JP5865732B2 - タイヤ - Google Patents
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例えば、特許文献1および特許文献2には、熱可塑性の高分子材料、特にポリエステル系熱可塑性エラストマーを用いて成形された空気入りタイヤが開示されている。
[1] 本発明のタイヤは、補強金属コード部材が、少なくとも、熱可塑性樹脂と、下記1)〜3)から選択される少なくとも1つの(メタ)アクリル系共重合体と、を含む被覆用混合物(以下、「特定被覆用混合物」ともいう)で被覆されている。
1)オレフィン−(メタ)アクリル酸共重合体
2)オレフィン−(メタ)アクリレート共重合体
3)前記1)又は前記2)に示す共重合体の金属架橋体
以下、熱可塑性樹脂と、オレフィン−(メタ)アクリル酸共重合体およびオレフィン−(メタ)アクリレート共重合体並びに前記共重合体の金属架橋体から選択される少なくとも1つの(メタ)アクリル系共重合体を「特定共重合体」と総称する。
また、オレフィン−(メタ)アクリル酸共重合体を「特定酸共重合体」ともいい、オレフィン−(メタ)アクリレート共重合体を「特定エステル共重合体」ともいう。
本発明のタイヤは、特定被覆用混合物に含まれる特定共重合体として、特定酸共重合体、特定エステル共重合体の酸変性物(後記する特定酸変性エステル共重合体)、および前記共重合体(特定酸共重合体および特定酸変性エステル共重合体)の金属架橋体から選択される少なくとも1つの(メタ)アクリル系共重合体(後記する酸基を有する特定共重合体)を含む。特定被覆用混合物中の酸基を有する特定共重合体の含有量は5質量%〜20質量%である。特定被覆用混合物の引張弾性率はタイヤ骨格体を形成する樹脂材料の引張弾性率の0.1倍〜20倍である。
従ってタイヤ骨格体と特定被覆用混合物材料との接着性の観点から、タイヤ骨格体を構成する樹脂材料の選択自由度が高い。
更に、特定被覆用混合物は、熱可塑性樹脂と特定共重合体と主成分としているため、樹脂材料を用いたタイヤ骨格体との接着性にも優れる。このため、補強金属コード部材が特定被覆用混合物で被覆されていると、タイヤ骨格体を構成する樹脂材料と補強金属コード部材との剛性段差を効果的に緩和しながら、前記補強金属コード部材の引き抜き耐性及びタイヤ骨格体との接着性を向上させることができるため、補強金属コード部材とタイヤ骨格体との接着耐久性を向上させることができる。特に、特定共重合体として、特定酸共重合体が用いられている場合には、特定酸共重合体が有する酸基の存在により、特定被覆用混合物を構成する熱可塑性樹脂と特定共重合体との親和性に優れ、特定被覆用混合物が相分離し難い。
尚、本明細書において、「樹脂」とは、熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂を含む概念であり、天然ゴムは含まない。
前記補強金属コード部材としては、従来のゴム製タイヤに用いられる金属製のコードなどを適宜用いることができる。前記補強金属コード部材としては、例えば、金属繊維のモノフィラメント(単線)、または、スチール繊維を撚ったスチールコードなどこれら繊維を撚ったマルチフィラメント(撚り線)などを用いることができる。また、補強金属コード部材の断面形状やサイズ(直径)等は特に規定されず、所望のタイヤに適したものを適宜選定して用いることができる。
なお、補強金属コード部材自体の弾性率は、引張試験機にてZWICK型チャックを用い応力−歪曲線を描き、その傾きから算出することができる。
なお、補強金属コード部材自体の引張破断伸びは、引張試験機にてZWICK型チャックを用い応力−歪曲線を描き、歪から求められる。
前記補強金属コード部材を被覆する特定被覆用混合物は、熱可塑性樹脂と、下記1)〜3)から選択される少なくとも1つの(メタ)アクリル系共重合体とを含む。
1)オレフィン−(メタ)アクリル酸共重合体(特定酸共重合体)
2)オレフィン−(メタ)アクリレート共重合体(特定エステル共重合体)
3)前記1)又は前記2)に示す共重合体の金属架橋体
特定被覆用混合物は、特定共重合体と熱可塑性樹脂との含有比を、熱可塑性樹脂の特定被覆用混合物中の含有比を上記範囲とする中で調整することで、容易に被覆用混合物の柔軟性(弾性率)や破断伸び等の特性を調整することができ、特に熱可塑性樹脂を単一で用いた場合に比して柔軟性を高めることができる。
特定被覆用混合物に含まれる熱可塑性樹脂としては、後述のタイヤ骨格体に用いられる熱可塑性樹脂のハードセグメントを構成するポリマーを適宜挙げることができる。このような熱可塑性樹脂としては、例えば、ウレタン系熱可塑性樹脂、オレフィン系熱可塑性樹脂、塩化ビニル系熱可塑性樹脂、ポリアミド系熱可塑性樹脂、ポリエステル系熱可塑性樹脂、ポリスチレン系熱可塑性樹脂等が挙げられ、ポリアミド系熱可塑性樹脂が特に好ましい。特定被覆用混合物の熱可塑性樹脂としてポリアミド系熱可塑性樹脂を用いると、補強金属コード部材に対する引き抜き耐性を更に向上させることができる。
前記ポリアミド系熱可塑性樹脂としては、後述のポリアミド系熱可塑性エラストマーのハードセグメントを構成するポリアミドを挙げることができる。前記ポリアミド系熱可塑性樹脂としては、例えば、ε-カプロラクタムを開環重縮合したポリアミド(アミド6)、ウンデカンラクタムを開環重縮合したポリアミド(アミド11)、ラウリルラクタムを開環重縮合したポリアミド(アミド12)、ジアミンと二塩基酸とを重縮合ポリアミド(アミド66)又はメタキシレンジアミンを構成単位として有するポリアミド(アミドMX)等を挙げることができる。
特定被覆用混合物は、オレフィン−(メタ)アクリル酸共重合体(特定酸共重合体)およびオレフィン−(メタ)アクリレート共重合体(特定エステル共重合体)並びに特定酸共重合体の金属架橋体、及び特定エステル共重合体の金属架橋体から選択される少なくとも1つの(メタ)アクリル系共重合体(特定共重合体)を含有する。
特に、酸基を有する特定酸共重合体は、特定被覆用混合物を構成する熱可塑性樹脂と特定共重合体との親和性を高め、特定被覆用混合物の耐久性を高めることができる。そのため、特定共重合体として特定酸共重合体を用いた特定被覆用混合物は、熱可塑性樹脂と特定共重合体とが相分離し難い。
「オレフィン−(メタ)アクリル酸共重合体」とは、オレフィンの繰り返し単位の中に、(メタ)アクリル酸由来の部分構造を含む共重合体を言う。特定酸共重合体の態様は、ラジカル重合体であっても、ブロック共重合体であっても、グラフト共重合体であってもよい。
すなわち、オレフィン−(メタ)アクリル酸共重合体は、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体であることが好ましい。より好ましくは、エチレン−メタクリル酸共重合体である。
オレフィン−(メタ)アクリル酸共重合体は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
「オレフィン−(メタ)アクリレート共重合体」とは、オレフィンの繰り返し単位の中に、(メタ)アクリレート由来の部分構造を含む共重合体を言う。特定エステル共重合体の態様は、ラジカル重合体であっても、ブロック共重合体であっても、グラフト共重合体であってもよい。
すなわち、オレフィン−(メタ)アクリレート共重合体は、エチレン−(メタ)アクリレート共重合体であることが好ましい。より好ましくは、エチレン−メタクリレート共重合体である。
オレフィン−(メタ)アクリレート共重合体は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
従って、特定エステル共重合体も、酸変性をすることにより、特定被覆用混合物を構成する熱可塑性樹脂と特定共重合体との親和性を高めることができる。すなわち、特定エステル共重合体は、オレフィン−(メタ)アクリレート共重合体を酸変性してなる酸変性共重合体(以下「特定酸変性エステル共重合体」ともいう)であることもまた好ましい態様である。
「オレフィン−(メタ)アクリレート共重合体を酸変性してなる酸変性共重合体」とは、オレフィンの繰り返し単位の中に、(メタ)アクリレート由来の部分構造を含む共重合体〔すなわち、オレフィン−(メタ)アクリレート共重合体〕に、酸基を有する化合物を結合させた共重合体を言う。
すなわち、オレフィン−(メタ)アクリレート共重合体は、エチレン−(メタ)アクリレート共重合体であることが好ましい。
従って、特定酸変性エステル共重合体は、エチレン−(メタ)アクリレート共重合体の酸変性体であることが好ましい。
より好ましくは、エチレン−(メタ)アクリレートエチルエステル共重合体を、カルボン酸基(カルボキシ基)を有する化合物により酸変性してなるカルボン酸変性共重合体であり、更に好ましくはエチレン−アクリレートエチルエステル共重合体のカルボン酸変性体である。
特定酸変性エステル共重合体は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
特定共重合体の金属架橋体について、特定共重合体がオレフィン−(メタ)アクリル酸共重合体(特定酸共重合体)である場合を例に説明する。特定共重合体がオレフィン−(メタ)アクリレート共重合体(特定エステル共重合体)である場合には、下記説明のうち、「(メタ)アクリル酸共重合体」を『(メタ)アクリレート共重合体』に置き換えればよい。
オレフィン−(メタ)アクリル酸共重合体の金属架橋体とは、オレフィンの繰り返し単位中に、(メタ)アクリル酸由来の部分構造を含む共重合体であり、かつ、(メタ)アクリル酸の繰り返し単位における(メタ)アクリル酸のプロトン(H+)がとれた−COO−同士が、金属イオン(Mn+;Mは金属、nは金属の価数)を介して結ばれている(架橋している)共重合体を言う。かかる金属架橋体の共重合体は、アイオノマーとも呼ばれる。共重合体の態様は、ラジカル共重合体であっても、ブロック共重合体であっても、グラフト共重合体であってもよい。
(メタ)アクリレートのCOO−と架橋構造を形成し得る金属イオンとしては、例えば、リチウム(Li+)、ナトリウム(Na+)、カリウム(K+)等の1価イオン、マグネシウム(Mg2+)、カルシウム(Ca2+)、バリウム(Ba2+)、亜鉛(Zn2+)のような2価イオン、アルミニウム(Al3+)のような3価イオン等が挙げられる。通常、リチウム(Li+)、ナトリウム(Na+)、マグネシウム(Mg2+)、亜鉛(Zn2+)等の金属イオンが用いられるが、中でも、熱可塑性樹脂材料に硬度を持たせ、耐変形性を向上する観点から、亜鉛イオンが好ましい。
すなわち、オレフィン−(メタ)アクリル酸共重合体の金属架橋体は、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体の金属架橋体であることが好ましい。より好ましくは、エチレン−メタクリル酸共重合体の金属架橋体であり、更に好ましくは、エチレン−メタクリル酸共重合体の亜鉛イオン架橋体である。
オレフィン−(メタ)アクリル酸共重合体の金属架橋体は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
特定被覆用混合物は、特定被覆用混合物の破断伸び等の特性や、被覆用混合物に対する補強金属コード部材の引き抜き耐性を向上させる観点から、熱可塑性樹脂で構成されるマトリックス相である海相と、特定共重合体と、で構成される分散相である島相とを有する海島構造を有する態様が好ましい。特定被覆用混合物を、熱可塑性樹脂のマトリックスに特定共重合体が分散した海島構造とすることで、特定被覆用混合物の破断伸び等の特性や、特定被覆用混合物に対する補強金属コード部材の引き抜き耐性を向上させることができる。
特定被覆用混合物が酸基を有する特定共重合体を含有する場合は、酸基を有する特定共重合体の酸価が高いほど島相が小さく、酸価が低いほど島相が大きくなる傾向にある。酸基を有する特定共重合体の酸価が高いほど、ポリアミド系熱可塑性樹脂と酸基を有する特定共重合体との相互作用が大きくなり、特定被覆用混合物の溶融粘度が増大する。酸基を有する特定共重合体と、酸基を有しない特定共重合体とを併せて使用し、酸価を調整することで、特定被覆用混合物の溶融粘度を高くなりすぎるのを抑制することもできる。
次に、タイヤ骨格体を形成する樹脂材料について説明する。ここで、「樹脂材料」とは、熱可塑性樹脂(熱可塑性エラストマーを含む)及び熱硬化性樹脂を含む概念であり、加硫ゴムは含まない。
前記熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール系熱硬化性樹脂、ユリア系熱硬化性樹脂、メラミン系熱硬化性樹脂、エポキシ系熱硬化性樹脂、ポリアミド系熱硬化性樹脂等が挙げられる。前記熱可塑性樹脂としては、例えば、ウレタン系熱可塑性樹脂、オレフィン系熱可塑性樹脂、塩化ビニル系熱可塑性樹脂、ポリアミド系熱可塑性樹脂等が挙げられる。
また、本明細書において「同種」の樹脂とは、エステル系同士、スチレン系同士などの形態を指す。
前記ポリアミド系熱可塑性エラストマーとは、結晶性で融点の高いハードセグメントを構成するポリマーと非晶性でガラス転移温度の低いソフトセグメントを構成するポリマーとを有する共重合体からなる熱可塑性樹脂材料であって、ハードセグメントを構成するポリマーの主鎖にアミド結合(−CONH−)を有するものを意味する。ポリアミド系熱可塑性エラストマーとしては、例えば、JIS K6418:2007に規定されるアミド系熱可塑性エラストマー(TPA)等や、特開2004−346273号公報に記載のポリアミド系エラストマー等を挙げることができる。
前記一般式(1)または一般式(2)で表されるモノマーとしては、ω−アミノカルボン酸やラクタムが挙げられる。また、前記ハードセグメントを形成するポリアミドとしては、これらω−アミノカルボン酸やラクタムの重縮合体や、ジアミンとジカルボン酸との共縮重合体等が挙げられる。
前記ジアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、3−メチルペンタメチレンジアミン、メタキシレンジアミンなどの炭素数2〜20の脂肪族ジアミンなどのジアミン化合物を挙げることができる。また、ジカルボン酸は、HOOC−(R3)m−COOH(R3:炭素数3〜20の炭化水素の分子鎖、m:0または1)で表すことができ、例えば、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸などの炭素数2〜20の脂肪族ジカルボン酸を挙げることができる。
前記ハードセグメントを形成するポリアミドとしては、ラウリルラクタム、ε−カプロラクタムまたはウデカンラクタムを開環重縮合したポリアミドを好ましく用いることができる。
ここで、「ABA型トリブロックポリエーテル」とは、下記一般式(3)に示されるポリエーテルを意味する。
前記ポリスチレン系熱可塑性エラストマーは、少なくともポリスチレンがハードセグメントを構成し、他のポリマー(例えば、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリエチレン、水添ポリブタジエン、水添ポリイソプレン等)が非晶性でガラス転移温度の低いソフトセグメントを構成している材料が挙げられる。前記ハードセグメントを形成するポリスチレンとしては、例えば、公知のラジカル重合法、イオン性重合法で得られるものが好適に使用でき、例えば、アニオンリビング重合を持つポリスチレンが挙げられる。
また、前記ソフトセグメントを構成するポリマーの数平均分子量としては、5000〜1000000が好ましく、10000〜800000が更に好ましく、30000〜500000が特に好ましい。更に、前記ハードセグメント(x)およびソフトセグメント(y)との体積比(x:y)は、成形性の観点から、5:95〜80:20が好ましく、10:90〜70:30が更に好ましい。
前記ポリスチレン系熱可塑性エラストマーとしては、スチレン−ブタジエン系共重合体[SBS(ポリスチレン−ポリ(ブチレン)ブロック−ポリスチレン)、SEBS(ポリスチレン−ポリ(エチレン/ブチレン)ブロック−ポリスチレン)]、スチレン−イソプレン共重合体[ポリスチレン−ポリイソプレンブロック−ポリスチレン)、スチレン−プロピレン系共重合体[SEP(ポリスチレン−(エチレン/プロピレン)ブロック)、SEPS(ポリスチレン−ポリ(エチレン/プロピレン)ブロック−ポリスチレン)、SEEPS(ポリスチレン−ポリ(エチレン−エチレン/プロピレン)ブロック−ポリスチレン)、SEB(ポリスチレン(エチレン/ブチレン)ブロック)等が挙げられる。
前記ポリウレタン系熱可塑性エラストマーは、少なくともポリウレタンが物理的な凝集によって疑似架橋を形成しているハードセグメントを構成し、他のポリマーが非晶性でガラス転移温度の低いソフトセグメントを構成している材料が挙げられ、例えば、下記構成単位(U−1)で表される単位構造を含むソフトセグメントと、下記構成単位(U−2)で表される単位構造を含むハードセグメントとを含む共重合体として表すことができる。
これらは単独で使用されてもよく、また2種以上が併用されてもよい。
また、前記Rで表される脂環族炭化水素を含むジイソシアネート化合物としては、例えば、1,4−シクロヘキサンジイソシアネートおよび4,4−シクロヘキサンジイソシアネート等が挙げられる。更に、前記Rで表される芳香族炭化水素を含む芳香族ジイソシアネート化合物としては例えば、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネートが挙げられる。
これらは単独で使用されてもよく、また2種以上が併用されてもよい。
また、前記P’で表される脂環族炭化水素を含む脂環族ジオール化合物としては、例えば、シクロペンタン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,3−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、およびシクロヘキサン−1,4−ジメタノール等が挙げられる。
更に、前記P’で表される芳香族炭化水素を含む芳香族ジオール化合物としては、例えば、ヒドロキノン、レゾルシン、クロロヒドロキノン、ブロモヒドロキノン、メチルヒドロキノン、フェニルヒドロキノン、メトキシヒドロキノン、フェノキシヒドロキノン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルサルファイド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、ビスフェノールA、1,1−ジ(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,2−ビス(4−ヒドロキシフェノキシ)エタン、1,4−ジヒドロキシナフタリン、および2,6−ジヒドロキシナフタリン等が挙げられる。
これらは単独で使用されてもよく、また2種以上が併用されてもよい。
前記ポリウレタン系熱可塑性エラストマーは、前記ハードセグメントを形成するポリマー及びソフトセグメントを形成するポリマーを公知の方法によって共重合することで合成することができる。前記ポリウレタン系熱可塑性エラストマーとしては、例えば、特開平5−331256に記載の熱可塑性ポリウレタンを用いることができる。
前記ポリウレタン系熱可塑性エラストマーとして、具体的には、芳香族ジオールと芳香族ジイソシアネートとからなるハードセグメントと、ポリ炭酸エステルからなるソフトセグメントの組合せが好ましく、トリレンジイソシアネート(TDI)/ポリエステル系ポリオール共重合体、TDI/ポリエーテル系ポリオール共重合体、TDI/カプロラクトン系ポリオール共重合体、TDI/ポリカーボネート系ポリオール共重合体、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)/ポリエステル系ポリオール共重合体、MDI/ポリエーテル系ポリオール共重合体、MDI/カプロラクトン系ポリオール共重合体、MDI/ポリカーボネート系ポリオール共重合体、MDI+ヒドロキノン/ポリヘキサメチレンカーボネート共重合体が好ましく、TDI/ポリエステル系ポリオール共重合体、TDI/ポリエーテル系ポリオール共重合体、MDI/ポリエステルポリオール共重合体、MDI/ポリエーテル系ポリオール共重合体、MDI+ヒドロキノン/ポリヘキサメチレンカーボネート共重合体が更に好ましい。
前記ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーは、少なくともポリオレフィンが結晶性で融点の高いハードセグメントを構成し、他のポリマー(例えば、前記ポリオレフィン、他のポリオレフィン、ポリビニル化合物)が非晶性でガラス転移温度の低いソフトセグメントを構成している材料が挙げられる。前記ハードセグメントを形成するポリオレフィンとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、アイソタクチックポリプロピレン、ポリブテン等が挙げられる。
前記ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、オレフィン−α−オレフィンランダム共重合体、オレフィンブロック共重合体等が挙げられ、例えば、プロピレンブロック共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、プロピレン−1−ヘキセン共重合体、プロピレン−4−メチル−1ペンテン共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−4−メチル−ペンテン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、1−ブテン−1−ヘキセン共重合体、1−ブテン−4−メチル−ペンテン、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、エチレン−メチルアクリレート共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−ブチルアクリレート共重合体、プロピレン−メタクリル酸共重合体、プロピレン−メタクリル酸メチル共重合体、プロピレン−メタクリル酸エチル共重合体、プロピレン−メタクリル酸ブチル共重合体、プロピレン−メチルアクリレート共重合体、プロピレン−エチルアクリレート共重合体、プロピレン−ブチルアクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、プロピレン−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。
また、エチレンとプロピレンといったように2種以上のポリオレフィン樹脂を組み合わせて使用してもよい。また、前記ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー中のポリオレフィン含率は、50質量%以上100質量%以下が好ましい。
前記「熱可塑性エラストマーを酸変性してなるもの」とは、熱可塑性エラストマーに、カルボン酸基、硫酸基、燐酸基等の酸基を有する不飽和化合物を結合させることをいう。例えば、酸基を有する不飽和化合物として、不飽和カルボン酸(一般的には、無水マレイン酸)を用いるとき、オレフィン系熱可塑性エラストマーに、不飽和カルボン酸の不飽和結合部位を結合(例えば、グラフト重合)させることが挙げられる。
更に、前記ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、例えば、市販品のプライムポリマー製の「プライムTPO」シリーズ(例えば、E−2900H、F−3900H、E−2900、F−3900、J−5900、E−2910、F−3910、J−5910、E−2710、F−3710、J−5910、E−2740、F−3740、R110MP、R110E、T310E、M142E等)等も用いることができる。
前記ポリエステル系熱可塑性エラストマーは、少なくともポリエステルが結晶性で融点の高いハードセグメントを構成し、他のポリマー(例えば、ポリエステルまたはポリエーテル等)が非晶性でガラス転移温度の低いソフトセグメントを構成している材料が挙げられる。
前記ハードセグメントを形成するポリエステルとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、プリブチレンテレフタレート、ポリメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート等が挙げられ、ポリブチレンテレフタレートが好ましい。
前記脂肪族ポリエーテルとしては、ポリ(エチレンオキシド)グリコール、ポリ(プロピレンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリ(ヘキサメチレンオキシド)グリコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合体、ポリ(プロピレンオキシド)グリコールのエチレンオキシド付加重合体、エチレンオキシドとテトラヒドロフランの共重合体等が挙げられる。
前記脂肪族ポリエステルとしては、ポリ(ε−カプロラクトン)、ポリエナントラクトン、ポリカプリロラクトン、ポリブチレンアジペート、ポリエチレンアジペートなどが挙げられる。
これらの脂肪族ポリエーテルおよび脂肪族ポリエステルのなかでも、得られるポリエステルブロック共重合体の弾性特性の観点から、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリ(プロピレンオキシド)グリコールのエチレンオキシド付加物、ポリ(ε−カプロラクトン)、ポリブチレンアジペート、ポリエチレンアジペートなどが好ましい。
また、タイヤの耐久性や生産性を向上させることができる。前記樹脂材料には、所望に応じて、ゴム、エラストマー、熱可塑性樹脂、各種充填剤(例えば、シリカ、炭酸カルシウム、クレイ)、老化防止剤、オイル、可塑剤、発色剤、耐候剤等の各種添加剤を含有(ブレンド)させてもよい。
以下に、図面に従って本発明のタイヤの第1の実施形態に係るタイヤを説明する。
本実施形態のタイヤ10について説明する。図1(A)は、本発明の一実施形態に係るタイヤの一部の断面を示す斜視図である。図1(B)は、リムに装着したビード部の断面図である。図1に示すように、本実施形態のタイヤ10は、従来一般のゴム製の空気入りタイヤと略同様の断面形状を呈している。本実施形態においては、補強金属コード部材として撚り構造を有するスチールコード(引張弾性率210000MPa、破断伸び8%)が用いられており、これを芯としてその外周を少なくとも熱可塑性樹脂と特定共重合体とを含む特定被覆用混合物で被覆した補強コード26が用いられている。本形態においては、熱可塑性樹脂として、ポリアミド系熱可塑性樹脂であるアミド12〔例えば、宇部興産(株)製の「3014U」と「3024U」との1:1(質量比)混合物〕80質量%と、特定共重合体として、三井・デュポン ポリケミカル社製の「ニュクレル N1035C」20質量%との混合物(引張弾性率947MPa、引張強さ38MPa、破断伸び135%)を用いた例について説明する。
更に、本実施形態においては、タイヤ骨格体(タイヤケース17)の軸方向に沿った断面視で、熱可塑性樹脂で被覆された補強金属コード部材(即ち、補強コード26)の少なくとも一部がタイヤ骨格体の外周部に埋設された状態で螺旋状に巻回されている。
また、本実施形態では、タイヤケース半体17Aは左右対称形状、即ち、一方のタイヤケース半体17Aと他方のタイヤケース半体17Aとが同一形状とされているので、タイヤケース半体17Aを成形する金型が1種類で済むメリットもある。
(タイヤケース成形工程)
まず、薄い金属の支持リングに支持されたタイヤケース半体同士を互いに向かい合わせる。次いで、タイヤケース半体の突き当て部分の外周面と接するように図を省略する接合金型を設置する。ここで、前記接合金型はタイヤケース半体Aの接合部(突き当て部分)周辺を所定の圧力で押圧するように構成されている。次いで、タイヤケース半体の接合部周辺を、タイヤケースを構成する熱可塑性樹脂材料の融点(または軟化点)以上で押圧する。タイヤケース半体の接合部が接合金型によって加熱・加圧されると、前記接合部が溶融しタイヤケース半体同士が融着しこれら部材が一体となってタイヤケース17が形成される。尚、本実施形態においては接合金型を用いてタイヤケース半体の接合部を加熱したが、本発明はこれに限定されず、例えば、別に設けた高周波加熱機等によって前記接合部を加熱したり、予め熱風、赤外線の照射等によって軟化または溶融させ、接合金型によって加圧して、タイヤケース半体を接合させてもよい。
次に、補強コード巻回工程について図3を用いて説明する。図3は、コード加熱装置、およびローラ類を用いてタイヤケースのクラウン部に補強コードを埋設する動作を説明するための説明図である。図3において、コード供給装置56は、補強コード26を巻き付けたリール58と、リール58のコード搬送方向下流側に配置されたコード加熱装置59と、補強コード26の搬送方向下流側に配置された第1のローラ60と、第1のローラ60をタイヤ外周面に対して接離する方向に移動する第1のシリンダ装置62と、第1のローラ60の補強コード26の搬送方向下流側に配置される第2のローラ64と、および第2のローラ64をタイヤ外周面に対して接離する方向に移動する第2のシリンダ装置66と、を備えている。第2のローラ64は、金属製の冷却用ローラとして利用することができる。また、本実施形態において、第1のローラ60または第2のローラ64の表面は、溶融または軟化した樹脂材料の付着を抑制するためにフッ素樹脂(本実施形態では、テフロン(登録商標))でコーティングされている。なお、本実施形態では、コード供給装置56は、第1のローラ60または第2のローラ64の2つのローラを有する構成としているが、本発明はこの構成に限定されず、何れか一方のローラのみ(即ち、ローラ1個)を有している構成でもよい。また、リール58に巻き付けられたコード部材26は特定被覆用混合物28で被覆されたスチールコード27を巻き付けたものが用いられる。
本実施形態のタイヤ10では、ポリアミド系熱可塑性エラストマーで形成されたタイヤケース17の外周面に、スチールコード27を芯としこれを特定被覆用混合物28で被覆した補強コード26が巻回されている。ポリアミド系熱可塑性樹脂とポリスチレン系熱可塑性エラストマーとを含む特定被覆用混合物28は、タイヤケース17を形成するポリアミド系樹脂熱可塑エラストマーと接着性が高く、また、スチールコードに比してポリアミド系熱可塑性エラストマーとの剛性段差が小さい。このように補強コード26がポリアミド系熱可塑性樹脂とポリスチレン系熱可塑性エラストマーとを含む特定被覆用混合物で被覆されていると、スチールコード27を単にクッションゴムで固定する場合と比してタイヤケース17と補強コード16との硬さの差を小さくできるため、スチールコード27を芯とする補強コード26をタイヤケース17に十分に密着・固定することができる。これにより、タイヤ製造時に気泡が残存するのを効果的に防止することができ、走行時に補強金属コード部材が動くのを効果的に抑制することができる。更に、ポリアミド系熱可塑性樹脂とポリスチレン系熱可塑性エラストマーとを含む特定被覆用混合物は、ポリアミド系熱可塑性樹脂を単独で用いた場合に比して柔軟性を得やすい。このため、ポリアミド系熱可塑性樹脂を単独で用いた場合よりも少量の被覆で所望の柔軟性を得ることができる。
次に、図面に従って本発明のタイヤの第2の実施形態について説明する。図4は、第2の実施形態のタイヤのタイヤケースのクラウン部上に補強金属コード部材が埋設された補強コード被覆層を有する態様を示すタイヤ回転軸に沿った断面図である。本実施形態のタイヤは、図4に示すように、タイヤケースのクラウン部16表面にスチールコード27(補強金属コード部材)が埋設された補強コード被覆層29を有し、補強コード被覆層29上にトレッド30が配置されている。第2の実施形態に係るタイヤは、上記の点以外は第1の実施形態と同様の構成を有し、前記第1の実施形態と同様の構成については同様の番号が付される。
(骨格形成工程)
まず、上述の第1の実施形態と同様にして、タイヤケース半体17Aを形成し、これを接合金型によって加熱・押圧し、タイヤケース17を形成する。
本実施形態におけるタイヤの製造装置は、上述の第1の実施形態と同様であり、上述の第1の実施形態の図3に示すコード供給装置56において、リール58にはスチールコード27を巻き付けたものが用いられる。次いで、リール58に巻き付けられたスチールコード27は、第1の実施形態と同様にして、タイヤケース17の外周面にその一部が埋設されながら外周面に沿って巻回される。本実施形態においては、補強コード被覆層29を形成して当該層にスチールコード27を埋設することで、スチールコード27の表面に少なくとも熱可塑性樹脂と特定共重合体とを含む特定被覆用混合物材料を被覆させる。このため、スチールコード27の直径D2に対するタイヤケース17への埋設量Lは、スチールコード27の直径D1の1/5以下となるように設定することが好ましい。
次に、スチールコード27を埋設させたタイヤケース17の外周面に特定被覆用混合物を、図示を省略する溶融押出機等を用いて塗布し、補強コード被覆層29を形成する。
次に、タイヤケース17の外周面に加硫済みの帯状のトレッド30を1周分巻き付けてタイヤケース17の外周面にトレッド30を、接着剤などを用いて接着する。なお、トレッド30は、例えば、従来知られている更生タイヤに用いられるプレキュアトレッドを用いることができる。本工程は、更生タイヤの台タイヤの外周面にプレキュアトレッドを接着する工程と同様の工程である。
本実施形態によれば、第1の実施形態の効果に加えて、タイヤケース17の外周面上に補強コード被覆層29を設けることで、スチールコード27を更に強固にタイヤケース17上に固定することができる。
下記表1に記載の樹脂(被覆用混合物)の組成で混合(質量基準)して、(株)東洋精機製作所製、LABOPLASTOMILL 50MR 2軸押出し機により混練し、ペレットを得た。なお、ゴム成分については、後述する方法にてゴムペレットを得た。
用意したペレットを用いて、200℃にて熱プレスによってペレットをプレスし、トリミングを行なって120mm×120mm 厚さ2.0mmのシートAを作製した。 各試料片を打ち抜き、JISK6251−1993に規定されるダンベル状試料片(5号形試料片)を作製した。
200℃にて熱プレスによって下記表1に記載の樹脂(被覆用混合物)をプレスし、トリミングを行なって厚さ2.5mmのシートBを作製した。次いで、得られたシートBと被着体としてタイヤ骨格体に用いられるポリアミド系熱可塑性エラストマー(宇部興産社製、UBESTA、「XPA9055X1」:引張弾性率303MPa、破断伸び350%、引張強さ41MPa)を融着し厚さ4.5mmのシートを作製し25mmの幅にカットして、サイズ130mm×25mm×4.5mmのサンプル片を作製した。作製したサンプル片を23℃・50mm/minの条件で引張試験を行なって熱融着剥離強度を測定した。当該試験は2回行い、その平均値を評価値とした。評価値が大きいほど、被覆用混合物とタイヤ骨格体の接着性に優れていることを示す。結果を下記表1に示す。
上記で作製した各ペレットについて、東洋精機製作所社製、セミメルトインデクサ 2A型を用い、ASTM A1238(B法)に基づき、98.07Nの荷重をかけて、流動性(MFR:単位g/10min)を測定した。測定値は、数値が大きいほど被覆用混合物の取り扱い性に優れることを示す。結果を表1に示す。
まず、φ0.8mmのモノフィラメントを、φ10mm、長さ60mmの円柱状金型の中心にセットした。
次いで、前記円柱状金型のキャビティー部に下記表1に記載の樹脂(被覆用混合物)を充填して射出成型を行った。得られた樹脂を冷却して、樹脂部の中心にブラスメッキワイヤーがセットされた円柱状の試験片を得た。
得られた試験片について、樹脂部からワイヤーを50mm/minで引き抜き、島津製作所(株)製「AG−5KNK」を用い、引き抜きの際の引抜力(単位:N)を測定した。測定値に基づき、下記の基準に従って、各試験片の引き抜き耐性について評価した。前記引抜力が大きいほど、補強金属コード部材の引き抜き耐性に優れることを示す。
・ナイロン12(熱可塑性樹脂)
宇部興産社製の「3014U」と「3024U」との1:1(質量比)混合物
・E(M)A(エチレン-メタアクリル酸共重合体)
三井・デュポンポリケミカル社製の「ニュクレル N1035C」
・EBA(エチレン-ブチルアクリレート共重合体)
三井・デュポンポリケミカル社製の「エルバロイ AC 3427」
・EEA酸変性体(エチレン-エチレンアクリレート共重合体の無水マレイン酸変性物)
三井化学社製の「タフマー HPR AR2011」
ゴム成分は、次のようにして得た。
表2に示される各成分を密閉式バンバリミキサーにて初期温度40℃で3分混合し、ゴム組成物を調製した。得られたゴム組成物をロールでシール化した後、ゴム用ペレタイザーでペレット化し、ゴムペレットを得た。
12 ビード部
16 クラウン部(外周部)
18 ビードコア
20 リム
21 ビードシート
22 リムフランジ
17 タイヤケース(タイヤ骨格体)
24 シール層
26 補強コード
27 スチールコード(補強金属コード部材)
28 特定被覆用混合物
29 補強コード被覆層
30 トレッド
D 補強コードの直径
L 補強コードの埋設量
Claims (7)
- ポリアミド系熱可塑性エラストマーを含む樹脂材料で形成され且つ環状のタイヤ骨格体と、前記タイヤ骨格体の外周部に巻回される補強金属コード部材と、を有し、
前記補強金属コード部材の少なくとも一部が、少なくとも、熱可塑性樹脂と、下記1)〜3)から選択される少なくとも1つの(メタ)アクリル系共重合体と、を含む被覆用混合物で被覆され、
前記被覆用混合物中の前記(メタ)アクリル系共重合体の含有量が5質量%〜20質量%であり、
前記被覆用混合物の引張弾性率が前記タイヤ骨格体を形成する前記樹脂材料の引張弾性率の0.1倍〜20倍である、タイヤ。
1)オレフィン−(メタ)アクリル酸共重合体
2)オレフィン−(メタ)アクリレート共重合体の酸変性物
3)前記1)又は前記2)に示す共重合体の金属架橋体 - 前記被覆用混合物は、前記熱可塑性樹脂を含む海相と前記(メタ)アクリル系共重合体を含む島相とを含む海島構造を有し、前記島相の長径が0.4μm〜10.0μmである請求項1に記載のタイヤ。
- 前記被覆用混合物中における、前記熱可塑性樹脂(p)と前記(メタ)アクリル系共重合体(e)との質量比(p/e)が、95/5〜55/45である請求項1又は請求項2に記載のタイヤ。
- 前記タイヤ骨格体の引張弾性率(x1)、前記被覆用混合物の引張弾性率(x2)、及び前記補強金属コード部材の引張弾性率(x3)が、x1<x2<x3の関係を満たす請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のタイヤ。
- 前記タイヤ骨格体の破断伸び(y1)、前記被覆用混合物の破断伸び(y2)、及び前記補強金属コード部材の破断伸び(y3)が、y3<y2<y1の関係を満たす請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のタイヤ。
- 前記タイヤ骨格体を形成する前記樹脂材料と、前記被覆用混合物に含まれる前記熱可塑性樹脂とが同種の樹脂を含む請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のタイヤ。
- 前記被覆用混合物に含まれる前記熱可塑性樹脂が、ポリアミド系熱可塑性樹脂である請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のタイヤ。
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