JP5879047B2 - 排水管継手 - Google Patents

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Description

本発明は、排水管継手に関する。
従来より、複層からなる建築物における上層及び下層を仕切る床や、隣接する空間を仕切る壁など、様々な区画に対し、配管手段を貫通させる構造が存在している(特許文献1)。そうした区画貫通部が防火区画の場合には、区画によって仕切られた一方の空間で火災が発生した場合、火炎が他方の空間へと侵入しないような構造が必要となる。
すなわち、給水管、配電管その他の管が耐火構造の床若しくは壁を貫通する場合においては、当該管と準耐火構造の防火区画とのすき間をモルタルその他の不燃材料で埋めなければならない、給水管、配電管その他の管の貫通する部分及び当該貫通する部分からそれぞれ両側に1m以内の距離にある部分を不燃材料で造ることとされている(建築基準法施行令参照)。
したがって、多層建築物の各階を仕切る防火区画である床スラブの貫通部においては、金属製の集合継手を用いるとともに、この集合継手の上下の立管接続部や横枝管接続部に接続される立管および横枝管には、耐火性能に優れた樹脂ライニング鋼管、耐火二層管(樹脂管の周囲に繊維補強モルタル層を設けたもの)、金属管等が使用されている。
しかしながら、金属管を用いた場合、重くて施工性に問題があるとともに、排水音の防音効果に乏しいという問題がある。一方、耐火二層管の場合、金属管に比べ軽量にはなるとともに、排水音の防音性も高いものの、モルタル層が割れる問題があり、取り扱い性に問題がある。他方、樹脂ライニング鋼管の場合、金属管に比べ軽量になり、排水音の防音性も高いとともに、取り扱い性にも優れているのであるが、樹脂のみの配管材に比べてコストが割高になるという問題がある。
そこで、複数の合成樹脂製の継手構成部材を組み立てて形成され、複数の継手構成部材のうち、少なくともスラブ貫通部を構成する継手構成部材が、耐火熱膨張性樹脂組成物からなる管状をした耐火膨張層を備える耐火熱膨張性樹脂パイプで形成されている排水管継手が、本発明の出願人によって既に提案されている(特許文献1)。
この排水管継手は、継手構成部材が全て合成樹脂で形成されているので、軽量で取扱い性に優れているとともに、スラブ貫通部を構成する継手構成部材が、耐火熱膨張性樹脂パイプで形成されているので、火災時は、耐火熱膨張性樹脂パイプの膨張黒鉛が熱膨張してパイプが閉塞されるとともに、モルタルとのシールが確保でき、優れた耐火性が発現する。
特開2009−040940号公報
しかし、出願人によって先に提案された上記排水管継手は、上記のように従来にない優れたものであるが、遮音性の点で少し問題がある。
本発明は、上記事情に鑑みて、軽量で施工性がよく、しかも、耐火性能に優れているだけでなく、遮音性に優れた排水管継手を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明の発明者らは、継手本体を上記特許文献1と同様の継手構成部材を接続一体化することによって形成し、この継手本体の周囲、特に、床スラブ貫通部を構成する継手構成部材の周囲に遮音樹脂シートを巻回すれば、軽量で施工性がよく、しかも、耐火性能に優れているだけでなく、遮音性に優れた排水管継手とすることができるのではないかと考えた。
しかしながら、上記遮音樹脂シートのみでは、遮音効果が不十分であるため、さらに、本発明の発明者が、検討を重ねた結果、遮音樹脂シートと、継手本体との間に空間を設ければ、遮音効果が向上することがわかり、この発明を完成するに到った。
すなわち、本発明にかかる排水管継手は、熱可塑性樹脂組成物からなる複数の継手構成部材を組み立てて形成され、前記複数の継手構成部材のうち、少なくとも床スラブ貫通部の一部を構成する継手構成部材が、耐火熱膨張性樹脂組成物からなる管状をした耐火膨張層を少なくとも備える耐火熱膨張性樹脂パイプで形成されてなる継手本体の周囲を囲むように遮音カバーが設けられた排水管継手であって、前記遮音カバーが、継手本体の周面の一部に添設されたスペーサと、このスペーサに一部が受けられ、前記継手本体の周面との間に隙間が形成されるように継手本体の周囲に巻き付けられた遮音樹脂シートからなるカバー本体とを備えていることを特徴としている。
本発明の排水管継手において、カバー本体を構成する遮音樹脂シートは、巻回により遮音性能の向上することができれば、特に限定されないが、耐火熱膨張性樹脂パイプと他の継手構成部材とをより強固に固定することから、耐火熱膨張性樹脂パイプとこの耐火熱膨張性樹脂パイプに接合された他の継手構成部材とに跨るように巻き付けられている構成とすることが好ましい。
また、遮音樹脂シートとしては、遮音性を上げることができれば、特に限定されず、例えば、一般に建物の壁の遮音性を高めるために用いられる市販の遮音シートを用いることができるが、それ自体で自己消火性を備えた軟質塩化ビニル樹脂製シート状体からなる表面層と、軟質塩化ビニル樹脂製シートに含まれる可塑剤が耐火熱膨張性樹脂パイプ側に悪影響を与えないように、合成樹脂製不織布からなる裏面層とを備えた積層体が好ましい。
また、遮音樹脂シートを構成する樹脂組成物中には、遮音性能を高めるために、鉄粉などの充填材が分散混合されていても構わない。
上記不織布としては、特に限定されず、例えばポリエステル製のものが挙げられる。
遮音樹脂シートの厚みは、特に限定されないが、必要とする遮音性を確保できれば、軽量化のためにできるだけ薄いことが好ましい。
スペーサによって形成される隙間に厚みは、遮音性を考慮すると厚いことが好ましいが、例えば、継手本体の床スラブ貫通部となる耐火熱膨張性樹脂パイプ部分は、隙間の厚みを厚くしすぎると、耐火性能に影響がでるおそれがある。
したがって、床スラブ貫通部となる耐火熱膨張性樹脂パイプと遮音樹脂シートとの隙間の厚み、すなわち、耐火熱膨張性樹脂パイプに添設されるスペーサの厚みは、3mm以下とすることが好ましい。
また、上記床スラブ貫通部となる耐火熱膨張性樹脂パイプに設けられるスペーサとしては、特に限定されないが、遮音樹脂シートに貫通孔を設けた隙間形成用シートを用いることが好ましい。
また、遮音樹脂シート及び隙間形成用シートとしては、特に限定されないが、例えば、それ自体で自己消火性を備えた軟質塩化ビニル樹脂製シート状体からなる表面層と、軟質塩化ビニル樹脂製シートに含まれる可塑剤が耐火熱膨張性樹脂パイプ側に悪影響を与えないように、合成樹脂製不織布からなる裏面層とを備えた積層体シートを打ち抜いたものを
用いることがより好ましい。
なお、上記隙間形成用シートをスペーサとして用いる場合、例えば、遮音樹脂シートをテープ状または所望の形状の裁断片にしてこの裁断片をスペーサとなる部分に貼着する方法が挙げられる。また、隙間形成用シートを表面の遮音層となる遮音樹脂シートと重ねた状態で、遮音樹脂シートとともに重ね巻きするようにしてもよい。
一方、床スラブ貫通部となる耐火熱膨張性樹脂パイプ部分以外の部分のスペーサとしては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレン発泡体、熱可塑性樹脂エラストマー、ゴムなどの弾性体、段ボール紙などが挙げられ、これらをスペース形成部に応じた形状のテープなどの裁断片にしたものが用いられる。
本発明において、耐火熱膨張性樹脂パイプとしては、ポリ塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、熱膨張性黒鉛を1〜10重量部の割合で含む耐火熱膨張性樹脂組成物からなる耐火膨張層の単層構造であるもの、あるいは、耐火熱膨張性樹脂パイプが、ポリ塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、熱膨張性黒鉛を1〜15重量部の割合で含む耐火熱膨張性樹脂組成物からなる耐火膨張層と、この耐火膨張層の内外面を覆うように設けられる熱膨張性黒鉛非含有のポリ塩化ビニル系樹脂組成物からなる被覆層とからなる3層構造であるものが好ましい。
上記ポリ塩化ビニル系樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル単独重合体;塩化ビニルモノマーと、該塩化ビニルモノマーと共重合可能な不飽和結合を有するモノマーとの共重合体;塩化ビニル以外の(共)重合体に塩化ビニルをグラフト共重合したグラフト共重合体等が挙げられ、これらは単独で使用されてもよく、2種以上が併用されてもよい。又、必要に応じて上記ポリ塩化ビニル系樹脂を塩素化してもよい。
上記塩化ビニルモノマーと共重合可能な不飽和結合を有するモノマーとしては、特に限定されず、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン等のα−オレフィン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;ブチルビニルエーテル、セチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチルアクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類;スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル類;N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のN−置換マレイミド類などが挙げられ、これらは単独で使用されてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記塩化ビニルをグラフト共重合する重合体としては、塩化ビニルをグラフト共重合するものであれば、特に限定されず、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−ブチルアクリレート−一酸化炭素共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリウレタン、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレンなどが挙げられ、これらは単独で使用されてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記ポリ塩化ビニル系樹脂の平均重合度は、特に限定されるものではないが、小さくなると成形体の物性低下が起こり、大きくなると溶融粘度が高くなって成形が困難になるので、400〜1600が好ましく、600〜1400が、特に好ましい。尚、上記平均重合度とは、ポリ塩化ビニル系樹脂をテトラヒドロフラン(THF)に溶解させ、濾過により不溶成分を除去した後、濾液中のTHFを乾燥除去して得た樹脂を試料とし、JIS K−6721「塩化ビニル樹脂試験方法」に準拠して測定した平均重合度を意味する。
上記ポリ塩化ビニル系樹脂の重合方法は、特に限定されず、従来公知の任意の重合方法が採用されてよく、例えば、塊状重合方法、溶液重合方法、乳化重合方法、懸濁重合方法等が挙げられる。
上記ポリ塩化ビニル系樹脂の塩素化方法としては、特に限定されず、従来公知の塩素化方法が採用されてよく、例えば、熱塩素化方法、光塩素化方法等が挙げられる。
上記ポリ塩化ビニル系樹脂はいずれも、樹脂組成物としての耐火性能を阻害しない範囲で、架橋、変性していてもよい。この場合、予め架橋、変性した樹脂を用いてもよく、添加剤等を配合する際に、同時に架橋、変性してもよいし、あるいは樹脂に前記成分を配合した後に架橋、変性してもよい。上記樹脂の架橋方法についても、特に限定はなく、ポリ塩化ビニル系樹脂の通常の架橋方法、例えば、各種架橋剤、過酸化物を使用する架橋、電子線照射による架橋、水架橋性材料を使用した方法等が挙げられる。
本発明の耐火熱膨張性樹脂パイプは、火炎等によって加熱されると耐火膨張層が膨張して、管内を閉塞あるいは閉塞に近い状態にすることができるものであれば、耐火膨張層のみの単層のものでも、耐火膨張層の内外面に耐火膨張層の耐火性能を阻害しない範囲で膨張黒鉛を含まない樹脂組成物からなる樹脂層を設けた複層構造とするようにしても構わない。
上記単層構造品の場合、耐火膨張層を形成する耐火熱膨張性樹脂組成物としては、特に限定されないが、ポリ塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、熱膨張性黒鉛を1〜10重量部の割合で含むものが好ましく、1〜8重量部の割合で含むものがより好ましく、2〜7重量部の割合で含むものがさらに好ましい。すなわち、熱膨張性黒鉛が1重量部未満であると、燃焼時に、十分な熱膨張性が得られず、所望の耐火性が得られないおそれがあり、10重量部を超えると、加熱により熱膨張しすぎて、その形状を保持できずに残渣が脱落し、耐火性が低下してしまうおそれがある。
一方、複層構造品の場合、耐火膨張層を形成する耐火熱膨張性樹脂組成物としては、特に限定されないが、ポリ塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、熱膨張性黒鉛を1〜15重量部の割合で含むものが好ましく、1〜12重量部の割合で含むものがより好ましく、2〜10重量部の割合で含むものがさらに好ましい。すなわち、熱膨張性黒鉛を熱膨張性黒鉛が1重量部未満であると、燃焼時に、十分な熱膨張性が得られず、所望の耐火性が得られないし、15重量部を超えると、加熱により熱膨張しすぎて、その形状を保持できずに残渣が脱落し、耐火性が低下してしまうおそれがある。
また、上記のように耐火膨張層がポリ塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、熱膨張性黒鉛を1〜15重量部の割合で含む耐火熱膨張性樹脂組成物で形成された複層構造品の場合、耐火膨張層の内外面を熱膨張性耐火材料非含有のポリ塩化ビニル系樹脂組成物で被覆した3層構造とすることが好ましい。
上記のような3層構造の複層構造品の場合、耐火管状の内面および外面を被覆する被覆層の厚みが、それぞれ0.2〜2.0mmであることが好ましい。
すなわち、耐火膨張層の内面および外面を被覆する被覆層の厚みが0.2mm未満であると管としての機械的強度に劣るおそれがあり、2.0mmを超えると耐火性が低下するおそれがある。
本発明で用いられる熱膨張性黒鉛は、天然鱗状グラファイト、熱分解グラファイト、キッシュグラファイト等の粉末を濃硫酸、硝酸、セレン酸等の無機酸と濃硝酸、過塩素酸、過塩素酸塩、過マンガン酸塩、重クロム酸塩、過酸化水素等の強酸化剤とで、黒鉛の層間に無機酸を挿入する酸処理をした後、pH調整して得られる炭素の層状構造を維持したままの結晶化合物であって、pH1.5〜4.0に調整された熱膨張性黒鉛、および、1.3倍膨張温度が180℃〜240℃の熱膨張性黒鉛を用いることが好ましい。
すなわち、熱膨張性黒鉛のpHが1.5未満であると、酸性が強すぎて、成形装置の腐食などを引き起こしやすく、pHが4.0を超えると、ポリ塩化ビニル系樹脂の炭化促進効果が薄れ、十分な耐火性能が得られなくなるおそれがある。
上記熱膨張性黒鉛のpH調整方法は、特に限定されないが、通常、上記のように、原料黒鉛の層間に無機酸を挿入する酸処理をした状態では、pH1以下になっているため、例えば、酸処理後の黒鉛を水で洗浄して、黒鉛の表面に残存する酸を除去した後、乾燥させる方法が挙げられる。すなわち、熱膨張性黒鉛のpHを上昇させるには、水洗と乾燥とを繰り返せばよい。
一方、熱膨張性黒鉛の1.3倍膨張温度が180℃未満であると、成形中に熱膨張性黒鉛が膨張してしまうことがあり、管の外観不良を引き起こす上、燃焼時の耐火性が低下してしまうおそれがあり、熱膨張性黒鉛の1.3倍膨張温度が240℃を超えると、成形中に熱膨張性黒鉛の膨張が開始してしまうおそれはないものの、燃焼時において、ポリ塩化ビニル系樹脂の熱分解(発泡)が進行し、ポリ塩化ビニル系樹脂の柔軟性が低下してしまった後に、熱膨張性黒鉛が膨張するため、ポリ塩化ビニル系樹脂が、熱膨張性黒鉛の膨張に耐え切れなくなり、バラバラに崩壊してしまうおそれがある。
なお、1.3倍膨張温度とは、加熱炉内を一定温度にして、熱膨張性黒鉛の試料を30分加熱した後の熱膨張性黒鉛の膨張倍率が、1.3以上になる温度を意味する。また、膨張倍率は、加熱後の試料の体積を加熱前の試料の体積で除することで求められる。
上記熱膨張性黒鉛の粒径は、特に限定されないが、好ましくは100〜400μmであり、さらに好ましくは120〜350μmである。すなわち、粒径が細かくなりすぎると、耐火性樹脂組成物の膨張率が低下してしまうおそれがある。一方、粒径が大きくなりすぎると、加熱により組織が熱膨張しすぎて、その形状を保持できずに残渣が脱落し、耐火性が低下してしまうし、耐火性樹脂組成物を配管材としたときの引張強度や扁平強度などの物性が低下してしまい、管材として必要な機械的強度が得られなくなってしまうおそれがある。
また、耐火膨張層を形成する耐火熱膨張性樹脂組成物には、本発明の目的を阻害しない範囲で、必要に応じて安定剤、無機充填剤、難燃剤、滑剤、加工助剤、衝撃改質剤、耐熱向上剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、顔料、可塑剤、熱可塑性エラストマーなどの添加剤が添加されていてもよい。
上記安定剤としては、特に限定されないが、鉛系安定剤、有機スズ安定剤、高級脂肪酸金属塩等が挙げられ、これらが単独であるいは複合して用いられる。
鉛系安定剤としては、例えば、鉛白、塩基性亜硫酸鉛、三塩基性硫酸鉛、二塩基性亜リン酸鉛、二塩基性フタル酸鉛、三塩基性マレイン酸鉛、シリカゲル共沈ケイ酸鉛、二塩基性ステアリン酸鉛、ステアリン酸鉛、ナフテン酸鉛が挙げられる。
また、有機スズ系安定剤としては、例えば、ジブチル錫メルカプト、ジオクチル錫メルカプト、ジメチル錫メルカプトなどのメルカプチド類;ジブチル錫マレート、ジブチル錫マレートポリマー、ジオクチル錫マレート、ジオクチル錫マレートポリマーなどのマレート類;ジブチル錫メルカプトジブチル錫ラウレート、ジブチル錫ラウレートポリマーなどのカルボキシレート類が挙げられる。
高級脂肪酸金属塩(金属石ケン)としては、例えば、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、リシノール酸カルシウム、ステアリン酸ストロンチウム、ステアリン酸バリウム、ラウリン酸バリウム、リシノール酸バリウム、ステアリン酸カドミウム、ラウリン酸カドミウム、リシノール酸カドミウム、ナフテン酸カドミウム、2−エチルヘキソイン酸カドミウム、ステアリン酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛、リシノール酸亜鉛、2−エチルヘキソイン酸亜鉛、ステアリン酸鉛、二塩基性ステアリン酸鉛、ナフテン酸鉛が挙げられる。
上記安定剤の配合割合は、特に限定されないが、ポリ塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、0.3〜5.0重量部とすることが好ましい。
すなわち、安定剤の配合割合が0.3重量部未満であると、成形時におけるポリ塩化ビニル系樹脂の熱安定性が確保されにくく、成形中に炭化物が出やすくなってしまうおそれがあり、5.0重量部を超えると、燃焼時におけるポリ塩化ビニル系樹脂の炭化促進を阻害して十分な耐火性能が得られなくなるおそれがある。
無機充填剤としては、特に限定されず、例えば、シリカ、珪藻土、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化錫、酸化アンチモン、フェライト類、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸バリウム、ドーンナイト、ハイドロタルサイト、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、石膏繊維、ケイ酸カルシウム、タルク、クレー、マイカ、モンモリロナイト、ベントナイト、活性白土、セピオライト、イモゴライト、セリサイト、ガラス繊維、ガラスビーズ、シリカ系バルン、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維、炭素バルン、木炭粉末、各種金属粉、チタン酸カリウム、硫酸マグネシウム、チタン酸ジルコン酸鉛、アルミニウムボレート、硫化モリブデン、炭化ケイ素、ステンレス繊維、ホウ酸亜鉛、各種磁性粉、スラグ繊維、フライアッシュ、脱水汚泥等が候補に挙げられ、これらのうち、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、炭酸バリウム、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、酸化鉄等の塩基性無機充填剤を用いることが好ましい。
これらは、単独でも、2種以上を混合して用いてもよい。
また、無機充填剤の配合割合は、特に限定されないが、ポリ塩化ビニル系樹脂100重量部に対して0.3〜50重量部の割合とすることが好ましく、2〜5重量部の割合とすることが好ましい。すなわち、無機充填剤が0.3重量部未満であると、燃焼時に、骨材的な働きがなされず、その形状を保持できずに残渣が脱落して、耐火性が低下してしまうおそれがあり、50重量部を超えると、組成物全体に対するポリ塩化ビニル系樹脂の割合が低くなるため、引張強度が低下してしまうおそれがある。
特に、熱膨張性黒鉛として、pHを1.5〜4.0に調整されたものを用いる場合には、上記塩基性無機充填剤をポリ塩化ビニル系樹脂100重量部に対して0.3〜5.0重量部の割合で配合することが好ましい。すなわち、塩基性無機充填剤の配合割合がポリ塩化ビニル系樹脂100重量部に対して0.3重量部未満であると、成形時におけるポリ塩化ビニル系樹脂の熱安定性が確保されず、成形中に炭化物が出やすくなってしまい、塩基性化合物が5.0重量部を超えると、燃焼時におけるポリ塩化ビニル系樹脂の炭化促進を阻害することとなり、耐火性能の著しい向上が見られなくなるおそれがある。
上記難燃剤としては、燃焼時の難燃性を高めるためのものであれば特に限定されず、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の水酸化物、ハイドロタルサイト、二酸化アンチモン、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン等の酸化アンチモン、三酸化モリブデン、二硫化モリブデン、アンモニウムモリブデート等のモリブデン化合物、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロムエタン、テトラブロムエタン、テトラブロムエタン等の臭素系化合物、トリフェニルフォスフェート、アンモニウムポリフォスフェート等のリン系化合物、ホウ酸カルシウム、ホウ酸亜鉛などが挙げられるが、ポリ塩化ビニルの燃焼抑制効果としては、三酸化アンチモンが特に好ましい。アンチモン化合物は、ハロゲン系化合物の存在下では、高温条件のもとで、ハロゲン化アンチモン化合物を作り、燃焼サイクルを抑制させる効果が非常に強く、相乗効果が著しいからである。
難燃剤を併用することにより、燃焼時において、熱膨張性黒鉛の膨張による断熱効果と難燃剤による燃焼遅延効果が相乗効果を発揮して、より効率的に耐火性能を向上させることができる。難燃剤の添加部数は、特に限定されないが、ポリ塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、1重量部以上20重量部以下、添加されていることが好ましい。難燃剤が1重量部未満であると、十分な相乗効果が得られにくいし、難燃剤が20重量部を超えて添加されると、成形性や物性が著しく低下してしまうおそれがあるからである。
上記熱安定化助剤としては特に限定されず、例えば、エポキシ化大豆油、リン酸エステル、ポリオール、ハイドロタルサイト、ゼオライト等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
上記滑剤としては、内部滑剤、外部滑剤が挙げられる。
内部滑剤は、成形加工時の溶融樹脂の流動粘度を下げ、摩擦発熱を防止する目的で使用される。上記内部滑剤としては特に限定されず、例えば、ブチルステアレート、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール、エポキシ大豆油、グリセリンモノステアレート、ステアリン酸、ビスアミド等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
上記外部滑剤は、成形加工時の溶融樹脂と金属面との滑り効果を上げる目的で使用される。外部滑剤としては特に限定されず、例えば、パラフィンワックス、ポリオレフィンワックス、エステルワックス、モンタン酸ワックスなどが挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
上記加工助剤としては特に限定されず、例えば重量平均分子量10万〜200万のアルキルアクリレート−アルキルメタクリレート共重合体等のアクリル系加工助剤などが挙げられる。上記アクリル系加工助剤としては特に限定されず、例えば、n−ブチルアクリレート−メチルメタクリレート共重合体、2−エチルヘキシルアクリレート−メチルメタクリレート−ブチルメタクリレート共重合体等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
上記衝撃改質剤としては特に限定されず、例えばメタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体(MBS)、塩素化ポリエチレン、アクリルゴムなどが挙げられる。
上記耐熱向上剤としては特に限定されず、例えばα−メチルスチレン系、N−フェニルマレイミド系樹脂等が挙げられる。
上記酸化防止剤としては特に限定されず、例えば、フェノール系抗酸化剤などが挙げられる。
上記光安定剤としては特に限定されず、例えば、ヒンダードアミン系等の光安定剤等が挙げられる。
上記紫外線吸収剤としては特に限定されず、例えば、サリチル酸エステル系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系等の紫外線吸収剤などが挙げられる。
上記顔料としては特に限定されず、例えば、アゾ系、フタロシアニン系、スレン系、染料レーキ系等の有機顔料;酸化物系、クロム酸モリブデン系、硫化物・セレン化物系、フェロシアニン化物系などの無機顔料などが挙げられる。
また、上記ポリ塩化ビニル系樹脂組成物には可塑剤が添加されていてもよいが、成形品の耐熱性や耐火性を低下させることがあるため、多量に使用することはあまり好ましくない。上記可塑剤としては特に限定されず、例えば、ジブチルフタレート、ジ-2-エチルヘキシルフタレート、ジ-2-エチルヘキシルアジペート等が挙げられる。
上記熱可塑性エラストマーとしては特に限定されず、例えば、アクリルニトリル−ブタジエン共重合体(NBR)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重合体(EVACO)、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体や塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体等の塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。これらの熱可塑性エラストマーは、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
上記耐火熱膨張性樹脂パイプ以外の継手構成部材の材質としては、特に限定されないが燃焼遅延物質を含む合成樹脂組成物が好ましく、ポリ塩化ビニル樹脂100重量部に対して燃焼遅延物質としての非膨張黒鉛を0.1〜1重量部含む樹脂組成物をもちいることがより好ましい。
すなわち、非膨張性黒鉛が0.1重量部未満では、熱によって変形しやすくモルタルとのシール面が保持できず発煙してしまう、場合によっては、燃焼してしまうおそれがあり、1.0重量部を超えると、継手のJIS物性である偏平強度が確保できなくなってしまうおそれがある。
上記非膨張性黒鉛の粒径は、特に限定されないが、平均粒径で300μm以下が好まし
い。すなわち、300μm以上では、偏平強度が不足するおそれがある。
上記非熱膨張性黒鉛としては、特に限定されないが、ポリ塩化ビニル系樹脂への混合前に熱乾燥処理されているものが好ましい。
すなわち、市販の黒鉛には、揮発分が付着しており、この揮発分が成形時の温度上昇に
より揮発し、成形品外観が悪化する不具合が発生するおそれがあり、成形品の外観を良好に保つために熱乾燥処理によって揮発分を事前に除去することが好ましい。
また、上記耐火熱膨張性樹脂パイプ以外の継手構成部材を構成する樹脂組成物中には、本発明の目的を阻害しない範囲で、必要に応じて耐火熱膨張性樹脂パイプと同様の安定剤、無機充填剤、難燃剤、滑剤、加工助剤、衝撃改質剤、耐熱向上剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、顔料、可塑剤、熱可塑性エラストマーなどの添加剤が添加されていてもよい。
さらに、本発明の排水管継手は、耐火熱膨張性樹脂パイプの上端に連結される継手構成部材に、射出成形されたものを用いる場合、射出時のゲート位置が、耐火熱膨張性樹脂パイプとの接続部であるものを用いることが好ましい。
また、本発明の排水管継手は、排水性能を向上させることを目的として、内部に旋回羽根を備えていてもよい。
さらに、内径が上下に接続される立管より大径の本体胴部と、この本体胴部の壁面から突出するように設けられた少なくとも1つの横枝管接続部と、本体胴部より下方に設けられ、下端側に向かって徐々に縮径するテーパー筒部とを備える排水管継手においては、前記本体胴部の内部に設けられる第1旋回羽根と、この第1旋回羽根の下端より下方に設けられた第2旋回羽根と、この第2旋回羽根の下端より下方、かつ、前記テーパー筒部内に設けられた第3旋回羽根とを有し、前記第1〜第3旋回羽根は、第1旋回羽根で受けられた排水が、前記第2旋回羽根で受けられて、前記第3旋回羽根に受けられない旋回流となるように配置されている構成とすることが好ましい。
また、特に限定されないが、上記第1〜第3旋回羽根は、第1旋回羽根の外縁上端と外縁下端とを結ぶ線分L1の中点C1から本体胴部の中心軸への垂線L2と、第2旋回羽根の外縁上端と外縁下端とを結ぶ線分L3の中点C2から本体胴部の中心軸への垂線L4と、第3旋回羽根の外縁上端と外縁下端とを結ぶ線分L5の中点C3から本体胴部の中心軸への垂線L6とが、垂線L2、垂線L4、垂線L6を第1旋回羽根側から第3旋回羽根側に向かって前記中心軸方向に投影したとき、投影された垂線L2と垂線L4のなす角度が、70〜90°を満足し、投影された垂線L4と垂線L6のなす角度が、150〜200°を満足することが好ましい。
すなわち、投影された垂線L2と垂線L4のなす角度が、70°未満では、第1旋回羽根と第2旋回羽根の重なりが大きくなり、それぞれの旋回羽根の効果が十分に発揮されず、90°を超えると第1旋回羽根からの流下排水を第2旋回羽根で十分に受けることができないおそれがある。
また、投影された垂線L4と垂線L6のなす角度が、150°未満では、第2旋回羽根からの旋回流と第3旋回羽根の旋回流が干渉仕合い、流れが乱れ、通気芯を閉塞し、200°を超えると、第1旋回羽根と第3旋回羽根の重なりが大きくなり、それぞれの旋回羽根の効果が十分に発揮されないおそれがある。
なお、上記旋回羽根の外縁とは、旋回羽根を支持する継手本体の内壁面や支持脚の壁面に沿う縁を意味し、旋回羽根の形状によっては、外縁上端が旋回羽根の最高点、外縁下端が旋回羽根の最低点でない場合もある。
なお、本発明において、旋回羽根は、本体胴部などの円筒状部に接着あるいは一体成形する、継手本体を構成する円筒状部材の壁面を凹設することによって形成する、あるいは、断面円弧状をした羽根支持脚部の円弧内壁面に沿うように旋回羽根を接着あるいは一体成形した部材を継手本体内に組み込むことによって設けられる。
したがって、旋回羽根の外縁とは、円筒状部の内壁面に接する縁、円筒状部材の内周面に接する縁、あるいは、羽根支持脚部の円弧内壁面に接する縁をいい、外縁上端及び外縁下端は、必ずしも旋回羽根自体の上端あるいは下端でない場合がある。
特に限定されないが、上記第1旋回羽根の下端と、第2旋回羽根の上端とは、その高低差が0以上本体胴部の内径の2倍以下であることが好ましい。
すなわち、高低差が上記範囲から逸脱すると、第1旋回羽根から第2旋回羽根にうまく排水が載り移らず、旋回流を乱すおそれがある。
特に限定されないが、上記第1〜第3旋回羽根は、それぞれ管軸に対して15〜50°(好ましくは20〜45°)の傾斜角度で傾斜することが好ましい。すなわち、各旋回羽根の傾斜角度が急すぎると、流下してくる排水を十分受け止めることができず、緩すぎると、流下してくる排水の跳ね返りが大きくなり、流れが乱れるおそれがある。
上記第1〜第3旋回羽根の管軸に対する傾斜角度は、同じでも構わないが、第2旋回羽根の傾斜角度を、第1旋回羽根の傾斜角度及び第3旋回羽根の傾斜角度より小さくすることが好ましい。
上記第1〜第3旋回羽根の大きさは、特に限定されないが、立管の水平内断面に対する投影面積比率が、第1旋回羽根及び第2旋回羽根においては5〜30%、第3旋回羽根においては、テーパー面に設けられるため、3〜25%となる大きさとすることが好ましい。
すなわち、投影面積比率が小さすぎると、旋回羽根による効果を十分に得られなくなり、投影面積比率が大きすぎると、立管路内を流下してくる固形物やテストボールの通過の妨げとなるおそれがある。
本発明の排水管継手は、特に限定されないが、横枝管接続部が、本体胴部内壁面に、横枝管合流部の本体胴部側開口へ上流から排水の入り込みを邪魔する縦リブを備えていることが好ましい。
また、縦リブは、上記第1旋回羽根の下流側に設け、縦リブに当たった排水が第2旋回羽根に受けられるようにしてもよい。
上記縦リブの高さ(管中心方向への最大突出量)は、横枝管合流部の本体胴部側開口への上流から排水の入り込みを邪魔することができれば、特に限定されないが、あまり高くすると、立管路内を流下してくる固形物やテストボールの通過の妨げとなるため、本体胴部の内径が140mm程度であれば、本体胴部の内壁から最大高さ部分で5〜30mm程度が好ましい。
本発明の排水管継手の材質は、特に限定されないが、軽量化及び製造の容易性を考慮すると、合成樹脂組成物からなる複数の筒状またはリング状をした継手構成部材が連結一体化されて形成されていて、少なくとも床スラブ貫通部を構成する継手構成部材が、耐火熱膨張性樹脂組成物からなる耐火膨張層を少なくとも備える耐火熱膨張性樹脂パイプで形成されている構成とすることが好ましい。
すなわち、すべて合成樹脂で形成されているので、軽量である。
また、床スラブ貫通部は、階下で火災が発生しても、階下からの煙や火炎が床スラブ貫通部から上階に2時間以上入り込まないような耐火性が要求されるが、床スラブ貫通部を構成する継手構成部材が、耐火熱膨張性樹脂組成物からなる耐火膨張層を少なくとも備える耐火熱膨張性樹脂パイプで形成されていれば、排水管継手の階下露出部が階下の火炎に炙られて消失しても、耐火熱膨張性樹脂パイプの耐火膨張層が膨張して床スラブ貫通部が閉塞し、階下の火炎や煙が排水管継手内を通り、上階に入り込むことがない。
本発明にかかる排水管継手は、以上のように、継手本体の周面の一部に柱材が設けられ、この柱材に受けられた状態で遮音樹脂シートが継手本体の周囲に巻回されて、遮音樹脂シートと継手本体との間に空間が形成されているので、遮音樹脂シートを継手本体に直接巻き付けた場合に比べ、遮音性能が高くなる。
しかも、少なくとも床スラブ貫通部の一部を構成する継手構成部材が、耐火熱膨張性樹脂組成物からなる管状をした耐火膨張層を少なくとも備える耐火熱膨張性樹脂パイプで形成されているので、火災が発生して耐火熱膨張性樹脂パイプが火炎に曝されると耐火熱膨張性樹脂パイプの耐火膨張層が膨張してパイプ内が閉塞状態になるとともに、パイプの周壁が床スラブ貫通孔の内壁面に密着し、火災発生階から区画貫通部である床スラブ貫通孔を介して他の階への類焼及び煙の流入を長時間防止することができる。また、全体が樹脂で形成されているので、軽量である。
本発明にかかる排水管継手の第1の実施の形態をあらわす縦断面図である。 図1の排水管継手の継手本体の縦断面図である。 図2の継手本体の分解状態の正面図である。 図2の継手本体の本体胴部の横断面を上方から見た図である。 図2の継手本体を逆方向からみたテーパー筒部の部分の断面図である。 図2の継手本体にスペーサとなる独立気泡ポリエチレン発泡体のテープを巻回した状態をあらわす斜視図である。図1の排水管継手の分解状態の正面図である。 図6を逆方向からみた斜視図である。 図1のY部拡大図である。 遮音樹脂シートを打ち抜いて形成したスペーサの1例を示す平面図である。 図1の排水管継手の施工状態を説明する断面図である。 本発明にかかる排水管継手の第2の実施の形態の要部断面図である。 本発明にかかる排水管継手の第3の実施の形態の要部断面図である。 本発明にかかる排水管継手の第4の実施の形態の要部断面図である。 本発明にかかる排水管継手の第5の実施の形態の要部断面図である。 実施例及び比較例の排水集合継手の耐火試験方法を説明する図である。
以下に、本発明を、その実施の形態をあらわす図面を参照しつつ詳しく説明する。
図1は、本発明にかかる排水管継手の第1の実施の形態をあらわしている。
図1に示すように、この排水管継手A1は、継手本体Bと、遮音カバーXaとを備えている。
継手本体Bは、図2に示すように、本体胴部11aと、3つの横枝管接続部21と、テーパー筒部13bとを備えるとともに、第1旋回羽根14g、第2旋回羽根12c及び第3旋回羽根52の計3つの旋回羽根を備え、図3に示す第1継手構成部材10〜第11継手構成部材20の11の継手構成部材と、第1パッキン31〜第3パッキン33の3つのパッキンを組み立てることによって形成されている。
すなわち、本体胴部11aは、内径が上下に接続される立管より大径(例えば、立管が100Aの場合、内径135〜145mm)になっている。
3つの横枝管接続部21は、本体胴部11aの管軸にほぼ直交するとともに、1つの横枝管接続部21を中央にして本体胴部11aの周方向に90°ずれた状態でそれぞれ本体胴部11aに連設されている。
本体胴部11aの内壁面には、図4に示すように、3つの縦リブ51a,51b,51cが一体に設けられている。
縦リブ51a,51b,51cは、それぞれ、旋回流となって上方から流れてくる排水が各横枝管接続部21の本体胴部11a側の開口端から横枝管接続部21内に入り込んだり、横枝管接続部21が閉塞されるのを防止する目的で各横枝管接続部の開口端近傍の、排水の旋回流の上流側に設けられている。
また、縦リブ51a,51b,51cの高さ(本体胴部11aの内壁面から本体胴部11aの中心軸方向の寸法)は、テストボールの通過の障害とならず、上記目的を達成することができれば、特に限定されないが、後述する第1旋回羽根14gの下流側で第1旋回羽根14gの直近に設けられる縦リブ51aが少し他より高くなっている。
第1旋回羽根14gは、図2に示すように、本体胴部11a内の、縦リブ51aより旋回流の上流側に配置され、水平断面円弧状をした旋回羽根支持脚部14hの円弧の内周面に沿うように設けられている。
また、第1旋回羽根14gは、その傾斜角度が管軸に対して15〜50°で、接続される立管の内断面積に対する投影面積比率が5〜30%となる大きさに形成されている。
第2旋回羽根12cは、第1旋回羽根14gと水平方向で重ならず、その上端と、第1旋回羽根14gの下端との高低差が、本体胴部11aの内径以下で、かつ、その傾斜角度が管軸に対して第1旋回羽根14g及び後述する第3旋回羽根52より少し小さく、その大きさが立管の内断面積に対する投影面積比率が5〜30%となる大きさに形成されている。
また、第2旋回羽根12cは、第1旋回羽根14gの外縁上端と外縁下端とを結ぶ線分L1の中点C1から本体胴部11aの中心軸Cへの垂線L2と、第2旋回羽根12cの外縁上端と外縁下端とを結ぶ線分L3の中点C2から本体胴部11aの中心軸Cへの垂線L4とをそれぞれ本体胴部11aの中心軸方向に投影したときの投影された垂線L2と垂線L4とのなす角度αが70〜90°を満足するとともに、縦リブ51aを下方から受けるように配置されている。
さらに、第2旋回羽根12cは、その上端と、第1旋回羽根14gの下端との高低差が0より大きく本体胴部11aの内径の2倍以下になっている。
第3旋回羽根52は、テーパー筒部13bに設けられ、その大きさが立管の内断面積に対する投影面積比率が5〜30%となる大きさに形成されている。
また、第3旋回羽根52は、第3旋回羽根52の外縁上端と外縁下端とを結ぶ線分L5の中点C3から本体胴部の中心軸への垂線L6と、上記垂線L4とを、それぞれ本体胴部11aの中心軸方向に投影したときの投影された垂線L6と垂線L4とのなす角度βが150〜200°を満足するとともに、第2旋回羽根12cによって旋回流となった排水が第3旋回羽根52上を流れないような位置に設けられている。
また、継手本体Bは、床スラブ貫通部となる第1継手構成部材10が、以下に詳述する耐火熱膨張性樹脂パイプで形成され、その他の継手構成部材11〜20が難燃性を備えた塩化ビニル樹脂で形成されている。
詳しく説明すると、第1継手構成部材10は、例えば、特開2008-180367号公報に開示されているポリ塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、熱膨張性黒鉛を1〜15重量部の割合で含む耐火熱膨張性樹脂組成物で形成された耐火膨張層と、この耐火膨張層の内外面を覆う熱膨張性耐火材料非含有のポリ塩化ビニル系樹脂組成物で形成された被覆層で覆われた3層構造となった押出成形で得られる耐火熱膨張性樹脂パイプ(例えば、積水化学工業社エスロン耐火VPパイプ)であって、後述する排水立管P1より大径になっている。
第2継手構成部材11〜第11継手構成部材20は、それぞれポリ塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、非膨張性黒鉛を0.1〜1.0重量部の割合で含むポリ塩化ビニル系樹脂組成物を射出成形することによって得られる。
そして、第2継手構成部材11は、図2、図3及び図5に示すように、縦方向の管路形成部としての本体胴部11aと、横枝管接続部21の一部を構成する3つの横枝管接続部形成用筒部11bと、を備えている。
本体胴部11aは、第1継手構成部材10の外径と略同じ内径をした筒状をしていて、上側に第3継手構成部材12の下端部が嵌合する上部嵌合部11c、下側に後述する第4継手構成部材13のリング状嵌合部12a及び第1継手構成部材10の上端部が嵌合する下部嵌合部11dを備えている。
また、本体胴部11aの内面には、上述の3本の縦リブ51a,51b,51cが上部嵌合部11cの下端から下部嵌合部12dの上端に達するように設けられている。
各横枝管接続部形成用筒部11bは、本体胴部11aの同じ高さ位置で本体胴部11aの外壁面から円筒状に突出するように設けられている。
また、第2継手構成部材11は、射出成形の際のゲート位置が、その下端、すなわち、第1継手構成部材10との接続部に設けられている。
第3継手構成部材12は、リング状嵌合部12aと、旋回羽根形成部12bとを備えている。
リング状嵌合部12aは、上記第2継手構成部材11の本体胴部11aの内径とほぼ同じ外径をしていて、縦リブ51の高さとほぼ同じ肉厚のリング状をしている。
旋回羽根形成部12bは、第2旋回羽根12cと、羽根支持脚部12dとを備えている。
羽根支持脚部12dは、リング状嵌合部12aの下端から延出していて、上下方向の寸法が第1継手構成部材10の上下方向(管軸方向)の寸法とほぼ同じになっているとともに、水平断面が円弧状をしている。
そして、第3継手構成部材12は、図3に示すように、第2旋回羽根12cが縦リブ51aを下方から臨む位置に設けられる。
第4継手構成部材13は、上部受口13aと、テーパー筒部13bと、下部受口13cとを備えている。
上部受口13aは、第1継手構成部材10の下端が嵌り込むようになっていて、その内径が第1継手構成部材10の外径とほぼ同じになっている。
テーパー筒部13bは、上端から下端に向かって徐々に縮径するとともに、上端が第1継手構成部材10の内径とほぼ同じ内径となっていて、下端が接続される排水立管P1の内径とほぼ同じになっている。
また、テーパー筒部13bは、図2及び図5に示すように、その壁面の一部を内側に凹ませることによって、その内側に突出するように、第3旋回羽根52が設けられている。
第5継手構成部材14は、本体部14aと、旋回羽根形成部14bとを備えている。
本体部14aは、上部筒部14cと、下部筒部14dとを備えている。
上部筒部14cは、その外径が第2継手構成部材11の本体胴部11aの内径より大きくなっていて、その上端部外周面に、後述する第6継手構成部材15が抜け止め状態で嵌合する嵌合突条14eがリング状に設けられている。
下部筒部14dは、上部筒部14cの下端から段状に縮径し、その外径が第2継手構成部材11の本体胴部11aの内径とほぼ同じになっている。
また、下部筒部14dは、その下端に内側に鍔状に張り出し、後述する第1パッキン31の立管受部31bを介して排水立管P1の荷重を受けるリブ14fをリング状に備えている。
リブ14fの内径は、排水立管P1の内径とほぼ同じになっている。
旋回羽根形成部14bは、第1旋回羽根14gと、羽根支持脚部14hとを備えている。
旋回羽根支持脚部14hは、第1旋回羽根14g水平方向の幅と略同じ幅で下部筒部14dの下端から下方に延出し、第1旋回羽根14gを下端縁から少し上側で支持している。
第1パッキン31は、通常の排水設備に使用されているエチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)等のゴム材料からなるパッキンであって、上端部に、例えば、図4に示すように、呼び径100Aの排水立管P1の外周面に水密に密着するリップ部31aを有し、その上端面が、第5継手構成部材14の上端面とほぼ一致するように第5継手構成部材14の本体部14aに嵌合されている。
また、リップ部31aは、下端側に向かって徐々に小径となるように設けられ、上端側が排水立管P1の外径と略同じか少し大径になっていて、下端側が排水立管P1の外径より小径となって段状に立管受部31bを有している。そして、図10に示すように、この立管受部31bが排水立管P1の管端部を受けて、排水立管P1の熱伸縮を吸収するようになっている。
第6継手構成部材15は、第5継手構成部材14の上端部に外嵌され、一端に設けられたフランジ部15aによって、第1パッキン31の第5継手構成部材14からの離脱を防止するようになっている。
そして、第5継手構成部材14、第1パッキン31及び第6継手構成部材15は、予め、組み立てた一体化したのち、第5継手構成部材14の下部筒部14dを第2継手構成部材11の本体胴部11aに設けられた上部嵌合部11cに嵌合接着される。
第7継手構成部材16は、一端に嵌着部16aを有し、他端にパッキン装着部16bを備えている。
嵌着部16aは、第2継手構成部材11の横枝管接続部形成用筒部11bに嵌合接着される。
パッキン装着部16bは、嵌着部16aより外径が少し大径になっていて、後述する第2パッキン32が嵌着される。
第2パッキン32は、通常の排水設備に使用されているエチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)等のゴム材料からなるパッキンであって、パッキン装着部16bに嵌着され、例えば、図10に示すように、呼び径80Aの横枝管P2の外周面に水密に密着するリップ部32aを有している。
第8継手構成部材17は、第7継手構成部材16のパッキン装着部16bに外嵌され、一端に設けられたフランジ部17aによって、第2パッキン32の第7継手構成部材16からの離脱を防止するようになっている。
第9継手構成部材18は、一端に嵌着部18aを有し、他端にパッキン装着部18bを備えている。
嵌着部18aは、第2継手構成部材11の横枝管接続部形成用筒部11bに嵌合接着される。
パッキン装着部18bは、嵌着部18aより外径が少し大径になっていて、後述する第2パッキン32が嵌着される。
また、嵌着部18a及びパッキン装着部18bを貫通する後述する横枝管P3が挿通される孔18cは、第9継手構成部材1の横枝管接続部形成用筒部11bへの第9継手構成部材18の中心軸から下方に偏芯している。
第3パッキン33は、通常の排水設備に使用されているエチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)等のゴム材料からなるパッキンであって、パッキン装着部18bに嵌着され、例えば、図10に示すように、呼び径50Aの横枝管P3の外周面に水密に密着するリップ部33aを有している。
第10継手構成部材19は、第9継手構成部材18のパッキン装着部18bに外嵌され、一端に設けられたフランジ部19aによって、第3パッキン33の第9継手構成部材18からの離脱を防止するようになっている。
第11継手構成部材20は、図3に示すように、蓋部20aと嵌合部20bとを備え、嵌合部20bが第2継手構成部材11の横枝管P2を接続しない横枝管接続部形成用筒部11bに嵌合接着されて横枝管接続部形成用筒部11bを封止している。
遮音カバーXaは、図1に示すように、カバー本体X1と、複数のスペーサS1a、S1b、S2とを備え、以下のようにして形成されている。
スペーサS1aは、図6及び図7に示すように、独立気泡ポリエチレン発泡体のテープ(厚み8mm程度、幅20mm程度、発泡倍率30倍)からなり、第2継手構成部材11の本体胴部11aの上下端及び3つの横枝管接続部形成用筒部11bの先端部周囲にそれぞれリング状に巻き付けた状態で粘着剤(例えば、アクリル系粘着剤)を介して貼着されている。スペーサS1bは、図7に示すように、スペーサS1aより細幅の独立気泡ポリエチレン発泡体のテープ(厚み8mm程度、幅10mm程度、発泡倍率30倍)からなり、本体胴部11aの横枝管接続部形成用筒部11bが設けられていない部分で上下にリング状に巻き付けられた発泡体のテープS1a間を上下方向に連結するように本体胴部11aの中心軸に略平行に本体胴部11aの壁面に粘着剤(例えば、アクリル系粘着剤)を介して貼着されている。
一方、スペーサS2は、図8に示すように、後で詳述する遮音樹脂シートX1aと同様の原反を巻回する部位に応じた形状に打ち抜いて形成されるとともに、隙間となる貫通孔Zを備えている。シート状のスペーサS2を継手本体Bの床スラブ貫通部及びその上下の部分の対応する部位にそれぞれ巻き付けるとともに粘着剤(例えば、アクリル系粘着剤)を介して貼着することによって形成されている。
また、スペーサS2は、特に限定されないが、例えば、図9に示すように、外形が平行四辺形をしていて、長手方向の両端縁が斜め切り状態になっている。
カバー本体X1は、図8に示すように、継手本体Bの各部の形状に応じて原反を裁断することによって形成された複数種の遮音樹脂シートX1aを、上記スペーサS1a、S1b、S2の周囲を囲繞するようにそれぞれ対応する部位に巻き付けるとともに、粘着剤(例えば、アクリル系粘着剤)を介してスペーサS1a、S1b、S2に貼着することによって形成されている。
なお、上記遮音樹脂シートX1a及びスペーサS2となるシートは、それぞれ表面層となる軟質塩化ビニル樹脂シートを押出成形するとともに、押出と同時に、軟質塩化ビニル樹脂シートに裏面層となるポリエステル製不織布シートを添設一体化して得られた遮音樹脂シートの原反を裁断することによって形成されている。また、特に、第1継手構成部材10に巻き付けられる遮音樹脂シートX1a及びスペーサS2となるシートは、巻き付けられたとき、軟質塩化ビニル樹脂シートのカレンダー成形時の圧延方向に直交する方向が第1継手構成部材10の管軸に直交するように裁断されている。
また、遮音樹脂シートX1aは、スペーサS1a、S1b、S2を継手本体Bの周面に貼着したのち、スペーサS1a、S1b、S2上に巻き付けられてもよいが、第1継手構成部材10等の直管状部位に巻き付ける場合には、生産性を考慮すると、遮音樹脂シートX1aと、隙間形成用シートS2とを重ね合わせた状態で同時に継手本体Bの周囲に巻き付けることが好ましい。
そして、この排水管継手A1は、図10に示すように、多層階建築物の排水立管路の各階の横枝管合流部に用いられ、以下のように施工される。
すなわち、第1継手構成部材10及び第1継手構成部材10と第2継手構成部材11の嵌合接続部を含む部分を床スラブ100の貫通孔に臨ませた状態で設置され、下側の階の排水立管P1(例えば、市販品である積水化学工業社製のエスロン耐火VPパイプが使用できる)を第4継手構成部材13の下部受口13cに嵌合させて接着する。
また、第6継手構成部材5を介して上側の階の排水立管P1の下端部を第5継手構成部材15に嵌合させる。
つぎに、床スラブ貫通孔にモルタル110を充填し、第1継手構成部材10及び第1継手構成部材10と第2継手構成部材11の嵌合接続部を含む部分をモルタル110内に埋設する。
そして、第9継手構成部材19、第8継手構成部材18を介して横枝管P2の端部を第7継手構成部材17内に挿入して横枝管P2を接続する。
この排水管継手A1は、以上のように、全て樹脂で形成されているので、鋳鉄製あるいは耐火二層管に比べ、軽量である。
また、継手本体Bの床スラブ貫通部が遮音カバーXaで覆われているので、排水管継手A1の内部を流れる排水音が、床スラブ100を伝播して建物内に伝わることを少なくすることができ、居室内に伝わる排水騒音を軽減できる。しかも、遮音カバーXaが、カバー本体X1と継手本体Bとの間にスペーサS1a、S1b、S2を設けることによって、カバー本体X1と継手本体Bとの間に部分的に隙間を設けた構造となっているので、遮音樹脂シートのみからなる遮音カバーを備えた排水管継手に比べ、さらに、排水音が、床スラブ100を伝播して建物内に伝わることを少なくすることができ、居室内に伝わる排水騒音を軽減できる。
また、床スラブ貫通部を構成する第1継手構成部材10が耐火熱膨張性樹脂パイプで形成されているので、火災時には、耐火熱膨張性パイプの熱膨張によって、継手本体Bの床スラブ貫通部が閉塞するとともに、排水管継手A1の床スラブ貫通部の周面と床スラブ100のモルタル110との間に隙間が生じることがない。すなわち、火災発生階の上下の階に類焼あるいは煙の流れ込みを長時間防止することができる。
また、この排水管継手A1は、上記のように、継手本体B内に3つの旋回羽根14g,12c,52を備えているので、排水性能が高い。
すなわち、上階から排水管継手A1まで流下してきた排水のうち、第1旋回羽根14gによって受けられた排水が、まず、第1旋回羽根14gによって減速され、旋回力を付与される。そして、第1旋回羽根14gを経た排水は、第1旋回羽根14gに受け止められず、第2旋回羽根12cに直接受け止められた排水とともに第2旋回羽根12cに受け止められて、旋回力をさらに付与されながら下方に流下する。そして、第2旋回羽根12cを経た排水は、第3旋回羽根52に受け止められることなく、旋回流を保ちながら、下階の排水立管P1へと流れ込む。
一方、第1旋回羽根14g及び第2旋回羽根12cによって受け止められず、第3旋回羽根52に直接受け止められた排水は、第3旋回羽根52によって減速され、旋回力を付与され、旋回流を保ちながら、下階の排水立管P1へと流れ込む。
すなわち、この排水管継手A1は、上記第1旋回羽根14g及び上記第2旋回羽根12cによって旋回流となった排水と、第3旋回羽根によって旋回流となった排水とが、合流することなく下方へ流下する。したがって、通気芯が十分確保でき、排水性能が向上する。
さらに、第1旋回羽根14g及び第2旋回羽根12cによって旋回流となった排水と、第3旋回羽根52によって旋回流となった排水とが、合流することがないので、排水音の発生も低減することが可能となる。
また、第2継手構成部材11が、本体胴部11a内壁面に、横枝管接続部21の本体胴部11a側開口へ上流から排水の入り込みを邪魔する縦リブ51a,51b,51cを備えているので、上方から旋回流となって流下してきた排水が、横枝管接続部21側に流れ込んで、横枝管側を閉塞させることがない。
さらに、上方の立管から流下してきた排水は、この排水管継手A1内に入り、第1旋回羽根14gに受けられた排水は、第1旋回羽根14gによって旋回力が強められて下流側に向かうが、第1旋回羽根14gの下流直近に設けられた縦リブ51aの高さを他の縦リブ51b,51cより高くしたので、縦リブ51aを乗り越えることがない。
そして、縦リブ51aに当たった排水は、縦リブ51aの直下に設けられた第2旋回羽根12cに確実に受けられ、第2旋回羽根12cによって旋回力が強められて下流側に向かう。
さらに、第1継手構成部材10に巻き付けられる遮音樹脂シートX1a及び隙間形成用シートS2は、巻き付けられたとき、軟質塩化ビニル樹脂シートのカレンダー成形時の圧延方向に直交する方向が第1継手構成部材10の管軸に直交するように裁断されているので、火災の熱によって第1継手構成部材10の径を縮める方向に熱収縮しにくい。したがって、排水管継手A1の床スラブ貫通部の周面と床スラブ100のモルタル110との間に隙間が生じることがより少なくなる。
図11は、本発明の排水管継手の第2の実施の形態をあらわしている。
図11に示すように、この排水管継手A2は、遮音カバーXbが、スペーサS1a(S1b、S2)に設けられた貫通孔Z部分に、すなわち、遮音樹脂シートX1aと継手本体Bとの隙間部分にグラスウール300が断熱材として嵌め込まれている以外は、上記の排水管継手A1と同様になっている。
すなわち、遮音樹脂シートX1aは、その弾性率が温度により変化し、低温時には、硬くなり、常温時と比べて遮音性が低減されるおそれがあるが、上記グラスウール300によって外気温度に影響が受けにくくなり、遮音性を安定して発現することができる。
図12は、本発明の排水管継手の第3の実施の形態をあらわしている。
図12に示すように、この排水管継手A3は、遮音カバーXcがスペーサS1a(S1b、S2)と遮音樹脂シートX1aとを継手本体Bの外周方向に2層に巻回して形成されている以外は、上記の排水管継手A1と同様になっている。
すなわち、この排水管継手A3は、スペーサS1a(S1b、S2)と遮音樹脂シートX1aとを継手本体Bの外周方向に2層に巻回したので、少なくとも内側の層の遮音樹脂シートX1aが外気温度に影響が受けにくくなり、遮音性を安定して発現することができる。
図13は、本発明の排水管継手の第4の実施の形態をあらわしている。
図13に示すように、この排水管継手A4は、遮音カバーXdが、上記排水管継手A2と同様に各貫通孔Zにグラスウール300が嵌め込まれている以外は、上記の排水管継手A3と同様になっている。
すなわち、この排水管継手A4は、上記排水管継手A2、排水管継手A3に比べ、さらに遮音性を安定して発現することができる。
図14は、本発明の排水管継手の第5の実施の形態をあらわしている。
図14に示すように、この排水管継手A5は、第1旋回羽根14g(第2旋回羽根12c、第3旋回羽根52)の上面(排水を受ける面)に衝撃吸収層400を積層した以外は、上記排水管継手A1と同様になっている。
衝撃吸収層400は、第1旋回羽根14g(第2旋回羽根12c、第3旋回羽根52)の上面に、シリコーンシーラントを塗布したり、エラストマーやゴムなどの弾性体シートを接着したりすることによって形成される。
この排水管継手A5は、第1旋回羽根14g(第2旋回羽根12c、第3旋回羽根52)の上面に衝撃吸収層400が積層されているので、排水や排水中の雑廃物が第1旋回羽根14g(第2旋回羽根12c、第3旋回羽根52)に衝突する際の衝突音が小さくなり、配管外に漏れる排水騒音が軽減できる。
なお、かかる衝撃吸収層400は、上記第2〜第4の実施の形態の排水管継手に設けるようにしてもよい。
本発明の排水管継手は、上記の実施の形態に限定されない。例えば、上記の実施の形態では、第2継手構成部材が3方に横枝管接続部形成用筒部を備えていたが、2方でも構わないし、1方にのみ設けられていても構わない。
上記の実施の形態では、旋回羽根を上下方向に3つ設けられていたが、排水能力が確保できれは、2つ以下でも構わない。
上記の実施の形態では、遮音樹脂シートが表面層と裏面層を備えていたが、単層でも構わない。
上記第2の実施の形態及び第4の実施の形態では、隙間にグラスウールが嵌め込まれていたが、グラスウールに代えてロックウールや樹脂発泡体を用いるようにしても構わない。
なお、発泡体としては、独立気泡のものより、スポンジ状の連続気泡のものが好ましい。
以下に、本発明の実施例及び比較例を説明する。
(実施例1)
各部寸法に設けられた図2に示す継手本体を作製した。
本体胴部11aの内径:140mm
第1継手構成部材10の内径:125mm
第1旋回羽根14gの傾斜角度:35°
第1旋回羽根14gの投影面積比率:14%
第2旋回羽根12cの傾斜角度:29°
第2旋回羽根12cの投影面積比率:20%
第3旋回羽根52の傾斜角度:34°
第3旋回羽根52の投影面積比率:21%
縦リブ51aの高さ:20mm
角度α:90°
角度β:157°
第1旋回羽根14gの下端と、第2旋回羽根12cの上端との高低差:41mm
つぎに、酸化鉄粉を含む軟質塩化ビニル樹脂からなる表面層と、ポリエステル製不織布からなる裏面層とを備え、厚み1.1±0.2mm、質量2.1±0.2kg/m2の原反を裁断して図8に示すような遮音樹脂シートと、隙間形成用シートとを得た。
そして、この遮音樹脂シート遮音樹脂シートと、隙間形成用シート及び図6,7に示す独立気泡ポリエチレン発泡体のテープを用いて上記継手本体Bの周囲に遮音カバーを設け、図1に示すような排水管継手を得た。
(実施例2)
各部寸法に設けられた図2に示す継手本体を作製した以外は、実施例1と同様にして排水管継手を得た。
本体胴部11aの内径:140mm
第1継手構成部材10の内径:125mm
第1旋回羽根14gの傾斜角度:35°
第1旋回羽根14gの投影面積比率:14%
第2旋回羽根12cの傾斜角度:29°
第2旋回羽根12cの投影面積比率:20%
第3旋回羽根52の傾斜角度:34°
第3旋回羽根52の投影面積比率:21%
縦リブ51aの高さ:20mm
角度α:90°
角度β:167°
第1旋回羽根14gの下端と、第2旋回羽根12cの上端との高低差:41mm
(実施例3)
各部寸法に設けられた図2に示す継手本体を作製した以外は、実施例1と同様にして排水管継手を得た。
本体胴部11aの内径:140mm
第1継手構成部材10の内径:125mm
第1旋回羽根14gの傾斜角度:35°
第1旋回羽根14gの投影面積比率:14%
第2旋回羽根12cの傾斜角度:29°
第2旋回羽根12cの投影面積比率:20%
第3旋回羽根52の傾斜角度:34°
第3旋回羽根52の投影面積比率:21%
縦リブ51aの高さ:20mm
角度α:90°
角度β:157°
第1旋回羽根14gの下端と、第2旋回羽根12cの上端との高低差:200mm
(実施例4)
各部寸法に設けられた図2に示す継手本体を作製した以外は、実施例1と同様にして排水管継手を得た。
本体胴部11aの内径:140mm
第1継手構成部材10の内径:125mm
第1旋回羽根14gの傾斜角度:35°
第1旋回羽根14gの投影面積比率:14%
第2旋回羽根12cの傾斜角度:29°
第2旋回羽根12cの投影面積比率:20%
第3旋回羽根52の傾斜角度:34°
第3旋回羽根52の投影面積比率:21%
縦リブ51aの高さ:20mm
角度α:51°
角度β:146°
第1旋回羽根14gの下端と、第2旋回羽根12cの上端との高低差:40mm
(実施例5)
各部寸法に設けられた図2に示す継手本体を作製した以外は、実施例1と同様にして排水管継手を得た。
本体胴部11aの内径:140mm
第1継手構成部材10の内径:125mm
第1旋回羽根14gの傾斜角度:35°
第1旋回羽根14gの投影面積比率:14%
第2旋回羽根12cの傾斜角度:29°
第2旋回羽根12cの投影面積比率:20%
第3旋回羽根52の傾斜角度:34°
第3旋回羽根52の投影面積比率:21%
縦リブ51aの高さ:20mm
角度α:29°
角度β:147°
第1旋回羽根14gの下端と、第2旋回羽根12cの上端との高低差:41mm
(実施例6)
各部寸法に設けられた図2に示す継手本体を作製した以外は、実施例1と同様にして排水管継手を得た。
本体胴部11aの内径:140mm
第1継手構成部材10の内径:125mm
第1旋回羽根14gの傾斜角度:35°
第1旋回羽根14gの投影面積比率:14%
第2旋回羽根12cの傾斜角度:29°
第2旋回羽根12cの投影面積比率:20%
第3旋回羽根52の傾斜角度:34°
第3旋回羽根52の投影面積比率:21%
縦リブ51aの高さ:20mm
角度α:29°
角度β:167°
第1旋回羽根14gの下端と、第2旋回羽根12cの上端との高低差:41mm
(実施例7)
各部寸法に設けられた図2に示す継手本体を作製した以外は、実施例1と同様にして排水管継手を得た。
本体胴部11aの内径:140mm
第1継手構成部材10の内径:125mm
第1旋回羽根14gの傾斜角度:35°
第1旋回羽根14gの投影面積比率:14%
第2旋回羽根12cの傾斜角度:29°
第2旋回羽根12cの投影面積比率:20%
第3旋回羽根52の傾斜角度:34°
第3旋回羽根52の投影面積比率:21%
縦リブ51aの高さ:20mm
角度α:284°
角度β:223°
第1旋回羽根14gの下端と、第2旋回羽根12cの上端との高低差:41mm
(比較例1)
スペーサS1,S2を設けず、遮音樹脂シートを継手本体に直接巻回した以外は、上記実施例1と同様にして排水管継手を得た。
(比較例2)
遮音カバーを設けず、実施例1と同様の継手本体のみの排水管継手を作製した。
上記実施例1及び比較例1,2で得られた排水管継手について、それぞれ以下のようにして耐火性能及び遮音性能を調べ、その結果を表1に示した。
〔耐火性能試験〕
図15に示す耐火試験炉Fにより、耐火試験(平成12年6月1日に施行された改正建築基準法の耐火性能試験の評価方法,ISO834-1に従う)を実施した。
なお、床スラブ100は、100mm厚さのPC(プレキャストコンクリート)パネルを用いた。また、図11中、200はバーナー、TCは温度測定用の熱電対である。
〔遮音性能試験〕
横枝管接続部を塩化ビニル樹脂製キャップで封鎖した状態の実施例1、比較例1,2で得られた排水管継手とその上部に塩化ビニル樹脂管を接続した1階分のサンプル立管路をそれぞれ形成するとともに、サンプル立管路の上下端が遮音ボックス外に露出した状態で遮音ボックス内に収容し、サンプル立管路の遮音ボックス外の上部開口端から3.0L/sで排水を流したときの、サンプル立管路から発生する排水音を遮音ボックス内に設けた騒音計によって測定した。
Figure 0005879047
上記表1から本発明の排水管継手は、先に出願人が提案した公知文献1に記載の排水管継手と同様に耐火性能に優れているとともに、遮音性に優れていることがよくわかる。
上記実施例1〜7で作製した排水管継手を各階に用いたマンション17階相当の実験排水立管路(立管は100AのVP管)をそれぞれ形成し、この実験排水立管路の17階相当部分から排水量を徐々に増量させながら排水を流し、全排水管継手内での管内最大発生負圧が400Paを超えない、最大排水量を調べた。
また、第1旋回羽根14gで受けられた排水が、第2旋回羽根12cに受けられるか否か、第2旋回羽根12cに受けられた排水が第3旋回羽根52に受けられるか否かを調べた。
そして、上記最大排水量及び第2旋回羽根12cに受けられるか否か、第2旋回羽根12cに受けられた排水が第3旋回羽根52に受けられるか否かの結果を併せて表2に示した。
なお、表2中、排水が受けられたときは「のる」、受けられないときは「のらない」と記載した。
Figure 0005879047
上記表2から実施例1,2のように、旋回羽根を配置すれば、排水性能が向上することがよくわかる。
A1〜A5 排水管継手
B 継手本体
Xa〜Xd 遮音カバー
X1 カバー本体
X1a 遮音樹脂シート
S1a,S1b,S2 スペーサ
10 第1継手構成部材(耐火熱膨張性パイプ)
11 第2継手構成部材
11a 本体胴部
11b 横枝管接続部形成用筒部
12 第3継手構成部材
12c 第2旋回羽根
13 第4継手構成部材
13b テーパー筒部
14 第5継手構成部材
14g 第1旋回羽根
15 第6継手構成部材
16 第7継手構成部材
17 第8継手構成部材
18 第9継手構成部材
19 第10継手構成部材
20 第11継手構成部材
21 横枝管接続部
31 第1パッキン
32 第2パッキン
33 第3パッキン
51a,51b,51c 縦リブ
52 第3旋回羽根
300 グラスウール
400 衝撃吸収層
P1 排水立管
P2,P3 横枝管

Claims (4)

  1. 熱可塑性樹脂組成物からなる複数の継手構成部材を組み立てて形成され、前記複数の継手構成部材のうち、少なくとも床スラブ貫通部の一部を構成する継手構成部材が、耐火熱膨張性樹脂組成物からなる管状をした耐火膨張層を少なくとも備える耐火熱膨張性樹脂パイプで形成されてなる継手本体の周囲を囲むように遮音カバーが設けられた排水管継手で
    あって、
    前記遮音カバーが、継手本体の周面の一部に添設されたスペーサと、このスペーサに一部が受けられ、前記継手本体の周面との間に隙間が形成されるように継手本体の周囲に巻き付けられた遮音樹脂シートからなるカバー本体とを備え
    前記遮音カバーの耐火熱膨張性樹脂パイプ部分を囲む部分は、スペーサが、遮音樹脂シートの一部を打ち抜き除去した隙間形成用シートを継手本体の耐火熱膨張性樹脂パイプ部分に巻きつけることによって形成されていることを特徴とする排水管継手。
  2. 熱可塑性樹脂組成物からなる複数の継手構成部材を組み立てて形成され、前記複数の継手構成部材のうち、少なくとも床スラブ貫通部の一部を構成する継手構成部材が、耐火熱膨張性樹脂組成物からなる管状をした耐火膨張層を少なくとも備える耐火熱膨張性樹脂パイプで形成されてなる継手本体の周囲を囲むように遮音カバーが設けられた排水管継手で
    あって、
    前記遮音カバーが、継手本体の周面の一部に添設されたスペーサと、このスペーサに一部が受けられ、前記継手本体の周面との間に隙間が形成されるように継手本体の周囲に巻き付けられた遮音樹脂シートからなるカバー本体とを備え、遮音樹脂シートが、遮音樹脂シートの熱収縮方向が前記床スラブ貫通部の中心軸に平行となるように、前記継手本体の周囲に巻回されて形成されていることを特徴とする排水管継手。
  3. 熱可塑性樹脂組成物からなる複数の継手構成部材を組み立てて形成され、前記複数の継手構成部材のうち、少なくとも床スラブ貫通部の一部を構成する継手構成部材が、耐火熱膨張性樹脂組成物からなる管状をした耐火膨張層を少なくとも備える耐火熱膨張性樹脂パイプで形成されてなる継手本体の周囲を囲むように遮音カバーが設けられた排水管継手で
    あって、
    前記遮音カバーが、継手本体の周面の一部に添設されたスペーサと、このスペーサに一部が受けられ、前記継手本体の周面との間に隙間が形成されるように継手本体の周囲に巻き付けられた遮音樹脂シートからなるカバー本体とを備え、
    前記遮音樹脂シートが、軟質塩化ビニル樹脂製シートからなる表面層と、ポリエステル製不織布からなる裏面層とを備えた積層体であることを特徴とする排水管継手。
  4. 熱可塑性樹脂組成物からなる複数の継手構成部材を組み立てて形成され、前記複数の継手構成部材のうち、少なくとも床スラブ貫通部の一部を構成する継手構成部材が、耐火熱膨張性樹脂組成物からなる管状をした耐火膨張層を少なくとも備える耐火熱膨張性樹脂パイプで形成されてなる継手本体の周囲を囲むように遮音カバーが設けられた排水管継手で
    あって、
    前記遮音カバーが、継手本体の周面の一部に添設されたスペーサと、このスペーサに一部が受けられ、前記継手本体の周面との間に隙間が形成されるように継手本体の周囲に巻き付けられた遮音樹脂シートからなるカバー本体とを備え、
    前記遮音樹脂シートは、前記耐火熱膨張性樹脂パイプとこの耐火熱膨張性樹脂パイプに接合された他の継手構成部材とに跨るように巻き付けられていることを特徴とする排水管継手。
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