JP7319482B2 - セラミックス板の製造方法、セラミックス板、複合シート、及び積層基板 - Google Patents

セラミックス板の製造方法、セラミックス板、複合シート、及び積層基板 Download PDF

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Description

本開示は、セラミックス板の製造方法、セラミックス板、複合シート、及び積層基板に関する。
パワーデバイス、トランジスタ、サイリスタ、及びCPU等の部品においては、使用時に発生する熱を効率的に放熱することが求められる。このような要請から、従来、電子部品を実装するプリント配線板の絶縁層の高熱伝導化を図ったり、電子部品又はプリント配線板を、電気絶縁性を有する熱インターフェース材(Thermal Interface Materials)を介してヒートシンクに取り付けたりすることが行われてきた。このような絶縁層及び熱インターフェース材には、放熱部材として、樹脂と窒化ホウ素等のセラミックとで構成される複合シートが用いられる。
このような複合シートとして、多孔性のセラミックス板(例えば、窒化ホウ素焼結板)に樹脂を含浸させた複合シートが検討されている(例えば、特許文献1参照)。また、回路基板と樹脂含浸窒化ホウ素焼結体とを有する積層体において、窒化ホウ素焼結体を構成する一次粒子と回路基板とを直接接触させて、積層体の熱抵抗を低減し、放熱性を改善することも検討されている(例えば、特許文献2参照)。
国際公開第2014/196496号 特開2016-103611号公報
セラミックス板は一般に窒化ホウ素及び焼結助剤を含むブロック状の成形体を焼成し焼結体を得て、これを所定の厚みに切り出すことで製造されている。これに対して、近年、歩留まりを向上させる観点から、窒化ホウ素及び焼結助剤を含む成形体を薄く成形し、これを焼成することによって、直接、セラミックス板を調製する方法が採用されている。
また、複合シートにおける樹脂の充填率を十分なものとするために、セラミックス板の有する細孔の細孔径を大きなものとすることが求められる。そのために、シート状に成形された上記成形体に含まれる焼結助剤の含有量の増加が考えられる。本発明者らの検討によれば、焼結助剤の含有量が多い状態でシート状の成形体を複数枚積層して焼成を行った場合、得られるセラミックス板同士が接着しやすく、これをはく離する際にセラミックス板の破損等を招き得ることが判明した。そこで、シート状の成形体を積層させる際には、シート状の成形体の間に窒化ホウ素を含むスラリーの塗膜を設けて焼成することによって、結晶性が低く、低強度の離型層をセラミックス板の間に形成し、はく離を容易にする方法が試みられている。しかし、このような方法で得られるセラミックス板に対して樹脂を含浸させ、複合シートを調製した場合、得られる複合シートの被着体への接着性が十分発揮されない場合が生じ得る。
本開示は、被着体への接着性に優れる、樹脂との複合シートを調製可能なセラミックス板、及びその製造方法を提供することを目的とする。本開示はまた、上述のセラミックス板を備える、被着体への接着性に優れる複合シートを提供することを目的とする。
本開示は、以下の[1]~[9]を提供する。
[1]
窒化ホウ素及び焼結助剤を含む成形板と、前記成形板の主面の少なくとも一部上に設けられた、窒化ホウ素含有層とを有するシートを焼成して焼成板を得る焼成工程と、
前記焼成板の前記窒化ホウ素含有層に由来する離型層の少なくとも一部を除去する除去工程と、を有する、セラミックス板の製造方法。
[2]
前記シートを複数枚積層して積層体を得る工程を更に有し、
前記焼成工程は、前記積層体を焼成して、複数枚の前記焼成板を得る工程である、[1]に記載の製造方法。
[3]
前記除去工程は、前記焼成板を前記離型層側から研磨する工程である、[1]又は[2]に記載の製造方法。
[4]
前記除去工程は、前記焼成板の前記離型層側から、前記窒化ホウ素含有層の厚さ以上を研磨し、低背化する工程である、[1]~[3]のいずれかに記載のセラミックス板の製造方法。
[5]
窒化ホウ素の一次粒子を含む焼結体で構成され、
研磨面を有する、セラミックス板。
[6]
メジアン細孔径が1.5~4.0μmである、[5]に記載のセラミックス板。
[7]
厚さが2.0mm未満である、[5]又は[6]に記載のセラミックス板。
[8]
細孔を有する窒化物焼結板と、前記細孔に充填された樹脂と、を備え、
前記窒化物焼結板が、[5]~[7]のいずれかに記載のセラミックス板である、複合シート。
[9]
[8]に記載の複合シートと、前記複合シート上に設けられた金属層と、を備える、積層基板。
上述のような複合シートの被着体への接着性が十分に発揮されない場合があることについて、本発明者らが詳細に検討したところ、焼成によって形成される離型層において、鱗片形状を有する窒化ホウ素の一次粒子が、セラミックス板の主面と平行に配向する傾向にあり、接着性を低下させる一因となっていることを見い出した。本開示は、当該知見に基づいてなされたものである。
本開示の一側面は、窒化ホウ素及び焼結助剤を含む成形板と、上記成形板の主面の少なくとも一部上に設けられた、窒化ホウ素含有層とを有するシートを焼成して焼成板を得る焼成工程と、上記焼成板の上記窒化ホウ素含有層に由来する離型層の少なくとも一部を除去する除去工程と、を有する、セラミックス板の製造方法を提供する。
上記セラミックス板の製造方法は、焼成工程によって焼成板を調製した後に、離型層の一部を除去する除去工程を有することによって、被着体との接着性を低下させ得る離型層を低減したセラミックス板を調製することができる。そのため、得られるセラミックス板を用いて調製される、樹脂との複合シートは被着体への優れた接着性を発揮し得る。
上述のセラミックス板の製造方法は、上記シートを複数枚積層して積層体を得る工程を更に有し、上記焼成工程は、上記積層体を焼成して、複数枚の上記焼成板を得る工程であってよい。本開示に係るセラミックス板の製造方法は、離型層の少なくとも一部を除去する工程を有することから、上記シートを積層して焼成した場合であっても、接着性の低下が抑制されたセラミックス板を製造することができ、生産性をより向上させることができる。
上記除去工程は、上記焼成板を上記離型層側から研磨する工程であってよい。上記除去工程を研磨によって行うことで、目的としている厚み分をより確実に除去できる。
上記除去工程は、上記焼成板の上記離型層側から、上記窒化ホウ素含有層の厚さ以上を研磨し、低背化する工程であってよい。上記除去工程における研磨量を上述のような範囲とすることで、離型層の全体をより確実に除去することが可能であり、接着性により優れるセラミックス板を製造できる。
本開示の一側面は、窒化ホウ素の一次粒子を含む焼結体で構成され、研磨面を有する、セラミックス板を提供する。
上記セラミックス板は、研磨面を有することによって、接着性を低下させ得る表面部分が除去されていることで、優れた接着性を発揮し得る。
メジアン細孔径が1.5~4.0μmであってよい。
上記セラミックス板は、厚さが2.0mm未満であってよい。
本開示の一側面は、細孔を有する窒化物焼結板と、上記細孔に充填された樹脂と、を備え、上記窒化物焼結板が、上述のセラミックス板である、複合シートを提供する。
上記複合シートは、上述のセラミックス板によって構成されることから、被着体(例えば、金属シート等)との接着の際に優れた接着性を発揮し得る。
本開示の一側面は、上述の複合シートと、上記複合シート上に設けられた金属層と、を備える、積層基板を提供する。
上記積層基板は、上述の複合シートを備えることから、例えば、ヒートサイクル特性等において優れた性能を発揮し得る。
本開示によれば、被着体への接着性に優れる、樹脂との複合シートを調製可能なセラミックス板、及びその製造方法を提供できる。本開示によればまた、上述のセラミックス板を備える、被着体への接着性に優れる複合シートを提供できる。
図1は、セラミックス板の製造方法の一例を説明するための模式図である。 図2は、セラミックス板の一例を示す斜視図である。 図3は、積層基板の一例を示す模式断面図である。 図4は、実施例におけるセラミックス板の断面のSEM画像である。 図5は、比較例におけるセラミックス板の断面のSEM画像である。
以下、場合により図面を参照して、本開示の実施形態を説明する。ただし、以下の実施形態は、本開示を説明するための例示であり、本開示を以下の内容に限定する趣旨ではない。説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一符号を用い、場合により重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、各要素の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
本明細書において例示する材料は特に断らない限り、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。組成物中の各成分の含有量は、組成物中の各成分に該当する物質が複数存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
セラミックス板の製造方法の一実施形態は、窒化ホウ素及び焼結助剤を含む成形板と、上記成形板の主面の少なくとも一部上に設けられた、窒化ホウ素含有層とを有するシートを焼成して焼成板を得る焼成工程と、上記焼成板の上記窒化ホウ素含有層に由来する離型層の少なくとも一部を除去する除去工程と、を有する。
図1は、セラミックス板の製造方法の一例を説明するための模式図である。図1の(a)は、成形板2と、成形板2の両主面上に設けられた窒化ホウ素含有層3と、を有するシート10を用意し、これを焼成する工程(焼成工程)である。図1の(b)は、焼成工程によって得られる焼成板20の両主面の表層を少なくとも一部除去する工程(除去工程)である。上記焼成板20は、上記成形板2を焼成することで得られる焼結体4(窒化物焼結体)と、上記焼結体4の両主面上に設けられている、上記窒化ホウ素含有層3を焼成することによって得られる離型層5とを有する。図1の(c)は、上記除去工程によって、離型層5を除去して得られるセラミックス板100を示す。図1では、窒化ホウ素含有層3を成形板2の両主面上に設ける例で示したが、一方の主面上に形成されるものであってよい。図1では、離型層5を完全に除去する例で示したが、部分的に除去するような態様であってもよい。
焼成工程で使用する成形板は、例えば、以下のような方法で調製したものであってよい。すなわち、窒化ホウ素及び焼結助剤を含む原料粉末を板状に成形したものであってよい。上記原料粉末は、窒化ホウ素及び焼結助剤の他に、例えば、炭窒化ホウ素等を更に含んでもよい。
窒化ホウ素は、アモルファス状の窒化ホウ素であってよく、六方晶状の窒化ホウ素であってもよい。窒化ホウ素は、例えば、平均粒径が0.5~10.0μmであるアモルファス窒化ホウ素粉末、又は、平均粒径が3.0~40.0μmである六方晶窒化ホウ素粉末を用いることができる。
焼結助剤は、例えば、炭酸リチウム及び炭酸ナトリウム等のアルカリ金属の炭酸塩、炭酸カルシウム、並びにホウ酸等が挙げられる。
成形板は、上記原料粉末を板状に成形することで調製できる。成形は、一軸加圧で行ってよく、冷間等方加圧(CIP)法で行ってもよく、ドクターブレード法で行ってもよい。成形方法は特に限定されず、金型を用いてプレス成形を行って成形板としてもよい。成形圧力は、例えば、5~350MPaであってよい。成形板の厚さは、例えば、2.0mm未満であってよい。ブロック状の窒化物焼結体を調製後に、例えば、ワイヤーソー等によって切断してシート状とする場合に比べて、焼成前の段階からシート状に成形することによって、加工による材料ロスを低減することができる。したがって、高い歩留まりでセラミックス板を製造することができる。
比較的大きなメジアン細孔径を有するセラミックス板を調製する観点から、焼結助剤の含有量を調整してよい。焼結助剤の含有量の下限値は、成形板の全量を基準として、例えば、12質量%以上、13質量%以上、14質量%以上、15質量%以上、16質量%以上、17質量%以上、20質量%以上、又は23質量%以上であってよい。焼結助剤の含有量の下限値が上記範囲内であることで、得られるセラミックス板のメジアン細孔径を大きなものとすることができ、樹脂の充填をより容易なものとすることができる。一方、焼結助剤の含有量が上記範囲内となることで、複数枚の成形板を直接積層した場合には、焼結後の焼結体同士が接着する可能性があるが、本開示に係るセラミックス板の製造方法では、離型層を設けることから、焼結体同士の接着を抑制できる。焼結助剤の含有量の上限値は、成形板の全量を基準として、例えば、35質量%以下、32質量%以下、30質量%以下、27質量%以下、又は25質量%以下であってよい。焼結助剤の含有量の上限値が上記範囲内であることで、焼結体の密度を適度な範囲とすることができ、高い熱伝導性を確保することができる。焼結助剤の含有量の上述の範囲内で調整してよく、成形板の全量を基準として、例えば、12~35質量%、15~27質量%、又は15~25質量%であってよい。
上記成形板上に窒化ホウ素含有層を設けて、焼成にかけるシートを調製する。図1の(a)では、窒化ホウ素含有層3が成形板2の両主面上に一様に窒化ホウ素含有層3が設けられている例で示したが、一方の主面上にのみ形成されていてもよい。また、後述する工程において、離型層5となり、焼結体4同士をはく離できるようであればよく、成形板2の主面上の全面ではなく、部分的に窒化ホウ素含有層3が設けられていてもよい。また、成形板2の側面に窒化ホウ素含有層3が更に設けられていても構わない。上記シートの調製の容易性から、窒化ホウ素含有層3は、成形板2の少なくとも一方の主面上に一様に設けられてよい。
窒化ホウ素含有層は、例えば、窒化ホウ素を含むスラリーを調製し、当該スラリーを上記成形板の主面上に付着させることによって、設けてよい。スラリーを成形板に付着させる方法は特に限定されるものではなく、例えば、スラリーを塗布する方法であってもよく、成形板をスラリーに浸漬させる方法であってもい。
上記スラリーは、窒化ホウ素を、テルピネオール、及びトルエン等の高沸点有機溶剤と、BN粉の結合剤として機能する有機糊剤と、の混合物に分散させることで調製することができる。上記有機糊剤は、例えば、メチルセルロース、及びエチルセルロース等のセルロース系糊剤、並びに、ポリイソブチルメタクリレート等のアクリル系樹脂などが挙げられる。スラリーを形成するための窒化ホウ素としては、アモルファス状の窒化ホウ素であってよく、六方晶状の窒化ホウ素であってもよいが、後に離型性の結晶性を低く抑え、はく離を容易にする観点からは、結晶性の低いアモルファス状の窒化ホウ素を含み、アモルファス状の窒化ホウ素のみからなることが望ましい。スラリーは、好ましくは焼結助剤を含有しない。
焼成工程では、上記シートを焼成して焼成板を得る。焼成工程の焼成温度の下限値は、例えば、1600℃以上、1650℃以上、1700℃以上、又は1800℃以上であってよい。焼成工程の焼成温度の上限値は、例えば、2200℃以下、2100℃以下、又は2000℃以下であってよい。焼成温度は上述の範囲内で調整してよく、例えば、1600~2200℃、1700~2100℃、又は1800~2100℃であってよい。焼成時間は、例えば、1~30時間、2~20時間、3~15時間、又は4~10時間であってよい。
焼成工程は、例えば、窒素、ヘリウム、及びアルゴン等の不活性ガス雰囲気下であってよい。
焼成には、例えば、バッチ式炉及び連続式炉等を用いることができる。バッチ式炉としては、例えば、マッフル炉、管状炉、及び雰囲気炉等を挙げることができる。連続式炉としては、例えば、ロータリーキルン、スクリューコンベア炉、トンネル炉、ベルト炉、プッシャー炉、及び大形連続炉等を挙げることができる。このようにして、焼成板を得ることができる。
除去工程は、上述のようにして調製した焼成板を構成する上記離型層の少なくとも一部を除去する工程である。離型層における窒化ホウ素の一次粒子のうち、セラミックス板の主面と平行に配向するようなものを減らすことによって、セラミックス板を用いて調製される複合シートの接着性を向上させることができる。離型層5のうち焼結体4側の領域は、焼成時に成形板2中の焼結助剤の影響を受け得ることから、焼結体4を構成する窒化ホウ素粒子の配向に影響を受けるため、接着性を低下させるような影響は大きくない。一方で、離型層5のうち焼結体4側とは反対側の領域は、セラミックス板100の主面と平行な方向に窒化ホウ素の一次粒子が成長しやすく、接着性を低下させ得ることから、この領域を除去することで、効果的に接着性を向上し得る。図1の(c)では、離型層5を完全に除去することを想定した例で示したが、上述の観点から、離型層5を部分的に除去する態様であってもよい。除去工程では、例えば、離型層5の焼結体4側とは反対側の表層を除去し、低背化して(厚みを低減して)もよく、離型層5をパターン状に除去する箇所と、維持する箇所とに分けてもよい。
除去工程における離型層5の除去の手段は、例えば、研磨等であってよい。研磨には、例えば、サンドペーパー、及びグラインダー等を使用することができる。セラミックス板のメジアン細孔径が大きな場合(例えば、1.5μm以上)、セラミックス板の破損等をより十分に抑制する観点から、研磨は、サンドペーパー等を使用して行うことが望ましい。上記除去工程は、上記焼成板を上記離型層側から研磨する工程であってよい。
上記除去工程は、上記焼成板20の上記離型層5側から、上記窒化ホウ素含有層3の厚さ以上研磨し、低背化する工程であってよい。上記除去工程における研磨量を上述のような範囲とすることで、離型層の全体をより確実に除去することが可能であり、接着性により優れるセラミックス板を製造できる。
図1では、シート一枚を焼成する想定で説明したが、上述のセラミックス板の製造方法としては、上記シートを複数枚積層して積層体を得る工程を更に有し、上記焼成工程は、上記積層体を焼成して、複数枚の上記焼成板を得る工程であってよい。この場合、積層体を構成する複数枚の成形板は互いに窒化ホウ素含有層を介して積層されている。このようにして、積層体を焼成することによって、セラミックス板は互いに離型層を挟んで配置されることになり、セラミックス板同士をはく離して取り出すことが容易となる。
図2は、セラミックス板の一例を示す斜視図である。セラミックス板100は、一対の主面100a、及び100bを有し、少なくとも一方が研磨面となっている。セラミックス板の一実施形態は、窒化ホウ素の一次粒子を含む焼結体で構成され、研磨面を有する。セラミックス板の少なくとも一方の主面が研磨面であればよいが、両主面が研磨面であることが好ましい。セラミックス板の主面は、切断面(例えば、ワイヤーカットソーによる切断面等)でないことが好ましい。当該セラミックス板は、例えば、上述のセラミックス板の製造方法によって製造することができる。なお、研磨面とは、研磨加工によって形成される微細な溝群である研磨痕を有する面である。溝群の溝の深さの最大値は研磨条件によって異なるが、例えば、20μm以下、又は10μm以下であってよい。上記溝の深さは、光学顕微鏡による測定によって決定することができる。平滑性の高い研磨面とする研磨条件を採用した場合には、研磨痕は顕微鏡で確認することができる。さらに、研磨面が鏡面になるまで研磨してもよい。研磨しなければ鏡面にはならないことから、セラミックス板の主面が鏡面となっていることは、セラミックス板の主面が研磨面であることを意味する。本明細書における鏡面とは、JIS B 0601:1994「製品の幾何特性仕様(GPS)-表面性状:輪郭曲線方式-用語,定義及び表面性状パラメータ」に記載された算術平均粗さRaが0.2μm未満であることをいう。算術平均粗さRaはライン接触式の測定器によって測定することができる。ライン接触式の測定器としては、例えば、株式会社ミツトヨ製の「表面粗さ測定機サーフテストSJ-301」(製品名)等を使用できる。
セラミックス板の細孔径は、セラミックス板自体の機械的強度を維持し、樹脂の充填性を向上させる観点から調整してよい。セラミックス板のメジアン細孔径の下限値は、例えば、1.5μm以上、1.8μm以上、又は2.0μm以上であってよい。上記メジアン細孔径の下限値が上記範囲内であることで、樹脂の充填率をより向上させることができ、樹脂との複合シートを調製した際の被着体への接着性をより向上させることができる。セラミックス板のメジアン細孔径の上限値は、例えば、4.0μm以下、3.5μm以下、又は3.0μm以下であってよい。上記メジアン細孔径の上限値が上記範囲内であることで、セラミックス板の機械的強度の低下を抑制し、取扱い性に優れたものとすることができる。また、上記メジアン細孔径の上限値が上記範囲内であることで、樹脂との複合シートを調製した際、セラミックス板を構成するセラミック粒子間の接触面積を向上させ、熱伝導率を高めることができる。セラミックス板のメジアン細孔径は上述の範囲内で調整してよく、例えば、1.5~4.0μm、1.8~3.0μm、又は2.0~3.0μmであってよい。
セラミックス板のメジアン細孔径は、以下の手順で測定することができる。まず、水銀ポロシメーターを用い、0.0042MPaから206.8MPaまで圧力を増やしながらセラミックス板を加圧したときの細孔径分布を求める。次に、横軸を細孔径、縦軸を累積細孔容積としたときに、累積細孔容積が全細孔容積の50%に達するときの細孔径がメジアン細孔径である。水銀ポロシメーターとしては、例えば、株式会社島津製作所製の「オートポアIV9500」(商品名)を用いることができる。
セラミックス板の気孔率、すなわち、セラミックス板における気孔の体積(V1)の比率は、例えば、30~65体積%、又は40~60体積%であってよい。気孔率が大きくなり過ぎるとセラミックス板の強度が低下する傾向にある。一方、気孔率が小さくなり過ぎると複合シートを調製した際の、被着体と接着される際にしみ出す樹脂量が少なくなる傾向にある。
セラミックス板の気孔率は、セラミックス板の体積及び質量から、かさ密度[B(kg/m)]を算出し、このかさ密度と窒化物の理論密度[A(kg/m)]とから、下記式(1)によって求めることができる。窒化ホウ素の理論密度Aは2280kg/mである。
気孔率(体積%)=[1-(B/A)]×100 … (1)
セラミックス板の厚さは、例えば、2.0mm未満、1.8mm未満、又は1.6mm未満であってよい。このような厚さを有するセラミックス板であることで、例えば、セラミックス板の有する細孔への樹脂の充填がより容易なものとなり、樹脂の充填率に優れる複合シートをより容易に調製することができる。セラミックス板の製造の容易性の観点から、セラミックス板の厚さは、例えば、0.1mm以上、又は0.2mm以上であってよい。セラミックス板の厚さは上述の範囲内で調整してよく、例えば、0.1mm以上2.0mm未満、又は0.2mm以上1.6mm未満であってよい。セラミックス板の厚さは、主面100a,100bに直交する方向に沿って測定される値を意味する。なお、セラミックス板の厚さが一定でない場合には、任意の10箇所を選択して厚みの測定を行い、その算術平均値をセラミックス板の厚さとする。
上述のセラミックス板は、例えば、樹脂組成物を含浸、半硬化させて調製される複合シートの製造に好適に使用できる。複合シートの一実施形態は、細孔を有する窒化物焼結板と、上記細孔に充填された樹脂と、を備える。上記複合シートにおける上記窒化物焼結板は、上述のセラミックス板である。
樹脂は、例えば、主剤及び硬化剤を含む樹脂組成物の半硬化物(Bステージ)を含む。半硬化物は、樹脂組成物の硬化反応が一部進行したものである。半硬化物は、その後の硬化処理によって、更に硬化させることができる。樹脂は、樹脂組成物の硬化物(Cステージ)を含んでもよい。上記樹脂組成物は、熱硬化性樹脂組成物であってよい。
上記半硬化物は、樹脂成分として、樹脂に加えて主剤及び硬化剤等のモノマーを含んでもよい。複合シートに含まれる樹脂が硬化物(Cステージ)となる前の半硬化物(Bステージ)であることは、例えば、示差走査熱量計によって確認することができる。
複合シートに含まれる樹脂の硬化率の下限値は、例えば、10%以上、15%以上、20%以上、25%以上、又は30%以上であってよい。樹脂の硬化率が上記範囲内であると、被着体との接着時における樹脂の過剰な流れ出しを抑制し、接着性が低下することを抑制することができる。樹脂の硬化率の上限値は、例えば、55%以下、50%以下、又は45%以下であってよい。樹脂の硬化率の上限値が上記範囲内であることによって、被着体との接着時において、適度に溶融し、接着界面に樹脂が行き渡ることによって、より優れた接着性を発揮し得る。複合シートに含まれる樹脂の硬化率は上述の範囲内で調整してよく、例えば、10~55%、25~50%、又は30~50%であってよい。
樹脂の硬化率は、示差走査熱量計を用いた測定によって決定することができる。まず、未硬化の状態の樹脂組成物2mgを完全に硬化させた際に生じる単位質量当たりの発熱量Qを測定する。そして、複合シートが備える樹脂から採取したサンプル10mgを同様に昇温させて、完全に硬化させた際に生じる単位質量当たりの発熱量Rを求める。このとき、示差走査熱量計による測定に使用するサンプルの質量は、発熱量Qの測定に用いた樹脂組成物と同一とする。樹脂中に熱硬化性を有する成分がc(質量%)含有されているとすると、下記式(2)によって複合シートに含浸している樹脂組成物の硬化率が求められる。なお、樹脂が完全に硬化したか否かは、示差走査熱量測定によって得られる発熱曲線において、発熱が終了することで確認することができる。
含浸されている樹脂組成物の硬化率(%)={1-[(R/c)×100]/Q}×100 … (2)
樹脂の充填率は、複合シートの接着性を一層高くする観点から調整してよく、例えば、90体積%以上、92体積%以上、94体積%以上、又は96体積%以上であってよい。樹脂の充填率の上限値は、特に限定されるものではないが、例えば、100質量%以下、又は98体積%以下であってよい。樹脂の充填率は上述の範囲内で調整してよく、例えば、90~100体積%、又は94~100体積%であってよい。
樹脂は、例えば、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、シアネート樹脂、シリコーンゴム、アクリル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、ビスマレイミド樹脂、不飽和ポリエステル、フッ素樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンサルファイド、全芳香族ポリエステル、ポリスルホン、液晶ポリマー、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、マレイミド樹脂、マレイミド変性樹脂、ABS(アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン)樹脂、AAS(アクリロニトリル-アクリルゴム・スチレン)樹脂、AES(アクリロニトリル・エチレン・プロピレン・ジエンゴム-スチレン)樹脂、ポリグリコール酸樹脂、ポリフタルアミド、及びポリアセタールからなる群より選ばれる少なくとも一種を含んでいてよい。
上述の複合シートは、被着体との接着性に優れることから、金属シート等と接着し積層基板を調製するために好適に使用できる。積層基板の一実施形態は、上記複合シートと、上記複合シート上に設けられた金属層と、を有する。上記複合シートと、金属層とは複合シートを構成する樹脂の硬化によって接合されていてもよい。図3は、積層基板の一例を厚さ方向に切断したときの断面図である。積層基板300は、複合シート200と、複合シート200の主面200aに接着されている金属層30と、複合シート200の主面200bに接着されている金属層40とを備える。積層基板の変形例では、金属層30,40の両方備えることは必須ではなく、積層基板300の変形例では、金属層30,40の一方のみを備えていてもよい。
金属層30,40は、金属製のものであれば特に制限されない。金属層は、例えば、金属板であってよく、金属箔であってもよい。また金属層30,40は、例えば、回路等のパターンを有してもよい。金属層30,40の材質は、例えば、アルミニウム、及び銅等が挙げられる。金属層30,40の厚さは、互いに独立に、例えば、0.035mm以上、又は10mm以下であってよい。金属層30,40の材質、厚み、及びパターンの有無等は互いに同じであってよく、異なっていてもよい。
積層基板300は、本開示の趣旨に反しない範囲で、複合シート200と金属層30,40の間に樹脂層を有していてもよい。この樹脂層は、複合シート200からしみ出した樹脂が硬化して形成されたものであってよい。積層基板300における複合シート200と金属層30,40とは、しみ出した樹脂によって十分強固に接着されていることから接着性に優れる。このような積層基板は、薄型であるうえに接着性及び放熱性に優れるため、例えば、放熱部材として、半導体装置等に好適に用いることができる。
以上、本開示の幾つかの実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に何ら限定されるものではない。また、上述した実施形態についての説明内容は、互いに適用することができる。
以下、本開示について、実施例及び比較例を用いてより詳細に説明する。なお、本開示は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
新日本電工株式会社製のオルトホウ酸100質量部と、デンカ株式会社製のアセチレンブラック(商品名:HS100)35質量部とをヘンシェルミキサーを用いて混合した。得られた混合物を、黒鉛製のルツボ中に充填し、アーク炉にて、アルゴン雰囲気で、2200℃にて5時間加熱し、塊状の炭化ホウ素(BC)を得た。得られた塊状物を、ジョークラッシャーで粗粉砕して粗粉を得た。この粗粉を、炭化珪素製のボール(φ10mm)を有するボールミルによってさらに粉砕して粉砕粉を得た。
調製した粉砕粉を、窒化ホウ素製のルツボに充填した。その後、抵抗加熱炉を用い、窒素ガス雰囲気下で、2000℃、0.85MPaの条件で10時間加熱した。このようにして炭窒化ホウ素(BCN)及び窒化ホウ素(BN)を含む焼成物を得た。
粉末状のホウ酸と炭酸カルシウムを配合して焼結助剤を調製した。調製にあたっては、100質量部のホウ酸に対して、炭酸カルシウムを50.0質量部配合した。このときのホウ素とカルシウムの原子比率は、ホウ素100原子%に対してカルシウムが17.5原子%であった。こうして、焼成物100質量部に対して焼結助剤を20質量部配合し、ヘンシェルミキサーを用いて混合して粉末状の原料粉末を調製した。
原料粉末を、粉末プレス機を用いて、150MPaで30秒間加圧して、シート状(縦×横×厚さ=50mm×50mm×0.35mm)の成形板を得た。同様の操作によって、成形板を3枚調製した。個々の成形板における焼結助剤の含有量は16.6質量%であった。
次に、アモルファス状の窒化ホウ素(デンカ株式会社製、商品名:GP)30質量部を、テルピネオール60重量部、トルエン30重量部、及びポリイソブチルメタクリレート10重量部の混合物からなる離型剤スラリーに分散させ、スラリーを調製した。得られたスラリーを、上記成形板の一方の主面上にドクターブレード法によって、厚さが0.03mmの塗膜(窒化ホウ素含有層)を設けた。塗膜を設けた成形板を、成形板同士が互いに塗膜を介するようにして積層し、積層体を得た。
得られた積層体を窒化ホウ素製容器に入れ、バッチ式高周波炉に導入した。バッチ式高周波炉において、常圧、窒素流量5L/分、2000℃の条件で5時間加熱した(焼成工程)。その後、窒化ホウ素製容器から窒化ホウ素焼結板(焼結体)と離型層とが交互に重なる積層物を取り出した。積層物を構成する窒化ホウ素焼結板を、シクネスゲージリーフを用いて、はく離し、表層に離型層が残る焼成板を3枚得た。焼成板の厚さは0.39mmであった。
焼成板の両主面を、サンドペーパーによって表層から0.05mmずつ研磨し、表層に残存した離型層を除去した(除去工程)。このようにして、窒化ホウ素の焼結体であるセラミックス板を得た。得られたセラミックス板の厚さは0.29mmであった。セラミックス板の断面SEM画像を図4に示す。図4に示すとおり、セラミックス板の表層付近(図4中、点線で示す位置)においては、セラミックス板の主面に平行な方向に配向しているような窒化ホウ素の一次粒子が除去されていることが確認できた。また得られたセラミックス板の主面に対する光学顕微鏡観察によって、研磨による溝群が形成されていることを確認した。溝群における溝の深さの最大値は、10μmであった。また、研磨は、算術平均粗さRaが1.0~2.0μmの範囲内となるように行った。
(比較例1)
実施例1と同様にして、研磨工程を実施する前の焼成板を調製した。そして、この焼成板を比較例1のセラミックス板とした。セラミックス板の厚さは0.40mmであった。セラミックス板の断面SEM画像を図5に示す。図5に示すとおり、セラミックス板の表層付近(図5中、点線で示す位置)においては、窒化ホウ素の一次粒子がセラミックス板の主面に平行な方向に配向していることが確認できた。
<樹脂(半硬化物)の充填率の測定、及び接着性の評価>
実施例1及び比較例1で得られたセラミックス板を用いて、それぞれ、樹脂との複合シートを調製し、以下に示す方法によって、樹脂(半硬化物)の充填率、及び被着体である金属シートとの接着性を評価した。結果を表1に示す。
[複合シートの作製]
市販のビスマレイミド(ケイ・アイ化成株式会社製、商品名:BMI-80)10質量部エポキシ樹脂(三菱ケミカル株式会社製、商品名:エピコート807)29.5質量部、及び市販のシアネート樹脂(三菱ガス化学株式会社製、商品名:TACN)60質量部に対し、市販の硬化剤(日本合成化学工業株式会社製、商品名:アクメックスH-84B)を0.5質量部配合して、樹脂組成物を調製した。調製した樹脂組成物を120℃で11時間加熱し、硬化率を13%に調整した。硬化率13%の樹脂組成物を、その温度を維持したまま、160℃に加熱されたセラミックス板の主面に滴下した。大気圧下、セラミックス板の主面に滴下した樹脂組成物をシリコーンゴム製のヘラを用いて塗り伸ばし、主面全体に樹脂組成物を塗り広げながら、セラミックス板の有する細孔に含浸させて樹脂組成物含浸体を得た。
樹脂組成物含浸体を、大気圧下、160℃で5分間加熱して樹脂組成物を半硬化させた。このようにして、四角柱状の複合シート(縦×横=50mm×50mm、厚さは、0.29mm又は0.40mm)を作製した。
上記半硬化物に含まれている樹脂組成物の硬化率は、示差走査熱量計を用いた測定によって決定した。実施例1及び比較例1のいずれのセラミックス板を用いて作成した複合シートにおいても、含浸されている樹脂組成物の硬化率は45%であった。これらの複合シートをピール強度の評価用サンプルとした。
[樹脂(半硬化物)の充填率の測定]
複合シートに含まれる樹脂の充填率を、以下の式(3)によって求めた。結果は表1に示すとおりであった。以下の充填率の説明については、セラミックス板は窒化ホウ素焼結板とも表記する。
複合シートにおける樹脂の充填率(体積%)={(複合シートのかさ密度-窒化ホウ素焼結板のかさ密度)/(複合シートの理論密度-窒化ホウ素焼結板のかさ密度)}×100 … (3)
窒化ホウ素焼結板及び複合シートのかさ密度は、JIS Z 8807:2012の「幾何学的測定による密度及び比重の測定方法」に準拠し、窒化ホウ素焼結板又は複合シートの各辺の長さ(ノギスによって測定)から計算した体積と、電子天秤によって測定した窒化ホウ素焼結板又は複合シートの質量に基づいて求めた(JIS Z 8807:2012の9項参照)。複合シートの理論密度は、下記式(4)によって求めた。
複合シートの理論密度=窒化ホウ素焼結板のかさ密度+樹脂の真密度×(1-窒化ホウ素焼結板のかさ密度/窒化ホウ素の真密度) … (4)
窒化ホウ素焼結板及び樹脂の真密度は、JIS Z 8807:2012の「気体置換法による密度及び比重の測定方法」に準拠し、乾式自動密度計を用いて測定した窒化ホウ素焼結板及び樹脂の体積及び質量よって求めた(JIS Z 8807:2012の11項の式(14)~(17)参照)。
[ピール強度の測定]
上述のようにして得られた複合シートのそれぞれを、2枚の銅板(厚さ:0.035mmの銅板と、厚さ:1.0mmの銅板の2枚)間に上記複合シートを配置し、200℃及び5MPaの条件下で5分間加熱及び加圧して、更に200℃及び大気圧の条件下で2時間加熱して得られる積層シートを調製し、これを測定対象とした。測定は、JIS K 6854-1:1999「接着剤-はく離接着強さ試験方法」にしたがって、90°はく離試験を行い、20℃における複合体のピール強度を、万能試験機(株式会社エーアンドディ製、商品名:RTG-1310)を用いて求めた。なお、厚さ:0.035mmの銅板をはく離することで上記試験を行った。試験速度:50mm/分、ロードセル:5kN、測定温度:室温(20℃)の条件で測定を行った。
Figure 0007319482000001
本開示によれば、被着体への接着性に優れる、樹脂との複合シートを調製可能なセラミックス板、及びその製造方法を提供できる。本開示によればまた、上述のセラミックス板を備える、被着体への接着性に優れる複合シートを提供できる。
2…成形板、3…窒化ホウ素含有層、4…焼結体、5…離型層、10…シート、20…焼成板、30,40…金属層、100…セラミックス板、200…複合シート、300…積層基板。

Claims (4)

  1. 窒化ホウ素及び焼結助剤を含む成形板と、前記成形板の主面の少なくとも一部上に設けられた、窒化ホウ素含有層とを有するシートを焼成して焼成板を得る焼成工程と、
    前記焼成板の前記窒化ホウ素含有層に由来する離型層の少なくとも一部を除去する除去工程と、を有する、セラミックス板の製造方法。
  2. 前記シートを複数枚積層して積層体を得る工程を更に有し、
    前記焼成工程は、前記積層体を焼成して、複数枚の前記焼成板を得る工程である、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記除去工程は、前記焼成板を前記離型層側から研磨する工程である、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記除去工程は、前記焼成板の前記離型層側から、前記窒化ホウ素含有層の厚さ以上を研磨し、低背化する工程である、請求項1又は2に記載のセラミックス板の製造方法。
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