JP7381193B2 - 接着剤及び配管構造 - Google Patents

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本発明は、接着剤及び配管構造に関する。
一般に、マンション、アパート、戸建て、ビル、工場等の建物内部には、多数の給排水管や空調管が設置されている。このような給排水管や空調管を構成する管には、例えば着色されたポリ塩化ビニル管が用いられる。そして、水や空気等の流体を複数の経路に分岐する、或いは二以上の管に連続して通す場合には、管の配置に合うように複数の受口が配設された継手が用いられ、各受口に管を挿入及び固定することによって複数の管が接続される。
上記のように管を継手の受口に固定する際には、接着剤が使用される。ところが、接着剤には透明なものが多く、配管作業はパイプスペースや天井空間等の建物内部の暗所で行われることが多いため、接着剤が管に塗られているか否かの判断が難しく、接着剤が塗られていない状態で管が受口に挿入されることによって管と継手の接続が不十分になる虞があった。このような管における接着剤の塗布忘れ及び管と継手との接続不良を防止するための接着剤として、特許文献1には蛍光性を有する着色剤を含む接着剤が開示されている。
特許文献2には、継手内部の管の挿入状態を確認することができ、管が継手の受口に固定されていることを容易且つ確実に視認可能とする配管構造及び配管構造の検査方法が開示されている。
特開昭60-72971号 特開2014-234852号
近年、建築基準法の改正等により、配管構造に高い難燃性が求められている。難燃性を達成するために、継手に難燃剤が添加される場合がある。しかし、難燃剤を添加すると、継手の透明性が損なわれ、その結果として接着部の視認性が悪くなる問題があった。
配管構造の難燃性を達成しながら、施工時の接続不良を防止するために視認性の優れた接着剤が求められているのが現状である。特に、床スラブの区画貫通部内で接続する配管構造の場合は暗所での配管作業が不可避であり、接着剤の特に良好な視認性が求められる。
本発明は、上記課題、すなわち配管構造の難燃性と配管作業時での接着剤の視認性との両立との課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、完成したものである。
本発明は以下の態様を包含する。
項1.蛍光材料または着色材料を含み、受口を備えた管継手と、配管材とを備えた配管構造の前記受口と前記配管材とを床スラブの区画貫通部内で接続するための接着剤であり、
前記管継手は、難燃剤を含み、前記受口はヘイズが20以上90以下であり、
前記配管材は、難燃剤を含み、外周面に着色層を備え、
前記配管構造は、耐火試験(平成12年6月1日に施行された改正建築基準法の耐火性能試験の評価方法,ISO834-1に従う)での加熱開始後、継手と区画貫通部との隙間から煙が出るまでの時間(発煙時間)が120分以上であることを特徴とする、接着剤。
項2.前記管継手の受口のヘイズが20以上80以下であり、前記接着剤と前記配管材の着色層とは色差が3以上であることを特徴とする項1に記載の接着剤。
項3.前記管継手の受口のヘイズが40以上90以下であり、前記接着剤は蛍光材料を含むことを特徴とする項1に記載の接着剤。
項4.前記配管は難燃剤として熱膨張性黒鉛を3~20質量部含有することを特徴とする、項1に記載の接着剤。
項5.受口を備えた管継手と、配管材とを備え、床スラブの区画貫通部内で前記受口と前記配管材とが接着剤を介して接続されている配管構造であって、
前記管継手は、難燃剤を含み、前記受口はヘイズが20以上90以下であり、
前記配管材は、難燃剤を含み、外周面に着色層を備え、
前記接着剤は、蛍光材料または着色材料を含み、
耐火試験(平成12年6月1日に施行された改正建築基準法の耐火性能試験の評価方法,ISO834-1に従う)での加熱開始後、継手と区画貫通部との隙間から煙が出るまでの時間(発煙時間)が120分以上であることを特徴とする配管構造。
項6.前記管継手の受口のヘイズが20以上80以下であり、前記接着剤と前記配管材の着色層とは色差が3以上であることを特徴とする項5に記載の配管構造。
項7.前記管継手の受口のヘイズが40以上90以下であり、前記接着剤は蛍光材料を含むことを特徴とする項5に記載の配管構造。
項8.前記配管は熱膨張性黒鉛が3~20質量部含有する層を備えていることを特徴とする項5に記載の配管構造。
本発明により、配管構造の優れた難燃性を達成しながら、配管作業時の接続不良を防止するために視認性の優れた接着剤が提供される。また、本発明により、配管作業時の接続不良を防止するための優れた接着剤の視認性を確保しながら、難燃性に優れた配管構造が達成される。
本発明の実施形態である配管構造を模式的に示す側面図である。 本発明の実施形態である床スラブの区画貫通部内で接続する配管構造を模式的に示す正面図である。
本発明の接着剤は、蛍光材料または着色材料を含む。
蛍光材料は、ブラックライト等により紫外光が照射されることによって蛍光を発する物質であれば限定されない。蛍光の波長は、通常可視波長域である。このような蛍光材料としては、例えばクマリン系、スチルベン系、ローダミン系等の有機化合物;アルミニウム、カルシウム、バリウム、マグネシウム、亜鉛、マンガン、ケイ素、ゲルマニウム、カドミウム、ストロンチウム、イットリウム等の金属酸化物や硫化物等に重金属やユーロピウム等の希土類酸化物等を活性化剤として加えた無機化合物の微粉体などが挙げられる。蛍光材料は、接着剤を構成する有機溶剤に可溶または分散可能であることが好ましい。
蛍光の波長は、500nm以上550nm以下であることが好ましい。このような蛍光材料として、3-[(キノリン-2-イル)メチリデン]イソインドリン-1-オン(化学式:C1812O)や、ZnGeO:Mn、ZnSiO:Mnなどが挙げられる。
接着剤が蛍光材料を含む場合、接着材における蛍光材料の含有量は、0.001重量%以上1.0重量%以下であることが好ましく、0.02重量%以上0.2重量%以下であることがより好ましく、0.1重量%以上0.2重量%以下であることがさらに好ましい。接着剤における発光物質の含有量が前記下限値以上であれば、発光物質から瞬時に視認可能とする充分な強度の蛍光が発光されるため、好ましい。接着剤における発光物質の含有量が前記上限値以下であれば、発光物質からの蛍光の受光感度が頭打ちとならずに発光物質の使用量が無駄にならず経済性に優れるため、好ましい。
着色材料としては、顔料または染料を使用することができる。
顔料としては、例えば、酸化チタン、ベンジンイエロー、アンスラキノンイエロー、チタンイエロー、ハンザイエロー、ジスアゾイエロー、黄鉛、モリブデートオレンジ、ベンジンオレンジ、キナクリドンレッド、キナクリドンマゼンダ、ナフトールバイオレット、クロムグリーン、フタロシアニングリーン、アルカリブルー、コバルトブルー、フタロシアニンブルー、酸化鉄(弁柄)、銅アゾブラウン、アニリンブラック、カーボンブラック、鉄黒、アルミフレーク、ニッケル粉、金粉、銀粉等が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上を好適に使用することができる。
染料としては、例えば、アゾ系染料、アントラキノン系染料、インジゴイド系染料、スチルベン系染料等が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上を好適に使用することができる。
接着剤が着色材料を含む場合、接着剤における着色材料の含有量は、0.001重量%以上1.0重量%以下であることが好ましく、0.02重量%以上0.2重量%以下であることがより好ましく、0.1重量%以上0.2重量%以下であることがさらに好ましい。接着剤における着色材料の含有量が前記下限値以上であれば、接着剤が十分に視認可能に着色されるため、好ましい。接着剤における発光材料の含有量が前記上限値以下であれば、着色材料の使用量が無駄にならず経済性に優れるため、好ましい。
本発明の接着剤が含む蛍光材料または着色材料以外の成分は、接着剤として使用できる限り特に限定されない。本発明の接着剤は蛍光材料と着色材料の両方を含んでいても良い。
接着剤は、接着成分と、接着成分に混合される感熱消色性着色剤とを含有するものが使用できる。接着剤に使用する接着成分は、特に限定されず、無機系、有機系のいずれも使用することが可能である。無機系のものとしては、水ガラスなどの公知のものを使用できる。また、有機系のものとしては、でんぷん、ニカワなどの天然材料、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、ゴムなどの各種樹脂を使用できる。
また、接着剤は、熱硬化型、光硬化型、湿気硬化型、嫌気硬化型、二液硬化型などの反応硬化型接着剤;熱可塑性樹脂、ゴムなどの樹脂(すなわち、接着成分)を各種の有機溶剤で希釈した溶剤系接着剤、又はこれらを水で希釈した水系接着剤;ホットメルト型接着剤、感圧型接着剤などのいずれでもよい。
接着剤に使用される具体的な樹脂としては、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合樹脂、ABS樹脂、オレフィン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂などの各種の熱可塑性樹脂;クロロプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブチルゴム、ニトリルゴムなどの各種ゴム;ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、フェノール系樹脂、シリコーン系樹脂、メラミン系樹脂、ユリア系樹脂などの硬化性樹脂が挙げられる。硬化性樹脂は、二液硬化性、熱硬性、光硬化性、湿気硬化性などのいずれであってもよい。
なお、二液硬化型接着剤では、一般的に、上記硬化性樹脂を含む1液と、その硬化性樹脂を硬化するための硬化剤を含む2液を混ぜて接着剤を構成するが、感熱消色性着色剤は、1液と2液の一方に配合されていてもよいし、両方に配合されていてもよい。
接着剤が有機溶剤又は水で希釈される場合、その有機溶剤及び水の量は、接着剤全量に対して、例えば5~95質量%、好ましくは30~90質量%である。有機溶剤としては、室温で液体であり、かつ常温乾燥により揮発されるものが好ましく、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコールなどのアルコール系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶剤、ヘキサン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素系溶剤、テトラヒドロフラン(THF)、メチルセロソルブなどのエーテル系溶剤、N-メチル-2-ピロリドンなどの含窒素系溶剤、トルエン、石油ナフサなどの芳香族系溶剤が挙げられる。また、用途、接着剤の種類によっては、パラフィンなどの比較的高分子量のものも使用可能である。
接着剤は、上記以外にも、接着剤に配合される一般的な添加剤を含有させることが可能である。そのような添加剤としては、硬化触媒、充填材、粘着付与剤、可塑剤、ゲル化剤、感熱消色性着色剤以外の着色剤、熱安定剤、老化防止剤、酸化防止剤、消泡剤、難燃剤、水分吸収剤などが挙げられる。
本発明の蛍光材料を含む接着剤の好ましい配合の例を以下に示す:
塩ビ・酢ビ共重合樹脂 15~25質量%、
メチルエチルケトン 25~35質量%、
シクロヘキサノン 30~40質量%、
アセトン 15~25質量%、
錫化合物 0.1~0.3質量%、
蛍光物質(例えば、3-[(キノリン-2-イル)メチリデン]イソインドリン-1-オン) 0.1~0.2質量%。
本発明の着色材料を含む接着剤の好ましい配合の例を以下に示す:
塩ビ・酢ビ共重合樹脂 15~25質量%、
メチルエチルケトン 25~35質量%、
シクロヘキサノン 30~40質量%、
アセトン 15~25質量%、
錫化合物 0.1~0.3質量%、
着色剤 0.01~10.0質量%。
次に、本発明の接着剤を使用して製造される配管構造について図面を参照して説明する。なお、以下の説明で用いる図面は模式的なものであり、長さ、幅、及び厚みの比率等は実際のものと同一とは限らず、適宜変更することができる。
図1に示すように、配管構造50は、複数の受口56を備えた管継手51と、配管材52とを備え、前記受口と前記配管材とが接着剤54を介して接続されている。接着剤54としては、前記接着剤を使用する。
管継手51の両端には、受口56が設けられている。二つの受口56の間の管継手51の内部には、各受口56に挿入されている配管材52の端部52Eを配管材52の長手方向において係止するためのストッパ58が設けられている。管継手51の材質としては、例えば光の透過性に優れている硬質ポリ塩化ビニル樹脂や塩素化塩化ビニル樹脂、ABS樹脂、AES樹脂、AAS樹脂、およびポリカーボネート樹脂が挙げられ、安価で成形性に優れるという点から硬質ポリ塩化ビニルおよびABS樹脂が好適である。
管継手51は、難燃剤を含み、前記受口はヘイズが20以上90以下である。受口はヘイズが前記下限値以上であれば、管継手は十分量の難燃剤を含有し、必要な難燃性を発揮することができる。受口はヘイズが前記上限値以下であれば、接着剤を視認しやすくなるため、好ましい。
ヘイズは、JIS K 7136に規定され、光線の広角散乱に関する光学的性質を表す。ヘイズは、:(株)村上色彩技術研究所製HM-150型、日本電色工業(株)製NDH4000等の公知のヘイズメータで測定することができる。
管継手のヘイズは、各受口の3箇所でヘイズを測定し、全測定値の平均をその管継手のヘイズとした。
管継手51が含む難燃剤としては、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムやハイドロタルサイト等の無機水酸化物;二酸化アンチモン、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン等の酸化アンチモン系化合物;三酸化モリブデン、二硫化モリブデン、アンモニウムモリブデート等のモリブデン系化合物;テトラブロモビスフェノールA、テトラブロムエタン等の臭素系化合物;トリフェニルフォスフェート、アンモニウムポリフォスフェート等のリン系化合物;ホウ酸カルシウム、ホウ酸亜鉛等のホウ酸系化合物;セピオライト、カオリナイト、ベントナイト等の鉱物系化合物等が挙げられる。
管継手51が含む難燃剤の好ましい例としては、塩素化塩化ビニル樹脂及び水酸化マグネシウムを挙げることができる。
塩素化塩化ビニル樹脂を難燃剤として用いる場合、管継手を構成する樹脂に対する塩素化塩化ビニル樹脂の含有量は、5質量%以上100質量%以下が好ましく、10質量%以上90質量%以下がより好ましく、20質量%以上80質量%以下がさらに好ましい。また、塩素化塩化ビニル樹脂の塩素含有率は、60質量%以上72質量%以下であり、62質量%以上70質量%以下が好ましく、64質量%以上67質量%以下がより好ましい。
水酸化マグネシウムを難燃剤として用いる場合、管継手を構成する樹脂に対する水酸化マグネシウムの含有量は、0.01%以上10%以下が好ましく、0.05以上2.0%以下がより好ましく、0.1%以上1.0%以下がさらに好ましい。
配管材52は、管継手51の受口56に挿入されており、その中空部に流す流体に耐性を有する材質からなる管状の部材である。配管材52の材質としては、例えば押出成形に適用可能な熱可塑性樹脂が挙げられ、押出成形による配管材52の成形が容易且つ安価である点から硬質ポリ塩化ビニルやポリエチレンが好適である。
配管材52は外周面に着色層を備え、着色が施されている。着色は、配管材52の外周面に顔料を含む塗料を塗布して着色層を形成してもよく、配管材52を構成する材料に顔料または染料を混ぜることで着色してもよく、配管材52を複数の層が積層された多層管とし、外周面に露出する最外層に顔料または染料を混ぜることで着色してもよい。
配管材52が含む難燃剤の例としては、熱膨張黒鉛、非熱膨張黒鉛などの黒鉛系、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムやハイドロタルサイト等の無機水酸化物;二酸化アンチモン、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン等の酸化アンチモン系化合物;三酸化モリブデン、二硫化モリブデン、アンモニウムモリブデート等のモリブデン系化合物;テトラブロモビスフェノールA、テトラブロムエタン等の臭素系化合物;トリフェニルフォスフェート、アンモニウムポリフォスフェート等のリン系化合物;ホウ酸カルシウム、ホウ酸亜鉛等のホウ酸系化合物;セピオライト、カオリナイト、ベントナイト等の鉱物系化合物等が例示され、火災時の熱により膨張して床スラブの区画貫通部内を閉塞する機能を配管材52に付与できる熱膨張性黒鉛が好ましい。
配管材52の好ましい態様として、熱膨張性黒鉛が3~20質量部、好ましくは5~18質量部含有する態様が挙げられる。熱膨張性黒鉛の含有量が前記下限値以上であれば、火災時の熱により膨張して床スラブの区画貫通部内を閉塞させやすい。熱膨張性黒鉛の含有量が前記上限値以上であれば、配管材52を成形しやすい。
熱膨張性黒鉛を含む層は着色層であってもよく、この場合、配管材52の表層は熱膨張性黒鉛によって着色されている。
本発明の配管構造は、床スラブの区画貫通部内で受口と配管材とが接着剤を介して接続されている配管構造である。図2を用いて具体的に説明すると、管継手51の管継手本管部51aは、配管材である立管用パイプ52aが嵌合可能な上部受口56aと下部受口56bとを備えていて、立管用パイプ52aとほぼ同じサイズの内径を有する筒状であり、中間部分には横枝管接続部51bが連通状態で接続されている。この横枝管接続部51bは、横枝管用パイプ6が嵌合可能な受口56cを備えている。
この例においては、管継手51の本体下端部分に備えられている下部受口56bが、床スラブ(床材)1の下側に露出せずに、床スラブ(床材)1の貫通孔41内に臨むように配置され、床スラブ1の下側に配置される別の立管用パイプ52bの上端部を管継手51の下部受口56bに貫通孔内で接続されている。貫通孔41と管継手との隙間をモルタル7が充填されている。
本発明の好ましい態様の1つにおいて、前記管継手の受口のヘイズが20以上80以下であり、前記接着剤と前記配管材の着色層とは色差が3以上である。受口のヘイズが20以上80以下である場合に前記接着剤と前記配管材の着色層とは色差を3以上とすることで、接着剤の視認性が優れる。また、管継手の受口のヘイズが30以上70以下のとき、前記接着剤と前記配管材の着色層とは色差を5以上とすることで、接着剤の視認性が特に優れる。
色差は、JIS Z 8722に準拠した色差計を用いて測定することができ、例えば、色差測定ヘッドCR-300(コニカミノルタ製)とデータプロセッサDP-300(コニカミノルタ製)を組み合わせた色差計が挙げられる。
本発明の別の好ましい態様において、前記管継手の受口のヘイズが40以上90以下であり、前記接着剤は蛍光材料を含む。受口のヘイズが40以上90以下である場合に、接着剤が蛍光材料を含むものとすることで、接着剤の視認性が特に優れる。また、管継手の受口のヘイズが50以上80以下のとき、前記接着剤が蛍光材料を含むものとすることで、接着剤の視認性が特に優れる。
本発明の配管構造は、高い難燃性を有する。本明細書において難燃性とは、耐火試験(平成12年6月1日に施行された改正建築基準法の耐火性能試験の評価方法,ISO834-1に従う)での加熱開始後、継手と区画貫通部との隙間から煙が出るまでの時間(発煙時間)が120分以上であることを意味する。
耐火試験は、ISO834-1に準拠した耐火試験炉を用いて行うことができる。
(接着剤)
接着剤として、下記の組成の接着剤を用意した。
・蛍光材料含有接着剤
塩ビ・酢ビ共重合樹脂:20.0質量%、
メチルエチルケトン:26.0質量%、
シクロヘキサノン:33.0質量%、
アセトン:20.7質量%、
錫安定剤:0.2質量%、
緑色蛍光物質(シンロイヒ株式会社製、FA-202):0.1質量%。
・着色材料含有接着剤
塩ビ・酢ビ共重合樹脂:18.0質量%、
メチルエチルケトン:25.3質量%、
シクロヘキサノン:33.0質量%、
アセトン:23.0質量%、
錫安定剤:0.2質量%、
着色剤(表1に記載):0.5質量%。
(管継手)
表1に示す比率でポリ塩化ビニル樹脂、スズ系安定剤(日東化成株式会社製、AT-6300)、滑剤(三井化学株式会社製、ハイワックス4202E)、および難燃剤を配合した後、内容積200リットルのヘンシェルミキサー(川田工業株式会社製)を用い、攪拌混合して樹脂組成物を得た。前記樹脂組成物を、射出成形機を用いて成形温度190℃で射出成形して、管継手を作製した。
管継手の各受口の3箇所でヘイズを測定し、全測定値の平均をその管継手のヘイズとした。ヘイズは、JIS K 7136に準拠したヘイズメーターを用いて測定した。
なお、表1におけるヘイズの指標とヘイズの値は以下の通りである:
小:30未満
中:30以上60未満
大:60以上90未満。
(配管材)
配管材は、表層、中間層及び内層からなるものとした。
中間層を構成する樹脂組成物は、以下のように得た。
ポリ塩化ビニル樹脂(大洋塩ビ株式会社製、TH1000)100質量部と、熱膨張性黒鉛(エア・ウォーター株式会社製、MZ-260、膨張開始温度260℃以上)18質量部と、鉛系安定剤(堺化学株式会社製、SL-1000)2質量部、ポリエチレン系滑剤(三井化学株式会社製、ハイワックス4202E)0.5質量部、水酸化アルミニウム(昭和電工株式会社製、H-42S)3質量部とを配合した後、内容積200リットルのヘンシェルミキサー(川田工業株式会社製)を用い、攪拌混合して中間層を構成する樹脂組成物を得た。
表層及び内層を構成する樹脂組成物は、以下のようにして得た。
ポリ塩化ビニル樹脂(大洋塩ビ株式会社製TH1000)100質量部に、鉛系安定剤(堺化学株式会社製、SL-1000)2質量部、ポリエチレン系滑剤(三井化学株式会社製、ハイワックス4202E)0.5質量部、炭酸カルシウム(白石カルシウム株式会社製、ホワイトンSB)3質量部、緑色顔料(大日精化工業株式会社製、PMP 1520)2.0質量部を配合した後、内容積200リットルのヘンシェルミキサー(川田工業株式会社製)で攪拌混合して表層及び内層を構成する樹脂組成物を得た。
中間層を構成する樹脂組成物と表層及び内層を構成する樹脂組成物を、共押出金型を備えた押出成形機を用いて成形温度190℃で管状に押出成形し、外径114mm、厚さがそれぞれ0.8mmの表層と内層と、で構成され、表層と内層の間に形成された厚さが4mmの中間層と、を備えた配管材を作製した。
(色差の測定)
作成した配管材の表層側の表面に着色材料含有接着剤を塗布し、配管材の表層の表面について、接着剤を塗布した箇所と接着剤を塗布していない箇所との色差を測定した。
色差の測定には、色差測定ヘッドCR-300(コニカミノルタ製)とデータプロセッサDP-300(コニカミノルタ製)を組み合わせた色差計を使用した。
(配管構造の作製)
接着剤を配管材の端部に塗布した。接着剤を塗布する長さは、配管材を管継手のストッパで係止されるまで挿入した際に管継手から露出する長さとした。続いて、接着剤を塗布した配管材を管継手の受け口に挿入して配管構造を得た。
(評価:(1)視認性)
蛍光接着剤:約750ルクスの明るさの部屋で、蛍光灯から2m離れた机の上にサンプルを置き、サンプルから50cm離れた位置からブラックライトを当て、蛍光接着剤の有無が視認できるかどうか確認した。
着色接着剤:約750ルクスの明るさの部屋で、蛍光灯から2m離れた机の上にサンプルを置き、サンプルから50cm離れた位置から、着色接着剤の有無が視認できるかどうか確認した。
(評価:(2))
平成12年6月1日に施工された改正建築基準法の耐火性能試験の評価方法:ISO834-1に準拠して、耐火試験炉を用いて1時間耐火試験を実施した。加熱開始後、区画貫通部と配管材(パイプ)との隙間から煙が発生するまでに要する時間(発煙時間)を測定し、煙が発生するまでに要した時間が1時間以上の場合を○とし、煙が発生するまでに要した時間が1時間未満の場合を×とした。
なお、煙の発生(発煙)の有無は目視で判断した。
結果を表1に示す。
Figure 0007381193000001
実施例1~5においては、難燃剤の含有量に比例してヘイズ値が高くなった。しかし、本発明の接着剤を使用することで、難燃性と視認性とを両立することができた。一方、比較例1及び2においてはヘイズ値が高すぎ、十分な視認性が得られなかった。比較例3においては、十分な難燃性が得られなかった。
1 床スラブ(床材)
41 貫通孔
50 配管構造
51 管継手
51a 管継手本管部
51b 横枝管接続部
52 配管材
52E 端部
52a 立管用パイプ
52b 立管用パイプ
54 接着剤
56 受口
56a 上部受口
56b 下部受口
56c 横枝管用パイプが嵌合可能な受口
6 横枝管用パイプ
7 モルタル
58 ストッパ
L54,L56 長さ

Claims (2)

  1. 受口を備えた管継手と、配管材とを備え、床スラブの区画貫通部内で前記受口と前記配管材とが接着剤を介して接続されている配管構造であって、
    前記管継手は、難燃剤を含み、前記受口はヘイズが40以上90以下であり、
    前記配管材は、難燃剤を含み、外周面に着色層を備え、
    前記接着剤は、蛍光材料を含み、
    耐火試験(平成12年6月1日に施行された改正建築基準法の耐火性能試験の評価方法,ISO834-1に従う)での加熱開始後、継手と区画貫通部との隙間から煙が出るまでの時間(発煙時間)が120分以上であることを特徴とする配管構造。
  2. 前記配管は熱膨張性黒鉛3~20質量部含有する層を備えていることを特徴とする請求項に記載の配管構造。
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