JP7322750B2 - 車体前部構造 - Google Patents

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Description

本発明は、車体前部構造に関するものである。
自動車などの車体の前部には、例えばフロントバンパと、フロントバンパの後側に配置されたラジエータと、ロアクロスメンバおよびシュラウドとが備えられている。ロアクロスメンバは、ラジエータの下方に配置され車幅方向に延びる剛性の高い部材である。またシュラウドは、フロントバンパとラジエータとの間に位置していて、フロントバンパを通過する外気を前記ラジエータに導く部材である。
特許文献1には、車両前方に設けられたバンパ構造体と、バンパ構造体の下部の内面に設けられたバンパフェースロア補強部と、ラジエータシュラウドとを備えた自動車の前部構造が記載されている。この前部構造は、ラジエータシュラウドに一体成形され前方に延びる前方延出部を有し、さらに前方延出部の内部には肉厚のリブを高密度に設けたハニカム構造を形成している。
特許文献1の前部構造では、衝突時にバンパフェースロア補強部をラジエータシュラウドの前方延出部に当接させることにより、バンパ構造体の後方への変位を防ぎ、障害物(歩行者)の脚部を跳ね上げて、脚部が車両下方に巻き込まれることを防止する。
特許第4972942号
特許文献1のラジエータシュラウドに設けられた前方延出部は、車両前後方向にある程度長いスペースを必要とする。しかし、特に小型車などのパワーユニット搭載ルームは省スペース化が図られているため、小型車に特許文献1のラジエータシュラウドを適用することは困難である。その一方、このような狭小なパワーユニット搭載ルームを備えた小型車の車体前部構造にも、障害物(歩行者)の脚部を跳ね上げて保護することが求められている。
本発明は、このような課題に鑑み、狭小なパワーユニット搭載ルームを備えた小型車にも適用可能な、障害物(歩行者)の脚部を上方に跳ね上げて保護できる車体前部構造を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明にかかる車体前部構造の代表的な構成は、車両のフロントバンパと、フロントバンパの後側に配置されたラジエータと、ラジエータの下方に配置され車幅方向に延びるロアクロスメンバとを備えた車体前部構造において、車体前部構造はさらに、フロントバンパとラジエータとの間で上下方向に延びフロントバンパを通過する外気をラジエータに導くシュラウドを備え、シュラウドは、フロントバンパの後側に固定される第1バンパ固定部と、第1バンパ固定部の下端から連続して後方に延びる底部と、第1バンパ固定部と底部をつなぐ連結部とを有し、底部の後端および連結部は、ロアクロスメンバの前方に位置し、ロアクロスメンバと高さが等しいことを特徴とする。
本発明によれば、狭小なパワーユニット搭載ルームを備えた小型車にも適用可能な、障害物(歩行者)の脚部を上方に跳ね上げて保護できる車体前部構造を提供することができる。
本発明の実施例に係る車体前部構造が適用された車両を斜め前方から見た状態を示す図である。 図1の車体前部構造の要部を示す図である。 図2の車体前部構造のシュラウドを示す図である。 図3のシュラウドの要部を示す図である。 図1の車体前部構造のA-A断面図である。 図3のシュラウドの要部をフロントバンパとともに示す図である。 図3のシュラウドの第2バンパ固定部およびその周辺構造を示す図である。 図2の車体前部構造の一部をフロントバンパとともに示す図である。
本発明の一実施の形態に係る車体前部構造の代表的な構成は、車両のフロントバンパと、フロントバンパの後側に配置されたラジエータと、ラジエータの下方に配置され車幅方向に延びるロアクロスメンバとを備えた車体前部構造において、車体前部構造はさらに、フロントバンパとラジエータとの間で上下方向に延びフロントバンパを通過する外気をラジエータに導くシュラウドを備え、シュラウドは、フロントバンパの後側に固定される第1バンパ固定部と、第1バンパ固定部の下端から連続して後方に延びる底部と、第1バンパ固定部と底部をつなぐ連結部とを有し、底部の後端および連結部は、ロアクロスメンバの前方に位置し、ロアクロスメンバと高さが等しいことを特徴とする。
上記構成では、シュラウドの底部の後端および連結部が、ロアクロスメンバの前方に位置し高さが等しくなっている。このため、フロントバンパに障害物(歩行者)の脚部が衝突した場合、シュラウドは、第1バンパ固定部から荷重が伝達されて底部の後端および連結部が後退して、ロアクロスメンバに当接する。つまり、衝突時にロアクロスメンバが後ろ盾になって、シュラウドの後退が抑制される。このため、フロントバンパが後退し難くなり、障害物(歩行者)の脚部を上方に跳ね上げて保護できる。
また、シュラウドの連結部は、第1バンパ固定部と底部をつないでいるため、底部の剛性を高めて、衝突時に底部が折れて変形することを防止できる。すなわち本発明によれば、衝突時に底部が折れて変形し荷重が吸収され障害物(歩行者)の脚部を十分に跳ね上げることができず脚部を保護することが困難になる、という問題を解決できる。
さらにシュラウドは、衝突時に底部の後端および連結部をロアクロスメンバに当接させることで障害物(歩行者)の脚部を保護している。このため、シュラウドを設置するための車両前後方向のスペースは、第1バンパ固定部の下端から後方に延びる底部の車両前後方向のスペースだけで済む。したがって本発明は、車両前後方向に長いスペースを確保できない狭小なパワーユニット搭載ルームを備えた小型車にも適用可能である。
上記のシュラウドの第1バンパ固定部の周辺には、前側に凸状のビードが形成されているとよい。これにより、第1バンパ固定部およびその周辺の剛性がビードによって高められる。このため、フロントバンパに障害物(歩行者)の脚部が衝突した場合、後退するフロントバンパに対して、第1バンパ固定部および周辺が突っ張って変形し難くなる。このため上記構成によれば、障害物(歩行者)の脚部を確実に跳ね上げることができ、脚部の保護性能を向上させることができる。
上記のシュラウドはさらに、底部の前端から第1バンパ固定部に沿って上方に延びるリブを有するとよい。これにより、フロントバンパに障害物(歩行者)の脚部が衝突して、第1バンパ固定部から底部に荷重が伝達された場合であっても、底部は、リブによって補強されているため、底部が折れることを防止できる。
上記のシュラウドの底部は、後方にゆくほど下方に傾斜しているとよい。これにより、衝突時に底部の後端および連結部がロアクロスメンバに確実に当接することができ、障害物(歩行者)の脚部を確実に跳ね上げることができる。
上記のシュラウドの底部は、後方にゆくほど車幅方向に広がる末広がり形状を有するとよい。このように、シュラウドの底部が、末広がり形状であるため、底部の後端すなわち衝突時にロアクロスメンバと当接する部位の車幅方向の寸法を大きくできる。このため、シュラウドは、衝突時の荷重をロアクロスメンバに確実に分散させて、フロントバンパが後方に後退することを防止できる。また上記構成では、シュラウドが衝突時に上下方向の軸に対して回転してねじれ変形することも防止できる。
上記の車体前部構造はさらに、シュラウドとラジエータとの間に配置され車幅方向に延びるバンパメンバを備え、シュラウドはさらに、第1バンパ固定部よりも上方のバンパメンバと等しい高さでフロントバンパの後側に固定された少なくとも2つの第2バンパ固定部を有し、少なくとも2つの第2バンパ固定部の前後方向の位置は異なっているとよい。
ここでバンパメンバは、シュラウドの後側に位置する剛性の高い部材であって、その高さは障害物(歩行者)の例えば膝の高さに等しい場合がある。そこで上記構成のシュラウドでは、バンパメンバと等しい高さに、前後方向の位置が異なるすなわち前後方向にオフセットした少なくとも2つの第2バンパ固定部を設けている。このため、フロントバンパに障害物(歩行者)の膝が衝突した場合、まず、少なくとも2つの第2バンパ固定部のうち、最も前方に位置する第2バンパ固定部に荷重が伝達される。最も前方に位置する第2バンパ固定部は、他の第2バンパ固定部よりも前方にオフセットしている分、荷重を受けたときに確実に後退することができる。つまり上記構成では、最も前方に位置する第2バンパ固定部に対して、衝突時に後退するための前後方向のストロークを確保している。このため、最も前方に位置する第2バンパ固定部は、荷重を受けると確実に後退して荷重を吸収する。したがってシュラウドは、バンパメンバの車両前方で上下方向の軸に対して回転してねじれ変形しつつ、後退しながら荷重を吸収することができる。したがって上記構成によれば、バンパメンバ周辺の衝撃吸収性能を高めることができ、障害物(歩行者)の膝を保護できる。
上記の車体前部構造はさらに、ロアクロスメンバの車幅方向の両端とフロントバンパとを連結している一対のリンフォースを備えるとよい。これにより、フロントバンパに障害物(歩行者)の脚部が衝突した場合、フロントバンパが受けた荷重は、一対のリンフォースを介してロアクロスメンバの車幅方向の両端まで伝達し分散される。このため、フロントバンパは、車幅方向の両端で後退することが抑制され、障害物(歩行者)の脚部保護性能を高めることができる。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施例について詳細に説明する。かかる実施例に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
図1は、本発明の実施例に係る車体前部構造100が適用された車両102を斜め前方から見た状態を示す図である。なお以下各図において、車両前後方向をそれぞれ矢印Front、Back、車幅方向の左右をそれぞれ矢印Left、Right、車両上下方向をそれぞれ矢印Up、Downで例示する。
車両102の前部には、パワーユニット搭載ルーム104を上から覆うフロントフード106が配置されている。車両102は、小型車などであり、そのパワーユニット搭載ルーム104は省スペース化が図られている。このため、パワーユニット搭載ルーム104では、車両前後方向に長いスペースを確保することが困難である。
本実施例では、このような狭小なパワーユニット搭載ルーム104を備えた車両102において、図示を省略する障害物(歩行者)がフロントバンパ108に衝突した場合に障害物(歩行者)を保護するための、車体前部構造100を採用した。
フロントバンパ108は、車体前端に設置され車幅方向に延びる長尺で薄板状の部材である。フロントバンパ108は、ラジエータアッパグリル110、ラジエータロアグリル112およびフロントロアバンパ114を有する。
図2は、図1の車体前部構造100の要部を示す図である。ここでは、図1の車両102からフロントフード106およびフロントバンパ108などを省略し、車体前部構造100とともに車体骨格も示している。なお車体骨格は、複数の車体構造部材が接合されることにより形成されている。ただし図2に示す車体骨格については、理解を容易にするための例示にすぎず、これに限定するものではない。
車体骨格において、車幅方向の上方の骨格はフードロックメンバ116によって構成されている。このフードロックメンバ116の車幅方向の両端には、上下方向に延びる一対のランプサポートブレース118、120が接合されている。ランプサポートブレース118、120の下方には、上下方向に延びる一対のエプロンサイドメンバエクステンション122、124が接合されている。また、フードロックメンバ116の下方には、車幅方向に延びるラジエータサポートメンバ126が配置されている。フードロックメンバ116とラジエータサポートメンバ126は、車幅方向中央でフードロックリンフォース128によって接合されている。
また、ラジエータサポートメンバ126の下方には、車幅方向に延びるバンパメンバ130が配置されている。バンパメンバ130の車幅方向の両端には、一対のバンパメンバリンフォース132、134が接合されている。なおバンパメンバリンフォース132には、バンパメンバプレート136が接合されている。さらに、バンパメンバ130の車幅方向の両端の後側には、車両前後方向に延びる一対のエプロンサイドメンバ138、140が配置されている。一対のエプロンサイドメンバ138、140とフードロックメンバ116の車幅方向の両端とは、上下方向に延びる一対のランプサポートブレース118、120およびエプロンサイドメンバエクステンション122、124によって接合されている。
さらにバンパメンバ130の下方には、車幅方向の下方の骨格として車幅方向に延びるロアクロスメンバ142が配置されている。ロアクロスメンバ142の車幅方向の両端とバンパメンバ130の車幅方向の両端とは、車両上下方向に延びる一対のロアエプロンサイドメンバエクステンション144、146によって接合されている。図1に示す小型車である車両102では、これらの各部材により、車体骨格が形成され、パワーユニット搭載ルーム104が区画されている。
この車両102に適用される車体前部構造100は、車体構造部材であるバンパメンバ130およびロアクロスメンバ142を備える。車体前部構造100はさらに、上記フロントバンパ108と、フロントバンパ108の後側に配置されたラジエータ148と、シュラウド150と、一対のリンフォース152、154とを備える。
バンパメンバ130は、図示のようにラジエータ148とシュラウド150の間に配置されていて、シュラウド150の後側に位置する剛性の高い部材である。バンパメンバ130の高さは、障害物(歩行者)の膝の高さに等しい場合がある。ロアクロスメンバ142は、ラジエータ148の下方に配置されていて、車幅方向に延びている剛性の高い部材である。
シュラウド150は、図示のようにフロントバンパ108とラジエータ148との間で上下方向に延びていて、フロントバンパ108を通過する外気をラジエータに導く。一対のリンフォース152、154は、ロアクロスメンバ142の車幅方向の両端に接合されている。
図3は、図2の車体前部構造100のシュラウド150を拡大して示す図である。シュラウド150は、上下方向に延びる柱状の部材であり、第1バンパ固定部156、158(図4参照)と、第2バンパ固定部160、162と、第3バンパ固定部164とを有し、これらはフロントバンパ108の後側に固定される。
第1バンパ固定部156、158は、シュラウド150の下端部166に形成されている。この下端部166は、図示のように車両後方に開放されたくぼみ形状を有する。第1バンパ固定部156、158は、フロントバンパ108のラジエータロアグリル112(図1参照)に固定され、例えば障害物(歩行者)の脚部の高さに位置している。
第2バンパ固定部160、162は、第1バンパ固定部156、158の上方でラジエータロアグリル112に固定され、例えば障害物(歩行者)の膝の高さに位置している。また第1バンパ固定部156、158と第2バンパ固定部160、162は、下側部位168によってつながれている。
シュラウド150では、第2バンパ固定部160、162が第1バンパ固定部156、158よりも前方に位置し、下側部位168が第2バンパ固定部160、162よりも後方に位置している。このため、フロントバンパ108に障害物(歩行者)が衝突した場合、第2バンパ固定部160、162は、第1バンパ固定部156、158に先行して荷重を受けることになる。
第3バンパ固定部164は、シュラウド150の上端部170に形成されている。第3バンパ固定部164は、第2バンパ固定部160、162の上方でラジエータアッパグリル110に固定される。また第3バンパ固定部164と第2バンパ固定部160、162は、上側部位172によってつながれている。
図4は、図3のシュラウド150の要部を示す図である。図4(a)、図4(b)は、シュラウド150の下端部166を斜め前方、斜め後方から見た状態をそれぞれ示す図である。図4(c)は、シュラウド150の第2バンパ固定部160、162および周辺を斜め後方から見た状態を示す図である。
シュラウド150の下端部166は、図4(a)および図4(b)に示すように、上記第1バンパ固定部156、158と、底部174と、連結部176、178とを有する。第1バンパ固定部156、158は、くぼみ形状の下端部166の前面180に形成された係合孔であって、ラジエータロアグリル112の爪部182、184(図6(b)参照)と係合してラジエータロアグリル112に固定される。
底部174は、第1バンパ固定部156、158が形成された前面180の下端186から連続して後方に延びる部位であり、図4(b)に示すように後方にゆくほど車幅方向に広がる末広がり形状を有する。このため、底部174の後端187は、底部174のうち車幅方向の寸法が最も大きい部位となっている。
連結部176、178は、第1バンパ固定部156、158と底部174とをつなぐ部位である。具体的には、連結部176は、第1バンパ固定部156および底部174の車幅方向右側の一端同士をつなぐ側壁である。連結部178は、第1バンパ固定部158および底部174の車幅方向左側の一端同士をつなぐ側壁である。このような側壁である連結部176、178は、第1バンパ固定部156、158と底部174とをつなぐことにより、底部174の剛性を高めている。
シュラウド150の下端部166はさらに、一対のビード188、190と、図4(b)に示すリブ192とを有する。一対のビード188、190は、図4(a)に示すように前面180に形成されていて、前側に凸状になっている。また、一対のビード188、190は、第1バンパ固定部156、158の周辺に位置し、L字状に形成されていて、側壁である連結部176、178まで延びている。このようにして、一対のビード188、190は、第1バンパ固定部156、158およびその周辺の剛性を高めている。
リブ192は、図4(b)に示すように、一対のビード188、190の間に位置し、底部174の前端すなわち前面180の下端186から第1バンパ固定部156、158に沿って上方に延びている。またリブ192は、底部174から上方に延びて、さらに底部174に対向する上面193まで延びて、底部174と上面193とをつないでいる。この上面193は、後方にゆくほど上方に傾斜している。このようにして、リブ192は、底部174の剛性を高めている。
図4(c)に示す第2バンパ固定部160、162は、後述するが、前後方向の位置が異なるように形成されていて、前後方向にオフセットしている(図7参照)。またシュラウド150はさらに、薄肉リブ194を有する。薄肉リブ194は、前後方向にオフセットした第2バンパ固定部160、162の間に沿って、下側部位168から上方に延びて、下側部位168と上側部位172とをつないでいる。また薄肉リブ194は、図4(c)に示すように、下側部位168から上側部位172まで上方に延びつつ、第2バンパ固定部160、162の後方に位置する部位196が、他の部位198よりも前後方向に短くなっている。
図5は、図1の車体前部構造100のA-A断面図である。シュラウド150の下端部166では、図示のように、底部174の後端187および連結部176が、ロアクロスメンバ142の前方に位置していて、さらにロアクロスメンバ142と高さが等しくなっている。すなわち、シュラウド150の後端187と連結部176の一部または全部は、これらの部位が位置する箇所で、ロアクロスメンバ142の上下方向の範囲内に位置している。また、シュラウド150の底部174は、後方にゆくほど下方に傾斜している。なお連結部178も同様に、ロアクロスメンバ142の前方に位置し、ロアクロスメンバ142と高さが等しい。
ここで、フロントバンパ108のラジエータロアグリル112やフロントロアバンパ114に障害物(歩行者)の脚部が衝突した場合、シュラウド150の下端部166では、フロントバンパ108からシュラウド150の第1バンパ固定部156、158に荷重が伝達される。つぎに、シュラウド150の下端部166では、この荷重を受けて、底部174の後端187および連結部176、178が図5の矢印Bに示すように後退し、さらに点線Cに示すようにロアクロスメンバ142に当接する。また、シュラウド150の底部174が後方にゆくほど下方に傾斜しているため、衝突時に底部174の後端187および連結部176、178をロアクロスメンバ142に確実に当接させることができる。
つまり車体前部構造100では、衝突時に、剛性の高いロアクロスメンバ142が後ろ盾になって、シュラウド150の後退が抑制されるため、フロントバンパ108が後退し難くなり、障害物(歩行者)の脚部を上方に確実に跳ね上げて保護できる。
また車体前部構造100では、シュラウド150の底部174が、末広がり形状であるため、底部174の後端187すなわち衝突時にロアクロスメンバ142と当接する部位の車幅方向の寸法を大きくできる。このため、シュラウド150は、衝突時の荷重をロアクロスメンバ142に確実に分散させて、フロントバンパ108が後方に後退することを確実に防止できる。さらに、底部174の後端187の車幅方向の寸法を大きくできるため、シュラウド150が衝突時に上下方向の軸に対して回転してねじれ変形することも防止できる。
シュラウド150では、第1バンパ固定部156、158と底部174を連結部176、178によってつなぐことにより、底部174の剛性を高めて、衝突時に底部174が折れて変形することを防止している。またシュラウド150は、底部174がリブ192によっても補強されているため、衝突時に底部174が折れることをさらに防止できる。すなわちシュラウド150によれば、衝突時に底部174が折れて変形し荷重が吸収され、障害物(歩行者)の脚部を十分に跳ね上げることができず、脚部を保護することが困難になる、という事態を回避できる。
また車体前部構造100では、シュラウド150を設置するための車両前後方向のスペースが、図5に示すシュラウド150の底部174の車両前後方向のスペース、すなわち前面180の下端186から底部174の後端187までのスペースだけで済む。したがって車体前部構造100は、車両前後方向に長いスペースを確保できない狭小なパワーユニット搭載ルーム104を備えた小型車などの車両102(図1参照)にも適用可能である。
図6は、図3のシュラウド150の要部をフロントバンパ108とともに示す図である。図6(a)は、シュラウド150およびフロントバンパ108を斜め後方から見た状態を示す図である。図6(b)は、図6(a)の車体前部構造100のD-D断面図である。
シュラウド150の第1バンパ固定部156、158および第2バンパ固定部160、162は、図6(a)に示すように、フロントバンパ108のラジエータロアグリル112に固定されている。特に第1バンパ固定部156、158は、図6(b)に示すように、ラジエータロアグリル112から後方に突出した爪部182、184が係合孔に挿入されることで、爪部182、184と係合してラジエータロアグリル112に固定されている。
また、第1バンパ固定部156、158の周辺に形成された前側に凸状の一対のビード188、190は、前方のラジエータロアグリル112に対向している。このため、フロントバンパ108に障害物(歩行者)の脚部が衝突した場合、後退するラジエータロアグリル112に対して、第1バンパ固定部156、158およびその周辺が突っ張って変形し難くなる。したがって車体前部構造100では、障害物(歩行者)の脚部を確実に跳ね上げることができ、脚部の保護性能を向上させることができる。
図7は、図3のシュラウド150の第2バンパ固定部160、162およびその周辺構造を示す図である。図7(a)は、シュラウド150を斜め前方から見た状態を示している。また図7(a)では、シュラウド150の前方に位置するフロントバンパ108と、シュラウド150の後方に位置するバンパメンバ130とを点線で示している。図7(b)は、シュラウド150の第2バンパ固定部160、162およびその周辺構造を上方から見た状態を示し、さらにフロントバンパ108の一部の断面を示している。
図7(a)に示すバンパメンバ130は、シュラウド150の後側に位置する剛性の高い部材であって、その高さは障害物(歩行者)の膝の高さに等しい場合がある。そこでシュラウド150では、図7(a)および図7(b)に示すようにバンパメンバ130と等しい高さに、前後方向の位置が異なるすなわち前後方向にオフセットした第2バンパ固定部160、162を設けている。
このため、フロントバンパ108に障害物(歩行者)の膝が衝突した場合、まず、第2バンパ固定部160、162のうち、最も前方に位置する第2バンパ固定部160に荷重が伝達される。第2バンパ固定部160は、図7(b)に示すように第2バンパ固定部162よりも前方にオフセットしている分、荷重を受けたときに確実に後退することができる。
すなわち車体前部構造100では、最も前方に位置する第2バンパ固定部160に対して、衝突時に後退するための前後方向のストロークを確保することができる。このため、第2バンパ固定部160は、荷重を受けると確実に後退して荷重を吸収できる。また図4(c)に示す薄肉リブ194は、第2バンパ固定部160、162の後方に位置する部位196が、他の部位198よりも前後方向に短くなっているため、荷重を受けると変形し易い脆弱なものである。
このためシュラウド150は、衝突時に第2バンパ固定部160、162および薄肉リブ194の周辺において、バンパメンバ130の車両前方で上下方向の軸に対して回転して左右に折れるようにねじれ変形し、さらに後退しながら荷重を吸収できる。したがって車体前部構造100では、バンパメンバ130の周辺の衝撃吸収性能を高めることができ、障害物(歩行者)の膝を保護できる。また上記したように、第2バンパ固定部160、162は、第1バンパ固定部156、158に先行して荷重を受けるため、ねじれ変形し易くなる。なおここでは、シュラウド150に前後方向にオフセットした2つの第2バンパ固定部160、162を設けたが、これに限定されず、バンパメンバ130の車両前方でねじれ変形を生じさせることが可能であれば、3つ以上の第2バンパ固定部を適宜設けてもよい。
図8は、図2の車体前部構造100の一部をフロントバンパ108とともに示す図である。リンフォース152は、図示のように、ロアクロスメンバ142の車幅方向右側の端部199と、フロントバンパ108のフロントロアバンパ114との間に配置され、これら端部199とフロントロアバンパ114を連結している。なお図2に示すリンフォース154は、図示を省略するが、ロアクロスメンバ142の車幅方向左側の端部とフロントロアバンパ114を連結している。
このため、フロントバンパ108に障害物(歩行者)の脚部が衝突した場合、フロントバンパ108が受けた荷重は、一対のリンフォース152、154を介してロアクロスメンバ142の車幅方向の両端まで伝達し分散される。したがって車体前部構造100では、フロントバンパ108が車幅方向の両端で後退することを抑制し、障害物(歩行者)の脚部保護性能を高めることができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施例について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明は、車体前部構造に利用することができる。
100…車体前部構造、102…車両、104…パワーユニット搭載ルーム、106…フロントフード、108…フロントバンパ、110…ラジエータアッパグリル、112…ラジエータロアグリル、114…フロントロアバンパ、116…フードロックメンバ、118、120…ランプサポートブレース、122、124…エプロンサイドメンバエクステンション、126…ラジエータサポートメンバ、128…フードロックリンフォース、130…バンパメンバ、132、134…バンパメンバリンフォース、136…バンパメンバプレート、138、140…エプロンサイドメンバ、142…ロアクロスメンバ、144、146…ロアエプロンサイドメンバエクステンション、148…ラジエータ、150…シュラウド、152、154…リンフォース、156、158…第1バンパ固定部、160、162…第2バンパ固定部、164…第3バンパ固定部、166…シュラウドの下端部、168…下側部位、170…シュラウドの上端部、172…上側部位、174…底部、176、178…連結部、180…前面、182、184…爪部、186…前面の下端、187…底部の後端、188、190…ビード、192…リブ、193…上面、194…薄肉リブ、196、198…薄肉リブの部位、199…ロアクロスメンバの端部

Claims (7)

  1. 車両のフロントバンパと、
    車幅方向に延びてラジエータの下方に配置されるロアクロスメンバと、
    下方向に延び前記フロントバンパを通過する外気を前記ラジエータに導くシュラウドを備え、
    前記シュラウドは、前記ロアクロスメンバの前方に位置して前記フロントバンパの後側に固定されるバンパ固定部を有することを特徴とする車体前部構造。
  2. 記バンパ固定部の周辺には、前側に凸状のビードが形成されていることを特徴とする請求項1に記載の車体前部構造。
  3. 前記シュラウドは、前記シュラウドの底部から第1バンパ固定部に沿って上方に延びるリブを有することを特徴とする請求項1または2に記載の車体前部構造。
  4. 前記シュラウドの底部は、後方にゆくほど下方に傾斜していることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の車体前部構造。
  5. 前記シュラウドの底部は、後方にゆくほど車幅方向に広がる末広がり形状を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の車体前部構造。
  6. 当該車体前部構造は、前記シュラウドと前記ラジエータとの間であって前記バンパ固定部よりも上方に配置され車幅方向に延びるバンパメンバを備え、
    前記シュラウドは、前記バンパメンバの前方に位置して前記フロントバンパの後側に固定される複数の第2バンパ固定部を有し、
    前記複数の第2バンパ固定部は、前後方向の位置が互いに異なる少なくとも2つの第2バンパ固定部を含むことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の車体前部構造。
  7. 当該車体前部構造は、前記ロアクロスメンバの車幅方向の両端と前記フロントバンパとを連結している一対のリンフォースを備えることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の車体前部構造。
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