JP7323378B2 - 樹脂製透明継手 - Google Patents

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Description

本発明は、ドレンパイプ等の接続に用いられる樹脂製透明継手に関する。
集合住宅等の建物においては、隣接する上下の階が床スラブによって仕切られている。また、このような建物においては、各階では隣接する2つの部屋が壁によって仕切られて区画化されている。排水や給水配管等の配管材は、床スラブや壁を貫通する貫通部を通して配管されている。このような建物内で火災が発生した場合、火災が発生した部屋から他の部屋へ火炎や煙の流れ込みを防止するために、貫通部の内側面と配管材との隙間には、モルタル等のシーリング材が充填されている。
上記の配管材には、所定の時間加熱されたときに変形し難くく、穴が開き難いこと(耐火性)が要求される。特許文献1には、熱膨張性黒鉛を含有する配管材が提案されている。配管材に熱膨張性黒鉛を含有させると、火災が発生して温度が上昇した際に、配管材が膨張して貫通部を閉塞させ、火炎や煙の流れ込みを防止できる。
一方、他の配管材と樹脂管継手とを接続するときに、継手内部の配管材の挿入状態を視認できるようにするため、樹脂管継手の接続部(受口部)を透明または半透明にすることが求められている。そこで、特許文献2には、所定の粒子径の非熱膨張性黒鉛を0.01質量部以上0.05質量部以下含有させた樹脂を用いて、樹脂製透明継手を製造していることが提案されている。
特開2019-65951号公報 特開2019-27596号公報
しかしながら、非熱膨張性黒鉛は、モース硬度が小さいため、樹脂と混錬する際、壊れる傾向にある。その結果、壊れた非熱膨張性黒鉛が分散し、透明性を維持できなくなる傾向にある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、耐火性に優れ、かつ、透明な樹脂製継手(樹脂製透明継手)を提供することを目的とする。
本発明者等は、鋭意検討を重ねた結果、難燃性の指標として吸熱量の高い炭酸カルシウムの体積平均粒子径を大きくすることにより、樹脂製継手の耐火性および透明性を向上できることを見出した。
一方、粒子径が100μm以下の炭酸カルシウムの含有量を増加すると、樹脂製継手の透明性が低下する。そこで、本発明者等は、炭酸カルシウムの体積平均粒子径および含有量を調整することにより、耐火性と透明性とを両立した樹脂製継手が得られることを見出した。すなわち、本発明は以下の態様を有する。
[1]ポリ塩化ビニル系樹脂および塩素化塩化ビニル系樹脂から選択される少なくとも1種を含む樹脂(R)を含有する樹脂製透明継手であって、炭酸カルシウムを含有し、前記炭酸カルシウムの体積平均粒子径が90μm以上1500μm以下であり、前記炭酸カルシウムの含有量が、前記樹脂(R)100質量部に対して、0.01質量部以上8.0質量部以下である樹脂製透明継手。
[2]全光線透過率が50%以上である[1]に記載の樹脂製透明継手。
[3]前記炭酸カルシウムは、第1炭酸カルシウムおよび第2炭酸カルシウムから選ばれる少なくとも1種であり、前記第1炭酸カルシウムの体積平均粒子径が150μmより大きく1500μm以下であり、前記第2炭酸カルシウムの体積平均粒子径が90μm以上1100μm以下である[1]または[2]に記載の樹脂製透明継手。
[4]前記樹脂製透明継手の単位体積当たりの前記炭酸カルシウムの含有率が1体積%以上5体積%以下である[1]~[3]のいずれかに記載の樹脂製透明継手。
本発明によれば、耐火性に優れる樹脂製透明継手を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る樹脂製透明継手を示す縦断面図である。
本明細書において、「透明または半透明である」とは、肉眼で、継手の外側から継手の内部を視認できることをいう。より具体的には、全光線透過率50%以上が好ましく、60%以上がより好ましく、70%以上がさらに好ましい。全光線透過率は、継手から作製した試験片の平行入射光束に対する全透過光束の割合をいう。全光線透過率は、JIS K7361-1:1997「プラスチック-透明材料の全光線透過率の試験方法」に準じて測定できる。
本明細書において、耐火性は、平成12年6月1日に施行された改正建築基準法の耐火性能試験の評価方法によって評価される。
[樹脂製透明継手]
以下、本発明の実施の形態による樹脂製透明継手について、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る樹脂製透明継手を示す縦断面図である。
図1に示す樹脂製透明継手1は、排水管の接続に使用されるチーズ型の樹脂製透明継手である。
樹脂製透明継手1は、第1の管軸O1および第2の管軸O2を有するとともに、内部に流路を有する。第1の管軸O1と第2の管軸O2は、略直交している。
樹脂製透明継手1は、内部に流路を有する管状の本体部10と、この本体部10の3つの開口部10aにそれぞれ一体に形成された受口部12と、を有する。
受口部12には、受口部12の内径とほぼ同外径の配管材が挿入される。受口部12の開口部12aの内径は、本体部10の開口部の内径より大きい。
本体部10の3つの開口部10aのうち、2つは第1の管軸O1と同軸の円形である。また、3つの受口部12のうち、2つは第1の管軸O1と同軸の管状である。第1の管軸O1の一端側の受口部12を第1の受口部12A、他端側の受口部12を第2の受口部12Bということもある。残りの1つの受口部12は第2の管軸O2と同軸の管状であり、第3の受口部12Cということもある。
本実施形態の本体部10は、直管10Aと枝管10Bとを有する。直管10Aは、第1の管軸O1と同軸の略円筒である。直管10Aは、第1の管軸O1方向の両方向に開口部11を有する。枝管10Bは、直管10Aの側周面から分岐し、突端に開口部11を有する。
2つの受口部12は、直管10Aにおける両方の開口部11を囲んでいる。この2つの受口部12のうち、一方の開口部11を囲むものが第1の受口部12Aであり、他方の開口部11を囲むものが第2の受口部12Bである。第1の受口部12Aおよび第2の受口部12Bは、第1の管軸O1を管軸とする円筒である。
1つの受口部12は、枝管10Bの開口部11を囲む第3の受口部12Cである。本実施形態における第3の受口部12Cの管軸は、第2の管軸O2である。
図1において、位置Xおよび位置Yは、樹脂製透明継手1を射出成形する際に用いられる射出成型用金型のキャビティ内(空間)に樹脂組成物を導入するゲートの位置を示す。樹脂製透明継手1には、位置Xまたは位置Yに対応する位置にゲート痕が形成される。
ゲート痕は、図1の位置Xおよび位置Yから選択されるいずれか1箇所または2箇所に形成される。
ゲート痕は、残留応力が保持されやすい。残留応力は、成形体が加熱され、冷却された後に成形体の内部に残る応力のことである。残留応力が大きい成形体は、加熱により変形しやすい。このため、樹脂製透明継手1のゲート痕の周辺は、加熱により変形しやすい。
ゲート位置を位置Xとした場合、熱により変形しやすいゲート痕が本体部10にないため、防火区画の貫通部に樹脂製透明継手1の本体部10が埋設されている場合に、耐火性を向上しやすい。ゲート位置を位置Yとした場合、ゲートから各受口部12までの距離が等しく、樹脂製透明継手1を射出成形しやすい。なお、位置Xは、受口部12A、受口部12B、受口部12Cのいずれにあってもよく、例えば、受口部12Aに位置Xがある場合、2箇所のうちいずれか一方、または両方をゲートとして用いることができる。また、位置Xおよび位置Yは例示であって、位置Xは受口部12の端面部分ではなく側面にあってもよく、位置Yは受口部12A、受口部12Bおよび受口部12Cからの距離が等しくなる位置であれば本体部10のどこにあってもよい。
成形後の成形体の残留応力を均一にし、加熱による変形を抑制する観点から、受口部12A、受口部12Bおよび受口部12Cの厚さは均一であることが好ましい。
受口部12A、受口部12Bおよび受口部12Cの厚さは、特に限定されないが、例えば、2mm以上8mm以下であることが好ましく、4mm以上6mm以下であることがより好ましい。受口部12A、受口部12Bおよび受口部12Cの厚さが上記下限値以上であると、受口部12の加熱による穿孔を抑制しやすい。一方、各受口部12A、受口部12Bおよび受口部12Cの厚さが上記上限値以下であると、受口部12の視認性を向上しやすい。
本体部10の厚さは、特に限定されず、例えば、6mm以上12mm以下であることが好ましく、8mm以上10mm以下であることがより好ましい。本体部10の厚さが上記下限値以上であると、本体部10の加熱による穿孔を抑制しやすい。一方、本体部10の厚さが上記上限値以下であると、本体部10の成形後の残留応力を抑制しやすい。
樹脂製透明継手1は、ポリ塩化ビニル系樹脂および塩素化塩化ビニル系樹脂から選択される少なくとも1種を含む樹脂(R)を含有する。樹脂製透明継手1は、樹脂(R)を含む樹脂組成物を含有する。
すなわち、樹脂製透明継手1は、樹脂(R)を含む樹脂組成物を成形することによって製造される。通常、樹脂製透明継手1は、樹脂組成物を射出成形することによって製造される。
樹脂製透明継手1は、樹脂製透明継手1の全体が樹脂組成物からなる単層構造でもよいし、複数の層からなる複層構造でもよい。
<樹脂組成物>
(樹脂(R))
樹脂組成物は、ポリ塩化ビニル系樹脂および塩素化塩化ビニル系樹脂から選択される少なくとも1種を含む樹脂(R)を含有する。
ポリ塩化ビニル系樹脂(PVC)としては、例えば、ポリ塩化ビニル単独重合体;塩化ビニルモノマーと、該塩化ビニルモノマーと共重合可能な不飽和結合を有する他のモノマーとの共重合体;ポリ塩化ビニル系樹脂以外の重合体に塩化ビニルモノマーをグラフト共重合したグラフト共重合体等が挙げられる。ポリ塩化ビニル系樹脂は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記塩化ビニルモノマーと共重合可能な不飽和結合を有する他のモノマーとしては、例えば、α-オレフィン類、ビニルエステル類、ビニルエーテル類、(メタ)アクリル酸エステル類、芳香族ビニル類、N-置換マレイミド類等が挙げられる。
α-オレフィン類としては、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン等が挙げられる。
ビニルエステル類としては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等が挙げられる。
ビニルエーテル類としては、例えば、ブチルビニルエーテル、セチルビニルエーテル等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステル類としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチルアクリレート等が挙げられる。
芳香族ビニル類としては、例えば、スチレン、α-メチルスチレン等が挙げられる。
N-置換マレイミド類としては、例えば、N-フェニルマレイミド、N-シクロヘキシルマレイミド等が挙げられる。
前記他のモノマーは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記塩化ビニルモノマーをグラフト共重合する重合体としては、例えば、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-酢酸ビニル-一酸化炭素共重合体、エチレン-エチルアクリレート共重合体、エチレン-ブチルアクリレート-一酸化炭素共重合体、エチレン-メチルメタクリレート共重合体、エチレン-プロピレン共重合体、アクリロニトリル-ブタジエン共重合体、ポリウレタン、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン等が挙げられる。これらの重合体は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリ塩化ビニル系樹脂は架橋されていてもよい。ポリ塩化ビニル系樹脂の架橋方法としては、例えば、架橋剤および過酸化物を添加する方法、電子線を照射する方法、水架橋性材料を使用する方法等が挙げられる。
ポリ塩化ビニル系樹脂の平均重合度は、400以上1600以下であることが好ましく、600以上1400以下であることがより好ましく、600以上900以下であることがさらに好ましい。
ここで、平均重合度は、JIS K6720-2:1999附属書「塩化ビニル樹脂試験方法」に準拠して測定した値である。
ポリ塩化ビニル系樹脂の平均重合度が上記下限値以上であると、機械的強度を充分に高めることができる。一方、ポリ塩化ビニル系樹脂の平均重合度が上記上限値以下であると、充分な成形性を確保できる。
ポリ塩化ビニル系樹脂は、さらに塩素化されてもよい。ポリ塩化ビニル系樹脂の塩素化方法としては、例えば、熱塩素化方法、光塩素化方法等が挙げられる。
ポリ塩化ビニル系樹脂は、さらに塩素化されることで、塩素化塩化ビニル系樹脂(CPVC)となる。
CPVCには、熱塩素化塩化ビニル系樹脂と光塩素化塩化ビニル系樹脂とがある。熱塩素化塩化ビニル系樹脂は、加熱により塩素化されたCPVCで、分子中の塩素原子の分布が均一になりやすい。光塩素化塩化ビニル系樹脂は、紫外線により塩素化されたCPVCで、樹脂表面の塩素原子の分布が高くなりやすい。
CPVCの塩素含有率は、60質量%以上72質量%以下であり、62質量%以上70質量%以下であることが好ましく、64質量%以上68質量%以下であることがより好ましい。CPVCの塩素含有率が上記下限値以上であると、樹脂製透明継手1の耐火性を向上しやすい。一方、CPVCの塩素含有率が上記上限値以下であると、樹脂組成物の成形性を向上しやすい。
樹脂(R)がCPVCを含有する場合、樹脂(R)の総質量に対するCPVCの含有量は、5質量%以上100質量%以下であることが好ましく、10質量%以上90質量%以下であることがより好ましく、20質量%以上80質量%以下であることがさらに好ましい。CPVCの含有量が上記下限値以上であると、樹脂製透明継手1の耐火性を向上しやすい。一方、CPVCの含有量が上記上限値以下であると、樹脂組成物の成形性を向上しやすい。
樹脂(R)は、ポリ塩化ビニル系樹脂(PVC)および塩素化塩化ビニル系樹脂(CPVC)以外の他の樹脂を含有してもよい。PVCおよびCPVC以外の他の樹脂としては、上述した他のモノマーのポリマーが挙げられる。
樹脂(R)におけるPVCおよびCPVCから選択される少なくとも1種の含有量は、樹脂(R)の総質量に対して、85質量%以上100質量%以下であることが好ましく、90質量%以上100質量%以下であることがより好ましく、100質量%であることがさらに好ましい。PVCおよびCPVCから選択される少なくとも1種の含有量が上記数値範囲内であると、樹脂製透明継手1の耐火性を向上しやすく、樹脂組成物の成形性を向上しやすい。
(炭酸カルシウム)
樹脂組成物は、炭酸カルシウムを含有する。すなわち、樹脂製透明継手1は、炭酸カルシウムを含有する。炭酸カルシウムとしては、粒子をステアリン酸塩でコーティングしたものを用いてもよい。
樹脂組成物が炭酸カルシウムを含有すると、樹脂製透明継手1の耐火性をより向上しやすくなる傾向にある。
炭酸カルシウムは、樹脂への混合前に熱乾燥処理されているものが好ましい。なぜなら、市販の炭酸カルシウムには、揮発分が付着しており、この揮発分が成形時の温度上昇により揮発し、成形品の外観が悪化する不具合が発生するからである。成形品の外観を良好に保つためには、熱乾燥処理によって、炭酸カルシウムから揮発分を事前に除去することが好ましい。
本発明で用いられる炭酸カルシウムは、粒子状であることが好ましい。粒子状であることにより、樹脂に混合した際の分散性が向上する傾向にあり、成形体中に均一に炭酸カルシウムを分散できる。
炭酸カルシウムの体積平均粒子径(以下、単に「粒子径」ともいう。)は、90μm以上1500μm以下である。第1炭酸カルシウムおよび第2炭酸カルシウムから選ばれる少なくとも1種である。第1炭酸カルシウムの体積平均粒子径は、150μmより大きく1500μm以下であることが好ましい。第2炭酸カルシウムの体積平均粒子径は、90μm以上150μm以下であることが好ましい。第1炭酸カルシウムまたは第2炭酸カルシウムの粒子径が上記下限値以上であると、樹脂製透明継手1を透明にしやすい。一方、第1炭酸カルシウムまたは第2炭酸カルシウムの粒子径が上記上限値以下であると、樹脂製透明継手1の外観を良好にしやすい。
炭酸カルシウムの体積平均粒子径は、レーザー回折散乱法粒子径分布測定装置を用いて測定できる。
なお、樹脂製透明継手1に成形された後に、炭酸カルシウムの粒子径を測定する方法は次の通りである。透過電子顕微鏡(TEM)や走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて樹脂製透明継手1の断面を測定する。当該分析における所定のスケールサイズの分析画面で、樹脂製透明継手1の断面に存在する炭酸カルシウムの粒子50個について外径の長さの平均値を算出する。これにより、炭酸カルシムの体積平均粒子径が求められる。
樹脂製透明継手1の体積当たりの粒子径、並びに単位体積当たりの炭酸カルシウムの含有率は株式会社島津製作所製のinspeXio SMX-225CTを用いて、塩化ビニル成形体内の炭酸カルシウムの粒子から算出している。
樹脂製透明継手1に添加する難燃剤のモース硬度は、株式会社東京サイエンス製のモース硬度計を用いて測定される。
樹脂製透明継手1の全光線透過率は、日本電色工業株式会社製のヘイズメーターNDH2000を用いている測定される。
炭酸カルシウムの含有量は、樹脂(R)100質量部に対して、0.01質量部以上8.0質量部以下である。炭酸カルシウムの含有量が上記下限値以上であると、樹脂製透明継手1の耐火性を向上しやすい。一方、炭酸カルシウムの含有量が上記上限値以下であると、樹脂製透明継手1を透明にしやすい。
炭酸カルシウムの含有量は、炭酸カルシウムの粒子径に応じて適宜決定できる。
例えば、第1炭酸カルシウムの粒子径が150μmより大きく、1500μm未満の場合(粒子径がこの範囲の炭酸カルシウムを、炭酸カルシウムAともいう。)、炭酸カルシウムの含有量は、樹脂(R)100質量部に対して、0.01質量部以上6質量部以下であることが好ましく、0.1質量部以上5質量部以下であることがより好ましい。炭酸カルシウムの含有量が上記下限値以上であると、樹脂製透明継手1の耐火性を向上しやすい。一方、第1炭酸カルシウムの含有量が上記上限値以下であると、樹脂製透明継手1を透明にしやすい。
第2炭酸カルシウムの粒子径が90μm以上、150μm以下の場合(粒子径がこの範囲の炭酸カルシウムを、炭酸カルシウムBともいう。)、炭酸カルシウムの含有量は、樹脂(R)100質量部に対して、0.01質量部以上6質量部以下であることが好ましく、0.1質量部以上5質量部以下であることがより好ましい。炭酸カルシウムの含有量が上記下限値以上であると、樹脂製透明継手1の耐火性を向上しやすい。一方、炭酸カルシウムの含有量が上記上限値以下であると、樹脂製透明継手1を透明にしやすい。
また、樹脂製透明継手1の単位体積当たりの炭酸カルシウムの含有率は1体積%以上5体積%以下であることが好ましく、1.5体積%以上4体積%以下であることがより好ましい。炭酸カルシウムの含有量が上記下限値以上であると、樹脂製透明継手1の耐火性を向上しやすい。一方、炭酸カルシウムの含有量が上記上限値以下であると、樹脂製透明継手1を透明にしやすい。
炭酸カルシウムの粒子径は、使用する炭酸カルシウムの種類や目的に応じて適宜決定できる。
例えば、樹脂製透明継手1の透明性を向上したい場合、炭酸カルシウムAが好ましい。また、樹脂製透明継手1の強度を向上したい場合、炭酸カルシウムBが好ましい。
本発明で用いられる炭酸カルシウムは、燃やした際、吸熱反応により塩化ビニルの分解反応を抑制させることができる。そして、塩化ビニルの分解によるポリエンの生成による着色時間が短くなるため、全光線透過率を低下させることが難しくなる傾向にある。
本発明で用いられる炭化カルシウムは、塩化ビニルの分解過程で生じる塩酸ガスと反応して炭酸カルシウムとなるため、環境への影響は少ない傾向にあるため好ましい。
(無機難燃剤)
樹脂組成物は、無機難燃剤を含有してもよい。樹脂製透明継手1は、無機難燃剤を含有することで、より耐火性に優れる。
無機難燃剤としては、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムやハイドロタルサイト等の無機水酸化物が挙げられる。これらの無機水酸化物は、加熱された際に吸熱作用を有して温度上昇を抑制する。このため、これらの無機水酸化物は、難燃剤として機能する。
水酸化マグネシウムは、脱水反応が300℃以上で生じるため、吸熱剤として水酸化マグネシウムを用いた場合には、樹脂組成物を成形して樹脂製透明継手1を作製する際に脱水反応が生じることを抑制できる。
水酸化アルミニウムは、脱水反応が200℃程度で生じるため、吸熱剤として水酸化アルミニウムを用いた場合には、火災の際に樹脂製透明継手1に伝わった熱を早めに吸熱することができる。このため、配管材が熱膨張する前に樹脂製透明継手1が変形して耐火性を損なうことをより抑制できる。
ハイドロタルサイトは化学名をマグネシウム・アルミニウム・ハイドロオキサイド・カーボネート・ハイドレートと言い、MgAl(OH)16CO・4HO等に代表される鉱物の1種である。ハイドロタルサイトは、正に帯電した基本層[Mg1-xAl(OH)x+と、負に帯電した中間層[(COx/2・mHO]x-からなる層状の無機化合物である。多くの2価、3価の金属がこれと同様の層状構造をとり、これらは次のような一般式で表される。
[M2+1-x3+x(OH)x+[Anx/n・mHO]x-
2+:Mg2+、Zn2+等の2価金属イオン
3+:Al3+、Fe3+等の3価金属イオン
An:CO 2-、Cl、NO3-等のn価アニオン
X:0<x≦0.33
ハイドロタルサイトは、分子間に有している結晶水が約180℃から脱水を開始し、その結晶水は約300℃で完全に脱離する。この状態までは合成ハイドロタルサイトは、結晶構造を保持している。しかしながら、合成ハイドロタルサイトは、約350℃を超えると結晶構造が崩壊し始め、水と二酸化炭素を放出する。そして、合成ハイドロタルサイトは、ポリ塩化ビニル系樹脂の熱分解温度である約200℃~300℃よりも60℃~75℃低い温度で吸熱分解を開始する。そのため、ポリ塩化ビニル系樹脂の熱分解を合成ハイドロタルサイトの吸熱分解で効率的に抑制することができる。
無機難燃剤は、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムまたはハイドロタルサイトを併用してもよい。
無機難燃剤が、無機水酸化物の場合、無機難燃剤は塩基性である。樹脂製透明継手1に塩基性の無機難燃剤が添加されていると、ポリ塩化ビニル系樹脂は塩基性材料により脱塩酸反応が促進される。このため、継手が黄色く変色するヤケと呼ばれる現象が起きやすくなる。また、樹脂組成物を透明にするためには無機水酸化物の粒子径を小さくする必要がある。無機水酸化物の粒子径を小さくすると、無機水酸化物の表面積が増大し、より一層、脱塩酸反応が促進されやすくなり、ヤケが起きやすくなる。さらに、継手が透明の場合には、継手内部のヤケが外部から見えるため、色ムラとしてより目立ってしまう。ヤケた状態の樹脂は、波長380nm~480nmの光を吸収して黄色を呈する。
そこで、本実施形態では、後述する着色剤として、波長550nm~750nmの光を吸収するものを使用し、樹脂組成物が波長380nm~480nmの吸収よりも波長550nm~750nmの吸収の方が大きくなるように調整する。これにより、ヤケによる黄色を目立たなくし、色ムラの少ない継手としている。
無機難燃剤は、通常、粒子状である。無機難燃剤の体積平均粒子径(以下、単に「粒子径」ともいう。)は、3μm以上400μm以下であることが好ましい。無機難燃剤の粒子径が上記下限値以上であると、樹脂製透明継手1を透明にしやすい。一方、無機難燃剤の粒子径が上記上限値以下であると、樹脂製透明継手1の外観を良好にしやすい。
無機難燃剤の体積平均粒子径は、炭酸カルシウムの体積平均粒子径と同様の方法で求められる。
無機難燃剤のBET比表面積は1m/g以上40m/g以下であることが好ましく、1m/g以上20m/g以下であることがより好ましい。
ここで、BET比表面積は、窒素吸着法により求めた値である。
無機難燃剤のBET比表面積が上記数値範囲内であると、難燃剤としての効果を充分に発揮でき、樹脂製透明継手1の耐火性を向上できる。加えて、ヤケの発生を抑制し、色ムラを抑制できる。そのため、樹脂製透明継手1の外観を良好にしやすい。
無機難燃剤は、その粒子表面がステアリン酸等の高級脂肪酸や、シランカップリング剤で表面処理されていることが好ましい。高級脂肪酸やシランカップリング剤により表面処理された無機難燃剤は、ポリ塩化ビニル系樹脂に対する分散性が高くなり、難燃剤としての効果をより発揮しやすくなる。
無機難燃剤を高級脂肪酸やシランカップリング剤により表面処理する場合、高級脂肪酸やシランカップリング剤の含有量は無機難燃剤100質量部に対して、0.05質量部以上2質量部以下であることが好ましい。高級脂肪酸やシランカップリング剤の含有量が上記下限値以上であると、ポリ塩化ビニル系樹脂に対する無機難燃剤の分散性を充分に高くできる。一方、高級脂肪酸やシランカップリング剤の含有量が上記上限値以下であると、コストを低減できる。
樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、前記無機難燃剤以外の他の難燃剤が含まれてもよい。
他の難燃剤としては、例えば、酸化アンチモン系化合物、モリブデン系化合物、臭素系化合物、リン系化合物、ホウ酸系化合物、鉱物系化合物等が挙げられる。
酸化アンチモン系化合物としては、例えば、二酸化アンチモン、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン等が挙げられる。
モリブデン系化合物としては、例えば、三酸化モリブデン、二硫化モリブデン、アンモニウムモリブデート等が挙げられる。
臭素系化合物としては、例えば、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロムエタン等が挙げられる。
リン系化合物としては、例えば、トリフェニルフォスフェート、アンモニウムポリフォスフェート等が挙げられる。
ホウ酸系化合物としては、例えば、ホウ酸カルシウム、ホウ酸亜鉛等が挙げられる。
鉱物系化合物としては、例えば、セピオライト、カオリナイト、ベントナイト等が挙げられる。
これら他の難燃剤の中でも、ポリ塩化ビニル系樹脂の燃焼抑制効果が高いことから、三酸化アンチモンが好ましい。他の難燃剤は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
樹脂組成物が無機難燃剤を含有する場合、無機難燃剤の含有量は、樹脂(R)100質量部に対して、0.1質量部以上5質量部以下であることが好ましい。無機難燃剤の含有量が上記下限値以上であると、樹脂製透明継手1の耐火性をより向上しやすい。一方、無機難燃剤の含有量が上記上限値以下であると、樹脂製透明継手1を透明にしやすい。
樹脂組成物が他の難燃剤を含有する場合、他の難燃剤を含む難燃剤の含有量は、樹脂(R)100質量部に対して、0.1質量部以上10質量部以下であることが好ましい。難燃剤の含有量が上記下限値以上であると、樹脂製透明継手1の耐火性をより向上しやすい。一方、難燃剤の含有量が上記上限値以下であると、樹脂製透明継手1を透明にしやすい。
(着色剤)
樹脂組成物は、着色剤を含有してもよい。着色剤に含まれる色素成分としては、青色染料や顔料が挙げられる。
青色染料または顔料としては、樹脂の青色着色剤として知られている無機または有機の青色染料または顔料を用いることができる。青色染料または顔料としては、波長500nm~750nmの波長域、特に波長550nm~700nmの波長域に吸収極大を有するものが好ましく、例えば、アンスラキノン系、アゾメチン系、フタロシアニン系、インディゴ系等の青色染料や、群青、紺青、コバルトブルー、インダスレンブルー、セルリアンブルー等の顔料が挙げられる。
樹脂組成物が着色剤を含有する場合、着色剤の含有量は、樹脂(R)100質量部に対して、0.005質量部以上0.030質量部以下であることが好ましく、0.010質量部以上0.025質量部以下であることがより好ましく、0.015質量部以上0.025質量部以下であることがさらに好ましい。着色剤の含有量が上記下限値以上であると、所望の色調の樹脂製透明継手1を得られやすい。一方、着色剤の含有量が上記上限値以下であると、樹脂製透明継手1を透明にしやすい。
(安定剤)
樹脂組成物は、ポリ塩化ビニル系樹脂の熱分解を抑制する目的で安定剤を含有することが好ましい。安定剤としては、例えば、スズ系安定剤、Ca-Zn系安定剤、高級脂肪酸金属塩等が挙げられる。安定剤は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
スズ系安定剤としては、例えば、ジブチル錫メルカプト、ジオクチル錫メルカプト、ジメチル錫メルカプト等のメルカプチド類;ジブチル錫マレート、ジブチル錫マレートポリマー、ジオクチル錫マレート、ジオクチル錫マレートポリマー等のマレート類;ジブチル錫メルカプトジブチル錫ラウレート、ジブチル錫ラウレートポリマー等のカルボキシレート類が挙げられる。
Ca-Zn系安定剤は、脂肪酸のカルシウム塩と脂肪酸の亜鉛塩との混合物である。脂肪酸としては、ベヘニン酸、ステアリン酸、ラウリン酸、オレイン酸、パルミチン酸、リシノール酸、安息香酸等が挙げられる。脂肪酸は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
高級脂肪酸金属塩としては、例えば、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、リシノール酸カルシウム、ステアリン酸ストロンチウム、ステアリン酸バリウム、ラウリン酸バリウム、リシノール酸バリウム、ステアリン酸カドミウム、ラウリン酸カドミウム、リシノール酸カドミウム、ナフテン酸カドミウム、2-エチルヘキソイン酸カドミウム、ステアリン酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛、リシノール酸亜鉛、2-エチルヘキソイン酸亜鉛、ステアリン酸鉛、二塩基性ステアリン酸鉛、ナフテン酸鉛等が挙げられる。
これらの中でも、樹脂製透明継手1を透明にする場合には、スズ系安定剤またはCa-Zn系安定剤が好ましい。スズ系安定剤としては、マレート類、カルボキシレート類等の硫黄を含まないものがさらに好ましい。Ca-Zn系安定剤としては、成形加工時の滑性とプレートアウトのバランスからステアリン酸塩であるものがさらに好ましい。
樹脂組成物が安定剤を含有する場合、安定剤の含有量は、樹脂(R)100質量部に対して、0.3質量部以上5.0質量部以下であることが好ましい。安定剤の含有量が上記下限値以上であると、成形時におけるポリ塩化ビニル系樹脂の熱安定性を向上させることができる。一方、安定剤の含有量が上記上限値以下であると、燃焼時においてポリ塩化ビニル系樹脂を充分に炭化させることができ、充分な耐火性を得ることができる。
(任意成分)
樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、滑剤、加工助剤、衝撃改質剤、耐熱向上剤酸化防止剤、熱安定化助剤、紫外線吸収剤、可塑剤、熱可塑性エラストマー等の添加剤(任意成分)が含まれてもよい。これらの任意成分は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
樹脂組成物が任意成分を含有する場合、任意成分の含有量は、樹脂(R)100質量部に対して、50質量部以下であることが好ましく、30質量部以下であることがより好ましく、20質量部以下であることがさらに好ましい。
本実施形態の樹脂製透明継手1は、樹脂(R)を含有し、かつ、特定の粒子径を有する炭酸カルシウムを特定量含有する。そのため、本実施形態の樹脂製透明継手1は、耐火性に優れ、かつ、透明である。
本実施形態の樹脂製透明継手1を用いると、継手内部にて、受口部12に挿入される配管材の挿入状態を視認しやすい。
[樹脂製透明継手の製造方法]
本実施形態の樹脂製透明継手1は、射出成形により製造される。
例えば、本実施形態の樹脂製透明継手1は、次のように製造される。まず、上記樹脂組成物を加熱溶融して金型内に射出する。すると、金型内に、その金型内の形状に沿った樹脂組成物の成形体が成形される。また、金型の温度を、樹脂組成物への加熱温度(樹脂組成物の成形温度)よりも低くしておくことにより、成形体が冷却される。次いで、金型内から成形体を離型することにより、樹脂(R)を含有する樹脂製透明継手1を得る。
射出成形機における樹脂組成物への加熱温度(樹脂組成物の成形温度)は、170℃以上210℃以下であることが好ましく、180℃以上190℃以下であることがより好ましい。成形温度が上記数値範囲内であると、ポリ塩化ビニル系樹脂の熱分解を抑えて、樹脂組成物の透明性の低下を防ぎ、また、充分に溶融させて、良好な流動性の樹脂組成物が得られる。
射出成形機における樹脂組成物への加熱時間は、1分以上10分以下であることが好ましい。加熱時間が上記下限値以上であると、樹脂組成物を充分に硬化させることができる。一方、加熱時間が上記上限値以下であると、樹脂製透明継手1の生産性を向上しやすい。
本実施形態の樹脂製透明継手1は、炭酸カルシウムを含有し、炭酸カルシウムの体積平均粒子径が90μm以上1500μm以下であり、炭酸カルシウムの含有量が、ポリ塩化ビニル系樹脂および塩素化塩化ビニル系樹脂から選択される少なくとも1種を含む樹脂(R)100質量部に対して、0.01質量部以上8.0質量部以下であるため、耐火性と透明性に優れる。
以上、本実施形態の樹脂製透明継手1について、詳細に説明してきたが、本発明は上記の一実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
本発明の樹脂製透明継手としては、例えば、エルボやニップル、クロス等、受口部の数が2つや4つである樹脂製透明継手であってもよい。
次に、実施例および比較例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
樹脂(R)としてポリ塩化ビニル(PVC、塩素含有率52質量%)100質量部と、炭酸カルシウムA(体積平均粒子径1500μm)6質量部と、スズ系安定剤2質量部と、滑剤0.2質量部と、加工助剤1.5質量部と、を配合した後、内容積200リットルのヘンシェルミキサー(川田工業株式会社製)を用い、これらの材料を攪拌混合(撹拌時間5分を1回)して樹脂組成物を得た。
前記樹脂組成物を、射出成形して、図1に示した形状のチーズ(ティー)型の継手を製造した。
樹脂組成物の成形温度を180℃、樹脂組成物の加熱時間を120秒、金型温度を40℃とした。このとき、ゲートの位置を、受口部12Aの端面部分(図1のXの2箇所)とした。
[実施例2]
炭酸カルシウムAの含有量を4質量部としたこと以外は、実施例1と同様にして継手を製造した。
[実施例3]
炭酸カルシウムAの含有量を2質量部としたこと以外は、実施例1と同様にして継手を製造した。
[実施例4]
炭酸カルシウムB(体積平均粒子径150μm)の含有量を6質量部としたこと以外は、実施例1と同様にして継手を製造した。
[実施例5]
炭酸カルシウムBの含有量を4質量部としたこと以外は、実施例1と同様にして継手を製造した。
[実施例6]
炭酸カルシウムBの含有量を2質量部としたこと以外は、実施例1と同様にして継手を製造した。
[実施例7]
樹脂(R)として塩素化塩化ビニル系樹脂(CPVC、塩素含有率67質量%)100質量部を用い、炭酸カルシウムAの含有量を6質量部としたこと以外は、実施例1と同様にして継手を製造した。
[実施例8]
樹脂(R)として塩素化塩化ビニル系樹脂(CPVC、塩素含有率67質量%)100質量部を用い、炭酸カルシウムBの含有量を6質量部としたこと以外は、実施例1と同様にして継手を製造した。
[実施例9]
炭酸カルシウムAの含有量を3質量部とし、かつ、難燃剤の水酸化マグネシウムを1質量部用いたこと以外は、実施例1と同様にして継手を製造した。
[実施例10]
炭酸カルシウムAの含有量を3質量部とし、かつ、難燃剤のハイドロタルサイトを1質量部用いたこと以外は、実施例1と同様にして継手を製造した。
[実施例11]
炭酸カルシウムBの含有量を3質量部とし、かつ、難燃剤の水酸化マグネシウムを1質量部用いたこと以外は、実施例1と同様にして継手を製造した。
[実施例12]
炭酸カルシウムBの含有量を3質量部とし、かつ、難燃剤のハイドロタルサイトを1質量部用いたこと以外は、実施例1と同様にして継手を製造した。
[実施例13]
炭酸カルシウムAの含有量を3質量部とし、かつ、難燃剤のリン酸系難燃剤を0.5質量部用いたこと以外は、実施例1と同様にして継手を製造した。
[実施例14]
炭酸カルシウムAと炭酸カルシウムBの含有量をそれぞれ3質量部とし、かつ、難燃剤のリン酸系難燃剤を0.5質量部用いたこと以外は、実施例1と同様にして継手を製造した。
[比較例1]
難燃剤として体積平均粒子径が15μm以下の炭酸カルシウムを6質量部用いたこと以外は、実施例1と同様にして継手を製造した。
[比較例2]
難燃剤として体積平均粒子径が15μm以下の炭酸カルシウムを3質量部用いたこと以外は、実施例1と同様にして継手を製造した。
[比較例3]
炭酸カルシウムAの含有量を7質量部としたこと以外は、実施例1と同様にして継手を製造した。
[比較例4]
炭酸カルシウムBの含有量を7質量部としたこと以外は、実施例1と同様にして継手を製造した。
[比較例5]
炭酸カルシウムAの含有量を0.009質量部としたこと以外は、実施例1と同様にして継手を製造した。
[比較例6]
炭酸カルシウムBの含有量を0.009質量部としたこと以外は、実施例1と同様にして継手を製造した。
[比較例7]
難燃剤として粒子径が400μm以下の非膨張性黒鉛を0.5質量部としたこと以外は、実施例1と同様にして継手を製造した。
[比較例8]
樹脂(R)としてポリ塩化ビニル(PVC、塩素含有率52質量%)100質量部と、炭酸カルシウムB(体積平均粒子径150μm)6質量部と、スズ系安定剤2質量部と、滑剤0.2質量部と、加工助剤1.5質量部と、を配合した後、内容積200リットルのヘンシェルミキサー(川田工業株式会社製)を用いたが、攪拌時間5分を2回行い、樹脂組成物を得たこと以外は、実施例1と同様にして継手を製造した。
<透明性の評価>
実施例1~実施例14および比較例1~比較例8の継手に、ポリ塩化ビニル系樹脂製の樹脂管(積水化学工業株式会社製「エスロン耐火VPパイプ」)を挿入して、継手と樹脂管との接続部分をカッターで切断し、継手から厚さ5mm×5cm×5cmの短冊状の試験片を切り出した。その試験片の全光線透過率を、日本電色工業株式会社製のヘイズメーターNDH2000を用いて、JIS K7361-1:1997「プラスチック-透明材料の全光線透過率の試験方法」に準じて測定した。全光線透過率を評価した結果を表1~表3に示す。
<耐火性の評価>
実施例1~実施例14および比較例1~比較例8の継手について、平成12年6月1日に施行された改正建築基準法の耐火性能試験の評価方法に準じて、耐火性能試験を行った。下記評価基準に従って、耐火性を評価した結果を表1~表3に示す。
(評価基準)
◎:耐火性能2時間以上
○:耐火性能1時間以上2時間未満
×:耐火性能1時間未満
Figure 0007323378000001
Figure 0007323378000002
Figure 0007323378000003
表1および表2に示すように、本発明を適用した実施例1~実施例14の継手は、全光線透過率が50%以上であり、透明性に優れることが分かった。また、本発明を適用した実施例1~実施例14の継手は、耐火性の評価が「○」~「◎」であり、耐火性に優れることが分かった。
一方、表3に示すように、炭酸カルシウムの粒子径が本発明の適用範囲外である比較例1~比較例8は、全光線透過率が50%以下、または耐火性の評価が「×」であった。
以上の結果から、本発明の樹脂製透明継手によれば、透明性および耐火性に優れることが分かった。
1 樹脂製透明継手
10 本体部
12 受口部
12A 第1の受口部
12B 第2の受口部
12C 第3の受口部
12a 開口部
O1 第1の管軸
O2 第2の管軸

Claims (4)

  1. ポリ塩化ビニル系樹脂および塩素化塩化ビニル系樹脂から選択される少なくとも1種を含む樹脂(R)を含有する樹脂製透明継手であって、
    炭酸カルシウムを含有し、前記炭酸カルシウムの体積平均粒子径が90μm以上1500μm以下であり、
    前記炭酸カルシウムの含有量が、前記樹脂(R)100質量部に対して、0.01質量部以上8.0質量部以下であり、
    前記炭酸カルシウムは、前記樹脂(R)への混合前に熱乾燥処理されたものであり、
    前記樹脂製透明継手の単位体積当たりの前記炭酸カルシウムの含有率は1体積%以上5体積%以下である樹脂製透明継手。
  2. 全光線透過率が50%以上である請求項1に記載の樹脂製透明継手。
  3. 前記炭酸カルシウムは、第1炭酸カルシウムおよび第2炭酸カルシウムから選ばれる少なくとも1種であり、前記第1炭酸カルシウムの体積平均粒子径が150μmより大きく1500μm以下であり、前記第2炭酸カルシウムの体積平均粒子径が90μm以上1100μm以下である請求項1または2に記載の樹脂製透明継手。
  4. 前記樹脂製透明継手の単位体積当たりの前記炭酸カルシウムの含有率が1体積%以上5体積%以下である請求項1~3のいずれか1項に記載の樹脂製透明継手。
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