JP2011226581A - 耐火用管継手 - Google Patents

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Abstract

【課題】軽量化を実現でき、耐火性能に優れ、かつ、加熱による熱変形量の小さい耐火用管継手を提供すること。
【解決手段】耐火用管継手は、ポリ塩化ビニル系樹脂および炭酸カルシウムを含有する樹脂組成物を用いて形成される。この樹脂組成物は、さらに、水酸化マグネシウムを含有することが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、耐火用管継手に関し、特に、建築物内に設置される配管材としての管継手であって耐火性が付与された管継手に関するものである。
集合住宅等の多層階建築物では、各階の間は床スラブによって仕切られ、また各室の間は壁によって仕切られて区画化されている。給排水管、電線管、ダクト等の配管類は、床スラブ、壁等の仕切り部を貫通して配管されている。例えば、建物内配管路は、立管用パイプ、管継手、横枝管用パイプ等から構成されており、管継手の下部受口が床スラブの貫通孔に埋め込まれるように配管されるが、ある階の居住空間で火災が発生した時に、床スラブを介して隣接する上の階または下の階の居住空間への火災の延焼を防止できるように、すなわち、床スラブ(仕切り部)の貫通孔が炎道にならないように、貫通孔と配管材との隙間にモルタルを充填している。
このような床スラブの貫通孔に用いられる配管材には、それ自体に耐火性が要求されるため、鋳鉄製のものや合成樹脂製内管の外周をモルタルで被覆した耐火二層管と称されるもの(例えば特許文献1参照)が従来から採用されてきた。しかしながら、上記鋳鉄製配管材や耐火二層管等は重量がかなりあるため、配管施工時の作業性等に問題があった。
かかる問題を解決するために、ベース樹脂に、無機系膨張剤および/または有機系膨張剤が配合されて成る防火用膨張性樹脂組成物を用いることができる(例えば、特許文献2参照)。この防火用膨張性樹脂組成物は、シート状でも、またパテ状でも使用することができ、防火区画体の貫通孔とそこに挿通されている各種パイプ等の外周を巻回あるいは塗布等により被覆して貫通孔との間隙を閉塞するように使用される。防火用膨張性樹脂組成物は加熱により膨張し、そのときに貫通孔壁面との間で発生する圧力で、軟化している樹脂製配管材を押しつぶして貫通孔全体を閉塞して延焼を防止するようになっている。しかしながら、防火用膨張性樹脂組成物を使用する場合には、施工時に巻回作業あるいは塗布作業を行わなければならないので作業が面倒であり、しかも巻回不良や塗布不良が発生する場合があり、閉塞効果を発揮できない恐れもある。
また、熱膨張性黒鉛を含有する熱膨張性樹脂組成物を用いて成る管継手と、耐火性樹脂組成物から成る配管材とが区画貫通部で接続された配管路が知られているが(例えば、特許文献3参照)、ここに開示された配管路では管継手の耐火性能はほとんどないに等しく、耐火樹脂組成物からなる配管材のみで耐火性能を保持している状態である。ところで、この配管材は熱膨張性樹脂組成物を用いた三層構造のため、リサイクル性に乏しく、熱可塑性樹脂の資源循環すらも実施できないという欠陥を有する。
特開2005−282330号公報 特許第3133683号公報 特開2009−24411号公報
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、軽量化を図ることができ、耐火性能を有し、受口を備えた管継手を提供することにある。
そこで、本願発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、炭酸カルシウムおよび難燃性樹脂組成物を用いて管継手を成形することにより上記問題点を解決できることを見出し、本願発明を完成させるに至った。
すなわち、本願発明の耐火用管継手は、ポリ塩化ビニル系樹脂および炭酸カルシウムを含有する樹脂組成物を用いて形成されることを特徴とする。
ここで、前記樹脂組成物は、さらに、水酸化マグネシウムを含有することが好ましい。
本発明においては、耐火用管継手を、120℃に温度調節されたギアオーブン内で20分間加熱した際に、加熱前と加熱後の受口部外径寸法の平均値の差が4mm以内であることが好ましい。
本発明の耐火用管継手は受口を備えた形状であり、軽量であって、優れた耐火性能を有する。
本発明の耐火用管継手を用いて配管した状態を床スラブの側面から見た模式的な正面図である。 耐火性能試験に使用される耐火試験炉を示した斜視図である。 熱変形量の測定において、管継手受口部の測定箇所を示す図である。
以下に、本発明について詳しく説明する。
本発明の耐火用管継手は、ポリ塩化ビニル系樹脂、および、炭酸カルシウムを含有する難燃性樹脂組成物を用いて形成される。ポリ塩化ビニル系樹脂に対して炭酸カルシウムが配合されると、燃焼時に熱変形抑制効果を発揮することができる。
本発明に用いられるポリ塩化ビニル系樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル単独重合体、塩化ビニルモノマーと該塩化ビニルモノマーと共重合可能な不飽和結合を有するモノマーとの共重合体、塩化ビニル以外の他のポリマー(共重合体も含む)に塩化ビニルをグラフト共重合させたグラフト共重合体等が挙げられる。本発明において、これらは単独で使用しても良いが、2種類以上を併用することもできる。また、必要に応じて、上記ポリ塩化ビニル系樹脂を塩素化しても良い。塩化ビニル系樹脂の塩素化方法としては、特に限定されることなく従来公知の塩素化方法を採用することができ、例えば、熱塩素化方法、光塩素化方法等を使用することができる。
上記の塩化ビニルモノマーと共重合可能な不飽和結合を有するモノマーとしては、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン等のα―オレフィン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;ブチルビニルエーテル、セチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチルアクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類;スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル類;N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のN−置換マレイミド類等が挙げられる。これらは、単独で使用しても良いが、2種類以上を併用することもできる。
上記のグラフト共重合体に用いられる塩化ビニル以外の他のポリマー(共重合体を含む)としては、塩化ビニルをグラフト共重合できるものであれば特に限定されることなく使用できるが、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−ブチルアクリレート−一酸化炭素共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリウレタン、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン等が挙げられる。これらは、単独で使用しても良いが、2種類以上を併用することもできる。
上記ポリ塩化ビニル系樹脂の平均重合度は、特に限定されるものではないが、平均重合度が小さいと得られる成形体の物性低下が起こりやすく、平均重合度が大きいと溶融粘度が高くなって成形が困難になりやすいので、平均重合度が400〜1,600の範囲内であることが好ましく、更に好ましくは600〜900である。本発明において平均重合度とは、塩化ビニル系樹脂をテトラヒドロフラン(THF)に溶解させ、ろ過して不溶成分を除去した後、ろ液中のTHFを乾燥除去し、得られた樹脂を試料として日本工業規格JIS K−6721の「塩化ビニル樹脂試験法」に準拠して測定した平均重合度を意味するものとする。
上記塩化ビニル系樹脂は、特に限定されることなく従来公知の重合方法により重合することができるが、例えば、塊状重合法、溶液重合法、乳化重合法、懸濁重合法等により重合することができる。
また、上記塩化ビニル系樹脂は、本発明の効果を阻害しない範囲内で、例えば耐火性能を阻害しない範囲内で、架橋、変性等の処置が施されていても良い。この場合には、予め架橋、変性した樹脂を用いても良いが、添加剤等を配合する際に、同時に架橋、変性を行っても良いし、あるいは、樹脂に各種成分を配合した後に架橋、変性を行っても良い。架橋方法としては、特に限定されることなく塩化ビニル系樹脂に通常使用される架橋方法を採用することができ、例えば、各種架橋剤、過酸化物等を使用する架橋方法、電子線照射による架橋方法、水架橋性材料を使用する架橋方法等を使用することができる。
ポリ塩化ビニル系樹脂としては、例えば、ヴィテック株式会社製の「MT−700」(平均重合度:700)などを商業的に入手することもできる。
本発明に用いられる炭酸カルシウムとしては、市販品を使用することもできるが、脂肪酸で表面処理されている炭酸カルシウムを使用することが好ましく、これをポリ塩化ビニル系樹脂へ混合することが好ましい。例えば、炭素数9〜21の不飽和脂肪酸(A)と、炭素数9〜21の飽和脂肪酸(B)が(A)/(B)=1〜2の範囲で混合されたもので表面処理された炭酸カルシウムを使用することが特に好ましい。
市販品の炭酸カルシウムの中には、ポリ塩化ビニル中に良分散せずに凝集するものもあるので、その場合には凝集塊が機械的強度の低下をもたらすからである。
炭酸カルシウムとしては、例えば、白石工業株式会社製の「白艶華CCR」などを商業的に入手することもできる。
炭酸カルシウムの配合量は、ポリ塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、0.5重量部以上、10重量部以下であることが好ましく、0.5重量部以上、7重量部以下であることが更に好ましく、1重量部以上、5重量部以下であることが特に好ましい。炭酸カルシウムの配合量が0.5重量部未満では、燃焼時に十分な熱変形抑制効果が発揮できないことがあり、所望の耐火性が得られないことがあるからである。また、炭酸カルシウムの配合量が20重量部以上になると、管継手の性能が著しく損なわれることがあり、成形できないこともある。
本発明の耐火用管継手の形成に用いられる難燃性樹脂組成物には、更に、水酸化マグネシウムを配合することができる。水酸化マグネシウムを含有させることにより、更なる難燃性を付与することができる。
本発明に用いられる水酸化マグネシウムとしては、市販品を使用することもできるが、シランカップリング剤で表面処理されている水酸化マグネシウムを使用することが好ましく、これをポリ塩化ビニル系樹脂に混合することが好ましい。例えば、水酸化マグネシウム100重量部当たり、0.05〜2重量部のシランカップリング剤の量で表面処理された水酸化マグネシウムを用いることが更に好ましい。
市販品の水酸化マグネシウムの中には、ポリ塩化ビニル中に良分散せずに凝集するものもあるので、その場合には凝集塊が機械的強度の低下をもたらすからである。
水酸化マグネシウムとしては、例えば、協和化学工業株式会社製の「マグサラットF」などを商業的に入手することもできる。
水酸化マグネシウムの配合量は、ポリ塩化ビニル系樹脂100重量部に対して0.5重量部以上、5重量部以下であることが好ましく、更に好ましくは1重量部以上、3重量部以下である。水酸化マグネシウムの配合量が0.5重量部以上であれば、燃焼時に十分な難燃効果を発揮することができ、所望の耐火性が得られる。また、水酸化マグネシウムの配合量が5重量部以下であれば、管継手の性能が著しく損なわれることはない。
本発明に用いられる難燃性樹脂組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲内で、熱安定剤を添加することが好ましい。熱安定剤としては、鉛系熱安定剤、有機スズ系熱安定剤、高級脂肪酸金属塩等が挙げられる。これらは単独で使用しても良いが、2種類以上を併用することもできる。
鉛系熱安定剤としては、例えば、鉛白、塩基性亜硫酸鉛、三塩基性硫酸鉛、二塩基性亜リン酸鉛、二塩基性フタル酸鉛、三塩基性マレイン酸鉛、シリカゲル共沈ケイ酸鉛、二塩基性ステアリン酸鉛、ステアリン酸鉛、ナフテン酸鉛等が挙げられる。
また、有機スズ系熱安定剤としては、例えば、ジブチル錫メルカプト、ジオクチル錫メルカプト、ジメチル錫メルカプト等のメルカプト類;ジブチル錫マレート、ジブチル錫マレートポリマー、ジオクチル錫マレート、ジオクチル錫マレートポリマー等のマレート類;ジブチル錫メルカプトジブチル錫ラウレート、ジブチル錫ラウレートポリマー等のカルボキシレート類などが挙げられる。
また、高級脂肪酸金属塩(金属石鹸)としては、例えば、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、リシノール酸カルシウム、ステアリン酸ストロンチウム、ステアリン酸バリウム、ラウリン酸バリウム、リシノール酸バリウム、ステアリン酸カドミウム、ラウリン酸カドミウム、リシノール酸カドミウム、ナフテン酸カドミウム、2−エチルヘキソイン酸カドミウム、ステアリン酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛、リシノール酸亜鉛、2−エチルヘキソイン酸亜鉛、ステアリン酸鉛、二塩基性ステアリン酸鉛、ナフテン酸鉛などが挙げられる。
熱安定剤の配合量は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリ塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、0.3重量部以上、10.0重量部以下の割合で配合されることが好ましい。熱安定剤の配合量が0.3重量部以上であれば、成形時にポリ塩化ビニル系樹脂の熱安定性を確保することができ、成形中に炭化物が発生することがない。また、熱安定剤の配合量が10.0重量部以下であれば、燃焼時にポリ塩化ビニル系樹脂の炭化促進を阻害することがなく、十分な耐火性能を発現することができる。
本発明に用いられる難燃性樹脂組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲内で、熱安定化助剤、滑剤、加工助剤、衝撃性改質剤、耐熱性向上剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、顔料、可塑剤、熱可塑性エラストマー等の添加剤を添加しても良い。
熱安定化助剤としては、例えば、エポキシ化大豆油、リン酸エステル、ポリオール、ハイドロタルサイト、ゼオライト等が挙げられる。これらは、単独で使用しても良いが、2種類以上を併用しても良い。
滑剤としては、内部滑剤、外部滑剤が挙げられる。内部滑剤は成形加工時の溶融樹脂の流動粘度を低下させ、摩擦発熱を防止する目的で使用される。内部滑剤としては、例えば、ブチルステアレート、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール、エポキシ大豆油、グリセリンモノステアレート、ステアリン酸、ビスアミド等が挙げられる。これらは単独で使用しても良いが、2種類以上を併用しても良い。
外部滑剤は成形加工時の溶融樹脂と金属面との滑り効果を向上させる目的で使用される。外部滑剤としては、例えば、パラフィンワックス、ポリオレフィンワックス、エステルワックス、モンタン酸ワックス等が挙げられる。これらは単独で使用しても良いが、2種類以上を併用しても良い。
加工助剤としては、例えば、重量平均分子量が10万〜200万のアルキルアクリレート−アルキルメタクリレート共重合体等のアクリル系加工助剤等が挙げられる。このアクリル系加工助剤としては、例えば、n−ブチルアクリレート−メチルメタクリレート共重合体、2−エチルヘキシルアクリレート−メチルメタクリレート−ブチルメタクリレート共重合体等が挙げられる。これらは単独で使用しても良いが、2種類以上を併用しても良い。
衝撃性改質剤としては、例えば、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体(MBS)、塩素化ポリエチレン、アクリルゴム等が挙げられる。
耐熱性向上剤としては、例えば、α−メチルスチレン系樹脂、N−フェニルマレイミド系樹脂等が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、フェノール系坑酸化剤等が挙げられる。
光安定剤としては、例えば、ヒンダードアミン系等の光安定剤等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えば、サリチル酸エステル系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤等が挙げられる。
顔料としては、例えば、アゾ系、フタロシアニン系、スレン系、染料レーキ系等の有機顔料;酸化物系、クロム酸モリブデン系、硫化物・セレン化物系、フェロシアニン化物系等の無機顔料などが挙げられる。
上記ポリ塩化ビニル系樹脂には可塑剤を添加することができるが、可塑剤は得られる成形品の耐熱性や耐火性を低下させることがあるので多量に使用することはあまり好ましくない。用いられる可塑剤としては、例えば、ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルアジペート等が挙げられる。
熱可塑性エラストマーとしては、例えば、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(NBR)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重合体(EVACO)、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体や塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体等の塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。これらは単独で使用しても良いが、2種類以上を併用しても良い。
上記添加剤をポリ塩化ビニル系樹脂に混合する方法としては特に限定されず一般的な方法を採用することができるが、例えば、ホットブレンドによる方法、コールドブレンドによる方法等を使用することができる。
本発明の耐火用管継手は、一般的に用いられる押出成形機、射出成形機によって製造される。成形機の種類やスクリュー形状等は、得られる成形体の引張強度や衝撃強度等を考慮して十分に混練できるものであれば特に限定されることなく自由に選択することができる。
本発明の耐火用管継手は、例えば、建築物内に設置される電線管、排水管、ダクト等の配管の一部として使用することができる。建築物内配管は、通常、管継手、立管用パイプ、横枝管用パイプ等が配管施工されている。以下に図1を用いて本発明の管継手を具体的に説明する。
図1は、本発明の耐火用管継手を用いて配管した状態を模式的に示す図であり、その配管状態の一部を床スラブ(床材)の側面から見た正面図である。図1において、管継手3の本管部31は、立管用パイプ2が嵌合可能な上部受口31aと下部受口31bとを備えていて、立管用パイプ2とほぼ同じサイズの内径を有する筒状であり、中間部分には横枝接続部32が連通状態で接続されている。この横枝接続部32は、横枝管用パイプ6が嵌合可能な受口32aを備えている。なお、立管用パイプ2および横枝管用パイプ6等は、耐火性のパイプを使用しても良いが、従来の一般的なポリ塩化ビニル管を使用することができる。この一般的なポリ塩化ビニル管は、押出成形等によって得られる。
一般的に、建築物内配管は以下のように配管施工されている。すなわち、管継手3の本体下端部分に備えられている下部受口31bが、床スラブ1の貫通孔41内に臨むように配置され、床スラブ1の下側に配置される立管用パイプ2の上端部を管継手3の下部受口31bに貫通孔内で接続した後、貫通孔41と管継手との隙間をモルタル7で充填する。次いで、管継手3の本体上端部分に備えられている上部受口31aに、立管用パイプ2の下端部が接続され、管継手3に備えられている横枝管接続部32の受口32aには横枝管用パイプ6が接続される。
例えば、ある階で火災が発生して排水用立管用パイプが火炎に曝された時に、本発明の管継手3は火炎によって加熱されても熱膨張を生じないので、管継手3とモルタル7との間に隙間が生じることがなく閉塞状態を保持することができる。したがって、管継手3が燃え落ちない限り、炎道が形成されないので、他の階への熱、炎、煙の流入を長時間防ぐことができ、延焼を防ぐことができる。
しかも本発明の管継手によれば、管継手が単層構造であっても耐火性能を十分に発揮することができるので、リサイクルが可能でありリサイクル性に優れている。
以下、実施例を用いて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、実施例において使用された各種測定値及び評価方法は、下記に示す方法で測定し、評価を行って求めた。
(1)耐火性能の評価
平成12年6月1日に施工された改正建築基準法の耐火性能試験の評価方法:ISO834−1に準拠して、耐火試験炉X(図2参照)を用いて2時間耐火試験を実施した。
図2において、床材1には、軽量気泡コンクリート板(長さ1,200mm×幅600mm×厚さ150mm)を使用し、防火措置工法として、硬質ポリ塩化ビニル管2および管継手3と区画貫通部との間隙をモルタルで閉塞した。なお、この硬質ポリ塩化ビニル管は、ISO834−1の2時間耐火試験に合格しないレベルのものである。
ポリ塩化ビニル管2の一端部が床材1の加熱側の面から加熱側領域(加熱室)4に300mm、他端部が床材の非加熱側の面から非加熱領域に300mm露出するようにポリ塩化ビニル管2と管継手3を配置した。耐火試験炉Xの加熱室4には、内部の側壁の2箇所にバーナー(V1,V2)が設置されており、また、炉内熱電対5の熱接点2個が、床材1の試験面に対して均等に配置されるように、床材から300mm離れた位置に設置されており、軽量気泡コンクリート板より50mm高い位置の管継手の表面温度が測定できるように別の熱電対も設置されている。さらにまた、耐火試験炉Xには炉内圧力を測定できる装置(図示せず)も設置されている。
耐火試験炉の操作は、加熱温度の時間経過が下記式で表される数値を満たすように2個のバーナーを用いて加熱した。なお、下記の式において、Tは炉内温度(℃)であり、tは燃焼時間(分)である。

T=345×log(8×t+1)+20
加熱開始後、区画貫通部と管継手との隙間から煙が発生するまでに要する時間(発煙時間)を測定した。発煙時間が140分以上のものを記号「A」、発煙時間が120分以上、140分未満のものを記号「B」、発煙時間が120分未満のものを記号「C」で表示した。なお、120分以上発煙しなかったものが合格レベルである。また、煙の発生(発煙)の有無は目視で判断した。
(2)熱変形量の評価
まず、加熱前の管継手の受口部(例えば、31b)の内径寸法を測定しておく。次に、120℃に温度調節したギアオーブン内に管継手を置き、20分間加熱した後、管継手の受口部の内径寸法を測定した。なお測定箇所は、図3に示すように、A,B,C,Dの4箇所で測定した。4箇所それぞれにおける、加熱前の内径寸法と加熱後の内径寸法の差を求め、この数値(差)の平均値を求めて、受口内径寸法平均値差とした。この受口内径寸法平均値差が2mm以内のものを記号「A」、2mmより大きく、4mm以下であるものを記号「B」、4mmより大きいものを記号「C」で表示した。なお、管継手の受口内径寸法平均値差が4mm以下を合格レベルとした。
[実施例1]
ポリ塩化ビニル単独重合体であるポリ塩化ビニル樹脂(平均重合度:700)100重量部に対し、炭酸カルシウム(脂肪酸で表面処理されている)を10重量部の割合で配合した樹脂組成物を用い、射出成形により、建物内の区画貫通部に配管されるY継手形状の管継手(90°の大曲り、呼び径125mm×125mm)を作製した。得られた管継手について耐火性能評価および熱変形量の評価を行った。得られた結果を表1に示す。
[実施例2]
実施例1において、樹脂組成物の配合割合を、ポリ塩化ビニル樹脂100重量部に対し炭酸カルシウムを7重量部の割合に変更した以外は実施例1と同様にして、Y継手形状の管継手を作製した。得られた管継手について実施例1と同様の評価を行った。その結果を表1に示す。
[実施例3]
実施例1において、樹脂組成物の配合割合を、ポリ塩化ビニル樹脂100重量部に対し炭酸カルシウムを3重量部の割合に変更した以外は実施例1と同様にして、Y継手形状の管継手を作製した。得られた管継手について実施例1と同様の評価を行った。その結果を表1に示す。
[実施例4]
ポリ塩化ビニル単独重合体であるポリ塩化ビニル樹脂(平均重合度:700)100重量部に対し、炭酸カルシウム(脂肪酸で表面処理されている)を10重量部、および、水酸化マグネシウム(シランカップリング剤で表面処理されている)を1重量部の割合で配合した樹脂組成物を用い、射出成形により、建物内の区画貫通部に配管されるY継手形状の管継手(90°の大曲り、呼び径125mm×125mm)を作製した。得られた管継手について耐火性能評価および熱変形量の評価を行った。得られた結果を表1に示す。
[比較例1]
実施例1において、炭酸カルシウムを配合せずに、ポリ塩化ビニル単独重合体であるポリ塩化ビニル樹脂(平均重合度:700)のみからなる樹脂組成物を用い、射出成形により、建物内の区画貫通部に配管されるY継手形状の管継手(90°の大曲り、呼び径125mm×125mm)を作製した。得られた管継手について耐火性能評価および熱変形量の評価を行った。得られた結果を表1に示す。
[比較例2]
ポリ塩化ビニル単独重合体であるポリ塩化ビニル樹脂(平均重合度:700)100重量部に対し、水酸化マグネシウム(シランカップリング剤で表面処理されている)を1重量部の割合で配合した樹脂組成物を用い、射出成形により、建物内の区画貫通部に配管されるY継手形状の管継手(90°の大曲り、呼び径125mm×125mm)を作製した。得られた管継手について耐火性能評価および熱変形量の評価を行った。得られた結果を表1に示す。
Figure 2011226581
Figure 2011226581
表1から明らかなように、実施例1〜4の管継手は、発煙時間が120分以上であって耐火性能に優れており、かつ、加熱前後の外径寸法の差が4mm以下であって熱変形量の評価においても優れた結果が得られることが分かった。また、立管用パイプとして、耐火性能が付与されていない一般的な塩化ビニル管を本発明の管継手に接続して配管を行っても、優れた耐火性能を発揮することができ、燃焼時に床材で仕切られた非加熱領域へ火炎や煙が回ることを長時間阻止できることが分かった。
一方、比較例1〜2の管継手は発煙時間が短く耐火性に劣っており、また、加熱により管継手の受口部の変形量が大きく、貫通孔に隙間が生じやすいことが分かった。
すなわち、本発明の管継手は、加熱による変形が小さくて優れた熱変形抑制効果を発揮できるので、貫通孔に隙間が生じず、燃焼室外に炎や煙が回り難く、類焼を効果的に阻止できる。なお、実施例では管材の呼び径を125Aとしたが、他の径であっても同様の効果が得られる。また、本発明の管継手は軽量でもあり、リサイクル性にも優れている。
本発明の耐火用管継手は、建築内用の配管材等に好ましく適用することができるが、顕著な耐火性が要求される部分における管継手として、幅広い分野で使用することができる。
X 耐火試験炉
1 床材
2 ポリ塩化ビニル管
3 管継手
4 加熱室
5 炉内熱電対
6 横枝管用パイプ
7 モルタル
31 本管部
31a 上部受口
31b 下部受口
32 横枝接続部
32a 受口
41 貫通孔

Claims (3)

  1. ポリ塩化ビニル系樹脂および炭酸カルシウムを含有する樹脂組成物を用いて形成されることを特徴とする耐火用管継手。
  2. 前記樹脂組成物が、さらに、水酸化マグネシウムを含有することを特徴とする請求項1に記載の耐火用管継手。
  3. 120℃に温度調節されたギアオーブン内で20分間加熱した際に、加熱前と加熱後の受口部外径寸法の平均値の差が4mm以内であることを特徴とする請求項1または2に記載の耐火用管継手。
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