JP5351727B2 - 耐火遮音管 - Google Patents
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Description
また、熱膨張性黒鉛は、それ自体が燃えにくく、かつ、熱により膨張して断熱効果が発現するので、燃焼速度の遅延がさらに効果的に行われる。
しかも、パイプの成形性に優れており、例えば、射出成形や押出成形などによって、高い寸法精度で連続的に生産できる上、パイプの内面を滑らかな状態にすることができ、製品としての外観および排水性能に優れたものとすることができる。
しかし、グラスウールは、非常に吸水しやすく、吸水すると、グラスウールの空気層が目詰まりし、雨天時の施工では遮音性が大きく低下してしまう。
また、グラスウールは厚みが25mmのものが一般的で、そのため耐火遮音管の外径が大きく、貫通穴径を大きくしなければならないので構造強度上不利である。
また、上記耐火二層管の場合、モルタル層を備えているため、遮音性もある程度備えているのであるが、モルタルは吸水によって、モルタルの空気層が目詰まりして、遮音性が低下しやすい。そこで、モルタル層の周囲にさらに耐熱性のアクリル系接着剤を使用して防水遮音シートを巻き付ける方法(特許文献3)が提案されている。しかし、この方法の場合、通常でも耐火二層管の外径が大きく、スラブ等の貫通穴径を大きくしなければならないために、構造強度上不利であるにも関わらず、防水処理により、さらに外径が大きくなるので、さらに貫通穴径を大きくしなければならないという問題が生じる。
すなわち、熱膨張性黒鉛が1重量部未満であると、燃焼時に、十分な熱膨張性が得られず、所望の耐火性が得られず、10重量部を超えると、加熱により熱膨張しすぎて、その形状を保持できずに残渣が脱落し、耐火性が低下してしまうためである。
上記内管は、火炎等によって加熱されると耐火膨張層が膨張して、管内を閉塞あるいは閉塞に近い状態にすることができるものであれば、特に限定されず、耐火膨張層のみの単層のものでも、耐火膨張層の内外面に耐火膨張層の耐火性能を阻害しない範囲で膨張黒鉛を含まない樹脂組成物からなる樹脂層を設けた複層構造とするようにしても構わないが、内面平滑性を考慮すると、耐火膨張層の内面に膨張黒鉛を含まない樹脂組成物からなる樹脂層を設けることが好ましい。さらには、内面被覆層が多条の内面ラセン構造であれば、排水性能も向上して好ましい。
なお、内管が、上記のように複層構造をしている場合、内管全体で、ポリ塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、熱膨張性黒鉛を1〜10重量部含まれていればよく、耐火膨張層を形成する耐火熱膨張性樹脂組成物としては、特に限定されないが、ポリ塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、熱膨張性黒鉛を1〜15重量部の割合で含むものが好ましく、1〜12重量部の割合で含むものがより好ましく、2〜10重量部の割合で含むものがさらに好ましい。
すなわち、耐火膨張層の内面を被覆する被覆層の厚みが0.2mm未満であると、内面平滑効果が不十分となり、2.0mmを超えると耐火性が低下する恐れがある。
すなわち、熱膨張性黒鉛のpHが1.5未満であると、酸性が強すぎて、成形装置の腐食などを引き起こしやすく、pHが4.0を超えると、ポリ塩化ビニル系樹脂の炭化促進効果が薄れ、十分な耐火性能が得られなくなる恐れがある。
一方、熱膨張性黒鉛の1.3倍膨張温度が180℃未満であると、成形中に熱膨張性黒鉛が膨張してしまうことがあり、管の外観不良を引き起こす上、燃焼時の耐火性が低下してしまう恐れがあり、熱膨張性黒鉛の1.3倍膨張温度が240℃を超えると、成形中に熱膨張性黒鉛の膨張が開始してしまう恐れはないものの、燃焼時において、ポリ塩化ビニル系樹脂の熱分解(発泡)が進行し、ポリ塩化ビニル系樹脂の柔軟性が低下してしまった後に、熱膨張性黒鉛が膨張するため、ポリ塩化ビニル系樹脂が、熱膨張性黒鉛の膨張に耐え切れなくなり、バラバラに崩壊してしまう恐れがある。
なお、1.3倍膨張温度とは、加熱炉内を一定温度にして、熱膨張性黒鉛の試料を30分加熱した後の熱膨張性黒鉛の膨張倍率が、1.3以上になる温度を意味する。また、膨張倍率は、加熱後の試料の体積を加熱前の試料の体積で除することで求められる。
上記安定剤としては、特に限定されないが、鉛系安定剤、有機スズ安定剤、高級脂肪酸金属塩等が挙げられ、これらが単独であるいは複合して用いられる。
また、有機スズ系安定剤としては、例えば、ジブチル錫メルカプト、ジオクチル錫メルカプト、ジメチル錫メルカプトなどのメルカプチド類;ジブチル錫マレート、ジブチル錫マレートポリマー、ジオクチル錫マレート、ジオクチル錫マレートポリマーなどのマレート類;ジブチル錫メルカプトジブチル錫ラウレート、ジブチル錫ラウレートポリマーなどのカルボキシレート類が挙げられる。
すなわち、安定剤の配合割合が0.3重量部未満であると、成形時におけるポリ塩化ビニル系樹脂の熱安定性が確保されにくく、成形中に炭化物が出やすくなってしまう恐れがあり、5.0重量部を超えると、燃焼時におけるポリ塩化ビニル系樹脂の炭化促進を阻害して十分な耐火性能が得られなくなる恐れがある。
これらは、単独でも、2種以上を混合して用いてもよい。
内部滑剤は、成形加工時の溶融樹脂の流動粘度を下げ、摩擦発熱を防止する目的で使用される。上記内部滑剤としては特に限定されず、例えば、ブチルステアレート、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール、エポキシ大豆油、グリセリンモノステアレート、ステアリン酸、ビスアミド等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
上記外部滑剤は、成形加工時の溶融樹脂と金属面との滑り効果を上げる目的で使用される。外部滑剤としては特に限定されず、例えば、パラフィンワックス、ポリオレフィンワックス、エステルワックス、モンタン酸ワックスなどが挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
すなわち、無機フィラーの配合量が300重量部未満では、無機フィラーの添加効果(遮音性)が小さく、600重量部を超えると、偏平させたときに座屈してしまうおそれがある。
また、遮音外管の樹脂成分としては、オレフィン系樹脂が用いられるが、その理由は、吸水率が低く、ほとんど吸水しないため、雨天時の施工でも遮音性能が低下しないからである。
すなわち、内層を形成する樹脂組成物中の、無機フィラーの配合量が300重量部未満では、無機フィラーの添加効果(遮音性)が小さく、600重量部を超えると、偏平させたときに座屈してしまうおそれがある。
一方、外層を形成する樹脂組成物は、オレフィン系樹脂100重量部に対して、無機フィラーの配合量が0〜10重量部である樹脂組成物に限定されるが、その理由は、以下のとおりである。
すなわち、無機フィラーの配合量が10重量部以下の樹脂組成物からなる外層を備えていると、請求項1の遮音外管が単層の耐火遮音管に比べて弾性が増してさらに座屈しにくくなり、かつ、外層が無機フィラーを少量しか含まない樹脂組成物で形成されているので、遮音外管の表面において引っ掻き傷が目立ちにくくなる。
他方、外層を構成する樹脂組成物中の無機フィラーの配合量が増えると、さらに管軸方向の負荷による座屈がしにくくなるが、引っ掻き傷が目立ちやすくなる。
内層と外層の厚み比は、特に限定されないが、外層24は、内層23を隠蔽することができれば薄いものでよく、遮音性を考慮すると、内層23と外層24との全樹脂成分100重量部に対して炭酸カルシウムが300〜600重量部の範囲で配合されている厚さとすることが好ましい。
なお、遮音外管の樹脂成分としては、オレフィン系樹脂が用いられるが、その理由は、吸水率が低く、ほとんど吸水しないため、雨天時の施工でも遮音性能が低下しないからである。
すなわち、外管本体の肉厚が1.0mm未満であると、遮音層としての機能が不十分であり、2.0mmを超えると、切断しにくくなる等、施工性が低下してしまうおそれがある。
すなわち、上記空間断面積が外管総断面積の30%未満であると、空間部の空気層が吸音層として十分に機能せず、70%を超えると、火災発生時に内管が膨張しても空間部が十分塞がらず、耐火性が低下するおそれがある。
すなわち、高さが2.0mm未満であると、空気層が吸音層として十分に機能せず、6.0mmを超えると、耐火時に空気層が十分塞がらず、耐火性が低下するおそれがあり、さらに、貫通穴径も大きくなってしまう。
また、幅が1.0mm未満であると、強度が不十分で、積み重ねたときにリブが座屈する恐れがあり、3.0mmを超えると、切断しにくくなる等、施工性が低下してしまう。
また、遮音外管に内管を挿入しやすいよう、リブと内管の間には適度なクリアランスが空いていることが好ましい。
なお、遮音外管を形成するのに用いられるポリエチレンの密度が0.87g/cm3未満だと、外管本体の強度が十分ではなく、0.93g/cm3を超えると、偏平させたときに座屈してしまうおそれがある。
また、遮音外管がほとんど吸水しない材料からなるので、雨天時の施工でも遮音性が低下しない。
そして、遮音外管を管状の外管本体と、外管本体の内壁面から突出し外管本体の外壁面に支持されて内管と外管本体との間に空間を形成する複数のリブとを備える構成とすれば、通常は、内管と遮音カバーの間に空間、すなわち、空気層が形成されており、この空気層がより遮音性発現に寄与する。
また、火災時には、遮音カバーが適度に熱変形して内面リブの空気層が塞がることにより、耐火性が発現する。
請求項2の耐火遮音管は、上記効果に加えて、遮音外管が、オレフィン系樹脂100重量部に対して、無機フィラーを300〜600重量部含有する樹脂組成物からなる内層と、オレフィン系樹脂100重量部に対して、無機フィラーの配合量が0〜10重量部である樹脂組成物からなる外層とを有する複層構造をしているので、請求項1の耐火遮音管に比べて遮音外管の表面層の弾性が増すので、管軸方向の座屈だけでなく、管軸に垂直方向の座屈がしにくくなる。しかも、外層を構成する樹脂組成物中に含まれる無機フィラーの量が少ないので、無機フィラーが露出することによる目立った遮音外管表面の引っ掻き傷が少なくなる。すなわち、常に見栄えのよい外観に保つことができる。
図1は、本発明にかかる耐火遮音管の第1の実施の形態をあらわしている。
内管1は、ポリ塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、熱膨張性黒鉛を1〜10重量部含有する耐火性樹脂組成物を管状に押出成形することによって得られる。
そして、この耐火遮音管Aは、上記の遮音外管2aに内管1を挿入することにより得られる。
なお、遮音外管2aに内管1を挿入しやすいよう、遮音外管2aの内径が、内管1の外径より1mm大きくなっている。
そして、内管1の外側に遮音外管2aを備えているので、遮音性にも優れていると共に、遮音外管2aがオレフィン系樹脂として、密度が0.87〜0.93g/cm3のポリエチレン100重量部に対して、無機フィラーとしての炭酸カルシウムを300〜600重量部含有する樹脂組成物によって形成されているので、グラスウールやモルタルのような吸水の問題もない。すなわち、雨天時の施工でも遮音性が低下しない。
図2に示すように、この耐火遮音管Bは、内管1と、遮音外管2bとを備えている。
内管1は、ポリ塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、熱膨張性黒鉛を1〜10重量部含有する耐火性樹脂組成物を管状に押出成形することによって得られる。
外管本体21は、内管1との間に空間Sが形成されるようにその内径が内管1の外径より大きくなった管状をしている。
そして、耐火遮音管Bは、上記の遮音外管2bに内管1を挿入することにより得られ、内管1と遮音外管2bとの間に形成される空間Sの空間断面積が、遮音外管2bの外管総断面積の30〜70%となっている。
そして、火災時には、遮音外管2bの外管本体21部分が適度に熱変形して空間Sが塞がることにより、耐火性が発現する。
図3に示すように、この耐火遮音管Cは、内管1と、遮音外管2cとを備え、遮音外管2cが、以下のような内層23と外層24とからなる複層構造となっている以外は、上記第1の実施の形態の耐火遮音管Aと同様になっている。
内層23は、オレフィン系樹脂としての、密度が0.87〜0.93g/cm3のポリエチレン100重量部に対して、無機フィラーとしての炭酸カルシウムを300〜600重量部含有する樹脂組成物を押出成形することによって得られる。
外層24は、オレフィン系樹脂としての、密度が0.87〜0.93g/cm3のポリエチレン100重量部に対して、無機フィラーとしての炭酸カルシウムが0〜10重量部配合された樹脂組成物を押出成形することによって得られる。
また、外層24は、内層23を隠蔽することができれば薄いものでよく、遮音性を考慮すると、内層23と外層24との全樹脂成分100重量部に対して炭酸カルシウムが300〜600重量部の範囲で配合されている厚さとすることが好ましい。
この耐火遮音管Cは、上記のように遮音外管2cを備えているので、上記実施の形態の耐火遮音管Aと同様の効果を備えているとともに、遮音外管2cが内層23と外層24とからなり、外層24が、オレフィン系樹脂としての、密度が0.87〜0.93g/cm3のポリエチレン100重量部に対して、無機フィラーとしての炭酸カルシウムを0〜10重量部含有する樹脂組成物を押出成形することによって得られるので、内層23表面の無機フィラーによる凹凸が外層24によって隠蔽され、外観良好な製品とすることができる。
しかも、外層24は、無機フィラーの配合量が少ないので、引っかき傷によって無機フィラーが露出して表面に目立つ引っかき傷がでにくくなる上、弾性が大きいため、遮音外管2cが管軸方向の負荷による座屈だけでなく、管軸に垂直方向からの負荷による座屈もしにくくなる。
図4に示すように、この耐火遮音管Dは、内管1と、遮音外管2dとを備え、遮音外管2dが、以下のような内層25と外層26とからなる複層構造となっている以外は、上記第2の実施の形態の耐火遮音管Bと同様になっている。
内層25は、オレフィン系樹脂としての、密度が0.87〜0.93g/cm3のポリエチレン100重量部に対して、無機フィラーとしての炭酸カルシウムを300〜600重量部含有する樹脂組成物を押出成形することによって得られ、筒状の内層本体25aと、耐火遮音管Bのリブ22と同様のリブ25bとを備えている。
外層26は、内層本体25aの周囲を囲繞するように設けられていて、内層本体25aとともに、外管本体を構成し、オレフィン系樹脂としての、密度が0.87〜0.93g/cm3のポリエチレン100重量部に対して、無機フィラーとしての炭酸カルシウムを0〜10重量部含有する樹脂組成物を押出成形することによって得られる。
塩化ビニル樹脂(大洋塩ビ社製、品番TH1000)100重量部に対し、熱膨張性黒鉛(東ソー社製、品番GREP−EG)を5重量部、鉛系安定剤(堺化学社製、商品名SL−1000)を2重量部、滑剤(三井化学社製、商品名ハイワックス4202E)を0.5重量部配合した耐火性樹脂組成物を押出成形して内径100mm、外径114mmの内管1を得た。次いで、オレフィン系樹脂としての低密度ポリエチレン(旭化成社製、商品名サンテックLD、密度0.915)100重量部に対して、無機フィラーとしての炭酸カルシウム(白石カルシウム社製、商品名ホワイトンSB)を450重量部配合した樹脂組成物を押出成形して、図1に示すような内径116mm、外径119mmの遮音外管2aを得た。さらに、遮音外管2aに内管1を挿入してサンプル管を得た。
遮音外管が、内径124mm、外径127mmの外管本体と、リブ高さ4.0mm、リブ幅2.0mmの等ピッチで形成された60本のリブとで形成されている以外は、実施例1と同様にして図2に示すようなサンプル管を得た。
このとき、管横断面中の内管の外周面と外管本体との間の空間断面積は、外管本体と複数のリブを足し合わせた断面積の50%であった。
樹脂組成物の炭酸カルシウムの配合量を300重量部とした以外は、上記実施例2と同様にしてサンプル管を得た。
樹脂組成物の炭酸カルシウムの配合量を600重量部とした以外は、上記実施例2と同様にしてサンプル管を得た。
耐火性樹脂組成物の膨張黒鉛の配合量を1重量部とした以外は、上記実施例2と同様にしてサンプル管を得た。
耐火性樹脂組成物の膨張黒鉛の配合量を10重量部とした以外は、上記実施例2と同様にしてサンプル管を得た。
遮音外管を、内径122mm、外径126mmの外管本体と、リブ高さ3.0mm、リブ幅2.0mmの等ピッチで形成された60本のリブとで形成した以外は、上記実施例2と同様にしてサンプル管を得た。
このとき、空間断面積は、外管総断面積の70%であった。
遮音外管を、内径122mm、外径125mmの外管本体と、リブ高さ5.0mm、リブ幅3.0mmの等ピッチで形成された90本のリブとで形成した以外は、上記実施例2と同様にしてサンプル管を得た。
このとき、空間断面積は、外管総断面積の30%であった。
樹脂組成物のオレフィン系樹脂としてメタロセンポリエチレン(日本ポリエチレン社製、商品名カーネル、密度0.898)を用いた以外は、上記実施例2と同様にしてサンプル管を得た。
樹脂組成物のオレフィン系樹脂として低密度ポリエチレン(住友化学社製、商品名スミカセン、密度0.925)を用いた以外は、上記実施例2と同様にしてサンプル管を得た。
樹脂組成物のオレフィン系樹脂として高密度ポリエチレン(日本ポリエチレン社製、商品名ノバテック、密度0.943)を用いた以外は、上記実施例2と同様にしてサンプル管を得た。
樹脂組成物のオレフィン系樹脂としてオレフィン系エラストマー(三井化学社製、商品名ミラストマー、密度0.88)を用いた以外は、上記実施例2と同様にしてサンプル管を得た。
耐火性樹脂組成物に膨張黒鉛を配合しなかった以外は、上記実施例2と同様にしてサンプル管を得た。
樹脂組成物の炭酸カルシウムの配合量を100重量部とした以外は、上記実施例2と同様にしてサンプル管を得た。
樹脂組成物の炭酸カルシウムの配合量を700重量部とした以外は、上記実施例2と同様にしてサンプル管を得た。
樹脂組成物のオレフィン系樹脂の代わりに、内管と同じ塩化ビニル樹脂系材料(密度1.43)を用いた以外は、上記実施例2と同様にしてサンプル管を得た。
遮音外管を、内径122mm、外径126mmの外管本体と、リブ高さ3.0mm、リブ幅1.0mmの等ピッチで形成された60本のリブとで形成した以外は、上記実施例2と同様にしてサンプル管を得た。
このとき、空間断面積は、外管総断面積の83%であった。
1)耐火性 :JIS A1304準拠 2時間耐火試験にて遮炎性、遮煙性、遮熱性を判定
2)遮音性 :JIS A1424準拠 精密騒音計での測定値
(1)通常の施工で測定
(2)雨天時の施工を想定して配管にシャワー水をかけた後に測定
3)柔軟性(1) :遮音外管を50%偏平させたときに座屈するかで判定
塩化ビニル樹脂(大洋塩ビ社製、品番TH1000)100重量部に対し、熱膨張性黒鉛(東ソー社製、品番GREP−EG)を5重量部、鉛系安定剤(堺化学社製、商品名SL−1000)を2重量部、滑剤(三井化学社製、商品名ハイワックス4202E)を0.5重量部配合した耐火性樹脂組成物を押出成形して内径100mm、外径114mmの内管1を得た。次いで、オレフィン系樹脂としての低密度ポリエチレン(旭化成社製、商品名サンテックLD、密度0.915)100重量部に対して、無機フィラーとしての炭酸カルシウム(白石カルシウム社製、商品名ホワイトンSB)を450重量部配合した樹脂組成物を内層に、低密度ポリエチレン(旭化成社製、商品名サンテックLD、密度0.915)100重量部に対して、無機フィラーとしての炭酸カルシウム(白石カルシウム社製、商品名ホワイトンSB)を1重量部配合した樹脂組成物を外層として、二層押出成形して、図3に示すような内径116mm、外径119mmの遮音外管2cを得た。さらに、遮音外管2cに内管1を挿入してサンプル管を得た。このとき、内層と外層の厚みの比は、3:1であった。
外層の樹脂組成物中の炭酸カルシウムの配合量を9重量部とした以外は、上記実施例13と同様にしてサンプル管を得た。
遮音外管が、内径124mm、外径127mmの外管本体と、リブ高さ4.0mm、リブ幅2.0mmの等ピッチで形成された60本のリブとで形成されている以外は、実施例13と同様にして図4に示すようなサンプル管を得た。
このとき、管横断面中の内管の外周面と内層本体の間の空間断面積は、外層及び内層を足し合わせた断面積の50%であった。
外層の樹脂組成物中の炭酸カルシウムの配合量を15重量部とした以外は、上記実施例13と同様にしてサンプル管を得た。
5)傷の目立ちやすさ:遮音管表面に爪を立てて擦ったときの傷の目立ちやすさで判定
◎:ほとんど目立たない
○:少し目立つ
△:かなり目立つ
1 内管
2a,2b,2c,2d 遮音外管
21 外管本体
22,25b リブ
23、25 内層
24、26 外層
25a 内層本体
Claims (7)
- ポリ塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、熱膨張性黒鉛を1〜10重量部含有する耐火性樹脂組成物からなる内管と、
オレフィン系樹脂100重量部に対して、無機フィラーを300〜600重量部含有する樹脂組成物からなり、前記内管に外嵌状態の遮音外管と、
を備えていることを特徴とする耐火遮音管。
- ポリ塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、熱膨張性黒鉛を1〜10重量部含有する耐火性樹脂組成物からなる内管と、
オレフィン系樹脂100重量部に対して、無機フィラーを300〜600重量部含有する樹脂組成物からなる内層と、オレフィン系樹脂100重量部に対して、無機フィラーの配合量が0〜10重量部である樹脂組成物からなる外層とを有する複層構造をしていて、前記内管に外嵌状態の遮音外管と、
を備えていることを特徴とする耐火遮音管。 - 遮音外管が、管状の外管本体と、外管本体の内壁面から突出し内管の外壁面に支持されて内管と外管本体との間に空間を形成する複数のリブとを備える請求項1または請求項2に記載の耐火遮音管。
- 外管本体の肉厚が1.0〜2.0mmである請求項3に記載の耐火遮音管。
- 管横断面中の内管と遮音外管との間に形成される空間部の断面積が、遮音外管の外管本体とリブの総断面積の30〜70%である請求項3または請求項4に記載の耐火遮音管。
- 無機フィラーが炭酸カルシウムである請求項1〜請求項5のいずれかに記載の耐火遮音管。
- オレフィン系樹脂が、密度が0.87〜0.93g/cm3のポリエチレンである請求項1〜請求項6のいずれかに記載の耐火遮音管。
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