JP7479869B2 - 配管構造 - Google Patents

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Description

本発明は、耐火性能を有し、更に暗所における配管の固定状態を容易に確認することができる配管構造に関する。
一般に、マンション、アパート、戸建て、ビル、及び工場等の建物内部には、多数の給排水管や空調管が設置されている。このような給排水管や空調管を構成する管には、例えば着色されたポリ塩化ビニル管が用いられる。そして、水や空気等の流体を複数の経路に分岐する場合、又は二以上の管に連続して流体を通す場合には、管の配置に合うように複数の受口が配設された継手が用いられ、各受口に管を挿入及び固定することによって複数の管が接続される。
上記のように管を継手の受口に固定する方法として接着剤を使用する方法が挙げられる。ここで、配管作業はパイプスペースや天井空間等の建物内部の暗所で行われることが多いため、透明な接着剤を用いた場合は接着剤が管に塗られているか否かの判断が難しい。したがって、接着剤が塗られていない状態で管が受口に挿入されることがあり、この場合、管と継手との接続が不十分になるという問題があった。
このような管への接着剤の塗布忘れ及び管と継手との接続不良を防止するための接着剤として、特許文献1には、蛍光性を有する着色剤を含む接着剤と配管構造及び配管構造の検査方法が提案されている。
また、特許文献2には、特定粒子径を有する難燃剤を特定量含む耐火性に優れた透明継手が提案されている。
特開2018-25310号公報 特開2019-65952号公報
従来の技術によれば、配管施工後の点検作業が夜間や暗所になった場合において継手内部の管の挿入状態を確認することができるものの、接着剤が管と継手の間に接続不備がない程度に行き渡っているかの確認改善が望まれていた。
本発明は前記従来の問題を鑑みてなされたものであって、継手内部の管の挿入状態と管と継手の間の接着剤の行き渡りを容易に確認できると共に、耐火性能を有する配管構造を提供することができる。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、複数の受口を備え、透光性を有する継手と、複数の前記受口に挿入された管とを有する配管構造について、前記受口と前記管とを特定の波長により蛍光発色する接着剤を介して固定することにより前記課題が解決することを見出し、本発明を完成させた。
本発明によれば、継手内部の管の挿入状態を容易に確認できると共に、管が継手の受口に固定されていることを容易且つ確実に確認でき、更に耐火性能を有する配管構造を提供することができる。
本発明の実施の形態に係る継手を示す縦断面図である。
本発明の配管構造は、複数の受口を備え、塩化ビニル系樹脂及び難燃剤を含む樹脂組成物で構成された透光性を有する継手と、
複数の前記受口に挿入された管と、を有し、
前記継手と前記管とが、蛍光物質を含む接着剤を介して固定された配管構造であり、
前記接着剤は400nmの波長領域の光により蛍光発色し、
複数の前記受口は、前記波長の波長透過率が1%以上であることを特徴とするものである。
本発明においては、継手と管とが蛍光物質を含む接着剤を介して固定されており、且つ継手に設けられた受口が400nmの波長光を透過する性質を有しているため、配管構造に対してブラックライト等を照射することにより前記蛍光物質が発光する。そして、発光した光は透光性を有する受口を透過して目視で確認することができるため、配管構造の固定状態を簡便に確認することが可能になる。
また、本発明に用いる継手は難燃剤を含む樹脂組成物で構成されているため、耐火性を有する。
以下、本発明の構成について詳細に説明する。
[継手]
本発明における継手は、複数の受口を備えた透光性を有するものであり、後述する塩化ビニル系樹脂及び難燃剤を含む樹脂組成物で構成されるものである。
本発明においては受口が透光性を有するため、その内部に配置される接着剤が発する蛍光により、配管構造の固定状態を確認することが可能である。
本明細書において透光性とは、肉眼で、継手の外側から継手の内部を視認できることを意味し、より具体的には、継手の全光線透過率が40%以上であることを意味する。より継手内部を容易に確認できるようにする観点から、継手の全光線透過率は60%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましい。
本明細書において「全光線透過率」は、継手から作製した試験片の平行入射光束に対する全透過光束の割合をいい、JIS K7361-1:1997「プラスチック-透明材料の全光線透過率の試験方法」に準じて測定した値を指す。
また、本発明において「耐火性を有する」とは、平成12年6月1日に施行された改正建築基準法の耐火性能試験の評価方法において、耐火性能が1時間以上であることを意味する。
以下、本発明の実施の形態の継手について、図面に基づいて説明する。
図1の継手1は、排水管の接続に使用される3方に開口部を有するチーズ型の継手である。継手1は、二つの管軸O1及びO2を有し、内部に流路を有する。二つの管軸O1及びO2は、略直交する。
継手1は、内部に流路を有する管状の本体部10と、この本体部10の三つの開口部にそれぞれ一体に形成された受口部12(以下、本発明における「受口」を「受口部」ともいう)を有する。
受口部12には、受口部12の内径とほぼ同外径の管が挿入される。図1においては、受口部12の開口部12bの内径は、本体部10の開口部の内径より大きくなっている。
本体部10の三つの開口部のうち、二つは第1の管軸O1と同軸の円形である。
また、三つの受口部12のうち、二つは第1の管軸O1と同軸の管状である。図1においては、第1の管軸O1の一端側の受口部を第1の受口部12A、他端側の受口部を第2の受口部12Bとする。残りの一つの受口部12は第2の管軸O2と同軸の管状であり、第3の受口部12Cということもある。
各受口部12A、12B、12Cは、波長400nmの波長透過率が1%以上である。波長透過率が1%未満であると、受口部内に設けられる接着剤に紫外線(UV)が届かないため、接着剤に含まれる蛍光物質が発光しにくくなり、その結果、継手と管との固定状態を確認することが困難になる。このような観点から、波長400nmの波長透過率は1.5%以上であることが好ましく、1.8%以上であることがより好ましい。なお、前記波長透過率は、各受口部を構成する樹脂の種類、添加剤の種類、及び各受口部の厚みを変えることにより調整することができる。
複数の前記受口部の全光線透過率は全て同じであっても異なっていてもよいが、全ての受口部において全光線透過率が40%以上であり、更に下記条件1及び下記条件2を満たすことが好ましい。継手1がこれらの条件を満たすことにより、継手1と管との固定状態を容易に確認することが可能になる。
<条件1>
各受口部について求めた波長457nmにおける透過率について、最小値と平均値との差及び最大値と平均値との差が、いずれも2.0%以下である。
<条件2>
各受口部について求めた波長680nmにおける透過率について、最小値と平均値との差及び最大値と平均値との差が、いずれも2.0%以下である。
また、各受口部12A、12B、12Cは、継手の残留応力を均一にし、加熱による変形を抑制する観点から、厚みが均一であることが好ましい。各受口部12A、12B、12Cのうち少なくとも1つの平均厚みは、2mm以上7mm以下であることが好ましく、4mm以上6mm以下であることがより好ましい。各受口部12A、12B、12Cの平均厚さが上記下限値以上であると、受口部12の加熱による穿孔を抑制しやすい。一方、上記上限値以下であると、受口部12の透光性が向上するため、この内部に設けられる接着剤からの発光を確認しやすくなる。
本体部10の平均厚さは、特に限定されず、例えば、6mm以上12mm以下であることが好ましく、8mm以上10mm以下であることがより好ましい。本体部10の平均厚さが上記下限値以上であると、本体部10の加熱による穿孔を抑制しやすい。一方、上記上限値以下であると、本体部10の残留応力を抑制しやすい。
継手1は、前述のとおり塩化ビニル系樹脂及び難燃剤を含有する樹脂組成物により構成されるものであり、通常、継手1は、樹脂組成物を射出成形することによって製造される。
継手1は、継手1の全体が樹脂組成物からなる単層構造でもよいし、複数の層からなる多層構造でもよい。
また、受口部12に挿入される管は、受口部12の内径とほぼ同外径を有するものであれば特に制限はなく、一般的なものを用いることができる。管は継手1と同様に塩化ビニル系樹脂及び難燃剤を含有する樹脂組成物により構成されたものが好ましく、樹脂組成物を射出成形することによって製造されたものが好ましい。管も継手1と同様に単層構造であってもよく、多層構造であってもよい。
<樹脂組成物>
本発明における継手は塩化ビニル系樹脂及び難燃剤を含む樹脂組成物で構成されるものである。
〔塩化ビニル系樹脂〕
塩化ビニル系樹脂(PVC)としては、例えば、ポリ塩化ビニル単独重合体;塩化ビニルモノマーと、該塩化ビニルモノマーと共重合可能な不飽和結合を有する他のモノマーとの共重合体;塩化ビニル系樹脂以外の重合体に塩化ビニルモノマーをグラフト共重合したグラフト共重合体等が挙げられる。塩化ビニル系樹脂は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記塩化ビニルモノマーと共重合可能な不飽和結合を有する他のモノマーとしては、例えば、エチレン、プロピレン及びブチレン等のα-オレフィン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;ブチルビニルエーテル、セチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチルアクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類;スチレン、α-メチルスチレン等の芳香族ビニル類;N-フェニルマレイミド、N-シクロヘキシルマレイミド等のN-置換マレイミド類等が挙げられる。前記他のモノマーは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記塩化ビニルモノマーをグラフト共重合する重合体としては、例えば、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-酢酸ビニル-一酸化炭素共重合体、エチレン-エチルアクリレート共重合体、エチレン-ブチルアクリレート-一酸化炭素共重合体、エチレン-メチルメタクリレート共重合体、エチレン-プロピレン共重合体、アクリロニトリル-ブタジエン共重合体、ポリウレタン、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン等が挙げられる。これらの重合体は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
塩化ビニル系樹脂の平均重合度は、400以上1600以下であることが好ましく、600以上1400以下であることがより好ましく、600以上900以下であることが更に好ましい。ここで、平均重合度は、JIS K6720-2:1999附属書「塩化ビニル樹脂試験方法」に準拠して測定した平均重合度である。
塩化ビニル系樹脂の平均重合度が上記下限値以上であると、機械的強度を充分に高めることができ、上記上限値以下であると充分な成形性を確保できる。
樹脂組成物に用いる樹脂成分全量中の塩化ビニル系樹脂(PVC)の含有量は、85~100質量%であることが好ましく、90~100質量%であることがより好ましく、実質的に100質量%、すなわち、樹脂成分の全量が塩化ビニル系樹脂であることが更に好ましい。樹脂成分全量中の塩化ビニル系樹脂の含有量が前記範囲内であると、継手の耐火性が向上しやすくなると共に、樹脂組成物の成形性が向上する。
〔難燃剤〕
本発明に用いる樹脂組成物は、継手の耐火性を向上させることを目的として、難燃剤を含有する。
難燃剤としては、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムやハイドロタルサイト等の無機水酸化物;二酸化アンチモン、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン等の酸化アンチモン系化合物;三酸化モリブデン、二硫化モリブデン、アンモニウムモリブデート等のモリブデン系化合物;テトラブロモビスフェノールA、テトラブロムエタン等の臭素系化合物;トリフェニルフォスフェート、アンモニウムポリフォスフェート等のリン系化合物;ホウ酸カルシウム、ホウ酸亜鉛等のホウ酸系化合物;セピオライト、カオリナイト、ベントナイト等の鉱物系化合物等が挙げられる。
これらの中でも、塩化ビニル系樹脂の燃焼抑制効果が高いことから、無機水酸化物が好ましく、具体的には、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム及びハイドロタルサイトが好ましい。
これらの難燃剤は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
無機水酸化物は、加熱された際に吸熱反応を示して温度上昇を抑制する。このため、これらの無機水酸化物は難燃剤として機能する。よって、難燃剤としては180~400℃において吸熱反応を示すものが好ましい。吸熱反応により生じる脱水反応はハイドロタルサイトが190℃以上、水酸アルミニウムは200℃程度、水酸化マグネシウムは300℃以上で生じる。特にハイドロタルサイトは塩化ビニル樹脂の分解温度付近で脱水反応が生じるため、より効果的である。
ハイドロタルサイトは化学名をマグネシウム・アルミニウム・ハイドロオキサイド・カーボネート・ハイドレートと言い、MgAl(OH)16CO・4HO等に代表される鉱物の一種である。ハイドロタルサイトは、正に帯電した基本層[Mg1-xAl(OH)x+と、負に帯電した中間層[(COx/2・mHO]x-からなる層状の無機化合物である。多くの2価、3価の金属がこれと同様の層状構造をとり、これらは次のような一般式で表される。
[M2+ 1-x3+ (OH)x+[An x/n・mHO]x-
2+:Mg2+、Zn2+等の2価金属イオン。
3+:Al3+、Fe3+等の3価金属イオン。
n-:CO 2-、Cl、NO3-等のn価アニオン。
X:0<X≦0.33。
ハイドロタルサイトは、分子間に有している結晶水が約180℃から脱水を開始し、その結晶水は約300℃で完全に脱離する。この状態までは合成ハイドロタルサイトは結晶構造を保持しているが、約350℃を超えると結晶構造が崩壊し始め、水と二酸化炭素を放出する。そして、合成ハイドロタルサイトは、塩化ビニル系樹脂の熱分解温度である約200℃~300℃よりも60℃~75℃低い温度で吸熱分解を開始するため、塩化ビニル系樹脂の熱分解をハイドロタルサイトの吸熱分解で効率的に抑制することができる。
無機水酸化物は塩基性を示すことから、塩化ビニル系樹脂は無機水酸化物により脱塩酸反応が促進されるため、継手が黄色く変色するヤケと呼ばれる現象が起きやすくなる。また、樹脂組成物を透明にするためには無機水酸化物の粒径を小さくする必要があり、無機水酸化物の表面積が増大し、より一層脱塩酸反応が促進されやすくなるため、ヤケが起きやすくなる。更に、継手が透明の場合には、継手内部のヤケが外部から見えるため、色ムラとしてより目立ってしまう。
ここで、ヤケた状態の樹脂は波長380nm~480nmの光を吸収して黄色を呈することから、本発明においては、後述する着色剤として、波長550nm~750nmの光を吸収するものを使用し、波長380nm~480nmの吸収よりも波長550nm~750nmの吸収の方が大きくなるように調整することでヤケによる黄色を目立たなくし、色ムラの少ない継手とすることが好ましい。
本発明に用いる難燃剤は粒子状であることが好ましく、具体的には体積平均粒子径(以下、単に粒子径ともいう)が、0.4μm以上400μm以下であることが好ましく、0.4μm以上100μm以下であることがより好ましい。難燃剤の粒子径が前記範囲内であると継手を透明にしやすくなると共に、継手の外観を良好にしやすくなる。
なお、本発明において難燃剤の体積平均粒子径は、レーザー回折散乱法粒子径分布測定装置を用いて測定した値を指す。ここで、継手に成形された後に難燃剤の粒子径を測定する場合には、透過電子顕微鏡(TEM)や走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて継手の断面を測定し、断面に存在する難燃剤の粒子50個について外径の長さの平均値を算出することで、難燃剤の体積平均粒子径が求められる。
難燃剤のBET比表面積は1m/g以上40m/g以下であることが好ましく、1m/g以上20m/g以下であることが好ましい。
難燃剤のBET比表面積が上記数値範囲内であると、難燃剤としての効果を充分に発揮でき、継手の耐火性を向上できる。また、ヤケの発生を抑制し、色ムラを抑制できるため、継手の外観を良好にすることができる。
なお、本発明においてBET比表面積は、窒素吸着を利用して求めた値を指す。
本発明に用いる難燃剤は、その粒子表面がステアリン酸等の高級脂肪酸や、シランカップリング剤で表面処理されていることが好ましい。高級脂肪酸やシランカップリング剤により表面処理された難燃剤は、塩化ビニル系樹脂に対する分散性が高くなり、難燃剤としての効果をより発揮しやすくなる。
難燃剤を高級脂肪酸やシランカップリング剤により表面処理する場合、高級脂肪酸やシランカップリング剤の含有量は難燃剤100質量部に対して0.05質量部以上2質量部以下であることが好ましい。高級脂肪酸やシランカップリング剤の含有量が上記下限値以上であると、塩化ビニル系樹脂に対する難燃剤の分散性を充分に高くできる。高級脂肪酸やシランカップリング剤の含有量が上記上限値以下であるとコストを低減できる。
難燃剤の含有量は、通常、塩化ビニル系樹脂の全量100質量部に対して、0.1質量部以上2質量部以下であることが好ましく、0.5質量部以上1.5質量部以下であることがより好ましいが、難燃剤の粒子径に応じて適宜決定することが好ましい。具体的には、難燃剤の粒子径が0.4μm以上10μm未満の場合(粒子径がこの範囲の難燃剤を、以下「難燃剤A」ともいう)の含有量は、塩化ビニル系樹脂の全量100質量部に対して、0.1質量部以上2質量部以下が好ましく、0.15質量部以上1.5質量部以下がより好ましい。難燃剤Aの含有量が前記範囲内の場合、耐火性を向上しやすく継手を透明にしやすい。
また、難燃剤の粒子径が10μm以上400μm未満の場合(粒子径がこの範囲の難燃剤を、以下「難燃剤B」ともいう)の含有量は、塩化ビニル系樹脂の全量100質量部に対して、0.01質量部以上0.2質量部以下が好ましく、0.05質量部以上0.15質量部以下がより好ましい。難燃剤Bの含有量が前記範囲内の場合、耐火性を向上しやすく、継手を透明にしやすい。
なお、難燃剤の粒子径は、使用する難燃剤の種類や目的に応じて適宜決定することができ、例えば、難燃剤としてハイドロタルサイトや水酸化マグネシウムを用いる場合、難燃剤A又は難燃剤Bが好ましく、継手の強度を向上したい場合は難燃剤Aが好ましく、継手の透明性を向上したい場合は難燃剤Bが好ましい。
〔紫外線吸収剤〕
本発明に用いる塩化ビニル系樹脂は、紫外光により劣化してポリエンが生成する結果、黄変等の着色を生じる傾向にあることから、前記樹脂組成物は紫外線吸収剤を含有することが好ましい。
紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリシレート系紫外線吸収剤等の化合物を用いることが好ましい。
なお、使用する紫外線吸収剤の吸収波長とブラックライトの波長とが近接すると、紫外線吸収剤がブラックライトの波長を吸収して固定状態を確認しにくくなることから、紫外線吸収剤の吸収波長とブラックライトの波長との関係を考慮することが重要である。
樹脂組成物が紫外線吸収剤を含有する場合、その含有量は、塩化ビニル系樹脂の合計100質量部に対して、0.01質量部以上1質量部以下であることが好ましく、0.1質量部以上0.8質量部以下であることがより好ましい。紫外線吸収剤の含有量が前記範囲内であると黄変を抑制しやすくなる。
〔非熱膨張性黒鉛〕
本発明に用いる樹脂組成物は、非熱膨張性黒鉛を含有してもよい。樹脂組成物が非熱膨張性黒鉛を含有すると、継手の耐火性をより向上させることができる。
非熱膨張性黒鉛としては、人造黒鉛、鱗片状黒鉛、塊状黒鉛、土状黒鉛、球状黒鉛等を用いることができる。
非熱膨張性黒鉛は、塩化ビニル系樹脂への混合前に熱乾燥処理されているものが好ましい。すなわち、市販の黒鉛には、揮発分が付着しており、この揮発分が成形時の温度上昇により揮発し、成形品外観が悪化する不具合が発生するおそれがある。成形品の外観を良好に保つために、熱乾燥処理によって揮発分を事前に除去することが好ましい。
非熱膨張性黒鉛は一般的に粒子状であり、非熱膨張性黒鉛の体積平均粒子径(以下、単に粒子径ともいう)は、3μm以上400μm以下であることが好ましく、5μm以上300μm以下であることがより好ましい。
非熱膨張性黒鉛の粒子径が上記下限値以上であると継手を透明にしやすい。非熱膨張性黒鉛の粒子径が上記上限値以下であると継手の外観を良好にしやすい。
なお、非熱膨張性黒鉛の体積平均粒子径は、難燃剤の体積平均粒子径と同様の方法で求めることができる。
樹脂組成物が非熱膨張性黒鉛を含有する場合、その含有量は、塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、0.01質量部以上1.5質量部以下であることが好ましく、0.5質量部以上1質量部以下であることがより好ましい。非熱膨張性黒鉛の含有量が上記下限値以上であると、耐火性がより向上しやすい。一方、非熱膨張性黒鉛の含有量が上記上限値以下であると、継手を透明にしやすい。
〔着色剤〕
樹脂組成物は着色剤を含有してもよい。着色剤に含まれる色素成分としては、青色染料や顔料が挙げられる。
青色染料又は顔料としては、樹脂の青色着色剤として知られている無機又は有機の青色染料又は顔料を用いることができる。青色染料又は顔料としては、500~750nmの波長域、特に550~700nmの波長域に吸収極大を有するものが好ましく、例えば、アンスラキノン系、アゾメチン系、フタロシアニン系、インディゴ系等の青色染料や、群青、紺青、コバルトブルー、インダスレンブルー、セルリアンブルー等の顔料が挙げられる。
樹脂組成物が着色剤を含有する場合、その含有量は、塩化ビニル系樹脂の合計100質量部に対し、0.005質量部以上0.030質量部以下であることが好ましく、0.010質量部以上0.025質量部以下であることがより好ましく、0.015質量部以上0.025質量部以下であることが更に好ましい。着色剤の含有量が上記下限値以上であると、所望の色調の継手を得ることができる。一方、着色剤の含有量が上記上限値以下であると、継手を透明にしやすい。
〔安定剤〕
樹脂組成物は塩化ビニル系樹脂の熱分解を抑制する目的で安定剤を含有することが好ましい。安定剤としては、例えば、スズ系安定剤、Ca-Zn系安定剤、高級脂肪酸金属塩等が挙げられる。
スズ系安定剤としては、例えば、ジブチル錫メルカプト、ジオクチル錫メルカプト、ジメチル錫メルカプト等のメルカプチド類;ジブチル錫マレート、ジブチル錫マレートポリマー、ジオクチル錫マレート、ジオクチル錫マレートポリマー等のマレート類;ジブチル錫メルカプトジブチル錫ラウレート、ジブチル錫ラウレートポリマー等のカルボキシレート類が挙げられる。
Ca-Zn系安定剤は、脂肪酸のカルシウム塩と脂肪酸の亜鉛塩との混合物である。脂肪酸としては、ベヘニン酸、ステアリン酸、ラウリン酸、オレイン酸、パルミチン酸、リシノール酸、安息香酸等が挙げられ、これらを2種以上組み合わせて用いてもよい。
高級脂肪酸金属塩としては、例えば、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、リシノール酸カルシウム、ステアリン酸ストロンチウム、ステアリン酸バリウム、ラウリン酸バリウム、リシノール酸バリウム、ステアリン酸カドミウム、ラウリン酸カドミウム、リシノール酸カドミウム、ナフテン酸カドミウム、2-エチルヘキソイン酸カドミウム、ステアリン酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛、リシノール酸亜鉛、2-エチルヘキソイン酸亜鉛、ステアリン酸鉛、二塩基性ステアリン酸鉛、ナフテン酸鉛等が挙げられる。
これらの中でも、継手を透明にする場合にはスズ系安定剤又はCa-Zn系安定剤が好ましい。スズ系安定剤としてはマレート類、カルボキシレート類等の硫黄を含まないものが更に好ましい。Ca-Zn系安定剤としては成形加工時の滑性とプレートアウトのバランスからステアリン酸塩であるものが更に好ましい。
なお、安定剤は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
樹脂組成物が安定剤を含有する場合、その含有量は、塩化ビニル系樹脂の全量100質量部に対して、0.3質量部以上5質量部以下であることが好ましく、0.5質量部以上4質量部以下であることがより好ましく、0.8質量部以上3質量部以下であることが更に好ましい。安定剤の含有量が上記下限値以上であると、成形時における塩化ビニル系樹脂の熱安定性を向上させることができる。一方、安定剤の含有量が上記上限値以下であると、火災等による燃焼時において塩化ビニル系樹脂を充分に炭化させることができ、充分な耐火性を得ることができる。
〔任意成分〕
樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、滑剤、加工助剤、衝撃改質剤、耐熱向上剤、酸化防止剤、熱安定化助剤、可塑剤、熱可塑性エラストマー等の添加剤(任意成分)が含まれてもよい。
これらの任意成分は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
樹脂組成物が任意成分を含有する場合、任意成分の含有量は、塩化ビニル系樹脂の合計100質量部に対して、50質量部以下であることが好ましく、30質量部以下であることがより好ましく、20質量部以下であることが更に好ましい。
<継手の製造方法>
本発明に用いる継手は、例えば、射出成形により製造することができる。具体的には、樹脂組成物を加熱溶融して金型内に射出し、次いで、冷却することによって、塩化ビニル系樹脂及び難燃剤を含有する継手が得られる。
射出成形機における、樹脂組成物への加熱温度(成形温度)は、170℃以上210℃以下であることが好ましく、175℃以上190℃以下であることがより好ましい。成形温度が上記数値範囲内であると、塩化ビニル系樹脂の熱分解を抑えて透明性の低下を防ぎ、また、充分に溶融させて、良好な流動性の樹脂組成物が得られる。
射出成形機における加熱時間は、1分以上10分以下であることが好ましく、1分以上5分以下であることがより好ましい。上記下限値以上であると充分に硬化させることができ、上記上限値以下であると継手の生産性を向上しやすい。
以上、本発明に用いる継手について詳細に説明してきたが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
継手は、例えば、エルボやニップル、クロス等、受口部の数が2つや4つである継手であってもよい。
[接着剤]
本発明に用いる接着剤としては、波長400nmの光により蛍光発色するものであれば特に制限はなく、具体的には下記接着剤成分と後述する蛍光物質とを含むものであることが好ましい。
接着剤成分としては、熱硬化型、光硬化型、二液硬化型等の反応硬化型接着剤;熱可塑性樹脂、ゴム等の樹脂を各種の有機溶剤で希釈した溶剤系接着剤、又はこれらを水で希釈した水系接着剤;ホットメルト型接着剤、感圧型接着剤等を用いることができるが、施工時の使用容易性の観点から、熱可塑性樹脂、ゴム等の樹脂を各種の有機溶剤で希釈した溶剤系接着剤が好ましい。
溶剤系接着剤に用いることができる具体的な樹脂としては、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合樹脂、ABS樹脂、オレフィン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂等の各種の熱可塑性樹脂;クロロプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブチルゴム、ニトリルゴム等の各種ゴム;ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、フェノール系樹脂、シリコーン系樹脂、メラミン系樹脂、ユリア系樹脂等の硬化性樹脂が挙げられる。
溶剤系接着剤において樹脂を希釈する有機溶剤としては、室温で液体であり、かつ常温乾燥により揮発するものが好ましく、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコール等のアルコール系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶剤、テトラヒドロフラン(THF)、メチルセロソルブ等のエーテル系溶剤、N-メチル-2-ピロリドン等の含窒素系溶剤、トルエン、石油ナフサ等の芳香族系溶剤が挙げられる。
希釈を目的として有機溶剤及び水を用いる場合、接着剤中の有機溶剤及び水の含有量は、5~95質量%であることが好ましく、30~90質量%であることがより好ましい。
[蛍光物質]
本発明に用いることができる蛍光物質としては、波長400nmの光により蛍光発色するものであれば限定されず、例えばクマリン系、スチルベン系、ローダミン系等の有機化合物;アルミニウム、カルシウム、バリウム、マグネシウム、亜鉛、マンガン、ケイ素、ゲルマニウム、カドミウム、ストロンチウム、イットリウム等の金属酸化物や硫化物等に重金属やユーロピウム等の希土類酸化物等を活性化剤として加えた無機化合物の微粉体等が挙げられる。蛍光物質は、接着剤を構成する有機溶剤に可溶または分散可能であることが好ましい。
発する蛍光の波長に特に制限はないが、容易に目視できるようにする観点から、500nm以上550nm以下であることが好ましい。このような蛍光物質として、3-[(キノリン-2-イル)メチリデン]イソインドリン-1-オン(化学式:C1812O)や、ZnGeO:Mn、ZnSiO:Mn等が挙げられる。
接着剤中の蛍光物質の含有量は、0.001質量%以上1.0質量%以下であることが好ましく、0.02質量%以上0.2質量%以下であることがより好ましく、0.1質量%以上0.2質量%以下であることが更に好ましい。接着剤中の蛍光物質の含有量が前記下限値以上であれば、蛍光物質から充分な強度の蛍光が発光されるため、配管構造の確認が容易になる。接着剤中の蛍光物質の含有量が前記上限値以下であれば、蛍光物質のコストと効果とのバランスが良好になる。
本発明に用いる接着剤は、上記以外にも、接着剤に配合される一般的な添加剤を含有させることが可能である。そのような添加剤としては、硬化触媒、充填材、粘着付与剤、可塑剤、ゲル化剤、感熱消色性着色剤以外の着色剤、熱安定剤、老化防止剤、酸化防止剤、消泡剤、難燃剤、水分吸収剤等が挙げられる。
本発明の蛍光物質を含む接着剤の好ましい配合は、例えば以下の通りである。
塩化ビニル・酢酸ビニル共重合樹脂 15~25質量%、
メチルエチルケトン 25~35質量%、
シクロヘキサノン 30~40質量%、
アセトン 15~25質量%、
錫化合物 0.1~0.3質量%、
蛍光物質(例えば、3-[(キノリン-2-イル)メチリデン]イソインドリン-1-オン) 0.1~0.2質量%。
次に、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
・継手の製造
[製造例1]
ポリ塩化ビニルの単独重合体(PVC、塩素含有率52質量%、重合度640)100質量部と、難燃剤(難燃剤A、ハイドロタルタイト、体積平均粒子径0.5μm)1.0質量部と、紫外線吸収剤0.5質量部、スズ系安定剤2質量部、その他、滑剤や加工助剤、染料を含む複合安定剤を配合した後、内容積200リットルのヘンシェルミキサー(川田工業株式会社製)を用い、攪拌混合して樹脂組成物を得た。
前記樹脂組成物を、射出成形して、図1に示した開口部を3つ有する形状のチーズ(ティー)型の継手を製造した。成形温度は180℃、金型温度は40℃、加熱時間は120秒とした。
得られた継手は、各口径サイズに応じた金型で継手を製造した。その際に得られた各継手の平均厚みは、任意の3箇所測定した際の平均とした。継手の平均厚みは、マイクロノギス(ミツトヨ社製の品番BMD-25MX)で測定した。
[製造例2~14、比較製造例1~10]
表1に示す配合に変更したこと以外は、製造例1と同様に継手を製造した。なお、製造例2~14で用いた難燃剤の体積平均粒子径は、いずれも0.5μmであった。
[実施例1~14、比較例1~10]
製造例1~14及び比較例1~10で得られた継手を用い、下記評価方法にしたがって配管構造の評価を行った。
[透明性の評価(一般的な着色接着剤塗布による視認性の確認)]
得られた各例の継手に、塩化ビニル系樹脂製の樹脂管(積水化学工業株式会社製「エスロン耐火VPパイプ」)を挿入して、継手と樹脂管との接続部分を目視で観察することにより透明性(視認性)の評価を行った。なお、評価基準は以下のとおりである。結果を表1に示す。
<評価基準>
◎:接続部分が良好に視認できる。
△:やや視認しにくい部分があるが、接続部分が概ね良好に視認できる。
×:視認しにくい部分が目立ち、接続部分が良好に視認できない。
[視認性の評価(蛍光接着剤とブラックライトを用いた視認性の確認)]
接着剤は、組成が塩化ビニル・酢酸ビニル共重合樹脂15~25質量%、メチルエチルケトン(溶剤)25~35質量%、シクロヘキサノン(溶剤)30~40質量%、アセトン(溶剤)15~25質量%、錫化合物(安定剤)0.1~0.3質量%の混合材料で作成された市販の接着剤(商品名:積水化学工業株式会社製 エスロン接着剤No.73S)と、蛍光物質である、3-[(キノリン-2-イル)メチリデン]イソインドリン-1-オンを0.15質量%含む市販の接着剤(商品名:積水化学工業株式会社製 エスロン接着剤No.73SUV)を用意して継手の受口部分に塗布、次に市販の管(商品名:積水化学工業株式会社製 建物用耐火性硬質ポリ塩化ビニル管 耐火VP管)にも塗布し、接合した。
次に、紫外線光源であるブラックライト(型番:PW-UV343H-02、株式会社コンテック製)を用いて、暗所で配管構造の継手の受口に紫外光を照射し、視認性を確認した。
<評価基準>
◎:接続部分が良好に視認できる。
△:やや視認しにくい部分があるが、接続部分が概ね良好に視認できる。
×:視認しにくい部分が目立ち、接続部分が良好に視認できない。
[透過率(UVスペクトル分析)の測定]
紫外可視分光光度計により、300nmから700nmの波長透過率を測定した。
<測定条件>
装置:島津UV-2600
波長:300~700nm
スキャンスピード:高速
サンプリングピッチ:1.0nm
方法:積分球法
前処理:なし
サンプル片:平板
なお、実施例においては、波長400nmの波長の波長透過率が1%以上となり、比較例においては前記波長の波長透過率が1%未満であった。
[耐火性の評価]
得られた各例の継手を用いて、平成12年6月1日に施行された改正建築基準法の耐火性能試験の評価方法に基づいて耐火性能試験を行い、下記評価基準に従って耐火性を評価した。結果を表1に示す。
<評価基準>
◎:耐火性能2時間以上。
△:耐火性能1時間以上2時間未満。
×:耐火性能1時間未満。
[457nm及び680nmにおける透過率]
得られた各例の継手を用いて、457nm及び680nmにおける透過率について測定した結果を表2及び表3に示す。
実施例及び比較例の結果より明らかなとおり、本発明によれば、継手内部の管の挿入状態と管と継手の間の接着剤の行き渡りを容易に確認できると共に、耐火性能を有する配管構造を提供することができる。

Claims (6)

  1. 複数の受口を備え、塩化ビニル系樹脂難燃剤及び400nmの波長に吸収波長が近接していない紫外線吸収剤を含む樹脂組成物で構成された透光性を有する継手と、
    複数の前記受口に挿入された管と、を有し、
    前記継手と前記管とが、蛍光物質を含む接着剤を介して固定された配管構造であり、
    前記接着剤は400nmの波長光により蛍光発色し、
    複数の前記受口は、前記波長の波長透過率が1%以上であることを特徴とする配管構造。
  2. 複数の前記受口のうちの1つ以上の平均厚みが2mm以上7mm以下である、請求項に記載の配管構造。
  3. 前記樹脂組成物中の難燃剤の含有量が、塩化ビニル系樹脂の全量100質量部に対し、0.1質量部以上2質量部以下である、請求項1又は2に記載の配管構造。
  4. 前記難燃剤が180~400℃で吸熱反応を示すものである、請求項1~のいずれか
    に記載の配管構造。
  5. 記樹脂組成物中の前記紫外線吸収剤の含有量が、塩化ビニル系樹脂の全量100質量部に対し0.01質量部以上1質量部以下である、請求項1~のいずれかに記載の配管構造。
  6. 全ての前記受口の全光線透過率が40%以上であり更に下記条件1及び下記条件2を満たす、請求項1~のいずれかに記載の配管構造。
    <条件1>
    各受口について求めた波長457nmにおける透過率について、最小値と平均値との差
    及び最大値と平均値との差が、いずれも2.0%以下である。
    <条件2>
    各受口について求めた波長680nmにおける透過率について、最小値と平均値との差
    及び最大値と平均値との差が、いずれも2.0%以下である。
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