JP7330465B2 - 円筒管用断熱構造 - Google Patents
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Description
一対の係止部を備えた連結体が、前記複数層の断熱壁のうちの少なくとも前記円筒管の径方向において内方側の断熱壁における前記円筒管の軸心方向に隣接して並ぶ一対の前記断熱部材に対して、一対の前記係止部を一対の前記断熱部材の外面部に対して各別に前記円筒管の径方向内方側に差し込む形態で設けられ、
前記連結体が、湾曲変形可能な帯状部材における幅方向の両端側に、前記係止部を当該帯状部材の長手方向に並ぶ状態で備える形態に構成され、
前記連結体が、一対の前記断熱部材の外面部に巻き付ける状態に装着され、
前記帯状部材が、ポリエステル繊維の織物を軟質な合成樹脂フィルムでサンドしたターポリンにて形成されている点にある。
前記複数層の断熱壁のうちの前記円筒管の径方向において最外方側の断熱壁における複数の前記対向箇所の夫々において、前記円筒管の周方向に隣接して並ぶ一対の前記断熱部材に跨る状態で、粘着性を有する帯状の周方向側漏れ防止用体が貼着されている点にある。
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
(断熱構造の全体構成)
図1及び図2に示すように、LNGやLPG等の低温流体が通流する円筒管1が設けられ、円筒管1の外周部に、ウレタン樹脂を発泡させたウレタンフォーム製の複数の断熱部材Pが、円筒管1の周方向及び軸心方向に並ぶ状態で装着されている。
つまり、断熱部材Pは、円筒管1の周方向及び円筒管1の軸心方向に分割された円弧状(本実施形態では半円状)に形成されている。
尚、図5に示すように、以下の記載において、断熱部材Pの径方向外方側の面を外面3とし、径方向内方側の面を内面4とし、周方向の両端の面を端面5とし、さらに、軸心方向の両側の面を側面6とする。
つまり、断熱部材Pとして、最も大径の大径断熱部材PL、中間の径の中間径断熱部材PM、及び、最も小径の小径断熱部材PSが設けられている(図3、図4参照)。
ちなみに、断熱部材Pを積層した状態においては、大径断熱部材PLの外面3が最も外方側に位置し、大径断熱部材PLの内面4と中間径断熱部材PMの外面3とが同径状に並び、中間径断熱部材PMの内面4と小径断熱部材PSの外面3とが同径状に並び、小径断熱部材PSの内面4が、円筒管1の外周面と同径状に並ぶことになる。
複数の断熱部材Pは、円筒管1の一端部から他端部に向かって順次装着される形態で、円筒管1の一端部に隣接する箇所、円筒管1の他端部に隣接する箇所、及び、それらの間に相当する箇所に装着されることになる。
すなわち、小径断熱部材PS、中間径断熱部材PM及び大径断熱部材PLが、円筒管1の軸心方向に沿う長さを基本長さ(例えば、1m)となるように形成されている。
但し、円筒管1の他端部に隣接する箇所に装着する小径断熱部材PS、中間径断熱部材PM及び大径断熱部材PLの軸心方向の長さが、後述する長尺部材Nとしての連結部材7(図5参照)を装着する空間を形成するために、1m以上の長さとなるように構成されている。
本実施形態においては、中間径断熱部材PMの軸心方向の長さを、小径断熱部材PS及び大径断熱部材PLの軸心方向の長さに基本長さの半分(例えば、0.5m)の長さを加えた長さにしてある。
基本装着構成においては、図3に示すように、円筒管1の周方向に複数に分割された円弧状(本実施形態は半円状)の断熱部材Pが、端面同士を付き合わせた状態で円筒管1の周方向に位置する複数の対向箇所の夫々において、隣接する一対の断熱部材端部を円筒管の軸心方向に沿って長尺な連結部材7(長尺部材Nの一例)にて連結する状態で、円筒管1の外周部に設けられている(図5参照)。
ちなみに、連結部材7の長さは、断熱部材Pの軸心方向の長さと同じ長さに形成され、また、連結部材7は、断熱部材Pと同様に、ウレタン樹脂製である。
このように、小径断熱部材PS、中間径断熱部材PM及び大径断熱部材PLを装着した状態においては、円筒管1の外周部に、連結部材7にて連結される複数の円弧状(2つの半円状)の断熱部材Pにて円筒状で且つ径が異なる状態に形成される複数(3つ)の断熱用壁部が、複数層を形成する状態で設けられることになる。
端部装着構成においては、図4に示すように、上述した円筒管1の周方向に2分割された半円状の断熱部材Pが、円筒管1の周方向に2分割された半円状断熱部材PAとして用いられることになる。
そして、断熱部材Pが、端面同士を付き合わせた状態で円筒管1の周方向に位置する二つの対向箇所の夫々において、隣接する一対の断熱部材端部を円筒管の軸心方向に沿って長尺な接続部材B(長尺部材Nの一例)にて連結(接続)する状態で、円筒管1の外周部に設けられている。
ちなみに、接続部材Bの長さは、断熱部材Pの軸心方向の長さと同じ長さに形成され、また、接続部材Bは、断熱部材Pと同様に、ウレタン樹脂製である。
尚、この記載における円筒管1の接線方向とは、一対の断熱部材Pの端面5が付き合わされた状態で位置する対向箇所における円筒管1の接線方向を意味することになる。
つまり、本実施形態においては、凹入溝部8を備える形態の断熱部材Pを形成し、基本装着構成においては、その断熱部材Pをそのまま使用し、端部装着構成においては、凹入溝部8における係止用溝部8aの横側に位置する部分を切除して方形状の凹入部10を形成して、そのように凹入部10が形成された断熱部材Pを、半円状断熱部材PAとして使用することになる。
ちなみに、方形状の凹入部10の角部が円弧状に構成されるため、長尺方形体11の断面形状は、詳しくは、角丸方形状である。
ちなみに、長尺方形体11の厚さは15mm程度であり、スリット12は、2mm程度の幅に形成されている。
先ず、2分割された半円状の一対の断熱部材Pのうちの一方側の断熱部材Pの両端部に形成される凹入部10の夫々に、長尺方形体11を係合する。
ちなみに、長尺方形体11を凹入部10に係合する際には、長尺方形体11を長手方向に移動させながら、凹入部10に係合(挿入)する、又は、長尺方形体11を凹入部10の凹入方向に移動させながら、凹入部10に係合する。
続いて、他方側の断熱部材Pを円筒管1に接近するように移動させるようにして、一方側の断熱部材Pの両端部に係合した長尺方形体11に対して、他方側の断熱部材Pの両端部に形成されている凹入部10を、一対の断熱部材Pの端面5が付き合わされた状態で位置する対向箇所における円筒管1の接線方向に移動させながら係合させる。
このように、小径断熱部材PS、中間径断熱部材PM及び大径断熱部材PLを装着した状態においては、円筒管1の外周部に、2分割された半円状の断熱部材Pにて円筒状で且つ径が異なる状態に形成される複数(3つ)の断熱壁が、複数層を形成する状態で設けられることになる。
本実施形態においては、円筒管1の外周面に装着した複数の断熱部材Pの間、つまり、隣接する断熱部材Pの間の断熱性を補強する断熱補強構成が設けられている。
すなわち、円筒管1の外周面に装着した複数の断熱部材Pは、円筒管1の内部を通流する低温流体にて冷却されて収縮されることになり、その結果、隣接する断熱部材Pの間に隙間が形成されて、断熱性が低下する虞があるため、断熱性を補強する断熱補強構成が設けられている。
内方側補強構成は、図8に示すように、円筒管1の周方向に並ぶ1対の断熱部材Pの端面5が付き合わされた状態で位置する部分に対して、気密性を備えた粘着テープ(防湿ブチルテープ)13を貼着し、且つ、円筒管1の軸心方向に並ぶ断熱部材Pの側面6が付き合わせた状態で位置する部分における隣接する断熱部材Pに対して一対の係止部Waを備える連結体Wを装着する構成である。
尚、円筒管1の軸心方向に隣接して並ぶ一対の小径断熱部材PS及び隣接して並ぶ一対の中間径断熱部材PMは、円筒管1の外周部に形成される複数層(3層)の断熱壁のうちの円筒管1の径方向において内方側の断熱壁を形成し且つ円筒管1の軸心方向に隣接して並ぶ一対の断熱部材Pに相当することになる。
つまり、帯状部材14が、例えば、ポリエステル繊維の織物を軟質な合成樹脂フィルムでサンドしたビニール系素材であるターポリンにて形成され、その帯状部材14に、合成樹脂にて先鋭状に形成した係止部Waが付設されている。
外方側補強構成は、図8に示すように、円筒管1の軸心方向に隣接して並ぶ一対の大径断熱部材PLに跨る状態で、粘着性を有する帯状の第1漏れ防止用体16(軸心側漏れ防止用体の一例)を貼着し、円筒管1の周方向に並ぶ複数(2つ)の大径断熱部材PLにおける端面5が付き合わされた状態で位置する複数(2つ)の対向箇所の夫々において、円筒管1の周方向に隣接して並ぶ一対の大径断熱部材PLに跨る状態で、粘着性を有する帯状の第2漏れ防止用体17(周方向側漏れ防止用体の一例)を貼着する構成である。
尚、第1漏れ防止用体16、第2漏れ防止用体17及び第3漏れ防止用体18は、例えば、アルミ箔とガラスクロスを貼り合わせた支持体に対して接着力に優れたゴム系粘着剤を塗布したテープ(ALGCテープ)を用いて構成されている。
次に、本発明の参考の実施形態である第2実施形態を説明するが、この第2実施形態は、連結体Wの構成が第1実施形態と異なるものであって、その他の構成は第1実施形態と同様であるから、第1実施形態と異なる部分について説明して、第1実施形態と同様な構成についての説明を省略する。
次に、第3実施形態を説明するが、この第3実施形態は、円筒管1の軸心方向に隣接して並ぶ小径断熱部材PS、中間径断熱部材PM及び大径断熱部材PLを軸心方向に嵌合させる構成を示すものであって、その他の構成は第1実施形態と同様であるから、第1実施形態と異なる部分について説明して、第1実施形態と同様な構成についての説明を省略する。
具体的には、断熱部材Pの一対の側面6のうちの一方の側面6に、嵌合部Kとして、円弧状の凸部Kaが形成され、他方の側面6に、嵌合部Kとして、上述の凸部Kaが嵌合自在な円弧状の凹部Kbが形成されている。
つまり、円筒管1の軸心方向に隣接して並ぶ一対の断熱部材Pが、円筒管1を通流する低温流体により冷却されて収縮する際に、円筒管1の軸心方向に沿って互いに離れる側に移動しても、円筒管1の軸心方向に嵌合する嵌合部Kにおける円筒管1の軸心方向での嵌合量が減少するだけで、円筒管1の軸心方向に隣接して並ぶ一対の断熱部材Pの間に隙間が形成されることを抑制するように構成されている。
次に、第4実施形態を説明するが、この第4実施形態は、嵌合部Kの構成が第3実施形態と異なるものであって、その他の構成は第3実施形態と同様であるから、第3実施形態と異なる部分について説明して、第3実施形態と同様な構成についての説明を省略する。
そして、円筒管1の軸心方向に隣接して並ぶ一対の断熱部材Pの側面6に形成した円弧状の凹部Kbに対して、半円状の中継筒体22を嵌合させて、円筒管1の軸心方向に隣接して並ぶ一対の断熱部材Pの側面同士を、円筒管1の軸心方向に嵌合させるように構成されている。
尚、中継筒体22は、環状に形成してもよい。
次に、第5実施形態を説明するが、この第5実施形態は、嵌合部Kの構成が第3実施形態と異なるものであって、その他の構成は第3実施形態と同様であるから、第3実施形態と異なる部分について説明して、第3実施形態と同様な構成についての説明を省略する。
また、円弧状の凸部Kaが嵌合する凹溝23aを両面に備えた半円状の接続用筒体23が設けられている。
尚、接続用筒体23は、環状に形成してもよい。
以下、別実施形態を列記する。
(1)上記実施形態においては、断熱部材Pが、円筒管1の周方向に沿って2分割した半円状の場合を例示したが、これに限らず、基本装着構成においては、断熱部材Pを、円筒管1の周方向に沿って3分割以上に分割してもよく、また、端部装着構成においては、断熱部材Pを、円筒管1の周方向に沿って4分割以上の偶数にて分割して、それらを接続して、半円状の半円状断熱部材PAを構成してもよい。
5 端面
6 側面
14 帯状部材
16 軸心側漏れ防止用体
17 周方向側漏れ防止用体
20A 軸状体
K 嵌合部
N 長尺部材
P 断熱部材
W 連結体
Wa 係止部
Claims (4)
- 低温流体が通流する円筒管の外周部に、前記円筒管の周方向及び前記円筒管の軸心方向に分割された円弧状の断熱部材にて円筒状で且つ径が異なる状態に形成される複数層の断熱壁が、前記円筒管の軸心方向に並ぶ状態で設けられている円筒管用断熱構造であって、
一対の係止部を備えた連結体が、前記複数層の断熱壁のうちの少なくとも前記円筒管の径方向において内方側の断熱壁における前記円筒管の軸心方向に隣接して並ぶ一対の前記断熱部材に対して、一対の前記係止部を一対の前記断熱部材の外面部に対して各別に前記円筒管の径方向内方側に差し込む形態で設けられ、
前記連結体が、湾曲変形可能な帯状部材における幅方向の両端側に、前記係止部を当該帯状部材の長手方向に並ぶ状態で備える形態に構成され、
前記連結体が、一対の前記断熱部材の外面部に巻き付ける状態に装着され、
前記帯状部材が、ポリエステル繊維の織物を軟質な合成樹脂フィルムでサンドしたターポリンにて形成されている円筒管用断熱構造。 - 前記円筒管の軸心方向に隣接して並ぶ前記複数層の断熱壁のうちの前記円筒管の径方向において最外方側の断熱壁における前記円筒管の軸心方向に隣接して並ぶ一対の前記断熱部材に跨る状態で、粘着性を有する帯状の軸心側漏れ防止用体が貼着されている請求項1に記載の円筒管用断熱構造。
- 前記複数層の断熱壁の夫々を形成する形態で前記円筒管の周方向に並ぶ複数の前記断熱部材が、端面同士を付き合わせた状態で前記円筒管の周方向に位置する複数の対向箇所の夫々において、隣接する一対の断熱部材端部を前記円筒管の軸心方向に沿って長尺で且つ一対の前記断熱部材端部に係合する長尺部材にて連結する状態で設けられ、
前記複数層の断熱壁のうちの前記円筒管の径方向において最外方側の断熱壁における複数の前記対向箇所の夫々において、前記円筒管の周方向に隣接して並ぶ一対の前記断熱部材に跨る状態で、粘着性を有する帯状の周方向側漏れ防止用体が貼着されている請求項1又は2に記載の円筒管用断熱構造。 - 前記円筒管の軸心方向に隣接して並ぶ前記断熱部材の対向する側面に、前記円筒管の軸心方向に嵌合する嵌合部が形成されている請求項1~3のいずれか1項に記載の円筒管用断熱構造。
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