JP2013206822A - 印刷用凸版の製造方法、及び有機エレクトロルミネッセンス素子と電子デバイスの製造方法 - Google Patents

印刷用凸版の製造方法、及び有機エレクトロルミネッセンス素子と電子デバイスの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】凸版印刷法による有機層の成膜において均一な膜形成ができる印刷用凸版、並びにそれを用いた発光輝度ムラのない有機エレクトルミネッセンス素子及び電子デバイスの製造方法を提供すること。
【解決手段】支持基材上に反射防止層を形成する工程と、反射防止層の上に感光性樹脂を塗布し感光性樹脂層を形成する工程と、支持基材の長手方向端部を把持し所定の張力で引っ張る工程と、感光性樹脂層に応力が生じた状態で感光性樹脂層を所定パターンに露光する工程と、光性樹脂層を現像し所定パターンの凸部を形成する工程と、応力を解放する工程と、を有することを特徴とする印刷用凸版の製造方法である。
【選択図】図4

Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子等電子デバイス中の機能層を凸版印刷法によって製造するために使用する印刷用凸版に係り、特には印刷用凸版を版胴に巻きつける際に生じる刷版上の凸部パターンの歪みを解消する技術に関する。
一般的に、有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、簡単のため有機ELとも記す。)は、対向する一対の電極間に、有機発光材料からなる発光層を形成し、この発光層に電流を流すことにより発光させるものであるが、効率良く発光させるには、有機発光層の膜厚のコントロールが重要であり、例えば膜厚を100nm程度と極めて薄膜にする必要がある。さらに、これをディスプレイ化するには、赤、青、緑に発光する有機発光層を高精細にパターニングする必要がある。
有機発光材料には、低分子材料と高分子材料があり、一般に低分子材料は、基板上に抵抗加熱蒸着法(真空蒸着法)により薄膜を形成し、このときに微細パターンのマスクを用いてパターニングするが、この方法では基板が大型化すればするほど、パターニング精度が出難いという問題がある。
一方、高分子系発光材料を用いてフルカラー化するために有機発光層をパターニングする手段としては、主にインキジェット法によるパターン形成方法と、印刷版を用いたパターン形成方法が提案されている。
インキジェット法によるパターン形成は、インキジェットノズルから溶剤に溶かした発光材料を基板上の所定位置に吐出し、そのまま基板上で乾燥させることで所望の発光パターンを得る方法である(特許文献1)。しかしながら、ノズルから噴出されたインキ液滴は球状をしているため、基板上に着弾する際にインキが円形状に広がったり、あるいは着弾精度が悪いと得られるパターン形状が直線性に欠けるという問題がある。
これに対し、例えば、予め基板上にフォトリソグラフィなどにより撥インキ性のある材料でバンクを形成し、バンクとバンクの間にインキ液滴を着弾させることで、バンク部分でインキをはじかせ、直線性のパターンを得る技術が開示されている(特許文献2)。しかし、バンク側壁ではじかれた部分と側壁から離れた部分で有機発光層の膜厚にバラツキができてしまうという問題がある。
そこで、有機発光材料を溶剤に溶解あるいは分散させてインキ化し、このインキを用い、凸版印刷法、反転印刷法、スクリーン印刷法などの印刷法によりパターニングする方法が提案されている。
さらに、有機EL素子やディスプレイでは、基板としてガラス基板を用いることが多いため、上記印刷法の中でも、グラビア印刷法のように金属製の硬い印刷版が直接被印刷基板に触れる方法は不向きである。そのために、弾性を有するゴム製の印刷版を用いる印刷法や、ゴム製の印刷用ブランケットを用いるオフセット印刷法や、弾性を有するゴムやその他の樹脂を主成分とした感光性樹脂刷版を用いる凸版印刷法が好適である。実際に、オフセット印刷や凸版印刷によるパターン印刷が提唱されており、特に凸版印刷法はパターン精度、膜厚均一性などに優れ、印刷による有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法として適している(特許文献3、4)。
特開平10−12377号公報 特開2002−305077号公報 特開2001−93668公報 特開2001−155858公報
凸版印刷法で用いる印刷用凸版は、支持基材上に凸部パターンを備えた樹脂層が密着したものであるが、支持基材を版胴に巻きつけて固定する際に、支持基材を版胴に密着させるために、版胴の円周方向に支持基材両端を引っ張りながら版胴に固定する。張力を加えると発生する応力により支持基材が変形して樹脂層に形成された凸部パターンが歪む傾向がある。この傾向は一般的な印刷物では問題とならないが、有機エレクトロルミネッセンス素子の有機発光材料を被印刷基板上に転写する場合には、歪みによって本来塗布されるべき部位からズレて塗布されたり、膜厚にムラが生じることになる。これが赤、青、緑の発光層の印刷時に生じると、発光輝度がバラツキつき画像がぼけるという問題があった。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、その課題とするところは、凸版印刷法において、支持基材の端部を引っ張って版胴に密着巻きつけすることで支持基材とその上の樹脂刷版部分が応力により多少変形しても、変形した当該刷版から被印刷基板に所望の印刷パターンが転写される印刷用凸版の製造方法を提供することを課題とした。
上記の課題を達成するための請求項1に記載の発明は、支持基材上に反射防止層を形成する工程と、反射防止層の上に感光性樹脂を塗布し感光性樹脂層を形成する工程と、支持基材の長手方向端部を把持し所定の張力で引っ張る工程と、感光性樹脂層に応力が生じた状態で感光性樹脂層を所定パターンに露光する工程と、応力を解放する工程と、感光性樹脂層を現像し所定パターンの凸部を形成する工程と、を有することを特徴とする印刷用凸版の製造方法としたものである。
請求項2に記載の発明は、前記応力解放後の感光性樹脂凸部パターンの歪み量Lが0<L<5μm/cmの範囲であることを特徴とする請求項1に記載の印刷用凸版の製造方法としたものである。
請求項3に記載の発明は、前記感光性樹脂凸部パターンは、支持基材の長手方向にストライプ状に伸在するパターンであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の印刷用凸版の製造方法としたものである。
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の製造方法で製造した印刷用凸版を、請求項1に記載の張力と同じ張力で凸版印刷装置の版胴に巻きつけ、感光性樹脂凸部に応力を生じる工程と、印刷用凸版の樹脂凸部に有機発光材料からなるインクを盛り付ける工程と、有機発光材料インクを被印刷用基板に転写する工程と、を含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法としたものである。
請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の製造方法で製造した印刷用凸版を、請求項1に記載の張力と同じ張力で凸版印刷装置の版胴に巻きつけ、感光性樹脂凸部に応力を生じる工程と、印刷用刷版の樹脂凸部に有機機能材料からなるインクを盛り付ける工程と、有機機能材料インクを被印刷用基板に転写する工程と、を含むことを特徴とする電子デバイスの製造方法としたものである。
本発明によれば、版胴に巻きつけられて変形した印刷用凸版の樹脂層には歪みのない所望の凸部パターンが形成されることになるため、この凸部にインクを盛り付けて、被印刷基板に転写すると、被印刷基板には、歪みのない所望の印刷パターンが転写される。
したがって、インクとして有機発光層用のインクを用いれば、被印刷基板上の有機発光層パターンには、パターン間の位置ズレや膜厚ムラが少なく、この被印刷基板を使用することで輝度ムラのないシャープな発光パターンを有する有機エレクトロルミネッセンス素子等の製造が可能となる。
有機エレクトロルミネッセンス素子の構成を説明する断面模式図である。 凸版印刷装置の印刷用凸版に係る部分の斜視断面図である。 (a)、(b)は本発明の印刷用凸版の例を示す断面視の図である。 (a)〜(f)は印刷用凸版の製造工程の一例を示す断面視の工程図である。 印刷用凸版上の凸部の形状を示す上面視の図である。(a)張力印加時、(b)張力を印加した後の解放後、(c)版胴に巻きつけた後の応力存在時。
本発明は、基板に所望するパターンを形成してから基板に応力を加えた場合、基板が変形すればパターンも歪む。一方、基板に応力を加えて変形させた後に所望のパターンを基板に形成すれば、応力を解放した状態では、パターンは歪むが応力を加えれば基板には所望のパターンが再現されるということに基づく。
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、本発明はこれに限るものではない。
先ず、本発明に係る印刷用凸版の製造方法について説明する。
図3に本発明になる印刷用凸版(以下、単に凸版とも記す。)の一例を断面視図として示した。印刷用凸版は、支持基材200上に反射防止層202と樹脂から形成された複数の凸部(以下、凸部パターン領域と記す。)から構成されている。図3(a)では、凸部パターン領域201は、複数の凸部が基部で連結して支持基材200上に形成されている。図3(b)では、凸部パターン領域201は、複数の凸部はそれぞれ切り離されて独立して基材200上に形成されている。
本発明では、図3(a)、図3(b)どちらのタイプの印刷用凸版を用いても構わない。なお、必要に応じて凸部パターン領域201と支持基材200(以下、単に基材と記す。)との間に紫外線反射防止効果、耐水性、耐油性、発水性、接着性などを付与するための層を加えても良いし、基材上に直接凸部パターン領域を形成してもよい。
印刷用凸版に用いる支持基材200としては、印刷に対する機械的強度を有していれば良く、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、ポリエーテルスルホン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリビニルアルコールなどの公知の合成樹脂、鉄や銅、アルミニウムといった公知の金属、またはそれらの積層体を用いることができる。
しかしながら、本発明に使用する印刷用凸版を構成する基材200としては、高い寸法
安定性を保持するものが望ましい。この点を考慮すると、基材200としては、金属が好適に使用される。金属としては、鉄、アルミニウム、銅、亜鉛、ニッケル、チタン、クロム、金、銀やそれらの合金、積層体などが挙げられるが、特に、加工性、経済性から鉄を主成分とするスチール基材やアルミ基材を好適に用いることができる。
凸部パターン領域201の樹脂凸部は、ポジ型感光性樹脂を用いたフォトリソグラフィー法、ネガ型感光性樹脂を用いたフォトリソグラフィ法、射出成型、凸版印刷法、凹版印刷法、平版印刷法、孔版印刷法、レーザーアブレーション法等の種々のパターン成型法を用いることができるが、パターンの高精細さの観点から、感光性樹脂を用いたフォトリソグラフィー法が望ましく、特に高精度の凸部パターンを形成可能なネガ型感光性樹脂を用いるのが最も望ましい。
感光性樹脂を用いたフォトリソグラフィ法を凸部パターン形成に適用する場合、基材200、反射防止層202、感光性樹脂層が順次積層されている板状の積層体から樹脂凸部を形成することが最も望ましい。感光性樹脂層は、射出成型法、突出成型法、ラミネート法、バーコート法、スリットコート法、カンマコート法などの公知の方法で反射防止層202の上に形成できる。
図4に本発明における板状感光性樹脂積層体と凸部201の製造工程を示した。
先ず、基材200上いバーコート法、スリットコート法、スプレーコート法、フレキソ印刷、グラビア印刷などのウェットコーティング法もしくはスパッタ法、真空蒸着法、CVD法などのドライコーティング法により反射防止層202とし積層体203とする(図4(a)、(b))。
次に、感光性樹脂層201’を射出成型法、突出成型法、ラミネート法、バーコート法、スリットコート法、カンマコート法などの公知の方法で積層体203の上に成膜し積層体204とする(図4(c))。
次に、積層体204下部の基材200の両端に、図4(d)に示す様に印刷用凸版を版胴に巻く際に引っ張る力とほぼ同等の引っ張り力208を加えながら、所定パターンを有する露光マスク209を介してUV光210を感光性樹脂層201’に照射する(図4(e))。周知の現像工程を経て、目的とする印刷パターンを形成するための感光性樹脂からなる凸部パターンを備えた印刷用凸版(版材)を作成する(図4(f)))。
凸部パターン領域201の凸部を組成する樹脂の一成分となるポリマーは、ニトリルゴム、シリコーンゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、アクリロニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、ウレタンゴムなどのゴムの他に、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエーテルスルホン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリビニルアルコールなどの合成樹脂やそれらの共重合体、セルロースなどの天然高分子などから一種類以上を選択することができるが、有機発光材料などといった塗工液を塗布する場合、有機溶剤に対する耐溶剤性の観点から、フッ素系エラストマーやポリ四フッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリ六フッ化ビニリデンやそれらの共重合体といったフッ素系樹脂が望ましい。
版材に用いられる樹脂層としては感光性樹脂を用いることが望ましく、例えばポリマーと不飽和結合を含むモノマーと光重合開始材を構成要素とする感光性樹脂が挙げられる。この時、ポリマーとしては、上記の樹脂材料の中から適宜選択することができる。不飽和結合を含むモノマーとしては、例えばビニル結合を有するメタクリレート類を用いること
ができる。
また、凸部を形成する樹脂の一成分となるポリマーとして、ポリアミド、ポリウレタン、ポリビニルアルコール、酢酸セルロースコハク酸エステル、部分ケン化ポリ酢酸ビニル、カチオン型ピペラジン含有ポリアミドやこれらの誘導体といった水溶性溶剤に可溶なものを一種類以上含有することにより水を用いた現像が可能となるため、これらの内から一つ以上を選択し用いることが最も望ましい。
露光光の照射によってラジカルを発生させる光重合開始剤としては、この用途に適するものであれば特に制限は無く、各種文献に報告されているものを用いることができる。前記光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ベンジルジメチルケタノール、2−クロロチオキサントン、2−エチルアントラキノン、ジエチルチオキサントン(カヤキュアDETX:日本化薬製)、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(イルガキュア184:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン(イルガキュア369:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(イルガキュア651:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド(イルガキュア819:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン(イルガキュア907:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)又はビイミダゾール化合物などがあり、これらに限定されるものではないが、本発明では露光光源に200〜450nmの波長領域に輝線スペクトルを持つものを用いるため、この範囲の光の照射によってラジカルを発生させるものが好ましい。また、これらの光重合開始剤は、必要に応じて適宜に複数のものを混合して使用しても良い。
感光性樹脂層は、上記のラジカル重合性モノマー及び光重合開始剤を主成分とするものであるが、これらのほかにバインダー樹脂や可塑剤を添加することも可能であるし、また、適切な溶剤を加えてもよい。
反射防止層202としては、波長領域が400nmから800nm付近の白色光に対する反射抑制効果があれば良い。反射防止層202の材料としては、一般的な感光性樹脂や熱硬化性樹脂等が用いられ、これらの樹脂に光を吸収する材料や光を拡散する材料、例えばカーボンブラックや酸化チタンを分散したものを用いることができる。
次に、本発明の印刷用凸版の製造方法について述べる。
凸版印刷法では版胴に印刷用の凸版を巻きつける際に版の両端を引っ張ることによって、版が延伸されることにより基材の中央部が延伸方向と垂直方向に縮むことでストライプパターン領域が変形し、ストライプパターンに歪みが生じる(図5(a))。そのため、歪んだ印刷パターンを備えた凸版を使用して製造した被印刷基板から有機ELパネルを製造すると印刷開始側、終了側とパネル中央で輝度差が生じるといった問題がある。
版の両端とは、印刷用凸版が一般に長方形状とすれば短辺部分を指し、長手方向の端部と同義であり、ストライプは長辺に平行に延びているものでる。
なお、印刷開始側とはストライプ状凸部のうち、凸部と被印刷基板とが最初に接触する部分をいい、印刷終了側とは、凸部が被印刷基板から離れる部分をいう。ここで、ストライプ形状またはストライプ状とは直線状の平面形状やそのような状態をいい、少なくとも対向する2つの長辺と、対向する2つの短辺とで囲まれる長方形や、少なくとも対向する2つの長辺と一つの短辺を持つ三角形などの形状やそのような状態を含む。また、長辺や
短辺自体は曲線であっても不連続な線分であっても良い。
ここで、被印刷基板の画素における有機発光層の膜厚、ストライプパターンの歪みの量の関係について述べると、有機発光層の膜厚はストライプパターンの歪み量Lの増加に伴って減少する。ここでストライプパターンの歪みとは、版胴に巻きつけられて版胴円周方向に応力の加わった印刷用凸版の基材上に形成されたストライプ状の凸部パターンの位置と、露光された直後の凸部パターンとの位置とのズレの大きさを、単位長さ当り値に換算した値とする。例として版胴上に巻かれた印刷用凸版の歪みの中心から版動の円周方向に対して垂直方向に10cm離れた位置における凸部パターンのズレの大きさが10μmであれば、該凸部パターンの歪み量は1μm/cm(つまり、10μm/10cmより算出される)となる。
本発明では、印刷用凸版の基材に対し版胴に巻いた際と同等の張力を加えながら、基材上の感光性樹脂の露光を行い、目的とする樹脂凸版を形成する。張力が加われば凸版内部には応力が発生している。該印刷用凸版では、応力が生じていない状態ではストライプパターン領域が版胴の円周方向に対して垂直方向に広がる方向に歪む(図5(b))。上記の様に有機層の膜厚は凸部パターンの歪み量に対して減少するため、凸部パターンの歪み量が増加するにつれて、該凸部パターンのインキが転写された被印刷基板上の画素では膜厚が低減する傾向がある。
本発明に係る印刷用凸版を版胴に取り付けて露光時と同等の応力が加わる状態(図5(c))では、凸部パターンの歪みが解消されているため、前記の膜厚バラツキを抑制することができる。該方法を用いることにより、凸版印刷法で形成される有機発光層の膜厚の均一性と位置精度とが向上し、発光輝度ムラのない有機エレクトロルミネッセンス素子を作製することができる。
本発明の一実施形態である図5(a)に示す印刷用凸版の製造方法として、印刷用凸版の両端に加わる応力は、力を加える基材の端辺に渡って均一であることが望ましい。
印刷用凸版に生じる応力が増加するに従って、版上に塗工された樹脂層にも縮みや伸びが発生し、非常に大きくなるとうねりや皺となり、露光、現像後の凸部パターンの高さのバラツキとして反映される。凸部パターンの高さバラツキは、凸部パターンが被印刷基板に接触する際の印圧に反映されることによって、印刷物の膜厚にバラツキが生じる。実際の基材に加わる具体的な歪み量Lの範囲としてはL<2μm/cm以下であることが望ましい。
次に、本発明の印刷用凸版を用いた凸版印刷装置について説明する。
有機EL用の有機発光層の形成に使用する印刷装置は、平板に印刷する方式の凸版印刷機であれば使用可能であるが、以下に示すような印刷装置が望ましい。図2にインターレイヤ5および有機発光層6の形成に用いる印刷装置の斜視模式図を示した。凸版印刷装置は、インキタンクとインキチャンバー(図示せず)とアニロックスロール13と本発明に係る印刷用凸版12を取り付けした版胴11を有している。
インキタンクには、溶剤で希釈された有機発光インキが収容されており、インキチャンバーにはインキタンクより有機発光インキがアニロックスロール上にインキ供給部を介して送り込まれるようになっており、インキ供給部はアニロックスロール上にインキを直接押出て供給するダイコーターや、インキが溜まったインキ溜りにアニロックスロールを浸漬させてインキを供給するものであってもよい。アニロックスロール13は、インキチャンバーのインキ供給部及び版胴11に接して回転するようになっており、アニロックスロ
ール上のインキ量を均一にするためのドクターブレードやドクターロールを有していることが好ましい。
アニロックスロール13の回転にともない、インキチャンバーから供給された有機発光インキはアニロックスロール13表面に均一に保持されたあと、版胴11に取り付けされた凸版12の凸部パターン領域201の凸部に均一な膜厚で転移する。さらに、被印刷基板10(TFT基板)は摺動可能な基板固定台上に固定され、印刷用凸版12の凸部パターン領域201と被印刷基板10のパターンの位置調整機構により、位置調整しながら印刷開始位置まで移動して、版胴11の回転に合わせて凸版12の凸部パターン領域201が被印刷基板10に接しながらさらに移動し、ステージ上にある被印刷基板10の所定位置(画素のライン)に有機発光インキを転移するものである。
次に、本発明になる印刷用凸版を用いた凸版印刷法により作製される有機エレクトルミネッセンス素子について説明する。
図1に本発明の印刷用凸版を用いて印刷された被印刷基板を使用する有機EL素子の断面模式図を示した。図1の有機EL素子は、基板1上に、画素電極2、正孔輸送層4、インターレイヤ5、有機発光層6、対向電極7をこの順で備える。画素電極2、対向電極7間には有機発光層6が設けられ、画素電極2と有機発光層5の間に正孔輸送層4とインターレイヤ5が設けられる。また、画素電極2は、隔壁3により隔離され短絡しないようになっている。有機ELは、対抗電極7や有機発光層6を外部の水分や酸素から遮断する必要があるため、封止体8を基板1に接着剤8bで接着している。封止体8は、封止キャップ8a、接着剤8b、乾燥剤8cを備える。
また、本発明になる印刷用凸版を用いて作製される有機EL素子にあっては、画素電極2と対向電極7の間には有機発光層6の他に発光補助層を備えることができる。発光補助層としては、正孔輸送層4やインターレイヤ5の他に、電子注入層、電子輸送層等を挙げることができる(図示せず)。これらの発光補助層は適宜選択されるが、複数選択してもよい。正孔輸送層4とインターレイヤ5は、画素電極2と有機発光層6の間に設けられるが、電子注入層と電子輸送層は、有機発光層6と対向電極7の間に設けられる。また、画素電極2、対向電極7、有機発光層6、正孔輸送層4、インターレイヤ5は単層構造ではなく、多層構造としてもよい。
以上の有機EL素子の構成のうち、本発明の印刷用凸版は少なくとも有機発光層6の形成に用いられるが、印刷法により形成することができるものであれば上記のいずれの層形成にも本発明を適用できる。
正孔輸送層4と有機発光層6の間にバッファー層として形成されるインターレイヤ5は、正孔の輸送性を高める効果と、対向電極7から移動してくる電子をブロックする効果が期待される層であり、実際にインターレイヤ5を設けることで、有機EL素子の効率や寿命が向上することが確認されている。
なお本発明の有機EL素子にあっては、パッシブマトリックス方式の有機EL素子、アクティブマトリックス方式の有機EL素子のどちらにも適用可能である。パッシブマトリックス方式とはストライプ状の画素電極及び対向電極を直交させるように対向させ、その交点を発光させる方式であるのに対し、アクティブマトリックス方式は画素毎に薄膜トランジスタ(TFT)を形成した、いわゆるTFT基板を用いることにより、画素毎に独立して発光する方式である。アクティブマトリックス方式有機エレクトルミネッセンス素子の場合、画素電極、対向電極の一方の電極はTFT基板上に画素毎に設けられるが、もう一方の電極はベタ電極となる。
また、本発明の有機EL素子にあっては、発光した光を基板側から取り出すボトムエミッション方式の有機EL素子、発光した光を基板と反対側から取り出すトップエミッション方式の有機EL素子のどちらでもかまわない。ボトムエミッション方式の有機EL素子とする場合には、基板及び画素電極が光透過性を有する必要があり、トップエミッション方式の有機EL素子とするためには、対向電極及び封止体が光透過性を有する必要がある。
次に、図1に示した有機EL素子を本発明の図2に示す印刷用凸版12を用いて製造する方法について説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明にかかる基板1としては、絶縁性を有する基板であれば使用することができる。この基板側から光を出射するボトムエミッション素子の場合には、基板として透明なものを使用する必要がある。
例えば、このような基板としては、ガラス基板や石英基板が使用できる。また、ポリプロピレン、ポリエーテルサルフォン、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、ポリアリレート、ポリアミド、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のプラスチックフィルムやシートであっても良い。これら、プラスチックフィルムやシートに、金属酸化物薄膜、金属フッ化物薄膜、金属窒化物薄膜、金属酸窒化膜薄膜、あるいは高分子樹脂膜を積層したものを基板として利用してもよい。
前記金属酸化物薄膜としては、酸化ケイ素、酸化アルミニウム等が例示できる。前記金属フッ化物薄膜としては、フッ化アルミニウム、フッ化マグネシウム等が例示できる。金属窒化物薄膜としては、窒化ケイ素、窒化アルミニウム等が例示できる。また、前記高分子樹脂膜としては、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂等が例示できる。また、トップエミッション素子の場合には、不透明な基板を使用することもできる。
また、これらの基板は、あらかじめ加熱処理を行うことにより、基板内部や表面に吸着した水分を極力低減することがより好ましい。また、基板上に積層される材料に応じて、密着性を向上させるために、超音波洗浄処理、コロナ放電処理、プラズマ処理、UVオゾン処理などの表面処理を施してから使用することが好ましい。
また、前記基板上に薄膜トランジスタ(TFT)を形成して、駆動用基板としても良い。TFTの材料としては、ポリチオフェンやポリアニリン、銅フタロシアニンやペリレン誘導体等の材料を用いてもよく、また、アモルファスシリコンやポリシリコンを用いてもよい。また、前記基板のどちらかの面にカラーフィルタ層や光散乱層、光偏光層等を基板に設けてもよい。
次に、この基板1上に画素電極2を形成する。画素電極を陽極として用いる場合、形成材料としてはITO(インジウムスズ複合酸化物)、IZO(インジウム亜鉛複合酸化物)、亜鉛アルミニウム複合酸化物などの金属複合酸化物が利用できる。被膜形成方法としてはドライコーティング方式が利用できる。例えば、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法等である。そして、真空製膜された金属酸化物被膜にフォトレジストを塗布して露光・現像し、ウェットエッチング又はドライエッチングして、パターン状に加工することができる。パッシブマトリックス方式の有機エレクトルミネッセンス素子の場合には、画素電極はストライプ状に形成される。アクティブマトリックス方式の有機エレクトルミネッセンス素子の場合には、画素電極はドット状にパターン形成される。
画素電極2を形成後、隣接する画素電極パターンの間に感光性材料を用いて、フォトリソグラフィ法により隔壁3が形成される。さらに詳しくは、感光性樹脂組成物を基板に塗布する工程と、パターン露光、現像、焼成して隔壁パターンを形成する工程を少なくとも有する。
隔壁3を形成する感光性材料としてはポジ型レジスト、ネガ型レジストのどちらであってもよく、市販のもので構わないが、絶縁性を有する必要がある。隔壁が十分な絶縁性を有さない場合には隔壁を通じて隣り合う画素電極に電流が流れてしまい表示不良が発生してしまう。また、TFTの誤作動により適正な表示ができないことがある。感光性材料としては、具体的にはポリイミド系、アクリル樹脂系、ノボラック樹脂系、フルオレン系といったものが挙げられるがこれに限定するものではない。また、有機ELパネルの表示品位を上げる目的で、光遮光性の材料を感光性材料に含有させても良い。
隔壁3を形成する感光性樹脂はスピンコーター、バーコーター、ロールコーター、ダイコーター、グラビアコーター等の公知の塗布方法を用いて塗布される。次に、パターン露光、現像して隔壁パターンを形成する工程では、従来公知の露光、現像方法により隔壁部のパターンを形成できる。また焼成に関してはオーブン、ホットプレート等での従来公知の方法により焼成を行うことができる。
隔壁3は、厚みが0.5μmから5.0μmの範囲にあることが望ましい。隔壁3を隣接する画素電極間に設けることによって、電極パターン上に塗布された正孔輸送インキはレベリングとともに隔壁上の膜厚は薄くなることから隣接画素間のリーク等が発生しにくく、また画素電極端部からのショート発生を防ぐことが出来る。また、異なる発光色を有する有機発光材料を溶媒に溶解または分散させた有機発光インキを用いて画素ごとに塗り分けをおこなう場合、隣接する画素との混色を防止することが出来る。隔壁が低すぎると隣接画素間で正孔輸送層経由でのリーク電流の発生やショートの防止、有機発光インキの混色防止の効果が得られないことがあり注意が必要である。正孔輸送層を無機材料としても良い。
隔壁3形成後、正孔輸送層4を形成する。正孔輸送層4の形成材料としては、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリビニルカルバゾール、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸との混合物などの高分子正孔輸送材料、ポリチオフェンオリゴマー材料、その他既存の酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化ニッケルなどの金属酸化物等の中から選ぶことができる。正孔輸送層4の形成方法としては、前記高分子正孔輸送材料では、凸版印刷法やスピンコート法、バーコート法を用いることができ、前記金属酸化物では、材料に応じて、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法を用いることができる。
正孔輸送層4形成後、有機発光層6を形成する。有機発光層6は電流を通すことにより発光する層であり、有機発光層6を形成する有機発光材料は、9,10−ジアリールアントラセン誘導体、ピレン、コロネン、ペリレン、ルブレン、1,1,4,4−テトラフェニルブタジエン、トリス(8−キノリノラート)アルミニウム錯体、トリス(4−メチル−8−キノリノラート)アルミニウム錯体、ビス(8−キノリノラート)亜鉛錯体、トリス(4−メチル−5−トリフルオロメチル−8−キノリノラート)アルミニウム錯体、トリス(4−メチル−5−シアノ−8−キノリノラート)アルミニウム錯体、ビス(2−メチル−5−トリフルオロメチル−8−キノリノラート)[4−(4−シアノフェニル)フェノラート]アルミニウム錯体、ビス(2−メチル−5−シアノ−8−キノリノラート)[4−(4−シアノフェニル)フェノラート]アルミニウム錯体、トリス(8−キノリノラート)スカンジウム錯体、ビス〔8−(パラ−トシル)アミノキノリン〕亜鉛錯体及びカドミウム錯体、1,2,3,4−テトラフェニルシクロペンタジエン、ペンタフェニルシクロペンタジエン、ポリ−2,5−ジヘプチルオキシ−パラ−フェニレンビニレン、クマリン系蛍光体、ペリレン系蛍光体、ピラン系蛍光体、アンスロン系蛍光体、ポルフィリン系蛍光体、キナクリドン系蛍光体、N,N’−ジアルキル置換キナクリドン系蛍光体、ナフタルイミド系蛍光体、N,N’−ジアリール置換ピロロピロール系蛍光体等、Ir錯体等の燐光性発光体などの低分子系発光材料や、ポリフルオレン、ポリパラフェニレンビニレン、ポリチオフェン、ポリスピロなどの高分子発光材料や、これら高分子材料に前記低分子材料の分散または共重合した材料や、その他既存の蛍光発光材料や燐光発光材料を用いることができる。
また、有機エレクトルミネッセンス素子における有機発光層6と正孔輸送層4の間に、加熱により正孔輸送層4との密着性を増す材料であるインターレイヤ5を挟んでも良い。このインターレイヤ5により、有機発光層6の発光効率が増し、駆動寿命も長く成ることが知られている。この様な材料としては、ポリ(2,7−(9,9−ジ−オクチルフルオロレン))−alt−(1,4−フェニレン−((4−sec−ブチルフェニル)イミノ)−1,4−フェニレン))(TFB)等が挙げられる。形成方法としては、高分子材料では、凸版印刷法やスピンコート法、バーコート法を用いることができ、材料に応じて、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法を用いることができる。
本発明において有機発光材料は溶媒に溶解または安定に分散され、印刷法に用いるインキとして有機発光インキとして用いられる。上記の低分子系発光材料や高分子発光材料を溶解または分散する溶媒としては、トルエン、キシレン、アセトン、アニソール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等の単独またはこれらの混合溶媒が挙げられる。中でも、トルエン、キシレン、アニソールといった芳香族有機溶剤が有機発光材料の溶解性の面から好適である。又、有機発光インキには、必要に応じて、界面活性剤、酸化防止剤、粘度調整剤、紫外線吸収剤等が添加されても良い。
次に、対向電極7を形成する。対向電極7を陰極として用いる場合、形成材料としては有機発光層6への電子注入効率の高い物質を用いる。具体的には、Mg、Al、Yb等の金属単体を用いたり、発光媒体と接する界面にLiや酸化Li,LiF等の化合物を1nm程度挟んで、安定性・導電性の高いAlやCuを積層して用いてもよい。または、電子注入効率と安定性を両立させるため、仕事関数が低いLi、Mg、Ca、Sr、La、Ce、Er、Eu、Sc、Y、Yb等の金属1種以上と、安定なAg、Al、Cu等の金属元素との合金系を用いてもよい。具体的にはMgAg、AlLi、CuLi等の合金が使用できる。対向電極7を透光性電極層として利用する場合には、仕事関数が低いLi、Caを薄く設けた後に、ITO(インジウムスズ複合酸化物)やインジウム亜鉛複合酸化物、亜鉛アルミニウム複合酸化物などの金属複合酸化物を積層してもよく、有機発光層6に、仕事関数が低いLiCaなどの金属を少量ドーピングして、ITOなどの金属酸化物を積層してもよい。
対向電極7の形成方法は、材料に応じて、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法を用いることができる。対向電極7の厚さに特に制限はないが、10nm〜1000nm程度が望ましい。対向電極の膜厚が10nm未満であると膜のピンホールが十分に埋められずショートの原因となる。また1000nmより大きいと成膜時間が長くなり生産性が悪くなる。なお、対向電極のパターニングについては、成膜時にマスクを用いることによりパターン形成をおこなうことができる。
最後にこれらの有機エレクトルミネッセンス構成体を、外部の酸素や水分から保護するために、封止体8を用いて有機エレクトルミネッセンス構成体を封止する。封止体8としては、凹部を有する封止キャップ8aを用い、封止キャップ8aと基板1を接着剤8bを介して貼りあわせる方法を用いることができる。また、封止キャップ8aと基板1で密封させた空間には乾燥剤8cを備えることが出来る。
封止キャップ8aとしては、アルミナ、窒化ケイ素、窒化ホウ素等のセラミックス、無アルカリガラス、アルカリガラス等のガラス、石英、アルミニウムやステンレスなどの金属箔、耐湿性フィルムなどを挙げることができる。接着剤8bとしては、エステルアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、メラミンアクリレート、アクリル樹脂アクリレート等のアクリレート、ウレタンポリエステル等の樹脂を用いたラジカル系接着剤や、エポキシ、ビニルエーテル等の樹脂を用いたカチオン系接着剤、チオール・エン付加型樹脂系接着剤等の光硬化型樹脂、または熱硬化型樹脂を用いることが出来る。また、紫外線硬化型エポキシ系接着剤も利用できる。乾燥剤8cとしては、酸化バリウムや酸化カルシウムを用いることができる。また、封止キャップではなく、上記の封止キャップ8a及び接着剤8bと同じ材料を用いて封止材上の全面に接着剤層を設け、封止材と有機エレクトルミネッセンス構成体とを貼り合わせて作成することもできる。
さらに、この他にも有機エレクトルミネッセンス構成体にバリア層を形成し、バリア層を封止体とすることも可能である。このとき、バリア層としては、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素等を用いることができ、これらは、CVD法等の真空成膜法により対向電極7上に有機エレクトルミネッセンス構成体全面を覆うように形成される。また、バリア層が形成された有機エレクトルミネッセンス素子は接着層を介して封止基板と貼りあわせ、これらを封止体とすることも可能である。
なお、本発明は凸版印刷法により均一な膜厚の有機発光層を形成することを課題として凸版印刷法により有機発光層を形成した有機EL素子について説明したが、凸版印刷法で機能性の材料を含むインキを基板に転写することで形成される他の電子デバイスにも応用でき、例えば、有機半導体材料を溶剤に溶解させた有機半導体材料インキを本発明の印刷用凸版を用いて基板に印刷することで均一な膜厚の有機薄膜トランジスタが形成できる。
次に、本発明の一実施形態を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれに限るものではない。
<実施例1>
次に、本発明実施の具体例を説明する。本実施例においては、既に画素電極(陽極2)、取り出し電極、TFT回路を保護するためのSiNx膜からなる絶縁層およびポリイミドからなる隔壁を備えたTFT基板を用い、隔壁は画素を仕切るような格子状に形成され、画素上に正孔輸送層4、凸版印刷法で形成される有機発光層6、対向電極7を順次形成して、アクティブマトリックス方式の有機ELパネルを作製した。
有機発光層6の形成に用いられた印刷用凸版12の凸部パターンは、ネガ型感光性樹脂層にフォトリソグラフィー法を適用して作製した。露光は、基材の両端を30MPaの張力で引っ張った状態で行った。この凸部パターン領域の印刷方向と平行な方向の長さは10cmであり、応力が生じていない解放状態での歪み量は0.8μm/cmであったが、版胴に巻きつけることによって、この歪みは解消された。
凸版には水現像タイプの感光性樹脂版を使用した。この版材表面に対する発光材料インキの接触角は10度以下であった。樹脂凸版12を巻きつけた版胴11をストライプ状の
画像形成部のストライプ方向に転動させて画素長辺と平行に印刷した。
有機発光層6は、材料としてポリ[2−メトキシ−5−(2'−エチル−ヘキシロキシ)−1,4−フェニレンビニレン](MEHPPV)を用い、表1に示す膜厚で形成した。
正孔輸送層4は、TFT基板1上に酸化モリブデンをスパッタリング法で成膜して膜厚40nmの薄膜を得ることで形成した。インターレイヤ5は画素部9のラインに均一に印刷した。発光層6は有機発光材料であるポリフルオレン系の緑色発光材料を濃度2%になるように印刷溶剤Aに溶解させた有機発光インキを用い、凸版印刷法で画素に印刷をした。
その上にBa、Alからなる対向電極7を抵抗加熱蒸着法により真空蒸着して形成した。最後にこれらの有機エレクトルミネッセンス構成体を、外部の酸素や水分から保護するために、封止キャップ8aと接着剤8bを用いて密閉封止し、有機エレクトルミネッセンスディスプレイ用素子パネルを作製した。
得られたパネルの表示部の周縁部には、各電極に接続されている陽極側および陰極側それぞれの取り出し電極があり、これらのドライバーを介して駆動装置に接続することでパネルの点灯表示確認を行い、画素内の膜厚について平均膜厚からのズレを測定し、3σを算出したところ表1の様になった。また、パネルの点灯状態を肉眼で観察したところ発光にムラは見られなかった。
<比較例1>
比較例1では、露光時に張力を加えないで印刷用凸版を作成し、インターレイヤおよび有機発光層の印刷に使用した。それ以外は実施例1と同様の工程で有機エレクトルミネッセンスディスプレイ用素子パネルを作製した。
実施例1と同様にパネルの点灯表示確認を行い、画素内の膜厚について平均膜厚からのズレを測定し、3σを算出したところ表1の様になった。また、パネルの点灯状態を肉眼で観察したところ発光にムラが生じていた。
次に、表1に実施例1と比較例1のパネル点灯結果を示す。
表1において、3σの比較から実施例1では比較例1に比べて面内均一性がよく、また実施例1では発光ムラが見られなかったことから、本発明の効果として有機層の画素パターン部における面内バラツキを低減できることが分かった。即ち、版胴に巻きつける際に加える応力と同等の応力を加えた状態で露光した凸部パターンを有する印刷用凸版を用いることにより、発光輝度ムラのない有機エレクトルミネッセンス素子の製造が可能となった。
1:支持基板
2:画素電極
3:隔壁
4:正孔輸送層
5:インターレイヤ層
6:有機発光層
7:対向電極
8:封止体
8a:封止キャップ
8b:接着剤
8c:乾燥剤
9:画素部
10:隔壁が形成された基板(被印刷基板)
11:版胴
12:印刷用(樹脂)凸版
13:アニロックスロール
14:版のストライプ
200:支持基材
201:凸部パターン
201':光性樹脂組成物
202:反射防止層
203:積層体
204:積層体
205:露光時(応力付加時)の印刷用凸版
206:205の印刷用凸版から応力を解除した印刷用凸版
208:引っ張り力(張力)
209:フォトマスク
210:UV光

Claims (5)

  1. 支持基材上に反射防止層を形成する工程と、
    反射防止層の上に感光性樹脂を塗布し感光性樹脂層を形成する工程と、
    支持基材の長手方向端部を把持し所定の張力で引っ張る工程と、
    感光性樹脂層に応力が生じた状態で感光性樹脂層を所定パターンに露光する工程と、
    応力を解放する工程と、
    感光性樹脂層を現像し所定パターンの凸部を形成する工程と、
    、を有することを特徴とする印刷用凸版の製造方法。
  2. 前記応力解放後の感光性樹脂凸部の歪み量Lが0<L<5μm/cmの範囲であることを特徴とする請求項1に記載の印刷用凸版の製造方法。
  3. 前記凸部の所定パターンは、支持基材の長手方向に凸部がストライプ状に伸在するパターンであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の印刷用凸版の製造方法。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の製造方法で製造した印刷用凸版を、請求項1に記載の張力と同じ張力で凸版印刷装置の版胴に巻きつけ、感光性樹脂凸部に応力を生じる工程と、
    印刷用凸版の樹脂凸部に有機発光材料からなるインクを盛り付ける工程と、
    有機発光材料インクを被印刷用基板に転写する工程と、
    を含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  5. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の製造方法で製造した印刷用凸版を、請求項1に記載の張力と同じ張力で凸版印刷装置の版胴に巻きつけ、感光性樹脂凸部に応力を生じる工程と、
    印刷用凸版の樹脂凸部に有機機能材料からなるインクを盛り付ける工程と、
    有機機能材料インクを被印刷用基板に転写する工程と、
    を含むことを特徴とする電子デバイスの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104772993A (zh) * 2015-03-31 2015-07-15 泉州市旭丰图文制模有限公司 菲林打印输出机

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