JP7325497B2 - 冷蔵又は冷凍焼成食品の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、穀粉を含有する生地を焼成してなる焼成食品の冷蔵又は冷凍物に関する。
近年、家庭用冷蔵庫の普及、冷凍温度での食品流通の拡大などを背景に、電子レンジを用いて加熱調理するだけの簡単な操作で喫食が可能な状態となる冷蔵又は冷凍食品の販売が増加傾向にある。そのような冷蔵又は冷凍食品の1つとして、小麦粉などの穀粉を含有する生地を焼成してなる穀粉含有焼成食品の冷蔵又は冷凍物が知られており、例えば冷凍パンケーキや冷凍ホットケーキ等の冷凍パンケーキ類がある。冷凍パンケーキ類を電子レンジ等で加熱調理するなどして解凍したものは、焼成直後のパンケーキ類と比べて、含有されている澱粉の老化が進行していることなどに起因して、硬く、ボソボソした食感で口溶けが悪いという問題がある。
前記問題の解決を図った技術として、例えば特許文献1には、ホットケーキ類の製造時に、小麦粉を含む生地に尿素を所定量配合することが記載されている。また特許文献2には、冷凍ベーカリー食品全般について、従来用いられてきた小麦粉の一部又は全部をデュラム小麦粉で置き換えると良好な食感及び風味が得られる旨記載され、斯かる知見に基づく冷凍パンケーキ類の製造方法として、デュラム小麦セモリナ及び他の穀類粉砕物と、レシチン及びモノグリセリド系乳化剤から選ばれる乳化剤とを原料として用いる製造方法が記載されている。
特許文献3には、口当たりがソフトで口溶けがよく、キメが細かく比容積がアップし風味が良好なホットケーキの製造方法として、生地比容積が1.4ml/g以上になるまでホイップする方法、グリセリン脂肪酸エステル等の特定の乳化剤を特定量使用する方法などを含む、計4つの方法のうちの少なくとも1種以上を実施する製造方法が記載されている。なお、特許文献3に記載されているのは、焼成直後のホットケーキについての食感等の品質を向上させ得る手段であり、冷蔵又は冷凍ホットケーキの課題やその課題を解決するための手段は記載されていない。
特開2002-101811号公報 特開平9-149756号公報 特開平5-15297号公報
特許文献1及び2に記載されている冷凍ホットケーキ等に関する技術は、ホットケーキ等に冷凍耐性を付与するために、本来ホットケーキ等に配合しなくてもよい成分を配合するものであるため、斯かる成分の配合によってホットケーキの品質に予期せぬ影響が出るおそれがある。ホットケーキ等の品質に悪影響を及ぼさず、簡便且つ確実にホットケーキ等に冷凍耐性を付与し得る技術は未だ提供されていない。
本発明の課題は、冷蔵又は冷凍されているにもかかわらず、喫食可能な状態では食感及び外観が良好な冷蔵又は冷凍焼成食品を提供することである。
本発明は、穀粉を含有し且つ比重が0.32~0.48g/mlである生地を、加熱プレートに接触させて焼成食品を得、該焼成食品を冷蔵又は冷凍する工程を有する、冷蔵又は冷凍焼成食品の製造方法である。
本発明の冷蔵又は冷凍焼成食品の製造方法は、生地を焼成して焼成食品を得る焼成工程と、該焼成食品を冷蔵又は冷凍する低温処理工程とを有する。本発明で用いる生地は、典型的には、穀粉及び水を含む生地原料(ミックス)を混合(ミキシング)することで調製される。
本発明で用いる穀粉としては、パンケーキ類等のベーカリー食品の製造に通常用いられる穀粉を特に制限なく用いることができ、例えば、薄力粉、中力粉、強力粉、小麦全粒粉、デュラムセモリナ等の小麦粉;ライ麦粉、米粉、コーンフラワー、コーングリッツ等が挙げられ、製造する焼成食品の種類等に応じて、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。例えば、焼成食品がパンケー類及びワッフル、たい焼き、大判焼きの場合、穀粉としては、少なくとも薄力粉を用いることが好ましい。生地原料における穀粉の含有量は、該生地原料の全質量に対して、好ましくは10~50質量%、より好ましくは20~40質量%である。
生地原料には、穀粉及び水に加えて更に、ベーカリー食品の製造に通常用いられる原材料を含有させてもよい。具体的には例えば、タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、小麦澱粉、米澱粉等の澱粉、及びこれらにα化、アセチル化、エーテル化、エステル化、酸化処理、架橋処理等の処理を施した加工澱粉;炭酸水素ナトリウム(重曹)、ベーキングパウダー、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、塩化アンモニウム等の膨張剤又はイースト;全卵、卵白、卵黄等の卵類;牛乳、脱脂粉乳、バター等の乳製品;食塩等の塩類;糖類、油脂類、乳化剤、増粘剤、酸味料、香料、香辛料、着色料、果汁、ビタミン類等が挙げられ、製造する焼成食品の種類等に応じて、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の製造方法の主たる特徴の1つとして、前記焼成工程で焼成する生地の比重が、0.32~0.48g/mlの範囲にある点が挙げられる。ここでいう「比重」は、生地原料が全て混合され、ミキシングが終了した後、10分間フロアタイム後の生地の比重である。
従来、穀粉を含有する生地を焼成して得られる焼成食品を冷蔵又は冷凍すると、保存性が向上して長期保存が可能となる反面、これを喫食した際の食感が、硬い、ボソボソしている、口溶けが悪いといった、含有されている澱粉の老化を感じさせる好ましくない食感となることが問題であった。これに対し本発明では、焼成直前の生地の比重を前記特定範囲に設定することで、該生地を、比較的細かい気泡が該生地全体に均一且つ密に存在する含気泡生地とし、その含気泡生地を焼成して得られる焼成食品の冷蔵又は冷凍物に、比較的細かい気泡が内層全体に均一且つ密に存在する多孔質なスポンジ構造を付与して、喫食した際に澱粉の老化が感じられにくいようにした。斯かるスポンジ構造を有する焼成食品の冷蔵又は冷凍物を電子レンジなどで加熱調理又は自然解凍するなどして喫食可能な状態としたものは、外力を受けて弾性変形し、その際の外力(荷重)と歪みとの関係が直線的な関係にあるため、喫食した際には口当たりがソフトで口溶けがよく、食感に優れる。また、内層のキメが細かくボリューム感があり、外観にも優れる。焼成直前の生地の比重が0.32g/ml未満では、生地が軽すぎるため、これを焼成しても焼成食品の体をなさないおそれがあり、逆に、該比重が0.48g/mlを超えると、前記スポンジ構造が得られず、内層に比較的大きな気泡が不均一に存在するようになるため、喫食した際に澱粉の老化が感じられやすいものとなるおそれがある。焼成直前の生地の比重は、好ましくは0.32~0.45g/ml、より好ましくは0.38~0.45g/mlである。
生地の比重は、生地原料、生地調製時のミキシングの条件などを適宜調整することで調整可能である。ミキシングに関しては、基本的には、ミキシング時間が長いほど、また、ミキシングの際の攪拌速度が速いほど(ミキシングに使用するミキサーの回転数が大きいほど)、生地の比重が低下する傾向がある。また、生地原料に関しては、例えば、卵白を泡立たせたメレンゲのような、多数の気泡を含有し比重が小さいものを用いることで、生地の比重を低下させることが可能である。
生地の比重を前記特定範囲により確実に調整する観点から、生地に起泡性乳化油脂及び起泡性乳化剤からなる群から選択される1種以上を含有させることが好ましい。すなわち、生地原料に穀粉とともに起泡性乳化油脂及び/又は起泡性乳化剤を用いて生地を調製することが好ましく、そうして調製された生地は、生地全体に比較的細かい気泡が均一且つ密に存在し、比重が前記特定範囲に収まりやすい。起泡性乳化油脂は、乳化剤、油脂及び水を含み、また、水中に油滴が分散する水中油型(O/W型)エマルションでもよく、油中に水滴が分散する油中水型(W/O型)エマルションでもよい。起泡性乳化油脂に含有される乳化剤又は起泡性乳化剤としては、例えば、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、ステアロイル乳酸ナトリウム、モノグリセリド、有機酸モノグリセリド、レシチン等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。起泡性乳化油脂に用いられる油脂としては、例えば、菜種油、大豆油、パーム油、綿実油、ひまわり油、とうもろこし油、ごま油、オリーブ油、やし油、米油等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。生地原料における起泡性乳化油脂及び起泡性乳化剤の総含有量は、該生地原料の全質量に対して、好ましくは0.5~5.0質量%、より好ましくは2.0~4.0質量%である。
また、生地を焼成してなる焼成食品の老化耐性を向上させる観点から、生地原料における糖類の含有量を比較的多くすることが好ましい。斯かる糖類の含有量の調整による老化耐性の向上効果と、前述した生地の比重調整による食感の向上効果とが相俟って、冷蔵又は冷凍焼成食品の食感のさらなる向上が期待できる。具体的には、生地原料における糖類の含有量は、老化耐性の向上と焼成食品の食感食味とのバランス等の観点から、該生地原料の全質量に対して、好ましくは5~35質量%、より好ましくは15~25質量%である。糖類としては、ベーカリー食品の製造に通常用いられるものを特に制限なく用いることができ、例えば、砂糖、グラニュー糖、ショ糖、麦芽糖、乳糖、果糖、ブドウ糖、異性化糖、トレハロース、オリゴ糖、デキストリン等の単糖、二糖又は多糖類;ソルビトール、マルチトール等の糖アルコール;ハチミツ、水あめ、メープルシロップ等の液糖;その他甘味料が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
前述したように、糖類は、焼成食品の老化耐性の向上の効果があるが、例えば糖類の一種である砂糖は、甘味度が高く、加熱により着色しやすいため、これを焼成食品に高含有させると、焼成食品の甘味が強くなりすぎる、焼き色が濃くなりやすくなる等の不都合が生じるおそれがある。このような糖類の使用に起因する不都合を防止する観点から、生地原料に糖類を含有させる場合、その糖類の一部又は全部としてトレハロースを用いることが好ましい。生地原料におけるトレハロースの含有量は、該生地原料の全質量に対して、好ましくは2.5~17.5質量%、より好ましくは5~15質量%である。
生地を焼成してなる焼成食品の見栄えや冷蔵、冷凍保管後の品質を向上させる観点から、生地にベーキングパウダーを含有させることが好ましい。生地原料としてベーキングパウダーを用いることで、焼成後の生地すなわち焼成食品において、より細かい気泡が内層全体に均一且つ密に存在する多孔質なスポンジ構造を付与させることができる。ベーキングパウダーとしては、食品に使用可能な通常のもの、例えば、基剤としての重曹と、助剤としての酸性剤とを含むもの用いることができる。前記酸性剤としては、例えば、酒石酸水素カリウム(特にL-体)、リン酸二水素カルシウム、焼ミョウバン、フマル酸、リン酸ナトリウム、グルコノデルタラクトンが挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。特に酸性剤としてリン酸二水素カルシウム、L-酒石酸水素カリウムを用いることが好ましい。また一般に、ベーキングパウダーは、含有する酸性剤の種類によって、ガス発生の速度が異なるところ、焼成食品に適切なスポンジ構造を持たせる観点から、本発明で使用するベーキングパウダーは、単一種の酸性剤を含有するものよりも、複数種の酸性剤を含有するものの方が好ましい。本発明で好ましく用いられるベーキングパウダーとして、複数種の酸性剤を含有し、且つその複数種の酸性剤に、リン酸二水素カルシウム及び酒石酸水素カリウムの少なくとも一方が含まれるベーキングパウダーを例示できる。
ベーキングパウダーは重曹量として、生地に0.1~1.0質量%含まれていることが好ましく、0.2~0.7質量%含まれていることがより好ましい。すなわち、生地原料におけるベーキングパウダーの重曹量としての含有量は、該生地原料の全質量に対して、好ましくは0.1~1.0質量%、より好ましくは0.2~0.7質量%である。
前記焼成工程では、比重が0.32~0.48g/mlである含気泡生地を、鉄板などの加熱プレートに接触させて焼成し、焼成食品、より具体的には、穀粉含有膨化食品を製造する。前記焼成工程における生地の焼成方法は、加熱プレートとの接触による直接的な加熱であり、オーブンを用いた加熱のような、熱した空気又は壁面などから発せられる赤外線による間接的な加熱ではない。従って、本発明に係る焼成食品には、オーブンを用いて生地を焼成して得られる穀粉含有膨化食品、例えば、スポンジケーキ、マフィンなどは包含されない。本発明は、加熱プレートを用いた生地の直接的な加熱によって製造される焼成食品に対し、特に有効である。また、生地の焼成手順は、典型的には、加熱プレートの表面に生地を流し込み、該生地の片面を焼成した後、該生地を上下反転させて、先に焼成された面とは反対側の面を焼成するが、生地の片面のみを焼成してもよい。
前記焼成工程において、加熱プレートの温度は、焼成食品の食感、生地の膨化による形状(厚み)、焼き色等のバランスの観点から、好ましくは165~185℃、より好ましくは170~180℃である。加熱プレートの温度が低すぎると、生地の焼成が不十分となり、加熱プレートの温度が高すぎると、焦げやすくなって焼成食品の外観が低下するおそれがある。
焼成後の焼成食品(冷蔵又は冷凍前の焼成食品)は、厚みが10~25mmの範囲に収まることが好ましく、その範囲に収まるように焼成前の生地の厚みを制御することが好ましい。焼成後の焼成食品の厚みをこの範囲に収めることで、多孔質なスポンジ構造による食感改良が最大限に生かせる。
前記低温処理工程では、前記焼成工程で得られた焼成食品を冷蔵又は冷凍する。冷蔵する場合の焼成食品の品温は通常、2~10℃程度である。また、焼成食品を冷凍する場合の冷凍方法は特に限定されず、急速冷凍、緩慢冷凍いずれも採用できる。また、前記焼成工程で得られた焼成食品を冷凍した場合、その焼成食品の冷凍物は、冷凍の温度帯で保管・販売等してもよく、あるいは冷凍保管したものを流通段階などで解凍し、冷蔵又は常温の温度帯で保管・販売等してもよく、後者はいわゆるフローズンチルド商品と呼ばれる形態である。
本発明は、穀粉を含有する焼成食品(穀粉含有膨化食品)であって、生地を加熱プレートに直接接触させて製造されるものに適用可能であり、具体的には、パンケーキ、ホットケーキ(以上、パンケーキ類)、ワッフル、たい焼き、大判焼き等の焼き菓子を例示できる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例2、4、5、7~9及び11は参考例である。
〔実施例1~7、比較例1~3及び参考例1~3〕
下記表1~2に示す生地原料を用いて生地を調製した。具体的には、市販のミキサー(ミキサーN50 ホバート社)に水と全卵とを投入・混合し、その混合物の品温を36℃に保持した状態で、先ず、糖類(砂糖、トレハロース)を投入し、2速で30秒間ミキシングし、次いで、油脂(起泡性乳化油脂、大豆油)を投入し、2速で所定の生地比重となるようにミキシングし、更に、薄力粉、脱脂粉乳及びベーキングパウダーを投入し、1速で1分間ミキシングした後、フロアタイムを10分間とり、品温26±2℃の生地を調製した。なお、前記ミキサーの回転速度(回転数)は、1速ないし3速の3段階の調整が可能であり、1速が最も回転速度が遅く、数値が大きくなるに従って回転速度が速くなる。起泡性乳化油脂としては、理研ビタミン製の商品名「パティグラース500」を用いた。また、ベーキングパウダーとして、重曹を35質量%含有し、且つ酸性剤としてリン酸二水素カルシウム及びL-酒石酸水素カリウムの2種類を含有するベーキングパウダーを用いた。そして、所定温度に加熱された加熱プレート上に調製した生地35gを流し込み、3分間焼成した後、該生地を上下反転させて反対側の面を1分間焼成し、パンケーキ(焼成食品)を製造した。焼成したパンケーキは、粗熱をとった後、庫内温度-35℃の冷凍庫に所定時間保管して凍結し、これにより冷凍パンケーキ(冷凍焼成食品)を得た。
下記表1に示す実施例及び比較例どうしは、生地調製時における油脂投入直後の2速でのミキシング時間が互いに異なり、これに起因して、「焼成直前の生地の比重」が互いに異なる。
下記表2において、実施例1、5~7及び参考例1~2どうしは「焼成時の加熱プレートの温度」が互いに異なり、また、参考例3は「生地原料組成」が実施例1と異なる。
〔実施例8~11及び参考例4~5〕
ベーキングパウダーの使用量を下記表3のように変更した以外は、実施例1と同様にして冷凍パンケーキを得た。
〔評価試験〕
各実施例、比較例及び参考例で製造した冷凍パンケーキを、10℃の環境下で12時間保管して解凍し、喫食可能な状態とした。この解凍パンケーキを10名の専門パネラーに喫食してもらい、食感及び外観(形状、焼き色)を下記評価基準に従って5点が最高得点となる5段階で評価してもらった。その結果を、10名の評価点の平均値として下記表1~3に示す。なお、下記表1~3に示す生地の比重は、ミキシング終了後、10分間のフロアタイム後に測定したものである。
(食感の評価基準)
5点:非常にソフトで極めて口溶けが良い。
4点:ソフトで口溶けが良い。
3点:ややソフトで若干口溶けが良い。
2点:やや硬く若干口溶けが悪い。
1点:硬く口溶けが悪い。
(形状の評価基準)
5点:内層のキメが非常に細かく極めてボリュームがある。
4点:内層のキメが細かくボリュームがある。
3点:内層のキメがやや細かく若干ボリュームがある。
2点:内層のキメがやや粗く若干ボリュームに欠ける。
1点:内層のキメが粗くボリュームに欠ける。
(焼き色の評価基準)
5点:焼き色が濃すぎる部分及び薄すぎる部分が全く無い。
4点:焼き色が濃すぎる部分及び薄すぎる部分がほとんど無い。
3点:焼き色が濃すぎる部分及び薄すぎる部分の少なくとも一方が若干ある。
2点:焼き色が濃すぎる部分及び薄すぎる部分の少なくとも一方がある。
1点:焼き色が濃すぎるか又は薄すぎる。大部分の焼き色が濃すぎるか又は薄すぎる。
表1に示すとおり、各実施例の解凍パンケーキは、その製造時において焼成直前の生地の比重が0.32~0.48g/mlの範囲内にあるため、該生地の比重が斯かる範囲から外れている各比較例の解凍パンケーキに比して、食感及び形状に優れていた。
表2における実施例1、5~7と参考例1~2との対比において、実施例1、6、7が特に高評価であったことから、焼成時の加熱プレートの温度は、実施例1、6、7が属する範囲である170~185℃程度が好ましいことがわかる。
また、表2における実施例1と参考例3との対比において、糖類として砂糖及びトレハロースを用いた実施例1が、砂糖のみを用いた参考例3に比して、解凍パンケーキの焼き色が良好であったことから、トレハロースにはパンケーキの如き焼き菓子の焼き色を改善する効果があることがわかる。
表3に示すとおり、各実施例は、生地におけるベーキングパウダーの含有量が重曹量換算で0.1~1.0質量%の範囲にあるため、焼成後のパンケーキの厚みが10~25mmの適切な範囲に収まり、また、ベーキングパウダーの含有量が前記範囲外の各参考例に比して、解凍パンケーキの食感及び外観に優れていた。
本発明の製造方法によれば、冷蔵又は冷凍されているにもかかわらず、電子レンジで加熱調理又は自然解凍するなどして喫食可能な状態とした場合には、口当たりがソフトで口溶けがよく且つ内層のキメが細かくボリューム感があって焼き色が良好であり、食感及び外観が良好な冷蔵又は冷凍焼成食品が提供される。本発明は特に、冷蔵又は冷凍パンケーキ類の製造に有用である。

Claims (3)

  1. 穀粉を含有し且つ比重が0.380.45g/mlである生地を、温度が170~180℃である加熱プレートに接触させて焼成食品を得、該焼成食品を冷蔵又は冷凍する工程を有する、冷蔵又は冷凍焼成食品の製造方法であって、
    前記生地が、トレハロースを2.5~17.5質量%含有し、
    前記生地が、起泡性乳化油脂及び起泡性乳化剤からなる群から選択される1種以上を含有し、
    前記生地が、ベーキングパウダーを重曹量として0.2~0.7質量%含有し、
    前記焼成食品が、パンケーキ、ホットケーキ、ワッフル、たい焼き又は大判焼きである、冷蔵又は冷凍焼成食品の製造方法。
  2. 前記起泡性乳化油脂及び前記起泡性乳化剤の総含有量が、前記生地の全質量に対して、0.5~5.0質量%である、請求項1に記載の冷蔵又は冷凍焼成食品の製造方法。
  3. 前記生地が、糖類として、砂糖及び前記トレハロースの2種を含有する、請求項1又は2に記載の冷蔵又は冷凍焼成食品の製造方法。
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