以下に、本発明の実施の形態にかかる基地局、端末装置、測位方法、および無線通信システムを図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は実施の形態1にかかる無線通信システムの構成を示す図である。無線通信システムは、基地局10と、複数の端末装置20とを有する。LTEにおけるECID方式では、基地局10と端末装置20との間で送信された信号が受信側で受信されるまでの時間をもとに距離が測定される。基地局10は端末装置20から受信した信号のAoA(Angle of Arrival)を推定する。また、基地局10は、角度および距離情報をもとに、端末装置20の測位を行う。なお、下り方向の通信では、基地局10が送信装置であり、端末装置20が受信装置である。なお、一般的に端末装置はUE(User Equipment)と呼ばれるので、本実施の形態にて端末装置20をUEとも呼ぶ。なお、本実施の形態の測位の方式をECID方式と呼ぶが、LTEにおけるECID方式と同一であることを示すわけではなく、名称であるので別の名前を用いても良い。そして、基地局は3GPP規格において、gNodeBとも呼ばれる。
図2は、実施の形態1にかかる基地局10の機能ブロックを示す図である。基地局10は、制御部101と、送信信号生成部102と、送信処理部103と、受信処理部104と、受信信号解読部105と、測位処理部106とを備える。制御部101は、サーバー200の指示を受け制御信号を送信信号生成部102に送信する。制御部101が送信する制御信号の形式はRRC(Radio Resource Control)、MAC-CE(Medium Access Control-Control Element)、またはDCI(Downlink Control Information)が挙げられる。送信信号生成部102は、制御信号に基づき端末装置20へ送信するための信号を生成する。送信処理部103は、送信信号生成部102が生成した信号に送信処理を施し、送信信号を生成する。送信処理部103は、端末装置20にビームを送信する。また、送信処理部103は、端末装置20と同期するための信号であって、端末装置20との間の通信に用いられ、ビームと1対1で紐づけられたリソースを示すリソース情報を格納した同期信号を送信する。同期信号にはSSB(Synchronization Signal Block)が含まれる。SSBは、3GPPのRelease.15において、初期接続および同期のときに用いられる信号である。
受信処理部104は、受信信号に対し、受信処理を施す。受信信号解読部105は、受信処理が施された受信信号を解読し、解読した情報をサーバー200に送信する。測位処理部106は、端末装置20が選択したリソースを用いて端末装置20の位置を求める。リソース情報はSSBが対象となり、時間領域および周波数領域で分散したものである。また、測位処理部106は、端末装置20が応答した同期信号に含まれる、リソース情報を用いて端末装置20が選択したビームを特定し、ビームを用いて端末装置20の位置の算出を行う。測位処理部106の動作の詳細は後述する。受信信号解読部105から送信される情報は、端末装置20から送信された報告、周波数の情報、または参照信号である。サーバー200で機能するLMF(Location Management Function)がNRPPa(New Radio Positioning Protocol A)を用いて基地局10に対して測位の開始または終了の指示を出す。なお、端末装置20が測位により端末装置20の位置を求めてもよい。例えば、端末装置20は発呼時に、測位を行うことにより端末装置20の位置を求めてもよい。この発呼は、例えば、緊急電話発呼時であってもよい。また、測位によって得られた端末装置20の位置情報が、前述の発呼によって着呼先に通知されてもよい。該通知は、例えば、該発呼が緊急電話発呼である場合に行われてもよい。このことにより、例えば、着呼先は発呼元の端末装置の位置情報を迅速に取得可能となる。端末装置20が測位を行う場合、端末装置20が基地局10に対して測位の開始を通知してもよいし、通知しなくてもよい。基地局10はLMFに対して、該端末装置20の測位の開始を通知してもよい。基地局10からLMFに対する該通知は、端末装置20から基地局10に対して行われる該通知を用いて行われてもよいし、用いずに行われてもよい。
制御部101、送信信号生成部102、送信処理部103、受信処理部104、受信信号解読部105、および測位処理部106は、各処理を行う電子回路である処理回路により実現される。
本処理回路は、専用のハードウェアであっても、メモリ及びメモリに格納されるプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit、中央演算装置)を備える制御回路であってもよい。ここでメモリとは、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリなどの、不揮発性または揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、光ディスクなどが該当する。図3は実施の形態1にかかる制御回路を示す図である。本処理回路がCPUを備える制御回路である場合、この制御回路は、例えば、図3に示す構成の制御回路400となる。
図3に示すように、制御回路400は、CPUであるプロセッサ400aと、メモリ400bとを備える。図3に示す制御回路400により実現される場合、プロセッサ400aがメモリ400bに記憶された、各処理に対応するプログラムを読みだして実行することにより実現される。また、メモリ400bは、プロセッサ400aが実施する各処理における一時メモリとしても使用される。
基地局10は、受信角度を推定する際に、送受信ビームを用いて角度情報を抽出する事が可能である。送受信ビームは2次元で構成されるが、3次元で構成されてもよい。また、基地局10は、3次元の角度情報を抽出することが可能である。基地局10が送受信ビームを用いて角度情報を抽出する場合、測位時に基地局10は端末装置20から適切なビーム情報に関する情報を受信し、ビーム情報を基にAoA情報に換算する。
図4は、実施の形態1にかかる基地局10による測位の例を示す図である。図4(a)において、基地局10はビームを用いて端末装置20を見つける。図4(b)において、基地局10は端末装置20を見つけた後、基地局10と端末装置20との距離および角度を測定する。図4(a)に示すように、初期接続実施時には、基地局10は、ビームを用いて幅広い範囲でスイープしながら端末装置20を見つける。このため、得られる角度情報の精度は、幅が狭い範囲でのスイープする場合に比べて精度は低下する。しかし、基地局10が素早く端末装置20の角度情報を得たい場合は、基地局10は、初期接続時の角度情報を用いて端末装置20の測位を行っても良い。なお、ビームの選択基準としては受信電力の他に、BLER(BLock Error Rate)予測情報などを用いても良い。なお、端末装置20は基地局10から初期同期中に送信される複数のSSBの識別番号の中から、一番受信電力が強いビームに該当するSSBの識別番号を基地局10に報告しても良い。なお、基地局10は1つのビームに対し、1つのSSBを送付するので、ビームとSSBとは1対1で紐づけられている。すなわち、SSBの識別番号を基地局10が把握できれば、どのビームが端末装置20によって選択されたか把握できる。
SSBおよびビームの識別方式は様々であり、端末装置20はSSBの様々な手法で識別情報を基地局10に報告することができる。例えば、時間領域および周波数領域にて端末装置20および基地局10が周波数情報あるいは参照信号を送信することで報告することが挙げられる。時間領域および周波数領域で分散したRE(Resource Element)の集合体はリソースと呼ばれる。例えば、LTEにおいては、非特許文献2に記載されている通り、resource blockは周波数方向において12サブキャリアによって成り立つ。本実施の形態ではサブキャリアをREに置き変えて説明を行う。基地局10は、SSB内にリソースを示す情報を格納し送信する。端末装置20は、SSB内にて指定されたリソースを用いて、基地局10に対して応答することで、基地局10はどのSSBに対応したリソースで端末装置20が応答したか把握できる。また、基地局10は、どのSSBに対する応答であるかを把握することで、どのビームを端末装置20が選択したかを把握することができる。端末装置20がビームを1つしか選択しない場合は、端末装置20は1つの時間および1つの周波数のリソースを用いて応答する。具体的には、SSBの識別番号の例はSS Block Resource Indicator(SSBRI)などがある。SSBRIは周波数および時間上でどのシンボルおよびREを用いてSSBを送信するかあらかじめ決められた配置を指定するインデックスである。要するに、SSBRIが変われば、SSBRIに対応するSSBの送信に用いるビームも変わることになる。なお、ビームを使用した測位では、低い周波数に比べ比較的に細いビームを形成することが可能な24GHz周辺から52GHz周辺までのFR2と呼ばれる周波数帯で用いると有効である。ビームを用いた測位を行うことで、角度情報が正確かつ短時間で入手でき、低遅延の測位が実現できる。
ビームと端末装置20が応答するために用いるリソースとの紐づけはサーバー200が設定しても良い。3GPPにおいて、端末装置20から基地局10への応答はMsg.1と呼ばれる。また、Msg.1に対する基地局10からのアクセス許可はMsg.2と呼ばれる。Msg.1において送信する情報はPRACH(Physical Random Access Channel)と呼ばれる。なお、Msg.3およびMsg.4を設け、Msg.3において、端末装置20がRRC接続の要求を出し、Msg.4において基地局10からRRC接続の設定情報を送信しても良い。なお、Msg.3のアップリンク用のビームはMsg.1を送る際に用いたビームを用いても良いし、別のビームを用いても良い。Msg.3の送信のために用いられる送信信号の波形および送信信号のリソースは、基地局10より端末装置20に向けて指定される。すなわち、基地局10は、Msg.1の処理の後に測位を行っても良い。
図5は、実施の形態1にかかる測位の手順を示すフローチャートである。基地局10は、端末装置20との初期接続を行う(ステップS1)。基地局10は、ビーム情報および距離測定に必要な情報を受信する(ステップS2)。基地局10はビーム情報および距離測定に必要な情報を用いて、端末装置20の測位を実施する(ステップS3)。なお、本実施の形態においては、基地局10の位置は周知であり、端末装置20が選んだビームが把握できれば、基地局10は端末装置20の位置する方向が分かる。なお、基地局10は、距離推定にTA(Timing Advance)方式のような手法、またはPRACHを用いて、往復に要する時間を測って距離を測定しても良い。
図6は、実施の形態1にかかる基地局10による測位の別の例を示す図である。図6(a)において粗いサーチが行われる。図6(b)において細かいサーチが行われる。図6(c)において細かいサーチの後で測位が行われる。基地局10は図6(b)に示すような細かいサーチの後で測位を行っても良い。
図7は、実施の形態1にかかる測位の手順を示す別のフローチャートである。基地局10は、端末装置20との初期接続を行い同期する(ステップS11)。初期接続が終わり、RRC_CONNECTED状態、つまり接続後の状態になる(ステップS12)。基地局10は、SSBまたは参照信号であるCSI-RS(Channel State Information-Reference Signal)を用いてビームマネジメントを行い、初期接続時よりもビームの間隔を狭くすることにより分解能を高くして、端末装置20の方向に向いたビーム探索を行う(ステップS13)。初期接続またはビームマネジメント処理が終わった後、基地局10はCSI-RSまたはSSBを下りリンクで端末装置20に送信する。また、基地局10は、端末装置20からフィードバックされる、ビーム情報および距離測定に必要な情報を受信する(ステップS14)。また、基地局10は、これらの情報を用いてビームIDを選択するとともに、フィードバックされる情報を角度情報として用いる。端末装置20は、SRS(Sounding Reference Signal)を基地局10に送信する。基地局10は、SBBとSRSの往復に要する時間を測って距離を測定し、測位を実施する(ステップS15)。なお、基地局10の測位時間が限られている場合、ビーム選択における粗いサーチで測位を行っても良い。
基地局10がCSI-RSを用いたビームサーチを行う場合、端末装置20は受信したCSI-RSの中から一番電力の強いCSI-RSで用いるポート番号を報告しても良い。本実施の形態では、非特許文献2などにおいて定義されるNZP-CSI-RS(Non Zero Powered-CSI-RS)を例として用いる。ポート番号とは、基地局10および端末装置20が通信に使用するサービスを識別するための番号である。ポート番号は、CSI-RSが配置される周波数および時間上の位置、およびコード多重される場合はコードの種類に紐づけられており、ポート番号が把握できれば、CSI-RSの位置およびCSI-RSに適用されたコードを端末装置20が把握できる。なお、ここでは、CSI-RSポートと送信ビームは1対1の関係で紐づけられているので、基地局10は報告されたポート番号からどのビームが選択されたか把握できる。また、端末装置20は、基地局10へCSI-RSポートのかわりにCRI(CSI-RS Reference Indicator)を報告しても良い。要するにCRIが変わることで、CRIに対応するCSI-RSを送信するビームが変わることになる。基地局10は、報告されたCRIを知ることにより、基地局10から送信したどのビームが端末装置20によって選択されたかを把握できる。
図8は、実施の形態1にかかる基地局10と端末装置20とによる測位の例を示す図である。図8(a)において、基地局10は粗いサーチを行う。図8(b)において、基地局10は細かいサーチを行う。また、端末装置20もサーチを行う。図8(c)において、基地局10は、端末装置20のビームを用いて端末装置20の角度および距離を算出する。図8(c)に示すように、角度情報は基地局10側のビーム番号または基地局10側のビーム番号と端末装置20側のビーム番号とを組み合わせたBPL(Beam Pair Link)としても良い。BPLはどのビームの組み合わせが最適だったか記憶しておくために用いられ、通信が中断され、再開したい場合は記憶されたBPLを用いれば、再度送信側と受信側でビームスイープを行わずに送受信ペアが確立できる。また、基地局10と端末装置20がお互い最適なビームを用いて測位を行うことで精度が高い測位が実現できる。なお、上記の例にて端末装置20は受信電力の強いビームを選ぶ基準を用いたが、受信した信号から得られるBLERのような特性評価値を用いても良い。
基地局10は、上りリンクにおいて送信されるSRSを用いてビームマネジメントを行うことが可能である。この場合、基地局10は端末装置20から送信されるSRSを観測し、適切なアップリンク用のビームを選ぶ。そして、CSI-RSおよびSRSの情報を用いてBPLを作成する。SRSおよびCSI-RSの情報が得られれば、さらに精度が高い角度情報が得られる。また、デジタルプリコーディングを実施する場合、端末装置20は適切なコードブック番号を選ぶ。コードブックは非特許文献1に示されるように3GPP TS38.214により規定される。上位レイヤのプロトコルの処理は端末装置20によって報告されたSSB識別番号、CSI-RSポート番号あるいはビームID番号またはコードブック番号を用いて角度情報を抽出する。CSI-RSではビームID番号としてCRIが用いられてもよく、SRSではビームID番号としてSRI(SRS Resource Indicator)が用いられてもよい。SRIもCRIと同じく、SRSが配置される周波数および時間上の場所とビームが紐づけられている。
NRにおいてRSRP(Reference Signal Received Power)、RSRQ(Reference Signal Received Quality)、RSSI(Reference Signal Strength Indicator)、またはRI(Rank Indicator)が報告するべき情報として用いられるが、基地局10は、これらを用いて距離の推定を行っても良い。この場合、基地局10からLMFに向けてRSRP,RSRQ、またはRSSIが送信される。例えば、RSRPを用いることで、受信電力の減衰量が把握でき、距離の測定に用いることが可能である。RSRQまたはRIは、端末装置20で受信した信号が測位に適しているか判断するときに用いられる。例えば、RIが高い値の場合は反射波が多いことを示し、測位に適していないことが把握できる。
本実施の形態において、上りおよび下りに必要な送信時間を基に、基地局10と端末装置20との間の距離の測定が行われる。下りリンクにおいては距離の測定に用いる信号としては、SSB、CSI-RSなどが用いられることが考えられるが、上りリンクにおいてPRACH、SRSまたはDMRS(DeModulation Reference Signal)が用いられても良い。なお、SRSでは、処理の流れがRRCにおいて指定される。また、本実施の形態において、SRSのRRCパラメタであるusageにおいて“positioning”など、測位用に用いられる事を明示しても良い。基地局10が端末装置20にSRSが測位用であることを伝えることで、端末装置20にて測位処理を優先するなど適切な処理が行える。また、CSI-RS-Resource-Positioningなど、測位用として分かるようなパラメタ名を用意しても良い。
また、複数のTRP(Transmission Reception Point)またはパネルを用いて測位を行うことが考えられる。パネルとは、複数のアンテナ素子を備えたアンテナであり、基地局にて複数のパネルを用いて通信を行うことが考えられる。パネルは物理的に離れていても良い。また、パネルの前に障害物がある場合は、幾つかのパネルの電源を落としてパネルを用いない設定も考えられる。この場合、到来角度および距離の複数の推定値を用いて、平均値を用いた測位を行ってもよい。また、最大値または最小値を除いた候補値を用いて測位を行っても良い。図9は、実施の形態1にかかる2台のTRPを用いる測位を示す図である。図9において、基地局10は、2台のTRPを用いて測位を行う。この場合、得られる角度情報および距離情報は2組あるので、基地局10において2組の情報を用いて測位を行う。また、図9に示すような例の通り、複数のTRPを用いて測位を行う場合、受信したビーム分だけPRACHを送る。この場合、得られる角度情報および距離情報はパネルあるいはTRP毎に組み合わせができるので、各組合せ毎にTRP向けのID番号など、識別番号を作り、測位処理部106に報告してもよい。
なお、5Gコアネットワークに接続されるノード(NG_RAN_NODE)はLMF向けに測位算出に必要な情報を送信する。測位算出に必要な情報とは例えば、キャリア周波数、使用帯域、用いられるアンテナポート数、基地局10または端末装置20のビーム情報またはビームペア番号、選択されたコードブック情報などである。また、これらの情報に、SFN(Slot Frame Number)、アンテナおよびパネルの位置、使用されるサブキャリア間隔を示す値を含めても良い。NRにおいては15kHz、30kHz、60kHz、120kHz、または480kHzのサブキャリア間隔が用意されている。さらに、RSRQまたはRSRPのような情報が送られても良い。さらに上りリンクでOFDMあるいはDFT-s-OFDMを用いたが、適用されるCP長、BWP(BandWidth Parts)に関する情報がNG_RAN_NODEからLMFに送られても良い。
以上説明したように、本実施の形態では、基地局10は、ビームと1対1で紐づけられたリソースを示すリソース情報を格納した同期信号あるいは参照信号を送信し、リソース情報を用いて端末装置20の位置を算出する。このため、基地局10は、マルチパスが発生しても、マルチパスによって発生した複数の信号のいずれかに含まれる、リソース情報を参照することで端末装置20が選択したビームを特定することができ、端末装置20が選択したビームを用いて位置を算出することができる。このため、ビームを用いることで指向性が高まり、マルチパス環境においても、反射波の数を減らすことで、受信側では反射の影響を受けずに、主信号のみを受信できる。反射波が存在する環境において、到来角度が複数存在するため、主信号のみ受信できるような送信方法を用いることで、受信側で最適なビームを選ぶ精度が向上する。また、距離測定において、往復時間を算出する際に、反射波を受信すると、主信号の往復時間の算出精度が劣化する。これにより、マルチパス環境下においても、端末装置20の位置の算出の精度の劣化を抑制することができる。
実施の形態2.
図10は、実施の形態2にかかるOTDOA方式を用いた測位を示す図である。図10に示すように、複数の基地局10は、測位用に測位用参照信号を端末装置20に送信する。本実施の形態においては例として、図10においてTRPは基地局10であるとし、固有セルID(Identification)が各TRPに与えられたとする。なお、本方式を実施する際に、基地局10間では同期がとれている事を前提とする。端末装置20は参照信号を受信し、各参照信号の受信時間の差を用いて測位を行う。OTDOA方式を用いた測位の詳細は、非特許文献4に記載されている。図10において、t1はTRP1から送信されるPRSが含まれるスロットの受信時間と、TRP2から送信されるPRSが含まれるスロットの受信時間との差、t2はTRP2から送信されるPRSが含まれるスロットの受信時間と、TRP3から送信されるPRSが含まれるスロットの受信時間との差を示す。t3はTRP3から送信されるPRSの受信時間と、TRP4から送信されるPRSの受信時間との差を示す。t4はTRP4から送信されるPRSの受信時間と、TRP1から送信されるPRSの受信時間との差を示す。なお、下り通信においてはスロットは14OFDMシンボルによって成り立つ単位であり、上り通信においてはスロットは14OFDMシンボルあるいはDFT-s-OFDMシンボルによって成り立つ。なお、PRSが含まれるスロットを例として用いたが、スロットよりも短い長さの単位、例えば2,4または7シンボルによって成り立つnon-slotにPRSが含まれても良く、non-slotを受信した時間差を用いても良い。なお、受信時間差はRSTD(Reference Signal Time Difference)と呼ばれる。なお、PRSはNR PRSと呼ばれても良い。
なお、測位用の参照信号は、ビームスイーピングが終了し、端末装置20向けのビームが決まった後に送信しても良い。すなわち前述のMsg.4の中あるいはMsg.4の送信後にPRSが送信される。ビームスイーピングが終了した後に測位用信号を送信した場合、端末装置20の位置が把握でき、測位用参照信号を送る電力も端末装置20向けに集中できるからである。
図11は、実施の形態2にかかるOTDOA方式における測位の手順を示すフローチャートである。ステップS21からステップS23までは、ステップS11からステップS13と同じ処理である。基地局10は、PRSを端末装置20に送信する(ステップS24)。ステップS25はステップS15と同じ処理である。なお、OTDOA方式において、基地局10と端末装置20との間で同期が確立し、3GPPで規定されるRRC_CONNECTEDの状態で測位用参照信号が送られても良い。
測位用参照信号は、周波数領域および時間領域にて直交する必要がある。LTEにおいて測位用の参照信号はCRSと重ならないように配置される。しかし、5G向け規格であるNRにはCRSは配置されないため、LTEと異なる効率が良い配置が可能となる。図12は、実施の形態2にかかるPRSの配置の第1の例を示す図である。本実施の例で示すRRSの配置の図は、12REおよび14OFDMシンボルから1RB(Resource Block)が成り立つPRSの配置である。基地局10に備わるスケジュラは通信用に複数の連続または離散したRBを端末装置20向けに割り当てる。ここでは14OFDMシンボルで成り立つ時間単位を1スロットと定義する。
図12は、縦軸を周波数、横軸を時間とするPRSの配置図である。図12において、右下斜めの斜線のタイルはPRSの位置を示すタイルである。また、点が入っているタイルはPRSが配置できないタイルである。本実施の形態において、無地のタイルはデータ情報または制御情報などが配置されない空のREとする。すなわち本実施の形態において、PRSとデータ(PDSCH:Physical Downlink Shared Channel)とは多重されない。データ情報および制御情報(PDCCH:Physical Downlink Control Channel)を設置しないことで、測位中に他のTRPまたは基地局10から送信されるデータおよび制御信号から干渉を防ぐことができる。また、点が入っているタイルにはPDCCHなど下りリンクの制御情報が配置される可能性があるため、PRSを配置しない。そしてPBCH(Physical Broadcast Channel)、PSS(Primary Synchronization Signal)、またはSSS(Secondary Synchronization Signal)が配置された箇所にもPRSを配置しない。3GPPのRel.15規格において、PDCCHはスロットの先頭に1,2あるいは3シンボル配置される。このため、PDCCHの数にしたがって、PRSが配置される先頭のシンボルを決めても良い。PDCCHの最大シンボル数は3シンボルなので、図12に示すように、常にスロット内にPRSが最初に配置されるシンボルの位置をシンボルの番号を3にて固定しても良い。図13は、実施の形態2にかかるPRSの配置の第2の例を示す図である。PDCCHのシンボル数が2であるような場合は、図13に示すような配置となる。
図14は、実施の形態2にかかるPRSの配置の第3の例を示す図である。図14では、先頭の3シンボルに加えて末尾の2シンボルにおいてもPRSが配置されない。5Gにおいて上りリンクと下りリンクとの送信が時間多重される。このため、上りリンク受信用あるいは次のスロットの上りリンクの受信のため、アナログ機器の準備区間として下りリンク送信用スロット内の末尾の複数シンボルが下り送信用として使えなくなる場合がある。このため、PRSの末尾を送信しないように設定しても良い。図14において、末尾2シンボルが上り通信用に使われるため、PRSは送信されない。また、アップリンクまたは下りリンク向け制御情報送信用に使われるシンボルが変わるため複数のPRS配置を用意して、上位レイヤにて選択できるようにしても良い。
図15は、実施の形態2にかかるPRSの配置の第4の例を示す図である。PRSは、周波数領域で直交できるように循環シフトを与えても良い。複数の基地局10からPRSが送信される場合、端末装置20では複数のPRSを受信するため、お互い干渉しないよう、周波数上で直交していることが重要である。このため、図15に示すように、周波数上でPRSに循環シフトを与えて良い。また、基地局10ごとに循環シフト量を変えて、それぞれのTRPから送信されるPRSが周波数上で直交するように設定して良い。例えば、図10の例において、TRP1から送信されるPRS配置は図12に示すデフォルトの配置とし、TRP2から送信されるPRS配置は、図12に示すPRSの配置に1REの循環シフトを与えた配置とし、TRP3から送信されるPRS配置は図12に示すPRS配置に2REの循環シフトを与えた配置、つまり図15に示されるPRSの配置とし、TRP4から送信されるPRS配置は図12に示すPRSの配置に3REの循環シフトを与えた配置としても良い。REのシフト量は、上位レイヤによって設定されるPRS用識別番号、すなわちIDであるPRS_IDによって設定されても良い。例えば、NPRSIDmod6のように設定して良い。
なお、図12のPRS配置は、隣り合うOFDMシンボルにおいて、REの位置が1REだけ循環的にずれた配置である。このような配置の場合、周波数特性がフラットな状態で測位が行いやすくなる。
図16は、実施の形態2にかかるPRSの配置の第5の例を示す図である。図16に示すPRSのパターンのように、隣り合うOFDMシンボルにおいて、循環的に2RE以上離れた位置にPRSが配置されても良い。このような配置を用いることで、周波数選択性がある伝送路においても、ロバストなPRS送信が可能となる。なお、図12または図16に示すようなREをシフトしたパターンを複数用意し、RRC(Radio Resource Control)などの上位レイヤがREをシフトしたパターン選択し、端末装置20に通知しても良い。このような使い方で様々な伝送路に対応したPRSが選択可能となる。
図17は、実施の形態2にかかるPRSの配置の第6の例を示す図である。図17に示すように、一つの基地局10が2パターン以上のPRSを送信しても良い。左下斜めの斜線のタイルは2パターン目のPRSの位置を示すタイルである。1パターンを1リソースと呼ぶと、基地局10側で2パターンのPRSを送信する。このような設定により、より多くのPRSを用いて高精度な測位を行うことが可能となる。また、複数パネルを用いて測位を行う場合、各パネルに異なるPRSパターンを設定することが可能となる。なお、30GHz付近の高い周波数において測位を行う際に、見通し環境で行うことで測位の精度が高まるので、端末装置20は、見通し環境であることを各TRPに通知しても良い。
図18は、実施の形態2にかかるPRSの配置の第7の例を示す図である。図19は、実施の形態2にかかるPRSの配置の第8の例を示す図である。図18および図19に示すように、PRSの配置をRB毎に直交性を保っても良い。RB単位で直交性を作れば周波数領域における直交数を増やすことが可能となる。
なお、LTEにおいては、PBCHに用いるポート数によってPRSが異なるが、本実施の形態においても、PBCHに用いるポート数により異なったPRSの設定を用いても良い。なお、非特許文献2に記載されているように3GPP TS 36.211では、PBCHは1ポートのみに設定される。また、LTEにおいて、PBCH用ポート数に対して一つの密度のみが設定されたが、本実施の形態において、NRにおいてFR2と呼ばれる高周波数帯または450MHzから6GHzまでのFR1と呼ばれる低周波数帯において異なる測位精度が求められることがある。また、送信側の周波数、時間または電力リソースが制限されるため、PRSの密度を変える必要がある。このため、複数の密度を設定し、RRCなどにおいて、上位レイヤにて密度を設定しても良い。密度は選択番号をビット、あるいはパラメタでモードを設定して良い。例えば、選択番号は0=標準、1=低密度、2=高密度と表すことができる。また、モード表示はPRS_DENSITYのようなPRSの密度を示すパラメタを用意し、PRS_DENSITY=“DEFAULT”、“HIGH”、“LOW”のように示しても良い。また、モード番号を設定し、複数の密度のPRSを用意し、各モード番号に対応する密度をあらかじめ規格にて決め、RRCにて密度を端末装置に通知して良い。なお、PRSの密度を高く設定することで、短時間で精度が良い測位を行うことができ、低遅延測位が実現できる。
図20は、実施の形態2にかかるPRSの配置の第9の例を示す図である。図20は、PRSの密度を変えたPRSの配置例を示す。図20のPRSの配置図は、図12の配置に比べ、高い密度でPRSが配置される。また、図20では高い密度でPRSが配置される代わりに、周波数上の直交性が失われる。
図21は、実施の形態2にかかるPRSの配置の第10の例を示す図である。図21は、PRSが低密度の配置例である。図21は、図12のPRSの配置に比べPRSの密度が低いが、周波数上の直交性が得られる。なお、PRSはactive BWPの一部あるいはすべてに配置されても良い。なお、割り当てられた帯域の一部のBWPのみが用いられる場合、中心周波数に近い割り当てられた帯域の中心部に近く、隣接する帯域から干渉を受けにくい、BWPを用いることが相応しい。例えば、帯域が4分割され、低い周波数からBWP1、BWP2、BWP3、BWP4と分割された場合、BWP2あるいはBWP3、もしくはBWP2とBWP3を両方使うと正確な測位が可能となる。また複数のBWPを用いる時に、各BWPにおける測定はmeasurement gapの中で、観測しても良い。measurement gap中は各TRPあるいはパネルからチャネルあるいは信号が送信されず、端末装置が観測を行う期間である。measurement gap期間中に一つのBWPのみが用いられ、該当するBWP内にPRSが配置される。例えば、ある時間、t2>t1とし、t1からt2までのmeasurement gapの期間中はBWP1に含まれるPRSのみが送信される。そしてt4>t3>t2>t1とすると、t3からt4の期間中のBWPにおいて、BWP2に含まれるPRSのみが送信される。なお、使用帯域が大きい場合、全ての帯域を用いて送受信処理を用いる場合、他のユーザに対する干渉が起こったり、他のユーザ向けに帯域が使えなくなることを防ぐためにBWPを用いて、帯域を分割し、周波数利用効率の改善および他ユーザへの干渉を最小限に留める。なお、measurement gapの設定はRRCなどを用いて端末装置20に通知される。なお、measurement gapを用いて基地局間で同期をとり、測位に用いる参照信号の送信のタイミングを揃えても良い。さらに、NRにおいて、広帯域を用い通信あるいは測位が実施されるので、TRPが異なる中心周波数あるいは、同じ中心周波数であるが異なるBWPあるいは帯域を用いた場合に、RSTDを算出しても良い。なお、RSTDは一般的に以下の式(1)を用いて観測される。なお、以下の式(1)において、RSTDi,1は、i番目のTRPであるTRPiと、参照となるTRPであるTRP1と、の時間差である。Ti-T1は、TRPiおよびTRP1から、PRSを含むスロットがそれぞれ送信される時間の差である。Ti-T1は、Transmit time offsetと呼ばれ、同期したTRP間ではオフセットが無く、値はゼロとなる。niは端末装置におけるtime of arrivalの測定誤差である。光の速度はcである。端末装置の位置は座標(xt,yt)によって示され、TRPiの位置は(xi,yi)によって示される。端末装置において測位を行う場合、System Information BlockあるいはPDCCHあるいはPDSCHなどに、基地局の位置情報やTransmit time offsetなどが含まれても良い。なお上記の通り、端末装置20にてRSTDを算出できるので、測位機能が端末装置20に備えられても良い。また、測位に必要な情報を、端末装置20から基地局10に送信し、基地局10にて測位の処理を行っても良い。この場合、端末装置20は、基地局10の送信処理部103、測位処理部106、受信処理部104にそれぞれ相当する送信処理部、測位処理部および受信処理部を備える。この場合、端末装置20の受信処理部は、基地局10から送信された、測位に用いられる信号を受信し、端末装置20の測位処理部は、測位に用いられる信号を用いて端末装置20の位置の算出を行う。測位に用いられる信号の一例はPRSである。また、式(1)の説明にTRPを用いたが、式(1)は、TRPに限らずPRSを送信できる送信機器であれば適用可能であり、パネルを用いた測位に適用できる数式である。
また、non-slotと呼ばれる、2シンボル、4シンボル、または7シンボルによって成り立つ短いスロット向けにもPRSの設計が可能となる。図22は、実施の形態2にかかるPRSの配置の第11の例を示す図である。図22は、2シンボルによって成り立つスロットのPRSの配置の例を示す図である。図23は、実施の形態2にかかるPRSの配置の第12の例を示す図である。図23は、4シンボルによって成り立つスロットのPRSの配置の例を示す図である。図24は、実施の形態2にかかるPRSの配置の第13の例を示す図である。図24は、7シンボルによって成り立つスロットのPRSの配置の例を示す図である。図12から図24に示す例において、PRSが配置されるREが時間-周波数座標平面上で右下がり、すなわち、後のシンボルになるにつれて低い周波数のサブキャリアが用いられる例について示したが、時間-周波数座標平面上で右上がり、すなわち、後のシンボルになるにつれて高い周波数のサブキャリアが用いられてもよい。また、PRSと他の参照信号あるいはチャネルとの電力差をRRCなどの上位レイヤにて設定し、PRSによる干渉を抑えても良い。あるいはPRSの電力を他の信号よりも高く設定し、PRSが他の信号に比べ干渉を受けにくくしても良い。電力差の比較基準はDMRS,CSI-RSあるいはPTRS(Phase Tracking Reference Signal)の電力として良い。あるいはPDSCHの電力との差を用いても良い。
PRSに用いられる系列はシード番号によって設定される乱数生成器によって生成されても良い。そして、TRP毎に異なるシードが設定されるようにRRCなどを用いて上位レイヤにて、前述乱数生成器用のシードを設定しても良い。乱数生成器は、例えば、非特許文献2の5.2章に記載されているようなpseudo-random number generationを用いたpseudo-random number generatorとすることができる。
PRSはQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)によって成り立つ。PRSに用いられるQPSK系列はシード番号によって設定される乱数生成器によって生成されても良い。そして、TRPあるいはパネル毎に異なるシードが設定されるようにRRCなどを用いて上位レイヤにて、前述の乱数生成器用のシードを設定して良い。この乱数生成器としては、例えば、非特許文献2に記載されているようなpseudo-random number generaionを適用したpseudo-random number generatorを用いることができる。3GPPにて規定されたpseudo-random number generatorのシフトレジスタはパラメタcinitによって設定される。cinitは、PRSが配置されるシンボル位置あるいはスロット番号に依存する。また、PRSは上位レイヤにて設定されるPRS_IDに基づいて生成されても良い。PRS_IDは自由に変更でき、セル毎、TRP毎、あるいはパネル毎に異なるPRSが使われるように、上位レイヤにて設定しても良い。PRS_IDの値は、例えばcell_IDと同等の上限である2^16としても良い。例えばNRの場合は2^10=1024(cell_IDの個数は1008)である。PRS_IDの値の範囲を{0,・・・1023}とした場合、系列生成用のシフトレジスタ向け初期値設定は以下の式(2)を用いても良い。なお、PRSはQPSK系列ではなく、Zadoff Chu系列など、他の系列を用いても良い。その場合、Zadoff Chu系列の系列番号がpseudo-random number generatorによって生成される。
ここでnsはスロット番号である。lはスロット内のシンボル番号である。NCPはCP長によって変わる変数であり、normal_CPの場合NCP=0,extended_CPの場合NCP=1のように設定しても良い。生成された系列は、TRP固有の係数でマスキングしても良い。PRS_IDがRRCにて設定されない場合はセルIDなどデフォルトの設定として良い。
なお、PRS系列は1OFDMシンボルあたり最大RB数まで生成されても良い。すなわち、端末装置20は乱数生成用シード番号が把握できれば、各REのPRSの値が把握できる。このような生成方法に対する手法は、PRSが必要とするRB数毎に系列を生成する手法である。すなわちRB数により系列が異なり、前述の方法に比べ多様なPRSの系列が生成できる。その一方、前述の方法では乱数生成用のシード番号を端末装置20が把握できればRE配置されたPRSの値を把握できるので、オーバヘッドが少なくて済む。本実施の形態においてはどちらの方法を用いても良い。
また、干渉回避および周波数領域における選択性に対し耐性を備えるため、PRSの周波数ホッピングを適用しても良い。周波数ホッピングを行うことで、FR2などにおいて、広帯域を一定時間専用せず、他の端末装置向けのデータと周波数多重しつつPRSを送信することが可能である。また、周波数ホッピングを行うことで、時間および周波数ダイバーシチを得られる。周波数ホッピングを行う際は事前に決められたパターンに従い、PRSを周波数ホッピングさせる。なお、ホッピングさせるパターンはRB単位で行って良い。なお、PRSはスロット単位で送信され、連続して送信されるスロット数が上位レイヤより指定されて良い。ホッピングパターンはあらかじめ決められたパターンの中から上位レイヤにて指定され、ホッピングパターンはRRCにて端末装置に通知される。端末装置はPRSを用いて、各周波数ホッピングにおいて指定される帯域にて測位を行ってもよい。また、aperiodic PRSを送信する場合はPRSのみを含むスロットを複数スロットを用いて、バースト式に送信しても良い。複数スロット分のPRSを用いることで、測位の精度が向上する。
なお、PRSは上位レイヤにて設定された通り、時間領域にて周期的に送られてもよい。なお、PRSは毎スロットまたは2スロットおきに配置されて良い。また、送信開始時間にオフセットが加えられて良い。また、複数スロット単位にPRSが送られても良い。また、PRSにperiodic、semi-persistent、aperiodicのようにモードが設定され、送信されても良い。例えば、periodicの場合はRRCパラメタなどにより、周期および送信開始のオフセット値が設定される。周期および送信開始のオフセット値はテーブルなどにより管理され、上位レイヤにてテーブルのインデックスを指示し、周期およびオフセット値が設定される。Semi-persistentの場合は、上位レイヤにて、周期的にPRSが送信される時間区間が指示される。前述の期間は時間の経過を記録するタイマーなどによって管理され、上位レイヤなどにて設定された期間が過ぎれば、自動的にPRSの送信を中断する。なお、期間中でも、基地局10はPRSの送信を中止し、DCIやMAC-CEなどで、semi-persistent PRSの送信を中止することを端末装置20に伝えてもよい。指定された時間が経過するとPRS送信が終了する。周期はスロット単位で指定されて良い。Aperiodic送信においては端末装置20からPRS送信要求が基地局10に発信され、基地局10は端末装置20からの指示を受信後、PRSを送信する。この場合、複数スロットにわたりPRSが送信されても良い。測位精度を向上させるため基地局10は、時間上で高密度に送信するため、毎スロットあるいは2スロットおきにPRSを送信する周期を設定しても良い。なお、PRSと他のチャネルあるいは参照信号が送信スケジュール上で衝突する可能性がある。その場合、PRSと他のチャネルあるいは参照信号との間で送信の優先順位を規格にて決める必要がある。PRSが配置されるスロットあるいはシンボルに、PDCCHなどの制御チャネルあるいはPDSCHなどのデータチャネルあるいはRSなど参照信号がスケジューリングされた場合、PRSが優先されて配置されても良い。例えば、PRSが配置されるスロットあるいはシンボルに予めPDSCHがスケジューリングされ、配置される予定であれば、PRSが優先して配置され、予めスケジューリングされたPDSCHは送信されなくても良い。なお、PRSが配置されるスロットとPDSCHのスロットが重なった場合は、PDSCHを含むスロットの送信を行わず、PRSを含むスロットを送信する。即ち、データの一部およびPRSの一部を送るような時間および周波数領域における多重処理を行わない。なお、PDCCHなど重要な制御情報を含めるチャネルに比べて、PRS送信の優先順位を下げても良い。そして、前述のようにperiodic、semi-persistent、aperiodicのようなモードが設定された場合、PRSとPDSCHの衝突が起こった場合、aperiodicのモードの優先順位を最も高く設定して良い。前述の優先順位は、PRSにperiodic、semi-persistent、aperiodicのようなモードが設定されなくても適用されても良い。また、PRS間で衝突が起きた場合、PRSの種類により優先順位が決められても良い。例えば、periodic、semi-persistent、aperiodicのPRSの配置が重なった場合、aperiodic>semi-persistent>periodicの優先順位、即ちaperiodic PRSの優先順位が最も高く設定されても良い。
LTEにおいては、周期の最小値が160サブフレームであるが、それよりも低い周期である、1、2、4、8、16、32、64、128スロットのいずれかの値が含まれても良い。また、周期はnon-slot単位で設定しても良い。なお、前述のPRSに関する上位レイヤのパラメタはresource setting, resource setおよびresourceと呼ばれる名称で管理されても良い。このように、階層化されたパラメタ管理を行うことで、オーバヘッドが少なくなる。複数のresourceがresource setの中に含まれ、複数のresource setがresource setting内に含まれる。Resource settingは上位レイヤにおいてPRS-ResourceConfigと呼ばれても良く、resource setの管理を行い、各resource setの識別番号などの情報を含む。TS 38.331にて管理されても良い。そして、resource setting内において、resource setに含まれるresourceの時間領域における動き、例えばperiodic、semi-persistent、aperiodicなどを規定しても良い。この際、resource settingにて時間領域における動きが定義される場合、resource settingに含まれる全てのresourceが同じ設定となる。Resource setにおいて複数のresourceのパラメタが定義される。例えば、resourceの識別番号などが含まれる。また、aperiodic PRSが含まれる場合、resource setにおいて、含まれるPRSが全てaperiodicであることを示しても良い。そして、resourceにて、PRSが配置されるスロットや周波数位置が指定されても良い。または、階層化されたパラメタではなく、PRS設定用のRRCパラメタを用意しても良い。例えば、PRS-configのようにPRSの時間あるいは周波数上における密度や上記のようなperiodic、 semi-persistentあるいはaperiodicのような時間領域の動作を示すパラメタ情報を含めたRRCパラメタでも良い。
また、3GPPにおいて、参照信号に識別番号を適用するため、アンテナポート番号が用いられる。アンテナポート番号は他の参照信号が用いない番号を用いる。現在、NR向けにはTS38.211に定義されているように、1000番台はPDSCH、2000番台はPDCCH、3000番台はCSI-RSそして4000番台はSSあるいはPBCHに用いられる。例えば、PRSは5000番台のポート番号を用いても良い。また、PRS Indicatorのような名称で、resourceに対して、識別番号を作成しても良い。なお、PRSは幅広いビームを用いられることを想定しNRにおいてFR1と呼ばれる6GHz以下の低い周波数帯向けに使われても良い。FR1においては、比較的幅広いビームが用いられるので、PRSとビーム番号を紐づける必要が無く、ブロードキャスト信号の様に幅広い範囲でPRSを送信しても良い。FR2と呼ばれるFR1に比べ高い周波数帯においては、比較的幅が細いビームが用いられるので、基地局10は、端末装置20がPRSを正確に受信するためにPRSが送られるビーム情報を端末装置20に伝える必要がある。この場合、基地局10は、初期接続時に用いたSSBを送信するために選ばれたビームとPRSを送信するビームを紐付けてもよい。また、ビームマネジメント用に用いられ、選ばれたCSI-RSあるいはSSBの送信に適したビームとPRSを送信するビームを紐づけても良い。ビーム情報は、例えば、SSBRIあるいはCRIを用いて示される。ビームを用いた測位を行うことで、角度情報が正確かつ短時間で入手でき、低遅延の測位が実現できる。
また、定期的に送信されるPRSに対し、指定されたPRSのタイミング時に、送信を行わない処理を施しても良い。これは、送信中断中に他の信号または周波数に干渉を与えないことを目的とする。図25は、実施の形態2にかかるmutingの実施例を示す図である。図25のmutingにおいては、示された区間のPRSの一部が定期的に送信されない。図26は、実施の形態2にかかるmutingの別の実施例を示す図である。例えば、4回PRSを発信する機会において、ビットマップを用いて“1001”と表現する。このようにmutingの対象となる発信回数を決めれば、ビットマップを用いて周期的に一部のPRS送信を中断する事が可能となる。
NRにおいて一般的にCSI-RSがビームマネジメントに用いられるが、測位用ビームマネジメント用にPRSを用いてビームスイープを行っても良い。また、PRSを用いずに他のRSを用いて測位を行うことも可能である。例えばCSI-RSはビームマネジメントなどに用いられ、精度が高いビームを端末装置20が存在する方向に向けられる。この場合、測位用にCSI-RSが用いられ、端末装置20に測位向けに使うCSI-RSポート番号を通知して良い。本実施の形態では、非特許文献2などにおいて定義されるNZP-CSI-RSを例として用いる。この場合、端末装置20は複数の基地局10から受信するCSI-RSの受信タイミングの差を算出し、PRSを用いて測位を行うときと同様に位置を把握する事が可能である。例えば図10において、TRP1はCSI-RSポート1番、TRP2はCSI-RSポート2番、TRP3はCSI-RSポート3番、TRP4はCSI-RSポート4番、を用いるように設定しても良い。NRにおいて、CSI-RS配置される位置は最大ポート数によって決まるので、基地局10から端末装置20に対して最大ポート数を通知する必要がある。また、CSI-RSポートはOCC(Orthogonal Cover Code)によって多重されるポートがあるが、OTDOAのような測位においてCSI-RSは時間がずれて端末装置20に届くので、OCCによって多重されるポートを用いる事は適切ではない。時間および周波数においてREが重ならないCSI-RSポートを使うと最適な測位精度が得られる。CSI-RSを用いる場合、上位レイヤにてCSI-RSが測位用に用いられる事を端末装置20に伝えることで端末装置20が測位用にCSI-RSが用いられる事が分かる。以下に測位用として上位レイヤにて含められるパラメタが複数である例を示す。
なお、CSI-RSを用いる場合は、上位レイヤにて測位向けCSI-RSを設定して良い。例えば、測位用以外の目的にて用いられるCSI-RSと時間上シンボルあるいは周波数上REにて重ならないようCSI-RSが配置されるよう測位用のパラメタを設定して良い。RRCのように上位にて、CSI-RS-Resource-Positioningなど、測位用として分かるようなパラメタを用意しても良い。なお、CSI-RSが測位用に用いられる事を示すために、resource setting,resource setあるいはresourceにて測位用に用いられる事を示してもよい。上位レイヤにて、測位用として用いられるために、resource setting,resource setあるいはresourceにてpositioningの名称のフラグあるいはPRSといったフラグを設置し、フラグの値が1であればCSI-RSを測位用に用い、フラグの値が0であればCSI観測用に用いる事を示してもよい。なお、CSI-RS向けにmuting機能を用いても良い。スロット単位にてビットマップを用いる事で、どのスロットでCSI-RSが送信可能か指定できる。Muting機能を用いる事で、干渉を避け、測位を行うことが可能となる。なお、複数のTRP、パネルあるいは基地局からPRSあるいはCSI-RSが送信される場合は、送信されるOFDM信号のCP(Cyclic Prefix)の長さは全て同じであるとする。例えば、3GPP TS36.211においてnormal CPとextended CPが規定され、extended CPの方が長いCPとなっている。複数の基地局10、フラグの値がTRPあるいはフラグの値がパネルから、同時にPRSあるはCSI-RSがOFDM信号にて送信される場合、受信した複数のPRSあるいはCSI-RS信号の時間差を正確に計算するためすべての波形のCPの長さが同じであることが適している。また、すべて同じ長さのCPを用いる事で計算の際に、CPの長さを制御情報から読み込む必要がなく、制御情報に必要なオーバヘッドが少なくなる。
また、PRSを用いて測位を行う場合、各TRPから送信されるPRSに対して同じnumerology、すなわちsubcarrier spacing(サブキャリア間隔)が使われるのが相応しい。各TRPからのPRS間でサブキャリア間隔が統一されるので、RSTDの算出が容易となる。なお、OTDOA手法などUEにおいて自分の位置情報を算出する場合、端末装置20の位置情報はCSI reportなどを用いて基地局10に端末装置20から通知されても良い。基地局10において、定期的に位置情報を把握できればビームマネジメントなどにおいて、適切なビームの管理および選択が可能となるからである。また、MU-MIMOなどにおいても端末装置20の位置を把握できることで、端末装置のスケジューリングなども最適に行える。また、FR1においてPRS、FR2においてCSI-RSを用いた測位を行っても良い。前述の通り、低い周波数帯において幅広いビームが用いられ、UEは送信されたビーム情報を知ることが出来無いため、報知されるPRSを受信し、RSTD計算を行って良い。高い周波数帯においてはCSI-RSを用いたビームマネジメントを行い、UEに対して適したビームが設定されるので、CSI-RSを用いて測位を行う方法が測位の精度が高い。また、上記の説明にてCSI-RSをビームマネジメントとして用いることを記載したが、SSBをビームマネジメント用として用いても良い。なお、測位用PRSあるいはCSI-RSの定期的な送信はDCI(Downlink Control Information)を用いて中断しても良い。これは定期的な通信がデータ送信の障害になる可能性があるため、即座に中断させる処理を含めるためである。なお、測位用のPRS、CSI-RSあるいはSSBが送信される場合、端末装置に与えられる識別番号であるRNTI(Radio Network Temporary Identifier)はC-RNTI(Cell-RNTI),CS-RNTI(Configured Scheduling RNTI)あるいはSP-CSI-RNTI(Semi-Persistent CSI RNTI)であっても良い。
NRにおいて用いられるCSI-RSに干渉測定用CSI-RSとしてZP-CSI-RS(Zero-Power CSI-RS)が用いられても良い。例えば、隣接するセルの基地局10に対して干渉が発生する場合、隣接するセルの基地局10が測位用CSI-RSを発信している間はZP-CSI-RSを送信し、隣接するセルの基地局10に干渉を与えないようにする。なお、PRSと同様、測位用のCSI-RSが配置されるスロットにはPDSCHが配置されなくても良い。これは、PDSCHによる干渉を低減させるためである。また、DMRSを用いた測位を行っても良い。スロット内に複数のシンボルが配置されるので、測位に適している。また、測位用のCSI-RSと他の参照信号あるいはチャネルとの電力差をRRCなどの上位レイヤにて設定し、CSI-RSによる干渉を抑えても良い。あるいはCSI-RSの電力を他の信号よりも高く設定し、CSI-RSが他の信号に比べ干渉を受けにくくしても良い。電力差の比較基準はDMRS,伝送路推定用あるいは干渉測定用のCSI-RSあるいはPTRSの電力として良い。あるいはPDSCHの電力との差を用いても良い。
複数のパネルを用いた場合、複数のパネルからPRSを受信する。複数パネルは基地局10に接続されているため、同じセル内にて複数のTRPが存在することになる。この場合、パネルごとにPRS_IDを変えてPRS系列が異なるように設定して良い。また、パネルの前に障害物があると測位精度が落ちるので、パネルごとにPRSを送信するか否かフラグで指示して良い。このフラグは上位または下位レイヤにおける制御信号を用いて端末装置20に通知して良い。上位レイヤにおいて用いるパラメタはRRCまたはMAC-CE、下位レイヤにおいてはDCIを用いて良い。
IDLE状態またはINACDTIVE状態からのOTDOAを用いた測位も可能である。端末装置20は基地局10から送信されるPDCCHに含まれるページング情報、あるいはPDCCH内で指定されたPDSCHを監視しながら、測位を始める。なお、ページング情報において端末装置20向けに通知が発信され、端末装置20は通知を解読し、SIB(System Information Block)を読み込む。SIBはPBCHおよびPDSCHに含まれる。
なお、SIBにはOTDOAに必要な情報が含まれる。例えば、OTDOAにおいて複数のセルの基地局10を用いる場合、用いられるセルのセルIDなどが含まれても良い。また、基準となるセルの情報を含めても良い。また、同じセル内で複数のパネルを測位用に用いる場合には、用いられるパネルのパネルIDまたは基準として用いるパネルのIDをSIBに含め、各パネルからビームが照射される場合には、1パネルを1グループに紐づけ、ビームが属するグループ情報、などをSIBに含めても良い。測位用に用いられるSIBには測位用のSIBとわかるようにSIBのタイプの名前を付けても良い。
また、同セル内で複数パネルを用いる場合、該セルのIDおよび測位に用いるパネルの枚数をSIBに含めても良い。測位の指示に、測位のための情報、測位用SIBを受信することを示す情報などを含めてもよい。端末装置20は測位用のSIBを受信する。測位用のSIB情報は、定期的に送信されてもよいし、基地局10が端末装置20に対して測位を実施させる場合に予め送信されてもよい。また、PRSが送信される時間および周波数リソースの情報をSIBに含めても良い。そして周期的に送信されるPRSの時間および周波数リソースを記載しても良い。また、非周期的にPRSが送信する場合、非周期的にPRSが送信される時間および周波数リソースを指定しても良い。
なお、IDLE状態またはINACTIVE状態の端末装置20はPRSを受信後、前述の通り、複数のPRSの受信時間の差を算出し、基地局10の指示に従って、あるいは、端末装置20の判断で、該算出結果および測位結果、またはどちらかの結果を基地局10に報告する。また、複数のパネルあるいはTRPを用いて測位を行う場合、TRPあるいはパネルの位置が近い場合があり、端末装置20から見分けられない場合がある。このような場合はQCL(Quasi Co-Location)情報または測定結果を用いて、パネルまたはTPRの位置が近いことを把握して良い。また、パネルまたはTRPの位置が近い場合は測定結果の平均処理あるいは、最大、最小値を算出し、基地局10に報告しても良い。
なお、LMFより、NG_RAN_NODEに向けてOTDOA_INFORMATION_REQが送信され、OTDOAを用いた測位が開始される。この場合、OTDOA_INFORMATION_RESPONSEがLMFに向けてNG_RAN_NODEに向けて送信されるが、情報はPRSの設定情報を含めて良い。例えば、キャリア周波数、PRS帯域、周波数上のオフセット量、時間上のPRSのオフセット量または送信間隔、連続されて送られるスロット数、用いられるアンテナポート数、周期設定がperiodic/semi-persistent/aperiodicであるか、基地局10あるいは端末装置20側のビーム情報あるいはビームペア番号、選択されたコードブック情報などを含めて良い。また、該報告情報に、SFN(Slot Frame Number)、アンテナまたはパネルの位置、PRSのmuting情報、PRSのホッピングパターン、標準、高密度、低密度などのPRSの密度情報を送付しても良い。また、使用されるサブキャリア間隔を示す値を含めても良い。また、CP(Cyclic Prefix)情報が送られても良い。また、OTDOAにおいて、異なるTRPからCSI-RSあるいはPRSが送信されるため、UEにおいてTRPとPRSあるいはCSI-RSの関係が把握できる情報が必要である。そのために、事前に各TRPに設定されたPRS IDあるいはTS 38.211にて定められたCSI-RS生成用のパラメタnIDを上位レイヤから通知を受けても良い。このような情報はRRCを用いて通知して良いし、location serverから送信されるOTDOA assistance dataの中に、各TRPから送信されるPRSあるいはCSI-RSのPRS_IDあるいはパラメタnIDを含めても良い。
NRにおいてTDD(Time Division Duplexing)が用いられ、非特許文献3の11.1.1章に記載されている通りスロット内のシンボルがDownlinkは“D”,uplinkは“U”,または自由度のあるシンボルは“F”と設定される。PRSは“D”と示された下りリンク用に設定されたシンボルのみで送信を行って良い。または、他のシンボルによって使われていなければ、“F”のシンボルも用いてPRSを送信して良い。
また、測定中はサブキャリア間隔などのnumerologyが変わっても良い。NRにおいて15kHz、30kHz、60kHz、120kHz、480kHzのサブキャリア間隔が用意されており、これらの値は測位中の精度を保つため、測位中は変わらないように設定する。また、端末装置20に対して周波数領域において、異なるnumerologyのPRSが送信されても良い。例えば、端末装置20に対して、20RBのリソースが測位用に割り当てられたとすると10RBは15kHz、10RBは120kHzで送るよう設定しても良い。全て同じnumerologyでも良いが、異なるnumerologyの場合は測位計算において周波数の誤差を含める。
なお、測位の際に位置情報はあらかじめ決められたグリッドを用いて定義されても良い。あらかじめグリッドが決められており、基地局10からグリッドの中心にビームを放射できるようにビームの候補を用意する。例えば、静止環境にて測位を行う場合、グリッド情報が得られると、端末装置20がビームを選択し、送信側に報告すれば、送信側で端末装置20の位置が把握できる。この方法は、設置環境が決められた場所などで有効な方法である。IDLEまたはINACTIVE状態における測位に関する他の例として、SSBを用いることができる。端末装置20は、複数の基地局10、および/あるいは、複数のパネルあるいはTRPからSSBを受信してもよい。端末装置20は、該SSBの受信時刻に関する情報を保持してもよい。該情報は、例えば、複数の該SSBの受信時刻間の差分であってもよい。このことにより、例えば、基地局10は端末装置20に対してPRSに関する設定を送信不要となり、その結果、基地局10と端末装置20との間におけるシグナリング量を削減可能となる。端末装置20が、SSBの受信時刻に関する情報を用いて自端末装置の位置を導出してもよい。基地局10、および/あるいは、パネルあるいはTRPは、自基地局、および/あるいは、自パネルあるいは自TRPの位置に関する情報を報知してもよいし、端末装置20に対して個別に通知してもよい。端末装置20は、位置に関する該情報を、自端末装置の位置の導出に用いてもよい。このことにより、例えば、端末装置20から基地局10に対する測定結果の送信が不要となり、その結果、基地局10と端末装置20との間におけるシグナリング量を削減可能となるとともに、端末装置20と基地局10との間の通信の再開が不要となり、その結果、通信システムにおける迅速な測位が可能となる。他の例として、基地局10が、SSBの受信時刻に関する情報を用いてUEの位置を導出してもよい。端末装置20は、SSBの受信時刻に関する情報を基地局に通知してもよい。該通知は、例えば、端末装置20から基地局10に対する測定結果報告に含まれてもよいし、異なるシグナリングに含まれてもよい。基地局10は、SSBの受信時刻に関する情報を用いて、該端末装置の位置を導出してもよい。このことにより、例えば、端末装置20における位置導出による負荷を削減可能となる。また、実施の形態1と実施の形態2を組み合わせて用いても良い。実施の形態1は選ばれたビームから角度情報を得て、距離情報を用いて測位を行う。実施の形態2は複数の送信機から送信される参照信号の受信時間からRSTDを計算し、測位を行う。両方の手法から得られる位置の平均を算出しても良い。また、複数の基地局を用いて測位を行う場合、一部の基地局は実施の形態1、その他の基地局は実施の形態2に記載される手法を用いても良い。なお、測位に用いる参照信号は前述の通り、periodic、semi-persistent、aperiodicの種類の周期が設定されるが、測位後の端末装置20の位置情報も、periodic、semi-persistent、aperiodicのいずれかの形態で端末装置20から基地局、あるいは基地局から端末装置20に通知されて良い。periodicやsemi-persistentのように、周期的に位置が通知されることで、緊急通知など位置情報に敏感なサービスの精度が向上する。また、aperiodicは位置情報の報告を受けたい基地局あるいは端末装置20が位置情報の報告を依頼することにより、上位レイヤあるいは下位レイヤにて設定された時間にて位置情報の報告が発生する。aperiodicな位置情報報告は、基地局あるいは端末装置20が至急、位置情報を必要とする場合、効果がある報告手法である。periodicな報告が選択された場合は、上位レイヤで決められた周期、例えばスロットを単位とした周期、に従い、基地局あるいは端末装置20が算出した位置情報を報告する。semi-persistentと設定された場合は、上位レイヤで決められた期間の間、上位レイヤで決められた周期、例えばスロットを単位とした周期、に従い、基地局あるいは端末装置20が算出した位置情報を報告する。なお、前述の報告手法はperiodic position report、semi-persistent position reportあるいはaperiodic position reportのような名称でも良い。
実施の形態3.
UTDOAにおいて、端末装置20から複数の基地局10またはTRPに向けて測位のための信号を発信し、基地局10またはTRPは連携し、端末装置20から送信された測位のための信号の受信時間の差を算出し、端末装置20の測位に用いる。この場合、端末装置20は同時に信号を発信するか一定のタイミングに従い信号を発信しても良い。端末装置20から発信される信号は、SRSまたは下りリンクで使われるPRSを用いても良い。NRにおいて上りリンクにおいてOFDMまたはDFT-s-OFDMが用いられるが、OFDM向けにはPRS、SRS、DMRS、またはDFT-s-OFDMが用いられる場合はSRSまたはDMRSを用いても良い。
また、NRにおいて、OFDMあるいはDFT-s-OFDMが上りリンクにて用いられる。DFT-s-OFDMの特徴はOFDMに比べ低いPAPR(Peak to Average Power Ratio)であるので、OFDMに比べ高い電力で送信することが可能である。測位において、低い上りリンクの電力は測位の精度を下げるため、デフォルトの設定として測位においてDFT-s-OFDMが常に用いられても良い。NRにおいて上りリンクにてDFT-s-OFDMとOFDMの間で、周波数または参照信号の設定が異なるので、eNBにとって測位中は常に、一つの手法がデフォルトとして設定されていることが望ましい。また、十分な電力が担保できる場合はODFMに切り替えられる仕組みを持っても良い。これはE-CID、OTDOA、またはUTDOA方式に適用できる実施の形態例である。
なお、測位中にビーム検索を行っている間、検索に失敗する時がある。このような状態に端末装置20から基地局10にビーム検索が失敗したことを通知しても良い。また、測位中に端末装置20が他のTRPあるいはセル内に移動したときにビーム検索が失敗することも考えられるが、この場合でも検索が失敗したことを端末装置20から基地局10に通知し、測位を中止しても良い。また、ビームリカバリ(beam recovery)において、端末装置20が基地局10に向けて基地局10と端末装置20との相互のビームペアを変える要求を行えるが、ビームリカバリ中は測位を行わないこととする。
実施の形態4.
ECID方式において基地局10と端末装置20の間の距離はTA(Timing Advance)の算出方法に従えばよい。また、UTDOAにおいて、上り信号にPRACHを用いても良い。本実施の形態において、ECIDおよびPRACH向けに用いるPRACHの構成について説明する。BSはPDCCH_orderと呼ばれ、端末装置20にPRACHを送信することを要求でき、該要求をPDCCHに含める。この際に、該PDCCHに測位用のPRACH構成を含めてもよい。また、該PDCCHが測位用のPDCCH_orderであることを示してもよい。また、PDCCH内にDCIが置かれる周波数・時間上のリソースを示すサーチスペースを測位用に設置しても良い。また、PDCCHのCRCがRNTIによってスクランブルされるが、測位用のRNTIを用いても良い。このようにPDCCHのCRCあるいはDCIが置かれる場所を測位用に特別に設置することで、端末装置20にとってPDCCH受信後に測位用の情報が含まれることが暗示される。PDCCH_orderおよびPRACHを用いてTAを算出する。本来は、基地局10はPRACHを受信後、RAR(Random Access Response)を送信するが、測位用のPRACHを受信した場合は、RARを送信しないようにしてもよい。測位用のPRACHを受信することで測位を行うことが可能となるため、この後のRA処理を実施しなくてすむ。端末装置20は測位用のPRACH送信後、基地局10からのRARを受信しなくてもよい。測位用のPRACH構成として、周波数および時間上のリソースまたはプリアンプルフォーマットを設定する。また、予め、測位用のPRACH構成を、他の用途のPRACH構成と異ならせておいてもよい。
IDLE状態またはINACTIVEの状態にて送信される測位用PRACHの構成はRRC_CONNECTEDの状態で設定されても良い。設定されるパラメタは周波数および時間上のPRACHの位置、プリアンブルフォーマット、および周期的にPRACHが送られる場合は周期がRRC_CONNECTEDの状態で設定される。また、これらの設定がIDLE状態またはINACTIVEの状態に変わった時に測位用PRACHに適用される。IDLE状態またはINACTIVEの状態の設定はSIBを用いて設定しても良い。また、ページング情報に測位用に用いられる情報を含めても良い。例えば、PRACHの設定情報を含めても良い。また、一部の情報のみ設定しても良い。例えば送信タイミングのみ設定しても良い。
INACTIVEの状態で送られるpagingの範囲であるRNA(RAN based Notification Area)が適用された場合、INACTIVEで送信される測位用のPRACH構成をRNA毎に設定してもよい。他の用途のPRACH構成と異なる設定としてもよい。また、IDLEで送信される測位用のPRACH構成をページングエリア毎に設定してもよい。他の用途のPRACH構成と異なる設定としてもよい。また、同じセル内で複数のTRPが用いられる場合、特別な構成であっても良い。測位用のPRACH構成をセル毎に設定してもよい。他の用途のPRACH構成と異なる設定としてもよい。
なお、測位用のPRACHは時間および周波数が測位用に設置されたリソースに置いても良い。測位用に、特別な系列、または、プリアンブルフォーマットを用意しても良い。PRACHの帯域も選択できるよう複数の候補を用意して良い。
実施の形態5.
図27は、実施の形態5にかかるLTEとNRとで方式を切り替えての測位を示す図である。LTEのセルによるカバレッジは広範囲であるので、LTEから得られる測位情報を参考にしてNRセル内で測位を行っても良い。また、NRとLTE測位方式の切り替えを行い、測位を行っても良い。切り替えは上位レイヤにより指示される。
実施の形態6.
図28は、実施の形態6にかかる測位用参照信号の配置の例を示す図である。図28は、縦軸を周波数、横軸を時間とする測位用参照信号の配置図である。本実施の形態では、測位用参照信号が図28に示された位置に配置されている場合について説明する。図28において、複数の点でハッチングされているOFDMシンボルが測位用参照信号を示す。また、図28に示した例では、測位用参照信号は時間軸方向の第3番目のOFDMシンボルに1つのREおきに配置される。なお、図28では、時間軸方向の第3番目のOFDMシンボルには、測位用参照信号の送信に用いられるシンボルのみが挿入され、データシンボル、制御信号、その他の種類の参照信号は挿入されない。また、図28において斜線で示した参照信号が配置されないシンボルにはどのような信号が配置されてもよい。
図29は、図28に示される測位用参照信号が配置された1OFDMシンボル内の信号の波形を示す図である。図29は、送信波形が1OFDMシンボル時間の半分の単位で繰り返されることを示す。例として1OFDM時間は2分割され、前半の0.5OFDMシンボル時間および後半の0.5OFDMシンボル時間に分けられるとする。前半の0.5OFDMシンボル時間の信号の波形と、後半の0.5OFDMシンボル時間の信号の波形とは同じ形となる。つまり、図29では、振幅および位相が同様の波形が1OFDMシンボルで反復されている。
図30は、複数シンボルで測位用参照信号が配置された比較例を示す図である。図29に示すような前半の0.5OFDMシンボル時間の信号の波形と後半の0.5OFDMシンボル時間の信号の波形とが同じ場合、シンボル同期を行う際に、同期ずれが発生しやすくなる。このため、図30の比較例が示すように複数シンボルに渡り、測位用参照信号を送付する必要がある。また、1OFDMシンボル区間において、電力特性が等しい信号が複数回反復されるような信号においても同期ずれは発生しやすくなる。
シンボル同期を行う際に、同期ずれが発生しやすくなるという課題を解決するため、本実施の形態において、基地局10が1OFDMシンボル内で同じ波形が発生する区間ごとにビームを切り替えて信号を送信することで、端末装置20で同じ波形が繰り返し観測されないようにする。端末装置20は、区間ごとに切り替えられたビームごとに信号を受信する。この方式により端末装置20は、同じ波形を受信しないので、端末装置20における同期ずれの発生を抑制することができる。
図31は、実施の形態6にかかる1OFDMシンボル内で同じ波形が発生する区間ごとにビームを切り替える例を示す図である。図31では、1OFDMシンボル内で2回同じ波形が発生する例を示す。図31において、基地局10から送信されるビームは2本であり、それぞれビーム1およびビーム2と示す。図31において、ビーム1およびビーム2は異なる方向、すなわち異なる空間方向を向いているとする。ビーム1およびビーム2の方向は、基地局10によって調整される。基地局10は、アナログビームまたはデジタルプリコーディングを用いたデジタルビームなどを用いて、ビームを指向することが可能である。端末装置20は、基地局10から送信されるビーム1またはビーム2の方向に向けた受信ビームを用いなければ最大電力で信号を受信することができない。
図31に示した例では、ビーム1は、1OFDMシンボル時間の前半の信号Aを送信するために用いられる。ビーム2は、1OFDMシンボル時間の後半の信号Bを送信するために用いられる。1OFDMシンボル内で同じ波形が発生する区間ごとにビームを切り替えない場合、端末装置20は、1OFDMシンボル内で信号Aおよび信号Bを受信することになる。一方、1OFDMシンボル内で同じ波形が発生する区間ごとにビームを切り替える場合、端末装置20は、ビーム1で送信された信号を受信するように受信ビームの方向を調整すると、信号Aのみを受信することになる。また、端末装置20は、ビーム2で送信された信号を受信するように受信ビームの方向を調整すると、信号Bのみを受信することになる。例えば、図31において、端末装置20がビーム3を用いて受信を行えば、ビーム1で送信された信号の受信が可能となる。ビーム3を用いた場合、端末装置20におけるビーム2から送信された信号の受信電力は、ビーム1から送信された信号の受信電力よりも小さい。一方、端末装置20がビーム4を用いて受信を行えば、ビーム2で送信された信号の受信が可能となる。ビーム4を用いた場合、端末装置20におけるビーム1から送信された信号の受信電力は、ビーム2から送信された信号の受信電力よりも小さい。すなわち、端末装置20は、1OFDMシンボル区間、または電力特性が等しい信号が複数回反復されるような区間にて、反復した信号が見えなくなる。
本実施の形態では、前述の通り測位用参照信号が挿入されるOFMDシンボルに他の信号が配置されない。測位用参照信号はあらかじめ決められた位置に配置されるので、端末装置20は、測位用参照信号の周波数領域における配置間隔、参照信号として用いられた系列など、測位用参照信号の情報が得られれば、1OFDM区間の信号の特長も事前に分かるので、図31に示すように信号Aまたは信号Bのみを受信しても復調可能となる。なお、参照信号に用いる系列がPN(Pseudo Noise)系列である場合、系列生成のためのシフトレジスタの初期化に用いられるC_initのような値が、測位用参照信号の情報として端末装置20に通知されてもよい。また、系列が測位用参照信号が配置されるスロット、シンボル番号、または他の参照信号からの相対的な位置によって系列が変わる場合、前述のパラメタが端末に通知されてもよい。
なお、本実施の形態のように1OFDMシンボル内で基地局10が送信ビームを切り替える場合、基地局10のビームスイープの時間が1OFDMシンボル内でビームを切替えない場合に比べて短くなる。例えば、従来の方式にて、1OFDMシンボル区間、1本の同じビームを用い、64本のビームをスイープさせて送信する場合、基地局10は最低64OFDMシンボル時間、64本のビームを送信するための時間が必要となる。加えて、ビームを切り替えるための時間が必要であれば、64本のビームを送信するために、基地局10は64OFDMシンボル時間以上の時間が必要となる。しかし、本方式の一例として1OFDMシンボル内で、2本のビームを用いて基地局10が64本のビームをスイープする場合、0.5シンボル時間ごとにビームを切り替えるため、最低で32シンボル時間で64本のビームの送信が完了する。端末装置20は、基地局10が受信ビームをビームスイープしている間、固定の受信ビームを設定すれば、1OFDMシンボル内で基地局10から送信された複数方向に放射されたビームの受信電力の観測が可能となる。ビームスイープの時間が短くなる分、基地局10は、スイープするビームの本数、すなわちリソース数を増やしても良い。ビームスイープ時に、ビームスイープ用の時間の短縮およびビームスイープの効率を上げるため、基地局10は、ビームスイープを始める方向または範囲の設定が必要となる。図10に示す通り、端末装置20が複数の基地局あるいはTRPを用いて測位を行う場合、端末装置20が参照となるTRPのビームスイープの結果を周辺の基地局に通知してもよい。ここで、ビームスイープの結果とは、例えば、端末装置20が取得する基地局10がビームスイープしているときの各ビームの受信電力である。または、ビームスイープの結果とは、例えば、ビームスイープ後に選ばれた送信ビーム番号である。例えば、図10の例を用いると、端末装置20は、TRP1のビームスイープの結果を、サーバー200を通じてTRP2,3,4に通知してもよい。または、端末装置20は、PBCH(Physical Broadcast Channel)のような報知チャネルを用いてTRP2,3,4に通知してもよい。
なお、このような、基地局10から端末装置20へ、1OFDMシンボル内でビームが切り替わる事を通知する情報である設定通知情報などの通知方法は、様々な方法が考えられる。基地局10は、上位レイヤ信号に設定通知情報を含め、設定通知情報を含んだ上位レイヤ信号を端末装置20へ送信することにより、設定通知情報を端末装置20へ通知してもよい。通知はフラグでよく、上位レイヤ信号のRRCパラメタを用いてもよい。なお、端末装置20に通知される情報の伝達方法はRRCパラメタを用いた手法のみとは限らず、RRCパラメタ以外を用いてもよい。
また、測位を行うサーバー200から端末装置20に設定通知情報が通知されてもよい。例えば、LPP(LTE Positioning Protocol)を用いたサーバー200から端末装置20に向けて設定情報が通知されてもよい。また、NRPPaにて定義されるプロトコルを用いたサーバー200から通知されてもよい。基地局10を通じて設定情報が通知されてもよい。例えばLMFから基地局10に向けてNRPPaを通じて情報が伝達されてもよい。また、下りリンク向けの測位機能を備えたサーバーおよび上りリンク向けの測位機能を備えたサーバーが別に設置されても良い。これらのサーバーを設置することにより、処理能力が分散でき、測位に必要な計算時間の削減が可能となる。
実施の形態7.
端末装置20が、複数の基地局10から下りリンクまたは上りリンクで送信される測位用参照信号を用いて測位を行うときに、ビーム情報の管理を行う必要がある。ビーム情報とは、例えば、ビームの電力、ビームの照射方向である。また、ビーム情報とは、例えば、参照信号がビームで送信される場合、参照信号が送られる頻度、参照信号の時間領域および周波数領域上で配置される位置である。なお、参照信号の時間領域および周波数領域の位置は、ビームごとにあらかじめ決められており、端末装置20は、参照信号が配置される位置にて受信信号の測定を行う事で、受信電力の強度の推定が可能となる。下りリンクの測位用参照信号を用い、図10に示すように測位用参照信号を、複数の基地局10それぞれから端末装置20に送り、端末装置20が測位を行う場合、各測位用参照信号が送られるビーム情報を基地局10あるいは端末装置20で管理する必要がある。なお、本実施の形態において図10におけるTRPを基地局10と呼ぶ。なお、基地局10は端末装置20と同じセルの中に存在してもよいし、他のセルに存在してもよい。このような場合、resource setを基地局10毎に割り当ててもよい。なお、resource setは一般的に下りリンクにて用いる参照信号であるCSI-RSまたは上りリンクにて用いる参照信号であるSRSの設定に用いられる。
測位に用いられるresource setはCSI-RSと異なるresource setとして設定されてよい。resource set毎に測位向けにmutingまたは定期的なPRSの送信などと特別な設定がされるので、CSI-RSなどと異なるresource setとして設置されてもよい。なお、mutingの設定は、resource set単位で設定されてもよいし、resource単位で設定されてもよい。
なお、resource setは上りリンクにおける測位用参照信号に適用してもよい。3GPPのLTEでは、上りリンクにおいてSRSが測位用参照信号として用いられる。なお、測位に用いられるSRSをここで測位用SRSと呼ぶ。例えば、前述の通り、RRCパラメタであるusageをPositioningと設定してもよい。また、RRCパラメタにおいて用いるusageを前述の通りサーバーまたは測位を行う機能から端末装置20に設定情報が通知されてもよい。この場合、RRCパラメタとして用いるのではなく、サーバーまたは測位を行う機能から通知される情報の上位情報としてusageが設定される。なお、SRSのビーム情報をresourceとし、複数のビーム情報をresource setとして定義してよい。また、上りリンクを用いた測位の場合、端末装置20から複数の基地局10に向かって測位用参照信号を送信する。基地局10は、端末装置20から送信された測位用参照信号の受信時間を記録し、複数の基地局10が互いに受信時間の情報を参照して、他の基地局10との受信時間の時間差から端末装置20の位置を把握する。なお、測位用参照信号はSRSに限らず、上りリンク向けのPRSを用いてもよい。なお、測位用参照信号には、各resourceに該当するビームを用いて端末装置20から送信されるSRSが配置される周波数領域および時間領域の位置情報も含められる。すなわち基地局10は、端末装置20から送信されるSRSが配置される周波数領域および時間領域の位置に配置されたSRSを用いて、ビームの受信電力の測定を行う。なお、端末装置20から送信されるSRSが配置される周波数領域および時間領域の位置情報は、複数シンボル単位の情報でもよいし、1シンボル単位の情報でもよい。
端末装置20が複数の基地局10に向けて参照信号を送信する場合、端末装置20において送信される参照信号と、送り先となる基地局10と、ビーム番号またはリソース番号との紐づけを行う必要があり、必要となる制御情報の量が増えてしまう。制御情報が増えると、伝達に時間を費やし、制御情報に必要な帯域、シンボル数およびビット数が増えてしまう。
ここで、SRSのresource setを送り先の基地局10と紐づけて参照信号を送信するとしてもよい。SRSのresource setと送り先の基地局10とが紐づけられれば端末装置20に伝達する情報はresource setの識別番号など、resource setに関する情報のみなので、制御情報量は最小限に留められる。
SRSのresource setおよびresourceに関する設定は、RRCを用いて行われてもよい。なお、RRC以外の設定方法を用いてもよい。SRSのresource setおよびresourceに関する設定は、各基地局10から個別に行われてもよい。また、サーバーまたは測位を行う機能から端末装置20に設定情報が通知されてもよい。
端末装置20は、resource setおよびresourceに関する設定に従ったSRSを送信すればよい。したがって、想定される基地局10の数だけresource setが設定されればよい。
なお、上りリンクにおける測位のために用いるSRSである測位用SRSを送る際に用いるビームを端末装置20が決めるときに、端末装置20は、ビームスイープを行い、適切なビームを選ぶ必要がある。しかし、端末装置20は、ビームスイープを行うと、決められた範囲のスイープを行う時間が必要となり、測位に要する時間が増加する。このため、ビームスイープを省略あるいは、ビームスイープに必要な時間を削減するために、測位用SRSを送信するときに用いるビーム情報と、既に用いられた下り、上りリンクにおける参照信号、または同期用信号に用いた際に使われるビーム情報と、を関連付けてもよい。ビーム情報の関連付けを行うのは、例えば、基地局10でもよいし、サーバーであってもよい。このようにビーム情報を紐づけることで、ビームスイープを省略または必要となる時間を削減できる効果が得られる。
ここで、測位用SRSと他の参照信号との紐づけの詳細を説明する。下りリンクにて用いられる参照信号または同期用信号にはCSI-RS、SSB、PRS、またはTRS(Tracking Reference Signal)が考えられる。参照信号または同期用信号を送信する際に、基地局10は、いずれかのビームを用いてこれらを送信する。このときに、上りリンクにおける測位用SRSのビームと、下りリンクにおける参照信号または同期用信号が送られたビームが紐づけられれば、端末装置20は、下りリンクにて参照信号または同期用信号の送信に用いられたビームと紐づけられた上りリンクの測位用SRSのビームを送信すればよい。
なお、上りリンクにおいて、測位とは異なる他の目的に用いられるSRSと紐づけられたビームを用いて、測位用SRSを送信してもよい。3GPP NRにおいてRelease 15のSRSにはUL codebook-based、UL non-codebook-based、UL beam management、およびAntenna switching、とユースケースが分かれる。また、resource setに対して前述のユースケースが設定される。そして、前述のユースケースそれぞれに対して独自のパラメタ設定が行われ、端末装置20に通知される。測位向けSRSが送信されるビームは、前述のユースケースにおいて用いられたビームの方向をSRS測位用のビーム方向に設定すればよい。このように他のユースケース向けに用いられたSRSのビーム方向を設定することでビームスイープの必要がなくなり、適切な方向を定める時間の短縮が可能となる。また、他のユースケース向けに用いられたSRSのビーム方向を設定することで、基地局10、および測位を行う機能を備えるサーバーに送る制御用のデータの量を削減することが可能となる。
測位向けCSI-RSをPRSとして用いた場合、空間情報を紐づける対象となる参照信号はSSB、SRS、上りリンクにおけるPRSなどが考えられる。また、下りリンクにおけるPRSをDMRSの空間情報と紐づけてもよい。ここで、DMRSの空間情報とは、DMRSが送信されるビームの方向である。例えば、DMRSが送信されるビームの方向は、他の下りリンクの参照信号のビーム番号に紐づけられる。または、例えば、DMRSが送信されるビームの方向は、PRSと、DMRSと他のDMRSとを含むRSとのQCL状態に紐づけられる。QCL状態に紐づけられるとは、PRSのポート番号Xと、DMRSのポート番号YとがQCLの状態にある場合、PRSのポート番号Xの伝送路の空間情報、ドップラシフト、ドップラスプレッドなどの伝送路特性と、DMRSのポート番号Yとの伝送路の空間情報、ドップラシフト、ドップラスプレッドなどの伝送路特性とが似ていることを示す。すなわち、PRSの送信に用いたビームの方向をDMRSに用いてもよい。なお、空間情報の設定はresource set内において、適用されてもよい。この場合、resource set内の全てのresourceに本設定が適用される。
端末装置20において測位時に複数のパネルが用いられる場合、パネル毎にresource setが設定されてもよい。なお、端末装置20にて複数のパネルを設置し、複数のパネルそれぞれを異なる方向に向けることにより端末装置20から全方向にSRSの送信が可能となる。この場合、パネル毎に空間情報が設定される。パネルが異なる方向を向いている場合、パネル毎に空間情報の設定が必要となるので、resource set毎に空間情報の管理を行えば、設定に必要なオーバヘッドが削減できる。このような運用を行う場合、UE側のパネル数とresource setの数を等しく設定すればよい。また、パネル用識別子がresource set毎に設定されてもよい。パネル用識別子がresource set毎に設定されることで複数のresource setを同じパネルに紐づける事が可能となる。また、パネル用識別子がresource set内のresourceに紐づけられてもよい。この場合、resourceまたはビームを紐づけられたパネルが明確になり、resource set内で複数パネルの運用を管理できる。図32は、実施の形態7にかかる複数パネルを用いた場合のパネル番号、resource setおよびresourceの紐づけの適用例を示す図である。図32では、基地局10-1,10-2では5つのresourceが設定され、端末装置20の2つのパネルそれぞれで2つのresource setが設定されている。例えば、端末装置20から基地局10-1に向けて1つのresource set内に送信用のビームおよび受信用のビームが用意される。図32では、基地局10-1の方向に向く端末装置20からの2つのビームにそれぞれ対応する2つのresourceが1つのresource set内に用意される。また、送信用resourceまたは受信用resourceが、それぞれの基地局10-1のresource番号#2およびresource番号#4に紐づけられる。すなわち、端末装置20の異なるパネルと、基地局10-1の異なる方向に向いたビームとが関連付けられる。図32の例では、resource setの識別子と、基地局10-1の2つのリソース番号とが関連付ける制御情報が、測位を行う機能を備えるサーバーまたは基地局10-1で生成される。なお、下りリンクの参照信号と上りリンクの参照信号との関連付けは、自セル内だけではなく他のセルと行ってもよい。例えば、端末装置20が存在するセルと隣接するセルの基地局10から送信される参照信号が関連付けられてもよい。隣接するセルの基地局10から送信されるビームの方向と、端末装置20のビームの方向とが関連付けられることで、端末装置20は、隣接するセル基地局を用いて測位を行うことができる。このため、他のセルと紐づけられた事を示すため、関連付けられたビーム情報にセル識別子、TRP識別子、または基地局識別子が付加されてもよい。
また、同じresource set内で、異なる用途にビームが用いられてもよい。例えば、前述の通り、SRSの適用方法はUL codebook-based、UL non-codebook-based、UL beam management、およびAntenna switchingに分かれるが、それぞれの適用されるユースケース内で測位用のリソース、すなわちビームを定義してもよい。このときにビームの特長が測位に適した特長となる。例えば、測位用ビームは定期的に送られる設定のみ用意されてもよい。
また、上りリンクにおいて複数のパネルが用いられない場合でも、UEから異なる複数の基地局10に向けてSRSを送信する場合、それぞれの基地局10に対してresource setを設定してもよい。UEが異なる基地局10に対してSRSを送信することで、基地局10間で連携をとり、SRSを受信した時間を比較し、UEの位置の推定が可能となる。
図33は、実施の形態7にかかるUEが異なる基地局10にSRSを送る例を示す図である。図33において、UEは2台の基地局10に対して測位用SRSを送信する必要があり、2つのresource setが設定され、resource set#1は基地局10-1、resource set#2は基地局10-2に対応したresource setとなる。例えば、端末装置20から基地局10-1の方向に向いた送信ビームまたは受信ビームは、基地局10-1のresource番号#4に関連付けられる。このように異なる基地局10にresource setを設定することで、端末装置20は、制御情報の送信に必要なオーバヘッドの削減が可能となる。
なお、PRSを送信するためのポートも設定される。ポートは番号が付与され、1または2ポートまで設定することができる。ポートはresource毎に設定されてもよい。本実施の形態においてポートは論理アンテナを示す。本実施の形態の例において下りリンクに用いられるPRSの例を用いてポートの設定について説明する。例えば2ポートを用いると物理アンテナの2偏波までサポートできる。ポートは、例えば、一方のポートと他方のポートの関係を設定できる。また、ポートは、resourceとQCLとの関係を設定でき、同じ空間情報であることを設定できる。QCLにはTypeA、B、C、Dが設定され、TypeAにはドップラシフト、ドップラスプレッド、平均遅延、遅延分散に関連する情報が含まれる。TypeBにはドップラシフトおよびドップラスプレッドに関連する情報が含まれる。TypeCには平均遅延およびドップラシフトに関連する情報が含まれる。TypeDには受信時に関連する空間情報が含まれる。QCLはPRSのポートまたはリソースに対して設定されてもよい。
ポート間でQCL状態が同じであれば、伝搬する伝搬路の特性がほぼ等しい事を示すので、送信側で同じ送信処理を施せばよい。PRS向けに2ポートを設定した場合、2ポート間で同じまたは異なるQCL状態を設定できる。同じQCL状態を設定する場合、2ポートの間で似た伝送路を伝搬する事となる。また、PRSに設定された2つのポートにそれぞれ異なるQCL状態を設定してもよい。PRSのポートは、SSB、DMRS、PTRS、TRSまたはCSI-RSのポートと紐づけられてもよい。リソースのQCL状態と紐づけられるポートは、SSB、DMRS、PTRS、TRSまたはCSI-RSのポートと紐づけられてもよい。リソースは、SSB、DMRS、PTRS、TRSまたはCSI-RSのポートと紐づけられてもよい。なお、PRS向けのポート設定は下りリンクで用いられるPRSまたは上りリンクにおいて用いられるPRS設定に適用される。
実施の形態8.
上りリンクにおいて測位用に用いられる参照信号が送信される区間内は、他の信号からの干渉がないことが望ましい。また、多数の測位用の上りリンクの参照信号が送信されることで、受信側は受信信号の平均化処理が可能となり、測位精度の改善が可能となる。このため、測位用SRSまたはアップリンクPRSは、定められたスロットに配置されてもよい。ここではSRSを例として用いる。定められたスロットにはSRSのみが配置され、SRSは他の参照信号、データ信号、または制御信号と周波数領域においても多重されない。ここでスロットは、14OFDMシンボルあるいは14DFT-s-OFDMシンボルによって成り立つシンボルを示すが、スロットは、14シンボルよりも少ないシンボルで成り立つ集合を示してもよい。測位用SRSのみが配置されるスロットを設定することで、基地局10側で行う測位の際に他の信号からの干渉が低減される。
なお、スロット内の14シンボルの全てのシンボルはUE向けに測位用SRSとして使われなくてもよい。使わないシンボルは、ほかのUE向けに測位用SRSとして用いられてもよい。図34は実施の形態8にかかる時間領域において多重されたSRSの例を示す図である。図34において、白色のシンボルは使われないシンボルを示す。第2の端末装置20-2向けのSRS resourceにおけるSRSシンボルは、12シンボル目および14シンボル目に配置され、第1の端末装置20-1向けのSRSのSRS resourceは11シンボル目および13シンボル目に配置される。つまり、基地局10は、第1の端末装置20-1向けの参照信号と第2の端末装置20-2向けの参照信号とを、異なるシンボル時間で送信する。
図35は、実施の形態8にかかる周波数領域において多重されるSRSの配置例を示す図である。測位用SRSは複数の端末装置20にそれぞれ対応する複数のSRSが周波数多重されるようにしてもよい。図35において14シンボル目に第1の端末装置20-1と第2の端末装置20-2とのSRSが周波数領域において多重されている。つまり、図35に示した例では、基地局10は、第2の端末装置20-2向けの参照信号と第1の端末装置20-1向けの参照信号とを、同じシンボル時間で多重している。測位用SRSのシンボルの位置はビットの配列として示されてもよい。例えば、図34における第1の端末装置20-1の測位用SRSのシンボルの位置は、00000000001010と示すことができる。このような測位用SRSのシンボルの位置の情報は、測位を行う機能を備えるサーバー、または基地局10から、上位レイヤまたは下位レイヤによって第1の端末装置20-1に通知される。また、端末装置20は、測位用SRSのシンボルの位置の情報をもとに、SRSを送信する。
図36は、実施の形態8にかかる端末装置20から基地局10に向けてSRSのリソースの情報を送信する例を示す図である。本実施の形態では、SRSのリソースの位置を示す情報を、SRSリソース情報と呼ぶ。SRSのリソースは、SRSが配置される周波数領域および時間領域の位置を示す。SRSのリソースは、複数のOFDM、または複数のDFT-s-OFDMシンボル単位に渡って配置されても良いし、1つのOFDMあるいは1つのDFT-s-OFDMシンボル単位で配置されても良い。端末装置20から基地局10に向けてSRSリソース情報を送信する場合、端末装置20からそれぞれのSRSリソース情報を送信する前に、送信するタイミングを決める必要がある。基地局10が端末装置20から送られるSRSの送信間隔を把握することで、平均化処理などSRSの受信信号のSNR(Signal to Noise Ratio)を向上することができる。また、複数の端末装置20からSRSが送信される場合、複数の端末装置20から送信されるSRSがそれぞれ衝突しないように、複数の端末装置20はそれぞれ事前にSRS送信間隔および相対的な送信タイミングをスケジューリングにより設定し、送信スケジュールを把握する必要がある。SRSリソース情報は、例えば、定期的に送信される。なお、図36においてリソース間の間隔をTとして示す。Tの単位はシンボル数、時間であってもよく、Tの単位は例えば、秒でもよい。また、スロット内のリソースの時間および周波数領域における配置は、SRSリソース情報を送信するタイミングを決定することとは関係なく、スロット間の間隔が重要となる。このときに、基地局10は、異なる複数のビームにSRSリソース情報を送信する。この場合、基地局10は、ビームスイープを行う場合もあれば、すでにビームの方向が決まった状態でSRSを送る場合もある。基地局10がビームスイープを行う場合は、各SRSリソース情報を送るビームは候補となるビームである。すでにビームの方向が決まって送る場合は測位用SRSを送る。
図37は、実施の形態8にかかる端末装置20から複数の基地局10に向けてSRSのリソースの情報を送信する例を示す図である。図37に示した例では、基地局10-1、10-2、10-3に向けて別々の測位用SRSスロットが用いられる。なお、図36および図37の例では、一定の間隔にてSRSを送信する例を示したが、各基地局10が把握できるのであれば不定期な間隔でもよい。なお、図37の例においてリソース間の間隔はT’にて示す。T’の単位はシンボル数あるいは時間、例えば、秒であってもよい。
上位レイヤのパラメタであるusageがPositioningである場合、測位用SRSはスロット内でデータや制御チャネルと多重されないことが望ましい。スロット単位で測位用スロットが設定されるので、スロット単位では異なるusageが時間多重されてもよい。このように異なるusageのスロットが多重されることで柔軟な設定が可能となる。なお、測位に用いられるSRSはPRS、アップリンクPRSあるいはuplink PRSと呼ばれることもある。
実施の形態9.
3GPPでは、端末装置20自身で位置情報を導出することが提案されている。しかしながら、従来、端末装置20はLTEにおける測位、例えば、PRSの受信時間の差の導出を行うだけで、端末装置20が自身の位置情報を導出することはできない。このような問題を解決するため、基地局10は端末装置20に対して、基地局10に関する情報である基地局情報を通知するとよい。端末装置20は、基地局10から通知された基地局情報を用いて、端末装置20自身の位置情報を導出する。
基地局情報の例として以下に示す5つが挙げられる。基地局情報の1つ目は、基地局10の識別子である。基地局情報の2つ目は、基地局10の位置に関する情報である。基地局情報の3つ目は、基地局10のビームに関する情報である。基地局情報の4つ目は、基地局10の同期に関する情報である。基地局情報の5つ目は、基地局情報の1つ目から4つ目の情報を組み合わせた情報である。これらの情報は端末装置20による測位用の基地局情報とすることができる。端末装置20は、例えば、1つ目から4つ目の基地局情報のうち少なくともいずれか1つを用いて測位を行う。また、例えば、端末装置20は、基地局情報の1つ目から4つ目の情報を組み合わせた情報を用いて測位を行う。
基地局10の識別子は、たとえば、セル識別子である。または、基地局10の識別子は、TRP識別子であってもよい。基地局10の位置に関する情報は、たとえば、基地局10がGNSS(Global Navigation Satellite System)を用いて導出した位置情報であってもよい。基地局10のビームに関する情報は、たとえば、ビームの識別子、ビーム毎のビーム方向に関する情報などが挙げられる。ビーム毎のビーム方向に関する情報として、ビームの照射角の情報などが挙げられる。ビーム方向に関する情報は、水平方向、垂直方向の情報であってもよい。
基地局10の同期に関する情報は、たとえば、時刻同期がとれている周辺の基地局10の基地局情報などが挙げられる。時刻同期として、DLのフレームタイミングが同じである基地局10は、時刻同期がとれている周辺の基地局10であるとしてもよい。周辺の基地局10の基地局情報は、セル識別子であってもよい。同期がとれている周辺の基地局10のグループを複数設けてもよい。該グループにグループ毎の識別子を設けてもよい。グループの識別子により、どの基地局10と同期がとれているかを認識可能となる。
基地局10が基地局情報を端末装置20に通知する方法について説明する。基地局10は、基地局情報を報知情報に含めて報知する。基地局10は、報知情報をPBCHで送信してもよい。または、基地局10は報知情報をPDSCHで送信してもよい。端末装置20による測位用の基地局情報であることを示す情報を生成し、報知情報を基地局情報であることを示す情報とともに通知してもよい。基地局10は、端末装置20による測位用の基地局情報を示す情報のSIBを生成してもよい。このようにすることで、RRC CONNECTED状態だけでなく、端末装置20がRRC IDLE状態またはRRC INACTIVE状態であっても、基地局情報を取得することが可能となる。RRC CONNECTED状態は、CONNECTED状態と称される場合もある。RRC INACTIVE状態は、INACTIVE状態と称される場合もある。
基地局10は端末装置20に、基地局情報をRRC個別シグナリングで通知してもよい。端末装置20による測位用の基地局情報であることを示す情報を設けて、測位用の基地局情報であることを示す情報とともに基地局情報を通知してもよい。RRC CONNECTED状態に通知された基地局情報をRRC INACTIVE状態で用いるようにしてもよい。端末装置20は、INACTIVE状態移行時、RRC CONNECTED状態に通知された基地局情報を保持しておくことが望ましい。このようにすることで、端末装置20毎の基地局情報を設定可能となる。
基地局10は、周辺の基地局10の基地局情報を、端末装置20に通知してもよい。このようにすることで、端末装置20は基地局10から、周辺の基地局10の基地局情報を得ることが可能となる。ここでは、基地局10の周辺の基地局10を周辺基地局と呼ぶ。基地局10のうちの1つである第1の基地局が送信する、周辺基地局の基地局情報に、第1の基地局の基地局情報を含めてもよい。このようにすることで、端末装置20は第1の基地局から、第1の基地局の周辺基地局の基地局情報を得ることが可能となる。たとえば、端末装置20は第1の基地局から、周辺基地局の基地局情報を取得する。端末装置20による測位用の基地局情報であることを示す情報を周辺基地局の基地局情報とあわせて受信した端末装置20は、取得した周辺基地局の基地局情報を用いて測位を行う。測位は前述の方法を適宜用いてもよいしあるいは従来の方法を適宜用いてもよく、測位の方法は限定されない。端末装置20は、測位を行った周辺基地局毎の基地局情報を用いて、端末装置20自身の位置情報を導出する。たとえば、複数の基地局10の位置情報、ビームの照射角情報などを用いて端末装置20自身の位置情報を導出するとよい。
端末装置20は、受信した基地局10毎の同期に関する情報から、同期がとれている基地局を示す情報を用いて測位を行ってもよい。たとえば、周辺に同期のとれていない基地局10も配置されている場合がある。同期がとれていない基地局10から送信された基地局情報を用いて測位および位置情報の導出を行うと、基地局10間の受信タイミングの差分を正確に導出できなくなり、正確な位置情報を得ることができなくなる。このため、端末装置20は、同期がとれている周辺基地局の基地局情報を用いて測位および位置情報の導出を行うことで、端末装置20自身の正確な位置情報を導出することが可能となる。
また、他の方法として、基地局10は、自基地局の基地局情報を、端末装置20に通知してもよい。このようにすることで、第1の基地局が端末装置20に通知する情報量を削減可能となる。たとえば、基地局10は、自基地局の基地局情報を報知情報に含めて報知する。端末装置20は基地局10の報知情報を受信することで基地局情報を取得する。たとえば、端末装置20は、測位用の基地局情報を受信した基地局10の基地局情報を用いて、測位を行うとしてもよい。たとえば、端末装置20は、基地局情報を取得した第1の基地局および周辺基地局の基地局情報を用いて、測位を行うとしてもよい。端末装置20は、測位を行った基地局10毎の基地局情報を用いて、端末装置20自身の位置情報を導出する。たとえば、複数の基地局10の位置情報、ビームの照射角情報を用いて端末装置20自身の位置情報を導出するとしてもよい。
第1の基地局の基地局情報の中に、同期に関する情報が含まれている場合、端末装置20は、同期がとれている周辺基地局の基地局情報を用いて測位を行ってもよい。同期がとれている周辺基地局の基地局情報を用いて測位および位置情報の導出を行うことで、端末装置20自身の正確な位置情報を導出することが可能となる。
IDLE状態あるいはINACTIVE状態の端末装置20は、基地局10の受信電力が閾値を下回った場合、周辺基地局のサーチを行う。端末装置20は周辺基地局のサーチをセルの再選択の処理として行う。端末装置20は、周辺基地局のサーチを実施する場合に、端末装置20による測位を行ってもよい。周辺基地局のサーチのときに、周辺基地局の報知情報を受信し、端末装置20自身の位置情報を導出してもよい。このようにすることで、端末装置20自身の位置情報を導出可能となる。しかし、このように端末装置20による測位が周辺基地局のサーチの際のみに行われると問題となる場合がある。サービスによっては、端末装置20の位置情報をタイムリーに必要とする場合があるためである。このような問題を解決する方法について説明する。
基地局10は、端末装置20に対して、端末装置20による測位を指示する情報を通知する。たとえば、基地局10は、ページングを用いて測位を指示する情報を端末装置20へ通知してもよい。基地局10は、CONNECTED状態の端末装置20、IDLE状態の端末装置20、またはINACTIVE状態の端末装置20に対して通知するとよい。このようにすることで、たとえば、基地局10は、端末装置20に対して、サービスに適したタイミングで端末装置20による測位を実施させることが可能となる。
ページング情報に、基地局情報が含まれるSIBの情報を含めてもよい。ページング情報に含まれる情報に従って、端末装置20は基地局情報が含まれるSIBを受信し、基地局情報を取得することが可能となる。端末装置20は、該基地局情報を用いて、端末装置20自身の位置情報を導出する。
端末装置20による測位を指示する情報の他の通知方法として、たとえば、基地局10は、RRC個別シグナリングで通知してもよい。基地局10は、基地局10に関する情報を、端末装置20による測位を指示する情報に関連付けて通知してもよい。または、基地局10は、端末装置20による測位の指示を、MACシグナリングで通知してもよい。基地局10は、RRCシグナリングで通知する基地局10に関する情報と関連付けて通知してもよい。または、基地局10は、PDCCHを用いて通知してもよい。基地局10は、端末装置20による測位を指示する情報をRRCシグナリングで通知する基地局10に関する情報と関連付けて通知してもよい。このようにすることで、端末装置20に対して早期に、端末装置20による測位を実施させることが可能となる。
基地局10は、端末装置20に、周期的に端末装置20による測位を実施させるようにしてもよい。例えば、基地局10は端末装置20に端末装置20による測位の周期を示す情報である周期情報を通知する。または、端末装置20による測位の周期はあらかじめ規格等で静的に決められてもよい。または、周期情報は、端末装置20の上位レイヤから下位レイヤに対して設定されてもよい。たとえば、アプリケーションレイヤからNAS(Non Access Stratum)またはAS(Access Stratum)レイヤに周期情報が設定されてもよい。
基地局10から端末装置20に対する、端末装置20による測位に関する周期情報の通知は、基地局10の基地局情報の通知方法を適宜適用してもよい。または、基地局10は、測位に関する周期情報を基地局情報に含めて通知してもよい。他の方法として、基地局10から端末装置20に対する、端末装置20による周期情報の通知は、端末装置20による測位を指示する情報の通知方法を適宜適用してもよい。このようにすることで、端末装置20は、端末装置20による測位を周期的に実施可能となる。
端末装置20は、端末装置20による測位結果を基地局10に通知してもよい。端末装置20は、測位結果として、端末装置20が導出した端末装置20自身の位置情報を含めるとよい。端末装置20は、該結果の通知に、RRCシグナリングを用いるとよい。IDLE状態あるいはINACTIVE状態の端末装置20が端末装置20による測位結果を基地局10に送信する方法として、一旦、CONNECTED状態に移行してから通知する方法とする。端末装置20は、CONNECTED状態に移行することで、RRCシグナリングで基地局10に通知可能となる。
IDLE状態あるいはINACTIVE状態の端末装置20が端末装置20による測位結果を基地局10に送信する他の方法として、端末装置20は、RA(Random Access)処理で通知してもよい。または、端末装置20は、制御プレーン上のデータとして通知してもよい。たとえば、端末装置20は、RRC接続要求に測位結果を含めて通知する。端末装置20は、RRC接続要求が測位結果の通知である情報を含めて通知してもよい。端末装置20から該測位結果を取得した基地局10は、RRC接続処理を停止してもよい。このようにすることで、端末装置20は、RRC接続を確立しなくても、端末装置20による測位結果を基地局10に通知可能となる。端末装置20は、早期に基地局10に端末装置20の測位結果を通知できる。
基地局10は、一つあるいは複数のセルを構成する。たとえば、ビームに関する情報は、セル毎のビームに関する情報であってもよい。前述の基地局10をTRPとしてもよい。たとえば、ビームに関する情報として、TRP毎のビームに関する情報としてもよい。
本実施の形態では、基地局10から端末装置20に対してビームに関する情報を通知したが、LMFが他のノードに設けられるような場合、LMFが設けられたノードが端末装置20に対して通知してもよい。この場合、基地局情報等は、基地局10で追加されて通知されてもよい。または、基地局10が、LMFが設けられたノードに通知してもよい。このようにすることで、LMFから端末装置20による測位を実施させることが可能となる。LMFが基地局10に設けられてもよく、この場合、前述の方法を適用するとよい。
実施の形態10.
端末装置20による測位は複数段階にわたって行われてもよい。例えば、第1段階の測位が、RRC_IDLEまたはRRC_INACTIVE状態であるときの端末装置20によって行われてもよいし、第2段階の測位が、RRC_CONNECTED状態の端末装置20によって行われてもよい。他の例として、第1段階の測位および第2段階の測位が、RRC_IDLEまたはRRC_INACTIVE状態の端末装置20によって行われてもよい。端末装置20が行う測位の複数段階のそれぞれにおいて、測位に用いる基地局10が異なってもよいし、測位の方法が異なってもよいし、測位に用いる信号が異なってもよいし、測位に用いられる基地局10を決める主体が異なってもよい。
例えば、第1段階の測位において、RRC_INACTIVEまたはRRC_IDLE状態の端末装置20を対象とする、SSBを用いた測位が行われてもよい。RRC_INACTIVEあるいはRRC_IDLE状態の端末装置20は、測位に用いられる基地局10を自ら決定してもよい。例えば、端末装置20は、自端末装置において受信可能なSSBを送信する基地局10を、測位に用いる基地局10としてもよい。
LMFは、RRC_INACTIVEまたはRRC_IDLE状態の端末装置20に対して、SSBを用いた測位を行う旨を通知してもよい。SSBを用いた測位を行う旨の通知は、例えば、基地局10を経由して行われてもよい。SSBを用いた測位を行う旨の通知は、例えば、端末装置20がRRC_INACTIVEまたはRRC_IDLE状態に遷移する前の、RRC_CONNECTED状態において行われてもよい。
LMFは、RRC_INACTIVEまたはRRC_IDLE状態の端末装置20に対して、SSBを用いた測位を行う旨を通知してもよい。この通知は、例えば、基地局10を経由して行われてもよい。この通知に含まれる情報として、8つの情報が挙げられる。1つ目の情報は、測位用信号を受信するRRCステートに関する情報である。2つ目の情報は、自端末装置20位置導出の要否に関する情報である。3つ目の情報は、測位に用いられるシステムに関する情報である。4つ目の情報は、測位用信号に関する情報である。5つ目の情報は、測位用信号を受信する回数に関する情報である。6つ目の情報は、測位用信号を受信する周期に関する情報である。7つ目の情報は、基地局10への通知条件に関する情報。8つ目の情報は、1つ目の情報から7つ目の情報を組合せた情報である。端末装置20は、例えば、通知に含まれる1つ目の情報から7つ目の情報のうち少なくともいずれか1つを用いて端末装置20の位置を導出する。また、端末装置20は、例えば、1つ目の情報から7つ目の情報を組合せた情報を用いて端末装置20の位置を導出する。
1つ目の情報に含まれる情報は、例えば、RRC_INACTIVEであってもよいし、RRC_IDLEであってもよいし、前述のうち複数の組合せであってもよい。端末装置20は、1つ目の情報に含まれるRRCステートに遷移した場合において、測位用信号を受信してもよい。このことにより、例えば、端末装置20のRRCステートが変化した場合において測位用信号の受信が可能となる。
2つ目の情報に含まれる情報は、例えば、自端末装置20位置導出を行うことを示す情報であってもよい。端末装置20は、2つ目の情報において自端末装置20位置導出を行うことを示す情報が含まれている場合において、自端末装置の位置を導出するとしてもよい。自端末装置の位置の導出には、例えば、測位に用いられる基地局10からの測位用信号の受信結果が用いられてもよい。端末装置20はLMFに対し、導出結果を通知してもよい。導出結果の通知は、基地局10に対して行われてもよい。端末装置20による該導出結果の通知は、端末装置20がRRC_CONNECTED状態において行われてもよい。
2つ目の情報に含まれる情報に関する他の例として、自端末装置20位置導出を行わないことを示す情報であってもよい。端末装置20は、2つ目の情報に含まれる情報において自端末装置20位置導出を行わないことを示す情報が含まれている場合において、基地局10に対し、測位用信号の受信結果を報告するとしてもよい。端末装置20による測位用信号の受信結果の報告の通知は、端末装置20がRRC_CONNECTED状態において行われてもよい。
3つ目の情報に含まれる情報は、例えば、5Gシステムであってもよいし、LTEシステムであってもよいし、GNSSであってもよいし、Wifi(登録商標)であってもよいし、Bluetooth(登録商標)であってもよいし、他のシステムであってもよい。端末装置20は、3つ目の情報を用いて、測位を行ってもよいし、測位用信号の受信を行ってもよい。このことにより、例えば、端末装置20の測位における柔軟性を向上可能となる。
4つ目の情報に含まれる情報は、例えば、SSBであってもよいし、CSI-RSであってもよいし、DMRSであってもよいし、他のシステムにおいて用いられる信号であってもよい。
5つ目の情報に含まれる情報は、例えば、1回であってもよいし、複数回であってもよい。端末装置20は、5つ目の情報に含まれる回数分、測位用信号の受信の一連の動作を行ってもよい。例えば、複数の回数分、測位用信号の受信の一連の動作を行うことにより、端末装置20がRRC_INACTIVEあるいはRRC_IDLE状態における測位の精度を向上可能となる。
6つ目の情報に含まれる情報は、例えば、ミリ秒単位で指定されてもよいし、無線フレーム単位で指定されてもよいし、あらかじめ、所定の時間と対応付けられたパラメタを用いて指定されてもよい。端末装置20は、該情報を用いて、周期的に測位用信号の受信を行ってもよい。このことにより、例えば、端末装置20の位置が変化する場合においても、通信システムにおいて該端末装置20の位置を捕捉可能となる。
7つ目の情報に含まれる情報は、例えば、異なるRNA(RAN Notification Area)への移動であってもよいし、異なるTA(Tracking Area)への移動であってもよいし、RSSIに関する条件で与えられてもよい。RSSIに関する該条件は、例えば、端末装置20におけるRSSIが所定の値以上あるいは上回ったことであってもよいし、所定の値以下あるいは下回ったことであってもよい。他の例として、端末装置20がRRC_CONNECTED状態において接続していた基地局10からの受信電力と、他の基地局10からの受信電力を用いた条件で与えられてもよい。端末装置20は、該情報を用いて、測位用信号の受信を開始してもよい。このことにより、例えば、通信システムにおいて、端末装置20の位置の変化等を迅速に捕捉可能となり、この結果、例えば、RRC_CONNECTED復帰時において、通信システムにおける安定性を向上可能となる。
IDLEまたはINACTIVE状態における測位に関する他の例として、CSI-RSが用いられてもよい。端末装置20は、複数の基地局10、複数のパネル、またはTRPからCSI-RSを受信してもよい。端末装置20は、該CSI-RSの受信時刻に関する情報を保持してもよい。CSI-RSの受信時刻に関する情報は、例えば、複数の該CSI-RSの受信時刻間の差分であってもよい。CSI-RSを用いることにより、例えば、幅の狭いビームを用いた測位が可能となり、この結果、測位の精度を向上可能となる。基地局10は端末装置20に対して、CSI-RSに関する設定を通知してもよい。基地局10から端末装置20に対する該通知は、端末装置20がRRC_CONNECTEDの状態において行われてもよい。CSI-RSに関する設定には、例えば、CSI-RSを送信する基地局10、DU(Distributed Unit)、TRP、パネルに関する情報などが含まれてもよいし、CSI-RSが送信される周波数、時間、または符号リソースに関する情報が含まれてもよい。パネルに関する情報とは、たとえば、基地局10の識別子、DUの識別子、TRPの識別子、パネルの識別子、位置に関する情報などが挙げられる。
端末装置20は、位置に関する情報を、自端末装置の位置の導出に用いてもよい。このことにより、例えば、端末装置20から基地局10に対する測定結果、たとえばPRSの受信時間の差の送信が不要となり、この結果、基地局10と端末装置20との間におけるシグナリング量を削減可能となるとともに、端末装置20と基地局10との間の通信の再開が不要となる。この結果、通信システムにおける迅速な測位が可能となる。他の例として、基地局10が、CSI-RSの受信時刻に関する情報を用いて端末装置20の位置を導出してもよい。端末装置20は、CSI-RSの受信時刻に関する情報を基地局10に通知してもよい。該通知は、例えば、端末装置20から基地局10に対する測定結果報告に含まれてもよいし、異なるシグナリングに含まれてもよい。基地局10は、CSI-RSの受信時刻に関する情報を用いて、該端末装置20の位置を導出してもよい。このことにより、例えば、端末装置20における位置導出による負荷を削減可能となる。また、SSBと同様、実施の形態1と実施の形態2を組み合わせて用いてもよい。実施の形態1は選ばれたビームから角度情報を得て、距離情報を用いて測位を行う。実施の形態2は複数の送信機から送信される参照信号の受信時間からRSTDを計算し、測位を行う。両方の手法から得られる位置の平均を算出してもよい。また、複数の基地局10を用いて測位を行う場合、一部の基地局10は実施の形態1、その他の基地局10は実施の形態2に記載される手法を用いてもよい。
第2段階において、CSI-RSを用いた測位が行われてもよい。LMFは、第1段階の測位において得られた端末装置20の測位結果を用いて、第2段階の測位において用いられる基地局10を決定してもよい。該基地局10は端末装置20に対し、CSI-RSを送信してもよい。端末装置20は、該CSI-RSを受信してもよい。端末装置20は、該CSI-RSの受信結果を、基地局10に通知してもよい。基地局10は、該受信結果を用いて、端末装置20の位置を求めてもよい。このことにより、例えば、測位の精度を向上しつつ、通信システムにおけるシグナリング量を削減可能となる。
本実施の形態10により、測位の精度を向上可能としつつ、測位の柔軟性を向上可能となる。また、通信システムにおける効率を向上可能となる。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。