JP2015060099A - 機能性樹脂版及びその製造方法並びに有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

機能性樹脂版及びその製造方法並びに有機エレクトロルミネッセンス素子 Download PDF

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Abstract

【課題】有機エレクトロルミネッセンス素子に必要とされる高精細な印刷パターンを形成する凸部パターンをブラックライトや特定波長を持ち合わせる光源ランプで凸版印刷機に巻きつけたまま検査可能であり、凸版印刷機に巻きつける前の事前検査でも光源ランプを選択することで、発光で得られる撮像画像の濃淡がつけられ、欠陥検査が容易になる。【解決手段】少なくとも基材(4)と、前記基材(4)上に感光性樹脂層(1)から形成された凸部パターン(1’)を有する機能性樹脂版であって、前記感光性樹脂層は自発光物質を有するマイクロカプセルを含有していることを特徴とする機能性樹脂版。【選択図】図1

Description

本発明は、ガラス等の硬度の比較的高い被印刷物に高精細な印刷パターンを凸版印刷法により形成するための機能性樹脂版及びその機能性樹脂版の製造方法並びその機能性樹脂版で作製した有機エレクトロルミネッセンス素子に関する。
有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機ELデバイスとする)は、二つの対向する電極の間に有機発光材料からなる有機発光層を形成し、有機発光層に電流を流すことで発光させるものであるが、効率良く発光させるには発光層の膜厚が重要であり、10nmから100nm程度の薄膜にする必要がある。さらに、これをカラー表示可能なディスプレイとするには有機ELデバイスを高精細にパターニングする必要がある。
有機発光材料には、低分子材料と高分子材料があり、低分子材料を使用する場合、通常、マスクを用いた真空蒸着を行うことにより、有機パターン層としての発光層を得る。この方法は、発光層を均一な厚さに形成できる点で優れている。しかしながら、低分子材料を蒸着する基板が大きい場合、大きな寸法のマスクを使用することとなるが、パターン精度に優れ且つ寸法の大きなマスクを製造することは難しいため、基板上の所定の位置に発光層を形成できないことがある。
最近では有機発光材料に高分子材料を用い、有機発光材料を溶媒に溶かして塗工液にし、これをウェットコーティング法や印刷法にて薄膜形成する方法が試みられるようになってきている。薄膜形成するためのウェットコーティング法としては、スピンコート法、バーコート法、突出コート法、ディップコート法等があるが、高精細にパターニングしたりRGB3色に塗り分けをするためには、これらのウェットコーティング法では難しい。よって、塗り分けパターニングを得意とする印刷法による薄膜形成が有効であると考えられている。
有機ELディスプレイでは基板として硬質なガラス基板を用いることが多いため、グラビア印刷法等のように金属製の印刷版等の比較的硬い版を用いる方法は不向きであり、弾性を有するゴム版を用いたオフセット印刷法や、ゴムやその他の樹脂を主成分とした感光性樹脂版を用いる凸版印刷法が最適である。これらの印刷法の試みとして、オフセット印刷による方法(特許文献1参照)、凸版印刷による方法(特許文献2参照)などが提案されている。
特開2001−93668号公報 特開2001−155858号公報
凸部パターンが前記樹脂材料からなる印刷用凸版を製造するにあっては、樹脂材料として感光性樹脂を用いたフォトリソグラフィー法(フォトリソ法)が用いられる。フォトリソ法により印刷用凸版を形成するにあたっては、基材上に感光性樹脂層を形成した樹脂材(版材)を、遮光部と透光部からなるフォトマスクを用いて露光し、次いで現像すること
により、凸部パターンが形成され、印刷用凸版となる。この手法ではフォトマスクのパターンサイズが転写に寄与する感光性樹脂層のパターンとして形成されるため、比較的高精細なパターンが得られる。感光性樹脂層を形成する感光性樹脂にネガ型の感光性樹脂(光硬化性樹脂)を用いた場合、露光工程によってマスクの透光部を通過した光が照射された部分が硬化し、現像工程によって、光が照射されない部分が除去される。このとき、印刷用凸版表面凸部の形状は、露光条件、現像条件によってさまざまに変化する。また、ポジ型ではその逆で、光が照射されない部分がパターンとなる。
高精細なパターニングに凸版印刷法を用いた場合、特に連続して印刷を行なったときに被印刷物の転写の膜形成の精度(膜厚に寄与する転移の量や形状)などが問題となる。この精度を損ねる原因として、版材由来の欠陥があることで印刷の転写が不均一となり、発光不具合となる色のムラや発光しないなどの問題が生じると考えられている。
ところで本発明で用いられる印刷用凸版の凸部パターンは数十μmと微細なため、検査装置が特殊な仕様となり、非常に高価であり、総合的な製造コストを逼迫している。微細なパターンのため、下地が鋼板では光学顕微鏡による観察でパターンの下地の影響を受けやすく、同軸落射の検査では基材に鋼板を用いると、金属の反射を受けて、凸部パターンが歪んで見えてしまうことやPETやPENなどのフィルム系では透明であるがゆえに透過してしまい、正確な反射の撮像画像が得にくい問題がある。また、印刷中にもガラス基材のガラス片や環境異物を一緒に転写することで凸部パターンに欠陥が生じ、印刷中は巻き付けているため、取り外す作業や再検査の時間を要し、検査にかかる負担も大きい。このため、基材の選定は実際に印刷に関与する問題とは異なる問題点を抱えている。
本発明は以上のような問題を鑑みてなされたもので、有機ELデバイスに必要とされる高精細な印刷パターンを形成する凸部パターンをブラックライトや特定波長を持ち合わせる光源ランプで凸版印刷機に巻きつけたまま検査可能であり、凸版印刷機に巻きつける前の事前検査でも光源ランプを選択することで、発光で得られる撮像画像の濃淡がつけられ、欠陥検査が容易になることを課題とする。
上記課題を解決するものとして、本発明の請求項1に係る発明は、少なくとも基材と、前記基材上に感光性樹脂層から形成された凸部パターンを有する機能性樹脂版であって、前記感光性樹脂層は自発光物質を有するマイクロカプセルを含有していることを特徴とする機能性樹脂版である。
また、本発明の請求項2に係る発明は、前記感光性樹脂層から凸部パターンを形成する際に必要な感光波長域は365nm以下であることを特徴とする請求項1記載の機能性樹脂版である。
また、本発明の請求項3に係る発明は、前記自発光物質は、無機系もしくは有機系の蛍光材料であり、前記蛍光材料の光吸収波長域は400nm以上500nm以下で、550nm以上の発光波長を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の機能性樹脂版。
また、本発明の請求項4に係る発明は、前記感光性樹脂層中におけるマイクロカプセル含有量は1.0wt%以上10wt%以下とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の機能性樹脂版である。
また、本発明の請求項5に係る発明は、前記感光性樹脂層の膜厚は10μm以上50μm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の機能性樹脂版である。
また、本発明の請求項6に係る発明は、基材上に、自発光物質を有するマイクロカプセルを分散させた感光性樹脂層を形成し、露光装置で露光を行うことで前記感光性樹脂層から凸部パターンを形成することを特徴とする機能性樹脂版の製造方法である。
また、本発明の請求項7に係る発明は、前記露光装置は、露光を行う光源に400nm以上の波長をカットするフィルターを搭載したことを特徴とする請求項6記載の機能性樹脂版の製造方法である。
また、本発明の請求項8に係る発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の機能性樹脂版で作製したことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子である。
本発明の請求項1に係る発明は、少なくとも基材と、前記基材上に感光性樹脂層から形成された凸部パターンを有する機能性樹脂版であるので、有機ELデバイスに必要とされる高精細な印刷パターンを被印刷物に形成することができるという効果がある。
また、本発明の請求項1に係る発明は、前記感光性樹脂層は自発光物質を有するマイクロカプセルを含有しているので、自発光物質が凸部パターンのみを発光させることで、検査の視認性が向上し、検査が容易になり、また凸版印刷機へ巻き付ける前でも凸版印刷機へ巻き付けた後でもブラックライトなどの特定波長のハンディータイプの光源ランプを用いることで検査が可能になり、総合的な生産に与える負担を軽減することができるという効果がある。
そのため、本発明の請求項1に係る発明によって、版材由来で発生した転写欠陥の影響を迅速に発見でき、生産中に版材由来の欠陥があることで印刷の転写が不均一となり、発光不具合となる色のムラや発光しないなどの問題が解決するという効果がある。
また、本発明の請求項2に係る発明は、前記感光性樹脂層から凸部パターンを形成する際に必要な感光波長域は365nm以下であるので、自発光物質の吸収領域波長が400nm付近にあっても、凸部パターンを形成する際に、自発光物質が発光することなく、凸部パターンの仕上がり線幅にばらつきが発生することがないという効果がある。
また、本発明の請求項3に係る発明は、前記自発光物質は、無機系もしくは有機系の蛍光材料であり、前記蛍光材料の光吸収波長域は400nm以上500nm以下で、550nm以上の発光波長を有するので、紫色又は青色の光源で凸部パターンのみを黄緑色じゃら赤色の波長帯で発光させることができ、凸部パターンの検査が容易になるという効果がある。
また、本発明の請求項4に係る発明は、前記感光性樹脂層中におけるマイクロカプセル含有量は1.0wt%以上10wt%以下とするので、凸部パターンの非発光部と転写欠陥部とが一致し、凸部パターンの検査が確実に行えるという効果がある。
また、本発明の請求項5に係る発明は、前記感光性樹脂層の膜厚は10μm以上50μm以下であるので、凸部パターンの仕上がり線幅のばらつきが概ねなくなるという効果がある。
また、本発明の請求項6に係る発明は、基材上に、自発光物質を有するマイクロカプセルを分散させた感光性樹脂層を形成し、露光装置で露光を行うことで前記感光性樹脂層から凸部パターンを形成するので、有機ELデバイスに必要とされる高精細な印刷パターン
を被印刷物に形成することができ、かつ、凸版印刷機に巻き付ける前でも、凸版印刷機に巻き付けた後でも、ブラックライトなどの特定波長のハンディータイプの光源ランプを用いることで検査が可能な凸部パターンを有する機能性樹脂版を、フォトリソグラフィー法で容易に製造できるという効果がある。
また、本願発明の請求項7に係る発明は、前記露光装置は、露光を行う光源に400nm以上の波長をカットするフィルターを搭載したので、自発光物質の吸収領域波長が400nm付近にあっても、凸部パターンを形成する際に、自発光物質が発光することなく、凸部パターンの仕上がり線幅にばらつきが発生することがないという効果がある。
また、本発明の請求項8に係る発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の機能性樹脂版で作製した有機エレクトロルミネッセンス素子であるので、高品質な有機エレクトロルミネッセンス素子が容易に得られるという効果がある。
(a)は、本発明に係る機能性樹脂版を作成するための板状感光性樹脂積層体の断面図であり、(b)は、本発明に係る機能性樹脂版の断面図である。 本発明に係る機能性樹脂版を用いた有機ELデバイス製造装置の一例を示した模式図である。 有機ELデバイス製造装置により製造された有機ELデバイスの1つの発光単位の断面模式図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、本発明は以下に説明する実施の形態のみに限定されるものではない。
本発明の機能性樹脂版は、図1(a)の断面図に示すような、基材4、感光性樹脂層1が順次積層されている板状感光性樹脂積層体の感光性樹脂層1から、図1(b)の断面図に示すように、凸部パターン1’を形成した印刷用凸版である。
印刷用凸版は、感光性樹脂を板状に成型したものを、露光、現像することによって形成する方法や、レーザーや金属の刀などで削ることで形成するといった、公知の方法を用いることができるが、その方法の容易さから、感光性樹脂からなる層をフォトリソグラフィー法によりパターン形成する方法が望ましく、かつ有機EL材料の発光材料に直接接触する層は耐溶剤性であることがより望ましい。
感光性樹脂を用いたフォトリソグラフィー法を凸部パターン形成法として適用する場合、図1(a)に示すような、基材4、感光性樹脂層1が順次積層されている板状感光性樹脂積層体の感光性樹脂層1から、図1(b)に示すように、凸版の凸部パターン1’を形成することが最も望ましい。感光性樹脂層の成型方法は、射出成型法、突出成型法、ラミネート法、バーコート法、スリットコート法、カンマコート法などの公知の方法を用いることができる。
本発明の機能性樹脂版の凸部パターン材料に使用される樹脂としては、感光性樹脂を用いる場合の主成分となるポリマーとして、ニトリルゴム、シリコーンゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、アクリロニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、ウレタンゴムなどのゴムの他に、ポリエチレ
ン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエーテルスルホン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリビニルアルコールなどの合成樹脂やそれらの共重合体、セルロースなどの天然高分子などから一種類以上を選択することができるが、有機発光材料などといった塗工液を塗布する場合、有機溶剤に対する耐溶剤性の観点から、フッ素系エラストマーやポリ四フッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリ六フッ化ビニリデンやそれらの共重合体といったフッ素系樹脂が望ましい。
また、少なくとも、ポリアミド、ポリウレタン、ポリビニルアルコール、酢酸セルロースコハク酸エステル、部分ケン化ポリ酢酸ビニル、カチオン型ピペラジン含有ポリアミドやこれらの誘導体といった水溶性溶剤に可溶なものを一種類以上含有することにより水を用いた現像が可能となるため、これらの内から一つ以上を選択し用いることが最も望ましい。
上記感光性樹脂には感光性樹脂の重合のために光重合開始剤が添加される。例としては、この用途に適するものであれば特に制限は無く、各種文献に報告されているものを用いることができる。前記光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ベンジルジメチルケタノール、2−クロロチオキサントン、2−エチルアントラキノン、ジエチルチオキサントン(カヤキュアDETX:日本化薬製)、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(イルガキュア184:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン(イルガキュア369:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(イルガキュア651:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド(イルガキュア819:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン(イルガキュア907:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)又はビイミダゾール化合物などがあり、これらに限定されるものではない。また、これらの光重合開始剤は、必要に応じて適宜に複数のものを混合して使用しても良い。
感光性樹脂層1から凸部パターン1’を形成するために用いられる露光方式としては、板状感光性樹脂積層体の基板4上の感光性樹脂層1とフォトマスクを完全に密着させるコンタクト露光方式と、フォトマスクにダメージを与えないように少し距離をおいたプロキシミティー露光方式がある。フォトマスクのマスク基板にガラスを用いた場合、気泡の混入によりフォトマスクと感光性樹脂層1を密着させることが困難であり、接触による表面の損傷なども考えられることから、フォトマスクと感光性樹脂層1は離れている方が良い。しかしコンタクト露光方式では露光光は光の方向に広がりを持つために、フォトマスクと感光性樹脂層1との間で光が散逸し、正確なパターニングができない。したがって、露光光の方向がそろっているプロキシミティー露光方式により露光を行うことが好ましい。
現像方式としては、フォトマスクを板状感光性樹脂積層体から外し、現像を行なう。現像により感光性樹脂層の未硬化部分を除去し、本発明の機能性樹脂版となる。このとき、未硬化部分が水により溶解、除去可能なポリマー成分が水溶性高分子からなる水現像タイプの板状感光性樹脂積層体を用いた場合には、現像液として水が用いられる。また、現像後に感光性樹脂層を更に硬化させることを目的として、ベークや後露光をおこなっても良い。
本発明の機能性樹脂版の凸部パターンの必要に応じた機能として持ち合わせる耐溶剤層は凸部パターン上面や下面もしくはその両面にあってもよく、有機発光材料を溶剤中に分散または溶解させて調製した塗工液を印刷するためのものであるため、使用する樹脂には
有機発光材料の発光を阻害する光硬化剤や光重合開始材といった感光性成分を含まないものであってもよく、この用途に用いる機能性樹脂版を製造する場合には、硬化後の樹脂が、有機溶剤に対する耐溶剤性を有するものとするのがよい。この観点からは、その樹脂の主成分となるポリマーとして、フッ素系エラストマーやポリ四フッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリ六フッ化ビニリデンやそれらの共重合体といったフッ素系樹脂や、ポリアミド、ポリビニルアルコール、酢酸セルロースコハク酸エステル、部分ケン化ポリ酢酸ビニル、カチオン型ピペラジン含有ポリアミド、といった水溶性溶剤に可溶なものを用いることができる。
本発明の機能性樹脂版の凸部パターン1’が形成される基材4の材料としては、印刷に対する機械的強度を有すれば良く、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、ポリエーテルスルホン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリビニルアルコールなどの公知の合成樹脂、鉄や銅、アルミニウムといった公知の金属、またはそれらの積層体を用いることができるが、高い寸法安定性を保持するものが望ましい。そのため、基材4として用いられる材料としては金属が好適に使用され、例としては鉄、アルミニウム、銅、亜鉛、ニッケル、チタン、クロム、金、銀やそれらの合金、積層体などが挙げられるが、特に、加工性、経済性から鉄を主成分とするスチール基材やアルミ基材を好適に用いることができる。
また内部が無機系蛍光材料もしくは有機系蛍光材料で満たされたマイクロカプセルを分散した樹脂を用いる。このような樹脂を用いて感光性樹脂層を形成することで、蛍光材料の吸収した光の波長が発光に寄与し、凸部パターン1’のみが蛍光していることで、凸部パターン1’のみの検査が可能であり、基材4の影響なく、印刷に耐えうる基材であれば、基材を選択できる種類が広がり、多様な印刷が可能になる。
感光性樹脂層の厚さとしては、10μm以上50μm以下であることが好ましい。10μm未満の場合は機能性樹脂版のパターニング自体の精度が悪く、また50μmより大きい場合、蛍光材料の含有濃度が少ないことで全体の発光が弱くなり、欠陥部以外の場所も欠陥部と類似な暗い発光を示してしまうため、検査にばらつきが発生することや感光性樹脂層が厚くなることで、マイクロカプセルを含有する量比により、密着性が低下し、良好なパターンが得られない。
使用するマイクロカプセルとしては、水溶液からの相分離法、界面重合法、油滴中から生成するモノマーの重合、融解分散冷却法、スプレードライング法等、公知の製造法により得られるマイクロカプセルを利用する。マイクロカプセルが熱により膨張或いは収縮するものであると、製版時の熱によって上部の凸部パターン1’が変形し、印刷時の熱により印刷精度の低下が生じる恐れがあるため、マイクロカプセルに用いる樹脂としては耐熱性に優れた樹脂を使用することが好ましく、例えば、ポリイミドを用いることができる。本発明の場合、マイクロカプセルを用いる理由としては、蛍光材料を粉体のままで成型した際には、最表面に蛍光材料が露出することで、ガラス基材へ転写する時、有機EL材料に混合し、有機ELの発光特性に阻害要因として、影響することが考えられるからである。
マイクロカプセルに封入される無機系蛍光材料もしくは有機系蛍光材料としては、マイクロカプセルの安定性を保つためのものであれば自由に選択することができる。公知の蛍光材料として、無機系蛍光材料では珪素、アルミニウム、チタン、タンタル、ゲルマニウム、ガリウム、モリブデン、タングステン、イットリウム、バナジウム、リン、ホウ素等を母体骨格に持ち、希土類ユーロピウム、セリウム、テルビウム、サマリウムなどをアルカリ金属サイト、もしくはアルカリ土類金属サイトに賦活した酸化物、窒化物、硫化物、
酸窒化物や酸硫化物があり、また母体骨格自体が発光するものでもよいが、一般的には発光が強いものや発光をコントロールしやすいとされる希土類の賦活量を調整する形が好ましいと考えられる。有機系蛍光材料としては、有機蛍光色素や有機蛍光顔料などを用いることができる。また、これらを組み合わせた無機有機複合体の蛍光材料でもよく、これらをマイクロカプセル中に封入することができれば、粉末状の固体や溶媒に溶かした状態の液体でもよい。
マイクロカプセルの直径は1.0〜25μmであることが好ましい。1.0μm未満ではカプセルのサイズにばらつきが発生し、パターン形成後のパターン部の発光ばらつきが見られる。また、25μm以上だと印刷の際に機能性樹脂版の凸部パターンが変形するおそれがある。また、直径が1.0〜25μmの範囲にあれば、異なる直径のマイクロカプセルを混合してもよく、異なる直径のマイクロカプセルを含む感光性樹脂層を積層してもよい。
また感光性樹脂層中に含有するマイクロカプセルは1.0wt%以上10wt%以下が好ましい。それは1.0wt%未満では発光が弱く、欠陥なき場所でも明暗が発生してしまう。10wt%以上の場合、発光が強いことで、欠陥部周辺の輝度に欠陥部の暗いところが隠れてしまうことや、感光性樹脂と基材の密着性が悪化し、現像時に凸部パターンはがれや印刷中における凸部パターンの欠落が発生する。
次に、本発明に係る機能性樹脂版を用いた電子デバイスの製造方法の一例として、有機ELデバイスの製造方法について説明する。なお、本発明に係る電子デバイスないし有機ELデバイスの製造方法は、以下に例示する具体的な製造方法のみに限定されるものではない。
図2に、本発明に係る機能性樹脂版を用いた有機ELデバイス製造装置の一例を示した。図示した有機ELデバイス製造装置20は、印刷シリンダ22を備えた凸版印刷機により構成されている。印刷シリンダ22の外周に、本発明に係る機能性樹脂版10が巻装されている。塗工液補充装置24は、一般的な滴下型インキ補充装置であり、この塗工液補充装置24の中に、有機EL材料を含む発光層形成用塗工液26が貯留されている。
なお、この印刷シリンダ22は印刷に対する機械的強度を有すれば良く、公知の金属、樹脂、またはそれらの積層体を用いることができる。
発光層形成用塗工液26は、有機EL材料を溶剤中に分散または溶解させて調製したものである。有機EL材料としては、例えば、クマリン系、ペリレン系、ピラン系、アンスロン系、ポルフィリン系、キナクリドン系、N,N’−ジアルキル置換キナクリドン系、ナフタルイミド系、N,N’−ジアリール置換ピロロピロール系、イリジウム錯体系等の、有機溶剤に可溶な有機EL材料が用いられ、また、それら有機EL材料をポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルカルバゾール等の高分子中に分散させたものや、ポリアリーレン系、ポリアリーレンビニレン系やポリフルオレン系などの高分子有機EL材料も用いられる。また、溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、酢酸エチル、酢酸ブチル、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエチレン、水などの単独またはこれらの混合溶媒などが用いられる。特に、芳香族系溶剤およびハロゲン系溶剤は、有機EL材料を溶解させる溶剤として優れたものである。また、この発光層形成用塗工液26には、必要に応じて、界面活性剤、酸化防止剤、粘度調整剤、紫外線吸収剤、それに乾燥剤などを添加することもある。
発光層形成用塗工液26は、塗工液補充装置24から、インキング装置であるアニロッ
クスロール28へ補充され、アニロックスロール28に補充された余剰な発光層形成用塗工液26は、ドクターロールから成るドクター装置30により除去される。塗工液補充装置24としては、滴下型インキ補充装置の他に、ファウンテンロールやスリットコータ、キャップコータなどのコータやそれらを組み合わせたものなどを用いることもできる。ドクター装置30としては、ドクターロールの他に、ドクターブレードといった公知の物を用いることもできる。
ドクター装置30により余剰な発光層形成用塗工液が除去された後、アニックスロール28から機能性樹脂版10へのインキングが行われる。これによって発光層形成用塗工液26が、機能性樹脂版10の凸部パターン1’(図1(b)参照)へ供給され、そしてその発光層形成用塗工液26が、被転写体である有機ELデバイス基板32へ印刷される。有機ELデバイス基板32は多くの場合、ガラス基板であるが、ガラスの他に水蒸気などに対するバリア性を持ったフィルムなどの透光性基板も用いられ、本発明に係る機能性樹脂版10を用いることで、そのような基板にも良好に印刷することができる。有機ELデバイス基板32へ印刷された有機EL材料を含む発光層形成用塗工液26は、乾燥することにより有機発光層を形成する。
図3に、図2の有機ELデバイス製造装置20により製造された有機ELデバイス36の1つの発光単位38の断面模式図を示した。
この有機ELデバイス36の発光単位38は、透光性の有機ELデバイス基板32と透明導電層42と正孔注入層44と有機発光層46と陰極層48とを具備するものである。
この有機ELデバイス36において、透光性の有機ELデバイス基板32としては、ガラス基板やプラスチック製のフィルムまたはシートを用いることができる。プラスチック製のフィルムを用いれば、巻き取りにより有機発光デバイスの製造が可能となり、安価にデバイスを提供できる。そのプラスチックとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、シクロオレフィンポリマー、ポリアミド、ポリエーテルスルホン、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート等を用いることができる。また、透明導電層42を成膜しない側にセラミック蒸着フィルムやポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物等のガスバリア性フィルムを積層してもよい。
透明導電層42をなす材料としては、インジウムと錫の複合酸化物(以下ITOという)が挙げられる。また、アルミニウム、金、銀等の金属が半透明状に蒸着されたものや、ポリアニリン等の有機化合物などが挙げられる。
正孔注入層44をなす材料としては、ポリアニリン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリビニルカルバゾール誘導体、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸との混合物等の導電性高分子材料を用いても良い。
有機発光層46は、電圧の印加により発光する層であり、図2の有機ELデバイス製造装置20によって、本発明に係る機能性樹脂版10を用いて形成された層であり、上述した発光層形成用塗工液26が乾燥してできた層である。
陰極層48をなす材料としては、有機発光層46の発光特性に応じたものを使用すればよく、例えば、リチウム、マグネシウム、カルシウム、イッテルビウム、アルミニウムなどの金属単体や酸化物、これらと金、銀などの安定な金属との合金などが用いられる。また、インジウム、亜鉛、錫などの導電性酸化物を用いることもできる。
透光性の有機ELデバイス基板32上に透明導電層42及び正孔注入層44を形成する
には、公知の方法を用いればよく、それらを形成した後に、その上に、図2を参照して説明したようにして本発明に係る機能性樹脂版10を用いて有機発光層46を形成し、更にその上に、陰極層48を形成する。陰極層48の形成には真空蒸着法の他にインクジェット法といった公知の手段を用いることができる。
本発明の機能性樹脂版では、有機ELに必要とされる高精細な印刷パターンを形成する凸部パターンをハンディータイプのブラックライトや特定波長を有する光源ランプで凸版印刷機に巻きつけたままの検査が可能であり、凸版印刷機に巻きつける前の事前検査でも光源を選択することで、発光で得られる撮像画像の濃淡がつけられ、欠陥検査が容易になることで生産性や歩留まりを改善することが期待できる。
以下に本発明の具体的な実施例について説明するが、これに限るものではない。
<発光層形成用塗工液の調製>
高分子蛍光体をキシレンに塗工液濃度が1.0wt%となるように溶解させ、発光層形成用塗工液を調製した。高分子蛍光体としては、ポリ(パラフェニレンビニレン)誘導体からなる発光材料を使用した。
<被転写基板の作製>
150mm角、厚さ0.4mmのガラス基板を有機ELデバイス基板とし、この有機ELデバイス基板の上に、表面抵抗率15ΩのITOを成膜した基材(ジオマテック(株)製)を用意し、その基材上にスピンコーターを用いて正孔輸送層としてポリ(3,4)エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(PEDOT/PSS)を100nm膜厚で成膜した。さらにこの成膜されたPEDOT/PSS薄膜を減圧下100℃で1時間乾燥することで、被転写基板を作製した。
<機能性樹脂版の作製>
機能性樹脂版の基材4として、厚さ250μmのスチール材を用いた。次に、感光性樹脂層として基材4上に樹脂厚が50μmとなるように、マイクロカプセルを分散させた水溶性の感光性樹脂として、ナイロン系の感光性樹脂を、スピンコーターを用いて成膜した。用いたマイクロカプセルとしては、カプセルを構成する樹脂としてはポリイミドを、内包させた蛍光材料として公知の合成方法で得られるサイアロン(SiAlON)蛍光体を使用した。次に、感光性樹脂層1のライン幅20μm、スペース幅130μmのネガ版を用いて、光源に超高圧水銀ランプの400nm以上をカットするフィルターを搭載したプロキシミティー露光装置で露光を行い、スプレー式現像装置を用いた現像工程を経て凸部パターン1’を形成し、機能性樹脂版を作製した。
なお、400nm以上をカットする理由として、マイクロカプセル内の蛍光材料の吸収波長が400nm付近にあるため、400nmを用いることでマイクロカプセル内の蛍光材料が吸収してしまい、蛍光材料が感光性樹脂の内部で発光することで感光性樹脂が硬化する恐れがある。露光光で得られるエネルギー以外を排除することが目的であり、内部から感光するようなことがあれば、面内の仕上がり線幅に大きなばらつきが発生することが考えられる。
さらに、マイクロカプセルの含有量を0.5wt%、1.0wt%、5.0wt%、10wt%、15wt%とし、感光性樹脂層の膜厚を5.0μm、10μm、25μm、50μm、75μmとして、マイクロカプセルの含有量と感光性樹脂層の膜厚とにより、凸部パターンの仕上がりがどのようになるかを検査した結果を、以下の表1に示す。
Figure 2015060099
表1から明らかなように、感光性樹脂層の膜厚が5.0μmのときは凸部パターンの仕上がり線幅の面内分布の仕上がりにばらつきが生じたが、10μmから50μmでは概ね良好な値を示した。これは感光性樹脂層が薄いことで、仕上がり膜厚の面内均一性が凸部パターンの仕上がり線幅に与えた影響ということが考えられる。また75μmでは凸部パターンの仕上がりとして現像の樹脂残りや凸部パターン下部に感光性樹脂が再付着する現象が発生した。これを解消するために現像時間や現像SW圧等を変更したが、改善が見られなかった。これは使用する感光性樹脂材料の特性によるところが大きいと考えているが、本発明で用いる凸部パターンの幅は概ね20μmもしくはそれ以下を狙いとしている。感光性樹脂厚みを厚膜化することによる影響は使用する感光性樹脂材料を増加することで版の価格が上がることから、より安価で作製するには、本発明は50μmで十分ということがいえる。
また、表1から明らかなように、1.0wt%から10wt%では各膜厚では各々の版上の非発光部と転写欠陥部が一致したが、15wt%では基材との密着性が悪化し、凸部パターンが現像時に剥がれる現象や残っている箇所でも発光が強く、転写欠陥位置から版上の非発光部は観察できなかった。
<有機ELデバイスの作製>
以上により形成した異なる感光性樹脂層のマイクロカプセルの含有量および厚みを持つ機能性樹脂版を用いて有機ELデバイスを作製した。上記機能性樹脂版のそれぞれについて、機能性樹脂版を凸版印刷機の印刷シリンダに両面テープを用いて固定した。このとき、波長400nmを発するブラックライトを版へ照射し、非発光部を観察し、記録した。次に発光層形成用塗工液を用いて、被転写基板に対し印刷を行った。印刷は100枚連続印刷を実施した。有機発光層の印刷を行った後、130℃で1時間乾燥を行った。乾燥の後、印刷により形成した有機発光層上にカルシウムを10nm成膜し、さらにその上に銀を300nm真空蒸着して有機ELデバイスを作製した。
100枚連続印刷後の機能性樹脂版を印刷シリンダに巻きつけたまま、波長400nmを発するブラックライトを機能性樹脂版に照射したところ、蛍光を示さない部分があり、この位置と有機ELデバイスの転写欠陥の位置が一致した。また、印刷前に記録した版上の非発光部は連続印刷後にも同場所にあることを確認した。
次に印刷シリンダへ巻きつける前に、照明光源に波長400nmを搭載した検査カメラを用い、凸部パターンをスキャンし、非発光部をフィードバックするパターン検査装置を用いて検査した。これまでは基材に鋼板を使用することで、照明の反射光と金属光沢があり、凸部パターンのエッジが一部膨張やうねりとして観察されてしまい、転写欠陥が発生しない凸部パターンを欠陥と認識してしまう現象や、反対に凸部パターン中央部にある欠陥が反射光や金属光沢でぼけてしまい、欠陥部として検出しない問題が発生していた。
しかし、この機能性樹脂版を用いることで、検査エリアを暗くし、赤色発光部のみを凸部パターンとして認識し、前記金属光沢の影響なく、検査することができる。
印刷シリンダへ巻きつける前に転写に影響する欠陥部を発見することで、事前に版を取捨することができる。
これにより、版上欠陥部の位置が事前または印刷中に確認でき、生産前や生産中でも欠陥部を素早く発見することで、版交換までのロス時間短縮や事前の検査により転写する材料の無駄を省くことができた。
1……感光性樹脂層(マイクロカプセル含)
4……基材(スチール)
1’……凸部パターン(樹脂層)
10……機能性樹脂版
20……有機ELデバイス製造装置
22……印刷シリンダ
24……塗工液補充装置
26……発光層形成用塗工液
28……アニロックスロール
30……ドクター装置
32……有機ELデバイス基板
36……有機ELデバイス
38……有機ELデバイスの発光単位
42……透明電導層
44……正孔注入層
46……有機発光層
48……陰極層

Claims (8)

  1. 少なくとも基材と、前記基材上に感光性樹脂層から形成された凸部パターンを有する機能性樹脂版であって、
    前記感光性樹脂層は自発光物質を有するマイクロカプセルを含有していることを特徴とする機能性樹脂版。
  2. 前記感光性樹脂層から凸部パターンを形成する際に必要な感光波長域は365nm以下であることを特徴とする請求項1記載の機能性樹脂版。
  3. 前記自発光物質は、
    無機系もしくは有機系の蛍光材料であり、
    前記蛍光材料の光吸収波長域は400nm以上500nm以下で、550nm以上の発光波長を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の機能性樹脂版。
  4. 前記感光性樹脂層中におけるマイクロカプセル含有量は1.0wt%以上10wt%以下とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の機能性樹脂版。
  5. 前記感光性樹脂層の膜厚は10μm以上50μm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の機能性樹脂版。
  6. 基材上に、自発光物質を有するマイクロカプセルを分散させた感光性樹脂層を形成し、露光装置で露光を行うことで前記感光性樹脂層から凸部パターンを形成することを特徴とする機能性樹脂版の製造方法。
  7. 前記露光装置は、露光を行う光源に400nm以上の波長をカットするフィルターを搭載したことを特徴とする請求項6記載の機能性樹脂版の製造方法。
  8. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の機能性樹脂版で作製したことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
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