JP2018011249A - 通信システム、基地局装置、通信端末装置および通信方法 - Google Patents

通信システム、基地局装置、通信端末装置および通信方法 Download PDF

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正幸 中澤
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    • H04W16/28Cell structures using beam steering

Abstract

【課題】通信端末装置間の干渉を低減して、システム容量を高めるとともに、通信端末装置の移動に伴う通信性能の低下を抑えることができる通信システムおよび通信方法、ならびに前記通信システムを構成する基地局装置および通信端末装置を提供する。【解決手段】通信システムにおいて、基地局1001は、複数のアンテナ素子で構成されるアレーアンテナ部1002を用いて信号の送受信を行う。基地局1001は、アレーアンテナ部1002によって、ビーム幅の異なる複数の指向性ビームを形成可能である。基地局1001は、制御部1003およびビーム幅選択部1009によって、各通信端末から与えられるフィードバック情報に基づいて、各通信端末に対する送受信に用いる指向性ビームのビーム幅を制御する。【選択図】図12

Description

本発明は、移動端末装置などの通信端末装置と基地局装置との間で無線通信を行う通信システムおよび通信方法、ならびに前記通信システムを構成する基地局装置および通信端末装置に関する。
移動体通信システムの規格化団体である3GPP(3rd Generation Partnership Project)において、無線区間についてはロングタームエボリューション(Long Term Evolution:LTE)と称し、コアネットワークおよび無線アクセスネットワーク(以下、まとめて、ネットワークとも称する)を含めたシステム全体構成については、システムアーキテクチャエボリューション(System Architecture Evolution:SAE)と称される通信方式が検討されている(例えば、非特許文献1〜9参照)。この通信方式は3.9G(3.9 Generation)システムとも呼ばれる。
LTEのアクセス方式としては、下り方向はOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)、上り方向はSC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)が用いられる。また、LTEは、W−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)とは異なり、回線交換を含まず、パケット通信方式のみになる。
非特許文献1(5章)に記載される、3GPPでの、LTEシステムにおけるフレーム構成に関する決定事項について、図1を用いて説明する。図1は、LTE方式の通信システムで使用される無線フレームの構成を示す説明図である。図1において、1つの無線フレーム(Radio frame)は10msである。無線フレームは10個の等しい大きさのサブフレーム(Subframe)に分割される。サブフレームは、2個の等しい大きさのスロット(slot)に分割される。無線フレーム毎に1番目および6番目のサブフレームに下り同期信号(Downlink Synchronization Signal)が含まれる。同期信号には、第一同期信号(Primary Synchronization Signal:P−SS)と、第二同期信号(Secondary Synchronization Signal:S−SS)とがある。
3GPPでの、LTEシステムにおけるチャネル構成に関する決定事項が、非特許文献1(5章)に記載されている。CSG(Closed Subscriber Group)セルにおいてもnon−CSGセルと同じチャネル構成が用いられると想定されている。
物理報知チャネル(Physical Broadcast Channel:PBCH)は、基地局装置(以下、単に「基地局」という場合がある)から移動端末装置(以下、単に「移動端末」という場合がある)などの通信端末装置(以下、単に「通信端末」という場合がある)への下り送信用のチャネルである。BCHトランスポートブロック(transport block)は、40ms間隔中の4個のサブフレームにマッピングされる。40msタイミングの明白なシグナリングはない。
物理制御フォーマットインジケータチャネル(Physical Control Format Indicator Channel:PCFICH)は、基地局から通信端末への下り送信用のチャネルである。PCFICHは、PDCCHsのために用いるOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)シンボルの数を、基地局から通信端末へ通知する。PCFICHは、サブフレーム毎に送信される。
物理下り制御チャネル(Physical Downlink Control Channel:PDCCH)は、基地局から通信端末への下り送信用のチャネルである。PDCCHは、後述のトランスポートチャネルの1つである下り共有チャネル(Downlink Shared Channel:DL−SCH)のリソース割り当て(allocation)情報、後述のトランスポートチャネルの1つであるページングチャネル(Paging Channel:PCH)のリソース割り当て(allocation)情報、DL−SCHに関するHARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest)情報を通知する。PDCCHは、上りスケジューリンググラント(Uplink Scheduling Grant)を運ぶ。PDCCHは、上り送信に対する応答信号であるAck(Acknowledgement)/Nack(Negative Acknowledgement)を運ぶ。PDCCHは、L1/L2制御信号とも呼ばれる。
物理下り共有チャネル(Physical Downlink Shared Channel:PDSCH)は、基地局から通信端末への下り送信用のチャネルである。PDSCHには、トランスポートチャネルである下り共有チャネル(DL−SCH)、およびトランスポートチャネルであるPCHがマッピングされている。
物理マルチキャストチャネル(Physical Multicast Channel:PMCH)は、基地局から通信端末への下り送信用のチャネルである。PMCHには、トランスポートチャネルであるマルチキャストチャネル(Multicast Channel:MCH)がマッピングされている。
物理上り制御チャネル(Physical Uplink Control Channel:PUCCH)は、通信端末から基地局への上り送信用のチャネルである。PUCCHは、下り送信に対する応答信号(response signal)であるAck/Nackを運ぶ。PUCCHは、CQI(Channel Quality Indicator)レポートを運ぶ。CQIとは、受信したデータの品質、もしくは通信路品質を示す品質情報である。またPUCCHは、スケジューリングリクエスト(Scheduling Request:SR)を運ぶ。
物理上り共有チャネル(Physical Uplink Shared Channel:PUSCH)は、通信端末から基地局への上り送信用のチャネルである。PUSCHには、トランスポートチャネルの1つである上り共有チャネル(Uplink Shared Channel:UL−SCH)がマッピングされている。
物理HARQインジケータチャネル(Physical Hybrid ARQ Indicator Channel:PHICH)は、基地局から通信端末への下り送信用のチャネルである。PHICHは、上り送信に対する応答信号であるAck/Nackを運ぶ。物理ランダムアクセスチャネル(Physical Random Access Channel:PRACH)は、通信端末から基地局への上り送信用のチャネルである。PRACHは、ランダムアクセスプリアンブル(random access preamble)を運ぶ。
下り参照信号(リファレンスシグナル(Reference Signal):RS)は、LTE方式の通信システムとして既知のシンボルである。以下の5種類の下りリファレンスシグナルが定義されている。セル固有参照信号(Cell-specific Reference Signal:CRS)、MBSFN参照信号(MBSFN Reference Signal)、UE固有参照信号(UE-specific Reference Signal)であるデータ復調用参照信号(Demodulation Reference Signal:DM−RS)、位置決定参照信号(Positioning Reference Signal:PRS)、チャネル状態情報参照信号(Channel State Information Reference Signal:CSI−RS)。通信端末の物理レイヤの測定として、リファレンスシグナルの受信電力(Reference Signal Received Power:RSRP)測定がある。
非特許文献1(5章)に記載されるトランスポートチャネル(Transport channel)について、説明する。下りトランスポートチャネルのうち、報知チャネル(Broadcast Channel:BCH)は、その基地局(セル)のカバレッジ全体に報知される。BCHは、物理報知チャネル(PBCH)にマッピングされる。
下り共有チャネル(Downlink Shared Channel:DL−SCH)には、HARQ(Hybrid ARQ)による再送制御が適用される。DL−SCHは、基地局(セル)のカバレッジ全体への報知が可能である。DL−SCHは、ダイナミックあるいは準静的(Semi-static)なリソース割り当てをサポートする。準静的なリソース割り当ては、パーシステントスケジューリング(Persistent Scheduling)ともいわれる。DL−SCHは、通信端末の低消費電力化のために通信端末の間欠受信(Discontinuous reception:DRX)をサポートする。DL−SCHは、物理下り共有チャネル(PDSCH)へマッピングされる。
ページングチャネル(Paging Channel:PCH)は、通信端末の低消費電力を可能とするために通信端末のDRXをサポートする。PCHは、基地局(セル)のカバレッジ全体への報知が要求される。PCHは、動的にトラフィックに利用できる物理下り共有チャネル(PDSCH)のような物理リソースへマッピングされる。
マルチキャストチャネル(Multicast Channel:MCH)は、基地局(セル)のカバレッジ全体への報知に使用される。MCHは、マルチセル送信におけるMBMS(Multimedia Broadcast Multicast Service)サービス(MTCHとMCCH)のSFN合成をサポートする。MCHは、準静的なリソース割り当てをサポートする。MCHは、PMCHへマッピングされる。
上りトランスポートチャネルのうち、上り共有チャネル(Uplink Shared Channel:UL−SCH)には、HARQ(Hybrid ARQ)による再送制御が適用される。UL−SCHは、ダイナミックあるいは準静的(Semi-static)なリソース割り当てをサポートする。UL−SCHは、物理上り共有チャネル(PUSCH)へマッピングされる。
ランダムアクセスチャネル(Random Access Channel:RACH)は、制御情報に限られている。RACHは、衝突のリスクがある。RACHは、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)へマッピングされる。
HARQについて説明する。HARQとは、自動再送要求(Automatic Repeat reQuest:ARQ)と誤り訂正(Forward Error Correction)との組合せによって、伝送路の通信品質を向上させる技術である。HARQには、通信品質が変化する伝送路に対しても、再送によって誤り訂正が有効に機能するという利点がある。特に、再送にあたって初送の受信結果と再送の受信結果との合成をすることで、更なる品質向上を得ることも可能である。
再送の方法の一例を説明する。受信側にて、受信データが正しくデコードできなかった場合、換言すればCRC(Cyclic Redundancy Check)エラーが発生した場合(CRC=NG)、受信側から送信側へ「Nack」を送信する。「Nack」を受信した送信側は、データを再送する。受信側にて、受信データが正しくデコードできた場合、換言すればCRCエラーが発生しない場合(CRC=OK)、受信側から送信側へ「Ack」を送信する。「Ack」を受信した送信側は次のデータを送信する。
非特許文献1(6章)に記載される論理チャネル(ロジカルチャネル:Logical channel)について、説明する。報知制御チャネル(Broadcast Control Channel:BCCH)は、報知システム制御情報のための下りチャネルである。論理チャネルであるBCCHは、トランスポートチャネルである報知チャネル(BCH)、あるいは下り共有チャネル(DL−SCH)へマッピングされる。
ページング制御チャネル(Paging Control Channel:PCCH)は、ページング情報(Paging Information)およびシステム情報(System Information)の変更を送信するための下りチャネルである。PCCHは、通信端末のセルロケーションをネットワークが知らない場合に用いられる。論理チャネルであるPCCHは、トランスポートチャネルであるページングチャネル(PCH)へマッピングされる。
共有制御チャネル(Common Control Channel:CCCH)は、通信端末と基地局との間の送信制御情報のためのチャネルである。CCCHは、通信端末がネットワークとの間でRRC接続(connection)を有していない場合に用いられる。下り方向では、CCCHは、トランスポートチャネルである下り共有チャネル(DL−SCH)へマッピングされる。上り方向では、CCCHは、トランスポートチャネルである上り共有チャネル(UL−SCH)へマッピングされる。
マルチキャスト制御チャネル(Multicast Control Channel:MCCH)は、1対多の送信のための下りチャネルである。MCCHは、ネットワークから通信端末への1つあるいはいくつかのMTCH用のMBMS制御情報の送信のために用いられる。MCCHは、MBMS受信中の通信端末のみに用いられる。MCCHは、トランスポートチャネルであるマルチキャストチャネル(MCH)へマッピングされる。
個別制御チャネル(Dedicated Control Channel:DCCH)は、1対1にて、通信端末とネットワークとの間の個別制御情報を送信するチャネルである。DCCHは、通信端末がRRC接続(connection)である場合に用いられる。DCCHは、上りでは上り共有チャネル(UL−SCH)へマッピングされ、下りでは下り共有チャネル(DL−SCH)にマッピングされる。
個別トラフィックチャネル(Dedicated Traffic Channel:DTCH)は、ユーザ情報の送信のための個別通信端末への1対1通信のチャネルである。DTCHは、上りおよび下りともに存在する。DTCHは、上りでは上り共有チャネル(UL−SCH)へマッピングされ、下りでは下り共有チャネル(DL−SCH)へマッピングされる。
マルチキャストトラフィックチャネル(Multicast Traffic channel:MTCH)は、ネットワークから通信端末へのトラフィックデータ送信のための下りチャネルである。MTCHは、MBMS受信中の通信端末のみに用いられるチャネルである。MTCHは、マルチキャストチャネル(MCH)へマッピングされる。
CGIとは、セルグローバル識別子(Cell Global Identifier)のことである。ECGIとは、E−UTRANセルグローバル識別子(E-UTRAN Cell Global Identifier)のことである。LTE、後述のLTE−A(Long Term Evolution Advanced)およびUMTS(Universal Mobile Telecommunication System)において、CSG(Closed Subscriber Group)セルが導入される。
CSG(Closed Subscriber Group)セルとは、利用可能な加入者をオペレータが特定しているセル(以下「特定加入者用セル」という場合がある)である。特定された加入者は、PLMN(Public Land Mobile Network)の1つ以上のセルにアクセスすることが許可される。特定された加入者がアクセスを許可されている1つ以上のセルを「CSGセル(CSG cell(s))」と呼ぶ。ただし、PLMNにはアクセス制限がある。
CSGセルは、固有のCSGアイデンティティ(CSG identity:CSG ID;CSG−ID)を報知し、CSGインジケーション(CSG Indication)にて「TRUE」を報知するPLMNの一部である。予め利用登録し、許可された加入者グループのメンバーは、アクセス許可情報であるところのCSG−IDを用いてCSGセルにアクセスする。
CSG−IDは、CSGセルまたはセルによって報知される。LTE方式の通信システムにCSG−IDは複数存在する。そして、CSG−IDは、CSG関連のメンバーのアクセスを容易にするために、通信端末(UE)によって使用される。
通信端末の位置追跡は、1つ以上のセルからなる区域を単位に行われる。位置追跡は、待受け状態であっても通信端末の位置を追跡し、通信端末を呼び出す、換言すれば通信端末が着呼することを可能にするために行われる。この通信端末の位置追跡のための区域をトラッキングエリアと呼ぶ。
3GPPにおいて、Home−NodeB(Home−NB;HNB)、Home−eNodeB(Home−eNB;HeNB)と称される基地局が検討されている。UTRANにおけるHNB、およびE−UTRANにおけるHeNBは、例えば家庭、法人、商業用のアクセスサービス向けの基地局である。非特許文献2には、HeNBおよびHNBへのアクセスの3つの異なるモードが開示されている。具体的には、オープンアクセスモード(Open access mode)と、クローズドアクセスモード(Closed access mode)と、ハイブリッドアクセスモード(Hybrid access mode)とが開示されている。
各々のモードは、以下のような特徴を有する。オープンアクセスモードでは、HeNBおよびHNBは、通常のオペレータのノーマルセルとして操作される。クローズドアクセスモードでは、HeNBおよびHNBは、CSGセルとして操作される。このCSGセルは、CSGメンバーのみアクセス可能なCSGセルである。ハイブリッドアクセスモードでは、HeNBおよびHNBは、非CSGメンバーも同時にアクセス許可されているCSGセルとして操作される。言い換えれば、ハイブリッドアクセスモードのセル(ハイブリッドセルとも称する)は、オープンアクセスモードとクローズドアクセスモードとの両方をサポートするセルである。
3GPPでは、全ての物理セル識別子(Physical Cell Identity:PCI)のうち、CSGセルで使用するためにネットワークによって予約されたPCI範囲がある(非特許文献1 10.5.1.1章参照)。PCI範囲を分割することをPCIスプリットと称することがある。PCIスプリットに関する情報(PCIスプリット情報とも称する)は、システム情報によって基地局から傘下の通信端末に対して報知される。基地局の傘下とは、該基地局をサービングセルとすることを意味する。
非特許文献3は、PCIスプリットを用いた通信端末の基本動作を開示する。PCIスプリット情報を有していない通信端末は、全PCIを用いて、例えば504コード全てを用いて、セルサーチを行う必要がある。これに対して、PCIスプリット情報を有する通信端末は、当該PCIスプリット情報を用いてセルサーチを行うことが可能である。
また3GPPでは、リリース10として、ロングタームエボリューションアドヴァンスド(Long Term Evolution Advanced:LTE−A)の規格策定が進められている(非特許文献4、非特許文献5参照)。LTE−Aは、LTEの無線区間通信方式を基本とし、それにいくつかの新技術を加えて構成される。
LTE−Aシステムでは、100MHzまでのより広い周波数帯域幅(transmission bandwidths)をサポートするために、二つ以上のコンポーネントキャリア(Component Carrier:CC)を集約する(「アグリゲーション(aggregation)する」とも称する)、キャリアアグリゲーション(Carrier Aggregation:CA)が検討されている。
CAが構成される場合、UEはネットワーク(Network:NW)と唯一つのRRC接続(RRC connection)を有する。RRC接続において、一つのサービングセルがNASモビリティ情報とセキュリティ入力を与える。このセルをプライマリセル(Primary Cell:PCell)と呼ぶ。下りリンクで、PCellに対応するキャリアは、下りプライマリコンポーネントキャリア(Downlink Primary Component Carrier:DL PCC)である。上りリンクで、PCellに対応するキャリアは、上りプライマリコンポーネントキャリア(Uplink Primary Component Carrier:UL PCC)である。
UEの能力(ケーパビリティ(capability))に応じて、セカンダリセル(Secondary Cell:SCell)が、PCellとサービングセルの組を形成するために構成される。下りリンクで、SCellに対応するキャリアは、下りセカンダリコンポーネントキャリア(Downlink Secondary Component Carrier:DL SCC)である。上りリンクで、SCellに対応するキャリアは、上りセカンダリコンポーネントキャリア(Uplink Secondary Component Carrier:UL SCC)である。
一つのUEに対して、一つのPCellと、一つ以上のSCellとからなるサービングセルの組が構成される。
また、LTE−Aでの新技術としては、より広い帯域をサポートする技術(Wider bandwidth extension)、および多地点協調送受信(Coordinated Multiple Point transmission and reception:CoMP)技術などがある。3GPPでLTE−Aのために検討されているCoMPについては、非特許文献6に記載されている。
モバイルネットワークのトラフィック量は、増加傾向にあり、通信速度も高速化が進んでいる。LTEおよびLTE−Aが本格的に運用を開始されると、更に通信速度が高速化され、トラフィック量が増加することが見込まれる。
また、スマートフォンおよびタブレット型端末装置の普及によって、セルラー系無線通信によるトラフィック量が爆発的に増加しており、世界中で無線リソースの不足が懸念されている。
トラフィック量の増加の問題に対して、3GPPにおいて、リリース12版の規格書の策定が進められている。リリース12版の規格書では、将来の膨大なトラフィック量に対応するために、スモールeNBを用いることが検討されている。例えば、多数のスモールeNBを設置して、多数のスモールセルを構成することによって、周波数利用効率を高めて、通信容量の増大を図る技術などが検討されている。
その中で、マクロセルとスモールセルとがオーバラップしている場合に、通信端末がマクロセルとスモールセルとの両方に接続する技術として、デュアルコネクティビティ(dual connectivity)が議論されている(非特許文献8参照)。非特許文献8には、マクロセルとスモールセルとがオーバラップしている場合に、通信端末がマクロセルとスモールセルとの両方に接続する技術として、デュアルコネクティビティ(dual connectivity)が開示されている。
さらに、高度化する移動体通信に対して、2020年以降にサービスを開始することをターゲットとした第5世代(以下「5G」という場合がある)無線アクセスシステムが検討されている。例えば、欧州では、METISという団体で5Gの要求事項がまとめられている(非特許文献9参照)。
5G無線アクセスシステムでは、LTEシステムに対して、システム容量は1000倍、データ伝送速度は100倍、データ処理遅延は10分の1(1/10)、通信端末の同時接続数は100倍として、更なる低消費電力化、および装置の低コスト化を実現することが要件として挙げられている。
このような要件を満たすために、周波数を広帯域で使用してデータの伝送容量を増やすことが検討されている。また、周波数利用効率を上げて、データの伝送速度を高めるために、空間多重を可能とする技術、例えば、多素子アンテナを用いたMIMO(Multiple Input Multiple Output)およびビームフォーミングなどの技術が検討されている。
また、無線フォーマットとして、DL/UL比率および制御チャネルなどの配置を動的に切り替えるダイナミックTDD(Time Division Duplex)方式が検討されている。ここで、DL/UL比率とは、上りリンク(UL)の通信量に対する、下りリンク(DL)の通信量の比率である。
3GPP TS 36.300 V11.7.0 3GPP S1−083461 3GPP R2−082899 3GPP TR 36.814 V9.0.0 3GPP TR 36.912 V10.0.0 3GPP TR 36.819 V11.1.0 3GPP TS 36.141 V11.1.0 3GPP TR 36.842 V0.2.0 "Scenarios, requirements and KPIs for 5G mobile and wireless system"、[online]、平成25(2013)年4月30日、ICT−317669−METIS/D1.1、[平成28年6月27日検索]、インターネット<https://www.metis2020.com/documents/deliverables/>
多素子アンテナを備える基地局が指向性ビームを形成することによって、複数の通信端末間の干渉を低減することができ、システム容量を高めることができる。ここで、システム容量とは、通信システムにおいて通信サービスを提供する能力のことである。システム容量は、例えば、通信中の通信端末の個数と、各通信端末における通信速度との積で表される。
指向性ビームのビーム幅をより細く絞ることによって、通信端末間の干渉を更に低減することができる。しかし、ビームの照射範囲が狭くなり過ぎて、移動している通信端末にビームを追従させることが難しくなり、低速移動においても通信性能が急激に劣化してしまうことが起こり得る。
指向性ビームのビーム幅を広くすれば、通信端末の移動に対するビームの追従を容易にすることができるが、通信端末間の干渉を低減する効果は小さくなる。
また、複数の通信端末に対して同時に送信される共通チャネルにおいて、指向性を有するビームを用いると、通信可能な範囲が著しく限定されてしまうという問題がある。
本発明の目的は、通信端末装置間の干渉を低減して、システム容量を高めるとともに、通信端末装置の移動に伴う通信性能の低下を抑えることができる通信システムおよび通信方法、ならびに前記通信システムを構成する基地局装置および通信端末装置を提供することである。
本発明の通信システムは、複数のアンテナ素子で構成される多素子アンテナを用いて信号の送受信を行う基地局装置と、前記基地局装置と無線通信可能な複数の通信端末装置とを備える通信システムであって、前記基地局装置は、前記多素子アンテナによって、ビーム幅の異なる複数の指向性ビームを形成可能であり、各前記通信端末装置から与えられるフィードバック情報に基づいて、各前記通信端末装置に対する送受信に用いる前記指向性ビームのビーム幅を制御することを特徴とする。
本発明の基地局装置は、複数のアンテナ素子で構成される多素子アンテナを用いて信号の送受信を行う基地局装置と、前記基地局装置と無線通信可能な複数の通信端末装置とを備える通信システムを構成する前記基地局装置であって、前記多素子アンテナによって、ビーム幅の異なる複数の指向性ビームを形成可能であり、各前記通信端末装置から与えられるフィードバック情報に基づいて、各前記通信端末装置に対する送受信に用いる前記指向性ビームのビーム幅を制御することを特徴とする。
本発明の通信端末装置は、複数のアンテナ素子で構成される多素子アンテナを用いて信号の送受信を行う基地局装置と、前記基地局装置と無線通信可能な複数の通信端末装置とを備える通信システムを構成する前記通信端末装置であって、前記基地局装置の前記多素子アンテナから送信されるビーム幅の異なる複数の指向性ビームを受信すると、受信した前記指向性ビームに関するフィードバック情報を、前記基地局装置に送信することを特徴とする。
本発明の通信方法は、複数のアンテナ素子で構成される多素子アンテナを用いて信号の送受信を行う基地局装置と複数の通信端末装置との間で無線通信を行う通信方法であって、前記基地局装置は、前記多素子アンテナによって、ビーム幅の異なる複数の指向性ビームを形成するとき、各前記通信端末装置から与えられるフィードバック情報に基づいて、各前記通信端末装置に対する送受信に用いる前記指向性ビームのビーム幅を制御することを特徴とする。
本発明の通信システムによれば、基地局装置の複数のアンテナ素子で構成される多素子アンテナによって、ビーム幅の異なる複数の指向性ビームが形成される。この指向性ビームを用いて、複数の通信端末装置との間で、信号の送受信が行われる。各通信端末装置から与えられるフィードバック情報に基づいて、基地局装置によって、各通信端末装置に対する送受信に用いられる指向性ビームのビーム幅が制御される。これによって、通信端末装置間の干渉を低減して、システム容量を高めるとともに、通信端末装置の移動に伴う通信性能の低下を抑えることができる。
本発明の基地局装置によれば、複数のアンテナ素子で構成される多素子アンテナによって、ビーム幅の異なる複数の指向性ビームが形成される。この指向性ビームを用いて、複数の通信端末装置との間で、信号の送受信が行われる。各通信端末装置から与えられるフィードバック情報に基づいて、各通信端末装置に対する送受信に用いられる指向性ビームのビーム幅が制御される。これによって、通信端末装置間の干渉を低減して、システム容量を高めるとともに、通信端末装置の移動に伴う通信性能の低下を抑えることができる。
本発明の通信端末装置によれば、基地局装置の多素子アンテナから送信されるビーム幅の異なる複数の指向性ビームが受信されると、受信された指向性ビームに関するフィードバック情報が基地局装置に送信される。これによって、基地局装置は、各通信端末装置から与えられるフィードバック情報に基づいて、各通信端末装置に対する送受信に用いる指向性ビームのビーム幅を制御することができる。したがって、通信端末装置間の干渉を低減して、システム容量を高めるとともに、通信端末装置の移動に伴う通信性能の低下を抑えることができる。
本発明の通信方法によれば、基地局装置の複数のアンテナ素子で構成される多素子アンテナによって、ビーム幅の異なる複数の指向性ビームが形成される。この指向性ビームを用いて、複数の通信端末装置との間で、信号の送受信が行われる。各通信端末装置から与えられるフィードバック情報に基づいて、基地局装置によって、各通信端末装置に対する送受信に用いられる指向性ビームのビーム幅が制御される。これによって、通信端末装置間の干渉を低減して、システム容量を高めるとともに、通信端末装置の移動に伴う通信性能の低下を抑えることができる。
LTE方式の通信システムで使用される無線フレームの構成を示す説明図である。 3GPPにおいて議論されているLTE方式の通信システム200の全体的な構成を示すブロック図である。 本発明に係る通信端末である図2に示す移動端末202の構成を示すブロック図である。 本発明に係る基地局である図2に示す基地局203の構成を示すブロック図である。 本発明に係るMMEの構成を示すブロック図である。 LTE方式の通信システムにおいて通信端末(UE)が行うセルサーチから待ち受け動作までの概略を示すフローチャートである。 マクロeNBとスモールeNBとが混在する場合のセルの構成の概念を示す図である。 従来の多素子アンテナを用いた基地局によって形成される指向性ビームの一例を示す図である。 チャネルの送信に用いられる指向性ビームの例を示す図である。 チャネルの送信に用いられる指向性ビームの例を示す図である。 チャネルの送信に用いられる指向性ビームの例を示す図である。 本発明の実施の形態1の通信システムにおける基地局1001の構成を示すブロック図である。 アレーアンテナ部1002でビームの形成に使用されるアンテナ素子を示す図である。 アレーアンテナ部1002でビームの形成に使用されるアンテナ素子を示す図である。 アレーアンテナ部1002でビームの形成に使用されるアンテナ素子を示す図である。 アレーアンテナ部1002でビームの形成に使用されるアンテナ素子を示す図である。 アレーアンテナ部1002でビームの形成に使用されるアンテナ素子を示す図である。 多素子アンテナから送信されるビームのメインビームからの角度と動作利得との関係を示す図である。 複数の通信端末と基地局との通信に用いられる異なるビーム幅のビームの例を示す図である。 定常的静止状態の通信端末と基地局とのPDSCH送信処理に関するシーケンスの一例を示す図である。 低速移動中の通信端末と基地局とのPDSCH送信処理に関するシーケンスの一例を示す図である。 本発明の実施の形態2における通信システムの構成を示す図である。
実施の形態1.
図2は、3GPPにおいて議論されているLTE方式の通信システム200の全体的な構成を示すブロック図である。図2について説明する。無線アクセスネットワークは、E−UTRAN(Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network)201と称される。通信端末装置である移動端末装置(以下「移動端末(User Equipment:UE)」という)202は、基地局装置(以下「基地局(E-UTRAN NodeB:eNB)」という)203と無線通信可能であり、無線通信で信号の送受信を行う。
ここで、「通信端末装置」とは、移動可能な携帯電話端末装置などの移動端末装置だけでなく、センサなどの移動しないデバイスも含んでいる。以下の説明では、「通信端末装置」を、単に「通信端末」という場合がある。
移動端末202に対する制御プロトコル、例えばRRC(Radio Resource Control)と、ユーザプレイン、例えばPDCP(Packet Data Convergence Protocol)、RLC(Radio Link Control)、MAC(Medium Access Control)、PHY(Physical layer)とが基地局203で終端するならば、E−UTRANは1つあるいは複数の基地局203によって構成される。
移動端末202と基地局203との間の制御プロトコルRRC(Radio Resource Control)は、報知(Broadcast)、ページング(paging)、RRC接続マネージメント(RRC connection management)などを行う。RRCにおける基地局203と移動端末202との状態として、RRC_IDLEと、RRC_CONNECTEDとがある。
RRC_IDLEでは、PLMN(Public Land Mobile Network)選択、システム情報(System Information:SI)の報知、ページング(paging)、セル再選択(cell re-selection)、モビリティなどが行われる。RRC_CONNECTEDでは、移動端末はRRC接続(connection)を有し、ネットワークとのデータの送受信を行うことができる。またRRC_CONNECTEDでは、ハンドオーバ(Handover:HO)、隣接セル(Neighbour cell)の測定(メジャメント(measurement))などが行われる。
基地局203は、eNB207と、Home−eNB206とに分類される。通信システム200は、複数のeNB207を含むeNB群203−1と、複数のHome−eNB206を含むHome−eNB群203−2とを備える。またコアネットワークであるEPC(Evolved Packet Core)と、無線アクセスネットワークであるE−UTRAN201とで構成されるシステムは、EPS(Evolved Packet System)と称される。コアネットワークであるEPCと、無線アクセスネットワークであるE−UTRAN201とを合わせて、「ネットワーク」という場合がある。
eNB207は、移動管理エンティティ(Mobility Management Entity:MME)、あるいはS−GW(Serving Gateway)、あるいはMMEおよびS−GWを含むMME/S−GW部(以下「MME部」という場合がある)204とS1インタフェースにより接続され、eNB207とMME部204との間で制御情報が通信される。一つのeNB207に対して、複数のMME部204が接続されてもよい。eNB207間は、X2インタフェースにより接続され、eNB207間で制御情報が通信される。
Home−eNB206は、MME部204とS1インタフェースにより接続され、Home−eNB206とMME部204との間で制御情報が通信される。一つのMME部204に対して、複数のHome−eNB206が接続される。あるいは、Home−eNB206は、HeNBGW(Home-eNB GateWay)205を介してMME部204と接続される。Home−eNB206とHeNBGW205とは、S1インタフェースにより接続され、HeNBGW205とMME部204とはS1インタフェースを介して接続される。
一つまたは複数のHome−eNB206が一つのHeNBGW205と接続され、S1インタフェースを通して情報が通信される。HeNBGW205は、一つまたは複数のMME部204と接続され、S1インタフェースを通して情報が通信される。
MME部204およびHeNBGW205は、上位装置、具体的には上位ノードであり、基地局であるeNB207およびHome−eNB206と、移動端末(UE)202との接続を制御する。MME部204は、コアネットワークであるEPCを構成する。基地局203およびHeNBGW205は、E−UTRAN201を構成する。
さらに3GPPでは、以下のような構成が検討されている。Home−eNB206間のX2インタフェースはサポートされる。すなわち、Home−eNB206間は、X2インタフェースにより接続され、Home−eNB206間で制御情報が通信される。MME部204からは、HeNBGW205はHome−eNB206として見える。Home−eNB206からは、HeNBGW205はMME部204として見える。
Home−eNB206が、HeNBGW205を介してMME部204に接続される場合および直接MME部204に接続される場合のいずれの場合も、Home−eNB206とMME部204との間のインタフェースは、S1インタフェースで同じである。
基地局203は、1つのセルを構成してもよいし、複数のセルを構成してもよい。各セルは、移動端末202と通信可能な範囲であるカバレッジとして予め定める範囲を有し、カバレッジ内で移動端末202と無線通信を行う。1つの基地局203が複数のセルを構成する場合、1つ1つのセルが、移動端末202と通信可能に構成される。
図3は、本発明に係る通信端末である図2に示す移動端末202の構成を示すブロック図である。図3に示す移動端末202の送信処理を説明する。まず、プロトコル処理部301からの制御データ、およびアプリケーション部302からのユーザデータが、送信データバッファ部303へ保存される。送信データバッファ部303に保存されたデータは、エンコーダー部304へ渡され、誤り訂正などのエンコード処理が施される。エンコード処理を施さずに、送信データバッファ部303から変調部305へ直接出力されるデータが存在してもよい。エンコーダー部304でエンコード処理されたデータは、変調部305にて変調処理が行われる。変調されたデータは、ベースバンド信号に変換された後、周波数変換部306へ出力され、無線送信周波数に変換される。その後、アンテナ307から基地局203に送信信号が送信される。
また、移動端末202の受信処理は、以下のように実行される。基地局203からの無線信号がアンテナ307により受信される。受信信号は、周波数変換部306にて無線受信周波数からベースバンド信号に変換され、復調部308において復調処理が行われる。復調後のデータは、デコーダー部309へ渡され、誤り訂正などのデコード処理が行われる。デコードされたデータのうち、制御データはプロトコル処理部301へ渡され、ユーザデータはアプリケーション部302へ渡される。移動端末202の一連の処理は、制御部310によって制御される。よって制御部310は、図3では省略しているが、各部301〜309と接続している。
図4は、本発明に係る基地局である図2に示す基地局203の構成を示すブロック図である。図4に示す基地局203の送信処理を説明する。EPC通信部401は、基地局203とEPC(MME部204など)、HeNBGW205などとの間のデータの送受信を行う。他基地局通信部402は、他の基地局との間のデータの送受信を行う。EPC通信部401および他基地局通信部402は、それぞれプロトコル処理部403と情報の受け渡しを行う。プロトコル処理部403からの制御データ、ならびにEPC通信部401および他基地局通信部402からのユーザデータおよび制御データは、送信データバッファ部404へ保存される。
送信データバッファ部404に保存されたデータは、エンコーダー部405へ渡され、誤り訂正などのエンコード処理が施される。エンコード処理を施さずに、送信データバッファ部404から変調部406へ直接出力されるデータが存在してもよい。エンコードされたデータは、変調部406にて変調処理が行われる。変調されたデータは、ベースバンド信号に変換された後、周波数変換部407へ出力され、無線送信周波数に変換される。その後、アンテナ408より一つもしくは複数の移動端末202に対して送信信号が送信される。
また、基地局203の受信処理は以下のように実行される。一つもしくは複数の移動端末202からの無線信号が、アンテナ408により受信される。受信信号は、周波数変換部407にて無線受信周波数からベースバンド信号に変換され、復調部409で復調処理が行われる。復調されたデータは、デコーダー部410へ渡され、誤り訂正などのデコード処理が行われる。デコードされたデータのうち、制御データはプロトコル処理部403あるいはEPC通信部401、他基地局通信部402へ渡され、ユーザデータはEPC通信部401および他基地局通信部402へ渡される。基地局203の一連の処理は、制御部411によって制御される。よって制御部411は、図4では省略しているが、各部401〜410と接続している。
図5は、本発明に係るMMEの構成を示すブロック図である。図5では、前述の図2に示すMME部204に含まれるMME204aの構成を示す。PDN GW通信部501は、MME204aとPDN GWとの間のデータの送受信を行う。基地局通信部502は、MME204aと基地局203との間のS1インタフェースによるデータの送受信を行う。PDN GWから受信したデータがユーザデータであった場合、ユーザデータは、PDN GW通信部501から、ユーザプレイン通信部503経由で基地局通信部502に渡され、1つあるいは複数の基地局203へ送信される。基地局203から受信したデータがユーザデータであった場合、ユーザデータは、基地局通信部502から、ユーザプレイン通信部503経由でPDN GW通信部501に渡され、PDN GWへ送信される。
PDN GWから受信したデータが制御データであった場合、制御データは、PDN GW通信部501から制御プレイン制御部505へ渡される。基地局203から受信したデータが制御データであった場合、制御データは、基地局通信部502から制御プレイン制御部505へ渡される。
HeNBGW通信部504は、HeNBGW205が存在する場合に設けられ、情報種別によって、MME204aとHeNBGW205との間のインタフェース(IF)によるデータの送受信を行う。HeNBGW通信部504から受信した制御データは、HeNBGW通信部504から制御プレイン制御部505へ渡される。制御プレイン制御部505での処理の結果は、PDN GW通信部501経由でPDN GWへ送信される。また、制御プレイン制御部505で処理された結果は、基地局通信部502経由でS1インタフェースにより1つあるいは複数の基地局203へ送信され、またHeNBGW通信部504経由で1つあるいは複数のHeNBGW205へ送信される。
制御プレイン制御部505には、NASセキュリティ部505−1、SAEベアラコントロール部505−2、アイドルステート(Idle State)モビリティ管理部505−3などが含まれ、制御プレインに対する処理全般を行う。NASセキュリティ部505−1は、NAS(Non-Access Stratum)メッセージのセキュリティなどを行う。SAEベアラコントロール部505−2は、SAE(System Architecture Evolution)のベアラの管理などを行う。アイドルステートモビリティ管理部505−3は、待受け状態(アイドルステート(Idle State);LTE−IDLE状態、または、単にアイドルとも称される)のモビリティ管理、待受け状態時のページング信号の生成および制御、傘下の1つあるいは複数の移動端末202のトラッキングエリアの追加、削除、更新、検索、トラッキングエリアリスト管理などを行う。
MME204aは、1つまたは複数の基地局203に対して、ページング信号の分配を行う。また、MME204aは、待受け状態(Idle State)のモビリティ制御(Mobility control)を行う。MME204aは、移動端末が待ち受け状態のとき、および、アクティブ状態(Active State)のときに、トラッキングエリア(Tracking Area)リストの管理を行う。MME204aは、UEが登録されている(registered)追跡領域(トラッキングエリア:Tracking Area)に属するセルへ、ページングメッセージを送信することで、ページングプロトコルに着手する。MME204aに接続されるHome−eNB206のCSGの管理およびCSG−IDの管理、そしてホワイトリスト管理は、アイドルステートモビリティ管理部505−3で行われてもよい。
次に通信システムにおけるセルサーチ方法の一例を示す。図6は、LTE方式の通信システムにおいて通信端末(UE)が行うセルサーチから待ち受け動作までの概略を示すフローチャートである。通信端末は、セルサーチを開始すると、ステップST601で、周辺の基地局から送信される第一同期信号(P−SS)、および第二同期信号(S−SS)を用いて、スロットタイミング、フレームタイミングの同期をとる。
P−SSとS−SSとを合わせて、同期信号(Synchronization Signal:SS)という。同期信号(SS)には、セル毎に割り当てられたPCIに1対1に対応するシンクロナイゼーションコードが割り当てられている。PCIの数は504通りが検討されている。この504通りのPCIを用いて同期をとるとともに、同期がとれたセルのPCIを検出(特定)する。
次に同期がとれたセルに対して、ステップST602で、基地局からセル毎に送信される参照信号(リファレンスシグナル:RS)であるセル固有参照信号(Cell-specific Reference Signal:CRS)を検出し、RSの受信電力(Reference Signal Received Power:RSRP)の測定を行う。参照信号(RS)には、PCIと1対1に対応したコードが用いられている。そのコードで相関をとることによって他セルと分離できる。ステップST1で特定したPCIから、該セルのRS用のコードを導出することによって、RSを検出し、RSの受信電力を測定することが可能となる。
次にステップST603で、ステップST602までで検出された一つ以上のセルの中から、RSの受信品質が最もよいセル、例えば、RSの受信電力が最も高いセル、つまりベストセルを選択する。
次にステップST604で、ベストセルのPBCHを受信して、報知情報であるBCCHを得る。PBCH上のBCCHには、セル構成情報が含まれるMIB(Master Information Block)がマッピングされる。したがって、PBCHを受信してBCCHを得ることで、MIBが得られる。MIBの情報としては、例えば、DL(ダウンリンク)システム帯域幅(送信帯域幅設定(transmission bandwidth configuration:dl-bandwidth)とも呼ばれる)、送信アンテナ数、SFN(System Frame Number)などがある。
次にステップST605で、MIBのセル構成情報をもとに該セルのDL−SCHを受信して、報知情報BCCHの中のSIB(System Information Block)1を得る。SIB1には、該セルへのアクセスに関する情報、セルセレクションに関する情報、他のSIB(SIBk;k≧2の整数)のスケジューリング情報が含まれる。また、SIB1には、トラッキングエリアコード(Tracking Area Code:TAC)が含まれる。
次にステップST606で、通信端末は、ステップST605で受信したSIB1のTACと、通信端末が既に保有しているトラッキングエリアリスト内のトラッキングエリア識別子(Tracking Area Identity:TAI)のTAC部分とを比較する。トラッキングエリアリストは、TAIリスト(TAI list)とも称される。TAIはトラッキングエリアを識別するための識別情報であり、MCC(Mobile Country Code)と、MNC(Mobile Network Code)と、TAC(Tracking Area Code)とによって構成される。MCCは国コードである。MNCはネットワークコードである。TACはトラッキングエリアのコード番号である。
通信端末は、ステップST606で比較した結果、ステップST605で受信したTACがトラッキングエリアリスト内に含まれるTACと同じならば、該セルで待ち受け動作に入る。比較して、ステップST605で受信したTACがトラッキングエリアリスト内に含まれなければ、通信端末は、該セルを通して、MMEなどが含まれるコアネットワーク(Core Network,EPC)へ、TAU(Tracking Area Update)を行うためにトラッキングエリアの変更を要求する。
コアネットワークを構成する装置(以下「コアネットワーク側装置」という場合がある)は、TAU要求信号とともに通信端末から送られてくる該通信端末の識別番号(UE−IDなど)をもとに、トラッキングエリアリストの更新を行う。コアネットワーク側装置は、通信端末に更新後のトラッキングエリアリストを送信する。通信端末は、受信したトラッキングエリアリストに基づいて、通信端末が保有するTACリストを書き換える(更新する)。その後、通信端末は、該セルで待ち受け動作に入る。
スマートフォンおよびタブレット型端末装置の普及によって、セルラー系無線通信によるトラフィックが爆発的に増大しており、世界中で無線リソースの不足が懸念されている。これに対応して周波数利用効率を高めるために、小セル化し、空間分離を進めることが検討されている。
従来のセルの構成では、eNBによって構成されるセルは、比較的広い範囲のカバレッジを有する。従来は、複数のeNBによって構成される複数のセルの比較的広い範囲のカバレッジによって、あるエリアを覆うように、セルが構成されている。
小セル化された場合、eNBによって構成されるセルは、従来のeNBによって構成されるセルのカバレッジに比べて範囲が狭いカバレッジを有する。したがって、従来と同様に、あるエリアを覆うためには、従来のeNBに比べて、多数の小セル化されたeNBが必要となる。
以下の説明では、従来のeNBによって構成されるセルのように、カバレッジが比較的大きいセルを「マクロセル」といい、マクロセルを構成するeNBを「マクロeNB」という。また、小セル化されたセルのように、カバレッジが比較的小さいセルを「スモールセル」といい、スモールセルを構成するeNBを「スモールeNB」という。
マクロeNBは、例えば、非特許文献7に記載される「ワイドエリア基地局(Wide Area Base Station)」であってもよい。
スモールeNBは、例えば、ローパワーノード、ローカルエリアノード、ホットスポットなどであってもよい。また、スモールeNBは、ピコセルを構成するピコeNB、フェムトセルを構成するフェムトeNB、HeNB、RRH(Remote Radio Head)、RRU(Remote Radio Unit)、RRE(Remote Radio Equipment)またはRN(Relay Node)であってもよい。また、スモールeNBは、非特許文献7に記載される「ローカルエリア基地局(Local Area Base Station)」または「ホーム基地局(Home Base Station)」であってもよい。
図7は、マクロeNBとスモールeNBとが混在する場合のセルの構成の概念を示す図である。マクロeNBによって構成されるマクロセルは、比較的広い範囲のカバレッジ701を有する。スモールeNBによって構成されるスモールセルは、マクロeNB(マクロセル)のカバレッジ701に比べて範囲が小さいカバレッジ702を有する。
複数のeNBが混在する場合、あるeNBによって構成されるセルのカバレッジが、他のeNBによって構成されるセルのカバレッジ内に含まれる場合がある。図7に示すセルの構成では、参照符号「704」または「705」で示されるように、スモールeNBによって構成されるスモールセルのカバレッジ702が、マクロeNBによって構成されるマクロセルのカバレッジ701内に含まれる場合がある。
また、参照符号「705」で示されるように、複数、例えば2つのスモールセルのカバレッジ702が、1つのマクロセルのカバレッジ701内に含まれる場合もある。移動端末(UE)703は、例えばスモールセルのカバレッジ702内に含まれ、スモールセルを介して通信を行う。
また図7に示すセルの構成では、参照符号「706」で示されるように、マクロeNBによって構成されるマクロセルのカバレッジ701と、スモールeNBによって構成されるスモールセルのカバレッジ702とが複雑に重複する場合が生じる。
また、参照符号「707」で示されるように、マクロeNBによって構成されるマクロセルのカバレッジ701と、スモールeNBによって構成されるスモールセルのカバレッジ702とが重複しない場合も生じる。
さらには、参照符号「708」で示されるように、多数のスモールeNBによって構成される多数のスモールセルのカバレッジ702が、1つのマクロeNBによって構成される1つのマクロセルのカバレッジ701内に構成される場合も生じる。
図8は、従来の多素子アンテナを用いた基地局によって形成される指向性ビームの一例を示す図である。基地局801は、複数のアンテナ素子から成る多素子アンテナ802を備えて構成される。
多素子アンテナ802は、M×N個のアンテナ素子から成る平面アレーアンテナで構成される。ここで、M,Nは自然数である。多素子アンテナ802は、各アンテナ素子の位相を制御して合成することによって、水平方向および垂直方向に対して指向性ビーム803,804を形成することができる。
従来の多素子アンテナ802を用いた基地局801では、各通信端末805,806に対して、細く絞られた指向性ビーム803,804を用いて通信が行われる。これによって、ユーザ間が空間的に分離され、ユーザ間干渉が低減されたマルチユーザMIMOによる通信を実現することができる。
図9〜図11は、チャネルの送信に用いられる指向性ビームの例を示す図である。例えば、図9に示すように、基地局901の多素子アンテナ902によって照射される、細く絞られた指向性ビーム903が、通信端末904へのPDSCHの送信に用いられる場合、通信端末904間の干渉を十分に低減することができる。
通信端末904が矢符方向に移動中の場合、基地局901は、通信端末904からのフィードバック情報を基に、移動中の通信端末904の追従を行う必要がある。
図9に示すように、細く絞られた指向性ビーム903が用いられている場合、例えば通信端末904が矢符方向に移動して2点鎖線の位置に来たときに、ビーム903が容易に通信端末904の受信アンテナから外れてしまい、急激にスループットが低下する事態が起こり得る。
これに対し、図10に示すように、基地局905の多素子アンテナ906によって照射される、広いビーム幅の指向性ビーム907を、通信端末908へのPDSCHの送信に用いた場合、移動中の通信端末908の受信アンテナからビーム907が外れにくくなり、安定した動作が期待できる。しかし、通信端末908間の干渉を低減する効果は薄れてくる。
また図11に示すように、基地局909の多素子アンテナ910によって照射される指向性ビーム910が、PDCCHの送信に用いられる場合、PDCCHは、セル内の複数のユーザの情報、例えば図11に示す通信端末911〜914の情報が多重されている。またPBCHのような共通チャネルは、セル内の全ユーザ、例えば図11に示す通信端末911〜914に送信される。
このような共通チャネルの場合に、指向性ビーム910を使用して送信すると、第2の通信端末912および第3の通信端末913のように、共通チャネルを受信できない通信端末912,913が多く発生し、通信可能な範囲であるセルエリアを著しく狭めてしまうことになる。
以上のような問題を解決するために、本発明の実施の形態1では、以下の構成を採用している。
図12は、本発明の実施の形態1の通信システムにおける基地局1001の構成を示すブロック図である。基地局1001は、アレーアンテナ部1002、制御部1003、変調部1004、D/A(Digital/Analog)変換部1005、復調部1006、A/D(Analog/Digital)変換部1007、周波数変換部1008およびビーム幅選択部1009を備えて構成される。アレーアンテナ部1002は、多素子アンテナに相当する。
図12に示す基地局1001の送信処理は、以下のように実行される。制御部1003は、送信データを変調部1004に与える。変調部1004は、制御部1003から与えられた送信信号を変調して、D/A変換部1005に与える。D/A変換部1005は、変調部1004から与えられた送信信号を、ディジタル信号からアナログ信号に変換して、周波数変換部1008に与える。
周波数変換部1008は、D/A変換部1005から与えられた信号を、所望の搬送波にアップコンバートして、アレーアンテナ部1002に与える。アレーアンテナ部1002は、周波数変換部1008から与えられた信号が、複数のアンテナ素子から通信端末に送信される。
また、基地局1001の受信処理は以下のように実行される。一つもしくは複数の通信端末からの無線信号が、アレーアンテナ部1002の複数のアンテナ素子によって受信される。アレーアンテナ部1002は、受信信号を周波数変換部1008に与える。周波数変換部1008は、アレーアンテナ部1002から与えられた信号をダウンコンバートして、A/D変換部1007に与える。
A/D変換部1007は、周波数変換部1008から与えられた信号を、アナログ信号からディジタル信号に変換して、復調部1006に与える。復調部1006は、A/D変換部1007から与えられた信号を復調する。復調部1006によって復調された信号は、制御部1003に与えられるとともに、ビーム幅選択部1009に与えられる。
復調部1006からビーム幅選択部1009に与えられる信号には、通信端末からのフィードバック情報であるビーム幅インジケータ(Beam Width Indicator;略称:BWI)が含まれている。制御部1003は、チャネル情報をビーム幅選択部1009に与える。
ビーム幅選択部1009は、復調部1006から与えられる信号に含まれるBWIと、制御部1003から与えられるチャネル情報とに基づいて、最適なビーム幅を選択する。BWIは、水平方向のビーム幅と垂直方向のビーム幅とを独立に制御できる2次元のビーム幅情報であってもよい。ビーム幅選択部1009は、選択したビーム幅に関する情報をアレーアンテナ部1002に与える。
アレーアンテナ部1002は、ビーム幅選択部1009から与えられたビーム幅に関する情報に基づいて、指向性ビームを形成する。指向性ビームを形成する方法としては、D/A変換前のディジタル信号で位相を制御するディジタルビームフォーミング、およびD/A変換後のアナログ信号で位相を制御するアナログビームフォーミングなどの方法がある。本実施の形態では、ビームの形成方法の種類は問わない。
本実施の形態では、異なるビーム幅を実現するために、図12で示すようにアレーアンテナ部1002でビームの形成に使用するアンテナ素子の個数を制御する。使用するアンテナ素子の個数が多いほど、合成する波の数が多くなり、そこから形成されるビームは、シャープで細く絞られたビームとなる。
反対に、使用するアンテナ素子の個数が少ないほど、粗く広いビームとなる。最終的に1アンテナ素子のみから送信すれば、指向性は完全に無くなり、最も広範囲に送信することができる。
図13〜図17は、アレーアンテナ部1002でビームの形成に使用されるアンテナ素子を示す図である。図13〜図17において、X,Y,Zの各方向は、それぞれ、互いに直交する。ビームの照射方向であるZ方向に直交するX方向およびY方向のうち、X方向であるEL方向を縦軸として示し、Y方向であるAZ方向を横軸として示す。図13は、最も狭いビーム幅のビームの形成に使用されるアンテナ素子を示す図である。図14は、図13のビームよりも一回り広いビーム幅のビームの形成に使用されるアンテナ素子を示す図である。図15は、図14のビームよりもさらに一回り広いビーム幅のビームの形成に使用されるアンテナ素子を示す図である。図17は、最も広いビーム幅のビームの形成に使用されるアンテナ素子を示す図である。図16は、図17のビームよりも一回り狭いビームの形成に使用されるアンテナ素子を示す図である。図13〜図17の順に、ビームの形成に使用されるアンテナ素子の数は少なくなる。
図13〜図17の例では、16×16の256素子の平面アレーアンテナの場合を示している。ビーム幅を最も細くしたい場合は、図13に示すように、256個すべてのアンテナ素子を使用する。次に細いビーム幅として、図14に示すように、中心の14×14の196個のアンテナ素子を使用し、外側の60個のアンテナ素子を未使用とする。次に細いビーム幅として、図15に示すように、中心の12×12の144個のアンテナ素子を使用し、外側の112個のアンテナ素子を未使用とする。
このように、使用するアンテナ素子の個数を徐々に減らしていく。最終的に、図17に示すように1個のアンテナ素子だけを使用するときに指向性が無くなり、最も広いビーム幅となる。使用するアンテナ素子を間引く方法は、図13〜図17に示す例以外の方法でもよい。
また、基地局1001でアレーアンテナ部1002を使用して受信する場合も、送信する場合と同様に、指向性のある受信ビームを形成することができる。この場合も、アンテナ素子の個数を制御することによって、ビーム幅を可変とすることができる。
このように、使用するアンテナ素子の個数は変化するが、総送信電力が一定となるように、1アンテナあたりの送信電力を制御してもよい。
図18は、多素子アンテナから送信されるビームのメインビームからの角度と動作利得との関係を示す図である。図18において、横軸は、多素子アンテナから送信されるビームのメインビームからの角度(以下、単に「角度」という場合がある)[deg]を示し、縦軸は動作利得(Actual Gain)[dBi]を示す。
異なるビーム幅を実現する他の方法として、使用するアンテナ素子の個数は変化させずに、意図的にビームのピントを外し、ピントのボケ具合を制御することによって、ビーム幅を制御する方法を用いてもよい。
具体的には、図18に示すように、多素子アンテナのビームを形成するときに、参照符号「101」で示される通常のビームフォーミングで使用する計算方法とは異なり、事前に特別に調整した算出式を用いて、意図的にビームのピントを外す。これによって、参照符号「102」で示されるように、ピントが外れた、すなわちピントがぼけたビームを形成することができる。
このピントのボケ具合を制御することによって、ビーム幅を制御することができる。この場合、アンテナ素子1個あたりの送信電力を常に一定にすることができるというメリットがある。
図19は、複数の通信端末と基地局との通信に用いられる異なるビーム幅のビームの例を示す図である。図19では、各通信端末1301,1307,1308,1309からのフィードバック情報BWI 1314,1311,1312,1313に基づいて、指向性ビーム1303,1305,1306,1304を制御する場合を示す。
基地局1301は、指向性ビームを形成可能に構成される。基地局1301は、アレーアンテナ部1302で使用するアンテナ素子の個数を増減することによって、ビーム幅を可変にできる機能を有する。
図19において、第1の通信端末1307、第3の通信端末1309および第4の通信端末1310は静止状態であり、第2の通信端末1308は移動中とする。
まず、各通信端末は、自身の状態を測定する。例えば、基地局が送信する既知系列が単位時間あたりにどのくらい位相回転しているかを測定することによって、ドップラー周波数を測定できることが知られている。この機能を備えることによって、チャネル推定の回転量を計算し、定量化することによって、自端末のドップラー周波数を推定することができる。それが事前に調整された基準値と比較することによって、自身の移動速度が静止状態なのか、もしくは低速および高速移動中であることを推定することができる。すなわち、基準値より大きいときには高速移動しており、基準値より小さいときには低速移動あるいは静止状態と判断する。
次に、これらの測定値に基づいて、受信したいビーム幅の指標値であるBWIを算出する。BWIを選択するにあたり、移動速度を使用することによって、移動中の端末のビーム追従のし易さを最適化することができる。すなわち、移動速度が高速であるときには、ビーム幅を広くして急激な伝搬環境の変化にも追随できるようにし、移動速度が低速あるいは静止状態のときには、ビーム幅を狭くしてビームの利得の向上および他の通信端末の干渉の抑制を行う。
移動速度の推定は、基地局が一定電力で送信している信号の受信電力(Received Signal Strength Indicator;略称:RSSI)の変化を用いてもよいし、端末に設けられているGPS(Global Positioning System)により位置の変化から算出してもよい。
上記では、位相回転量を測定し、移動速度を推定した例を示したが、相関器を用いた伝搬路の遅延分布から、伝搬路のマルチパス環境を推定することによって、伝搬路が見通し(Line of Sight;略称:LOS)なのか、見通し外(Non Line of Sight;略称:NLOS)なのかを推定するのも有効である。
すなわち、マルチパスが多く観測できる環境(事前に調整された基準値と比較)では、見通し外と推定でき、ビーム幅を広くして急激な伝搬環境の変化にも追随できるようにする。マルチパスが少ない環境では、見通しと推定でき、ビーム幅を狭くしてビームの利得の向上および他の通信端末の干渉の抑制を行う。
見通しでは、より細いビーム幅を選択できることで干渉を低減し、見通し外のマルチパス環境では、端末が静止状態または低速移動中であっても、見通し環境よりもビーム幅を広くしないと急激な性能劣化につながる。このように遅延分散の情報を考慮することによって、伝搬路に応じた最適なビーム幅を選択することができ、システム容量の最大化を図ることができる。
その他にも、信号と干渉および雑音の比である信号対干渉雑音電力比(Signal to Interference plus Noise power Ratio;略称:SINR)を測定するのも有効である。すなわち、SINRが低い環境では、ビーム幅を広くして急激な伝搬環境の変化にも追随できるようにし、SINRが高い環境では、ビーム幅を狭くしてビームの利得の向上および他の通信端末の干渉の抑制を行う。
また、SINRが低くても、移動速度が低速あるいは静止状態にあるときには、ビーム幅を狭くしてビームの利得の向上および他の通信端末の干渉の抑制を行うことによって、システム容量を向上することができる。
端末がBWIを選択するために、基地局におけるアレーアンテナ部を構成するアンテナ素子の間隔dの情報を用いてもよい。一般的に、アンテナ素子の間隔dをλ/2よりも大きくすることによって、ビーム幅を細くできるが、不要なグレーティングローブが発生する。基地局メーカーの違い、またセルの設計などによって、セル毎に最適なアンテナ素子の間隔dが設定されることが想定される。
ここで、アンテナ素子の間隔dは、事前に基地局から報知情報の一部としてセル内の端末に通知されることを想定する。
BWIを基地局に送信するために、いくつかの手段を用いてもよい。RRC(Radio Resource Control)メッセージで送信する場合、送信するタイミングは、BWIが変化したときに通知してもよいし、変化量が特定の閾値以上になったとき通知してもよいし、周期的に通知してもよい。
他の手段として、上りリンクでACK/NACKおよびCQI(Channel Quality Information)情報を、PUCCHを使用して送信するのと同じように、BWIもPUCCHを使用して送信してもよい。またMACレイヤの一部の制御情報として送信してもよい。
基地局は、BWI、および無線フォーマット上の送信すべきチャネルの種別を考慮し、最適なビーム幅を選択する。
定常的静止状態と判断される端末1に対してのPDSCH送信は、最も細いビーム幅を選択して送信する。ここで、定常的静止状態と判断する手段として、最も細いビーム幅を意味するBWI値が、端末から指定回数以上連続して報告されることを条件として考慮してもよい。
また、公共の静止した機器に搭載された端末の場合は、定常的静止状態として使用されるという情報を端末情報の一部として、リンク確立後の基地局に報告し、その情報をビーム幅選択に用いてもよい。
移動中と判断された端末2へのPDSCH送信は、移動速度に応じた最適なビーム幅を選択する。ここで、移動中と判断する手段として、端末から報告されるBWIが定常的静止状態ではなく、BWIが定期的に変動している状態を示す。ここで事前の調整されたBWI値とビーム幅のマッピングテーブルから最適なビーム幅が選択される。
端末3は、この例では、PDCCHシンボル区間のみを受信している状態を示している。この状態では指向性の強いビームではなく、複数ユーザが多重されたPDCCHを受信できるように、チャネル種別により、広いビーム幅が選択される。送信されるチャネル種別はシンボル毎に変化するため、シンボル単位での高速ビーム幅切り替えを実現する。例えば、PDCCHのビーム幅に対するPDSCHのビーム幅の比(乗数)を、PDCCHで送信するのも有効である。
端末4は、この例では、PBCHのみを受信している。このような全ユーザが受信するべき共通チャネルを受信するシンボルでは、最も広いビーム幅で送信される。
ビームフォーミングを形成するための各アンテナ素子に対する位相回転器の使用アンテナ素子数を、BWIを考慮したビーム幅選択アルゴリズムだけでなく、無線フォーマットで規定されたシンボル単位のチャネル種別情報を考慮しビーム幅を時間的に切り替えることによって、時間方向に対するシンボル毎ビーム幅切り替えが可能となる。
また、周波数方向に対しても、各アンテナ素子に対して、周波数方向に位相回転器の実体を並列実装する、もしくは周波数方向に1つの位相回転器の実体を時分割で逐次的高速処理することによって、周波数方向に対してもシンボル毎にビーム幅の切り替えが可能となる。
これによって、時間方向および周波数方向によるRB(Resource Block)単位、もしくはRB内のシンボル単位のビーム幅の切り替えが可能となる。したがって、時間方向および周波数方向に多重されたすべてのチャネル種別の分離、もしくは同一チャネル内での時間および周波数方向のシンボルの分離を実現することができる。これによって、シンボル毎のビーム幅を、より細やかに最適化することによって、更なるシステムの容量の最大化を図ることができる。
図20は、定常的静止状態の通信端末と基地局とのPDSCH送信処理に関するシーケンスの一例を示す図である。
ステップST2001において、基地局は、ビーム幅の初期値として、最も広い1×1素子、すなわち1×1個のアンテナ素子を選択して、選択した1×1素子のビーム幅に関する情報を通信端末に送信する。
ステップST2002において、通信端末は、測定と、BWIの選択とを行う。ステップST2003において、通信端末は、最も細いビーム幅を意味するBWI、具体的にはBWI=0を基地局に送信する。
基地局は、BWIだけでなく、種々の情報に基づいて、ビーム幅を決定することになるが、一度に大きくビーム幅を変化させることはせずに、段階的にビーム幅を細くしていく。ステップST2004において、基地局は、2×2素子のビーム幅を選択する。
ステップST2005において、基地局は、選択した2×2素子のビーム幅に関する情報を通信端末に送信する。
ステップST2006において、通信端末は、測定と、BWIの選択とを行う。ステップST2007において、通信端末は、最も細いビーム幅を意味するBWI、具体的にはBWI=0を基地局に送信する。
ステップST2008において、基地局は、4×4素子のビーム幅を選択する。ステップST2009において、基地局は、選択した4×4素子のビーム幅に関する情報を通信端末に送信する。
ステップST2010において、通信端末は、測定と、BWIの選択とを行う。ステップST2011において、通信端末は、最も細いビーム幅を意味するBWI、具体的にはBWI=0を基地局に送信する。
ステップST2012において、基地局は、8×8素子のビーム幅を選択する。ステップST2013において、基地局は、選択した8×8素子のビーム幅に関する情報を通信端末に送信する。
ステップST2014において、通信端末は、測定と、BWIの選択とを行う。ステップST2015において、通信端末は、最も細いビーム幅を意味するBWI、具体的にはBWI=0を基地局に送信する。
ステップST2016において、基地局は、16×16素子のビーム幅を選択する。ステップST2017において、基地局は、選択した16×16素子のビーム幅に関する情報を通信端末に送信する。
ステップST2018において、通信端末は、測定と、BWIの選択とを行う。ステップST2019において、通信端末は、最も細いビーム幅を意味するBWI、具体的にはBWI=0を基地局に送信する。
ステップST2020において、基地局は、16×16素子のビーム幅を選択する。ステップST2021において、基地局は、選択した16×16素子のビーム幅に関する情報を通信端末に送信する。
以上のように、基地局には、通信端末からBWI=0が継続的に送られてくるが、基地局は徐々にビーム幅を細くしていき、最終的に16×16素子の最も細いビーム幅を選択して、選択した最も細いビーム幅に関する情報を通信端末に送信する。
図21は、低速移動中の通信端末と基地局とのPDSCH送信処理に関するシーケンスの一例を示す図である。
ステップST2101において、基地局は、ビーム幅の初期値として、最も広い1×1素子を選択して、選択した1×1素子のビーム幅に関する情報を通信端末に送信する。
ステップST2102において、通信端末は、測定と、BWIの選択とを行う。ステップST2103において、通信端末は、歩行程度の低速向けのビーム幅を意味するBWI、具体的にはBWI=3を基地局に送信する。
ステップST2104において、基地局は、歩行程度の低速向けのビーム幅となる2×2素子をビーム幅として選択する。
ステップST2105において、基地局は、選択した2×2素子のビーム幅に関する情報を通信端末に送信する。
ステップST2106において、通信端末は、測定と、BWIの選択とを行う。ステップST2107において、通信端末は、歩行程度の低速向けのビーム幅を意味するBWI、具体的にはBWI=3を基地局に送信する。
ステップST2108において、基地局は、歩行程度の低速向けのビーム幅となる4×4素子をビーム幅として選択する。
ステップST2109において、基地局は、選択した4×4素子のビーム幅に関する情報を通信端末に送信する。
ステップST2110において、通信端末は、測定と、BWIの選択とを行う。ステップST2111において、通信端末は、歩行程度の低速向けのビーム幅を意味するBWI、具体的にはBWI=2を基地局に送信する。
ステップST2112において、基地局は、歩行程度の低速向けのビーム幅となる2×2素子をビーム幅として選択する。
ステップST2113において、基地局は、選択した2×2素子のビーム幅に関する情報を通信端末に送信する。
ステップST2114において、通信端末は、測定と、BWIの選択とを行う。ステップST2115において、通信端末は、歩行程度の低速向けのビーム幅を意味するBWI、具体的にはBWI=2を基地局に送信する。
ステップST2116において、基地局は、歩行程度の低速向けのビーム幅となる2×2素子をビーム幅として選択する。
ステップST2117において、基地局は、選択した2×2素子のビーム幅に関する情報を通信端末に送信する。
ステップST2118において、通信端末は、測定と、BWIの選択とを行う。ステップST2119において、通信端末は、歩行程度の低速向けのビーム幅を意味するBWI、具体的にはBWI=3を基地局に送信する。
ステップST2120において、基地局は、歩行程度の低速向けのビーム幅となる4×4素子をビーム幅として選択する。
ステップST2121において、基地局は、選択した4×4素子のビーム幅に関する情報を通信端末に送信する。
以上のように本実施の形態によれば、基地局の複数のアンテナ素子で構成される多素子アンテナによって、ビーム幅の異なる複数の指向性ビームが形成される。この指向性ビームを用いて、複数の通信端末との間で、信号の送受信が行われる。各通信端末から与えられるフィードバック情報、例えばBWIに基づいて、基地局によって、各通信端末に対する送受信に用いられる指向性ビームのビーム幅が制御される。これによって、通信端末間の干渉を低減して、システム容量を高めるとともに、通信端末の移動に伴う通信性能の低下を抑えることができる。
具体的には、通信端末のビーム追従性能の低下を抑えるとともに、通信端末間の干渉を低減することができる。また、チャネル種別などによって、ビーム幅を切り替えることができるので、システム容量を高めることができる。
以上の本実施の形態では、通信状態での通信端末の動作について説明したが、これに限定されない。たとえば、ハンドオーバのときにRRCメッセージとして送付されるパラメータに、前述のBWIを追加すると、新しいセルでのビーム形状を、最も広い1×1素子の初期ビーム幅からではなく、速やかに最適なビーム幅へ指定可能となる。
実施の形態2.
本発明の実施の形態2の通信システムは、前述の実施の形態1の通信システムと構成が類似するので、共通する説明および図示を省略する。
基地局間で連携しセル間の干渉を軽減する技術としてeICIC(enhanced Inter-Cell Interference Coordination)が知られている。スモールセル間で用いられるネットワーク連携基地局のビームフォーミングは、ビームの方向を基地局間で連携し、変えることによって、干渉を防ぐシステムとして使用される。これによって、他のユーザへの影響を最小限に抑えることができ、システムの容量の最大化を図ることができる。この技術に、本発明のビーム幅制御を適用することによって、更なる効率的なeICICを実現することができる。
図22は、本発明の実施の形態2における通信システムの構成を示す図である。参照符号「1601」で示される基地局1と、参照符号「1603」で示される基地局2との2つの基地局が配置されている。基地局1のセル内にある端末1を、参照符号「1605」で示している。基地局2のセル内にある端末2を、参照符号「1606」で示している。基地局1は、多素子アンテナ1602によって、ビーム1609を形成する。基地局2は、多素子アンテナ1604によって、ビーム1610を形成する。
端末1は、測定し、選択したBWI 1607を基地局1に通知する。端末2は、測定し、選択したBWI 1608を基地局2に通知する。基地局間インタフェース1611は、基地局1と基地局2とを接続している。
これによって、互いに収容している通信端末のBWI情報などを相互に受け渡すことができる。ここで、基地局間インタフェース1611は、X2インタフェース、またはそれ以外のインタフェースを用いてもよい。
基地局1は、基地局2に収容されている端末2のBWIを知ることによって、端末1のビーム幅を決定するときの情報として使用することができる。例えば、端末2のBWIが、細いビーム幅を要求しているときは問題ないが、端末2のBWIが、広いビーム幅を要求している場合、端末1と端末2との干渉が生じることがある。この場合、端末1でビーム幅を狭めるか、もしくは別の端末にPDSCHを割り当てることによって、端末1と端末2との干渉を回避することができる。
実施の形態3.
本発明の実施の形態3の通信システムは、前述の実施の形態1の通信システムと構成が類似するので、共通する説明および図示を省略する。
前述の実施の形態1では、通信端末がドップラー周波数を推定し、移動速度を算出する。そして、通信端末は、推定したドップラー周波数および算出した移動速度を用いて、BWIを選択し、基地局に通知する。
これに対し、本実施の形態では、通信端末は、BWIの代わりに、移動速度の指標値であるUVI(UE Velocity Indicator)を基地局に通知する。ここで、通信端末は、ドップラー周波数を推定し、事前に調整された移動速度との変換テーブルに基づいて、2ビットの指標値として割り当ててもよい。
例えば、0〜3km/hの場合は、UVI=0とし、3〜30km/hの場合は、UVI=1とし、30〜120km/hの場合は、UVI=2とし、120km/h以上の場合は、UVI=3とする。
この場合、基地局は、UVIをビーム幅の選択だけでなく、ビームの方位を決定するアルゴリズム、ならびに他の種々の機能を最適化する情報として使うことができる。
例えば、ビームの方位を決めるアルゴリズムとして、UVIによって、ビーム追従するための測定周期を最適化することができる。通信端末の低速移動時は、長い周期でビーム追従のための測定を行うことによって、PDSCHを割り当てる時間を多く取ることができる。また、通信端末の高速移動時は、短い周期でビーム追従のための測定を行い、通信端末を正確にビーム追従することができるようになる。
他の例として、基地局がPUSCHを受信するときに、復調処理に使用するチャネル推定などのフィルター忘却係数を、UVIから最適化してもよい。通信端末の低速移動時は、長いフィルターを使用できるが、高速移動時は短いフィルター、もしくはフィルターを使用しないように最適化することができる。
このUVIは、BWIと同じように、RRCメッセージを使用して、基地局に通知してもよいし、PUCCHおよびMACのヘッダの一部などを使用して基地局へ通知してもよい。
実施の形態4.
本発明の実施の形態4の通信システムは、前述の実施の形態1の通信システムと構成が類似するので、共通する説明および図示を省略する。
実施の形態1では、通信端末がドップラー周波数を推定し、移動速度を算出する。そして、通信端末は、推定したドップラー周波数および算出した移動速度を用いて、BWIを選択し、基地局に通知する。
これに対し、本実施の形態では、時分割複信(Time Division Duplex;略称:TDD)の可逆性を利用して、通信端末ではなく、基地局がドップラー周波数を推定し、移動速度を算出し、BWIを選択する。基地局が、上りリンクのチャネル推定の回転量から、ドップラー周波数を推定する。
TDDの場合、同じ下りリンクと上りリンクとが同一周波数で、時間的に切り替えて使用するシステムであるので、上りリンクで基地局が推定したドップラー周波数と、下りリンクで通信端末が推定したドップラー周波数とが可逆性によって等価なものとなる。
これによって、通信端末からのフィードバック情報を必要とせず、基地局だけでBWIを選択し、ビーム幅を決定することができ、制御を簡易にすることができる。
前述の各実施の形態およびその変形例は、本発明の例示に過ぎず、本発明の範囲内において、各実施の形態およびその変形例を自由に組合せることができる。また各実施の形態およびその変形例の任意の構成要素を適宜変更または省略することができる。
1001 基地局、1002 アレーアンテナ部、1003 制御部、1004 変調部、1005 D/A変換部、1006 復調部、1007 A/D変換部、1008 周波数変換部、1009 ビーム幅選択部。

Claims (4)

  1. 複数のアンテナ素子で構成される多素子アンテナを用いて信号の送受信を行う基地局装置と、前記基地局装置と無線通信可能な複数の通信端末装置とを備える通信システムであって、
    前記基地局装置は、
    前記多素子アンテナによって、ビーム幅の異なる複数の指向性ビームを形成可能であり、
    各前記通信端末装置から与えられるフィードバック情報に基づいて、各前記通信端末装置に対する送受信に用いる前記指向性ビームのビーム幅を制御することを特徴とする通信システム。
  2. 複数のアンテナ素子で構成される多素子アンテナを用いて信号の送受信を行う基地局装置と、前記基地局装置と無線通信可能な複数の通信端末装置とを備える通信システムを構成する前記基地局装置であって、
    前記多素子アンテナによって、ビーム幅の異なる複数の指向性ビームを形成可能であり、
    各前記通信端末装置から与えられるフィードバック情報に基づいて、各前記通信端末装置に対する送受信に用いる前記指向性ビームのビーム幅を制御することを特徴とする基地局装置。
  3. 複数のアンテナ素子で構成される多素子アンテナを用いて信号の送受信を行う基地局装置と、前記基地局装置と無線通信可能な複数の通信端末装置とを備える通信システムを構成する前記通信端末装置であって、
    前記基地局装置の前記多素子アンテナから送信されるビーム幅の異なる複数の指向性ビームを受信すると、受信した前記指向性ビームに関するフィードバック情報を、前記基地局装置に送信することを特徴とする通信端末装置。
  4. 複数のアンテナ素子で構成される多素子アンテナを用いて信号の送受信を行う基地局装置と複数の通信端末装置との間で無線通信を行う通信方法であって、
    前記基地局装置は、
    前記多素子アンテナによって、ビーム幅の異なる複数の指向性ビームを形成するとき、各前記通信端末装置から与えられるフィードバック情報に基づいて、各前記通信端末装置に対する送受信に用いる前記指向性ビームのビーム幅を制御することを特徴とする通信方法。
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