通する骨格を備えたものを意味する。
また、本開示において「熱可塑性樹脂」とは、温度上昇とともに材料が軟化、流動し、冷却すると比較的硬く強度のある状態になるが、ゴム状弾性を有しない高分子化合物を意味する。
本開示において「熱可塑性エラストマー」とは、ハードセグメント及びソフトセグメントを有する共重合体を意味する。熱可塑性エラストマーとして具体的には、例えば、結晶性で融点の高いハードセグメント又は高い凝集力のハードセグメントを構成するポリマーと、非晶性でガラス転移温度の低いソフトセグメントを構成するポリマーと、を有する共重合体が挙げられる。また、熱可塑性エラストマーとしては、例えば、温度上昇とともに材料が軟化、流動し、冷却すると比較的硬く強度のある状態になり、かつ、ゴム状弾性を有するものが挙げられる。
なお、上記ハードセグメントは、ソフトセグメントよりも相対的に硬い成分を指す。ハードセグメントは塑性変形を防止する架橋ゴムの架橋点の役目を果たす分子拘束成分であることが好ましい。例えばハードセグメントとしては、主骨格に芳香族基若しくは脂環式基等の剛直な基を有する構造、又は分子間水素結合若しくはπ-π相互作用による分子間パッキングを可能にする構造等のセグメントが挙げられる。また、上記ソフトセグメントは、ハードセグメントよりも相対的に柔らかい成分を指す。ソフトセグメントはゴム弾性を示す柔軟性成分であることが好ましい。ソフトセグメントは、例えば、主鎖に長鎖の基(例えば長鎖のアルキレン基等)を有し、分子回転の自由度が高く、伸縮性を有する構造のセグメントが挙げられる。
<タイヤ用樹脂金属複合部材>
本開示に係るタイヤ用樹脂金属複合部材(以下単に「樹脂金属複合部材」とも称す)は、金属部材と、前記金属部材の上に直に接するよう設けられた接着層と、前記接着層の上に設けられた被覆樹脂層と、を有し、前記金属部材における、前記接着層が設けられる面が粗化表面である。本開示に係るタイヤ用樹脂金属複合部材は、その他の層を含んで構成されていてもよい。
上記のように、タイヤ骨格体又はカーカスの外周部に巻回して設けられる補強ベルト部材の補強コード、及び/又は、タイヤのリムへの固定の役割を担うビードにおけるビードワイヤー等の部材として、金属部材が用いられている。なお、通常のタイヤ骨格体又はカーカスは、樹脂やゴム等の弾性材料で構成されているが、上記のようにタイヤに設けられる金属部材には、タイヤの耐久性向上の観点から、接着層の金属部材に対する接着性の向上が、強く求められている。
そこで、本発明者らは、上記構成を有するタイヤ用樹脂金属複合部材とすることで、接着層の金属部材に対する接着性が向上することを見出した。その理由は、以下のように推察される。
金属部材における、前記接着層が設けられる面が粗化表面であると、この金属部材と金属部材の上に設けられる接着層とが、アンカー効果により、接触面積が増大するため、接着層の金属部材に対する接着性が向上するものと推察される。
[金属部材]
本開示に係る樹脂金属複合部材は、金属部材を含む。
金属部材は、樹脂金属複合部材に耐久性を付与する観点、例えば金属部材の防錆性の観点、接着層との接着性向上の観点等から、その表面にめっきが形成されていてもよい。
めっきの種類としては、銅めっき、亜鉛めっき、銅-亜鉛めっき、アルミニウムめっき、コバルトめっき等が挙げられる。
上記の中でも、めっきの種類としては、亜鉛めっき、銅めっき(即ち、銅含有率が100%であるめっき)及び亜鉛-銅めっきからなる群より選択される少なくとも1種のめっきであることが好ましく、銅めっきであることがより好ましい。
また、前記粗化表面は、接着層の金属部材に対する接着性をより向上させる観点から、亜鉛めっき、銅めっき及び亜鉛-銅めっきからなる群より選択される少なくとも1種のめっきで被覆されることが好ましい。
前記めっきが銅-亜鉛めっきである場合、亜鉛と銅の含有比率(亜鉛/銅)は、めっき自体の耐久性の観点から、質量比で、45/55以上であることが好ましく、57/43以上であることがより好ましく、80/20以上99/1以下であることが更に好ましい。
なお、めっきにおける銅の含有率は、エネルギー分散型X線分光(EDX)により定量を行う。日立ハイテクノロジーズ製TM3030Plusの分析機器を用いて、加速電圧15kV、倍率1000倍の条件で分析を行い、得られたEDX散乱X線スペクトルにおける銅(Cu)あるいは亜鉛(Zn)等のピーク値から含有率を算出することができる。
金属部材の表面における上記めっきの付着量の指標として、例えばめっき厚さとしては、0.1μm以上10μm以下の範囲が好ましく、0.2μm以上8.0μm以下の範囲がより好ましい。
なお、めっき厚さは、走査型電子顕微鏡(SEM)による観察により測定することができる。
金属部材表面へのめっきの形成方法は、特に限定されず、公知の方法により行うことができる。例えば、めっき素線の芯線となる金属部材を、例えば銅めっき浴及び亜鉛めっき浴にそれぞれ通過浸漬してめっき処理が行われる。銅めっきの場合、シアン化銅浴、ホウフッ化銅浴、硫酸銅浴等により処理され、亜鉛めっきの場合、シアン化亜鉛浴、塩化亜鉛浴、ジンケート浴等により処理される。
次にめっき浴を通過浸漬させた金属部材に熱拡散処理を施すことにより、銅及び亜鉛がめっき層全体にわたって均一拡散される。熱拡散処理では、例えば500℃~650℃かつ1分以内程度(例えば5秒~25秒)の条件で加熱処理され、銅-亜鉛めっき化される。
次に熱拡散処理された金属部材を伸線加工することにより、所定のめっき厚さのめっきを有しかつ所定の線径を有する金属部材が形成される。
なお、めっきの形成方法は、上述のような工程の順に限定されるものではない。
・粗化表面
金属部材は、接着層が設けられる面が粗化表面である。
金属部材における粗化表面の範囲は、金属部材と前記金属部材の上に直に接するよう設けられた接着層とをアンカー効果により接着することができる程度の範囲であれば、接着層が設けられる面の全面であってもよく、一部の領域であってもよい。例えば、接着層の金属部材に対する接着性をより向上させる観点から、金属部材における粗化表面は、接着層が設けられる面の全面であることが好ましい。
粗化表面としては、金属部材と前記金属部材の上に直に接するよう設けられた接着層とをアンカー効果により接着することができる表面であれば特に限定されず、適宜公的な粗化処理方法を適用した粗化表面を用いてよい。
接着層が設けられる面に粗化表面を有する金属部材は、市販品であってもよく、金属部材に粗化処理を施したものであってもよい。
粗化表面としては、例えば、切削表面、ビーズ研磨処理面、プラズマ処理表面、化学エッチング処理表面、レーザー処理表面、サンドブラスト処理表面等が挙げられる。
上記の中でも、粗化表面は、例えば、接着層の金属部材に対する接着性をより向上させる観点から、化学エッチング処理表面、レーザー処理表面又はサンドブラスト処理表面であってもよい。
化学エッチング処理表面とは、金属部材の表面が化学剤を含むエッチング液により粗化された表面を表す。
化学剤を含むエッチング液としては、例えば、アルカリ性又は酸性のエッチング液が挙げられる。
アルカリ性又は酸性のエッチング液としては、例えば、苛性ソーダ、炭酸ソーダ、アルミン酸ソーダ、メタケイ酸ソーダ、リン酸ソーダ、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ性溶液;塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、クロム酸、フッ酸、ホウフッ化水素酸等の酸を含む酸性溶液などが挙げられる。
エッチング液を用いた粗化処理は、エッチング液に金属部材を浸漬させる手法であってもよく、スプレーでエッチング液を金属部材に吹き付ける手法であってもよい。
レーザー処理表面とは、金属部材の表面がレーザー照射により粗化された表面を表す。
レーザー照射としては、例えば、半導体レーザー、ファイバーレーザー、ディスクレーザー、COレーザー、パルスレーザー等を用いる方法が挙げられる。上記の中でも、レーザー照射としては、パルスレーザーを用いることが好ましい。
レーザーの照射時間、照射回数、波長、ピーク出力及び加工周期としては、金属部材と前記金属部材の上に直に接するよう設けられた接着層とをアンカー効果により接着することができる程度に表面が粗化されるまでの照射時間、照射回数、波長、ピーク出力及び加工周期であればよい。
粗化表面がパルスレーザーによるレーザー処理表面である場合、例えば、ピーク出力は1.0×10W以上1.0×1010W以下であることが好ましく、1.0×10W以上1.0×10W以下であることがより好ましく、1.0×10W以上1.0×10W以下であることが更に好ましい。
レーザー照射におけるスポット径は、例えば、アンカー効果をより高める観点から、0.1μm以上100μm以下であることが好ましく、0.5μm以上50μm以下であることがより好ましく、1μm以上30μm以下であることが更に好ましい。
レーザー照射の回数は、例えば、アンカー効果をより高める観点から、10回以上であることが好ましく、50回以上であることが好ましく、80回以上200回以下であることが更に好ましい。
サンドブラスト処理表面とは、金属部材の表面が砂等の研磨材により粗化された表面を表す。
サンドの粒度は、♯400以下であることが好ましく、#30以上#100以下であることがより好ましく、#40以上#80以下であることが更に好ましい。
サンドブラストに用いる研削材としては、適宜公的な材料を適用してよい。研削材としては、例えば、ガラスビーズ、SiC、SiO、Al、ZrO等の2μm~100μm程度の微粒子が挙げられる。これらの微粒子は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
サンドブラスト処理における研削の圧力としては、0.1MPa~5.0MPであることが好ましく、0.5MPa~2.0MPaであることがより好ましく、0.8MPa~1.5MPaであることが更に好ましい。
上記の中でも、粗化表面としては、接着層の金属部材に対する接着性がより向上される観点から、化学エッチング処理表面であることが好ましい。
粗化表面は、金属部材の表面により均一性の高い粗化形状を出す目的で、上記の粗化処理の後に、樹脂皮膜を作製する処理を経た粗化表面であってもよい。なお、前記樹脂皮膜を作製する場合、前記樹脂皮膜は金属部材に含む。
粗化表面は、タイヤ用樹脂金属複合部材の耐久性の低下を抑制する観点、例えば金属部材の防錆性の観点、接着層との接着性向上の観点等から、亜鉛めっき、銅めっき及び亜鉛-銅めっきからなる群より選択される少なくとも1種のめっきで被覆されることが好ましい。なお、粗化表面は、めっきが形成された金属部材の表面に対して更に粗化処理が施された表面であることが好ましい。
金属部材としては、例えば、鉄製の部材(スチールコード等)、又はこの鉄製の部材の表面に前述のめっきが形成された部材等が挙げられる。
金属部材の形状は、特に制限されず、例えば、タイヤの補強に用いられる金属製のコード等を適宜用いることができる。金属製のコードとしては、例えば、一本の金属コードからなるモノフィラメント(単線)、複数本の金属コードを撚ったマルチフィラメント(撚線)等が挙げられる。また、金属部材の形状は線状(コード状)に限られるものではなく、例えば板状の金属部材であってもよい。
本実施形態における金属部材としては、タイヤの耐久性をより向上させる観点からは、モノフィラメント(単線)又はマルチフィラメント(撚線)が好ましい。金属部材の断面形状、サイズ(直径)等は、特に限定されるものではなく、所望のタイヤに適したものを適宜選定して用いることができる。
金属部材が複数本のコードの撚り線である場合、複数本のコードの数としては、例えば2本~10本が挙げられ、5本~9本が好ましい。
タイヤの耐内圧性と軽量化とを両立する観点からは、金属部材の太さは、0.2mm~2mmであることが好ましく、0.8mm~1.6mmであることがより好ましい。金属部材の太さは、任意に選択した5箇所において測定した太さの数平均値とする。
金属部材自体の引張弾性率(以下、特定しない限り、本明細書で「弾性率」とは引張弾性率を意味する。)は、通常、100000MPa~300000MPa程度であり、120000MPa~270000MPaであることが好ましく、150000MPa~250000MPaであることが更に好ましい。なお、金属部材の引張弾性率は、引張試験機にてZWICK型チャックを用いて応力-歪曲線を描き、その傾きから算出する。
金属部材自体の破断伸び(引張破断伸び)は、通常、0.1%~15%程度であり、1%~15%が好ましく、1%~10%が更に好ましい。金属部材の引張破断伸びは、引張試験機にてZWICK型チャックを用いて応力-歪曲線を描き、歪から求めることができる。
[接着層]
本開示に係る樹脂金属複合部材は、前記金属部材の上に直に接するように接着層が設けられている。
接着層の組成は、金属部材と、接着層の上に接する層とが接着されるものであれば、特に限定されない。例えば、接着性向上の観点から、接着剤を含むことが好ましい。
接着剤は、熱可塑性樹脂及び熱可塑性エラストマーからなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。なお、接着層に含まれる熱可塑性樹脂及び熱可塑性エラストマーの総含有率は、接着層全体の50質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましく、75質量%以上であることがさらに好ましい。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエステル系熱可塑性樹脂、ポリアミド系熱可塑性樹脂、ポリスチレン系熱可塑性樹脂、ポリウレタン系熱可塑性樹脂、及びオレフィン系熱可塑性樹脂(例えばポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等)等が挙げられる。
熱可塑性エラストマーとしては、例えば、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、及びオレフィン系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
中でも、接着剤に含まれる熱可塑性樹脂及び熱可塑性エラストマーとしては、ポリエステル系熱可塑性樹脂、オレフィン系熱可塑性樹脂、ポリアミド系熱可塑性樹脂、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、及びポリアミド系熱可塑性エラストマーからなる群より選択される少なくとも一種を含むことが好ましく、ポリエステル系熱可塑性エラストマーを含むことがより好ましい。
接着層は、熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマーとして未変性の熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマーを含んでもよいが、接着性向上の観点から、接着剤として酸変性された熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマーを含むことがより好ましい。酸変性された熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマーとは、熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマーの分子の一部に酸基(例えば、カルボキシ基)が導入された熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマーである。酸基としては、カルボキシ基(-COOH)及びその無水物基、硫酸基、燐酸基等が挙げられ、中でもカルボキシ基及びその無水物基が好ましい。
接着層は、熱可塑性樹脂及び熱可塑性エラストマーを単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
・引張弾性率
接着層は被覆樹脂層よりも引張弾性率が小さい層であることが好ましい。接着層の引張弾性率は、例えば、接着層の形成に用いる接着剤の種類、接着層の形成条件や熱履歴(例えば、加熱温度、加熱時間等)等によって制御することができる。
接着層の引張弾性率は、例えば下限値は、1MPa以上が好ましく、20MPa以上がより好ましく、50MPa以上がさらに好ましい。引張弾性率が上記下限値以上であることで、金属部材との接着性能及びタイヤ耐久性に優れる。
また、接着層の引張弾性率の上限値は、乗り心地の観点から、1500MPa以下が好ましく、600MPa以下がより好ましく、400MPa以下がさらに好ましい。
なお、接着層の引張弾性率の測定は、被覆樹脂層の引張弾性率と同様の方法で行うことができる。
また、接着層の引張弾性率をE1とし、被覆樹脂層の引張弾性率をE2としたとき、E1/E2の値としては、例えば0.05以上0.5以下が挙げられ、0.05以上0.3以下が好ましく、0.05以上0.2以下がより好ましい。E1/E2の値が前記範囲であることにより、前記範囲よりも小さい場合に比べてタイヤの耐久性に優れ、前記範囲よりも大きい場合に比べて走行時の乗り心地に優れる。
・厚み
接着層の平均厚みは、特に制限されないが、走行時の乗り心地及びタイヤの耐久性の観点で、5μm~500μmであることが好ましく、20μm~150μmであることがより好ましく、20μm~100μmであることが更に好ましい。
接着層の平均厚みは、被覆樹脂層における測定方法に準じて測定される。
また、接着層の平均厚みをT1とし、被覆樹脂層の平均厚みをT2としたとき、T1/T2の値としては、例えば0.1以上0.5以下が挙げられ、0.1以上0.4以下が好ましく、0.1以上0.35以下がより好ましい。T1/T2の値が前記範囲であることにより、前記範囲よりも小さい場合に比べて走行時の乗り心地に優れ、前記範囲よりも大きい場合に比べてタイヤの耐久性に優れる。
[被覆樹脂層]
本開示に係る樹脂金属複合部材は、前記接着層の上に被覆樹脂層を設ける。
被覆樹脂層の材質は特に制限されず、例えば、熱可塑性樹脂及び熱可塑性エラストマーからなる群より選ばれる少なくとも1種の熱可塑性材料を用いることができる。
被覆樹脂層は、成形容易性の観点及び接着層に対する接着性の観点から、熱可塑性エラストマーを含むことが望ましい。
また、被覆樹脂層は、熱可塑性エラストマーの中でも特に、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、及びオレフィン系熱可塑性エラストマーからなる群より選択される少なくとも1種を含むことが望ましい。
(熱可塑性エラストマー)
熱可塑性エラストマーとしては、後述のタイヤ骨格体に用いられる熱可塑性エラストマーと同様であり、好ましい態様も同様である。したがって、ここでは、詳細な説明を省略する。
熱可塑性エラストマーとしては、例えば、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
(熱可塑性樹脂)
熱可塑性樹脂としては、後述のタイヤ骨格体に用いられる熱可塑性樹脂と同様であり、好ましい態様も同様である。したがって、ここでは、詳細な説明を省略する。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリアミド系熱可塑性樹脂、ポリエステル系熱可塑性樹脂、オレフィン系熱可塑性樹脂、ポリウレタン系熱可塑性樹脂、塩化ビニル系熱可塑性樹脂、ポリスチレン系熱可塑性樹脂等を例示することができる。
被覆樹脂層は、熱可塑性樹脂及び熱可塑性エラストマーを、単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
被覆樹脂層が熱可塑性樹脂及び熱可塑性エラストマーからなる群より選択される少なくとも1種を含む場合、その総含有率は被覆樹脂層全体に対して50質量%以上含ませることが好ましく、60質量%以上がより好ましく、75質量%以上がさらに好ましい。
被覆樹脂層は、熱可塑性樹脂及び熱可塑性エラストマー以外の他の成分を含んでもよい。他の成分としては、ゴム、熱可塑性樹脂、各種充填剤(例えば、シリカ、炭酸カルシウム、クレイ等)、老化防止剤、オイル、可塑剤、発色剤、耐候剤等が挙げられる。
(物性)
・厚み
被覆樹脂層の平均厚みは、特に限定されない。耐久性に優れる点や溶着性の観点から、10μm以上1000μm以下であることが好ましく、50μm以上700μm以下であることがより好ましい。
被覆樹脂層の平均厚みは、金属部材、接着層及び被覆樹脂層の積層方向に沿って樹脂金属複合部材を切断して得られる断面のSEM画像を任意の5箇所から取得し、得られたSEM画像もしくはビデオマイクロスコープにより得られる画像から測定される被覆樹脂層の厚みの数平均値とする。各SEM画像における被覆樹脂層の厚みは、最も厚みの小さい部分(接着層と被覆樹脂層との間の界面と、樹脂金属複合部材の外縁との距離が最小となる部分)で測定される値とする。
・引張弾性率
被覆樹脂層の引張弾性率は、接着層の引張弾性率よりも大きいことが好ましく、例えば50MPa以上1000MPa以下が挙げられ、乗り心地、走行性能の観点から50MPa以上800MPa以下が好ましく、50MPa以上700MPa以下がより好ましい。
被覆樹脂層の引張弾性率は、例えば、被覆樹脂層に含まれる樹脂の種類等によって制御することができる。
なお、引張弾性率の測定は、JIS K7113:1995に準拠して行う。
具体的には、例えば、島津製作所社製、島津オートグラフAGS-J(5KN)を用い、引張速度を100mm/minに設定し、引張弾性率の測定を行う。なお、樹脂金属複合部材に含まれる被覆樹脂層の引張弾性率を測定する場合、例えば、上記被覆樹脂層と同じ材料の測定試料を別途準備して弾性率測定してもよい。
<タイヤ>
本実施形態に係るタイヤは、環状のタイヤ骨格体又はカーカスと、前述の本実施形態に係るタイヤ用樹脂金属複合部材と、を有する。
なお、タイヤ用樹脂金属複合部材は、例えばタイヤ骨格体又はカーカスの外周部に周方向に巻回される補強ベルト部材、ビード部材等として用いられる。
ここで、本実施形態に係るタイヤを構成するタイヤ骨格体及びカーカスについて説明する。
〔タイヤ骨格体又はカーカス〕
本開示において「カーカス(carcass)」とは、従来タイヤにおいてタイヤの骨格をなす部材であり、いわゆるラジアルカーカス、バイアスカーカス、セミラジアルカーカス等が含まれる。カーカスは一般に、コード、繊維等の補強材がゴム材料で被覆された構造を有する。
本開示において「タイヤ骨格体(tire frame)」とは、従来タイヤのカーカスに相当する部材であって、樹脂材料から形成されるもの(いわゆる樹脂タイヤ用のタイヤ骨格体)を意味する。
カーカスを形成する弾性材料としては後述するゴム材料が挙げられ、タイヤ骨格体を形成する弾性材料としては後述する樹脂材料が挙げられる。
(弾性材料:ゴム材料)
ゴム材料は、ゴム(ゴム成分)を少なくとも含んでいればよく、本実施形態に係る効果を損なわない範囲で、添加剤等の他の成分を含んでもよい。ただし、前記ゴム材料中におけるゴム(ゴム成分)の含有量は、ゴム材料の総量に対して、50質量%以上が好ましく、90質量%以上が更に好ましい。カーカスは、例えばゴム材料を用いて形成することができる。
カーカスに用いるゴム成分としては、特に限定はなく、従来より公知のゴム配合に使用される天然ゴム及び各種合成ゴムを、単独もしくは2種以上混合して用いることができる。例えば、下記に示す様なゴム、もしくはこれらの2種以上のゴムブレンドを使用することができる。
上記天然ゴムとしては、シートゴムでもブロックゴムでもよく、RSS#1~#5の総てを用いることができる。
上記合成ゴムとしては、各種ジエン系合成ゴムやジエン系共重合体ゴム及び特殊ゴムや変性ゴム等を使用できる。具体的には、例えば、ポリブタジエン(BR)、ブタジエンと芳香族ビニル化合物との共重合体(例えばSBR、NBRなど)、ブタジエンと他のジエン系化合物との共重合体等のブタジエン系重合体;ポリイソプレン(IR)、イソプレンと芳香族ビニル化合物との共重合体、イソプレンと他のジエン系化合物との共重合体等のイソプレン系重合体;クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム(X-IIR);エチレン-プロピレン系共重合体ゴム(EPM)、エチレン-プロピレン-ジエン系共重合体ゴム(EPDM)及びこれらの任意のブレンド物等が挙げられる。
また、カーカスに用いるゴム材料は、目的に応じてゴムに添加物等の他の成分を加えてもよい。
添加物としては、例えば、カーボンブラック等の補強材、充填剤、加硫剤、加硫促進剤、脂肪酸又はその塩、金属酸化物、プロセスオイル、老化防止剤等が挙げられ、これらを適宜配合することができる。
ゴム材料で形成されるカーカスは、未加硫のゴム材料を加熱によって加硫することで得られる。
(弾性材料:樹脂材料)
樹脂材料は、樹脂(樹脂成分)を少なくとも含んでいればよく、本実施形態に係る効果を損なわない範囲で、添加剤等の他の成分を含んでもよい。ただし、前記樹脂材料中における樹脂(樹脂成分)の含有量は、樹脂材料の総量に対して、50質量%以上が好ましく、90質量%以上が更に好ましい。タイヤ骨格体は、例えば樹脂材料を用いて形成することができる。
タイヤ骨格体に含まれる樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、及び熱硬化性樹脂が挙げられる。走行時の乗り心地の観点から、樹脂材料は、熱可塑性エラストマーを含むことが好ましく、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、及びオレフィン系熱可塑性エラストマーからなる群より選択される少なくとも1種を含むことがより好ましい。一方、接着性の観点からは、樹脂金属複合部材の被覆樹脂層に含まれる樹脂と同種の材料(例えば、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー等)を、タイヤ骨格体が含むことが好ましい。つまり、樹脂金属複合部材の被覆樹脂層がポリエステル系熱可塑性エラストマーを含む場合、タイヤ骨格体がポリエステル系熱可塑性樹脂及びポリエステル系熱可塑性エラストマーの少なくとも一種を含むことが好ましい。
熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール系熱硬化性樹脂、ユリア系熱硬化性樹脂、メラミン系熱硬化性樹脂、エポキシ系熱硬化性樹脂等が挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、ポリアミド系熱可塑性樹脂、ポリエステル系熱可塑性樹脂、オレフィン系熱可塑性樹脂、ポリウレタン系熱可塑性樹脂、塩化ビニル系熱可塑性樹脂、ポリスチレン系熱可塑性樹脂等を例示することができる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、熱可塑性樹脂としては、ポリアミド系熱可塑性樹脂、ポリエステル系熱可塑性樹脂、及びオレフィン系熱可塑性樹脂から選ばれる少なくとも1種が好ましく、ポリアミド系熱可塑性樹脂及びオレフィン系熱可塑性樹脂から選ばれる少なくとも1種が更に好ましい。
熱可塑性エラストマーとしては、例えば、JIS K6418に規定されるポリアミド系熱可塑性エラストマー(TPA)、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー(TPS)、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー(TPU)、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)、ポリエステル系熱可塑性エラストマー(TPEE)、熱可塑性ゴム架橋体(TPV)、若しくはその他の熱可塑性エラストマー(TPZ)等が挙げられる。なお、走行時に必要とされる弾性、製造時の成形性等を考慮すると、タイヤ骨格体を形成する樹脂材料としては、熱可塑性樹脂及び熱可塑性エラストマーからなる群より選択される少なくとも1種を用いることが好ましく、熱可塑性エラストマーを用いることが更に好ましい。
-ポリアミド系熱可塑性エラストマー-
ポリアミド系熱可塑性エラストマーとは、結晶性で融点の高いハードセグメントを形成するポリマーと非晶性でガラス転移温度の低いソフトセグメントを形成するポリマーとを有する共重合体からなる熱可塑性の樹脂材料であって、ハードセグメントを形成するポリマーの主鎖にアミド結合(-CONH-)を有するものを意味する。
ポリアミド系熱可塑性エラストマーとしては、例えば、少なくともポリアミドが結晶性で融点の高いハードセグメントを形成し、他のポリマー(例えば、ポリエステル、ポリエーテル等)が非晶性でガラス転移温度の低いソフトセグメントを形成している材料が挙げられる。また、ポリアミド系熱可塑性エラストマーは、ハードセグメント及びソフトセグメントの他に、ジカルボン酸等の鎖長延長剤を用いて形成されてもよい。
ポリアミド系熱可塑性エラストマーとしては、具体的には、JIS K6418:2007に規定されるアミド系熱可塑性エラストマー(TPA)等や、特開2004-346273号公報に記載のポリアミド系エラストマー等を挙げることができる。
ポリアミド系熱可塑性エラストマーにおいて、ハードセグメントを形成するポリアミドとしては、例えば、下記一般式(1)又は一般式(2)で表されるモノマーによって生成されるポリアミドを挙げることができる。
上記一般式(1)中、Rは、炭素数2~20の炭化水素の分子鎖(例えば炭素数2~20のアルキレン基)を表す。
上記一般式(2)中、Rは、炭素数3~20の炭化水素の分子鎖(例えば炭素数3~20のアルキレン基)を表す。
一般式(1)中、Rとしては、炭素数3~18の炭化水素の分子鎖、例えば炭素数3~18のアルキレン基が好ましく、炭素数4~15の炭化水素の分子鎖、例えば炭素数4~15のアルキレン基が更に好ましく、炭素数10~15の炭化水素の分子鎖、例えば炭素数10~15のアルキレン基が特に好ましい。
また、一般式(2)中、Rとしては、炭素数3~18の炭化水素の分子鎖、例えば炭素数3~18のアルキレン基が好ましく、炭素数4~15の炭化水素の分子鎖、例えば炭素数4~15のアルキレン基が更に好ましく、炭素数10~15の炭化水素の分子鎖、例えば炭素数10~15のアルキレン基が特に好ましい。
一般式(1)又は一般式(2)で表されるモノマーとしては、ω-アミノカルボン酸又はラクタムが挙げられる。また、ハードセグメントを形成するポリアミドとしては、これらω-アミノカルボン酸又はラクタムの重縮合体、ジアミンとジカルボン酸との共縮重合体等が挙げられる。
ω-アミノカルボン酸としては、6-アミノカプロン酸、7-アミノヘプタン酸、8-アミノオクタン酸、10-アミノカプリン酸、11-アミノウンデカン酸、12-アミノドデカン酸等の炭素数5~20の脂肪族ω-アミノカルボン酸等を挙げることができる。また、ラクタムとしては、ラウリルラクタム、ε-カプロラクタム、ウデカンラクタム、ω-エナントラクタム、2-ピロリドン等の炭素数5~20の脂肪族ラクタム等を挙げることができる。
ジアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジアミン、3-メチルペンタメチレンジアミン、メタキシレンジアミン等の炭素数2~20の脂肪族ジアミン等のジアミン化合物を挙げることができる。
また、ジカルボン酸は、HOOC-(R-COOH(R:炭素数3~20の炭化水素の分子鎖、m:0又は1)で表すことができ、例えば、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸等の炭素数2~20の脂肪族ジカルボン酸を挙げることができる。
ハードセグメントを形成するポリアミドとしては、ラウリルラクタム、ε-カプロラクタム、又はウデカンラクタムを開環重縮合したポリアミドを好ましく用いることができる。
また、ソフトセグメントを形成するポリマーとしては、例えば、ポリエステル、ポリエーテル等が挙げられ、具体的には、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ABA型トリブロックポリエーテル等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、ポリエーテルの末端にアンモニア等を反応させることによって得られるポリエーテルジアミン等も用いることができる。
ここで、「ABA型トリブロックポリエーテル」とは、下記一般式(3)に示されるポリエーテルを意味する。
上記一般式(3)中、x及びzは、1~20の整数を表す。yは、4~50の整数を表す。
一般式(3)において、x及びzは、それぞれ、1~18の整数が好ましく、1~16の整数がより好ましく、1~14の整数が更に好ましく、1~12の整数が特に好ましい。また、一般式(3)において、yは、5~45の整数が好ましく、6~40の整数がより好ましく、7~35の整数が更に好ましく、8~30の整数が特に好ましい。
ハードセグメントとソフトセグメントとの組合せとしては、上述で挙げたハードセグメントとソフトセグメントとのそれぞれの組合せを挙げることができる。これらの中でも、ハードセグメントとソフトセグメントとの組合せとしては、ラウリルラクタムの開環重縮合体/ポリエチレングリコールの組合せ、ラウリルラクタムの開環重縮合体/ポリプロピレングリコールの組合せ、ラウリルラクタムの開環重縮合体/ポリテトラメチレンエーテルグリコールの組合せ、又はラウリルラクタムの開環重縮合体/ABA型トリブロックポリエーテルの組合せが好ましく、ラウリルラクタムの開環重縮合体/ABA型トリブロックポリエーテルの組合せがより好ましい。
ハードセグメントを形成するポリマー(ポリアミド)の数平均分子量は、溶融成形性の観点から、300~15000が好ましい。また、ソフトセグメントを形成するポリマーの数平均分子量としては、強靱性及び低温柔軟性の観点から、200~6000が好ましい。さらに、ハードセグメント(x)及びソフトセグメント(y)との質量比(x:y)は、成形性の観点から、50:50~90:10が好ましく、50:50~80:20がより好ましい。
ポリアミド系熱可塑性エラストマーは、ハードセグメントを形成するポリマー及びソフトセグメントを形成するポリマーを公知の方法によって共重合することで合成することができる。
ポリアミド系熱可塑性エラストマーの市販品としては、例えば、宇部興産(株)の「UBESTA XPA」シリーズ(例えば、XPA9063X1、XPA9055X1、XPA9048X2、XPA9048X1、XPA9040X1、XPA9040X2XPA9044等)、ダイセル・エポニック(株)の「ベスタミド」シリーズ(例えば、E40-S3、E47-S1、E47-S3、E55-S1、E55-S3、EX9200、E50-R2等)等を用いることができる。
ポリアミド系熱可塑性エラストマーは、弾性率(柔軟性)、強度等の観点からタイヤ骨格体として要求される性能を満たすため、樹脂材料として好適である。また、ポリアミド系熱可塑性エラストマーは、熱可塑性樹脂や熱可塑性エラストマーとの接着性も良好であることが多い。
-ポリスチレン系熱可塑性エラストマー
ポリスチレン系熱可塑性エラストマーとしては、例えば、少なくともポリスチレンがハードセグメントを形成し、他のポリマー(例えば、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリエチレン、水添ポリブタジエン、水添ポリイソプレン等)が非晶性でガラス転移温度の低いソフトセグメントを形成している材料が挙げられる。ハードセグメントを形成するポリスチレンとしては、例えば、公知のラジカル重合法、イオン性重合法等で得られるものが好ましく用いられ、具体的には、アニオンリビング重合を持つポリスチレンが挙げられる。また、ソフトセグメントを形成するポリマーとしては、例えば、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリ(2,3-ジメチル-ブタジエン)等が挙げられる。
ハードセグメントとソフトセグメントとの組合せとしては、上述で挙げたハードセグメントとソフトセグメントとのそれぞれの組合せを挙げることができる。これらの中でも、ハードセグメントとソフトセグメントとの組合せとしては、ポリスチレン/ポリブタジエンの組合せ、又はポリスチレン/ポリイソプレンの組合せが好ましい。また、熱可塑性エラストマーの意図しない架橋反応を抑制するため、ソフトセグメントは水素添加されていることが好ましい。
ハードセグメントを形成するポリマー(ポリスチレン)の数平均分子量は、5000~500000が好ましく、10000~200000がより好ましい。
また、ソフトセグメントを形成するポリマーの数平均分子量としては、5000~1000000が好ましく、10000~800000がより好ましく、30000~500000が更に好ましい。さらに、ハードセグメント(x)及びソフトセグメント(y)との体積比(x:y)は、成形性の観点から、5:95~80:20が好ましく、10:90~70:30がより好ましい。
ポリスチレン系熱可塑性エラストマーは、ハードセグメントを形成するポリマー及びソフトセグメントを形成するポリマーを公知の方法によって共重合することで合成することができる。
ポリスチレン系熱可塑性エラストマーとしては、例えば、スチレン-ブタジエン系共重合体[SBS(ポリスチレン-ポリ(ブチレン)ブロック-ポリスチレン)、SEBS(ポリスチレン-ポリ(エチレン/ブチレン)ブロック-ポリスチレン)]、スチレン-イソプレン共重合体(ポリスチレン-ポリイソプレンブロック-ポリスチレン)、スチレン-プロピレン系共重合体[SEP(ポリスチレン-(エチレン/プロピレン)ブロック)、SEPS(ポリスチレン-ポリ(エチレン/プロピレン)ブロック-ポリスチレン)、SEEPS(ポリスチレン-ポリ(エチレン-エチレン/プロピレン)ブロック-ポリスチレン)、SEB(ポリスチレン(エチレン/ブチレン)ブロック)]等が挙げられる。
ポリスチレン系熱可塑性エラストマーの市販品としては、例えば、旭化成(株)製の「タフテック」シリーズ(例えば、H1031、H1041、H1043、H1051、H1052、H1053、H1062、H1082、H1141、H1221、H1272等)、(株)クラレ製の「SEBS」シリーズ(8007、8076等)、「SEPS」シリーズ(2002、2063等)等を用いることができる。
-ポリウレタン系熱可塑性エラストマー-
ポリウレタン系熱可塑性エラストマーとしては、例えば、少なくともポリウレタンが物理的な凝集によって疑似架橋を形成しているハードセグメントを形成し、他のポリマーが非晶性でガラス転移温度の低いソフトセグメントを形成している材料が挙げられる。
ポリウレタン系熱可塑性エラストマーとしては、具体的には、JIS K6418:2007に規定されるポリウレタン系熱可塑性エラストマー(TPU)が挙げられる。ポリウレタン系熱可塑性エラストマーは、下記式Aで表される単位構造を含むソフトセグメントと、下記式Bで表される単位構造を含むハードセグメントとを含む共重合体として表すことができる。
上記式中、Pは、長鎖脂肪族ポリエーテル又は長鎖脂肪族ポリエステルを表す。Rは、脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素、又は芳香族炭化水素を表す。P’は、短鎖脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素、又は芳香族炭化水素を表す。
式A中、Pで表される長鎖脂肪族ポリエーテル又は長鎖脂肪族ポリエステルとしては、例えば、分子量500~5000のものを使用することができる。Pは、Pで表される長鎖脂肪族ポリエーテル及び長鎖脂肪族ポリエステルを含むジオール化合物に由来する。このようなジオール化合物としては、例えば、分子量が前記範囲内にある、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリ(ブチレンアジベート)ジオール、ポリ-ε-カプロラクトンジオール、ポリ(ヘキサメチレンカーボネート)ジオール、ABA型トリブロックポリエーテル等が挙げられる。
これらは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
式A及び式B中、Rは、Rで表される脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素、又は芳香族炭化水素を含むジイソシアネート化合物を用いて導入された部分構造である。Rで表される脂肪族炭化水素を含む脂肪族ジイソシアネート化合物としては、例えば、1,2-エチレンジイソシアネート、1,3-プロピレンジイソシアネート、1,4-ブタンジイソシアネート、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
また、Rで表される脂環族炭化水素を含むジイソシアネート化合物としては、例えば、1,4-シクロヘキサンジイソシアネート、4,4-シクロヘキサンジイソシアネート等が挙げられる。さらに、Rで表される芳香族炭化水素を含む芳香族ジイソシアネート化合物としては、例えば、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート等が挙げられる。
これらは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
式B中、P’で表される短鎖脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素、又は芳香族炭化水素としては、例えば、分子量500未満のものを使用することができる。また、P’は、P’で表される短鎖脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素、又は芳香族炭化水素を含むジオール化合物に由来する。P’で表される短鎖脂肪族炭化水素を含む脂肪族ジオール化合物としては、例えば、グリコール及びポリアルキレングリコールが挙げられ、具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール等が挙げられる。
また、P’で表される脂環族炭化水素を含む脂環族ジオール化合物としては、例えば、シクロペンタン-1,2-ジオール、シクロヘキサン-1,2-ジオール、シクロヘキサン-1,3-ジオール、シクロヘキサン-1,4-ジオール、シクロヘキサン-1,4-ジメタノール等が挙げられる。
さらに、P’で表される芳香族炭化水素を含む芳香族ジオール化合物としては、例えば、ヒドロキノン、レゾルシン、クロロヒドロキノン、ブロモヒドロキノン、メチルヒドロキノン、フェニルヒドロキノン、メトキシヒドロキノン、フェノキシヒドロキノン、4,4’-ジヒドロキシビフェニル、4,4’-ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’-ジヒドロキシジフェニルサルファイド、4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’-ジヒドロキシベンゾフェノン、4,4’-ジヒドロキシジフェニルメタン、ビスフェノールA、1,1-ジ(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,2-ビス(4-ヒドロキシフェノキシ)エタン、1,4-ジヒドロキシナフタリン、2,6-ジヒドロキシナフタリン等が挙げられる。
これらは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ハードセグメントを形成するポリマー(ポリウレタン)の数平均分子量は、溶融成形性の観点から、300~1500が好ましい。また、ソフトセグメントを形成するポリマーの数平均分子量としては、ポリウレタン系熱可塑性エラストマーの柔軟性及び熱安定性の観点から、500~20000が好ましく、500~5000が更に好ましく、500~3000が特に好ましい。また、ハードセグメント(x)及びソフトセグメント(y)との質量比(x:y)は、成形性の観点から、15:85~90:10が好ましく、30:70~90:10が更に好ましい。
ポリウレタン系熱可塑性エラストマーは、ハードセグメントを形成するポリマー及びソフトセグメントを形成するポリマーを公知の方法によって共重合することで合成することができる。ポリウレタン系熱可塑性エラストマーとしては、例えば、特開平5-331256号公報に記載の熱可塑性ポリウレタンを用いることができる。
ポリウレタン系熱可塑性エラストマーとしては、具体的には、芳香族ジオールと芳香族ジイソシアネートとからなるハードセグメントと、ポリ炭酸エステルからなるソフトセグメントとの組合せが好ましく、より具体的には、トリレンジイソシアネート(TDI)/ポリエステル系ポリオール共重合体、TDI/ポリエーテル系ポリオール共重合体、TDI/カプロラクトン系ポリオール共重合体、TDI/ポリカーボネート系ポリオール共重合体、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)/ポリエステル系ポリオール共重合体、MDI/ポリエーテル系ポリオール共重合体、MDI/カプロラクトン系ポリオール共重合体、MDI/ポリカーボネート系ポリオール共重合体、及びMDI+ヒドロキノン/ポリヘキサメチレンカーボネート共重合体から選ばれる少なくとも1種が好ましく、TDI/ポリエステル系ポリオール共重合体、TDI/ポリエーテル系ポリオール共重合体、MDI/ポリエステルポリオール共重合体、MDI/ポリエーテル系ポリオール共重合体、及びMDI+ヒドロキノン/ポリヘキサメチレンカーボネート共重合体から選ばれる少なくとも1種が更に好ましい。
また、ポリウレタン系熱可塑性エラストマーの市販品としては、例えば、BASF社製の「エラストラン」シリーズ(例えば、ET680、ET880、ET690、ET890等)、(株)クラレ社製「クラミロンU」シリーズ(例えば、2000番台、3000番台、8000番台、9000番台等)、日本ミラクトラン(株)製の「ミラクトラン」シリーズ(例えば、XN-2001、XN-2004、P390RSUP、P480RSUI、P26MRNAT、E490、E590、P890等)等を用いることができる。
-オレフィン系熱可塑性エラストマー-
オレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、例えば、少なくともポリオレフィンが結晶性で融点の高いハードセグメントを形成し、他のポリマー(例えば、ポリオレフィン、他のポリオレフィン、ポリビニル化合物等)が非晶性でガラス転移温度の低いソフトセグメントを形成している材料が挙げられる。ハードセグメントを形成するポリオレフィンとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、アイソタクチックポリプロピレン、ポリブテン等が挙げられる。
オレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、例えば、オレフィン-α-オレフィンランダム共重合体、オレフィンブロック共重合体等が挙げられ、具体的には、プロピレンブロック共重合体、エチレン-プロピレン共重合体、プロピレン-1-ヘキセン共重合体、プロピレン-4-メチル-1ペンテン共重合体、プロピレン-1-ブテン共重合体、エチレン-1-ヘキセン共重合体、エチレン-4-メチル-ペンテン共重合体、エチレン-1-ブテン共重合体、1-ブテン-1-ヘキセン共重合体、1-ブテン-4-メチル-ペンテン、エチレン-メタクリル酸共重合体、エチレン-メタクリル酸メチル共重合体、エチレン-メタクリル酸エチル共重合体、エチレン-メタクリル酸ブチル共重合体、エチレン-メチルアクリレート共重合体、エチレン-エチルアクリレート共重合体、エチレン-ブチルアクリレート共重合体、プロピレン-メタクリル酸共重合体、プロピレン-メタクリル酸メチル共重合体、プロピレン-メタクリル酸エチル共重合体、プロピレン-メタクリル酸ブチル共重合体、プロピレン-メチルアクリレート共重合体、プロピレン-エチルアクリレート共重合体、プロピレン-ブチルアクリレート共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、プロピレン-酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。
これらの中でも、オレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、プロピレンブロック共重合体、エチレン-プロピレン共重合体、プロピレン-1-ヘキセン共重合体、プロピレン-4-メチル-1ペンテン共重合体、プロピレン-1-ブテン共重合体、エチレン-1-ヘキセン共重合体、エチレン-4-メチル-ペンテン共重合体、エチレン-1-ブテン共重合体、エチレン-メタクリル酸共重合体、エチレン-メタクリル酸メチル共重合体、エチレン-メタクリル酸エチル共重合体、エチレン-メタクリル酸ブチル共重合体、エチレン-メチルアクリレート共重合体、エチレン-エチルアクリレート共重合体、エチレン-ブチルアクリレート共重合体、プロピレン-メタクリル酸共重合体、プロピレン-メタクリル酸メチル共重合体、プロピレン-メタクリル酸エチル共重合体、プロピレン-メタクリル酸ブチル共重合体、プロピレン-メチルアクリレート共重合体、プロピレン-エチルアクリレート共重合体、プロピレン-ブチルアクリレート共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、及びプロピレン-酢酸ビニル共重合体から選ばれる少なくとも1種が好ましく、エチレン-プロピレン共重合体、プロピレン-1-ブテン共重合体、エチレン-1-ブテン共重合体、エチレン-メタクリル酸メチル共重合体、エチレン-メチルアクリレート共重合体、エチレン-エチルアクリレート共重合体、及びエチレン-ブチルアクリレート共重合体から選ばれる少なくとも1種が更に好ましい。
また、エチレンとプロピレンといったように2種以上のオレフィン樹脂を組み合わせて用いてもよい。また、オレフィン系熱可塑性エラストマー中のオレフィン樹脂含有率は、50質量%以上100質量%以下が好ましい。
オレフィン系熱可塑性エラストマーの数平均分子量は、5000~10000000であることが好ましい。オレフィン系熱可塑性エラストマーの数平均分子量が5000~10000000であると、熱可塑性樹脂材料の機械的物性が十分であり、加工性にも優れる。同様の観点から、オレフィン系熱可塑性エラストマーの数平均分子量は、7000~1000000であることが更に好ましく、10000~1000000が特に好ましい。これにより、熱可塑性樹脂材料の機械的物性及び加工性を更に向上させることができる。また、ソフトセグメントを形成するポリマーの数平均分子量としては、強靱性及び低温柔軟性の観点から、200~6000が好ましい。更に、ハードセグメント(x)及びソフトセグメント(y)との質量比(x:y)は、成形性の観点から、50:50~95:15が好ましく、50:50~90:10が更に好ましい。
オレフィン系熱可塑性エラストマーは、公知の方法によって共重合することで合成することができる。
また、オレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、熱可塑性エラストマーを酸変性してなるものを用いてもよい。
「オレフィン系熱可塑性エラストマーを酸変性してなるもの」とは、オレフィン系熱可塑性エラストマーに、カルボン酸基、硫酸基、燐酸基等の酸性基を有する不飽和化合物を結合させることをいう。
オレフィン系熱可塑性エラストマーに、カルボン酸基、硫酸基、燐酸基等の酸性基を有する不飽和化合物を結合させることとしては、例えば、オレフィン系熱可塑性エラストマーに、酸性基を有する不飽和化合物として、不飽和カルボン酸(一般的には、無水マレイン酸)の不飽和結合部位を結合(例えば、グラフト重合)させることが挙げられる。
酸性基を有する不飽和化合物としては、オレフィン系熱可塑性エラストマーの劣化抑制の観点からは、弱酸基であるカルボン酸基を有する不飽和化合物が好ましく、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等が挙げられる。
オレフィン系熱可塑性エラストマーの市販品としては、例えば、三井化学(株)製の「タフマー」シリーズ(例えば、A0550S、A1050S、A4050S、A1070S、A4070S、A35070S、A1085S、A4085S、A7090、A70090、MH7007、MH7010、XM-7070、XM-7080、BL4000、BL2481、BL3110、BL3450、P-0275、P-0375、P-0775、P-0180、P-0280、P-0480、P-0680等)、三井・デュポンポリケミカル(株)製の「ニュクレル」シリーズ(例えば、AN4214C、AN4225C、AN42115C、N0903HC、N0908C、AN42012C、N410、N1050H、N1108C、N1110H、N1207C、N1214、AN4221C、N1525、N1560、N0200H、AN4228C、AN4213C、N035C)等、「エルバロイAC」シリーズ(例えば、1125AC、1209AC、1218AC、1609AC、1820AC、1913AC、2112AC、2116AC、2615AC、2715AC、3117AC、3427AC、3717AC等)、住友化学(株)の「アクリフト」シリーズ、「エバテート」シリーズ等、東ソー(株)製の「ウルトラセン」シリーズ等、プライムポリマー製の「プライムTPO」シリーズ(例えば、E-2900H、F-3900H、E-2900、F-3900、J-5900、E-2910、F-3910、J-5910、E-2710、F-3710、J-5910、E-2740、F-3740、R110MP、R110E、T310E、M142E等)等も用いることができる。
-ポリエステル系熱可塑性エラストマー-
ポリエステル系熱可塑性エラストマーとしては、例えば、少なくともポリエステルが結晶性で融点の高いハードセグメントを形成し、他のポリマー(例えば、ポリエステル又はポリエーテル等)が非晶性でガラス転移温度の低いソフトセグメントを形成している材料が挙げられる。
ハードセグメントを形成するポリエステルとしては、芳香族ポリエステルを用いることができる。芳香族ポリエステルは、例えば、芳香族ジカルボン酸又はそのエステル形成性誘導体と脂肪族ジオールとから形成することができる。芳香族ポリエステルは、好ましくは、テレフタル酸及びジメチルテレフタレートの少なくとも1種と、1,4-ブタンジオールと、から誘導されるポリブチレンテレフタレートである。また、芳香族ポリエステルは、例えば、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレン-2,6-ジカルボン酸、ナフタレン-2,7-ジカルボン酸、ジフェニル-4,4’-ジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、5-スルホイソフタル酸、若しくはこれらのエステル形成性誘導体等のジカルボン酸成分と、分子量300以下のジオール(例えば、エチレングリコール、トリメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、デカメチレングリコール等の脂肪族ジオール;1,4-シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメチロール等の脂環式ジオール;キシリレングリコール、ビス(p-ヒドロキシ)ジフェニル、ビス(p-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパン、ビス[4-(2-ヒドロキシ)フェニル]スルホン、1,1-ビス[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]シクロヘキサン、4,4’-ジヒドロキシ-p-ターフェニル、4,4’-ジヒドロキシ-p-クオーターフェニル等の芳香族ジオール;等)と、から誘導されるポリエステル、又はこれらのジカルボン酸成分及びジオール成分を2種以上併用した共重合ポリエステルであってもよい。また、3官能以上の多官能カルボン酸成分、多官能オキシ酸成分、多官能ヒドロキシ成分等を5モル%以下の範囲で共重合することも可能である。
ハードセグメントを形成するポリエステルとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート等が挙げられ、ポリブチレンテレフタレートが好ましい。
また、ソフトセグメントを形成するポリマーとしては、例えば、脂肪族ポリエステル、脂肪族ポリエーテル等が挙げられる。
脂肪族ポリエーテルとしては、ポリ(エチレンオキシド)グリコール、ポリ(プロピレンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリ(ヘキサメチレンオキシド)グリコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとの共重合体、ポリ(プロピレンオキシド)グリコールのエチレンオキシド付加重合体、エチレンオキシドとテトラヒドロフランとの共重合体等が挙げられる。
脂肪族ポリエステルとしては、ポリ(ε-カプロラクトン)、ポリエナントラクトン、ポリカプリロラクトン、ポリブチレンアジペート、ポリエチレンアジペート等が挙げられる。
これらの脂肪族ポリエーテル及び脂肪族ポリエステルの中でも、得られるポリエステルブロック共重合体の弾性特性の観点から、ソフトセグメントを形成するポリマーとしては、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリ(プロピレンオキシド)グリコールのエチレンオキシド付加物、ポリ(ε-カプロラクトン)、ポリブチレンアジペート、ポリエチレンアジペート等が好ましい。
また、ソフトセグメントを形成するポリマーの数平均分子量は、強靱性及び低温柔軟性の観点から、300~6000が好ましい。さらに、ハードセグメント(x)とソフトセグメント(y)との質量比(x:y)は、成形性の観点から、99:1~20:80が好ましく、98:2~30:70が更に好ましい。
上述のハードセグメントとソフトセグメントとの組合せとしては、例えば、上述で挙げたハードセグメントとソフトセグメントとのそれぞれの組合せを挙げることができる。これらの中でも、上述のハードセグメントとソフトセグメントとの組合せとしては、ハードセグメントがポリブチレンテレフタレートであり、ソフトセグメントが脂肪族ポリエーテルである組み合わせが好ましく、ハードセグメントがポリブチレンテレフタレートであり、ソフトセグメントがポリ(エチレンオキシド)グリコールである組み合わせが更に好ましい。
ポリエステル系熱可塑性エラストマーの市販品としては、例えば、東レ・デュポン(株)製の「ハイトレル」シリーズ(例えば、3046、5557、6347、4047N、4767N等)、東洋紡(株)製の「ペルプレン」シリーズ(例えば、P30B、P40B、P40H、P55B、P70B、P150B、P280B、E450B、P150M、S1001、S2001、S5001、S6001、S9001等)等を用いることができる。
ポリエステル系熱可塑性エラストマーは、ハードセグメントを形成するポリマー及びソフトセグメントを形成するポリマーを公知の方法によって共重合することで合成することができる。
-ポリアミド系熱可塑性樹脂-
ポリアミド系熱可塑性樹脂としては、前述のタイヤ骨格体に用いられるポリアミド系熱可塑性エラストマーのハードセグメントを形成するポリアミドを挙げることができる。ポリアミド系熱可塑性樹脂としては、具体的には、ε-カプロラクタムを開環重縮合したポリアミド(アミド6)、ウンデカンラクタムを開環重縮合したポリアミド(アミド11)、ラウリルラクタムを開環重縮合したポリアミド(アミド12)、ジアミンと二塩基酸とを重縮合したポリアミド(アミド66)、メタキシレンジアミンを構成単位として有するポリアミド(アミドMX)等を例示することができる。
アミド6は、例えば、{CO-(CH-NH}で表すことができる。アミド11は、例えば、{CO-(CH10-NH}で表すことができる。アミド12は、例えば、{CO-(CH11-NH}で表すことができる。アミド66は、例えば、{CO(CHCONH(CHNH}で表すことができる。アミドMXは、例えば、下記構造式(A-1)で表すことができる。ここで、nは繰り返し単位数を表す。
アミド6の市販品としては、例えば、宇部興産(株)製の「UBEナイロン」シリーズ(例えば、1022B、1011FB等)を用いることができる。アミド11の市販品としては、例えば、アルケマ(株)製の「Rilsan B」シリーズを用いることができる。アミド12の市販品としては、例えば、宇部興産(株)製の「UBEナイロン」シリーズ(例えば、3024U、3020U、3014U等)を用いることができる。アミド66の市販品としては、例えば、旭化成(株)製の「レオナ」シリーズ(例えば、1300S、1700S等)を用いることができる。アミドMXの市販品としては、例えば、三菱ガス化学(株)製の「MXナイロン」シリーズ(例えば、S6001、S6021、S6011等)を用いることができる。
ポリアミド系熱可塑性樹脂は、上記の構成単位のみで形成されるホモポリマーであってもよく、上記の構成単位と他のモノマーとのコポリマーであってもよい。コポリマーの場合、各ポリアミド系熱可塑性樹脂における上記構成単位の含有率は、40質量%以上であることが好ましい。
-ポリエステル系熱可塑性樹脂-
ポリエステル系熱可塑性樹脂としては、前述のタイヤ骨格体に用いられるポリエステル系熱可塑性エラストマーのハードセグメントを形成するポリエステルを挙げることができる。
ポリエステル系熱可塑性樹脂としては、具体的には、ポリ乳酸、ポリヒドロキシ-3-ブチル酪酸、ポリヒドロキシ-3-ヘキシル酪酸、ポリ(ε-カプロラクトン)、ポリエナントラクトン、ポリカプリロラクトン、ポリブチレンアジペート、ポリエチレンアジペート等の脂肪族ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート等の芳香族ポリエステルなどを例示することができる。これらの中でも、耐熱性及び加工性の観点から、ポリエステル系熱可塑性樹脂としては、ポリブチレンテレフタレートが好ましい。
ポリエステル系熱可塑性樹脂の市販品としては、例えば、ポリプラスチック(株)製の「ジュラネックス」シリーズ(例えば、2000、2002等)、三菱エンジニアリングsプラスチック(株)製の「ノバデュラン」シリーズ(例えば、5010R5、5010R3-2等)、東レ(株)製の「トレコン」シリーズ(例えば、1401X06、1401X31等)等を用いることができる。
-オレフィン系熱可塑性樹脂-
オレフィン系熱可塑性樹脂としては、前述のタイヤ骨格体に用いられるオレフィン系熱可塑性エラストマーのハードセグメントを形成するポリオレフィンを挙げることができる。
オレフィン系熱可塑性樹脂としては、具体的には、ポリエチレン系熱可塑性樹脂、ポリプロピレン系熱可塑性樹脂、ポリブタジエン系熱可塑性樹脂等を例示することができる。これらの中でも、耐熱性及び加工性の点から、オレフィン系熱可塑性樹脂としては、ポリプロピレン系熱可塑性樹脂が好ましい。
ポリプロピレン系熱可塑性樹脂の具体例としては、プロピレンホモ重合体、プロピレン-α-オレフィンランダム共重合体、プロピレン-α-オレフィンブロック共重合体等が挙げられる。α-オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、3-メチル-1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、3-メチル-1-ペンテン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコセン等の炭素数3~20程度のα-オレフィン等が挙げられる。
-他の成分-
弾性材料(ゴム材料又は樹脂材料)は、所望に応じて、ゴム又は樹脂以外の他の成分を含んでもよい。他の成分としては、例えば、樹脂、ゴム、各種充填剤(例えば、シリカ、炭酸カルシウム、クレイ)、老化防止剤、オイル、可塑剤、着色剤、耐候剤、補強材等が挙げられる。
-弾性材料の物性-
弾性材料として樹脂材料を用いる場合(つまり樹脂タイヤ用のタイヤ骨格体の場合)、樹脂材料に含まれる樹脂の融点は、例えば100℃~350℃程度が挙げられ、タイヤの耐久性及び生産性の観点から、100℃~250℃程度が好ましく、120℃~250℃が更に好ましい。
弾性材料(タイヤ骨格体)自体のJIS K7113:1995に規定される引張弾性率は、50MPa~1000MPaが好ましく、50MPa~800MPaが更に好ましく、50MPa~700MPaが特に好ましい。弾性材料の引張弾性率が、50MPa~1000MPaであると、タイヤ骨格の形状を保持しつつ、リム組みを効率的に行なうことができる。
弾性材料(タイヤ骨格体)自体のJIS K7113(1995)に規定される引張強さは、通常、15MPa~70MPa程度であり、17MPa~60MPaが好ましく、20MPa~55MPaが更に好ましい。
弾性材料(タイヤ骨格体)自体のJIS K7113(1995)に規定される引張降伏強さは、5MPa以上が好ましく、5MPa~20MPaが更に好ましく、5MPa~17MPaが特に好ましい。弾性材料の引張降伏強さが、5MPa以上であると、走行時等にタイヤにかかる荷重に対する変形に耐えることができる。
弾性材料(タイヤ骨格体)自体のJIS K7113(1995)に規定される引張降伏伸びは、10%以上が好ましく、10%~70%が更に好ましく、15%~60%が特に好ましい。弾性材料の引張降伏伸びが、10%以上であると、弾性領域が大きく、リム組み性を良好にすることができる。
弾性材料(タイヤ骨格体)自体のJIS K7113(1995)に規定される引張破断伸びは、50%以上が好ましく、100%以上が更に好ましく、150%以上が特に好ましく、200%以上が最も好ましい。弾性材料の引張破断伸びが、50%以上であると、リム組み性が良好であり、衝突に対して破壊し難くすることができる。
弾性材料(タイヤ骨格体)自体のISO 75-2又はASTM D648に規定される荷重たわみ温度(0.45MPa荷重時)は、50℃以上が好ましく、50℃~150℃が更に好ましく、50℃~130℃が特に好ましい。弾性材料の荷重たわみ温度が、50℃以上であると、タイヤの製造において加硫を行う場合であってもタイヤ骨格体の変形を抑制するこができる。
なお、弾性材料としてゴム材料を用いる場合、ゴム材料としては、通常のゴムタイヤで使用されている材料が使用でき、特に限定されるものではない。
ここで、本実施形態に係るタイヤが有する特定のビード部について、一例を挙げて図面に基づき説明する。なお、特定のビード部には、前述の本実施形態に係るタイヤ用樹脂金属複合部材を用いることができる。
図1は、ビード部10の周方向に直交する断面を示す断面図である。図1のビード部10は、ビードワイヤー11と、ビードワイヤー11を被覆する接着層12と、接着層12の周囲を覆う第1被覆樹脂層13と、を有するビードコア1を有し、さらにビードコア1の周囲を覆う第2被覆樹脂層14を有する。また、第2被覆樹脂層14からタイヤ径方向外側へ延びるビードフィラー3を有する。なお、図1に示すビード部10では、第2被覆樹脂層14とビードフィラー3とが別体として描かれているが、第2被覆樹脂層14とビードフィラー3とは一体成形された同一体の部材であってもよい。
なお、このビード部10においては、ビードワイヤー11が本実施形態に係るタイヤ用樹脂金属複合部材における金属部材に相当し、接着層12が接着層に相当し、第1被覆樹脂層13が被覆樹脂層に相当する。
本実施形態に係るタイヤが有する特定のビード部は、図1に示す態様には限られず、例えばビードワイヤーを複数本有する態様であってもよい。ここで、ビードワイヤーを複数本有する態様について、さらに一例を挙げて図面に基づき説明する。
図2は、ビード部110の周方向に直交する断面を示す断面図である。図2には、3本のビードワイヤー111が並列に並べられると共に3段に積層された態様、つまり9本のビードワイヤー111を有する態様のビード部110が示されている。なお、ここで「並列に並べられる」とは、タイヤに適用する際に必要な長さに切断したビード部110中で、複数のビードワイヤー111同士が交差しない位置関係にあることを意味する。
各ビードワイヤー111はそれぞれ接着層112で被覆され、さらにビードワイヤー111及び接着層112の周囲が第1被覆樹脂層113で被覆されて、ビードコア101を形成する。さらに、ビードコア101の周囲を覆う第2被覆樹脂層114を有する。また、第2被覆樹脂層114からタイヤ径方向外側へ延びるビードフィラー103を有する。なお、図2に示すビード部110では、第2被覆樹脂層114とビードフィラー103とが別体として描かれているが、第2被覆樹脂層114とビードフィラー103とは一体成形された同一体の部材であってもよい。
なお、このビード部110においては、ビードワイヤー111が本実施形態に係るタイヤ用樹脂金属複合部材における金属部材に相当し、接着層112が接着層に相当し、第1被覆樹脂層113が被覆樹脂層に相当する。
また、図1に示すビード部10及び図2に示すビード部110における、第2被覆樹脂層14、114の材質は、いずれも特に制限されず、例えば、熱可塑性樹脂及び熱可塑性エラストマーからなる群より選ばれる少なくとも1種の熱可塑性材料を用いることができる。熱可塑性材料としては、前述のタイヤ骨格体に用いられる熱可塑性樹脂及び熱可塑性エラストマーと同様であり、好ましい態様も同様である。
[ビードフィラー]
本実施形態に係るタイヤは、ビード部において、第2被覆樹脂層からタイヤ径方向外側へ延びるビードフィラーを有していてもよい。また、このビードフィラーは、第2被覆樹脂層と一体成形された同一体の部材であってもよい。
ビードフィラーの材質としては、特に限定されるものではなく、樹脂又はゴム等の従来公知の弾性材料が用いられる。ビードフィラーは、弾性材料として樹脂を含むことが好ましく、例えば前記第1被覆樹脂層、つまり前述の本実施形態に係るタイヤ用樹脂金属複合部材における被覆樹脂層に含まれる樹脂として列挙されたものが同様に用いられる。また、その好ましい樹脂の種類、好ましい含有量、含んでもよい他の成分等も、前記第1被覆樹脂層と同様である。
[ビード部の形成方法]
ここで、本実施形態に係るタイヤにおけるビード部の形成方法について、一例を挙げて説明する。具体的には、図2に示す構成のビード部を例にして形成方法を説明する。
・接着層及び第1被覆樹脂層の形成
図2に示すビード部110におけるビードコア101は、まずビードワイヤー111の周囲を接着層112で被覆し、その後、接着層112で被覆された3本のビードワイヤー111を第1被覆樹脂層113で被覆してなるストリップ部材を形成する。さらに、このストリップ部材を巻回して、断面での形状が略長方形であるストリップ部材を3段積層することで、ビードコア101を形成する。
なお、図2では、ビードコア101中のビードワイヤー111の数は9本であるが、これに限定されるものではなく、ビードワイヤー111の本数は1本以上であればよい。例えば、図1に示すように、ビードワイヤー11を1本のみ有する態様であってもよい。また、図2では、ストリップ部材が断面で3段に積層された態様を示すが、これに限定されるものではなく、例えば1段又は2段であっても、4段以上積層されていてもよい。
本実施形態では、溶融状態の接着層112を形成する材料(例えば接着剤)をビードワイヤー111の外周表面に被覆し、さらに接着層112を形成する材料の表面に溶融状態の第1被覆樹脂層113を形成する材料(例えば樹脂)を被覆して、冷却により固化させることで、ストリップ部材を形成する。ストリップ部材の断面形状(ビードワイヤー111の長手方向に直交する断面の形状)は、本実施形態では略長方形であるが、これに限られず、例えば略平行四辺形等の様々な形状とすることができる。接着層112の形成及び第1被覆樹脂層113の形成は、公知の方法により行うことができ、例えば押出成形等の方法が挙げられる。そして、ビードコア101はストリップ部材を巻回して段積みすることにより形成することができ、段同士の接合は、例えば熱板溶着等の公知の方法で第1被覆樹脂層113を溶融させながらストリップ部材を巻回して、溶融した第1被覆樹脂層113を固化することにより行うことができる。あるいは、段同士を接着剤等により接着することにより接合することもできる。
・第2被覆樹脂層の形成
次いで、得られたビードコア101の表面に、溶融状態の第2被覆樹脂層114を形成する材料(例えば樹脂)を被覆して、冷却により固化させることで、第2被覆樹脂層114を形成する。第2被覆樹脂層114の形成は、公知の方法により行うことができ、例えば射出成形等の方法が挙げられる。
具体的には、射出成形金型のキャビティにビードコア101を配置し、溶融状態の第2被覆樹脂層114を形成する材料をキャビティに射出する。次に、射出した材料を冷却により固化させることで、第2被覆樹脂層114を形成する。
・ビードフィラーの形成
図2に示すビード部材110は、第2被覆樹脂層114のタイヤ径方向外側に向かって、ビードフィラー103が配置された構造を有する。ビードフィラー103の形成は、公知の方法により行うことができ、例えばビードフィラー103を樹脂で形成する場合には射出成形等の方法が挙げられる。なお、ビードフィラー103が第2被覆樹脂層114と一体成形された同一体の部材である場合、ビードフィラー103及び第2被覆樹脂層114の形状に加工された射出成形金型を用いて、一度の射出により両部材を一体成形することもできる。
次いで、前述のビード部を有する、本実施形態に係るタイヤの構成について、例を挙げて図面に基づき説明する。
図3は、一対のビード部として、図2に示すビード部110を有する空気入りタイヤ20の一例のタイヤ幅方向半部を示す、タイヤ幅方向断面図である。図3においては、タイヤ20の赤道面CLを境界とするタイヤ幅方向半部のみを示しているが、図示しない他方の半部についても同様の構成である。図3に示す空気入りタイヤ20は、一対のビード部に図2に示すビード部110を埋設し、このビード部110にトロイダル状に跨るカーカス16と、カーカス16のタイヤ径方向外側に2層のベルト層からなるベルト17と、を有している。
なお、ここでいうタイヤ幅方向とは、タイヤ20の回転軸と平行な方向を指し、タイヤ軸方向ともいう。また、タイヤ径方向とは、タイヤ20の回転軸と直交する方向をいう。また、符号CLはタイヤ20の赤道(タイヤ赤道)を示している。
また、本実施形態では、タイヤ径方向に沿ってタイヤ20の回転軸側を「タイヤ径方向内側」、タイヤ径方向に沿ってタイヤ20の回転軸と反対側を「タイヤ径方向外側」と記載する。一方、タイヤ幅方向に沿ってタイヤ赤道CL側を「タイヤ幅方向内側」、タイヤ幅方向に沿ってタイヤ赤道CLと反対側を「タイヤ幅方向外側」と記載する。
図3では、標準リム(図示せず)に装着して標準空気圧を充填したときのタイヤ20を示している。ここでいう標準リムとは、JATMA(日本自動車タイヤ協会)のYear Book2017年度版に記載されている、適用サイズにおける標準リムを指す。また、上記標準空気圧とは、JATMAのYear Book2017年度版の最大負荷能力に対応する空気圧である。
なお、以下の説明において、荷重とは下記規格に記載されている適用サイズにおける単輪の最大荷重(最大負荷能力)のことであり、内圧とは下記規格に記載されている単輪の最大荷重(最大負荷能力)に対応する空気圧のことであり、リムとは下記規格に記載されている適用サイズにおける標準リム(または、”Approved Rim”、”Recommended Rim”)のことである。規格は、タイヤが生産又は使用される地域に有効な産業規格によって決められている。例えば、アメリカ合衆国では、”The Tire and Rim Association Inc.のYear Book ”で、欧州では”The European Tire and Rim Technical OrganizationのStandards Manual”で、日本では日本自動車タイヤ協会の“JATMA Year Book”にて規定されている。
なお、図3に示す本実施形態のタイヤ20は、偏平率が55以上のタイヤであり、タイヤ断面高さ(タイヤセクションハイト)が115mm以上に設定されている。なお、ここでいうセクションハイト(タイヤ断面高さ)とは、タイヤ20を標準リムに組み付けて内圧を標準空気圧とした状態におけるタイヤ外径とリム径との差の1/2の長さを指す。また、本実施形態では、タイヤ20の偏平率を55以上で且つタイヤ断面高さを115mm以上に設定しているが、本実施形態はこの構成に限定されない。
図3に示されるように、タイヤ20は、左右一対のビード部110(図3では、片側のビード部110のみ図示)と、一対のビード部110からタイヤ径方向外側へそれぞれ延びる一対のタイヤサイド部18と、一方のタイヤサイド部18から他方のタイヤサイド部18へ延びるトレッド部19と、を有している。
図3に示されるように、一対のビード部110には、ビードコアがそれぞれ埋設され、一対のビードコアにはカーカス16が跨っている。このカーカス16の端部側はビードコアに係止されている。本実施形態のカーカス16は、端部側がビードコア周りにタイヤ内側から外側へ折り返されて係止されている。なお、本実施形態では、カーカス16の端部がタイヤサイド部18に対応する範囲(領域)に配置されているが、本実施形態はこの構成に限定されない。例えば、カーカス16の端部をトレッド部19に対応する範囲、特にベルト17に対応する範囲に配置してもよい。
また、カーカス16は、一方のビードコアから他方のビードコアへトロイダル状に延びてタイヤ20の骨格を構成している。
カーカスのタイヤ径方向外側には、複数(本実施形態では2層)のベルト17が設けられている。なお、このベルト17のタイヤ径方向外側には、ベルト17の全体を覆うようにキャップ層が設けられていてもよく、さらにキャップ層のタイヤ径方向外側には、キャップ層の両端部をそれぞれ覆うように一対のレイヤー層が設けられていてもよい。なお、本実施形態は上記構成に限定されず、キャップ層の片側の端部のみをレイヤー層で覆う構成としてもよく、キャップ層の両端部をタイヤ幅方向に連続する一つのレイヤー層で覆う構成としてもよい。また、タイヤ20の仕様に応じて、キャップ層及びレイヤー層を省略してもよい。
また、カーカス16、ベルト17、キャップ層及びレイヤー層には、従来公知のタイヤで用いる各部材の構造を用いることができる。
トレッド部19において、ベルト17のタイヤ径方向外側にはトレッドが設けられている。このトレッドは、走行中に路面に接地する部位である。なお、トレッドの踏面には、タイヤ周方向に延びる周方向溝が形成されていてもよく、またトレッドにはタイヤ幅方向に延びる幅方向溝が形成されていてもよい。なお、周方向溝及び幅方向溝の形状や本数は、タイヤ20に要求される排水性や操縦安定性等の性能に応じて適宜設定される。
ビード部110には、ビードコアからタイヤ径方向外側へカーカス16の外面に沿って延びる、ビードフィラーが埋設されている。本実施形態では、ビードフィラーは、カーカス16とその折返し部分とで囲まれた領域に配置されている。また、ビードフィラーは、タイヤ径方向外側に向けて厚みが減少している。
図3に示されるビードフィラーの高さは、タイヤ断面高さの30~50%の範囲内に設定するのが好ましい。なお、ここでいうビードフィラーの高さとは、タイヤ20を標準リムに組み付けて内圧を標準空気圧とした状態におけるビードフィラーのタイヤ径方向外側の端部からビード部110の先端までの高さ(タイヤ径方向に沿った長さ)を指す。ここで、ビードフィラーの高さがタイヤ断面高さの30%以上であることにより、例えば走行時の耐久性が十分に確保できる。また、ビードフィラーの高さBHがタイヤ断面高さSHの50%以下であることにより、乗り心地性に優れる。
また、本実施形態では、ビードフィラーの端部をタイヤ20の最大幅位置よりもタイヤ径方向内側に配置している。なお、ここでいうタイヤ20の最大幅位置とは、タイヤ20のタイヤ幅方向に沿って最も幅が広い位置を指している。
タイヤ20の内面には、一方のビード部110から他方のビード部110にわたって図示しないインナーライナーが設けられている。インナーライナーの主成分としては、公知のゴム材及び樹脂等(例えばブチルゴム)が用いられる。
・材質
図3に示されるタイヤ20は、主にゴム材料で構成される。つまり、ビード部110におけるカーカス16の周囲の領域、タイヤサイド部18におけるカーカス16の周囲の領域、トレッド部19におけるベルト17の周囲の領域等がゴム材料で構成される。
次に、図4を参照しながら、樹脂コード部材36で形成される補強ベルト部材ついて説明する。なお、この樹脂コード部材36に、前述の本実施形態に係る樹脂金属複合部材を用いることができる。また、図3に示すタイヤ20は、ベルト17を図4に示す態様のベルトに変更することができる。
図4は、本実施形態に係る別の態様のタイヤのタイヤ回転軸に沿った断面図であり、樹脂コード部材36がタイヤ骨格体のクラウン部に埋設された状態を示す。ただし、樹脂コード部材の埋設配置はなくてもよい。
図4に示すように、樹脂コード部材36は、タイヤ骨格体の軸方向に沿った断面視で、その少なくとも一部がクラウン部216に埋設された状態で螺旋状に巻回されている。そして、樹脂コード部材36のクラウン部216に埋設された部分は、クラウン部216(タイヤ骨格体)を構成する弾性材料(ゴム材料又は樹脂材料)と密着した状態となっている。図4におけるLは、クラウン部216(タイヤ骨格体)に対する樹脂コード部材36のタイヤ回転軸方向への埋設深さを示す。ある実施態様では、樹脂コード部材36のクラウン部216に対する埋設深さLは、樹脂コード部材36の直径Dの1/2である。
樹脂コード部材36は、金属部材27を芯として、金属部材27の外周が、接着層25を介して、被覆樹脂層28で被覆された構造を有している。なお、この樹脂コード部材36においては、金属部材27が本実施形態に係るタイヤ用樹脂金属複合部材における金属部材に相当し、接着層25が接着層に相当し、被覆樹脂層28が被覆樹脂層に相当する。
樹脂コード部材36のタイヤ径方向外周側には、ゴム製のトレッド30が配置されている。また、トレッド30には、従来のゴム製の空気入りタイヤと同様に、路面との接地面に複数の溝からなるトレッドパターンが形成されている。
ある実施態様でのタイヤでは、熱可塑性エラストマーを含む被覆樹脂層28で被覆した樹脂コード部材36が、同種の熱可塑性エラストマーを含む樹脂材料で形成されているタイヤ骨格体に密着した状態で埋設されている。そのため、金属部材27を被覆する被覆樹脂層28とタイヤ骨格体との接触面積が大きくなり、樹脂コード部材36とタイヤ骨格体との接着耐久性が向上し、その結果、タイヤの耐久性が優れたものとなる。
樹脂コード部材36がクラウン部216に埋設されている場合、樹脂コード部材36のクラウン部216に対する埋設深さLは、樹脂コード部材36の直径Dの1/5以上であれば好ましく、1/2を超えることがより好ましい。そして、樹脂コード部材36の全体がクラウン部216に埋設されることが更に好ましい。樹脂コード部材36の埋設深さLが、樹脂コード部材36の直径Dの1/2を超えると、樹脂コード部材36の寸法上、埋設部から飛び出し難くなる。そして、樹脂コード部材36の全体がクラウン部216に埋設されると、表面(外周面)がフラットになり、樹脂コード部材36が埋設されたクラウン部216上に部材が載置された場合であっても、樹脂コード部材36の周辺部に空気が入るのを抑制することができる。
図4では、トレッド30がゴムで形成されているが、ゴムの代わりに、耐摩耗性に優れる熱可塑性樹脂材料で形成したトレッドを用いてもよい。
・樹脂コード部材36
ここで、本実施形態の樹脂金属複合部材を、樹脂コード部材36として用いる態様について説明する。
例えば、一本又は複数本のコード状の樹脂金属複合部材がタイヤ骨格体の外周部に、タイヤの周方向に沿って配置されて形成されたベルト層、複数のコード状の樹脂金属複合部材がタイヤの周方向に対して角度を有し、互いに交錯するように配置された交錯ベルト層等として用いることができる。
樹脂金属複合部材は、樹脂金属複合部材において、隣り合う金属部材間の平均距離が400μm~3200μmであるように配置されることが好ましく、600μm~2200μmであるように配置されることがより好ましく、800μm~1500μmであるように配置されることが更に好ましい。隣り合う樹脂金属複合部材の金属部材間の平均距離が400μm以上であると、タイヤの重量増加が抑制されて走行時の燃費性に優れる傾向にある。隣接する樹脂金属複合部材の金属部材間の平均距離が3200μm以下であると、充分なタイヤ補強効果が得られる傾向にある。
本明細書において「隣り合う樹脂金属複合部材」とは、ある樹脂金属複合部材と、当該樹脂金属複合部材に最も近い位置にある他の樹脂金属複合部材とのことをいい、互いに異なる樹脂金属複合部材が隣り合っている場合と、同じ樹脂金属複合部材の異なる部位が隣り合っている場合(例えば、一本の樹脂金属複合部材をタイヤ骨格体の外周に複数回巻きつけた場合)の双方が含まれる。
本明細書において「金属部材間の平均距離」は、以下の式により求められる値とする。
式:金属部材間の平均距離={ベルト部の幅-(金属部材の太さ×n)}/(n-1)
上記「ベルト部」とは、タイヤ骨格体の外周部に樹脂金属複合部材が配置されている部分を意味する。
上記式において「n」は、樹脂金属複合部材が配置されたタイヤ骨格体をタイヤの径方向に垂直な方向に切断して得られる断面において観察される樹脂金属複合部材の数である。
上記式において「ベルト部の幅」は、上記断面において観察される樹脂金属複合部材のうち、ベルト部の両端部(タイヤ骨格体のセンターラインから左右方向にそれぞれ最も離れた位置)にある樹脂金属複合部材の間の長さであって、タイヤ骨格体の外周面に沿った長さを意味する。
上記式において「金属部材の太さ」は、任意に選択した5箇所における太さの測定値の数平均値とする。太さの測定値は、金属部材が1本の金属コードからなる場合は、金属部材の断面の最大径(金属部材の断面の輪郭線上で任意に選択される2点間の距離が最大となるときの当該2点間の距離)とする。金属部材が複数の金属コードからなる場合は、金属部材の断面に観察される複数の金属コードの断面が全て含まれる円のうち最も小さい円の直径とする。
なお、太さの異なる金属部材がベルト部に含まれている場合は、最も太い金属部材の太さを「金属部材の太さ」とする。
以下、本発明を実施例に基づき、さらに詳細に説明するが、本発明は下記実施例により限定されるものではない。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理手順等は、本開示の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。なお、特に断りがない限り「部」は「質量部」を意味する。
-粗化表面を有する金属部材の作製-
[実施例1]
横幅140mm×縦幅20mm×厚み0.3mmの鉄板を用意し、黄銅めっき浴に通過浸漬させる。次に、熱拡散処理(500℃~650℃かつ5秒~25秒の条件に設定)を施すことにより、黄銅をめっき層全体にわたって均一拡散させる。なお、めっきの厚さは、4.0μmである。このめっき処理後、接着層が設けられる面の全面を、化学エッチング処理(アマルファ処理A-10201、メック(株)社製)し、粗化表面を有する金属部材を作製する。なお、粗化表面は、SEM観察により粗化されていることを確認する。
次に、前記金属部材と、前記金属部材の粗化表面の上に、接着剤:三菱ケミカル社製の無水マレイン酸変性ポリエステル系熱可塑性エラストマー「プリマロイ-AP GQ730」(融点204℃、弾性率300MPa)と、をセットし、モールドにて230℃で溶融圧着し、金属部材の粗化表面の上に接着層を有する金属部材-接着層貼り合わせ試験片を作製する。
[実施例2]
接着層として使用する接着剤を、三菱ケミカル社製の酸変性ポリエステル系熱可塑性エラストマー「プリマロイ-AP GQ741」(融点213℃、弾性率587MPa)とする以外は、実施例1と同様の仕様により、金属部材と接着層を有する金属部材-接着層貼り合わせ試験片を作製する。
[実施例3]
接着層として使用する接着剤を、三井化学社製の無水マレイン酸変性プロピレン「アドマー QE060」(融点139℃)とする以外は、実施例1と同様の仕様により、金属部材と接着層を有する金属部材-接着層貼り合わせ試験片を作製する。
[実施例4]
化学エッチング処理を、下記の条件によるパルスレーザー処理とする以外は、実施例1と同様の仕様により、金属部材と接着層を有する金属部材-接着層貼り合わせ試験片を作製する。
・パルス幅 :10×10-12
・波長 :500nm
・スポット径:16μm
・ピーク出力:2.0×10
・照射回数 :100回
・加工周期 :50μm
[実施例5]
化学エッチング処理を、下記の条件によるサンドブラスト処理とする以外は、実施例1と同様の仕様により、金属部材と接着層を有する金属部材-接着層貼り合わせ試験片を作製する。
・研削材:アルミナ(Al
・粒度 :#50(100μm)
・噴射圧:1.0MPa
[実施例6]
めっきの種類を、黄銅めっきから銅めっきへと変更する仕様とする以外は、実施例1と同様の仕様により、金属部材と接着層を有する金属部材-接着層貼り合わせ試験片を作製する。
[実施例7]
めっきの種類を、黄銅めっきから亜鉛めっきへと変更する仕様とする以外は、実施例4と同様の仕様により、金属部材と接着層を有する金属部材-接着層貼り合わせ試験片を作製する。
[実施例8]
金属の形状を、単線から撚線へと変更する仕様とする以外は、実施例1と同様の仕様により、金属部材と接着層を有する金属部材-接着層貼り合わせ試験片を作製する。
[比較例1]
化学エッチング処理を、施さない仕様とする以外は、実施例1と同様の仕様により、金属部材と接着層を有する金属部材-接着層貼り合わせ試験片を作製する。
[比較例2]
化学エッチング処理を、施さない仕様とする以外は、実施例8と同様の仕様により、金属部材と接着層を有する金属部材-接着層貼り合わせ試験片を作製する。
-接着層の金属部材に対する接着性の評価-
各例にて作製した試験片を使用し、(株)エー・アンド・デイ製の「TENSIRON RTF-1210」を用いて、室温環境(25℃)で引張速度100mm/minで180°剥離試験を行う。測定される剥離力(単位:N/20mm)について、以下の評価基準に従って接着性を評価する。評価結果を表1に示す。
<タイヤ走行性(JISドラム試験)>
-ビード部材の作製-
表1に記載の単線(平均直径φ1.25mmのモノフィラメント、スチール製、強力:2700N、伸度:7%)又は撚線(平均直径φ0.35mmの単線(スチール製、弾力280N、伸度3%)7本を撚った撚線)の表面に、各例に記載の方法と同様のめっき処理を施す。
次いで、めっき処理後の単線又は撚線に対して、各実施例で行った粗化処理(実施例1~3、6及び8での化学エッチング処理、実施例4及び7でのパルスレーザー処理、又は実施例5でのサンドブラスト処理)を施して、各実施例のビードワイヤーサンプルを得る。また、粗化処理を施さない仕様とした単線又は撚線を、比較例のビードワイヤーサンプルとする。
各例のビードワイヤーサンプルの表面に、接着剤:三菱ケミカル社製の無水マレイン酸変性ポリエステル系熱可塑性エラストマー「プリマロイ-AP GQ730」(融点204℃、弾性率300MPa)を加熱溶融した状態で押出機にて押し出し付着させる。なお、接着層の押出条件は接着剤の温度を240℃とする。
次いで、接着剤が付着したビードワイヤーサンプルが3本並んで配置されるよう金型に設置し、ポリエステル系熱可塑性エラストマー(東レ・デュポン株式会社製、商品名「ハイトレル5557」)を、押出機にて押し出して接着剤の表面に付着させて被覆し冷却して、第1被覆樹脂層を形成する。なお、ポリエステル系熱可塑性エラストマーの押出条件は、樹脂の温度を240℃とする。こうして形成するビードワイヤーが3本並んだ部材を、熱風で溶着しながら巻回しする。これにより、9本のビードワイヤーがそれぞれ接着層で被覆され、さらにその周囲が第1被覆樹脂層で被覆された構造(つまり図2に示す構造)を有するビードコアを作製する。なお、隣り合うビードワイヤー間の平均距離は200μmである。
次いで、第2被覆樹脂層及びビードフィラーが一体となった部材の形状に予め加工した金型に、前記より得たビードコアを設置し、ポリエステル系熱可塑性エラストマー(東レ・デュポン株式会社製、商品名「ハイトレル5557」)を射出成形機にて射出する。これにより、ビードコアの外周に第2被覆樹脂層及びビードフィラーが一体となった部材が形成された構造(つまり図2に示す構造)を有するビード部材を作製する。なお、射出成形時の金型温度は100℃、成形温度は240℃とする。
<ビード部材をビード部として備えるタイヤの作製>
上述の本実施形態で示した図3に示す態様のタイヤを、前記より得たビード部材を一対のビード部として用いて作製する。
前記より得たビード部材、及びポリエチレンテレフタレート製のプライコードからなるカーカスを準備し、これに天然ゴム(NR)とスチレンブタジエンゴム(SBR)との混合ゴム材料を用いたタイヤサイド部(カーカスのタイヤ幅方向外側の領域)、サイド補強ゴム、及びトレッド部、並びに撚り線のベルト層を用いて、生タイヤを作製する。
作製される生タイヤについて、160℃、21分の条件で加熱(ゴムの加硫)を行う。得られるタイヤは、タイヤサイズ225/40R18、トレッド部の厚み10mmである。
上記のようにして作製される各例のタイヤを、25±2℃の室内で内圧3.0kg/cmに調整した後、24時間放置する。その後、空気圧の再調整を行い、JIS荷重の2倍荷重をタイヤに負荷して、直径約3mのドラム上で、速度60km/hにて最大2万km走行させる。
その後、走行後のタイヤにおけるビード部材の断面を観察し、ビードワイヤー(金属部材)と接着層との接着性を目視で確認し、下記の評価基準に従って評価する。なお、[A]に分類されるものであれば実用上好ましいと言える。結果を表1に示す。
(評価基準)
A:金属部材と接着層とが剥離していない。
B:金属部材と接着層とが、部分的に剥離している。
C:金属部材と接着層とが、全面的に剥離している。
なお、上記表に示す各評価試験の結果に関して、実施例1、2、8及び比較例1、2は実際に試験を実施して得たデータである。一方、実施例3~7は、シミュレーションによる予測データである。
上記結果から、実施例における金属部材-接着層貼り合わせ試験片は、比較例における金属部材-接着層貼り合わせ試験片に比べ、接着層の金属部材に対する接着性に優れることがわかった。
1、101 ビードコア
3、103 ビードフィラー
10、110 ビード部
11、111 ビードワイヤー
12、25、112 接着層
13、113 第1被覆樹脂層
14、114 第2被覆樹脂層
16 カーカス
17 ベルト
18 タイヤサイド部
19、30 トレッド部
20 空気入りタイヤ
27 金属部材
28 被覆樹脂層
36 樹脂コード部材
216 クラウン部
CL 赤道面
D 金属部材の直径
L 金属部材の埋設深さ

Claims (5)

  1. 環状のタイヤ骨格体又はカーカスと、
    タイヤ用樹脂金属複合部材と、
    を有し、
    タイヤ用樹脂金属複合部材は、
    金属部材と、
    前記金属部材の上に直に接するよう設けられた接着層と、
    前記接着層の上に設けられた被覆樹脂層と、を有し、
    前記金属部材における、前記接着層が設けられる面が粗化表面であり、
    前記粗化表面は、化学エッチング処理表面、パルスレーザー処理表面又はサンドブラスト処理表面であり、
    前記接着層は、前記被覆樹脂層よりも引張弾性率が小さく、かつ、ポリエステル系熱可塑性樹脂、オレフィン系熱可塑性樹脂、ポリアミド系熱可塑性樹脂、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、及びポリアミド系熱可塑性エラストマーからなる群より選択される少なくとも1種を含有し、
    前記タイヤ用樹脂金属複合部材が、ビード部材を構成するタイヤ。
  2. 前記粗化表面が、亜鉛めっき、銅めっき及び亜鉛-銅めっきからなる群より選択される少なくとも1種のめっきで被覆される、請求項1に記載のタイヤ
  3. 前記めっきの処理表面が前記粗化表面である、請求項2に記載のタイヤ
  4. 前記金属部材は、単線又は撚線である、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載のタイヤ
  5. 前記接着層は酸変性された熱可塑性樹脂又は酸変性された熱可塑性エラストマーからなる、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載のタイヤ
JP2018177200A 2018-09-21 2018-09-21 タイヤ Active JP7331316B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018177200A JP7331316B2 (ja) 2018-09-21 2018-09-21 タイヤ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018177200A JP7331316B2 (ja) 2018-09-21 2018-09-21 タイヤ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020045064A JP2020045064A (ja) 2020-03-26
JP7331316B2 true JP7331316B2 (ja) 2023-08-23

Family

ID=69899210

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018177200A Active JP7331316B2 (ja) 2018-09-21 2018-09-21 タイヤ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7331316B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115058201B (zh) * 2021-08-26 2024-03-15 安徽普力通新材料科技有限公司 一种提高镀锌基材与橡胶粘接性能的方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011011421A (ja) 2009-07-01 2011-01-20 Kawanetsu Co Ltd 金属撚線に対する樹脂押出被覆の方法
US20140374009A1 (en) 2013-06-20 2014-12-25 The Goodyear Tire & Rubber Company Adhesion of a reinforcing cord for a rubber matrix
JP2016097945A (ja) 2014-11-26 2016-05-30 株式会社ブリヂストン タイヤ
JP2017109619A (ja) 2015-12-16 2017-06-22 株式会社ブリヂストン タイヤ
KR20180096161A (ko) 2017-02-20 2018-08-29 부산대학교 산학협력단 타이어 스틸코드용 필라멘트

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2998146B2 (ja) * 1991-11-11 2000-01-11 住友電気工業株式会社 Pc鋼撚り線の製造方法
JPH1134139A (ja) * 1997-07-15 1999-02-09 Tokyo Seiko Co Ltd 押出成形複合体

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011011421A (ja) 2009-07-01 2011-01-20 Kawanetsu Co Ltd 金属撚線に対する樹脂押出被覆の方法
US20140374009A1 (en) 2013-06-20 2014-12-25 The Goodyear Tire & Rubber Company Adhesion of a reinforcing cord for a rubber matrix
JP2016097945A (ja) 2014-11-26 2016-05-30 株式会社ブリヂストン タイヤ
JP2017109619A (ja) 2015-12-16 2017-06-22 株式会社ブリヂストン タイヤ
KR20180096161A (ko) 2017-02-20 2018-08-29 부산대학교 산학협력단 타이어 스틸코드용 필라멘트

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020045064A (ja) 2020-03-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2013129525A1 (ja) タイヤ
WO2014175453A1 (ja) タイヤ
WO2013129627A1 (ja) タイヤ
JP6138412B2 (ja) タイヤ
WO2017104472A1 (ja) タイヤ
WO2018230271A1 (ja) タイヤ用樹脂金属複合部材、及びタイヤ
JP5840535B2 (ja) タイヤ
WO2019230822A1 (ja) タイヤ用樹脂金属複合部材、及びその製造方法、並びにタイヤ
WO2013122157A1 (ja) タイヤ
WO2018186271A1 (ja) タイヤ用樹脂金属複合部材及びタイヤ
JP7331316B2 (ja) タイヤ
JP5778402B2 (ja) タイヤ
JP5840534B2 (ja) タイヤ
WO2018230167A1 (ja) タイヤ
JP5905298B2 (ja) タイヤ
JP7221951B2 (ja) タイヤ用樹脂金属複合部材、及びその製造方法、並びにタイヤ
WO2017104214A1 (ja) タイヤ
JP6049273B2 (ja) タイヤ
JP6114498B2 (ja) タイヤ
JP6745284B2 (ja) タイヤ
JP5865732B2 (ja) タイヤ
JP5905289B2 (ja) タイヤ
JP2022036330A (ja) タイヤ用樹脂ゴム複合体及びタイヤ
JP7503573B2 (ja) 樹脂組成物、樹脂金属複合部材及びタイヤ
WO2020067473A1 (ja) タイヤ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210827

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220513

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220524

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20220719

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220720

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220927

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221128

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20230322

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230614

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20230621

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230711

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230719

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7331316

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150