JP7314927B2 - 熱電変換モジュール用部材、熱電変換モジュール及び熱電変換モジュール用部材の製造方法 - Google Patents
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Description
[1] 熱電変換層と、前記熱電変換層に接する拡散防止層とを備える熱電変換モジュール用部材であって、
前記熱電変換層が、ケイ素元素またはテルル元素を有する熱電変換材料を含有する層であり、
前記拡散防止層が、金属および前記熱電変換層に含有される熱電変換材料と同一の熱電変換材料を含有する層であり、
前記拡散防止層における前記熱電変換材料の量が、前記金属100重量部に対して10~50重量部である、前記熱電変換モジュール用部材。
[2] 前記熱電変換材料が、25℃において、空間群R-3mに帰属される結晶構造を有するBi2Te3-xSex(0<x<3)を主相とする材料、空間群R-3mに帰属される結晶構造を有するBi2-ySbyTe3(0≦y≦2)を主相とする材料、空間群R3mに帰属される結晶構造を有するGeTeを主相とする材料、空間群R-3mに帰属される結晶構造を有するGeBi2Te4を主相とする材料、空間群P-3m1に帰属される結晶構造を有するGeBi4Te7を主相とする材料、空間群Fm-3mに帰属される結晶構造を有するSnTeを主相とする材料、空間群Fm-3mに帰属される結晶構造を有するPbTeを主相とする材料、CaF2型の結晶構造を有するMg2Si1-zSnz(0≦z<1)を主相とする材料、空間群Cmcaに帰属される結晶構造を有するFeSi2を主相とする材料、チムニーラダー型の結晶構造を有するMnSiγ(1.7≦γ≦1.8)を主相とする材料、および、B20型の結晶構造を有するCoSiを主相とする材料からなる群より選ばれる少なくとも1つの材料である[1]に記載の熱電変換モジュール用部材。
[3] 一対の電極と、前記一対の電極間に設けられた[1]または[2]に記載の熱電変換モジュール用部材とを備える熱電変換モジュール。
[4] 熱電変換層と、前記熱電変換層に接する拡散防止層とを備える熱電変換モジュール用部材の製造方法であって、
成形型に下記材料(1)及び下記材料(2)のうちの一方又はその焼結体を配置することにより、第一の層を形成する第一の工程と、
前記成形型に前記材料(1)及び前記材料(2)のうちの他方又はその焼結体を、前記第一の工程で形成された第一の層と接するように配置することにより、第二の層を形成し、積層体を得る第二の工程と、
第二の工程で得られた積層体を焼結することにより、前記熱電変換モジュール用部材を得る焼結工程と
を有する、前記熱電変換モジュール用部材の製造方法。
材料(1):ケイ素元素またはテルル元素を有する熱電変換材料
材料(2):金属および前記材料(1)と同一の熱電変換材料を前記金属100重量部に対して前記熱電変換材料10~50重量部の割合で含有する組成物
[5] 前記第二の工程において、更に、前記材料(1)及び前記材料(2)のうち、前記第一の層と同一の材料又はその焼結体を、前記第一の層の反対側に、前記第二の層と接するように配置することにより第三の層を形成し、積層体を得ることを含む、[4]に記載の製造方法。
熱電変換材料の最大の熱効率ηoptは下記式(1)で表される。下記式(1)中、THは高温端の温度[単位:K]、TCは低温端の温度[単位:K]、TaveはTHとTCの平均[単位:K]、Zは利用する温度領域における熱電変換材料の熱電変換性能指数zの平均[単位:1/K]である。
本発明の熱電変換モジュール用部材は、熱電変換層と、前記熱電変換層に接する拡散防止層とを備える熱電変換モジュール用部材である。該熱電変換モジュール用部材は、前記熱電変換層または前記拡散防止層を、各々、2層以上備えていてもよい。
本発明の熱電変換モジュール用部材が備える熱電変換層は、ケイ素元素またはテルル元素を有する熱電変換材料を含有する層である。
前記熱電変換材料としては、25℃において、空間群R-3mに帰属される結晶構造を有するBi2Te3-xSex(0<x<3)を主相とする材料、空間群R-3mに帰属される結晶構造を有するBi2-ySbyTe3(0≦y≦2)を主相とする材料、空間群R3mに帰属される結晶構造を有するGeTeを主相とする材料、空間群R-3mに帰属される結晶構造を有するGeBi2Te4を主相とする材料、空間群P-3m1に帰属される結晶構造を有するGeBi4Te7を主相とする材料、空間群Fm-3mに帰属される結晶構造を有するSnTeを主相とする材料、空間群Fm-3mに帰属される結晶構造を有するPbTeを主相とする材料、CaF2型の結晶構造を有するMg2Si1-zSnz(0≦z<1)を主相とする材料、空間群Cmcaに帰属される結晶構造を有するFeSi2を主相とする材料、チムニーラダー型の結晶構造を有するMnSiγ(1.7≦γ≦1.8)を主相とする材料、および、B20型の結晶構造を有するCoSiを主相とする材料からなる群より選ばれる少なくとも1つの材料であることが好ましい。
キャリアがホールであるp型の熱電変換材料としては前記空間群R-3mに帰属される結晶構造を有するBi2-ySbyTe3(0≦y≦2)を主相とする材料と前記チムニーラダー型の結晶構造を有するMnSiγ(1.7≦γ≦1.8)を主相とする材料が挙げられる。
熱電変換材料に含まれるドーパント元素の種類によって、n型の熱電変換材料にも、p型の熱電変換材料にもなり得る熱電変換材料としては、空間群R3mに帰属される結晶構造を有するGeTeを主相とする材料、空間群R-3mに帰属される結晶構造を有するGeBi2Te4を主相とする材料、空間群P-3m1に帰属される結晶構造を有するGeBi4Te7を主相とする材料、空間群Fm-3mに帰属される結晶構造を有するSnTeを主相とする材料、空間群Fm-3mに帰属される結晶構造を有するPbTeを主相とする材料、CaF2型の結晶構造を有するMg2Si1-zSnz(0≦z<1)を主相とする材料、空間群Cmcaに帰属される結晶構造を有するFeSi2を主相とする材料、および、B20型の結晶構造を有するCoSiを主相とする材料が挙げられる。
熱電変換層中の熱電変換材料は、一種単独で含まれていても二種以上含まれていてもよい。
熱電変換層中の熱電変換材料以外のその他の材料は、一種単独で含まれていても二種以上含まれていてもよい。
本発明の熱電変換モジュール用部材が備える拡散防止層は、金属および前記熱電変換層に含有される熱電変換材料と同一の熱電変換材料を含有する層である。
拡散防止層中の熱電変換材料は、一種単独で含まれていても二種以上含まれていてもよい。
前記拡散防止層において、前記熱電変換材料の量は、前記金属100重量部に対して10~50重量部であり、11~45重量部であることが好ましく、25重量部~45重量部であることがより好ましく、35重量部~43重量部であることが特に好ましい。
該遷移金属の中でも、融点が500℃以上である遷移金属が好ましく、3d遷移金属、4d遷移金属またはTaがより好ましく、3d遷移金属または4d遷移金属が更に好ましく、3d遷移金属(中でも、Ni)が特に好ましい。3d遷移金属としては、例えば、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、NiまたはCuが挙げられ、Mn、Fe、Co、NiまたはCuが好ましく、Fe、CoまたはNiがより好ましい。4d遷移金属としては、例えば、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、PdまたはAgが挙げられ、Nb、Mo、PdまたはAgが好ましい。
拡散防止層中の金属は、一種単独で含まれていても二種以上含まれていてもよい。
海島状相分離構造とは、互いに非相溶である海状の熱電変換材料の領域と、島状の金属の領域とを有する相分離構造である。
海状の熱電変換材料の領域は、前記熱電変換材料が存在する領域であり、島状の金属の領域は、前記金属の粒子、またはその粒子の凝集体が存在する領域(以下、島状相と呼ぶことがある。)である。
このような構造を有することで、熱電変換層と拡散防止層の間の接合性が向上する。
拡散防止層中のその他の成分は、一種単独で含まれていても二種以上含まれていてもよい。
本発明の熱電変換モジュール用部材は、少なくとも一層の熱電変換層と少なくとも一層の拡散防止層とを有しており、各層は接している。
本発明の熱電変換モジュール用部材において、熱電変換層及び拡散防止層が、各々、二層以上存在する場合、少なくとも一層の熱電変換層に含有される熱電変換材料と、該熱電変換層と接する少なくとも一層の拡散防止層に含有される熱電変換材料とが、同一であればよい。また、本発明の熱電変換モジュール用部材において、熱電変換層及び/又は拡散防止層に含有される熱電変換材料が二種以上である場合、熱電変換層に含有される少なくとも一種の熱電変換材料と、該熱電変換層と接する拡散防止層に含有される少なくとも一種の熱電変換材料とが、同一であればよい。
図1は、本発明の一実施形態である熱電変換モジュール用部材(a)の構造を示す模式断面図である。この熱電変換モジュール用部材は、拡散防止層2と熱電変換層3とが、この順に隣接して接合した積層体である。
本発明の熱電変換モジュールは、一対の電極と、前記一対の電極間に設けられた前記熱電変換モジュール用部材とを備える。また、本発明の熱電変換モジュールは、一対の電極及び熱電変換モジュール用部材以外の要素を備えていてもよい。
図2及び図3は、本発明の一実施形態である熱電変換モジュールの構造を示す模式断面図である。図2の熱電変換モジュール5-bは、加熱する側の電極(本明細書において、高温側電極と呼ぶことがある。)4-aを加熱すると、温度差により加熱されない側の電極(本明細書において、低温側電極と呼ぶことがある。)4-bと高温側電極4-aとの間に電位差が生じる。例えば、熱電変換モジュール5-aの熱電変換層に含まれる熱電変換材料において、キャリアがホールであるp型熱電変換材料の場合、低温側電極4-bが高温側電極4-aよりも高電位となる。このとき、高温側電極4-aと低温側電極4-bとの間に外部負荷6を配線7および8によって電気的に接続することによって、配線8から外部負荷6を経由して配線7の方向に電流が流れることとなる。
本発明の一実施形態において、熱電変換モジュールは、高温側電極と、拡散防止層と、熱電変換層と、拡散防止層と、熱電変換層と、低温側電極とが、この順に隣接して接合した積層体である。2つの拡散防止層は、それぞれ互いに同一であっても異なっていてもよい。2つの熱電変換層は、それぞれ互いに同一であっても異なっていてもよい。
本発明の一実施形態において、熱電変換モジュールは、高温側電極と、拡散防止層と、熱電変換層と、拡散防止層と、熱電変換層と、拡散防止層と、低温側電極とが、この順に隣接して接合した積層体である。3つの拡散防止層は、それぞれ互いに同一であっても異なっていてもよい。2つの熱電変換層は、それぞれ互いに同一であっても異なっていてもよい。
前記一対の電極は、同一の金属であっても異なる金属であってもよい。
図3に示す熱電変換モジュール5-cには、キャリアがホールであるp型の熱電変換材料を用いたp型熱電変換層3-aと拡散防止層2-aとを備えるp型熱電変換モジュール用部材1-aと、キャリアが電子であるn型の熱電変換材料を用いたn型熱電変換層3-bと拡散防止層2-bとを備えるn型熱電変換モジュール用部材1-bとが、高温側電極4-aを介してπ型に並べられたものである。図3の熱電変換モジュール5-cの高温側電極4-a側を加熱すると、温度差により低温側電極4-bが低温側電極4-b′よりも高電位となる。このとき、低温側電極4-bと低温側電極4-b′との間に外部負荷6を配線7と配線8により電気的に接続することにより、配線8から外部負荷6を介して配線7の方向に電流が流れることとなる。
本発明の熱電変換モジュール用部材の製造方法は、
熱電変換層と、前記熱電変換層に接する拡散防止層とを備える熱電変換モジュール用部材の製造方法であって、
成形型に下記材料(1)及び下記材料(2)のうちの一方又はその焼結体を配置することにより、第一の層を形成する第一の工程と、
前記成形型に前記材料(1)及び前記材料(2)のうちの他方又はその焼結体を、前記第一の工程で形成された第一の層と接するように配置することにより、第二の層を形成し、積層体を得る第二の工程と、
第二の工程で得られた積層体を焼結することにより、前記熱電変換モジュール用部材を得る焼結工程と
を有する、前記熱電変換モジュール用部材の製造方法である。
材料(1):ケイ素元素またはテルル元素を有する熱電変換材料
材料(2):金属および前記材料(1)と同一の熱電変換材料を前記金属100重量部に対して前記熱電変換材料10~50重量部の割合で含有する組成物
材料(1)において、熱電変換材料は、一種単独で含まれていても二種以上含まれていてもよい。
材料(2)において、熱電変換材料及び金属は、各々、一種単独で含まれていても二種以上含まれていてもよい。
このような焼結方法により高密度の焼結体が得られ、この焼結体を用いて製造される熱電変換モジュール用部材は、拡散防止層と熱電変換層との接合性が向上する。
製造方法(a-1):成形型に前記材料(1)及び前記材料(2)のうちの一方の粉末を配置することにより、第一の層を形成する第一の工程と、
前記成形型に前記材料(1)及び前記材料(2)のうちの他方の焼結体を、前記第一の工程で形成された第一の層と接するように配置することにより、第二の層を形成し、積層体を得る第二の工程と、
第二の工程で得られた積層体を焼結することにより、前記熱電変換モジュール用部材を得る焼結工程と、を有する熱電変換モジュール用部材の製造方法。
前記成形型に前記材料(1)及び前記材料(2)のうちの他方の粉末を、前記第一の工程で形成された第一の層と接するように配置することにより、第二の層を形成し、積層体を得る第二の工程と、
第二の工程で得られた積層体を焼結することにより、前記熱電変換モジュール用部材を得る焼結工程と、を有する熱電変換モジュール用部材の製造方法。
前記成形型に前記材料(1)及び前記材料(2)のうちの他方の粉末を、前記第一の工程で形成された第一の層と接するように配置することにより、第二の層を形成し、積層体を得る第二の工程と、
第二の工程で得られた積層体を焼結することにより、前記熱電変換モジュール用部材を得る焼結工程と、を有する熱電変換モジュール用部材の製造方法。
前記成形型に前記材料(1)及び前記材料(2)のうちの他方の焼結体を、前記第一の工程で形成された第一の層と接するように配置することにより、第二の層を形成し、積層体を得る第二の工程と、
第二の工程で得られた積層体を焼結することにより、前記熱電変換モジュール用部材を得る焼結工程と、を有する熱電変換モジュール用部材の製造方法。
製造方法(b-1):成形型に前記材料(1)及び前記材料(2)のうちの一方の粉末を配置することにより、第一の層を形成する第一の工程と、
前記成形型に前記材料(1)及び前記材料(2)のうちの他方の粉末を、前記第一の工程で形成された第一の層と接するように配置することにより、第二の層を形成し、積層体を得る第二の工程と、
前記成形型に前記材料(1)または前記材料(2)の粉末を、前記第二の工程で得られた積層体の前記第二の層と接するように配置することにより第三の層を形成し、積層体を得る第三の工程と、
第三の工程で得られた積層体を焼結することにより、前記熱電変換モジュール用部材を得る焼結工程と、を有する熱電変換モジュール用部材の製造方法。
製造方法(b-2):成形型に前記材料(1)及び前記材料(2)のうちの一方の焼結体を配置することにより、第一の層を形成する第一の工程と、
前記成形型に前記材料(1)及び前記材料(2)のうちの他方の粉末を、前記第一の工程で形成された第一の層と接するように配置することにより、第二の層を形成し、積層体を得る第二の工程と、
前記成形型に前記材料(1)または前記材料(2)の粉末を、前記第二の工程で得られた積層体の前記第二の層と接するように配置することにより第三の層を形成し、積層体を得る第三の工程と、
第三の工程で得られた積層体を焼結することにより、前記熱電変換モジュール用部材を得る焼結工程と、を有する熱電変換モジュール用部材の製造方法。
製造方法(b-3):成形型に前記材料(1)及び前記材料(2)のうちの一方の粉末を配置することにより、第一の層を形成する第一の工程と、
前記成形型に前記材料(1)及び前記材料(2)のうちの他方の焼結体を、前記第一の工程で形成された第一の層と接するように配置することにより、第二の層を形成し、積層体を得る第二の工程と、
前記成形型に前記材料(1)または前記材料(2)の粉末を、前記第二の工程で得られた積層体の前記第二の層と接するように配置することにより第三の層を形成し、積層体を得る第三の工程と、
第三の工程で得られた積層体を焼結することにより、前記熱電変換モジュール用部材を得る焼結工程と、を有する熱電変換モジュール用部材の製造方法。
製造方法(b-4):成形型に前記材料(1)及び前記材料(2)のうちの一方の粉末を配置することにより、第一の層を形成する第一の工程と、
前記成形型に前記材料(1)及び前記材料(2)のうちの他方の粉末を、前記第一の工程で形成された第一の層と接するように配置することにより、第二の層を形成し、積層体を得る第二の工程と、
前記成形型に前記材料(1)または前記材料(2)の焼結体を、前記第二の工程で得られた積層体の前記第二の層と接するように配置することにより第三の層を形成し、積層体を得る第三の工程と、
第三の工程で得られた積層体を焼結することにより、前記熱電変換モジュール用部材を得る焼結工程と、を有する熱電変換モジュール用部材の製造方法。
製造方法(b-5):成形型に前記材料(1)及び前記材料(2)のうちの一方の焼結体を配置することにより、第一の層を形成する第一の工程と、
前記成形型に前記材料(1)及び前記材料(2)のうちの他方の焼結体を、前記第一の工程で形成された第一の層と接するように配置することにより、第二の層を形成し、積層体を得る第二の工程と、
前記成形型に前記材料(1)または前記材料(2)の粉末を、前記第二の工程で得られた積層体の前記第二の層と接するように配置することにより第三の層を形成し、積層体を得る第三の工程と、
第三の工程で得られた積層体を焼結することにより、前記熱電変換モジュール用部材を得る焼結工程と、を有する熱電変換モジュール用部材の製造方法。
製造方法(b-6):成形型に前記材料(1)及び前記材料(2)のうちの一方の焼結体を配置することにより、第一の層を形成する第一の工程と、
前記成形型に前記材料(1)及び前記材料(2)のうちの他方の粉末を、前記第一の工程で形成された第一の層と接するように配置することにより、第二の層を形成し、積層体を得る第二の工程と、
前記成形型に前記材料(1)または前記材料(2)の焼結体を、前記第二の工程で得られた積層体の前記第二の層と接するように配置することにより第三の層を形成し、積層体を得る第三の工程と、
第三の工程で得られた積層体を焼結することにより、前記熱電変換モジュール用部材を得る焼結工程と、を有する熱電変換モジュール用部材の製造方法。
製造方法(b-7):成形型に前記材料(1)及び前記材料(2)のうちの一方の粉末を配置することにより、第一の層を形成する第一の工程と、
前記成形型に前記材料(1)及び前記材料(2)のうちの他方の焼結体を、前記第一の工程で形成された第一の層と接するように配置することにより、第二の層を形成し、積層体を得る第二の工程と、
前記成形型に前記材料(1)または前記材料(2)の焼結体を、前記第二の工程で得られた積層体の前記第二の層と接するように配置することにより第三の層を形成し、積層体を得る第三の工程と、
第三の工程で得られた積層体を焼結することにより、前記熱電変換モジュール用部材を得る焼結工程と、を有する熱電変換モジュール用部材の製造方法。
製造方法(b-8):成形型に前記材料(1)及び前記材料(2)のうちの一方の焼結体を配置することにより、第一の層を形成する第一の工程と、
前記成形型に前記材料(1)及び前記材料(2)のうちの他方の焼結体を、前記第一の工程で形成された第一の層と接するように配置することにより、第二の層を形成し、積層体を得る第二の工程と、
前記成形型に前記材料(1)または前記材料(2)の焼結体を、前記第二の工程で得られた積層体の前記第二の層と接するように配置することにより第三の層を形成し、積層体を得る第三の工程と、
第三の工程で得られた積層体を焼結することにより、前記熱電変換モジュール用部材を得る焼結工程と、を有する熱電変換モジュール用部材の製造方法。
上述の製造方法において、第一の工程及び/又は第二の工程で成形型中に配置された粉末は、その工程中に焼結処理してもよい。
本発明の熱電変換モジュール用部材の製造方法において、第一の層が拡散防止層であり、第二の層が熱電変換層であることが好ましく、第一の層が拡散防止層であり、第二の層が熱電変換層であり、第三の層が拡散防止層であることがより好ましい。
本発明の熱電変換モジュール用部材の製造方法は、第一の工程及び/又は第二の工程の前後にその他の工程を有していてもよい。
[材料1-1]
純度99.9%以上の原料元素(Ge、Te、Cu、Bi)、(Ge;フルウチ化学製、TeとBi;大阪アサヒメタル製、Cu;高純度化学製)を組成式Ge0.95Bi0.05Cu0.03Teとなるように所定の組成比で混合し、石英管中で真空封管(2×10-4Pa)し、電気炉内(950℃×5時間)で溶融した後、水で急冷した。得られた試料をメノウ乳鉢で粉砕し、多結晶体の粉末状のGe0.95Bi0.05Cu0.03Teを材料1-1として得た。
豊島製作所製のMnSi1.73をメノウ乳鉢で粉砕し、粉末状のMnSi1.73を材料1-2として得た。
[材料2-1]
金属Ni粉(フルウチ化学製、純度99.9%以上、-100mesh)を材料2-1とした。即ち、材料2-1は、材料(1):金属Ni=0:100(重量基準)である。
材料1-1(0.10g)に、金属Ni粉(1.90g、フルウチ化学製、純度99.9%以上、-100mesh)を混合し材料2-2を得た。即ち、材料2-2は、材料(1):金属Ni=5:95(重量基準)である。
材料1-1(0.16g)に、金属Ni粉(1.44g、フルウチ化学製、純度99.9%以上、-100mesh)を混合し材料2-3を得た。即ち、材料2-3は、材料(1):金属Ni=10:90(重量基準)である。
材料1-1(0.45g)に、金属Ni粉(1.05g、フルウチ化学製、純度99.9%以上、-100mesh)を混合し材料2-4を得た。即ち、材料2-4は、材料(1):金属Ni=30:70(重量基準)である。
材料1-1(1.74g)に、金属Ni粉(1.74g、フルウチ化学製、純度99.9%以上、-100mesh)を混合し材料2-5を得た。即ち、材料2-5は、材料(1):金属Ni=50:50(重量基準)である。
材料1-2(0.10g)に、金属Ni粉(0.90g、フルウチ化学製、純度99.9%以上、-100mesh)を混合し材料2-6を得た。即ち、材料2-6は、材料(1):金属Ni=10:90(重量基準)である。
[参考例1]
放電プラズマ焼結用のカーボン製のダイの中にカーボン製のパンチを入れ、材料2-3を0.3g充填し、材料1-1を2.5g充填し、材料2-3を0.3g充填した後、カーボン製のパンチで蓋をした。下記条件で放電プラズマ焼結にて焼結処理し、熱電変換モジュール用部材を得た。
装置:ドクターシンターラボSPS-511S(富士電波工機社製)
ダイ:カーボン製ダイ内径10mmφ
雰囲気:アルゴン0.05MPa
印加圧力:40MPa
加熱温度:550℃
保持時間:10分間
放電プラズマ焼結用のカーボン製のダイの中にカーボン製のパンチを入れ、材料2-4を0.3g充填し、材料1-1を2.5g充填し、材料2-4を0.3g充填した後、カーボン製のパンチで蓋をした。放電プラズマ焼結にて焼結処理し、熱電変換モジュール用部材を得た。放電プラズマ焼結は、参考例1と同様の条件でおこなった。
放電プラズマ焼結用のカーボン製のダイの中にカーボン製のパンチを入れ、材料2-6を0.3g充填し、材料1-2を1.1g充填し、材料2-6を0.3g充填した後、カーボン製のパンチで蓋をした。放電プラズマ焼結にて焼結処理し、熱電変換モジュール用部材を得た。放電プラズマ焼結は、加熱温度を800℃とした以外は参考例1と同様の条件でおこなった。
放電プラズマ焼結用のカーボン製のダイの中にカーボン製のパンチを入れ、材料2-1を0.3g充填し、材料1-1を2.5g充填し、材料2-1を0.3g充填した後、カーボン製のパンチで蓋をした。放電プラズマ焼結にて焼結処理し、熱電変換モジュール用部材を得た。放電プラズマ焼結は、参考例1と同様の条件でおこなった。
放電プラズマ焼結用のカーボン製のダイの中にカーボン製のパンチを入れ、材料2-2を0.3g充填し、材料1-1を2.5g充填し、材料2-2を0.3g充填した後、カーボン製のパンチで蓋をした。放電プラズマ焼結にて焼結処理し、熱電変換モジュール用部材を得た。放電プラズマ焼結は、参考例1と同様の条件でおこなった。
放電プラズマ焼結用のカーボン製のダイの中にカーボン製のパンチを入れ、材料2-5を0.3g充填し、材料(1-1)を2.5g充填し、材料2-5を0.3g充填した後、カーボン製のパンチで蓋をした。放電プラズマ焼結にて焼結処理し、熱電変換モジュール用部材を得た。放電プラズマ焼結は、参考例1と同様の条件でおこなった。
参考例1において、材料2-3を充填しなかった以外は、参考例1と同様にして、熱電変換モジュール用部材を得た。
実施例2、参考例1及び参考例2、比較例4で作製した各熱電変換モジュール用部材の初期抵抗率ρ(0)測定した。抵抗率測定は、以下の方法で実施した。拡散防止層を底面として、高さ、幅、奥行きの長さがそれぞれ、高さ5~6mm、幅1~3mm、奥行き1~3mmの範囲内となるように直方体状に切り出した熱電変換モジュール用部材について、高さ方向の抵抗値を2端子法で測定した。端子には銅板を用い、In-Ga半田にて端子と該熱電変換モジュール用部材とを電気的に接続した。得られた抵抗値から、熱電変換モジュール用部材の初期抵抗率ρ(0)を算出した。次に、In-Ga半田をセラミックス板に均一に塗布し、その上に直方体状の熱電変換モジュール用部材を拡散防止層が底面となるようにして置くことによりサンプルを作製した。このサンプルを500℃に熱したオーブンに入れ、12時間が経過した後にサンプルを取り出し、セラミックス板から熱電変換モジュール用部材を取り外して、熱電変換モジュール用部材の抵抗率(12h)を上記と同様の方法で測定した。ここで、初期抵抗率ρ(0)と抵抗率ρ(12h)との比が小さいほど、熱電変換モジュール用部材の耐熱性が高いと評価できる。得られた結果を表1に示す。Inは高純度化学社製の純度99.999%の試薬(型番:INE13GB)を用い、Gaは高純度化学社製の純度99.9999%の試薬(型番:GAE14PB)を用い、InとGaの重量比率が25:75となるように秤量してホットプレートで加熱しながら攪拌することで均一なIn-Ga半田を得た。
1-a:p型熱電変換モジュール用部材
1-b:n型熱電変換モジュール用部材
2、2-a、2-b:拡散防止層
3:熱電変換層
3-a:p型熱電変換層
3-b:n型熱電変換層
4-a:高温側電極
4-b、4-b′:低温側電極
5-b、5-c:熱電変換モジュール
6:外部負荷
7、8:配線
Claims (4)
- 熱電変換層と、前記熱電変換層に接する拡散防止層とを備える熱電変換モジュール用部材であって、
前記熱電変換層が、25℃において、空間群R3mに帰属される結晶構造を有するGeTeを主相とする材料、空間群R-3mに帰属される結晶構造を有するGeBi 2 Te 4 を主相とする材料、又は空間群P-3m1に帰属される結晶構造を有するGeBi 4 Te 7 を主相とする材料である熱電変換材料を含有する層であり、
前記拡散防止層が、金属および前記熱電変換層に含有される熱電変換材料と同一の熱電
変換材料を含有する層であり、
前記拡散防止層における前記熱電変換材料の量が、前記金属100重量部に対して25
~45重量部である、前記熱電変換モジュール用部材。 - 一対の電極と、前記一対の電極間に設けられた請求項1に記載の熱電変換モジュール用部材とを備える熱電変換モジュール。
- 熱電変換層と、前記熱電変換層に接する拡散防止層とを備える熱電変換モジュール用部材の製造方法であって、
成形型に下記材料(1)及び下記材料(2)のうちの一方又はその焼結体を配置することにより、第一の層を形成する第一の工程と、
前記成形型に前記材料(1)及び前記材料(2)のうちの他方又はその焼結体を、前記第一の工程で形成された第一の層と接するように配置することにより、第二の層を形成し、積層体を得る第二の工程と、
第二の工程で得られた積層体を焼結することにより、前記熱電変換モジュール用部材を
得る焼結工程とを有する、前記熱電変換モジュール用部材の製造方法。
材料(1):25℃において、空間群R3mに帰属される結晶構造を有するGeTeを主相とする材料、空間群R-3mに帰属される結晶構造を有するGeBi 2 Te 4 を主相とする材料、又は空間群P-3m1に帰属される結晶構造を有するGeBi 4 Te 7 を主相とする材料
材料(2):金属および前記材料(1)と同一の熱電変換材料を前記金属100重量部に対して前記熱電変換材料25~45重量部の割合で含有する組成物 - 熱電変換層と、前記熱電変換層に接する拡散防止層とを備える熱電変換モジュール用部
材の製造方法であって、
成形型に下記材料(1)及び下記材料(2)のうちの一方又はその焼結体を配置するこ
とにより、第一の層を形成する第一の工程と、
前記成形型に前記材料(1)及び前記材料(2)のうちの他方又はその焼結体を、前記
第一の工程で形成された第一の層と接するように配置することにより、第二の層を形成し
、積層体を得る第二の工程と、
第二の工程で得られた積層体を焼結することにより、前記熱電変換モジュール用部材を
得る焼結工程と
を有し、
前記第二の工程において、更に、前記材料(1)及び前記材料(2)のうち、前記第一
の層と同一の材料又はその焼結体を、前記第一の層の反対側に、前記第二の層と接するよ
うに配置することにより第三の層を形成し、積層体を得ることを含む、熱電変換モジュール用部材の製造方法。
材料(1):ケイ素元素またはテルル元素を有する熱電変換材料
材料(2):金属および前記材料(1)と同一の熱電変換材料を前記金属100重量部に
対して前記熱電変換材料10~50重量部の割合で含有する組成物
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